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特許7110382生物学的生成物保管バッグを凍結、保管、輸送、及び解凍するためのキャリア
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-22
(45)【発行日】2022-08-01
(54)【発明の名称】生物学的生成物保管バッグを凍結、保管、輸送、及び解凍するためのキャリア
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/00 20060101AFI20220725BHJP
   A61J 1/00 20060101ALI20220725BHJP
   A01N 1/02 20060101ALI20220725BHJP
【FI】
B65D81/00
A61J1/00 430
A01N1/02
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020552319
(86)(22)【出願日】2018-03-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-02
(86)【国際出願番号】 US2018025272
(87)【国際公開番号】W WO2019190535
(87)【国際公開日】2019-10-03
【審査請求日】2020-11-13
(73)【特許権者】
【識別番号】391028362
【氏名又は名称】ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエイツ,インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】W.L. GORE & ASSOCIATES, INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100093665
【弁理士】
【氏名又は名称】蛯谷 厚志
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【弁理士】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(72)【発明者】
【氏名】ジョーセフ ティー.アルフォード
(72)【発明者】
【氏名】ローレン マイリック
【審査官】中島 芳人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0101974(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0209960(US,A1)
【文献】特開2015-224211(JP,A)
【文献】特開2014-178106(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01N
A61J 1/00
B65D
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース及び蓋を含んでなる、流体用保管バッグのためのキャリアであって、
該ベース及び該蓋のそれぞれが、該流体用保管バッグの縁部の応力を低減するために該流体用保管バッグの周囲領域に接触するように形成された2以上の支持体を含み、
該ベース及び該蓋が、該キャリアの閉鎖形態において、該蓋と該ベースとの間の距離が調節可能であるように構成されていることにより、該閉鎖形態において該流体用保管バッグと該ベース及び該蓋との最大限の接触を可能にしており、さらに
前記ベースと前記蓋との間の距離が、前記閉鎖形態において接触位置と浮遊位置との間で適合可能であり、前記接触位置では、前記蓋の周縁領域が前記ベースの周縁領域に接触し、かつ、前記浮遊位置では、前記蓋の周縁領域が前記ベースの周縁領域から離隔している
流体用保管バッグのためのキャリア。
【請求項2】
前記ベースの前記周縁領域又は前記蓋の前記周縁領域のうちの一方がトラフを含み、かつ、前記ベースの前記周縁領域又は前記蓋の周縁領域のうちの他方が、前記接触位置において前記トラフ内に位置する、請求項に記載のキャリア。
【請求項3】
各支持体がスロープを含む接触面を含み、前記接触面が前記流体用保管バッグの周囲領域に接触するように形成されている、請求項1に記載のキャリア。
【請求項4】
各接触面のプロフィールがアーチ状である、請求項3に記載のキャリア。
【請求項5】
前記ベースの隣接する支持体同士が、前記流体用保管バッグの周囲領域の一部が前記支持体に接触しないように、空隙によって離隔されている、請求項1に記載のキャリア。
【請求項6】
(a)前記ベース、(b)前記蓋又は(c)前記ベースと前記蓋がさらに、閉鎖形態で前記キャリア内部に流体用保管バッグの1以上のチューブを含有するように形成されたチャネルを含む、請求項1に記載のキャリア。
