(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-22
(45)【発行日】2022-08-01
(54)【発明の名称】判定システム、判定方法及び無人航空機
(51)【国際特許分類】
G01N 21/27 20060101AFI20220725BHJP
G08B 25/00 20060101ALI20220725BHJP
G08B 25/10 20060101ALI20220725BHJP
B64C 39/02 20060101ALI20220725BHJP
B64D 47/08 20060101ALI20220725BHJP
B64D 1/22 20060101ALI20220725BHJP
【FI】
G01N21/27 A ZAB
G08B25/00 510M
G08B25/10 A
B64C39/02
B64D47/08
B64D1/22
(21)【出願番号】P 2018073447
(22)【出願日】2018-04-05
【審査請求日】2021-02-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】横山 雄
【審査官】赤木 貴則
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-033418(JP,A)
【文献】特開2017-015527(JP,A)
【文献】特開2016-095259(JP,A)
【文献】特開2005-270689(JP,A)
【文献】特開平03-154851(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0202185(US,A1)
【文献】Kageyama, Y. et al.,Analysisi of water quality in Miharu dam reservoir, Japan, using UAV data,IEEJ TRANSACTIONS ON ELECTRICAL AND ELECTRONIC ENGINEERING,2016年06月17日,Vol. 11,pp. S183-S185,doi:10.1002/tee.22253
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/00-G01N 21/01
G01N 21/17-G01N 21/61
G01J 3/00-G01J 4/04
G01J 7/00-G01J 9/04
G01N 33/18
C02F 1/00
B64B 1/00-B64B 1/70
B64C 1/00-B64C 99/00
B64D 1/00-B64D 47/08
B64F 1/00-B64F 5/60
B64G 1/00-B64G 99/00
G08B 23/00-G08B 31/00
G16Y 10/00-G16Y 40/60
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を含む対象物を撮像して画像データを生成する撮像部と、
前記画像データを予め定められた外部機器に送信する無線通信部と、
自機の動作スケジュールを保持するスケジュール記憶部と、
前記スケジュール記憶部に保持された前記動作スケジュールに基づいて、予め指定された日時に所定の場所に自機を移動させる移動制御部と、
を備える無人航空機と、
前記無人航空機によって送信された前記画像データを取得する画像取得部と、
前記画像データに含まれる水の色を示す特徴量が予め定められた条件を満たす場合、水質の異常と判定する画像判定部と、
を備える判定装置と、
を備え
、
前記判定装置は、気象情報を取得し、前記気象情報に基づいて前記無人航空機の移動に支障が出るか否か判定し、支障が出ると判定された場合、前記無人航空機の前記動作スケジュールを変更させる変更指示を前記無人航空機に送信し、
前記移動制御部は、前記判定装置から送信された前記動作スケジュールの変更指示に従って自機を移動させる判定システム。
【請求項2】
前記画像判定部は、
前記画像データに含まれる水の色の波長の強度と水質の異常を示す比較画像データの波長の強度とが予め定められた条件を満たす場合、水質の異常と判定し、
前記予め定められた条件は、前記画像データと予め所定の機械学習を行うことで生成される学習結果データとの波長の強度の値の差分が閾値以内であることを特徴とする、請求項1に記載の判定システム。
【請求項3】
前記無人航空機は、
前記所定の場所に移動すると、前記所定の場所にある水を前記無人航空機が備える容器に貯留する制御を行う採水制御部をさらに備える、
請求項
1に記載の判定システム。
【請求項4】
前記撮像部は、前記容器に貯留された水又は前記無人航空機の直下を含むように撮像する、請求項
3に記載の判定システム。
【請求項5】
前記判定装置が、
前記画像判定部が水質の異常と判定した場合、警報発報指示を送信する警報指示部と、 をさらに備える、
請求項1から
4のいずれか一項に記載の判定システム。
【請求項6】
無人航空機が、水を含む対象物を撮像して画像データを生成する撮像ステップと、
無人航空機が、前記画像データを予め定められた外部機器に送信する無線通信ステップと、
無人航空機が、自機の動作スケジュールを保持するスケジュール記憶部に保持された前記動作スケジュールに基づいて予め指定された日時に所定の場所に自機を移動させる移動制御ステップと、
判定装置が、前記無人航空機によって送信された前記画像データを取得する画像取得ステップ、
判定装置が、前記画像データに含まれる水の色を示す特徴量が予め定められた条件を満たす場合、水質の異常と判定する画像判定ステップと、
判定装置が、気象情報を取得し、前記気象情報に基づいて前記無人航空機の移動に支障が出るか否か判定し、支障が出ると判定された場合、前記無人航空機の前記動作スケジュールを変更させる変更指示を前記無人航空機に送信するステップと、
無人航空機が、前記判定装置から送信された前記動作スケジュールの変更指示に従って自機を移動させるステップと、
