IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 光寶光電(常州)有限公司の特許一覧 ▶ 光寶科技股フン有限公司の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-22
(45)【発行日】2022-08-01
(54)【発明の名称】ディスプレイ
(51)【国際特許分類】
   G09F 13/04 20060101AFI20220725BHJP
   G09F 13/18 20060101ALI20220725BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20220725BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20220725BHJP
   F21Y 113/10 20160101ALN20220725BHJP
【FI】
G09F13/04 J
G09F13/18 D
F21S2/00 482
F21S2/00 439
F21Y115:10
F21Y113:10
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020021232
(22)【出願日】2020-02-12
(65)【公開番号】P2020134942
(43)【公開日】2020-08-31
【審査請求日】2020-02-12
(31)【優先権主張番号】201910116527.3
(32)【優先日】2019-02-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511287754
【氏名又は名称】光寶光電(常州)有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】503419697
【氏名又は名称】光寶科技股フン有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】孫 芳ユゥン
(72)【発明者】
【氏名】徐 世昌
(72)【発明者】
【氏名】呉 朝明
【審査官】金田 理香
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-276004(JP,A)
【文献】特開2008-257054(JP,A)
【文献】特開2008-262008(JP,A)
【文献】米国特許第06722066(US,B1)
【文献】特開2014-035456(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0118403(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 13/00 - 13/46
19/00 - 27/00
G01D 11/28
F21V 8/00
9/00 - 9/45
F21S 2/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットを含む発光モジュールと、
前記発光モジュールの上に設けられる模様付きパネルと、
を備える、ディスプレイであって、
前記模様付きパネルは、
透光基板と、
前記透光基板に設けられ、第1の透過スペクトルを有する第1の光透過部と、
前記透光基板に設けられ、第3の透過スペクトルを有する上層と第2の透過スペクトルを有する下層とを備える複合層となる第2の透過スペクトルを有する第2の光透過部と、
前記透光基板に設けられ、前記第3の透過スペクトルを有する第3の光透過部と、
を含み、
前記第3の光透過部は前記第1の光透過部及び前記第2の光透過部に隣り合い、
前記第1の発光ユニットによる光は、前記第1の光透過部及び前記第3の光透過部のみを透過できるが、前記複合層である第2の光透過部を透過できず、前記第2の発光ユニットからの光は前記複合層である第2の光透過部及び前記第3の光透過部のみを透過でき、前記第1の光透過部を透過できない
ことを特徴とするディスプレイ。
【請求項2】
前記第3の光透過部は、前記第1の光透過部又は前記第2の光透過部に直接接触する、ことを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項3】
前記第3の光透過部は、前記第1の光透過部又は前記第2の光透過部に直接接触しない、ことを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項4】
前記第1の発光ユニットによる光のピーク値は、第2の透過スペクトルの範囲内に位置しない、ことを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項5】
前記第1の発光ユニットによる光の波長範囲は、第2の透過スペクトルの範囲内に位置しない、ことを特徴とする請求項4に記載のディスプレイ。
【請求項6】
前記第1の発光ユニットによる光のピーク値は、400nm~550nm、500nm~580nm又は600nm~660nmであり、前記第2の発光ユニットによる光のピーク値は、400nm~550nm、500nm~580nm又は600nm~660nmである、ことを特徴とする請求項4に記載のディスプレイ。
【請求項7】
前記第1の光透過部と前記第3の光透過部とに対する前記第1の発光ユニットによる光の光透過率は5%より大きい、ことを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項8】
前記第2の光透過部と前記第3の光透過部とに対する前記第2の発光ユニットによる光の光透過率は5%より大きい、ことを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項9】
前記発光モジュールは、導光板をさらに含み、前記第1の発光ユニット及び前記第2の発光ユニットは、前記導光板の側方に設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項10】
前記第1の発光ユニット及び前記第2の発光ユニットは、前記第1の光透過部、前記第2の光透過部、及び前記第3の光透過部の下に設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項11】
