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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-22
(45)【発行日】2022-08-01
(54)【発明の名称】可変直径の心臓弁封止スカート
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/24 20060101AFI20220725BHJP
【FI】
A61F2/24
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020546901
(86)(22)【出願日】2019-03-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-07-08
(86)【国際出願番号】 EP2019055501
(87)【国際公開番号】W WO2019170706
(87)【国際公開日】2019-09-12
【審査請求日】2020-09-18
(31)【優先権主張番号】62/640,254
(32)【優先日】2018-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513057809
【氏名又は名称】シメティス・ソシエテ・アノニム
【氏名又は名称原語表記】SYMETIS SA
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ドゥラロイ、ステファン
【審査官】細川 翔多
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-509891(JP,A)
【文献】国際公開第2014/140230(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0231761(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のフレーム支柱を含むフレームであって、中心管腔を画成するフレームと;
前記フレームの管腔外面に配置された外側スカートと
を含む、植込み可能な弁であって、
前記外側スカートはフラップを含み、前記フラップは、第1の端部及び第2の端部を含み、前記第1の端部は、前記フレームの前記管腔外面に固定されており、及び前記第2の端部は、前記フレームの前記管腔外面から離れるように自由に動くことができることによって、前記フラップは、該フラップが前記外側スカート又は前記フレームの管腔外面に当接する位置と、前記第2の端部が前記フレームの管腔外面から分離される位置との間で、前記管腔外面から離れ、及び管腔外面に向かうように移動し
前記外側スカートの少なくとも一部は前記フレームの管腔外面と前記フラップとの間に設けられる、植込み可能な弁。
【請求項2】
前記フラップは、前記フレームの周囲に延在する環状フラップである、請求項に記載の植込み可能な弁。
【請求項3】
さらに、前記中心管腔内に配置された少なくとも1枚の弁葉を含む、請求項1~2のいずれか1項に記載の植込み可能な弁。
【請求項4】
前記中心管腔の内径は、少なくとも15mm、及び40mm以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の植込み可能な弁。
【請求項5】
前記外側スカートは第2のフラップを含み、前記第2のフラップは、第1の端部及び第2の端部を含み、前記第1の端部は、前記フレームの前記管腔外面に接着されており、及び前記第2の端部は、前記フレームの前記管腔外面から離れるように自由に動くことができる、請求項1~4のいずれか1項に記載の植込み可能な弁。
【請求項6】
前記フラップ及び前記第2のフラップは、同じ方向に位置合わせされて、前記フラップの前記第1の端部及び前記第2のフラップの前記第1の端部が前記中心管腔の入口により近く、並びに前記フラップの前記第2の端部及び前記第2のフラップの前記第2の端部が前記中心管腔の出口により近くなるようにされている、請求項に記載の植込み可能な弁。
【請求項7】
前記外側スカートの一部分が、前記フレームの前記管腔外面と前記フラップとの間に配置されている、請求項1~6のいずれか1項に記載の植込み可能な弁。
【請求項8】
前記フラップの前記第1の端部は前記中心管腔の入口により近く、及び前記フラップの前記第2の端部は前記中心管腔の出口により近い、請求項1~7のいずれか1項に記載の植込み可能な弁。
【請求項9】
さらに、前記フレームの管腔内面に配置された内側スカートを含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の植込み可能な弁。
【請求項10】
中心管腔を画成するフレームを得る工程と、
前記フレームの管腔外面に外側スカートを形成する工程と、
前記外側スカートの外表面にスペーサを位置決めする工程と、
第1の端部及び第2の端部を含むフラップを形成する工程であって、前記第1の端部は、前記フレームの前記管腔外面に接着され、及び前記第2の端部は、前記フレームの前記管腔外面から離れるように自由に動くことができ、前記スペーサは、前記フラップの前記第2の端部と前記フレームの前記管腔外面との間に配置される、フラップを形成する工程と、前記スペーサを除去する工程と備える、植込み可能な弁の作製方法。
