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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-22
(45)【発行日】2022-08-01
(54)【発明の名称】投影装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 27/18 20060101AFI20220725BHJP
   G02B 26/08 20060101ALI20220725BHJP
   G02B 27/02 20060101ALI20220725BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20220725BHJP
   G03B 21/14 20060101ALI20220725BHJP
   H04N 5/74 20060101ALI20220725BHJP
【FI】
G02B27/18 Z
G02B26/08 E
G02B27/02 Z
G03B21/00 D
G03B21/14 D
H04N5/74 Z
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018209325
(22)【出願日】2018-11-07
(65)【公開番号】P2019113832
(43)【公開日】2019-07-11
【審査請求日】2021-03-23
(31)【優先権主張番号】201711392991.2
(32)【優先日】2017-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】500093133
【氏名又は名称】中強光電股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】鄭 權得
(72)【発明者】
【氏名】陳 ▲彦▼霖
(72)【発明者】
【氏名】施 智維
(72)【発明者】
【氏名】趙 金生
【審査官】右田 昌士
(56)【参考文献】
【文献】特許第4865902(JP,B1)
【文献】特表平06-511327(JP,A)
【文献】特開2011-186434(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0184860(US,A1)
【文献】特開2010-160296(JP,A)
【文献】特許第5930101(JP,B1)
【文献】特開2011-158522(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0021037(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0277123(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 27/18
G02B 27/01 - 27/02
G03B 21/14
G03B 21/00 - 21/30
G02B 26/08
H04N 5/74
H04N 5/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの投影モジュール少なくとも1つの調整構造、及び少なくとも1つの導波部を含む投影装置であって、
前記少なくとも1つの投影モジュールは、少なくとも1つの光軸を有し、前記投影モジュールは、光源、ライトバルブ及びレンズ組を含み、
前記少なくとも1つの投影モジュールは、映像光束を発するために用いられ、前記映像光束は、光伝播経路に沿って伝播し、前記少なくとも1つの導波部を通過した後に投影ターゲットに至り、投影画面を形成し、前記投影画面は、虚像であり、
前記少なくとも1つの調整構造は、前記投影モジュールに接続され
前記調整構造は、少なくとも一部の前記投影モジュールが前記光軸に沿って回転するように駆動するときに、前記投影画面を回転させ、
前記調整構造は、少なくとも一部の前記投影モジュールが第一軸線に沿って回転するように駆動するときに、前記投影画面を水平移動させ、
前記調整構造は、少なくとも一部の前記投影モジュールが第二軸線に沿って回転するように駆動するときに、前記投影画面を垂直移動させ、
前記少なくとも1つの投影モジュールは、第一調整中心を有し、前記第一調整中心は、前記第一軸線、前記第二軸線及び前記光軸の交差点であり、前記第一軸線、前記第二軸線及び前記光軸は、互いに垂直であり、
前記調整構造は、ベース台及び2つの第一調整部を含み、各前記第一調整部は、前記ベース台に螺合され、且つ少なくとも一部の前記投影モジュールに当接し、2つの前記第一調整部を結んだ直線は、前記光軸に平行であり、各前記第一調整部は、回転して前記ベース台に対して移動することで、前記光源、前記ライトバルブ及び前記レンズ組を前記第二軸線に沿って回転させるために用いられる、投影装置。
