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特許7110058カバーおよび車載用フィン型アンテナ装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-22
(45)【発行日】2022-08-01
(54)【発明の名称】カバーおよび車載用フィン型アンテナ装置
(51)【国際特許分類】
   H01Q 1/42 20060101AFI20220725BHJP
   H01Q 1/22 20060101ALI20220725BHJP
   H01Q 1/32 20060101ALI20220725BHJP
【FI】
H01Q1/42
H01Q1/22 B
H01Q1/32 Z
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2018196689
(22)【出願日】2018-10-18
(65)【公開番号】P2020048175
(43)【公開日】2020-03-26
【審査請求日】2021-09-16
(31)【優先権主張番号】P 2017201930
(32)【優先日】2017-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2018173742
(32)【優先日】2018-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000102692
【氏名又は名称】NTN株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【弁理士】
【氏名又は名称】熊野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100155457
【弁理士】
【氏名又は名称】野口 祐輔
(72)【発明者】
【氏名】園嵜 智和
(72)【発明者】
【氏名】森 夏比古
(72)【発明者】
【氏名】里路 文規
(72)【発明者】
【氏名】柴原 克夫
【審査官】岸田 伸太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-036104(JP,A)
【文献】特開2011-116842(JP,A)
【文献】国際公開第2013/147115(WO,A1)
【文献】特開2012-198537(JP,A)
【文献】韓国公開実用新案第20-2011-0012050(KR,U)
【文献】特開平02-035803(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/42
H01Q 1/22
H01Q 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のアンテナ部と、前記複数のアンテナ部と電気的に接続された回路基板と、前記複数のアンテナ部及び回路基板を内部に収容するレドームとを備えた車載用フィン型アンテナ装置であって、
前記レドームを、結晶性樹脂をベース樹脂とし、荷重たわみ温度が100℃以上である樹脂材料で形成した車載用フィン型アンテナ装置。
【請求項2】
前記アンテナ部を4個以上有する請求項に記載の車載用フィン型アンテナ装置。
【請求項3】
前記複数のアンテナ部が、キーレスエントリー用アンテナ部を含む請求項またはに記載の車載用フィン型アンテナ装置。
【請求項4】
前記レドームの内部に充填材が封入され、該充填材により前記複数のアンテナ部を一体に保持した請求項の何れか1項に記載の車載用フィン型アンテナ装置。
【請求項5】
前記充填材が発泡材料からなる請求項に記載の車載用フィン型アンテナ装置。
【請求項6】
前記充填材の誘電正接が0.02以下である請求項又はに記載の車載用フィン型アンテナ装置。
【請求項7】
前記樹脂材料の誘電正接が0.01以下である請求項の何れか1項に記載の車載用フィン型アンテナ装置。
【請求項8】
前記樹脂材料のベース樹脂が、PMP、LCP、PPS、PBTの何れかである請求項の何れか1項に記載の車載用フィン型アンテナ装置。
【請求項9】
前記樹脂材料のベース樹脂が、下記の化学式に示す繰り返し構造単位を有するLCPである請求項の何れか1項に記載の車載用フィン型アンテナ装置。
【化1】
この化学式1において、nは0または1を、x、y、zはそれぞれ任意の整数を表す。
【請求項10】
前記樹脂材料のベース樹脂が、下記の化学式2に示す繰り返し構造単位を有するLCPである請求項の何れか1項に記載の車載用フィン型アンテナ装置。
【化2】
この化学式2において、x、yは、それぞれ任意の整数を表す。
【請求項11】