前記模様付きパネルは、
前記透光基板に設けられ、第4の透過スペクトルを有する第4の光透過部をさらに備え、
前記第4の光透過部は前記第3の光透過部に隣り合い、
前記第3の透過スペクトルと前記第4の透過スペクトルとは、第3の重なり範囲を有し、
前記発光モジュールは第3の発光ユニットを有し、前記第3の発光ユニットによる第3のビームは、前記第3の光透過部及び前記第4の光透過部のみを透過できるが、前記第1の光透過部、及び前記複合層である第2の光透過部を透過できない、
ことを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項12】
前記第3のビームのピーク値は、前記第1の透過スペクトル及び前記第2の透過スペクトルの範囲内に位置しない、ことを特徴とする請求項11に記載のディスプレイ。
【請求項13】
前記第3のビームの波長範囲は、前記第1の透過スペクトル及び前記第2の透過スペクトルの範囲内に位置しない、ことを特徴とする請求項12に記載のディスプレイ。
【請求項14】
前記第4の光透過部及び前記第3の光透過部に対する前記第3のビームの光透過率は5%より大きい、ことを特徴とする請求項11に記載のディスプレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイに関し、特に発光モジュールにより所定のパターン又は符号を表示するディスプレイに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のディスプレイは、主に、模様付きパネルに所定の文字又はパターンを印刷し、さらに発光モジュールを組み合わせて使用して、文字又はパターンを発光させて表示するものである。なお、文字又はパターンの印刷には、一般的に、粒子が拡散される白い顔料が使用されるので、文字とパターンの色は発光モジュールからの光源の色しか表示できず、色彩が比較的単調である。
【0003】
今のディスプレイは、異なる色で印刷された文字又はパターンを提供し、さらに発光モジュールの光源を組み合わせて使用することにより、より多くの色彩が表現できるように改善された。しかし、一般の模様付きパネルにおいては、1つのブロック位置に1つのパターンや文字しか印刷されないので、多様な表示パターン及び色彩を提供するには大きな面積が必要となる。
【0004】
しかし、電子製品が軽量化、薄型化、小体積になるように発展することにつれて、模様付きパネルモジュールの小型化は、主流になり、従って、どのように模様付きパネルの1つのブロック位置に異なるパターン又は文字を表示するか、また、どのように発光モジュールの光源を組み合わせて使用して異なる色彩を表示するかは、模様付きパネル及びディスプレイの設計、サイズ及び利用率に対して大きく寄与する。
【発明の概要】
【0005】
上述の問題を解決するために、本発明が提供する技術的手段は、模様付きパネル及びその下に設けられる発光モジュールを備えるディスプレイである。具体的には、上記模様付きパネルは、透光基板、第1の光透過部、第2の光透過部及び第3の光透過部を含み、上記第1の光透過部、上記第2の光透過部及び上記第3の光透過部は全て上記透光基板に設けられ、上記第1の光透過部は第1の透過スペクトルを有し、上記第2の光透過部は第2の透過スペクトルを有し、上記第3の光透過部は第3の透過スペクトルを有する。上記第3の光透過部は上記第1の光透過部及び上記第2の光透過部に隣り合い、上記第3の透過スペクトルと上記第1の透過スペクトルとは第1の重なり範囲を有し、上記第3の透過スペクトルと上記第2の透過スペクトルとは第2の重なり範囲を有し、さらに、上記発光モジュールは、第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットを含み、上記第1の発光ユニットは、第1のビームを上記模様付きパネルを透過するように発生し、上記第1のビームのピーク値は上記第1の重なり範囲にあり、上記第2の発光ユニットは第2のビームを上記模様付きパネルを透過するように発生し、上記第2のビームのピーク値は上記第2の重なり範囲にある。
【0006】
さらに、上記第3の光透過部は、上記第1の光透過部又は上記第2の光透過部に直接接触する。
【0007】
さらに、上記第3の光透過部は、上記第1の光透過部又は上記第2の光透過部に直接接触しない。
【0008】
さらに、上記第1のビームのピーク値は第2の透過スペクトルの範囲内に位置しない。さらに、上記第1のビームの波長範囲は第2の透過スペクトルの範囲内に位置しない。
【0009】
さらに、上記第1のビーム及び第2のビームのピーク値は、それぞれ400nm~550nm、500nm~580nm又は600nm~660nmである。
【0010】
さらに、上記第1の光透過部と上記第3の光透過部とに対する上記第1のビームの光透過率は5%より大きい。
【0011】
さらに、上記第2の光透過部と上記第3の光透過部とに対する上記第2のビームの光透過率は5%より大きい。
【0012】
さらに、上記第1の発光ユニットは、上記第2の光透過部の下に設けられない。
【0013】
さらに、上記第1の発光ユニット及び上記第2の発光ユニットは、上記第3の光透過部の下に設けられる。
【0014】
さらに、上記第1の光透過部、上記第2の光透過部、又は上記第3の光透過部の中の少なくとも一つは、多層構成である。
【0015】
さらに、上記模様付きパネルは、上記透光基板に設けられ、第4の透過スペクトルを有する第4の光透過部をさらに備える。上記第4の光透過部は上記第3の光透過部に隣り合い、上記第3の透過スペクトルと上記第4の透過スペクトルとは第3の重なり範囲を有する。上記発光モジュールは第3の発光ユニットを含み、上記第3の発光ユニットは第3のビームを上記模様付きパネルを透過するように発生し、上記第3のビームのピーク値は上記第3の重なり範囲にある。
【0016】
さらに、上記第3のビームのピーク値は、上記第1の透過スペクトル及び上記第2の透過スペクトルの範囲内に位置しない。
【0017】
さらに、上記第3のビームの波長範囲は、上記第1の透過スペクトル及び上記第2の透過スペクトルの範囲内に位置しない。
【0018】
