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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-22
(45)【発行日】2022-08-01
(54)【発明の名称】真空遮断器
(51)【国際特許分類】
   H01H 33/664 20060101AFI20220725BHJP
   H01H 1/06 20060101ALI20220725BHJP
【FI】
H01H33/664 C
H01H1/06 J
H01H1/06 K
H01H1/06 M
H01H33/664 D
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018153305
(22)【出願日】2018-08-16
(65)【公開番号】P2020027782
(43)【公開日】2020-02-20
【審査請求日】2021-07-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】508296738
【氏名又は名称】富士電機機器制御株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100132067
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 喜雅
(74)【代理人】
【識別番号】100120444
【弁理士】
【氏名又は名称】北川 雅章
(72)【発明者】
【氏名】山城 啓輔
【審査官】片岡 弘之
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-281059(JP,A)
【文献】特開昭61-224229(JP,A)
【文献】特開昭52-150571(JP,A)
【文献】特開2003-092050(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 33/664
H01H 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空容器の内部で接離可能に設けられて接触状態で通電し、離間状態で通電を遮断する可動接触子及び固定接触子を備えた真空遮断器であって、
前記可動接触子及び前記固定接触子の電極部は、相互に対向する対向面が形成された接点部を備え、
前記対向面の少なくとも一方は、その外周縁に沿って位置する外周部領域と、該外周部領域より中心側に形成され他方の前記対向面からの距離が前記外周部領域よりも大きい凹部と、該凹部内に形成され遮断動作時に該凹部の底部よりも電界が強くなる電界集中部とを備え
前記電界集中部は、前記凹部の底部に設けられた凸部により形成され、
前記凸部は、複数の突起によって形成されることを特徴とする真空遮断器。
【請求項2】
前記凸部の突出高さは、前記凹部の深さより小さく形成されていることを特徴とする請求項に記載の真空遮断器。
【請求項3】
真空容器の内部で接離可能に設けられて接触状態で通電し、離間状態で通電を遮断する可動接触子及び固定接触子を備えた真空遮断器であって、
前記可動接触子及び前記固定接触子の電極部は、相互に対向する対向面が形成された接点部を備え、
前記対向面の少なくとも一方は、その外周縁に沿って位置する外周部領域と、該外周部領域より中心側に形成され他方の前記対向面からの距離が前記外周部領域よりも大きい凹部と、該凹部内に形成され遮断動作時に該凹部の底部よりも電界が強くなる電界集中部とを備え
前記電界集中部は、前記凹部の底部の表面粗さを前記外周部領域より粗くして形成されることを特徴とする真空遮断器。
【請求項4】
前記対向面の双方が前記電界集中部を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれかに記載の真空遮断器。
【請求項5】
前記外周部領域には、スリットが形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれかに記載の真空遮断器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空となる空間内で接触子を離間して電流を遮断する真空遮断器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、真空容器内に接離可能な一対の電極を設け、電流遮断時に電極間に発生したアークを真空中で消弧する真空遮断器が利用されている。かかる真空遮断器としては、電流遮断性能向上のため、特許文献1に開示されるように、電極にスリットを形成して縦磁界を生成したものが知られている。
【0003】
ところで、真空遮断器にあっては、耐電界の向上、信頼性や品質の安定のため、一対の電極の接点部間に放電によって通流するコンディショニングと称される処理が行われる。このコンディショニングによって、接点部表面状態の安定化、汚損の除去、脱ガスが行われ、絶縁耐力が安定化される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2003-92050号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述したコンディショニングを行っても、保管や流通、施工時には接点部同士が接触或いは圧接した状態となり、また、実運転前の試験時には各接点部を繰り返し開閉することとなる。このため、せっかくコンディショニング処理を施した電極が実運用時には状態が悪化し、品質低下を引き起こす、という問題がある。