レドームに防水通気フィルタを設けた請求項10の何れか1項に記載の車載用フィン型アンテナ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば家の壁面等に取り付けられる電磁気/電磁波発生装置用のカバー、車両のルーフ等の上に取り付けられる電磁気/電磁波発生装置用のレドーム等のカバー、及び、レドーム等のカバーを備えたフィン型アンテナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両には、各種電波を受信するための様々なアンテナが、それぞれに適した場所に取り付けられる。例えば、AM/FM受信用アンテナや衛星ラジオ受信用アンテナ等は車両のルーフ上に取り付けられ(例えば、下記の特許文献1参照)、キーレスエントリー用アンテナは各ドアに取り付けられる(例えば、下記の特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-25477号公報
【文献】特開2016-211358号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、車両の様々な部位にアンテナを設けることで、各アンテナと、車両に設けられた制御部とを接続するケーブルの数が多くなるため、車両の重量が増大して燃費の低下を招く。特に、近年、車両の無線通信機能が多様化し、車両に搭載されるアンテナの種類が多くなる傾向にあるため、各アンテナから延びるケーブルの重量増大が問題となる。
【0005】
そこで、本発明者らは、車両のルーフ上に設けられるフィン型アンテナ装置に、複数(例えば4個以上)のアンテナを内蔵することを検討した。これにより、各アンテナと制御部とを接続するケーブルを一本にまとめることができるため、車両を軽量化して低燃費化が図られる。
【0006】
しかし、車載用フィン型アンテナ装置のレドーム等のカバー内に複数のアンテナを収容すると、レドーム等のカバー内に設けられた回路基板が発熱しやすくなり、回路基板上の電子部品が劣化して短寿命になる恐れがある。また、レドーム等のカバー内の温度が高くなるため、レドーム等のカバーが早期に劣化するおそれがある。
【0007】
そこで、本発明は、内部に複数のアンテナ等の電磁気/電磁波発生装置を収容するレドーム等のカバー、及び、レドーム等のカバーを備えた車載用フィン型アンテナ装置の耐久性を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本発明は、電磁気/電磁波発生装置を保護し、且つ、電磁気/電磁波発生装置から生じる電磁気/電磁波を透過可能な筐体として形成されたカバーであって、前記筐体を、結晶性樹脂をベース樹脂とし、荷重たわみ温度が100℃以上である樹脂材料で形成したカバーを提供する。また、前記課題を解決するために、本発明は、複数のアンテナ部と、前記複数のアンテナ部と電気的に接続された回路基板と、前記複数のアンテナ部及び回路基板を内部に収容するレドームとを備えた車載用フィン型アンテナ装置であって、前記レドームを、結晶性樹脂をベース樹脂とし、荷重たわみ温度が100℃以上である樹脂材料で形成した車載用フィン型アンテナ装置を提供する。
【0009】
このように、レドーム等のカバーを、耐熱性に優れた結晶性樹脂をベース樹脂とし、且つ、荷重たわみ温度を100℃以上である樹脂材料で形成することで、高温時におけるレドーム等のカバーの強度が保証されるため、レドーム等のカバーの内部に複数(特に4個以上)のアンテナ部等の電磁気/電磁波発生装置を収容した場合や夏場の炎天下でも、十分な耐久性が得られる。尚、荷重たわみ温度の測定方法は、例えば、JIS K 7191-1、ASTM-D648、ISO75-1、ISO75-2による。
【0010】
従来のキーレスエントリー用アンテナは、車両のドア等(具体的には、左右のフロントサイドドア、自動スライドドア、バックドア、トランクフード等)に分散して設けられるため、各アンテナから延びるケーブルの数が多くなり、特に重量が嵩む。従って、キーレスエントリー用アンテナを、車載用フィン型アンテナ装置のレドーム内に集約すれば、ケーブル数が大幅に減るため、軽量化の効果が大きい。
【0011】
上記のようにレドーム内に複数のアンテナ部を収容すると、アンテナ部同士が近接するため、各アンテナ部の送受信電波(電磁気/電磁波)同士の干渉が問題となる。従って、電波の干渉が生じないように、各アンテナ部を所定の位置(特に各アンテナ部間の相対位置)に正確に配置する必要があるが、車両の走行時の振動等により、アンテナ部の位置がずれてしまうおそれがある。そこで、レドームの内部に充填材を封入し、この充填材により複数のアンテナ部を一体に保持すれば、各アンテナ部の相対的な位置ズレを防止し、各アンテナ部の送受信電波同士の干渉を確実に防止できる。このとき、充填材はアンテナ部に接触するため、アンテナ部の特性(例えば誘電率や誘電正接等)に影響を与えない材料であることが好ましい。このような充填材として、例えばウレタン等の発泡材料が挙げられる。