を有する判定システムが実行する判定方法。
【請求項7】
請求項1に記載の判定システムにおける無人航空機であって、
前記移動制御部は、前記判定装置から送信された前記動作スケジュールの変更指示に従って自機を移動させる無人航空機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、判定システム、判定方法及び無人航空機に関する。
【背景技術】
【0002】
浄水場等の機場では、採水地の異常を検出するために定期的に採水地に赴いたり、採水地で採水された原水を顕微鏡等で分析したりすることで水質事故を予防していた。しかし、遠方にある採水地も多く、原水の採水から分析までに長い時間がかかる場合も多くあった。このような状況下では、浄水場等の機場のオペレータは、水質の異常に対して適切な処置を決定するために十分な時間を確保することができず、水質事故の予防が難しい場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平10-337146号公報
【文献】特開2016-209801号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、より短い時間で水質の異常を検出することができる判定システム、判定方法及び無人航空機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の判定システムは、無人航空機と、判定装置とを持つ。無人航空機は撮像部と、無線通信部とを持つ。撮像部は、水を含む対象物を撮像して画像データを生成する。無線通信部は、前記画像データを予め定められた外部機器に送信する。判定装置は、画像取得部と、画像判定部とを持つ。画像取得部は、前記無人航空機によって送信された前記画像データを取得する。画像判定部は、前記画像データに含まれる水の色を示す特徴量が予め定められた条件を満たす場合、水質の異常と判定する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1の実施形態の監視制御システム1のシステム構成を表すシステム構成図。
【
図2】第1の実施形態の無人航空機100の断面図の一例を示す図。
【
図3】第1の実施形態の無人航空機100の平面図の一例を示す図。
【
図4】第1の実施形態の無人航空機100の機能構成を表す機能ブロック図。
【
図5】第1の実施形態のスケジュールテーブルの具体例を示す図。
【
図6】第1の実施形態の判定装置200の機能構成を表す機能ブロック図。
【
図7】第1の実施形態の監視制御装置300の機能構成を表す機能ブロック図。
【
図8】第1の実施形態の画像判定の処理の流れを示すシーケンスチャート。
【
図9】第1の実施形態の画像判定の処理の流れを示すシーケンスチャート。
【
図10】第2の実施形態の画像判定の処理の流れを示すシーケンスチャート。
【
図11】第2の実施形態の画像判定の処理の流れを示すシーケンスチャート。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の判定システム、判定方法及び無人航空機を、図面を参照して説明する。
【0008】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態の監視制御システム1のシステム構成を表すシステム構成図である。監視制御システム1は、無人航空機100によって撮像された画像データに基づいて、所定の処理を行う。所定の処理は、例えば、画像データと学習結果データとに基づいて、画像データに藻類、油又は魚類等を示すスペクトルの値が含まれるか否かを判断してもよいし、監視制御装置300に警報を発報させてもよい。機場は、例えば、浄水場であってもよいし、下水処理場であってもよい。機場は、液体が処理される施設であればどのような施設であってもよい。本実施形態では、液体は水であるとして説明する。監視制御システム1は、ネットワーク20を介して互いに通信可能に接続される無人航空機100、判定装置200及び監視制御装置300を備える。判定装置200及び監視制御装置300は、機場10に構築される。ネットワーク20は、どのようなネットワークで構築されてもよい。例えば、ネットワーク20は、インターネットで構成されてもよいし、専用線等の閉域網で構成されてもよいし、携帯電話通信網で構成されてもよい。なお、判定装置200及び監視制御装置300は、クラウドコンピューティングシステムで構成されてもよい。この場合、判定装置200及び監視制御装置300は、機場10の外部に構築されてもよい。監視制御システム1は、判定システムの一態様である。判定システムは、が無人航空機100によって生成された画像データが、所定の条件を満たすか否か判定するシステムである。
【0009】
無人航空機100は、ドローン又はラジコンヘリコプター等の飛翔体である。無人航空機100は、予め指定された日時になると、所定の場所に移動する。無人航空機100は、ネットワーク20を介して判定装置200と通信を行う。
【0010】
判定装置200は、パーソナルコンピュータ、サーバ等の情報処理装置である。判定装置200は、ネットワーク20を介して無人航空機100と通信を行う。判定装置200は、無人航空機100と所定の情報を送受信したりする。所定の情報は、例えば、無人航空機100によって撮像された画像データであってもよいし、画像データに対する所定の判定結果であってもよい。
【0011】
監視制御装置300は、パーソナルコンピュータ又はサーバ等の情報処理装置である。監視制御装置300は、判定装置200と通信可能に接続される。監視制御装置300は、判定装置200に記録された情報に基づいて、所定の画面データを生成する。所定の画面データは、例えばトレンドグラフであってもよいし、無人航空機100によって撮像された画像データであってもよい。監視制御装置300は、所定の指示を判定装置200に送信する。
【0012】
