(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-22
(45)【発行日】2022-08-01
(54)【発明の名称】パターニングシートおよびエッチング構造物の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/306 20060101AFI20220725BHJP
C23F 1/00 20060101ALI20220725BHJP
【FI】
H01L21/306 F
C23F1/00 102
(21)【出願番号】P 2019542989
(86)(22)【出願日】2018-05-24
(86)【国際出願番号】 JP2018020055
(87)【国際公開番号】W WO2019058642
(87)【国際公開日】2019-03-28
【審査請求日】2021-04-07
(31)【優先権主張番号】P 2017182393
(32)【優先日】2017-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000000941
【氏名又は名称】株式会社カネカ
(74)【代理人】
【識別番号】100131705
【氏名又は名称】新山 雄一
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【氏名又は名称】加藤 竜太
(72)【発明者】
【氏名】口山 崇
【審査官】高柳 匡克
(56)【参考文献】
【文献】特開平8-130213(JP,A)
【文献】特開2007-053384(JP,A)
【文献】特開2017-066002(JP,A)
【文献】特開平8-017789(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/306
C23F 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)エッチング溶液を透過させる第1ポリマーで形成されるベースシートと、
(B)前記エッチング溶液を吸収かつ保持する第2ポリマーで形成され、前記ベースシートに分散される粒子と、
を含むパターニングシート。
【請求項2】
(C)前記エッチング溶液の前記ベースシートの表面への表出により生じる表面膜を含む、請求項1に記載のパターニングシート。
【請求項3】
前記第1ポリマーは、シリコーン変成ポリエーテルを主成分として含む請求項1または2に記載のパターニングシート。
【請求項4】
前記第1ポリマーは、以下の(1)~(3)を含有する請求項1~3のいずれか1項に記載のパターニングシート。
(1)分子中にアルケニル基を有するポリエーテル系重合体
(2)分子中にヒドロシリル基を有するオルガノハイドロシロキサン化合物
(3)白金-ビニルシロキサン触媒
【請求項5】
前記第2ポリマーは、セルロースまたはその誘導体を主材として含む請求項1~4のいずれか1項に記載のパターニングシート。
【請求項6】
エッチング対象物をエッチングすることで製造されるエッチング構造物の製造方法にあって、
前記エッチング対象物におけるエッチング予定面に対して、請求項1~5のいずれか1項に記載のパターニングシートの表面側を接触させる接触工程と、
前記表面側を前記エッチング予定面から乖離させる乖離工程と、
を含むエッチング構造物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パターニングシートおよびエッチング構造物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
表示デバイス、タッチスクリーン、または光電変換素子等の電子デバイスは、技術の進歩に伴い構造が複雑になってきている。特に、基板等の面内方向における回路の微細化は顕著であり、ナノオーダーの微細なパターニングが技術的に可能である。また、電子デバイスは、更なる高密度実装または立体的な光学効果を目指して、面内に凹凸を有した3次元構造を有する基板等(エッチング構造物)が多く開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、エッチング前の対象物であるエッチング対象物における3次元構造の一部、例えば凹凸面における凸の頂上のみを、選択的にエッチング処理することは非常に煩わしい。例えば特許文献1のようなエッチングペーストによるエッチング法であると、エッチングペーストを、凸の頂上に位置合わせして使用しなくてはならず、その工程が非常に煩雑である。
【0005】
また、
図7に示すように、3次元構造を有する基板120Bを、エッチング溶液113に接触させる方法もある。しかし、この方法では、エッチング溶液113の表面張力により、凸の頂上だけでなく、凹の底にまでエッチング溶液113が広がり(黒色矢印参照)、基板120B内部にまでエッチング溶液113が浸透しかねない。
【0006】