【0012】
充填材や樹脂材料の誘電正接は、低いほうがアンテナ部等の電磁気/電磁波発生装置の特性に影響を与えない。従って、充填材の誘電正接は、例えば0.02以下であることが好ましい。また、レドーム等のカバーを形成する樹脂材料の誘電正接は、例えば0.01以下であることが好ましい。このように、低い誘電正接の充填材や樹脂材料を用いることにより、アンテナ部等の電磁気/電磁波発生装置の特性への悪影響が回避される。尚、誘電正接は、例えば、ASTMD150、IEC60250、JISC2138に定められる測定法に基づいて求められ、周波数によって最適な測定法が選択されるが、何れの測定法によっても値は異ならない。
【0013】
レドーム等のカバーを形成する樹脂材料のベース樹脂となる結晶性樹脂としては、例えば、PMP(ポリメチルペンテン)、LCP(液晶ポリマー)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)の何れかを使用することができる。これらのうち、PMPあるいはLCPが特に好ましい。PMPは密度が非常に小さいため、レドーム等のカバーを軽量化することができる。また、LCPは、薄肉化することで配向性が高まって強度を高くなるという性質を有するため、強度を確保しながら薄肉化による軽量化を図ることができる。
【0014】
レドーム等のカバーを形成する樹脂材料のベース樹脂は、例えば下記の化学式1に示す繰り返し構造単位を有するLCPであることが好ましい。このLCPは、全芳香族ポリエステル系LCPであり、特に耐熱性に優れている。
【0015】
【化1】
この化学式1において、nは0または1を、x、y、zはそれぞれ任意の整数を表す。
【0016】
また、レドーム等のカバーを形成する樹脂材料のベース樹脂は、例えば下記の化学式2に示す繰り返し構造単位を有するLCPであることが好ましい。このLCPは、レドーム等のカバーとして使用可能な適度な耐熱性を有すると共に、レドーム等のカバーとして使用可能な好ましい誘電正接値などの電気特性を有する。
【0017】
【化2】
この化学式2において、x、yは、それぞれ任意の整数を表す。
【0018】
レドームの内部の温度が上昇すると、外気温との温度差によりレドーム内に圧力が生じ、この圧力がアンテナ部に悪影響を及ぼすおそれがある。そこで、上記の車載用フィン型アンテナ装置のレドームに、水の通過を規制して空気の通過を許容する防水通気フィルタを設けてもよい。この防水通気フィルタにより、レドーム内への水や塵の侵入を防止しながら、レドーム内の熱を外部に放出することができるため、レドーム内の温度上昇を抑えてアンテナ部の性能低下を防止することができる。
【発明の効果】
【0019】
以上のように、本発明によれば、内部に複数のアンテナ部等の電磁気/電磁波発生装置を収容するレドーム等のカバー、及び、レドーム等のカバーを備えた車載用フィン型アンテナ装置の耐久性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態に係る車載用フィン型アンテナ装置の断面図である。
図2】上記車載用フィン型アンテナ装置のアンテナ部及び回路基板の平面図である。
図3】他の実施形態に係る車載用フィン型アンテナ装置の後面図である。
図4図3のX-X断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
図1及び図2に示す車載用フィン型アンテナ装置1は、車両のルーフ上に取り付けられるベース2と、ベース2に取り付けられたフィン型のレドーム(カバー)3と、レドーム3内の空間に収容された複数のアンテナ部(電磁気/電磁波発生装置)、及び、これらと電気的に接続された回路基板4とを主に備える。本実施形態では、4個のアンテナ部5a~5dを有する車載用フィン型アンテナ装置1を示す。
【0023】
ベース2は、平板状を成し、例えば樹脂で形成される。ベース2の下面には、車両のルーフに固定するための固定部2aが設けられる。固定部2aは、例えばボルトで構成され、車両のルーフに設けられた貫通穴にボルトを挿通し、このボルトにナットを締結することで、ベース2を含む車載用フィン型アンテナ装置1が車両のルーフ上に固定される。ベース2には貫通穴2bが設けられ、この貫通穴2bに、車両に設けられた制御部(図示省略)と接続するためのケーブル8が挿通される。
【0024】
レドーム3は、フィン型の外形を成し、下方を開口した内部空間を有する。レドーム3の下方の開口部には、ベース2がパッキン等のシール部材(図示省略)を介して固定される。レドーム3は、樹脂材料で形成され、その表面(外面)には塗装が施される。