【請求項11】
記フレームの管腔内面に内側スカートを形成する工程さらに備える、請求項10のいずれか1項に記載の植込み可能な弁の作製方法。
【請求項12】
形成は、熱可塑性ポリマーを成形する工程を含む、請求項10~11のいずれか1項に記載の植込み可能な弁の作製方法。
【請求項13】
記外側スカートの外側部分に第2のスペーサを位置決めする工程と、
第1の端部及び第2の端部を含む第2のフラップを形成する工程であって、前記第1の端部は、前記フレームの前記管腔外面に接着され、及び前記第2の端部は、前記フレームの前記管腔外面から離れるように自由に動くことができ、前記スペーサは、前記フラップの前記第2の端部と前記フレームの前記管腔外面との間に配置される、第2のフラップを形成する工程と、前記第2のスペーサを除去する工程とさらに備える、請求項10~12のいずれか1項に記載の植込み可能な弁の作製方法。
【請求項14】
中心管腔を画成するフレームを得る工程と、
前記フレームの管腔外面にスペーサを位置決めする工程と、
外側スカート及びフラップを形成する工程であって、前記外側スカートは前記管腔外面に配置され、且つ前記フラップは、第1の端部及び第2の端部を含み、前記第1の端部は、前記管腔外面に接着され、及び前記第2の端部は、前記管腔外面から離れるように自由に動くことができ、前記スペーサは、前記フラップの前記第2の端部と前記管腔外面との間に配置される、外側スカート及びフラップを形成する工程と、前記スペーサを除去する工程と備える、植込み可能な弁の作製方法。
【請求項15】
記管腔外面に第2のスペーサを位置決めする工程と、
第1の端部及び第2の端部を含む第2のフラップを形成する工程であって、前記第1の端部は、前記管腔外面に接着され、及び前記第2の端部は、前記管腔外面から離れるように自由に動くことができ、前記第2のスペーサは、前記フラップの前記第2の端部と前記管腔外面との間に配置される、第2のフラップを形成する工程と、前記第2のスペーサを除去する工程とさらに備える、請求項14に記載の植込み可能な弁の作製方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、人工弁及び関連の方法に関する。
【背景技術】
【0002】
心臓弁が適切に機能しないと、心機能は著しく損なわれ得る。心臓弁の不具合の潜在的原因は、弁輪の拡張、心室拡張、及び弁尖の逸脱又は奇形を含む。心臓弁が適切に閉鎖できないと、心腔内の血液が逆流するか、又は弁を通って後方へ漏れる可能性がある。
【0003】
弁逆流は、大動脈弁などの問題のある弁を置換又は修復することによって治療され得る。外科的な弁置換術が、問題のある弁を治療するための1つの方法である。経カテーテル的な大動脈弁置換術(TAVR:transcatheter aortic valve replacement)などの治療の最小侵襲方法は、一般的に、問題のある弁を植込み可能な人工心臓弁で置換するために、動脈通路又は他の解剖学的経路を通って心臓まで送達される送達カテーテルの使用を伴う。そのような弁の弁葉は、合成材料及び動物の組織を含む、様々な材料から形成されてきている。弁は、通常、一方向の流れを可能にし、且つ反対方向の流れを防止するように設計されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
互いに反対方向に作用する収縮期圧及び拡張期圧のために、血液は、両方向に流れようとする。それゆえ、弁は、血液が所望の方向とは逆に流れるのを防止するように、特に注意して設計され得る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様では、植込み可能な弁が含まれる。植込み可能な弁は、フレーム及び外側スカートを含み得る。フレームは、複数のフレーム支柱を含み得る。フレームは、中心管腔を画成し得る。外側スカートは、フレームの管腔外面(abluminal surface)に配置され得る。外側スカートはフラップを含み得る。フラップは、第1の端部及び第2の端部を含み得る。第1の端部は、フレームの管腔外面に固定されることができ、及び第2の端部は、フレームの管腔外面から離れるように自由に動くことができる。
【0006】
第2の態様では、前述若しくは以下の態様の1つ以上に加えて、又はいくつかの態様の代替例において、フラップは、フレームの周囲に延在する環状フラップとし得る。
第3の態様では、前述若しくは以下の態様の1つ以上に加えて、又はいくつかの態様の代替例において、植込み可能な弁は、さらに、中心管腔内に配置された少なくとも1枚の弁葉を含み得る。
【0007】
第4の態様では、前述若しくは以下の態様の1つ以上に加えて、又はいくつかの態様の代替例において、弁葉の一部分の厚さは、フラップよりも厚いとし得る。
第5の態様では、前述若しくは以下の態様の1つ以上に加えて、又はいくつかの態様の代替例において、弁葉は、外側スカート及びフラップと同じポリマーを含み得る。
【0008】
第6の態様では、前述若しくは以下の態様の1つ以上に加えて、又はいくつかの態様の代替例において、中心管腔の内径は、少なくとも15mm、及び40mm以下とし得る。