また、この方法では、エッチング液113が揮発性を有する場合、揮発成分によって、前記同様に、基板120B内部にまでエッチング溶液113が浸透しかねない。また、液面の静粛性を維持する必要があり、連続的なエッチング処理に不向きで、生産性が悪い。
【0007】
本発明は、前記の課題を解決するためになされたものである。そして、その目的は、複雑なエッチング対象物を簡易にエッチングしてエッチング構造物を製造する場合に好適なパターニングシート等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るパターニングシートは、(A)エッチング溶液を透過させる第1ポリマーで形成されるベースシートと、(B)エッチング溶液を吸収かつ保持する第2ポリマーで形成され、ベースシートに分散される粒子と、を含む。
【0009】
また、エッチング対象物をエッチングすることで製造されるエッチング構造物の製造方法では、エッチング対象物におけるエッチング予定面に対して、パターニングシートの表面側を接触させる接触工程と、この表面側をエッチング予定面から乖離させる乖離工程と、を含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明のパターニングシートによれば、複雑なエッチング対象物を簡易にエッチングして、エッチング構造物を製造する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、パターニングシートの内部を説明する断面図である。
【
図2】
図2は、パターニングシートの斜視図である。
【
図3】
図3は、パターニングシートを用いてエッチングされるエッチング対象物の斜視図である。
【
図4】
図4は、エッチング対象物をエッチングすることで製造されたエッチング構造物の斜視図である。
【
図5A】
図5Aは、エッチング対象物からエッチング構造物を製造する工程を示す断面図である。
【
図5B】
図5Bは、エッチング対象物からエッチング構造物を製造する工程を示す断面図である。
【
図5C】
図5Cは、エッチング対象物からエッチング構造物を製造する工程を示す断面図である。
【
図6】
図6は、エッチング対象物の作製に使用する金型の断面図である。
【
図7】
図7は、エッチング対象物への従来のエッチングを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の一実施形態について説明すると以下の通りであるが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、便宜上、ハッチングや部材符号等を省略する場合もあるが、かかる場合、他の図面を参照するものとする。また、図面における種々部材の寸法は、便宜上、見やすいように調整されている。
【0013】
図1はパターニングシート10の内部を説明する断面図であり、
図2はパターニングシート10の斜視図である。
図3はパターニングシート10を用いてエッチングされるエッチング対象物20Bの斜視図であり、
図4はエッチング対象物20Bをエッチングすることで製造されたエッチング構造物20Aの斜視図である。
【0014】
<エッチング対象物およびエッチング構造物>
図3に示すように、エッチング対象物20Bは、X方向およびY方向の2次元で形成される面の面上方向、すなわちZ方向に、凹凸を有した物体である(以降、このような物体を3次元構造物と称することもある)。そして、この凹凸を多数配置させた部分(エッチング予定面20S)に対して所定部分がエッチングされたエッチング対象物20Bを、エッチング構造物20Aとする。なお、このようなエッチング対象物20Bの一例としては、樹脂成型体または半導体基板が挙げられる。
【0015】
また、3次元構造物であるエッチング対象物20Bでは、2次元面(XY面)における凹凸の頂上と底との高低差が10μm以上であると好ましい。また、その高低差は2次元面全域にわたってが同程度であれば好ましく、さらには、2次元面の面内方向において、凹凸に周期性が有ると好ましい。このようなエッチング対象物20Bであると、エッチング予定面20Sに対して、均一なエッチングを行えるためである。
【0016】
なお、凹凸の模様(パターン)は、特に限定されず、例えば、ラインアンドスペースパターン、ドットパターン、格子パターン、または唐草模様が挙げられる。
【0017】
また、凹凸を付与の仕方は、特に限定されるものではなく、例えば、基体21に対する印刷でも構わないし、レーザー若しくは電子線等による切削でも構わない。また、成型により、基体21の当初の状態から凹凸が付与されていても構わない。この中でも、凹凸形状の均一性と、エッチング対象物20Bの生産性との観点からであれば、成型法が好ましい。
【0018】
成型法の一例としては、インプリント法が挙げられる。インプリント法では、3次元構造物の反転構造を刻んだモールド(金型)が使用される。具体的には、熱可塑性樹脂または紫外線硬化性材料といった膜材料が基材に塗布され、その塗布面がモールドに押し当てられ、凹凸が付与される。そして、膜材料が硬化後に、モールドから基体を離型させれば、3次元構造物であるエッチング対象物20Bが完成する。