さらに、上記第4の光透過部と上記第3の光透過部とに対する上記第3のビームの光透過率は5%より大きい。
【0019】
本発明の特徴及び技術内容がより一層分かるように、以下に本発明に関する詳細な説明と図面を記載するが、提供される図面は、参考と説明を提供するためのものに過ぎず、本発明を制限するためのものではない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1A】本発明における実施例のディスプレイを示す側面模式図である。
図1B】本発明における実施例のディスプレイを示す側面模式図である。
図2A】本発明における第1の実施例を示す上面模式図である。
図2B】本発明における第1の実施例の表示文字符パターンを示す上面模式図である。
図2C】本発明における第1の実施例の実施組合せ1の光透過部及び発光モジュールによるスペクトル図である。
図2D】本発明における第1の実施例の実施組合せ2の光透過部及び発光モジュールによるスペクトル図である。
図2E】本発明における第1の実施例の実施組合せ3の光透過部及び発光モジュールによるスペクトル図である。
図2F】本発明における第1の実施例の実施組合せ3の光透過部及び発光モジュールによるスペクトル図である。
図3A】本発明における第2の実施例を示す上面模式図である。
図3B】本発明における第2の実施例の表示文字符パターンを示す上面模式図である。
図3C】本発明における第2の実施例の光透過部及び発光モジュールによるスペクトル図である。
図4A】本発明における第3の実施例を示す上面模式図である。
図4B】本発明における第3の実施例の表示文字符パターンを示す上面模式図である。
図4C】本発明における第3の実施例の光透過部及び発光モジュールによるスペクトル図である。
図5A】本発明における実施例の模様付きパネルの製造方法を示す流れ図である。
図5B】本発明における他の実施例の模様付きパネルの製造方法を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、所定の具体実施例により本発明に開示される「ディスプレイ」に関する実施の形態を説明する。当業者は本明細書に開示される内容により本発明のメリットと効果が理解できる。本発明は他の具体実施例により実施又は応用されてもよく、本明細書における詳細は他の観点や応用に基づき、本発明の趣旨を逸脱することなく様々な変更を行ってもよい。また、本発明の添付図面は簡単な説明に過ぎず、実際のサイズに応じて描画されるものではない。以下の実施の態様は本発明に係る技術内容を詳しく説明するが、開示される内容は本発明の保護範囲を制限しない。
【0022】
本文では、用語「第1の、第2の、第3の」などで各種の素子又は信号を説明することがあるが、これらの素子又は信号はこれらの用語に限定されないことが理解される。これらの用語は、主に一方の素子と他方の素子、又は一方の信号と他方の信号を区別するためのものに過ぎない。なお、本明細書に使用される用語「又は」は、実際の状況に応じて、挙げられた関連の項目の中のいずれかの1つ又は複数の組合せを含む。
【0023】
上記の問題を解決するために、本発明は、模様付きパネルと、その下に設けられる発光モジュールとを備えるディスプレイを提供する。発光モジュールには、種類によって異なる色のビームを発生し得る複数種類の色違いの発光ユニットが含まれている。模様付きパネルは、複数の文字パターンを含む。文字パターンの数は発光ユニットの色の数に対応し、かつ、文字パターン同士が互いに一部重なり、(重なる。)即ち、各文字パターンは、非重なり領域と、他の文字パターンと共有する重なり領域とを含む。なかでも、各文字パターンの非重なり領域及び重なり領域における透過スペクトル又は色は、選定されるものである。それにより、第1種類の色を有する発光ユニットが駆動された場合、発生された光が1種類の文字パターンのみ透過でき、他の文字パターンを効果的に透過できないが、第2種類の色を有する発光ユニットが駆動された場合、発生された光が別の1種類の文字パターンのみ透過でき、他の文字パターンを効果的に透過できなくなり、このように類推される。これにより、ディスプレイは同一の範囲で2種類以上の文字パターンを表示させることができる。なお、文字パターンの一部が重なるので、既存の市販製品と比べると、本発明に係るディスプレイの体積が小さいため、小型化の目的が効果的に達成できる。
【0024】
上記の目的を実現するために、本発明には、新規な模様付きパネルも提供される。以下、まず、2種類の文字パターンを有する模様付きパネル及びディスプレイを例として本発明の詳細を説明する。
【0025】
本実施形態において、模様付きパネルは、透光基板、第1の光透過部、第2の光透過部及び第3の光透過部を備える。第3の光透過部は第1の光透過部及び第2の光透過部に隣り合う。第1の光透過部は、第3の光透過部に隣り合い、且つ第1の文字パターンと対応的に形成される。第2の光透過部は、第3の光透過部に隣り合い、且つ第2の文字パターンと対応的に形成される。言い換えれば、第3の光透過部は、第1の文字パターンと第2の文字パターンとの重なり領域であり、第1の光透過部及び第2の光透過部は、それぞれ第1の文字パターンと第2の文字パターンとの各自の領域であって、すなわち非重なり領域である。特に説明すべきことは、本発明における各文字パターンは、連続した図形である必要がなく、分離した図形であってもよい。例えば、符号「i」は、一本の直線及び分散した点を含む。すなわち、隣り合った光透過部とは、互いに直接接触してもよいし、直接接触しなくてもよい。例えば、第1の光透過部と第3の光透過部とは、直接接触してもよいし、直接接触しなくてもよい。同様に、第2の光透過部と第3の光透過部とは、直接接触してもよいし、直接接触しなくてもよい。なお、光透過部自体は、連続した領域であってもよいし、分散した領域であってもよく、こういった変化は本発明の範囲に含まれる。
【0026】
