(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-22
(45)【発行日】2022-08-01
(54)【発明の名称】衝突対応の携帯用区画化装置
(51)【国際特許分類】
B60N 3/00 20060101AFI20220725BHJP
B60R 7/04 20060101ALI20220725BHJP
A45C 11/00 20060101ALI20220725BHJP
【FI】
B60N3/00 Z
B60R7/04 Z
A45C11/00 N
(21)【出願番号】P 2020120743
(22)【出願日】2020-07-14
(62)【分割の表示】P 2019153476の分割
【原出願日】2014-08-08
【審査請求日】2020-07-31
(32)【優先日】2014-07-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506345786
【氏名又は名称】ファーノ-ワシントン・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】シュローダー,ティモシー・ポール
(72)【発明者】
【氏名】ウエスト,ジェームズ・シー
【審査官】梶本 直樹
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-542380(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0307649(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0193179(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0243766(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0014602(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第0972616(EP,A2)
【文献】独国特許出願公開第102009039471(DE,A1)
【文献】スイス国特許発明第432266(CH,A)
【文献】独国実用新案第202006020143(DE,U1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 3/00-3/18
B60R 7/04
A45C 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
緊急車両で使用される、衝突対応の携帯用物品区画化装置であって
、
シェルであって、
共通の側面に沿って蝶番式に連結される、第1の半シェル及び第2の半シェルと、
前記第1及び第2の半シェルの少なくとも1つ内で画定される内部空間内に配置され
、各々がラッチ機構を備える複数の
ポーチ固定装置であって
、取り外し可能な手段
または磁気ポーチ取付
部から選択される、複数の
ポーチ固定装置と、を備える、
シェルと、
前記第1及び第2の半シェルの少なくとも1つの外壁に連結され、前記第1及び第2の半シェルの前記少なくとも1
つを緊急車両の壁面に固定するよう構成される、少なくとも1つの取付場所と、
前記複数の
ポーチ固定装置の各々を通じて各々が前記内部空間内で
前記第1及び第2の半シェルの少なくとも1つに取り外し可能に連結される複数のポーチであって、前記複数のポーチの各々が、前記ラッチ機構の少なくとも一部との協働的
連結を形成するキャッチを備える、複数のポーチと、
を備える、
衝突対応の携帯用物品区画化装置。
【請求項2】
前記キャッチがキャッチ内に形成される歯アパーチャを画定し、前記ラッチ機構がラッチ歯を備え、前記歯アパーチャと前記ラッチ歯は、前記キャッチと前記ラッチ機構との間に協働的
連結を形成するために相互に選択的に係合するようにサイズ決定される、請求項1に記載の衝突対応の携帯用物品区画化装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つの取付場所の各々がスタッドを備える、請求項1に記載の衝突対応の携帯用物品区画化装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つの取付場所の各々が楔形接合部を備える、請求項1に記載の衝突対応の携帯用物品区画化装置。
【請求項5】
前記複数の
ポーチ固定装置と前記第1の半シェル及び前記第2の半シェルの各々により画定される主面との間に裏装板が配置されるように、前記第1の半シェル及び前記第2の半シェルの少なくとも1つに固定される裏装板をさらに備える、請求項1に記載の衝突対応の携帯用物品区画化装置。
【請求項6】
前記裏装板が少なくとも1つの拘束用ストラップと締結手段を通じて前記少なくとも1つの取付場所に連結される、請求項5に記載の衝突対応の携帯用物品区画化装置。
【請求項7】
前記複数のポーチの少なくとも1つがそれらの内容物を示すように色分けされている、請求項1に記載の衝突対応の携帯用物品区画化装置。
【請求項8】
請求項1に記載の衝突対応の携帯用物品区画化装置であって、前後方向において少なくとも15Gである力を前記装置に加える、慣性力、衝撃、車両の衝突または急な車両の操縦に耐えるように構成される、衝突対応の携帯用物品区画化装置。
【請求項9】
請求項8に記載の衝突対応の携帯用物品区画化装置であって、前後方向において少なくとも22Gである力を前記装置に加える、慣性力、衝撃、車両の衝突または急な車両の操縦に耐えるように構成される、衝突対応の携帯用物品区画化装置。
【請求項10】
請求項1に記載の衝突対応の携帯用物品区画化装置であって、横方向において少なくとも17Gである力を前記装置に加える、慣性力、衝撃、車両の衝突または急な車両の操縦に耐えるように構成される、衝突対応の携帯用物品区画化装置。
【請求項11】
請求項10に記載の衝突対応の携帯用物品区画化装置であって、横方向において少なくとも26Gである力を前記装置に加える、慣性力、衝撃、車両の衝突または急な車両の操縦に耐えるように構成される、衝突対応の携帯用物品区画化装置。
【請求項12】
前記複数の
ポーチ固定装置が前記内部空間内の
配列として配置される、請求項1に記載の衝突対応の携帯用物品区画化装置。
【請求項13】
前記複数のポーチの各々が開口部を有する外面を画定する容器を備え、前記開口部と少なくとも前記外面の一部を被覆するようにサイズ決定される、蝶番式に連結されるフラップを前記容器が備える、請求項1に記載の衝突対応の携帯用物品区画化装置。
【請求項14】
少なくとも1つの取り外し可能なポーチを有する、緊急車両で使用される、衝突対応の携帯用物品区画化装置であって
、
シェルであって、
共通の側面に沿って蝶番式に連結される、第1の半シェル及び第2の半シェルと、
前記第1及び第2の半シェルの少なくとも1つ内で画定される内部空間内に配置され
、各々がラッチ機構を備える複数の
ポーチ固定装置であって
、取り外し可能な手段
または磁気ポーチ取付
部から選択される、複数の
ポーチ固定装置と、を備える、
シェルと、
前記第1及び第2の半シェルの少なくとも1つの外壁に連結され、前記第1及び第2の半シェルの前記少なくとも1
つを緊急車両の壁面に固定するよう構成される、少なくとも1つの取付場所と、
を備える、
衝突対応の携帯用物品区画化装置。
【請求項15】
前記複数の
ポーチ固定装置の少なくとも1つが、取り外し可能なポーチの表面とのバネ付勢された接合部
の連結を通じて前記取り外し可能なポーチ
を保持するように構成される、請求項14に記載の衝突対応の携帯用物品区画化装置。
【請求項16】
前記ラッチ機構は前記接合
部に設けられる、請求項15に記載の衝突対応の携帯用物品区画化装置。
【請求項17】
前記ラッチ機構は、保持位置または解放位置を占めるように移動可能で、相互に協働的である、ラッチ把手と、前記ラッチ把手の移動に伴って移動される少なくとも1つのラッチ歯とを有する、バネ付勢されたラッチを備え、
前記バネ付勢されたラッチが保持位置にあるとき、取り外し可能なポー