図2は、第1の実施形態の無人航空機100の断面図の一例を示す図である。無人航空機100は、空中を飛行することで移動する。無人航空機100は、プロペラ部101、浮揚部102、撮像部103及び容器104を備える。
【0013】
プロペラ部101は、複数のプロペラを備える。プロペラ部101は、プロペラを回転させることで、無人航空機100の高度調整又は移動を行う。浮揚部102は、水よりも軽い物質で構成される。浮揚部102は、発泡スチロール、エチレン酢酸ビニル又は空気等の無人航空機100は、浮揚部102の浮力によって、無人航空機100を浮かせる。浮揚部102によって、無人航空機100は、水源の採水地に着水しても水中に沈まない。
【0014】
撮像部103は、マルチスペクトルカメラ等の既存の撮像装置である。撮像部103は、撮像装置を無人航空機100に接続するためのインタフェースであってもよい。この場合、撮像部103は、撮像装置において撮像された撮像信号から画像データを生成し、無人航空機100に入力する。撮像部103は、容器104内部を撮像してもよいし、無人航空機100直下を撮像してもよい。
【0015】
容器104は、タンク等の液体容器である。容器104には、採水地から採水された水が入れられてもよい。容器104の底部は突起105を備える。突起105の先端は、容器104の内部に通じる穴がある。容器104は、内部にピストン106を備える。ピストン106は、直動モータによって上方向又は下方向に駆動する。ピストン106は、下方向に動作した場合、容器104内の水等の液体を突起105を通じて、容器104外に押し出す。ピストン106は、上方向に動作した場合、容器104内に突起105を通じて、水等の液体を容器104内に取り込む。容器104は、アクリル等の無色透明な素材で構成される。容器104は、貯水された水等を撮像部103で撮像可能である。
【0016】
図3は、第1の実施形態の無人航空機100の平面図の一例を示す図である。無人航空機100は、プロペラ部101、浮揚部102、撮像部103及び容器104を備える。
【0017】
図3では、プロペラ部101が備えるプロペラは4本を例としているが、実施形態としては、4本に限定されない。プロペラは、何本備えられてもよい。例えば、プロペラ部101は、プロペラを5本備えていてもよいし、6本備えていてもよい。
【0018】
図3では、浮揚部102は、円状に設置されるが、これに限定されない。浮揚部102は、例えば、多角形状に設置されてもよいし、複数カ所に分散されて設置されてもよい。浮揚部102は、無人航空機100が水中に沈まなければどのような形状であってもよい。
【0019】
図3では、無人航空機100に備えられる容器104は、4個を例としているが、実施形態としては、4個に限定されない。容器104は、何個備えられてもよい。例えば、容器104は、5個備えられていてもよいし、6個備えられていてもよい。
【0020】
図4は、第1の実施形態の無人航空機100の機能構成を表す機能ブロック図である。無人航空機100は、水質検査プログラムを実行することによってプロペラ部101、浮揚部102、撮像部103、容器104、無線通信部107、スケジュール記憶部108、画像データ記憶部109及び制御部110を備える装置として機能する。なお、既に説明されたプロペラ部101、浮揚部102、撮像部103及び容器104は説明を省略する。
【0021】
無線通信部107は、無線ネットワークインタフェースである。無線通信部107は、無線通信方式を用いて、予め定められた外部機器と通信する。無線通信部107は、例えば無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)又はLTE(Long Term Evolution)(登録商標)等の通信方式で通信してもよい。外部機器は例えば、判定装置200であってもよいし、判定装置200と通信可能に接続された情報処理装置であってもよい。
【0022】
スケジュール記憶部108は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。スケジュール記憶部108は、スケジュールテーブルを記憶する。スケジュールテーブルは、無人航空機100の動作スケジュールを保持する。
【0023】
図5は、第1の実施形態のスケジュールテーブルの具体例を示す図である。スケジュールテーブルは、スケジュールレコードを有する。スケジュールレコードは、日時、第1経路、第2経路、第N経路、第1動作、第2動作、第3動作及び動作の各値を有する。日時は、無人航空機100に動作スケジュールが実行される日時を表す。第1経路は、無人航空機100が最初に移動する場所を表す。第2経路は、無人航空機100が第1経路に移動した後、次に移動する場所を表す。第N経路は、無人航空機100が経路N-1に移動した後、次に移動する場所を表す。第1動作は、無人航空機100が最初に実行する動作を表す。第2動作は、無人航空機100が第1動作を実行した後に実行する動作を表す。第3動作は、無人航空機100が第2動作を実行した後に実行する動作を表す。第N動作は、無人航空機100が動作N-1を実行した後に実行する動作を表す。なお、Nは自然数を表す。
【0024】
図5に示される例では、スケジュールテーブルの最上段のスケジュールレコードは、日時の値が“2018.1.15 10:00”、第1経路の値が“35度39分2秒15N,138度22分35秒42E”、第2経路の値が、“35度39分2秒16N,138度22分35秒43E”、経路Nの値が“-”、第1動作の値が“採水”、第2動作の値が“撮像(容器)”、第3動作の値が“排水”、動作Nの値が“-”である。従って、スケジュールテーブルの最上段のスケジュールレコードによると、日時が、2018年1月15日10時00分になると、無人航空機100は、まず北緯35度39分2秒15、東経138度22分35秒42Eに移動し、次に、北緯35度39分2秒16、東経138度22分35秒43に移動する。移動した無人航空機100は、まず採水を行い、次に、無人航空機100は、容器の中の採水された水を撮像し、排水することがわかる。なお、