本実施形態において、第1の光透過部、第2の光透過部及び第3の光透過部は、それぞれ第1の透過スペクトル、第2の透過スペクトル及び第3の透過スペクトルを有する。第1の透過スペクトルと第3の透過スペクトルとは第1の重なり範囲を有し、第2の透過スペクトルと第3の透過スペクトルとは第2の重なり範囲を有する。なお、第1の文字パターンに対応する第1の発光ユニットは、ピーク値が第1の重合範囲内にある第1のビームを発生する。それにより、第1の発光ユニットが駆動された場合、発生される第1のビームが第1の光透過部及び第3の光透過部を透過して、ディスプレイに第1の文字パターンが表示される。なお、第1のビームを第1の文字パターンにのみ透過させる(すなわち、第1の光透過部及び第3の透光部のみを透過できるが、第2の光透過部を透過できない)ためには、第1のビームのピーク値が第2の透過スペクトルの範囲内に位置しない必要がある。第1のビームの全体の波長範囲が第2の透過スペクトルの範囲内に位置しないことがさらに好ましい。なお、より良い表示効果を取得するために、第1の光透過部の第1のビームに対する光透過率が5%より大きいことが好ましい。
【0027】
同様に、第2の文字パターンに対応する第2の発光ユニットは、ピーク値が第2の重なり範囲にある第2のビームを発生する。それにより、第2の発光ユニットが駆動された場合、発生される第2のビームが第2の光透過部及び第3の光透過部を透過して、ディスプレイに第2の文字パターンが表示されるようになる。第2のビームを第2の文字パターンにのみ透過させる(すなわち、第2の光透過部及び第3の透光部のみを透過するが、第1の光透過部を透過できない)ためには、第2のビームのピーク値が第1の透過スペクトルの範囲内に位置しない必要がある。第2のビームの全体の波長範囲が第1の透過スペクトルの範囲内に位置しないことがさらに好ましい。なお、より良い表示効果を取得するために、第2の光透過部の第2のビームに対する光透過率が5%より大きいことが好ましい。
【0028】
後述の実施例において、光透過部は、透光性のインク材料からなり、印刷によって透光基板に形成されるが、本発明がこの例に限定されない。光透過部の材料は、他の透光性の材料に取り替えられてもよい。また、光透過部は、他の方式(例えば、蒸着、スパッタリング)で透光基板に形成されてもよい。なお、ディスプレイの光取り出しの均一性を向上させるために、光透過部に光拡散剤を添加してもよい。そして、光透過部の透過スペクトルを効率よく制御するために、本発明における一部の実施形態において、光透過部は多層構成でもよい。すなわち、第1の光透過部、第2の光透過部、又は第3の光透過部は、複数の透光層より構成されてもよい。例として、一部の実施形態において、青の発光ユニットからのビームは緑インク層を透過するが、黄色インク層に阻止される。そのため、緑の発光ユニットに対応する光透過部を形成する場合は、緑インク層だけでなく、黄色インク層をさらに積層する。これによって、隣り合った青の発光ユニットのビームが黄色インク層に阻止されて当該光透過部を透過できないが、緑の発光ユニットから発生するビームは当該光透過部を透過できる。このように、青色及び緑色が互いに干渉せずに表示される。好ましい実施形態において、黄色透光層が緑の透光層の下に位置するので、当該光透過部の外観が緑であって、より良い外観になる。
【0029】
一部の実施例において、第1の透過スペクトル及び第2の透過スペクトルは、波長範囲390nm~550nm、400nm~600nm、及び590nm~800nmからなる群から選ばれてもよい。上記の範囲に対応して、第1の光透過部及び第2の光透過部は、例えば、青、緑又は赤のいずれかであってもよい。前述した第1のスペクトル及び第2のスペクトルの波長範囲を適用した場合、第3の透過スペクトルは、波長範囲400nm~600nm、又は480nm~800nmから選ばれるものであると共に、波長範囲390nm~525nm、570nm~800nm、及び380nm~800nmからなる群を含んでもよい。上記波長範囲に対応して、第3の光透過部の色は、例えば、緑、黄色、マゼンタ又は透明であってもよいが、光拡散剤の量によって、透明の代わりに、白色を使用してもよい。なお、上記群に対応する第1の重なり範囲及び第2の重なり範囲は、390nm~550nm、480nm~600nm及び590nm~800nmであってもよい。
【0030】
上記のように、上記の2つの文字パターンを含む模様付きパネルを使用する場合、発光モジュールは、それぞれ第1のビーム及び第2のビームを発生する2つの発光ユニット、即ち第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットを有する必要がある。本発明において、発光ユニットは、1つ又は複数の光源を含んでもよく、且つ、2種類の文字パターンを明確に表示するために、第1のビームと第2のビームの色を同一にすることができない。一部の実施形態において、発光モジュールは、直下式発光のものである。即ち、発光ユニットは模様付きパネルの下に直接設けられる。また、文字符パターンの分布形態に対応して、第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットは対応の文字パターンの下に設置される。つまり、発光ユニットは第1の光透過部、第2の光透過部及び第3の光透過部の下に離間して分散設置してもよい。しかし、図1Bに示されるように、他の一部の実施形態において、発光モジュールは、側方発光のものである。即ち、発光モジュールは、模様付きパネルの下に設けられる導光板を有し、且つ、第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットは導光板の側方に設けられる。本発明において、好ましくは、発光源は、例えば、発光ダイオード又はレーザダイオードのような、半値全幅の狭いものである。ピーク値は、波長範囲400nm~550nm、500nm~580nm、及び600nm~660nmの中から選ばれることが好ましい。上記範囲に対応すれば、青、緑又は赤のビームを発生できる。
【0031】
なお、直下発光の態様では、表示効果を向上させるために、好ましくは、発光源は、重なり領域と、上記文字パターンの下(すなわち、上記文字パターンの重なり領域及び/又は非重なり領域の下)とに設けられ、他の文字パターンの非重なり領域の下に設けられない。これに対して、一部の実施形態において、重なり領域の下に2種類以上の発光ユニットが設けられてもよい。例えば、2つの文字パターンを含むディスプレイの場合、第1の発光ユニットは、第2の光透過部ではなく、第1の光透過部及び/又は第3の光透過部の下に設けられる。一方、第2の発光ユニットは、第1の光透過部の下ではなく、第2の光透過部及び/又は第3の光透過部の下に設けられる。