【請求項2】
請求項に記載の投影装置であって、
前記光源は、照明光束を発するために用いられ、前記ライトバルブは、前記照明光束の伝播経路に位置し、且つ前記照明光束を映像光束に変換するために用いられ、前記レンズ組は、前記映像光束の伝播経路に位置し、且つ前記映像光束を前記投影モジュールの外部へ伝播させるために用いられる、投影装置。
【請求項3】
請求項に記載の投影装置であって、
前記調整構造は、2つの第二調整部を含み、各前記第二調整部は、前記ベース台に螺合され、且つ前記投影モジュールに当接し、2つの前記第二調整部は、前記光軸に対して対称であり、各前記第二調整部は、回転して前記ベース台に対して移動することで、前記光源、前記ライトバルブ及び前記レンズ組を前記光軸に沿って回転させるために用いられる、投影装置。
【請求項4】
請求項に記載の投影装置であって、
前記投影モジュールは、外殻を含み、前記調整構造は、第三調整部を含み、前記第三調整部は、前記外殻に螺合され、且つ前記レンズ組に当接し、前記第三調整部は、回転して前記外殻に対して移動することで、前記レンズ組を前記第一方向に沿って移動させるために用いられる、投影装置。
【請求項5】
請求項に記載の投影装置であって、
前記投影モジュールは、外殻を含み、前記調整構造は、第四調整部を含み、前記第四調整部は、前記外殻に螺合され、且つ前記レンズ組に当接し、前記第四調整部は、回転して前記外殻に対して移動することで、前記レンズ組を前記第二方向に沿って移動させるために用いられる、投影装置。
【請求項6】
請求項に記載の投影装置であって、
前記投影モジュールは、外殻を含み、前記外殻は、第一殻体及び第二殻体を含み、前記第一殻体は、前記第二殻体に回転可能に接続され、前記光源及び前記ライトバルブは、前記第一殻体に配置され、前記レンズ組は、前記第二殻体に配置され、前記第一殻体は、前記第二殻体に対して回転して、前記光源及び前記ライトバルブを前記光軸に沿って回転させるために用いられる、投影装置。
【請求項7】
請求項に記載の投影装置であって、
前記第一殻体は、第一ネジ山部を有し、前記第二殻体は、第二ネジ山部を有し、前記第一ネジ山部と前記第二ネジ山部とは、互いに螺合される、投影装置。
【請求項8】
請求項1に記載の投影装置であって、
前記投影装置は、反射部を含み、前記反射部は、前記光軸に配置され、且つ反射面を有し、前記反射面は、前記映像光束を反射するために用いられ、前記映像光束は、前記反射面により前記投影ターゲットに反射され前記投影画面を形成する、投影装置。
【請求項9】
請求項1に記載の投影装置であって、
前記少なくとも1つの投影モジュールは、2つの前記投影モジュールを含み、前記少なくとも1つの調整構造は、2つの前記投影モジュールにそれぞれ対応する2つの前記調整構造を含み、2つの前記投影モジュールにより形成された2つの前記投影画面は、2つの前記調整構造の調整により重畳(overlap)する、投影装置。
【請求項10】
投影装置に用いられる投影方法であって、
前記投影装置は、少なくとも1つの投影モジュール少なくとも1つの調整構造、及び少なくとも1つの導波部を含み、前記少なくとも1つの投影モジュールは、少なくとも1つの光軸を有し、前記投影モジュールは、光源、ライトバルブ及びレンズ組を含み、
前記投影方法は、
映像光束を発し、前記映像光束は、光伝播経路に沿って伝播し、前記少なくとも1つの導波部を通過した後に投影ターゲットに至り、投影画面を形成し、前記投影画面は、虚像であり;及び
少なくとも1つの調整構造により、少なくとも一部の前記投影モジュールが前記光軸に沿って回転するように駆動して、前記投影画面を回転させ、又は
前記少なくとも1つの調整構造により、少なくとも一部の前記投影モジュールが第一軸線に沿って回転するように駆動して、前記投影画面を水平移動させ、又は
前記少なくとも1つの調整構造により、少なくとも一部の前記投影モジュールが第二軸線に沿って回転するように駆動して、前記投影画面を垂直移動させるステップを含み、
前記少なくとも1つの投影モジュールは、第一調整中心を有し、前記第一調整中心は、前記第一軸線、前記第二軸線及び前記光軸の交差点であり、前記第一軸線、前記第二軸線及び前記光軸は、互いに垂直であり、
前記調整構造は、ベース台及び2つの第一調整部を含み、各前記第一調整部は、前記ベース台に螺合され、且つ少なくとも一部の前記投影モジュールに当接し、2つの前記第一調整部を結んだ直線は、前記光軸に平行であり、各前記第一調整部は、回転して前記ベース台に対して移動することで、前記光源、前記ライトバルブ及び前記レンズ組を前記第二軸線に沿って回転させるために用いられる、投影方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投影装置に関し、特に、調整構造を有する投影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