チの前記表面との前記接合部
の連結を形成するために、少なくとも1つのラッチ歯が
、対応する少なくとも1つの
前記接合部に設けられたラッチアパーチャ内に突出す
る、
請求項16に記載の携帯用物品区画化装置。
【請求項18】
前記複数の
ポーチ固定装置の少なくとも1つが
大域的に平面板表面を画定する、請求項
14~17のいずれか一項に記載の携帯用物品区画化装置。
【請求項19】
一方の側は緊急車両の壁面に固定され、他方の側は前記少なくとも1つの取付場所に固定されるようにサイズ決定される、迅速取付軌道を備える組立体をさらに備える、請求項14に記載の衝突対応の携帯用物品区画化装置。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、「A Crash-Ready,Portable,Compartmentalization Device」と題された2014年7月18日出願の仮出願第62/026,520号の利益を主張する。本出願は、「Equipment Mounting System」と題された2014年2月11日出願の仮出願第61/763,045号及び「Equipment Mounting System」と題された2014年2月11日出願のPCT出願第US 2014/015,898号ならびに「Equipment Mounting System」と題された2014年8月8日出願の代理人整理番号FER 0534 IAに対する米国出願に関する。本出願はまた、「Equipment Mounting System」と題された2014年8月8日出願の代理人整理番号FER 0534 WOに対するPCT出願にも関し、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本明細書は概して、車両または構造とともに様々な構成で使用するための携帯用区画化装置に関し、より具体的には、機器取付システムとともに使用される衝突対応の携帯用区画化装置に関する。
【背景技術】
【0003】
可動用途で使用される多くの供給品は、ある構造における使用のための設計技術を用いて設備内で整理される。多くの場合、設計技術は、可動用途等の空間が限定された環境において設備を使用することによる空間の不足を打開しない。さらに、設備は通常、可動用途において堅く取設されており、これは、設備内に保管された供給品が、別の場所で使用されることを可能にしない場合がある。設備用の固定ファスナが耐えなければならない堅さは、静止用途よりも可動用途において上昇する。さらに車両の乗員は、道具を必要とせずに設備の再配置を必要とすることがある。
【発明の概要】
【0004】
一実施形態では、衝突対応の携帯用物品区画化装置は、第1の半シェル及び第2の半シェルを含むシェルを含み得る。第1の半シェル及び第2の半シェルは、実質的に類似の寸法を有し、内部空間及び外部空間を画定し得る。第1の半シェル及び第2の半シェルは、第1の半シェル及び第2の半シェルが、第1の半シェル及び第2の半シェルが互いに平行に配置され、かつ内部空間が組み合わされるように互いに関係して積み重ねられる閉鎖位置、ならびに第1の半シェル及び第2の半シェルが互いに隣接してかつ互いに共平面に配置される開放位置に位置付けられ得るように、共通の側面に沿って蝶番式に連結されてもよい。衝突対応の携帯用物品区画化装置は、中心軸に実質的に平行な側面に沿って第1の半シェルに連結される第1の把手と、取付軸に実質的に平行であり、かつ1つ以上の脚部と反対の側面に沿って第1の半シェルに連結される第2の把手も含み得る。継ぎ目ファスナは、第1の半シェル及び第2の半シェルの外縁に連結され、シェルが閉鎖位置にあるとき、第1の半シェルを第2の半シェルと一緒に連結するために使用され得る。1つ以上の取付場所は、第1の半シェルの外壁に連結され、シェルを表面に固定するように構成され得る。1つ以上のポーチが、内部空間内のシェルに取り外し可能に連結され得る。各ポーチは、内部区画を画定し、物品を内部区画内に受容するための開口部を有する容器と、容器に蝶番式に連結され、開口部と容器の外面の少なくとも一部とを被覆するようにサイズ決定されるフラップと、フラップを容器の外面に固定するための手段と、を含み得る。衝突対応の携帯用物品区画化装置は、第1の半シェル及び第2の半シェルに連結され、内部空間が垂直方向に整列されたままであるように、シェルが開放位置にあるとき、第2の半シェルを固定し、第1の半シェルと第2の半シェルとの間に緊張力を提供するように構成される1つ以上の拘束用ストラップも含み得る。
【0005】
別の実施形態では、衝突対応の携帯用物品区画化装置の利用方法は、衝突対応の携帯用物品区画化装置を迅速取付軌道に取り付けることを含んでもよく、その衝突対応の携帯用物品区画化装置は第1の半シェル及び第2の半シェルを有するシェルを含んでもよく、第1の半シェル及び第2の半シェルは、内部空間及び外部空間を画定する実質的に類似の寸法を有し、第1の半シェル及び第2の半シェルが、第1の半シェル及び第2の半シェルが互いに平行に配置され、かつ内部空間が組み合わされるように互いに関係して積み重ねられる閉鎖位置、第1の半シェル及び第2の半シェルが互いに隣接してかつ互いに共平面に配置される開放位置に位置付けられ得るように、第1の半シェル及び第2の半シェルは共通の側面に沿って蝶番式に連結される。衝突対応の携帯用物品区画化装置は、中心軸に実質的に平行な側面に沿って第1の半シェルに連結される第1の把手と、取付軸に実質的に平行であり、かつ1つ以上の脚部と反対の側面に沿って第1の半シェルに連結される第2の把手も含み得る。継ぎ目ファスナは、第1の半シェル及び第2の半シェルの外縁に連結されてもよく、シェルが閉鎖位置にあるとき、第1の半シェルを第2の半シェルに連結する。第1の半シェルの外壁に連結され、1つ以上の拘束用ストラップに沿ってシェルを迅速取付軌道に固定するように構成される1つ以上の取付場所であり、1つ以上の拘束用ストラップは、第1の半シェル及び第2の半シェルに連結され、内部空間が垂直方向に整列されたままであるように、シェルが開放位置にあるとき、第2の半シェルを固定し、第1の半シェル及び第2の半シェルとの間に緊張力を提供するように構成される。本方法は、衝突対応の携帯用物品区画化装置を閉鎖位置から開放位置に移行させることと、1つ以上の拘束用ストラップで衝突対応の携帯用物品区画化装置を固定することと、も含み得る。
【0006】
これらの特徴及び本明細書に記載の実施形態によって提供される追加の特徴は、図面と併せて以下の詳細な記述を考慮して、より完全に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図面に示される実施形態は実例であり、特許請求の範囲によって定義される主題を制限することは意図されない。例示的実施形態の以下の詳細な記述は、以下の図面と併せて読むことで理解することができ、図面において同様の構造は同様の参照数字を用いて指示される。
【0008】
【
図1】本明細書に示され、記載される1つ以上の実施形態に従う磁気ポーチ取付部の正面図である。
【
図2】本明細書に示され、記載される1つ以上の実施形態に従う磁気ポーチ取付部の背面図である。
【
図3】本明細書に示され、記載される1つ以上の実施形態に従うポーチの正面図である。
【
図4】本明細書に示され、記載される1つ以上の実施形態に従うポーチの背面図である。
【
図5】本明細書に示され、記載される1つ以上の実施形態に従うポーチの上面図である。
【
図6A】本明細書に示され、記載される1つ以上の実施形態に従う取付ブラケットの等角図である。
【
図6B】本明細書に示され、記載される1つ以上の実施形態に従うポーチの下面図である。
【
図7】本明細書に示され、記載される1つ以上の実施形態に従うポーチの別の正面図である。
【
図8】本明細書に示され、記載される1つ以上の実施形態に従う単一のポーチの正面図である。
【
図9】本明細書に示され、記載される1つ以上の実施形態に従う単一のポーチの背面図である。
【
図10】本明細書に示され、記載される1つ以上の実施形態に従う単一のポーチの別の正面図である。
【
