(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-22
(45)【発行日】2022-08-01
(54)【発明の名称】測定データ入力支援装置
(51)【国際特許分類】
G08C 19/00 20060101AFI20220725BHJP
G08C 15/00 20060101ALI20220725BHJP
G08C 15/06 20060101ALI20220725BHJP
【FI】
G08C19/00 301A
G08C15/00 E
G08C15/06 J
(21)【出願番号】P 2018015568
(22)【出願日】2018-01-31
【審査請求日】2021-01-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000141060
【氏名又は名称】株式会社関電工
(74)【代理人】
【識別番号】100075410
【氏名又は名称】藤沢 則昭
(74)【代理人】
【識別番号】100135541
【氏名又は名称】藤沢 昭太郎
(72)【発明者】
【氏名】中島 栄一
(72)【発明者】
【氏名】岡 信哉
(72)【発明者】
【氏名】山口 紘輝
【審査官】細見 斉子
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-362557(JP,A)
【文献】国際公開第2016/056297(WO,A1)
【文献】特開2015-153090(JP,A)
【文献】特開2003-272081(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0118164(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08C 13/00-25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類の測定器及び複数種類の記憶媒体と接続可能な測定データ入力支援装置であって、
当該測定データ入力支援装置は、
ユーザからデータ・命令の入力を受け付ける入力手段と、
図面を表示する表示手段と、
前記測定器から測定データを受信する第1通信手段と、
当該第1通信手段が受信した測定データを解釈・特定する解釈手段と、
解釈・特定された測定データを、出力先の前記記憶媒体に入力可能な形式に変換して前記記憶媒体に出力する第2通信手段と、を有し、
前記入力手段が、前記表示手段に表示された図面上の測定ポイントを示す測定ポイントマーカーが測定データの入力先である旨の命令を受け付け、前記第1通信手段が、前記測定器から前記測定データを受信すると、
前記解釈手段が、受信した前記測定データを解釈・特定し、
前記第2通信手段が、解釈・特定された前記測定データを、出力先の前記記憶媒体に入力可能な形式に変換し、変換した測定データを、前記測定ポイントマーカーの座標データに関連付けて、出力先の前記記憶媒体に記憶することを特徴とする、測定データ入力支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定器が測定データを出力する際の通信方式や出力する測定データの形式に関わらず、任意の記憶媒体に測定データを入力させる、測定データ入力支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、測定器が測定データを出力する際の通信方式や出力する測定データの形式は、各測定器の仕様に依存するため、バラバラで統一化されていない。
【0003】
例えば、照度計の場合、測定結果をアナログ信号で出力するタイプもあれば、デジタル信号で出力するタイプもある。
【0004】
一方、測定データを入力する、情報処理装置に格納されている記憶媒体が採用している通信方式やデータ形式に合わせるため、所定の通信方式で出力されている測定データを別の通信方式に変換したい。あるいは、別のデータ形式に変換したいという要望がある。そのような場合には、測定器から出力された測定データについて、記憶媒体に記憶されるまでの間に、通信方式やデータ形式を変換する必要がある。
【0005】
