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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-22
(45)【発行日】2022-08-01
(54)【発明の名称】裁断装置
(51)【国際特許分類】
   B26D 11/00 20060101AFI20220725BHJP
   B26D 7/02 20060101ALI20220725BHJP
   B26D 7/06 20060101ALI20220725BHJP
   B26D 7/26 20060101ALI20220725BHJP
   B26D 1/09 20060101ALI20220725BHJP
   B65H 35/06 20060101ALI20220725BHJP
   B65H 5/02 20060101ALI20220725BHJP
   B65H 5/22 20060101ALI20220725BHJP
【FI】
B26D11/00
B26D7/02 A
B26D7/06 Z
B26D7/06 B
B26D7/26
B26D1/09
B65H35/06
B65H5/02 B
B65H5/22 C
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018109145
(22)【出願日】2018-06-07
(65)【公開番号】P2019209445
(43)【公開日】2019-12-12
【審査請求日】2021-03-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000001339
【氏名又は名称】グンゼ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124039
【弁理士】
【氏名又は名称】立花 顕治
(74)【代理人】
【識別番号】100179213
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 未知子
(74)【代理人】
【識別番号】100170542
【弁理士】
【氏名又は名称】桝田 剛
(72)【発明者】
【氏名】森脇 俊之
(72)【発明者】
【氏名】高瀬 力
(72)【発明者】
【氏名】胡麻 和栄
【審査官】永井 友子
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-152657(JP,A)
【文献】国際公開第2010/021026(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0158672(US,A1)
【文献】特開2011-230227(JP,A)
【文献】特開2001-079964(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26D 11/00
B26D 7/02
B26D 7/06
B26D 7/26
B26D 1/09
B65H 35/06
B65H 5/02
B65H 5/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給装置から順次移送された複数の矩形状の扁平材を順に裁断するとともに、下流側の他の装置に当該扁平材を受け渡す裁断装置であって、
前記扁平材を、所定のピッチで断続的に搬送する搬送路を有する、搬送手段と、
前記搬送手段により搬送される扁平材における、搬送方向の上流側または下流側のうちの一方の端部の隅部を打ち抜き、前記搬送方向に移動可能に配置される、第1打ち抜き手段と、
前記搬送手段により搬送される扁平材における、前記搬送方向の上流側または下流側のうちの他方の端部の隅部を打ち抜き、前記第1打ち抜き手段よりも下流側において前記搬送方向に移動可能に配置される第2打ち抜き手段と、
前記扁平材の前記搬送方向の長さの入力を受け付ける入力手段と、
少なくとも前記扁平材の前記搬送方向の長さと、前記搬送路の長さと、前記搬送路上において前記扁平材を前記他の装置へ受け渡す位置とに基づいて、前記搬送手段による前記ピッチと、前記第1打ち抜き手段及び第2打ち抜き手段の少なくとも一方の前記搬送方向における位置とを決定する制御手段と、
を備えている、裁断装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記第1打ち抜き手段及び第2打ち抜き手段の両方の、前記搬送方向の位置を決定する、請求項1に記載の裁断装置。
【請求項3】
前記搬送手段は、前記搬送方向に延びる複数の列に沿って、前記扁平材を搬送するように構成され、
前記第1打ち抜き手段及び第2打ち抜き手段は、それぞれ、前記各列の扁平材の一方の端部、及び他方の端部の隅部を打ち抜くように構成されている、請求項1または2に記載の裁断装置。
【請求項4】
前記搬送手段は、
少なくとも1つの駆動プーリと、
少なくとも1つの従動プーリと、
前記駆動プーリ及び従動プーリに掛け渡され、複数の貫通孔が形成された無端ベルトと、
前記扁平材を搬送する搬送路に対応する部分において、前記無端ベルトを支持する支持台と、