【請求項7】
前記ベースがさらにベースチューブガイド部分を含み、かつ、前記蓋がさらに蓋チューブガイド部分を含み、前記ベースチューブガイド部分と前記蓋チューブガイド部分とが一緒になって、前記キャリアの閉鎖形態においてチューブの運動を制限するためのチューブガイドを画定する、請求項1に記載のキャリア。
【請求項8】
前記ベースチューブガイド部分の形状が前記蓋チューブガイド部分の形状に対して相補的である、請求項に記載のキャリア。
【請求項9】
前記蓋ガイド部分及び前記ベースガイド部分がそれぞれ少なくとも1つの凸部と少なくとも1つの凹部とを含む、請求項に記載のキャリア。
【請求項10】
前記ベース及び前記蓋がそれぞれ高密度ポリエチレンを含む、請求項1に記載のキャリア。
【請求項11】
前記ベースを前記蓋に結合するための調節可能な結合部材を受容するための2以上のアパーチャをさらに含む、請求項1に記載のキャリア。
【請求項12】
前記調節可能な結合部材が、調節可能なタイ部材、ジップタイ、ワイヤ、Oリング、又は調節可能なクランプを含む、請求項11に記載のキャリア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、可撓性容器のためのキャリア、具体的には生物学的生成物保管バッグを凍結、保管、輸送、及び解凍するためのキャリアに関する。
【背景技術】
【0002】
材料、例えば生物学的材料の輸送、保管、凍結、及び解凍をするために、使い捨て可撓性容器が使用される。いくつかのこのような容器はプラスチックフィルムから形成された可撓性バッグである。バッグは、保管のために、具体的には凍結保存用途において使用することができる。バッグは、交差汚染のリスク、及び清浄化検証の必要を軽減するために、使い捨てであるのが典型的である。
【0003】
生物学的用途において、バルク薬剤物質が可撓性保管バッグ内において保管され輸送される。バッグの内容物を凍結することにより、保管時間にわたって安定性を維持することができる。保管された流体が、典型的には-80℃で凍結される(-160℃もの低温を必要とすることもある)と、バッグは脆弱になり、バッグの性能に影響を及ぼし得る損傷を受けやすくなる。したがって、バッグは、凍結、及び/又はその後の保管、及び/又は輸送、のためにキャリア内に入れられる。バッグをキャリア内にある間に凍結してよいので、有用なキャリアであるならば、バッグ及びその内容物への効率的な熱伝達を可能にするべきである。しかしながら、キャリアはまた、ポート及びチューブのような構成部分を保護することを含めて、バッグを保護するのに十分に剛性でなければならない。
【0004】
従来、キャリアのベースと蓋とは単独の形態で互いに嵌合することしかできない。このような従来型のキャリアの場合、機械的止め具(例えばナットとボルト、ピンなど)がベースを蓋に固定することにより、ベースと蓋との相対位置が固定される。これにより、キャリアは、保管バッグを必要なだけ保護するのに十分に剛性になる。機械的止め具はキャリアに所要の剛性を与える一方、機械的止め具はまた、充填レベルの差に起因するバッグのサイズ又は形状の差異にキャリアが順応するのを阻む。例えば、機械的止め具が蓋とベースとの相対位置を固定し、ひいては一定の内部容積を形成するならば、キャリアは完全に充填されたバッグの上面及び底面の両方に接触し得るが、しかし同じキャリアは充填不足のバッグの上面及び底面の両方に接触することはない。キャリア内部容積と充填不足のバッグの容積との差は、キャリアと充填不足のバッグの上部との間に空隙(gap)を生じさせる。空隙は断熱体として作用し、外部環境と、保管バッグ内に含有された流体との間の熱伝達を阻害する。このことは流体の凍結時間及び/又は解凍時間を長くし、凍結又は解凍される生物学的材料に不都合な影響を及ぼすおそれがある。加えて、いくつかの伝統的なキャリアは、バッグに取り付けられたチューブ(充填・ドレナージチューブ)をキャリアの外側へ導くことにより、キャリアとバッグの縁部とを密接に接触させる。したがって、チューブは十分には保護されず、輸送中に破断されやすい。
【0005】
したがって、容器を通る効率的な熱伝達、種々の充填レベルに適応可能な支持、そして可撓性容器に取り付けられたチューブの保護を可能にする、可撓性容器のためのキャリアが望まれる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、脆弱であり且つ凍結中、解凍中、保管中、及び輸送中、例えば可撓性容器の出荷中に保護される必要のある1種又は2種以上の成分を有する、保管バッグを含む可撓性容器を含有し保護するためのデバイス及び方法を提供する。
【0007】
