(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-22
(45)【発行日】2022-08-01
(54)【発明の名称】空気供給回路
(51)【国際特許分類】
F04B 39/16 20060101AFI20220725BHJP
B60T 17/00 20060101ALI20220725BHJP
【FI】
F04B39/16 E
F04B39/16 G
B60T17/00 B
(21)【出願番号】P 2019512577
(86)(22)【出願日】2018-04-13
(86)【国際出願番号】 JP2018015529
(87)【国際公開番号】W WO2018190418
(87)【国際公開日】2018-10-18
【審査請求日】2021-04-09
(31)【優先権主張番号】P 2017079954
(32)【優先日】2017-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】510063502
【氏名又は名称】ナブテスコオートモーティブ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106781
【氏名又は名称】藤井 稔也
(72)【発明者】
【氏名】田中 克典
【審査官】所村 陽一
(56)【参考文献】
【文献】特開昭60-104786(JP,A)
【文献】特開2014-148902(JP,A)
【文献】特開昭63-106377(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 39/16
B60T 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮空気を送出する負荷運転と前記圧縮空気を送出しない空運転とを選択的に行うように構成されたコンプレッサと、
前記コンプレッサの送出した前記圧縮空気から水分を除去するように構成された乾燥剤と、
前記圧縮空気が不要であることを示す第1の信号を前記コンプレッサに出力するように構成された指示部と、
前記コンプレッサと前記乾燥剤との間の箇所に接続され、前記乾燥剤に前記圧縮空気が供給されるように前記コンプレッサを前記乾燥剤に連通させる連通位置と、前記乾燥剤に前記圧縮空気が供給されないように前記コンプレッサを排出口に連通させる排出位置とに選択的に切り替えられるように構成された制御弁と、
前記第1の信号に基づいて第2の信号を生成して該第2の信号を前記制御弁に出力するように構成された生成回路とを備え、
前記生成回路は、オリフィスと、前記オリフィスと前記制御弁との間に配置された容量室とを備え、
前記指示部が前記第1の信号を出力したとき、前記コンプレッサは前記第1の信号に応じて前記空運転を行うとともに、前記制御弁は前記第2の信号に応じて前記排出位置に切り替わり、
前記指示部が前記第1の信号を停止したとき、前記コンプレッサは前記第1の信号の停止に応じて前記負荷運転を行うとともに、前記制御弁は前記第1の信号の停止後、所定時間だけ遅延してから前記連通位置に切り替わる
空気供給回路。
【請求項2】
圧縮空気を送出する負荷運転と前記圧縮空気を送出しない空運転とを選択的に行うように構成されたコンプレッサと、
前記コンプレッサの送出した前記圧縮空気から水分を除去するように構成された乾燥剤と、
前記圧縮空気が不要であることを示す空気圧信号である第1の信号を前記コンプレッサに出力するように構成された指示部と、
前記コンプレッサと前記乾燥剤との間に配置され、前記コンプレッサを前記乾燥剤に連通させる連通位置と、前記コンプレッサと前記乾燥剤との間の連通を遮断して前記コンプレッサを排出口に連通させる排出位置とに空気圧信号に応じて選択的に切り替えられるように構成された制御弁と、
前記第1の信号に基づいて、空気圧信号である第2の信号を生成して、該第2の信号を前記制御弁に出力するように構成された生成回路とを備え、
前記生成回路は、オリフィスと、前記オリフィスと前記制御弁との間に配置された容量室とを備え、
前記指示部が前記第1の信号を出力したとき、前記コンプレッサは前記第1の信号に応じて前記空運転を行うとともに、前記制御弁は前記第2の信号に応じて前記排出位置に切り替わり、
前記指示部が前記第1の信号を停止したとき、前記コンプレッサは前記第1の信号の停止に応じて前記負荷運転を行うとともに、前記制御弁は前記第1の信号の停止後、所定時間だけ遅延してから前記連通位置に切り替わる
空気供給回路。
【請求項3】
前記オリフィスには、前記指示部から前記容量室へ向かう方向への空気の流れを許容する逆止弁が並列に接続されている
請求項
1又は2に記載の空気供給回路。
【請求項4】
前記乾燥剤と、前記指示部とは、空気乾燥装置内に配置され、
前記生成回路及び前記制御弁は、前記コンプレッサと前記空気乾燥装置との間に配置される
請求項
1~3のいずれか一項に記載の空気供給回路。
【請求項5】
前記乾燥剤と、前記指示部と、前記生成回路と、前記制御弁とは、空気乾燥装置内に配置されている
請求項1~
3のいずれか一項に記載の空気供給回路。
【請求項6】
前記空気乾燥装置は、前記乾燥剤を再生するとき前記乾燥剤から前記コンプレッサへ向かう方向へ前記乾燥剤を通過した空気を排出する排出弁を備え、前記排出弁を前記制御弁として共用する
請求項
5に記載の空気供給回路。
【請求項7】
圧縮空気を送出する負荷運転と前記圧縮空気を送出しない空運転とを選択的に行うように構成されたコンプレッサと、
前記コンプレッサの送出した前記圧縮空気から水分を除去するように構成された乾燥剤と、
前記圧縮空気が不要であることを示す第1の信号を前記コンプレッサに出力するように構成された指示部と、
前記コンプレッサと前記乾燥剤との間の箇所に接続され、前記乾燥剤に前記圧縮空気が供給されるように前記コンプレッサを前記乾燥剤に連通させる連通位置と、前記乾燥剤に前記圧縮空気が供給されないように前記コンプレッサを排出口に連通させる排出位置とに選択的に切り替えられるように構成された制御弁と、
前記第1の信号に基づいて第2の信号を生成して該第2の信号を前記制御弁に出力するように構成された生成回路とを備え、
前記指示部が前記第1の信号を出力したとき、前記コンプレッサは前記第1の信号に応じて前記空運転を行うとともに、前記制御弁は前記第2の信号に応じて前記排出位置に切り替わり、
前記指示部が前記第1の信号を停止したとき、前記コンプレッサは前記第1の信号の停止に応じて前記負荷運転を行うとともに、前記制御弁は前記第1の信号の停止後、所定時間だけ遅延してから前記連通位置に切り替わ
り、
前記乾燥剤と、前記指示部と、前記生成回路と、前記制御弁とは、空気乾燥装置内に配置され、
前記空気乾燥装置は、前記乾燥剤を再生するとき前記乾燥剤から前記コンプレッサへ向かう方向へ前記乾燥剤を通過した空気を排出する排出弁を備え、前記排出弁を前記制御弁として共用する
空気供給回路。
【請求項8】
圧縮空気を送出する負荷運転と前記圧縮空気を送出しない空運転とを選択的に行うように構成されたコンプレッサと、
前記コンプレッサの送出した前記圧縮空気から水分を除去するように構成された乾燥剤と、
前記圧縮空気が不要であることを示す第1の信号を前記コンプレッサに出力するように構成された指示部と、
