(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-22
(45)【発行日】2022-08-01
(54)【発明の名称】電力制御方法および通信装置
(51)【国際特許分類】
H04W 52/24 20090101AFI20220725BHJP
H04W 92/18 20090101ALI20220725BHJP
H04W 52/32 20090101ALI20220725BHJP
H04W 52/46 20090101ALI20220725BHJP
H04W 52/18 20090101ALI20220725BHJP
H04W 52/28 20090101ALI20220725BHJP
【FI】
H04W52/24
H04W92/18
H04W52/32
H04W52/46
H04W52/18
H04W52/28
(21)【出願番号】P 2019565444
(86)(22)【出願日】2017-07-10
(86)【国際出願番号】 CN2017092408
(87)【国際公開番号】W WO2019010618
(87)【国際公開日】2019-01-17
【審査請求日】2020-01-22
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】特許業務法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン リレイ
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 秀俊
【審査官】青木 健
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/181547(WO,A1)
【文献】特表2015-519028(JP,A)
【文献】国際公開第2016/070637(WO,A1)
【文献】Intel Corporation,Sidelink Power Control for Wearable and IoT Use Cases[online],3GPP TSG RAN WG1 #89 R1-1707334,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_89/Docs/R1-1707334.zip>,2017年05月15日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 - 99/00
H04B 7/24 - 7/26
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
データの送信先である複数の目標受信機のそれぞれの優先度を決定し、少なくとも、前記優先度が最も高いまたは電力閾値よりも高い電力を用いて前記データが送信される特定の目標受信機に関係付けられる電力損失特徴に従って、前記データを送信するための電力を割り当てるように動作可能な回路と、
前記割り当てられている電力を用いて、
前記複数の目標受信機のそれぞれに配分される複数のリソースブロックを含むサブフレーム内で、前記複数の目標受信機に前記データを送信するように動作可能な送信機と、
を備える通信装置。
【請求項2】
前記回路は、それぞれの前記目標受信機への前記データの送信に関する電力スペクトル密度(PSD)を推定し、前記推定PSD間の推定PSD差を計算するように動作可能であり、
前記回路は、前記計算されている推定PSD差のうちの少なくとも1つがPSD閾値よりも大きいことに応答して前記複数の目標受信機のそれぞれの優先度を決定するように動作可能である、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記回路は、前記通信装置とそれぞれの前記目標受信機との間の距離の差のうちの少なくとも1つが距離差閾値よりも大きいことに応答して前記複数の目標受信機のそれぞれの優先度を決定するように動作可能である、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項4】
前記PSD閾値は、前記通信装置の電力割り当て容量に基づいて構成または事前構成または定義される、
請求項2に記載の通信装置。
【請求項5】
前記回路が、
前記目標受信機の前記推定PSDに応じて前記目標受信機の前記優先度を決定するように動作可能である、
請求項2に記載の通信装置。
【請求項6】
前記回路が、
前記通信装置と前記目標受信機との間の距離に応じて前記目標受信機の前記優先度を決定するように動作可能である、
請求項3に記載の通信装置。
【請求項7】
前記回路が、
前記目標受信機に送信される前記データのQoS関連優先度に応じて前記目標受信機の前記優先度を決定するように動作可能である、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項8】
前記割り当てられている電力は、基地局に関係付けられる電力損失特徴によって計算される電力制限よりも低い、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項9】
前記特定の目標受信機に関係付けられる前記電力損失特徴は、前記通信装置と、前記特定の目標受信機との間の経路上の電力消費を示す経路損失を含み、前記基地局に関係付けられる前記電力損失特徴は、前記基地局と前記通信装置との間の経路上の電力消費を示す経路損失を含む、
請求項8に記載の通信装置。
【請求項10】
リソースブロックは、サブフレームごとに、前記目標受信機に送信される前記データに配分される、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項11】
前記通信装置は中継ユーザ機器(UE)であり、前記目標受信機は、遠隔UEおよび基地局の少なくともいくつかである、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項12】
前記通信装置は、中継UEが前記目標受信機に前記データを送信するための電力を割り当てるための基地局であり、前記目標受信機は、遠隔UEおよび基地局の少なくともいくつかである、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項13】
通信装置における電力制御方法であって、
データの送信先である複数の目標受信機のそれぞれの優先度を決定するステップと、
少なくとも、前記優先度が最も高いまたは電力閾値よりも高い電力を用いて前記データが送信される特定の目標受信機に関係付けられる電力損失特徴に従って、前記データを送信するための電力を割り当てるステップと、
前記割り当てられている電力を用いて、
前記複数の目標受信機のそれぞれに配分される複数のリソースブロックを含むサブフレーム内で、前記複数の目標受信機に前記データを送信するステップと、
を含む方法。
【請求項14】
前記方法は、
それぞれの前記目標受信機への前記データの送信に関する電力スペクトル密度(PSD)を推定するステップと、
推定されたPSDの間のPSD差を推定するステップと、
をさらに含み、
前記複数の目標受信機のそれぞれの優先度は、推定されたPSD差のうちの少なくとも1つがPSD閾値よりも大きいことに応答して決定される、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記複数の目標受信機のそれぞれの優先度は、前記通信装置とそれぞれの前記目標受信機との間の距離の差のうちの少なくとも1つが距離差閾値よりも大きいことに応答して決定される、
請求項13に記載の方法。
【請求項16】
複数の目標受信機のそれぞれの優先度を決定する前記ステップは、
前記目標受信機の前記推定PSDに応じて前記目標受信機の前記優先度を決定するステップを含む、
請求項14に記載の方法。
【請求項17】
複数の目標受信機のそれぞれの優先度を決定する前記ステップは、
前記通信装置と前記目標受信機との間の距離に応じて前記目標受信機の前記優先度を決定するステップを含む、
請求項15に記載の方法。
【請求項18】
複数の目標受信機のそれぞれの優先度を決定する前記ステップは、
前記目標受信機に送信される前記データのQoS関連優先度に応じて前記目標受信機の前記優先度を決定するステップを含む、
請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記割り当てられている電力は、基地局に関係付けられる電力損失特徴によって計算される電力制限よりも低い、
請求項13に記載の方法。
【請求項20】
前記データは
、前記複数の目標受信機に同時に送信される、
請求項1に記載の通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の技術は、ワイヤレス通信の分野に関し、より詳細には、通信装置、および、複数の目標受信機にデータを送信するための電力を制御するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
Further enhancement of device to device(FeD2D)は、ウェアラブルデバイス/モノのインターネット(IoT)デバイスと中継ユーザ機器(UE)との間の通信を最適化することを目標とする作業項目である。FeD2Dにおいて、中継UEが、各々がそれぞれの遠隔UEを目標とする物理リソースブロック(PRB)を含むサブフレームを送信するための送信時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)内で同時に複数の遠隔UE(IoTデバイスを含む)と通信することができる。異なるPRBによって異なる目標受信機に配分されているデータを送信するために、中継UEは、遠隔UEにおける一定の受信電力を保証するために、それぞれのPRBを配分されているデータを送信するためのそれぞれの電力を割り当てることができる。そのような場合、データを送信するための電力スペクトル密度(PSD)の間の差は、中継UEとそれぞれの遠隔UEとの間の経路損失が異なることに起因して、相対的に大きくなる可能性があり、そのような差は、中継UEの無線周波数(RF)制限を超える可能性があり、中継UEの電力制御実施に課題をもたらす可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
1つの非限定的で例示的な実施形態は、PRB間のPSD差をなくすこと、および、電力制御を効率的に実施することを容易にする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
1つの一般的な態様において、データが送信される複数の目標受信機のそれぞれの優先度を決定し、少なくとも、優先度が最も高いまたは電力閾値よりも高い特定の目標受信機に関係付けられる電力損失特徴に従って、データを送信するための電力を割り当てるように動作可能な回路と、割り当てられている電力を用いて、複数の目標受信機にデータを送信するように動作可能な送信機とを備える、通信装置が提供される。
【0005】
別の一般的な態様において、データが送信される複数の目標受信機のそれぞれの優先度を決定することと、少なくとも、優先度が最も高いまたは電力閾値よりも高い特定の目標受信機に関係付けられる電力損失特徴に従って、データを送信するための電力を割り当てることと、割り当てられている電力を用いて、複数の目標受信機にデータを送信することとを含む、通信装置における電力制御方法が提供される。
【0006】