第7の態様では、前述若しくは以下の態様の1つ以上に加えて、又はいくつかの態様の代替例において、外側スカートは第2のフラップを含み得る。第2のフラップは、第1の端部及び第2の端部を含み得る。第1の端部は、フレームの管腔外面に接着されることができ、及び第2の端部は、フレームの管腔外面から離れるように自由に動くことができる。
【0009】
第8の態様では、前述若しくは以下の態様の1つ以上に加えて、又はいくつかの態様の代替例において、フラップ及び第2のフラップは同じ方向に位置合わせされ得、フラップの第1の端部及び第2のフラップの第1の端部は、中心管腔の入口により近くでき、並びにフラップの第2の端部及び第2のフラップの第2の端部は、中心管腔の出口により近くできるようにする。
【0010】
第9の態様では、前述若しくは以下の態様の1つ以上に加えて、又はいくつかの態様の代替例において、外側スカートの一部分は、フレームの管腔外面とフラップとの間に配置され得る。
【0011】
第10の態様では、前述若しくは以下の態様の1つ以上に加えて、又はいくつかの態様の代替例において、外側スカートは熱可塑性ポリマーを含み得る。
第11の態様では、前述若しくは以下の態様の1つ以上に加えて、又はいくつかの態様の代替例において、フラップの第1の端部は中心管腔の入口により近くでき、及びフラップの第2の端部は中心管腔の出口により近くできる。
【0012】
第12の態様では、前述若しくは以下の態様の1つ以上に加えて、又はいくつかの態様の代替例において、植込み可能な弁は、さらに、フレームの管腔内面(luminal surface)に配置された内側スカートを含み得る。
【0013】
第13の態様では、前述若しくは以下の態様の1つ以上に加えて、又はいくつかの態様の代替例において、フラップの第2の端部は管腔外面から外され得る。
第14の態様では、前述若しくは以下の態様の1つ以上に加えて、又はいくつかの態様の代替例において、植込み可能な弁の作製方法が含まれる。方法は、中心管腔を画成するフレームを得ることを含み得る。方法は、フレームの管腔外面に外側スカートを形成することを含み得る。方法は、外側スカートの外表面にスペーサを位置決めすることを含み得る。方法は、フラップを形成することを含み得る。フラップは、第1の端部及び第2の端部を含み得る。第1の端部は、フレームの管腔外面に接着されることができ、及び第2の端部は、フレームの管腔外面から離れるように自由に動くことができる。スペーサは、フラップの第2の端部とフレームの管腔外面との間に配置され得る。方法はまた、スペーサを除去することを含み得る。
【0014】
第15の態様では、前述若しくは以下の態様の1つ以上に加えて、又はいくつかの態様の代替例において、植込み可能な弁の作製方法は、フレームの管腔内面に内側スカートを形成することを含み得る。
【0015】
第16の態様では、前述若しくは以下の態様の1つ以上に加えて、又はいくつかの態様の代替例において、形成は、熱可塑性ポリマーを成形することを含み得る。
第17の態様では、前述若しくは以下の態様の1つ以上に加えて、又はいくつかの態様の代替例において、スペーサは、長方形の条片とし得る。
【0016】
第18の態様では、前述若しくは以下の態様の1つ以上に加えて、又はいくつかの態様の代替例において、植込み可能な弁の作製方法は、外側スカートの外側部分に第2のスペーサを位置決めすることを含み得る。方法は、第2のフラップを形成することを含み得る。第2のフラップは、第1の端部及び第2の端部を含み得る。第1の端部は、フレームの管腔外面に接着されることができ、及び第2の端部は、フレームの管腔外面から離れるように自由に動くことができる。スペーサは、フラップの第2の端部とフレームの管腔外面との間に配置され得る。方法は、さらに、第2のスペーサを除去することを含み得る。
【0017】
第19の態様では、前述若しくは以下の態様の1つ以上に加えて、又はいくつかの態様の代替例において、植込み可能な弁の作製方法が含まれる。方法は、中心管腔を画成するフレームを得ることを含み得る。方法は、フレームの管腔外面にスペーサを位置決めすることを含み得る。方法は、外側スカート及びフラップを形成することを含み得る。外側スカートは管腔外面に配置され得る。フラップは、第1の端部及び第2の端部を含み得る。第1の端部は、管腔外面に接着されることができ、及び第2の端部は、管腔外面から離れるように自由に動くことができる。スペーサは、フラップの第2の端部と管腔外面との間に配置され得る。方法は、スペーサを除去することを含み得る。
【0018】
第20の態様では、前述若しくは以下の態様の1つ以上に加えて、又はいくつかの態様の代替例において、請求項に記載の植込み可能な弁の作製方法は、さらに、管腔外面に第2のスペーサを位置決めすることを含み得る。方法は、第1の端部及び第2の端部を含む第2のフラップを形成することを含み得る。第1の端部は、管腔外面に接着されることができ、及び第2の端部は、管腔外面から離れるように自由に動くことができる。第2のスペーサは、フラップの第2の端部と管腔外面との間に配置され得る。方法は、第2のスペーサを除去することを含み得る。
【0019】
