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特許7110129電源制御装置、電力供給装置および電動作業システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-22
(45)【発行日】2022-08-01
(54)【発明の名称】電源制御装置、電力供給装置および電動作業システム
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/44 20060101AFI20220725BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20220725BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20220725BHJP
【FI】
H01M10/44 Q
H01M10/48 P
H02J7/00 B
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019008572
(22)【出願日】2019-01-22
(65)【公開番号】P2020119702
(43)【公開日】2020-08-06
【審査請求日】2021-10-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】片山 純一
【審査官】佐藤 卓馬
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-109894(JP,A)
【文献】特開2014-233783(JP,A)
【文献】特表2014-529320(JP,A)
【文献】特開2008-177138(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/44
H01M 10/48
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池パックと接続可能に構成された電源制御装置であって、
前記電池パックは、
充放電可能なバッテリと、
前記バッテリの放電による電力供給先となる電動機器を着脱可能に構成された機器接続部と、
前記機器接続部を介して電力供給指令信号を受信すると、前記バッテリが放電可能状態であるか否かを判定し、前記機器接続部を介して放電可否判定結果を出力するバッテリ状態判定部と、
を備え、
当該電源制御装置は、
前記電池パックと接続可能に構成されたパック接続部と、
前記電池パックからの供給電力により駆動する電動作業機を着脱可能に構成された作業機接続部と、
前記バッテリが放電可能状態であり、かつ前記電動作業機から電力供給指令信号を受信した場合に、前記電池パックからの供給電力を前記電動作業機に供給するように構成された電力供給制御部と、
を備えており、
前記電力供給制御部は、前記パック接続部に前記電池パックが接続されると、前記電池パックに対して、前記電力供給指令信号を模擬したダミー指令信号を前記電池パックの前記バッテリ状態判定部に送信する、
電源制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電源制御装置であって、
前記電力供給制御部は、前記パック接続部に前記電池パックが接続されると、前記ダミー指令信号の送信を継続して実行する、
電源制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載の電源制御装置であって、
前記電力供給制御部は、前記電池パックが放電可能状態から放電不可能状態に状態変化すると、前記ダミー指令信号の送信を停止する、
電源制御装置。
【請求項4】
請求項3に記載の電源制御装置であって、
前記電力供給制御部は、前記ダミー指令信号の送信を停止した後、所定の待機時間が経過すると、前記ダミー指令信号を送信する、
電源制御装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載の電源制御装置であって、
当該電源制御装置は、前記パック接続部を複数備えており、
前記電力供給制御部は、前記複数のパック接続部に接続された全ての前記電池パックに対して、前記ダミー指令信号を送信する、
電源制御装置。
【請求項6】
請求項5に記載の電源制御装置であって、
前記電力供給制御部は、前記複数のパック接続部のうちいずれかの前記パック接続部に接続された前記電池パックに対して前記ダミー指令信号を送信している状況下において、空き状態の前記パック接続部に新たな電池パックが接続された場合には、既に前記ダミー指令信号を送信している前記電池パックに加えて、新たに接続された前記電池パックに対して前記ダミー指令信号を送信する、
電源制御装置。
【請求項7】
請求項5または請求項6に記載の電源制御装置であって、
前記電力供給制御部は、複数の前記電池パックに対して前記ダミー指令信号を送信するにあたり、全ての前記電池パックに対して同時に前記ダミー指令信号を送信する並列信号送信処理、および、複数の前記電池パックに対して1個ずつ順番に前記ダミー指令信号を送信する順次信号送信処理、のうちいずれかの送信処理を行う、
電源制御装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7のうちいずれか一項に記載の電源制御装置と、
前記電源制御装置の前記パック接続部に接続される電池パックと、
を備える電力供給装置。
【請求項9】
請求項8に記載の電力供給装置と、
前記電源制御装置の前記作業機接続部に接続される電動作業機と、
を備える電動作業システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電源制御装置、電力供給装置および電動作業システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電池パックと着脱可能に接続されて、電池パックから供給される電力によって駆動する電動作業機が知られている。また、電動作業機に電力供給する電力供給装置として、電池パックと電源制御装置とを備える電力供給装置が提案されている。
【0003】
電源制御装置としては、例えば、電池パックと電動作業機との間に設けられて、追加機能(通信機能など)を付加するための電源制御装置(アダプタ)が挙げられる(特許文献1)。このような電源制御装置(アダプタ)を備える電力供給装置は、電池パックを電動作業機に対して直接接続する場合に比べて、電池パックおよび電動作業機を改造すること無く、容易に追加機能を付加することができる。
【0004】
また、電源制御装置は、例えば、接続形式が互いに異なる電池パックと電動作業機とを接続可能にするための電源制御装置(接続調整部)であってもよい(特許文献2)。この電源制御装置(接続調整部)は、電池パックと接続可能なパック接続部と、電動作業機と接続可能な作業機接続部と、を備えている。
【0005】
なお、電源制御装置は、電動作業機と電池パックとの間で送受信される各種信号の送受信処理を実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第6392116号公報
【文献】特許第5616104号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記の電源制御装置を備える電力供給装置を用いる場合には、電池パックと電動作業機とを直接接続した場合に比べて、電動作業機の応答性が低下する可能性がある。
例えば、電動作業機からの指令信号の出力時点から、電源制御装置を介して電池パックに指令信号が到達し、その応答信号が電池パックから電源制御装置を介して電動作業機に到達するまでの時間には、電源制御装置での信号処理時間が追加される。この信号処理時間が追加されることで、指令信号の出力時点から電動作業機に電力供給されるまでの応答時間が長くなり、電動作業機の応答性が低下する可能性がある。
【0008】
この場合、電動作業機の使用者によるトリガスイッチ操作から電動作業機の駆動までの時間が長くなるため、使用者にとって電動作業機の使い勝手が低下する可能性がある。
そこで、本開示の一局面においては、電池パックと接続可能に構成された電源制御装置であって、電動作業機の応答性の低下を抑制できる電源制御装置を提供すること、および、そのような電源制御装置を備える電力供給装置、そのような電力供給装置を備える電動作業システムを提供できることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一局面は 電池パックと接続可能に構成された電源制御装置であって、パック接続部と、作業機接続部と、電力供給制御部と、を備える電源制御装置である。
電池パックは、バッテリと、機器接続部と、バッテリ状態判定部と、を備える。バッテリは、充放電可能に構成されている。機器接続部は、バッテリの放電による電力供給先となる電動機器を着脱可能に構成されている。バッテリ状態判定部は、機器接続部を介して電力供給指令信号を受信すると、バッテリが放電可能状態であるか否かを判定し、機器接続部を介して放電可否判定結果を出力するように構成されている。
【0010】
パック接続部は、電池パックの機器接続部と接続可能に構成されている。作業機接続部は、電池パックからの供給電力により駆動する電動作業機を着脱可能に構成されている。電力供給制御部は、バッテリが放電可能状態であり、かつ電動作業機から電力供給指令信号を受信した場合に、電池パックからの供給電力を電動作業機に供給するように構成されている。
【0011】
電力供給制御部は、パック接続部に電池パックが接続されると、電池パックに対して、電力供給指令信号を模擬したダミー指令信号を電池パックのバッテリ状態判定部に送信するように構成されている。換言すれば、電力供給制御部は、パック接続部に電池パックが接続されると、作業機接続部に電動作業機が接続されているか否かに関わらず、電池パックに対してダミー指令信号を電池パック(バッテリ状態判定部)に送信する。
【0012】
この電源制御装置は、電動作業機から電力供給指令信号を受信する前に、電池パックが放電可能状態であるか否かの判定結果を保持できる。このため、この電源制御装置は、電動作業機から電力供給指令信号を受信すると、電池パックに対する問合せ処理を行うこと無く、電池パックの状態(放電可能状態であるか否か)を電動作業機に対して出力することが可能となる。
【0013】
つまり、この電源制御装置は、電力供給指令信号を受信した後に電池パックに対する問合せ処理に要する時間が不要となるため、電力供給指令信号を受信した時点から電池パックの状態を電動作業機に対して出力する時点までの所要時間を短縮できる。
【0014】
よって、この電源制御装置は、電池パックと電動作業機との間に設けられる場合であっても、電動作業機の応答性が低下することを抑制でき、電動作業機の使用者にとって操作性が低下することを抑制できる。
【0015】
なお、本開示におけるダミー指令信号の出力条件は、「パック接続部に電池パックが接続された場合」であり、「作業機接続部に電動作業機が接続されている場合」、および「作業機接続部に電動作業機が接続されていない場合」のいずれの場合も含まれる。
【0016】
次に、上述の電源制御装置においては、電力供給制御部は、パック接続部に電池パックが接続されると、ダミー指令信号の送信を継続して実行してもよい。
このように電力供給制御部がダミー指令信号の送信を継続することで、電池パック(詳細には、バッテリ)の状態が変化した場合でも、変化後の状態に応じた判定結果を取得できる。例えば、電池パックの接続直後は放電可能状態であっても、その後の電力消費や温度条件などの要因により電池パックが放電不可能状態に変化することがある。このような場合でも、この電源制御装置は、ダミー指令信号の送信を継続することで、電池パックの最新の状態に応じた判定結果を取得できる。
【0017】
次に、電力供給制御部がダミー指令信号の送信を継続して実行するように構成された上述の電源制御装置においては、電力供給制御部は、電池パックが放電可能状態から放電不可能状態に状態変化すると、ダミー指令信号の送信を停止してもよい。
【0018】
つまり、電池パック(バッテリ)が状態変化した直後は、電池パックの状態を問い合わせする必要性が低い。このため、この電源制御装置は、ダミー指令信号の送信を停止することで、電力供給制御部での処理負荷の低減を図ることができる。
【0019】
次に、電池パックが放電可能状態から放電不可能状態に状態変化するとダミー指令信号の送信を停止する電力供給制御部を備える上述の電源制御装置においては、電力供給制御部は、ダミー指令信号の送信を停止した後、所定の待機時間が経過すると、ダミー指令信号を送信してもよい。
【0020】
電池パックは、放電不可能状態となった後、時間経過によって放電可能状態に状態変化する場合がある。このため、この電源制御装置は、待機時間が経過した後でダミー指令信号を送信することで、再び電池パックが放電可能状態に状態変化したか否かを確認することができる。