例えば、特許文献1では、以下の構成が開示されている。分光器は波長毎に測定を行って測定結果をアナログ信号としてデータ取込機へ伝送する。データ取込機は、アナログ信号を所要値に変換してコンピュータへ伝送し、コンピュータで解析を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1で開示されているような、測定器から得られた測定データを、情報処理装置に入力可能な構成に変換して、情報処理装置に入力する構成では、受信した測定データについて、1)測定データを受信する処理、2)特定した測定データの内容を解釈・特定する処理、3)解釈・特定した測定データを、入力先の情報処理装置に格納されている記憶媒体に、入力可能なデータ形式に変換する処理を、一緒にまとめて実行する場合が多い。
【0008】
このような構成は、その測定器が採用している通信方式及びデータ形式、入力先の情報処理装置の記憶媒体に入力可能なデータ形式に合わせて開発した、当該測定器及び当該情報処理装置の記憶媒体専用の構成である。そのため、別の通信方式及びデータ形式を採用している測定器や、入力可能なデータ形式が異なる情報処理装置の記憶媒体には、対応できない。
【0009】
また、上記特許文献1で開示されている構成のように、上記1)~3)の処理をまとめて実行する構成を、別の通信方式及びデータ形式を採用している測定器や、入力可能なデータ形式が異なる情報処理装置の記憶媒体に対応させようとする場合、一部の改変では対応できず、別途新たに最初から開発を行う必要がある。
【0010】
そこで本発明は、上記問題点に対処するため、装置全体を新たに最初から開発を行う必要なく、一部の改変で、測定器が測定データを出力する際の通信方式や出力する測定データの形式に関わらず、任意の記憶媒体に測定データを記憶させることが可能な、測定データ入力支援装置、測定データ入力支援装置を用いた方法、及び測定データ入力支援装置に手順を実行させるプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、
複数種類の測定器及び複数種類の記憶媒体と接続可能な測定データ入力支援装置であって、
当該測定データ入力支援装置は、
ユーザからデータ・命令の入力を受け付ける入力手段と、
図面を表示する表示手段と、
前記測定器から測定データを受信する第1通信手段と、
当該第1通信手段が受信した測定データを解釈・特定する解釈手段と、
解釈・特定された測定データを、出力先の前記記憶媒体に入力可能な形式に変換して前記記憶媒体に出力する第2通信手段と、を有し、
前記入力手段が、前記表示手段に表示された図面上の測定ポイントを示す測定ポイントマーカーが測定データの入力先である旨の命令を受け付け、前記第1通信手段が、前記測定器から前記測定データを受信すると、
前記解釈手段が、受信した前記測定データを解釈・特定し、
前記第2通信手段が、解釈・特定された前記測定データを、出力先の前記記憶媒体に入力可能な形式に変換し、変換した測定データを、前記測定ポイントマーカーの座標データに関連付けて、出力先の前記記憶媒体に記憶する、測定データ入力支援装置とした。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、装置全体を新たに最初から開発を行う必要なく、一部の改変で、測定器と記憶媒体の様々な組み合わせを容易に構築することが可能となり、優れた汎用性・拡張性を有する。また、測定器の測定データの通信方式や測定データの方式に関わらず、任意の記憶媒体にダイレクトに記憶させることができるため、高いユーザビリティを有し、また既存データを活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施の形態例1の測定データ入力支援システムの全体的な構成を例示的に示す図である。
【
図2】本発明の実施の形態例1の測定データ入力支援システムの測定データ入力支援装置の構成を例示的に示す図である。
【
図3】本発明の実施の形態例1の測定データ入力支援システムに係る測定データ入力支援装置の図面データ記憶領域の構造を模式的に示した図である。
【
図4】本発明の実施の形態例1の測定データ入力支援システムに係る測定データ入力支援装置の表示装置上に図面データが表示された状態を例示的に示す図である。
【
図5】本発明の実施の形態例1の測定データ入力支援システムに係る測定データ入力支援装置の表示装置上に操作メニューが表示された状態を例示的に示す図である。
【