今のところ、バーチャル・リアリティ(Virtual Reality)技術が次第に消費型電子製品、例えば、バーチャル・リアリティ表示器に用いられるようになってきた。バーチャル・リアリティ表示器は、その2つの投影装置を利用して2つのバーチャル映像を人間の目に投射し、その2つのバーチャル映像を重畳(overlap)させて立体映像を呈する。具体的に言えば、前記投影装置からの映像光束は、シート状の導波管内に入射して絶えず全反射されて前へ伝播し、最後に導波管の出光箇所から射出する。導波管から射出した異なる角度分布(angle distribution)の映像光束は、人間の目に進入した後に、人間の目の水晶体によりピント調整され、網膜上でピントを合わせて投影画面を形成することができる。
【0003】
バーチャル・リアリティでない一般的な従来の投影装置の調整方式について言えば、投影装置が水平・垂直に移動すれば、その投影画面はそれに伴って水平・垂直に移動することができ、投影装置が水平回転又は垂直回転を行えば、その投影画面は、台形(理想の投影画面が矩形であることについて言えば)を成すことができる。しかし、バーチャル・リアリティの投影装置の調整方式は、従来の投影装置の調整方式と異なる。バーチャル・リアリティの投影装置について言えば、導波管からの異なる出光角度の映像光束が人間の目に伝播した時に、人間の目に見える映像は、導波管により変換された後の角度空間分布の映像であり、投影装置が水平・垂直に移動した場合、導波管に入射する光進入エネルギーに対してのみ影響を与えることができ、角度空間分布の映像は、暗くなるだけであり、それに伴って移動しない。また、角度空間分布の映像を水平・垂直に移動しようとすれば、導波管に進入する入射光の角度を調整する必要がある。よって、如何にバーチャル・リアリティの投影装置の投影画面を全面的に調整して2つのバーチャル映像を重畳させて立体映像を呈するかは、バーチャル・リアリティの投影装置の設計上での重要課題である。
【0004】
なお、この「背景技術」の部分が、本発明の内容への理解を助けるためだけのものであるため、この「背景技術」の部分に開示されている内容は、当業者に知られていない技術を含む可能性がある。よって、この「背景技術」の部分に開示されている内容は、該内容、又は、本発明の1つ又は複数の実施例が解決しようとする課題が本発明出願前に既に当業者に周知されていることを意味しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、投影画面の移動及回転を全面性的に調整することができる投影装置を提供することにある。
【0006】
本発明の他の目的及び利点は、本発明に開示されている技術的特徴からさらに理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の1つ又は一部又は全部の目的或いは他の目的を達成するために、本発明の一実施例では、投影装置が提供され、それは、少なくとも1つの投影モジュール及び少なくとも1つの調整構造を含む。少なくとも1つの投影モジュールは、少なくとも1つの光軸を有し、少なくとも1つの投影モジュールは、映像光束を発するために用いられ、そのうち、映像光束は、光伝播経路に沿って投影ターゲットに伝播して投影画面を形成する。調整構造は、少なくとも1つの投影モジュールに接続され、そのうち、調整構造は、少なくとも一部の投影モジュールが光軸に沿って回転するように駆動することで、投影画面を回転させるために用いられる。
【0008】
上記の1つ又は一部又は全部の目的或いは他の目的を達成するために、本発明の一実施例では、投影方法が提供され、それは、投影装置に用いることができ、そのうち、投影装置は、少なくとも1つの投影モジュール及び少なくとも1つの調整構造を有し、そのうち、少なくとも1つの投影モジュールは、少なくとも1つの光軸を有し、投影方法は、映像光束を発して光伝播経路に沿って投影ターゲットに伝播させて投影画面を形成させ;及び少なくとも1つの調整構造により、少なくとも一部の投影モジュールが光軸に沿って回転するように駆動することで、投影画面を回転させるステップを含む。
【0009】
