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  • -タービン加減弁の動的相互作用 図1
  • -タービン加減弁の動的相互作用 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-22
(45)【発行日】2022-08-01
(54)【発明の名称】タービン加減弁の動的相互作用
(51)【国際特許分類】
   F01D 17/10 20060101AFI20220725BHJP
   F01K 13/02 20060101ALI20220725BHJP
   F01D 17/08 20060101ALI20220725BHJP
   F01D 17/00 20060101ALI20220725BHJP
【FI】
F01D17/10 C
F01K13/02 Z
F01D17/08 Z
F01D17/00 Q
F01D17/00 V
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018566572
(86)(22)【出願日】2017-06-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-08-15
(86)【国際出願番号】 EP2017064113
(87)【国際公開番号】W WO2017220344
(87)【国際公開日】2017-12-28
【審査請求日】2020-06-01
(31)【優先権主張番号】16290111.0
(32)【優先日】2016-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】515322297
【氏名又は名称】ゼネラル エレクトリック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】General Electric Technology GmbH
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 7, CH-5400 Baden, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100113974
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 拓人
(72)【発明者】
【氏名】レムラニ,ハッサン
(72)【発明者】
【氏名】ジャイロ,キャロリン
(72)【発明者】
【氏名】ル,ゴフ・ニコラス
【審査官】中村 大輔
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-148111(JP,A)
【文献】米国特許第04316362(US,A)
【文献】英国特許出願公開第02176248(GB,A)
【文献】特開平04-342803(JP,A)
【文献】特開昭56-009607(JP,A)
【文献】特開平07-011910(JP,A)
【文献】特開2001-147293(JP,A)
【文献】特開2016-070223(JP,A)
【文献】特開2013-050055(JP,A)
【文献】特開平08-128305(JP,A)
【文献】特開平05-065805(JP,A)
【文献】特開昭63-120806(JP,A)
【文献】特開昭61-055303(JP,A)
【文献】特開昭58-065910(JP,A)
【文献】米国特許第04007596(US,A)
【文献】特開2014-084847(JP,A)
【文献】特開2013-147937(JP,A)
【文献】特開2010-261389(JP,A)
【文献】特開平06-330707(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01K 7/16- 7/22
F01K 13/00-13/02
F01D 17/00-17/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸気タービン(1)への蒸気流入を制御するための方法であって、前記蒸気タービン(1)が、高圧加減弁(8)を介して蒸気を受ける高圧ケーシング(2)、減圧加減弁(10)を介して蒸気を受ける少なくとも1つの減圧ケーシング(3、4、5,6)、および流入蒸気制御システム(13)を備え流入蒸気制御システム(13)が、
前記蒸気タービン(1)の通常の運転の間、前記減圧加減弁(10)を全開に保ち、
前記通常の運転の後、蒸気制御が行われていないと、前記蒸気タービン(1)に許容できない過速度を発生させ不安定状態中必要蒸気流量(14)を決定するステップと、
前記不安定状態中に前記決定された必要蒸気流量(14)に応じて高圧加減弁開度設定点(16)を定めるステップと、
前記不安定状態中に前記高圧加減弁(8)を前記定められた高圧加減弁開度設定点(16)にするステップと、
前記不安定状態中に前記決定された必要蒸気流量(14)に応じて、高圧加減弁開度設定点と減圧加減弁開度設定点との間の動的な相互作用(20)を通じて、減圧加減弁開度設定点(17)を定めるステップと、
前記不安定状態中に前記減圧加減弁(10)を前記定められた減圧加減弁開度設定点(17)にするステップと