前記コンプレッサと前記乾燥剤との間に配置され、前記コンプレッサを前記乾燥剤に連通させる連通位置と、前記コンプレッサと前記乾燥剤との間の連通を遮断して前記コンプレッサを排出口に連通させる排出位置とに選択的に切り替えられるように構成された制御弁と、
前記第1の信号に基づいて第2の信号を生成して該第2の信号を前記制御弁に出力するように構成された生成回路とを備え、
前記指示部が前記第1の信号を出力したとき、前記コンプレッサは前記第1の信号に応じて前記空運転を行うとともに、前記制御弁は前記第2の信号に応じて前記排出位置に切り替わり、
前記指示部が前記第1の信号を停止したとき、前記コンプレッサは前記第1の信号の停止に応じて前記負荷運転を行うとともに、前記制御弁は前記第1の信号の停止後、所定時間だけ遅延してから前記連通位置に切り替わ
り、
前記乾燥剤と、前記指示部と、前記生成回路と、前記制御弁とは、空気乾燥装置内に配置され、
前記空気乾燥装置は、前記乾燥剤を再生するとき前記乾燥剤から前記コンプレッサへ向かう方向へ前記乾燥剤を通過した空気を排出する排出弁を備え、前記排出弁を前記制御弁として共用する
空気供給回路。
【請求項9】
圧縮空気を送出する負荷運転と前記圧縮空気を送出しない空運転とを選択的に行うように構成されたコンプレッサと、
前記コンプレッサの送出した前記圧縮空気から水分を除去するように構成された乾燥剤と、
前記圧縮空気が不要であることを示す空気圧信号である第1の信号を前記コンプレッサに出力するように構成された指示部と、
前記コンプレッサと前記乾燥剤との間に配置され、前記コンプレッサを前記乾燥剤に連通させる連通位置と、前記コンプレッサと前記乾燥剤との間の連通を遮断して前記コンプレッサを排出口に連通させる排出位置とに空気圧信号に応じて選択的に切り替えられるように構成された制御弁と、
前記第1の信号に基づいて、空気圧信号である第2の信号を生成して、該第2の信号を前記制御弁に出力するように構成された生成回路とを備え、
前記指示部が前記第1の信号を出力したとき、前記コンプレッサは前記第1の信号に応じて前記空運転を行うとともに、前記制御弁は前記第2の信号に応じて前記排出位置に切り替わり、
前記指示部が前記第1の信号を停止したとき、前記コンプレッサは前記第1の信号の停止に応じて前記負荷運転を行うとともに、前記制御弁は前記第1の信号の停止後、所定時間だけ遅延してから前記連通位置に切り替わ
り、
前記乾燥剤と、前記指示部と、前記生成回路と、前記制御弁とは、空気乾燥装置内に配置され、
前記空気乾燥装置は、前記乾燥剤を再生するとき前記乾燥剤から前記コンプレッサへ向かう方向へ前記乾燥剤を通過した空気を排出する排出弁を備え、前記排出弁を前記制御弁として共用する
空気供給回路。
【請求項10】
前記生成回路は、オリフィスと、前記オリフィスに並列に接続され、前記指示部から前記制御弁へ向かう方向への空気の流れを許容する逆止弁とを備える
請求項
7~9のいずれか一項に記載の空気供給回路。
【請求項11】
前記所定時間は、前記コンプレッサが前記空運転から前記負荷運転に切り替わった直後に同コンプレッサから送り出された圧縮空気が前記排出口から排出されるために必要な時間以上に設定される
請求項1~
10のいずれか一項に記載の空気供給回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮空気から不純物を分離する空気供給回路に関する。
【背景技術】
【0002】
トラック、バス、建機等の車両においては、コンプレッサから送られる圧縮空気を利用して、ブレーキやサスペンション等の空気圧システムが制御されている。この圧縮空気には、大気中に含まれる水分やコンプレッサ内を潤滑する油分等の液状の不純物が含まれている。水分や油分を多く含む圧縮空気が空気圧システム内に入ると、錆の発生やゴム部材の膨潤等を招き、作動不良の原因となる。このため、コンプレッサの下流には、圧縮空気中の水分や油分等の不純物を除去する圧縮空気乾燥装置が設けられている。
【0003】
圧縮空気乾燥装置は、油水分を除去するロード運転(除湿作用)と、乾燥剤に吸着させた油水分を取り除き、油水分をドレンとして放出するアンロード運転(再生作用)とを行う。また、エアドライヤは、ドレンが路面に吐出されてしまうことを防ぐために、当該エアドライヤから排出されたドレンをオイルセパレータへ排出する。オイルセパレータでは、油水分を含んだ空気を衝突材に衝突させて気液分離を行うことで油分を回収し、清浄エアを排出する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、圧縮空気乾燥装置において、捕捉した油分や塵埃等が乾燥剤に蓄積することによって乾燥剤の機能が低下するため、圧縮空気乾燥装置を通過する空気の水分が十分に除去されなくなるおそれがある。そこで、圧縮空気乾燥装置は、乾燥剤の水分を除去する再生処理によって水分を除去する機能を回復させるようにしているが、再生処理によって乾燥剤に蓄積した油分を除去して乾燥剤に生じた劣化を回復させることは難しい。
【0006】
なお、こうした課題は、車両に搭載された空気供給回路に限らず、圧縮空気乾燥装置が適用される空気供給回路においては概ね共通したものである。
本発明の目的は、圧縮空気乾燥装置の機能低下を抑制することのできる空気供給回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する空気供給回路は、圧縮空気を送出する負荷運転と前記圧縮空気を送出しない空運転とを選択的に行うように構成されたコンプレッサと、前記コンプレッサの送出した前記圧縮空気から水分を除去するように構成された乾燥剤と、前記圧縮空気が不要であることを示す第1の信号を前記コンプレッサに出力するように構成された指示部と、前記コンプレッサと前記乾燥剤との間の箇所に接続され、前記乾燥剤に前記圧縮空気が供給されるように前記コンプレッサを前記乾燥剤に連通させる連通位置と、前記乾燥剤に前記圧縮空気が供給されないように前記コンプレッサを排出口に連通させる排出位置とに選択的に切り替えられるように構成された制御弁と、前記第1の信号に基づいて第2の信号を生成して該第2の信号を前記制御弁に出力するように構成された生成回路とを備え、前記指示部が前記第1の信号を出力したとき、前記コンプレッサは前記第1の信号に応じて前記空運転を行うとともに、前記制御弁は前記第2の信号に応じて前記排出位置に切り替わり、前記指示部が前記第1の信号を停止したとき、前記コンプレッサは前記第1の信号の停止に応じて前記負荷運転を行うとともに、前記制御弁は前記第1の信号の停止後、所定時間だけ遅延してから前記連通位置に切り替わる。
【0008】
上記課題を解決する空気供給回路は、圧縮空気を送出する負荷運転と前記圧縮空気を送出しない空運転とを選択的に行うように構成されたコンプレッサと、前記コンプレッサの送出した前記圧縮空気から水分を除去するように構成された乾燥剤と、前記圧縮空気が不要であることを示す第1の信号を前記コンプレッサに出力するように構成された指示部と、前記コンプレッサと前記乾燥剤との間に配置され、前記コンプレッサを前記乾燥剤に連通させる連通位置と、前記コンプレッサと前記乾燥剤との間の連通を遮断して前記コンプレッサを排出口に連通させる排出位置とに選択的に切り替えられるように構成された制御弁と、前記第1の信号に基づいて第2の信号を生成して該第2の信号を前記制御弁に出力するように構成された生成回路とを備え、前記指示部が前記第1の信号を出力したとき、前記コンプレッサは前記第1の信号に応じて前記空運転を行うとともに、前記制御弁は前記第2の信号に応じて前記排出位置に切り替わり、前記指示部が前記第1の信号を停止したとき、前記コンプレッサは前記第1の信号の停止に応じて前記負荷運転を行うとともに、前記制御弁は前記第1の信号の停止後、所定時間だけ遅延してから前記連通位置に切り替わる。