【0021】
次に、上述の電源制御装置においては、当該電源制御装置はパック接続部を複数備え、電力供給制御部は、複数のパック接続部に接続された全ての電池パックに対してダミー指令信号を送信してもよい。
【0022】
つまり、電源制御装置が複数の電池パックを接続可能に構成されている場合には、接続された全ての電池パックに対して電力供給制御部がダミー指令信号を送信する。これにより、この電源制御装置は、接続された全ての電池パックについて放電可能状態であるか否かの判定結果を取得できる。
【0023】
次に、複数のパック接続部を備える上述の電源制御装置においては、電力供給制御部は、複数のパック接続部のうちいずれかのパック接続部に接続された電池パックに対してダミー指令信号を送信している状況下において、空き状態のパック接続部に新たな電池パックが接続された場合には、既にダミー指令信号を送信している電池パックに加えて、新たに接続された電池パックに対してダミー指令信号を送信してもよい。
【0024】
この電源制御装置は、空き状態のパック接続部に新たな電池パックが接続された場合に、新たに接続された電池パックに対してダミー指令信号を送信することで、新たに接続された電池パックが放電可能状態であるか否かの判断結果を、速やかに取得することができる。これにより、この電源制御装置は、新たに接続された電池パックを用いた電力供給を実行するまでの所要時間を短縮できる。
【0025】
なお、この電源制御装置は、例えば、複数のパック接続部に、電池パックが接続された接続状態のパック接続部と、電池パックが接続されていない空き状態のパック接続部と、がそれぞれ含まれる状況下で、空き状態のパック接続部に新たな電池パックが接続された場合に、新たな電池パックを用いた電力供給を実行するまでの所要時間を短縮できる。
【0026】
次に、複数のパック接続部を備える上述の電源制御装置においては、電力供給制御部は、複数の電池パックに対してダミー指令信号を送信するにあたり、並列信号送信処理および順次信号送信処理のうちいずれかの送信処理を行ってもよい。並列信号送信処理は、複数の電池パックに対してダミー指令信号を送信するにあたり、全ての電池パックに対して同時にダミー指令信号を送信する処理である。順次信号送信処理は、複数の電池パックに対してダミー指令信号を送信するにあたり、複数の電池パックに対して1個ずつ順番にダミー指令信号を送信する処理である。
【0027】
つまり、この電源制御装置は、並列信号送信処理を行う場合には、複数の電池パックの全てについて、放電可能状態であるか否かの判定結果を、短時間で取得できる。また、この電源制御装置は、順次信号送信処理を行う場合には、電力供給制御部での処理負荷が大幅に増大するのを抑制しつつ、複数の電池パックのそれぞれについて、放電可能状態であるか否かの判定結果を取得できる。
【0028】
本開示の他の局面は 上記のうちいずれかの電源制御装置と、電源制御装置のパック接続部に接続される電池パックと、を備える電力供給装置である。
この電力供給装置は、電池パックを用いて電動作業機に電力供給するにあたり、電源制御装置を備える構成であっても、電動作業機の応答性が低下することを抑制できる。よって、この電力供給装置は、追加機能を有する電源制御装置を用いる場合であっても、電動作業機の応答性が低下することを抑制でき、電動作業機の使用者にとって操作性が低下することを抑制できる。
【0029】
本開示の他の局面は 上記の電力供給装置と、電源制御装置の作業機接続部に接続される電動作業機と、を備える電動作業システムである。
この電動作業システムは、電力供給装置が電源制御装置を備える場合であっても、電動作業機の応答性が低下することを抑制できる。よって、この電動作業システムは、追加機能を有する電源制御装置を用いる場合であっても、電動作業機の応答性が低下することを抑制でき、電動作業機の使用者にとって操作性が低下することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1図1Aは、第1実施形態の電動作業システムの概略構成を表す説明図であり、図1Bは、バッテリパックと電動作業機とを直接接続して構成されるバッテリ付き電動作業機5を表す説明図である。
図2】第1実施形態のバッテリパックの回路構成を表すブロック図である。
図3】第1実施形態の電源制御装置の回路構成を表すブロック図である。
図4】第1実施形態の電動作業機の回路構成を表すブロック図である。
図5】電池パック状態確認処理の処理内容を表したフローチャートである。
図6】第2実施形態の電力供給システムの全体構成を表した説明図である。
図7】電力供給装置の電気的構成を表した説明図である。
図8】電圧供給装置、第1電圧用アダプタ、第1電動機器の電気的構成を表した説明図である。
図9】電圧供給装置、複数出力用アダプタ、第2電動機器の電気的構成を表した説明図である。
図10】電圧供給装置、第2電圧用アダプタ、第3電動機器の電気的構成を表した説明図である。
図11】出力電圧制御処理の処理内容を表したフローチャートである。
図12】第1電圧制御処理の処理内容を表したフローチャートである。
図13】第2電圧制御処理の処理内容を表したフローチャートである。
図14】待機モード処理の処理内容を表したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本開示が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。
尚、本開示は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。
【0032】
[1.第1実施形態]
[1-1.全体構成]
図1Aに示すように、第1実施形態の電動作業システム1は、電力供給装置3と、電動作業機100と、を備える。電力供給装置3は、バッテリパック2と、電源制御装置200と、を備える。
【0033】
バッテリパック2は、電源制御装置200を介して電動作業機100と電気的に接続可能に構成されている。バッテリパック2は、バッテリパック2の内部に蓄電した電力を電動作業機100に電力供給可能に構成されている。バッテリパック2は、正極端子11,負極端子12,信号端子13を備える。正極端子11および負極端子12は、バッテリパック2の放電により電力供給を行うための一対の電力端子である。信号端子13は、バッテリパック2が各種信号を送受信するための信号端子である。
【0034】
バッテリパック2は、電動作業機100および電源制御装置200を着脱可能(接続可能)に構成された機器接続部14を備えている。このため、バッテリパック2は、図1Aに示すように、機器接続部14に装着された電源制御装置200を介して電動作業機100と間接的に接続できるとともに、図1Bに示すように、電源制御装置200を用いず機器接続部14に電動作業機100を直接装着することが可能である。なお、バッテリパック2と電動作業機100とを直接接続することで、バッテリ付き電動作業機5を構成できる。正極端子11,負極端子12,信号端子13は、機器接続部14に配置されている。
【0035】
電動作業機100は、動力源である直流モータ等を備えている。電動作業機100は、例えば、充電式電動工具、充電式電動掃除機、充電式電動園芸機器等である。電動作業機100は、正極端子101,負極端子102,信号端子103を備える。正極端子101および負極端子102は、バッテリパック2から供給される電力を受電するための一対の電力端子である。信号端子103は、電動作業機100が各種信号を送受信するための信号端子である。
【0036】
電動作業機100は、バッテリパック2および電源制御装置200を着脱可能に構成された機器接続部104を備えている。このため、電動作業機100は、機器接続部104に装着された電源制御装置200を介してバッテリパック2と間接的に接続できるとともに、電源制御装置200を用いず機器接続部104にバッテリパック2を直接装着することも可能である。正極端子101,負極端子102,信号端子103は、機器接続部104に配置されている。電動作業機100は、バッテリパックから供給される電力により駆動できる。
【0037】
電源制御装置200は、バッテリパック2および電動作業機100を備える電動作業システムに対して、バッテリパック2と電動作業機100との間に介在することで、追加機能を付加できる電源制御装置である。本開示の電源制御装置200は、通信機能、診断機能などの追加機能を付加することができる。通信機能は、無線通信あるいは有線通信により、バッテリパック2(または電動作業機100)と他の機器との間で各種情報の送受信するための機能である。診断機能は、バッテリパック2および電動作業機100の状態が正常であるか否かを診断するための機能である。また、本開示の電源制御装置200は、電動作業機100からバッテリパック2に対して電力供給指令信号が送信される前に、バッテリパック2に対してダミー指令信号を送信する機能を備えている。
【0038】
電源制御装置200は、第1正極端子201,第1負極端子202,第1信号端子203、第2正極端子211,第2負極端子212,第2信号端子213を備える。
電源制御装置200は、バッテリパック2を着脱可能(接続可能)に構成されたパック接続部204と、電動作業機100を着脱可能(接続可能)に構成された作業機接続部214と、を備えている。第1正極端子201,第1負極端子202,第1信号端子203は、パック接続部204に配置されている。第2正極端子211,第2負極端子212,第2信号端子213は、作業機接続部214に配置されている。
【0039】
バッテリパック2の正極端子11,負極端子12,信号端子13は、それぞれ、電源制御装置200の第1正極端子201,第1負極端子202,第1信号端子203と電気的に接続可能に構成されている。電源制御装置200の第2正極端子211,第2負極端子212,第2信号端子213は、それぞれ、電動作業機100の正極端子101,負極端子102,信号端子103と電気的に接続可能に構成されている。
【0040】
このため、電源制御装置200は、パック接続部204に装着されたバッテリパック2から供給される電力を、作業機接続部214に装着された電動作業機100に供給可能に構成されている。
【0041】
[1-2.バッテリパック]
図2に示すように、バッテリパック2は、バッテリ10、正極端子11、負極端子12、信号端子13、機器接続部14、監視回路20、電流検出素子24、信号入力制御部26、信号出力制御部28、バッテリ制御回路30を備える。
【0042】
バッテリ10は、充放電可能な複数のセルを直列接続して構成された充放電可能なバッテリである。バッテリ10の正極は正極端子11に接続され、バッテリ10の負極は負極端子12に接続されている。
【0043】
機器接続部14は、バッテリ10の放電による電力供給先となる電動機器(例えば、電動作業機100、電源制御装置200など)を着脱可能に構成されている。また、機器接続部14は、バッテリ10を充電するための電源となる充電器(図示省略)を着脱可能に構成されている。
【0044】
信号端子13は、バッテリパック2に接続された機器との間で各種信号の送受信を行うための端子である。各種信号としては、放電許可信号SAout、電力供給指令信号SBin、ダミー指令信号SAinなどが挙げられる。
【0045】
放電許可信号SAoutは、バッテリパック2の状態が放電可能状態であるときに、バッテリパック2が信号端子13から出力する信号である。なお、バッテリパック2は、電力供給指令信号SBinまたはダミー指令信号SAinを受信したときに、バッテリパック2の状態が放電可能状態である場合に、放電許可信号SAoutを出力する。
【0046】
電力供給指令信号SBinは、電動作業機100が電力供給を必要とするときに、電動作業機100が信号端子103から出力する信号である。ダミー指令信号SAinは、電源制御装置200が出力する信号であり、電力供給指令信号SBinを模擬した信号である。ダミー指令信号SAinは、バッテリパック2が電源制御装置200と接続されているときに、電源制御装置200からバッテリパック2に入力される信号である。
【0047】
電流検出素子24は、バッテリ10の負極と負極端子12との間の電流経路に設けられる。電流検出素子24は、例えば抵抗にて構成される。
監視回路20は、バッテリ10の両端電圧(バッテリ電圧)や各セルの電圧(セル電圧)を監視する監視回路(IC)である。監視回路20は、電流検出素子24の両端電圧を取り込むことで、バッテリ10への充電時及び放電時に流れる充電電流及び放電電流を監視する。監視回路20は、バッテリ10の各セルの電圧(セル電圧)を取り込むことで、バッテリ10の電圧(バッテリ電圧)、各セルのセル電圧を監視する。監視回路20は、監視結果(バッテリ電圧、セル電圧、充電電流又は放電電流)をバッテリ制御回路30に送信する。
【0048】