を管理することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記不安定状態中に前記減圧加減弁(10)が前記高圧加減弁(8)よりも大きく開いているように前記減圧加減弁開度設定点(17)が定められる、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記減圧加減弁(10)が前記高圧加減弁(8)よりも大きく開いているように前記減圧加減弁開度設定点(17)が定められることにより、前記高圧ケーシング(2)から蒸気を受け、前記減圧加減弁(10)を介して前記少なくとも1つの減圧ケーシング(3、4、5,6)に蒸気を渡す湿分分離加熱器(11、12)に所望の量の蒸気を収められ、前記蒸気タービン(1)の許容できない過速度が防止され、請求項2に項記載の方法。
【請求項4】
前記高圧加減弁(8)を前記定められた高圧加減弁開度設定点(16)にするステップ、および前記減圧加減弁(10)を前記定められた減圧加減弁開度設定点(17)にするステップが、加減弁位置ループカード(18、19)を通じて実行される、請求項1乃至3のいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記必要蒸気流量(14)が、少なくとも前記蒸気タービン(1)の回転速度、負荷、運転蒸気圧力、およびタービン運転モードを含むパラメータ(15)を使用して決定される、請求項1乃至4のいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
高圧加減弁(8)を介して蒸気を受ける高圧ケーシング(2)、減圧加減弁(10)を介して蒸気を受ける少なくとも1つの減圧ケーシング(3、4、5、6)、および蒸気流入制御システム(13)を備えた蒸気タービンであって前記蒸気流入制御システム(13)が、前記蒸気タービン(1)の通常の運転の間、前記減圧加減弁(10)を全開に保ち、前記通常の運転の後、蒸気制御が行われていないと、前記蒸気タービン(1)に許容できない過速度を発生させ不安定状態中必要蒸気流量(14)を決定し、前記決定された必要蒸気流量(14)に応じて高圧加減弁開度設定点(16)を定め、前記高圧加減弁(8)を前記定められた高圧加減弁開度設定点(16)にし、前記決定された必要蒸気流量(14)に応じて、高圧加減弁開度設定点と減圧加減弁開度設定点との間の動的な相互作用(20)を通じて、減圧加減弁開度設定点(17)を定め、前記減圧加減弁(10)を前記定められた減圧加減弁開度設定点(17)にするように構成されたことを特徴とする蒸気タービン。
【請求項7】
前記蒸気流入制御システム(13)が、高圧加減弁位置ループカード(18)および減圧加減弁位置ループカード(19)を備えた、請求項6記載の蒸気タービン。
【請求項8】
減圧加減弁(10)を備えた1つの減圧ケーシング(3)が中圧ケーシング(3)に相当する、請求項6または7のいずれか1項記載の蒸気タービン。
【請求項9】
前記高圧ケーシング(2)から蒸気を受け、前記減圧加減弁(10)を介して前記少なくとも1つの減圧ケーシング(3、4、5,6)に蒸気を渡す湿分分離加熱器(11、12)を備え、
前記不安定状態中に前記減圧加減弁(10)が前記高圧加減弁(8)よりも大きく開いているように前記減圧加減弁開度設定点(17)が定められ、
前記減圧加減弁(10)が前記高圧加減弁(8)よりも大きく開いているように前記減圧加減弁開度設定点(17)が定められることにより、前記湿分分離加熱器(11、12)に所望の量の蒸気を収められ、前記蒸気タービン(1)の許容できない過速度が防止され、請求項6乃至8のいずれか1項記載の蒸気タービン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に発電所の蒸気タービンに関し、より詳細には、そのような蒸気タービンへの蒸気流入を制御するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
典型的には、発電所の蒸気タービンは、加圧された蒸気の熱エネルギーを機械エネルギーに変換する装置である。熱エネルギーは、ボイラによって蒸気を発生させることによって得られる。したがって、その結果得られた蒸気流は、必要な圧力および温度で蒸気タービンに供給される。
【0003】
タービンは、蒸気流を、電気エネルギーを発生させるための発電機のロータを駆動するために使用されるトルクに変換する。詳細には、発電機のロータは、ロータと蒸気タービンとを相互接続するタービンシャフトによって駆動される。
【0004】
一般的に、発電機は、発生した電気エネルギーを複数の送電線を通して消費者に配電するために、交流電気系統と連結されている。発電機から電気系統に電気エネルギーを送るために、発電機の周波数が電気系統の周波数と合うように発電機と電気系統とを同期させることが重要である。
【0005】
ボイラによって供給された蒸気は、高圧蒸気ケーシングに入る。高圧ケーシングへの流入は、止め弁および加減弁を通じて行われる。
【0006】
蒸気が高圧ケーシング内で膨張した後、蒸気は、タービンのコロージョンおよびエロージョンを防止するために、湿分を抜いて蒸気を再熱する湿分分離加熱器に送られる。
【0007】