いくつかの実施態様によれば、開示はベースと蓋とを含む保管バッグのためのキャリアを記す。いくつかの実施例では、前記ベース及び蓋がそれぞれ、前記保管バッグの縁部の応力を低減するために前記保管バッグの周囲領域に接触するように形成された2つ又は3つ以上の支持体を含む。種々の実施例では、閉鎖形態における前記蓋とベースとの間の距離が、前記閉鎖形態で前記保管バッグと前記ベース及び蓋との最大限の接触を可能にするように前記保管バッグの充填容積に適合可能である。
【0008】
種々の実施例では、前記ベースと前記蓋との間の距離が、閉鎖形態で接触位置と浮遊位置との間で適合可能であり、前記接触位置では、前記蓋の周縁領域が前記ベースの周縁領域に接触し、そして前記浮遊位置では、前記蓋の周縁領域が前記ベースの周縁領域から離隔している。ある特定の事例では、前記ベースの周縁領域又は前記蓋の周縁領域のうちの一方がトラフを含み、そして前記ベースの前記周縁領域又は前記蓋の周縁領域のうちの他方が、前記接触位置では前記トラフ内に位置する。
【0009】
ある特定の事例では、各支持体がスロープを含む接触面を含み、前記接触面が前記保管バッグの周囲領域に接触するように形成されている。いくつかの実施態様では、各接触面のプロフィールがアーチ状である。種々の実施態様では、各接触面のプロフィールが凍結された保管バッグのプロフィールに対して相補的である。ある特定の実施態様によれば、前記ベース内の互いに隣接する支持体が、前記保管バッグの周囲領域の一部が前記支持体に接触しないように、空隙によって離隔されている。
【0010】
ある特定の実施態様によれば、前記ベース及び/又は前記蓋がさらに、閉鎖形態で前記キャリア内部に保管バッグの1つ又は2つ以上のチューブを含有するように形成されたチャネルを含む。種々の任意の実施態様では、前記ベースがさらにベースチューブガイド部分を含み、そして前記蓋がさらに蓋チューブガイド部分を含み、前記ベースチューブガイド部分と前記蓋チューブガイド部分とが一緒に、閉鎖形態でチューブの運動を制限するためのチューブガイドを画定する。いくつかの事例では、前記ベースチューブガイド部分の形状が前記蓋チューブガイド部分の形状に対して相補的である。種々の態様では、前記チューブガイドのジオメトリが、前記チューブのジオメトリとは異なる。いくつかの実施態様では、前記蓋ガイド部分及び前記ベースガイド部分がそれぞれ少なくとも1つの凸部と少なくとも1つの凹部とを含む。
【0011】
ある特定の実施態様によれば、前記ベース及び前記蓋がそれぞれ高密度ポリエチレンを含む。種々の事例では、前記キャリアはさらに、前記ベースを前記蓋に結合するための調節可能な結合部材を受容するための2つ又は3つ以上のアパーチャを含む。いくつかの態様では、前記調節可能な結合部材が、調節可能なタイ部材を含む。
【0012】
ある特定の実施態様によれば、開示は、ベースと蓋とを含む保管バッグのためのキャリアであって、前記ベースと前記蓋とが閉鎖形態で内部領域を画定し、前記蓋とベースとが、前記閉鎖形態の前記内部領域内部に保管バッグのチューブを保持するように形成されており、そして前記ベースと蓋との間の距離が、前記閉鎖形態で接触位置と浮遊位置との間で調節可能である、キャリアに関する。
【0013】
いくつかの実施態様では、前記キャリアはさらに前記内部領域内にチャネルを含み、前記チャネルが、前記内部領域内部に前記保管バッグのチューブを保持するように形成されている。いくつかの実施例では、前記ベースがさらにベースチューブガイド部分を含み、そして前記蓋がさらに蓋チューブガイド部分を含み、前記蓋ガイド部分と前記ベースガイド部分とが一緒に、閉鎖形態でチューブの運動を制限するためのチューブガイドを画定する。ある特定の実施態様では、前記蓋チューブガイド部分が前記浮遊位置では前記ベースチューブガイド部分から離隔しており、そして前記蓋チューブガイド部分が前記接触位置では前記ベースチューブガイド部分に接触している。種々の態様では、前記チューブガイドのジオメトリが、前記チューブのジオメトリとは異なる。
【0014】
いくつかの事例では、前記ベース及び蓋の周縁領域が前記浮遊位置では離隔しており、そして前記ベース及び蓋の周縁領域が前記接触位置では接触している。種々の実施例では、前記キャリアはさらに、前記保管バッグの周囲領域に接触するように形成された傾斜接触面を有する、前記ベース内部の支持体を含む。ある特定の実施態様では、互いに隣接する支持体が、前記保管バッグの周囲領域の一部が前記支持体に接触しないように、空隙によって離隔されている。
【0015】