【0019】
なお、凹凸になる部分は、膜材料に限定されるものではなく、例えば基材21自体が熱可塑性のフィルムであれば、基材21そのものの材料が凹凸になる。すなわち、フィルムに対して、直接凹凸を付与させることも可能である(なお、
図3は、基体21に凹凸が付与された例である)。
【0020】
インプリント法に適した材料としては、熱可塑性樹脂であれば、例えば、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、または、ABS樹脂、さらには、ポリプロピレン若しくはポリシクロオレフィン等のポリオレフィン系樹脂、または、エラストマー類が挙げられる。
【0021】
また、紫外線硬化材料としては、水素化シルセスキオキサン等のケイ素化合物が挙げられる。なお、ケイ素化合物に、チタン、ケイ素、アルミニウム、イットリウム、または、ジルコニウム等の金属の酸化物を加えることで、光学的特性または機械的強度を付与しても構わない。
【0022】
以上のようにして形成された凹凸面上には、
図3に示すように、電気的、光学的、または、磁気的な特性を、エッチング対象物20Bに付与する機能性薄膜22が形成される。
【0023】
電気的特性を付与する材料としては、銅、銀、ニッケル、若しくはタングステン等の金属またはそれらの合金が挙げられるだけでなく、酸化インジウム若しくは酸化亜鉛等の透明導電性酸化物も挙げられる。
【0024】
また、光学的特性を付与する材料としては、酸化ケイ素、酸化ニオブ、または、窒化ケイ素等が挙げられる。
【0025】
また、磁気的特性を付与する材料としては、ネオジム、コバルト、鉄、若しくはホウ素等の合金で形成される磁性体材料、または、酸化物で形成される強相関化合物等が挙げられる。
【0026】
このような機能性薄膜22を積層させた凹凸面(エッチング予定面20S)の一部が、後述のパターニングシート10によりエッチングされるが、機能性薄膜22の厚みは、凹凸の高低差を埋めない程度の厚みであると好ましく、高低差に対して1/10以下であると好ましい。
【0027】
また、エッチング後の凹凸面に対して、例えば、密着性を担保する膜(密着性向上膜)を形成し、その密着性向上膜に対して、別の機能性薄膜が形成されてもよい。すなわち、凹凸面と別の機能性薄膜との密着性が、密着性向上膜により担保されるようにしても構わない。
【0028】
なお、以上の機能性薄膜は、例えば、化学的気相堆積(CVD)、スパッタリング、または蒸着等の物理的気相堆積(PVD)のような乾式製膜法だけでなく、印刷法等の湿式製膜法が挙げられる。
【0029】
<パターニングシート>
ここで、以上のエッチング対象物20Bをエッチングさせるためのパターニングシート10について説明する。
【0030】
パターニングシート10は、
図2に示すように、面状のシートである。そして、パターニングシート10は、
図1に示すように、(A)ベースシート11と、(B)ベースシート11に分散される粒子12と、を含む。この(A)、(B)を含むことで、パターニングシート10には、(C)粒子12に吸収かつ保持されていたエッチング溶液がベースシート11の主面11Sへ表出することにより生じる表面膜13が形成される。
【0031】
なお、表面膜13の形成される位置は、ベースシート11の2つの主面11S・11Sにおける少なくとも一方であればよい。ただし、以下、理解を容易にすべく、2つの主面11S・11Sにおける一方面11Sのみに表面膜13が形成され、他方面11Sには、エッチング溶液の表出を抑えるコーティング(不図示)がされた例を用いて説明する。
【0032】
[(A)ベースシート]
ベースシート11は、エッチング溶液等の処理液を透過させやすい樹脂で形成される(以下、樹脂に対して、処理液が透過しやすいことを、透液性が高い、と称する)。また、ベースシート11を形成する樹脂(以下、マトリックス樹脂と称することもある)には、粒子12が分散する観点から、粒子を分散させやすい変性ポリマー類が好ましく、特に、シリコーン変性ポリエーテルを主成分とするポリマーが好適である。
【0033】
なお、本明細書において、ある物質を「主成分とする」とは、当該物質の含有量が、51重量%以上、好ましくは70重量%以上、より好ましくは90重量%であることを意味する。また、本発明の機能を失わない限り、主成分以外の物質が含まれていてもかまわない。
【0034】
ここで、ベースシート11の材料[第1ポリマー]に主成分として含まれるシリコーン変成ポリエーテルについて詳説する。
【0035】
このようなシリコーン変成ポリエーテルは、(1)重合体、(2)架橋性化合物、および、(3)触媒、を含む。そして、このような組成物が硬化することで、ベースシート11は形成される。
【0036】
