(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-22
(45)【発行日】2022-08-01
(54)【発明の名称】付け合せ面付けソートシステム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20220725BHJP
G06F 40/186 20200101ALI20220725BHJP
B41J 5/30 20060101ALI20220725BHJP
G06T 11/60 20060101ALI20220725BHJP
【FI】
G06F3/12 357
G06F40/186
G06F3/12 303
G06F3/12 343
G06F3/12 345
G06F3/12 347
G06F3/12 350
B41J5/30 Z
G06T11/60 100A
(21)【出願番号】P 2020152641
(22)【出願日】2020-09-11
(62)【分割の表示】P 2018547402の分割
【原出願日】2017-03-09
【審査請求日】2020-10-09
(32)【優先日】2016-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509258430
【氏名又は名称】ピーティーアイ マーケティング テクノロジーズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100102118
【氏名又は名称】春名 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】コーガン ダグラス ニール
(72)【発明者】
【氏名】コーン ダニエル スチュアート
【審査官】松浦 かおり
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-157099(JP,A)
【文献】特開2012-098956(JP,A)
【文献】特開2008-299671(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0164076(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/09- 3/12
B41J 5/00- 5/52
B41J 21/00-21/18
G06F 40/00-40/197
G06T 1/00
G06T 11/60-13/80
G06T 19/00-19/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
組版エンジンを使用して、第1のデータファイルおよび第1のテンプレートから第1の中間ファイルを生成する工程であって、該第1のテンプレートが第1のレイアウト情報を含み、該第1のテンプレートに取り込むために該第1のデータファイルからの第1のデータが使用され、該第1のテンプレートが第1の複数のバリアブルデータフレーム及び
該第1の複数のバリアブルデータフレームの値を計算するための第1の規則を含み、該第1の複数のバリアブルデータフレームが該第1のレイアウト情報に従って
第1のセットのページ上に配置され、該第1の中間ファイルの生成がさらに
該第1の複数のバリアブルデータフレームの個数に基づいて
該第1のデータを用いて該
第1のセットのページのうちの1つまたは複数
をオフするために該第一の規則を使用することを含む、工程;
該組版エンジンを使用して、第2のデータファイルおよび第2のテンプレートから第2の中間ファイルを生成する工程であって、該第2のテンプレートが第2のレイアウト情報を含み、該第2のテンプレートに取り込むために該第2のデータファイルからの第2のデータが使用される、工程;
前記組版エンジンにおいて、ソート順序データファイルを受け取る工程;ならびに
該組版エンジンを使用して、第3の中間ファイルを構成する工程であって、該第3の中間ファイルは、ソート順序データファイルに一部基づいてマージされた該第1の中間ファイル及び該第2の中間ファイルからのコンテンツを含
む、工程
を含む方法。
【請求項2】
第1の格納場所から第1のテンプレートを取り出す工程;
第2の格納場所から第2のテンプレートを取り出す工程;
組版エンジンを使用して、第1のデータファイルおよび該第1のテンプレートから第1の中間ファイルを生成する工程であって、該第1のテンプレートが第1のレイアウト情報を含み、該第1のテンプレートに取り込むために該第1のデータファイルからの第1のデータが使用され、該第1のテンプレートが第1の複数のバリアブルデータフレーム及び
該第1の複数のバリアブルデータフレームの値を計算するための第1の規則を含み、該第1の複数のバリアブルデータフレームが該第1のレイアウト情報に従って
第1のセットのページ上に配置され、該第1の中間ファイルの生成がさらに
該第1の複数のバリアブルデータフレームの個数に基づいて
該第1のデータを用いて該
第1のセットのページのうちの1つまたは複数
をオフするために該第一の規則を使用することを含む、工程;
該組版エンジンを使用して、第2のデータファイルおよび該第2のテンプレートから第2の中間ファイルを生成する工程であって、該第2のテンプレートが第2のレイアウト情報を含み、該第2のテンプレートに取り込むために該第2のデータファイルからの第2のデータが使用される、工程;
ソート順序データファイルを取得する工程;ならびに
該組版エンジンを使用して、第3の中間ファイルを構成する工程であって、該第3の中間ファイルは、ソート順序データファイルに一部基づいてマージされた該第1の中間ファイル及び該第2の中間ファイルからのコンテンツを含
む、工程
を含む方法。
【請求項3】
前記ソート順序データファイルは、拡張された郵便番号、バーコード、出荷追跡コード、zipコード、拡張されたzipコード、所在地住所および受取人識別子、棚コード、箱コード、社内郵便配達コード、電子メールアドレス、トラック識別子または積荷識別子、ルーティングコード、SKUコード、Qコード、及びイベントコードのうちの少なくとも一つに基づく仕分けと関連付けられたデータを含む、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記第1のデータファイル、第2のデータファイルまたはソート順序データファイルのうちの少なくとも一つをマスタデータファイルから抽出する工程
をさらに含む、請求項1または2記載の方法。
【請求項5】
前記第3の中間ファイルをレンダリング可能な出力ファイルに変換する工程
をさらに含む、請求項1または2記載の方法。
【請求項6】
前記レンダリング可能な出力ファイルは、PDF、PostScriptファイル、VDXファイル、PPMLファイル、HP-PPMLファイル、VPSファイル、JLYTファイル、VIPPファイル、Digimaster-PSファイル、JPGファイル、PDF/VTファイル、APF、およびHTMLファイルのうちの少なくとも1つである、請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記第3の中間ファイルをレンダリング可能な出力ファイルに変換する工程は、印刷注文以外の追加の入力データを必要としない、請求項5記載の方法。
【請求項8】
前記レンダリング可能な出力ファイルを、該レンダリング可能な出力ファイルをラスタ化するように構成された印刷システムに送信する工程
をさらに含む、請求項5記載の方法。
【請求項9】
用紙のシート上に印刷出力をレンダリングする工程
をさらに含む、請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記用紙のシート上の前記印刷出力は、バリアブル印刷データを含む付け合せされて(ganged)面付けされたシートである、請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記第1の中間ファイルおよび前記第2の中間ファイルはバイナリファイルである、請求項1または2記載の方法。
【請求項12】
前記第1の中間ファイルおよび前記第2の中間ファイルをメモリに格納する工程
をさらに含む、請求項1または2記載の方法。
【請求項13】
前記第1の中間ファイルおよび前記第2の中間ファイルは、前記第1のテンプレート内および前記第2のテンプレート内のバリアブル印刷データの場所についての位置データを含む、請求項1または2記載の方法。
【請求項14】
前記ソート順序データファイルはCSVファイルである、請求項1または2記載の方法。
【請求項15】
前記第1のデータファイルは第1のデータ格納場所からのものであり、前記第2のデータファイルは第2のデータ格納場所からのものであり、該第1のデータ格納場所と
該第2のデータ格納場所は同じデバイス上に位置している、請求項1または2記載の方法。
【請求項16】
前記第1のテンプレートおよび前記第2のテンプレートは同じファイルに格納されている、請求項1または2記載の方法。
【請求項17】
前記組版エンジンは、植字機ヒューマンインターフェースも含むサブシステムの一部である、請求項1または2記載の方法。
【請求項18】
前記サブシステムを介して、前記第1のテンプレートおよび前記第2のテンプレートを選択する工程
をさらに含む、請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記第3の中
間ファイルのマージされたデータを最適化する工程であって、該最適化が、該マージされたデータのデータを一回格納し、次いで該第3の中
間ファイルの他の部分で格納されたデータを参照することによって該マージされたデータ内の重複データを減らすことを含む、工程
をさらに含む、請求項1または2記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、あらゆる目的でその内容全体が参照により本明細書に組み入れられる、2016年3月9日に出願された「GANGED IMPOSITION POSTAL SORT SYSTEM」という名称の米国仮特許出願第62/306,005号の恩典を主張する。本出願はまた、あらゆる目的でその内容全体が参照により本明細書に組み入れられる、2009年8月3日に出願された「APPARATUS & METHODS FOR IMAGE PROCESSING OPTIMIZATION FOR VARIABLE DATA PRINTING」という名称の米国特許出願第12/534,717号に関連する。
【0002】
発明の分野
本開示は、一般に、カスタマイズされたデジタル印刷に関し、より詳細には、バリアブルデータ印刷および郵便仕分けの局面に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
電子メール、テキストメッセージ、インスタントメッセージング、およびその他の電子通信の出現により、定型郵便物の量は2006年の1,025億通から2015年の800億通まで減少した。歴史的には、米国郵便公社(USPS)が郵便物を調製し、仕分けし、輸送する郵便事業を担当していた。USPSは、運営コストを削減するために、USPSが郵便物を処理する際に負担するコストを削減するいくつかの取り組みに従事する郵便物発送者に割引を提供し始めた。例えば、(1)手作業による仕分けの必要性を低減するためにUSPS自動化装置によって仕分けされるように郵便物にバーコードを付け、郵便物を調製すること、(2)ZIPコードまたは特定の配達場所によって郵便物を事前仕分けすること、ならびに(3)概して郵便物の最終的な送付先により近いUSPS施設で郵便物を投函することなどの、郵便物発送者によって行われる取り組みに対してワークシェアリング割引が提供される。2015年において、市場支配的な郵便物量の約85%がワークシェアリング郵便物である。