別の一般的な態様において、送信機からある電力を用いて送信されるデータを受信するように動作可能な受信機と、受信されているデータを復号するように動作可能な回路とを備え、送信機からのデータの送信先である複数の目標受信機のうちの1つであり、当該受信機のそれぞれの優先度は送信機によって決定され、電力は、少なくとも、優先度が最も高いまたは電力閾値よりも高い特定の目標受信機に関係付けられる電力損失特徴に従って割り当てられる、通信装置が提供される。
【0007】
別の一般的な態様において、送信機からある電力を用いて送信されるデータを受信することと、受信されているデータを復号することとを含み、通信装置は、送信機からのデータの送信先である複数の目標受信機のうちの1つであり、当該受信機のそれぞれの優先度は送信機によって決定され、電力は、少なくとも、優先度が最も高いまたは電力閾値よりも高い特定の目標受信機に関係付けられる電力損失特徴に従って割り当てられる、通信方法が提供される。
【0008】
一般的なまたは特定の実施形態は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム、記憶媒体、またはそれらの任意の選択的な組み合わせとして実施することができる。
【0009】
開示されている実施形態の追加の恩恵および利点が、本明細書および図面から明らかとなろう。恩恵および/または利点は、本明細書および図面の様々な実施形態および特徴によって個々に得ることができ、そのような恩恵および/または利点の1つまたは複数を得るためにすべてが与えられる必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1A】本開示の一実施形態による電力制御方式を適用する適用シナリオの一例を示す概略図である。
【
図1B】本開示の一実施形態による電力制御方式を適用する適用シナリオの一例を示す概略図である。
【
図1C】本開示の一実施形態による電力制御方式を適用する適用シナリオの一例を示す概略図である。
【
図2A】本開示の一実施形態による電力制御方法の一例を示す概略図である。
【
図2B】本開示の一実施形態による電力制御方法の一例を示す概略図である。
【
図3A】本開示の一実施形態による電力制御方式を適用する適用シナリオの一例を示す概略図である。
【
図3B】データの送信先である
図3Aに示す目標受信機の優先度決定方式の一例を示す概略図である。
【
図4】複数のサブフレームにおいてデータが送信される目標受信機の優先度決定方式および電力割り当て方式の一例を示す概略図である。
【
図5A】本開示の別の実施形態による電力制御方式を適用する適用シナリオの一例を示す概略図である。
【
図5B】データの送信先である
図5Aに示す基地局の優先度決定方式の一例を示す概略図である。
【
図6】本開示の一実施形態による、基地局が関与しないときの通信装置と目標受信機との間の通信のフローチャートを示す概略図である。
【
図7】本開示の一実施形態による、基地局が関与するときの通信装置と目標受信機との間の通信のフローチャートを示す概略図である。
【
図8】本開示の別の実施形態による、基地局が関与するときの通信装置と目標受信機との間の通信のフローチャートを示す概略図である。
【
図9】本開示の一実施形態による、通信装置における通信方法の一例を示す概略図である。
【
図10】本開示の一実施形態による通信装置の一例を示す概略図である。
【
図11】本開示の別の実施形態による通信装置の一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
これより、通信方法、装置およびシステムに関する図面を参照して、実施形態を説明する。本発明の技術は、多くの異なる形態および多くの異なる順序で具現化することができ、本明細書に記載されている実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全であり、本発明の技術を当業者に十分に伝達するように提供される。事実、本発明の技術は、添付の特許請求の範囲によって定義される本技術の範囲および趣旨内に含まれる、これらの実施形態の代替形態、修正形態および均等物を包含するように意図されている。さらに、本発明の技術の以下の詳細な説明において、本技術の徹底的な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が記載される。しかしながら、本発明の技術はそのような具体的な詳細なしに実施されることができることは当業者には明らかであろう。
【0012】
方法のステップの順序および構成要素の構造が本明細書において例示を目的として提供されているが、これは限定のためではない。本発明の技術の以下の詳細な説明は、例示および説明の目的で提示される。排他的であることも、本発明の技術を開示された正確な形態に限定することも意図されてはいない。上記の教示を考慮して多くの改変および変更が可能である。記載されている実施形態は、本発明の技術の原理およびその実際の適用を最良に説明するために、それによって、当業者が、本発明の技術を様々な実施形態において、企図される特定の使用に適するように様々な改変を加えて最良に利用することを可能にするように、選択されている。本発明の技術の範囲は本明細書に添付される特許請求の範囲によって画定されることが意図されている。
【0013】
図1A~
図1Cは本開示の一実施形態による電力制御方式を適用する適用シナリオの例を概略的に示す。
【0014】
図1Aに示すように、適用シナリオは、基地局、中継UE、ならびに、遠隔UE1および遠隔UE2のような複数の遠隔UE(例えば、IoTデバイス)を含む。中継UEは、アップリンクおよびダウンリンクを介した双方向モードにおいて基地局と通信し、遠隔UEにデータを送信し、および/または、遠隔UEからデータを受信することによって、サイドリンクを介した双方向モードにおいて遠隔UEと通信する。また、リソースブロックによって配分されるデータを、中継UEと遠隔UEとの間で通信することができる。データを基地局および/または遠隔UEに送信するための電力を割り当てるために、本開示の実施形態による電力制御方法を、
図1Aに示す適用シナリオに適用することができる。
【0015】
例えば、
図1Bに示すように、適用シナリオは、基地局1および基地局2のような複数の基地局、ならびに中継UEを含む。中継UEは、アップリンクおよびダウンリンクを介した双方向モードにおいて複数の基地局と通信する。また、リソースブロックによって配分されるデータを、中継UEと基地局との間で通信することができる。
【0016】
図1Cに示すように、適用シナリオは、基地局、中継UE、および遠隔UEを含む。中継UEは、アップリンクおよびダウンリンクを介した双方向モードにおいて基地局と通信し、サイドリンクを介して遠隔UEと通信する。また、リソースブロックによって配分されるデータを、中継UEと遠隔UEとの間、および、中継UEと基地局との間で通信することができる。
【0017】
基地局は、発展型ノードB(eNB)、gNB、および種々の通信規格における他のタイプの基地局と呼ばれる場合があることに留意されたい。
【0018】
したがって、データの送信先である目標は、下記においてまとめて目標受信機として参照される場合がある。そのため、種々のシナリオにおいて、目標受信機は、複数の遠隔UE、複数の基地局、ならびに、遠隔UEおよび複数の基地局の一部を含む場合がある。また、目標受信機に送信されるデータは、物理共有チャネル(PSSCH、PDSCH、PUSCHなど)を介して送信されるユーザデータおよび/または制御チャネル(PSCCH、PDCCHなど)を介して送信される制御データを含む。
【0019】
図1A、
図1Bおよび
図1Cに示す要素は例示である。基地局および遠隔UEと通信する任意の他の通信装置が適用シナリオに適用されてもよく、任意の数の遠隔UEおよび基地局がまた適用シナリオに含まれてもよいことは理解されたい。
【0020】
図2Aは、本開示の一実施形態による、通信装置における電力制御方法200の一例を概略的に示す。
図2Aにおいて特定のステップが開示されているが、そのようなステップは例である。すなわち、本開示は、様々な他のステップまたは
図2Aに記載されているステップの変形形態を実施するのによく適している。
【0021】
通信装置は中継UEであってもよく、代替的な実施形態においては、通信装置は基地局であってもよい。
【0022】
通信装置は、回路および送信機を含むことができる。
【0023】
電力制御方法200内で、ステップ220において、通信装置の回路は、データの送信先である複数の目標受信機のそれぞれの優先度を決定する。
【0024】
ステップ240において、通信装置の回路は、少なくとも、優先度が最も高いまたは電力閾値よりも高い特定の目標受信機に関係付けられる電力損失特徴に従って、データを送信するための電力を割り当てる。
【0025】
ステップ260において、通信装置の送信機は、割り当てられている電力を用いて、複数の目標受信機にデータを送信する。
【0026】
図2Bは、本開示の一実施形態による電力制御方法の一例を概略的に示す。
図2Bに示すように、ステップ220を実施する前に、電力制御方法200は、通信装置の回路によって実施される、条件が満たされるか否かを決定するステップ210を含む。ステップ210において条件が満たされない場合、通信装置の回路は、少なくとも、各対応する目標受信機に関係付けられる電力損失特徴に従って、それぞれの目標受信機にデータを送信するための電力を割り当てる。ステップ210において判定されるものとして条件が満たされる場合、条件が満たされていることに応答してステップ220が開始され、条件を判定するステップ210および目標受信機の優先度を決定するステップ220は、
図3Aおよび
図3Bを併用して下記に例示する。
【0027】
図3Aは、本開示の一実施形態による電力制御方式を適用する適用シナリオの一例を概略的に示し、
図3Bは、データの送信先である、
図3Aに示す目標受信機の優先度決定方式の一例を概略的に示す。
【0028】
図3Aに示すように、通信装置は、目標受信機1および目標受信機2のような複数の目標受信機と通信する。例えば、通信装置から目標受信機2までの距離は、通信装置から目標受信機1までの距離よりも長い。
【0029】
図3Bに示すように、データは、それぞれの目標受信機に配分される複数のリソースブロックを含むサブフレーム#N(Nは整数)内で送信され得る。より具体的に、サブフレーム#Nにおいて、第1の帯域幅にわたる6つのリソースブロック(例えば、図面に示すような6つのPRB)が目標受信機1に配分され、第2の帯域幅にわたる6つのリソースブロックが、目標受信機2に配分される。
【0030】
一実施形態において、ステップ210において判定されるための条件は、計算される推定PSD差のうちの少なくとも1つがPSD閾値よりも大きいことを含み得る。また、回路によるステップ210は、それぞれの目標受信機へのデータの送信に関する電力スペクトル密度(PSD)を推定すること、推定PSD間のPSD差を推定すること、および、推定PSD間の推定PSD差のうちの少なくとも1つがPSD閾値よりも大きいか否かの条件が満たされることを判定することを含む。
【0031】
ステップ210の前に、電力制御方法200は、サブフレームごとに、それぞれの目標受信機にデータを送信するためのそれぞれの帯域幅およびそれぞれのサブフレーム内でリソースブロック(PRBなど)を配分するステップを含むことができる。
【0032】
一実施形態において、目標受信機にデータを送信するための推定PSDは、データを受信する目標受信機における一定の受信電力を保証するためのものである。例えば、以下の例示的な式(1)によって、目標受信機1にデータを送信するための推定PSD(PSD1)を計算することができ、目標受信機2にデータを送信するための推定PSD(PSD2)を計算することができる。