【0032】
上記の2種類の文字パターンを含むものだけでなく、本発明は、以下のように、3種類の文字パターンを含む模様付きパネル及びディスプレイをも例示する。
【0033】
3種類の文字パターンを含む模様付きパネルにおいては、上記の第1の光透過部、第2の光透過部及び第3の光透過部に加えて、第4の光透過部を透光基板に形成してもよい。当該第4の光透過部は、透光基板に設けられ、第3の光透過部と隣り合うように第3の文字パターンに形成される。つまり、第1の文字パターン、第2の文字パターン及び第3の文字パターンの一部は重なる。第3の光透過部は3つの文字パターンの重なり領域であるが、第1の光透過部、第2の光透過部、第4の光透過部は、それぞれ第1の文字パターン、第2の文字パターン及び第3の文字パターンの各自の領域であり、すなわち非重なり領域である。
【0034】
具体的には、第1の光透過部、第2の光透過部、第3の光透過部及び第4の光透過部は、それぞれ第1の透過スペクトル、第2の透過スペクトル、第3の透過スペクトル及び第4の透過スペクトルを有する。第3の透過スペクトルは、第1の透過スペクトル及び第2の透過スペクトルとは第1の重なり範囲及び第2の重なり範囲を有する。さらに、第3の透過スペクトルは、第4の透過スペクトルとは第3の重なり範囲を有する。一方、第1の文字パターンに対応する第1の発光ユニットは第1のビームを発生する。第1のビームのピークは第1の重なり範囲に位置し、第2の透過スペクトル及び第4の透過スペクトルの重なり範囲内に位置しない。好ましくは、第1のビーム全体の波長範囲が、第2の透過スペクトル及び第4の透過スペクトルの重なり範囲内に位置しない。これにより、第1の発光ユニットが駆動された場合、発生される第1のビームは第1の光透過部及び第3の光透過部を透過でき、第2の光透過部及び第4の光透過部を透過できない。これにより、ディスプレイに第1の文字パターンが表示される。
【0035】
同様に、第2の文字パターンに対応する第2の発光ユニットは第2のビームを発生する。第2のビームのピークは第2の重なり範囲に位置し、第1の透過スペクトル及び第4の透過スペクトルの範囲内に位置しない。好ましくは、第2のビーム全体の波長範囲が、第1の透過スペクトル及び第4の透過スペクトルの範囲内に位置しない。第3の文字パターンに対応する第3の発光ユニットは第3のビームを発生する。第3のビームのピークは第3の重なり範囲に位置し、第1の透過スペクトル及び第2の透過スペクトルの範囲内に位置しない。好ましくは、第3のビーム全体の波長範囲が、第1の透過スペクトル及び第2の透過スペクトルの範囲内に位置しない。これにより、第2の発光ユニットが駆動された場合、発生される第2のビームが第2の光透過部及び第3の光透過部を透過して、第2の文字パターンはディスプレイに表示される。第3の発光ユニットが駆動された場合、発生される第3のビームが第4の光透過部及び第3の光透過部を透過して、第3の文字パターンはディスプレイに表示される。同様に、好ましくは、より良い表示効果のために、第4の光透過部及び第3の光透過部に対する第3のビームの光透過率が5%より大きい。
【0036】
一部の上記ディスプレイの実施例において、発光モジュールは、それぞれ第1のビーム、第2のビーム及び第3のビームを発生する第1の発光ユニット、第2の発光ユニット及び第3の発光ユニットを備える。第1のビーム~第3のビームのピーク値は、それぞれ波長範囲400nm~550nm、500nm~580nm、及び600nm~660nmにある。即ち、第1のビーム、第2のビーム及び第3のビームは、それぞれ青、緑及び赤である。この際に、第1の透過スペクトル及び第2の透過スペクトル及び第4の透過スペクトルは、それぞれ波長範囲390~550nm、400~600nm、及び590nm~800nmに対応する。即ち、第1の光透過部、第2の光透過部、第4の光透過部は、それぞれ青、緑及び赤である。この実施例において、好ましくは、第3の透過スペクトルが380nm~800nmである。即ち、第3の光透過部の色は透明であるが、光拡散剤の量によっては白でもよい。
【0037】
なお、上記の実施例においては、両者の間に重なり領域がなく、3種類の文字パターンの三者が共有する重なり領域(即ち、第3の光透過部)を有するディスプレイを例示した。しかし、本発明がこれに限定されることなく、必要に応じて、第1の文字パターンと第2の文字パターンとの間に、第2の文字パターンと第3の文字パターンとの間に、及び第1の文字パターンと第3の文字パターンとの間に重なり領域を有してもよい。言い換えれば、模様付きパネルは、第1の光透過部、第2の光透過部、第3の光透過部及び第4の光透過部の他に、第5の透過スペクトルを有する第5の光透過部、第6の透過スペクトルを有する第6の光透過部、及び第7の透過スペクトルを有する第7の光透過部を含んでもよい。具体的には、第1の光透過部、第3の光透過部、第5の光透過部及び/又は第7の光透過部は、互いに隣り合って第1の文字パターンに形成される。第2の光透過部、第3の光透過部、第5の光透過部及び/又は第6の光透過部は、互いに隣り合って第2の文字パターンに形成される。第4の光透過部、第3の光透過部、第6の光透過部及び/又は第7の光透過部は、互いに隣り合って第3の文字パターンに形成される。つまり、第3の光透過部の他に、第5の光透過部は第1の文字パターンと第2の文字パターンとの別の重なり領域となり、第6の光透過部は第2の文字パターンと第3の文字パターンとの別の重なり領域となり、第7の光透過部は、第1の文字パターンと第3の文字パターンとの別の重なり領域となる。
【0038】