【0004】
1つの具体的なワークシェアリング割引は、郵便物を配達ルートの配達地点順(DPS)に仕分けすることに対してのものである。DPSは、宛先によって、郵便配達員が郵便物を宛先に配達することになる仕分け順に整理された郵便物を含む。このようにして、郵便配達員は事前に仕分けされた郵便物の束を受け取り、次いで束の一番手前から開始して配達員の所定のルートに沿って各郵便物を配達することによって郵便物を配達する。様々な他の配達、保管および倉庫保管位置特定には他のソート方法が使用されうることに留意されたい。
【0005】
郵便物には、手紙とはがきの両方が含まれる。はがきは通常両面であり、差出人と受取人の名前と住所を含む。またはがきは通常、差出人から受取人へのメッセージを含み、テキストとグラフィックス両方を含みうる。郵便によるキャンペーンでは、1人の差出人が数百通または数千通またはそれより多くの郵便物を受取人に送ることがある。ある場合には、各郵便物は各受取人への同じメッセージを含み、ある場合には、各郵便物は受取人ごとに異なるメッセージを含む。
【0006】
郵便物は通常、印刷操作によって調製される。印刷技術がリソグラフィなどの従来の印刷方法からデジタル印刷に移行するにつれて、デジタルプリンタの使用、およびデジタル印刷システムにおける印刷画像およびページレイアウトの関連処理が劇的に増加した。単一ページサイズでの大量の標準化された印刷の場合には従来の印刷方法が依然としてより費用効果的でありうるが、デジタル印刷システムおよび関連する媒体のコストは減少し続け、それによってデジタル印刷はより手頃なものになっている。加えて、デジタル印刷技術は、多くの場合、従来の大量印刷方法よりも費用効果の高い方法で、カスタマイズされた印刷を円滑に行うことができる。
【0007】
カスタマイズされた印刷の一種は、バリアブルデータ印刷(VDP)として知られている(可変情報印刷またはVIPまたはVIまたはバリアブルデータ出版としても知られている)。VDPは、印刷方法を停止または減速させることなく、テキスト、グラフィックス、および画像などの要素が1つの印刷物から次の印刷物に変更されうるオンデマンド印刷の一形態である。例えば、それぞれが同じ基本レイアウトを有する1セットの個人別の手紙またははがきを、画像、テキスト、関連する影付け、またはその他の共通要素などの他の共通要素を保持しながら、手紙ごとに異なる名前と住所で印刷することができる。バリアブルデータ印刷は、通常、ダイレクトマーケティング、顧客関係管理、セルフメーラーの広告およびインボイス送付、パンフレット、またははがきによるキャンペーンに使用されるが、カスタマイズが必要とされる様々な他の印刷用途にも使用されうる。参照により本明細書に組み入れられる、「Speaking in Tongues: Sorting Out Variable Data Printing Languages by Eliot Harper」という題名の、VDPについて説明した記事(非特許文献1)が、www.fujixerox.com.au/products/image/media/TSR-0906-Speak-Tongues-reprint.pdfに記載されている。VDP印刷は、Personalized Print Markup LanguageすなわちPPMLなどの言語を使用して実施されてよく、PPMLについては、ppml.podi.org/component/option,com_docman/Itemid,0/task,doc_download/gid,13&Itemid=/に記載されている、「Introduction to the Personalized Print Markup Language: The PPML Family of XML Standards」という題名の記事(非特許文献2)で説明されており、この記事では、PPMLをどのように使用して、画像をキャッシュに入れてそれらの画像を再利用することによってVDPを実施することができるかを説明している。
【0008】
VDPは、デジタル印刷技術の直接の成果であり、コンピュータシステム、デジタル印刷装置、および専用のソフトウェアを利用して、従来のオフセット印刷に匹敵するルックアンドフィールを備えた高品質のモノクロまたはフルカラーのドキュメントを作成する。VDPは、オフセットリソグラフィを使用した単一ドキュメントの大量生産とは対照的に、デジタル印刷技術によるドキュメントのマスカスタマイゼーションを可能にする。例えば、10,000人の顧客に単一のメッセージを配達するために単一のドキュメントの10,000通のコピーを作成する代わりに、バリアブルデータ印刷は、顧客ごとにカスタマイズされたメッセージを有する10,000通のユニークなドキュメントの印刷を提供する。
【0009】
デジタル印刷機は、様々な種類およびサイズのカードまたは用紙に印刷することもできる。より大きな用紙サイズで印刷するとより効率的で生産性が向上しうるが、複数の郵便物を用紙の単一シート上にまたはロール紙の全幅にわたって印刷することが必要になる。しかし、すべての印刷注文が多くの部数を必要とするわけではなく、従来、異なる場所からデジタル印刷機に送られる印刷注文は混在させない。というのは、各データセットは普通は異なるものであり、通常は印刷注文内の郵便物のデザインと密接に関連付けられているからである。この結果、より少量の印刷注文を印刷する相対コストはより大量の印刷注文よりも高くなりうる。
【0010】
現在のシステムは、単一の印刷ジョブの出力を配達のためにソートすること、または同じサイズの複数の印刷ジョブからの出力を面付けのために付け合せる(gang)ことを提供する。VDPでは往々にして付け合せ面付けが使用され、そのため同じサイズであるが個々の受取人に対して個別化された多くのドキュメントが、1回の連続印刷におけるプリンタの刷版仕様に対してレイアウトされる。それと同時に、複数の異なる個別化された印刷タスクに対して、面付けおよび印刷機へのデジタル伝達のために同じサイズの異なる印刷ジョブを混合する付け合せ面付けを提供することによって最適化する必要性がある。しかし、同様のサイズの印刷ジョブの混合によりデータのソート順序(郵便料金の最適化のための郵便仕分け順など)が保持されない場合、相当な額の追加費用が発生する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0011】
【文献】「Speaking in Tongues: Sorting Out Variable Data Printing Languages by Eliot Harper」、www.fujixerox.com.au/products/image/media/TSR-0906-Speak-Tongues-reprint.pdf
【文献】「Introduction to the Personalized Print Markup Language: The PPML Family of XML Standards」、ppml.podi.org/component/option,com_docman/Itemid,0/task,doc_download/gid,13&Itemid=/
【発明の概要】
【0012】
概要
本開示は、デジタル印刷効率を改善するために印刷注文を付け合せて面付けするためのシステムおよび方法に関するものである。例えば、本開示に記載される主題の1つの革新的な局面は、組版エンジンに、第1のデータファイル格納場所からの第1のデータファイルと、第1のテンプレート格納場所からの第1のテンプレートとを提供する工程を含む方法において実施される。本方法はまた、組版エンジンに、第2のデータファイル格納場所からの第2のデータファイルと、第2のテンプレート格納場所からの第2のテンプレートとを提供する工程も含む。組版エンジンを使用して、第1のデータファイルおよび第1のテンプレートから第1の中間ファイルが生成され、第2のデータファイルおよび第2のテンプレートから第2の中間ファイルが生成される。組版エンジンは、第3の格納場所からソーティングデータファイルを受け取り、そのソーティングデータファイルに一部基づいてマージされ混合された第1の中間ファイルおよび第2の中間ファイルからのコンテンツを含む第3の中間ファイルを構成する。
【0013】
本方法は、第3の中間ファイルをレンダリング可能な出力ファイルに変換する工程をさらに含んでいてよい。レンダリング可能な出力ファイルは、PDF、PostScriptファイル、VDXファイル、PPMLファイル、HP-PPMLファイル、VPSファイル、JLYTファイル、VIPPファイル、Digimaster-PSファイル、JPGファイル、PDF/VTファイル、APF、およびHTMLファイルのうちの少なくとも1つであってよい。出力のレンダリング可能な形式への変換に、混合されたレコードの印刷注文以外の追加の入力データは不要である。
【0014】
本方法は、レンダリング可能な出力ファイルを印刷システムに送信する工程をさらに含んでいてよく、印刷出力を用紙のシート上にレンダリングする工程をさらに含んでいてよい。用紙のシート上の印刷出力は、バリアブル印刷データを含む付け合せされて面付けされたはがきのシートであってもよい。第1の中間ファイルおよび第2の中間ファイルは、バイナリファイルであってもよい。本方法は、第1の中間ファイルおよび第2の中間ファイルをメモリに格納する工程をさらに含んでいてよい。第1の中間ファイルおよび第2の中間ファイルは、第1のテンプレート内および第2のテンプレート内のバリアブル印刷データの場所についての位置データを含んでいてよい。ソート順序ファイルは、CSVファイルであってもよい。第1のデータ格納場所と第2のデータ格納場所は、同じデバイス上に位置していてもよい。第1のテンプレートと第2のテンプレートは、同じファイルに格納されていてもよい。組版エンジンは、植字機ヒューマンインターフェースも含むサブシステムの一部であってもよい。本方法は、サブシステムを介して、第1のテンプレートおよび第2のテンプレートを選択する工程をさらに含んでいてよい。
【0015】
本開示に記載される主題の別の革新的な局面は、組版エンジンにマスタデータファイル格納場所からマスタデータファイルを提供する工程を含む方法において実施される。マスタデータファイルから、第1のデータファイル、第2のデータファイル、およびソート順序ファイルが抽出される。第1のテンプレートは第1の格納場所から取り出され、第2のテンプレートは第2の格納場所から取り出される。組版エンジンを使用して、第1のデータファイルおよび第1のテンプレートから第1の中間ファイルが生成され、第2のデータファイルおよび第2のテンプレートから第2の中間ファイルが生成される。第3の中間ファイルが構成され、第3の中間ファイルは、ソーティングデータファイルに一部基づいてマージされ混合された第1の中間ファイルおよび第2の中間ファイルからのコンテンツを含む。
【0016】
本方法は、第3の中間ファイルをレンダリング可能な出力ファイルに変換する工程をさらに含んでいてよい。レンダリング可能な出力ファイルは、PDF、PostScriptファイル、VDXファイル、PPMLファイル、HP-PPMLファイル、VPSファイル、JLYTファイル、VIPPファイル、Digimaster-PSファイル、JPGファイル、PDF/VTファイル、APF、およびHTMLファイルのうちの少なくとも1つであってよい。出力のレンダリング可能な形式への変換に、混合されたレコードの印刷注文以外の追加の入力データは不要である。
