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特許7110362ベンズアミド化合物ならびにその調製方法、使用および医薬組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-22
(45)【発行日】2022-08-01
(54)【発明の名称】ベンズアミド化合物ならびにその調製方法、使用および医薬組成物
(51)【国際特許分類】
   C07D 213/40 20060101AFI20220725BHJP
   A61K 31/4406 20060101ALI20220725BHJP
   C07D 213/64 20060101ALI20220725BHJP
   A61K 31/4436 20060101ALI20220725BHJP
   C07D 405/12 20060101ALI20220725BHJP
   A61K 31/443 20060101ALI20220725BHJP
   C07D 409/12 20060101ALI20220725BHJP
   A61K 31/4433 20060101ALI20220725BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20220725BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20220725BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20220725BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20220725BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20220725BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20220725BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20220725BHJP
   A61P 3/00 20060101ALI20220725BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20220725BHJP
【FI】
C07D213/40 CSP
A61K31/4406
C07D213/64
A61K31/4436
C07D405/12
A61K31/443
C07D409/12
A61K31/4433
A61K45/00
A61P43/00 121
A61P35/00
A61P37/02
A61P13/12
A61P9/00
A61P29/00
A61P3/00
A61P25/00
A61P43/00 111
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020541673
(86)(22)【出願日】2019-01-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-13
(86)【国際出願番号】 CN2019073942
(87)【国際公開番号】W WO2019149223
(87)【国際公開日】2019-08-08
【審査請求日】2020-10-20
(31)【優先権主張番号】201810090951.0
(32)【優先日】2018-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518416551
【氏名又は名称】中国医学科学院薬物研究所
【氏名又は名称原語表記】INSTITUTE OF MATERIA MEDICA, CHINESE ACADEMY OF MEDICAL SCIENCES
【住所又は居所原語表記】ZHANG XUBIN, NO.A2, NAN WEI ROAD, XICHENG DISTRICT, BEIJING 100050, PEOPLE’S REPUBLIC OF CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】許 恒
(72)【発明者】
【氏名】陳 暁 光
(72)【発明者】
【氏名】林 松 文
(72)【発明者】
【氏名】季 鳴
(72)【発明者】
【氏名】薛 ▲ニ▼ 娜
(72)【発明者】
【氏名】呉 徳 雨
(72)【発明者】
【氏名】金 晶
【審査官】中島 芳人
(56)【参考文献】
【文献】特表平11-508242(JP,A)
【文献】REGISTRY(STN)[online],2007.04.20, [検索日] 2021.09.06CAS登録番号 931303-98-9
【文献】REGISTRY(STN)[online],2009.01.29, [検索日] 2021.09.06CAS登録番号 1097508-92-3
【文献】REGISTRY(STN)[online],2011.05.27, [検索日] 2021.09.06CAS登録番号 1301538-19-1
【文献】REGISTRY(STN)[online],2008.04.09, [検索日] 2021.09.06CAS登録番号 1013247-59-0
【文献】REGISTRY(STN)[online],2008.06.27, [検索日] 2021.09.06CAS登録番号 1031176-50-7
【文献】REGISTRY(STN)[online],2011.05.25, [検索日] 2021.09.06CAS登録番号 1300268-03-4
【文献】REGISTRY(STN)[online],2006.01.10, [検索日] 2021.09.06CAS登録番号 871545-23-2
【文献】REGISTRY(STN)[online],2007.04.03, [検索日] 2021.09.06CAS登録番号 928917-55-9
【文献】REGISTRY(STN)[online],2007.04.03, [検索日] 2021.09.06CAS登録番号 929000-21-5
【文献】REGISTRY(STN)[online],2007.04.20, [検索日] 2021.09.06CAS登録番号 931236-91-8
【文献】REGISTRY(STN)[online],2008.06.27, [検索日] 2021.09.06CAS登録番号 1031142-21-8
【文献】REGISTRY(STN)[online],2008.12.12, [検索日] 2021.09.06CAS登録番号 1083341-86-9
【文献】REGISTRY(STN)[online],2011.04.07, [検索日] 2021.09.06CAS登録番号 1276379-19-1
【文献】REGISTRY(STN)[online],2011.05.12, [検索日] 2021.09.06CAS登録番号 1293790-34-7
【文献】REGISTRY(STN)[online],2011.05.22, [検索日] 2021.09.06CAS登録番号 1298349-21-9
【文献】REGISTRY(STN)[online],2012.08.06, [検索日] 2021.09.06CAS登録番号 1386814-57-8
【文献】REGISTRY(STN)[online],2015.07.08, [検索日] 2021.09.06CAS登録番号 1797346-76-9
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K 31/
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)で表される化合物、またはその立体異性体、幾何異性体、互変異性体もしくは医薬的に許容される塩であって、
【化1】

式中、
は、水素、シアノ、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ハロゲン、C1-3アルキル、C1-3アルコキシから選択され、
は、
【化4】
から選択され、
、R、R、Rは、各々、水素、シアノ、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ハロゲン、C1-3アルキル、C1-3アルコキシから独立して選択される、化合物、またはその立体異性体、幾何異性体、互変異性体もしくは医薬的に許容される塩。
【請求項2】
は、水素、シアノ、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、塩素、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、メトキシ、またはエトキシから選択されることを特徴とする、請求項1に記載の化合物、またはその立体異性体、幾何異性体、互変異性体もしくは医薬的に許容される塩。
【請求項3】
、R、R、Rは、各々、水素、シアノ、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フッ素、塩素、メチル、エチル、メトキシから独立して選択されることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の化合物、またはその立体異性体、幾何異性体、互変異性体、もしくは医薬的に許容される塩。
【請求項4】
はメチルから選択され、R、RおよびRは水素から選択されることを特徴とする、請求項に記載の化合物、またはその立体異性体、幾何異性体、互変異性体もしくは医薬的に許容される塩。
【請求項5】
【化5】

から選択されることを特徴とする、化合物、またはその立体異性体、幾何異性体、互変異性体もしくは医薬的に許容される塩。
【請求項6】
請求項1~のいずれか1項に記載の少なくとも1つの化合物、またはその立体異性体、幾何異性体、互変異性体もしくは医薬的に許容される塩と、任意で医薬的に許容される担体および/または賦形剤とを含む、医薬組成物。
【請求項7】
前記医薬組成物は、前記化合物、またはその立体異性体、幾何異性体、互変異性体もしくは医薬的に許容される塩に加えて、他の医薬有効成分をさらに含むことを特徴とする、請求項に記載の医薬組成物。
【請求項8】
STAT3媒介性疾患を予防および/または治療するための医薬の調製における、請求項1~のいずれか1項に記載の化合物、またはその立体異性体、幾何異性体、互変異性体もしくは医薬的に許容される塩、または請求項もしくはに記載の医薬組成物の、使用。
【請求項9】
前記STAT3媒介性疾患は、腫瘍、自己免疫疾患、腎疾患、心血管疾患、炎症、代謝/内分泌機能障害または神経疾患を含むことを特徴とする、請求項に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬学の技術分野に関し、あるタイプのベンズアミド化合物、その調製方法、使用、および医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
シグナル伝達兼転写活性化因子(Signal Transducer and Activator of Transcription)(STAT)タンパク質ファミリーは、シグナル導入と転写調節という二重機能を果たす。STATファミリーのメンバーは、構造が類似しているが、異なる細胞プロセスに関与している。現在、単離精製されているSTATファミリーメンバーは、STAT1、STAT2、STAT3、STAT4、STAT5A、STAT5BおよびSTAT6の7つである。
【0003】
STATファミリーのメンバーとして、STAT3は、癌、炎症、虚血/再灌流傷害の発生および進展、ならびに幹細胞の自己再生において、重要な役割を果たす。STAT3は、受容体チロシンキナーゼおよび非受容体チロシンキナーゼによって活性化され得る。サイトカインがその受容体に結合すると、受容体の二量体化が発生し、JAKキナーゼがリン酸化され、それにより、STAT3分子のC末端においてチロシン残基(Tyr705)がリン酸化されるので、STAT3分子は、そのSH2領域における二量体の形成を通じて活性化され、特定のDNA配列に結合するために核に伝達され、標的遺伝子の転写を調節する。加えて、Stat3転写活性化ドメインに位置するSer727は、MAPKまたはmTOR経路によってさらに活性化され、Stat3転写活性を調節するが、これは、その完全な活性化に必要であると考えられる。Tyr705およびSer727のリン酸化に加えて、Lys685のアセチル化は、Stat3二量体を安定化させ、Stat3活性を調節する。
【0004】
現在、いくつかのSTAT3阻害剤は、腫瘍および自己免疫疾患の治療のための臨床研究段階に入っている。Boston Biomedical Co., Ltd.によって開発されたSTAT3阻害剤ナパブカシンは、胃食道接合部癌の治療用として2016年6月にFDAからオーファンドラッグの指定を受け、現在フェーズIII臨床試験段階にあり、一方、STAT3阻害剤ナパブカシンは、膵臓癌の治療用として2016年11月にFDAからオーファンドラッグの指定を受け、現在フェーズIII臨床試験段階にある。また、いくつかのSTAT3阻害剤が各種臨床試験中である。たとえば、GLGによって開発されたSTAT3阻害剤GLG-302は、腫瘍および多発性嚢胞腎の治療用としてフェーズI臨床試験中であり、腎疾患、白血病および乾癬の治療に使用されるGLG-801は、フェーズII臨床試験中である。Moleculin Biotechnologyによって開発されたSTAT3阻害剤MOL-4249は、軽度から中程度の乾癬の治療に使用され、現在フェーズII臨床試験中である。TakedaのAK-114は、潰瘍性大腸炎の治療に使用され、現在フェーズII臨床研究段階にある。