【0006】
ここで、本発明者は、かかる問題を解消するため、接点部の中心側に凹部を形成する電極を用いることを検討した。また、本発明者は、かかる電極に更なる改良を加え、凹部内にて電界が集中的に強くなる箇所を設け、電流遮断時にアークが発生する位置を安定させることができるようにした。
【0007】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、接点部の対向面にて安定した表面状態を確保でき、アークの発生を安定させることができる真空遮断器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明における一態様の真空遮断器は、真空容器の内部で接離可能に設けられて接触状態で通電し、離間状態で通電を遮断する可動接触子及び固定接触子を備えた真空遮断器であって、前記可動接触子及び前記固定接触子は、相互に対向する対向面が形成された接点部を備えて縦磁界を発生する電極部をそれぞれ含み、少なくとも一方の前記対向面には、その外周縁に沿って位置する外周部領域と、該外周部領域より中心側に形成される凹部と、該凹部の底部に形成されて該底部より電界が強くなる電界集中部とを備え、前記電界集中部は、前記凹部の底部に設けられた凸部により形成され、前記凸部は、複数の突起によって形成されることを特徴とする。また、本発明における一態様の真空遮断器は、真空容器の内部で接離可能に設けられて接触状態で通電し、離間状態で通電を遮断する可動接触子及び固定接触子を備えた真空遮断器であって、前記可動接触子及び前記固定接触子の電極部は、相互に対向する対向面が形成された接点部を備え、前記対向面の少なくとも一方は、その外周縁に沿って位置する外周部領域と、該外周部領域より中心側に形成され他方の前記対向面からの距離が前記外周部領域よりも大きい凹部と、該凹部内に形成され遮断動作時に該凹部の底部よりも電界が強くなる電界集中部とを備え、前記電界集中部は、前記凹部の底部の表面粗さを前記外周部領域より粗くして形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、接点部における対向面に凹部を設けたので、上述したコンディショニングを行った場合、凹部の底部では実運用前に状態が悪化することを防止できる。また、接点部間の距離に関して、凹部の形成領域間と外周部領域間とを比べると、凹部の形成領域間の方が凹部の深さ分長くなる。電流遮断時に各接触子の電極部は真空空間にて離間するので、接点部間の距離が長い方、言い換えると、外周部領域ではなく凹部の底部の方に電界を集中でき、凹部にて電流遮断でのアーク放電を発生させることができる。従って、コンディショニングで表面状態が良好な凹部の底部でアーク放電を発生でき、該アークの発生を安定化させて遮断性能の向上を図ることができる。しかも、凹部内にて電界が集中的に強くなる箇所として電界集中部を設けたので、電流遮断時にアークが発生する位置を安定させることができ、これによっても遮断性能の向上に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1の実施の形態に係る真空遮断器を一部断面視した概略構成図である。
図2】固定接触子の電極部を上方から見た説明図である。
図3】接点部における図2のA-A線の縦断面図である。
図4】パッシェン曲線のグラフである。
図5】第2の実施の形態に係る電極部の図2と同様の説明図である。
図6】接点部における図5のB-B線の縦断面図である。
図7】変形例に係る電極部の図2と同様の説明図である。
図8】他の変形例に係る電極部の図2と同様の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は、下記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施することができるものである。以下の図においては、説明の便宜上、一部の構成を省略することがある。
【0012】
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態に係る真空遮断器を一部断面視した概略構成図である。図1に示すように、真空遮断器10は、真空容器11と、真空容器11の内部で接離可能に設けられた可動接触子12及び固定接触子14を備えている。真空遮断器10では、可動接触子12及び固定接触子14が接触状態(図示省略)で通電(閉路)し、図1に示す離間状態で通電を遮断(開路)するものである。
【0013】
真空容器11は、セラミック等によって形成される絶縁筒15と、絶縁筒15の図1中上端側及び下端側を閉塞するように設けられた端板16、17とを備えている。上方の端板16には、可動接触子12が上下動可能に貫通して設けられている。下方の端板17には、固定接触子14が固定されている。
【0014】
可動接触子12は、可動側ロッド19を備え、可動側ロッド19は、ベローズ等の気密部材(不図示)を介して真空容器11内の真空状態を保ちながら軸方向(上下方向)に移動可能に設けられる。可動側ロッド19は、引張りばねとなる遮断ばね20に接続されており、遮断ばね20を引き伸ばした状態でラッチ等(不図示)を介して係止されつつ、可動接触子12及び固定接触子14が接触して通電される。この状態から、ラッチ等を動作させることで、遮断ばね20の復元力で可動側ロッド19を上方に移動させて固定接触子14から可動接触子12を離間動作して通電が遮断される。
【0015】