上述により、本発明の実施例は、少なくとも次のような1つの利点又は作用効果を有する。即ち、本発明の実施例における投影装置では、調整構造により、少なくとも一部の投影モジュールが回転するように駆動する方式で、投影画面をそれに対応するように回転させることができる。また、調整構造により、少なくとも一部の投影モジュールが移動するように駆動し、又は、少なくとも一部の投影モジュールが回転するように駆動する方式で、投影画面をそれに対応するように水平移動及び垂直移動させることができる。上述の投影装置及び投影方法により、投影画面の移動又は回転を全面的に調整することができる。
【0010】
本発明の上記の特徴及び利点をより明らかにするために、以下、実施例を挙げて添付した図面を参照することにより、詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施例における投影装置の立体図である。
図2図1の投影装置の分解図である。
図3図1の投影装置の一部部品の立体図である。
図4A】投影画面の移動を示す図である。
図4B】投影画面の移動を示す図である。
図4C】投影画面の移動を示す図である。
図4D】投影画面の移動を示す図である。
図4E】投影画面の移動を示す図である。
図4F】投影画面の回転示す図である。
図4G】投影画面の回転を示す図である。
図5図1の投影装置の一部部品を示す図である。
図6図1の投影装置の一部部品の下面図である。
図7図1の投影装置の一部部品の側面図である。
図8図1の投影装置の一部部品の背面図である。
図9】本発明の他の実施例における投影装置の一部部品の立体図である。
図10図9の投影装置の正面図である。
図11図9の投影装置の一部部品の立体図である。
図12】本発明の他の実施例における投影装置の一部部品の立体図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の上記した及び他の技術的内容、特徴、機能及び効果は、添付した図面に基づく次のような好ましい実施例の詳細な説明により明確になる。なお、次の実施例に言及されている方向についての用語、例えば、上、下、左、右、前又は後などは、添付した図面の方向に過ぎない。よって、使用されている方向の用語は、本発明を説明するためだけのものであり、本発明を限定するためのものではない。
【0013】
図1は、本発明の一実施例における投影装置の立体図である。図2は、図1の投影装置の分解図である。図1及び図2に示すように、本実施例の投影装置100は、少なくとも1つの投影モジュール110及び少なくとも1つの調整構造120を含み、調整構造120は、投影モジュール110に接続される。投影モジュール110は、投影システム110a及び結像システム110bを含み、投影モジュール110は、光軸OAを有し、且つ投影モジュール110は、映像光束を発するために用いられ、映像光束は、光伝播経路に沿って投影ターゲットに伝播して投影画面を形成する。前記投影画面は、例えば、虚像であり、且つ前記投影ターゲットは、例えば、人間の目である。
【0014】
本実施例では、投影装置100は、例えば、バーチャル・リアリティの投影装置であり、投影装置100は、1つの投影モジュール110を有する。他の実施例では、投影装置100の数量は、例えば、2つあり(図1及び図2は、1つのみの投影装置100を示している)、それぞれ使用者の2つの目に対応する。1つの投影装置100は、1つの調整構造120を有する。他の実施例では、調整構造120の数量も、2つあり(図1及び図2は、1つのみの調整構造120を示している)、それぞれ2つの投影モジュール110に対応する。前記投影画面は、例えば、虚像である。各調整構造120は、対応する投影モジュール110が移動及び回転するように駆動するために用いられ、これにより、2つの投影モジュール110により形成された2つの投影画面が2つの調整構造120によって調整され、2つの投影画面が重畳するようになることで、人間の目に投影画面がはっきり見えるようにさせることができる。他の実施例では、シングルな投影モジュール110を用いて、調整構造120の調整によって、人間の目に投影画面がはっきり見えるようにさせることもできる。
【0015】
図3は、図1の投影装置の一部部品の立体図である。図3に示すように、本実施例の投影モジュール110は、光源112、ライトバルブ114及びレンズ組116を含み、投影システム110aは、光源112及びライトバルブ114を含み、結像システム110bは、レンズ組116を含む。光源112は、照明光束を発するために用いられ、ライトバルブ114は、前記照明光束の伝播経路に位置し、且つ前記照明光束を映像光束に変換するために用いられ、レンズ組116は、前記映像光束の伝播経路に位置し、且つ前記映像光束を投影モジュール110の外部へ伝播させるために用いられる。
【0016】