【0005】
STAT3は、非常に興味深い薬物の標的となっている。しかしながら、腫瘍、自己免疫疾患、腎疾患、心血管疾患、炎症、代謝/内分泌機能障害または神経疾患の予防および/または治療のためのより安全かつより有効なSTAT3阻害剤の開発が依然として必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
発明の内容
本発明が解決する技術的課題は、新たなSTAT3阻害剤、その調製方法、医薬組成物およびその使用を提供することである。このSTAT3阻害剤は、STATの高発現を示す腫瘍細胞、特にヒト前立腺癌細胞DU-145に対して強い阻害活性を示し、したがって、腫瘍、自己免疫疾患、腎疾患、心血管疾患、炎症、代謝/内分泌機能障害または神経疾患等のSTAT3によって媒介される疾患に対してより優れた予防および/または治療効果を有する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記技術的課題を解決するために、本発明は以下の技術的解決策を提供する。
本発明の第1の局面は、式(I)で表される化合物、またはその立体異性体、幾何異性体、互変異性体もしくは医薬的に許容される塩を提供することであり、
【0008】
【化1】
【0009】
式中、
は、水素、シアノ、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ハロゲン、C1-3アルキル、C1-3アルコキシから選択され、
は、6~10員アリールまたは5~10員ヘテロアリールから選択され、6~10員アリールもしくは5~10員ヘテロアリールは、任意でm Raで置換され、または、6~10員アリールもしくは5~10員ヘテロアリールは、4~6員シクロアルケンもしくは4~6員ヘテロシクロアルケンに縮合した6~10員アリール、または、4~6員シクロアルケンもしくは4~6員ヘテロシクロアルケンに縮合した5~10員ヘテロアリールであり、
各Raは、以下の基:シアノ、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ハロゲン、C1-3アルキル、C3-7シクロアルキル、C1-3アルコキシから独立して選択され、
mは、0、1、2、3、4または5であり、
、R、RおよびRは、各々、水素、シアノ、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ハロゲン、C1-3アルキル、C1-3アルコキシから独立して選択される。
【0010】
さらに好ましい実施形態において、Rは、水素、シアノ、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、塩素、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、メトキシ、またはエトキシから選択される。
【0011】
別の好ましい実施形態において、本発明は、式(I)で表される化合物、またはその立体異性体、幾何異性体、互変異性体もしくは医薬的に許容される塩を提供し、
式中、
は、水素、シアノ、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ハロゲン、C1-3アルキル、C1-3アルコキシから選択され、好ましくは、水素、シアノ、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、塩素、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、メトキシまたはエトキシから選択され、
は、
【0012】
【化2】
【0013】
から選択され、
各Raは、以下の基:シアノ、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ハロゲン、C1-3アルキル、C3-7シクロアルキル、C1-3アルコキシから独立して選択され、
mは0、1、2、3、4または5であり、
、R、RおよびRは、各々、水素、シアノ、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ハロゲン、C1-3アルキル、C1-3アルコキシから独立して選択される。
【0014】
さらなる好ましい実施形態において、Rは以下から選択され、
【0015】
【化3】
【0016】
Raは、以下の基:シアノ、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ハロゲン、C1-3アルキル、C3-7シクロアルキルまたはC1-3アルコキシから選択される。
【0017】
さらに好ましい実施形態において、Raは、以下の基:塩素、メチル、エチル、シクロプロピル、メトキシまたはエトキシから選択される。
【0018】
別の好ましい実施形態において、本発明は、式(I)で表される化合物、またはその立体異性体、幾何異性体、互変異性体もしくは医薬的に許容される塩を提供し、
式中、
は、水素、シアノ、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ハロゲン、C1-3アルキル、C1-3アルコキシから選択され、好ましくは、水素、シアノ、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、塩素、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、メトキシまたはエトキシから選択され、
は、
【0019】
【化4】
【0020】
から選択され、
、R、R、Rは、各々、水素、シアノ、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ハロゲン、C1-3アルキル、C1-3アルコキシから独立して選択される。
【0021】
さらに好ましい実施形態において、本発明は、式(I)で表される化合物、またはその立体異性体、幾何異性体、互変異性体もしくは医薬的に許容される塩を提供し、
式中、
は、水素、シアノ、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ハロゲン、C1-3アルキル、C1-3アルコキシから選択され、好ましくは、水素、シアノ、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、塩素、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、メトキシまたはエトキシから選択される。
【0022】
は、6~10員アリールまたは5~10員ヘテロアリールから選択され、6~10員アリールまたは5~10員ヘテロアリールは、m Raで置換されてもよい。
【0023】
各Raは、以下の基:シアノ、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ハロゲン、C1-3アルキル、C3-7シクロアルキル、C1-3アルコキシから独立して選択され、
mは0、1、2、3、4または5であり、
好ましくは、Rは、
【0024】
【化5】
【0025】
から選択され、
各Raは、シアノ、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ハロゲン、C1-3アルキル、C3-7シクロアルキル、C1-3アルコキシから独立して選択され、
mは、0、1、2、3、4または5であり、
より好ましくは、Rは、
【0026】
【化6】
【0027】
から選択され、
Raは、以下の基:シアノ、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ハロゲン、C1-3アルキル、C3-7シクロアルキルまたはC1-3アルコキシから選択され、
さらに好ましくは、Raは、以下の基:塩素、メチル、エチル、シクロプロピル、メトキシまたはエトキシから選択され、
または、Rは、6~10員アリールまたは5~10員ヘテロアリールから選択され、
6~10員アリールまたは5~10員ヘテロアリールは、4~6員シクロアルケンまたは4~6員ヘテロシクロアルケンに縮合した6~10員アリール、または、4~6員シクロアルケンまたは4~6員ヘテロシクロアルケンに縮合した5~10員ヘテロアリールであり、
好ましくは、Rは、
【0028】
【化7】
【0029】
から選択され、
、R、R、Rは、各々、水素、シアノ、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フッ素、塩素、メチル、エチル、メトキシから独立して選択される。
【0030】
さらに好ましい実施形態において、Rはメチルから選択され、R、RおよびRはすべて水素から選択される。
【0031】
本発明による好ましい化合物は、具体的には以下の通りである。
【0032】
【化8】
【0033】
本発明の第2の局面は、以下の工程を含む、本発明の化合物、またはその立体異性体、幾何異性体および互変異性体の調製方法を提供し、
【0034】
【化9】
【0035】
上記工程は、
(1)化合物Aおよび化合物Bを出発原料として使用し、縮合反応によって化合物Cを調製する工程と、
(2)化合物Cをスルホニル化反応によって反応させて、上記化合物、またはその立体異性体、幾何異性体、互変異性体もしくは医薬的に許容される塩を得る工程とを含む。
【0036】
本発明の第2の局面も、以下の工程を含む、化合物、またはその立体異性体、幾何異性体および互変異性体の別の調製方法を提供する。
【0037】
【化10】
【0038】
上記工程は、
(1)化合物Dを出発原料として使用し、スルホニル化反応によって化合物Eを調製する工程と、
(2)化合物Eを水酸化ナトリウムで加水分解して化合物Fを得る工程と、
(3)化合物Fをピリジン-3-メチルアミンおよび置換ピリジン-3-メチルアミンと反応させて、上記化合物、またはその立体異性体、幾何異性体、互変異性体もしくは医薬的に許容される塩を得る工程とを含む。
【0039】
本発明の第3の局面は、上記化合物、またはその立体異性体、幾何異性体、互変異性体もしくは医薬的に許容される塩と、任意で医薬的に許容される担体および/または賦形剤とを含む、医薬組成物を提供し、好ましくは、この医薬組成物は、上記化合物、またはその立体異性体、幾何異性体、互変異性体もしくは医薬的に許容される塩の他に、腫瘍、自己免疫疾患、腎疾患、心血管疾患、炎症、代謝/内分泌機能障害または神経疾患を予防および/または治療するための1つ以上の他の医薬成分をさらに含み、好ましくは、上記医薬組成物は、腫瘍、自己免疫疾患、腎疾患、心血管疾患、炎症、代謝/内分泌機能障害または神経疾患を予防および/または治療するための医薬的に許容される医薬製剤である。
【0040】
別の局面において、本発明はまた、少なくとも1つの上記化合物、またはその立体異性体、幾何異性体、互変異性体もしくは医薬的に許容される塩と、任意で医薬的に許容される担体および/または賦形剤を含む、医薬製剤を提供する。好ましくは、医薬製剤は、以下の製剤:注射用溶液または懸濁用溶液等の非経口製剤;経口製剤、たとえば錠剤またはカプセル等の腸溶性製剤;局所製剤、たとえばローション、ゲル、軟膏、エマルション、経鼻製剤、座薬、経皮製剤または眼科用製剤、から選択される。
【0041】
別の局面において、本発明はまた、腫瘍、免疫疾患、腎疾患、心血管疾患、炎症、代謝/内分泌機能障害または神経疾患を予防および/または治療するための医薬の調製における、上記化合物、またはその立体異性体、幾何異性体、互変異性体もしくは医薬的に許容される塩の、または上記医薬組成物の使用を、提供する。すなわち、本発明は、腫瘍、免疫疾患、腎疾患、心血管疾患、炎症、代謝/内分泌機能障害または神経疾患の予防および/または治療方法を提供する。この方法は、予防的および/または治療的に有効量な量の上記化合物、立体異性体、幾何異性体、互変異性体もしくはその医薬的に許容される塩、または上記医薬組成物を、必要としている患者に投与することを含む。
【0042】
本発明に使用される用語のうちの一部の定義は次の通りであり、定義されていない他の用語は当業者に周知の意味を有する。
【0043】
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味する。
1-3アルキルは、1~3個の炭素原子を有する直鎖または分枝飽和脂肪族炭化水素基を意味する。このような基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルを含むが、これらに限定されない。
【0044】
1-3アルコキシは-O-アルキルを意味し、アルキルは、1~3個の炭素原子を含み、直鎖、分枝または環状である。このような基の例は、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソ-プロポキシ、またはシクロプロポキシを含むが、これらに限定されない。
【0045】
3-7シクロアルキルは、3~7個の炭素環原子を有する飽和単環式、縮合、螺旋または多環式構造を意味する。このような基の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルを含むが、これらに限定されない。
【0046】
4-6シクロアルケンは、4~6個の炭素環原子およびC=C二重結合を有する単環式構造を意味する。このような基の例は、シクロブテン、シクロペンテンおよびシクロヘキセンを含むが、これらに限定されない。
【0047】
4-6ヘテロシクロアルケンは、4~6個の環原子およびC=C二重結合を有する単環式構造を意味し、1個以上の環原子は、窒素、酸素またはS(O)m(mは0~2の整数)から選択されるヘテロ原子であるが、-O-O-、-O-S-または-S-S-の環部分は含まれておらず、残りの環原子は炭素原子である。このような基の例は、2,3-ジヒドロフラン、2,5-ジヒドロフラン、1,3-m-ジオキサシクロペンテン、1,4-ジオキサ-2-ヘキセン、2,3-ジヒドロ-1H-ピロール、1,2,3,4-テトラヒドロピリジン、1,2,3,6-テトラヒドロピリジンを含むが、これらに限定されない。