【0009】
上記課題を解決する空気供給回路は、圧縮空気を送出する負荷運転と前記圧縮空気を送出しない空運転とを選択的に行うように構成されたコンプレッサと、前記コンプレッサの送出した前記圧縮空気から水分を除去するように構成された乾燥剤と、前記圧縮空気が不要であることを示す空気圧信号である第1の信号を前記コンプレッサに出力するように構成された指示部と、前記コンプレッサと前記乾燥剤との間に配置され、前記コンプレッサを前記乾燥剤に連通させる連通位置と、前記コンプレッサと前記乾燥剤との間の連通を遮断して前記コンプレッサを排出口に連通させる排出位置とに空気圧信号に応じて選択的に切り替えられるように構成された制御弁と、前記第1の信号に基づいて、空気圧信号である第2の信号を生成して、該第2の信号を前記制御弁に出力するように構成された生成回路とを備え、前記指示部が前記第1の信号を出力したとき、前記コンプレッサは前記第1の信号に応じて前記空運転を行うとともに、前記制御弁は前記第2の信号に応じて前記排出位置に切り替わり、前記指示部が前記第1の信号を停止したとき、前記コンプレッサは前記第1の信号の停止に応じて前記負荷運転を行うとともに、前記制御弁は前記第1の信号の停止後、所定時間だけ遅延してから前記連通位置に切り替わる。
【0010】
このような構成によれば、コンプレッサが空運転から負荷運転に切り替わって圧縮空気の供給が再開されてから所定時間だけ遅延するまで制御弁が排出位置にあることからコンプレッサが負荷運転に切り替わった直後の圧縮空気は乾燥剤には供給されず、排出口に排出される。その後、所定時間遅延してから制御弁が連通位置に切り替わって圧縮空気が乾燥剤に供給されるようになる。よって、空運転中にコンプレッサの空気圧縮室に溜まった油水分の液状の不純物は、圧縮空気の供給開始時に一気に排出されるが、そうした不純物を含む圧縮空気が排出口に排出されたあとの圧縮空気が乾燥剤に供給されるため、乾燥剤に生じる汚れが抑えられて機能低下も抑制されるようになる。
【0011】
上記空気供給回路について、前記生成回路は、オリフィスと、前記オリフィスと前記制御弁との間に配置された容量室とを備えることが好ましい。
このような構成によれば、制御弁への空気圧信号の伝達タイミングを空気圧信号の圧力変化を遅延させることにより遅延させることができるようになる。よって、コンプレッサが負荷運転に切り替わってから所定時間経過するまで制御弁を排出位置に維持させることができるようになる。
【0012】
上記空気供給回路について、前記オリフィスには、前記指示部から前記容量室へ向かう方向への空気の流れを許容する逆止弁が並列に接続されていることが好ましい。
このような構成によれば、コンプレッサが空運転に切り替わったとき、制御弁を遅延なく迅速に排出位置に移動させることができる。
【0013】
上記空気供給回路について、前記乾燥剤と、前記指示部とは、空気乾燥装置内に配置され、前記生成回路及び前記制御弁は、前記コンプレッサと前記空気乾燥装置との間に配置されることが好ましい。
【0014】
このような構成によれば、コンプレッサと空気乾燥装置との間に生成回路と制御弁とを設けることができるので、これら生成回路及び制御弁の設置にかかる制約が少ない。
上記空気供給回路について、前記生成回路は、オリフィスと、前記オリフィスに並列に接続され、前記指示部から前記制御弁へ向かう方向への空気の流れを許容する逆止弁とを備えることが好ましい。
【0015】
このような構成によれば、指示部から空気圧信号が出力されてコンプレッサが空運転に切り替わったとき、制御弁を遅延なく迅速に排出位置に移動させることができる。
上記空気供給回路について、前記乾燥剤と、前記指示部と、前記生成回路と、前記制御弁とは、空気乾燥装置内に配置されていることが好ましい。
【0016】
このような構成によれば、生成回路と制御弁とが空気乾燥装置に含まれるので空気供給回路の設置が容易である。
上記空気供給回路について、前記空気乾燥装置は、前記乾燥剤を再生するとき前記乾燥剤から前記コンプレッサへ向かう方向へ前記乾燥剤を通過した空気を排出する排出弁を備え、前記排出弁を前記制御弁として共用することが好ましい。
【0017】
このような構成によれば、排出弁が制御弁としても共用されるので利便性が高い。
上記空気供給回路について、前記所定時間は、前記コンプレッサが前記空運転から前記負荷運転に切り替わった直後に同コンプレッサから送り出された圧縮空気が前記排出口から排出されるために必要な時間以上に設定されることが好ましい。
【0018】
このような構成によれば、コンプレッサが負荷運転に切り替わった後、切り替え直後であって不純物が多い圧縮空気を排出させることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、圧縮空気乾燥装置の機能低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】空気供給回路を具体化した第1の実施形態について、空気供給回路の回路構成の概略を示す回路図。
【
図2】
図1の空気供給回路の回路構成の概略を示す回路図。
【
図3】
図1の空気供給回路の回路構成の概略を示す回路図。
【
図4】空気供給回路を具体化した第2の実施形態について、空気供給回路の回路構成の概略を示す回路図。
【
図5】
図4の空気供給回路の回路構成の概略を示す回路図。
【
図6】
図4の空気供給回路の回路構成の概略を示す回路図。
【
図7】空気供給回路を具体化したその他の実施形態について、空気供給回路の回路構成の概略を示す回路図。
【
図8】空気供給回路を具体化したその他の実施形態について、空気供給回路の回路構成の概略を示す回路図。
【
図9】空気供給回路を具体化したその他の実施形態について、空気供給回路の回路構成の概略を示す回路図。
【
図10】空気供給回路を具体化したその他の実施形態について、空気供給回路の回路構成の概略を示す回路図。
【
図11】空気供給回路を具体化したその他の実施形態について、空気供給回路の回路構成の概略を示す回路図。
【
図12】空気供給回路を具体化したその他の実施形態について、空気供給回路の回路構成の概略を示す回路図。
【
図13】空気供給回路を具体化したその他の実施形態について、空気供給回路の回路構成の概略を示す回路図。
【
図14】空気供給回路を具体化したその他の実施形態について、空気供給回路の回路構成の概略を示す回路図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(第1の実施形態)
以下、
図1~
図3を参照して、空気供給回路を具体化した第1の実施形態について説明する。空気供給回路は、トラック、バス、建機等の自動車に搭載されている。
【0022】