前記支持台に設けられ、前記無端ベルトの外側から内側に向かって、前記貫通孔を介して空気を吸引する吸引手段と、
を備え、
前記駆動プーリ及び従動プーリの少なくとも一方は、歯車状に形成されており、
前記無端ベルトの内側の面には、歯車状に形成された前記駆動プーリまたは従動プーリの歯に係合する複数の突部が形成されており、
前記複数の突部は、前記搬送方向とは直交する方向に延び、前記搬送方向に所定間隔をおいて配置され、
前記無端ベルトの内側の面には、前記貫通孔が形成されている領域と対応する部分に、前記突部が形成されていない平坦領域が設けられ、
前記支持台は、前記平坦領域と対応する位置に、前記無端ベルトの内面と接する支持面を有し、
前記支持面に、前記吸引手段により空気を吸引するための吸引口が形成されている、請求項1から3のいずれかに記載の裁断装置。
【請求項5】
前記複数の貫通孔は、前記搬送方向に沿う複数の列に沿って形成され、少なくとも一組の隣接する前記列において、前記貫通孔が水平方向に並ばないように千鳥状に形成されている、請求項4に記載の裁断装置。
【請求項6】
前記第1及び第2打ち抜き手段は、
切断刃を有しており、
前記切断刃の縁部は、前記隅部を円弧状に裁断する円弧部と、前記円弧部の両側からそれぞれ、当該円弧部の各端部の接線方向に延びる一対の直線部と、を備えている、請求項1から5のいずれかに記載の裁断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、裁断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、搬送される袋の隅部を裁断する裁断装置が開示されている。この裁断装置では、袋を所定の搬送ピッチで搬送した後、所定時間停止し、これを繰り返すことで袋の搬送を行っている。そして、搬送が停止しているときに、図16に示すように、搬送方向の前後に並ぶ矩形状の袋800,900の隅部を同時に裁断し、隅部を円弧状に形成するように構成されている。より詳細に説明すると、図16に示すように、下流側の袋800の上流の端部の隅部801と、上流側の袋900の下流側の端部の隅部901とを近接させ、対向する隅部801,901を1つの刃部材850で裁断するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-56837号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前後に並ぶ袋の隅部を同時に裁断するためには、隣接する袋の間隔は、袋の幅が変わっても同じにしておく必要がある。しかしながら、この構成により、次の問題が発生する。すなわち、裁断装置を通過した袋は、他の搬送装置に供給され、次の処理が施されるようになっている。ここで、このような裁断装置においては、搬送方向において同じ幅の袋のみならず、異なる幅の袋の裁断を行う場合もある。ところが、異なる幅の袋の裁断を行う場合でも、袋の間隔は常に同じにしておく必要があるため、袋の幅が変わると、搬送路の下流側で、他の搬送装置に受け渡すための位置が変わることになる。すなわち、搬送路は、断続的に停止するが、最下流で他の搬送装置に受け渡すときの停止位置が、袋の幅によって異なり、搬送装置への受け渡しがスムーズに行われない可能性がある。なお、このような問題は、袋の裁断だけでなく、シート材などの扁平材の隅部の裁断全般に起こりうる問題である。
【0005】
本発明は、この問題を解決するためになされたものであり、裁断対象となる扁平材の幅が変わっても下流側の他の装置への受け渡しをスムーズに行うことができる、裁断装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、供給装置から順次移送された複数の矩形状の扁平材を順に裁断する裁断装置であって、前記扁平材を、所定のピッチで断続的に搬送する搬送路を有する、搬送手段と、前記搬送手段により搬送される扁平材における、搬送方向の上流側または下流側のうちの一方の端部の隅部を打ち抜き、前記搬送方向に移動可能に配置される、第1打ち抜き手段と、前記搬送手段により搬送される扁平材における、前記搬送方向の上流側または下流側のうちの他方の端部の隅部を打ち抜き、前記第1打ち抜き手段よりも下流側において前記搬送方向に移動可能に配置される第2打ち抜き手段と、前記扁平材の前記搬送方向の長さの入力を受け付ける入力手段と、少なくとも前記扁平材の前記搬送方向の長さと、前記搬送路の長さとに基づいて、前記搬送手段による前記ピッチと、前記第1打ち抜き手段及び第2打ち抜き手段の少なくとも一方の前記搬送方向における位置とを決定する制御手段と、を備えている。
【0007】
この構成によれば、次の効果を得ることができる。すなわち、裁断対象となる扁平材の、搬送方向の上流側及び下流側の端部の隅部を、異なる打ち抜き手段で裁断するようにしている。また、打ち抜き手段の少なくとも一方の搬送方向の位置を調整可能となっている。そのため、搬送手段による搬送ピッチと、打ち抜き手段の位置とを調整することで、扁平材の搬送方向の長さが変わっても、扁平材の両端の隅部の裁断を正確に行えるとともに、扁平材が搬送路からの排出されるときの停止位置を揃えることができる。したがって、搬送路から排出される扁平材を、その下流の搬送装置に対し、同じ位置で受け渡すことができるため、例えば、下流の装置で、扁平材の幅ごとに異なる受け入れ位置を設定するような複雑な処理を行うことなく、その後の扁平材に対する処理をスムーズに行うことができる。なお、「同じ位置」とは、厳密でなくてもよく、下流の装置への受け渡しに支承を来さない程度であれば、多少ずれていてもよい。