したがって、乾かされて再熱された蒸気は、中圧止め弁および加減弁を通じて一般的には中圧蒸気ケーシングである減圧ケーシングに流入し、次いで、1つまたは複数の低圧ケーシングに流入する。特定の蒸気タービンは中圧ケーシングを備えておらず、蒸気は、湿分分離加熱器から低圧止め弁および加減弁を通じて直接低圧ケーシングに流れる。
【0008】
大量の蒸気が加熱器内にある場合があり、特に、負荷変動、送電網の障害、または所内負荷タービン運転モードへの切り替えなどの過渡状態中にこれを入れておくことは重要である。
【0009】
このような過渡状態の場合に、蒸気制御が行われていないと、許容できないタービンの過速度および/または機械的、電気的な不安定性につながることがあり、これは、タービン発電機装置、タービン加減弁、発電所の電気消費機器、および電気ネットワークに接続された電気消費機器を応力および早期の劣化に対して保護するために避けなければならない。
【0010】
現況技術では、解決策は、タービン起動から、または、公称負荷の5から40%の間の負荷から、中圧流入弁、または中圧ケーシングがなければ低圧流入弁を全開に保つことである。不安定さを減じるために既定の負荷プロファイルが使用される。それにもかかわらず、過渡状態を特徴付けるプロファイルは限られた数しか規定されていない。したがって、すべてのタイプの過渡状態に対応することができない。
【0011】
別の解決策は、加減弁に閉鎖および再開放の命令を送ることである。しかしながら、この解決策の不利な点は、回復するまでの時間および加減弁の応力にある。
【0012】
さらに、これらの解決策は、中圧弁の下流に、特に、湿分分離加熱器と中圧ケーシングとの間、および中圧ケーシングと低圧ケーシングとの間に、大きなデッドボリュームがあるタービンに対しては適切ではない、または十分ではない。
【0013】
したがって、本発明は、発電所の蒸気タービンへの流入蒸気を制御して、タービン発電機装置、タービン加減弁、発電所の電気消費機器、および電気ネットワークに接続された電気消費機器を応力および早期の劣化に対して保護するための方法を提供することによってこれらの不利な点を克服することを意図したものである。
【0014】
したがって、本発明は、蒸気タービンへの蒸気流入を制御するための方法を提案する。ここで、タービンは、高圧ケーシング、少なくとも1つの減圧ケーシング、および流入蒸気制御システムを備え、高圧ケーシングおよび少なくとも1つの減圧ケーシングは、蒸気流入用の加減弁を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【文献】米国特許第4316362(A)号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0016】
流入蒸気制御システムは、必要蒸気流量を決定するステップと、決定された必要蒸気流量に応じて高圧加減弁開度設定点を定めるステップと、高圧加減弁を定められた高圧加減弁開度設定点にするステップと、決定された必要蒸気流量に応じて、高圧加減弁開度設定点と減圧加減弁開度設定点との間の動的な相互作用を通じて、減圧加減弁開度設定点を定めるステップと、減圧加減弁を定められた減圧加減弁開度設定点にするステップとを管理する。
【0017】
減圧加減弁が高圧加減弁よりも大きく開いているように減圧加減弁開度設定点を定めることは有利である。このようにすると、湿分分離加熱器内の過大な圧力を避けることができる。
【0018】
タービンの過渡状態中に制御システムを作動して、過渡状態による軸線の許容できない過速度および応力の回避が可能になることはより有利である。
【0019】
高圧加減弁を定められた高圧加減弁開度設定点にするステップ、および減圧加減弁を定められた減圧加減弁開度設定点にするステップが、加減弁位置ループカードを通じて実行されることは好ましい。
【0020】
必要蒸気流量は、少なくともタービンの回転速度、負荷、運転蒸気圧力、およびタービン運転モードを含むパラメータを使用して決定されることが有利である。
【0021】
本発明の別の目的は、高圧ケーシング、少なくとも1つの減圧ケーシング、および蒸気流入制御システムを備えた蒸気タービンであって、高圧ケーシングおよび少なくとも1つの減圧ケーシングが蒸気流入用の加減弁を備えた、蒸気タービンに関する。
【0022】
そのほか、蒸気流入制御システムは、必要蒸気流量を決定し、決定された必要蒸気流量に応じて高圧加減弁開度設定点を定め、高圧加減弁を定められた高圧加減弁開度設定点にし、決定された必要蒸気流量に応じて、高圧加減弁開度設定点と減圧加減弁開度設定点との間の動的な相互作用を通じて、減圧加減弁開度設定点を定め、減圧加減弁を定められた減圧加減弁開度設定点にするように構成される。
【0023】
蒸気流入制御システムは、高圧加減弁位置ループカードおよび減圧加減弁位置ループカードを備えることは有利である。
【0024】
そのほか、加減弁を備えた1つの減圧ケーシングは低圧ケーシングに相当してもよい。
【0025】
別の実施形態では、加減弁を備えた1つの減圧ケーシングは中圧ケーシングに相当してもよい。
【0026】
本発明の他の利点および特徴は、添付の図面に示した非限定的な例である本発明の実施形態の詳細な説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の実施形態による方法で使用するための発電所の蒸気タービンの概略図である。