図11】本明細書に示され、記載される1つ以上の実施形態に従う丈高のポーチの正面図である。
【
図12】本明細書に示され、記載される1つ以上の実施形態に従う丈高のポーチの背面図である。
【
図13】本明細書に示され、記載される1つ以上の実施形態に従うラッチアダプタの等角図である。
【
図14】本明細書に示され、記載される1つ以上の実施形態に従って作動位置にあるラッチアダプタを示す。
【
図15】本明細書に示され、記載される1つ以上の実施形態に従う丈高のポーチの別の正面図である。
【
図16】本明細書に示され、記載される1つ以上の実施形態に従って磁気ポーチ取付部に連結される丈高のポーチの等角図である。
【
図17】本明細書に示され、記載される1つ以上の実施形態に従って2つの磁気ポーチ取付部に連結される丈高のポーチの等角図である。
【
図18】本明細書に示され、記載される1つ以上の実施形態に従って表面に取り付けられるポーチを例示する。
【
図19】本明細書に示され、記載される1つ以上の実施形態に従う衝突対応の携帯用物品区画化装置(軟質壁)の正面図である。
【
図20】本明細書に示され、記載される1つ以上の実施形態に従う軟質壁の背面図である。
【
図21】本明細書に示され、記載される1つ以上の実施形態に従う軟質壁のシェルの側面図である。
【
図22】本明細書に示され、記載される1つ以上の実施形態に従う軟質壁の下面図である。
【
図23】本明細書に示され、記載される1つ以上の実施形態に従う開放位置にある軟質壁の上面図である。
【
図24】本明細書に示され、記載される1つ以上の実施形態に従う軟質壁100の断面図である。
【
図25】本明細書に示され、記載される1つ以上の実施形態に従う軟質壁の別の上面図である。
【
図26】本明細書に示され、記載される1つ以上の実施形態に従う軟質壁の第1の実施形態の正面図である。
【
図27】本明細書に示され、記載される1つ以上の実施形態に従う軟質壁の第1の実施形態の背面図である。
【
図28】本明細書に示され、記載される1つ以上の実施形態に従う軟質壁の第2の実施形態の正面図である。
【
図29】本明細書に示され、記載される1つ以上の実施形態に従う軟質壁の第2の実施形態の背面図である。
【
図30】本明細書に示され、記載される1つ以上の実施形態に従う拘束用ストラップ及びアンカーの一実施形態の等角図である。
【
図31】本明細書に示され、記載される1つ以上の実施形態に従う車両の壁に連結される軟質壁を有する車両の断面図である。
【
図32】本明細書に示され、記載される1つ以上の実施形態に従う機器取付システムを例示する。
【
図33】本明細書に示され、記載される1つ以上の実施形態に従う取付スタッドの側面図である。
【
図34】本明細書に示され、記載される1つ以上の実施形態に従う楔形接合部の等角図である。
【
図35】本明細書に示され、記載される1つ以上の実施形態に従う楔形接合部の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図26及び27は、概して、輸送のための物品を整理及び固定するための衝突対応の携帯用モジュール式区画化軟質壁装置及びシステムの一実施形態を示す。軟質壁装置は、概して、完全なシェルを形成する2つの半シェルを含み、各半シェルは、複数のポーチを各半シェルに固定するためのいくつかの取り外し可能な手段を備えた裏装板を有する。複数のポーチは、様々な構成で各半シェルに固定されるように構成され得る。例えば、各取り外し可能な手段は、ただ1つのポーチを固定してもよい。別の例では、大きいポーチが、2つ以上の取り外し可能な手段に固定されてもよい。さらに別の例では、2つの小さいポーチが、単一の取り外し可能な手段に固定されてもよい。各半シェル内の取り外し可能な手段の構成は、軟質壁装置内の様々な大きさのポーチの複数の構成を可能にすることができる。各半シェルは他方の半シェルに固定され、完全なシェルを形成し、ポーチ及びその中に保持される物品を保護することができる。シェル、ポーチ、ならびに様々な取り外し可能な手段及び継手は、以下で定義されるように全て衝突対応である。言い換えると、完全なシェル、ポーチ、ならびに複数のポーチを固定するための様々な手段及び継手は、通常、衝突中に生じる慣性力及び衝撃力を凌ぎ、それらに耐え、さらに依然として機能性を保ち、その中に保管される様々な物品を収容するように設計される。軟質壁装置及びその使用方法の様々な実施形態が、本明細書により詳細に記載される。
【0010】
ここで
図1を参照すると、磁気ポーチ取付部500の正面図が保持位置で示される。磁気ポーチ取付部500は、整列板505、1つ以上の取付アパーチャ510、取付用の印540、1つ以上のラッチアパーチャ530、及びラッチ600(
図2)を含み得る。ラッチ600は、ラッチ把手525及び1つ以上のラッチ歯535を含み得る。各ラッチ歯535は、保持位置の
図1に示されるように各ラッチアパーチャ530に突出し得る。
【0011】
各ラッチ歯は、衝突対応であり得る。本書を通して用いる場合、「衝突対応」とは、装置、機器、取付部、軌道、締結装置、または構造に及ぼされる力が前後方向において約15G(すなわち、重力またはg力の単位)及び横方向において約17Gを超え得る状況で、装置、機器、取付部、軌道、締結装置、または構造が、慣性力、衝撃、車両の衝突、または急な車両の操縦を凌ぎ、その後、機能性を保つように構成されることを意味する。一実施形態では、装置、機器、取付具、軌道、締結装置、または構造に及ぼされる力は、前後方向において約22G(すなわち、重力またはg力の単位)及び横方向において約26Gを超えることがある。
【0012】
ラッチ軸550は、1つ以上のラッチアパーチャ530の各々の中心に位置し得る。1つ以上の取付アパーチャ510は、それらがラッチ軸550にわたって互いの鏡像であるように位置付けられ得る。取付アパーチャ軸555は、1つ以上の取付アパーチャ510の各々を二分する。取付アパーチャ軸555は、ラッチ軸550と実質的に直交し得る。
【0013】
取付用の印540は、どのポーチまたはポーチの組み合わせが磁気ポーチ取付部500に固定されるべきかを指示するために使用され得る。本書を通して用いる場合、参照番号を伴わない「ポーチ」という用語は、ポーチ900(
図3)、単一のポーチ901(
図8)、丈高のポーチ902(
図11)、及び長いポーチ903(
図25)であり得ることを指示する。一実施形態では、ポーチは、ポーチと磁気ポーチ取付部500との照合を容易にするために対応する印を有してもよい。別の実施形態では、整列板505の板表面545は、ポーチと磁気ポーチ取付部500との照合を容易にするために色分けされてもよい。
【0014】
図2は、磁気ポーチ取付部500の内部要素を識別するために任意の保護カバー(図示せず)が取り外された磁気ポーチ取付部500の背面図である。任意の保護カバーは、磁気ポーチ取付部500を埃及び他の汚染物質から密閉するために使用され得る。ラッチ600は、ラッチ把手525及び1つ以上の移行ブロック610を含み得る。各移行ブロック610は、
図1の各ラッチ歯535に連結され得る。各移行ブロック610は、ラッチアパーチャ筐体615と摺動自在に連結され得る。ラッチアパーチャ筐体615の歯アパーチャ(図示せず)は、以下でより詳細に説明されるように、各ラッチ歯535が保持位置と解放位置との間で移行することを可能にすることができる。
【0015】
1つ以上の移行ブロック610は、1つ以上のラッチバネ605によって保持位置に付勢される(すなわち、各ラッチ歯535が各ラッチアパーチャ530に突出する)。各移行ブロック610は、少なくとも1つのラッチバネ605によって保持位置に付勢され得る。ラッチ把手525は、1つ以上のラッチアーム616を含み得る。各ラッチアーム616は、各移行ブロック610に連結され得る。一実施形態では、各ラッチアーム616は、各移行ブロック610と接触していてもよい。移行ブロック610が保持位置に付勢されるとき、ラッチ把手525は、移行ブロック610とラッチアーム616との接触によって、矢印「A」の方向に付勢される。
【0016】
ラッチ把手525は、