この概要は、本出願の教示のいくつかの要旨であり、本主題の排他的又は徹底的な表現方法を意図するものではない。さらなる詳細が、詳細な説明及び添付の特許請求の範囲で見出される。他の態様は、以下の詳細な説明を読んで理解し、且つその一部をなす図面を見ると、当業者に明らかであり、それらそれぞれは、限定ととられるべきではない。本出願の範囲は、添付の特許請求の範囲及びそれらの法的な等価物によって定義される。
【0020】
本技術は、以下の図面に関連して、より完全に理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】様々な実施形態による、使用され得る環境の一部内で、閉鎖状態にある弁の概略的な斜視図である。
図2】様々な実施形態による、使用され得る環境の一部内で、閉鎖状態にある弁の概略的な端面図である。
図3】様々な実施形態による、植込み可能な弁の概略図である。
図4】様々な実施形態による、植込み可能な弁の一部分の概略的な断面図である。
図5】様々な実施形態による、植込み可能な弁の作製方法を示すフローチャートである。
図6】様々な実施形態による、植込み可能な弁の一部分の概略的な断面図である。
図7】様々な実施形態による、植込み可能な弁の一部分の概略的な断面図である。
図8】様々な実施形態による、植込み可能な弁の一部分の概略的な断面図である。
図9】様々な実施形態による、植込み可能な弁の作製方法を示すフローチャートである。
図10】様々な実施形態による、植込み可能な弁の一部分の概略的な断面図である。
図11】様々な実施形態による、植込み可能な弁の一部分の概略的な断面図である。
図12】様々な実施形態による、植込み可能な弁の一部分の概略的な断面図である。
図13】様々な実施形態による、植込み可能な弁の一部分の概略的な断面図である。
図14】様々な実施形態による、スペーサの図である。
図15】様々な実施形態による、スペーサの図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本技術は、様々な修正例及び代替形態の影響を受けやすいが、その詳細が、例として図面に示されており、且つ詳細に説明される。しかしながら、本出願は、説明される特定の実施形態に限定されないことが理解されるべきである。それどころか、本出願は、本技術の趣旨及び範囲に入る修正例、等価物、及び代替例を網羅することを意図する。
【0023】
人体には4つの心臓弁がある:肺動脈弁、三尖弁、大動脈弁及び僧帽弁。これら心臓弁の目的は、血液が、心臓を通って、心臓から、心臓につながっている大血管、例えば大動脈及び肺動脈へと特定の方向に流れることができるようにすることである。人体の弁の代わりとなるように設計された人工弁は、いずれも2枚以上の弁葉(一般的には3枚)を含むことが多く、これら弁葉は、フレームに取り付けられている。人工弁は、例えば弁を開放するように弁葉を互いに引き離すか、又は弁を閉鎖するように弁葉を結合(弁葉接合)することによって、弁を通って一方向に流れることができるように構成され得る。
【0024】
多くのシナリオでは、人工弁は、例えば収縮期圧下、一方向に弁を通って流れることができるようにし、且つ例えば拡張期圧下、反対方向に流れるのを防止するように構成されている。弁の性能は、血管内での弁の適合具合に大きく依存し得る。可変直径封止スカート及び関連の方法の様々な実施形態が、本明細書に開示されている。
【0025】
いくつかの実施形態では、封止スカート又はフラップは、弁フレームの管腔外面に少なくとも部分的に固定され得る。封止スカートは、弁と、それが置かれる血管とのサイズの差に一致するように、可変直径を有し得る。可変直径はまた、弁が血管の形状に一致できるようにする。スカートは、拡張期圧下の流れなどが、望まれない方向に流れるのを防止するように構成され得る。拡張期圧下では、血流は、収縮期圧下の流れに対して、逆方向とし得る。封止スカートは、空洞又はポケットを画成するために、弁フレームの管腔外面から分離し得る自由縁を有するフラップを含み得る。空洞又はポケットは、意図しない方向に流れようとする流体を遮断できる。フラップは、フレームの管腔外面と周りの血管との間にシールをもたらし、それにより、逆流を防止し得る。
【0026】
図1は、様々な実施形態による、血管114内にある、閉鎖状態にある弁100の概略図を示す。図2は、閉鎖状態にある弁100の端面図を示す。弁100は任意のタイプの心臓弁(例えば、僧帽弁、大動脈弁など)とし得ることが理解されるべきである。使用中、弁100は、哺乳類の心臓に植込まれ得る(例えば、外科的に又は経カテーテル的な(transcatheter)送達によって)。
【0027】
弁100は、例えば矢印112で示すように、弁100を通って一方向に流れることができるように構成され得る。ある実施形態では、矢印112は、例えば弁100が大動脈弁であるときの、収縮期圧中の血流を表す。他の実施形態では、矢印は、例えば弁100が僧帽弁であるときの、拡張期圧中の血流を表す。フレーム102の管腔外面と血管114との間の、矢印112とは反対の流れは、本明細書で開示される様々な実施形態によって妨げられ得る。弁100は、入口136及び出口138を含み得る。入口136は、収縮期圧によって生じた流れの最中に血液が弁100に入る、弁100の上流部分を指し得る。出口138は、収縮期圧によって生じた流れの最中に血液が弁100から出る、弁100の下流部分とし得る。