種々の実施態様によれば、開示は、保管バッグを低温で保護する方法であって、前記方法が、本明細書中に記載されたキャリアを、前記保管バッグが内部に配置された状態で閉鎖形態で維持し、前記保管バッグが液状媒体又は凍結された媒体を含有しており、そして前記キャリアの周りの温度を制御し、これにより前記液状媒体を凍結させるか、前記凍結された媒体を凍結状態で維持するか、又は前記凍結された媒体を解凍させる、ことを含む、保管バッグを低温で保護する方法に関連する。前記キャリアの周りの温度を制御することは、前記キャリアの周りの温度を前記液状媒体の凝固点未満まで低下させ、そして前記液状媒体が凍結されるまで前記温度を前記液状媒体の凝固点未満に維持することを含んでよい。あるいは、前記キャリアの周りの温度を制御することは、前記キャリアの周りの温度を前記凍結された媒体の融点を上回る点まで上昇させ、そして前記凍結された媒体が解凍されるまで前記温度を前記凍結された媒体の融点を上回る温度に維持することを含んでもよい。
【0016】
他の実施態様によれば、開示は、保管バッグを保護する方法であって、前記方法が、本明細書中に開示されたキャリアのベース内に前記保管バッグを配置し、前記保管バッグが前記ベースに接触し、前記ベース及び蓋を閉鎖形態で配置し、前記保管バッグが前記蓋に接触し、そして前記蓋は接触位置又は浮遊位置にあり、そして前記蓋と前記ベースとを、調節可能な結合システムを介して結合することを含む、保管バッグを保護する方法に関する。前記ベースは2つ又は3つ以上の支持体を含んでよく、そして前記保管バッグは前記保管バッグの周囲領域で前記2つ又は3つ以上の支持体に接触してよい。保管バッグが1つ又は2つ以上のチューブを含む場合には、方法はさらに、ベースと蓋とによって形成されたチャネル内にチューブを配置することを含んでよい。いくつかの実施例では、保管バッグは1つ又は2つ以上のチューブを含み、ベースと蓋とがチューブガイドを形成し、そして方法はさらにチューブガイドに近接してチューブを配置することを含む。いくつかの実施例では、方法は、バッグがキャリアのベース内に配置される前又は配置された後に保管バッグに流体を添加することを含む。
【0017】
本明細書中に使用される「開示(“disclosure”,“the disclosure”)」、「本開示(“this disclosure”,“the present disclosure,”)」という用語は、本特許出願及び下記請求項の対象全てを幅広く意味するものとする。これらの用語を含む記載内容は、本明細書中に記載された対象を限定するものと理解されるべきでなく、また下記特許請求の意味又は範囲を限定するものと理解されるべきでもない。取り上げられた開示の実施態様は、本概要によってではなく、請求項によって定義される。本概要は開示の種々の態様を高いレベルで概観したものであり、下記詳細な説明の項でさらに説明される概念のうちのいくつかを紹介している。本概要は、請求された対象の重要又は本質的な特徴を特定するように意図されるものではなく、また請求された対象の範囲を決定するために分離して使用されるように意図されるものでもない。対象は、明細書全体の適宜の部分、任意又は全ての図面、及び各請求項を参照することにより理解されるべきである。
【0018】
開示をさらに理解するために添付の図面が含まれる。図面は本明細書に組み込まれ本明細書の一部を構成し、実施態様を示し、また記述と一緒に開示の原理を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、本明細書中に記載のいくつかの実施態様に基づくベース及び蓋を含むキャリアを示す断面図である。
図2図2は、図1のベースを示す斜視図である。
図3図3は、図1のベースを示す上面図である。
図4図4は、図3の4-4線に沿って示す、図1のベースの断面図である。
図5図5は、図4の丸で囲んだ部分を詳細に示す、図1のベースの一部の断面図である。
図6図6は、図1の蓋を示す斜視図である。
図7図7は、図1の蓋を示す底面図である。
図8図8は、図1のキャリアを示す斜視図である。
図9図9は、図1のキャリアの一部を示す斜視図である。
図10図10は、本明細書に記載された実施態様に基づくキャリアのベースを示す斜視図である。
図11図11は、図10のベースのための蓋を示す斜視図である。
図12図12は、本明細書に記載された実施態様に基づくキャリアのベースを示す斜視図である。
図13図13は、図12のベースを示す上面図である。
図14図14は、図12のベースのための蓋を示す斜視図である。
図15図15は、図14の蓋を示す側面図である。
図16図16は、図12のベースを、保管バッグが内部に配置された状態で示す上面図である。
図17図17は、本明細書に記載された実施態様に基づくキャリアのベースを示す上面図である。
図18図18は、図17のベースを示す側面図である。
図19図19は、図17の19-19線に沿って示す、図17のベースの断面図である。
図20図20は、図17のベースのための蓋を示す底面図である。
図21図21は、図17のベースを、保管バッグが内部に配置された状態で示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