【0033】
通信装置が中継UEであり、目標受信機が遠隔UEであり、中継UEが物理サイドリンク共有チャネル(PSSCH)において遠隔UEにデータを送信する例を挙げると、式(1)は以下のとおりである。
PSD=min{PCMAX,PSSCH,10log10(MPSSCH_i)+PO_PSSCH,i+αPSSCH,1・PL_sidelink_i}/MPSSCH_i (1)
【0034】
ここで、PCMAX,PSSCHは、PSSCHの最大電力を意味し、MPSSCH_iは、対応する遠隔UE(すなわち、i番目の遠隔UE)にデータを送信するための配分されているPRBの数であり、PL_sidelink_iは、i番目の遠隔UEと中継UEとの間の距離に基づくサイドリンク経路損失であり、PO_PSSCH,iは、i番目の遠隔UEにおける目標信号対干渉雑音比(SINR)であり、αPSSCH,1はサイドリンク経路損失の係数である。
【0035】
式(1)から分かるように、PRBの数、PO_PSSCH,iおよびαPSSCH,1のような他のパラメータが遠隔UEの間で同様である場合、サイドリンク経路損失は主に、推定PSDの量に影響を与える。
【0036】
式(1)は一例に過ぎず、目標受信機が基地局または他の受信機であるとき、式(1)は式(1)の概念に照らして適合させることができる。
【0037】
ステップ210に戻って参照すると、ステップ210において、条件が満たされるか否かを判定するために、目標受信機1と目標受信機2との間の推定PSD差を計算するために推定PSD1およびPSD2が比較される。目標受信機1と目標受信機2との間の推定PSD差がPSD閾値よりも大きい場合、条件が満たされ、結果、ステップ220が開始される、すなわち、PSD1とPSD2との間のPSD差がPSD閾値よりも大きいことに応答してステップ220が開始され、PSDのより大きい目標受信機2が、優先度のより高い特定の目標受信機であると判定される。一実施形態において、PSD閾値は、通信装置の電力割り当て容量に基づいて構成または事前構成または定義することができる。
【0038】
一実施形態において、ステップ220は、目標受信機の推定PSDに応じて目標受信機の優先度を決定することを含む。特に、目標受信機の推定PSDがより大きい場合、目標受信機の優先度はより高くなり得る。目標受信機の推定PSDがより低い場合、目標受信機の優先度はより低くなり得る。
【0039】
図3Aの適用シナリオにおいて任意の数の目標受信機が含まれてもよいことは理解されたい。そのため、通信装置は、目標受信機の各々へのデータの送信に関するPSDを推定し、条件が満たされるか否かを判定するために、ステップ210において複数の目標受信機間の推定PSD差を計算する。ステップ220は、計算されている推定PSD差(いずれか1つのPSD差または最大のPSD差を含む)のうちの少なくとも1つがPSD閾値よりも大きいことに応答して開始され、PSDが最大である目標受信機が、優先度の最も高い特定の目標受信機であると判定される。
【0040】
一実施形態において、上述したように、PRBの数、PO_PSSCH,iおよびαPSSCH,1のような他のパラメータが目標受信機の間で同様である場合、サイドリンク経路損失は主に、推定PSDの量に影響を与える。推定PSDは主に、通信装置と目標受信機との間の経路における電力消費を示す経路損失と関連付けられ、経路損失は、通信装置からその目標受信機までの距離に対して直線性を有するため、対応する目標受信機のPSDは、通信装置からその目標受信機までの距離に対して直線性であるものとして近似することができる。したがって、ステップ210において判定されるための条件は、通信装置とそれぞれの目標受信機との間の距離の差のうちの少なくとも1つが距離差閾値よりも大きいことを含み得る。
【0041】
一実施形態において、ステップ220は、通信装置とそれぞれの目標受信機との間の距離の差(いずれか1つの距離差または最大の距離差を含む)のうちの少なくとも1つが距離差閾値よりも大きいことに応答して開始されてもよく、通信装置からの距離が最長である目標受信機が、優先度の最も高い特定の目標受信機であると判定される。一実施形態において、距離差閾値は、通信装置の電力割り当て容量に基づいて構成または事前構成または定義することができる。
【0042】
一実施形態において、ステップ220は、通信装置と目標受信機との間の距離に応じて目標受信機の優先度を決定することを含んでもよい。特に、通信装置と目標受信機との間の距離がより長い場合、目標受信機の優先度はより高くなり得る。特に、通信装置と目標受信機との間の距離がより短い場合、目標受信機の優先度はより低くなり得る。
【0043】
図3Aに示す適用シナリオを一例に挙げる。通信装置から目標受信機1までの距離と、通信装置から目標受信機2までの距離との間の距離差ΔDは、式(2)に従って計算することができる。
ΔD=10×log
10(D2/D1) (2)
【0044】
通信装置から目標受信機1までの距離D1が10mであり、通信装置から目標受信機2までの距離D2が100mである状況において、距離差ΔDは、式(2)に従って10dBに等しい。距離差閾値が例えば6dBとして構成または事前構成または定義される場合、この距離差ΔDは、距離差閾値よりも大きい。この距離差計算は、一例に過ぎず、他の距離差計算(D2からD1の減算など)も利用可能である。
【0045】
この場合、ステップ220は、差ΔDが距離差閾値Dthよりも大きいことに応答して開始され、ステップ220において、通信装置からの距離がより長い目標受信機2が、優先度のより高い特定の目標受信機であると判定される。
【0046】
別の実施形態において、ステップ210において判定されるための条件は、計算されている推定PSD差のうちの少なくとも1つがPSD閾値よりも大きく、かつ/または、通信装置とそれぞれの目標受信機との間の距離の差のうちの少なくとも1つが距離差閾値よりも大きいことを含んでもよく、ステップ220は、その判定されている条件に応答して実施され、ステップ220において、目標受信機の優先度は、目標受信機に送信されることになるデータのサービス品質(QoS)関連優先度に応じて決定される。特に、目標受信機に送信されることになるデータQoS関連優先度がより高い場合、目標受信機の優先度はより高くなり得る。目標受信機に送信されることになるデータQoS関連優先度がより低い場合、目標受信機の優先度はより低くなり得る。例えば、いくつかの目標受信機はそのいくつかの目標受信機を目標とする受信データのより高いQoSを必要とし、そのため、目標受信機に送信されることになるデータのQoS関連優先度はより高い。
図3Bに示すように、目標受信機2が目標受信機2を目標とするデータの目標受信機1よりも高いQoSを必要とする場合、目標受信機2は、優先度のより高い特定の受信機であると判定される。
【0047】
一実施形態において、電力閾値よりも高い電力を用いてデータが送信される目標受信機が、特定の目標受信機として選択され得る。計算されている推定PSD差のうちの少なくとも1つがPSD閾値よりも大きく、かつ/または、通信装置とそれぞれの目標受信機との間の距離の差のうちの少なくとも1つが距離差閾値よりも大きい場合、ステップ220は、その判定されている条件に応答して実施され、ステップ220において、電力閾値よりも高い電力を用いてデータが送信される目標受信機が、特定の目標受信機として選択され得る。例えば、
図3Bに示すように、電力閾値よりも高い電力を用いてデータが目標受信機2に送信され、かつ、電力閾値よりも小さい電力を用いてデータが目標受信機1に送信される場合、電力閾値よりも高い電力を用いてデータが送信される目標受信機2が、優先度のより高い特定の受信機であると判定される。
【0048】
特定の目標受信機が判定されると、ステップ240において、少なくとも、優先度が最も高いまたは電力閾値よりも高い特定の目標受信機に関係付けられる電力損失特徴に従って、データを送信するための電力が割り当てられる。
【0049】
一実施形態において、割り当てられることになる電力Pは、式(3-1)~(3-3)に従って計算することができる。
PPSSCH_remote=min{PCMAX,PSSCH,10log10(MPSSCH)+PO_PSSCH,1+αPSSCH,1・PL_remote} (3-1)
PPSSCH_eNB=min{PCMAX,PSSCH,10log10(MPSSCH)+PO_PSSCH,1+αPSSCH,1・PL_eNB} (3-2)
PPSSCH_final=min{PPSSCH_remote,PPSSCH_eNB} (3-3)
【0050】
式(3-1)において、PPSSCH_remoteは、目標受信機にデータを送信するために通信装置から送信される電力を示し、PCMAX,PSSCHは、通信装置から目標受信機にデータを送信するためのPSSCHの最大電力を示し、MPSSCHは、データtを目標受信機に送信するための配分されるリソースブロック(PRBなど)の総数であり、PL_remoteは、特定の目標受信機に関係付けられる経路損失であり、例えば、PL_remoteは、特定の目標受信機に関係付けられる電力損失特徴に従って計算され、PO-PSSCH,1は、目標送信機における目標SINRであり、αPSSCH,1は経路損失の係数であり、式(3-2)は、基地局が通信装置および/または目標受信機との通信に関与するときに計算され(例えば、通信装置は、目標受信機にデータを送信している間に基地局と通信することができる)、PPSSCH_eNBは、基地局から送信される電力を示し、PL_eNBは、基地局に関係付けられる電力損失であり、例えば、PL_eNBは、基地局に関係付けられる電力損失特徴、例えば、通信装置/目標受信機と基地局との間の距離の差に関係付けられる経路損失に従って計算され、他のパラメータは式(3-1)に示すものと同様であり、明瞭かつ簡潔にするために例示せず、式(3-3)のPPSSCH_finalは、基地局に関係付けられる電力損失特徴に関係付けられる電力損失によって計算される電力制限よりも低い最後の電力(例えば、PPSSCH_eNB)が目標受信機への送信に割り当てられることを示し、基地局が通信に関与するため、リソースブロックの送信に割り当てられる最後の電力は、基地局の電力受信容量によって制限され得る。リソースブロックの送信に割り当てられる最後の電力は、すべてのデータの合計電力であることに留意されたい。
【0051】
それゆえ、特定の目標受信機が判定されると、データの送信に割り当てられることになる合計電力Pは、式(3-1)~(3-3)に従って計算することができる。すなわち、合計電力は基地局に関係付けられる電力損失特徴によって計算されるPCMAX,PSSCH以下になるため、合計電力が基地局の電力受信容量を超えないように、合計電力は、基地局に関係付けられる電力損失特徴によって計算されるPCMAX,PSSCH、および、配分されるPRB数の総数、通信装置と特定の目標受信機との間の距離の差に関係付けられる経路損失、および目標SINRのパラメータに従って計算される電力のうちの低い方である。
【0052】
一実施形態において、特定の目標受信機に関係付けられる電力損失特徴は、通信装置と特定の目標受信機との間の経路上の電力消費を示す経路損失(例えば、上記の式のPL_remote)を含み、基地局に関係付けられる電力損失特徴は、基地局と通信装置との間の経路上の電力消費を示す経路損失(例えば、上記の式のPL_eNB)を含む。
【0053】