上記の透過スペクトル及びビームの選択基準と同じように、第1の透過スペクトル、第3の透過スペクトル、第5の透過スペクトル及び/又は第7の透過スペクトル(第1の文字パターンに対応する)は、第1の重なり範囲を有する。第1のビームのピークは上記第1の重なり範囲に位置し、第2の透過スペクトル、第4の透過スペクトル及び第6の透過スペクトル(第1の文字パターンに対応しない)の範囲内に位置しない。同様に、第2の透過スペクトル、第3の透過スペクトル、第5の透過スペクトル及び/又は第6の透過スペクトル(第2の文字パターンに対応する)は、第2の重なり範囲を有する。第2のビームのピークは上記第2の重なり範囲に位置し、第1の透過スペクトル、第4の透過スペクトル、第7の透過スペクトル(第2の文字パターンに対応しない)の範囲内に位置しない。同様に、第4の透過スペクトル、第3の透過スペクトル、第6の透過スペクトル及び/又は第7の透過スペクトル(第3の文字パターンに対応する)は第3の重なり範囲を有する。第3のビームのピークは上記第3の重なり範囲に位置し、第1の透過スペクトル、第2の透過スペクトル、第5の透過スペクトル(第3の文字パターンに対応しない)の範囲内に位置しない。これにより、それぞれ第1の発光ユニット、第2の発光ユニット又は第3の発光ユニットが駆動された場合、ディスプレイには、第1の文字パターン、第2の文字パターン又は第3の文字パターンがそれぞれ表示される。
【0039】
よって、例えば、一部の上記ディスプレイの実施例において、第1のビーム~第3のビームのピークは、それぞれ波長範囲400nm~550nm、500nm~580nm、及び600nm~660nmにある。即ち、第1のビーム、第2のビーム、及び第3のビームは、それぞれ青、緑及び赤である。この際に、第1、第2及び第4の透過スペクトルは、それぞれ波長範囲390nm~550nm、400nm~600nm、及び590nm~800nmに対応する。即ち、第1の光透過部、第2の光透過部、第4の光透過部は、それぞれ青、緑及び赤である。なお、第3の透過スペクトルが380nm~800nmであることが好ましい。即ち、第3の光透過部の色は透明であるが、光拡散剤の量によっては白になってもよい。第5の透過スペクトル、第6の透過スペクトル及び第7の透過スペクトルは、それぞれ波長範囲480nm~800nm、及び400nm~600nmと対応すると共に、波長範囲390nm~525nm及び570nm~800nmも含んでいる。即ち、第5の光透過部、第6の光透過部、第7の光透過部は、それぞれ黄色、緑及びマゼンタである。
【0040】
以上に、2種類の文字パターン及び3種類の文字パターンのディスプレイを例示したが、本発明はこれに限定されることなく、当業者が本発明の内容を参酌して、必要に応じて文字パターン、光透過部及び発光ユニットの数を増やしてもよい。これらの態様のいずれも本発明の範囲に含まれる。
【0041】
本発明に係るディスプレイをさらに詳しく説明するために、以下の実施例を例示する。
【0042】
第1の実施例
図1A及び1Bは、本発明に係るディスプレイD側面を示す断面模式図であり、図2A、2BはディスプレイDを示す上面模式図である。図1Aに示されるように、本発明の第1の実施例は、発光モジュール1及び模様付きパネル2を備えるディスプレイDを提供する。模様付きパネル2は発光モジュール1の上に設けられ、発光モジュール1は第1の発光ユニット11及び第2の発光ユニット12を含む。また、模様付きパネル2は、透光基板S、第1の光透過部21、第2の光透過部22及び第3の光透過部23を含む。即ち、第1の光透過部21、第2の光透過部22及び第3の光透過部23は、いずれも透光基板Sに設けられ、詳しく説明すると、透光基板Sにおける同一の平面に設置され、且つ発光モジュール1とは別の平面に設置される。また、第1の発光ユニット11及び第2の発光ユニット12は、第1の光透過部21、第2の光透過部22及び第3の光透過部23の下に設けられる。図1Bは、本発明に係るディスプレイの他の実施形態であり、当該ディスプレイは、発光モジュール1、模様付きパネル2及び導光板Gを備える。導光板Gは模様付きパネル2の下に設けられ、発光モジュール1は、導光板Gの側辺に設けられる第1の発光ユニット11及び第2の発光ユニット12を含む。
【0043】
図2Aは、図1Aの上面模式図である。第1の光透過部21、第2の光透過部22及び第3の光透過部23は、いずれも透光基板Sの同一の表面に設けられる。第3の光透過部23は、第1の光透過部21及び第2の光透過部22と隣接し、第1の光透過部21及び第2の光透過部22の間に位置する。
【0044】
図2Bは、本発明に係る第1の実施例のディスプレイDによって表示される文字パターンを示す。第1の光透過部1、第2の光透過部2及び第3の光透過部3の組合せにより、ディスプレイDは、第1の光透過部1と第3の光透過部3とにより組合された第1の文字パターンA、及び第1の光透過部2と第3の光透過部3により組合された第2の文字パターンBの2種類の文字パターンを表示することができる。
【0045】
次に、表1及び図2C~2Fを参照して、実施組合せ1~4における各部材のスペクトル特性を説明する。実施組合せ1では、図2Cに示されるように、第1の光透過部21はL1の透過スペクトルを有する赤インク層であり、第2の光透過部22はL2の透過スペクトルを有する緑インク層であり、第3の光透過部23はL4の透過スペクトルを有する黄色インク層である。この実施組合せにおいて、第1の発光ユニット11は、E1の発光スペクトルを有する赤光LEDを含み、当該赤光LEDが駆動された場合、発生される赤光は赤インク層(第1の光透過部21)及び黄色インク層(第3の光透過部23)のみを透過し、緑インク層(第2の光透過部22)を透過できない。それによって、赤の文字パターンAが表示される。又、第2の発光ユニット12は、E2の発光スペクトルを有する緑光LEDを含み、当該緑光LEDが駆動された場合、発生される緑光は緑インク層(第2の光透過部22)及び黄色インク層(第3の光透過部23)のみを透過し、赤インク層(第1の光透過部21)を透過できない。それによって、緑の文字パターンBが表示される。
【0046】
実施組合せ2は、図2Dに示すように、第1の光透過部21はL1の透過スペクトルを有する赤インク層であり、第2の光透過部22はL3の透過スペクトルを有する青インク層であり、第3の光透過部23はL5の透過スペクトルを有するマゼンタインク層である。この実施組合せにおいて、第1の発光ユニット11は、E1の波形を有する赤光LEDを含む。当該赤LEDが駆動された場合、発生される赤光は赤インク層(第1の光透過部21)及マゼンタインク層(第3の光透過部23)のみを透過し、青インク層(第2の光透過部22)を透過できない。それによって、赤の文字パターンAが表示される。又、第2の発光ユニット12は、E3の発光スペクトルを有する青光LEDを含み、当該青光LEDが駆動された場合、発生される青光が青インク層(第2の光透過部22)及びマゼンタインク層(第3の光透過部23)のみを透過し、赤インク層(第1の光透過部21)を透過できない。それによって、青の文字パターンBが表示される。