【0028】
弁100は、いくつかの実施形態では実質的にシリンダー状とし得る中心管腔216(図2参照)を画成するフレーム102を含み得る。中心管腔216に対面する、フレーム102及び他の構成要素の側面は、管腔内面230又は管腔内側面と称し得る。フレーム102及び他の構成要素の対向する側面(例えば、中心管腔216から見て外方に向く)は、管腔外面232又は管腔外側面と称し得る。様々な実施形態では、フレーム102は、実質的に円形の断面を有し得る。他の実施形態では、フレーム102は、非円形の、例えばD字形状の断面を有し得る。いくつかの実施形態では、非円形フレーム102は、僧帽弁又は体内の別の非円形の弁を修復するために使用され得る。フレーム102は、少なくともそのいくつかの構成要素を含め、限定されるものではないが、金属及び金属合金、例えば耐食金属及び金属合金、複合材、セラミック、ポリマーなどを含む、様々な材料で形成され得る。いくつかの実施形態では、フレーム102は、少なくとも部分的にニチノール(nitinol)で形成され得る。
【0029】
弁100は、中心管腔216内に配置される複数の弁葉104を含み得る。各弁葉104は、フレーム102に結合されたそれぞれの根元縁106と、他のポリマー弁葉104の接合縁108と接合領域110に沿って端から端まで接合するように根元縁106に対して可動であるそれぞれの自由縁すなわち接合縁108とを含み得る。いくつかの実施形態では、複数の弁葉104は、互いに一体的に形成され得、弁葉104が単一ユニットとして形成されるようにする。いくつかの実施形態では、「根元縁」は、弁葉104がフレーム102に形成されるときなどに形成された縁とし得る。しかしながら、他の実施形態では、弁葉104は、例えば一体式スカート、ベース構造、ライナー、弁葉などの他の構造と一体的に形成され得るため、そういった状況では、「根元縁」は実際の切れ目又は他の方法で分割された縁ではなく、むしろ、弁葉がそれらの他の構造と一体的に接触する、接合縁に対向する箇所である。
【0030】
弁葉104の接合縁108が互いに接合して閉鎖状態の位置(図1及び図2)になって、閉鎖状態の位置にある弁100を通過して流体が流れるのを実質的に制限する。弁葉104は、弁100の中心管腔216を塞ぐ又は閉鎖するように接合し得、それにより、矢印112とは反対の流体の流れを妨げる。
【0031】
図3は、様々な実施形態による、植込み可能な弁300の図を示す。弁300は:フレーム302、1つ以上の弁葉304、内側スカート318、及び外側スカート320のうちの1つ以上を含み得る。フレーム302は、複数のフレーム支柱322を含み得る。フレーム302は中心管腔216を画成し得る。弁葉304は接合縁を含み得る。弁葉304はフレーム302に結合され得る。
【0032】
様々な実施形態では、植込み可能な弁300は、内側スカート318を含み得る。内側スカート318は、フレーム302の管腔内面230に配置され得る。フレーム302の管腔内面230は、中心管腔216を画成するフレーム302の面とし得る。内側スカート318は、血液が弁300を通って流れるように方向付け得る。内側スカート318は、例えば、弁が大動脈弁として構成されているとき、拡張期圧の間の閉鎖した形状では、血液が弁300の中心管腔216を通って流れ、且つ弁葉304の周りには流れないようにすることを保証し得る。
【0033】
様々な実施形態では、植込み可能な弁300は、外側スカート320を含み得る。外側スカート320は、フレーム302の管腔外面232に配置され得る。フレーム302の管腔外面232は、中心管腔216の外側にある、フレーム302の面とし得る。外側スカート320は、図1及び図2に示すように、弁が植込まれるとき、フレーム302と血管壁との間に配置され得、血液が弁300の周りに流れるのを防止する。外側スカート320は、血液が弁300を通って流れ、且つ弁300の周りには流れないようにすることを保証して、例えば拡張期圧の間、閉鎖状態の位置にある弁葉304が血流を確実に止めるようにし得る。
【0034】
様々な実施形態では、外側スカート320はフラップ324を含み得る。フラップ324は、第1の端部326及び第2の端部328を含み得る。第1の端部326は、フレーム302の管腔外面232に直接又は間接的に固定され得る、取り付けられ得る、又は結合され得る。第2の端部328は、フレーム302の管腔外面232から離れるように自由に動くことができる。いくつかの実施形態では、第2の端部328は、管腔外面232にくっついていないか又はそこから外されているため、第2の端部328は、管腔外面232から離れるように、又はそちらの方へ向かって、自由に動くことができる。いくつかの実施形態では、フラップ324は環状フラップとし得、フラップ324がフレーム302の周囲に延在するようにする。いくつかの実施形態では、第2の端部328は、フレーム302の周囲の1つの場所で又は2つ以上の離散した場所でフレーム302の管腔外面232に取り付けられ得るので、第2の端部328の複数の部分は、管腔外面232から離れるように自由に動ける状態のままにする一方で、他の部分はそこに取り付けられて、複数のポケットを形成する。
【0035】