固定接触子14は、固定側ロッド22を備え、固定側ロッド22は、下方の端板17に装着された固定ブロック23を介して固定されている。
【0016】
可動接触子12は、可動側ロッド19の一端部(図1中下端部)に電極部30を備えている。固定接触子14は、固定側ロッド22の一端部(図1中上端部)に電極部30を備えている。本実施の形態では、各電極部30は、上下対称となる向きに設けられて対向するように配置されている。各電極部30の外側には絶縁筒15の内周面を保護するシールド25が設けられている。
【0017】
固定接触子14の電極部30と可動接触子12の電極部30とは、上述のように向きが異なるものの、本実施の形態では概略同一の構成が採用される。従って、以下の説明では、固定接触子14の電極部30の構成について説明し、可動接触子12の電極部30にて固定接触子14の電極部30と共通する構成要素については、同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
【0018】
電極部30は、円柱状の外形をなす電極本体部31と、電極本体部31の上端側にろう付け等によって連結された円板状の接点部32とを備えている。固定接触子14の接点部32にあっては上面が対向面33として形成され、可動接触子12の接点部32の下面となる対向面33と相互に対向するようになる。
【0019】
電極本体部31には、その軸線に対して傾斜しつつ螺旋状に延びる傾斜スリット34が複数本(本実施の形態では6本)形成されている。傾斜スリット34は、電極本体部31の外周面から所定深さで形成されている。接点部32には、その外周縁に一端が形成されるスリット35が形成され、スリット35の一端と傾斜スリット34の上端とが連続するように形成される。
【0020】
図2は、固定接触子の電極部を上方から見た図である。図2に示すように、接点部32の対向面33には、その外周縁に沿う所定幅で円環状に形成される外周部領域37と、外周部領域37より面内中心側に形成される凹部38とが形成される。また、凹部38の内部における底部38aには電界集中部となる凸部39が突設して形成されている。凸部39の平面形状は、単一の環状に形成されている。具体的には、凸部39は、接点部32と同心円となる円形に沿って延出する突条状(リブ状)に形成される。
【0021】
外周部領域37には、複数本(本実施の形態では6本)のスリット35が形成されている。スリット35の他端(内方端)は、外周部領域37と凹部38との境界近傍であって凹部38に達しない位置に形成される。スリット35及び傾斜スリット34によって、電極部30の通電路がコイル状となって縦磁界(図1中上下方向に平行な方向の磁界)が発生し、遮断特性を向上できるようになる。
【0022】
図3は、接点部における図2のA-A線の縦断面図である。凹部38の底部38aから突出する凸部39の突出高さは、凹部38の深さより小さく形成されている。言い換えると、凸部39の先端位置は、外周部領域37の平面位置より突出しない位置に形成されている。また、凸部39は、その延出方向に直交する断面において矩形状に形成され、先端に概略直角となる一対のエッヂ部を有するように形成される。
【0023】
真空遮断器10において、可動接触子12及び固定接触子14が接触する通電状態では、それらの外周部領域37同士が接触する。一方、通電状態において、凹部38の底部38a同士、凸部39同士は所定距離離れた非接触状態で対向することとなる。
【0024】
真空遮断器10にて通電状態から電流を遮断すべく、固定接触子14及び可動接触子12の各接点部32が離間されると、各接点部32の間にアークが発生する。このアークの発生について、一般的に知られているパッシェン曲線に基づいて説明する。図4は、パッシェン曲線のグラフである。図4のパッシェン曲線のグラフでは、横軸を気圧×ギャップ長、縦軸を絶縁破壊電圧(絶縁強さ)とする。パッシェン曲線では、絶縁破壊電圧の極小値Vminが得られる横軸のギャップ長×気圧をさらに小さくすると、絶縁破壊電圧は急激に立ち上がることがわかっている。
【0025】
本実施の形態では、真空空間内で各接点部32が離間されるので、気圧が略一定且つ極めて低圧の条件となる。従って、図4のグラフにおいて、絶縁破壊電圧が極小値Vminとなる横軸の値より小さい値での条件下で絶縁破壊が発生する。また、気圧が真空となって略一定なので、横軸の気圧×ギャップ長の値は、ギャップ長に応じて変化し、ギャップ長が大きくなる程、絶縁破壊電圧が小さくなる。従って、ギャップ長が小さくなる領域に比べて大きくなる領域の方が、アーク放電が発生し易い条件となる。
【0026】
電流遮断時の各接点部32にて、相互に接触する外周部領域37が離間された直後には、各外周部領域37の間の離間距離に対し、各凹部38の底部38aの間の離間距離の方が大きくなる。上述のパッシェン曲線の説明に基づき、離間距離が大きい各凹部38の底部38a間でアークが選択的に発生し、各外周部領域37の間でアークが発生することを抑制することができる。
【0027】
ここで、凹部38の底部38aには凸部39が形成され、凸部39は、底部38aから部分的に突出する形状や上記のエッヂ部を有する形状に起因してフラットな底部38aより電界が集中して強くなる。従って、電流遮断(遮断動作)時において、凸部39の箇所で安定的にアーク放電を形成することが可能になる。特に、接点部32で発生する最大電界強度を100%とした場合、凸部39のエッヂ周りとなる図2中網点で表した領域にて最大電界強度が80%~100%、好ましくは90%~100%となる。かかる領域が電界集中部となってアークを安定して発生でき、それ以外の領域でのアークの発生を回避することができる。