図6】本発明の実施の形態例1の測定データ入力支援システムが実行する処理の手順を示す流れ図である。
【
図7】本発明の実施の形態例1の測定データ入力支援システムが実行する処理の手順を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施の形態例を詳細に説明する。ただし、この実施の形態例に記載されている構成要素はあくまでも例示であり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0017】
<実施の形態例1>
図1は、本実施の形態例1に係る測定データ入力支援システムの全体的な構成を示した図である。
【0018】
本システムは、測定器1による測定データをタブレット端末、モバイルPC等の情報処理装置である、測定データ入力支援装置2へ出力する。そして、当該測定データ入力支援装置2は、受信した測定データを、自身内に格納されている、Auto CAD等のアプリケーションプログラム(=アプリ)を用いて表示する。また、測定データを、当該アプリに入力(読み込み)可能なデータ形式に変換して記憶する。なお、本実施の形態例1では、照度計を測定器1として用いる構成を示す。また、本実施の形態例1では、測定データを、入力(読み込み)可能なデータ形式で記憶するための「記憶媒体」としてアプリを用いる構成を示す。また、「測定データ」には、数値データとレンジデータが含まれる。
【0019】
図1に示すように、本実施の形態例1の測定データ入力支援システムは、主として測定器1と測定データ入力支援装置2とから構成されている。測定器1と測定データ入力支援装置2は、相互に情報の送受信が可能なように有線あるいは無線の、ネットワーク3で接続されており、例えば、ネットワーク3は、無線のBluetooth(登録商標) Low Energy(=BLE、Bluetooth(登録商標)4.2)である。
【0020】
<測定器1の構成>
測定器1は、光の照度を測定して、測定データを表示する照度計である。また、測定データ入力支援装置2に測定データを出力する。
【0021】
次に、測定器1のハードウェア構成について、
図1を参照して説明する。
【0022】
測定部11は、Siフォトダイオード等の受光素子(図示省略)を有しており、当該受光素子が受けた光の照度に応じたアナログ信号(測定データ)を、A/D変換部12に出力する。A/D変換部12は、例えば、A/Dコンバータで実現され、入力された測定データに係るアナログ信号を、デジタル信号に変換して出力する。
【0023】
表示部13は、例えば7セグメントディスプレイで実現され、測定データを表示する。また、入力部14は、ユーザから入力操作を受け付けるボタン、スイッチである。特に、ユーザから測定器1に対する電源のオン/オフ操作を受け付ける。また、表示部13上に表示されている測定データの表示を、ホールド(そのまま継続)させる旨の表示ホールド命令の入力を受け付ける。
【0024】
通信部15は、インターフェイス(以下、I/Fという)であり、測定器1は、この通信部15を介して測定データ入力支援装置2とのデータのやり取りを行う。例えば、本実施の形態例1では、通信部15は、BLE I/F(Peripheral)である。通信部15は、測定器1の電源がオンの場合、アドバタイズパケットを一定の間隔で外部に出力する。また、測定データ入力支援装置2のBLE I/F(Central)であるI/F27が開始するコネクション(接続)確立手順に応答し、測定データ入力支援装置2との間でコネクションを確立する。また、通信部15は、制御部16からの命令に応じて、測定データが格納されたBLE汎用アトリビュートファイルを、測定データ入力支援装置2のBLE I/F(Central)であるI/F27に対して出力する。
【0025】
制御部16は、例えば単一のLSIから成るマイコンで実現される。特に、制御部16は、入力部14を通じて、測定器1に対する電源のオン操作を認識すると、自身の電源をオン状態にする。また、制御部16は、A/D変換部12から受信した、デジタル信号に係る測定データを、一定間隔(例えば、500msec)毎に、制御部16内(例えば、制御部16内のFIFOテーブル)に格納する。格納可能な測定データの数は、例えば10個であり、格納の古い順に削除される。また、制御部16は、制御部16内に格納されている測定データを、格納された順に表示部13上に表示する。