【0017】
本方法は、レンダリング可能な出力ファイルを印刷システムに送信する工程をさらに含んでいてよく、印刷出力を用紙のシート上にレンダリングする工程をさらに含んでいてよい。用紙のシート上の印刷出力は、バリアブル印刷データを含む付け合せされて面付けされたはがきのシートであってもよい。第1の中間ファイルおよび第2の中間ファイルは、バイナリファイルであってもよい。本方法は、第1の中間ファイルおよび第2の中間ファイルをメモリに格納する工程をさらに含んでいてよい。第1の中間ファイルおよび第2の中間ファイルは、第1のテンプレート内および第2のテンプレート内のバリアブル印刷データの場所についての位置データを含んでいてよい。ソート順序ファイルは、CSVファイルであってもよい。第1のデータ格納場所と第2のデータ格納場所は、同じデバイス上に位置していてもよい。第1のテンプレートと第2のテンプレートは、同じファイルに格納されていてもよい。組版エンジンは、植字機ヒューマンインターフェースも含むサブシステムの一部であってもよい。本方法は、サブシステムを介して、第1のテンプレートおよび第2のテンプレートを選択する工程をさらに含んでいてよい。
【0018】
本開示に記載される主題の別の革新的な局面は、バリアブル印刷データを含む付け合せされて面付けされたはがきのシートを調製するために、バイナリ中間ファイルから、事前にソートされた郵便順序での混合出力を構成する工程を含む方法において実施される。本方法は、組版エンジンに、第1のデータファイル格納場所からの第1のデータファイルと第1のテンプレート格納場所からの第1のテンプレートを提供する工程と、組版エンジンに、第2のデータファイル格納場所からの第2のデータファイルと第2のテンプレート格納場所からの第2のテンプレートとを提供する工程とを含む。組版エンジンを使用して、第1のデータファイルおよび第1のテンプレートから第1のバイナリ中間ファイルが生成され、第2のデータファイルおよび第2のテンプレートから第2のバイナリ中間ファイルが生成される。組版エンジンにおいて、ソーティングデータファイルが第3の格納場所から受け取られる。第3のバイナリ中間ファイルが構成され、第3のバイナリ中間ファイルは、ソーティングデータファイルに一部基づいて、事前にソートされた郵便順序でマージされ混合された第1のバイナリ中間ファイルおよび第2のバイナリ中間ファイルからのコンテンツを含む。第3のバイナリ中間ファイルはレンダリング可能な出力ファイルに変換される。レンダリング可能な出力ファイルは、印刷システムに送信される。レンダリング可能な出力ファイルは、用紙のシート上にレンダリングされる。用紙のシート上の印刷出力は、バリアブル印刷データを含む付け合せされて面付けされたはがきのシートであってもよい。
【0019】
[本発明1001]
組版エンジンに、第1のデータファイル格納場所からの第1のデータファイルと第1のテンプレート格納場所からの第1のテンプレートとを提供する工程;
前記組版エンジンに、第2のデータファイル格納場所からの第2のデータファイルと第2のテンプレート格納場所からの第2のテンプレートとを提供する工程;
前記組版エンジンを使用して、前記第1のデータファイルおよび前記第1のテンプレートから第1の中間ファイルを生成する工程;
前記組版エンジンを使用して、前記第2のデータファイルおよび前記第2のテンプレートから第2の中間ファイルを生成する工程;
前記組版エンジンにおいて、第3の格納場所からソーティングデータファイルを受け取る工程;ならびに
第3の中間ファイルを構成する工程であって、前記第3の中間ファイルは、前記ソーティングデータファイルに一部基づいてマージされ混合された前記第1の中間ファイルおよび前記第2の中間ファイルからのコンテンツを含む、工程
を含む方法。
[本発明1002]
前記第3の中間ファイルをレンダリング可能な出力ファイルに変換する工程
をさらに含む、本発明1001の方法。
[本発明1003]
前記レンダリング可能な出力ファイルは、PDF、PostScriptファイル、VDXファイル、PPMLファイル、HP-PPMLファイル、VPSファイル、JLYTファイル、VIPPファイル、Digimaster-PSファイル、JPGファイル、PDF/VTファイル、APF、およびHTMLファイルのうちの少なくとも1つである、本発明1002の方法。
[本発明1004]
前記第3の中間ファイルをレンダリング可能な出力ファイルに変換する工程は、印刷注文以外の追加の入力データを必要としない、本発明1002の方法。
[本発明1005]
前記レンダリング可能な出力ファイルを印刷システムに送信する工程
をさらに含む、本発明1003の方法。
[本発明1006]
用紙のシート上に印刷出力をレンダリングする工程
をさらに含む、本発明1005の方法。
[本発明1007]
前記用紙のシート上の前記印刷出力は、バリアブル印刷データを含む付け合せされて(ganged)面付けされたはがきのシートである、本発明1006の方法。
[本発明1008]
前記第1の中間ファイルおよび前記第2の中間ファイルはバイナリファイルである、本発明1001の方法。
[本発明1009]
前記第1の中間ファイルおよび前記第2の中間ファイルをメモリに格納する工程
をさらに含む、本発明1001の方法。
[本発明1010]
前記第1の中間ファイルおよび前記第2の中間ファイルは、前記第1のテンプレート内および前記第2のテンプレート内のバリアブル印刷データの場所についての位置データを含む、本発明1001の方法。
[本発明1011]
ソート順序ファイルはCSVファイルである、本発明1001の方法。
[本発明1012]
前記第1のデータ格納場所と前記第2のデータ格納場所は同じデバイス上に位置している、本発明1001の方法。
[本発明1013]
前記第1のテンプレートと前記第2のテンプレートは同じファイルに格納されている、本発明1001の方法。
[本発明1014]
前記組版エンジンは、植字機ヒューマンインターフェースも含むサブシステムの一部である、本発明1001の方法。
[本発明1015]
前記サブシステムを介して、前記第1のテンプレートおよび前記第2のテンプレートを選択する工程
をさらに含む、本発明1014の方法。
[本発明1016]
組版エンジンにマスタデータファイル格納場所からマスタデータファイルを提供する工程;
前記マスタデータファイルから第1のデータファイル、第2のデータファイル、およびソート順序ファイルを抽出する工程;
第1の格納場所から第1のテンプレートを取り出す工程;
第2の格納場所から第2のテンプレートを取り出す工程;
前記組版エンジンを使用して、前記第1のデータファイルおよび前記第1のテンプレートから第1の中間ファイルを生成する工程;
前記組版エンジンを使用して、前記第2のデータファイルおよび前記第2のテンプレートから第2の中間ファイルを生成する工程;ならびに
第3の中間ファイルを構成する工程であって、前記第3の中間ファイルは、ソーティングデータファイルに一部基づいてマージされ混合された前記第1の中間ファイルおよび前記第2の中間ファイルからのコンテンツを含む、工程
を含む方法。
[本発明1017]
前記第3の中間ファイルをレンダリング可能な出力ファイルに変換する工程
をさらに含む、本発明1016の方法。
[本発明1018]
前記レンダリング可能な出力ファイルは、PDF、PostScriptファイル、VDXファイル、PPMLファイル、HP-PPMLファイル、VPSファイル、JLYTファイル、VIPPファイル、Digimaster-PSファイル、JPGファイル、PDF/VTファイル、APF、およびHTMLファイルのうちの少なくとも1つである、本発明1017の方法。
[本発明1019]
前記第3の中間ファイルをレンダリング可能な出力ファイルに変換する工程は、印刷注文以外の追加の入力データを必要としない、本発明1017の方法。
[本発明1020]
前記レンダリング可能な出力ファイルを印刷システムに送信する工程
をさらに含む、本発明1018の方法。
[本発明1021]
用紙のシート上に印刷出力をレンダリングする工程
をさらに含む、本発明1020の方法。
[本発明1022]
前記用紙のシート上の前記印刷出力は、バリアブル印刷データを含む付け合せされて面付けされたはがきのシートである、本発明1021の方法。
[本発明1023]
前記第1の中間ファイルおよび前記第2の中間ファイルはバイナリファイルである、本発明1016の方法。
[本発明1024]
前記第1の中間ファイルおよび前記第2の中間ファイルをメモリに格納する工程
をさらに含む、本発明1016の方法。
[本発明1025]
前記第1の中間ファイルおよび前記第2の中間ファイルは、前記第1のテンプレート内および前記第2のテンプレート内のバリアブル印刷データの場所についての位置データを含む、本発明1016の方法。
[本発明1026]
前記ソート順序ファイルはCSVファイルである、本発明1016の方法。
[本発明1027]
前記第1のデータ格納場所と前記第2のデータ格納場所は同じデバイス上に位置している、本発明1016の方法。
[本発明1028]
前記第1のテンプレートと前記第2のテンプレートは同じファイルに格納されている、本発明1016の方法。
[本発明1029]
前記組版エンジンは、植字機ヒューマンインターフェースも含むサブシステムの一部である、本発明1016の方法。
[本発明1030]
前記サブシステムを介して、前記第1のテンプレートおよび前記第2のテンプレートを選択する工程
をさらに含む、本発明1029の方法。
[本発明1031]
バリアブル印刷データを含む付け合せされて面付けされたはがきのシートを調製するために、バイナリ中間ファイルから、事前にソートされた郵便順序での混合出力を構成する方法であって、
組版エンジンに、第1のデータファイル格納場所からの第1のデータファイルと第1のテンプレート格納場所からの第1のテンプレートとを提供する工程;
前記組版エンジンに、第2のデータファイル格納場所からの第2のデータファイルと第2のテンプレート格納場所からの第2のテンプレートとを提供する工程;
前記組版エンジンを使用して、前記第1のデータファイルおよび前記第1のテンプレートから第1のバイナリ中間ファイルを生成する工程;
前記組版エンジンを使用して、前記第2のデータファイルおよび前記第2のテンプレートから第2のバイナリ中間ファイルを生成する工程;
前記組版エンジンにおいて、第3の格納場所からソーティングデータファイルを受け取る工程;ならびに
第3のバイナリ中間ファイルを構成する工程であって、前記第3のバイナリ中間ファイルは、前記ソーティングデータファイルに一部基づいて、事前にソートされた郵便順序でマージされ混合された前記第1のバイナリ中間ファイルおよび前記第2のバイナリ中間ファイルからのコンテンツを含む、工程;
前記第3のバイナリ中間ファイルをレンダリング可能な出力ファイルに変換する工程;
前記レンダリング可能な出力ファイルを印刷システムに送信する工程;ならびに
用紙のシート上に前記レンダリング可能な出力ファイルをレンダリングする工程であって、前記用紙のシート上の印刷出力は、バリアブル印刷データを含む付け合せされて面付けされたはがきのシートである、工程
を含む方法。