合計電力が決定されると、合計電力は、目標受信機にデータを送信するために割り当てられる。ステップ240において、回路は、目標受信機にデータを送信するための電力を割り当てる。一実施形態において、合計電力は、リソースブロックを含むサブフレーム内のデータを目標受信機に送信するために割り当てられる。また、各リソースブロック内のデータを送信するための各個々の電力について、合計電力Pは、目標受信機のPSDを示す各リソースブロックの個々の電力を得るために、サブフレーム内の配分されているリソースブロック(PRB)の総数によってさらに分割することができ、各リソースブロックに割り当てられる個々の電力は均等に維持されるため、目標受信機間のPSD差を排除することができ、これによって、目標受信機における一定の受信電力を保証しながら、通信装置の電力制御実施が効率的に改善される。
【0054】
一実施形態において、本開示の一実施形態による電力制御方法200は、上述したように回路によって、サブフレームごとに、目標受信機のデータにリソースブロックを配分するステップ(
図2Aまたは
図2Bには示されていない)を含む。結果として、配分方式に起因して、配分されているリソースブロックによってデータを受信することになる目標受信機は、サブフレームごとに動的に変化し得る。本開示の一実施形態による電力制御方法200は、データの送信先である目標受信機のそれぞれの優先度を決定するため、回路は、ステップ220をサブフレームごとに実施し、これによって、データを送信するための電力制御を、サブフレームごとに効率的かつ柔軟に実施することができる。
【0055】
その後、ステップ260において、通信装置の送信機は、それぞれ、割り当てられている電力を用いて、複数の目標受信機にデータを送信する。
【0056】
図4は、それぞれPSD、距離およびQoS関連優先度に基づく、データの送信先である目標受信機の優先度決定方式および電力割り当て方式の一例を概略的に示す。
【0057】
1つの実施形態において、優先度決定方式は、PSDに基づく。
【0058】
通信装置が、目標受信機1、目標受信機2、目標受信機3、および目標受信機4を含む4つの目標受信機と通信すると仮定する。また、目標受信機1と通信装置との間の距離d1が100mであり、目標受信機2と通信装置との間の距離d2が10mであり、目標受信機3と通信装置との間の距離d3が20mであり、目標受信機4と通信装置との間の距離d4が80mである。
図4に示す目標受信機の構成は例示を目的としたものに過ぎず、本発明において目標受信機の他の構成が可能であることは理解されたい。
【0059】
ステップ210において判定されるための条件は、計算されている推定PSD差のうちの少なくとも1つがPSD閾値よりも大きいことを含み、推定PSD差は、サブフレームごとに条件が満たされるか否かを判定するために計算され、計算されている推定PSD差のうちの少なくとも1つがPSD閾値よりも大きいことに応答して、ステップ220が開始される。ステップ220において、目標受信機の推定PSDに応じて目標受信機の優先度が決定され、PSDが最大である目標受信機が、優先度の最も高い特定の目標受信機であると判定される。
図4は、推定PSD差によるサブフレームごとの優先度決定方式の一例を示す。
【0060】
図4に示すように、サブフレーム#Nを送信するための送信時間間隔(TTI)内で、すなわち、サブフレーム#N内で、帯域幅1にわたる6つのリソースブロックが目標受信機1に配分され、帯域幅3にわたる6つのリソースブロックが目標受信機2に配分される。目標受信機1と通信装置との間の距離d1は、目標受信機2と通信装置との間の距離d2よりもはるかに大きいため、(例えば、式(1)によれば)目標受信機1と通信装置との間の経路損失は、目標受信機2と通信装置との間の経路損失よりもはるかに大きく、それゆえ、目標受信機1のPSDと目標受信機2のPSDとの間のPSD差は、PSD閾値よりも大きくなり得、その後、目標受信機1および2の優先度が決定され、一実施形態においては、PSDのより大きい目標受信機1が、優先度のより高い特定の目標受信機であると判定される。それゆえ、データを送信するために割り当てられる合計電力は、式(3-1)~(3-3)に従って、特定の目標受信機1に関係付けられる電力損失特徴に従って計算され、合計電力は、基地局が関与する場合の基地局に関係付けられる電力損失特徴によって計算されるP
CMAX,PSSCHよりも低い。
【0061】
サブフレーム#(N+1)内で、帯域幅2にわたる6つのリソースブロックが目標受信機4に配分され、帯域幅4にわたる6つのリソースブロックが目標受信機2に配分される。目標受信機4と通信装置との間の距離d4は、目標受信機2と通信装置との間の距離d2よりもはるかに大きいため、(例えば、式(1)によれば)目標受信機4と通信装置との間の経路損失は、目標受信機2と通信装置との間の経路損失よりもはるかに大きく、それゆえ、目標受信機2のPSDと目標受信機4のPSDとの間のPSD差は、PSD閾値よりも大きくなり得、その後、目標受信機2および4の優先度が決定され、一実施形態においては、PSDのより大きい目標受信機4が、優先度のより高い特定の目標受信機であると判定される。それゆえ、サブフレーム#(N+1)内でデータを送信するための合計電力割り当ては、式(3-1)~(3-3)に従って、特定の目標受信機4に関係付けられる電力損失特徴に従って計算され、合計電力は、基地局に関係付けられる電力損失特徴によって計算されるPCMAX,PSSCHよりも低い。
【0062】
サブフレーム#(N+2)について、帯域幅1にわたる6つのリソースブロックが目標受信機2に配分され、帯域幅3にわたる6つのリソースブロックが目標受信機3に配分される。目標受信機2と通信装置との間の距離d2は目標受信機3と通信装置との間の距離d3に近いため、(例えば、式(1)によれば)目標受信機2と通信装置との間の経路損失は、目標受信機3と通信装置との間の経路損失に近く、それゆえ、目標受信機3のPSDと目標受信機2のPSDとの間のPSD差はPSD閾値よりも大きくないものであり得、したがって、220のステップは実施されず、一方、したがって、
図2Bに示すようなステップ230が実施され、目標受信機2および目標受信機3に送信されることになるデータを送信するために割り当てられる電力はそれぞれ、式(3-1)~(3-3)に従って、目標受信機2および目標受信機3に関係付けられる電力損失特徴に従って計算することができ、各目標受信機について、電力は、その目標受信機の配分されているPRB数、通信装置とその目標受信機との間の距離の差に関係付けられる経路損失、および目標受信機における目標SINRのパラメータに従って計算される。
【0063】
サブフレーム#(N+2)の次のサブフレームにおいて、同様の優先度決定方式および電力割り当て方式がサブフレームごとに実施され、詳細は簡潔にするために説明しない。
【0064】
1つの実施形態において、優先度決定方式は、距離に基づく。
【0065】
特に、ステップ210において判定されるための条件は、通信装置とそれぞれの目標受信機との間の距離の差のうちの少なくとも1つが距離差閾値よりも大きいことを含み、ステップ220は、サブフレームごとに、通信装置とそれぞれの目標受信機との間の距離差のうちの少なくとも1つが距離差閾値よりも大きいことに応答して開始され、目標受信機の優先度は、通信装置と目標受信機との間の距離に応じて決定され、通信装置からの距離が最長である目標受信機が、優先度の最も高い特定の目標受信機であると判定される。
図4は、通信装置と目標受信機との間の距離による、サブフレームごとの優先度決定方式および電力割り当て方式の一例を示す。
【0066】
図4に示すように、サブフレーム#N内のデータを送信するための送信時間間隔(TTI)内で、帯域幅1にわたる6つのリソースブロック(6つのPRBなど)のような複数のリソースブロックが目標受信機1に配分され、帯域幅3にわたる6つのリソースブロック(6つのPRBなど)が目標受信機2に配分される。通信装置と目標受信機1との間の距離と、通信装置と目標受信機2との間の距離との間の距離差ΔD
Nは式(2)に従って計算され、したがって10dBに等しい。距離差閾値は6dBであると仮定され、通信装置と目標受信機1との間の距離と、通信装置と目標受信機2との間の距離との間の距離差ΔD
Nは距離差閾値よりも大きく、したがって、目標受信機1および2の優先度が決定され、一実施形態において、通信装置からの距離がより長い目標受信機1が、優先度のより高い特定の目標受信機であると判定される。それゆえ、サブフレーム#N内でデータを送信するための合計電力割り当ては、式(3-1)~(3-3)に従って、特定の目標受信機1に関係付けられる電力損失特徴に従って計算され、合計電力は、基地局に関係付けられる電力損失特徴によって計算されるP
CMAX,PSSCHよりも低い。
【0067】
サブフレーム#(N+1)内で、帯域幅2にわたる6つのリソースブロックが目標受信機4に配分され、帯域幅4にわたる6つのリソースブロックが目標受信機2に配分される。通信装置と目標受信機2との間の距離と、通信装置と目標受信機4との間の距離との間の距離差ΔD(N+1)は、式(2)に従って計算され、したがって9dBに等しく、これは距離差閾値よりも大きく、目標受信機の優先度の決定を開始するための条件を満たす。その後、目標受信機2および4の優先度が決定され、一実施形態において、通信装置からの距離がより長い目標受信機4は、優先度のより高い特定の目標受信機であると判定される。この場合、PSDに基づく優先度の決定と比較すると、距離に基づくそのような優先度の決定は、距離によって引き起こされる経路損失に基づいてPSDを計算するための計算コストおよび時間を低減することができる。それゆえ、サブフレーム#(N+1)内でデータを送信するための合計電力割り当ては、式(3-1)~(3-3)に従って、特定の目標受信機4に関係付けられる電力損失特徴に従って計算され、合計電力は、基地局が関与する場合の基地局に関係付けられる電力損失特徴によって計算されるPCMAX,PSSCHよりも低い。
【0068】
サブフレーム#(N+2)内で、帯域幅1にわたる6つのリソースブロックが目標受信機2に配分され、帯域幅3にわたる6つのリソースブロックが目標受信機3に配分される。通信装置と目標受信機2との間の距離と、通信装置と目標受信機3との間の距離との間の距離差ΔD
(N+2)は、式(2)に従って計算され、3dBに近似し、これは距離差閾値(例えば、6dB)よりも小さく、ステップ220は実施されず、一方、したがって、
図2Bに示すようなステップ230が実施され、目標受信機2および目標受信機3にデータを送信するための電力はそれぞれ、式(3-1)および(3-2)に従って、目標受信機2および目標受信機3に関係付けられる電力損失特徴に従って計算することができ、各目標受信機について、電力は、その目標受信機の配分されているPRB数、通信装置とその目標受信機との間の距離の差に関係付けられる経路損失、およびその目標受信機における目標SINRのパラメータに従って計算される。
【0069】
サブフレーム#(N+2)の次のサブフレームにおいて、同様の決定方式がサブフレームごとに実施され、詳細は簡潔にするために説明しない。
【0070】
1つの実施形態において、優先度決定方式は、QoS関連優先度に基づく。
【0071】
特に、別の実施形態において、目標受信機の優先度が目標受信機に送信されるデータのQoS関連優先度に応じて決定される場合、優先度が最も高いデータが受信されることになる目標受信機が、優先度の最も高い特定の受信機であると判定される。
【0072】
優先度決定ステップが実施される前に、本開示の一実施形態による電力制御方法200は、サブフレームごとに、ステップ210における条件を決定する。一実施形態において、判定されるための条件は、計算されている推定PSD差のうちの少なくとも1つがPSD閾値よりも大きく、かつ/または、通信装置とそれぞれの目標受信機との間の距離の差のうちの少なくとも1つが距離差閾値よりも大きいことを含み、ステップ220は、その判定されている条件に応答して実施され、それぞれの目標受信機の優先度が決定され、目標受信機の各優先度は、目標受信機に送信されるデータのQoS関連優先度に応じて決定される。最も優先度の高いデータが受信されることになる目標受信機が、一実施形態において、優先度の最も高い特定の受信機であると判定される。