図5に示されるスケジュールテーブルは一具体例に過ぎない。そのため、
図5とは異なる態様でスケジュールテーブルが構成されてもよいし、第N経路又は第N動作等が選択される条件が定義されていてもよい。
【0025】
図4に戻って、無人航空機100の説明を続ける。画像データ記憶部109は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。画像データ記憶部109は、画像データを記憶する。画像データは、無人航空機100の撮像部103によって撮像される。
【0026】
制御部110は、無人航空機100の各部の動作を制御する。制御部110は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ及びRAM(Random Access Memory)を備えた装置により実行される。制御部110は、画像判定プログラムを実行することによって、日時情報取得部111、移動制御部112、位置情報取得部113、採水制御部114及び画像取得部115として機能する。
【0027】
日時情報取得部111は、日時情報を取得する。日時情報は、取得された時点の年月日時分秒を識別可能な情報である。日時情報は、無人航空機100に内蔵された時計から取得されてもよいし、NTP(Network Time Protocol)サーバから取得されてもよい。また、日時情報は、UNIX(登録商標)時間であってもよい。日時情報は、日時情報に対してハッシュ関数やデジタル署名等によって処理された情報が用いられてもよい。
【0028】
移動制御部112は、無人航空機100に記録されたスケジュールテーブルに応じて、プロペラを回転させる。移動制御部112は、プロペラを回転させることで、無人航空機100の高度調整又は移動を行う。移動制御部112は、例えば、取得された日時情報が、スケジュールレコードに記録された日時と一致していた場合、スケジュールレコードに記録された経路に無人航空機100を移動させるように回転させてもよい。なお、日時情報とスケジュールテーブルに記録された日時は完全一致している必要はなく、予め指定された所定の時間の誤差が含まれていてもよい。移動制御部112は、無人航空機100がスケジュールテーブルに記録された経路に到達すると、記録された動作に応じて無人航空機100の高度が制御してもよい。例えば、移動制御部112は、高度が上がるようにプロペラを回転させてもよい。移動制御部112は、高度が下がるようにプロペラを回転させてもよい。また、移動制御部112は、判定装置200から受信した判定結果に応じて、経路が決定されてもよい。
【0029】
位置情報取得部113は、位置情報を取得する。位置情報は、無人航空機100の位置を示す情報である。位置情報取得部113は、例えば、GPS(Global Positioning System)等の衛星測位システムによって位置情報を取得してもよい。位置情報は、例えば、経緯度情報であってもよい。位置情報は、例えば、経緯度の情報に加えて、高度又は速度等の情報が含まれていてもよい。位置情報は、衛星測位システムからの電波が届きにくい場所(例えば、山間部やトンネル)では、無人航空機100の速度の情報や加速度の情報を用いて補正されてもよい。
【0030】
採水制御部114は、無人航空機100に記録されたスケジュールテーブルに応じて、直動モータを駆動させる。直動モータが駆動することで、容器104内に設置されたピストン106は上下に駆動する。採水制御部114は、例えば、スケジュールテーブルの動作の値に“採水”が含まれる場合、ピストン106が上方向に駆動するように直動モータを駆動させてもよい。採水制御部114は、ピストン106が上方向に向かって移動する距離に応じて、容器104に採水される水の量を制御する。採水制御部114は、例えば、スケジュールテーブルの動作の値に“排水”が含まれる場合、ピストン106が下方向に駆動するように直動モータを駆動させてもよい。
【0031】
画像取得部115は、撮像部103によって生成された画像データを取得する。画像取得部115は、取得された画像データを画像データ記憶部109に記録する。画像取得部115は、取得された画像データを判定装置200に送信する。
【0032】
図6は、第1の実施形態の判定装置200の機能構成を表す機能ブロック図である。判定装置200は、画像判定プログラムを実行することによって第1通信部201、第2通信部202、入力部203、表示部204、画像データ記憶部205、学習結果データ記憶部206及び制御部207を備える装置として機能する。
【0033】
第1通信部201は、無線ネットワークインタフェースである。第1通信部201は、無線通信方式を用いて、無人航空機100と通信する。第1通信部201は、例えば無線LAN、Bluetooth又はLTE等の通信方式で通信してもよい。
【0034】
第2通信部202は、ネットワークインタフェースである。第2通信部202は監視制御装置300と通信可能に接続される。第2通信部202は、例えば無線LAN、有線LAN、Bluetooth、PSTN(Public Switched Telephone Network)、LonWorks、専用線又はLTE等の通信方式で通信してもよい。
【0035】
入力部203は、タッチパネル、マウス及びキーボード等の入力装置を用いて構成される。入力部203は、入力装置を判定装置200に接続するためのインタフェースであってもよい。この場合、入力部203は、入力装置において入力された入力信号から入力データ(例えば、判定装置200に対する指示を示す指示情報)を生成し、判定装置200に入力する。
【0036】
表示部204は、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の出力装置である。表示部204は、出力装置を判定装置200に接続するためのインタフェースであってもよい。この場合、表示部204は、映像データから映像信号を生成し自身に接続されている映像出力装置に映像信号を出力する。
【0037】