【0047】
実施組合せ3は、図2Eに示されるように、第1の光透過部21は、L3の透過スペクトルを有する青インク層である。第2の光透過部22は、上層がL2の透過スペクトルを有する緑インク層であって、下層がL4の透過スペクトルを有する黄色インク層である複合層からなる。また、第3の光透過部23は、L2の透過スペクトルを有する緑インク層である。この実施組合せにおいて、第1の発光ユニット11は、E3の発光スペクトルを有する青LEDを含む。発生される青光は青インク層(第1の光透過部21)及び緑インク層(第3の光透過部23)のみを透過でき、当該複合層(第2の光透過部22)を透過できない。それによって、青の文字パターンAが表示される。又、第2の発光ユニット12は、E2の発光スペクトルを有する緑光LEDを含む。当該緑光LEDが駆動された場合、発生される緑光は複合層(第2の光透過部22)及び緑インク層(第3の光透過部23)のみを透過でき、青インク層(第1の光透過部21)を透過できない。それによって、緑の文字パターンBが表示される。
【0048】
実施組合せ4は、図2Fに示されるように、第1の光透過部21はL1の透光スペクトルを有する赤インク層である。第2の光透過部22は、上層がL2の透過スペクトルを有する緑インク層であって、下層がL4の透過スペクトルを有する黄色インク層である複合層からなる。また、第3の光透過部23は、L4の透過スペクトルを有する黄色インク層である。この実施組合せにおいて、第1の発光ユニット11は、E1の発光スペクトルを有する赤光LEDを含む。当該赤光LEDが駆動された場合、発生される赤光は赤インク層(第1の光透過部21)及び黄色インク層(第3の光透過部23)のみを透過でき、当該複合層(第2の光透過部22)を透過できない。それによって、赤の文字パターンAが表示される。又、第2の発光ユニット12は、E2の発光スペクトルを有する緑光LEDを含む。当該緑光LEDが駆動された場合、発生される緑光は複合層(第2の光透過部22)及び黄色インク層(第3の光透過部23)のみを透過し、赤インク層(第1の光透過部21)を透過できない。それによって、緑の文字パターンBが表示される。
【0049】
表1
【表1】
【0050】
第2の実施例
図3Aは、本発明に係る第2の実施例で提供されるディスプレイD'を示す上面模式図である。本発明に係る第2の実施例のディスプレイD'は、発光モジュール1及び模様付きパネル2を備える。発光モジュール1は、第1の発光ユニット11及び第2の発光ユニット12に加えて、第3の発光ユニット13(図示せず)を含む。模様付きパネル2は、透光基板S、第1の光透過部21、第2の光透過部22、第3の光透過部23及び第4の光透過部24を含む。詳しく説明すると、第1の光透過部21、第2の光透過部22、第3の光透過部23及び第4の光透過部24は、いずれも透光基板S上の同一の表面に設けられる。第3の光透過部23は、第1の光透過部21と、第2の光透過部22と、第4の光透過部24との間に位置し、且つ第1の光透過部21と、第2の光透過部22と第4の光透過部24とに隣接する。なお、第1の発光ユニット11は、第1の光透過部21の下に位置し、第2の発光ユニット12は、第2の光透過部22の下に位置し、第3の発光ユニット13は、第4の光透過部24の下に位置する。
【0051】
図3Bに示されるように、第1の光透過部21、第2の光透過部22及び第4の光透過部24と第3の光透過部23の組合せにより、本発明に係る第2の実施例のディスプレイD'は、第1の光透過部21と第3の光透過部23との組合せである第1の文字パターンA、第2の光透過部22と第3の光透過部23との組合せである第2の文字パターンB、及び第4の光透過部24と第3の光透過部23との組合である第3の文字パターンCの3種類の文字パターンを表示できる。
【0052】
次に、表2及び図3Cを参照して、本実施例における各部材のスペクトル特性を説明する。第1の光透過部21は、L1の透過スペクトルを有する赤インク層である。第2の光透過部22は、上層がL2の透過スペクトルを有する緑インク層であって、下層がL4の透過スペクトルを有する黄色インク層である複合層からなる。第3の光透過部23は、光拡散剤のみが添加された白インク層(全透過)である。第4の光透過部24は、L3の透過スペクトルを有する青インク層である。一方、第1の発光ユニットは、E1の発光スペクトルを有する赤光LEDを含み、第2の発光ユニットは、E2の発光スペクトルを有する緑光LEDを含み、第3の発光ユニットは、E3の発光スペクトルを有する青光LEDを含む。
【0053】
よって、当該赤光LEDが駆動された場合、発生される赤光は赤インク層(第1の光透過部21)及び白インク層(第3の光透過部23)のみを透過でき、複合層(第2の光透過部22)及び青インク層(第4の光透過部24)を透過できない。それによって、赤の文字パターンAが表示される。当該緑光LEDが駆動された場合、発生される緑光は複合層(第2の光透過部22)及び白インク層(第3の光透過部23)のみを透過でき、赤インク層(第1の光透過部21)及び青インク層(第4の光透過部24)を透過できない。それによって、緑の文字パターンBが表示される。当該青光LEDが駆動された場合、発生される青光が青インク層(第4の光透過部24)及び白インク層(第3の光透過部23)のみを透過でき、赤インク層(第1の光透過部21)及び複合層(第2の光透過部22)を透過できない。それによって、青の文字パターンCが表示される。
【0054】
表2
【表2】
【0055】
第3の実施例