【0008】
上記裁断装置において、前記制御手段は、前記第1打ち抜き手段及び第2打ち抜き手段の両方の、前記搬送方向の位置を決定することができる。これにより、種々の幅の扁平材に対応することができる。
【0009】
上記裁断装置において、前記搬送手段は、前記搬送方向に延びる複数の列に沿って、前記扁平材を搬送するように構成され、前記第1打ち抜き手段及び第2打ち抜き手段は、それぞれ、前記各列の扁平材の一方の端部、及び他方の端部の隅部を打ち抜くように構成することができる。
【0010】
これにより、複数列で搬送される扁平材に対し、同時に裁断処理を行うことができるため、処理の効率を向上することができる。
【0011】
上記裁断装置において、前記搬送手段は、少なくとも1つの駆動プーリと、少なくとも1つの従動プーリと、前記駆動プーリ及び従動プーリに掛け渡され、複数の貫通孔が形成された無端ベルトと、前記扁平材を搬送する搬送路に対応する部分において、前記無端ベルトを支持する支持台と、前記支持台に設けられ、前記無端ベルトの外側から内側に向かって、前記貫通孔を介して空気を吸引する吸引手段と、を備え、前記駆動プーリ及び従動プーリの少なくとも一方は、歯車状に形成されており、前記無端ベルトの内側の面には、歯車状に形成された前記駆動プーリまたは従動プーリの歯に係合する複数の突部が形成されており、前記複数の突部は、前記搬送方向とは直交する方向に延び、前記搬送方向に所定間隔をおいて配置され、前記無端ベルトの内側の面には、前記貫通孔が形成されている領域と対応する部分に、前記突部が形成されていない平坦領域が設けられ、前記支持台は、前記平坦領域と対応する位置に、前記無端ベルトの内面と接する支持面を有し、前記支持面に、前記吸引手段により空気を吸引するための吸引口が形成されているものとすることができる。
【0012】
この構成によれば、プーリが歯車状に形成され、無端ベルトが、プーリの歯に係合する突部を備えているため、プーリと無端ベルトとの滑りを防止することができ、精度よく、高速で無端ベルトを駆動することができる。その一方で、無端ベルトの内側の面において貫通孔が形成されている部分には、突部が形成されていない平坦領域が形成され、この平坦領域が無端ベルトを支持する支持面に接するように構成されている。そして、この支持面には吸引口が形成されている。そのため、貫通孔を介する空気の吸引は、平坦領域と支持面とが接した部分において行われるため、空気が漏れるのを防止することができる。以上の構成により、吸引開始位置から扁平材を吸着するまでの時間が短縮されるとともに、扁平材を高速で搬送しても、扁平材がずれないように、しっかりと吸引することができるため、装置の処理能力や打ち抜き精度を向上させることができる。
【0013】
上記裁断装置において、前記複数の貫通孔は、前記搬送方向に沿う複数の列に沿って形成され、少なくとも一組の隣接する前記列において、前記貫通孔が水平方向に並ばないように千鳥状に形成されているものとすることができる。
【0014】
この構成によれば、複数列に形成された貫通孔が水平方向において並ばないように千鳥状に配置されているため、搬送方向において、いずれかの列の貫通孔が扁平材に接していなくても、吸引漏れが少なくなり、他の列の貫通孔が扁平材に接するようにできるため、例えば、扁平材の端部などを確実に吸引することができる。その結果、搬送方向の全体に亘って、扁平材をしっかりと無端ベルトに固定することができる。
【0015】
上記裁断装置において、前記第1及び第2打ち抜き手段は、打ち抜き刃を有しており、前記打ち抜き刃の縁部は、前記隅部を円弧状に裁断する円弧部と、前記円弧部の両側からそれぞれ、当該円弧部の各端部の接線方向に延びる一対の直線部と、を備えることができる。
【0016】
この構成によれば、円弧部の両端部に、その接線方向に延びる直線部が連結されることで、刃の縁部が構成されているため、打ち抜き位置がずれて、円弧部と直線部との連結部分により隅部が切断されたとしても、この連結部分が角部を有さないため、この連結部分に起因するバリの発生を防止することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る裁断装置によれば、裁断対象となる扁平材の幅が変わっても下流側の他の装置への受け渡しをスムーズに行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】裁断対象となる袋の平面図である。
図2】本発明に係る断裁装置の一実施形態を示す側面図である。
図3】無端ベルトの内面を示す平面図である。
図4】支持台の一部平面図である。
図5図4のA-A線断面図である。
図6】第1打ち抜きユニットの上刃部材を示す断面図である。
図7】第1打ち抜きユニットの下刃部材を示す平面図である。