画像データ記憶部205は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。画像データ記憶部205は、画像データを記憶する。画像データは、無人航空機100から送信される。
【0038】
学習結果データ記憶部206は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。学習結果データ記憶部206は、学習結果データを記憶する。学習結果データは、単一の藍藻類、油又は魚類等の動植物が撮像された画像データを教師データとして、所定の機械学習を行うことで生成される。学習結果データは、画像データに所定の特徴量が含まれているか否かを判定するために用いられる。所定の特徴量は、例えば、動植物又は油を表すスペクトルの波長の強度を示す値であってもよいし、画像の形状であってもよい。動植物の画像は、同じ場所で撮像された画像に限定されない。例えば、同じ動植物であれば、異なる場所で撮像された画像であってもよい。学習結果データは、予め記録される。学習結果データは、比較画像データの一態様である。
【0039】
制御部207は、判定装置200の各部の動作を制御する。制御部207は、例えばCPU等のプロセッサ及びRAMを備えた装置により実行される。制御部207は、画像判定プログラムを実行することによって、画像取得部208、画像判定部209及び警報指示部210として機能する。
【0040】
画像取得部208は、無人航空機100から画像データを取得する。画像取得部208は、取得された画像データを画像データ記憶部205に記録する。画像取得部208は、取得された画像データを画像判定部209に出力する。
【0041】
画像判定部209は、画像データ及び学習結果データが所定の条件を満たすか否かを判定する。画像判定部209は、画像データ及び学習結果データが所定の条件を満たす場合、警報発報を示す情報を警報指示部210に出力する。画像判定部209は、無人航空機100に対して、判定結果を送信する。所定の条件とは、例えば、画像データに含まれる水の色の特徴量が予め定められた閾値以内であるか否かであってもよい。予め定められた閾値は、例えば、学習結果データに含まれる藍藻類のスペクトルの波長の強度の値に基づいて決定された値であってもよい。所定の条件とは、例えば、画像判定部209は、画像データと学習結果データとの波長の強度の値の差分が閾値以内であることであってもよい。
【0042】
警報指示部210は、警報発報を示す情報を受付けると、警報発報指示を監視制御装置300に送信する。警報発報指示は、例えば、水源の水質の異常を示す音声又は文字列を発する警報であってもよいし、水源の水質改善を行うための処置を発する警報であってもよい。警報指示部210は、学習結果データと所定の条件を満たした画像データを監視制御装置300に送信する。
【0043】
図7は、第1の実施形態の監視制御装置300の機能構成を表す機能ブロック図である。監視制御装置300は、水質検査プログラムを実行することによって通信部301、入力部302、表示部303、警報部304、画像データ記憶部305及び制御部306を備える装置として機能する。
【0044】
通信部301は、ネットワークインタフェースである。通信部301は判定装置200と通信可能に接続される。通信部301は、例えば無線LAN、有線LAN、Bluetooth、PSTN、LonWorks、専用線又はLTE等の通信方式で通信してもよい。
【0045】
入力部302は、タッチパネル、マウス及びキーボード等の入力装置を用いて構成される。入力部302は、入力装置を監視制御装置300に接続するためのインタフェースであってもよい。この場合、入力部302は、入力装置において入力された入力信号から入力データ(例えば、監視制御装置300に対する指示を示す指示情報)を生成し、監視制御装置300に入力する。
【0046】
表示部303は、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の出力装置である。表示部303は、出力装置を監視制御装置300に接続するためのインタフェースであってもよい。この場合、表示部303は、映像データから映像信号を生成し自身に接続されている映像出力装置に映像信号を出力する。
【0047】
警報部304は、サイレン、回転灯、表示板及びスピーカー等の警報機器である。警報部304は、警報制御部307から出力された警報発報指示に基づいて、警報を発報する。例えば、警報部304は、警報制御部307から警報発報指示を受け付けた場合、警告音を発報してもよい。
【0048】
画像データ記憶部305は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。画像データ記憶部205は、画像データを記憶する。画像データは、判定装置200から送信される。
【0049】
制御部306は、監視制御装置300の各部の動作を制御する。制御部306は、例えばCPU等のプロセッサ及びRAMを備えた装置により実行される。制御部306は、画像判定プログラムを実行することによって、警報制御部307及び画面データ生成部308として機能する。
【0050】
警報制御部307は、警報発報を示す情報と画像データとを受付けると、警報発報指示を警報部304に出力する。警報発報指示は、例えば、画像データの特徴量が予め定められた閾値以内であることを示す音声又は文言を出力する警報であってもよいし、水源の水質改善の手順を示す情報を表示されたことを表す警報であってもよい。警報制御部307は、画像データを画像データ記憶部305に記録する。警報制御部307は、画面データ生成部308に画面データ生成指示を出力する。
【0051】
画面データ生成部308は、画面データを生成する。まず、画面データ生成部308は、画面データの生成指示を受け付けると、画像データ記憶部305から画像データを取得する。画面データ生成部308は、取得した画像データに基づいて、画面データを生成する。画面データは、例えば、そのまま画像データが表示されていてもよいし、画像データの特徴量が予め定められた閾値以内であることを示す文言が付与されていてもよいし、警報が発報されたことを示す画面であってもよい。画面データ生成部308は、生成された画面データを表示部303に表示させる。