重合体(1)は、分子中にアルケニル基を有するポリエーテル系重合体である。詳説すると、少なくとも末端に1個以上のアルケニル基を有するポリエーテル系重合体である。アルケニル基とは、ヒドロシリル化反応に対して活性のある炭素-炭素二重結合を含む基であれば特に制限されるものではない。
【0037】
アルケニル基としては、炭素数が好ましくは2~20個、より好ましくは2~4個の脂肪族不飽和炭化水素基(例えば、ビニル基、アリル基、メチルビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基)、炭素数が好ましくは3~20個、より好ましくは3~6個の環式不飽和炭化水素基(例えば、シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等)、または、メタクリル基等が挙げられる。
【0038】
合成反応上、容易に行える点から、好ましいアルケニル基には、以下の(α)、(β)が挙げられる。下記式において、R1は水素原子または炭素数1~10の炭化水素基であり、好ましくは水素原子またはメチル基である。
(α)H2C=C(R1)-
(β)HC(R1)=CH-
【0039】
重合体(1)は、1分子中に平均して少なくとも1個、好ましくは1~5個、より好ましくは1~3個のアルケニル基を有する。重合体(1)1分子中のアルケニル基の数が平均して1個未満では硬化性が不十分になる傾向がある。
【0040】
重合体(1)の基本骨格たるポリエーテル系重合体の典型例としては、一般式(-R2-O-)で表される繰り返し単位からなるポリオキシアルキレン系重合体が挙げられる。ここで、-R2-は、2価のアルキレン基である。入手上、作業性の点から、好ましい重合体(1)の主鎖はポリオキシプロピレンである(すなわち、前記-R2-が-CH2CH(CH3)-である)。前記ポリエーテル系重合体は、1種類の繰り返し単位からなるものであっても、複数の繰り返し単位からなるものであってもよい。前記ポリエーテル系重合体は、直鎖状の重合体であってもよいし、分岐を有する重合体であってもよい。
【0041】
重合体(1)のアルケニル基以外の部分はすべてポリエーテル骨格から形成されることが好ましいが、それ以外の構造単位を含んでいてもよい。その場合、重合体(1)に占めるポリエーテル骨格の総和は好ましくは80重量%以上であり、より好ましくは90重量%以上である。
【0042】
また、室温での作業性の点から、重合体(1)の分子量は、数平均で3,000~50,000が好ましく、6,000~50,000がより好ましく、10,000~30,000が特に好ましい。数平均分子量が3000未満のものでは、得られる硬化物が脆くなる傾向があり、逆に数平均分子量が50000を超えると、高粘度になって作業性が低下する傾向にある。なお、前記分子量は、サイズ排除クロマトグラフィーで測定されるポリスチレン換算数平均分子量である。
【0043】
また、アルケニル基のポリエーテル系重合体への結合様式は特に限定はなく、例えば、アルケニル基の直接結合、エーテル結合、エステル結合、カーボネート結合、ウレタン結合、または、ウレア結合が挙げられる。
【0044】
また、重合体(1)の製造方法は特に限定なく、例えば、ポリエーテル系重合体を得た後にアルケニル基を導入する方法が例示される。この場合、ポリエーテル系重合体は種々の公知の製造法を適用することができ、さらに市販のポリエーテル系重合体を用いてもよい。
【0045】
また、ポリエーテル系重合体にアルケニル基を導入する方法もまた公知である。例えば、アルケニル基を有するモノマー(例えば、アリルグリシジルエーテル)とポリエーテル系重合体を合成するためのモノマーとを共重合させる方法、または、官能基(例えば、水酸基、アルコキシド基)を所望の部分(主鎖の末端等)に予め導入しておいたポリエーテル系重合体に、当該官能基に対して反応性を有する官能基とアルケニル基とを両方有する化合物(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、酢酸ビニル、アクリル酸クロライド等)を反応させる方法等が挙げられる。
【0046】
次に、架橋性化合物(2)について説明する。架橋性化合物(2)は、分子中にヒドロシリル基を有するオルガノハイドロシロキサン化合物である。詳説すると、架橋性化合物(2)は、分子中に1~10個のヒドロシリル基を有するオルガノハイドロシロキサン化合物である。
【0047】
ヒドロシリル基とはSi-H結合を有する基を意味する。本明細書においては、同一ケイ素原子(Si)に水素原子(H)が2個結合している場合は、ヒドロシリル基2個と計算する。架橋性化合物(2)の、ヒドロシリル基以外の化学構造は特に限定はない。
【0048】
滴定によって得られるSiH基価から算出される架橋性化合物(2)の数平均分子量は、好ましくは400~3,000であり、より好ましくは500~1,000である。数平均分子量が低すぎると加熱硬化時に揮発し易く、十分な硬化物が得られ難い傾向にあり、高すぎると硬化速度が遅くなる傾向にあるためである。
【0049】