【0048】
1-3アルキルアミノは-NHRを意味し、RはC1-3アルキルであり、そのような基の例は、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノまたはシクロプロピルアミノを含むが、これらに限定されない。
【0049】
ジ(C1-3アルキル)アミノは-NR’Rを意味し、R’およびRは独立してC1-3アルキルである。このような基の例は、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジイソプロピルアミノ、メチルエチルアミノ、メチルプロピルアミノ、メチルイソプロピルアミノ、エチルプロピルアミノ、エチルイソプロピルアミノおよびプロピルイソプロピルアミノを含むが、これらに限定されない。
【0050】
アリールは、通常6~10個の炭素原子を有する単環式または二環式の芳香族炭素環式基を意味し、フェニルまたはナフチル等であり、フェニルが好ましい。
【0051】
ヘテロアリールは、5-10員芳香族ヘテロ環基を意味し、以下を含むがこれらに限定されない:5員ヘテロアリール:フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル(1,2,4-トリアゾリル、1,3,4-トリアゾリルまたは1,2,3-トリアゾリル)、チアジアゾリル(1,3,4-チアジアゾリル、1,2,5-チアジアゾリル、1,2,3-チアジアゾリルまたは1,2,4-チアジアゾリル)およびオキサジアゾリル(1,3,4-オキサジアゾリル、1,2,5-オキサジアゾリル、1,2,3-オキサジアゾリルまたは1,2,4-オキサジアゾリル);および6員ヘテロアリール:ピリジル、ピリミジニル、ピラジニルおよびピリダジニル;および二環式基、たとえばベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、インダゾリル、プリニル、キノリニル、イソキノリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノカリニル、キナゾリニル、シンノリニル、プテリジニル、インドリジニル、インドリルおよびイソインドリル、である。好ましいヘテロアリール基は、チエニル、チアゾリル、ピリジルおよびピリミジニルである。
【0052】
「任意で」は、その後で述べる事象または環境は、発生する可能性があるが、必ずしも発生しないことを意味し、その記載は、事象もしくは環境が発生するまたは発生しない場合を含む。たとえば、「アルキルは任意でハロゲンで置換される」は、ハロゲンは存在する可能性があるが必ずしも存在しないことを意味し、その記載は、アルキルがハロゲンで置換される場合もアルキルがハロゲンで置換されない場合も含む。
【0053】
本発明の化合物は、異なる立体異性体形態で存在する1つ以上のキラル中心を含み得る。ジアステレオ異性体、エナンチオマーおよびアトロプ異性体、ならびにそれらの混合物(ラセミ混合物など)を含むがこれらに限定されない、本発明の化合物のすべての立体異性体形態は、本発明の範囲に含まれる。
【0054】
本発明に記載の化合物は、その幾何異性体を含む。たとえば、本発明の化合物が二重結合または縮合環を含む場合、化合物は幾何異性体を有してもよく、それらのシス型、トランス型およびシス型とトランス型との混合物は、すべて本発明の範囲に含まれる。
【0055】
本発明に記載の化合物は、互変異性体を含む。互変異性体は、ケト-エノールおよびイミン-エナミン互変異性化等の低エネルギー障壁を介して相互に変換される、異なるエネルギーを有する構造異性体を意味する。
【0056】
本発明の化合物はまた、その同位体標識化合物を含み、1つ以上の原子は、同じ原子番号を有するが本質的に見出される異なる原子質量または質量数を有する原子で置換されている。例としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:水素同位体HおよびH;炭素同位体11C、13Cおよび14C;塩素同位体36Cl;フッ素同位体18F;ヨウ素同位体123Iおよび125I;窒素同位体13Nおよび15N;酸素同位体15O、17Oおよび18O;リン同位体32Pおよび硫黄同位体35S。
【0057】
本発明の化合物またはその塩の各種水和物、溶媒和物、多形も本発明の範囲に含まれる。
【0058】
本発明の化合物のプロドラッグも本発明の範囲に含まれる。本発明の化合物の誘導体には、それ自体薬理活性が弱いものまたは全くないものもあるが、これらの誘導体は、インビボまたは身体に投与されると、加水分解開裂等により薬理活性を有する本発明の化合物に変換することができ、これらの誘導体をプロドラッグと呼ぶ。プロドラッグの使用に関するさらなる情報は、Pro-drugs as Novel Delivery Systems, Vol. 14, ACS Symposium Series (T. Higuchi and W. Stella)およびBioreversible Carriers in Drug Design, Pergamon Press, 1987 (ed. E.B. Roche, American Pharmaceutical Association)において見出すことができる。
【0059】
本発明の化合物は、医薬的に許容される塩を含む。医薬的に許容される塩は、医薬的に許容され親化合物が必要とする薬理活性を有する塩を意味する。医薬的に許容される塩は、Berge他によりJ. Pharma. Sci., 1977, 66, 1-19において詳述されており、この文献を本明細書に引用により援用する。本発明の化合物は、十分な酸性基、十分なアルカリ性基、または酸性およびアルカリ性の両方の性質を有する官能基を含み、かつ、対応する無機もしくは有機塩基、または無機および有機酸と反応して、医薬的に許容される塩を形成することができる。医薬的に許容される塩の例は、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、リン酸塩、一水素リン酸塩、二水素リン酸塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩酸塩、臭化水素塩、水和物塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ酪酸塩、カプロン酸塩、ヘプチル酸塩、プロピオン酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、ブチン-1,4-ジカルボン酸塩、ヘキシン-1,6-ジカルボン酸塩、安息香酸塩、塩素化安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、フタル酸塩、スルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、γ-ヒドロキシ酪酸塩、ヒドロキシ酢酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、ナフタレン-1-スルホン酸塩、ナフタレン-2-スルホン酸塩およびマンデル酸塩を含む。
【0060】
本発明の化合物は、薬剤として使用される場合、通常は医薬組成物の形態で投与される。したがって、本発明の化合物と医薬的に許容される担体、希釈剤または賦形剤とを含む医薬組成物も、本発明の範囲に含まれる。本明細書で使用される担体、助剤および賦形剤は、所望の具体的な製剤に適した、任意のおよびすべての溶媒、希釈剤または他の液体賦形剤、分散剤または懸濁化剤、界面活性剤、等張剤、増粘剤または乳化剤、防腐剤、固体結合剤、潤滑剤などを含む。医薬的に許容される組成物を調製するためのさまざまな担体およびそれらの調製のための周知の技術は、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 21st edition, 2005, ed. D. B. Troy, Lippincott Williams&Wilkins, Philadelphia, and Encyclopedia of Pharmaceutical Technology, eds. J. Swarbrick, and J. C. Boylan, 1988-1999, Marcel Dekker, New Yorkに開示されており、その内容を本明細書に引用により援用する。
【0061】
本発明の組成物は、治療すべき疾患に適した任意の経路、特に以下の投与経路:非経口的投与、たとえば注射溶液または懸濁形態;経口、たとえば錠剤またはカプセル形態等の経腸投与;ローション、ゲル、軟膏もしくはエマルションの形態の局所投与、または、経鼻もしくは座剤の形態で、投与することができる。局所投与は、たとえば皮膚に適用される。局所投与の別の形態は、眼への投与である。
【0062】
医薬組成物は、固体、半固体、液体もしくは気体の形態で投与することができ、または凍結乾燥形態のような乾燥粉末として投与することができる。医薬組成物は、たとえば、カプセル、医薬カプセル、カシェ剤、ゼラチン、紙、錠剤、座薬、ペレット、丸薬、菱形錠剤、およびトローチ剤等の固体製剤を含む、輸送可能な形態で包装することができる。包装の種類は、一般に投与経路に応じて決まる。移植可能な徐放性製剤および経皮製剤も含まれる。
【0063】
医薬的に許容される担体としての材料の例は、以下を含むがこれらに限定されない:イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清タンパク質(たとえばヒト血清アルブミン)、緩衝物質(たとえばリン酸塩)、グリシン、ソルビン酸およびソルビン酸カリウム、飽和植物性脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩または電解質(たとえば、硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩)、コロイド状二酸化ケイ素、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン-ポリオキシプロピレンブロック共重合体、ラノリン、糖(たとえば、ラクトース、グルコースおよびスクロース)、デンプン(トウモロコシデンプンおよびジャガイモデンプンなど)、セルロースおよびその誘導体、たとえば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロース;トラガント粉末;モルト;ゼラチン;タルク粉末;賦形剤、たとえばカカオバターおよび座剤用のワックス;ピーナッツ油、綿実油、サフラワー油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、ダイズ油等の油;プロピレングリコールまたはポリエチレングリコール等のグリコール;オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル等のエステル;寒天;水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム等の緩衝剤;アルギン酸;発熱性物質を含まない水;等張性塩水;リンガー液;エタノール;およびリン酸緩衝液、ならびに、ラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウム等の他の無毒性で親和性がある潤滑剤。製剤を調製する作業員の判断に応じて、着色剤、剥離剤、コーティング剤、甘味料、香味剤、香料、防腐剤および酸化防止剤が組成物中に存在していてもよい。
【0064】
本発明の化合物は、単独で、または本発明に記載の疾患もしくは病気(癌など)を治療するための他の治療剤と組み合わせて使用することができる。いくつかの実施形態において、本発明の化合物は、医薬併用製剤において組み合わされる、または、併用療法として、増殖耐性が高いもしくは増殖性が高い疾患(癌など)を治療するための第2の化合物との併用療法として投与スキームにおいて組み合わされる。医薬併用製剤または定量投与スキームにおける第2の化合物は、本発明の化合物と相補的な活性を有し、互いに悪影響を及ぼさないことが好ましい。組み合わせにおけるこのような化合物は、計画された目的に有効な量で適切に存在する。ある実施形態において、本発明の化合物は他の抗腫瘍薬と組み合わされる。抗腫瘍薬は以下のものを含む:シクロホスファミド、ナイトロジェンマスタード、メルファラン、クロラムブシル、カルムスチンを含むがこれらに限定されないアルキル化剤;カルボプラチン、シスプラチン、オキサリプラチンを含むがこれらに限定されない白金金属;トポテカン、カンプトテシン、トポテカン、イリノテカンを含むがこれらに限定されないトポイソメラーゼ阻害剤;アニソマイシン、アクチノマイシンD、ダウノルビシン、ドキソルビシン、ミトキサントロン、ブレオマイシンおよびミトラマイシンを含むがこれらに限定されない抗生物質;パクリタキセル、ビノレルビン、ドセタキセル、ドキソルビシンを含むがこれらに限定されない抗微小管または抗有糸分裂剤;フルオロウラシル、メトトレキサート、シタラビン、メルカプトプリン、チオグアニンおよびゲムシタビンを含むがこれらに限定されない代謝拮抗薬;ハーセプチンおよびベバシズマブを含むがこれらに限定されない抗体;レタゾール、ボラゾール、タモキシフェン、トレミフェン、フルベストラント、フルタミド、ニルタミドおよびトリプトレリンを含むがこれらに限定されないホルモン;ゲフィチニブ、エルロチニブ、ラパチニブおよびアファチニブを含むがこれらに限定されないEGFRキナーゼ阻害剤等のキナーゼ阻害剤;ソラフェニブ、レゴラフェニブ、スニチニブ、カボザンチニブ、パゾパニブ、バンデタニブ、アキシチニブを含むがこれらに限定されないVEGFR阻害剤;クリゾチニブ、セリチニブおよびアレクチニブを含むがこれらに限定されないALK阻害剤;イマチニブ、ポナチニブ、ニロチニブおよびダサチニブを含むがこれらに限定されないBcr-Abl阻害剤;イブルチニブを含むがこれに限定されないBTK阻害剤;ベムラフェニブを含むがこれに限定されないB-RAF阻害剤;サイクリン依存性キナーゼCDK4/6阻害剤パルボシクリブ;ラパマイシンおよびエベロリムスを含むがこれらに限定されないmTOR阻害剤;ボリノスタットを含むがこれに限定されないデアセチラーゼ阻害剤;ならびにキイトルーダ(ペムブロリズマブ)およびオプジーボ(ニボルマブ)等のPD1/PDL1抗体。