バッテリ制御回路30は、CPU、ROM、RAM等を中心とするマイクロコンピュータ(マイコン)を備えて構成されている。バッテリ制御回路30は、各種情報が記憶されるメモリ32を備える。なお、メモリ32は不揮発性メモリである。
【0049】
信号入力制御部26は、バッテリ制御回路30からの指令に従い、信号端子13を介して入力される各種の入力信号を制御する。バッテリパック2が電源制御装置200と接続された場合、電源制御装置200からの入力信号としては、ダミー指令信号SAinなどがある。バッテリパック2が電動作業機100と接続された場合、電動作業機100からの入力信号としては、電力供給指令信号SBinなどがある。
【0050】
信号出力制御部28は、バッテリ制御回路30からの指令に従い、信号端子13から出力する各種の出力信号を制御する。出力信号としては、放電許可信号SAoutなどがある。
【0051】
バッテリ制御回路30は、機器接続部14(詳細には、信号端子13)および信号入力制御部26を介してダミー指令信号SAinを受信すると、監視回路20による監視結果に基づいてバッテリ10が放電可能状態であるか否かを判定する。バッテリ制御回路30は、バッテリ10が放電可能状態であるか否かの判定結果(放電可否判定結果)を、機器接続部14(詳細には、信号端子13)および信号出力制御部28を介して出力する。具体的には、バッテリ制御回路30は、バッテリ10が放電可能状態である場合には、放電許可信号SAoutを出力し、バッテリ10が放電不可能状態である場合には、放電許可信号SAoutを出力しない。つまり、バッテリ制御回路30は、放電許可信号SAoutの出力状態を、出力実行状態または出力停止状態に切り替えることで、バッテリ10が放電可能状態であるか否かの判定結果(放電可否判定結果)を出力するように構成されている。
【0052】
[1-3.電源制御装置]
図3に示すように、電源制御装置200は、電源ユニット制御回路220、第1信号出力制御部222、第1信号入力制御部224、第2信号入力制御部226、第2信号出力制御部228、スイッチ部230を備える。また、上述のとおり、電源制御装置200は、第1正極端子201,第1負極端子202,第1信号端子203、パック接続部204、第2正極端子211,第2負極端子212,第2信号端子213、作業機接続部214を備える。
【0053】
電源ユニット制御回路220は、CPU、ROM、RAM等を中心とするマイクロコンピュータ(マイコン)を備えて構成されている。電源ユニット制御回路220は、各種情報が記憶されるメモリ221を備える。なお、メモリ221は不揮発性メモリである。
【0054】
電源ユニット制御回路220は、各種制御処理を実行することで、電源制御装置200の各部を制御する。各種制御処理のうち電池パック状態確認処理については後述する。
第1信号出力制御部222は、電源ユニット制御回路220からの指令に従い、第1信号端子203から出力する各種の出力信号を制御する。バッテリパック2への出力信号としては、ダミー指令信号SAinなどがある。第1信号入力制御部224は、電源ユニット制御回路220からの指令に従い、第1信号端子203を介して入力される各種の入力信号を制御する。バッテリパック2からの入力信号としては、放電許可信号SAoutなどがある。
【0055】
第2信号入力制御部226は、電源ユニット制御回路220からの指令に従い、第2信号端子213を介して入力される各種の入力信号を制御する。電動作業機100からの入力信号としては、電力供給指令信号SBinなどがある。第2信号出力制御部228は、電源ユニット制御回路220からの指令に従い、第2信号端子213から出力する各種の出力信号を制御する。電動作業機100への出力信号としては、ダミー許可信号SBoutなどがある。
【0056】
ダミー許可信号SBoutは、放電許可信号SAoutを模擬した信号である。ダミー許可信号SBoutは、バッテリパック2から電源制御装置200に対して放電許可信号SAoutが送信されているときに、電源制御装置200から電動作業機100に出力される信号である。
【0057】
スイッチ部230は、第1正極端子201と第2正極端子211とを繋ぐ通電経路に直列接続されている。スイッチ部230は、電源ユニット制御回路220からの指令に従い、スイッチ部230の内部の電気的状態を、通電状態(ON状態)または遮断状態(OFF状態)に切り替え可能に構成されている。
【0058】
スイッチ部230は、例えば、図3に示すように接続された2個のFET231,232(電界効果トランジスタ231,232)を用いて構成してもよい。この2個のFET231,232は、ゲートへの電圧印加時におけるドレイン-ソース間の通電方向が互いに逆方向となるように、直列に接続されている。なお、一般的に、FETは、その特性上、ドレイン-ソース間に並列に接続される寄生ダイオードを備えており、ゲートへ電圧印加されていない場合には、この寄生ダイオードによる逆方向の通電が可能に構成されている。これに対して、図3に示すように接続した2個のFET231,232を備えて、2個のFET231,232をいずれも遮断状態に制御することで、第1正極端子201と第2正極端子211とを繋ぐ通電経路における両方向の電流(放電電流および充電電流)を停止することができる。図3に示すスイッチ部230は、2個のFET231,232をいずれも通電状態にすることでスイッチ部230を通電状態とすることができる。
【0059】
なお、スイッチ部230は、FET以外のスイッチを用いて構成してもよい。例えば、スイッチ部230は、スイッチ部230の内部の電気的状態を、通電状態(ON状態)または遮断状態(OFF状態)に切り替え可能に構成されたスイッチ(機械式スイッチ、半導体素子スイッチなど)を用いて構成することができる。
【0060】
[1-4.電動作業機]
図4に示すように、電動作業機100は、ドライブ回路111と、モータ112と、スイッチング素子113と、トリガスイッチ114と、電源回路115と、正極端子101と、負極端子102と、信号端子103と、機器接続部104と、を備えている。
【0061】
正極端子101は、トリガスイッチ114を介してモータ112の一端に接続されている。負極端子102は、スイッチング素子113を介してモータ112の他端に接続されている。本実施形態のモータ112は、ブラシ付き直流モータである。
【0062】
トリガスイッチ114は、電動作業機100に設けられた図示しないトリガを使用者が操作することによりオン・オフされる。即ち、使用者がトリガを引くとオンし、使用者がトリガを離すとオフされる。トリガスイッチ114のオン・オフの情報は、ドライブ回路111に入力される。
【0063】
ドライブ回路111は、図示しないCPUやメモリなどを備えたマイクロコンピュータ(マイコン)を用いて構成されている。ドライブ回路111は、CPUがメモリに記憶されている各種プログラムを実行することにより各種機能を実現する。ドライブ回路111は、トリガスイッチ114がオンされると、スイッチング素子113をオン状態に制御することで、バッテリパック2からの供給電力によるモータ112への通電を実行してモータ112を動作させる。このとき、バッテリパック2からの供給電力は、電源制御装置200を介して電動作業機100に供給される。トリガスイッチ114がオフされると、ドライブ回路111は、スイッチング素子113をオフさせることで、バッテリパック2からモータ112への通電を停止させる。
【0064】
ドライブ回路111は、トリガスイッチ114がオンされると、電力供給指令信号SBinを信号端子103から出力する。つまり、電動作業機100は、トリガスイッチ114が操作されてモータ112を駆動するための電力が必要になると、信号端子103から電力供給指令信号SBinを出力する。電動作業機100が電源制御装置200に接続されている場合には、電力供給指令信号SBinは電源制御装置200に入力される。電動作業機100がバッテリパック2に接続されている場合には、電力供給指令信号SBinはバッテリパック2に入力される。
【0065】
ドライブ回路111は、バッテリパック2からモータ112への通電が行われている間に、信号端子103を介して異常信号が入力された場合は、モータ112への通電を強制停止させる。異常信号としては、バッテリパック2の異常を通知するための異常信号、電源制御装置200の異常を通知するための異常信号などが挙げられる。
【0066】
電源回路115は、所定電圧値の定電圧を生成するレギュレータを備えている。電源回路115は、電源制御装置200を介してバッテリパック2から供給される電圧を変圧して内部供給電圧を生成する。内部供給電圧は、電動作業機100の各部に供給される。例えば、ドライブ回路111は、内部供給電圧を電源電圧として動作する。
【0067】
[1-5.制御処理]
電源制御装置200で実行される電池パック状態確認処理について、図5を用いて説明する。
【0068】
電池パック状態確認処理は、電源ユニット制御回路220で実行される各種制御処理の1つである。電池パック状態確認処理は、電源制御装置200に接続されたバッテリパック2が放電可能状態であるか否かを確認するための処理である。
【0069】
電源ユニット制御回路220は、バッテリパック2から供給される電力によって動作するとともに、電池パック状態確認処理を繰り返し実行するように構成されている。
電源ユニット制御回路220は、電池パック状態確認処理を開始すると、まず、S10(Sはステップを表す)で、パック接続部204にバッテリパック2が接続されているか否かを判定し、肯定判定するとS20に移行し、否定判定するとS80に移行する。
【0070】
電源ユニット制御回路220は、S10で肯定判定されてS20に移行すると、バッテリパック2へのダミー指令信号SAinの出力を実行する。電源ユニット制御回路220は、次のS30では、バッテリパック2から放電許可信号SAoutが入力されているか否かを判定し、肯定判定するとS40に移行し、否定判定するとS60に移行する。
【0071】
電源ユニット制御回路220は、S30で肯定判定されてS40に移行すると、バッテリパック2が放電可能状態であると判断する。電源ユニット制御回路220は、次のS50では、バッテリパック2へのダミー指令信号SAinの出力を継続する。
【0072】
電源ユニット制御回路220は、S30で否定判定されてS60に移行すると、バッテリパック2が放電不可能状態であると判断する。電源ユニット制御回路220は、次のS70では、バッテリパック2へのダミー指令信号SAinの出力を停止する。
【0073】
電源ユニット制御回路220は、S10で否定判定されてS80に移行すると、バッテリパック2へのダミー指令信号SAinの出力を停止する。
電源ユニット制御回路220は、S50,S70,S80のいずれかの処理を終了すると、電池パック状態確認処理を終了する。
【0074】
なお、電源ユニット制御回路220は、予め定められた実行周期で、電池パック状態確認処理を繰り返し実行する。
電源ユニット制御回路220は、各種制御処理の1つとしてダミー許可信号制御処理を実行する。電源ユニット制御回路220は、電動作業機100から電力供給指令信号SBinを受信すると、ダミー許可信号制御処理を実行する。
【0075】
電源ユニット制御回路220は、ダミー許可信号制御処理を実行すると、電池パック状態確認処理での判定結果に基づいて、バッテリパック2が放電可能状態であるか否かを判定し、「バッテリパック2が放電可能状態」である場合には、第2信号端子213から電動作業機100に対してダミー許可信号SBoutを出力する。また、このとき、電源ユニット制御回路220は、スイッチ部230を通電状態(ON状態)に制御するための指令信号を、スイッチ部230に対して出力する。スイッチ部230が通電状態に制御されることで、電源制御装置200は、バッテリパック2から供給される電力を電動作業機100へ供給可能な状態となる。
【0076】
他方、電源ユニット制御回路220は、ダミー許可信号制御処理の実行時において、「バッテリパック2が放電不可能状態」である場合には、ダミー許可信号SBoutの出力を停止する。また、このとき、電源ユニット制御回路220は、スイッチ部230を遮断状態(OFF状態)に制御するための指令信号を、スイッチ部230に対して出力する。電源制御装置200は、スイッチ部230を遮断状態に制御することで、バッテリパック2から電動作業機100への電力供給を停止できる。
【0077】
なお、電源ユニット制御回路220は、電池パック状態確認処理での判定結果として、「バッテリパック2が放電不可能状態」と判定しているときには、電動作業機100から電力供給指令信号SBinを受信しているか否かにかかわらず、ダミー許可信号SBoutの出力を停止するとともに、スイッチ部230を遮断状態(OFF状態)に制御するための指令信号を、スイッチ部230に対して出力してもよい。
【0078】