架橋性化合物(2)一分子に含まれるヒドロシリル基の個数は、1~10個であり、好ましくは2~8個である。ヒドロシリル基が2個以上であれば、硬化の際に複数の重合体(1)分子を架橋することができる。ただし、ヒドロシリル基の数が多すぎると、架橋性化合物(2)の安定性が悪くなり、そのうえ硬化後も多量のヒドロシリル基が硬化物中に残存するため、エッチング特性に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0050】
なお、架橋の粗密は、重合体(1)の主鎖たるポリエーテル部同士間の粗密に影響し、さらには透液性にも影響を及ぼす。よって、透液性とのバランスを考慮して架橋性化合物(2)のヒドロシリル基の数を選択すべきである。また、架橋性化合物(2)は単独で用いてもよいし、2種類以上併用してもよい。また、架橋性化合物(2)は、重合体(1)と良好に相溶するものが好ましい。
【0051】
原材料の入手のし易さ、または、重合体(1)への相溶性の面から、好適な架橋性化合物(2)として、有機基で変性されたオルガノハイドロジェンシロキサンが例示される。オルガノハイドロジェンシロキサンの典型例は、下記(γ)で表される化合物である。
【化1】
【0052】
前記(γ)のaの値が分子中のヒドロシリル基の数の数と一致する。a+bの値は特に限定はないが、好ましくは2~50である。Rは主鎖の炭素数が2~20の炭化水素基である。
【0053】
前記(γ)の化合物は、未変性のメチルハイドロジェンシリコーンを変性してRを導入することにより得ることができる。未変性のメチルハイドロジェンシリコーンとは、前記(γ)においてRが全てHである化合物に相当し、株式会社シーエムシー発行(1990.1.31)の「シリコーンの市場展望-メーカー戦略と応用展開-」にも記載されているように、各種変性シリコーンの原料として用いられている。
【0054】
Rの導入のための有機化合物としては、α-オレフィン、スチレン、α-メチルスチレン、アリルアルキルエーテル、アリルアルキルエステル、アリルフェニルエーテル、アリルフェニルエステル等が挙げられる。変性のために加える上述の有機化合物の量によって、変性後の分子中のヒドロシリル基の数を調節することができる。
【0055】
なお、重合体(1)と架橋性化合物(2)との量の比は、重合体(1)に由来するアルケニル基の総量に対する、架橋性化合物(2)に由来するヒドロシリル基の総量によって表現される。粘着剤組成物中のアルケニル基の総量1モルあたりのヒドロシリル基の総量の大小によって、硬化後の架橋密度の高低がきまる。適度な透液性を考慮すると、アルケニル基の総量1モルあたりのヒドロシリル基の総量は、好ましくは0.3~0.8モルであり、より好ましくは0.4~0.7モルである。
【0056】
次に、触媒(3)について説明する。触媒(3)であるヒドロシリル化触媒としては特に限定されず、ヒドロシリル化反応を促進するものであれば任意のものを使用できる。
【0057】
例えば、触媒(3)としては、白金-ビニルシロキサン触媒が挙げられる。具体的には、塩化白金酸、白金-ビニルシロキサン錯体(例えば、白金-1,3-ジビニル-1,1,3,3,-テトラメチルジシロキサン錯体、または、白金-1,3,5,7-テトラビニル-1,3,5,7-テトラメチルシクロテトラシロキサン錯体)、白金-オレフィン錯体(例えば、Ptx(ViMe2SiOSiMe2Vi)y、Pt[(MeViSiO)4]z (但し、x、y、zは正の整数を示す))等が例示される。
【0058】
これらのうちでも、触媒の活性の点からは、強酸の共役塩基を配位子として含まない白金錯体触媒が好ましく、白金-ビニルシロキサン錯体がより好ましく、白金-1,3-ジビニル-1,1,3,3,-テトラメチルジシロキサン錯体または白金-1,3,5,7-テトラビニル-1,3,5,7-テトラメチルシクロテトラシロキサン錯体が特に好ましい。
【0059】
触媒(3)の量は特に制限はないが、重合体(1)によるアルケニル基の総量1モルに対して、好ましくは10-8~10-1モルであり、より好ましくは10-6~10-3モルである。この範囲内であれば、適切な硬化速度、安定な硬化性、必要なポットライフの確保等が達成し易くなる。
【0060】
以上のような材料[第1ポリマー]で形成されたベースシート11には、好適な厚みが存在するが、粒子12に関連性が高いことから、詳細は後述する。
【0061】
[(B)粒子および(C)表面膜]
次に、粒子12および表面膜13について説明する。粒子12は、保液性のポリマーで形成される。そして、このような粒子12は、エッチング溶液を内部に保持するとともに、マトリックス樹脂中に分散された後には、そのエッチング溶液をマトリックス樹脂において放出する。そして、放出されたエッチング溶液は、ベースシート11の主面11Sにおいて、表面膜13となる。
【0062】
すると、
図5Aに示すように、粒子12を分散させたベースシート11上に表面膜13を生じさせたパターニングシート10に対して、