図4は、目標受信機に送信されることになるデータのQoS関連優先度によるサブフレームごとの優先度決定方式の一例を示す。
【0073】
一実施形態において、目標受信機1に送信されるデータのQoS関連優先度はPR1であり、目標受信機2に送信されるデータのQoS関連優先度はPR2であり、目標受信機3に送信されるデータのQoS関連優先度はPR3であり、目標受信機4に送信されるデータのQoS関連優先度はPR4であり、PR1の優先度>PR2の優先度>PR3の優先度>PR4の優先度であると仮定される。
図4に示す目標受信機の構成は例示を目的としたものに過ぎず、本発明において目標受信機の他の構成が可能であることは理解されたい。
【0074】
図4に示すように、サブフレーム#Nを送信するためのTTI内で、例えば、サブフレーム#N内で、帯域幅1にわたる6つのリソースブロックが目標受信機1に配分され、帯域幅3にわたる6つのリソースブロックが目標受信機2に配分される。目標受信機1と目標受信機2との間の推定PSD差がPSD閾値よりも大きく、かつ/または、通信装置と目標受信機1との間の距離と、通信装置と目標受信機2との間の距離との間の距離差ΔD
Nが距離差閾値よりも大きい場合、目標受信機1および2のQoS関連優先度の判定が開始され、QoS関連優先度のより高いデータが受信されることになる目標受信機1が、優先度のより高い特定の目標受信機であると判定される。それゆえ、サブフレーム#N内でデータを送信するための合計電力割り当ては、式(3-1)~(3-3)に従って、特定の目標受信機1に関係付けられる電力損失特徴に従って計算され、合計電力は、基地局が関与する場合の基地局に関係付けられる電力損失特徴によって計算されるP
CMAX,PSSCHよりも低い。
【0075】
サブフレーム#(N+1)内で、帯域幅2にわたる6つのリソースブロックが目標受信機4に配分され、帯域幅4にわたる6つのリソースブロックが目標受信機2に配分される。目標受信機2と目標受信機4との間の推定PSD差がPSD閾値よりも大きく、かつ/または、通信装置と目標受信機2との間の距離と、通信装置と目標受信機4との間の距離との間の距離差ΔD(N+1)が距離差閾値よりも大きい場合、ステップ220において目標受信機2および4のQoS関連優先度の判定が開始され、QoS関連優先度のより高いデータが受信されることになる目標受信機2が、優先度のより高い特定の目標受信機であると判定される。それゆえ、サブフレーム#(N+1)内でデータを送信するための合計電力割り当ては、式(3-1)~(3-3)に従って、特定の目標受信機2に関係付けられる電力損失特徴に従って計算され、合計電力は、基地局が関与する場合の基地局に関係付けられる電力損失特徴によって計算されるPCMAX,PSSCHよりも低い。
【0076】
サブフレーム#(N+2)について、帯域幅1にわたる6つのリソースブロックが目標受信機2に配分され、帯域幅3にわたる6つのリソースブロックが目標受信機3に配分される。目標受信機2と目標受信機3との間の推定PSD差がPSD閾値以下であり、かつ/または、通信装置と目標受信機2との間の距離と、通信装置と目標受信機3との間の距離との間の距離差ΔD
(N+2)が距離差閾値以下である場合、ステップ220は実施されず、一方、したがって、
図2Bに示すようなステップ230が実施され、目標受信機2および目標受信機3にデータを送信するための電力はそれぞれ、式(3-1)および(3-3)に従って、目標受信機2および目標受信機3に関係付けられる電力損失特徴に従って計算することができ、各目標受信機について、電力は、その目標受信機の配分されているPRB数、通信装置とその目標受信機との間の距離の差に関係付けられる経路損失、およびその目標受信機における目標SINRのパラメータに従って計算される。
【0077】
サブフレーム#(N+2)の次のサブフレームにおいて、同様の優先度決定方式および電力割り当て方式がサブフレームごとに実施され、詳細は簡潔にするために説明しない。
【0078】
上述したように、一実施形態において、通信装置は中継ユーザ機器(UE)であり、目標受信機は基地局を含む。
図5Aは、本開示の別の実施形態による電力制御方式を適用するそのような適用シナリオの一例を概略的に示す。適用シナリオは、通信装置としてのUEと、目標受信機としての複数の基地局(例えば、基地局1および基地局2)を含む。
【0079】
一実施形態において、通信装置は、サブフレーム#Mにおいてデータが送信される基地局1および基地局2のそれぞれの優先度を決定し、少なくとも、優先度が最も高いまたは電力閾値よりも高い特定の基地局に関係付けられる電力損失特徴に従って、データを送信するための電力が割り当てられる。
【0080】
一実施形態において、通信装置は、
図2Aに示すようなステップ220および240を実施する。一実施形態において、通信装置は、条件を判定するために
図2Bに示すステップ210を実施し、条件が判定されたことに応答して、ステップ220が開始される。その後、通信装置は、その条件に応答して基地局1および基地局2のそれぞれの優先度を決定する。また、条件を判定するためのステップ210および基地局の優先度は、
図5Aおよび
図5Bを併用して下記に説明する。
【0081】
図5Bは、サブフレーム内でデータが送信される
図5Aに示す基地局の優先度決定方式の一例を概略的に示す。
図5Bに示すように、サブフレーム#M(Mは整数)で、第1の帯域幅にわたる6つのリソースブロックのような複数のリソースブロックが基地局1に配分され、第2の帯域幅にわたる6つのリソースブロックが基地局2に配分される。
【0082】
一実施形態において、判定されるための条件は、計算されている推定PSD差がPSD閾値よりも大きいことを含み、基地局の優先度は、基地局の推定PSDに応じて決定される。
【0083】
一実施形態において、各基地局へのデータの送信の推定PSDは、リソースブロックあたりの電力割り当てを示す。すなわち、基地局1へのデータの送信の推定PSD(PSD b1)は、基地局1にデータを送信するために割り当てられる電力を、基地局1に割り振られるリソースブロックの数によって除算することによって計算することができ、基地局2へのデータの送信の推定PSD(PSD b2)は、基地局2にデータを送信するために割り当てられる電力を、基地局2に割り振られるリソースブロックの数によって除算することによって計算することができる。
【0084】
PSD b1とPSD b2とが比較されて、それぞれ基地局1および基地局2のPSD b1とPSD b2との間の推定PSD差が計算される。通信装置は、PSD b1とPSD b2との間のPSD差がPSD閾値よりも大きいことに応答して基地局1および基地局2のそれぞれの優先度の決定を開始し、PSDのより大きい基地局が、優先度のより高い特定の目標受信機であると判定される。一実施形態において、PSD閾値は、通信装置の電力割り当て容量に基づいて構成または事前構成または定義される。
【0085】
図5Aの適用シナリオにおいて任意の数の基地局が含まれてもよいことは理解されたい。そのため、通信装置は、基地局の各々へのデータの送信に関する推定PSDを計算し、複数の基地局のPSD間の推定PSD差を計算する。通信装置は、計算されている推定PSD差のうちの少なくとも1つがPSD閾値よりも大きいことに応答して基地局のそれぞれの優先度の決定を開始し、PSDの最も大きい基地局が、優先度の最も高い特定の基地局であると判定される。
【0086】
一実施形態において、判定されるための条件は、通信装置とそれぞれの基地局との間の距離の差のうちの少なくとも1つが距離差閾値よりも大きいことを含み、基地局の優先度は、通信装置と目標受信機との間の距離に応じて決定することができる。一実施形態において、通信装置は、通信装置とそれぞれの基地局との間の距離差が距離差閾値よりも大きいことに応答して基地局のそれぞれの優先度の決定を開始し、通信装置から距離が最も長い基地局が、優先度の最も高い特定の基地局であると判定される。一実施形態において、距離差閾値は、通信装置の電力割り当て容量に基づいて構成または事前構成または定義される。
【0087】
図5Aに示す適用シナリオを一例に挙げる。通信装置と基地局1との間の距離と、通信装置と基地局2との間の距離との間の距離差ΔDbは式(2)に従って計算することができる。
【0088】
距離差閾値が、例えば、距離差ΔDbが距離差閾値よりも大きい場合、構成または事前構成または定義される条件において、通信装置は、差ΔDbが距離差閾値よりも大きいことに応答して基地局のそれぞれの優先度の決定を開始し、通信装置からの距離がより長い基地局が、優先度のより高い特定の目標受信機であると判定される。
【0089】
別の実施形態において、条件は、計算されている推定PSD差のうちの少なくとも1つがPSD閾値よりも大きく、かつ/または、通信装置とそれぞれの基地局との間の距離の差のうちの少なくとも1つが距離差閾値よりも大きいことを含み、通信装置は、条件の判定に応答して基地局のそれぞれの優先度の決定を開始し、基地局の優先度は、基地局に送信されるデータのQoS関連優先度に応じて決定される。一実施形態において、ある基地局に送信されるデータの優先度が、基地局に送信されるものの中で最も高い場合、優先度の最も高いデータが受信されることになる基地局が、優先度の最も高い基地局であると判定される。
図5Bに示すように、基地局に送信されるものの中で最も優先度が高いデータを送信される基地局が、特定の基地局であると判定される。
【0090】
一実施形態において、電力閾値よりも高い電力を用いてデータが送信される基地局が、特定の基地局として選択され得る。計算されている推定PSD差のうちの少なくとも1つがPSD閾値よりも大きく、かつ/または、通信装置とそれぞれの目標受信機との間の距離の差のうちの少なくとも1つが距離差閾値よりも大きい(例えば、必ずしも最大のものではない)場合、通信装置は、データを送信するために割り当てられる電力に従って基地局の優先度を決定する。例えば、
図5Bに示すように、計算されている推定PSD差のうちの少なくとも1つがPSD閾値よりも大きく、かつ/または、通信装置とそれぞれの目標受信機との間の距離の差のうちの少なくとも1つが距離差閾値よりも大きく、電力閾値よりも高い電力を用いてデータが基地局2に送信され、電力閾値よりも小さい電力を用いてデータが基地局1に送信される場合、電力閾値よりも高い電力を用いてデータが送信される基地局2が、優先度のより高い特定の基地局であると判定される。
【0091】
特定の基地局が判定されると、少なくとも、特定の基地局に関係付けられる電力損失特徴に従って、データを送信するための電力が割り当てられる。一実施形態において、基地局に割り当てられることになる合計電力は、式(3-2)または(3-3)に従って計算することができ、
図5に示す適用シナリオのように、基地局と通信装置との間の経路上の経路損失を示すパラメータPL_remoteおよびPL_eNBは同じである。合計電力は、上述したのと同様にデータを送信するために割り当てることができ、簡潔かつ明瞭にするために説明しない。
【0092】
一実施形態において、通信装置は、中継ユーザ機器(UE)であってもよく、目標受信機は、少なくとも1つの遠隔UEと少なくとも1つの基地局との組み合わせを含み、適用することができる電力制御方式は、上述したものと同様であり、簡潔かつ明瞭にするために説明しない。その場合、目標受信機に送信されるデータを送信するために割り当てられる合計電力は、式(3-1)~(3-3)に従って決定することができ、この電力は、基地局に関係付けられる電力損失特徴によって計算される電力制限よりも低い。