本開示のさらに別の局面を、図面と併せて以下でさらに説明する。前述の概念および以下により詳細に論じられる追加の概念のすべての組み合わせは(そのような概念が相互に矛盾しないならば)本明細書に開示される本発明の主題の一部であることが企図されていることを理解されたい。特に、本開示の最後に記載されている特許請求される主題のすべての組み合わせは、本明細書で開示される本発明の主題の一部であることが企図されている。また、参照により組み入れられるいずれかの開示にも記載されている可能性がある本明細書で明示的に用いられる用語には、本明細書で開示される特定の概念と最も整合する意味が与えられることも理解されたい。
【0020】
以下の米国特許出願公開は、あらゆる目的で参照により本明細書に組み入れられる。
【0021】
発明の名称:CENTRALIZED SYSTEM AND METHOD FOR MANAGING ENTERPRISE OPERATIONS;出願番号PCT/US99/26523;公開番号WO 2000/030000;出願日1999年11月9日
【0022】
発明の名称:SYSTEM AND METHOD FOR CREATING, GENERATING AND PROCESSING USER-DEFINED GENERIC SPECS;出願番号09/780,099;公開番号US 2002-0032694 A1;出願日2001年2月9日
【0023】
発明の名称:SYSTEMS & METHODS FOR PROVIDING VARIABLE DATA PRINTING(VDP)USING DYNAMIC FONT DOWNGRADING;出願番号12/571,387;公開番号US-2011-0075196-A1;出願日2009年9月30日
【0024】
発明の名称:SYSTEMS & METHODS FOR PROVIDING VARIABLE DATA PRINTING(VDP)USING DYNAMIC FONT DOWNGRADING;出願番号PCT/US2010/050302;公開番号WO 2011/041241;出願日2010年9月24日
【0025】
発明の名称:SYSTEMS & METHODS FOR PROVIDING VARIABLE DATA PRINTING(VDP)USING DYNAMIC FONT DOWNGRADING;出願番号14/269,802;公開番号US-2014/0240731-A1;出願日2014年5月5日
【0026】
発明の名称:APPARATUS & METHODS FOR IMAGE PROCESSING OPTIMIZATION FOR VARIABLE DATA PRINTING;出願番号12/534,717;公開番号US-2011/0026042-A1;出願日2009年8月3日
【0027】
発明の名称:APPARATUS AND METHODS FOR IMAGE PROCESSING OPTIMIZATION FOR VARIABLE DATA PRINTING(VDP);出願番号PCT/US2010/044298;公開番号WO2011/017361;出願日2010年8月3日
【0028】
発明の名称:APPARATUS & METHODS FOR IMAGE PROCESSING OPTIMIZATION FOR VARIABLE DATA PRINTING;出願番号14/105,955;公開番号US-2014-0104650-A1;出願日2013年12月13日
【0029】
発明の名称:SYSTEM AND METHOD FOR PRINTABLE DOCUMENT JOB SUBMISSION;出願番号13/554,344;出願番号13/554,344;公開番号US-2014-0022585-A1;出願日2012年7月20日
【0030】
発明の名称:SYSTEM AND METHOD FOR PRINTABLE DOCUMENT JOB SUBMISSION;出願番号PCT/US2013/051265;公開番号WO2014/015249;出願日2013年7月19日
【0031】
発明の名称:SYSTEM AND METHOD FOR PRINTABLE DOCUMENT VIEWER OPTIMIZATION;出願番号13/827,173;公開番号US-2014-0281940-A1;出願日2013年3月14日
【0032】
発明の名称:SYSTEM AND METHOD FOR PRINTABLE DOCUMENT VIEWER OPTIMIZATION;出願番号PCT/US2014/025814;公開番号WO2014/160100;出願日2014年3月13日
【図面の簡単な説明】
【0033】
本開示は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明との関連でより完全に理解される。当業者であれば、図面は主に例示のためのものであり、本明細書に記載される本発明の主題の範囲を限定するものではないことを理解するであろう。図面は必ずしも縮尺通りではなく、いくつかの例では、本明細書で開示される本発明の主題の様々な局面は、異なる特徴の理解を容易にするために、図面において誇張または拡大して示される場合がある。図面において、類似した参照符号は、一般に、類似した特徴(例えば、機能的に類似した要素および/または構造的に類似した要素)を指している。
【0034】
【
図1】本開示の態様が実施されうる典型的な印刷システムの図である。
【
図2】本開示の局面による組版/植字機システムの態様の図である。
【
図3】本開示の局面によるプリンタシステムの一態様の図である。
【
図4】テンプレートにデータファイルからバリアブルデータを取り込むことによって出力ファイルを作成するための従来の方法の図である。
【
図5】本発明の態様による、事前にソートされた郵便順序での面付けされた混合出力を調製するための方法のフローチャートである。
【
図6】本開示の態様による、中間ファイルを作成するための方法の図である。
【
図7】本開示の態様による、中間ファイルから、事前にソートされた郵便順序での面付けされた混合出力を構成するための方法の図である。
【
図8】本開示の態様によるマスタデータファイルの図である。
【
図9】本開示の態様による、マスタデータファイルから、事前にソートされた郵便順序での面付けされた混合出力を構成するための方法のフローチャートである。
【
図10】本開示の態様による、マスタデータファイルから、事前にソートされた郵便順序での面付けされた混合出力を構成するための方法の図である。
【0035】
対応する参照符号は、図面のいくつかの図にわたって対応する構成要素を示している。当業者は、各図の要素が簡潔および明瞭であるように図示されており、必ずしも縮尺通りには描かれていないことを理解するであろう。例えば、図の要素のうちのいくつかの寸法は、本開示の様々な態様の理解を高めるのを助けるために、他の要素に対して誇張されている場合がある。また、商業的に実現可能な態様において有用であるかまたは必要である、一般的であるが十分に理解されている要素は、本開示のこれらの様々な態様の図を妨げないように、往々にして描かれていない場合がある。
【発明を実施するための形態】
【0036】
詳細な説明
以下は、VDPドキュメントの付け合せ面付け郵便仕分けのための独創的なシステムおよび方法ならびにそれらの態様に関連した様々な概念のより詳細な説明である。以上で紹介した、以下でより詳細に論じる様々な概念は、多くの方法のいずれで実施されてもよく、開示される概念はいかなる特定の実施態様にも限定されないことを理解されたい。具体的な実施態様および適用の例は、主に説明を目的として提供される。
【0037】
PTI Marketing Technologies, Inc.から入手可能なFusionProなどのプログラムは、ユーザがページ上でフレームをレイアウトすることによってドキュメントを作成することを可能にする。フレームは、ページ上の様々な要素の位置に対応する。各要素は、グラフィックス、テキスト、またはそれらの組み合わせでありうる。各要素は、データベースに格納され、バリアブルデータまたは非バリアブルデータを含みうる。ユーザが所与のページサイズで最適に見えるようにフレームをレイアウトした後に、ユーザはページをプレビューして完成したドキュメントの表現を確認することができる。一態様では、ユーザは、ページ上に複数のフレームを配置することによってバリアブルデータレイアウトを作成する。
【0038】
本開示の様々な態様の詳細をさらに説明するために、次に、本開示の様々な態様が実施されうる典型的なデジタル印刷システム100を示す
図1に注目する。印刷システム100は、組版または植字サブセクション(本明細書では組版システムまたは植字機ともいう)110と印刷サブセクション(本明細書では印刷システムともいう)150の2つの主要なサブセクションを含む。これらのサブセクションは、
図1に示すようなネットワーク130、例えばローカル・エリア・ネットワーク(イーサネットもしくは他のLANなどの有線LAN)、無線ネットワーク、インターネットなどの広域ネットワーク(WAN)、企業ネットワークを介して、または他のネットワーク接続構成を介して相互接続されうる。いくつかの態様では、サブセクション110とサブセクション150が
図1に示すように直接相互接続される必要はなく、データおよび情報が、例えば人間のユーザまたはオペレータによって、それらのサブセクション間で手動で転送されてもよい。サブシステム110とサブシステム150との間で転送されるデータおよび情報には、プリンタ特性142、印刷ジョブ144、プリンタ特性決定ファイル146、ならびに他のデータまたは情報(図示せず)のセットが含まれうる。
【0039】
組版サブセクション110は、2つのコンピュータサブシステム115および120を含みうる。サブシステム115は、本明細書では植字機ヒューマンインターフェースと呼ばれ、典型的には、特定の(1つまたは複数の)プリンタシステム152の特性と関連付けられた情報を含むプリンタ特性142を受け取り、その情報をメモリに格納し、サブシステム120にその情報へのアクセスを容易にする接続を提供するかまたは受け取った情報をサブシステム120に転送するように構成されたハードウェアおよびソフトウェアを含むコンピュータシステムである。サブシステム115はまた、印刷サブセクション150と直接通信して、1つまたは複数のプリンタ152a~152nのプリンタ特性142および/または他の情報を問い合わせるためにプリンタ特性決定ファイル146を生成し、印刷サブセクション150からプリンタ特性142を受け取るように構成されてもよい。
【0040】
上述したように、印刷ページのラスタ要素を生成すると共に、特定の解像度および回転で提供されたラスタオブジェクトをプリンタのネイティブな解像度および回転に変換するためにRIPが必要である。これらの変換を行うための様々な技法が当技術分野で公知であるが、この処理は、RIPで行われると非常に計算集約的で、時間がかかるものになりうる。その結果、処理要件が十分に大きい場合、RIPはプリンタシステムのレンダリングステーションの出力速度に追いつけなくなる可能性があり、これは印刷出力を減速させ、全体的な印刷効率に影響を及ぼしうる。
【0041】
次に、
図1に示すような植字機110などの組版システムまたは植字機システムの典型的なシステム構成を示す
図2に注目する。簡潔にするために、
図2の様々な構成要素は簡略化した形で示されており、明瞭化のためにいくつかの要素が省かれている。例えば、
図2には、単一のコンピュータシステムの構成要素が示されているが、
図1に示すように2つの別個のシステム115および120が使用されてもよく、かつ/または他の構成が使用されてもよい。
【0042】