【0025】
レドーム3には、耐熱性(直射日光の熱やボディからの伝熱)、耐候性(風雨や塵)、耐紫外線性(直射日光)、耐薬品性(洗剤、ワックス、コーティング剤など)、強度(自動洗車機による洗車時、雹や霰などの異物衝突)等、様々な特性が要求される。これらのうち、耐熱性及び強度は重要であり、特に、高温時における強度を考慮してレドーム3の材質を選定する必要がある。本実施形態では、レドーム3を形成する樹脂材料のベース樹脂として、耐熱性に優れた結晶性樹脂を使用した。また、荷重たわみ温度が100℃以上、好ましくは150℃以上となるように、ベース樹脂及び添加材の種類及び配合量を設定した。以下、材料の具体例について説明する。
【0026】
ベース樹脂となる結晶性樹脂としては、例えば、PMP(ポリメチルペンテン)、LCP(液晶ポリマー)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)などのPAS(ポリアリーレンスルフィド)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)の何れかを使用することができる。
【0027】
PMPは、酸素透過性、耐薬品性に優れている。PMPは低密度なので、レドーム3の軽量化が可能となる。PMPは加水分解しないので、耐水性、耐スチーム性が高い。PMPは、融点が220~240℃程度(例えば235℃)と高く、例えばASTM-D648(0.45MPa)の試験法に基づいて測定された荷重たわみ温度が100℃以上のものがあるため、高温環境での使用に適している。
【0028】
また、PMPは、誘電特性の周波数依存が小さい。例えばASTM-D150の試験法に基づいて測定されたPMPの誘電正接(tanδ)は、10kHz、1MHzともに、0.0003以下とされ、10GHzでも、0.0008と低い値を示す。このように、PMPまたはPMPを含有する樹脂材料は、車載用フィン型アンテナ装置1のレドーム3として十分に使用可能な電気的特性も備えている。
【0029】
例えばASTM-D150の試験法に基づいて測定されたフェノール樹脂の誘電正接(tanδ)は、50Hz~1MHzでは例えば0.08~0.50と高い。このようなものは、車載用フィン型アンテナ装置1のレドーム3の樹脂材料としては好ましくない。
【0030】
車載用フィン型アンテナ装置1のレドーム3を形成する樹脂材料の誘電正接(tanδ)は、どのような測定方法及び周波数の条件下でも例えば0.001以下とされることがより望ましい。
【0031】
PMPとして、下記の化学式3に示される繰り返し構造単位を有するものが挙げられる。
【0032】
【化3】
この化学式3において、xは任意の整数を表す。
【0033】
LCPは、耐熱性、難燃性、耐薬品性、ガスバリア性、制振性に優れ、高強度、高弾性率を有する。LCPは、熱膨張率が低く、寸法安定性に優れている。LCPは、薄肉化することで配向性が高まって強度を高くなるという性質を有するため、強度を確保しながらレドーム3を薄肉化して軽量化を図ることができる。
【0034】
LCPとしては、下記の化学式4~6に示される繰り返し構造単位を有するものが挙げられる。耐熱性に優れることから、化学式4の全芳香族ポリエステル系LCPが特に好ましい。LCPは、溶融状態で液晶性を示すため、成形時の流動性がよく、レドーム3が薄肉状であっても容易に成形できる。
【0035】
【化4】
【化5】
【化6】
これらの化学式4~6において、nは0または1を、x、y、zはそれぞれ任意の整数を表す。
【0036】
特に注目されている、溶融成形可能で溶融時に異方性を示すサーモトロピック液晶ポリマーは、液晶特有の配向性を示し、これが自己強化性を発揮する結果、それ自身の耐熱変形性が高く、無機系の耐熱性繊維状充填剤または粉末状充填剤等の補強剤の充填量も少量で耐熱変形性向上に寄与する。
【0037】
また、上記の化学式4に示すLCPにガラス繊維等が添加された樹脂材料は、ASTM-D648(1.8MPa)の試験法に基づいて測定された荷重たわみ温度が、例えば240℃以上と高い値を示す。この樹脂材料は、誘電特性等の電気的特性も優れており、例えば、ASTM-D150の試験法に基づいて測定された誘電正接(tanδ)が、1GHzで0.003~0.004と低い値を示す。
【0038】
また、上記の化学式5に示すLCPにガラス/無機物、ガラス繊維等が添加された樹脂材料は、ISO75-1、2(1.8MPa)の試験法に基づいて測定された荷重たわみ温度が、例えば235℃以上と高い値を示す。この樹脂材料も、誘電特性等の電気的特性に優れており、例えば、IEC60250の試験法に基づいて測定された誘電正接(tanδ)は、1kHzで0.01、1MHzで0.01と低い値を示す。