図1に示されるように、空気供給回路は、圧縮空気を供給するコンプレッサ10と、空気乾燥装置としてのエアドライヤ11と、排出装置12とを備えている。空気供給回路は、コンプレッサ10の供給口10DPから供給される圧縮空気中の油水分をエアドライヤ11によって除去し、乾燥した圧縮空気である乾燥圧縮空気をポートP11を介して図示しないエアタンクに貯留する。また、空気供給回路は、図示しないエアタンクに貯留した乾燥圧縮空気をブレーキやサスペンション等へ供給する。なお、本実施形態では、コンプレッサ10が上流側に位置し、エアタンクに接続するポートP11が下流側に位置しているとして説明する。
【0023】
コンプレッサ10は、ポートP10から空気を取り入れ、この取り入れた空気を圧縮して圧縮空気を生成する。コンプレッサ10は、圧縮空気を出力する供給口10DPを備え、供給口10DPから出力した圧縮空気を排出装置12を介してエアドライヤ11に供給する。そして、コンプレッサ10が供給口10DPから出力した圧縮空気の中の油水分が、エアドライヤ11で除去される。
【0024】
また、コンプレッサ10の運転は、圧縮空気を生成して供給口10DPから出力する運転である負荷運転と、圧縮空気を生成せず、供給口10DPから圧縮空気を出力しない運転である空運転との間で切り替えられる。すなわち、コンプレッサ10は負荷運転と空運転とを選択的に行うように構成される。コンプレッサ10は、信号入力ポート10CPを備え、信号入力ポート10CPに第1の信号としてのアンロード信号が入力されていないとき負荷運転を行い、信号入力ポート10CPにアンロード信号が入力されているとき空運転を行う。アンロード信号とは、空気圧信号、すなわち所定の圧力以上の空気圧そのものを信号として用いたものであり、「アンロード信号が入力されていない」とは、信号入力ポート10CPに入力される空気圧が大気圧等の所定の圧力未満であることを意味する。なお、所定の圧力は、大気圧よりも高く、かつ、コンプレッサ10が生成する圧縮空気の圧力よりも低い範囲で設定される。
【0025】
エアドライヤ11は、上流側に圧縮空気が供給(入力)されるポート11SPと、下流側に圧縮空気を供給(出力)するポート11DPとを備える。また、エアドライヤ11は、コンプレッサ10に圧縮空気の供給の要否を示すアンロード信号を空気圧信号として出力する空気圧信号出力ポート11CPを備える。エアドライヤ11は、上流側のポート11SPに各管路20,21等を介してコンプレッサ10から圧縮空気が供給される。また、エアドライヤ11は、乾燥圧縮空気を下流側のポート11DPから管路25を介してエアタンクに供給する。管路25は、ポートP11を介してエアドライヤ11とエアタンクとを接続している。エアタンクは、ブレーキシステムやサスペンションシステムなどの自動車のエア系統に接続されている。
【0026】
エアドライヤ11は、乾燥剤11aと、逆止弁11bと、再生制御弁11cと、排出弁としてのドレンバルブ11dと、指示部としてのガバナ11eとを内部に備えている。
逆止弁11bは、エアドライヤ11において下流側に設けられており、エアタンクの内圧が設定圧以下の場合、エアドライヤ11からエアタンクへの乾燥圧縮空気の供給を許容する。また、逆止弁11bは、エアタンクの内圧が設定圧を超えた場合、エアドライヤ11からエアタンクへの乾燥圧縮空気の供給を止める。
【0027】
ガバナ11eは、管路25のうちガバナ11eとエアタンクとの間の圧力が上限値以上となると、コンプレッサ10に、所定圧の空気圧信号をアンロード信号として供給する。つまり、エアドライヤ11は、エアタンクの空気が十分であるとき空気圧信号路30にアンロード信号を出力し、この出力したアンロード信号をコンプレッサ10に入力させる。一方、エアドライヤ11は、エアタンクの空気が不足しているとき空気圧信号路30にアンロード信号の出力を停止する。これにより、コンプレッサ10に高い空気圧からなるアンロード信号が入力されなくなる。
【0028】
また、ガバナ11eは、アンロード信号を、エアドライヤ11のドレンバルブ11dにも出力する。ドレンバルブ11dは、アンロード信号を入力した状態で開弁し、アンロード信号を入力しない状態で閉弁する。ドレンバルブ11dが開弁すると、エアドライヤ11内の空気が、空気を清浄化するときの空気の流れである「浄化方向」とは逆の方向である「再生方向」に流れる。「浄化方向」は、圧縮空気が上流側から下流側へ流れる方向であり、「再生方向」は、圧縮空気が下流側から上流側への流れ方向である。
【0029】
再生制御弁11cは、アンロード信号が出力されたことに応じて一定時間だけ逆止弁11bを迂回する空気回路を連通させる。これにより、エアタンクからの圧縮空気が乾燥剤11aを逆流する「再生方向」に流れることが可能になる。通常、再生制御弁11cは閉じており、圧縮空気は逆止弁11bを「浄化方向」にのみ流れるが、上述のようにアンロード信号が入力されたとき再生制御弁11cは開いて圧縮空気は「再生方向」へ流れることが可能になる。
【0030】
ドレンバルブ11dは、乾燥剤11aに捕捉された不純物を「再生方向」に流れる圧縮空気とともにドレンとして排出することで、乾燥剤11aを再生(クリーニング)する。ドレンバルブ11dの先は大気に開放されている。ドレンバルブ11dは、通常、閉じており、圧縮空気が排出されないが、アンロード信号が入力されたときに開くことでエアタンクから乾燥剤11aに逆流した圧縮空気が排出される。
【0031】
ここで、エアドライヤ11からの空気圧信号に基づくコンプレッサ10の動作について説明する。
コンプレッサ10は、エアドライヤ11の空気圧信号出力ポート11CPに接続される空気圧信号路30を介してエアドライヤ11からの空気圧信号を入力する。エアドライヤ11は、エアタンクの圧縮空気量が十分であって、エアタンクに圧縮空気を供給する必要がないとき、空気圧信号出力ポート11CPから空気圧信号としてアンロード信号を出力する。コンプレッサ10は、アンロード信号に応答して、空運転に切り替わり、エアドライヤ11に圧縮空気を供給しない状態になる。他方、エアドライヤ11は、エアタンクの圧縮空気量が不十分であって、エアタンクに圧縮空気を供給する必要があるとき、空気圧信号出力ポート11CPからアンロード信号を出力しない。コンプレッサ10は、アンロード信号が出力されていないことに応答して、負荷運転に切り替わり、エアドライヤ11に圧縮空気を供給する状態になる。
【0032】
続いて、排出装置12について説明する。
排出装置12は、圧縮空気の流れる管路20,21の間に設けられる空気圧制御弁13と、空気圧信号路30から分岐するオリフィス15及び容量室14の直列回路とを備える。本実施形態では、オリフィス15及び容量室14の直列回路が生成回路を構成する。
【0033】
空気圧制御弁13は、空気圧信号によって制御される3ポート2位置弁であって、コンプレッサ10の供給口10DPに接続された管路20と、エアドライヤ11のポート11SPに接続された管路21との間に設けられる。空気圧制御弁13は、上流側で管路20を介してコンプレッサ10に接続され、下流側で管路21を介してエアドライヤ11に接続されているとともに、排出路22を介して排出口23に接続されている。空気圧制御弁13は、下流側の管路21を遮断して、上流側の管路20を下流側の排出路22に接続する排出位置と、上流側の管路20を下流側の管路21に連通する連通位置との2つの位置に選択的に切り替えられるように構成されている。空気圧制御弁13は、バルブスプリング13sによって連通位置に向けて付勢されており、信号入力ポート13Pにアンロード信号に対応する圧力が入力されていない場合、連通位置に配置され、アンロード信号に対応する圧力が入力された場合、排出位置に配置される。