組版システム110は、1つまたは複数のプロセッサ210と、1つまたは複数のメモリまたは他のプログラムおよびデータ記憶要素260と、メモリ260の一部であってもよい画像/コンテンツデータベース230とを含む。メモリ260は、本明細書に記載されるような様々な機能を提供するための機能モジュールをさらに含む。これらの機能モジュールは、様々な機能を実装するために、ハードウェア要素、ソフトウェア要素、ファームウェア要素、および/またはこれらの要素の組み合わせを含みうる。特に、機能モジュールには、事前ラスタ化生成器モジュール272、ユーザインターフェースモジュール272、プリンタ特性付けモジュール276、印刷ジョブ生成器モジュール278、および/またはこれら様々なモジュールの組み合わせならびに他のモジュールが含まれうる。加えて、メモリ260は、1つまたは複数のオペレーティングシステム262または他のアプリケーション(図示せず)、ならびに例えばFusion Pro Desktopまたは別の組版もしくは植字アプリケーションプログラムであってもよい組版モジュール264を含んでいてよい。機能モジュール270によって提供される機能は、例えば、直接統合によって、またはプラグインもしくは他の組込み機構によって組版モジュール264に組み込まれうる。加えて、組版モジュール264は、独立型のアプリケーションであってもよいし、または、例えばプラグインの形態で、もしくは他のプログラム統合機構によって、別のアプリケーションに統合されてもよい。
【0043】
組版システム110はまた、印刷ジョブ、プリンタ特性付けデータ、画像ファイルおよび/または他のデータもしくは情報の入力、出力、および格納を容易にする1つまたは複数のメディアドライブ230(リムーバブルハードディスクドライブ、CDドライブ、DVDドライブ、BDドライブ、フラッシュメモリドライブ、USBドライブなど)といった他の要素も含んでいてよい。加えて、組版システム110は、USBインターフェースまたはFirewireインターフェースなどの1つまたは複数のI/Oデバイス220、キーボード、コンピュータマウス、トラックボールなどの1つまたは複数のユーザインターフェースならびに関連ハードウェアおよび/またはソフトウェア、印刷システム150などの他のシステムへの接続を容易にする有線ネットワーク接続または無線ネットワーク接続(イーサネット、Wi-Fiなど)などの1つまたは複数のネットワーク接続240を含んでいてもよい。データおよび情報の入出力、ユーザインターフェース機能を容易にするために、ならびに事前ラスタ化されたページレイアウトまたは事前ラスタ化されたオブジェクトをプリンタのネイティブの解像度で表示させるための組版インターフェースおよび/または表示機構を提供するために、CRTモニタ、LCDモニタ、または他の視覚出力装置などのディスプレイ250も含まれていてよい。
【0044】
次に、典型的なプリンタシステム構成を示す
図3に注目する。
図3に示すプリンタシステム152は、単一のプリンタであってもよいし、または
図1に示すように印刷システム150内の複数のプリンタのうちの1つであってもよい。前述したように、プリンタシステム152は、RIPモジュール154およびレンダリングステーションモジュール156を含み、他の要素(図示せず)を含んでいてもよい。RIPモジュール154は、1つまたは複数のプロセッサまたはCPU 310、RIP 154とレンダリングステーション156とをインターフェースするように構成された1つまたは複数のデータI/Oモジュール320、およびメモリ360を含みうる。メモリ360は、本明細書に記載されるような様々な機能を提供するための機能モジュールをさらに含む。これらの機能モジュールは、様々な機能を実装するために、ハードウェア要素、ソフトウェア要素、ファームウェア要素、および/またはこれらの要素の組み合わせを含みうる。
【0045】
特に、典型的な態様では、RIPは、組版機モジュール372、PostScript処理モジュール374などの1つまたは複数のプログラミングジョブ処理モジュール、受け取った印刷ジョブに基づいてページレイアウトを生成するように構成されたPCLインタプリタモジュール376および/または他の印刷ジョブ処理モジュールを含みうる機能モジュールのセットを含むRIPソフトウェアモジュール370の形態であってよい。加えて、機能モジュールには、レンダリングステーション156に送信するための固有のページ情報またはフレーム情報を格納するように構成されたページまたはフレームバッファモジュールも含まれていてよい。
【0046】
例えば、フレームバッファモジュールは、印刷レンダリング装置358によって印刷出力に直接変換することができるドットパターン形式の完全なページを含んでいてもよい。オペレーティングシステムモジュール362などの他の機能モジュールもメモリ360に格納されていてよい。
【0047】
加えて、RIP 154は、メモリ360と統合されうるデータベース340も含んでいてよい。データベース340は、事前ラスタ化されたオブジェクトおよびRIPモジュール370によってラスタ化されるべき印刷ジョブで提供されるオブジェクトを含む、本明細書に記載されるようなデータ、情報およびオブジェクトを格納するために使用されうる。組版機モジュール372は、PostScriptインタプリタ374およびPCLモジュール376からの出力を取り込み、それらをフレームバッファ378内の他のページ要素と組み合わせて、サポートされる場合には透過性を説明するために使用されうる(フレームバッファ378は、印刷出力のビットマップを格納し、「透過性」としてフレームバッファにロードされたデータは、同じ画素位置にあるバッファ内の他のデータが透けて見えることを可能にする)。RIP 154はまた、例えば植字機110へのまたは他のシステムもしくはデバイスへのネットワーク接続を容易にするネットワーク接続モジュール(複数可)330、ならびに、印刷ジョブの入力、出力、および格納、プリンタ特性付けデータ、画像ファイルおよび/または他のデータもしくは情報の出力および格納を容易にする1つまたは複数のメディアドライブ325(リムーバブルハードディスクドライブ、CDドライブ、DVDドライブ、BDドライブ、フラッシュメモリドライブ、USBドライブなど)も含んでいてよい。
【0048】
レンダリングステーション156は、RIP 154からページ・ドット・パターンなどのフォーマットされたページ情報を受け取り、印刷レンダリング装置358のネイティブな解像度で印刷出力ページを生成するように構成される。レンダリングステーション156は、それが組み込まれるプリンタシステムのタイプに基づいて異なる構成を有しうるが、一般には、少なくとも1つのプロセッサ352、または例えばPLD、ASICなどの論理回路均等物、ならびに入ってくるデータの格納のためのメモリ356、および(例えばレーザ、インクジェットなどによって)印刷ページ出力を生成する印刷レンダリング装置358を含む。
【0049】
いくつかの態様では、印刷ページ出力は、はがき、はがきのシート、はがきのロール、ドキュメント、ドキュメントのシート、広告チラシのシート、および手紙のシートのうちの1つまたは複数である。いくつかの態様では、ドキュメントは個人別の手紙である。いくつかの態様では、ドキュメントは広告である。いくつかの態様では、ドキュメントははがきである。はがきは、通常は手紙よりも郵便料金が少なくて済み、より安く印刷できるため、郵便による広告および勧誘の一般的な方法である。多くの場合、差出人は、同じサイズで同じ用紙に印刷されるが、異なるアドレスバンクまたは格納場所からのデータを用いて作成される、いくつかの異なるデザインのはがきを有する。
【0050】
従来のワークフローでは、異なるデザインそれぞれのカードが組版され、(おそらくは、所与のデザインについての郵便仕分け順で)印刷されるが、それらは、データセットが異なりかつ異なるはがきデザインそれぞれと密接に関連付けられているために、混合されない。例えば、
図4に示すように、デザインAを有するはがきなどのドキュメントは、デザインBを有するドキュメントとは異なるデータファイルレイアウトを必要としうる。
図4は、テンプレートにデータファイルからバリアブルデータを取り込むことによって出力ファイルを作成するための従来の方法の図である。方法400は、第1のデータファイル410Aを使用して、選択的に位置決めされたバリアブル印刷データを第1のテンプレート420Aに取り込み、出力ファイル430Aを生成する工程を含み、出力ファイル430Aは郵便仕分け順に編成されてもよいしされなくてもよい。同様に、第2のデータファイル410Bが、第2のテンプレート420Bにバリアブル印刷データを取り込むのに使用され、出力ファイル430Bが生成される。たとえ第1のテンプレート420Aが第2のテンプレート420Bと同じであっても、従来の植字製品は、異なるデータファイル410Aおよび410Bを混合して単一の出力ファイルに構成することができない。この結果、従来は、はがきのデザインごとの少量生産作業が行われることになる。しかし、はがきのデザインごとの少量生産作業は、事前ソートによる郵便料金の節約に見合わない可能性がある。単一のテンプレートについての第1のデータファイル410Aと第2のデータファイル410Bとが結合されて事前にソートされ、次いで事前にソートされたデータが単一のテンプレートに適用されて、それによって単一の事前にソートされた出力が生成された場合には、データを事前にソートして事前に仕分けされたはがきトレイをUSPSに提供することによるコスト削減が生じうるはずである。ただし、この手法は、単一のテンプレートを選択し、同じ形式で格納されている場合もあるしまたはそうでない場合もあるデータファイルを操作する必要がある。
【0051】
従来は、これらの結果を達成するために、各テンプレートは、テキストフレームのリストならびにそれらの位置およびテキスト属性と、グラフィックフレームおよびそれらの属性とに分解されなければならない。フレームの属性には、フレームのx、y位置、サイズ、回転、スタック順序(zオーダー)が含まれるはずである。また、挿入されるべき変数を含むフレームのすべてのテキストも含むはずである。例えば、以下である:
テンプレートA:
TextFrame1: PosX=7200, PosY=3600, Width=72000, Height=14420, Content=”<font name=Arial Black><pointsize=48>The Ultimate Getaway, <Firstname>”
TextFrame2: PosX=15300, PosY=9300, Width=2600, Height=85900, Content=”=”<font name=Arial Black><pointsize=12><Color=Red>Hurry, <firstname>, offer expires <expdate>!”
GraphicFrame1: PosX=8500, PosY=1200, Width=48300, Height=79500, Content=DestImage1
テンプレートB:
TextFrame1: PosX=18400, PosY=1200, Width=75700, Height=4740, Content=”<font name=Verdana><pointsize=36><b>Visit your home away from home, <Firstname>!”
TextFrame2: PosX=15300, PosY=9300, Width=2600, Height=85900, Content=”Hurry, <firstname>, offer expires <expdate>!”