【0039】
なお、ASTM D150、IEC 60250、JISC2138に基づいた比誘電率および誘電率、誘電正接について説明すると、先ず、板状・シート状の測定対象に平板電極を接触させ、平行板コンデンサを作製する。次に、作製したコンデンサの静電容量を測定し、比誘電率を算出する。比誘電率とは、絶縁材料によって作製されたコンデンサの静電容量Cxの同一電極構成で電極間を真空で満たした場合の静電容量C0に対する比とされている。また、誘電率とは、絶縁材料の比誘電率εrと真空の誘電率ε0との積とされている。また、誘電正接は、測定装置であるLCRメータより読み取る。LCRメータとは、L(インダクタンス)、C(キャパシタンス)、R(レジスタンス)、Z(インピーダンス)等の主に受動部品のパラメータを交流で測定する装置とされている。
【0040】
PPS等のPASは、耐熱性、耐寒性、耐薬品性、耐クリープ性、耐候性、疲労特性に優れている。PPS等のPASは、難燃性や耐ヒートショック性も優れている。PPS等のPASは、絶縁材料としても優れており、周波数が変わっても各アンテナ部5a~5dの誘電率や誘電正接等にはほとんど影響がない。
【0041】
PASは、一般的に下記式(1)で示される合成樹脂である。下記式(1)中のArはアリーレン基であり、Arとしては、例えば下記式(2)~(7)に示されるものが挙げられる。なお、下記式(5)において、XはF、ClおよびBrから選ばれるハロゲンまたはCHを示し、mは1~4の整数を示す。
【0042】
【化7】
【化8】
【化9】
【0043】
PASとしては、上記式(1)中のArが上記式(2)であるPPSを好適に用いることができる。PASは、繰り返し単位(-Ar-S-)の含有率が70モル%以上であることが好ましく、90~100モル%であることがより好ましい。ここでいう繰り返し単位の含有率とは、PASを構成する全モノマー100%に占める繰り返し単位の割合をいう。繰り返し単位の含有率が70モル%未満のPASを用いた際には、レドーム3を形成した際に、低い吸水性に基づく、レドーム3における寸法変化の低減などの安定性を得にくい傾向にある。
【0044】
PASを得るには公知の方法を用いることができる。例えば、ハロゲン置換芳香族化合物と硫化アルカリとの反応(特公昭44-27671号公報)、ルイス酸触媒共存下における芳香族化合物と塩化硫黄との縮合反応(特公昭46-27255号公報)、または、アルカリ触媒もしくは銅塩などの共存下におけるチオフェノール類の縮合反応(米国特許第3274165号公報)などによって合成される。具体的な方法としては、硫化ナトリウムとp-ジクロロベンゼンとをN-メチルピロリドン、ジメチルアセトアミドなどのアミド系溶媒若しくはスルホランなどのスルホン系溶媒中で反応させることが挙げられる。
【0045】
PASの結晶性に影響を与えない範囲で、例えば、下記式(8)~(12)に示される成分をPASに含ませ、共重合成分とすることができる。下記式(8)~(12)に示される成分の添加量は、PASを構成する全モノマー100%に対して30モル%未満、好ましくは10モル%未満で1モル%以上とすることができる。
【0046】
【化10】
【化11】
【0047】
また、PASは、架橋型のものであるか、または部分的交差結合、すなわち、部分架橋を有するものであることが好ましい。部分的交差結合を有するPASは、半架橋型またはセミリニア型のPASとも呼ばれる。架橋型PASは、製造工程中に酸素存在下で熱処理を行うことによって分子量を必要な水準に高める。架橋型PASは、分子の一部がお互いに酸素を介して二次元または三次元の架橋構造を有する。そのため、次に述べるリニア型PASに比較して高温環境下においても高い剛性を保持し、クリープ変形が少ない点や、応力緩和されにくい点で優れる。このように、架橋型または半架橋型のPASは、リニア型(架橋のないもの)のPASに比べて耐熱性、耐クリープ性等に優れている。そのため、リニア型PASに比べて射出成形した成形品にバリの発生が少ないなどの利点がある。
【0048】
一方、リニア型PASは、製造工程において熱処理工程がないために分子中には架橋構造は含まれず、分子は一次元の直鎖状とされている。一般的にはリニア型PASは架橋型PASに比較して剛性が低く、靭性や伸びが多少高いのが特長とされている。また、リニア型PASは、特定方向からの機械的強度に優れたものである。さらにリニア型PASは、吸湿が少ないために高温多湿雰囲気でもさらに寸法変化が少ないなどの利点がある。また、リニア型PASは、例えば分子量を調整して溶融粘度を低くすることが可能となる。このため、リニア型PASに、ガラス繊維等の繊維状充填材、チタン酸カリウム等のウィスカー状充填材、マイカ等の鱗片状充填材、金属粉末等の粉末状充填材などの充填剤を多量に混合させた樹脂組成物であっても、射出成形性は著しく阻害されない。