【0028】
このような第1の実施の形態によれば、接点部32に凹部38を形成することで、2つの接点部32の外周部領域37同士が接触状態となっても、凹部38の底部38aを他方の接点部32に対して非接触に保つことができる。これにより、凹部38の底部38aにコンディショニング処理を施した場合、実運転前に試験や運搬等を行っても、底部38aの良好な表面状態を安定して確保することができる。
【0029】
しかも、パッシェン曲線の説明において述べたように、凹部38の底部38aにてアークが発生するようになり、コンディショニング処理した状態から悪化してしまう外周部領域37でアークが発生することを回避することができる。この結果、コンディショニングで良好な表面状態となった凹部38の底部38aにおいてアークを安定して発生させることが可能となり、遮断性能の向上を図ることができる。
【0030】
更には、凹部38内にて凸部39に電界が集中して強くなるので、アークの発生位置を凸部39の形成位置として安定させることができ、これによっても遮断性能を向上することができる。
【0031】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について図5及び図6を参照して説明する。なお、以下の説明において、第1の実施の形態と同一若しくは同等の構成部分については同一符号を用いる場合があり、説明を省略若しくは簡略にする場合がある。
【0032】
図5は、第2の実施の形態に係る電極部の図2と同様の説明図である。図6は、接点部における図5のB-B線の縦断面図である。図5及び図6に示すように、第2の実施の形態では、第1の実施の形態に対し、電界集中部となる凸部50の構成を変更している。
【0033】
第2の実施の形態において、凸部50は、複数の突起51によって形成される。各突起51は、凹部38の底部38aに万遍なく配設されるよう所定間隔毎に形成される。各突起51においても、突出高さが凹部38の深さより小さく形成されている。各突起51は、先端側が尖ったコーン形状に形成され、この尖った形状に起因して底部38aより電界が集中して強い状態になる。第1の実施の形態と同様に、図5中網点で表した領域(突起51の先端回り)にて最大電界強度が80%~100%、好ましくは90%~100%となる。このような第2の実施の形態によっても、第1の実施の形態と同様の作用、効果を得ることができる。なお、各突起51はコーン形状ではなく円柱状とし、エッジ部分に電界を集中させるような構成としてもよい。このような形状とすることで、アーク発生による損耗の影響をより抑えることができる。
【0034】
なお、本発明は上記各実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状、向きなどについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
【0035】
電界集中部を形成する凸部39、50の先端形状は、図示構成例に限定されるものでなく、その先端部分にR形状や面取り形状を形成するようにしてもよい。但し、凸部39、50の先端を角張った形状や尖った形状にした方が、電界が密になり易くなる点で有利となる。
【0036】
また、凸部39の形成領域は、上記各実施の形態と同様に電界を集中できる限りにおいて、種々の変更が可能である。例えば、図7及び図8に示す構成に変更してもよく、図7では、凹部38の底部38aに同心円上に2つの凸部39を形成し、図8では、同心円上に3つの凸部39を形成している。更に、凸部39の平面形状は円形に限定されるものでなく、方形状や多角形状となる環状に形成する他、環状とならない直線状や円弧状、これらを組み合わせた形状としてもよく、形成位置も単一箇所とする他、相互に離れて複数箇所としてもよい。
【0037】
また、電界集中部は、凹部38の底部38aの表面粗さを外周部領域37より粗くして形成してもよい。この構成では、底部38aの表面粗さが粗くなって微視的に見て突出した形状を有する部分でアークを安定して発生することができる。
【0038】
また、可動接触子12の接点部32と固定接触子14の接点部32とが同一の構成となる場合を説明したが、異なる構成とすることを妨げるものでない。例えば、何れか一方の接点部32において、凹部38及び凸部39、50の両方を省略したり、凹部38は形成しつつ凸部39、50の形成だけを省略したりしてもよい。また、それぞれの接点部32にて凸部39、50の形状や形成領域が異なるものとしてもよい。
【0039】
また、凸部39、50の突出高さを凹部38の深さより大きくする、言い換えると、凸部39、50の先端側が外周部領域37より突出するようにしてもよい。但し、この場合、該凸部39、50が形成された接点部32と対向する別の接点部32において、該凸部39、50に接触しないように凹部38の深さや、凸部39、50の形成位置、高さが設定される。
【0040】
また、電極部30において、接点部32と電極本体部31とを別体として固定した構成としたが、これらを一体に形成してもよい。
【符号の説明】
【0041】
10 真空遮断器
11 真空容器
12 可動接触子
14 固定接触子
30 電極部
32 接点部
33 対向面
35 スリット
37 外周部領域
38 凹部
38a 底部
39 凸部(電界集中部)
50 凸部(電界集中部)
51 突起
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8