図8】第2打ち抜きユニットの上刃部材を示す断面図である。
図9】第2打ち抜きユニットの下刃部材を示す平面図である。
図10】パターン1に係る袋の搬送のモデル図である。
図11】パターン2に係る袋の搬送のモデル図である。
図12】従来の上刃部材の断面図である。
図13図12の上刃部材の裁断位置がずれた状態を示す断面図(a)、及び裁断された袋の隅部を示す平面図(b)である。
図14図6の上刃部材の裁断位置がずれた状態を示す断面図(a)、及び裁断された袋の隅部を示す平面図(b)である。
図15】第1打ち抜きユニットの他の例を示す断面図である。
図16】打ち抜きユニットを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る断裁装置を袋の裁断に適用した場合の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0020】
<1.裁断対象の袋の概要>
まず、裁断対象となる袋(扁平材)について、図1を参照しつつ説明する。図1は、裁断対象となる袋の平面図である。同図に示すように、この袋10は、樹脂材料などで矩形状に形成された2枚のシート材の周縁を融着などによって固定したものである。そして、裁断装置では、この袋10を短辺が搬送方向に沿うように搬送し、4つの隅部を円弧状に裁断する。以下では、搬送方向の上流側の一対の隅部を第1隅部11と称し、下流側の一対の隅部を第2隅部12と称することとする。そして、この裁断装置は、後述するように、第1隅部11を裁断した後、第2隅部12を裁断するように構成されている。なお、本明細書における「袋(扁平材)の幅」とは、裁断装置での搬送方向の長さをいうこととする。
【0021】
<2.裁断装置の概要>
図2は、本実施形態に係る断裁装置の概略構成図である。同図に示すように、本実施形態に係る裁断装置は、無端ベルトを有する搬送路によって、上述した袋10を所定の搬送ピッチで断続的に搬送するものである。すなわち、上流側の製袋装置(供給装置)100で製造された袋10を受け取り、所定の搬送ピッチだけ、無端ベルトを移動させて袋10を搬送した後、所定時間停止する。これを繰り返すことで、袋10を下流側の処理装置200に供給するようになっている。そして、搬送路の途中において、無端ベルトの停止中には、後述する打ち抜きユニットにより隅部11,12の裁断が行われる。また、無端ベルトの最下流付近においては、幅の異なる袋であっても同じ位置で停止し、その下流側の処理装置に袋10を受け渡すようになっている。以下、裁断装置の構成について説明した後、搬送に係る制御について説明する。
【0022】
図2は、裁断装置の側面図である。図2に示すように、この裁断装置は、水平方向に、所定間隔をおいて配置された駆動プーリ21と、従動プーリ22と、これらプーリ21,22に掛け渡された無端ベルト23と、を備えている。駆動プーリ21にはサーボモータ(図示省略)が接続されており、このサーボモータで駆動プーリ21が断続的に回転することで、無端ベルト23が所定のピッチで、断続的に駆動するようになっている。
【0023】
また、上側を通過する無端ベルト23の下面は、支持台3によって支持されている。一方、上側を通過する無端ベルト23の上面には、上述した袋10が所定間隔で供給され、搬送されるようになっている。したがって、この無端ベルト23の上面が、袋10の搬送路を構成している。なお、本実施形態では、図2の右側から左側へ袋が搬送されることとし、右側が上流側または後側、左側が下流側または前側として説明を行うこととする。また、この搬送方向と直交する方向を幅方向と称することがある。
【0024】
さらに、この裁断装置には、無端ベルト23によって搬送される袋10の隅部11,12を裁断するための第1打ち抜きユニット4と、これよりも下流側に配置される第2打ち抜きユニット5が配置されている。また、無端ベルト23の搬送、打ち抜きユニット4,5の位置など、裁断装置の各種の制御は、制御ユニット7(制御手段)により行われている。以下、上述した各部材を詳細に説明する。
【0025】
<2-1.プーリ、無端ベルト、及び支持台>
各プーリ21,22の外周面には、軸方向に延びる歯が形成されている。すなわち、各プーリ21,22は歯車状に形成されている。
【0026】
無端ベルト23の内側の面(以下、内面といい、その反対の面を外面という)、つまりプーリ21,22が掛け渡されている面には、複数の突部231が所定間隔をおいて形成されており、これらの突部231が各プーリ21,22の歯に係合するようになっている。より詳細には、図3に示すように、無端ベルト23の内面において、幅方向(搬送方向と直交する方向)の両端には、幅方向に延びる突部231が形成されており、搬送方向に所定間隔をおいて配置されている。また、無端ベルト23の幅方向の中央、つまり両端の突部231の間には、平坦領域233が形成されており、この平坦領域233に、複数の貫通孔232が形成されている。
【0027】
本実施形態では、搬送方向に平行に並ぶ4列に沿って複数の貫通孔232が形成されている。但し、4列のうち、少なくとも一組の列の貫通孔232は幅方向に並ばないように、千鳥状に配置されている。
【0028】