つまり、電源ユニット制御回路220は、バッテリパック2(詳細には、バッテリ10)が放電可能状態であり、かつ電動作業機100から電力供給指令信号SBinを受信した場合に、バッテリパック2からの供給電力を電動作業機100に供給するように構成されている。
【0079】
また、電源ユニット制御回路220は、パック接続部204にバッテリパック2が接続されると、バッテリパック2に対して、電力供給指令信号SBinを模擬したダミー指令信号SAinをバッテリパック2のバッテリ制御回路30に送信する。
【0080】
[1-6.効果]
以上説明したように、本実施形態の電動作業システム1の電力供給装置3に備えられる電源制御装置200は、が電動作業機100から電力供給指令信号SBinを受信する前に、バッテリパック2が放電可能状態であるか否かの判定結果を保持できる。このため、電源制御装置200は、電動作業機100から電力供給指令信号SBinを受信すると、バッテリパック2に対する問合せ処理を行うこと無く、バッテリパック2の状態(放電可能状態であるか否か)を電動作業機100に対して出力することが可能となる。
【0081】
つまり、電源制御装置200は、電力供給指令信号SBinを受信した後にバッテリパック2に対する問合せ処理に要する時間が不要となるため、電力供給指令信号SBinを受信した時点からバッテリパック2の状態を電動作業機100に対して出力する時点までの所要時間を短縮できる。
【0082】
よって、電源制御装置200は、バッテリパック2と電動作業機100との間に設けられる場合であっても、電動作業機100の応答性が低下することを抑制でき、電動作業機100の使用者にとって操作性が低下することを抑制できる。
【0083】
なお、本開示におけるダミー指令信号SAinの出力条件は、「パック接続部204にバッテリパック2が接続された場合」であり、「作業機接続部214に電動作業機100が接続されている場合」、および「作業機接続部214に電動作業機100が接続されていない場合」のいずれの場合も含まれる。
【0084】
次に、電源ユニット制御回路220は、パック接続部204にバッテリパック2が接続されると(S10で肯定判定)、ダミー指令信号SAinの送信を継続して実行する(S20,S50)ように構成されている。
【0085】
このように、電源ユニット制御回路220がダミー指令信号SAinの送信を継続することで、バッテリパック2(詳細には、バッテリ10)の状態が変化した場合でも、電源ユニット制御回路220は、変化後の状態に応じた判定結果を取得できる。例えば、バッテリパック2の接続直後は放電可能状態であっても、その後の電力消費や温度条件などの要因によりバッテリパック2が放電不可能状態に変化することがある。このような場合でも、電源制御装置200は、電源ユニット制御回路220がダミー指令信号SAinの送信を継続することで、バッテリパック2の最新の状態に応じた判定結果を取得できる。
【0086】
次に、電源ユニット制御回路220は、バッテリパック2が放電可能状態から放電不可能状態に状態変化すると(S30で否定判定)、ダミー指令信号SAinの送信(出力)を停止する(S70)ように構成されている。
【0087】
つまり、バッテリパック2(詳細には、バッテリ10)が状態変化した直後は、バッテリパック2の状態を問い合わせする必要性が低い。このため、電源制御装置200は、ダミー指令信号SAinの送信を停止することで、電源ユニット制御回路220での処理負荷の低減を図ることができる。
【0088】
次に、電源ユニット制御回路220は、予め定められた実行周期で、電池パック状態確認処理を繰り返し実行する。つまり、電源ユニット制御回路220は、ダミー指令信号SAinの送信を停止した後(S70)、所定の待機時間(実行周期)が経過すると、再びダミー指令信号SAinを送信(出力)する(S20)ように構成されている。
【0089】
バッテリパック2は、放電不可能状態となった後、時間経過によって放電可能状態に状態変化する場合がある。このため、電源制御装置200は、待機時間(実行周期)が経過した後で再びダミー指令信号SAinを送信することで、再びバッテリパック2が放電可能状態に状態変化したか否かを確認することができる。
【0090】
次に、電力供給装置3は、上述の効果を奏する電源制御装置200を備えるため、同様の効果を奏する。つまり、電力供給装置3は、電源制御装置200を備える場合であっても、電動作業機100の応答性が低下することを抑制でき、電動作業機100の使用者にとって操作性が低下することを抑制できる。
【0091】
次に、電動作業システム1は、上述の効果を奏する電力供給装置3を備えるため、同様の効果を奏する。つまり、電動作業システム1は、電力供給装置3が電源制御装置200を備える場合であっても、応答性が低下することを抑制できる。よって、電動作業システム1は、追加機能を有する電源制御装置200を用いる場合であっても、電動作業機100の応答性が低下することを抑制でき、電動作業機100の使用者にとって操作性が低下することを抑制できる。
【0092】
[1-7.文言の対応関係]
ここで、本実施形態における文言の対応関係について説明する。
電動作業システム1が電動作業システムの一例に相当し、電力供給装置3が電力供給装置の一例に相当し、バッテリパック2が電池パックの一例に相当し、電源制御装置200が電源制御装置の一例に相当し、電動作業機100が電動作業機の一例に相当する。
【0093】
バッテリ10がバッテリの一例に相当し、機器接続部14が機器接続部の一例に相当し、バッテリ制御回路30がバッテリ状態判定部の一例に相当する。パック接続部204がパック接続部の一例に相当し、作業機接続部214が作業機接続部の一例に相当し、電源ユニット制御回路220が電力供給制御部の一例に相当する。
【0094】
[2.第2実施形態]
[2-1.全体構成]
図6に示すように、第2実施形態の電力供給システム301は、電力供給装置310と、放電アダプタ320と、を備える。電力供給システム301は、電力供給装置310に蓄積された電力を、放電アダプタ320に接続された電動機器に供給するように構成されている。
【0095】
電動機器としては、例えば、電動工具、電動掃除機、電動園芸機器などが挙げられる。これらの電動機器には、例えば、18Vの電池パックを1個接続して駆動する機器や、18Vの電池パックを2個接続して駆動する機器や、36Vの電池パックを1個接続して駆動する機器がある。
【0096】
電力供給装置310は、電池収容本体部310aと、背負いベルト310bと、出力コネクタ313と、出力延長ケーブル15と、を備える。
電池収容本体部310aは、内部に複数の電池パックを収容可能に構成されている。電池パックは、電池収容本体部310aの内部に備えられるため図6では図示を省略する。第2実施形態では、後述するように、電池収容本体部310aは、8個の電池パック33c1~33c4、35c1~35c4(図7参照)を備えている。第2実施形態の電池パックは、定格出力電圧が18Vである。
【0097】
8個の電池パック33c1~33c4、35c1~35c4は、それぞれ、第1実施形態のバッテリパック2と同様の構成要素(バッテリ10、正極端子11、負極端子12、信号端子13、機器接続部14、監視回路20、電流検出素子24、信号入力制御部26、信号出力制御部28、バッテリ制御回路30など)を備える。よって、電池パック33c1~33c4、35c1~35c4の詳細説明は省略する。
【0098】
背負いベルト310bは、使用者が電池収容本体部310aを背負うことが可能となるように電池収容本体部310aに固定されている。出力コネクタ313は、出力延長ケーブル15を介して電池収容本体部310aに接続されている。出力コネクタ313は、放電アダプタ320のコネクタ(詳細には、後述の第1電圧用コネクタ21a,複数出力用コネクタ21b,第2電圧用コネクタ21cのいずれか)に接続可能に構成されている。
【0099】
放電アダプタ320は、第1電圧用アダプタ320aと、複数出力用アダプタ320bと、第2電圧用アダプタ320cと、を備える。電力供給システム301は、放電アダプタ320を電池パックの代わりに電動機器に接続することで、電力供給装置310による電動機器への電力供給が可能となるように構成されている。
【0100】
第1電圧用アダプタ320aは、電圧18Vの出力系統を1個備えており、1系統の電圧18Vを電動機器に出力するためのアダプタである。第1電圧用アダプタ320aは、第1電圧用コネクタ21aと、機器接続ケーブル23aと、機器側ユニット25aと、を備える。
【0101】
複数出力用アダプタ320bは、電圧18Vの出力系統を2個備えており、2系統の電圧18Vを電動機器に出力するためのアダプタである。複数出力用アダプタ320bは、複数出力用コネクタ21bと、機器接続ケーブル23bと、機器側ユニット25bと、を備える。機器側ユニット25bは、第1機器側ユニット25b1と、第2機器側ユニット25b2と、を備える。
【0102】
第2電圧用アダプタ320cは、電圧36Vの出力系統を1個備えており、1系統の電圧36Vを電動機器に出力するためのアダプタである。第2電圧用アダプタ320cは、第2電圧用コネクタ21cと、機器接続ケーブル23cと、機器側ユニット25cと、を備える。
【0103】
機器側ユニット25a,25b,25cは、それぞれ電動機器に着脱可能に構成されている。
[2-2.電力供給装置]
上記のように、電力供給装置310は、電池収容本体部310aと、出力コネクタ313と、出力延長ケーブル15と、を備える。
【0104】
図7に示すように、出力コネクタ313は、グランド出力端子313a、第1正極出力端子313b、第2正極出力端子313c、識別子取得端子313d、許可信号出力端子313eを備えて構成されている。
【0105】
グランド出力端子313aは、出力電圧の基準電位(=0V)となる端子である。第1正極出力端子313bは、出力電圧として18Vを出力する際、または、複数の18Vを出力する際に用いられる端子である。第2正極出力端子313cは、出力電圧として36Vを出力する際、または、複数の18Vを出力する際に用いられる端子である。識別子取得端子313dは、外部から識別子情報IDを取得するための端子である。許可信号出力端子313eは、外部に対して放電許可信号SAoutを出力するための端子である。
【0106】
出力延長ケーブル15は、出力コネクタ313と電池収容本体部310aとを電気的に接続するケーブルである。出力延長ケーブル15は、複数の芯線を備えている。出力延長ケーブル15は、複数の電圧出力用芯線15a,15b,15cと、複数の信号用芯線15d,15eと、を備える。複数の電圧出力用芯線15a,15b,15cは、それぞれ、グランド出力端子313a、第1正極出力端子313b、第2正極出力端子313cに接続される。複数の信号用芯線15d,15eは、それぞれ、識別子取得端子313d、許可信号出力端子313eに接続される。
【0107】
電池収容本体部310aは、図7に示すように、制御部31と、第1パック並列接続部33と、第2パック並列接続部35と、出力電圧スイッチ部37と、を備えて構成されている。
【0108】
制御部31は、電池収容本体部310aにおける各種制御処理を実行する。制御部31は、例えば、出力コネクタ313から出力する電圧を制御する出力電圧制御処理や、電池収容本体部310aの各部の異常を検出する異常検出処理などを行う。制御部31は、CPU31a(演算部31a)、メモリ31b(記憶部31b)などを有する。制御部31が有する機能は、主に、CPU31aがメモリ31bに記憶されている各種プログラムを実行することにより実現される。
【0109】
第1パック並列接続部33は、複数のパック接続部33a1~33a4と、複数の個別スイッチ部33b1~33b4と、を備える。本実施形態では、第1パック並列接続部33は、4個のパック接続部33a1~33a4と、4個の個別スイッチ部33b1~33b4と、を備える。
【0110】
複数のパック接続部33a1~33a4は、それぞれ、電池パック33c1~33c4が着脱可能に接続されるように構成されている。このため、電池収容本体部310aは、電池パック33c1~33c4のうちいずれかの出力電圧が低下した場合(換言すれば、電力残容量が少なくなった場合)には、その電池パックを交換することが可能である。電池パック33c1~33c4は、それぞれ、正極端子+および負極端子-を有する。
【0111】
複数の個別スイッチ部33b1~33b4は、それぞれ、複数のパック接続部33a1~33a4に直列接続されている。複数の個別スイッチ部33b1~33b4は、それぞれ、制御部31からの制御信号に基づいて、通電状態(ON状態)または遮断状態(OFF状態)に切り替え可能に構成されている。
【0112】
第1パック並列接続部33は、複数のパック接続部33a1~33a4を並列接続可能に構成されており、これにより、複数のパック接続部33a1~33a4に接続された複数の電池パック33c1~33c4を並列接続可能に構成されている。
【0113】