いくつかの実施形態では、弁葉304は、熱可塑性ポリマーを含む材料で形成され得る。いくつかの実施形態では、内側スカート318は、熱可塑性ポリマーを含む材料で形成され得る。いくつかの実施形態では、外側スカート320及び/又はフラップ324は、熱可塑性ポリマーを含む材料で形成され得る。いくつかの実施形態では、弁葉304、内側スカート318、外側スカート320及びフラップ324のうちの1つ以上は、同じ熱可塑性ポリマーを含む同じ材料で形成され得る。いくつかの実施形態では、熱可塑性ポリマーはポリウレタンを含み得る。いくつかの実施形態では、弁葉304、内側スカート318、外側スカート320及び/又はフラップ324のうちの1つ以上は、生物由来材料、例えばウシ心膜、ウマ心膜、又はブタ心膜で形成され得る。
【0036】
フラップ324の第2の端部328は、管腔外面232から離れるように曲がって、ポケット又は空洞434を形成し得る。空洞434は、拡張期圧の期間中の流れなど、意図しない方向に流れる血液を捕らえる又は遮断するように構成され得る。空洞434は、図4に示す概略的な断面図に示され得る(図4並びに本明細書のいくつかの他の図面は、いくつかの態様を、説明を簡単にし且つ明確にするために、単純化して概略的に示していることが理解される)。空洞の開口部は、弁の出口端部の方に対面し得る。いくつかの実施形態では、フラップ324の第1の端部326は、フラップ324の第2の端部328よりも、弁300の入口436の近くに配置され得る。同様に、フラップ324の第2の端部328は、フラップ324の第1の端部326よりも、出口438の近くに配置され得る。
【0037】
いくつかの実施形態では、図4に示すように、外側スカート320の一部分446が、管腔外面232とフラップ324との間に配置され得る。他の実施形態では、図12に示すように、外側スカート320のどの部分も、管腔外面232とフラップ324との間に配置されない。
【0038】
いくつかの実施形態では、弁葉304の少なくとも一部分の厚さは、フラップ324の厚さよりも厚い。いくつかの実施形態では、弁葉304の厚さは、フラップ324の厚さ以上である。
【0039】
様々な実施形態では、中心管腔216の内径440は、少なくとも10mm、及び50mm以下とし得る。様々な実施形態では、中心管腔216の内径440は、少なくとも15mm、及び40mm以下とし得る。様々な実施形態では、中心管腔216の内径440は、少なくとも20mm、及び35mm以下とし得る。
【0040】
いくつかの実施形態では、フラップの内径442、例えばフラップ324の内側部分、又は空洞434の直径は、内径440のサイズの少なくとも105%、及び内径440のサイズの130%以下とし得る。いくつかの実施形態では、フラップ324の外径は、内径440のサイズの少なくとも110%、及び内径440のサイズの125%以下とし得る。いくつかの実施形態では、フラップ324の外径は、内径440のサイズの少なくとも110%、及び内径440のサイズの120%以下とし得る。
【0041】
いくつかの実施形態では、フラップ324の高さ444は、内径440のサイズの少なくとも5%、及び内径440のサイズの50%以下とし得る。いくつかの実施形態では、フラップ324の高さ444は、内径440のサイズの少なくとも10%、及び内径440のサイズの40%以下とし得る。いくつかの実施形態では、フラップ324の高さ444は、内径440のサイズの少なくとも10%、及び内径440のサイズの30%以下とし得る。
【0042】
図5は、ある実施形態による、植込み可能な弁の作製方法548を示すフローチャートを示す。方法548は、フレームを得ること550を含み得る。上述の通り、フレーム302は中心管腔216を画成し得る。
【0043】
方法548は、フレームに外側スカートを形成すること552を含み得る。図6に示すように、外側スカートは、フレームの管腔外面に形成され得る。方法はまた、フレームの管腔内面に内側スカートを形成することを含み得る。いくつかの実施形態では、形成は、ポリマーを適所に堆積する、成形する、又は他の方法で置くことを含み得る。図6は、フレームに内側スカート318を形成する前、形成した後、又はその形成と同時に552、フレームに外側スカートを形成すること552によって生じる、外側スカート320が管腔外面232に配置され且つ内側スカート318がフレーム302の管腔内面230に配置されている状態の、フレーム302の断面を示す。
【0044】
いくつかの実施形態では、方法548は、さらに、スペーサを位置決めすること、例えば外側スカート320にスペーサを位置決めすること554を含み得る。外側スカート320に配置されたスペーサ760の断面の実施形態は、図7に示されている。スペーサ760は、フラップを形成する間、又は製造プロセスの間のみなど、一時的に外側スカート320に配置され得る。スペーサは、フラップと、管腔外面232又は外側スカート320の一部分との間に間隙を画成するすなわちそれらを分離するように構成され得る。
【0045】