図4は支持台の一部平面図、図5図4のA-A線断面図である。図4及び図5に示すように、支持台3の上面は、上側を通過する無端ベルト23の下面に接するように構成されており、この上面の幅方向の両端には、無端ベルト23の突部231が収容される一対の溝部31が形成されている。そして、両溝部31の間には、無端ベルト23の内面の平坦領域233に接する平坦な支持面32が形成され、図示を省略するコンプレッサ等の吸引手段により、この支持面32内に空気を吸引するための、吸引口33が形成されている。上記のように、平坦領域233には複数の貫通孔232が形成されているため、吸引口33から空気を吸引すると、貫通孔232を介して空気が吸引される。これにより、無端ベルト23の外面に袋10が吸引され、搬送中に位置ずれが生じないようになっている。
【0029】
<2-2.打ち抜きユニット>
両打ち抜きユニット4,5は、概ね同様の構成を有しているため、ここでは、主として第1打ち抜きユニット4について説明し、相違部分については後述する。
【0030】
図6は上刃部材の断面図であり、図7は下刃部材の平面図である。第1打ち抜きユニット4は、袋10の第1隅部11を裁断し、円弧状に形成するための装置である。そのため、図6及び図7に示すように、袋10の長手方向に並ぶ一対の上刃部材41と、これら上刃部材41の下方に配置された一対の下刃部材42と、上刃部材41を上下動する駆動部(図示省略)と、を備えている。さらに、第1打ち抜きユニット4には、一対の上刃部材41における袋10の長手方向の間隔、及び一対の下刃部材42における袋10の長手方向の間隔を調整可能な調整機構(図示省略)と、第1打ち抜きユニット4を搬送方向に移動させる移動機構(図示省略)と、を備えている。
【0031】
図6に示すように、各上刃部材41は、左右対称で、断面が概ね三角形状に形成されており、斜辺が下流側を向くように配置されている。そして、この斜辺を構成する切断刃411により第1隅部11を裁断するようになっている。より詳細に説明すると、この切断刃411は、断面円弧状の円弧部413と、この円弧部413の両端から接線方向に斜めに延びる一対の直線部414、415と、を備えている。両直線部414,415は、袋10の隅部を挟む各辺に交差するように配置され、交差する角度θは30度以下、好ましくは20度以下であり、また円弧部413の端部に接線として接するように配置されている。
【0032】
また、各上刃部材41の下方には、下刃部材42がそれぞれ配置されている。図7に示すように、両下刃部材42は、平面視において、袋10の長手方向に、無端ベルト23及び支持台3を挟むように配置されており、各下刃部材42の上面が、無端ベルト23の上面と概ね同じ高さになるように設置されている。
【0033】
図7に示すように、各下刃部材42は、対応する上刃部材41が嵌まるように、上刃部材41と、同じ断面形状、つまり断面三角形状の凹部420を有している。そして、各凹部420の開口周縁の斜辺が切断刃421を構成しており、上刃部材41の切断刃411と下刃部材42の切断刃421とで、袋10の第1隅部11を円弧状に切断するようになっている。
【0034】
以上のように構成された第1打ち抜きユニット4は、上記移動機構により搬送方向に移動可能となっている。すなわち、搬送路の任意の位置で、第1隅部11を裁断できるようになっている。より詳細に説明すると、この裁断装置には、搬送方向に延びるガイドレール(図示省略)が配置されており、このガイドレールに沿って、第1打ち抜きユニット4が搬送方向に移動可能となっている。また、ガイドレールと平行にラック(図示省略)が配置されており、第1打ち抜きユニット4には、このラックに噛み合うピニオン(図示省略)が回転駆動可能に取り付けられている。したがって、制御ユニット7により、ピニオンを回転駆動すると、第1打ち抜きユニット4を、搬送方向の任意の位置に配置することができる。
【0035】
一方、図8及び図9に示すように、第2打ち抜きユニット5は、第1打ち抜きユニット1と同様に構成されているが、上刃部材51及び下刃部材52の向きが相違している。すなわち、第2打ち抜きユニット5の上刃部材51及び下刃部材52は、斜辺である切断刃511,521が搬送方向の上流側を向くように配置されている。これにより、袋10の第2隅部12を裁断するようになっている。また、第1打ち抜きユニット4と同様の構成により、第2打ち抜きユニット5も搬送方向に移動可能となっている。
【0036】
<2-3.制御ユニット>
次に、制御ユニット7について説明する。制御ユニットは、PLC(Programmable Logic Controller)など、公知のコンピュータで構成することができる。そして、上述したように、幅の異なる袋10であっても、隅部11,12の打ち抜きを正確に行うとともに、搬送路の最下流付近で同じ位置で袋を停止させて、下流の処理装置に受け渡すようにするため、制御ユニット7により、無端ベルト23の搬送ピッチ、各打ち抜きユニット4,5の位置決め、などの制御を行うことができる。その他、制御ユニット7は、処理速度の調整のため、無端ベルト23の搬送速度、停止時間などの制御も行うことができる。また、制御ユニット7には、袋10の搬送方向の幅を入力するための、テンキー、キーボード、タッチパネルなどの入力装置(図示省略:入力手段)が設けられている。