【0052】
図8及び
図9は、第1の実施形態の画像判定の処理の流れを示すシーケンスチャートである。無人航空機100の日時情報取得部111は、日時情報を取得する。無人航空機100の移動制御部112は、取得された日時情報がスケジュールレコードに記録された日時と一致していた場合、スケジュールレコードに記録された経路に移動する(ステップS101)。無人航空機100の位置情報取得部113は、位置情報を取得する(ステップS102)。位置情報取得部113は、取得された位置情報とスケジュールレコードに記録された経路とが一致するか否かを判定する(ステップS103)。スケジュールレコードに記録された経路と取得した位置情報とが一致しない場合(ステップS103:NO)、ステップS101に遷移する。
【0053】
スケジュールレコードに記録された経路と取得した位置情報とが一致する場合(ステップS103:YES)、無人航空機100の採水制御部114は、スケジュールレコードに記録された第1動作を実行する(ステップS104)。例えば、第1動作が、“採水”である場合、無人航空機100は、採水を行う。なお、この場合、無人航空機100は、採水地に着水して採水を行ってもよい。採水地に着水した無人航空機100は、浮揚部102によって浮遊する。
【0054】
無人航空機100の画像取得部115は、画像データを取得する(ステップS105)。具体的には、無人航空機100の撮像部103は、容器104の内部を撮像し、画像データを生成する。画像取得部115は、撮像部103によって生成された画像データを取得する。画像取得部115は、画像データ記憶部109に取得した画像データを記録する(ステップS106)。画像取得部115は、判定装置200に画像データを送信する(ステップS107)。
【0055】
判定装置200の画像取得部208は、無人航空機100から画像でデータを取得する。画像取得部208は、取得した画像データを画像データ記憶部205に記録する(ステップS108)。判定装置200の画像判定部209は、学習結果データ記憶部206から学習結果データを取得する。画像判定部209は、画像データ及び学習結果データが所定の条件を満たすか否かを判定する(ステップS109)。所定の条件とは、例えば、画像データの特徴量が予め定められた閾値以内であるか否かであってもよい。画像判定部209は、所定の条件を満たす場合、画像データに藍藻類の画像が含まれると判定する(ステップS110)。画像判定部209は、所定の条件を満たさない場合、画像データに藍藻類の画像が含まれないと判定する。
【0056】
画像判定部209は、画像データに藍藻類の画像が含まれると判定した場合(ステップS110:YES)、画像判定部209は、警報発報を示す情報を警報指示部210に出力する。警報指示部210は、警報発報指示を監視制御装置300に送信する(ステップS111)。警報指示部210は、画像データを監視制御装置300に送信する(ステップS112)。画像判定部209は、判定結果を無人航空機100に送信する(ステップS113)。
【0057】
監視制御装置300の警報制御部307は、警報発報指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS114)。警報指示を受け付けた場合(ステップS114:YES)、警報制御部307は、受け付けた画像データを画像データ記憶部305に記録する(ステップS115)。警報制御部307は、警報発報指示を警報部304に出力する。警報部304は、警報を発報する(ステップS116)。画面データ生成部308は、画面データを生成する。画面データ生成部308は、生成した画面データを表示部303に表示させる(ステップS117)。画面データは、例えば、警報が発報されたことを示す画面である。警報指示を受け付けていない場合(ステップS114:NO)、ステップS118に遷移する。
【0058】
無人航空機100の移動制御部112は、判定結果に応じて、スケジュールレコードの経路を決定する。移動制御部112は、受信した判定結果が藍藻類の画像が含まれると判定されたものであるか否かを判定する(ステップS118)。受信した判定結果が藍藻類の画像が含まれると判定されたものでない場合(ステップS118:NO)、採水制御部114は、スケジュールレコードの動作に応じて、容器104内の水を排水し、ステップS124に遷移する(ステップS119)。
【0059】
移動制御部112は、受信した判定結果が藍藻類の画像が含まれると判定されたものである場合(ステップS118:YES)、移動制御部112は、所定のスケジュールレコードに記録された経路に無人航空機100を移動させる(ステップS120)。所定のスケジュールレコードは、判定結果に含まれていてもよいし、予めスケジュールレコードに記録されていてもよい。所定のスケジュールレコードに記録された経路は、例えば、水の分析場の場所を表していてもよい。位置情報取得部113は、位置情報を取得する(ステップS121)。位置情報取得部113は、取得された位置情報とスケジュールレコードに記録された経路とが一致するか否かを判定する(ステップS122)。スケジュールレコードに記録された経路と取得した位置情報とが一致しない場合(ステップS122:NO)、ステップS121に遷移する。
【0060】
スケジュールレコードに記録された経路と取得した位置情報とが一致する場合(ステップS122:YES)、採水制御部114は、スケジュールレコードの動作に応じて、容器104内の水を排水を行う(ステップS123)。移動制御部112は、所定のスケジュールレコードに記録された経路に基づいて、初期位置に無人航空機100を移動させる(ステップS124)。
【0061】