様々な実施形態では、方法548はまた、フラップを形成すること556を含み得る。フラップは、第1の端部及び第2の端部を含み得る。第1の端部は、フレームの管腔外面に接着されることができ、及び第2の端部は、管腔外面から離れるように自由に動くことができる。スペーサ760は、図8に示すように、フラップ324の第2の端部328と管腔外面232との間に配置され得る。図8は、スペーサ760がフラップ324と外側スカート320の一部分との間に配置された状態の、フレーム302の断面を示す。いくつかの実施形態では、フラップを形成すること556は、熱可塑性ポリマーを堆積又は成形することを含み得る。いくつかの実施形態では、フラップ556は、外側スカート320又はその複数の部分と一緒に、一体的に成形され得る。
【0046】
様々な実施形態では、方法548はまた、スペーサ760を除去することを含み得る。いくつかの実施形態では、スペーサ760は、フラップを形成するために使用されるポリマー材料に接着しないか又はそれから簡単に分離される材料で形成され得る。いくつかの実施形態では、スペーサ760は、PTFE(すなわち、ポリテトラフルオロエチレン)、ポリシロキサン、ポリエチレン、又はポリプロピレンで形成され得る。スペーサ760を除去することによって、図4に示すように、フラップ324とフレーム302の管腔外面232との間に空洞を画成し得るすなわちそれらを分離し得る。
【0047】
いくつかの実施形態では、方法548は、さらに、例えば外側スカートに、第2のスペーサを位置決めすることを含み得る。方法962は、第1の端部及び第2の端部を含む第2のフラップを形成することを含み得る。第1の端部は、管腔外面又は外側スカートに接着されることができ、及び第2の端部は、管腔外面から離れるように自由に動くことができる。第2のスペーサは、フラップの第2の端部と外側スカートとの間に配置され得る。方法548はまた、第2のスペーサを除去することを含み得る。
【0048】
図9は、様々な実施形態による、植込み可能な弁の作製方法962を示すフローチャートを示す。方法962は、フレームを得ること964を含み得る。上述の通り、フレーム302は中心管腔216を画成し得る。
【0049】
いくつかの実施形態では、方法962は、さらに、スペーサを位置決めすること966、例えばフレーム302の管腔外面232にスペーサ760を位置決めすることを含み得る。フレーム302の管腔外面232に配置されたスペーサ760の断面の実施形態は、図10に示されている。スペーサ760は、フラップを形成する間、又は製造プロセスの間のみなど、一時的に管腔外面232に配置され得る。スペーサ760は、フラップと管腔外面232との間に間隙を画成するすなわちそれらを分離するように構成され得る。
【0050】
様々な実施形態では、方法962は、外側スカート及びフラップを形成すること968を含み得る。外側スカートは、図11に示すように、フレームの管腔外面に形成され得る。方法はまた、フレームの管腔内面に内側スカートを形成することを含み得る。いくつかの実施形態では、形成は、熱可塑性ポリマーを堆積又は成形することを含み得る。図11は、外側スカート320が管腔外面232に配置され、且つフラップ324がスペーサ760に配置されている状態の、フレーム302の断面を示す。図11は、さらに、フレーム302の管腔内面230に配置された内側スカート318を示す。
【0051】
上述の通り、フラップは、第1の端部及び第2の端部を含み得る。第1の端部は、フレームの管腔外面に接着されることができ、及び第2の端部は、管腔外面から離れるように自由に動くことができる。スペーサ760は、フラップ324の第2の端部328と管腔外面232との間に配置され得る。いくつかの実施形態では、外側スカート及びフラップを形成すること968は、熱可塑性ポリマーを堆積又は成形することを含み得る。
【0052】
様々な実施形態では、方法962はまた、スペーサを除去すること970を含み得る。スペーサを除去すること970によって、図12に示すように、フラップ324とフレーム302の管腔外面232との間に空洞を画成し得る。
【0053】
いくつかの実施形態では、方法962は、さらに、管腔外面に第2のスペーサを位置決めすることを含み得る。方法962は、第1の端部及び第2の端部を含む第2のフラップを形成することを含み得る。第1の端部は、管腔外面に接着されることができ、及び第2の端部は、管腔外面から離れるように自由に動くことができる。第2のスペーサは、フラップの第2の端部と管腔外面との間に配置され得る。方法962はまた、第2のスペーサを除去することを含み得る。
【0054】
いくつかの実施形態では、外側スカート320は第2のフラップ1324を含み得る。図13は、様々な実施形態による、第2のフラップ1324を備える植込み可能な弁300の一部分の断面図を示す。第2のフラップ1324は、第1の端部1326及び第2の端部1328を含み得る。フラップ324と同様に、第1の端部1326は、フレーム302の管腔外面232に接着又は固定され得、及び第2の端部1328は、フレーム302の管腔外面232から離れるように自由に動くことができる。
【0055】
フラップ324及び第2のフラップ1324は、同じ方向に位置合わせされ得、フラップ324の第1の端部326及び第2のフラップ1324の第1の端部1326が、中心管腔216の入口336により近く、並びにフラップ324の第2の端部328及び第2のフラップ1324の第2の端部1328が、中心管腔216の出口338により近くなるようにされている。フラップ324に関する全ての説明は、第2のフラップ1324にも適用可能であることを理解すべきである。同様に、第2のスペーサは、第2のフラップ1324を画成するために、図5~12で説明した方法において使用され得る。