GraphicFrame1: PosX=43200, PosY=7500, Width=435600, Height=2400, Content=DestImage1
GraphicFrame2: PosX=68200, PosY=7500, Width=435600, Height=2400, Content=DestImage2
この例では、単位は100分の1ポイントであり、Firstname、expdate、およびDestImage1の各値は、データファイルから書き入れられる予定の可変コンテンツ要素である。テキストフレームのテキスト形式は、テキストフレーム内のマークアップとして符号化されることに留意されたい。
【0052】
この情報は、デザイナがページレイアウトプログラムでデザインのモックアップを作成した後に、デザインツールからマークアップへとプログラムで抽出することができる。これらのフレーム位置が格納されると、次いで以下のワークフローを実行することができる:テンプレートAを使用するデータファイル、すなわちデータファイルFile1Aが取得される。次に、テンプレートBを使用するデータファイル、すなわちデータファイルFile1Bが取得される。バリアブルデータフィールドは各テンプレートによって共用されるため、データファイル形式(変数名)はFile1AとFile1Bで同じでなければならないことに留意されたい。元のファイル内のすべてのフィールドのリストと、すべてのテキストフレームおよびグラフィックフレームのフレーム属性とを含む新しいデータファイル形式が作成される。各テンプレートの最大フレーム数と同数のテキストフレームおよびグラフィックフレームが必要であることに留意されたい。したがって、一部のデータファイルには未使用フレームが存在する。
【0053】
これらのデータファイルは、互いにマージされ、郵便仕分け順にソートされる。これにより、File1AおよびFile1Bからのデータが互いに混合される。テキストフレームの位置とグラフィックフレームの位置とが混合される。このデータファイルが次いで、新しいテンプレートへの入力になる。この新しいテンプレートには空白のテキストフレームとグラフィックフレームしかない。植字エンジンは次いでこのデータファイルを読み取り、レコードごとに空白のテキストフレームおよびグラフィックフレームをその正しい位置に移動させ、データファイル内のデータに基づいてコンテンツを書き入れる。これにより、所望の面付けされたドキュメントが生成される。
【0054】
前述の従来のシステムには多くの制限と困難がある。例えば、各テンプレートは、ページレイアウトプログラムで作成された後、そのx、y座標に変換されなければならない。これにより、データマージの前にデザインをすばやく編集することが妨げられる。各テンプレートのデータファイルは同じでなければならない。デザインに基づいたデータのカスタマイズは行われない。各テンプレートは単純な変数の置換を持たねばならず、高度な植字機が可能にするテンプレートごとの複雑な規則を設定することはできない。データ処理はすべて、データ収集終了時に上流で行われなければならない。データを各テンプレートのレイアウト座標とマージするにはかなりの量のデータ処理が必要である。
【0055】
従来の方法の欠点を解決するために、本開示による態様は、以下の革新的な面を含む。デザインは、プロセスの期間にわたってそのネイティブなフォームのテンプレートのままであることができる。プロセスの後半にテンプレートに変更を加えることができる。データレイアウトは、(名前および住所のブロックを除いて)テンプレートごとに異なることができる。テンプレートは、フレームの値を計算する高度な規則を持つことができる。実際、データに基づいて個々のフレームを移動させてサイズ変更する(またはページをオン・オフする)ことができる。格納されるものは組版された出力であるため、ドキュメントの完全なプログラムによるデザイン変更をレコードごとに行うことができる。データ処理は、提案のソリューションによって行われる。
【0056】
いくつかの態様では、事前にソートされた郵便順序での面付けされた混合出力を調製する方法が提供される。
図5は、本発明の態様による、事前にソートされた郵便順序での面付けされた混合出力を調製するための方法のフローチャートである。方法500は、第1のデータファイルおよび第1のテンプレートを組版エンジンに提供する工程510を含む。第1のデータファイルは、第1のデータ格納ファイル場所に格納されており、スプレッドシート、comma separated value(CSV)ファイル、データテーブル、リレーショナルデータベースに保持されたデータ、および他の形態の編成データであることができる。第1のデータファイルは、第1のテンプレート内のバリアブルデータフレームに取り込むのに使用されるバリアブルデータを含む。第1のテンプレートは、第1のテンプレート場所に格納されており、テキストおよびグラフィックスを含むバリアブルデータのための編集可能なフィールドを含む任意のテンプレートであることができる。第1のテンプレートはまた、数ある要素の中でも特に、ドキュメントのレイアウト、規則、およびリソースも含んでいてよい。工程510と同様に、工程520で、第2のデータファイル格納場所に格納された第2のデータファイルおよび第2のテンプレート場所に格納された第2のテンプレートが、組版エンジンに提供される。第2のデータファイルおよび第2のテンプレートを含む第2の場所は、第1のデータファイルおよび第1のテンプレートを含む第1の場所と同じであり得るかまたは異なり得、ならびに同じもしくは異なるデバイス上、同じもしくは異なるドライブ上、同じもしくは異なるフォルダ上、または同じもしくは異なるファイル上にあり得る。第2のデータファイルは、第2のテンプレート内のバリアブルデータフレームに取り込むのに使用されるバリアブルデータを含む。
【0057】
工程530で、第1の中間ファイルが組版エンジンによって生成され、工程540で、第2の中間ファイルが組版エンジンによって生成される。いくつかの態様では、第1の中間ファイルおよび第2の中間ファイルは、バイナリ中間ファイル(BIF)である。中間ファイルは、テンプレート内のバリアブル印刷データの場所についての位置データを含む、データファイルおよびテンプレートからのデータを含む。本態様による利点は、データファイル内の重複データが中間ファイル内に1回だけ格納されることである。このように、データ、例えばグラフィックは、中間ファイル内に1回格納され、中間ファイル内の複数の場所で参照されることができ、よって全体的なファイルサイズが縮小される。本態様による別の利点は、中間ファイルが、第1のデータファイルと第1のテンプレートと第2のデータファイルと第2のテンプレートとの間でフォーマットを標準化することである。本態様による別の利点には、データ入力、規則、フレーム数などがかなり異なりうる多くの異なる種類のテンプレートとの互換性が含まれる。本態様によるさらに別の利点は、中間ファイルの最適化されたデータ構造のために読み出し/書き込み時間が短縮されることである。中間ファイルは、メモリまたはコンピュータ可読媒体に格納することができ、あるいはさらなる処理のために第2の組版エンジンに出力することができる。
【0058】
工程550で、第1の中間ファイル、第2の中間ファイル、およびソート順序が組版エンジンに提供される。工程560で、組版エンジンは、ソート順序に基づいて、第1の中間ファイルからのデータを第2の中間ファイルからのデータとマージする。マージされたデータは、第1の中間ファイルおよび第2の中間ファイルからの混合データであり、第3の中間ファイルとしてメモリに格納されるか、またはさらなる処理のために第2の組版エンジンに出力されることができる。第3の中間ファイル内のマージされ混合されたデータは、提供されたソート順序に基づいて配置されている。第3の中間ファイルのマージされ混合されたデータはまた、データを1回格納し、次いでファイルの他の部分で格納データを参照することによって重複データを減らすように最適化されている。本態様による利点は、通常はRIPで行われるはずの処理の一部が組版エンジンにシフトされ、それによってRIP速度によって速度制限されうる処理スループットが増加することである。
【0059】
マージされた中間ファイルは、組版エンジンによって、PDF、PostScriptファイル、VDXファイル、PPMLファイル、HP-PPMLファイル、VPSファイル、JLYTファイル、VIPPファイル、Digimaster-PSファイル、JPGファイル、PDF/VTファイル、APF、およびHTMLファイルを含むがそれに制限されない印刷可能な出力ファイルのうちの1つまたは複数に変換することができる。工程570において、変換された出力は、第1のデータファイル、第1のテンプレートファイル、第2のデータファイル、および第2のテンプレートファイルからのデータのマージされ混合された組版である。出力のレンダリング可能な形式への変換に、混合されたレコードの印刷注文以外の追加の入力データは不要である。このように、中間ファイルは、指定されたフォントセットを除く、バリアブル印刷データを含むテンプレートを再現するのに必要なすべての情報を含む。変換された出力は、カードまたは用紙上に印刷出力をレンダリングするために、印刷システムに送信することができる。印刷されたとき、個々の印刷物は、郵便配達ルートによって事前仕分けされている。
【0060】
カードまたは用紙のシート上の印刷出力は、複数の印刷ジョブからのドキュメントを含むことができる。すなわち言い換えれば、カードまたは用紙のシート上の印刷出力は付け合せることができる。印刷システムは、シートが切断され、重ねられ、かつ/または折り畳まれたときにドキュメントが正しい郵便仕分け順になるように、各はがきを用紙のシート上に正しい位置で面付けする。本態様による教示は、郵便仕分けだけに限定されず、他の種類のソートにも適用できることに留意されたい。代替の態様は、拡張された郵便番号、バーコード、出荷追跡コード、zipコード、拡張されたzipコード、所在地住所および受取人識別子、棚コード、箱コード、社内郵便配達コード、電子メールアドレス、トラック識別子または積荷識別子、ルーティングコード、SKUコード、Qコード、(特定の会議、日付、プロモーションまたはキャンペーンの)イベントコードなどを使用した様々な他の配達方法、保管方法および倉庫保管位置特定方法に使用されうるシステムおよび方法を含む。また、出力には、印刷ドキュメントと共に、デジタル資産管理システム、ファイルディレクトリ、オンラインカタログなどで格納を必要とする出力ドキュメントのデジタルバージョンも含まれうる。
【0061】
図6は、本開示の態様による、中間ファイルを作成するための方法600の図である。方法600は、バイナリ中間ファイル630Aを生成する組版エンジンに第1のデータファイル610Aおよび第1のテンプレート620Aを提供する工程を含む。同様に、第2のファイル610Bおよび第2のテンプレート620Bが、バイナリ中間ファイル630Bを生成する組版エンジンに提供される。この図では、データファイルはExcel CSV形式であり、テンプレートは独自のXML形式である。
【0062】
図7は、本開示の態様による、中間ファイルから、事前にソートされた郵便順序での面付けされた混合出力を構成するための方法700の図である。参照のために、これらのバイナリ中間ファイルをBIFファイルと呼ぶ。方法700は、第1のバイナリ中間ファイル730A、第2のバイナリ中間ファイル730B、およびソート順序データファイル740を組版エンジン750に提供する工程を含む。組版エンジン750は、第3のバイナリ情報ファイル(図示せず)を生成するために、ソート順序データファイル740に従って第1のバイナリファイル730Aと第2のバイナリファイル730Bをマージして混合させる。第3のバイナリ中間ファイルは、結果として得られたBIFファイルをレンダリング可能な出力ファイルに変換するために必要なすべてのデータ、規則、画像、およびその他のリソースを含む。通常、結果として得られたBIFファイルをPDFファイルなどのレンダリング可能な出力ファイルに変換するのに、印刷注文の1つまたは複数の指定されたフォントセット以外に他の入力は不要である。