【0093】
別の実施形態において、通信装置は、通信装置(例えば、中継UE)が目標受信機にデータを送信するための電力を割り当てるための基地局であってもよく、目標受信機は、少なくとも1つの遠隔UEおよび少なくとも1つの基地局を含む。その場合、適用することができる電力制御方式は、上述したものと同様であり、簡潔かつ明瞭にするために説明しない。また、データを送信するために割り当てられる合計電力は、式(3-1)~(3-3)に従って決定することができ、この電力は、基地局に関係付けられる電力損失特徴によって計算される電力制限よりも低い。
【0094】
図6は、本開示の一実施形態による、基地局が関与しないときの通信装置と目標受信機との間の通信のフローチャートを概略的に示す。一実施形態において、通信装置は中継UEを含み、目標受信機は複数の遠隔UEを含む。
図6において特定のステップが開示されているが、そのようなステップは例である。すなわち、本開示は、様々な他のステップまたは
図6に記載されているステップの変形形態を実施するのによく適している。
【0095】
図6に示すように、通信装置100は、データの送信先である複数の目標受信機と通信する。ステップST601において、通信装置100が、ある接続手順において目標受信機と接続する。接続は、既知のまたは将来開発される方法を実施することによって確立されてもよく、その方法の詳細は本明細書では省略する。
【0096】
ステップST602において、通信装置100が、目標受信機への送信のためのリソースブロックを配分する。このステップは上述したものと同様であってもよく、その詳細は繰り返さない。
【0097】
ステップST603において、通信装置100が、目標受信機のそれぞれの優先度を決定する。このステップはステップ220において、
図2A~
図3Bを参照しながらステップ210を併用して説明したものと同様であってもよい。その詳細は、明瞭かつ簡潔にするために省略する。
【0098】
ステップST604において、通信装置100が、目標受信機にデータを送信するための電力を割り当てる。割り当てられることになる合計電力は式(3-1)に従って計算することができ、通信装置100は、上述したのと同様にデータを送信するための電力を割り当て、その詳細は、明瞭かつ簡潔にするために省略する。
【0099】
ステップST605において、通信装置100が、割り当てられる電力を用いて目標受信機にデータを送信する。各配分されるリソースブロックについて割り当てられる電力は均等に維持されるため、各目標受信機のPSD差は排除することができ、これによって、目標受信機において一定の受信電力を保証しながら、通信装置の電力制御実施が効率的に改善される。
【0100】
一実施形態において、eNBおよび/またはgNBを含む基地局が、通信装置100および目標受信機400と通信するために含まれてもよい。その場合、通信装置100は中継UEを含み、目標受信機400は複数の遠隔UEを含む。
【0101】
図7は、本開示の一実施形態による、基地局が関与するときの通信装置と目標受信機との間の通信のフローチャートを概略的に示す。一実施形態において、通信装置100は中継UEを含み、目標受信機は複数の遠隔UEを含む。
図7において特定のステップが開示されているが、そのようなステップは例である。すなわち、本開示は、様々な他のステップまたは
図7に記載されているステップの変形形態を実施するのによく適している。
【0102】
図7に示すように、通信装置100は、データの送信先である複数の目標受信機と通信する。また、基地局300は、通信装置100および目標受信機400と通信する。
【0103】
ステップST701において、基地局300が、ある接続手順において通信装置100および目標受信機400と接続する。接続は、既知のまたは将来開発される方法を実施することによって確立されてもよく、その方法の詳細は本明細書では省略する。
【0104】
ステップST702において、通信装置100が、ある接続手順において目標受信機400と接続する。接続は、既知のまたは将来開発される方法を実施することによって確立されてもよく、その方法の詳細は本明細書では省略する。
【0105】
ステップST703において、基地局300が、通信装置100から目標受信機400への送信のためのリソースブロックを配分する。このステップは上述したものと同様であってもよく、その詳細は繰り返さない。ステップST704において、基地局300が、目標受信機のためのリソースブロックを配分する。
【0106】
ステップST705において、通信装置100が、目標受信機のそれぞれの優先度を決定する。このステップはステップ220において、
図2A~
図3Bを参照しながらステップ210を併用して説明したものと同様であってもよい。その詳細は、明瞭かつ簡潔にするために省略する。
【0107】
ステップST706において、通信装置100が、目標受信機にデータを送信するための電力を割り当てる。割り当てられることになる合計電力は式(3-1)~(3-3)に従って計算することができ、通信装置100は、上述したのと同様にデータを送信するための電力を割り当て、その詳細は、明瞭かつ簡潔にするために省略する。
【0108】
ステップST707において、通信装置100が、目標受信機に割り当てられる電力を用いてデータを送信する。各配分されるリソースブロックについて割り当てられる電力は均等であるため、各目標受信機のPSD差は排除され、これによって、各目標受信機において一定の受信電力を保証しながら、通信装置100がRF実施態様の影響から保護される。
【0109】
一実施形態において、通信装置は基地局300を含み、目標受信機400は遠隔UEおよび/または少なくとも1つの基地局のうちの少なくとも1つを含む。また、基地局から目標受信機へとデータを中継するために、中継UEが使用される。
【0110】
図8は、本開示の別の実施形態による、基地局が関与するときの通信装置と目標受信機との間の通信のフローチャートを概略的に示す。
【0111】
図8と
図7との間の差は、基地局が上述したような通信装置の機能を実施すること、すなわち、目標受信機の優先度を決定するステップ、および、データのための電力を割り当てるステップが基地局300によって実施されることにある。
【0112】
より具体的には、ステップST801において、基地局300が、ある接続手順において通信装置100および目標受信機400と接続する。接続は、既知のまたは将来開発される方法を実施することによって確立されてもよく、その方法の詳細は本明細書では省略する。
【0113】
ステップST802において、通信装置100が、ある接続手順において目標受信機400と接続する。接続は、既知のまたは将来開発される方法を実施することによって確立されてもよく、その方法の詳細は本明細書では省略する。
【0114】
ステップST803において、基地局300が、通信装置100の送信のためのリソースブロックを配分する。このスケジュール手順は、既知のまたは将来開発される方法を実施することによって実施されてもよく、その方法の詳細は本明細書では省略する。
【0115】
ステップST804において、基地局300が、目標受信機のそれぞれの優先度を決定する。このステップはステップ220において、
図2A~
図3Bを参照しながらステップ210に関連して説明したものと同様であってもよい。その詳細は、明瞭かつ簡潔にするために省略する。
【0116】
ステップST805において、基地局300が、目標受信機にデータを送信するための電力を割り当てる。割り当てられることになる合計電力は式(3-1)~(3-3)に従って計算することができ、基地局300は、上述したのと同様にデータを送信するための電力を割り当て、その詳細は、明瞭かつ簡潔にするために省略する。
【0117】
ステップST806において、基地局300が、通信装置100に、送信のための配分されているリソースブロックを示し、通信装置100に、目標受信機に配分されているリソースブロック内のデータを送信するための電力割り当てを示す。
【0118】
また、ステップST807において、通信装置100が、割り当てられている電力を用いてデータを送信する。
【0119】
図9は、本開示の一実施形態による、通信装置における通信方法の一例を概略的に示す。
図9において特定のステップが開示されているが、そのようなステップは例である。すなわち、本開示は、様々な他のステップまたは
図9に記載されているステップの変形形態を実施するのによく適している。
【0120】
一実施形態において、通信装置は、遠隔UE、基地局、またはそれらの組み合わせであってもよい。
【0121】
通信装置は、受信機および回路を含むことができる。
【0122】
ステップS920において、通信装置の受信機が、送信機からある電力を用いて送信されるデータを受信する。ステップS940において、通信装置の回路が、受信されているデータを復号し、通信装置は、送信機からのデータの送信先である複数の目標受信機のうちの1つであり、当該受信機のそれぞれの優先度は送信機によって決定され、電力は、少なくとも、優先度が最も高いまたは電力閾値よりも高い特定の目標受信機に関係付けられる電力損失特徴に従って割り当てられる。
【0123】
一実施形態において、通信方法は、それぞれの目標受信機へのデータの送信に関する電力スペクトル密度(PSD)を推定すること、および、推定PSD間のPSD差を推定することを含み、目標受信機のそれぞれの優先度は、計算されている推定PSD差のうちの少なくとも1つがPSD閾値よりも大きいことに応答して決定される。
【0124】
1つの実施形態において、通信方法は、送信機とそれぞれの目標受信機との間の距離の差のうちの少なくとも1つが距離差閾値よりも大きいことに応答して目標受信機のそれぞれの優先度を決定することをさらに含む。
【0125】
一実施形態において、PSD閾値または距離差閾値は、送信機の電力割り当て容量に基づいて構成または事前構成または定義される。
【0126】
一実施形態において、通信方法は、目標受信機の推定PSDに応じて目標受信機のそれぞれの優先度を決定することをさらに含む。
【0127】
一実施形態において、通信方法は、通信装置と送信機との間の距離に応じて複数の目標受信機のそれぞれの優先度を決定することをさらに含む。
【0128】
一実施形態において、通信方法は、通信装置と送信機との間の距離に応じて複数の目標受信機のそれぞれの優先度を決定することをさらに含む。
【0129】
一実施形態において、通信方法は、通信装置に送信されるデータのQoS関連優先度に応じて複数の目標受信機のそれぞれの優先度を決定することをさらに含む。
【0130】
一実施形態において、通信方法は、基地局に関係付けられる経路損失特徴によって計算される電力制限よりも低い、データを送信するための合計電力を割り当てることをさらに含む。
【0131】
一実施形態において、特定の目標受信機に関係付けられる電力損失特徴は、特定の目標受信機と送信機との間の経路上の電力消費を示す経路損失を含み、基地局に関係付けられる電力損失特徴は、送信機と基地局との間の経路上の電力消費を示す経路損失を含む。
【0132】
一実施形態において、通信方法は、サブフレームごとに、通信装置に送信されるデータにリソースブロックを配分することをさらに含む。
【0133】
一実施形態において、送信機は中継ユーザ機器(UE)であり、通信装置は、遠隔UEおよび基地局の少なくともいくつかを含む。
【0134】