図1に示される保持位置から解放位置に移行され得る。解放位置では、ラッチ把手525は矢印「B」の方向に移行され得る。ラッチアーム616は、移行ブロック610に解放力を及ぼすことができ、それによって、1つ以上のラッチバネ605の付勢力を克服し、各ラッチ歯535をラッチアパーチャ530から退縮させる。ポーチに関連するラッチ600の動作は、以下でより詳細に記載される。
【0017】
さらに
図2を参照すると、整列板505は、1つ以上の板取付点620及び1つ以上の取付アパーチャ筐体625を含み得る。各板取付点620は、整列板505を表面または装置に固定するために使用され得る。各取付アパーチャ筐体625は、整列板505において
図1の各取付アパーチャ510を画定し得る。整列板505は、整列板505内に配置される1つ以上の磁気領域520も含み得る。各磁気領域520は、磁場を創出または維持する任意の装置または物体を含み得る。磁場を創出または維持する装置または物体としては、磁石、希土類磁石、電磁石、または磁化金属が挙げられ得る。一実施形態では、各磁気領域520は、板表面545を見たときに不可視であってもよい。
【0018】
図1及び2を参照すると、磁気ポーチ取付部500は、ポーチを表面1800または装置に固定するように構成され得る。例えば、表面1800または装置としては、車両の壁、車両構造、建物の壁、建物構造、小屋、椅子、鞄、荷車等が挙げられ得るが、これらに限定されない。磁気ポーチ取付部500は、衝突対応であるように構成され得る。
【0019】
図3は、ポーチ900の正面図である。ポーチ900は、フラップ905を含み得る。フラップ905は、可撓性窓910及びつまみ915を含んでもよい。可撓性窓910は、プラスチックまたはアクリル等で作製されてもよく、内部区画970(
図7)内の物品を見ることを可能にする。ポーチ900の寸法は、丈高約4~丈高約7及び幅約2~幅約6であり得る。全てのポーチは、ほぼ同じ厚さを有し得、厚さ約2~厚さ約6であり得る。一実施形態では、ポーチは、以下に記載されるように取り外し可能な手段を用いて1つの半シェルのみが構成される場合、厚さ約2~厚さ約8の厚さを有し得る。
【0020】
図4は、ポーチ900の背面図である。ポーチ900は、容器906及び取付ブラケット920を含み得る。容器906は、
図7に関連して以下でより詳細に考察される。取付ブラケット920は、1つ以上の整列ペグ925、キャッチ930、及び1つ以上のブラケット磁気領域935を有し得る。1つ以上の整列ペグ925は、
図1に示される1つ以上の取付アパーチャ510と摺動自在に連結するように構成され得る。キャッチ930は、
図1に示されるラッチアパーチャ530と取り外し可能に連結するように構成され得る。1つ以上のブラケット磁気領域935は、取付ブラケット920内に配置され、ポーチ900が磁気ポーチ取付部500に近接しているとき、
図2に示される1つ以上の磁気領域520に吸引磁力を誘発するように構成され得る。言い換えると、1つ以上のブラケット磁気領域935及び1つ以上の磁気領域520は各々の両極であり、それらの間に吸引磁力を誘発することができる。例えば、ポーチ900が磁気ポーチ取付部500に近接して定置されるとき、吸引磁力が整列し、ポーチ900を磁気ポーチ取付部500に連結する。別の実施形態では、1つ以上の磁気領域520は電磁石であってもよく、1つ以上のブラケット磁気領域935は、電磁石が励起されると電磁石に引き付けられる鉄金属であってもよい。
【0021】
取付ブラケット920は、1つ以上の締結手段950によってポーチ900の容器906に連結され得る。本書を通して用いる場合、「締結手段」としては、ネジ、ボルト、リベット、釘、接着剤、Velcro、溶接、エポキシ、または2つ以上の物体を機械的に一緒に継合若しくは添付する任意の同様の装置が挙げられ得るが、これらに限定されない。取付ブラケット920は、
図1に示される磁気ポーチ取付部500の半分と取り外し可能に連結するように構成され得る。ポーチ900は、取付ブラケット920を1つだけ伴って
図4に示される。ポーチ900は1つの磁気ポーチ取付部500の半分と連結してもよく、または2つのポーチ900が横ならびに1つの磁気ポーチ取付部500と連結してもよい。
【0022】
キャッチ軸940は、キャッチ930の中心に位置し得る。1つ以上の整列ペグ925は、キャッチ軸940にわたって互いの鏡像であるように位置付けられ得る。整列ペグ軸945は、1つ以上の整列ペグ925の各々を二分し得る。キャッチ軸940は、整列ペグ軸945と実質的に直交し得る。
【0023】
図5は、ポーチ900の平面図である。フラップ905は、ポーチ蝶番955によって容器906に蝶番式に連結され得る。一実施形態では、ポーチ蝶番955は、容器906が構築されるものと同じ材料から構築されてもよく、ピアノ蝶番のようである。フラップ905と容器906とを蝶番式に連結する機構の他の例としては、背出蝶番、ストラップ蝶番、t字蝶番、及び自在蝶番が挙げられ得るが、これらに限定されない。取付ブラケット920上のキャッチ930は、ラッチ歯535(
図1)を受容するように構成される歯アパーチャ960を含み得る。
【0024】
図6Aは、取付ブラケット920の等角図である。キャッチ930は、ラッチアパーチャ530(
図1)と取り外し可能に連結し、
図2のラッチアパーチャ筐体615と摺動自在に連結するように構成され得る。曲面965は、ラッチ把手525の作動によりキャッチ930がラッチアパーチャ530と連結されるとき、ラッチ歯535を保持位置から解放位置に移行するように構成され得る。曲面965は、傾斜縁部、テーパー状縁部等であってもよい。1つ以上の整列ペグ925は、各整列ペグ925を
図1の各取付アパーチャ510内に摺動自在に連結するための曲面965も含み得る。曲面965は、キャッチ930とラッチアパーチャ530との整列を支援し、かつ各整列ペグ925と各ラッチアパーチャ530との整列を支援し得る。
【0025】
図6Bは、ポーチ900の下面図である。取付ブラケット920は、容器906の下方
を包み、
図7に示される内部区画970内の物品の重量の一部を支持するように構成されるL字型拡張部995を含み得る。締結手段950を使用して、L字型拡張部995を容器906に連結することができる。固定手段985を使用して、フラップ905を容器906に固定することができる。固定手段は、以下でより詳細に考察される。
【0026】
図7は、開放位置にあるフラップ905を有するポーチ900の別の正面図である。容器906は、部分的な囲い及び開口部975を含み得る。部分的な囲い及び開口部975は、内部区画970を画定することができ、開口部975は、物品が内部区画970内に受容されることを可能にし得る。一実施形態では、容器906は、内部区画970内の物品を見ることを可能にするための可撓性窓を含んでもよい。フラップ905は、開口部975と容器906の外面980の少なくとも一部とを被覆するようにサイズ決定され得る。フラップ905は、容器906と同じ材料から作製され得る。一実施形態では、また
図7、8、10、11、及び15に示されるように、締結手段950は、容器906を通して取付ブラケット920(図示せず)に連結され得る。別の実施形態では、容器906は、耐水容器であってもよい。この実施形態では、締結手段は、容器906が耐水のままであることを確実にするために容器906を貫かなくてもよい。耐水容器を維持するために使用される締結手段は、接着剤、溶接、エポキシ、またはアパーチャを創出若しくは使用することなく2つ以上の物体を機械的に一緒に継合または添付する任意の同様の装置であり得る。
【0027】
ポーチ900は、フラップ905を容器906の外面980に固定するための固定手段985(
図6B)も含み得る。固定手段985としては、Velcro(登録商標)、ボタンスナップ、ボタン及びホール、フック及びバー、ジッパ、スナップバックル、バックル、Fidlock(登録商標)Sliderファスナ、Fidlock(登録商標)SNAPファスナ、Fidlock(登録商標)SNAPバックルファスナ、Fidlock(登録商標)SNAPプッシュファスナ、Fidlock(登録商標)SNAPプルファスナ、Fidlock(登録商標)MINI TURNファスナ、Fidlock(登録商標)Hookファスナ等が挙げられ得る。固定手段985は、衝突対応であり得る。