図5Bに示すように、エッチング対象物20Bの機能性薄膜22を積層させた凹凸面(エッチング予定面20S)が接触すると[接触工程]、表面膜13のエッチング溶液が凸の頂上に形成された機能性薄膜22に付着する。その後、表面膜13とエッチング予定面20Sとを乖離させると[乖離工程]と、
図5Cに示すように、その付着部分のみが溶解し、エッチング構造物20Aが完成する。なお、この後に、エッチング予定面20Sを除去洗浄するリンス工程が行われると好ましい。
【0063】
このようなエッチング溶液を保持しつつも放出もするという機能を果たすべく、粒子12は、多孔質材料で形成されると好ましい。具体的な多孔性は、密度(かさ比重)で表現でき、この密度は、0.1以上0.9以下であると好ましく、0.3以上0.8以下であるとより好ましく、0.5~0.8であると特に好ましい。
【0064】
かさ比重が大きすぎる場合には、エッチング溶液の保持よりも放出が優勢となり、パターニングシート上の表面膜(エッチング溶液層)が多くなり、局所的なエッチングが困難となる。一方で、小さすぎるかさ比重では、エッチング溶液の保持が放出よりも優勢となり、連続エッチング処理において、パターニングシートにおける表面膜が消失し、エッチング溶液が枯渇してしまう。
【0065】
つまり、以上の範囲のかさ比重であれば、エッチング液をベースシート11の表面11Sのみに存在させられ、さらに、この表面膜13がエッチング対象物20Bと接触することで、そのエッチング対象物20B側に移動した(すなわち、ベースシート11の主面11Sからエッチング溶液が失われた)としても、その処理液の損失分が新たにベースシート11内部から主面11Sに向けて拡散していき、長時間にわたり、パターニングシート10において、エッチング溶液で形成される表面膜13が維持される。そのため、パターニングシート10は、連続エッチング処理に好適である。
【0066】
粒子12の材料[第2ポリマー]としては、例えば、セルロース若しくはその誘導体(例えば、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース)、または、多孔質シリカが挙げられる。この中でも、エッチング溶液による膨潤または取り扱いやすさの観点から、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、または、カルボキシメチルセルロースが好適である。
【0067】
なお、粒子12は、マトリックス樹脂に混錬されるが、その添加量は、マトリックス樹脂を100重量部とした場合に、好ましくは5重量部以上50重量部以下、さらに好ましくは10重量部以上25重量部以下である。
【0068】
このような添加量であれば、マトリックス樹脂のタックが抑制され、かつ、粒子12がベースシート11の主面11Sに露出し難くなるため、エッチング溶液の主面11Sへの過剰な拡散が防止される。また、添加量が少なすぎることによる、エッチング溶液不足またはエッチング構造物20Aの生産性悪化が抑制される。
【0069】
なお、ベースシート11の厚みは、粒子12の平均粒子径とのバランスによって決定される。具体的には、ベースシート11の厚みは、粒子12の平均粒子径のおよそ3~5倍程度であると好ましい。
【0070】
例えば、粒子12が、平均粒子径20μmのカルボキシメチルセルロースで形成されている場合、ベースシート11の厚みは、60μm以上100μm以下であると好ましい。このようなベースシート11の厚みの設定は、粒子12の露出防止と、マトリックス樹脂のタック抑制の観点から決められる。
【0071】
なお、エッチング溶液は、エッチング対象物20B、詳説すると、機能性薄膜22を溶かす液であれば、特に限定されない。
【0072】
例えば、機能性薄膜22が酸化インジウムまたは酸化亜鉛等の透明導電性酸化物である場合、エッチング溶液は、硝酸と塩酸との混合溶液が好適である。また、機能性薄膜22が銅の場合には酸化鉄(III)水溶液、ニッケルの場合には硝酸が、エッチング溶液として好適である。
【0073】
この他にも、有機化合物をエッチングするためには、それに適した溶媒を使用することも考えられるが、マトリックス樹脂の溶解等を考えると、アセトンまたはメチルエチルケトン等のケトン類は不適である。また、無機の酸をエッチング溶液として用いる場合にも、マトリックス樹脂の加水分解反応を抑制する観点から、低濃度であると好ましく、好ましくは20重量%以下の水溶液、より好ましくは10重量%以下の水溶液であればよい。
【0074】
なお、粒子12へのエッチング溶液の保持のさせ方は、特に限定されるものではない。例えば、粒子12を分散させたマトリックス樹脂をシート状にした後に、エッチング溶液に浸たすやり方が挙げられる。
【0075】
また、エッチングプロセスの温度は、粒子12からのエッチング溶液の揮発、マトリックス樹脂の熱分解、または3次元構造物の耐熱性等を考慮しながら任意に設定すればよい。例えば、エッチング速度の制御の観点から、好ましくは60℃以下、より好ましくは45℃以下であるとよい。