一実施形態において、送信機は、中継UEが通信装置にデータを送信するための電力を割り当てるための基地局であり、通信装置は、遠隔UEおよび基地局の少なくともいくつかを含む。
【0135】
図9に開示されているような通信方法は、上記の記述を参照して例示することができ、詳細は簡潔にするためにここでは省略する。
【0136】
図10は、本開示の一実施形態による通信装置1000の一例を概略的に示す。
【0137】
一実施形態において、通信装置1000は、回路1010および送信機1020を含む。回路1010は、上述したようなステップ210、ステップ220、およびステップ240を実施することができる。送信機1020は、上述したようなステップ260を実施することができる。
【0138】
特に、回路1010は、データの送信先である複数の目標受信機のそれぞれの優先度を決定し、少なくとも、優先度が最も高いまたは電力閾値よりも高い特定の目標受信機に関係付けられる電力損失特徴に従って、データを送信するための電力を割り当てる。送信機1020は、割り当てられている電力を用いて、複数の目標受信機にデータを送信する。
【0139】
一実施形態において、通信装置1000の回路1010はさらに、それぞれ目標受信機へのデータの送信に関する電力スペクトル密度(PSD)を推定し、推定PSD間のPSD差を計算し、回路1010は、計算されている推定PSD差のうちの少なくとも1つがPSD閾値よりも大きいことに応答して、複数の目標受信機のそれぞれの優先度の決定を開始するように動作可能である。計算されている推定PSD差のうちの少なくとも1つがPSD閾値よりも大きいか否かを判定するための詳細な手順は、
図3A~
図3Bを参照しながら説明されており、簡潔にするために詳細はここでは省略する。
【0140】
一実施形態において、回路1010は、距離差のうちの少なくとも1つが距離差閾値よりも大きいことに応答して目標受信機のそれぞれの優先度の決定を開始する。計算されている推定PSD差のうちの少なくとも1つがPSD閾値よりも大きいか否かを判定するための詳細な手順は、
図2A~
図3Bを参照しながら説明されており、簡潔にするために詳細はここでは省略する。
【0141】
一実施形態において、PSD閾値または距離差閾値は、通信装置の電力割り当て容量に基づいて構成または事前構成または定義される。
【0142】
一実施形態において、回路1010は、目標受信機の推定PSDに応じて目標受信機の優先度を決定する。一実施形態において、回路1010は、通信装置と目標受信機との間の距離に応じて目標受信機の優先度を決定する。一実施形態において、回路1010は、目標受信機に送信されるデータのQoS関連優先度に応じて目標受信機の優先度を決定する。詳細は
図2A~
図3Bを併用して説明されているため、簡潔にするために詳細はここでは省略する。
【0143】
一実施形態において、回路1010は、基地局に関係付けられる電力損失特徴によって計算される電力制限よりも低い、データを送信するための合計電力を割り当てる。合計電力は、上述したように式(3-1)~(3-3)に従って計算することができる。
【0144】
一実施形態において、特定の目標受信機に関係付けられる電力損失特徴は、通信装置と、特定の目標受信機との間の経路上の電力消費を示す経路損失を含み、基地局に関係付けられる電力損失特徴は、基地局と通信装置との間の経路上の電力消費を示す経路損失を含む。
【0145】
一実施形態において、リソースブロックはサブフレームごとに目標受信機に配分される。
【0146】
一実施形態において、通信装置1000は中継ユーザ機器(UE)であり、目標受信機は、遠隔UEおよび基地局の少なくともいくつかである。
【0147】
別の実施形態において、通信装置1000は、中継UEが目標受信機にデータを送信するための電力を割り当てるための基地局であり、目標受信機は、遠隔UEおよび基地局の少なくともいくつかである。
【0148】
図11は、本開示の別の実施形態による通信装置1100の一例を概略的に示す。
【0149】
図11に示すように、通信装置1100は、受信機1110および回路1120を含む。
【0150】
受信機1110は、送信機からある電力を用いて送信されるデータを受信する。回路1120は、受信されているデータを復号し、通信装置1100は、送信機からのデータの送信先である複数の目標受信機のうちの1つであり、当該受信機のそれぞれの優先度は送信機によって決定され、電力は、少なくとも、優先度が最も高いまたは電力閾値よりも高い特定の目標受信機に関係付けられる電力損失特徴に従って割り当てられる。
【0151】
一実施形態において、それぞれの目標受信機へのデータの送信に関する電力スペクトル密度(PSD)を推定され、推定PSD間のPSD差が計算され、複数の目標受信機のそれぞれの優先度は、計算されている推定PSD差のうちの少なくとも1つがPSD閾値よりも大きいことに応答して決定される。
【0152】
一実施形態において、複数の目標受信機のそれぞれの優先度は、送信機とそれぞれの目標受信機との間の距離の差のうちの少なくとも1つが距離差閾値よりも大きいことに応答して決定される。
【0153】
一実施形態において、PSD閾値または距離差閾値は、送信機の電力割り当て容量に基づいて構成または事前構成または定義されてもよい。
【0154】
一実施形態において、目標受信機のそれぞれの優先度は、目標受信機の推定PSDに応じて決定される。
【0155】
一実施形態において、複数の目標受信機のそれぞれの優先度は、送信機と目標受信機との間の距離に応じて決定される。
【0156】
一実施形態において、複数の目標受信機のそれぞれの優先度は、目標受信機に送信されるデータのQoS関連優先度に応じて決定される。
【0157】
一実施形態において、データを送信するために割り当てられる合計電力は、基地局に関係付けられる電力損失特徴によって計算される電力制限よりも低い。
【0158】
一実施形態において、特定の目標受信機に関係付けられる電力損失特徴は、送信機と、特定の目標受信機との間の経路上の電力消費を示す経路損失を含み、基地局に関係付けられる電力損失特徴は、基地局と送信機との間の経路上の電力消費を示す経路損失を含む。
【0159】
一実施形態において、リソースブロックはサブフレームごとに目標受信機に配分される。
【0160】
一実施形態において、送信機は中継ユーザ機器(UE)であり、通信装置は、遠隔UEおよび基地局の少なくともいくつかを含む。
【0161】
一実施形態において、送信機は、中継UEが通信装置にデータを送信するための電力を割り当てるための基地局であり、通信装置は、遠隔UEおよび基地局の少なくともいくつかを含む。
【0162】
有利には、各リソースブロックについて割り当てられる電力は均等であるため、各目標受信機のPSD差は排除され、これによって、各目標受信機において一定の受信電力を保証しながら、通信装置がRF実施態様の影響から保護される。
【0163】
上記の説明は本開示の例示的な実施形態に関するものであり、限定のためのものではない。
【0164】
加えて、本開示の実施形態は、少なくとも以下の主題を提供することができる。
【0165】
(1)通信装置であって、
データの送信先である複数の目標受信機のそれぞれの優先度を決定し、少なくとも、優先度が最も高いまたは電力閾値よりも高い特定の目標受信機に関係付けられる電力損失特徴に従って、データを送信するための電力を割り当てるように動作可能な決定回路と、
割り当てられている電力を用いて、複数の目標受信機にデータを送信するように動作可能な送信機と
を備える、通信装置。
【0166】
(2)上記回路は、それぞれの目標受信機へのデータの送信に関する電力スペクトル密度(PSD)を推定し、推定PSD間の推定PSD差を計算するように動作可能であり、
上記回路は、計算されている推定PSD差のうちの少なくとも1つがPSD閾値よりも大きいことに応答して複数の目標受信機のそれぞれの優先度の決定を開始するように動作可能である、請求項(1)に記載の通信装置。
【0167】
(3)上記回路は、通信装置とそれぞれの目標受信機との間の距離の差のうちの少なくとも1つが距離差閾値よりも大きいことに応答して複数の目標受信機のそれぞれの優先度の決定を開始するように動作可能である、請求項(1)に記載の通信装置。
【0168】
(4)PSD閾値または距離差閾値は、通信装置の電力割り当て容量に基づいて構成または事前構成または定義される、請求項(2)または(3)に記載の通信装置。
【0169】
(5)上記回路が、
目標受信機の推定PSDに応じて目標受信機の優先度を決定するように動作可能である、請求項(2)に記載の通信装置。
【0170】
(6)上記回路は、
通信装置と目標受信機との間の距離に応じて目標受信機の優先度を決定するように動作可能である、請求項(3)に記載の通信装置。
(7)上記回路は、
目標受信機に送信されるデータのQoS関連優先度に応じて目標受信機の優先度を決定するように動作可能である、請求項(1)に記載の通信装置。
【0171】
(8)上記回路は、基地局に関係付けられる電力損失特徴によって計算される電力制限よりも低い、データを送信するための合計電力を割り当てるように動作可能である、請求項(1)に記載の通信装置。
【0172】
(9)特定の目標受信機に関係付けられる電力損失特徴は、通信装置と、特定の目標受信機との間の経路上の電力消費を示す経路損失を含み、基地局に関係付けられる電力損失特徴は、基地局と通信装置との間の経路上の電力消費を示す経路損失を含む、請求項(8)に記載の通信装置。
【0173】
(10)リソースブロックは、サブフレームごとに、目標受信機に送信されるデータに配分される、請求項(1)に記載の通信装置。
【0174】
(11)通信装置は中継ユーザ機器(UE)であり、目標受信機は、遠隔UEおよび基地局の少なくともいくつかである、請求項(1)に記載の通信装置。
【0175】
(12)通信装置は、中継UEが目標受信機にリソースブロックを送信するための電力を割り当てるための基地局であり、目標受信機は、遠隔UEおよび基地局の少なくともいくつかである、請求項(1)に記載の通信装置。
【0176】
(13)通信装置における電力制御方法であって、
データの送信先である複数の標的受信機のそれぞれの優先度を決定するステップと、
少なくとも、優先度が最も高いまたは電力閾値よりも高い特定の目標受信機に関係付けられる電力損失特徴に従って、データを送信するための電力を割り当てるステップと、
割り当てられている電力を用いて、複数の目標受信機にデータを送信するステップと
を含む、方法。
【0177】
(14)前記方法は、
それぞれの目標受信機へのデータの送信に関する電力スペクトル密度(PSD)を推定するステップと、
推定PSD間のPSD差を推定するステップと
をさらに含み、
複数の目標受信機のそれぞれの優先度を決定するステップは、計算されている推定PSD差のうちの少なくとも1つがPSD閾値よりも大きいことに応答して開始される、請求項(13)に記載の方法。
【0178】
(15)複数の目標受信機のそれぞれの優先度を決定するステップは、通信装置とそれぞれの目標受信機との間の距離の差のうちの少なくとも1つが距離差閾値よりも大きいことに応答して開始される、請求項(13)に記載の方法。
【0179】
(16)PSD閾値または距離差閾値は、通信装置の電力割り当て容量に基づいて構成または事前構成または定義される、請求項(13)または(14)に記載の方法。
【0180】
(17)複数の目標受信機のそれぞれの優先度を決定するステップは、
目標受信機の推定PSDに応じて目標受信機の優先度を決定するステップを含む、請求項(14)に記載の方法。
【0181】
(18)複数の目標受信機のそれぞれの優先度を決定するステップは、