【0028】
一実施形態では、固定手段985は、スナップ985a及びポスト985bを含み得る。スナップ985a及びポスト985bの両方は、スナップ985a及びポスト985bが互いにごく近接しているとき、スナップ985aがポスト985bに引き付けられてポスト985bと連結するように、互いに両極である1組の磁石を含み得る。開放位置から閉鎖位置へ及びその逆のフラップの移行は、周期的に実施される。この周期の開放位置から閉鎖位置への移行部には、以下を含み得る。
段階1:スナップ985aのポスト985bへの接近中、すなわち1組の磁石間の磁力の有効領域内で、スナップ985a及びポスト985bは、1組の磁石間の吸引磁力の最大引力で閉鎖位置に側方に付勢される。
段階2:閉鎖位置にある1組の磁石間の吸引磁力は、スナップ985aをポスト985bと連結するために必要とされる力を超える。言い換えると、磁石の吸引力は、フラップ905を開放位置から閉鎖位置に移行させ、スナップ985a及びポスト985bの連結は、フラップ905を閉鎖位置に保持するための吸引磁力を超える。
閉鎖位置では、スナップ985a及びポスト985bは、フラップが閉鎖位置から開放位置に移行されるまで内部区画970内の任意の物品が内部区画970内に保持されるように一緒に連結される。この周期の閉鎖位置から開放位置への移行には、以下を含み得る。
段階3:1組の磁石間の吸引磁力は、スナップ985aのポスト985bに対する側方の変位によって弱まる。言い換えると、ユーザは、
図3に示されるつまみ915を掴んでフラップ905を引き下ろすことができ、それによりスナップ985a及びポスト985b内の1組の磁石は、これ以上互いに隣接しなくなる。スナップ985a及びポスト98
5bがより長い距離で離されるにつれて、吸引磁力はより弱まる。
段階4:この側方の変位とともに、スナップ985aが側方の変位によってポスト985bとの係合から外されるように、ポスト985bはスナップ985aから取り外され、それによりスナップ985a及びポスト985bは互いに離れる。
【0029】
1組の磁石を組み込むスナップ985a及びポスト985bは、ユーザがフラップ905を自由に落下させて解放することを可能にし、フラップ905は、1組の磁石間の吸引磁力を通して開放位置から閉鎖位置に移行し、ユーザの役割のさらなる介入を伴わずに容器906の外面980と連結する。さらなる説明及び例が米国特許第8,430,434号において確認されてもよく、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0030】
図8は、単一のポーチ901の正面図である。単一のポーチ901は、フラップ905、つまみ915、及び可撓性窓910を含み得る。
【0031】
図9は、単一のポーチ901の背面図である。単一のポーチ901は、容器906に連結される第1の取付ブラケット920a及び第2の取付ブラケット920bを含み得る。第1の取付ブラケット920a及び第2の取付ブラケット920bは、フレーム990と一緒に連結され得る。第1の取付ブラケット920a及び第2の取付ブラケット920bは、
図1に示される磁気ポーチ取付部500と連結するように構成される。第1の取付ブラケット920a及び第2の取付ブラケット920bは、1つ以上のブラケット磁気領域935を含み得る。
【0032】
図10は、開放位置にあるフラップ905を有する単一のポーチ901の別の正面図である。単一のポーチ901の内部区画970は、
図7のポーチ900の約2倍の容積である。単一のポーチ901の寸法は、丈高約4インチ(in)~丈高約7インチ及び幅約5インチ~幅約10インチであり得る。
【0033】
図11は、丈高のポーチ902の正面図である。丈高のポーチ902は、フラップ905、つまみ915、及び可撓性窓910を含み得る。フラップが閉鎖位置にあるとき、容器906の外面980はフラップ905の下に延在する。
【0034】
図12は、丈高のポーチ902の背面図である。容器906は、締結手段950を使用することによって、改変された取付ブラケット921に連結され得る。改変された取付ブラケット921は、L字型拡張部995、1つ以上の整列ペグ925、フレーム990、1つ以上のキャッチ930、及びラッチアダプタ526を含み得る。ラッチアダプタ526は、容器906とフレーム990との間で捕捉される。ラッチアダプタ526は、ブラケット軸907に沿って移行する。ブラケット軸は、改変された取付ブラケット921に沿って中心及び垂直方向に位置する。ラッチアダプタ526は、
図13及び15に関連して以下でより詳細に記載される。
【0035】
図13は、ラッチアダプタ526の等角図である。ラッチアダプタ526は、第1のラッチ把手係合面450及び第2のラッチ把手係合面455、複数の爪460、ならびに摺動面470を有する摺動構造465を含み得る。第1のラッチ把手係合面
【0036】
図12、13、及び14を参照すると、複数の爪は、
図12に示される静止位置と
図14に示される作動位置との間のラッチアダプタ526の移動の量を制限するように構成される。静止位置では、上方の複数の爪461は、
図12に示されるようにフレーム990と接触している。作動位置では、下方の複数の爪462は、
図14に示されるようにフレーム990と接触している。摺動面470は、静止位置と作動位置との間の滑らかな移行を可能にする。摺動面470は、フレーム990と摺動自在に連結され得る。フレーム990は、静止位置及び作動位置を画定し得る。
【0037】
図14は、丈高のポーチ902の別の実施形態の背面図である。この実施形態では、第1のキャッチ930a及び第2のキャッチ930bの2つのキャッチのみが存在し得る。ラッチアダプタ526は、作動位置で示される。この実施形態は、
図12、13、及び17に関連して以下に記載されるように、丈高のポーチ902を下方の磁気ポーチ取付部500に固定する必要性を否定することができる。
【0038】
図15は、開放位置にあるフラップ905を有する丈高のポーチ902の別の正面図である。丈高のポーチ902の内部区画970は、
図8の単一のポーチ901の約2倍の容積である。丈高のポーチ902の寸法は、丈高約8~丈高約12及び幅約8~幅約10であり得る。
【0039】
図16は、
図1の磁気ポーチ取付部500に連結される丈高のポーチ902の等角図である。
図13、14、及び16を参照すると、丈高のポーチ902は、単一の磁気ポーチ取付部500と取り外し可能に連結され得る。第1のラッチ把手係合面450は、ラッチ把手525と接触し得る。ラッチアダプタ526が静止位置から作動位置に矢印「C」の方向で移行されるにつれて、第1のラッチ把手係合面450は
図2のラッチ600を保持位置から解放位置に移行させ、それにより丈高のポーチ902を磁気ポーチ取付部500から解放する。1つ以上のラッチバネ605(
図2)は、ラッチ把手525を保持位置に、ラッチアダプタ526を静止位置に付勢する。
【0040】
図12、13、及び17を参照すると、一実施形態では、丈高のポーチ902は2つの磁気ポーチ取付部500(
図1)と取り外し可能に連結されてもよく、ここで各磁気ポーチ取付部500は、上方の磁気ポーチ取付部501(
図17に示される)が上方の組のキャッチ931(
図12)と取り外し可能に連結され、下方の磁気ポーチ取付部502(
図17に示される)が下方の組のキャッチ932(
図12)と取り外し可能に連結され得るように、
図12のブラケット軸907に沿って垂直方向に位置付けられる。第1のラッチ把手係合面450は、上方ポーチ取付部501のラッチ把手525と接触し得、第2のラッチ把手係合面455は、下方ポーチ取付部502のラッチ把手525と接触し得る。ラッチアダプタ526が静止位置から作動位置に矢印「C」の方向で移行されるにつれて、第1のラッチ把手係合面450は、上方磁気ポーチ取付部501の