【0037】
この制御ユニット7により、幅の異なる袋10の裁断処理を以下のように設定することができる。まず、製袋装置100からの袋10の受け入れ位置と、処理装置への袋10の受け渡し位置を予め決定しておく。受け入れ位置は、搬送路における最上流での袋10の停止位置であり、本実施形態では、袋10の上流側の端縁が、搬送路の最上流地点と一致するようになっている。受け渡し位置は、搬送路における最下流での停止位置であり、搬送路の最下流地点からD1の幅をあけて袋10が配置されるようになっている。これら受け入れ位置及び受け渡し位置は、予め決定しておいてもよいし、入力装置により都度入力してもよい。そして、入力装置に、袋10の幅が入力されると、搬送路の長さは、既知であるため、ここから、無端ベルト23の搬送ピッチ、両打ち抜きユニット4,5の搬送方向の位置(各上刃部材41,51、各位下刃部材42,52の打ち抜き位置)、搬送路上の袋10の個数が決定される。このとき、搬送される袋10の間隔D2が所定値以上(例えば、10mm以上)となるようにする。この間隔D2は、予め決定しておいてもよいし、入力装置により都度入力してもよい。これは、袋10の間隔が狭すぎると、裁断を行うときに隣接する袋10の隅部も裁断するおそれがあることによる。したがって、袋10の間隔の最小値を予め決めておけば、搬送路上に同時に配置される袋10の数も決定される。例えば、以下のように設定することができる。
【0038】
(パターン1)
・搬送路の長さL:1620mm(既知)
・袋の幅X:220mm
・袋の受け渡し位置(最下流点と袋との距離)D1:10mm(予め決定)
・隣接する袋の間隔D2:10mm以上(予め決定)
ここでは、受け渡し位置での袋10の位置が固定されているため、これを差し引いて、残りの袋10のピッチを計算する。すなわち、「(1620mm-10(D1)mm-220mm(受け渡し位置の袋10の幅))/(220mm+10mm)=6余り10mm」となり、同時に搬送される袋の個数は、受け渡し位置での袋を含めて、6+1=7個となる。そして、余りの10mmを6で割ると、1.66mmとなるため、袋の搬送ピッチPは、「220mm+10mm+1.66mm=231.66mm」となる。また、袋10が停止する位置に合わせて、各打ち抜きユニット4,5による裁断位置を決定し、各打ち抜きユニット4,5を移動させる。なお、各打ち抜きユニット4,5による裁断位置は特には限定されないが、搬送路の中央付近とすることができる。
【0039】
また、D1とD2とを同じにする場合(例えば、D1=D2≧10)には、以下のように計算することができる。すなわち、「(1620mm/(220mm+10mm)=7余り10mm」となり、同時に搬送される袋の個数は7個となる。そして、余りの10mmを7で割ると、1.43mmとなるため、袋の搬送ピッチPは、「220mm+10mm+1.43mm=231.43mm」となる。
【0040】
図10は、パターン1の搬送のモデル図である。このパターン1では、無端ベルト23は、231.66mm移動するごとに停止しつつ、下流側へ袋10を搬送する。そして、この例では、合計7個の停止位置のうち、4番目の停止位置で、第1打ち抜きユニット4により第1隅部11が裁断され、5番目の停止位置で、第2打ち抜きユニット5により第2隅部12が裁断されるように設定されている。
【0041】
(パターン2)
・搬送路の長さL:1620mm(既知)
・袋の幅X:160mm
・袋の受け渡し位置(最下流点と袋との距離)D1:10mm(予め決定)
・隣接する袋の間隔D2:10mm以上(予め決定)
上記パターン1と同様に計算を行う。「1620mm-10(D1)mm-220mm/(160mm+10mm)=8余り90mm」となり、同時に搬送される袋の個数は、受け渡し位置での袋を含めて、8+1=9個となる。そして、余りの90mmを8で割ると、11.25mmとなるため、袋の搬送ピッチPは、「160mm+10mm+11.25mm=181.25mm」となる。D1=D2の場合の計算は省略するが、パターン1で示したとおりである。
【0042】
図11は、パターン2の搬送のモデル図である。このパターンでは、無端ベルト23は、181.25mm移動するごとに停止しつつ、下流側へ袋10を搬送する。そして、この例では、合計9個の停止位置のうち、5番目の停止位置で、第1打ち抜きユニット4により第1隅部11が裁断され、6番目の停止位置で、第2打ち抜きユニット5により第2隅部12が裁断されるように設定されている。
【0043】
図10及び図11に示すように、以上のいずれのパターンにおいて、袋10の幅が変わっても、最上流での袋の停止位置、つまり製袋装置100からの受け入れ位置では、袋10の上流側の端縁が、搬送路の最上流地点と一致するようになっている。そして、最下流での停止位置、つまり処理装置200への袋の受け渡し位置では、搬送路の最下流地点から10mmの幅をあけて袋10が配置されるようになっている。
【0044】
<3.裁断装置の動作>