【0076】
また、パターニングシート10とエッチング対象物20Bとの接触、例えば、パターニングシート10に対してエッチング対象物20Bを押し当てる場合の加重は、パターニングシート10およびエッチング対象物20Bの弾性率を考慮しながら任意に設定すればよい。例えば、加重は、好ましくは0.2N/m2以上10.0N/m2以下、より好ましくは0.8N/m2以上5.0N/m2以下であるとよい。
【0077】
このような範囲であれば、エッチングのターゲット(すなわち、エッチング予定面20Sにおける凸の頂上の機能性薄膜22)が確度よくエッチングされ、ターゲット以外の箇所のエッチングは抑制される。
【0078】
また、含浸させるエッチング溶液が自己組織化化合物(Self-Assembled Monolayer)であると、エッチング予定面20Sの例えば凸の頂上のみに、エッチング溶液を形成させて、これをマスクとしてエッチングすることで、頂上部以外の箇所をエッチングしても構わない。
【0079】
以上のように、パターニングシート10は、(A)エッチング溶液を透過させる第1ポリマーで形成されるベースシート11と、(B)エッチング溶液を吸収かつ保持する第2ポリマーで形成され、ベースシート11に分散される粒子12と、を含む。そして、このようなパターニングシート10であると、(C)エッチング溶液のベースシート11の主面11Sへの表出により生じる表面膜13が形成される。
【0080】
また、エッチング対象物20Bをエッチングすることで製造されるエッチング構造物20Aの製造方法では、エッチング対象物20Bにおけるエッチング予定面20Sに対して、パターニングシート10の表面側(詳説すると表面膜13)を接触させる接触工程と、その表面側をエッチング予定面20Sから乖離させる乖離工程と、を含む。
【0081】
このようなパターニングシート10を使用して、エッチング構造物20Aを製造する場合、エッチング予定面20Sが凹凸面であっても、その凹凸に対するパターニングシート10の位置合わせは不要になる。そのため、複雑なエッチング対象物20Bが簡易にエッチングされて、エッチング構造物20Aが製造される。
【0082】
また、パターニングシート10の表面側におけるエッチング溶液で形成される表面膜13は、エッチング溶液を保持する粒子12から、適切に補充されるので枯渇しにくく、例えば1枚のパターニングシート10で、多数のエッチング対象物20Bに対して、連続して、エッチングが行える。したがって、エッチング構造物20Aの生産性が高まる。
【0083】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【実施例】
【0084】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0085】
<評 価>
[エッチング性]
パターニングシートを繰り返し使用し、20回目のエッチングにて製造されたエッチング構造物の断面をSEMで観察し、凹凸面における凸の頂上と凹の底との膜厚を比較した。各層の膜厚または粒子の粒径は、SEM(フィールドエミッション型走査型電子顕微鏡S4800、日立ハイテクノロジーズ社製)を用い、10万倍の倍率で観察し、測定した。
【0086】
そして、[1]凹における底の膜厚がエッチング前後で90%以上保持していること、[2]凸における頂上の膜厚が底の膜厚と比較して7%以下であること、の2点を満たすものを合格(○)とし、それ以外を不合格(×)とした(下記表1参照)。
【0087】
<エッチング対象物の作製>
(A)凹凸の形成
ポリメタクリル酸メチル(PMAA、シグマアルドリッチ製)をトルエンに20重量%の濃度で溶解し、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ製 ルミラーU48、厚み100μm)上にスピンコート法でコーティングした。その後、85℃のオーブンで乾燥し、50μm厚のPMMA層を形成した。
【0088】
そして、
図6に示すような金型40を銅で作製し{(La):100μm、(Lb):50μm、(Lc):100μm)}、この金型を170℃に加熱した後に、10kNの荷重をかけながらゆっくりとPMMA層に押し当て、50μmの深さまで加重した。この状態で20分間保持し、金型40の温度を25℃まで降温した。その後、金型をゆっくりと外し、PMMA層に凹凸を付与した。
【0089】
(B)機能性薄膜の形成
(B-1)
(A)で作製した凹凸付きPMMA層(基板)を真空チャンバーに投入し、マグネトロンスパッタリング法でインジウム錫複合酸化物(ITO、酸化錫10重量%)を100nmの膜厚で製膜した。膜厚は、凹凸面における頂上で測定した。製膜条件は、アルゴンガスに対して、酸素ガスを抵抗値が最小となる流量(いわゆるボトム流量)導入し、0.6Paの圧力で0.7W/cm2のパワー密度とし、25℃の基板温度で製膜した。その後、135℃のオーブンに入れて、2時間熱処理を実施することで、ITOを結晶化した。