脆弱であり且つ凍結中、解凍中、保管中、及び輸送中、例えば保管バッグの出荷中に保護される必要のある1種又は2種以上の成分を有する、保管バッグのような可撓性容器のためのキャリアが本明細書中に記載される。また、保管バッグのためのキャリアを集成する方法、及び保管バッグの内容物を凍結して解凍する方法も本明細書中に記載される。
【0021】
本明細書中に記載されるキャリアはベースと蓋とを含む。ベース及び蓋は周縁領域と中央凹部領域とを含む。閉鎖形態では(すなわち蓋がベースと集成されているときには)、中央凹部領域は互いに組み合わさることにより、ベースと蓋との間に可撓性保管バッグを保持するための内部領域を画定する。蓋及びベースの相対位置、ひいては中央凹部領域の高さを、保持された保管バッグの充填容積に適合させることができるので、閉鎖形態では、蓋及びベースの両方がバッグ充填容積とは無関係に保管バッグに接触する。例えば、最小充填容積では、保管バッグはベース上に載置され、そして蓋は保管バッグの上面に接触し、そしてまたベースに(例えば周縁領域において)も接触することもできる。しかしながら、より大きい充填容積では、保管バッグはベース上に載置され、そして蓋は保管バッグの上面に接触するがしかしベースには接触しないことがある。すなわち蓋はベースから「浮遊する(float)」ことがある。充填容積に適応可能であることにより、キャリアは、いかなる充填容積においても、保持された保管バッグの上面及び底面に接触できるようになることによって、支持及び(例えばバッグ内容物を凍結又は解凍するための)効率的な熱伝達を可能にする。キャリアはまた、保管バッグを支持するための、具体的にはバッグの周囲領域を支持するための輪郭付き接触面のような構造を含んでいる。キャリアはさらに、バッグに取り付けられた任意のチューブを含有して保護するためのチャネル及びガイドのような構造を含む。
【0022】
「適合可能」とは、所与の実施態様に関して、1つのエレメントの別のエレメントに対する位置が、相異なる環境下で変化し得ることを意味する。例えば、本明細書中に開示されるキャリアにおいては、所与の実施態様に関して、閉鎖形態におけるベースと蓋との間の距離が、閉鎖形態におけるキャリア内部に含まれる保管バッグの充填容積に応じて変化し得る。
【0023】
「接触位置」とは、閉鎖形態においてキャリアの蓋がベースに接触し、そしてベースによって支持されることを意味する。
【0024】
「浮遊位置(floating position)」は、閉鎖形態においてキャリアの蓋がベースに接触せず、あるいはベースによって支持されないことを意味する。閉鎖形態において蓋がベースに接触するときに、キャリア内部に保持された保管バッグの厚さが、蓋の凹部とベースとの間の距離よりも大きい場合に、蓋が浮遊し得る。
【0025】
材料、例えば生物学的材料を輸送し保管するために保管バッグが使用される。このような容器は典型的にはプラスチックフィルムから形成された可撓性バッグである。バッグは具体的には低温用途、一例としては凍結保存用途において輸送及び/又は保存のために使用することができる。バッグは、交差汚染のリスク、及び清浄化検証の必要を軽減するために、使い捨てであってよい。いくつかの用途では、保管バッグの内容物は凍結される。低温で、例えば凍結に必要とされる温度で、バッグは脆弱になり、バッグの性能に影響を及ぼし得る損傷を受けやすくなる。したがって、バッグは、凍結し、続いて保管し且つ/又は輸送し、そして解凍するために保護キャリア内に入れられる。
【0026】
ベース及び/又は蓋は、保管バッグを保護するのに適した、具体的には保管バッグの内容物を凍結して解凍し、そして低温で保管バッグを保護するのに適した種々の材料から構成することができる。いくつかの実施例では、ベース及び/又は蓋は高密度ポリエチレン(HDPE)から構成されるものの、種々の他の適宜の材料が利用されてもよい。いくつかの実施態様では、ベース及び/又は蓋は比較的薄い材料から構成されてよい。本明細書中にさらに記載するように、所望の場合には、ベース及び/又は蓋は、一例としてはリブ、刻み目、及び種々の他の適宜のフィーチャを含む補強用フィーチャを含んでよい。
【0027】
閉鎖形態において、ベース周縁領域と蓋周縁領域とはほぼ整合している。ベースが蓋を直接に支持するように、蓋周縁領域はベース周縁領域上に載置されてよい。あるいは、蓋周縁領域はベース周縁領域に接触することなしにベース周縁領域と鉛直方向にオーバーラップしてもよく、そしてベースの別の部分が蓋の別の部分に接触することにより、蓋を直接に支持することもできる。
【0028】
蓋がベース上に載置され、且つベースが蓋のための少なくとも何らかの直接的な支持を提供する閉鎖形態を、本明細書中では「接触位置」と呼ぶ。いくつかの実施態様では、接触位置は、キャリアによって保持することができる保管バッグの最小充填容積と一致する。すなわち、接触位置では、最小充填容積を有するバッグは、蓋の中央凹部領域を丁度埋めることになり、ベースは保管バッグの底面と接触し、そして蓋は保管バッグの上面と接触する。