通信装置と目標受信機との間の距離に応じて目標受信機の優先度を決定するステップを含む、請求項(15)に記載の方法。
【0182】
(19)複数の目標受信機のそれぞれの優先度を決定するステップは、
目標受信機に送信されるデータのQoS関連優先度に応じて目標受信機の優先度を決定するステップを含む、請求項(13)に記載の方法。
【0183】
(20)基地局に関係付けられる電力損失特徴によって計算される電力制限よりも低い、データを送信するための合計電力を割り当てるステップをさらに含む、請求項(13)に記載の方法。
【0184】
(21)特定の目標受信機に関係付けられる電力損失特徴は、通信装置と、特定の目標受信機との間の経路上の電力消費を示す経路損失を含み、基地局に関係付けられる電力損失特徴は、基地局と通信装置との間の経路上の電力消費を示す経路損失を含む、請求項(20)に記載の方法。
【0185】
(22)サブフレームごとに目標受信機に送信されるデータにリソースブロックを配分するステップをさらに含む、請求項(13)に記載の方法。
【0186】
(23)通信装置は中継ユーザ機器(UE)であり、目標受信機は、遠隔UEおよび基地局の少なくともいくつかである、請求項(13)に記載の方法。
【0187】
(24)通信装置は、中継UEが目標受信機にリソースブロックを送信するための電力を割り当てるための基地局であり、目標受信機は、遠隔UEおよび基地局の少なくともいくつかである、請求項(13)に記載の方法。
【0188】
(25)通信装置であって、
送信機からある電力を用いて送信されるデータを受信するように動作可能な受信機と、
受信データを復号するように動作可能な回路と
を備え、
通信装置は、送信機からのデータの送信先である複数の目標受信機のうちの1つであり、当該受信機のそれぞれの優先度は送信機によって決定され、電力は、少なくとも、優先度が最も高いまたは電力閾値よりも高い特定の目標受信機に関係付けられる電力損失特徴に従って割り当てられる、通信装置。
【0189】
(26)それぞれの目標受信機へのデータの送信に関する電力スペクトル密度(PSD)が推定され、推定PSD間の推定PSD差が計算され、
複数の目標受信機のそれぞれの優先度は、計算されている推定PSD差のうちの少なくとも1つがPSD閾値よりも大きいことに応答して決定される、請求項(25)に記載の通信システム。
【0190】
(27)複数の目標受信機のそれぞれの優先度は、送信機とそれぞれの目標受信機との間の距離の差のうちの少なくとも1つが距離差閾値よりも大きいことに応答して決定される、請求項(25)に記載の通信システム。
【0191】
(28)PSD閾値または距離差閾値は、送信機の電力割り当て容量に基づいて構成または事前構成または定義される、請求項(26)または(27)に記載の通信システム。
【0192】
(29)複数の目標受信機のそれぞれの優先度は、目標受信機の推定PSDに応じて決定される、請求項(26)に記載の通信システム。
【0193】
(30)複数の目標受信機のそれぞれの優先度は、送信機と目標受信機との間の距離に応じて決定される、請求項(27)に記載の通信システム。
【0194】
(31)複数の目標受信機のそれぞれの優先度は、目標受信機に送信されるデータのQoS関連優先度に応じて決定される、請求項(25)に記載の通信システム。
【0195】
(32)データを送信するために割り当てられる合計電力は、基地局に関係付けられる電力損失特徴によって計算される電力制限よりも低い、請求項(25)に記載の通信装置。
【0196】
(33)特定の目標受信機に関係付けられる電力損失特徴は、特定の目標受信機と送信機との間の経路上の電力消費を示す経路損失を含み、基地局に関係付けられる電力損失特徴は、基地局と送信機との間の経路上の電力消費を示す経路損失を含む、請求項(32)に記載の通信装置。
【0197】
(34)リソースブロックは、サブフレームごとに、通信装置に送信されるデータに配分される、請求項(25)に記載の通信システム。
【0198】
(35)送信機は中継ユーザ機器(UE)であり、通信装置は、遠隔UEおよび基地局の少なくともいくつかを含む、請求項(25)に記載の通信システム。
【0199】
(36)送信機は、中継UEが通信装置にデータを送信するための電力を割り当てるための基地局であり、通信装置は、遠隔UEおよび基地局の少なくともいくつかを含む、請求項(25)に記載の通信装置。
【0200】
(37)通信装置における通信方法であって、
送信機からある電力を用いて送信されるデータを受信するステップと、
受信データを復号するステップと
を含み、
通信装置は、送信機からのデータの送信先である複数の目標受信機のうちの1つであり、当該受信機のそれぞれの優先度は送信機によって決定され、電力は、少なくとも、優先度が最も高いまたは電力閾値よりも高い特定の目標受信機に関係付けられる電力損失特徴に従って割り当てられる、通信方法。
【0201】
(38)それぞれの目標受信機へのデータの送信に関する電力スペクトル密度(PSD)を推定するステップと、
推定PSD間のPSD差を推定するステップと、
計算されている推定PSD差のうちの少なくとも1つがPSD閾値よりも大きいことに応答して、複数の目標受信機のそれぞれの優先度を決定するステップと
をさらに含む、請求項(37)に記載の通信方法。
【0202】
(39)送信機とそれぞれの目標受信機との間の距離の差のうちの少なくとも1つが距離差閾値よりも大きいことに応答して、複数の目標受信機のそれぞれの優先度を決定するステップをさらに含む、請求項(37)に記載の通信方法。
【0203】
(40)PSD閾値または距離差閾値は、送信機の電力割り当て容量に基づいて構成または事前構成または定義される、請求項(37)または(38)に記載の通信方法。
【0204】
(41)目標受信機の推定PSDに応じて複数の目標受信機のそれぞれの優先度を決定するステップをさらに含む、請求項(38)に記載の通信方法。
【0205】
(42)通信装置と送信機との間の距離に応じて複数の目標受信機のそれぞれの優先度を決定するステップをさらに含む、請求項(39)に記載の通信方法。
【0206】
(43)通信装置に送信されるデータのQoS関連優先度に応じて複数の目標受信機のそれぞれの優先度を決定するステップをさらに含む、請求項(37)に記載の通信方法。
【0207】
(44)基地局に関係付けられる電力損失特徴によって計算される電力制限よりも低い、データを送信するための合計電力を割り当てるステップをさらに含む、請求項(37)に記載の通信方法。
【0208】
(45)電力損失特徴は、特定の目標受信機と送信機との間の経路上の電力消費を示す経路損失を含み、基地局に関係付けられる電力損失特徴は、送信機と基地局との間の経路上の電力消費を示す経路損失を含む、請求項(44)に記載の通信方法。
【0209】
(46)サブフレームごとに、通信装置に送信されるデータにリソースブロックを配分するステップをさらに含む、請求項(37)に記載の通信方法。
【0210】
(47)送信機は中継ユーザ機器(UE)であり、通信装置は、遠隔UEおよび基地局の少なくともいくつかを含む、請求項(37)に記載の通信方法。
【0211】
(48)送信機は、中継UEが通信装置にデータを送信するための電力を割り当てるための基地局であり、通信装置は、遠隔UEおよび基地局の少なくともいくつかを含む、請求項(37)に記載の通信方法。
【0212】
本開示は、ソフトウェア、ハードウェア、またはハードウェアと協働するソフトウェアによって実現することができる。上述した各実施形態の記述において使用されている各機能ブロックは、部分的にまたは全体的に、LSIによって集積回路として実現することができ、各実施形態において記述されている各プロセスは、部分的にまたは全体的に、同じLSIまたは複数のLSIの組み合わせによって制御することができる。LSIは、チップとして個々に形成されてもよく、または、1つのチップが、それら機能ブロックの一部分またはすべてを含むように形成されてもよい。LSIは、それらに結合されているデータ入力および出力を含むことができる。本明細書において、LSIは、集積度の差に応じて、IC、システムLSI、スーパーLSI、またはウルトラLSIとして参照されてもよい。しかしながら、集積回路を実装する技法は、LSIに限定されず、専用回路、汎用プロセッサ、または専用プロセッサを使用することによって実現されてもよい。加えて、LSIの製造後にプログラムすることができるFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)、または、LSIの内部に配置される回路セルの接続および設定を再構成することができる再構成可能プロセッサが使用されてもよい。本開示は、デジタル処理またはアナログ処理として実現することができる。半導体技術または派生する他の技術の進歩の結果として、将来の集積回路技術がLSIに取って代わった場合、機能ブロックは、その将来の集積回路技術を使用して集積することができる。生命工学を適用することもできる。
【0213】
本開示のいくつかの実施形態の例が、特定の実施形態の添付の図解を参照して、上記で詳細に記述されている。無論、構成要素または技法のすべての考えられる組み合わせを記述するのは可能ではないが、当業者は、本開示の範囲から逸脱することなく、上述した実施形態に様々な改変を行うことができることを理解するであろう。例えば、上記の実施形態は第三世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)ネットワークの部分を参照して記述されているが、本開示の実施形態は、同様の機能構成要素の有する、3GPPネットワークの後継のような、同様のネットワークにも適用可能であることは容易に理解されよう。
【0214】
それゆえ、特に、3GPPという用語、および、上記の説明ならびに添付の図面および任意の添付の特許請求項において使用されている、関連付けられたまたは関係する用語は、現在または将来において、それに応じて解釈されるべきである。
【0215】
本開示は、ソフトウェア、ハードウェア、またはハードウェアと協働するソフトウェアによって実現することができる。上述した各実施形態の記述において使用されている各機能ブロックは、LSIによって集積回路として実現することができ、各実施形態において記述されている各プロセスは、LSIによって制御することができる。それらは、チップとして個々に形成されてもよく、または、1つのチップが、それら機能ブロックの一部分またはすべてを含むように形成されてもよい。それらは、それらに結合されているデータ入力および出力を含むことができる。本明細書において、LSIは、集積度の差に応じて、IC、システムLSI、スーパーLSI、またはウルトラLSIとして参照されてもよい。しかしながら、集積回路を実装する技法は、LSIに限定されず、専用回路または汎用プロセッサを使用することによって実現されてもよい。加えて、LSIの製造後にプログラムすることができるFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)、または、LSIの内部に配置される回路セルの接続および設定を再構成することができる再構成可能プロセッサが使用されてもよい。
【0216】
特に、本開示の修正形態および他の実施形態が、上記の記載および関連付けられる図面において提示されている教示の利益を有する当業者に想起されよう。それゆえ、本開示は、開示されている具体的な実施形態に限定されるべきではないこと、および、修正形態および他の実施形態が、本開示の範囲内に含まれることが意図されていることは理解されたい。本明細書において具体的な用語が利用され得るが、それらは包括的かつ説明的な意味においてのみ使用されており、限定を目的とするものではない。