このように構成された監視制御システム1では、無人航空機100が指定された経路を移動する。無人航空機100の採水制御部114が、採水地の水を採水する。無人航空機100の撮像部103が、採水された水が収められた容器104を撮像し、画像データを生成する。判定装置200の画像判定部209は、生成された画像データに藻類等が含まれるか否かを判定する。画像データに藻類等が含まれる場合、判定装置200の警報指示部210は、監視制御装置300に対して警報発報指示を送信する。監視制御装置300の警報部304は、警報を発報する。画像データに藻類等が含まれる場合、無人航空機100は、所定の経路に移動することで、採水された水を分析場等の指定された場所に移動させることができる。したがって、実施形態の監視制御システム1によれば、無人航空機100が空中を移動することで、より早く採水地に移動することができ、未然に水質事故を予防することが可能となる。また、判定装置200によって、画像データに藻類等が含まれると判定された場合、判定装置200の警報指示部210は、監視制御装置300に対して警報発報指示を送信することで、浄水場等の機場のオペレータに対して、水質の異常に対して適切な処置を決定するための十分な時間を確保することができる。
【0062】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態における監視制御システム1について説明する。第2の実施形態における監視制御システム1の構成は第1の実施形態における監視制御システム1と同じである。以下、第1の実施形態と異なる点について説明する。
【0063】
第2の実施形態における判定装置200では、画像判定部209は、画像データ及び学習結果データが所定の条件を満たすか否かを判定する。画像判定部209は、画像データ及び学習結果データが所定の条件を満たす場合、警報発報を示す情報を警報指示部210に出力する。画像判定部209は、無人航空機100に対して、判定結果を送信する。所定の条件とは、例えば、画像データに含まれる水の色の特徴量が予め定められた閾値以内であるか否かであってもよい。予め定められた閾値は、例えば、学習結果データに含まれる油又は魚類のスペクトルの波長の強度の値に基づいて決定された値であってもよい。所定の条件とは、例えば、画像判定部209は、画像データと学習結果データとの波長の強度の値の差分が閾値以内であることであってもよい。
【0064】
図10及び
図11は、第2の実施形態の画像判定の処理の流れを示すシーケンスチャートである。ステップS201からステップS204までは、
図8のステップS101からステップS104までと同じであるため、説明を省略する。
【0065】
無人航空機100の移動制御部112は、無人航空機100が所定の高度が上昇するようにプロペラを回転させる(ステップS205)。所定の高度は、例えば、水面から3メートル程度の高度であってもよいし、水面の5メートル四方が撮像される程度の高度であってもよい。無人航空機100の画像取得部115は、画像データを取得する(ステップS206)。具体的には、無人航空機100の撮像部103は、無人航空機100によって採水された採水地を撮像し、画像データを生成する。画像取得部115は、撮像部103によって生成された画像データを取得する。画像取得部115は、画像データ記憶部109に取得した画像データを記録する(ステップS207)。画像取得部115は、判定装置200に画像データを送信する(ステップS208)。
【0066】
判定装置200の画像取得部208は、無人航空機100から画像でデータを取得する。画像取得部208は、取得した画像データを画像データ記憶部205に記録する(ステップS209)。判定装置200の画像判定部209は、学習結果データ記憶部206から学習結果データを取得する。画像判定部209は、画像データ及び学習結果データが所定の条件を満たすか否かを判定する(ステップS210)。所定の条件とは、例えば、画像データの特徴量が予め定められた閾値以内であるか否かであってもよい。画像判定部209は、所定の条件を満たす場合、画像データに油又は魚類の画像が含まれると判定する(ステップS211)。画像判定部209は、所定の条件を満たさない場合、画像データに油又は魚類の画像が含まれないと判定する。
【0067】
画像判定部209は、画像データに藍藻類の画像が含まれると判定した場合(ステップS211:YES)、画像判定部209は、警報発報を示す情報を警報指示部210に出力する。警報指示部210は、警報発報指示を監視制御装置300に送信する(ステップS212)。警報指示部210は、画像データを監視制御装置300に送信する(ステップS213)。画像判定部209は、判定結果を無人航空機100に送信する(ステップS214)。
【0068】
ステップS215からステップS218は、
図9のステップS114からステップS117までと同じであるため、説明を省略する。
【0069】
無人航空機100の移動制御部112は、判定結果に応じて、スケジュールレコードの経路を決定する。移動制御部112は、受信した判定結果が油又は魚類の画像が含まれると判定されたものであるか否かを判定する(ステップS219)。受信した判定結果が油又は魚類の画像が含まれると判定されたものでない場合(ステップS219:NO)、採水制御部114は、スケジュールレコードの動作に応じて、容器104内の水を排水し、ステップS225に遷移する(ステップS220)。
【0070】
移動制御部112は、受信した判定結果が油又は魚類の画像が含まれると判定されたものである場合(ステップS219:YES)、移動制御部112は、所定のスケジュールレコードに記録された経路に無人航空機100を移動させる(ステップS221)。所定のスケジュールレコードは、判定結果に含まれていてもよいし、予めスケジュールレコードに記録されていてもよい。所定のスケジュールレコードに記録された経路は、例えば、水の分析場の場所を表していてもよい。位置情報取得部113は、位置情報を取得する(ステップS222)。位置情報取得部113は、取得された位置情報とスケジュールレコードに記録された経路とが一致するか否かを判定する(ステップS223)。スケジュールレコードに記録された経路と取得した位置情報とが一致しない場合(ステップS223:NO)、ステップS222に遷移する。