【0065】
本発明の第4の局面は、STAT3によって媒介される疾患を予防および/または治療するための医薬の調製における、第1の局面に記載の化合物、立体異性体、幾何異性体、互変異性体もしくは医薬的に許容される塩の、または第3の局面に記載の医薬組成物の使用を提供し、STAT3によって媒介される疾患は、癌、免疫疾患、心血管疾患、ウイルス感染、炎症、代謝/内分泌機能障害または神経疾患を含む。
【発明の効果】
【0066】
有益な技術的効果:本発明の化合物は、STAT3の高発現を示すヒト前立腺癌細胞DU145に対してインビトロで高い抗増殖活性を有する。本発明の化合物は、ヒト前立腺癌細胞DU145のSTAT3特異的ルシフェラーゼダブルレポーター遺伝子実験において明らかなSTAT3転写阻害活性を示し、かつ、ウエスタンブロッティング実験においてヒト前立腺癌DU145のSTAT3リン酸化に対する明らかな阻害活性を示す。インビボ薬力学研究は、本発明の化合物がヌードマウスにおけるヒト前立腺癌DU145の皮下異種移植により形成される異種移植腫瘍の増殖に対して顕著な阻害効果を有することを示している。
【図面の簡単な説明】
【0067】
図1】ヒト前立腺癌細胞DU145のp-STAT3の発現に対する実施例12、23、33および34の効果を示す図であり、これは、ヒト前立腺癌細胞DU145のp-STAT3の発現に対する実施例12、23、33および34の阻害効果を示す。
図2】ヌードマウスにおけるヒト前立腺癌DU145の皮下異種移植により形成された異種移植腫瘍の増殖に対する実施例1の阻害効果を示す、腫瘍増殖曲線の図である。
図3】ヌードマウスにおけるヒト前立腺癌DU145の皮下異種移植により形成された異種移植腫瘍の増殖に対する実施例12および33の阻害効果を示す、腫瘍増殖曲線の図である。
【実施例
【0068】
発明を実施するための具体的モード
以下は、本発明の技術的解決策をさらに説明する本発明の具体的実施例であるが、本発明の保護範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。本発明から逸脱しない任意の変更または均等の置換は、本発明の保護範囲に含まれる。
【0069】
以下の実施例において、単一のキラル中心を有する分子は、構造式または化学名がそうでないことを示さない限り、ラセミ混合物の形態で存在する。2つ以上のキラル中心を有する分子は、構造式または化学名がそうでないことを示さない限り、ジアステレオマーラセミ混合物の形態で存在する。単一のエナンチオマー/ジアステレオマーは、当業者に周知の方法によって得ることができる。
【0070】
調製方法
本発明の化合物は、本発明における合成スキームおよび/または当技術で周知の技術に従って合成することができる。たとえば、本発明が提供する化合物は、以下の一般的な合成方法に従って調製することができる。
【0071】
一般的な合成方法では、式(I)で表される化合物は、方法-1に従って合成される。
方法-1
【0072】
【化11】
【0073】
すなわち、方法-1において、本発明のベンズアミド化合物は、2工程反応により合成することができる。たとえば、化合物Aおよび化合物Bを出発原料として縮合反応により化合物Cを得て、化合物Cからスルホニル化反応により本発明のベンズアミド化合物を得た。
【0074】
別の一般的な合成方法において、式(I)で表される化合物は、方法-2に従って合成される。
方法-2
【0075】
【化12】
【0076】
すなわち、この一般的な合成方法-2において、本発明のベンズアミド化合物を3工程で合成することができる。たとえば、化合物Dを出発原料としてスルホニル化反応により化合物Eを得た後、水酸化ナトリウムによる加水分解により化合物Eから化合物Fを得た。本発明のベンズアミド化合物は、化合物Fとピリジン-3-メチルアミンまたは置換ピリジン-3-メチルアミンとの反応によって得た。
【0077】
本発明の化合物は、当該技術において周知の1つ以上の合成スキームおよび/または技術に従って合成することができる。当業者は、本発明で詳細に説明されるいくつかの実施形態の合成方法が、他の実施形態に容易に適用できることを認識するはずである。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の化合物は、当該技術において周知の合成方法の適切な組み合わせによって調製することができる。多くの出発原料および他の試薬は、商業的供給業者、たとえば、Alfa aesar(中国) Chemical Co., Ltd.から購入することができる、または、当該技術で一般に使用される合成方法によって容易に調製することができる。
H NMRスペクトルが、400MHzまたは500MHzで動作する機器で記録された。H NMRスペクトルは、CDCl(7.26ppm)またはDMSO-d(2.50ppm)または内部標準テトラメチルシラン(0.00ppm)を参照標準として使用して溶液形態(ppmとして報告)で得られた。ピーク多重度を報告する場合、以下の略語:s(singlet(一重項))、d(doublet(二重項))、t(triplet(三重項))、q(quatret(四重項))、m(multiplet(多重項))、br(broad peak(ブロードピーク))、dd(double-doublet(ダブル二重項))、dt(double-triplet(ダブル三重項))を使用する。所与の結合定数はヘルツ(Hz)で測定される。
【0078】
非限定的な具体例としての化合物の(R)-および(S)-異性体は、存在する場合、必要に応じて当業者に周知の方法によって分離することができ、たとえば、ジアステレオマー塩もしくは錯体の形成による結晶化によって分離することができる、または、たとえばジアステレオマー誘導体の形成による結晶化もしくはクロマトグラフィーによって分離することができる;または、1つの鏡像異性体を鏡像異性体特異的試薬と選択的に反応させ、次いで修飾および非修飾鏡像異性体を分離することによって分離することができる;または、キラルクロマトグラフィーカラム等のキラル環境におけるクロマトグラフィー分離によって分離することができる。選択的に、特定の鏡像異性体は、光学活性試薬、基質、触媒もしくは溶媒を使用して非対称合成によって調製、または、1つの鏡像異性体を非対称変換によって別のものに変換することによって調製することができる。
【0079】
以下の調製方法および実施例において、「Me」はメチルを意味し、「Et」はエチルを意味し、「PE」は石油エーテルを意味し、「EtOAc」は酢酸エチルを意味し、「MeOH」はメタノールを意味し、「DMSO-d」は重水素化ジメチルスルホキシドを意味し、「DCM」は塩化メチレンを意味し、「DMAP」は4-ジメチルアミノピリジンを意味し、「HATU」はO-(7-アザベンゾトリアゾリル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェートを意味し、「rt」は室温を意味し、「mL」はミリリットルを意味し、「mmol」はミリモルを意味し、「μM」はマイクロモルを意味し、「nM」はナノモルを意味し、「℃」は摂氏温度を意味する。
【0080】
実施例1:4-メチル-3-((4-メチルフェニル)スルホンアミド)-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミドの調製
【0081】
【化13】
【0082】
工程1:3-アミノ-4-メチル-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミドの調製
【0083】
【化14】
【0084】
DCM(150mL)中の3-アミノ-4-メチル安息香酸(3.02g、20mmol)、ピリジン-3-イルメチルアミン(3.24g、30mmol)、HATU(9.12g、24mmol)およびトリエチルアミン(6.07g、60mmol)の反応混合物を一晩撹拌した。水(100mL)を添加し、得られた懸濁液を10分間激しく撹拌した。得られた黄色固体を吸引濾過で回収し、水(50mL×2)およびDCM(30mL×3)で洗浄し、乾燥して黄色固体(4.02g、収率83%)を得た。
H NMR(400MHz、DMSO-d)δ8.79(t、J=6.0Hz、1H)、8.53(d、J=1.8Hz、1H)、8.44(dd、J=4.8、1.6Hz、1H)、7.69(dt、J=7.8、1.9Hz、1H)、7.34(ddd、J=7.8、4.8、0.8Hz、1H)、7.11(s、1H)、7.02-6.94(m、2H)、4.99(s、2H)、4.44(d、J=6.0Hz、2H)、2.08(s、3H)。
【0085】
工程2:4-メチル-3-((4-メチルフェニル)スルホンアミド)-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミドの調製
【0086】
【化15】
【0087】
DCM(10mL)中の3-アミノ-4-メチル-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミド(121mg、0.5mmol)、p-トルエンスルホニルクロリド(111mg、0.6mmol)、ピリジン(59mg、0.75mmol)およびDMAP(12mg、0.1mmol)の混合物を室温で一晩撹拌した。水(50mL)を添加し、得られた混合物をDCM(30mL×3)で抽出した。組み合わせた有機層を水(30mL×2)および生理食塩水(30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣を分取薄層クロマトグラフィー(シリカゲル、DCM/MEOH=15:1)で精製し、黄色泡状固体(132mg、収率63%)を得た。
H NMR(400MHz、DMSO-d)δ9.64(s、1H)、9.02(t、J=5.9Hz、1H)、8.53(d、J=1.8Hz、1H)、8.46(dd、J=4.8、1.6Hz、1H)、7.70(dt、J=7.8、1.9Hz、1H)、7.66-7.57(m、2H)、7.52(d、J=8.3Hz、2H)、7.39-7.36(m、1H)、7.33(d、J=8.1Hz、2H)、7.21(d、J=7.7Hz、1H)、4.45(d、J=5.8Hz、2H)、2.35(s、3H)、1.95(s、3H)。
【0088】
実施例2:3-((4-メチルフェニル)スルホンアミド)-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミド
【0089】
【化16】
【0090】
工程1:3-アミノ-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミドの調製
【0091】
【化17】
【0092】
実施例1の工程1の方法に従い、3-アミノ安息香酸から標題化合物を合成した。
H NMR(400MHz、DMSO-d)δ8.85(t、J=5.9Hz、1H)、8.53(d、J=1.2Hz、1H)、8.45(dd、J=4.5、1.1Hz、1H)、7.74-7.67(m、1H)、7.36(ddd、J=7.7、4.7、0.4Hz、1H)、7.08(t、J=7.8Hz、1H)、7.05(t、J=2.0Hz、1H)、7.00-6.96(m、1H)、6.69(ddd、J=7.9、2.3、1.0Hz、1H)、5.31(br s、2H)、4.44(d、J=5.9Hz、2H)。
MS(ESI+)m/z228.0[M+H]
【0093】
工程2:3-((4-メチルフェニル)スルホンアミド)-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミドの調製
【0094】
【化18】
【0095】
実施例1の工程2の方法に従い、3-アミノ-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミドから標題化合物を合成した。
H NMR(400MHz、DMSO-d)δ10.39(s、1H)、9.05(t、J=5.7Hz、1H)、8.61-8.39(m、2H)、7.78-7.59(m、4H)、7.52(dd、J=7.7、1.1Hz、1H)、7.45-7.29(m、4H)、7.28-7.21(m、1H)、4.45(d、J=5.7Hz、2H)、2.32(s、3H)。
【0096】
実施例3:4-フルオロ-3-((4-メチルフェニル)スルホンアミド)-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミド
【0097】
【化19】
【0098】
工程1:3-アミノ-4-フルオロ-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミドの調製
【0099】
【化20】
【0100】
実施例1の工程1の方法に従い、3-アミノ-4-フルオロ安息香酸から標題化合物を合成した。