このように構成された第1パック並列接続部33は、制御部31からの制御信号に基づいて複数の個別スイッチ部33b1~33b4のうち少なくとも1個が通電状態に制御されると、通電状態の個別スイッチ部33b1~33b4に対応するパック接続部33a1~33a4に接続された電池パック33c1~33c4を用いて電圧出力するように構成されている。
【0114】
なお、複数の個別スイッチ部33b1~33b4は、それぞれ、電流を通電状態(ON状態)または遮断状態(OFF状態)に切り替え可能に構成されたスイッチ(機械式スイッチ、半導体素子スイッチなど)を用いて構成することができる。例えば、複数の個別スイッチ部33b1~33b4は、第1実施形態のスイッチ部230のように、2個のFET(電界効果トランジスタ)を用いて構成してもよい。
【0115】
次に、第2パック並列接続部35は、複数のパック接続部35a1~35a4と、複数の個別スイッチ部35b1~35b4と、を備える。本実施形態では、第2パック並列接続部35は、4個のパック接続部35a1~35a4と、4個の個別スイッチ部35b1~35b4と、を備える。複数のパック接続部35a1~35a4は、それぞれ、電池パック35c1~35c4が着脱可能に接続されるように構成されている。
【0116】
なお、図7に示すように、第2パック並列接続部35は、第1パック並列接続部33と同様の構成であるため、詳細説明は省略する。複数のパック接続部35a1~35a4が、複数のパック接続部33a1~33a4に対応し、複数の個別スイッチ部35b1~35b4が、複数の個別スイッチ部33b1~33b4に対応し、電池パック35c1~35c4が、電池パック33c1~33c4に対応する。
【0117】
次に、出力電圧スイッチ部37は、第1スイッチ部SW1、第2スイッチ部SW2、第3スイッチ部SW3を備えている。出力電圧スイッチ部37は、第2パック並列接続部35と出力コネクタ313(詳細には、グランド出力端子313a、第1正極出力端子313b、第2正極出力端子313c)との電気的接続状態を切り替えるように構成されている。
【0118】
出力コネクタ313において、グランド出力端子313aは、第1パック並列接続部33に直接接続されるとともに、出力電圧スイッチ部37(詳細には、第1スイッチ部SW1)を介して第2パック並列接続部35に接続されている。第1正極出力端子313bは、第1パック並列接続部33に直接接続されるとともに、出力電圧スイッチ部37(詳細には、第2スイッチ部SW2および第3スイッチ部SW3)を介して第2パック並列接続部35に接続されている。第2正極出力端子313cは、第2パック並列接続部35に直接接続されている。
【0119】
グランド出力端子313aは、第1パック並列接続部33との接続については、複数のパック接続部33a1~33a4を介して複数の電池パック33c1~33c4の負極端子-に電気的に接続されている。グランド出力端子313aは、第2パック並列接続部35との接続については、出力電圧スイッチ部37(詳細には、第1スイッチ部SW1)を介するとともに、複数のパック接続部35a1~35a4を介して複数の電池パック35c1~35c4の負極端子-に電気的に接続されている。
【0120】
第1正極出力端子313bは、第1パック並列接続部33との接続については、複数の個別スイッチ部33b1~33b4および複数のパック接続部33a1~33a4を介して複数の電池パック33c1~33c4の正極端子+に電気的に接続可能に構成されている。第1正極出力端子313bは、第2パック並列接続部35との接続については、出力電圧スイッチ部37(詳細には、第2スイッチ部SW2)を介するとともに、複数のパック接続部35a1~35a4を介して複数の電池パック35c1~35c4の負極端子-に電気的に接続可能に構成されている。さらに、第1正極出力端子313bは、第2パック並列接続部35との接続については、出力電圧スイッチ部37(詳細には、第3スイッチ部SW3)を介するとともに、複数の個別スイッチ部35b1~35b4および複数のパック接続部35a1~35a4を介して複数の電池パック35c1~35c4の正極端子+に電気的に接続可能に構成されている。
【0121】
第2正極出力端子313cは、第2パック並列接続部35との接続については、複数の個別スイッチ部35b1~35b4および複数のパック接続部35a1~35a4を介して複数の電池パック35c1~35c4の正極端子+に電気的に接続可能に構成されている。
【0122】
つまり、出力電圧スイッチ部37は、第2パック並列接続部35に接続された電池パック35c1~35c4の正極端子の接続状態を、第2正極出力端子313cのみに接続される状態、および少なくとも第1正極出力端子313bに接続される状態のうち、いずれかに切り替えるように構成されている。なお、本実施形態の出力電圧スイッチ部37は、「少なくとも第1正極出力端子313bに接続される状態」として「第1正極出力端子313bおよび第2正極出力端子313cに接続される状態」を実現可能に構成されている。また、出力電圧スイッチ部37は、第2パック並列接続部35に接続された電池パック35c1~35c4の負極端子の接続状態を、第1正極出力端子313bに接続される状態、およびグランド出力端子313aに接続される状態のうち、いずれかに切り替えるように構成されている。
【0123】
また、第1パック並列接続部33は、複数の電池パック33c1~33c4の正極端子を第1正極出力端子313bに接続するとともに、複数の電池パック33c1~33c4の負極端子をグランド出力端子313aに接続するように構成されている。
【0124】
[2-3.放電アダプタ]
上述のように、放電アダプタ320は、電動機器に対する電圧出力状態が異なる複数種類の放電アダプタを備えている。本第2実施形態の放電アダプタ320は、第1電圧用アダプタ320aと、複数出力用アダプタ320bと、第2電圧用アダプタ320cと、を備える。
【0125】
第1電圧用アダプタ320aは、電動機器に対して18Vの電圧(1個の電池パックの定格電圧)を1系統出力するように構成されている。複数出力用アダプタ320bは、電動機器に対して18Vの電圧(1個の電池パックの定格電圧)を2系統出力するように構成されている。第2電圧用アダプタ320cは、電動機器に対して36Vの電圧(1個の電池パックの定格電圧を2倍した電圧)を1系統出力するように構成されている。
【0126】
第1電圧用アダプタ320a、複数出力用アダプタ320b、第2電圧用アダプタ320cのそれぞれの構成について説明する。
[2-3-1.第1電圧用アダプタ]
図8に示すように、第1電圧用アダプタ320aは、第1電圧用コネクタ21aと、機器接続ケーブル23aと、機器側ユニット25aと、を備える。
【0127】
第1電圧用コネクタ21aは、グランド外部端子21a1と、第1外部端子21a2と、識別子出力端子21a3と、許可信号取得端子21a4と、を備える。グランド外部端子21a1は、グランド出力端子313aに接続可能に構成されている。第1外部端子21a2は、第1正極出力端子313bに接続可能に構成されている。識別子出力端子21a3は、識別子取得端子313dに接続可能に構成されている。許可信号取得端子21a4は、許可信号出力端子313eに接続可能に構成されている。
【0128】
第1電圧用コネクタ21aは、情報記憶部320a1を備えている。情報記憶部320a1は、識別子出力端子21a3を介して、識別子取得端子313dに接続可能に構成されている。情報記憶部320a1は、第1電圧用アダプタ320aに対応した識別子情報を記憶している。なお、識別子情報は、出力コネクタ313から出力すべき電圧出力状態を表す情報である。情報記憶部320a1は、第1電圧用アダプタ320aに対応した識別子情報として、第1識別子情報ID1を記憶している。第1識別子情報ID1は、グランド出力端子313aと第1正極出力端子313bとを用いて18Vの電圧を出力する電圧出力状態を表す識別子情報である。
【0129】
なお、情報記憶部320a1は、例えば、識別子情報に応じて予め定められた電気抵抗値の固定抵抗素子を用いて構成できる。この場合、制御部31は、情報記憶部320a1の電気抵抗値を検出することで、接続された放電アダプタ320に適した電圧出力状態を判定することができる。
【0130】
制御部31は、第1電圧用コネクタ21aから情報記憶部320a1の第1識別子情報ID1を取得すると、第1識別子情報ID1に基づいて、出力電圧スイッチ部37の状態を制御する。制御部31は、例えば、図8に示すように、第1スイッチ部SW1、第2スイッチ部SW2、第3スイッチ部SW3が全て遮断状態(OFF状態)となるように、出力電圧スイッチ部37の状態を制御する。また、このとき、制御部31は、第1パック並列接続部33に接続された複数の電池パック33c1~33c4のうち、出力電圧が最も高い電池パックに対応する個別スイッチ部(複数の個別スイッチ部33b1~33b4のうち1つ)を通電状態(ON状態)に設定するとともに、そのほかの電池パックに対応する個別スイッチを遮断状態(OFF状態)に設定する。さらに、このとき、制御部31は、第2パック並列接続部35における複数の個別スイッチ部35b1~35b4の全てを遮断状態(OFF状態)に設定する。
【0131】
これにより、電力供給装置310は、第1パック並列接続部33に接続された複数の電池パック33c1~33c4を用いて、出力コネクタ313から18Vの電圧を出力可能な状態となる。なお、図8では、電力供給装置310については、出力コネクタ313の概略構成および電池収容本体部310aにおける各スイッチ部の状態を表しており、他の構成については図示を省略している。
【0132】
また、制御部31は、出力コネクタ313から電圧出力可能な場合には、放電許可信号SAoutを許可信号出力端子313eから許可信号取得端子21a4に対して出力し、出力コネクタ313から電圧出力が不可能である場合には、許可信号出力端子313eから外部への放電許可信号SAoutの出力を停止する。放電許可信号SAoutは、出力コネクタ313に接続された電動機器に対して、電力供給装置310が電圧出力可能な状態であるか否かを通知するための信号である。
【0133】
機器接続ケーブル23aは、第1電圧用コネクタ21aに電気的に接続されるとともに、機器側ユニット25aを介して間接的に第1電動機器40aに接続される構成である。機器接続ケーブル23aは、グランド外部端子21a1に接続されるグランド芯線23a1と、第1外部端子21a2に接続される第1電圧芯線23a2と、許可信号取得端子21a4に接続される許可信号芯線23a3と、を備えている。
【0134】
なお、機器接続ケーブル23aは、複数の芯線が単一の被覆部材により束ねられた状態のケーブルとして備えられている。
機器側ユニット25aは、第1電動機器40aのバッテリ装着部43に着脱可能に構成されている。機器側ユニット25aは、グランド機器端子25a1と、第1機器端子25a2と、許可信号機器端子25a3と、を備える。
【0135】
グランド芯線23a1は、第1電圧用コネクタ21aのグランド外部端子21a1と機器側ユニット25aのグランド機器端子25a1とを電気的に接続する。第1電圧芯線23a2は、第1電圧用コネクタ21aの第1外部端子21a2と機器側ユニット25aの第1機器端子25a2とを電気的に接続する。許可信号芯線23a3は、第1電圧用コネクタ21aの許可信号取得端子21a4と機器側ユニット25aの許可信号機器端子25a3とを電気的に接続する。
【0136】
第1電動機器40aは、18Vの電圧が供給されることで駆動可能に構成された電動機器である。第1電動機器40aは、バッテリ装着部43と、モータ45と、モータ制御部47と、駆動用スイッチ49と、を備える。
【0137】
バッテリ装着部43は、グランド端子43aと、第1機器電圧端子43bと、許可信号受信端子43cと、を備える。グランド端子43aは、グランド機器端子25a1に接続可能に構成されている。第1機器電圧端子43bは、第1機器端子25a2に接続可能に構成されている。許可信号受信端子43cは、許可信号機器端子25a3に接続可能に構成されている。バッテリ装着部43は、電池パック33c1を装着可能に構成されるとともに、機器側ユニット25aを装着可能に構成されている。
【0138】
モータ45は、バッテリ装着部43(詳細には、グランド端子43a、第1機器電圧端子43b)を介して電圧が印加されることで回転駆動する。モータ制御部47は、電力供給装置310からの放電許可信号SAoutを受信しているときに、使用者からの駆動指令(図示省略。例えば、トリガ操作による駆動指令など。)を受信すると、駆動用スイッチ49をON状態に制御してモータ45への通電を行う。モータ制御部47は、電力供給装置310からの放電許可信号SAoutを受信しているときであっても、使用者からの駆動指令を受信していない場合には、駆動用スイッチ49をOFF状態に制御してモータ45への通電を停止する。モータ制御部47は、電力供給装置310からの放電許可信号SAoutを受信していないときには、使用者からの駆動指令を受信している場合であっても、駆動用スイッチ49をOFF状態に制御してモータ45への通電を停止する。