図4Aは、本発明に係る第3の実施例で提供されるディスプレイD"の上面模式図である。図4Aに示されるように、本発明に係る第3の実施例のディスプレイD"は、発光モジュール1及び模様付きパネル2を備える。発光モジュール1は、第1の発光ユニット11及び第2の発光ユニット12の他に、第3の発光ユニット13(図示せず)を含む。模様付きパネル2は、透光基板S、及び第1の光透過部21~第7の光透過部27を備える。詳しく説明すると、図4Bに示されるように、第1の光透過部21~第7の光透過部27の組合せにより、本発明に係る第3の実施例のディスプレイD"は、第1の光透過部21、第3の光透過部23、第5の光透過部25及び第7の光透過部27の組合せである第1の文字パターンAと、第2の光透過部22、第3の光透過部23、第5の光透過部25及び第6の光透過部26の組合せである第2の文字パターンBと、第4の光透過部24、第3の光透過部23、第6の光透過部26及び第7の光透過部27の組合せである第3の文字パターンCと、文字パターンを表示することができる。
【0056】
次に、表3及び図4Cを参照して、本実施例における各部材のスペクトル特性を説明する。第1の光透過部21は、L1の透過スペクトルを有する赤インク層である。第2の光透過部22は、上層がL2の透過スペクトルを有する緑インク層であって、下層がL4の透過スペクトルを有する黄色インク層である複合層からなる。第3の光透過部23は、光拡散剤のみが添加された白インク層(全透過)である。第4の光透過部24は、L3の透過スペクトルを有する青インク層である。なお、第5の光透過部25は、L4の透過スペクトルを有する黄色インク層である。第6の光透過部26は、L2の透過スペクトルを有する緑インク層である。第7の光透過部27は、L5の透過スペクトルを有するマゼンタインク層である。一方、第1の発光ユニットは、E1の発光スペクトルを有する赤光LEDを含み、第2の発光ユニットは、E2の発光スペクトルを有する緑光LEDを含み、第3の発光ユニットは、E3の発光スペクトルを有する青光LEDを含む。
【0057】
よって、当該赤光LEDが駆動された場合、発生される赤光は赤インク層(第1の光透過部21)、白インク層(第3の光透過部23)、黄色インク層(第5の光透過部25)及びマゼンタインク層(第7の光透過部27)のみを透過でき、他の光透過部を透過できない。それによって、赤の文字パターンAが表示される。当該緑光LEDが駆動された場合、発生される緑光は、複合層(第2の光透過部22)、白インク層(第3の光透過部23)、黄色インク層(第5の光透過部25)及び緑インク層(第6の光透過部26)のみを透過でき、他の光透過部を透過できない。それによって、緑の文字パターンBが表示される。当該青光LEDが駆動された場合、発生される緑光は、青インク層(第4の光透過部24)、白インク層(第3の光透過部23)、緑インク層(第6の光透過部26)及びマゼンタインク層(第7の光透過部27)のみを透過でき、他の光透過部を透過できない。それによって、緑の文字パターンCが表示される。
【0058】
表3
【表3】
【0059】
第4の実施例
本発明の第1の実施例~第3の実施例で提供されたディスプレイの他に、本発明は、模様付きパネル及びその模様付きパネルを備えるディスプレイの製造方法をも提供する。本発明における模様付きパネルの製造方法の流れ図である図5Aに示されるように、当該製造方法は、透光基板を提供する工程であるS100と、透光基板に第1の光透過部1を形成する工程であるS200と、透光基板に第2の光透過部2を形成する工程であるS300と、及び透光基板に第3の光透過部3を形成する工程であるS400と、を含む。
【0060】
図5Bに示されるように、本発明に係る模様付きパネルの製造方法は、透光基板に第4の光透過部4を形成する工程であるS500をさらに含む。なお、第4の透過スペクトルを有する第4の光透過部4は第3の光透過部3に隣り合い、第3の透過スペクトルと第4の透過スペクトルの一部は重なる。
【0061】
第1の光透過部21、第2の光透過部22、第3の光透過部23、第4の光透過部24そのもの、及び第1の光透過部21、第2の光透過部22、第3の光透過部23、第4の光透過部24の透過スペクトルは、上記と同様のため、説明を省略する。
【0062】
また、光透過部を形成する工程S200、S300、S400及びS500の順序は特に限定されない。
【0063】
さらに、第1の光透過部21、第2の光透過部22、第3の光透過部23及び第4の光透過部24を形成する方法は、蒸着、スパッタリング又は伝統的インク印刷であってもよい。伝統的インク印制は、微細の文字符パターンを製造できるため、より好ましい。
【0064】
さらに、前述の構成に対し、適合な発光モジュールを選用して、模様付きパネルを発光モジュールの上に設置することにより、本発明のディスプレイを得ることができる。
【0065】
[本発明による有益な効果]
本発明の効果の一つは以下の通りである。本発明が提供するディスプレイは、「透光基板に設けられ、第3の透過スペクトルを有する第3の光透過部」、「上記第3の光透過部は上記第1の光透過部及び上記第2の光透過部に隣り合い」及び「上記第3の透過スペクトルは、上記第1の透過スペクトルと上記第2の透過スペクトルとそれぞれ部分的に重なる」という技術手段により、本発明における模様付きパネルに発光モジュールを組合せると、ディスプレイの模様付きパネルにおける近くのブロック位置に、異なる文字、符号又はパターンを表示できる。それによって、模様付きパネルの面積を有効に小さくでき、ディスプレイのサイズをも小さくできる。
【0066】
さらに、本発明における第3の光透過部によれば、第1の光透過部、第2の光透過部及び第4の光透過部は、透光基板の同一の平面に設けることができる。それにより、模様付きパネルの厚さを有効に小さくできる。
【0067】
また、本発明における第3の光透過部によれば、模様付きパネルの面積、厚さを小さくできるだけでなく、模様付きパネルの色の多様性にも寄与できる。本発明における所定の透過スペクトルの波長範囲によれば、ディスプレイの色の正確率が向上し、それにより、色ずれが発生する比率を減少できる。
【0068】
以上に開示された内容は本発明の好ましい実施可能な実施例に過ぎず、これにより本発明の特許請求の範囲を制限するものではない。従って、本発明の明細書及び図面の内容に基づき為された均等の技術的変形は、全て本発明の特許請求の範囲に含まれるものとする。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B