図2のラッチ600を保持位置から解放位置に移行させ、同時に下方磁気ポーチ取付部502のラッチ600を保持位置から解放位置に移行させ、それにより丈高のポーチ902を上方磁気ポーチ取付部501及び下方磁気ポーチ取付部502から解放する。1つ以上のラッチバネ605(
図2)は、ラッチ把手525を保持位置に、ラッチアダプタ526を静止位置に付勢する。
【0041】
図1、4、9、12、及び14を参照すると、ポーチ900、単一のポーチ901、丈高のポーチ902、及び長いポーチ903(
図25)は、1つ以上の磁気ポーチ取付部500と取り外し可能に連結するように構成される。各ポーチは、取付ブラケット920の変形を有し得る。そのため、ポーチを磁気ポーチ取付部500に取り外し可能に連結する動作は同じである。唯一の違いは、ポーチ900、単一のポーチ901、丈高のポーチ902、及び長いポーチ903を表面または装置に首尾よく連結するための2つ以上の磁気ポーチ取付部500の配列及び/または配向である。
【0042】
取付ブラケット920を磁気ポーチ取付部500と取り外し可能に連結する動作は、
図1及び4に関連して記載される。しかしながら、動作の記述は、
図1及び4の構造のみに制限されないことを理解されたい。ここで
図1及び4を参照すると、取付ブラケット920は、ラッチ軸550及びキャッチ軸940が互いに実質的に平行であるように、磁気ポーチ取付部500に取り外し可能に連結され得る。ポーチ900が磁気ポーチ取付部500にごく近接して移動されるにつれて、1つ以上の磁気領域520(
図2)と1つ以上のブラケット磁気領域との間の吸引磁力はともに、キャッチ930をラッチアパーチャ530と、及び1つ以上の整列ペグ925を1つ以上の取付アパーチャ510と整列させ、取付ブラケット920及び磁気ポーチ取付部500を一緒に引き付けて、この2つを取り外し可能に連結する。一例では、ポーチ900は磁気ポーチ取付部の近くに自由に落下させて解放されてもよく、吸引磁力が誘引され、ポーチ900を磁気ポーチ取付部500に取り外し可能に連結するだろう。
【0043】
別の例では、磁気ポーチ取付部500は、
図18に示されるようにキャビネットの下の壁1800に連結され得る。ポーチ900は、磁気ポーチ取付部500の近くに保持されて磁気吸引力が誘引されてもよく、ユーザがキャッチ930をラッチアパーチャ530に視覚的に整列する、またはポーチ900を磁気ポーチ取付部500に取り外し可能に連結する錠止機構を作動することを必要とせずに、ポーチ900を磁気ポーチ取付部500に取り外し可能に連結するだろう。1つ以上の整列ペグ925及び1つ以上の取付アパーチャ510は、ラッチ軸550及びキャッチ軸940を互いに実質的に平行であるように整列させることをさらに支援する。ラッチ軸550及びキャッチ軸の実質的な整列は、ラッチ歯535がキャッチ930を完全に係合し、ポーチ900と磁気ポーチ取付部500との衝突対応の連結を提供することを可能にする。
【0044】
ポーチは、上述の磁気ポーチ取付部500(
図1)及び取付ブラケット920(
図3)の代わりに取り外し可能な手段によって表面または装置に連結されてもよい。取り外し可能な手段としては、ネジ、ボルト、フック及びループファスナ、磁石、テープ、ラッチ、留め金、プッシュ型プラスチックリベット、パネルファスナ、ツイストロックファスナ、ボールスタッド及びボール受け、tinnermanファスナ、ストラップ、ツイストタイ、吸盤、または2つ以上の物体を機械的に一緒に継合若しくは添付し、容易に分離される任意の同様の装置が挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0045】
例えば、別の実施形態では、ポーチは、ポーチに連結される磁石を用いて表面または装置に固定されてもよい。この例では、表面若しくは装置は、ポーチ内に磁石の両極である磁石を有し得るか、または表面若しくは装置は、強磁性材料から作製され得る。ポーチが表面または装置に近接して移動されるにつれて、吸引磁力がポーチを表面または装置に引き寄せ、ポーチを表面または装置に連結する。
【0046】
図1~18を参照すると、容器906及びフラップ905は、ナイロン及び炭素繊維を含む織布材料、樹脂を浸み込ませた織布または柔軟性を低減させるために厚さを増加した織布である堅い織布材料、プラスチック材料、ゴム材料等から作製され得る。ポーチは、衝突対応であり得る。ここで
図1、4、9、及び12を参照すると、1つ以上の磁気ポーチ取付部500及び取付ブラケット(すなわち、本書を通して用いる場合、「取付ブラケット」は、
図4の取付ブラケット920、
図9の第1の取付ブラケット920a及び第2の取付ブラケット920b、ならびに改変された取付ブラケット921を含む)を含む改良キットを使用して、既存のポーチを改良し、磁性ポーチ取設システムを使用することができる。締結手段950を使用して、取付ブラケットを既存のポーチに連結することができる。取付ブラケットは、既存のポーチの形状及び大きさに順応するように改変され得る。
【0047】
ここで
図19を参照すると、衝突対応の携帯用物品区画化装置(軟質壁100)の正面図が示される。軟質壁100は、第1の半シェル105及び第2の半シェル205(
図2)を備えるシェル300(
図3)を含み得る。第1の半シェル105は、第1の把手110、第2の把手115、1つ以上の衝撃領域120、1つ以上のスペーサ125、1つ以上の取付場所130、1つ以上の反射領域135、印140、及び1つ以上の脚部145を含み得る。第1の把手110は第1の把手領域150に架かり得、第2の把手115は第2の把手領域155(
図3を参照されたい)に架かり得る。第1の把手領域150及び第2の把手領域155は、それぞれ、第1の半シェル105及び第2の半シェル205を陥没させてもよく、ユーザが第1の把手110または第2の把手115のいずれかをよりしっかりと掴むことを可能にすることができる。第1の把手110は、中心軸175に実質的に平行な側面に沿って第1の半シェル105に連結され得、第2の把手115は、取付軸170に実質的に平行であり、かつ1つ以上の脚部145と反対の側面に沿って第1の半シェル105に連結され得る。
【0048】
1つ以上の取付場所130は、第1の半シェル105の第1の外面165に連結され得る。1つ以上の取付場所130を使用して、軟質壁100を表面(図示せず)または構造(図示せず)に固定することができる。1つ以上の取付場所130は、フックまたは他の締結手段であってもよい。一実施形態では、1つ以上の取付場所130は、取付スタッド(
図33)を含み得る。一実施形態では、1つ以上の取付場所130は、
図34及び35に示される楔形接合部72であってもよい。軟質壁100の表面または構造への連結は、機器取付システム380(
図31)に関連して以下でより詳細に記載される。
【0049】
図20は、軟質壁100の背面図であり、第2の半シェル205を示す。第2の半シェル205は、1つ以上の衝撃領域120、1つ以上のスペーサ125、1つ以上の反射領域135、1つ以上の印140、1つ以上の拘束用ストラップ210、及び1つ以上の脚部145を含み得る。1つ以上のスペーサは、外部空間において第1の半シェル及び第2の半シェルに連結され得る。
【0050】
図19及び20を参照すると、1つ以上の衝撃領域120はゴム等から作製され得る。1つ以上の衝撃領域120は、複数の角領域160、161、162、163、260、261、262、及び263に位置付けられる。1つ以上の衝撃領域120を使用して、軟質壁100の複数の角領域160、161、162、163、260、261、262、及び263上の衝撃の力を吸収することができる。1つ以上のスペーサ125は、ゴム等から作製され得る。
【0051】