【0034】
空気圧制御弁13の信号入力ポート13Pは、空気圧信号路30にオリフィス15と容量室14とを介して接続されている。詳細には、空気圧信号路30、オリフィス15、容量室14、空気圧制御弁13の順に並んでいる。上述したように、空気圧信号路30は、アンロード信号をコンプレッサ10に伝達する管路である。よって、エアドライヤ11の空気圧信号出力ポート11CPから出力されたアンロード信号は空気圧信号路30からオリフィス15及び容量室14に伝達される。すなわち、空気圧制御弁13は、アンロード信号に基づいてオリフィス15及び容量室14を介して生成される、空気圧信号である第2の信号が信号入力ポート13Pに入力される。このとき、オリフィス15は、空気の流量を制限するためアンロード信号に対する応答性を抑え、生成される第2の信号についてその空気圧の上昇に遅延が生じるようにしている。また、容量室14は、空気圧の上昇に遅延を生じさせることでアンロード信号に対する応答性を抑え、生成される第2の信号についてその応答が遅延するようにしている。本実施形態では、第2の信号に応じた空気圧制御弁13の動作のタイミングが、アンロード信号が出力されたあと、第2の信号の空気圧の変化をオリフィス15及び容量室14が遅延させる所定時間だけ遅れる。本実施形態では、オリフィス15及び容量室14が第2の信号の空気圧の変化を遅延させる所定時間が、所定時間の遅延に対応する。
【0035】
次に、
図1~
図3を参照して、本実施形態の空気供給回路の動作について説明する。
図1は、エアドライヤ11からアンロード信号が出力されていない場合を示す。
コンプレッサ10は、信号入力ポート10CPにアンロード信号が入力されていないため、負荷運転を行う。すなわち、コンプレッサ10は、ポートP10から吸入した空気を圧縮して生成した圧縮空気を供給口10DPから管路20に出力する。空気圧制御弁13は、アンロード信号が入力されていないため、また、アンロード信号が停止されてから所定時間以上経過しているため連通位置にあり、管路20を管路21に接続させていることから圧縮空気が管路20から管路21に供給される。エアドライヤ11は、管路21に接続されるポート11SPに圧縮空気が供給される。このとき、ガバナ11eはアンロード信号を出力していない。よって、エアドライヤ11は、逆止弁11bを介して乾燥剤11aを通過した乾燥圧縮空気をポート11DPから管路25を介してエアタンクに供給する。
【0036】
図2は、エアドライヤ11からアンロード信号が出力されて、かつ、アンロード信号が出力されてから所定時間を経過していない場合を示している。
コンプレッサ10は、信号入力ポート10CPにアンロード信号が入力されているため空運転を行う。つまり、圧縮空気が供給口10DPから管路20に出力されない。エアドライヤ11からアンロード信号が出力されてから所定時間を経過していないとき、空気圧制御弁13は、連通位置にあり、管路20と管路21とを接続させている。これは、オリフィス15と容量室14とによって、信号入力ポート13Pに入力される空気圧がアンロード信号に対応する空気圧になるタイミングが所定時間遅延することに起因する。また、コンプレッサ10から圧縮空気が出力されないことから、管路20から管路21に圧縮空気は供給されない。エアドライヤ11は、管路21に接続されるポート11SPに圧縮空気が供給されない。このとき、ガバナ11eからアンロード信号が出力されている。よって、エアドライヤ11は、ドレンバルブ11dからコンプレッサ10からの圧縮空気を排出することができるとともに、再生制御弁11cが作動している一定時間の間はエアタンクから逆流して「再生処理」のために乾燥剤11aを通過した圧縮空気を排出する。
【0037】
なお、アンロード信号が出力されてから所定時間が経過すると、空気圧制御弁13の信号入力ポート13Pに入力される空気圧がアンロード信号と同様の圧力になることから、空気圧制御弁13は排出位置に切り替わり、管路20が排出路22を介して排出口23に接続される。
【0038】
図3は、エアドライヤ11からアンロード信号の出力が停止されて、かつ、アンロード信号の出力が停止されてから所定時間を経過していない場合を示している。
コンプレッサ10は、信号入力ポート10CPにアンロード信号が入力されなくなるため運転が空運転から負荷運転に切り替わり、圧縮空気を供給口10DPから管路20に出力する。空気圧制御弁13は、アンロード信号の出力が停止されたとしても、空気圧の低下するタイミングが所定時間だけ遅延するから、その遅延する所定時間の間、信号入力ポート13Pにアンロード信号に対応する空気圧が入力され続けられて排出位置にあり、管路20が排出路22を介して排出口23に接続される。このとき、コンプレッサ10は圧縮空気を出力していることから、所定時間の間、コンプレッサ10から管路20に供給された圧縮空気は排出路22を介して排出口23から排出される。
【0039】
コンプレッサ10は、負荷運転中、空気圧縮室の内部の圧力が高くなるため、空気圧縮室内への油水分の侵入が抑制される。一方、コンプレッサ10は、空運転の場合、空気圧縮室の内部の圧力が大気圧であることから、空気圧縮室内への油水分の侵入が抑制されない。このため、空運転中は空気圧縮室に油水分が滞留するおそれがある。よって、空運転から負荷運転に切り替わった後、所定時間経過するまでコンプレッサ10から供給される圧縮空気には、所定時間を越えて負荷運転が継続されているとき、いわゆる定常出力されているときに供給される圧縮空気に含まれるよりも多くの油水分が含まれているおそれがある。この点、本実施形態によれば、コンプレッサ10の運転が空運転から負荷運転に切り替わった後、所定時間が経過するまで管路20が排出路22を介して排出口23に接続され続けられる。つまり、多くの油水分が含まれているおそれのある圧縮空気が排出されることで、こうした圧縮空気のエアドライヤ11の乾燥剤11aへの供給が防止されるようになり、こうした圧縮空気によって乾燥剤11aに多くの油水分が吸着されるようになることが抑制される。乾燥剤11aは油水分の吸着量に応じて機能が低下することから、多くの油水分を含む圧縮空気が供給されないことによって機能低下が抑制され、その寿命の延長が図られるようになる。つまり、所定時間は、出力再開直後の不純物の多い圧縮空気の排出に必要な時間以上に設定される。換言すると、所定時間は、定常出力されている圧縮空気に含まれている不純物よりも多くの油水分等の不純物を含む圧縮空気を排出させるために必要な時間以上に設定される。よって、コンプレッサ10が負荷運転に切り替わった後、切り替え直後であって不純物が多い圧縮空気を排出させることができる。
【0040】
なお、所定時間が経過すると、オリフィス15と容量室14とを介してアンロード信号の出力停止に対応する空気圧が空気圧制御弁13の信号入力ポート13Pに入力されて、空気圧制御弁13は連通位置になる。よって、管路20が管路21に接続され、圧縮空気が管路21を介してエアドライヤ11に供給されるようになる。