本実施例では、光源112は、例えば、発光ダイオード(Light Emitting Diode、LED)であり、照明光束を提供し、他の実施例では、光源112は、例えば、レーザーダイオード(Laser Diode)であっても良いが、これに限定されない。ライトバルブ114は、例えば、反射型ライトバルブであり、DMD(Digital Micromirror Device、DMD)又はLCoS(Liquid Crystal On Silicon、LCoS)であっても良く、光源112からの照明光束を映像光束に変換するために用いられる。レンズ組116は、複数の異なる屈折力のレンズの組み合わせであっても良い。
【0017】
図3及び図4A図4Gには、投影画面の移動及び回転を示している。図4A図4Gは、投影ターゲットにおける投影画面Iを表す。投影モジュール110は、第一調整中心を有し、即ち、第一軸線A1、第二軸線A2及び光軸OAの交差点(これは、非実体的中心箇所である)であり、そのうち、第一軸線A1、第二軸線A2及び光軸OAは、互いに垂直である。調整構造120は、投影システム110aが結像システム110bと一緒に第一軸線A1に沿って回転するように駆動することで、前記投影画面Iが図4Aに示す状態から図4B又は図4Cに示す状態に水平移動するようにさせるために用いられ、上述の投影画面Iは、一例に過ぎず、他のケースでは、使用者により調整構造120を用いて投影画面Iを図4Cから図4Bの状態に調整しても良いが、本発明は、これに限定されない。また、調整構造120は、投影システム110aが結像システム110bと一緒に第二軸線A2に沿って回転するように駆動することで、前記投影画面Iが図4Aに示す状態から図4D又は図4Eに示す状態に垂直移動するようにさせるために用いられ、且つ、調整構造120は、投影モジュール110が光軸OAに沿って回転するように駆動することで、前記投影画面Iが図4Aに示す状態から図4F又は図4Gに示す状態に回転するようにさせるために用いられる。
【0018】
図5は、図1の投影装置の一部部品を示す図である。本実施例では、投影装置100は、さらに、反射部130及び図5に示す導波部140を含む。反射部130は、光軸OAに配置され、且つ反射面130aを有し、反射面130aは、前記映像光束(図5では、映像光束Lである)を反射するために用いられ、前記映像光束は、反射面130aにより反射されて導波部140を通過した後に前記投影ターゲットに到着し、前記投影画面Iを形成する。反射部130は、例えば、全反射プリズムであり、且つその数量は、例えば、2つであり、それぞれ上述の2つの投影モジュール110に対応する。また、導波部140は、例えば、透光シート又は透光板であり、一つのシート又は複数の透光シート又は透光板により形成されても良く、導波部140には、分光膜又はホログラフィックシート(holographic sheet)を、映像光束の進行方向を変えるために有しても良いが、本発明は、これについて限定しない。
【0019】
以下、本実施例の調整構造120が上述の調整を行う方式を詳しく説明する。図6は、図1の投影装置の一部部品の下面図である。図7は、図1の投影装置の一部部品の側面図である。図8は、図1の投影装置の一部部品の背面図である。図2図3及び図6図8に示すように、本実施例の調整構造120は、ベース台122及び2つの第一調整部124を含み、各第一調整部124は、例えば、ネジ(screw)であり、それは、ベース台122と螺合し(貫通する)、且つ投影モジュール110に当接する。各第一調整部124は、回転してベース台122に対して上下移動することにより、投影システム110a及び結像システム110b(即ち、光源112、ライトバルブ114及びレンズ組116)が第二軸線A2に沿って回転するように駆動するために用いあれる。本実施例では、2つの第一調整部124を結んだ直線(接続線)は、光軸OAに平行であり、これにより、投影システム110a及び結像システム110bを、光軸OAに垂直な第二軸線A2に沿って回転させることを確実に駆動することができる。また、他の実施例では、第一調整中心は、2つの第一調整部124の間にあり、且つ第一調整中心と、2つの第一調整部124との間には、同じ距離を有する。
【0020】
また、調整構造120は、2つの第二調整部126を含み、各第二調整部126は、例えば、ネジであり、それは、ベース台122と螺合し(貫通する)、且つ投影モジュール110に当接し、2つの第二調整部126は、光軸OAに対して対称である。各第二調整部126は、回転してベース台122に対して上下移動することにより、投影システム110a及び結像システム110b(即ち、光源112、ライトバルブ114及びレンズ組116)が光軸OAに沿って回転するように駆動するために用いられる。他の実施例では、第一調整中心は、2つの第二調整部126の間に位置し、且つ第一調整中心と、2つの第二調整部126との間には、同じ距離を有する。また、調整構造120は、第一調整部124及び第二調整部126と同様な方式で、他の調整アセンブリがベース台122に対して移動することにより、投影システム110a及び結像システム110bが第一軸線A1に沿って回転するように駆動しても良い。例えば、ベース台122の底部に回転円盤を設け、投影システム110a及び結像システム110b全体が第一軸線A1に沿って回転するように駆動することにより、図4Aに示す状態から図4B又は図4Cに示す状態に水平移動するようにさせることができる。