【0049】
PASに架橋を形成するか、または部分的交差結合を形成する方法としては、例えば、低重合度のポリマを重合した後、空気が存在する雰囲気で加熱する方法や、架橋剤や分岐剤を添加する方法がある。
【0050】
PASの見かけの溶融粘度は、1000ポアズ以上10000ポアズ以下の範囲とするのが好ましい。見かけの溶融粘度が低すぎる(1000ポアズ未満)と、レドーム3の強度が低下するおそれがある。一方、見かけの溶融粘度が高くなり過ぎる(10000ポアズをこえる)と、成形性が低下するおそれがある。架橋性のPASの溶融粘度は1000~5000ポアズとすることができ、好ましくは2000~4000ポアズである。溶融粘度が低すぎると、150℃以上の高温域で耐クリープ特性などの機械的特性が低下するおそれがある。また、溶融粘度が大きすぎると成形性が低下するおそれがある。なお、溶融粘度の測定は、測定温度300℃、オリフィスが穴径1mm、長さ10mm、測定荷重20kg/cm、予熱時間6分の条件下で、高化式フローテスタにて実施することができる。
【0051】
また、部分的交差結合を有するPASの熱安定性は、上記の溶融粘度測定条件にて、予熱6分後と30分後の溶融粘度の変化率が-50%~150%の範囲であることが好ましい。なお、変化率は下記の式で表される。
[変化率=(P30-P6)/P6×100(P6:予熱6分後の測定値、P30:予熱30分後の測定値)]
【0052】
PASの分子量は、射出成形性を考慮すると、数平均分子量で13000~30000が好ましく、さらに耐疲労性、高成形精度を考慮すると、数平均分子量で18000~25000がより好ましい。数平均分子量が13000未満の場合には、分子量が低すぎて、耐疲労性が劣る傾向にある。一方、数平均分子量が30000をこえる場合には耐疲労性は向上するものの、必要な衝撃強度などの機械的強度を達成するために、例えば、ガラス繊維等の繊維状充填材を含有させることが必要な場合がある。例えば10~50質量%のガラス繊維を含有させると、成形時の溶融粘度が上記の上限値(10000ポアズ)をこえる。そのため、射出成形時にレドーム3の成形精度を確保することが困難になるおそれがある。なお、ここでの数平均分子量とは、PASを溶媒に溶解させた後、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフ(GPC法)で測定されるポリスチレン換算での数平均分子量を示す。
【0053】
PASの融点は、例えば約220~290℃、好ましくは280~290℃である。一般にPPSの融点は、約285℃であるため、PASとしてPPSを用いることが好ましい。また、PASは吸水性が低いため、PASを母材とするレドーム3は吸水による寸法変化が低減される。PASを母材とするレドーム3は、レドーム3における耐クリープ性、耐薬品性等に優れると共に、吸水による寸法変化が低減されるという優れた安定性を有する。
【0054】
また、PPS等のPASを有する樹脂材料は、ISO75-1、2(1.8MPa)の試験法に基づいて測定された荷重たわみ温度が、例えば105℃以上とされる。
【0055】
また、PPS等のPASにガラス繊維が40wt%添加された樹脂材料は、ISO75-1、2(1.8MPa)の試験法に基づいて測定された荷重たわみ温度が、例えば275℃とされる。
【0056】
また、PPS等のPASは、誘電特性等の電気的特性も優れている。PPS等のPASを有する樹脂材料は、IEC60250の試験法に基づいて測定された誘電正接(tanδ)が、0.001~0.008と低い値を示す。具体的に、PPS等のPASを有する樹脂材料の誘電正接(tanδ)は、1MHzでも0.001と低い値を示す。
【0057】
また、PPS等のPASにガラス繊維が40wt%添加された樹脂材料は、IEC60250の試験法に基づいて測定された誘電正接(tanδ)が、1KHzで0.001、1MHzで0.002と低い値を示す。
【0058】
このように、PPS等のPASを含有する樹脂材料は、車載用フィン型アンテナ装置1のレドーム3として使用しても問題のない電気的特性も備えている。
【0059】
PBTは、寸法安定性、熱安定性、耐薬品性(耐酸性、耐アルカリ性)が良好である。PBTは、電気特性をはじめ、物性のバランスが取れている。
【0060】
例えば、PBTにガラス繊維15wt%添加の樹脂材料は、ISO75-1、2(1.8MPa)の試験法に基づいて測定された荷重たわみ温度が200℃とされる。
【0061】