【0026】
また、制御部16は、入力部14を通じて表示ホールド命令の入力を受け付けると、現在表示部13に表示されている測定データの表示をホールド(そのまま維持)する。また、制御部16は、通信部15を通じて、測定データの入力を開始する旨の測定データ入力開始命令を受信すると、現在表示部13に表示されている測定データの表示をホールド(そのまま維持)し、制御部16内から、表示されている測定データを呼び出して、通信部15を通じて、測定データ入力支援装置2に出力する。
【0027】
この「制御部16内から、表示されている測定データを呼び出して、通信部15を通じて、測定データ入力支援装置2に出力する」処理について、詳しく説明する。制御部16は、BLE I/F(Peripheral)である通信部15を通じて、BLE汎用アトリビュートファイル内の「キャラクタリスティクス」に測定データを格納する。そして、測定データが格納されたBLE汎用アトリビュートファイルを、測定データ入力支援装置2のBLE I/F(Central)であるI/F27に対して出力する。
【0028】
<測定データ入力支援装置2の構成>
測定データ入力支援装置2は、受信した測定データを、自身内に格納されている、Auto CAD等のアプリを用いて表示する。また、測定データを、当該アプリに入力(読み込み)可能なデータ形式に変換して記憶する。
【0029】
次に、測定データ入力支援装置2のハードウェア構成について、
図2を参照して説明する。
【0030】
CPU(=Central Processing Unit)21は、HD(=Hard Disk)22等に格納されているアプリケーションプログラム(=アプリ)、オペレーティングシステム(OS)や制御プログラム等を実行し、RAM(=Random Access Memory)23にプログラムの実行に必要なデータ、ファイル等を一時的に格納する制御を行う。
【0031】
特に、CPU21は、HD22等に格納されている「Auto CAD」(登録商標)等の描画用アプリを呼び出して、実行し、RAM23に描画用アプリの実行に必要なデータ、ファイル等を一時的に格納する。
【0032】
また、CPU21は、ディスプレイ25上に表示された、特定の図面データを示すアイコンがクリック(又はタップ)される等、入力装置26を通じて、特定の図面データの選択を受け付けると、選択された当該図面データに係る図面識別データに基づいて、HD22内の図面データ記憶領域221内を検索し、同一の図面識別データに関連付けて記憶されている図面データを呼び出して、ディスプレイ25上に表示させる。
【0033】
また、CPU21は、ディスプレイ25上に表示された図面上の任意の点が、入力装置26を通じて、クリック(又はタップ)されたことを認識すると、
図4に示すように、当該図面上の点に測定ポイントを示す測定ポイントマーカー(目印)と測定データを入力可能な測定データ入力欄を表示させる。また、CPU21は、ディスプレイ25上に表示されている図面に係る図面識別データに関連付けて、クリック(又はタップ)された図面上の点の座標データを図面データ記憶領域221に記憶し、また、測定データを記憶する領域を確保する。
【0034】
また、CPU21(第2通信手段の一例)は、
図5に示すように、ディスプレイ25上に表示されたアイコン「接続開始」ボタンが、入力装置26を通じて、クリック(又はタップ)されたことを認識する。すると、CPU21(解釈手段の一例)は、当該「接続開始」の命令を解釈・特定する。そして、CPU21(第1通信手段)は、BLE I/F(Central)であるI/F27を通じて、BLEの所定の手順に従い、測定器1とのコネクションを確立する。以下、詳しく説明する。
【0035】
CPU21(第1通信手段の一例)は、I/F27を通じて、BLE I/F(Peripheral)から受信したアドバタイズパケットのスキャンを実行する。その結果、自身が求めるサービスを提供していると判断すると,BLE I/F(Peripheral)に対しコネクションを要求して、コネクション確立処理(接続処理)を行う。
【0036】
また、CPU21(第2通信手段の一例)は、