【0056】
図14及び図15は、様々な実施形態によるスペーサを示す。いくつかの実施形態では、スペーサ1460は、図14に示すような、長方形の条片とし得る。長方形の条片は、長方形の断面を有し得る。いくつかの実施形態では、スペーサ1560は、図15に示すような、楔とし得る。楔は、例えば空洞又はポケットを形成するために、一方の端部の厚さが他方の端部よりも厚いとし得る。
ポリマー
多くの異なるポリマーが、本明細書の構成要素、例えば、弁葉、内側スカート、外側スカート、1つ又は複数のフラップなどを形成するために使用され得る。いくつかの実施形態では、例示的なポリマーは合成ポリマーである。しかしながら、いくつかの実施形態では、非合成ポリマーも使用され得る。いくつかの実施形態では、ポリマーは、流動性及び/又は成形用の組成物として出発し得る。いくつかの実施形態では、流動性状態は、ポリマーをその溶融温度超の温度に加熱することによって、達成され得る。ポリマー組成物が適所に置かれた後、冷却及び/又は凝固できるようにされ得る。いくつかの例では、ポリマーは熱可塑性ポリマーとし得る。いくつかの実施形態では、流動性状態は、行われ得る後の架橋、硬化、溶媒蒸発及び/又は重合ステップの前に、存在し得る。いくつかの例では、ポリマーは、最終形態において熱硬化性ポリマーとし得る。
【0057】
いくつかの実施形態では、本明細書のポリマーは、ポリ(エチレンオキシド)、ポリエチレン、ポリエステル、ポリイソブチレンポリウレタン(PIBU)、ポリ(スチレン-ブロック-イソブチレン-ブロック-スチレン(SIBS)、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリイソブチレン(PIB)、ポリ(スチレン)ポリウレタン、ポリフッ化ビニリデン(polyvinylidene difluoride)、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリエチレングリコール、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフェノール、ポリアセチレン、ポリフェニレン、ポリアクリロニトリル、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリグリコリド、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、酢酸セルロース、キトサン、タンパク質、炭水化物、及びこれらのうちの1種以上を含むコポリマーからなる群から選択された、1種以上のポリマーを含み得る。いくつかの実施形態では、弁の異なる部分は、異なるポリマー又はポリマー合金で形成され得るが、他の実施形態では、同じポリマー又はポリマー合金が使用され得る。
【0058】
本明細書で説明した本技術の実施形態は、網羅的であることも、又は本技術を以下の詳細な説明に開示された正確な形態に限定することも意図していない。むしろ、実施形態は、当業者が本技術の原理及び実施を認識及び理解し得るように、選択及び説明される。
【0059】
本明細書で言及した全ての刊行物及び特許は、参照により本書に援用される。本明細書で開示した刊行物及び特許は、それらの開示のためにのみ提供されている。本明細書では、本明細書で引用したいずれの刊行物及び/又は特許も含め、いずれの刊行物及び/又は特許よりも先だって本発明人らが権利を有しないことの承認とみなされるものではない。
【0060】
本明細書及び添付の特許請求の範囲では、文脈上明白に他の意味を指示する場合を除いて、単数形「a」、「an」、及び「the」は複数形を含むことに留意するべきである。それゆえ、例えば、「化合物」を含む組成物への言及は、2種以上の化合物の混合物を含む。文脈上明白に他の意味を指示する場合を除いて、用語「又は」は、文脈上明白に他の意味を指示する場合を除いて、一般的に、「及び/又は」を含む意味で用いられることにも留意するべきである。
【0061】
本明細書及び添付の特許請求の範囲では、語句「構成された」は、特定のタスクを実施する又は特定の構成をとるように構造又は構成されるシステム、装置、又は他の構造を説明することにも留意するべきである。語句「構成された」は、例えば、配置され且つ構成された、構造され且つ配置された、構造され、製造され、且つ配置されたなどの他の同様の語句と交換可能に使用され得る。
【0062】
本明細書中での全ての刊行物及び特許出願は、本技術に関する当業者のレベルを示す。全ての刊行物及び特許出願は、まるでそれぞれの個々の刊行物及び特許出願が参照により具体的且つ個別に援用されたのと同程度で、参照により本書に援用される。
【0063】
本技術は、様々な具体的且つ好ましい実施形態及び技術を参照して説明された。しかしながら、多くの変形及び修正は、本技術の趣旨及び範囲内に留まりながら、なされ得ることが理解されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15