【0063】
データファイルレイアウトがすべてのドキュメントで同じである場合、特定の最適化を実行することができる。この場合、すべてのテンプレートは同じデータレイアウトを使用する。例えば、
図8に、列A~列Kに示す所与のバリアブルデータに対応するテンプレートまたはレイアウトを示す列Lのエントリを含むマスタデータファイル800の一部分を示す。組版エンジンは、マスタデータファイル800で指定されたテンプレートまたはレイアウトフィールドにすべて基づいて、個々のデータファイルを生成し、中間ファイルをマージすることによって、ワークフローを最適化することができる。
【0064】
図9は、本開示の態様による、マスタデータファイルから、事前にソートされた郵便順序での面付けされた混合出力を調製するための方法900のフローチャートである。方法900は、組版エンジンにマスタデータファイル格納場所からマスタデータファイルを提供する工程910を含む。工程910Aで、組版エンジンは、マスタデータファイルから第1のデータファイルを抽出する。第1のデータファイルは、第1のデータファイルの場所に格納され、スプレッドシート、comma separated value(CSV)ファイル、データテーブル、リレーショナルデータベースに保持されたデータ、および他の形態の編成データであることができる。第1のデータファイルは、第1のテンプレートに取り込むのに使用されるバリアブルデータを含む。工程930Aで、組版エンジンは第1のテンプレートを取り出す。第1のテンプレートは、第1のテンプレートの場所から取り出すことができ、テキストおよびグラフィックスを含むバリアブルデータのための編集可能なフィールドを含む任意のテンプレートであることができる。第1のテンプレートは、数ある要素の中でも特に、ドキュメントのレイアウト、規則、およびリソースを含んでいてよい。
【0065】
工程910Bで、組版エンジンは、マスタデータファイルから第2のデータファイルを抽出する。第2のデータファイルは、第2のデータファイルの場所に格納され、スプレッドシート、comma separated value(CSV)ファイル、データテーブル、リレーショナルデータベースに保持されたデータ、および他の形態の編成データであることができる。第2のデータファイルは、第2のテンプレートに取り込むのに使用されるバリアブルデータを含む。工程930Bで、組版エンジンは、第2のテンプレートを取り出す。第2のテンプレートは、第2のテンプレートの場所から取り出すことができ、テキストおよびグラフィックスを含むバリアブルデータのための編集可能なフィールドを含む任意のテンプレートであることができる。第2のテンプレートはまた、数ある要素の中でも特に、ドキュメントのレイアウト、規則、およびリソースも含んでいてよい。
【0066】
場合によっては、マスタデータファイルはソート順序データも含む。工程920で、組版エンジンはソート順序ファイルを抽出する。ソート順序ファイルは、ソート順序ファイルの場所に格納され、スプレッドシート、comma separated value(CSV)ファイル、データテーブル、リレーショナルデータベースに保持されたデータ、および他の形態の編成データであることができる。マスタデータファイルがソート順序データを含まない場合には、ソート順序データ格納場所からソート順序データを組版エンジンに提供することができる。
【0067】
工程940Aで、第1の中間ファイルが組版エンジンによって生成され、工程940Bで、第2の中間ファイルが組版エンジンによって生成される。いくつかの態様では、第1の中間ファイルおよび第2の中間ファイルは、バイナリ中間ファイル(BIF)である。第1の中間ファイルは第1のデータファイルおよび第1のテンプレートからのデータを含み、第2の中間ファイルは第2のデータファイルおよび第2のテンプレートからのデータを含む。中間ファイルは、メモリに格納することができ、あるいはさらなる処理のために第2の組版エンジンに出力することができる。本態様による利点は、データファイル内の重複データが中間ファイル内に1回だけ格納されることである。このように、中間ファイル内に1回格納されたデータを、中間ファイル内の複数の場所で参照することができ、よって全体的なファイルサイズが縮小される。本態様による別の利点は、中間ファイルが、第1のデータファイルと第1のテンプレートと第2のデータファイルと第2のテンプレートとの間でフォーマットを標準化することである。本態様によるさらに別の利点には、データ入力、規則、フレーム数などがかなり異なりうる多くの異なる種類のテンプレートとの互換性が含まれる。
【0068】
工程950で、第1の中間ファイル、第2の中間ファイル、およびソート順序が組版エンジンによってマージされて混合される。言い換えれば、組版エンジンは、ソート順序に基づいて、第1の中間ファイルからのデータを第2の中間ファイルからのデータとマージする。マージされたデータは、第3の中間ファイルとしてメモリに格納することができる、またはさらなる処理のために第2の組版エンジンに出力することができる混合されたデータである。第3の中間ファイル内のマージされ混合されたデータは、ソート順序データファイルに基づいて配置されている。第3の中間ファイルのマージされ混合されたデータはまた、データを1回格納し、次いでファイルの他の部分で格納データを参照することによって重複データを減らすように最適化されている。
【0069】
マージされた中間ファイルは、組版エンジンによって、PDF、PostScriptファイル、VDXファイル、PPMLファイル、HP-PPMLファイル、VPSファイル、JLYTファイル、VIPPファイル、Digimaster-PSファイル、JPGファイル、PDF/VTファイル、APF、およびHTMLファイルのうちの1つまたは複数に変換することができる。工程960において、変換された出力は、第1のデータファイル、第1のテンプレートファイル、第2のデータファイル、および第2のテンプレートファイルからのデータのマージされ混合された組版である。出力のレンダリング可能な形式への変換に、混合されたレコードの印刷注文以外の追加の入力データは不要である。このように、中間ファイルは、指定されたフォントセットを除く、バリアブル印刷データを含むテンプレートを再現するのに必要なすべての情報を含む。変換された出力は、カードまたは用紙上に印刷出力をレンダリングするために、印刷システムに送信することができる。カードまたは用紙のシート上の印刷出力は、複数の印刷ジョブからのドキュメントを含むことができる。すなわち言い換えれば、カードまたは用紙のシート上の印刷出力は付け合せることができる。印刷システムは、シートが切断され、重ねられ、かつ/または折り畳まれたときにドキュメントが正しい郵便仕分け順になるように、各はがきをカードまたは用紙のシート上に正しい位置で面付けする。
【0070】
図10は、本開示の態様による、マスタデータファイルから、事前にソートされた郵便順序での面付けされた混合出力を構成するための方法1000の図である。方法1000は、マスタデータファイルを組版エンジン1015または付け合せ面付けユーティリティに提供する工程1010を含む。マスタデータファイルは、スプレッドシート、comma separated value(CSV)ファイル、データテーブル、リレーショナルデータベースに保持されたデータ、および他の形態の編成データであることができる。工程1010Aで、組版エンジンは、マスタデータファイルから第1のデータファイルを抽出する。第1のデータファイルは、第1のデータファイルの場所に格納され、スプレッドシート、comma separated value(CSV)ファイル、データテーブル、リレーショナルデータベースに保持されたデータ、および他の形態の編成データであることができる。第1のデータファイルは、第1のテンプレートに取り込むのに使用されるバリアブルデータを含む。工程1030Aで、組版エンジンは第1のテンプレートを取り出す。第1のテンプレートは、第1のテンプレートの場所から取り出すことができ、テキストおよびグラフィックスを含むバリアブルデータのための編集可能なフィールドを含む任意のテンプレートであることができる。第1のテンプレートはまた、数ある要素の中でも特に、ドキュメントのレイアウト、規則、およびリソースも含んでいてよい。
【0071】
工程1030Bで、組版エンジンは、マスタデータファイルから第2のデータファイルを抽出する。第2のデータファイルは、第2のデータファイルの場所に格納され、スプレッドシート、comma separated value(CSV)ファイル、データテーブル、リレーショナルデータベースに保持されたデータ、および他の形態の編成データであることができる。第2のデータファイルは、第2のテンプレートに取り込むのに使用されるバリアブルデータを含む。工程1030Bで、組版エンジンは、第2のテンプレートを取り出す。第2のテンプレートは、第2のテンプレートの場所から取り出すことができ、テキストおよびグラフィックスを含むバリアブルデータのための編集可能なフィールドを含む任意のテンプレートであることができる。第2のテンプレートはまた、数ある要素の中でも特に、ドキュメントのレイアウト、規則、およびリソースも含んでいてよい。
【0072】
場合によっては、マスタデータファイルはソート順序データも含む。工程1020で、組版エンジンはソート順序ファイルを抽出する。ソート順序ファイルは、ソート順序ファイルの場所に格納され、スプレッドシート、comma separated value(CSV)ファイル、データテーブル、リレーショナルデータベースに保持されたデータ、および他の形態の編成データであることができる。マスタデータファイルがソート順序データを含まない場合には、ソート順序データ格納場所からソート順序データを組版エンジンに提供することができる。
【0073】
工程1040Aで、第1の中間ファイルが組版エンジンによって生成され、工程1040Bで、第2の中間ファイルが組版エンジンによって生成される。いくつかの態様では、第1の中間ファイルおよび第2の中間ファイルは、バイナリ中間ファイルである。第1の中間ファイルは第1のデータファイルおよび第1のテンプレートからのデータを含み、第2の中間ファイルは第2のデータファイルおよび第2のテンプレートからのデータを含む。本態様による利点は、データファイル内の重複データが中間ファイル内に1回だけ格納されることである。このように、中間ファイル内に1回格納されたデータを、中間ファイル内の複数の場所で参照することができ、よって全体的なファイルサイズが縮小される。本態様による別の利点は、中間ファイルが、第1のデータファイルと第1のテンプレートと第2のデータファイルと第2のテンプレートとの間でフォーマットを標準化することである。中間ファイルは、メモリに格納することができ、あるいはさらなる処理のために第2の組版エンジンに出力することができる。
【0074】
工程1050で、第1の中間ファイル、第2の中間ファイル、およびソート順序が組版エンジンによってマージされて混合される。言い換えれば、組版エンジンは、ソート順序に基づいて、第1の中間ファイルからのデータを第2の中間ファイルからのデータとマージする。マージされたデータは、第3の中間ファイルとしてメモリに格納することができる、またはさらなる処理のために第2の組版エンジンに出力することができる混合されたデータである。第3の中間ファイル内のマージされ混合されたデータは、ソート順序データファイルに基づいて配置されている。第3の中間ファイルのマージされたデータはまた、データを1回格納し、次いでファイルの他の部分で格納データを参照することによって重複データを減らすように最適化されている。