【0021】
本実施例では、第一調整部124又は第二調整部126がベース台122に対して上下移動する調整方向は、投影モジュール110の光軸OAに垂直である。
【0022】
本実施例では、代わりに、反射部130を駆動して前記投影画面Iを調整しても良く、以下、詳細に説明する。図2及び図3図6に示すように、調整構造120を反射部130に接続し、これにより、調整構造120は、反射部130がもう1つの第一軸線A1’を沿って回転し得るように駆動することで、前記投影画面Iが図4Aに示す状態から図4B又は図4Cに示す状態に水平移動するようにさせることができ、また、調整構造120は、反射部130がもう1つの第二軸線A2’に沿って回転することができ、及び光軸OAに沿って回転することができるように駆動することで、前記投影画面Iが図4Aに示す状態から図4D又は図4Eに示す状態に垂直移動すると共に、図4Aに示す状態から図4F又は図4Gに示す状態に回転するようにさせることができる。
【0023】
他の実施例では、調整構造120は、反射部130がもう1つの第二軸線A2’に沿って回転するように駆動し、これにより、前記投影画面Iが図4Aに示す状態から図4D又は図4Eに示す状態に垂直移動すると共に、図4Aに示す状態から図4F又は図4Gに示す状態に回転するようにさせることができる。
【0024】
他の実施例では、調整構造120は、反射部130が光軸OAに沿って回転するように駆動し、これにより、前記投影画面Iが図4Aに示す状態から図4D又は図4Eに示す状態に垂直移動すると共に、図4Aに示す状態から図4F又は図4Gに示す状態に回転するようにさせることができる。
【0025】
本実施例では、第一軸線A1’、第二軸線A2’及び光軸OAは、互いに垂直であり、且つ第一軸線A1’、第二軸線A2’及び光軸OAは、反射面130a上での1つの反射位置に交差することができ、前記反射位置は、反射面130aの幾何中心にある。一実施例では、反射部130は、プリズムであっても良く、反射面130aは、このプリズムの全反射面であっても良い。他の実施例では、反射層を塗布(coating)して又は反射シートを貼り付けて反射面130aとすることもできる。
【0026】
以下、本実施例の調整構造120が上述の調整を行う方式を詳細に説明する。調整構造120は、さらに、回転部128を含み、回転部128は、反射部130に接続され、且つ回転軸128aを沿って(図6に示されている)ベース台122にヒンジ接続され、回転軸128aは、第一軸線A1’と重なり合い、回転部128は、ベース台122に対して回転して、反射部130が第一軸線A1’に沿って回転するように駆動するために用いられる。本実施例では、回転部128は、例えば、反射部130の底部に固定され、且つベース台122に枢設されるヒンジ接続孔122aである。一実施例では、回転部128は、その中間位置に細長い形状の突起部が設けられ、反射部130の位置を固定するために用いられる。粘着剤、例えば、光学粘着剤などを用いて、回転部128を反射部130の一部の底部及び一部の反射表面130aに固定させ、これにより、回転部128を回転させる時に、反射部130の回転角度が回転部128の回転角度と一致するようにさせ、2つの部品を組み立てる時に角度公差が生じないようにさせることができる。他の実施例では、他の適切な方式で回転部128を配置しても良いが、本発明は、これに限定されない。また、調整構造120は、回転部128と同様な方式で、他の調整部を用いてベース台122に対して回転又は移動させることにより、反射部130が第二軸線A2’及び光軸OAに沿って回転するように駆動することができる。他の実施例では、第一軸線A1’、第二軸線A2’及び光軸OAの交差点は、第二調整中心(これは、非実体的中心箇所である)であり、そのうち、第一軸線A1’、第二軸線A2’及び光軸OAは、互いに垂直である。
【0027】