【0071】
スケジュールレコードに記録された経路と取得した位置情報とが一致する場合(ステップS223:YES)、採水制御部114は、スケジュールレコードの動作に応じて、容器104内の水を排水を行う(ステップS224)。移動制御部112は、所定のスケジュールレコードに記録された経路に基づいて、初期位置に無人航空機100を移動させる(ステップS225)。
【0072】
このように構成された監視制御システム1では、無人航空機100が指定された経路を移動する。無人航空機100の採水制御部114が、採水地の水を採水する。無人航空機100の撮像部103が、無人航空機100によって採水された採水地を撮像し、画像データを生成する。判定装置200の画像判定部209は、生成された画像データに油又は魚類等が含まれるか否かを判定する。画像データに油又は魚類等が含まれる場合、判定装置200の警報指示部210は、監視制御装置300に対して警報発報指示を送信する。監視制御装置300の警報部304は、警報を発報する。画像データに油又は魚類等が含まれる場合、無人航空機100は、所定の経路に移動することで、採水された水を分析場等の指定された場所に移動させることができる。したがって、実施形態の監視制御システム1によれば、無人航空機100が空中を移動することで、より早く採水地に移動することができ、未然に水質事故を予防することが可能となる。また、判定装置200によって、画像データに藻類等が含まれると判定された場合、判定装置200の警報指示部210は、監視制御装置300に対して警報発報指示を送信することで、浄水場等の機場のオペレータに対して、水質の異常に対して適切な処置を決定するための十分な時間を確保することができる。
【0073】
(実施形態に共通の変形例)
無人航空機100は、複数の容器104を備える。したがって、異なる採水地の水の画像データを解析又は運搬することが可能となる。
【0074】
無人航空機100の突起105は、延伸するように構成されてもよい。このように構成された無人航空機100は、採水地のより深い場所の水を採水することができる。したがって、監視制御システム1は、採水地の深さに応じて水質が異なる場合であっても、水質を分析することができる。
【0075】
判定装置200又は監視制御装置300は、無人航空機100を制御する制御指示を送信するように構成されてもよい。この場合、判定装置200又は監視制御装置300は、無人航空機100に対して、移動又は高度変更等の移動制御指示を送信する。移動制御部112は、受け付けた指示に応じて、無人航空機100を移動又は高度変更などの制御を行う。このように構成されることで、無人航空機100に気象の急な変動や動植物との衝突等の不測の事態が生じた場合であっても、安全に無人航空機100を動作させることが可能となる。
【0076】
判定装置200又は監視制御装置300は、無人航空機100が記録するスケジュールレコードの日時を変更するように構成されてもよい。具体的には、判定装置200又は監視制御装置300は、気象情報を取得する。気象情報は、未来の降水確率、天気、気圧、気温、風速又は湿度等を含む。気象情報は、外部のサーバから取得される。判定装置200又は監視制御装置300は、取得された気象情報が、無人航空機100の移動に支障が出る場合、スケジュールレコードの日時を変更させる変更指示を送信する。支障とは、例えば、墜落又は故障で、スケジュールレコードに記録された経路に到達できない状態であってもよいし、法定の飛行条件を満たしていない場合であってもよい。変更指示には、変更後の日時が含まれる。無人航空機100は、スケジュールレコードに記録された日時の代わりに変更後の日時に移動を開始する。このように構成されることで、無人航空機100は、気象に関わらず、安全に無人航空機100を動作させることが可能となる。
【0077】
本実施形態では、判定装置200が画像判定部209を備える構成としたが、判定装置200が備えることに限定されない。例えば、無人航空機100又は監視制御装置300が画像判定部209を備えるように構成されてもよい。
【0078】
本実施形態では、無人航空機100の容器104は、突起105及びピストン106を備える構成として説明したが、これに限定されない。例えば、容器104は、水中に沈められることで水をサンプリングしてもよい。
【0079】
上記各実施形態では、採水制御部114、画像取得部115、画像判定部209及び警報指示部210はソフトウェア機能部であるものとしたが、LSI等のハードウェア機能部であってもよい。
【0080】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、画像判定部209、水質情報判定部211、薬品量決定部212又はサンプリング判定部214を持つことにより、未然に水質事故を予防することが可能となる。
【0081】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0082】
1…監視制御システム、100…無人航空機、101…プロペラ部、102…浮揚部、103…撮像部、104…容器、105…突起、106…ピストン、107…無線通信部、108…スケジュール記憶部、109…画像データ記憶部、110…制御部、111…日時情報取得部、112…移動制御部、113…位置情報取得部、114…採水制御部、115…画像取得部、200…判定装置、201…第1通信部、202…第2通信部、203…入力部、204…表示部、205…画像データ記憶部、206…学習結果データ記憶部、207…制御部、208…画像取得部、209…画像判定部、210…警報指示部、300…監視制御装置、301…通信部、302…入力部、303…表示部、304…警報部、305…画像データ記憶部、306…制御部、307…警報制御部、308…画面データ生成部、10…機場、20…ネットワーク