H NMR(400MHz、DMSO-d)δ8.90(t、J=5.7Hz、1H)、8.53(s、1H)、8.46(d、J=4.6Hz、1H)、7.70(dt、J=7.8、1.8Hz、1H)、7.35(dd、J=7.8、4.7Hz、1H)、7.32-7.26(m、1H)、7.10-7.01(m、2H)、5.34(br s、2H)、4.44(d、J=5.9Hz、2H)。
MS(ESI+)m/z245.9[M+H]
【0101】
工程2:4-フルオロ-3-((4-メチルフェニル)スルホンアミド)-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミドの調製
【0102】
【化21】
【0103】
実施例1の工程2の合成方法に従い、3-アミノ-4-フルオロ-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミドから標題化合物を合成した。
H NMR(400MHz、DMSO-d)δ10.26(s、1H)、9.12(t、J=5.9Hz、1H)、8.54(s、1H)、8.47(d、J=4.0Hz、1H)、7.86(dd、J=7.7、2.2Hz、1H)、7.75-7.67(m、2H)、7.60(d、J=8.3Hz、2H)、7.40-7.31(m、3H)、7.26(dd、J=10.0、8.6Hz、1H)、4.46(d、J=5.8Hz、2H)、2.35(s、3H)。
【0104】
実施例4:4-クロロ-3-((4-メチルフェニル)スルホンアミド)-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミド
【0105】
【化22】
【0106】
工程1:3-アミノ-4-クロロ-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミドの調製
【0107】
【化23】
【0108】
実施例1の工程1の方法に従い、3-アミノ-4-クロロ安息香酸から標題化合物を合成した。
H NMR(400MHz、DMSO-d)δ8.95(t、J=5.9Hz、1H)、8.53(d、J=1.7Hz、1H)、8.45(dd、J=4.8、1.6Hz、1H)、7.74-7.65(m、1H)、7.35(ddd、J=7.8、4.8、0.7Hz、1H)、7.29(d、J=2.1Hz、1H)、7.27(d、J=8.3Hz、1H)、7.02(dd、J=8.3、2.1Hz、1H)、5.53(br s、2H)、4.45(d、J=5.9Hz、2H)。
MS(ESI+)m/z261.9[M+H]
【0109】
工程2:4-クロロ-3-((4-メチルフェニル)スルホンアミド)-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミドの調製
【0110】
【化24】
【0111】
実施例1の工程2の方法に従い、4-クロロ-3-((4-メチルフェニル)スルホンアミド)安息香酸から標題化合物を合成した。
H NMR(400MHz、DMSO-d)δ10.08(s、1H)、9.18(t、J=5.8Hz、1H)、8.54(d、J=1.6Hz、1H)、8.47(dd、J=4.7、1.4Hz、1H)、7.85(d、J=2.1Hz、1H)、7.75-7.66(m、2H)、7.59(d、J=8.3Hz、2H)、7.51(d、J=8.4Hz、1H)、7.40-7.31(m、3H)、4.47(d、J=5.8Hz、2H)、2.36(s、3H)。
【0112】
実施例5:4-メトキシ-3-((4-メチルフェニル)スルホンアミド)-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミドの調製
【0113】
【化25】
【0114】
工程1:3-アミノ-4-メトキシ-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミドの調製
【0115】
【化26】
【0116】
実施例1の工程1の方法に従い、3-アミノ-4-メトキシ安息香酸から標題化合物を合成した。
H NMR(400MHz、DMSO-d)δ8.75(t、J=5.9Hz、1H)、8.52(d、J=1.8Hz、1H)、8.44(dd、J=4.7、1.5Hz、1H)、7.73-7.65(m、1H)、7.38-7.31(m、1H)、7.17(d、J=2.2Hz、1H)、7.11(dd、J=8.3、2.2Hz、1H)、6.83(d、J=8.4Hz、1H)、4.85(s、2H)、4.43(d、J=5.9Hz、2H)、3.80(s、3H)。
【0117】
工程2:4-メトキシ-3-((4-メチルフェニル)スルホンアミド)-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミドの調製
【0118】
【化27】
【0119】
実施例1の工程2の方法に従い、3-アミノ-4-メトキシ-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミドから標題化合物を合成した。
H NMR(400MHz、DMSO-d)δ9.52(s、1H)、8.97(t、J=5.8Hz、1H)、8.53(d、J=2.0Hz、1H)、8.46(dd、J=4.8、1.5Hz、1H)、7.82(d、J=2.2Hz、1H)、7.74-7.66(m、2H)、7.57(d、J=8.3Hz、2H)、7.36(dd、J=7.8、4.8Hz、1H)、7.31(d、J=8.3Hz、2H)、6.96(d、J=8.7Hz、1H)、4.45(d、J=5.9Hz、2H)、3.52(s、3H)、2.34(s、3H)。
【0120】
実施例6:4-エチル-3-((4-メチルフェニル)スルホンアミド)-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミド
【0121】
【化28】
【0122】
工程1:3-アミノ-4-エチル-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミドの調製
【0123】
【化29】
【0124】
実施例1の工程1の方法に従い、3-アミノ-4-エチル安息香酸から標題化合物を合成した。
H NMR(400MHz、DMSO-d)δ8.81(t、J=6.0Hz、1H)、8.52(d、J=1.7Hz、1H)、8.45(dd、J=4.7、1.5Hz、1H)、7.73-7.65(m、1H)、7.39-7.31(m、1H)、7.11(d、J=1.6Hz、1H)、7.04-6.95(m、2H)、5.03(s、2H)、4.44(d、J=6.0Hz、2H)、2.46(q、J=7.5Hz、2H)、1.12(t、J=7.5Hz、3H)。
【0125】
工程2:4-エチル-3-((4-メチルフェニル)スルホンアミド)-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミドの調製
【0126】
【化30】
【0127】
実施例1の工程2の合成方法に従い、3-アミノ-4-エチル-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミドから標題化合物を合成した。
H NMR(400MHz、DMSO-d)δ9.64(s、1H)、9.00(t、J=5.9Hz、1H)、8.52(d、J=2.0Hz、1H)、8.46(dd、J=4.8、1.6Hz、1H)、7.71-7.64(m、2H)、7.57-7.51(m、3H)、7.39-7.31(m、3H)、7.27(d、J=8.1Hz、1H)、4.45(d、J=5.9Hz、2H)、2.44(q、J=7.5Hz、2H)、2.35(s、3H)、0.92(t、J=7.5Hz、3H)。
【0128】
実施例7:3-メチル-5-((4-メチルフェニル)スルホンアミド)-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミド
【0129】
【化31】
【0130】
工程1:3-アミノ-5-メチル-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミドの調製
【0131】
【化32】
【0132】
実施例1の工程1の方法に従い、3-アミノ-5-メチル安息香酸から標題化合物を合成した。
H NMR(400MHz、DMSO-d)δ8.81(t、J=6.0Hz、1H)、8.53(d、J=1.7Hz、1H)、8.45(dd、J=4.8、1.6Hz、1H)、7.70(ddd、J=7.9、2.1、1.7Hz、1H)、7.36(ddd、J=7.8、4.8、0.8Hz、1H)、6.86(t、J=1.7Hz、1H)、6.84-6.81(m、1H)、6.58-6.48(m、1H)、5.29(br s、2H)、4.43(d、J=6.0Hz、2H)、2.20(s、3H)。
MS(ESI+)m/z242.2[M+H]
【0133】
工程2:3-メチル-5-((4-メチルフェニル)スルホンアミド)-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミドの調製
【0134】
【化33】
【0135】
実施例1の工程2の方法に従い、3-アミノ-5-メチル-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミドから標題化合物を合成した。
H NMR(400MHz、DMSO-d)δ10.32(s、1H)、8.99(t、J=5.9Hz、1H)、8.52(d、J=1.8Hz、1H)、8.46(dd、J=4.7、1.6Hz、1H)、7.73-7.59(m、3H)、7.41(t、J=1.6Hz、1H)、7.38-7.30(m、4H)、7.10-7.05(m、1H)、4.43(d、J=5.9Hz、2H)、2.32(s、3H)、2.24(s、3H)。
MS(ESI+)m/z396.3[M+H]
【0136】
実施例8:3-メトキシ-5-((4-メチルフェニル)スルホンアミド)-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミド
【0137】
【化34】
【0138】
工程1:3-アミノ-5-メトキシ-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミドの調製
【0139】
【化35】
【0140】
実施例1の工程1の方法に従い、3-アミノ-5-メトキシ安息香酸から標題化合物を合成した。
H NMR(400MHz、DMSO-d)δ8.84(t、J=6.0Hz、1H)、8.53(d、J=1.2Hz、1H)、8.45(dd、J=4.6、1.2Hz、1H)、7.70(ddd、J=7.9、2.1、1.7Hz、1H)、7.36(ddd、J=7.8、4.8、0.7Hz、1H)、6.71-6.63(m、1H)、6.58(dd、J=2.3、1.5Hz、1H)、6.28(t、J=2.1Hz、1H)、5.33(s、2H)、4.44(d、J=5.9Hz、2H)、3.70(s、3H)。
【0141】
工程2:3-メトキシ-5-((4-メチルフェニル)スルホンアミド)-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミドの調製
【0142】
【化36】
【0143】
実施例1の工程2の方法に従い、3-アミノ-5-メトキシ-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミドから標題化合物を合成した。
H NMR(400MHz、DMSO-d)δ10.44(s、1H)、9.22(t、J=5.3Hz、1H)、8.78(s、1H)、8.72(d、J=5.3Hz、1H)、8.26(d、J=6.1Hz、1H)、7.90-7.79(m、1H)、7.73-7.61(m、2H)、7.35(d、J=7.9Hz、2H)、7.26-7.18(m、1H)、7.15(s、1H)、6.83(t、J=2.1Hz、1H)、4.56(d、J=5.7Hz、2H)、3.73(s、3H)、2.33(s、3H)。
【0144】
実施例9:3-フルオロ-5-((4-メチルフェニル)スルホンアミド)-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミド
【0145】
【化37】
【0146】
工程1:3-アミノ-5-フルオロ-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミドの調製
【0147】
【化38】
【0148】
実施例1の工程1の方法に従い、3-アミノ-5-フルオロ安息香酸から標題化合物を合成した。
H NMR(400MHz、DMSO-d)δ8.93(t、J=5.9Hz、1H)、8.53(d、J=1.8Hz、1H)、8.46(dd、J=4.8、1.6Hz、1H)、7.76-7.65(m、1H)、7.36(ddd、J=7.9、4.8、0.7Hz、1H)、6.92-6.84(m、1H)、6.74(ddd、J=9.8、2.3、1.5Hz、1H)、6.45(dt、J=11.4、2.2Hz、1H)、5.64(br s、2H)、4.44(d、J=5.9Hz、2H)。
MS(ESI+)m/z246.2[M+H]
【0149】
工程2:3-フルオロ-5-((4-メチルフェニル)スルホンアミド)-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミドの調製
【0150】
【化39】
【0151】
実施例1の工程2の方法に従い、3-アミノ-5-フルオロ-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミドから標題化合物を合成した。