図2図1の蒸気タービンの蒸気流入制御システムによって実行されるステップの図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1に示すように、発電所の蒸気タービン1は、高圧蒸気ケーシング2、および少なくとも1つの減圧ケーシングを備える。図示の例では、減圧ケーシングは、中間蒸気ケーシング3、ならびに3つの低圧蒸気ケーシング4、5、および6に相当する。しかしながら、別の実施形態では、タービンは、例えば、低圧ケーシングを備えるが、中間ケーシングを備えないこともある。
【0029】
本蒸気タービンはまた、高圧ケーシング2の上流に止め弁7および加減弁8、ならびに中圧ケーシング3の上流に止め弁9および加減弁10を備える。
【0030】
2つの湿分分離加熱器11および12は、中圧止め弁9および加減弁10の上流に配置される。
【0031】
ボイラ(ここには図示せず)によって供給された蒸気は高圧蒸気ケーシング2に入る。高圧ケーシングへの流入は、高圧止め弁7および高圧加減弁8を通じて行われる。
【0032】
蒸気が高圧ケーシング2内で膨張した後、蒸気は湿分分離加熱器11および12に送られる。
【0033】
したがって、蒸気は、中圧止め弁9および中圧加減弁10を通じて中圧ケーシング3に流入し、次いで、低圧ケーシング4、5、および6に流入する。
【0034】
さらに、蒸気タービン1は、タービンが作動しているときに作動し過渡状態が生じているときに作動していることが有利である蒸気流入制御システム13を備える。
【0035】
図2に示すように、第1のステップで、制御システム13は、様々なタービンパラメータ15の関数の必要蒸気流量14を決定する。パラメータ15は、例えば、タービンの回転速度、負荷、運転蒸気圧力、タービン運転モード、制限、およびランバックを含むことがある。
【0036】
一方、制御システム13は、決定された必要蒸気流量14に応じて高圧加減弁開度設定点16を定め、高圧加減弁8を定められた高圧加減弁開度設定点16にする。
【0037】
制御システム13は、既定の法則により、必要蒸気流量14を高圧加減弁開度設定点16に直接変換する。
【0038】
他方、制御システム13は、減圧加減弁開度設定点17を定め、減圧加減弁10を定められた減圧加減弁開度設定点17にする。図示の例では、減圧加減弁は、中圧ケーシング3の加減弁10に相当する。したがって、制御システム13は、中圧加減弁開度設定点17を定め、中圧加減弁を定められた中圧加減弁開度設定点17にする。別の実施形態によれば、タービンが中圧ケーシングを備えず、低圧ケーシングのみを備えている場合には、このステップは低圧加減弁に適用される。
【0039】
図示の実施形態では、蒸気流入制御システム13は、加減弁毎に1つの位置ループカードを備える。高圧加減弁8用の位置ループカード18、および中圧加減弁10用の位置ループカード19は、それぞれ、高圧加減弁8を開度設定点にするステップ、および中圧加減弁10を開度設定点にするステップを実行するように構成される。
【0040】
制御システム13は、決定された必要蒸気流量14に応じて、高圧加減弁8位置と中圧加減弁10位置との間の動的な相互作用20となる高圧加減弁開度設定点と中圧加減弁開度設定点との間の動的な相互作用20を通じて、中圧加減弁開度設定点17を定める。
【0041】
必要蒸気流量の動的な進展を用いて、タービン1の通常の運転で用いられている加減弁8、10の静的な制御から、過渡状態を通過するために用いられる動的な制御に滑らかに移行する。
【0042】
本発明は、加減弁8、10の位置をいかなるときにも制御することによって、ケーシング2、3、4、5、6への蒸気の流入の高速かつ安定した制御を可能にし、したがって、タービン1発電機装置の速度および出力の高速かつ安定した制御を可能にする。
【0043】
タービン1の通常の運転では、本方法は、中圧加減弁10を高圧加減弁8よりも大きく開き、5から40%の間の負荷から全開にすることによって、例えば、湿分分離加熱器内の過大な圧力の回避を可能にする。
【0044】
本発明のさらなる利点は、負荷変動、送電網の障害、または所内負荷運転モードへの切り替えなどの過渡状態中、湿分分離加熱器11、12に大量の蒸気を収めて、ロータを蒸気タービン1と相互接続する軸線の許容できない過速度および応力を避けることである。これは、湿分分離加熱器11、12の過大圧力を避けるために、中圧加減弁10が高圧加減弁8よりもわずかに大きく開いたままにしながら、電力負荷に対して熱出力を適合させるように、高圧加減弁8位置と中圧加減弁10位置とを同時に制御することによって可能になる。
【符号の説明】
【0045】
1 蒸気タービン
2 高圧ケーシング
3 減圧ケーシング
4 減圧ケーシング
5 減圧ケーシング
6 減圧ケーシング
7 止め弁
8 加減弁
9 止め弁
10 加減弁
11 湿分分離加熱器
12 湿分分離加熱器
13 流入蒸気制御システム
14 必要蒸気流量
15 パラメータ
16 高圧加減弁開度設定点
17 減圧加減弁開度設定点
18 高圧加減弁位置ループカード
19 減圧加減弁位置ループカード
20 動的な相互作用
図1
図2