本実施例では、代わりに、投影モジュール110及び反射部130が一緒に移動及び回転するように駆動して、前記投影画面Iを調整しても良く、以下、詳しく説明する。調整構造120は、投影モジュール110及び反射部130が共に第一軸線A1に沿って回転するように駆動し、これにより、前記投影画面Iが図4Aに示す状態から図4B又は図4Cに示す状態に水平移動するようにさせることができ、調整構造120は、投影モジュール110及び反射部130が一緒に第二軸線A2に沿って回転するように駆動し、これにより、前記投影画面Iが図4Aに示す状態から図4F又は図4Gに示す状態に回転するようにさせることができ、また、調整構造120は、投影モジュール110及び反射部130が共に光軸OAに沿って回転するように駆動し、これにより、前記投影画面Iが図4Aに示す状態から図4D又は図4Eに示す状態に垂直移動するようにさせることができる。さらに、調整構造120は、第一調整部124及び第二調整部126と同様な方式又は回転部128と同様な方式で、他の調整部を用いて上述の調整を達成しても良い。
【0028】
例えば、本実施例では、少なくとも1つの調整構造120が投影モジュール110及び反射部130に接続される。さらに説明すれば、投影モジュール110と反射部130との間は、粘着方式で粘着されても良く、粘着剤、例えば、光学粘着剤を用いても良いが、これに限定されない。調整構造120は、投影モジュール110に当接することで、投影モジュール110及び反射部130全体の調整を行うことができる。
【0029】
他の実施例では、投影装置100は、さらに、固定部(図示せず)を含み、それは、投影モジュール110と反射部130との間に設置され、固定部は、反射部130を投影モジュール110の出光側に固定して接続するために用いられる。また、調整構造120は、投影モジュール110に当接することにより、投影モジュール110、固定部及び反射部130全体の調整を行うことができる。本発明では、投影モジュール110と反射部130を固定し得る任意の固定手段を採用しても良く、それについて限定しない。
【0030】
例えば、本発明の一実施例では、調整構造120は、ベース台122及び2つの第一調整部124を含み、各第一調整部124は、ベース台122と螺合され、且つ投影モジュール110に当接し、2つの第一調整部124を結んだ直線は、光軸OAに平行であり、各第一調整部124は、回転してベース台122に対して移動することで、光源112、ライトバルブ114、レンズ組116及び反射部130が第二軸線A2に沿って回転するように駆動するために用いられる。投影モジュール11と反射部130との間に固定部があり、又は両者が粘着方式で粘着されるため、第一調整部124は、回転してベース台122に対して移動する時に、同時に投影モジュール110及び反射部130が第二軸線A2に沿って回転するように駆動することができる。
【0031】
例えば、本発明の他の実施例では、調整構造120は、2つの第二調整部126を含み、各第二調整部126は、ベース台122と螺合され、且つ投影モジュール110に当接し、2つの第二調整部126は、光軸OAに対して対称であり、各第二調整部126は、回転してベース台122に対して移動することで、光源112、ライトバルブ114、レンズ組116及び反射部130が光軸OAに沿って回転するように駆動するために用いられる。投影モジュール11と反射部130との間に固定部があり、又は両者が粘着方式で粘着されるので、第二調整部126は、回転してベース台122に対して移動する時に、同時に投影モジュール110及び反射部130が光軸OAに沿って回転するように駆動することができる。
【0032】
例えば、本発明の他の実施例では、ベース台122の底部に回転円盤(図示せず)が設けられ、投影モジュール110及び反射部130全体が第一軸線A1に沿って回転するように駆動することで、前記投影画面Iが図4Aに示す状態から図4B又は図4Cに示す状態に回転するようにさせることができる。
【0033】
図9は、本発明の他の実施例における投影装置の一部部品の立体図である。図10は、図9の投影装置の正面図である。図11は、図9の投影装置の一部部品の立体図である。図9図11に示す実施例では、投影モジュール210、投影システム210a、結像システム210b、光源212、ライトバルブ214、レンズ組216、反射部230及び反射面230aの配置及び機能は、図1図8に示す実施例の配置及び機能と同様であるため、ここでは、詳しい説明を省略する。図9図11に示す実施例と、図1図8に示す実施例との異なる点は、調整構造220は、結像システム210bが第一方向D1に沿って移動するように駆動することで、投影画面Iが図4Aに示す状態から図4B又は図4Cに示す状態に水平移動するようにさせることができ、調整構造220は、結像システム210bが第二方向D2に沿って移動するように駆動することで、投影画面Iが図4Aに示す状態から図4D又は図4Eに示す状態に垂直移動するようにさせることができ、且つ、調整構造220は、投影システム210aが光軸OAに沿って回転するように駆動することで、投影画面Iが図4Aに示す状態から図4F又は図4Gに示す状態に回転するようにさせることができることにある。本実施例では、第一方向D1、第二方向D2及び光軸OAは、互いに垂直である。