H NMR(400MHz、DMSO-d)δ10.82(s、1H)、9.42(t、J=4.7Hz、1H)、8.87(s、1H)、8.80(d、J=5.5Hz、1H)、8.44(d、J=8.0Hz、1H)、8.03-7.91(m、1H)、7.77-7.64(m、2H)、7.47(dd、J=10.9、1.5Hz、2H)、7.37(d、J=8.4Hz、2H)、7.11(dt、J=10.4、2.1Hz、1H)、4.60(d、J=5.7Hz、2H)、2.34(s、3H)。
MS(ESI+)m/z400.3[M+H]
【0152】
実施例10:3-クロロ-5-((4-メチルフェニル)スルホンアミド)-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミド
【0153】
【化40】
【0154】
工程1:3-アミノ-5-クロロ-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミドの調製
【0155】
【化41】
【0156】
実施例1の工程1の方法に従い、3-アミノ-5-クロロ安息香酸から標題化合物を合成した。
H NMR(400MHz、DMSO-d)δ8.98(t、J=5.9Hz、1H)、8.53(d、J=1.4Hz、1H)、8.46(d、J=4.6Hz、1H)、7.70(d、J=7.8Hz、1H)、7.36(dd、J=7.8、4.8Hz、1H)、7.04-6.96(m、2H)、6.72(t、J=1.9Hz、1H)、5.64(br s、2H)、4.44(d、J=5.9Hz、2H)。
MS(ESI+)m/z262.2[M+H]
【0157】
工程2:3-クロロ-5-((4-メチルフェニル)スルホンアミド)-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミドの調製
【0158】
【化42】
【0159】
実施例1の工程2の方法に従い、3-アミノ-5-クロロ-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミドから標題化合物を合成した。
H NMR(400MHz、DMSO-d)δ10.77(s、1H)、9.31(t、J=5.8Hz、1H)、8.76(d、J=1.4Hz、1H)、8.70(dd、J=5.3、1.0Hz、1H)、8.21(d、J=8.0Hz、1H)、7.78(dd、J=7.9、5.4Hz、1H)、7.71-7.66(m、2H)、7.65(t、J=1.7Hz、1H)、7.59(dd、J=2.0、1.5Hz、1H)、7.38(dd、J=8.5、0.5Hz、2H)、7.29(t、J=2.0Hz、1H)、4.55(d、J=5.7Hz、2H)、2.34(s、3H)。
MS(ESI+)m/z416.3[M+H]
【0160】
実施例11:2-メチル-5-((4-メチルフェニル)スルホンアミド)-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミド
【0161】
【化43】
【0162】
工程1:5-アミノ-2-メチル-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミドの調製
【0163】
【化44】
【0164】
実施例1の工程1の方法に従い、5-アミノ-2-メチル安息香酸から標題化合物を合成した。
H NMR(400MHz、DMSO-d)δ8.70(t、J=6.0Hz、1H)、8.55(d、J=1.8Hz、1H)、8.46(dd、J=4.7、1.4Hz、1H)、7.76-7.68(m、1H)、7.37(ddd、J=7.9、4.8、0.7Hz、1H)、6.86(d、J=8.1Hz、1H)、6.58(d、J=2.4Hz、1H)、6.53(dd、J=8.1、2.5Hz、1H)、5.03(s、2H)、4.41(d、J=6.0Hz、2H)、2.12(s、3H)。
MS(ESI+)m/z242.2[M+H]
【0165】
工程2:2-メチル-5-((4-メチルフェニル)スルホンアミド)-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミドの調製
【0166】
【化45】
【0167】
実施例1の工程1の方法に従い、5-アミノ-2-メチル-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミドから標題化合物を合成した。
H NMR(400MHz、DMSO-d)δ10.24(s、1H)、8.82(t、J=6.0Hz、1H)、8.56-8.51(m、1H)、8.48(dd、J=4.8、1.6Hz、1H)、7.73-7.67(m、1H)、7.67-7.60(m、2H)、7.38(ddd、J=7.8、4.8、0.7Hz、1H)、7.36-7.31(m、2H)、7.11-7.02(m、3H)、4.42(d、J=6.0Hz、2H)、2.33(s、3H)、2.16(s、3H)。
MS(ESI+)m/z396.3[M+H]
【0168】
実施例12:3-((4-エチルフェニル)スルホンアミド)-4-メチル-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミド
【0169】
【化46】
【0170】
実施例1の工程2の方法に従い、3-アミノ-4-メチル-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミドおよびp-エチルベンゼンスルホニルクロリドから標題化合物を合成した。
H NMR(400MHz、)δ9.65(s、1H)、9.04(t、J=6.0Hz、1H)、8.53(d、J=2.0Hz、1H)、8.46(dd、J=4.8、1.6Hz、1H)、7.70(dt、J=7.9、2.0Hz、1H)、7.65-7.60(m、2H)、7.58-7.53(m、2H)、7.40-7.33(m、3H)、7.21(d、J=8.0Hz、1H)、4.45(d、J=6.0Hz、2H)、2.65(d、J=7.6Hz、2H)、1.95(s、3H)、1.16(t、J=7.6Hz、3H)。
【0171】
実施例13:3-((4-メトキシフェニル)スルホンアミド)-4-メチル-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミド
【0172】
【化47】
【0173】
実施例1の工程2の方法に従い、3-アミノ-4-メチル-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミドおよび4-メトキシベンゼンスルホニルクロリドから標題化合物を合成した。
H NMR(400MHz、DMSO-d)δ9.55(s、1H)、9.02(t、J=5.9Hz、1H)、8.53(s、1H)、8.46(d、J=4.2Hz、1H)、7.69(d、J=7.9Hz、1H)、7.66-7.59(m、2H)、7.56(d、J=8.9Hz、2H)、7.36(dd、J=7.8、4.8Hz、1H)、7.21(d、J=8.0Hz、1H)、7.05(d、J=8.9Hz、2H)、4.45(d、J=5.8Hz、2H)、3.80(s、3H)、1.97(s、3H)。
【0174】
実施例14:3-((3-メトキシフェニル)スルホンアミド)-4-メチル-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミド
【0175】
【化48】
【0176】
実施例1の工程2の方法に従い、3-アミノ-4-メチル-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミドおよび3-メトキシベンゼンスルホニルクロリドから標題化合物を合成した。
H NMR(400MHz、DMSO-d)δ9.72(s、1H)、9.03(t、J=5.9Hz、1H)、8.53(d、J=1.8Hz、1H)、8.46(dd、J=4.8、1.6Hz、1H)、7.69(dt、J=7.9、1.9Hz、1H)、7.64(dd、J=7.8、1.8Hz、1H)、7.61(d、J=1.7Hz、1H)、7.46(t、J=8.0Hz、1H)、7.36(ddd、J=7.8、4.7、0.6Hz、1H)、7.26-7.17(m、3H)、7.15-7.10(m、1H)、4.45(d、J=5.9Hz、2H)、3.73(s、3H)、1.99(s、3H)。
MS(ESI+)m/z412.3[M+H]
【0177】
実施例15:3-((4-エトキシフェニル)スルホンアミド)-4-メチル-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミド
【0178】
【化49】
【0179】
実施例1の工程2の方法に従い、3-アミノ-4-メチル-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミドおよび4-エトキシベンゼンスルホニルクロリドから標題化合物を合成した。
H NMR(400MHz、DMSO-d)δ9.57(s、1H)、9.04(t、J=5.8Hz、1H)、8.53(d、J=1.4Hz、1H)、8.46(dd、J=4.6、1.2Hz、1H)、7.69(dt、J=7.9、1.9Hz、1H)、7.66-7.58(m、2H)、7.54(d、J=8.9Hz、2H)、7.40-7.32(m、1H)、7.21(d、J=7.9Hz、1H)、7.03(d、J=9.0Hz、2H)、4.45(d、J=5.9Hz、2H)、4.07(q、J=7.0Hz、2H)、1.96(s、3H)、1.32(t、J=7.0Hz、3H)。
【0180】
実施例16:3-((3,4-ジメチルフェニル)スルホンアミド)-4-メチル-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミド
【0181】
【化50】
【0182】
実施例1の工程2の方法に従い、3-アミノ-4-メチル-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミドおよび3,4-ジメチルベンゼンスルホニルクロリドから標題化合物を合成した。
H NMR(400MHz、DMSO-d)δ9.58(s、1H)、9.02(t、J=5.9Hz、1H)、8.52(d、J=1.2Hz、1H)、8.46(dd、J=4.7、1.1Hz、1H)、7.69(dt、J=7.8、1.8Hz、1H)、7.65-7.58(m、2H)、7.42(s、1H)、7.39-7.33(m、2H)、7.29(d、J=8.0Hz、1H)、7.22(d、J=8.4Hz、1H)、4.45(d、J=5.8Hz、2H)、2.26(s、3H)、2.22(s、3H)、1.99(s、3H)。
【0183】
実施例17:3-((2,4-ジメチルフェニル)スルホンアミド)-4-メチル-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミド
【0184】
【化51】
【0185】
実施例1の工程2の方法に従い、3-アミノ-4-メチル-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミドおよび2,4-ジメチルベンゼンスルホニルクロリドから標題化合物を合成した。
H NMR(400MHz、DMSO-d)δ9.66(s、1H)、9.00(t、J=5.9Hz、1H)、8.52(d、J=0.8Hz、1H)、8.49(t、J=4.8、0.8Hz、1H)、7.68(dt、J=7.7、1.7Hz、1H)、7.65-7.57(m、2H)、7.51(d、J=8.1Hz、1H)、7.36(dd、J=7.8、4.8Hz、1H)、7.26-7.17(m、2H)、7.08(d、J=8.0Hz、1H)、4.44(d、J=5.8Hz、2H)、2.50(s、3H)、2.30(s、3H)、2.01(s、3H)。
【0186】
実施例18:4-メチル-N-(ピリジン-3-イルメチル)-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)スルホンアミド)ベンズアミド
【0187】
【化52】
【0188】
実施例1の工程2の方法に従い、3-アミノ-4-メチル-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミドおよび4-トリフルオロメチルベンゼンスルホニルクロリドから標題化合物を合成した。
H NMR(400MHz、DMSO-d)δ10.04(s、1H)、9.05(s、1H)、8.53(d、J=1.8Hz、1H)、8.46(dd、J=4.8、1.5Hz、1H)、7.96(d、J=8.3Hz、2H)、7.86(d、J=8.2Hz、2H)、7.72-7.64(m、2H)、7.61(d、J=1.8Hz、1H)、7.35(ddd、J=7.9、4.8、0.7Hz、1H)、7.26(d、J=8.1Hz、1H)、4.46(d、J=5.9Hz、2H)、1.96(s、3H)。
【0189】
実施例19:4-メチル-N-(ピリジン-3-イルメチル)-3-((3-(トリフルオロメチル)フェニル)スルホンアミド)ベンズアミド
【0190】
【化53】
【0191】
実施例1の工程2の方法に従い、3-アミノ-4-メチル-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミドおよび3-トリフルオロメチルベンゼンスルホニルクロリドから標題化合物を合成した。
H NMR(400MHz、DMSO-d)δ10.06(s、1H)、9.27(t、J=5.5Hz、1H)、8.84(d、J=1.4Hz、1H)、8.79(d、J=5.4Hz、1H)、8.39(d、J=7.8Hz、1H)、8.07(d、J=7.8Hz、1H)、8.00-7.90(m、2H)、7.89-7.80(m、2H)、7.73(dd、J=8.0、1.8Hz、1H)、7.54(d、J=1.7Hz、1H)、7.28(d、J=8.1Hz、1H)、4.60(d、J=5.8Hz、2H)、1.98(s、3H)。