以上のように構成された裁断装置の動作について説明する。まず、裁断対象となる袋10の幅を制御ユニットに入力する。これにより、制御ユニットは、搬送路で配置する袋10の個数、搬送ピッチ、各打ち抜きユニット4,5の位置を決定する。ここでは、上記パターン1の入力を行うこととする。これに続いて、無端ベルト23を決定された搬送ピッチで、断続的に駆動する。
【0045】
そして、製袋装置100から裁断装置の搬送路の最上流地点に袋10を供給する。すなわち、図10に示すように、無端ベルト23が停止中に、搬送路の最上流地点に袋10の上流側の端縁が一致するように、製袋装置100から無端ベルト23へ袋10を受け渡す。これを繰り返すことで、製袋装置100から無端ベルト23へ袋10が順に渡され、常時7個の袋10が無端ベルト23で搬送されるようにする。そして、無端ベルト23で搬送中の袋10は、4番目の停止位置で第1隅部11が裁断され、5番目の停止位置で第2隅部12が裁断される。
【0046】
こうして、7番目の停止位置、つまり最下流位置において、袋10は、搬送路の最下流点から10mm離れた位置で停止し、この停止中に、下流側の処理装置200に渡される。
【0047】
<4.特徴>
以上のように構成された裁断装置では、次の効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、袋10の第1隅部11と第2隅部12とを異なる打ち抜きユニット4,5で裁断するようにし、さらにこれらの搬送方向の位置を調整可能となっている。そのため、搬送ピッチと、裁断位置とを調整することで、袋10の幅が変わっても、上記パターン1,2のように、袋10の両端の隅部11,12の裁断を正確に行えるとともに、袋10が搬送路からの排出されるときの停止位置を揃えることができる。したがって、搬送路から排出される袋10を、その下流の処理装置200に対し、同じ位置で受け渡すことができるため、その後の袋10に対する処理をスムーズに行うことができる。例えば、袋の幅が変わるたびに、袋の受け取り場所を処理装置において調整するなどの複雑な処理が不要となる。なお、袋10の処理装置200への受け渡し位置は、完全に同じでなくてもよく、処理装置200への受け渡しに支障を来さない程度であれば、多少ずれていてもよい。したがって、このようにずれを許容された搬送ピッチを制御ユニット7により算出することもできる。なお、この点は、製袋装置100からの受け取り位置についても同じである。
【0048】
(2)プーリ21,22が歯車状に形成され、無端ベルト23が、プーリ21,22の歯に係合する突部231を備えているため、プーリ21,22と無端ベルト23との滑りを防止することができ、高速で無端ベルト23を駆動することができる。したがって、処理速度を向上することができる。その一方で、無端ベルト23の内面において貫通孔232が形成されている部分には、突部231が形成されていない平坦領域233が形成され、この平坦領域233が吸引口33が形成された支持面32に接するように構成されている。そのため、貫通孔232を介する空気の吸引は、平坦領域233と支持面32とが接した部分において行われるため、空気が漏れるのを防止することができる。その結果、袋10を素早くしっかりと吸引することができる。以上の構成により、袋10が高速で搬送されても、強い吸引により、搬送中に袋10がずれるのを防止することができ、ひいては、裁断位置や受け渡し位置がずれるのを防止することができる。
【0049】
(3)複数列に沿って形成された貫通孔232が、少なくとも一組の列同士において、水平方向において並ばないように千鳥状に配置されているため、袋10と袋10の隙間での吸引漏れ(空気のリーク)が少なくなり、吸引力の低下が生じ難くい。例えば、袋10と袋10の隙間が大きくなり、貫通孔232に袋が配置されない場合でも、吸引力の低下が生じ難く、搬送方向の全体に亘って、袋10をしっかりと無端ベルト23に固定することができる。
【0050】
(4)上刃部材41の切断面411が、円弧状の円弧部413と、その両端から斜めに延びる直線部414,415とで構成されている。そのため、袋10の隅部に鋭利なバリが形成されるのを防止することができる。例えば、図12に示すように、円弧部811の両端から直線部812,813が、袋10の短辺及び長辺方向に延びるように形成されていれば、次のようにバリが形成される。すなわち、袋10の裁断位置が予め設定された位置であれば、図12に示すように、円弧部811の両端が、袋10の長辺及び短辺と一致する。その一方で、図13に示すように、袋10の裁断位置がずれた場合には、円弧部811と直線部813との連結部分から袋の長辺に向けて段差が形成され、バリ101の端部102が鋭利な角を形成する。
【0051】
これに対して、本実施形態のように、直線部414,415が、円弧部413の両端から約30度の角度で延びるように連結されていれば、裁断位置がずれた場合、図14に示すように、円弧部413と直線部414,415との連結部分から袋10の長辺に向けて段差が形成され、これがバリ101になるが、バリ101の端部102は鈍角の角を形成する。したがって、バリ101を目立たなくすることができる。なお、図14は説明の便宜のため、円弧部413と直線部414,415との連結部分に角度を設けているが、実際は、直線部414,415は円弧部413の各端部に接線として接しているため、バリ101をほとんど目立たなくすることができる。また、この連結部分においては、直線部414,415が、円弧部413の端部の接線方向に延びていなくてもよく、例えば、連結部分が鈍角になっていれば、バリを目立たなくすることができる。