図5に示すように、ディスプレイ25上に表示されたアイコン「測定」ボタンが、入力装置26を通じて、クリック(又はタップ)されたことを認識し、ディスプレイ25上の図面に表示されたいずれかの測定ポイントマーカーが、入力装置26を通じて、クリック(又はタップ)されたことを認識する。すると、CPU21(解釈手段の一例)は、当該「測定」の命令、「測定ポイントマーカーのクリック(測定データ入力先の決定)」の命令を解釈・特定する。そして、CPU21(第1通信手段の一例)は、測定データの入力を開始する旨の測定データ入力開始命令を、測定器1に入力可能なデータ形式に変換して、変換後の測定データ入力開始命令を、I/F27を通じて測定器1に出力する。
【0037】
CPU21(第1通信手段の一例)は、I/F27を通じて、BLE I/F(Peripheral)である通信部15から出力された、測定データが格納されたBLE汎用アトリビュートファイルを受信する。
【0038】
CPU21(解釈手段の一例)は、I/F27を通じて受信した、BLE汎用アトリビュートファイルのキャラクタリスティックスに格納されている測定データを解釈・特定する。例えば、測定データに含まれる数値データが「4」でレンジデータが「×100」の場合には、当該測定データは「400(Lux)」と解釈・特定される。
【0039】
また、CPU21(第2通信手段の一例)は、解釈・特定された測定データを、描画用アプリに入力(読み込み)可能な形式に、当該測定データの形式を変換する。
【0040】
そして、CPU21は、形式を変換した測定データを、図面データ記憶領域221内に出力して、クリック(又はタップ)された測定ポイントマーカーの座標データに関連付けて記憶する。
【0041】
RAM23は、各種データを一時記憶するためのものであり、CPU21の主メモリ、ワークエリア等として機能する。ROM(=Read Only Memory)24は、内部に基本I/Oプログラム等のプログラム、基本処理において使用する各種データを記憶する。
【0042】
HD22は、大容量メモリとして機能し、このHD22には、図面データ記憶領域221が設けられている。この図面データ記憶領域221には、
図3に示すように、測定ポイントマーカーの図面上の位置を示す座標データ及び測定データが、図面識別データに関連付けて記憶される。
【0043】
ディスプレイ25は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、ドットマトリクス型のディスプレイであり、入力装置26から入力された命令や、それに対する測定データ入力支援装置2の応答出力等を表示するものである。
【0044】
入力装置26は、ユーザから測定データ入力支援装置2に対するデータや命令の入力を受け付ける、例えば、キーボード、タッチパネル、ポインティングデバイス(マウス)である。
【0045】
バス28は、測定データ入力支援装置2内のデータの流れを司るものである。
【0046】
I/F27はインターフェイスであり、測定データ入力支援装置2は、このI/F27を通じて測定器1と命令やデータのやり取りを行う。例えば、本実施の形態例1では、I/F27は、BLE I/F(Central)である。
【0047】
なお、本実施の形態例1では、CPU21が、I/F27を通じて、測定器1の通信部15との間でコネクションを確立する構成を示したが、この構成に限定されるものではない。例えば、測定データ入力支援装置2は、データカード(ハードウェアデバイス)等からなる、通信制御手段を有する(図示省略)。そして、通信制御手段が、I/F27を通じて、測定器1からのアドバタイズパケットの受信を契機として、測定器1の通信部15との間でコネクションを確立する、測定データ入力開始命令を、測定器1に入力可能なデータ形式に変換して、変換後の測定データ入力開始命令を、I/F27を通じて測定器1に出力する、測定データが格納されたBLE汎用アトリビュートファイルを受信する構成としても良い。
【0048】
また、以上の各装置と同等の機能を実現するソフトウェアにより、ハードウェア装置の代替として構成することもできる。
【0049】
<測定データ入力支援システムの処理の流れ>
次に、本実施の形態例1に係る測定データ入力支援システムの処理の流れについて
図6及び
図7を用いて説明する。
【0050】