MS(ESI+)m/z450.3[M+H]
【0192】
実施例20:3-((4-フルオロフェニル)スルホンアミド)-4-メチル-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミド
【0193】
【化54】
【0194】
実施例1の工程2の方法に従い、3-アミノ-4-メチル-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミドおよび4-フルオロベンゼンスルホニルクロリドから標題化合物を合成した。
H NMR(400MHz、DMSO-d)δ9.78(s、1H)、9.03(t、J=5.9Hz、1H)、8.53(s、1H)、8.46(d、J=3.8Hz、1H)、7.72-7.62(m、3H)、7.64(dd、J=7.9、1.8Hz、1H)、7.58(d、J=1.8Hz、1H)、7.43-7.33(m、3H)、7.24(d、J=8.1Hz、1H)、4.45(d、J=5.9Hz、2H)、1.98(s、3H)。
【0195】
実施例21:3-((4-クロロフェニル)スルホンアミド)-4-メチル-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミド
【0196】
【化55】
【0197】
実施例1の工程2の方法に従い、3-アミノ-4-メチル-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミドおよび4-クロロベンゼンスルホニルクロリドから標題化合物を合成した。
H NMR(400MHz、DMSO-d)δ9.86(s、1H)、9.04(t、J=5.9Hz、1H)、8.53(d、J=1.9Hz、1H)、8.46(dd、J=4.8、1.6Hz、1H)、7.69(dt、J=7.8、1.9Hz、1H)、7.67-7.62(m、5H)、7.60(d、J=1.7Hz、1H)、7.39-7.33(m、1H)、7.25(d、J=8.0Hz、1H)、4.46(d、J=5.8Hz、2H)、1.98(s、3H)。
【0198】
実施例22:3-((4-イソプロピルフェニル)スルホンアミド)-4-メチル-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミド
【0199】
【化56】
【0200】
実施例1の工程2の方法に従い、3-アミノ-4-メチル-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミドおよび4-イソプロピルベンゼンスルホニルクロリドから標題化合物を合成した。
H NMR(400MHz、DMSO-d)δ9.63(s、1H)、9.02(t、J=5.9Hz、1H)、8.53(d、J=1.8Hz、1H)、8.46(dd、J=4.8、1.6Hz、1H)、7.69(dt、J=7.8、1.9Hz、1H)、7.65-7.59(m、2H)、7.56(d、J=8.4Hz、2H)、7.40(d、J=8.4Hz、2H)、7.38-7.33(m、1H)、7.21(d、J=8.5Hz、1H)、4.45(d、J=5.9Hz、2H)、3.01-2.88(m、1H)、1.94(s、3H)、1.18(d、J=6.9Hz、6H)。
【0201】
実施例23:3-((4-シクロプロピルフェニル)スルホンアミド)-4-メチル-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミド
【0202】
【化57】
【0203】
実施例1の工程2の方法に従い、3-アミノ-4-メチル-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミドおよび4-シクロプロピルベンゼンスルホニルクロリドから標題化合物を合成した。
H NMR(400MHz、DMSO-d)δ9.61(s、1H)、9.02(t、J=5.9Hz、1H)、8.53(d、J=1.6Hz、1H)、8.46(dd、J=4.7、1.4Hz、1H)、7.69(dt、J=7.9、2.1Hz、1H)、7.66-7.57(m、2H)、7.49(d、J=8.5Hz、2H)、7.39-7.33(m、1H)、7.23-7.18(m、3H)、4.45(d、J=5.9Hz、2H)、2.03-1.96(m、1H)、1.95(s、3H)、1.10-0.94(m、2H)、0.78-0.65(m、2H)。
【0204】
実施例24:4-メチル-3-((4-n-プロピルフェニル)スルホンアミド)-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミド
【0205】
【化58】
【0206】
実施例1の工程2の方法に従い、3-アミノ-4-メチル-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミドおよび4-n-プロピルベンゼンスルホニルクロリドから標題化合物を合成した。
H NMR(400MHz、DMSO-d)δ9.63(s、1H)、9.02(t、J=5.9Hz、1H)、8.53(d、J=1.8Hz、1H)、8.46(dd、J=4.8、1.5Hz、1H)、7.69(dt、J=7.7、1.7Hz、1H)、7.65-7.59(m、2H)、7.53(d、J=8.3Hz、2H)、7.39-7.31(m、3H)、7.21(d、J=7.9Hz、1H)、4.45(d、J=5.8Hz、2H)、2.60(t、J=7.5Hz、2H)、1.92(s、3H)、1.66-1.49(m、2H)、0.85(t、J=7.3Hz、3H)。
【0207】
実施例25:3-((2,3-ジヒドロ-1H-インデン)-5-スルホンアミド)-4-メチル-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミド
【0208】
【化59】
【0209】
実施例1の工程2の方法に従い、3-アミノ-4-メチル-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミドおよび2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-スルホニルクロリドから標題化合物を合成した。
H NMR(400MHz、DMSO-d)δ9.59(s、1H)、9.02(t、J=5.9Hz、1H)、8.52(d、J=1.6Hz、1H)、8.46(dd、J=4.7、1.5Hz、1H)、7.75-7.65(m、1H)、7.64-7.58(m、2H)、7.51-7.46(m、1H)、7.44-7.39(m、1H)、7.38-7.32(m、2H)、7.21(dd、J=8.4、0.4Hz、1H)、4.45(d、J=5.9Hz、2H)、2.98-2.76(m、4H)、2.09-1.92(m、5H)。
【0210】
実施例26:3-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-スルホンアミド)-4-メチル-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミド
【0211】
【化60】
【0212】
実施例1の工程2の方法に従い、3-アミノ-4-メチル-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミドおよびベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-スルホニルクロリドから標題化合物を合成した。
H NMR(400MHz、DMSO-d)δ9.60(s、1H)、9.03(t、J=5.9Hz、1H)、8.53(s、1H)、8.46(d、J=3.9Hz、1H)、7.73-7.67(m、1H)、7.63(dd、J=7.8、1.8Hz、1H)、7.60(d、J=1.8Hz、1H)、7.39-7.32(m、1H)、7.24(d、J=7.9Hz、1H)、7.15(dd、J=8.2、1.9Hz、1H)、7.10(d、J=1.8Hz、1H)、7.02(d、J=8.2Hz、1H)、6.15(s、2H)、4.46(d、J=5.9Hz、2H)、2.03(s、3H)。
【0213】
実施例27:3-((2,3-ジヒドロベンゾフラン)-5-スルホンアミド)-4-メチル-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミド
【0214】
【化61】
【0215】
実施例1の工程2の方法に従い、3-アミノ-4-メチル-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミドおよび2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-スルホニルクロリドから標題化合物を合成した。
H NMR(400MHz、DMSO-d)δ9.52(s、1H)、9.16(t、J=5.1Hz、1H)、8.78(s、1H)、8.73(d、J=4.2Hz、1H)、8.27(d、J=5.3Hz、1H)、7.85(s、1H)、7.64(dd、J=4.1、2.3Hz、2H)、7.49(d、J=1.8Hz、1H)、7.38(dd、J=8.4、2.1Hz、1H)、7.24(dd、J=8.4、0.6Hz、1H)、6.85(d、J=8.4Hz、1H)、4.61(t、J=8.8Hz、2H)、4.58(d、J=5.6Hz、2H)、3.18(dd、J=8.8Hz、2H)、2.01(s、3H)。
MS(ESI+)m/z424.3[M+H]
【0216】
実施例28:3-((2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン)-6-スルホンアミド)-4-メチル-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミド
【0217】
【化62】
【0218】
実施例1の工程2の方法に従い、3-アミノ-4-メチル-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミドおよび(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン)-6-スルホニルクロリドから標題化合物を合成した。
H NMR(400MHz、DMSO-d)δ9.61(s、1H)、9.21(t、J=5.6Hz、1H)、8.83(s、1H)、8.77(d、J=5.4Hz、1H)、8.37(d、J=7.7Hz、1H)、7.95-7.86(m、1H)、7.66(dd、J=7.9、1.6Hz、1H)、7.63(d、J=1.7Hz、1H)、7.25(d、J=8.0Hz、1H)、7.11-7.06(m、2H)、6.98(d、J=9.0Hz、1H)、4.60(d、J=5.7Hz、2H)、4.38-4.23(m、4H)、2.01(s、3H)。
MS(ESI+)m/z440.3[M+H]
【0219】
実施例29:4-メチル-3-(ナフタレン-2-スルホンアミド)-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミド
【0220】
【化63】
【0221】
実施例1の工程2の方法に従い、3-アミノ-4-メチル-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミドおよびナフタレン-2-スルホニルクロリドから標題化合物を合成した。
H NMR(400MHz、DMSO-d)δ9.85(s、1H)、9.01(t、J=5.9Hz、1H)、8.51(d、J=1.6Hz、1H)、8.46(dd、J=4.7、1.4Hz、1H)、8.28(d、J=1.6Hz、1H)、8.13-8.00(m、3H)、7.77-7.58(m、6H)、7.36-7.31(m、1H)、7.18(d、J=8.1Hz、1H)、4.43(d、J=5.8Hz、2H)、1.94(s、3H)。
【0222】
実施例30:4-メチル-3-((5-メチルチオフェン)-2-スルホンアミド)-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミド
【0223】
【化64】
【0224】
実施例1の工程2の方法に従い、3-アミノ-4-メチル-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミドおよび5-メチルチオフェン-2-スルホニルクロリドから標題化合物を合成した。
H NMR(400MHz、DMSO-d)δ9.87(s、1H)、9.21(t、J=5.7Hz、1H)、8.81(d、J=1.4Hz、1H)、8.76(d、J=5.4Hz、1H)、8.34(d、J=8.0Hz、1H)、7.90(dd、J=7.9、5.5Hz、1H)、7.73-7.67(m、2H)、7.31-7.25(m、1H)、7.19(d、J=3.7Hz、1H)、6.84(dd、J=3.7、1.1Hz、1H)、4.60(d、J=5.7Hz、2H)、2.46(s、3H)、2.03(s、3H)。
MS(ESI+)m/z402.3[M+H]
【0225】
実施例31:3-((5-クロロチオフェン)-2-スルホンアミド)-4-メチル-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミド
【0226】
【化65】
【0227】
実施例1の工程2の方法に従い、3-アミノ-4-メチル-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミドおよび5-クロロチオフェン-2-スルホニルクロリドから標題化合物を合成した。