【0052】
<5.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。
【0053】
<5-1>
上記実施形態では、搬送路上で袋10を一列にして搬送しているが、例えば、図15に示すように、2列以上で袋10を搬送することもできる。この場合、第1打ち抜きユニット4において、隣接する隅部の裁断を行う上刃部材48を一体化し、2つの切断面411を有するように構成することができる。この点は、下刃部材42、第2打ち抜きユニット5でも同様に構成することができる。
【0054】
<5-2>
上記実施形態では、両打ち抜きユニット4,5の搬送方向の位置を制御可能としているが、裁断対象となる袋10の幅が限られている場合には、いずれか一方のみの位置を変更することで、袋10の幅が変わっても、隅部11,12の裁断を正確に行うことができ、且つ同じ位置で処理装置に袋10を供給することができる。また、打ち抜きユニット4,5の位置の調整は、制御ユニットからの出力に基づいて、手動で行うこともできる。
【0055】
<5-3>
無端ベルト23、各プーリ21,22、支持台3の構成は、特には限定されず、上述した以外の構成でもよく、プーリの数、位置なども適宜設定することができる。上記実施形態では、高速搬送を行うことができるようにプーリ21,22を歯車状に形成し、これに合わせて無端ベルト23に突部231を形成したり、支持台3に溝部31を形成したりしているが、搬送速度等によっては、突部231を有さない無端ベルト23であってもよい。
【0056】
<5-4>
上記実施形態では、制御ユニットに対する入力は、適宜変更することができる。例えば、隣接する袋10の間隔は、袋10の幅によって予め決定しておいてもよい。したがって、袋10の幅を入力したときには、搬送路の長さ、袋10の間隔が既知であるため、制御ユニットは、搬送ピッチ及び裁断位置を算出すればよい。また、袋10の幅寸法については、例えば、直接入力せずに、上流側の包装機等から幅寸法データを受け取り、その幅データを自動で入力するようにしても良い。袋10の幅寸法の変更に合わせて、幅データを入力する手段があれば、装置、方法等は特に限定されない。
【0057】
また、複数種の袋10の幅が予め決まっているときには、それに合わせた袋10の間隔、搬送ピッチ、及び裁断位置を予め記憶しておき、袋10の幅(または袋の種類)が入力されたときに、記憶されたデータを読み出して裁断装置の設定を行うようにすることもできる。また、裁断位置については、袋10の幅寸法により、搬送ピッチが算出され、裁断位置も決まるが、各打ち抜き手段を算出された裁断位置まで自動で移動させても良く、算出された裁断位置を作業者が確認し、手動で各打ち抜き手段を移動させて良く、各打ち抜き手段の制御方法については特に限定されない。
【0058】
<5-5>
上記実施形態では、無端ベルト23の最上流地点と最下流地点との間を搬送路とし、その長さを搬送路の長さとしているが、搬送路の設定は、これには限定されない。すなわち、製袋装置100からの無端ベルト23への受け入れ位置、及び処理装置200への受け渡し位置によって、搬送路の長さを適宜設定することができる。したがって、上記実施形態で以外での受け入れ位置及び受け渡し位置を適宜設定することができる。
【0059】
<5-6>
両打ち抜きユニット4,5では、袋10の隅部11,12を円弧状に打ち抜いているが、円弧状に限られず、例えば、隅部11,12を斜めに直線状に切り取ったり、直線と曲線とが混在した形状に切り取るような処理を行うこともできる。また、一対の第1隅部11または第2隅部12の一方のみを打ち抜くように構成することもできる。さらに、第1及び第2打ち抜きユニット4,5を入れ替え、第2隅部12を裁断した後、第1隅部11を裁断することもできる。さらに、第1及び第2打ち抜きユニット4、5を同時に動作させて、裁断することもできる。
【0060】
<5-7>
また、高速での処理を行うには、駆動プーリ21の回転速度を速くしたり、停止時間を短くすることができる。
【0061】
<5-8>
上記実施形態では、本発明に係る裁断装置を袋10の裁断に適用した例を示したが、本発明は、袋の裁断以外でも、シート材などの扁平材全般の隅部の裁断にも適用することができる。
【符号の説明】
【0062】
10 袋(扁平材)
11 第1隅部
12 第2隅部
21 駆動プーリ
22 従動プーリ
23 無端ベルト
231 突部
232 貫通孔
3 支持台
32 支持面
33 吸引口
4 第1打ち抜きユニット(第1打ち抜き手段)
5 第2打ち抜きユニット(第2打ち抜き手段)
7 制御ユニット(制御手段)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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