【0139】
なお、電力供給装置310は、第1電圧用アダプタ320aが接続された場合において、第1パック並列接続部33に接続された全ての電池パック33c1~33c4が電圧出力不可能な状態である場合には、第2パック並列接続部35に接続された複数の電池パック35c1~35c4を用いて電圧出力するように、出力電圧スイッチ部37を制御しても良い。
【0140】
具体的には、制御部31は、第1電圧用コネクタ21aから情報記憶部320a1の識別子情報を取得すると、第1スイッチ部SW1および第3スイッチ部SW3が通電状態(ON状態)、第2スイッチ部SW2が遮断状態(OFF状態)となるように、出力電圧スイッチ部37の状態を制御する。また、このとき、制御部31は、第2パック並列接続部35に接続された複数の電池パック35c1~35c4のうち、出力電圧が最も高い電池パックに対応する個別スイッチ部(複数の個別スイッチ部35b1~35b4のうち1つ)を通電状態(ON状態)に設定するとともに、そのほかの電池パックに対応する個別スイッチを遮断状態(OFF状態)に設定する。さらに、このとき、制御部31は、第1パック並列接続部33における複数の個別スイッチ部33b1~33b4の全てを遮断状態(OFF状態)に設定する。
【0141】
これにより、電力供給装置310は、第2パック並列接続部35に接続された複数の電池パック35c1~35c4を用いて、出力コネクタ313から18Vの電圧を出力可能な状態となる。
【0142】
[2-3-2.複数出力用アダプタ]
次に、図9に示すように、複数出力用アダプタ320bは、複数出力用コネクタ21bと、機器接続ケーブル23bと、機器側ユニット25bと、を備える。機器側ユニット25bは、第1機器側ユニット25b1と、第2機器側ユニット25b2と、を備える。
【0143】
複数出力用コネクタ21bは、グランド外部端子21b1と、第1外部端子21b2と、第2外部端子21b3と、識別子出力端子21b4と、許可信号取得端子21b5と、を備える。グランド外部端子21b1は、グランド出力端子313aに接続可能に構成されている。第1外部端子21b2は、第1正極出力端子313bに接続可能に構成されている。第2外部端子21b3は、第2正極出力端子313cに接続可能に構成されている。識別子出力端子21b4は、識別子取得端子313dに接続可能に構成されている。許可信号取得端子21b5は、許可信号出力端子313eに接続可能に構成されている。
【0144】
複数出力用コネクタ21bは、情報記憶部320b1を備えている。情報記憶部320b1は、識別子出力端子21b4を介して、識別子取得端子313dに接続可能に構成されている。情報記憶部320b1は、複数出力用アダプタ320bに対応した識別子情報を記憶している。情報記憶部320b1は、複数出力用アダプタ320bに対応した識別子情報として、第2識別子情報ID2を記憶している。第2識別子情報ID2は、電圧18Vの出力系統を2個備える電圧出力状態を表す識別子情報である。この電圧出力状態は、具体的には、グランド出力端子313aと第1正極出力端子313bとを用いて18Vの出力電圧(第1系統)を出力するとともに、第1正極出力端子313bと第2正極出力端子313cを用いて18Vの出力電圧(第2系統)を出力する電圧出力状態である。
【0145】
制御部31は、複数出力用コネクタ21bから情報記憶部320b1の第2識別子情報ID2を取得すると、第2識別子情報ID2に基づいて、出力電圧スイッチ部37の状態を制御する。制御部31は、例えば、図9に示すように、第1スイッチ部SW1、第3スイッチ部SW3が遮断状態(OFF状態)、第2スイッチ部SW2が通電状態(ON状態)となるように、出力電圧スイッチ部37の状態を制御する。また、このとき、制御部31は、第1パック並列接続部33に接続された複数の電池パック33c1~33c4のうち、出力電圧が最も高い電池パックに対応する個別スイッチ部(複数の個別スイッチ部33b1~33b4のうち1つ)を通電状態(ON状態)に設定するとともに、そのほかの電池パックに対応する個別スイッチを遮断状態(OFF状態)に設定する。さらに、このとき、制御部31は、第2パック並列接続部35においても同様に、複数の電池パックのうち、出力電圧が最も高い電池パックに対応する個別スイッチ部を通電状態(ON状態)に設定するとともに、そのほかの電池パックに対応する個別スイッチを遮断状態(OFF状態)に設定する。
【0146】
これにより、電力供給装置310は、第1パック並列接続部33に接続された複数の電池パック33c1~33c4のうちいずれか1つ、および第2パック並列接続部35に接続された複数の電池パック35c1~35c4のうちいずれか1つを用いて、出力コネクタ313から18Vの電圧を2系統出力可能な状態となる。なお、図9では、電力供給装置310については、出力コネクタ313の概略構成および電池収容本体部310aにおける各スイッチ部の状態を表しており、他の構成については図示を省略している。
【0147】
機器接続ケーブル23bは、複数出力用コネクタ21bに電気的に接続されるとともに、機器側ユニット25b(第1機器側ユニット25b1、第2機器側ユニット25b2)を介して間接的に第2電動機器40bに接続される構成である。機器接続ケーブル23bは、複数出力用コネクタ21bと第1機器側ユニット25b1との間に設けられるとともに、第1機器側ユニット25b1と第2機器側ユニット25b2との間に設けられる。機器接続ケーブル23bは、グランド外部端子21b1に接続されるグランド芯線23b1と、第1外部端子21b2に接続される第1外部芯線23b2と、第2外部端子21b3に接続される第2外部芯線23b3と、許可信号取得端子21b5に接続される許可信号芯線23b4と、を備えている。
【0148】
第1機器側ユニット25b1および第2機器側ユニット25b2は、それぞれ第2電動機器40bの第1バッテリ装着部43および第2バッテリ装着部44に着脱可能に構成されている。第1機器側ユニット25b1は、グランド機器端子25b11と、第1機器端子25b12と、許可信号機器端子25b13と、を備える。第2機器側ユニット25b2は、グランド機器端子25b21と、第1機器端子25b22と、許可信号機器端子25b23と、を備える。
【0149】
グランド芯線23b1は、複数出力用コネクタ21bのグランド外部端子21b1と第2機器側ユニット25b2のグランド機器端子25b21とを電気的に接続する。第1外部芯線23b2は、複数出力用コネクタ21bの第1外部端子21b2と第2機器側ユニット25b2の第1機器端子25b22とを電気的に接続する。第2外部芯線23b3は、複数出力用コネクタ21bの第2外部端子21b3と第1機器側ユニット25b1の第1機器端子25b12とを電気的に接続する。許可信号芯線23b4は、複数出力用コネクタ21bの許可信号取得端子21b5と第1機器側ユニット25b1の許可信号機器端子25b13とを電気的に接続する。
【0150】
なお、複数出力用コネクタ21bに接続される機器接続ケーブル23bの第1外部芯線23b2は、複数出力用コネクタ21bに接続される機器接続ケーブル23bのグランド芯線23b1および第2外部芯線23b3よりも細い芯線(径寸法が小さい芯線)で構成されている。
【0151】
なお、グランド芯線23b1および第1外部芯線23b2は、それぞれ、複数出力用コネクタ21bから第1機器側ユニット25b1を経由して第2機器側ユニット25b2に至るように設けられている。また、第1機器側ユニット25b1のグランド機器端子25b11は、機器接続ケーブル23bのうちいずれの芯線にも接続されていない。さらに、第2機器側ユニット25b2は、ダミー許可信号記憶部25b24を備える。ダミー許可信号記憶部25b24は、許可信号機器端子25b23に接続されており、許可信号機器端子25b23を介して、第2電動機器40bに対して常に放電許可信号を出力するように第2ダミー許可信号DSを出力する。
【0152】
第2電動機器40bは、18Vの電圧が2系統供給されることで駆動可能に構成された電動機器である。第2電動機器40bは、第1バッテリ装着部43と、第2バッテリ装着部44と、モータ45と、モータ制御部47と、駆動用スイッチ49と、を備える。
【0153】
第1バッテリ装着部43は、グランド端子43aと、第1機器電圧端子43bと、許可信号受信端子43cと、を備える。グランド端子43aは、グランド機器端子25b11に接続可能に構成されている。第1機器電圧端子43bは、第1機器端子25b12に接続可能に構成されている。許可信号受信端子43cは、許可信号機器端子25b13に接続可能に構成されている。
【0154】
第2バッテリ装着部44は、グランド端子44aと、第1機器電圧端子44bと、許可信号受信端子44cと、を備える。グランド端子44aは、グランド機器端子25b21に接続可能に構成されている。第1機器電圧端子44bは、第1機器端子25b22に接続可能に構成されている。許可信号受信端子44cは、許可信号機器端子25b23に接続可能に構成されている。
【0155】
モータ45は、第1バッテリ装着部43(詳細には、第1機器電圧端子43b)および第2バッテリ装着部44(詳細には、グランド端子44a)を介して電圧が印加されることで回転駆動する。モータ制御部47は、電力供給装置310からの放電許可信号SAoutを受信しているときに、使用者からの駆動指令(図示省略)を受信すると、駆動用スイッチ49をON状態に制御してモータ45への通電を行う。モータ制御部47は、電力供給装置310からの放電許可信号SAoutを受信しているときであっても、使用者からの駆動指令を受信していない場合には、駆動用スイッチ49をOFF状態に制御してモータ45への通電を停止する。モータ制御部47は、電力供給装置310からの放電許可信号SAoutを受信していないときには、使用者からの駆動指令を受信している場合であっても、駆動用スイッチ49をOFF状態に制御してモータ45への通電を停止する。
【0156】
[2-3-3.第2電圧用アダプタ]
次に、図10に示すように、第2電圧用アダプタ320cは、第2電圧用コネクタ21cと、機器接続ケーブル23cと、機器側ユニット25cと、を備える。
【0157】
第2電圧用コネクタ21cは、グランド外部端子21c1と、第2外部端子21c2と、識別子出力端子21c3と、許可信号取得端子21c4と、を備える。グランド外部端子21c1は、グランド出力端子313aに接続可能に構成されている。第2外部端子21c2は、第2正極出力端子313cに接続可能に構成されている。識別子出力端子21c3は、識別子取得端子313dに接続可能に構成されている。許可信号取得端子21c4は、許可信号出力端子313eに接続可能に構成されている。
【0158】
第2電圧用コネクタ21cは、情報記憶部320c1を備えている。情報記憶部320c1は、識別子出力端子21c3を介して、識別子取得端子313dに接続可能に構成されている。情報記憶部320c1は、第2電圧用アダプタ320cに対応した識別子情報を記憶している。情報記憶部320c1は、第2電圧用アダプタ320cに対応した識別子情報として、第2識別子情報ID2を記憶している。第2識別子情報ID2は、グランド出力端子313aと第2正極出力端子313cとを用いて36Vの電圧を出力する電圧出力状態を表す識別子情報である。
【0159】
なお、本実施形態では、複数出力用コネクタ21bの情報記憶部320b1が記憶する識別子情報IDと、第2電圧用コネクタ21cの情報記憶部320c1が記憶する識別子情報IDは、同一の第2識別子情報ID2である。複数出力用アダプタ320bおよび第2電圧用アダプタ320cは、電力供給装置310から受電する際の電圧出力状態が同一の電圧出力状態となるためである。もし、複数出力用アダプタ320bおよび第2電圧用アダプタ320cについて、電力供給装置310から受電する際の電圧出力状態が互いに異なる電圧出力状態となる場合には、それぞれ異なる識別子情報を情報記憶部に記憶するとよい。
【0160】
制御部31は、第2電圧用コネクタ21cから情報記憶部320c1の第2識別子情報ID2を取得すると、第2識別子情報ID2に基づいて、出力電圧スイッチ部37の状態を制御する。制御部31は、例えば、図10に示すように、第1スイッチ部SW1、第3スイッチ部SW3が遮断状態(OFF状態)、第2スイッチ部SW2が通電状態(ON状態)となるように、出力電圧スイッチ部37の状態を制御する。また、このとき、制御部31は、第1パック並列接続部33に接続された複数の電池パック33c1~33c4のうち、出力電圧が最も高い電池パックに対応する個別スイッチ部(複数の個別スイッチ部33b1~33b4のうち1つ)を通電状態(ON状態)に設定するとともに、そのほかの電池パックに対応する個別スイッチを遮断状態(OFF状態)に設定する。さらに、このとき、制御部31は、第2パック並列接続部35においても同様に、複数の電池パックのうち、出力電圧が最も高い電池パックに対応する個別スイッチ部を通電状態(ON状態)に設定するとともに、そのほかの電池パックに対応する個別スイッチを遮断状態(OFF状態)に設定する。