図24を参照すると、表面軸805は、1つ以上のスペーサ125の最外規模を画定し得る。表面軸805は、外軸810から距離hであり得る。表面軸805は、軟質壁100が寄り掛かっている、または軟質壁100が連結される表面に対応し得る。外軸810は、第1の外面165及び第2の外面265によって創出される平面と実質的に整列すると定義され得る。1つ以上のスペーサ125を使用して、外軸810を平行線に沿って表面軸805と実質的に整列させ、シェルが開放位置にある間、表面との整列を維持することができる。表面は、壁、床、地面、傾斜面等であり得る。1つ以上のスペーサ125の各スペーサに対する距離hは、外軸810と表面軸805との間の実質的な平行関係の維持に合わせて変化し得る。一実施形態では、表面軸805は、1つ以上の取付場所130の最外規模も画定し得る。別の実施形態では、1つ以上の取付場所130は、軟質壁100が表面または装置を連結し、外軸810と表面軸805との間の実質的な平行関係を依然として維持することを可能にするように、必要に応じて変化してもよい。
【0052】
再び
図19及び20を参照すると、1つ以上の反射領域135が第1の半シェル105の第1の外面165及び第2の半シェル205の第2の外面265の上に配列され、全ての光源レベル条件における識別または信号を提供することができる。1つ以上の反射領域135を使用して、軟質壁100の存在を合図することができる。一実施形態では、1つ以上の反射領域135は、発光ダイオード(LED)または軟質壁100及びその周辺領域を照らすために使用され得る他の発光装置であり得る。第1の外面165及び第2の外
面265は、軟質壁100の内容物または軟質壁100の指定用途を指示するために、色分けされてもよく、及び/または1つ以上の印140を含んでもよい。1つ以上の反射領域135、1つ以上の印140、第1の外面165及び第2の外面265の色分け、ならびに1つ以上の衝撃領域120の着色は、単独でまたは組み合わせて軟質壁100の指定用途または軟質壁100の内容物を指示するように機能することができる。軟質壁100の内容物及び指定用途は、以下でより詳細に説明される。
【0053】
図21は、軟質壁100のシェル300の側面図である。シェル300は、第1の半シェル105及び第2の半シェル205を含み得る。シェル300は、初期シェルが内部空間710(
図7)及び外部空間715(
図7)を画定するように第1の半シェル105及び第2の205が一緒に連結される閉鎖位置で示される。第1の半シェル105及び第2の半シェル205は、実質的に類似の寸法を有し得、共通の側面に沿って蝶番式に連結され得る。一実施形態では、蝶番305は布地で構築されてもよく、ピアノ蝶番のようであってもよい。蝶番305は、金属、プラスチック、ゴム等で構築されてもよい。蝶番305は、第1の半シェル105及び第2の半シェル205を共通の側面に沿って一緒に蝶番式に連結し、シェル300を画定する機構の一例であり得る。第1の半シェル105及び第2の半シェル205を共通の側面に沿って一緒に蝶番式に連結し、シェル300を画定する機構の他の例としては、背出蝶番、ストラップ蝶番、t字蝶番、及び自在蝶番が挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0054】
第1の半シェル105及び第2の半シェル205は、織布等の可撓性材料、厚手のゴム若しくは積層繊維マット等の半剛性材料、またはポリカーボネート等の剛性材料から構築され得る。
【0055】
図19を参照すると、取付軸170は、第1の半シェル105の中心軸175と実質的に直交し得る。取付軸170は、1つ以上の取付場所130の各々を二分し得る。ここで
図21を参照すると、1つ以上の取付場所130及び1つ以上のスペーサ125のうちのいくつかは、上方のスペーサ軸315に沿って横に位置し得る。上方のスペーサ軸315はまた、中心軸175と実質的に直交し得る。1つ以上のスペーサ125のうちのいくつかは、下方のスペーサ軸320に沿って横に位置し得る。上方のスペーサ軸315及び下方のスペーサ軸320は、互いに実質的に平行であり得る。
図1及び3を参照すると、上方のスペーサ軸315及び取付軸170は、上方の平面を画定することができ、下方のスペーサ軸は下方の平面に沿って横に位置し得、ここで上方の平面及び下方の平面が互いに実質的に平行である。
【0056】
図22は、軟質壁100の下面図である。蝶番305は、第1の半シェル105及び第2の半シェル205を共通軸410に沿う共通の側面に実質的に沿って蝶番式に連結することができる。1つ以上の衝撃領域120は、それぞれ、複数の角領域161、162、261、及び262の周りを包むように示される。第1のストラップスロット400、第2のストラップスロット401、第3のストラップスロット403、及び第4のストラップスロット404は、それぞれ、複数の角領域162、262、161、及び261の各々に位置付けられ得る。第1のストラップスロット400、第2のストラップスロット401、第3のストラップスロット403、及び第4のストラップスロット404は、
図24の記述において以下でより詳細に説明される。
【0057】
図19~22の第1の半シェル105及び第2の半シェル205は、1つ以上の脚部145も含み得る。1つ以上の脚部145を使用して、軟質壁100が表面上に定置されるとき、軟質壁100に対する接触点を提供することができる。1つ以上の脚部145は、軟質壁100が表面上で摺動することを防止するための特性を含んでもよく、または1つ以上の脚部145は、軟質壁100及び若しくは非平面状であるべき表面の擦過を防止するための特性を含んでもよい。1つ以上の脚部145は、軟質壁100が表面上に定置されるとき、1つ以上の衝撃領域120が表面上に直接置かれないように、1つ以上の衝撃領域120を表面から保護するようにも機能し得る。
【0058】
図23は、開放位置にある軟質壁100の平面図である。第1の半シェル105は、共通軸410に沿って第2の半シェル205に蝶番式に連結される。第1の半シェル105及び第2の半シェル205の内部空間710内には、1つ以上の裏装板225及び1つ以上の取り外し可能な手段230が存在し得る。各裏装板225は、第1の半シェル105及び第2の半シェル205に連結され得る。各取り外し可能な手段230は、ポーチ900の様々な実施形態が内部空間710内に連結及び配列され得るように、裏装板225に連結され得る。一実施形態では、取り外し可能な手段230がポーチ900の様々な実施形態に連結される磁石である場合、裏装板225は、ポーチ900の様々な実施形態と裏装板225との間に磁気吸引力が創出されるような鉄金属であり得る。別の実施形態では、取り外し可能な手段は、ボタンまたは留め金であってもよい。さらに別の実施形態では、取り外し可能な手段は、サムラッチであってもよい。取り外し可能な手段230の代替案として、磁気ポーチ取付部500(
図1)及び取付ブラケット920の組み合わせが用いられてもよい。
【0059】
継ぎ目ファスナ735は、第1の半シェル105及び第2の半シェル205の外縁730に連結され得る。継ぎ目ファスナ735を緩めることで軟質壁100を開放位置に移行し、締めることで軟質壁100を閉鎖位置に移行することができる。継ぎ目ファスナ735としては、ジッパ、複数のボタン、フック及びループファスナ、複数のスナップ等が挙げられ得るが、これらに限定されない。同じファスナが、シェル300(
図21)が閉鎖位置にあるとき、第1の半シェル105を第2の半シェル205に固定するように構成される。
【0060】
図23及び25を参照すると、裏装板225は、締結手段950によって1つ以上のスペーサ125及び1つ以上の取付場所130に連結され得る。1つ以上の拘束用ストラップ235が第1の半シェル105及び第2の半シェル205に連結されてもよく、内部空間710が垂直方向に整列されたままであるように、シェル300が開放位置にあるとき、第2の半シェル205を固定し、第1の半シェル105と第2の半シェル205との間に緊張力を提供するように構成され得る。1つ以上の拘束用ストラップ235は、締結手段950に、または1つ以上のアンカー点240に繋ぎ留められ得る。アンカー245は、各拘束用ストラップ235の外端部250に連結され得る。1つ以上の拘束用ストラップ235が張るように引かれると、緊張力が、第1の半シェル105及び第2の半シェル205を整列させ、1つ以上のスペーサ125と軟質壁100が連結される表面または装置との間に接触力を提供し得る。アンカー245としては、フック、留め金、ラッチ、グロメット等が挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0061】