【0090】
(B-2)
(A)で作製した凹凸形状付きPMMA層(基板)を真空チャンバーに投入し、マグネトロンスパッタリング法で銅(Cu)を400nmの膜厚で製膜した。膜厚は凹凸面における頂上で測定した。製膜条件は、アルゴンガスを導入し、0.6Paの圧力で0.5W/cm2のパワー密度とし、25℃の基板温度で製膜した。
【0091】
<パターニングシートの作製>
以下の(1)~(4)を混合し、減圧脱泡(0.01MPa以下、10分間)し、組成物を作製した。
【0092】
ベースシートの材料としては、以下の(1)~(3)を使用した。
(1)アリル末端ポリオキシプロピレン
:500g(商品名カネカサイリルACS003、カネカ製)
(2)ポリオルガノハイドロジェンシロキサン
:33g(商品名CR100、カネカ製)
(3)ビス(1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン)白金錯体触媒(白金含有率3wt%、キシレン溶液)
:0.30g
【0093】
粒子(4)の材料としては、以下の(4-1)または(4-2)のどちらかを使用した。
(4-1)ヒドロキシプロピルメチルセルロース
:50g(商品名TC-5、信越化学工業性)
(4-2)カルボキシメチルセルロース
:50g(ダイセルファインケム製)
【0094】
以上の(1)~(4)を含む組成物を、2mm厚みとなるようにバーコーターで塗工させ、120℃60分間熱処理させて、粒子を含んだベースシートを作製した。
【0095】
次に、以上のベースシートにエッチング溶液を含浸させた。エッチング溶液の材料(5)としては、以下の(5-1)または(5-2)のどちらかを使用した。
【0096】
(5-1)透明導電膜エッチング溶液(商品名ITO-02、関東化学製)を水で5倍に薄めたものをエッチング溶液とした。この液に粒子を含んだベースシートを浸漬させ、15分間放置した。そして、ベースシートを取り出した後、表面に過剰に溜まっているエッチング溶液を軽く拭き取ることで、パターニングシートを完成させた。
【0097】
(5-2)塩化鉄(III)(高純度化学研究所製)を水に溶かし、5重量%の濃度の水溶液とした。この液に粒子を含んだベースシートを浸漬させ、15分間放置した。そして、ベースシートを取り出した後、表面に過剰に溜まっているエッチング溶液を軽く拭き取って、パターニングシートを完成させた。
【0098】
<エッチング工程>
作製したパターニングシートに、機能性薄膜を有するエッチング対象物を押し当て、1.0N/m2の荷重をかけて30秒間処理した。エッチング対象物をパターニングシートからはずした後に、水で十分に洗浄し、80℃のオーブンで乾燥させることでエッチング構造物を完成させた。なお、以下の各実施例および比較例において、1枚のパターニングシートを用いて、20個のエッチング対象物をエッチングして、エッチング構造物を作製し、20個目のエッチング構造物に対して、評価を行った。
【0099】
[実施例1~4]
表1に示すように、エッチング構造物(エッチング対象物)における機能性薄膜として、実施例1、3ではITO(前記B-1)を使用し、実施例2、4では銅(前記B-1)を使用した。
【0100】
パターニングシートにおける粒子として、実施例1、2ではヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC、前記(4-1))を使用し、実施例3、4ではカルボキシメチルセルロース(CMC、前記(4-2))を使用した。
【0101】
また、パターニングシートにおけるエッチング溶液として、実施例1、3ではITOの溶解に好適なエッチング溶液(前記5-1)を使用し、実施例2、4では銅の溶解に好適なエッチング溶液(前記5-2)を使用した。
【0102】
[比較例1]
比較例1では、粒子を添加せずに、前記(1)~(3)のみでパターニングシートを作製した。また、ITO(前記B-1)を機能性薄膜として使用し、ITOの溶解に好適なエッチング溶液(前記5-1)を使用した。
【0103】
【0104】
各実施例と比較例とを比べると、粒子を含有するパターニングシートを用いることで、エッチング性が良好であることを確認した。比較例でエッチング特性が不合格となったのは、パターニングシート内でエッチング液を十分に保持できず、繰り返しの使用に伴いエッチング液が枯渇してきたことが原因と考えられる。
【0105】
実施例では、パターニングシート内でのエッチング液の保持が十分にされており、今回検討した実施例ではエッチング液によってパターニングシートが化学的に分解されることもなく、良好なエッチング性を示した。
【符号の説明】
【0106】
10 パターニングシート
11 ベースシート
11S ベースシートの主面
12 粒子
13 表面膜
20B エッチング対象物
20S エッチング予定面
20A エッチング構造物
21 基材
22 機能性薄膜