【0161】
これにより、電力供給装置310は、第1パック並列接続部33に接続された複数の電池パック33c1~33c4のうちいずれか1つ、および第2パック並列接続部35に接続された複数の電池パック35c1~35c4のうちいずれか1つを用いて、出力コネクタ313から36Vの電圧を出力可能な状態となる。なお、図10では、電力供給装置310については、出力コネクタ313の概略構成および電池収容本体部310aにおける各スイッチ部の状態を表しており、他の構成については図示を省略している。
【0162】
機器接続ケーブル23cは、第2電圧用コネクタ21cに電気的に接続されるとともに、機器側ユニット25cを介して間接的に第3電動機器40cに接続される構成である。機器接続ケーブル23cは、グランド外部端子21c1に接続されるグランド芯線23c1と、第2外部端子21c2に接続される第2電圧芯線23c2と、許可信号取得端子21c4に接続される許可信号芯線23c3と、を備えている。
【0163】
機器側ユニット25cは、第3電動機器40cのバッテリ装着部43に着脱可能に構成されている。機器側ユニット25cは、グランド機器端子25c1と、第2機器端子25c2と、許可信号機器端子25c3と、を備える。
【0164】
グランド芯線23c1は、第2電圧用コネクタ21cのグランド外部端子21c1と機器側ユニット25cのグランド機器端子25c1とを電気的に接続する。第2電圧芯線23c2は、第2電圧用コネクタ21cの第2外部端子21c2と機器側ユニット25cの第2機器端子25c2とを電気的に接続する。許可信号芯線23c3は、第2電圧用コネクタ21cの許可信号取得端子21c4と機器側ユニット25cの許可信号機器端子25c3とを電気的に接続する。
【0165】
第3電動機器40cは、36Vの電圧が供給されることで駆動可能に構成された電動機器である。第3電動機器40cは、バッテリ装着部43と、モータ45と、モータ制御部47と、駆動用スイッチ49と、を備える。
【0166】
なお、第3電動機器40cのバッテリ装着部43、モータ45、モータ制御部47、駆動用スイッチ49は、第1電動機器40aのバッテリ装着部43、モータ45、モータ制御部47、駆動用スイッチ49と比べて、駆動電圧が異なる点(18V駆動ではなく36V駆動)を除いて、ほぼ同様の構成であるため、詳細説明を省略する。
【0167】
[2-4.出力電圧制御]
電力供給装置310が実行する各種制御処理のうち出力電圧制御処理について説明する。出力電圧制御処理などの各種制御処理は、電力供給装置310のうち制御部31が実行する。出力電圧制御処理は、出力コネクタ313に接続された放電アダプタ320から識別子情報IDを取得し、その識別子情報IDに応じた電圧出力状態で出力コネクタ313から電圧出力するための処理である。
【0168】
制御部31は、電力供給装置310の起動スイッチ(図示省略)が使用者により操作されると、出力電圧制御処理を開始する。出力電圧制御処理のフローチャートを図11に示す。
【0169】
制御部31は、出力電圧制御処理を開始すると、まず、S100(Sはステップを表す)で、複数のパック接続部33a1~33a4,35a1~35a4に接続されている全ての電池パック33c1~33c4,35c1~35c4のそれぞれについて、放電可能状態であるか否かを確認するための電池パック状態確認処理を実行する。各電池パックに対して実行する電池パック状態確認処理は、第1実施形態の電池パック状態確認処理と同様の処理であるため、詳細説明は省略する。
【0170】
S100は、複数のパック接続部33a1~33a4,35a1~35a4に接続されている全ての電池パック33c1~33c4,35c1~35c4のそれぞれについて、放電可能状態であるか否かを確認するための処理である。
【0171】
制御部31は、各電池パック33c1~33c4,35c1~35c4に対してダミー指令信号SAinを出力する。各電池パック33c1~33c4,35c1~35c4は、ダミー指令信号SAinを受信すると、放電可能状態であるか否かを判定し、放電可能状態である場合には、制御部31に対して放電許可信号SAoutを出力する。このため、制御部31は、放電許可信号SAoutが入力されているか否かを判定することで、各電池パック33c1~33c4,35c1~35c4が放電可能状態であるか否かを判定できる。
【0172】
制御部31は、複数の電池パック33c1~33c4,35c1~35c4のそれぞれに対してダミー指令信号SAinを送信するにあたり、並列信号送信処理によりダミー指令信号SAinを送信する。並列信号送信処理は、全ての電池パック33c1~33c4,35c1~35c4に対して同時にダミー指令信号SAinを送信する処理である。
【0173】
なお、複数の電池パック33c1~33c4,35c1~35c4のそれぞれに対してダミー指令信号SAinを送信する方法は、並列信号送信処理に限られることはなく、順次信号送信処理を採用してもよい。順次信号送信処理は、複数の電池パック33c1~33c4,35c1~35c4に対して1個ずつ順番にダミー指令信号を送信する処理である。
【0174】
なお、8個のパック接続部33a1~33a4,35a1~35a4に接続されている電池パックの個数が7個以下の場合においては、制御部31は、7個以下の電池パックのそれぞれについて、放電可能状態であるか否かを確認する。
【0175】
制御部31は、次のS105では、複数のパック接続部33a1~33a4,35a1~35a4に接続されている電池パック33c1~33c4,35c1~35c4の中に、放電可能状態の電池パックがあるか否かを判定し、肯定判定するとS110に移行し、否定判定すると再びS100に移行する。
【0176】
放電可能状態の電池パックが存在しない場合、制御部31は、S100,S105を繰り返し実行することで、放電可能状態の電池パックが装着されるまで待機する。
S110で肯定判定されてS110に移行すると、制御部31は、出力コネクタ313に放電アダプタ320が接続されたか否かを判定し、肯定判定するとS120に移行し、否定判定すると同ステップを繰り返し実行することで待機する。
【0177】
制御部31は、S110で肯定判定してS120に移行すると、放電アダプタ320から識別子情報IDを取得する。本実施形態では、上述のとおり、識別子情報IDとして、第1識別子情報ID1および第2識別子情報ID2が存在する。
【0178】
制御部31は、次のS130では、取得した識別子情報IDが第1識別子情報ID1であるか否かを判定する。このとき、制御部31は、肯定判定するとS140に移行して第1電圧制御処理を実行し、否定判定するとS150に移行する。
【0179】
制御部31は、S130で否定判定してS150に移行すると、取得した識別子情報IDが第2識別子情報ID2であるか否かを判定する。このとき、制御部31は、肯定判定するとS160に移行して第2電圧制御処理を実行し、否定判定するとS170に移行して待機モード処理を実行する。
【0180】
次に、第1電圧制御処理(S140)の処理内容を、図12のフローチャートを用いて説明する。
制御部31は、第1電圧制御処理を開始すると、まず、S210では、第1電圧フラグF1をセットする。
【0181】
制御部31は、次のS220では、S100と同様の処理を実行して、第1パック並列接続部33に接続された複数の電池パック33c1~33c4、および第2パック並列接続部35に接続された複数の電池パック35c1~35c4について、放電可能状態であるか否かを確認する。
【0182】
制御部31は、次のS230では、接続されている複数の電池パックの中に、放電可能な状態の電池パックがあるか否かを判定し、肯定判定するとS250に移行し、否定判定するとS240に移行して待機モード処理を実行する。
【0183】
制御部31は、S230で肯定判定してS250に移行すると、複数の電池パック33c1~33c4、35c1~35c4の中から、放電する電池パックを決定する。このとき、電力残容量が最も多い電池パック(あるいは、出力電圧が最も高い電池パック)を、放電する電池パックに決定する。制御部31は、複数の個別スイッチ部33b1~33b4、35b1~35b4のうち、放電する電池パックに対応する個別スイッチ部を通電状態(ON状態)に制御し、その他の個別スイッチを遮断状態(OFF状態)に制御する。
【0184】
制御部31は、次のS260では、第1パック並列接続部33に接続された電池パックが放電するか否かを判定し、肯定判定するとS270に移行し、否定判定するとS275に移行する。つまり、S260では、第1パック並列接続部33に接続された電池パックが放電するのか、第2パック並列接続部35に接続された電池パックが放電するのかを判定している。
【0185】
制御部31は、S270では、出力電圧スイッチ部37に関して、第1スイッチ部SW1、第2スイッチ部SW2、第3スイッチ部SW3の全てを遮断状態(OFF状態)に制御する。これにより、第1パック並列接続部33に接続された電池パック33c1~33c4の放電により、出力コネクタ313からの電圧出力が可能な状態となる。
【0186】
制御部31は、S275では、出力電圧スイッチ部37に関して、第1スイッチ部SW1および第3スイッチ部SW3を通電状態(ON状態)に制御し、第2スイッチ部SW2を遮断状態(OFF状態)に制御する。これにより、第2パック並列接続部35に接続された電池パック35c1~35c4の放電により、出力コネクタ313からの電圧出力が可能な状態となる。
【0187】
制御部31は、次のS280では、許可信号出力端子313eから外部への放電許可信号SAoutの出力を開始する。
制御部31は、次のS290では、放電アダプタ320が接続されているか否かを判定し、肯定判定するとS300に移行し、否定判定するとS330に移行する。
【0188】
制御部31は、S300では、放電中の電池パック(S250で決定された電池パック)から放電許可信号SAoutが出力されているか否かを判定し、肯定判定すると再びS290に移行し、否定判定するとS310に移行する。なお、電池パックは、放電可能状態の場合には放電許可信号SAoutを制御部31に対して出力し、放電不可能状態になると制御部31に対する放電許可信号SAoutの出力を停止する。放電不可能な状態としては、例えば、電力残容量が少ないために放電不可能な状態や、パックの温度上昇により放電不可能な状態などが挙げられる。
【0189】
制御部31は、S310では、許可信号出力端子313eから外部への放電許可信号SAoutの出力を停止する。制御部31は、次のS320では、出力電圧スイッチ部37(第1スイッチ部SW1,第2スイッチ部SW2,第3スイッチ部SW3)、および全ての個別スイッチ部33b1~33b4、35b1~35b4を遮断状態(OFF状態)に制御する。制御部31は、S320での処理が完了すると、再びS220に移行する。
【0190】
制御部31は、S290で否定判定されてS330に移行すると、許可信号出力端子313eから外部への放電許可信号SAoutの出力を停止する。制御部31は、次のS340では、出力電圧スイッチ部37(第1スイッチ部SW1,第2スイッチ部SW2,第3スイッチ部SW3)、および全ての個別スイッチ部33b1~33b4、35b1~35b4を遮断状態(OFF状態)に制御する。制御部31は、S340での処理が完了すると、第1電圧制御処理を終了して、再びS110に移行する。
【0191】
次に、第2電圧制御処理(S160)の処理内容を、図13のフローチャートを用いて説明する。
制御部31は、第2電圧制御処理を開始すると、まず、S410では、第2電圧フラグF2をセットする。
【0192】
制御部31は、次のS420では、S100と同様の処理を実行して、第1パック並列接続部33に接続された複数の電池パック33c1~33c4、および第2パック並列接続部35に接続された複数の電池パック35c1~35c4について、放電可能状態であるか否かを確認する。
【0193】
制御部31は、次のS430では、接続されている複数の電池パックの中に、放電可能な状態の電池パックがあるか否かを判定し、肯定判定するとS450に移行し、否定判定するとS440に移行して待機モード処理を実行する。
【0194】
制御部31は、S430で肯定判定してS450に移行すると、第1パック並列接続部33に接続された複数の電池パック33c1~33c4の中から、放電する電池パックを1個決定するとともに、第2パック並列接続部35に接続された複数の電池パック35c1~35c4の中から、放電する電池パックを1個決定する。このとき、電力残容量が最も多い電池パック(あるいは、出力電圧が最も高い電池パック)を、放電する電池パックに決定する。制御部31は、複数の個別スイッチ部33b1~33b4、35b1~35b4のうち、放電する電池パックに対応する個別スイッチ部を通電状態(ON状態)に制御し、その他の個別スイッチを遮断状態(OFF状態)に制御する。