長いポーチ903の内部区画は、
図8の単一のポーチ901の約2倍の容積である。長いポーチ903の寸法は、丈高約3~丈高約7及び幅約14~幅約18であり得る。
【0062】
ここで
図25~29を参照すると、様々なポーチ構成が、軟質壁100の内部空間710内に示される。
図25、26、及び28は、軟質壁100の内部空間710内の様々なポーチの異なる配列を例示する。
図26及び27は、取り外し可能な手段230(
図23)の4行×2列の格子を例示する。軟質壁100の4行×2列の実施形態の寸法は、閉鎖位置では丈高約23~丈高約25及び幅約16~幅約20、ならびに開放位置では丈高約48~丈高約52であり得る。
図23、28、及び29は、3行×2列の格子を例示する。軟質壁100の3行×2列の実施形態の寸法は、閉鎖位置では丈高約16~丈高約20及び幅約16~幅約20、ならびに開放位置では丈高約35~丈高約40であり得る。シェル300の形状は、内部空間710内の取り外し可能な手段230の配列によって決定付けられ得る。
【0063】
図30は、拘束用ストラップ235及びアンカー245の一実施形態の等角図である。アンカー245は、拘束用ストラップ235の外端部250の長さを変更するための調節手段255を含み得る。調節手段としては、移動カン、ストラップ調節器、Dカン、2穴端綱環、3穴端綱環、バックル、ポスト、及びグロメット等が挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0064】
図31は、車両350の壁355上にある機器取付システム380に取り外し可能に連結される軟質壁100を有する車両350の断面図である。軟質壁100は、ユーザが
図31に示されるように軟質壁100を開放位置で吊るすことを可能にするか、またはユーザが軟質壁100を取り外し、それを閉鎖位置に移行して別の場所に運ぶことを可能にする。
図23の取り外し可能な手段230は、ポーチが取り外され、異なる表面若しくは装置に移動されるか、または別のポーチと交換されることを可能にする。一例では、備蓄室は、供給品で既に満たされた複数のポーチを有してもよい。ユーザは1つのポーチの供給品を使い切ると、備蓄室へ行き、ポーチを備蓄されたポーチと交換することができる。取り外し可能な手段により、ユーザは、軟質壁100内の各ポーチ内のいくつかの供給品を評価することなく軟質壁100を再び備蓄することができる。より大きな規模では、ユーザは、全ての軟質壁100を別の備蓄軟質壁100と交換することができる。次いで、ユーザは、備蓄された軟質壁100を車両350の壁355に連結することができる。
【0065】
図32は、機器取付システム380の一実施形態である。機器取付システム380は、迅速取付軌道11及び楔形取付部47を含み得る。1つ以上の取付場所130(
図19)は、迅速取付軌道11または楔形取付部47のいずれかと取り外し可能に連結するように構成され得る。一実施形態では、1つ以上の取付場所130は、
図33に示される取付スタッド141であってもよい。取付スタッド141は、迅速取付軌道11の第1の外側スロット20及び/または第2の外側スロット30と摺動自在に連結するように構成され得る。別の実施形態では、1つ以上の取付場所130は、楔形接合部72であってもよい。第1の半シェル105の第1の外面165上の1つ以上の取付場所130間の間隔は、
図32に示されるように2つの楔形取付部47間の間隔によって画定され得る。言い換えると、取付軸170に沿う1つ以上の取付場所130間の距離は、各楔形取付部47上のボウルアパーチャ54間の距離と実質的に同じである。
【0066】
1つ以上の拘束用ストラップ235及びアンカー245は、機器取付システム380に取り外し可能に連結されてもよく、軟質壁100の下端部385を固定し、車両350内で自由に揺動することを防止することができる。
【0067】
図35、楔形接合部72の正面図。楔79が間に位置し、機器板材74ならびに複数の捕捉ガイド78a及び78bを一緒に連結する。楔79は、楔形取付部47上の鍵穴スロットアパーチャ57と係合し、楔形接合部72と楔形取付部47との回転整列を支援するように構成される導入面83を有する。言い換えると、導入面83は、導入面83が鍵穴スロットアパーチャ57に進入し得る楔形接合部72の唯一の部分であることを確実にすることによって、楔形接合部72及び楔形取付部47を回転して整列させるように構成される。楔79は、第1の傾斜面84及び第2の傾斜面85も含む。第1の傾斜面84及び第2の傾斜面85は、互いに反対向きであり、導入面83に連結される。
【0068】
軟質壁100を使用して、緊急通報の間に緊急車両350を素早く再備蓄することができる。軟質壁100は、緊急車両内の機器取付システム380から取り外され、補充されるために部屋へ運ばれてもよい。車両350に別の軟質壁100が補充されてもよく、ま
たは軟質壁100の個別のポーチ(すなわち、本書を通して用いる場合、「ポーチ」は、
図3のポーチ900、
図8の単一のポーチ901、
図11の丈高のポーチ902、及び25の長いポーチ903を含み得る)が取り外され、取り換えられてもよい。一実施形態では、軟質壁100内の1つ以上のポーチは、それらの内容物を指示するために色分けされてもよい。色分けされたポーチは、軟質壁100の補充を支援し得る。取り外し可能な手段も、どのポーチが取り外され、取り換えを必要とするかを素早く評価するために色分けされてもよい。
【0069】
軟質壁100及び/または1つ以上のポーチを取り外すことで、車両350の内部を容易に清掃することができる。機器取付システム380は、車両350の内部を再構成可能にすることができる。言い換えると、特定の軟質壁100が車両350の特定の側面上に必要とされる場合、ユーザは、その特定の軟質壁100を車両350内から取り外し、それを車両350内の別の場所で機器取付システム380に再度連結することができる。
【0070】
別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術及び科学用語は、特許請求の範囲に記載される対象が属する分野の当業者に通常理解されるものと同様の意味を有する。本明細書の記述で使用される専門用語は、特定の実施形態を記述するためのものに過ぎず、制限することを意図するものではない。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形の「a」、「an」、及び「the」は、文脈が別途明らかに指示しない限り、同様に複数形を含むことが意図される。
【0071】
「実質的」及び「約」という用語が、任意の定量的比較、値、測定値、または他の表現に起因し得る不確実性の固有の度合いを表すために本明細書において利用され得ることに留意されたい。これらの用語は、それによって定量的表現が、議論される主題の基本機能を変更せずに規定の基準から変化し得る度合いを表すためにも本明細書で利用される。
【0072】
ある特定の専門用語が本開示において使用されるが、便宜上であり、制限するものではない。「左」、「右」、「前」、「後」、「上方」、及び「下方」という単語は、参照される図面における方向を指定する。専門用語は、上述の単語及びそれらの派生語、ならびに同様に重要な単語を含む。
【0073】
特定の実施形態が本明細書に例示及び記載されたが、特許請求の範囲に記載される対象の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な他の変更及び修正が行われ得ることを理解されたい。さらに、特許請求の範囲に記載される対象の様々な態様が本明細書に記載されたが、そのような態様は組み合わせて利用される必要はない。ゆえに、添付の特許請求の範囲は、そのような変更及び修正の全てを対象とすることが意図され、それらは特許請求の範囲に記載される対象の範囲内である。