【0041】
以上説明したように、本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)コンプレッサ10が空運転から負荷運転に切り替わって圧縮空気の供給が再開されてから所定時間だけ遅延するまで空気圧制御弁13が排出位置にあることからコンプレッサ10が負荷運転に切り替わった直後の圧縮空気は乾燥剤11aには供給されず、排出口23に排出される。その後、所定時間遅延してから空気圧制御弁13が連通位置に切り替わって圧縮空気が乾燥剤11aに供給されるようになる。よって、空運転中にコンプレッサ10の空気圧縮室に溜まった油水分の液状の不純物は、圧縮空気の供給開始時に一気に排出されるが、そうした不純物を含む圧縮空気が排出口23に排出されたあとの圧縮空気が乾燥剤11aに供給されるため、乾燥剤11aに生じる汚れが抑えられて機能低下も抑制されるようになる。
【0042】
(2)空気圧制御弁13への空気圧信号の伝達タイミングを空気圧信号の圧力変化を遅延させることにより遅延させることができるようになる。よって、コンプレッサ10が負荷運転に切り替わってから所定時間経過するまで空気圧制御弁13を排出位置に維持させることができるようになる。
【0043】
(3)所定時間が出力再開直後の不純物の多い圧縮空気の排出に必要な時間以上に設定されるので、コンプレッサ10が負荷運転に切り替わった後、切り替え直後であって不純物が多い圧縮空気を排出させることができる。
【0044】
(4)コンプレッサ10とエアドライヤ11との間に空気圧制御弁13と、容量室14及びオリフィス15とを設けることができるので、これら空気圧制御弁13、容量室14及びオリフィス15の設置にかかる制約が少ない。
【0045】
(第2の実施形態)
図4~
図6を参照して、空気供給回路を具体化した第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、第1の実施形態の空気圧制御弁13等の機能をエアドライヤ11のドレンバルブ11dにも付与する点が第1の実施形態と相違する。また、説明の便宜上、第1の実施形態とは同様の構成については同じ符号を付し、その説明を割愛する。
【0046】
コンプレッサ10は、ポートP20から空気を取り入れ、この取り入れた空気を圧縮して圧縮空気を生成する。コンプレッサ10は、供給口10DPから出力した圧縮空気をエアドライヤ11に供給する。そして、コンプレッサ10は、供給口10DPから出力した圧縮空気の中の油水分がエアドライヤ11で除去される。
【0047】
エアドライヤ11は、乾燥剤11aと、逆止弁11bと、再生制御弁11cと、空気圧制御弁及び排出弁としてのドレンバルブ11dと、ガバナ11eとを内部に備えている。
エアドライヤ11は、ポート11SPから入力した圧縮空気をドレンバルブ11dを介して乾燥剤11aに流すとともに、乾燥剤11aを通った乾燥圧縮空気を逆止弁11bを介してポート11DPから図示しないエアタンクの接続されるポートP21へ出力する。
【0048】
ドレンバルブ11dは、ガバナ11eから第1の信号としてのアンロード信号が入力されていない場合、ポート11SPから入力した圧縮空気を乾燥剤11aへ流す。一方、ドレンバルブ11dは、アンロード信号が入力されている場合、ポート11SPから入力した圧縮空気を排出口11fからパージ(排出)する。
【0049】
ガバナ11eは、ガバナ11eとエアタンクとの間の圧力が上限値以上となると、コンプレッサ10に、アンロード信号を出力する。逆に、ガバナ11eとエアタンクとの間の圧力が上限値未満であるとアンロード信号を出力しない、例えば、アンロード信号の出力を止める。
【0050】
また、ガバナ11eは、アンロード信号を、再生制御弁11cに出力する。再生制御弁11cは、通常、閉弁しているが、アンロード信号が入力されたことに応じて一定時間だけ逆止弁11bを迂回する空気回路を開き、エアタンクからの圧縮空気を乾燥剤11aに逆流させる再生処理を行うことを可能にする。
【0051】
さらに、ガバナ11eは、アンロード信号を、エアドライヤ11のドレンバルブ11dにも出力する。ドレンバルブ11dは、アンロード信号を入力した状態で開き、アンロード信号が入力されない状態で閉じる。ドレンバルブ11dが開くと、エアドライヤ11内の空気が「浄化方向」とは逆の方向である「再生方向」に流れる。
【0052】
第2の実施形態では、ガバナ11eとドレンバルブ11dとの間には、逆止弁40とオリフィス41との並列回路が設けられている。第2の実施形態では、オリフィス41が生成回路を構成する。逆止弁40は、ガバナ11eからドレンバルブ11dの方向への空気圧信号の流通を許容し、逆方向への空気圧信号の流通を許容しない。オリフィス41は、空気の流量を制限することで空気圧信号に対する応答性を抑え、応答に遅延が生じるようにしている。つまり、ガバナ11eからアンロード信号が出力されたとき、アンロード信号に基づき生成される第2の信号としての空気圧信号は逆止弁40を通過して直ちにドレンバルブ11dに入力され、ドレンバルブ11dは排出位置に切り替わる。一方、ガバナ11eからのアンロード信号の出力が停止され、ガバナ11e側の圧力が低下したとき、ドレンバルブ11d側の第2の信号の空気圧は逆止弁40を通過せず、オリフィス41からガバナ11eの方向に抜ける。このため、ドレンバルブ11d側では第2の信号の空気圧の低下に所定時間の遅延が生じ、所定時間が経過するまでドレンバルブ11dは排出位置に維持され、その後、ドレンバルブ11dは連通位置に切り替わる。
【0053】
次に、
図4~
図6を参照して、第2の実施形態の空気供給回路の動作について説明する。
図4は、ガバナ11eからアンロード信号が出力されていない場合を示している。
【0054】
コンプレッサ10は、信号入力ポート10CPにアンロード信号が入力さていないため負荷運転を行い、ポートP20から吸入した空気を圧縮して生成した圧縮空気を供給口10DPからエアドライヤ11のポート11SPに出力する。このとき、エアドライヤ11は、ガバナ11eからアンロード信号が出力されていないため、ドレンバルブ11dが連通位置にあってポート11SPを乾燥剤11aに連通させている。よって、エアドライヤ11は、逆止弁11bを介して乾燥剤11aを通過した乾燥圧縮空気をポート11DPからポートP21を介してエアタンクに供給する。
【0055】
図5は、ガバナ11eからアンロード信号が出力された場合を示している。
コンプレッサ10は、信号入力ポート10CPにアンロード信号が入力されているため空運転を行い、圧縮空気を生成しない。ドレンバルブ11dは、アンロード信号が入力されることから、排出位置になり、ポート11SPに供給された圧縮空気が排出口11fからパージされる。なお、コンプレッサ10から圧縮空気が出力されないことから、ドレンバルブ11dはポート11SPに圧縮空気が供給されない。また、エアドライヤ11は、再生制御弁11cが作動している一定時間の間はエアタンクから逆流して「再生処理」のために乾燥剤11aを通過した圧縮空気を排出する。
【0056】