【0195】
制御部31は、次のS460では、出力電圧スイッチ部37に関して、第1スイッチ部SW1および第3スイッチ部SW3を遮断状態(OFF状態)に制御し、第2スイッチ部SW2を通電状態(ON状態)に制御する。これにより、第1パック並列接続部33に接続された電池パック33c1~33c4の放電、および第2パック並列接続部35に接続された電池パック35c1~35c4の放電により、出力コネクタ313からの電圧出力が可能な状態となる。
【0196】
制御部31は、次のS470では、許可信号出力端子313eから外部への放電許可信号SAoutの出力を開始する。
制御部31は、次のS480では、放電アダプタ320の接続があるか否かを判定し、肯定判定するとS490に移行し、否定判定するとS520に移行する。
【0197】
制御部31は、S490では、放電中の2個の電池パック(S450で決定された2個の電池パック)の両者からから放電許可信号SAoutが出力されているか否かを判定し、肯定判定すると再びS480に移行し、否定判定するとS500に移行する。S490では、2個の電池パックのうち少なくとも1個が放電許可信号SAoutの出力を停止している場合には、否定判定する。
【0198】
制御部31は、S500では、許可信号出力端子313eから外部への放電許可信号SAoutの出力を停止する。制御部31は、次のS510では、出力電圧スイッチ部37(第1スイッチ部SW1,第2スイッチ部SW2,第3スイッチ部SW3)、および全ての個別スイッチ部33b1~33b4、35b1~35b4を遮断状態(OFF状態)に制御する。制御部31は、S510での処理が完了すると、再びS420に移行する。
【0199】
制御部31は、S480で否定判定されてS520に移行すると、許可信号出力端子313eから外部への放電許可信号SAoutの出力を停止する。制御部31は、次のS530では、出力電圧スイッチ部37(第1スイッチ部SW1,第2スイッチ部SW2,第3スイッチ部SW3)、および全ての個別スイッチ部33b1~33b4、35b1~35b4を遮断状態(OFF状態)に制御する。制御部31は、S530での処理が完了すると、第2電圧制御処理を終了して、再びS110に移行する。
【0200】
次に、待機モード処理(S170、S240、S440)の処理内容を、図14のフローチャートを用いて説明する。
制御部31は、待機モード処理を開始すると、まず、S610では、S100と同様の処理を実行して、第1パック並列接続部33に接続された複数の電池パック33c1~33c4、および第2パック並列接続部35に接続された複数の電池パック35c1~35c4について、放電可能状態であるか否かを確認する。
【0201】
制御部31は、次のS620では、接続されている複数の電池パックの中に、放電可能な状態の電池パックがあるか否かを判定するとともに、放電アダプタ320の接続が解除されているか否かを判定する。
【0202】
このとき、制御部31は、放電可能な状態の電池パックがある場合、または、放電アダプタ320の接続が解除されている場合に、肯定判定して待機モード処理を終了し、再びS110に移行する。また、このとき、制御部31は、放電可能な状態の電池パックがなく、かつ、放電アダプタ320が接続されている場合に、否定判定して、再びS610に移行する。
【0203】
このように、電力供給装置310は、出力電圧制御処理を実行することで、接続された放電アダプタ320(第1電圧用アダプタ320a、複数出力用アダプタ320b、第2電圧用アダプタ320c)の種類を判別して、放電アダプタ320の種類に応じた電圧出力状態で出力コネクタ313から電圧出力を行う。
【0204】
[2-5.効果]
以上説明したように、第2実施形態の電力供給システム301における電力供給装置310は、複数のパック接続部33a1~33a4,35a1~35a4を備えており、複数の電池パック33c1~33c4,35c1~35c4を着脱可能(接続可能)に構成されている。
【0205】
また、電力供給装置310に備えられる制御部31は、複数のパック接続部33a1~33a4,35a1~35a4に接続された全ての電池パック33c1~33c4,35c1~35c4に対して、ダミー指令信号SAinを出力(送信)する(S100,S220,S420,S610)。
【0206】
これにより、電力供給装置310は、接続された全ての電池パック33c1~33c4,35c1~35c4について放電可能状態であるか否かの判定結果を取得できる。
次に、制御部31は、電池パック状態確認処理(S100,S220,S420,S610)を繰り返し実行するため、空き状態のパック接続部33a1~33a4,35a1~35a4に新たな電池パックが接続された場合には、新たに接続された電池パックに対してダミー指令信号SAinを送信するように構成されている。つまり、制御部31は、空き状態のパック接続部33a1~33a4,35a1~35a4に新たな電池パックが接続された場合には、既にダミー指令信号SAinを送信している電池パックに加えて、新たに接続された電池パックに対してもダミー指令信号SAinを送信できる。
【0207】
このため、電力供給装置310は、空き状態のパック接続部33a1~33a4,35a1~35a4に新たな電池パックが接続された場合に、新たに接続された電池パックが放電可能状態であるか否かの判断結果を、速やかに取得することができる。これにより、電力供給装置310は、新たに接続された電池パックを用いた電力供給を実行するまでの所要時間を短縮できる。
【0208】
次に、制御部31は、複数の電池パック33c1~33c4,35c1~35c4のそれぞれに対してダミー指令信号SAinを送信するにあたり、並列信号送信処理によりダミー指令信号SAinを送信する。つまり、制御部31が並列信号送信処理によりダミー指令信号SAinを送信する構成であるため、電力供給装置310は、複数の電池パック33c1~33c4,35c1~35c4の全てについての放電可能状態であるか否かの判定結果を、短時間で取得できる。
【0209】
なお、制御部31は、複数の電池パック33c1~33c4,35c1~35c4のそれぞれに対してダミー指令信号SAinを送信するにあたり、順次信号送信処理によりダミー指令信号SAinを送信してもよい。この場合、電力供給装置310は、制御部31での処理負荷が大幅に増大するのを抑制しつつ、複数の電池パック33c1~33c4,35c1~35c4のそれぞれについて、放電可能状態であるか否かの判定結果を取得できる。
【0210】
次に、第2実施形態の電力供給システム301に備えられる電力供給装置310は、複数(4個以上)のパック接続部33a1~33a4,35a1~35a4に接続された複数の電池パック33c1~33c4、35c1~35c4を用いて出力コネクタ313から電圧出力するにあたり、複数の電池パック33c1~33c4、35c1~35c4を、第1パック並列接続部33および第2パック並列接続部35の2つのグループに分類している。電力供給装置310は、複数の電池パック33c1~33c4、35c1~35c4を2つのグループに分類した上で、第1パック並列接続部33と出力コネクタ313(グランド出力端子313a、第1正極出力端子313b)との接続状態を固定状態としつつ、第2パック並列接続部35と出力コネクタ313(グランド出力端子313a、第1正極出力端子313b、第2正極出力端子313c)との接続状態を切り替えるように構成されている。
【0211】
このような構成は、複数(4個以上)の電池パックと出力部(出力コネクタ)との接続状態を様々なパターンに切り替える構成に比べて、接続状態のパターンを減らすことができるため、出力電圧スイッチ部37の構成を簡略化できる。これにより、電力供給装置310は、出力電圧スイッチ部37のコスト増加を抑制できる。
【0212】
そして、制御部31が、出力コネクタ313から出力すべき電圧出力状態を判定して、判定結果に基づき出力電圧スイッチ部37を制御することで、複数の電圧出力状態を切り替えることができ、用途に応じた適切な電圧出力状態を実現できる。
【0213】
よって、この電力供給装置310によれば、複数の電圧出力状態を切り替えるにあたり、装置の構成を簡略化することができ、コスト増加を抑制できる。
[2-6.文言の対応関係]
ここで、本実施形態における文言の対応関係について説明する。
【0214】
電力供給システム301および第1電動機器40a,第2電動機器40b,第3電動機器40cが電動作業システムの一例に相当し、電力供給システム301(電力供給装置310および放電アダプタ320)が電力供給装置の一例に相当し、第1電動機器40a,第2電動機器40b,第3電動機器40cが電動作業機の一例に相当する。
【0215】
複数の電池パック33c1~33c4,35c1~35c4が複数の電池パックの一例に相当し、電池収容本体部310aが電源制御装置の一例に相当する。
第1パック並列接続部33(複数のパック接続部33a1~33a4)および第2パック並列接続部35(複数のパック接続部35a1~35a4)のそれぞれが複数のパック接続部の一例に相当する。放電アダプタ320(詳細には、機器側ユニット25a,25b,25c)が作業機接続部の一例に相当する。制御部31が電力供給制御部の一例に相当する。識別子情報ID(第1識別子情報ID1,第2識別子情報ID2)が電力供給指令信号の一例に相当する。
【0216】
[3.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において、様々な態様にて実施することが可能である。
【0217】
(3a)上記実施形態では、1個の電池パックを着脱可能(接続可能)に構成された第1実施形態と、8個の電池パックを着脱可能(接続可能)に構成された第2実施形態と、について説明したが、着脱可能(接続可能)な電池パックの個数はこれらの数に限られることは無く、任意の数を採用することができる。
【0218】
(3b)本開示の電力供給装置は、装着される電池パックの定格出力電圧は18Vに限られることはなく、定格出力電圧が18V以外の電池パックが装着される構成であっても良い。例えば、本開示の電力供給装置は、定格出力電圧が36Vの電池パックが装着される構成であっても良い。また、電動作業機(電動機器)は、複数の電池パックを装着可能な構成の場合には、上述の第2電動機器40bのような18Vの電圧パックを2個装着可能な構成に限られることはなく、36Vの電池パックを2個装着可能な構成であっても良い。このような構成の電動作業機に接続される電源制御装置は、電圧36Vの出力系統を2個備えても良い。
【0219】
(3c)本開示の電力供給装置に備えられる作業機接続部は、電動作業機と直接接続される構成に限られることは無く、他部材を介して電動作業機と間接的に接続される構成であってもよい。
【0220】
(3d)電動作業機は、例えば、電動ハンマ、電動ハンマドリル、電動ドリル、電動ドライバ、電動レンチ、電動レシプロソー、電動ジグソー、電動カッター、電動チェンソー、電動カンナ、電動鋲打ち機、電動釘打ち機、電動ヘッジトリマ、電動芝刈り機、電動芝生バリカン、電動刈払機、電動クリーナ、電動ブロア、グラインダ等であってもよい。
【0221】
(3e)上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合させたりしてもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、同様の機能を有する公知の構成に置き換えてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。なお、特許請求の範囲に記載した文言のみによって特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
【符号の説明】
【0222】
1…電動作業システム、2…バッテリパック、3…電力供給装置、10…バッテリ、10a…電池収容本体部、20…監視回路、30…バッテリ制御回路、31…制御部、33…第1パック並列接続部、35…第2パック並列接続部、40a…第1電動機器、40b…第2電動機器、40c…第3電動機器、100…電動作業機、104…機器接続部、112…モータ、200…電源制御装置、220…電源ユニット制御回路、301…電力供給システム、310…電力供給装置、310a…電池収容本体部、320…放電アダプタ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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