また、PBTにガラス繊維15wt%添加の樹脂材料は、ASTM-D150の試験法に基づいて測定された誘電正接(tanδ)が、50Hzで0.002の値を示す。PBTを含有する樹脂材料は、広い温度範囲にわたって誘電特性の変化が少なく、また、周波数による影響も少ない。
【0062】
PBTとして、下記の化学式12に示される繰り返し構造単位を有するものが挙げられる。
【0063】
【化12】
この化学式12において、xは任意の整数を表す。
【0064】
添加材としては、例えば、ガラス繊維等の繊維状充填材、チタン酸カリウム等のウィスカー状充填材、マイカ等の鱗片状充填材、金属粉末等の粉末状充填材の中から選択した一種以上を使用できる。尚、特に必要が無ければ、添加材を配合せず、ベース樹脂のみからなる樹脂材料でレドーム3を形成してもよい。
【0065】
回路基板4は、ベース2の上に台座9を介して固定される。回路基板4には、増幅器4aや制御チップ4b(フィルタ)等を含む回路パターン(図示省略)が形成される。回路パターンの一端には、各アンテナ部5a~5dが導電部材10を介して接続され、回路パターンの他端にはケーブル8が接続される。
【0066】
アンテナ部5a~5dは、それぞれ異なる周波数帯の電波を送受信(受信のみあるいは送信のみの場合も含む)する。具体的には、例えば、AM/FM受信用アンテナ、3G/4G(LTE)通信用アンテナ、衛星ラジオ受信用アンテナ、GPS用アンテナ、無線LAN用アンテナ、車間通信用アンテナ、キーレスエントリー用アンテナ、Bluetooth(登録商標)用アンテナ、ETC用アンテナ等の電磁気/電磁波発生装置の中から選択された4種のアンテナが、レドーム3内に収容される。これらの電磁気/電磁波発生装置は、例えば可視光以外の電磁気/電磁波を主に発信/受信するものとされているが、例えば可視光を含む電磁気/電磁波を発信/受信可能な電磁気/電磁波発生装置が用いられてもよい。
【0067】
各アンテナ部5a~5dは、平板状の基体6a~6dと、各基体6a~6dの表面に設けられたアンテナパターン7a~7dとを有する。基体6a~6dは、誘電体で形成され、例えば樹脂やセラミックス等で形成される。アンテナパターン7a~7dは、薄肉の導電板(例えば金属板)で形成され、基体6a~6dに取り付けられる。本実施形態では、平板状の基体6a~6dの表面にアンテナパターン7a~7dが設けられる。各アンテナ部5a~5dのアンテナパターン7a~7dは異なる形状を成している。各アンテナパターン7a~7dの一端は、導電部材10を介して、回路基板4上の回路パターンに電気的に接続される。尚、図示例では、平板状のアンテナ部5a~5dを全て立設させているが、これに限らず、例えばアンテナ部5a~5dの一部を平置き(ベース2と平行に配置)してもよい。また、図示例では、各アンテナ部5a~5dの基体6a~6dが同一形状を成しているが、各基体6a~6dの形状や大きさを異ならせてもよい。
【0068】
本実施形態では、平板状のアンテナ部5a~5dが立設して設けられる。具体的には、ベース2上に立設された支柱11に、各アンテナ部5a~5dの基体6a~6dが固定され、各アンテナ部5a~5dが支柱11を中心に放射状に設けられる。図示例では、4個の平板状のアンテナ部5a~5dが、平面視で十字形状となるように配置される。尚、複数のアンテナ部5a~5dをレドーム3側に固定してもよい。
【0069】
上記のように、レドーム3の内部に複数のアンテナ部5a~5dを収容することで、これらのアンテナ部5a~5dと、車体側に設けられた制御部とを接続するケーブル8とをまとめることができる。特に、本実施形態では、各アンテナ部5a~5dで受信した信号を、共通のケーブル8を介して制御部に伝達する。こうして、少ないケーブル8(本実施形態では一本のケーブル)を介して車載用フィン型アンテナ装置1と制御部とを接続することで、ケーブルの重量を低減して車両の軽量化し、もって低燃費化を図ることができる。
【0070】
このように、レドーム3の内部に複数(特に4個以上)のアンテナ部5a~5dを収容すると、アンテナ部5a~5dと接続された回路基板4の制御チップ4b等が発熱しやすくなるため、レドーム3の内部が高温になることがある。このような場合、レドーム3の耐熱性が特に重要となる。本実施形態では、上記のように、レドーム3を、耐熱性に優れた結晶性樹脂をベース樹脂とする樹脂材料で形成し、且つ、この樹脂材料の組成を、荷重たわみ温度が100℃以上となるように設定した。これにより、レドーム3の耐熱性、特に高温時における強度が保証されるため、内部に複数(特に4個以上)のアンテナ部を収容した場合でも優れた耐久性を有する。
【0071】