図6は、ガバナ11eからアンロード信号の出力が停止されて、かつ、アンロード信号の出力が停止されてから所定時間を経過していない場合を示している。
コンプレッサ10は、信号入力ポート10CPにアンロード信号が入力されなくなるため運転が空運転から負荷運転に切り替わり、圧縮空気を供給口10DPからエアドライヤ11のポート11SPに出力する。ドレンバルブ11dは、アンロード信号の出力が停止されるが、逆止弁40に並列に設けられたオリフィス41でアンロード信号により付与されていた空気圧の低下が遅延されるので、遅延された所定時間が経過するまでドレンバルブ11dの信号入力ポートにはアンロード信号に対応する空気圧の入力が継続される。このためドレンバルブ11dは、アンロード信号が停止されてから所定時間経過するまで排出位置にあり、ポート11SPが排出口11fに接続される。よって、コンプレッサ10から供給された圧縮空気が、乾燥剤11aに供給されず、ドレンバルブ11dから排出口11fに排出される。これにより、空運転から負荷運転に切り替わった後、切り替わった直後であるために負荷運転が継続されているときよりも多くの油水分が含まれているおそれのある圧縮空気が、所定時間経過するまでドレンバルブ11dから排出される。つまり、多くの油水分を含むおそれのある圧縮空気がエアドライヤ11の乾燥剤11aには供給されなくなるため、乾燥剤11aに吸着される油水分の量を抑制することができる。
【0057】
なお、所定時間が経過すると、ドレンバルブ11dの信号入力ポートに入力される空気圧が、オリフィス41を介したアンロード信号の停止に対応する空気圧に変化して、ドレンバルブ11dは連通位置になり、ポート11SPに供給された圧縮空気が乾燥剤11aを介してポートP21に供給されるようになる。
【0058】
以上説明したように、本実施形態によれば、第1の実施形態に記載の効果(1)~(4)に加えて、以下の効果が得られるようになる。
(5)コンプレッサ10が空運転に切り替わったとき、ドレンバルブ11dを遅延なく迅速に排出位置に移動させることができる。
【0059】
(6)オリフィス41と空気圧制御弁としてのドレンバルブ11dとがエアドライヤ11に含まれるので空気供給回路の設置が容易である。
(7)ドレンバルブ11dが空気圧制御弁としても共用されるので利便性が高い。
【0060】
(他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、以下のような形態をもって実施することもできる。
・上記第1の実施形態では、コンプレッサ10と乾燥剤11aとの間に空気圧制御弁13が配置されている場合について例示した。しかしこれに限らず、空運転から負荷運転に切り替わったタイミングから所定時間だけ、コンプレッサからの圧縮空気を乾燥剤に供給させないようにできるのであれば、空気圧制御弁がコンプレッサ10と乾燥剤11aとの間の箇所に接続されていてもよい。
【0061】
図11に示すように、排出装置12において、圧縮空気の流れる管路20,21が直結されるとともに、管路20,21からの分岐管26が空気圧制御弁17に接続されていてもよい。換言すると、空気圧制御弁17は、コンプレッサ10と乾燥剤11aとの間の箇所に接続されている。
【0062】
空気圧制御弁17は、空気圧信号によって制御される2ポート2位置弁である。空気圧制御弁17は、上流側が分岐管26に接続され、下流側が排出路22を介して排出口23に接続されている。空気圧制御弁17は、分岐管26を下流側の排出路22に接続する排出位置と、分岐管26と排出路22とを遮断して分岐管26を封止する連通位置との2つの位置に選択的に切り替えられるように構成されている。換言すると、連通位置は、乾燥剤11aに圧縮空気が供給されるようにコンプレッサ10を乾燥剤11aに連通させる位置であり、排出位置は、乾燥剤11aに圧縮空気が供給されないようにコンプレッサ10を排出口23に連通させる位置である。空気圧制御弁17は、バルブスプリング17sによって連通位置に付勢されており、信号入力ポート17Pにアンロード信号に対応する圧力が入力されていない場合、連通位置に配置され、アンロード信号に対応する圧力が入力された場合、排出位置に配置される。
【0063】
・上記その他の実施形態において、排出装置12がオイルミストセパレータであってもよい。
図12に示すように、排出装置12は、コンプレッサ10に接続される管路20,21Aと、エアドライヤ11に接続される管路21との間にオイル除去フィルタ27と、管路20に分岐管26で接続される空気圧制御弁17を備える。オイル除去フィルタ27は、圧縮空気との衝突により気液分離を行うフィルタであって、コンプレッサ10から送られる圧縮空気に含まれる油分を捕捉する。オイル除去フィルタ27は、金属材を圧縮成形したものでもよいし、スポンジなどの多孔質材でもよい。空気圧制御弁17は、前述の通り、空運転から負荷運転に切り替わったタイミングから所定時間だけ、コンプレッサ10からの圧縮空気を乾燥剤に供給させないようにすることで圧縮空気に含まれる油水分を排出する。これにより、オイルミストセパレータによる油水分の除去がより好適になされるようになる。
【0064】
・上記各実施形態では、コンプレッサ10、空気圧制御弁13、再生制御弁11c、及び、ドレンバルブ11dが空気圧の入力に応じて作動する制御弁等である場合について例示した。しかしこれに限らず、コンプレッサ、空気圧制御弁、再生制御弁、及び、ドレンバルブの少なくとも1つが電気信号に応じて作動する電磁制御弁等であってもよい。
【0065】
・例えば、
図8に示すように、第1の実施形態の空気圧制御弁13を電磁制御弁13eに置き替え、第1の信号であるアンロード信号を圧力計31を介して電子制御装置(ECU)32に入力し、入力した第1の信号に応じて生成した第2の信号を電気信号として電磁制御弁13eのポート13Peに入力させてもよい。このとき、ECU32は、アンロード信号が検出されたとき、迅速に第2の信号を出力するとともに、アンロード信号が検出されなくなったとき、アンロード信号が検出されなくなって所定時間だけ遅延してから第2の信号を停止するようにすればよい。これにより、コンプレッサ10が負荷運転を開始してから所定時間の間は圧縮空気が排出口23から排出されるようになる。
【0066】
・また例えば、
図9に示すように、第2の実施形態のコンプレッサ10、再生制御弁11c、及び、ドレンバルブ11dをそれぞれ、電気信号で制御されるコンプレッサ10e、電磁再生制御弁11ce、及び、電磁ドレンバルブ11deに置き替えてもよい。このとき、ECU44はポートP21の空気圧を監視することに基づいて、第1の信号としてのアンロード信号を生成し、信号線45を介してコンプレッサ10eの入力ポート10CPeに出力する。また、ECU44はポートP21の空気圧を監視することに基づいて、再生処理用の信号を生成して信号線46を介して電磁再生制御弁11ceに出力する。この信号線46を介して電磁再生制御弁11ceに出力する再生処理用の信号は、再生処理の終了後停止する。また、同様に、ECU44はポートP21の空気圧の監視することに基づいて、もしくは、第1の信号としてのアンロード信号に基づいて、第2の信号を生成し、この生成した第2の信号を信号線47を介して電磁ドレンバルブ11deに出力する。ECU44は、第2の信号を、アンロード信号の出力と同時に出力するとともに、アンロード信号が停止したあと所定時間だけ遅延してから停止する。これにより、コンプレッサ10eが負荷運転を開始してから所定時間の間は圧縮空気が排出口11fから排出されるようになる。