【0034】
図9図11を参照しながら、以下、本実施例の調整構造220が上述の調整を行う方式を具体的に説明する。本実施例では、投影モジュール210は、外殻218を含み、調整構造220は、第三調整部222及び第四調整部224を含み、第三調整部222は、例えば、ネジであり、それは、外殻218と螺合され、且つレンズ組216に当接し、第四調整部224は、例えば、ネジであり、それは、外殻218と螺合され、且つレンズ組216に当接する。第三調整部222は、回転して外殻218に対して移動することで、レンズ組216が第一方向D1に沿って移動するように駆動するように用いられ、第四調整部224は、回転して外殻218に対して移動することで、レンズ組216が第二方向D2に沿って移動するように駆動するために用いられる。そのうち、第一方向D1及び第二方向D2は、互いに垂直である。また、第三調整部222及び第四調整部224は、レンズ組216の対向する側辺(edge)において、それぞれ、対応する弾性部、例えば、弾性シートが、弾性力を生成するように設置されても良く、弾性力は、第三調整部222及び第四調整部224の推力と力の平衡を達成することで、レンズ組216が位置調整された後に移動しないようさせることができる。
【0035】
本実施例では、外殻218は、投影システム210a及び結像システム210bにそれぞれ対応し、且つ相対回転し得る2つの殻体を含み、これにより、投影システム210aは、光軸OAに沿って結像システム210bに対して回転することができる。以下、添付した図面を参照しながら、例を挙げて詳細に説明する。図12は、本発明の他の実施例における投影装置の一部部品の立体図である。図12に示す投影モジュール210の外殻218は、第一殻体218a及び第二殻体218bを含み、第一殻体218aは、回転可能に第二殻体218bに接続され、投影システム210a(即ち、光源及びライトバルブ)は、第一殻体218a内に設置され、結像システム210b(即ち、レンズ組)は、第二殻体218b内に配置される。第一殻体218aは、第二殻体218bに対して回転することにより、投影システム210a(即ち、光源及びライトバルブ)が光軸OAに沿って回転するように駆動するために用いられる。具体的に言えば、第一殻体218aは、第一ネジ山部S1を有し、第二殻体218bは、第二ネジ山部S2を有し、第一ネジ山部S1と第二ネジ山部S2は、互いに螺合することで、第一殻体218aが第二殻体218bに対して回転するようにさせることができる。言い換えると、第二殻体218bが動かず、且つ第一殻体218aが回転することで、投影システム210a(即ち、光源及びライトバルブ)が光軸OAに沿って回転するようにさせることにより、投影画面Iが図4Aに示す状態から図4F又は図4Gに示す状態に回転するようにさせることができる。
【0036】
本発明は、前述した好適な実施例に基づいて以上のように開示されたが、前述した好適な実施例は、本発明を限定するためのものでなく、当業者は、本発明の思想と範囲を離脱しない限り、本発明に対して些細な変更と潤色を行うことができるので、本発明の保護範囲は、添付した特許請求の範囲に定まったものを基準とする。また、本発明の何れの実施例又は特許請求の範囲は、本発明に開示された全ての目的又は利点又は特徴を達成する必要がない。また、要約の一部と発明の名称は、文献の検索を助けるためのみのものであり、本発明の権利範囲を限定するものでない。また、本明細書又は特許請求の範囲に言及している「第一」、「第二」などの用語は、要素(element)に名前を付け、又は、異なる実施例又は範囲を区別するためのもののみであり、要素の数量上の上限又は下限を限定するためのものでない。
【符号の説明】
【0037】
100:電子装置
110、210:投影モジュール
110a、210a:投影システム
110b、210b:結像システム
112、212:光源
114、214:ライトバルブ
116、216:レンズ組
120:調整構造
122:ベース台
122a:ヒンジ接続孔
124:第一調整部
126:第二調整部
128:回転部
128a:回転軸
130、230:反射部
130a、230a:反射面
140:導波部
218:外殻
218a:第一殻体
218b:第二殻体
222:第三調整部
224:第四調整部
A1、A1’:第一軸線
A2、A2’:第二軸線
D1:第一方向
D2:第二方向
L:映像光束
I:投影画面
OA:光軸
S1:第一ネジ山部
S2:第二ネジ山部
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12