【0029】
閉鎖形態において、蓋はあるいは、接触位置ではなく「浮遊位置」にあってもよい。浮遊位置では、蓋は中央凹部領域内部で保管バッグ上に載置され、そしてベースによって直接には支持されていない。浮遊位置において、蓋周縁領域はベース周縁領域に鉛直方向にオーバーラップしてよいが、しかしベース周縁領域上に載置されてはいない。いくつかの実施態様では、浮遊位置において、ベース周縁領域と蓋周縁領域とが鉛直方向に互いに離隔しており、すなわち鉛直方向にオーバーラップしていない。このような実施態様では、蓋とベースとは、適宜の取り付け手段、一例としてはジップタイ、ワイヤ、Oリング、調節可能なクランプ、又は取り付けを達成する任意の他のエレメントによって拘束されてよい。
【0030】
いくつかの実施態様では、ベース周縁領域がトラフを含み、(接触位置において)トラフ内では蓋周縁領域の少なくとも一部が着座していてよく、あるいは、(周縁部以外のベースの一部が蓋を支持する接触位置において、又は浮遊位置において)トラフ内へ、蓋周縁領域の少なくとも一部が延びていてよい。他の実施態様では、蓋周縁領域はトラフを含み、トラフ内ではベース周縁領域の少なくとも一部が着座していてよく、あるいは延びていてよい。蓋周縁領域はトラフと呼ばれるものの、言うまでもなく、蓋周縁領域内のトラフは、ベース周縁領域内のトラフと比べて反転されているので、蓋周縁領域内のトラフはベース周縁領域の一部を受容することができる。いくつかの実施例では、より深いトラフは、キャリアが保持し得るより小さな最小充填容積に対応することができ、これに対して、より浅いトラフは、キャリアが保持し得るより大きい最小充填容積に対応することができる。
【0031】
いくつかの実施態様では、本明細書中に開示されたキャリアは、空の時には実質的に平らであり、充填されるのに伴って膨張する保管バッグとともに使用するように意図される。いくつかの実施例では、保管バッグの断面は、バッグが充填されるのに伴って厚さが増大する。いくつかの実施例では、部分的に充填された又は完全に充填されたバッグの断面は、中央領域内で最大厚を有しており、縁部で湾曲されている。いくつかの実施例では、中間充填容積では、水平面上に載置されたバッグは、実質的に平らな扁平領域と、上面の平らな領域から底面の平らな領域へ湾曲された周囲領域とを含む上面及び下面を有することになる。平らな領域と周囲領域との相対的なサイズは、バッグの充填容積とともに変化する。バッグの充填度が低いほど周囲領域が小さくなり(上面及び底面の扁平部分が多くなる)、そしてバッグの充填度が高いほど周囲領域が大きくなる(上面及び下面の扁平部分が少なくなる)。いくつかの実施例では、最大充填容積では、バッグはほぼ卵形の断面を有していてもよい。バッグの周囲領域は平らな領域よりも高い応力を被り得るので、平らな領域よりも故障のリスクが大きい。いくつかの実施態様では、本明細書中に開示されたキャリアは、バッグの周囲領域を支持するための構造を含む。
【0032】
いくつかの実施態様では、ベースは2以上の支持体を含む。これらの支持体は保管バッグの周囲領域に接触するように形成されている。ベースと同様に、蓋も、保管バッグの周囲領域に接触するように形成された2つ又は3つ以上の支持体を含んでよい。例えば、いくつかの実施態様では、ベース及び/又は蓋は2つ、3つ、4つ、又は5つ以上の支持体を含んでよい。いくつかの実施態様では、支持体は必要に応じてベース及び/又は蓋から省いてよい。ベースの支持体、及び同様に蓋の支持体は、保管バッグの縁部及び/又は角隅における応力を軽減する。各支持体は、保管バッグの周囲領域の少なくとも一部に接触する接触面を含む。ある特定の実施例では、各接触面が同じスロープを有している。しかしながら、他の実施例では、1つの接触面のスロープが別の接触面のスロープとは異なっていてもよい。いくつかの実施例では、各接触面のプロフィールはアーチ状である。種々の実施態様では、各支持体の接触面のプロフィールは、キャリアの存在無しで保管バッグが凍結されたときの保管バッグの周囲領域の一部のプロフィールに対して相補的である。支持体は中央凹部領域内で不連続であってよく、互いに隣接する支持体が空隙によって分離されていてもよい。いくつかの実施態様では、互いに隣接する支持体間の空隙は、保管バッグの角隅を受容するように形成され、そして支持体は保管バッグの周囲領域に接触することにより、保管バッグはその最強地点(例えば角隅内ではない地点)でのみ支持される。
【0033】