レドーム3の内部には、充填材12が封入される。充填材12は、レドーム3内に収容された全てのアンテナ部5a~5dに接触するように設けられ、全てのアンテナ部5a~5dを一体に保持する。本実施形態では、各アンテナ部5a~5dの全体が充填材12で覆われており、図示例では、レドーム3の内部空間の全域が充填材12で満たされている。尚、レドーム3の内部に充填材12を部分的に設け、この充填材12により全てのアンテナ部5a~5dを保持するようにしてもよい。このとき、充填材12が各アンテナ部5a~5dと部分的に接触するようにしてもよい。
【0072】
上記のように、レドーム3の内部に複数のアンテナ部5a~5dを収容する場合、各アンテナ部5a~5d同士が近接するため、各アンテナ部5a~5dが送受信する電波同士が干渉するおそれがある。このような電波同士の干渉が生じないように、各アンテナ部5a~5bをレドーム3内で所定の位置に正確に配置する必要がある。本実施形態では、平板状の各アンテナ部5a~5bを立設し、平面視で十字形状に配置することで、各アンテナ部5a~5dの送受信電波同士の干渉を防止している。本実施形態では、レドーム3の内部に充填材12を封入し、この充填材12で全てのアンテナ部5a~5dを一体に保持することで、車両の走行時の振動等による各アンテナ部5a~5dの位置ズレを防止している。
【0073】
充填材12は、上記のように各アンテナ部5a~5dに接触するため、アンテナ部5a~5dの特性(誘電率、誘電正接等)に影響を与えにくい材質であることが好ましい。例えば発泡材料は、比誘電率が空気に近く、アンテナ部5a~5dの特性への影響が小さいため、充填材12として好適に使用できる。発泡材料としては、化学発泡材料や、物理発泡材料を使用できる。化学発泡剤は、分解温度が140~160℃付近のため扱いやすい。物理発泡剤は、熱伝導率が低く、断熱性に優れている。この他、充填材12として、超臨界流体や、熱膨張性マイクロカプセル等を使用することもできる。具体的に、充填材12は、例えばウレタンの発砲体で形成することができる。ウレタンの発泡体の比誘電率(εγ)は、4.0~7.5とされる。また、ウレタンの発泡体の誘電正接(tanδ)は、例えば60Hzにて0.015~0.017の小さい値とされる。
【0074】
上記の車載用フィン型アンテナ装置1は、例えば以下の手順を経て製造される。まず、ベース2にアンテナ部5a~5d及び回路基板4を取り付け、その後、ベースとレドーム3とを固定してアンテナ部5a~5d等を内部に収容する。その後、レドーム3の内部に充填材12を注入し、充填材12でアンテナ部5a~5dを一体に保持する。充填材12の注入は、例えばベース2に設けられた注入口(図示省略)から行われる。充填材12を注入した後、ベース2の注入口は封止部材(図示省略)で封止される。尚、ベース2に元々設けられる穴を介して、充填材12の注入を行ってもよい。また、車載用フィン型アンテナ装置1の製造方法は上記に限らず、例えば、複数のアンテナ部及び回路基板をベース2に取り付けた後、充填材で複数のアンテナ部を一体に保持し、その後、レドーム3とベースとを固定してもよい。
【0075】
本発明は、上記の実施形態に限られない。例えば図3及び図4に示すように、レドーム3に防水通気フィルタ20を設けてもよい。防水通気フィルタ20は、レドーム3の内部と外部とを連通する位置に設けられ、例えば、レドーム3に設けられた貫通穴3aに防水通気フィルタ20が配される。図示例では、レドーム3の車両後方側の側面(後面)に、防水通気フィルタ20が設けられる。防水通気フィルタ20は、水の通過を規制し、空気の通過を許容するものである。防水通気フィルタ20としては、例えば無数の微細な空孔を有する多孔質膜が使用でき、具体的には、フッ素樹脂系多孔質膜や、フッ素樹脂ナノファイバー不織布等が使用できる。この防水通気フィルタ20を介して、レドーム3の内部の空気(熱)を外部に放出することにより、レドーム3内の温度上昇が抑えられる。これにより、レドーム3内と外気温との温度差が小さくなるため、レドーム3内外の温度差により生じる圧力が抑えられ、この圧力によるアンテナ部5a~5dの性能低下を防止できる。また、外部の水や塵は、防水通気フィルタ20で遮断されるため、これらがレドーム3の内部に侵入することはない。
【0076】
また、上記の実施形態では、4個のアンテナ部5a~5dを有する車載用フィン型アンテナ装置1を示したが、これに限らず、アンテナ部が2~3個、あるいは5個以上である車載用フィン型アンテナ装置にも本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0077】
1 車載用フィン型アンテナ装置
2 ベース
3 レドーム(カバー)
4 回路基板
5a-5d アンテナ部(電磁気/電磁波発生装置)
6a-6d 基体
7a-7d アンテナパターン
8 ケーブル
12 充填材
20 防水通気フィルタ
図1
図2
図3
図4