H NMR(400MHz、DMSO-d)δ10.13(s、1H)、9.08(t、J=5.8Hz、1H)、8.54(s、1H)、8.47(d、J=3.1Hz、1H)、7.73-7.67(m、2H)、7.64(d、J=1.8Hz、1H)、7.36(dd、J=7.8、4.7Hz、1H)、7.31(d、J=8.0Hz、1H)、7.29(d、J=4.1Hz、1H)、7.23(d、J=4.1Hz、1H)、4.47(d、J=5.9Hz、2H)、2.08(s、3H)。
【0228】
実施例32:3-((6-メトキシピリジン)-3-スルホンアミド)-4-メチル-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミド
【0229】
【化66】
【0230】
実施例1の工程2の方法に従い、3-アミノ-4-メチル-N-(ピリジン-3-イルメチル)ベンズアミドおよび6-メトキシピリジン-3-スルホニルクロリドから標題化合物を合成した。
H NMR(400MHz、DMSO-d)δ9.87(s、1H)、9.22(t、J=5.5Hz、1H)、8.82(s、1H)、8.76(d、J=4.0Hz、1H)、8.43-8.32(m、2H)、8.00-7.83(m、2H)、7.70(d、J=7.9Hz、1H)、7.61(d、J=1.7Hz、1H)、7.28(d、J=8.1Hz、1H)、6.99(dd、J=8.8、0.4Hz、1H)、4.59(d、J=5.7Hz、2H)、3.90(s、3H)、2.04(s、3H)。
MS(ESI+)m/z413.3[M+H]
【0231】
実施例33:4-メチル-3-((4-メチルフェニル)スルホンアミド)-N-((6-メチルピリジン-3-イル)メチル)ベンズアミド
【0232】
【化67】
【0233】
工程1:4-メチル-3-((4-メチルフェニル)スルホンアミド)安息香酸塩の調製
【0234】
【化68】
【0235】
DCM(40mL)中の3-アミノ-4-メチル安息香酸(1.65g、10mmol)、p-トルエンスルホニルクロリド(2.8g、12mmol)、ピリジン(1.19g、15mmol)およびDMAP(0.122g、1mmol)の混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を水(100mL)で希釈し、希塩酸でpH=3~4に酸性化した。混合物をジクロロメタン(50mL×3)で抽出した。組み合わせた有機層を水(100mL×2)および生理食塩水(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、PE/EtOAc=3:1)で精製し、黄色油状物として産出物を得た(2.82g、収率88%)。
H NMR(400MHz、DMSO-d)δ9.73(s、1H)、7.70-7.63(m、2H)、7.55(d、J=8.0H、2H)、7.36(d、J=8.0Hz、2H)、7.28(d、J=7.7Hz、1H)、3.81(s、3H)、2.36(s、3H)、2.03(s、3H)。
MS(ESI+)m/z318.8[M+H]
【0236】
工程2:4-メチル-3-((4-メチルフェニル)スルホンアミド)安息香酸の調製
【0237】
【化69】
【0238】
メタノール(51mL)および水(17mL)中の4-メチル-3-((4-メチルフェニル(スルホンアミド)安息香酸塩(2.71g、8.5mmol)および水酸化ナトリウム(1.36g、34mmol、4当量)の混合物を7時間還流した。得られた混合物を減圧下で蒸発乾固し、反応混合物を水(100mL)で希釈し、濃塩酸でpH=2に酸性化し、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。組み合わせた有機層を水(100mL×2)および生理食塩水(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、固体が溶液中に沈殿し始めるまで濃縮した。得られた懸濁液を1時間静置し、固体を吸引濾過によって回収し、乾燥して淡黄色固体を得た(2.1g、収率81%)。
H NMR(400MHz、DMSO-d)δ12.89(br s、1H)、9.69(br s、1H)、7.66(dd、J=7.8、1.6Hz、1H)、7.63(d、J=1.5Hz、1H)、7.55(d、J=8.2Hz、2H)、7.36(d、J=8.1Hz、2H)、7.25(d、J=7.9Hz、1H)、2.36(s、3H)、2.05(s、3H)。
MS(ESI+)m/z305.8[M+H]
【0239】
工程3:4-メチル-3-((4-メチルフェニル)スルホンアミド)-N-((6-メチルピリジン-3-イル)メチル)ベンズアミドの調製
【0240】
【化70】
【0241】
DCM(10mL)中の4-(メチル-3-((4-メチルフェニル)スルホンアミド)安息香酸(0.153g、0.5mmol)、6-メチルピリジン-3-イルメチルアミン(0.080g、0.65mmol)、HATU(0.285g、0.75mmol)およびトリエチルアミン(0.152g、1.5mmol)の反応混合物を一晩撹拌した。水(50mL)を添加し、得られた混合物をDCM(30mL×3)で抽出した。組み合わせた有機層を水(30mL×2)および生理食塩水(30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣を分取薄層クロマトグラフィー(シリカゲル、DCM/MeOH=15:1)で精製し、黄色泡状固体(126mg、収率62%)を得た。
H NMR(400MHz、DMSO-d)δ9.63(s、1H)、8.97(t、J=5.9Hz、1H)、8.38(d、J=2.1Hz、1H)、7.64-7.55(m、3H)、7.55-7.49(m、2H)、7.33(d、J=8.0Hz、2H)、7.20(d、J=7.8Hz、2H)、4.40(d、J=5.8Hz、2H)、2.44(s、3H)、2.35(s、3H)、1.95(s、3H)。
【0242】
実施例34:N-((6-メトキシピリジン-3-イル)メチル)-4-メチル-3-((4-メチルフェニル)スルホンアミド)ベンズアミド
【0243】
【化71】
【0244】
実施例33の方法に従い4-メチル-3-((4-メチルフェニル)スルホンアミド)安息香酸および6-メトキシピリジン-3-イルメチルアミンから標題化合物を合成した。
H NMR(400MHz、DMSO-d)δ9.63(s、1H)、8.93(t、J=5.9Hz、1H)、8.10(d、J=2.1Hz、1H)、7.69-7.56(m、3H)、7.52(d、J=8.3Hz、2H)、7.33(d、J=8.0Hz、2H)、7.20(d、J=8.0Hz、1H)、6.79(dd、J=8.8、0.4Hz、1H)、4.36(d、J=5.8Hz、2H)、3.83(s、3H)、2.35(s、3H)、1.94(s、3H)。
【0245】
実施例35:4-メチル-3-((4-メチルフェニル)スルホンアミド)-N-((6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)メチル)ベンズアミド
【0246】
【化72】
【0247】
実施例34の方法に従い、4-メチル-3-((4-メチルフェニル(スルホンアミド)安息香酸および6-トリフルオロメチルピリジン-3-イルメチルアミンから標題化合物を合成した。
H NMR(400MHz、DMSO-d)δ9.65(s、1H)、9.11(t、J=5.8Hz、1H)、8.71(d、J=1.4Hz、1H)、7.97(dd、J=8.1、1.5Hz、1H)、7.88(d、J=8.1Hz、1H)、7.67-7.58(m、2H)、7.52(d、J=8.3Hz、2H)、7.33(d、J=8.1Hz、2H)、7.22(d、J=8.6Hz、1H)、4.55(d、J=5.8Hz、2H)、2.35(s、3H)、1.96(s、3H)。
【0248】
薬理活性の評価
実験例1:MTTアッセイを用いて腫瘍細胞の生存率を求めた。
【0249】
対数増殖期のDU145細胞(ヒト前立腺癌細胞)を0.25%トリプシン-EDTAで消化させて単一細胞懸濁液を調製し、これを96ウェルプレートに1500細胞/ウェル/100μLに従って一晩接種し、異なる濃度の試験対象化合物および対応する溶媒コントロールを含む新鮮な培地を添加し、100μL(DMSO最終濃度<0.1%)を各ウェルに加え、96ウェルプレートを37℃で72時間さらに培養した。5mg/mLのMTTを含有する新たに調製されたPBS溶液20μLを各ウェルに加え、96ウェルプレートをさらに4時間培養した。上清を廃棄した後、DMSO180μLを各ウェルに加え、MTTホルマザン沈殿物を溶解させた。96ウェルプレートをマイクロ発振器で振とう混合した後、検出波長570nmにおける光学濃度(OD)を測定した。対照群としてDMSO処理腫瘍細胞を用い、試験対象化合物の腫瘍細胞増殖阻害率を下記式から算出し、メジアン効果式に従ってIC50を算出した。
【0250】
阻害率(%)=(対照群の平均OD値-投与群の平均OD値)/対照群の平均OD値×100%
結果を表1に示す。実験結果は、実施例はすべてヒト前立腺癌DU145に対する抗増殖活性を示し、それらのIC50値はすべて10μM未満であることを示した。
【0251】
【表1】
【0252】
実験例2:ルシフェラーゼダブルレポーター遺伝子実験
ルシフェラーゼプラスミドSTAT3-TA-LucおよびpGMLR-TKを、リポフェクタミン3000によってDU145細胞に一時的に同時移入した。一晩放置した後、異なる濃度の試験対象化合物を添加し、24時間培養した。上清を廃棄し、残渣をPBSで2回洗浄した後、溶解溶液20μLを加えて振とうし、5分間溶解した。上清を96ウェルCostar白色プレートに移し、Dual-Gloルシフェラーゼ基質溶液70μLを添加し、ホタルルシフェラーゼの相対蛍光強度を検出し、その後、Stop-Glo基質溶液70μLを添加し、ウミシイタケ(sea kidney)ルシフェラーゼの相対蛍光強度を検出し、規格化値を求め、阻害率およびIC50値を算出した。
【0253】
結果を表2に示す。実験結果は、実施例1、6、9、12、13、17、20、23、30、33、34および35は、ヒト前立腺癌細胞DU145のSTAT3特異的ルシフェラーゼダブルレポーター遺伝子実験において明らかなSTAT3転写阻害活性を示すことを示した。
【0254】
【表2】
【0255】
実験例3:p-STAT3の発現をウエスタンブロッティングによって検出した。
異なる濃度の実施例12、23、33および34で16時間処理したDU145細胞および対照群のDU145細胞を回収し、予め冷却したPBSで2回洗浄した。適切な量のRIPA溶解物(50mM Tris-HCl、1mM EDTA、1% Triton X-100、150mM NaCl、0.1% SDS、1mM NaF、NaVO、プロテアーゼ阻害剤、pH7.4)を加えて氷上で1時間溶解した後、反応混合物を4℃、12,000rpmで20分間遠心分離し、次いで上清をタンパク質定量のために回収し、変性のために沸騰させた。10%SDS-PAGE電気泳動のために等量のタンパク質を採取した。p-STAT3(Tyr705)およびSTAT3の特異的抗体を一次抗体として使用し、これを4℃で一晩インキュベートした。対応するHRP標識二次抗体を使用し、室温で2時間インキュベートし、洗浄した。ECL化学発光基質反応溶液を添加し、ゲルイメージングシステム中で現像し、画像を保存した。β-アクチンを内部参照として用いた。
【0256】
結果を図1に示す。
実験例4:ヌードマウスにおける異種移植の有効性に関する研究
無菌条件下でヒト前立腺癌DU145の腫瘍細胞を採取し、滅菌生理食塩水で細胞密度を1×10細胞/mLに調整した後、その0.2mLをヌードマウスの腋窩に皮下接種した。腫瘍が直径1cmまで増殖すると、それを無菌条件下で取り出し、1mm×1mmのサイズの腫瘍ブロックに切断し、ヌードマウスの腋窩に皮下接種した。2週間後、腫瘍が100~300mmまで増殖した後、動物を無作為にグループ分けし、投与を開始した(0日目として記録)。試験対象化合物は経口投与される。動物を週2回秤量し、腫瘍の長さおよび幅をバーニヤキャリパー(vernier caliper)で測定した。実験後、ヌードマウスを移して殺処分し、腫瘍組織を剥離し、秤量し、写真撮影した。最後に腫瘍阻害率を算出し、腫瘍阻害率により抗腫瘍効果を評価した。結果を表3および表4ならびに図2および図3に示す。
【0257】
腫瘍体積は、以下の式:
腫瘍体積=(a×b)/2
に従って算出され、式中、aおよびbはそれぞれ腫瘍の長さおよび幅を表す。
【0258】
腫瘍増殖阻害率は、以下の式:
腫瘍増殖阻害(%)=(1-T/C)×100
に従って算出され、Tは被験対象化合物群の腫瘍体積であり、Cは溶媒対照群の腫瘍体積である。
【0259】
結果を表3および4ならびに図2および図3に示す。
【0260】
【表3】
【0261】
【表4】
【0262】
薬理活性の概要
すべての実施例はヒト前立腺癌DU145に対する抗増殖活性を示し、それらのIC50値はすべて10μMm未満であった。実施例1、6、9、12、13、17、20、23、30、33、34および35は、ヒト前立腺癌細胞DU145のSTAT3特異的ルシフェラーゼダブルレポーター遺伝子実験において明らかなSTAT3転写阻害活性を示した。実施例1は、1μM濃度でヒト前立腺癌DU145のSTAT3リン酸化に明らかな阻害活性を示し、実施例12および23は、0.5μM濃度でヒト前立腺癌DU145のSTAT3リン酸化に明らかな阻害活性を示し、実施例33および34は、0.1μM濃度でヒト前立腺癌DU145のSTAT3リン酸化に明らかな阻害活性を示した。中でも、実施例1、12および33は、ヌードマウスにおけるヒト前立腺癌DU145の皮下異種移植により形成される異種移植腫瘍の増殖に対して顕著な抑制効果を有する。
図1
図2
図3