いくつかの実施態様では、本明細書中に開示されたキャリアは、キャリア内部の保管バッグの内容物を凍結して解凍するための、そして内容物を凍結状態で維持するための効率的な熱伝達を提供する。充填レベルが異なると、キャリア内部のバッグの厚さは異なるようになる。充填度が低いバッグは薄くなり、充填度が高いバッグは厚くなる。種々の実施態様では、蓋とベースとの間の距離は、保管バッグの充填容積に適合可能であることにより、保管バッグとベース及び蓋との最大限の接触を可能にする。いくつかの実施例では、充填度がより低いバッグの場合、蓋周縁領域はベース周縁領域上に載置されてよく、あるいはベース周縁領域上に載置されることなしにベース周縁領域とオーバーラップしてもよい。他の実施例では、充填度がより高いバッグの場合、蓋はベースから分離してよい。すなわち、蓋周縁領域とベース周縁領域は鉛直方向に互いに接触又はオーバーラップしない。蓋がベース上に載置されない場合、蓋は含有された保管バッグの上部上に載置されてよい。このような実施態様において、蓋とベースとは、適宜の取付手段、一例としてはジップタイによって拘束されてよい。換言すれば、断熱空隙の形成を抑制するように保管バッグ表面との接触を有利に維持しながら、ベース及び蓋は保管バッグの種々の充填容積を収容する。
【0034】
保管バッグとの接触を維持すると、例えば保管バッグとキャリアとの間の断熱エアポケットの形成を最小限にすることによって、保管バッグとキャリアとの間のより良好な熱伝達を可能にする。より良好な熱伝達は、保管バッグ内の液体を凍結及び/又は解凍するのに必要な時間を短くすることができ、そして凍結及び/又は解凍プロセスの均一性を改善することができる。保管バッグとの接触を維持すると、さらに保管バッグ内の流体が拘束されるので、流体は平らな又は最小限の角度を成して凍結する。いくつかの実施態様では、キャリアはバッグ充填レベルとは無関係に、凍結中、実質的に水平な、実質的に扁平な位置内にバッグを維持する。このような配置は流体の上方のヘッドスペースを最小化又は排除する。このようなヘッドスペースはさもなければ保管バッグの凍結・解凍性能に不都合な影響を及ぼすことになる。
【0035】
いくつかの実施態様では、本明細書中に記載されたキャリアは、充填チューブ、サンプリングチューブ、及び/又はドレナージチューブを含む、可撓性保管バッグと組み合わされたチューブを保護する。種々の実施態様では、キャリアは、ベース及び蓋が閉鎖形態にあるときにキャリア内部に保管バッグの1つ又は2つ以上のチューブを含有するように形成されたチャネルを含む。いくつかの実施例では、チャネルは、チューブが輸送中にキャリアから飛び出ないように、そして破断しないように、チャネル内部にチューブを保持することができる。種々の実施態様では、チャネルは、保管バッグが保持されている区域とは別個のキャリア内の領域であるので、チューブは保管及び/又は運搬中にバッグに接触することはない。いくつかの実施例では、ベースのベースチャネル部分及び/又は蓋の蓋チャネル部分がチャネルを画定する。種々の実施態様では、ベースチャネル部分及び/又は蓋チャネル部分の深さは、それぞれベース及び蓋の中央凹部領域の深さよりも小さいので、チャネルはチューブだけを収容するように形成されている。換言すれば、いくつかの実施態様では、チャネルの深さは保管バッグを収容しない。いくつかの態様では、ベースチャネル部分及び/又は蓋チャネル部分の深さ(ひいてはチャネルの深さ)は、チャネルの長さに沿って変化することにより、チャネル内部のチューブの運動をさらに制限することができる。1つの非制限的な実施例としては、いくつかの事例において、チャネルの他の領域と比較して深さがより浅いチャネルが、チャネル内へのチューブの進入点に隣接していてよい。別の非制限的な実施例としては、種々の事例において、チャネルの深さはチャネルの1つの角隅内で、チャネルの別の角隅内のチャネルの深さと比較して浅くてよい。
【0036】
いくつかの任意の実施態様では、キャリアはさらに又は代わりに、ベース及び蓋が閉鎖形態にあるときにチューブの運動を制限するための少なくとも1つのチューブガイドを含む。1つ又は2つ以上のチューブを収容するチャネルと比較して、各チューブガイドは、保管バッグと組み合わされた単一のチューブを収容する。チューブガイドは狭いアパーチャを含む。このアパーチャを通って単一のチューブが延びている。アパーチャはより狭く、単一のチューブを収容するので、チューブガイドは、チャネルよりも大きな範囲で、キャリア内部のチューブの運動を制限する。加えて、チャネルと比較して、複数のチューブガイドが互いに別個にチューブを保持している(すなわち、各チューブはその固有のチューブガイド内に保持することができる)。運動のこのような分離及び制限は、具体的にはチューブが脆弱になるおそれのある低い温度において、チューブをさらに保護することができる。
【0037】