【0075】
マージされ混合された中間ファイルは、組版エンジンによって、PDF、PostScriptファイル、VDXファイル、PPMLファイル、HP-PPMLファイル、VPSファイル、JLYTファイル、VIPPファイル、Digimaster-PSファイル、JPGファイル、PDF/VTファイル、APF、およびHTMLファイルのうちの1つまたは複数に変換することができる。工程1060において、変換された出力は、第1のデータファイル、第1のテンプレートファイル、第2のデータファイル、および第2のテンプレートファイルからのデータの混合された組版である。出力のレンダリング可能な形式への変換に、混合されたレコードの印刷注文以外の追加の入力データは不要である。このように、中間ファイルは、バリアブル印刷データを含むテンプレートを再現するのに必要なすべての情報を含む。変換された出力は、カードまたは用紙上に印刷出力をレンダリングするために、印刷システムに送信することができる。カードまたは用紙のシート上の印刷出力は、複数の印刷ジョブからのドキュメントを含むことができる。すなわち言い換えれば、カードまたは用紙のシート上の印刷出力は付け合せることができる。印刷システムは、シートが切断され、重ねられ、かつ/または折り畳まれたときにドキュメントが正しい郵便仕分け順になるように、各ドキュメントをカードまたは用紙のシート上に正しい位置で面付けする。
【0076】
以上では様々な態様を説明してきたが、それらは例として提示されたものであり、限定ではないことを理解されたい。上述した方法が、特定のイベントが特定の順序で行われることを指示している場合、特定のイベントの順序は変更される可能性がある。加えて、イベントのいくつかは、上述したように順次に行われるばかりでなく、可能な場合には同時に並行して行われてもよい。異なるデバイス内の様々なモジュールは、デバイスのプロセッサに配置されることが示されているが、それらのモジュールはデバイスのメモリ(例えば、ソフトウェアモジュール)に配置/格納することもでき、プロセッサはそれらのモジュールにアクセスし実行することができる。したがって、本明細書では、添付の特許請求の範囲の趣旨および範囲内にある開示された態様のそうしたすべての改変形態および変形形態を包含することが意図されている。
【0077】
様々な態様が「第1」および「第2」の要素に関して上述されているが、それぞれのシステム、方法および装置は3つ以上の要素を含む場合があり、2つの要素の態様は例示にすぎず、限定としてではないことを理解されたい。
【0078】
本明細書で概説されている様々な方法またはプロセスは、様々なオペレーティングシステムまたはプラットフォームのいずれか1つを用いる1つまたは複数のプロセッサ上で実行可能なソフトウェアとしてコード化されうる。加えて、そのようなソフトウェアは、いくつかの適切なプログラミング言語および/またはプログラミングツールもしくはスクリプティングツールのいずれかを使用して記述されてよく、また、フレームワークまたは仮想マシン上で実行される実行可能な機械言語コードまたは中間コードとしてコンパイルされうる。
【0079】
この点に関して、様々な発明概念は、1つまたは複数のコンピュータまたは他のプロセッサ上で実行されたときに上述した本開示の様々な局面を実施する方法を行う1つまたは複数のプログラムを用いて符号化されたコンピュータ可読記憶媒体(または複数のコンピュータ可読記憶媒体)(例えば、コンピュータメモリ、1つまたは複数のフロッピーディスク、コンパクトディスク、光ディスク、磁気テープ、フラッシュメモリ、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイもしくは他の半導体デバイスにおける回路構成、または他の非一時的媒体もしくは有形のコンピュータ記憶媒体)として具現化されてもよい。1つまたは複数のコンピュータ可読媒体は、格納された1つまたは複数のプログラムを、上述した本開示の様々な局面を実施するために1つまたは複数の異なるコンピュータまたは他のプロセッサにロードすることができるように、可搬式であることができる。
【0080】
「プログラム」または「ソフトウェア」または「コード」という用語は、本明細書では、上述した態様の様々な局面を実施するためにコンピュータまたは他のプロセッサをプログラムするのに用いることができる任意の種類のコンピュータコードまたはコンピュータ実行可能命令セットを指すのに使用される。加えて、一局面によれば、実行されると本開示の方法を行う1つまたは複数のコンピュータプログラムは、単一のコンピュータまたはプロセッサ上に置かれる必要はなく、本開示の様々な局面を実施するいくつかの異なるコンピュータの間においてモジュール方式で分散されてもよいことも理解されたい。
【0081】
コンピュータ実行可能命令は、1つ以上のコンピュータまたは他のデバイスによって実行される、プログラムモジュールなどの多くの形態のものであってもよい。一般に、プログラムモジュールには、特定のタスクを実行するかまたは特定の抽象データ型を実装するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などが含まれる。典型的には、プログラムモジュールの機能は、様々な態様において所望されるように組み合わされるかまたは分散されてもよい。
【0082】
また、データ構造は、任意の適切な形態でコンピュータ可読媒体に格納されてよい。説明を簡潔にするために、データ構造は、データ構造内の場所によって関連付けられるフィールドを有するように示されうる。そのような関係は、フィールド間の関係を伝えるコンピュータ可読媒体内の場所を用いてフィールドの格納を割り当てることによっても同様に達成されうる。しかし、ポインタ、タグ、またはデータ要素間の関係を確立する他の機構の使用を含めて、データ構造のフィールド内の情報間の関係を確立するために任意の適切な機構が使用されてよい。
【0083】
また、様々な発明概念は1つまたは複数の方法として実施されてよく、それらの例が提供されている。方法の一部として行われる動作は、任意の適切なやり方で順序付けられてよい。したがって、たとえ例示の態様において順次の動作として示されていても、いくつかの動作を同時に行うことを含みうる、例示したのと異なる順序で動作が行われる態様が構築されてもよい。
【0084】
本明細書で定義され使用されているすべての定義は、辞書の定義、参照により組み入れられた文献の定義、および/または定義された用語の通常の意味を規定するものと理解されたい。
【0085】
不定冠詞「a」および「an」は、本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、そうではないと明示しない限り、「少なくとも1つ」を意味するものと理解されたい。
【0086】
「and/or(および/または)」という句は、本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、これによって接続された要素の「どちらかまたは両方」を、すなわち、ある場合には接続的に存在し、別の場合には選言的に存在する要素を意味すると理解されたい。「および/または」を用いて列挙された複数の要素も、同様に、すなわち、これによって接続された要素の「1つまたは複数」と解釈されたい。「および/または」という節によって具体的に識別された要素以外の他の要素も、具体的に識別された要素に関連するか否かにかかわらず、任意で存在しうる。よって、非限定的な例として、「Aおよび/またはB」という表現は、「comprising(含む)」などの非限定的な言葉と併用される場合、一態様では、Aのみ(任意で、B以外の要素を含む)を指すことができ、別の態様では、Bのみ(任意で、A以外の要素を含む)を指すことができ、さらに別の態様では、AとBの両方(任意で、他の要素を含む)を指すことができる。
【0087】
本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、「or(または)」は、上記の「および/または」と同じ意味を有するものと理解されたい。例えば、リスト中の項目を分離している場合、「または」または「および/または」は、包含的であるものとして、すなわち、少なくとも1つの包含として解釈されるが、また同時に、いくつかの要素または要素のリストのうちの複数も含み、任意で、さらに別の列挙されていない項目も含むものとする。「only one of(~のうちの1つのみ)」または「exactly one of(~のうちの厳密に1つ)」など、そうではないと明示された用語、または特許請求の範囲で使用される場合の「consisting of(~からなる)」のみが、いくつかの要素または要素のリストのうちの厳密に1つの要素の包含を指す。一般に、「または」という用語は、本明細書で使用される場合、「either(どちらか)」、「one of(~の一方)」、「~のうちの1つのみ」、または「~のうちの厳密に1つ」などの排他性の用語が先行する場合には、排他的な選択肢(すなわち、「one or the other but not both(一方または他方であるが両方ではない)」)を示すものとしてのみ解釈されるものとする。「consisting essentially of(~から本質的になる)」は、特許請求の範囲で使用される場合、特許法の分野で使用されるその通常の意味を有するものとする。
【0088】
本明細書および特許請求の範囲で使用する場合、1つまたは複数の要素のリストに言及する際の「at least one(少なくとも1つ)」という句は、要素のリスト中の要素のうちの任意の1つまたは複数の中から選択された少なくとも1つの要素を意味するものと理解すべきであるが、必ずしも要素のリスト内に具体的に記載されたひとつひとつの要素のうちの少なくとも1つを含むとは限らず、要素のリスト中の要素の任意の組み合わせを排除しない。この定義は、「少なくとも1つ」という句が言及する要素のリスト内で具体的に識別された要素以外の要素が、それらの要素への関連または非関連が具体的に識別されているかどうかにかかわらず、任意で存在しうることも可能にする。よって、非限定的な例として、「AおよびBの少なくとも1つ」(または同等に、「AまたはBの少なくとも1つ」、または同等に、「Aおよび/またはBの少なくとも1つ」)は、一態様では、Bは存在しない(かつ任意でB以外の要素を含む)、任意で複数を含む少なくとも1つのAを指すことができ、別の態様では、Aは存在しない(かつ任意でA以外の要素を含む)、任意で複数を含む少なくとも1つのBを指すことができ、さらに別の態様では、任意で複数を含む少なくとも1つのAおよび任意で複数を含む少なくとも1つのB(かつ任意で他の要素を含む)を指すことができる。
【0089】
特許請求の範囲において、ならびに上記の明細書において、「comprising(含む)」、「including(含む)」、「carrying(有する)」、「having(有する)」、「containing(含む)」、「involving(含む)」、「holding(保持する)」、「composed of(~から構成される)」などのすべての移行句は、非限定的であり、すなわち、含むがそれだけに限定されないことを意味するものと理解されたい。「consisting of(~からなる)」および「consisting essentially of(~から本質的になる)」という移行句のみは、米国特許商標庁特許審査便覧セクション2111.03に記載されているように、それぞれ限定的または準限定的な移行句であるものとする。