また、これから説明する測定データ入力支援システムの処理を実行する前提として、ディスプレイ25上に表示された描画用のアプリのアイコンをクリックする等して、ユーザは測定データ入力支援装置2を操作し、測定データ入力支援装置2に、描画用のアプリをHD22から呼び出させ、描画用アプリを実行(起動)させておく必要がある。
【0051】
測定データ入力支援装置2は、ディスプレイ25上に表示された、特定の図面データを示すアイコンがクリック(タップ)される等、入力装置26を通じて、特定の図面データの選択を受け付けると(ステップS601)、選択された当該図面データに係る図面識別データに基づいて、HD22の図面データ記憶領域221内を検索し、同一の図面識別データに関連付けて記憶されている図面データを呼び出して、ディスプレイ25上に表示させる(ステップS602)。
【0052】
測定データ入力支援装置2は、ディスプレイ25上に表示された図面上の任意の点が、入力装置26を通じて、クリック(又はタップ)されたことを認識すると(ステップS603)、
図4に示すように、当該図面上の点に測定ポイントを示す測定ポイントマーカー(目印)と測定データを入力可能な測定データ入力欄を表示させる(ステップS604)。また、測定データ入力支援装置2は、ディスプレイ25上に表示されている図面に係る図面識別データに関連付けて、クリック(又はタップ)された図面上の点の座標データを図面データ記憶領域221に記憶し、また、測定データを記憶する領域を確保する(ステップS605)。このステップS603~ステップ605の処理が完了することによって、1つの測定ポイントの作成が完了する。複数の測定ポイントを作成する場合には、ステップS603~ステップ605の処理を繰り返す。
【0053】
測定器1は、入力部14を通じて、測定器1に対する電源のオン操作を認識すると(ステップS606)、自身の電源をオン状態にする(ステップS607)。
【0054】
測定器1は、測定部11で受光素子が受けた光の照度に応じたアナログ信号(測定データ)を、A/D変換部12に出力し、A/D変換部12で、入力された測定データに係るアナログ信号を、デジタル信号に変換して制御部16に出力する。また、測定器1は、A/D変換部12から受信した、デジタル信号に係る測定データを、一定間隔(例えば、500msec)毎に、制御部16内(例えば、制御部16内のFIFOテーブル)に格納する。また、測定器1は、制御部16内に格納されている測定データを、格納された順に表示部13上に表示する。
【0055】
測定データ入力支援装置2は、
図5に示すように、ディスプレイ25上に表示されたアイコン「接続開始」ボタンが、入力装置26を通じて、クリック(又はタップ)されたことを認識する(ステップS608)。すると、測定データ入力支援装置2は、当該「接続開始」の命令を解釈・特定する(ステップS609)。そして、測定データ入力支援装置2は、BLE I/F(Central)であるI/F27を通じて、BLEの所定の手順に従い、測定器1とのコネクションを確立する(ステップS610)。
【0056】
次に、
図7に示すように、測定データ入力支援装置2は、
図5に示すように、ディスプレイ25上に表示されたアイコン「測定」ボタンが、入力装置26を通じて、クリック(又はタップ)されたことを認識し(ステップS701)、ディスプレイ25上の図面に表示されたいずれかの測定ポイントマーカーが、入力装置26を通じて、クリック(又はタップ)されたことを認識する(ステップS702)。すると、測定データ入力支援装置2は、当該「測定」の命令、「測定ポイントマーカーのクリック(測定データ入力先の決定)」の命令を解釈・特定する(ステップS703)。そして、測定データ入力支援装置2は、測定データの入力を開始する旨の測定データ入力開始命令を、測定器1に入力可能なデータ形式に変換して、変換後の測定データ入力開始命令を、I/F27を通じて測定器1に出力する(ステップS704)。
【0057】
測定器1は、通信部15を通じて、測定データの入力を開始する旨の測定データ入力開始命令を受信すると、現在表示部13に表示されている測定データの表示をホールド(そのまま維持)し、制御部16内から、表示されている測定データを呼び出して、通信部15を介して、測定データ入力支援装置2に出力する(ステップS705)。詳しくは、測定器1は、BLE I/F(Peripheral)である通信部15を通じて、BLE汎用アトリビュートファイル内の「キャラクタリスティクス」に測定データを格納する。そして、測定データが格納されたBLE汎用アトリビュートファイルを、測定データ入力支援装置2のBLE I/F(Central)であるI/F27に対して出力する。