【0067】
・また、
図8に示す構成において、さらにコンプレッサ10を電気信号で制御されるコンプレッサ10eに変更し、アンロード信号が入力されるECU32で第1の信号を電気信号で生成してコンプレッサ10eに入力させてもよい。
【0068】
・また、
図9に示す構成において、さらに第2の実施形態に示すガバナ11eを設け、このガバナ11eが出力する空気圧をECU44で監視することに基づいて、ECU44でアンロード信号(第1の信号)や第2の信号を生成するようにしてもよい。
【0069】
・上記第1の実施形態では、エアドライヤ11に再生制御弁11cとドレンバルブ11dとを備える場合について例示した。しかしこれに限らず、エアドライヤに再生処理が必要でなければ、再生制御弁やドレンバルブが設けられていなくてもよい。
【0070】
・上記第2の実施形態において、例えば、
図13に示すように、ドレンバルブ11dと、逆止弁40とオリフィス41との並列回路との間にディレイタンク42が設けられていてもよい。これにより、ディレイタンク42は、空気圧の上昇に遅延を生じさせることでアンロード信号の出力の停止に対する応答性を抑え、空気圧の低下するタイミングを所定時間だけ遅延させることができる。
【0071】
・上記第2の実施形態では、ガバナ11eからの空気圧信号を逆止弁40とオリフィス41との並列回路で調整することによってドレンバルブ11dを適切に作動させる場合について例示した。しかしこれに限らず、ガバナ11eの機能及び逆止弁40とオリフィス41との並列回路の機能を再現させることができるのであれば、ECUと電磁弁との構成でドレンバルブを適切に作動させるようにしてもよい。
【0072】
例えば、
図14に示すように、ガバナ11eをECU51と第1電磁弁52と第2電磁弁53とに置き換えてもよい。ECU51はポートP21の空気圧を監視することに基づいて、第1空気圧信号としてのアンロード信号を生成し、再生制御弁11c及びコンプレッサ10の信号入力ポート10CPに出力する。また、同様に、ECU51はポートP21の空気圧を監視することに基づいて、もしくは、第1空気圧信号に基づいて、第2空気圧信号を生成し、この生成した第2空気圧信号を電磁ドレンバルブ11deに出力する。具体的には、ECU51は、第2空気圧信号を、アンロード信号の出力と同時に出力するとともに、アンロード信号が停止したあと所定時間だけ遅延してから停止する。これにより、コンプレッサ10が負荷運転を開始してから所定時間の間は圧縮空気が排出口11fから排出されるようになる。
【0073】
・上記各実施形態では、再生制御弁11cはアンロード信号が出力されたことに応じて開弁して一定時間だけ逆止弁11bを迂回する空気回路を連通させる場合、つまり一定時間過ぎると閉弁する場合について例示した。しかしこれに限らず、再生制御弁は、アンロード信号が出力されたことに応じて開弁した後、アンロード信号が出力されなくなったタイミングで閉弁してもよいし、コンプレッサの負荷運転開始(ロード開始)と同じタイミングで閉弁してもよいし、空気圧制御弁が排出位置から連通位置に変化するタイミングで閉弁してもよい。
【0074】
・上記第2の実施形態では、エアドライヤ11内に逆止弁40とオリフィス41とが配置されている場合について例示したが、これに限らず、逆止弁及びオリフィスの少なくとも1つがエアドライヤの外に設けられていてもよい。
【0075】
・上記第1の実施形態では、空気圧制御弁13、オリフィス15及び容量室14がエアドライヤ11の外部に設けられている場合について例示したが、これに限らず、空気圧制御弁13、オリフィス15及び容量室14の一部がエアドライヤ内に設けられていてもよい。
【0076】
・上記各実施形態では、所定時間がコンプレッサ10の出力が再開した直後の不純物の多い圧縮空気が排出されるために必要な時間以上に設定される場合について例示した。しかしこれに限らず、コンプレッサの出力が再開した直後の不純物の多い圧縮空気の少なくとも一部が排出されるのであれば、所定時間が多少短く設定されてもよい。
【0077】
・上記第1の実施形態では、オリフィス15及び容量室14の直列回路が生成回路である場合について例示した。しかし、これに限らず、所定時間の遅延を確保できるのであれば、生成回路がオリフィス又は容量室のみから構成されていてもよい。
【0078】
また、生成回路は、アンロード信号の停止に対して所定時間の遅延を確保することができれば、他の構成が含まれていてもよい。例えば、オリフィス15及び容量室14の少なくとも1つに空気圧信号路30から空気圧制御弁13の信号入力ポート13Pの方向への流通を許容する逆止弁を並列に設置してもよい。これによれば、コンプレッサ10が負荷運転に切り替わったとき、空気圧制御弁13の排出位置から連通位置への移動を所定時間だけ遅延させることができる一方、コンプレッサ10が空運転に切り替わったとき、空気圧制御弁13を迅速に排出位置に移動させることができるようになる。
【0079】
具体的には、
図7に示すように、オリフィス15に空気圧信号路30から空気圧制御弁13の信号入力ポート13Pの方向への流通を許容する逆止弁16を並列に設置してもよい。これにより、アンロード信号は逆止弁16を介して容量室14に迅速に伝達されるようになる一方、アンロード信号が停止しても容量室14の空気圧の低下はオリフィス15を介して所定時間遅延されるようになる。
【0080】
・上記各実施形態では、ドレンバルブ11dが大気に開放されている場合について例示した。しかしこれに限らず、ドレンバルブは、ドレン及び空気を分離して油水分を貯留するオイルセパレータに接続されていてもよい。また、オイルセパレータは、油水分が分離された空気を放出するように大気に開放されていてもよい。
【0081】
例えば、
図10に示すように、第1の実施形態の排出口23にはさらにオイルセパレータ24が設けられていてもよい。また、第2の実施形態の排出口11fにさらにオイルセパレータが設けられていてもよい。
【0082】
・上記各実施形態では、空気供給回路を、自動車に搭載された空気供給回路に適用したが、コンプレッサから送られる圧縮空気を清浄化するシステムであれば、そのほかのシステムに適用してもよい。例えば、電車、船舶、航空機等の自動車以外の移動体に空気供給回路を適用してもよい。また、移動体以外に設けられ空気圧を利用して動作を行うシステムに空気供給回路を適用してもよい。
【符号の説明】
【0083】
10…コンプレッサ、10CP…信号入力ポート、10DP…供給口、11…エアドライヤ、11a…乾燥剤、11b…逆止弁、11c…再生制御弁、11CP…空気圧信号出力ポート、11d…ドレンバルブ、11DP…ポート、11e…ガバナ、11f…排出口、11SP…ポート、12…排出装置、13…空気圧制御弁、13P…信号入力ポート、13s…バルブスプリング、14…容量室、15…オリフィス、16…逆止弁、20,21…管路、22…排出路、23…排出口、25…管路、30…空気圧信号路、40…逆止弁、41…オリフィス、P10,P11,P20,P21…ポート。