【0058】
測定データ入力支援装置2は、I/F27を通じて、BLE I/F(Peripheral)である通信部15から出力された、測定データが格納されたBLE汎用アトリビュートファイルを受信する(ステップS706)。
【0059】
そして、測定データ入力支援装置2は、I/F27を通じて受信した、BLE汎用アトリビュートファイルのキャラクタリスティックスに格納されている測定データを解釈・特定する(ステップS707)。
【0060】
また、測定データ入力支援装置2は、解釈・特定された測定データを、描画用アプリに入力(読み込み)可能な形式に、当該測定データの形式を変換する(ステップS708)。
【0061】
測定データ入力支援装置2は、変換した測定データを、クリック(又はタップ)された測定ポイントマーカーの座標データに関連付けて記憶する(ステップS709)。
【0062】
図6で示したステップS601~ステップS610の処理の順序や
図7で示したステップS701~ステップS709の処理の順序は、説明の便宜上のものであって、この順序に限定されるものではない。
【0063】
例えば、上記では、ステップS608~ステップS610の処理を行った後に、ステップS701の処理を行う構成を示したが、ステップS701の処理を行った後に、ステップS608~ステップS610の処理を行う構成としても良い。
【0064】
このように測定データ入力支援装置は、第1通信手段としての、CPU21が、測定データが格納されたBLE汎用アトリビュートファイルを、測定器1から受信する。また、解釈手段としての、CPU21が、当該BLE汎用アトリビュートファイルのキャラクタリスティックスに格納されている測定データを解釈・特定する。そして、第2通信手段としての、CPU21が、解釈・特定された測定データを、描画アプリに入力(読み込み)可能な形式に、変換する構成である。
【0065】
つまり、測定データ入力支援装置は、第1通信手段、解釈手段及び第2通信手段と、機能毎に3つに区分けするという技術思想に基づいて、構成されている。
【0066】
このような技術思想に基づいて、構成されたものであることによって、装置全体を新たに最初から開発を行う必要なく、例えば第1通信手段、あるいは第2通信手段といった一部の改変で、測定器と情報処理装置の様々な組み合わせを容易に構築することが可能となり、優れた汎用性・拡張性を有する。また、測定器の測定データの通信方式や測定データの構造に関わらず、任意の記憶媒体にダイレクトに記憶させることができるため、高いユーザビリティを有し、また既存データを活用することができる。
【0067】
なお、本実施の形態例1では、BLEを用いる構成を示した。これは、「第1通信手段としてのCPU21が、BLE汎用アトリビュートファイルのキャラクタリスティックスに格納されている測定データを受信」し、「解釈手段としてのCPU21が、BLE汎用アトリビュートファイルのキャラクタリスティックスに格納されている測定データを解釈・特定する」というように、機能(処理)毎に区分けすることができるためである。
【0068】
<変形例1>
なお、本実施の形態例1では、照度計である測定器1が、測定データを「Bluetooth (登録商標)Low Energy(=BLE)」という無線通信方式を用いて出力し、任意のAuto CAD図面(記憶媒体)に入力(記憶)する構成を示したが、この構成に限定されるものではない。例えば、絶縁抵抗計である測定器が測定データを、有線シリアル通信を用いて出力し、任意のExcelワークシート(記憶媒体)に入力(記憶)する。また、ノギスの測定データを、Bluetooth(登録商標)(=BR/EDR)、シリアル通信及びWeb I/Fを用いて出力し、所定のテキストファイル(記憶媒体)に入力(記憶)する構成としても良い。
【符号の説明】
【0069】
1:測定器、11:測定部、12:A/D変換部、13:表示部、14:入力部、15:通信部、16:制御部、
2:測定データ入力支援装置、21:CPU、22:HD、221:図面データ記憶領域、23:RAM、24:ROM、25:ディスプレイ、26:入力装置、27:I/F、28:バス、
3:ネットワーク