種々の実施態様では、ベースはベースチューブガイド部分を含み、蓋は蓋チューブガイド部分を含み、ベースチューブガイド部分と蓋チューブガイド部分とは一緒にチューブガイドを画定する。ベースチューブガイド部分は凸部と凹部とを含み、凸部と凹部とはチューブガイドの狭いアパーチャを部分的に形成する。ベースチューブガイド部分のプロフィールはいくつかの実施態様ではアーチ状であるものの、他の実施例では、プロフィールは必要に応じて種々の他の形状を有していてもよい。任意には、ベースチューブガイド部分のプロフィールは、保管バッグのチューブのプロフィールとは異なっていてよい。ベースチューブガイド部分と同様に、蓋チューブガイド部分も凸部と凹部とを含んでよく、凸部と凹部とはチューブガイドの狭いアパーチャを部分的に形成する。いくつかの実施態様では、蓋チューブガイド部分のプロフィールはアーチ状であるものの、他の実施例では、プロフィールは必要に応じて種々の他の形状を有していてもよい。任意の実施例では、蓋チューブガイド部分のプロフィールはチューブのプロフィールとは異なっていてよい。ある特定の事例では、蓋チューブガイド部分の形状はベースチューブガイド部分の形状に対して相補的であるので、蓋チューブガイド部分の凸部はベースチューブガイド部分の凹部と整合し、蓋チューブガイド部分の凹部はベースチューブガイド部分の凸部と整合し、そして組み合わされた凸部と凹部とは、チューブを含有し得るチャネルを形成する。いくつかの態様では、蓋チューブガイド部分の凸部はベースチューブガイド部分の凹部に接触してよい。他の実施例では、凹部と凸部とは互いに離隔されている。ある特定の実施態様では、チューブガイドは閉鎖形態の(すなわち接触位置、浮遊位置、又は任意の他の位置)、ベースに対する蓋のいかなる位置におけるチューブの運動をも制限する。ベースチューブガイド部分と蓋チューブガイド部分とが離隔している種々の実施例では、ベースチューブガイド部分と蓋チューブガイド部分との間に画定される空隙を、チューブがチューブガイドから押し退けられるのを防止するように寸法設定することができる。例えば、いくつかの実施態様では、チューブガイド内部のチューブの直径は、互いに対面するチューブガイド部分間の距離よりも大きいので、ベースチューブガイド部分と蓋チューブガイド部分との間に空隙がある場合でさえ、チューブはチューブガイド内部に留まる。ベースチューブガイド部分及び/又は蓋チューブガイド部分は保管バッグのチューブに接触してもよいが、このことは必ずしも必要ではない。
【0038】
図1~9は、ベース102と蓋104とを含むキャリア100の実施態様を示している。種々の実施態様では、ベース102と蓋104とが図1に示された閉鎖形態にあるときに、キャリア100の内部空間106内でベース102と蓋104との間に、保管バッグ(図1~9には示されていない)を保持することができる。
【0039】
図1~5を参照すると、ベース102は、ベース102の周囲を巡って延びる周縁領域108を含む。図1~5に示された実施態様では、周縁領域108はトラフ113を画定している。ベース102及び蓋104が閉鎖形態にあるときには、蓋104の周縁領域124をトラフ113内部に配置することができる。トラフ113の深さは、ベース102と保管バッグとの接触、並びに蓋104と保管バッグとの接触を維持しながら、キャリア100によって保持し得る保管バッグの最小充填容積と一致する。
【0040】
図2及び3に最もよく示されているように、ベース102は4つの支持体110A~Dを含む。しかしながら、種々の他の実施例では、任意の所望の数の支持体110を利用することもできる。各支持体110A~Dは、保管バッグがキャリア100内に配置されたときに保管バッグの周囲領域に接触するように形成された接触面112A~Dを含む。各接触面112A~Dはスロープを有しており、これらのスロープは異なる接触面に対して同じであっても異なっていてもよい。
【0041】
図2及び3に示されているように、種々の実施態様では、互いに隣接する支持体110A~Dは空隙114によって離隔されて、保管バッグの周囲領域の一部が支持体110A~Dに接触しないようになっている。空隙114の数は、本開示内容に限定するものと考えるべきではない。図2及び3の実施例では、支持体110A及び110Bの間、支持体110B及び110Cの間、支持体110C及び110Dの間、並びに支持体110D及び110Eの間に空隙114が設けられている。空隙114は、保管バッグの潜在的応力区域を受容するように形成することができるので、保管バッグはその最も強い地点で支持体110A~Dによってのみ保持される。空隙114は、保管バッグの角隅を受容するように形成されてよい。
【0042】
図1~5に示された実施例では、ベース102はベースチャネル部分116を含む。ベースチャネル部分116は、キャリア100内部に保管バッグの1つ又は2つ以上のチューブを含有するように形成されている。図6に示されているように、蓋104は蓋チャネル部分134を含む。ベースチャネル部分116と蓋チャネル部分134とは一緒に、キャリア100内部に保管バッグのチューブを含有するチャネル136を画定する。
【0043】
図1~5に示されている実施例では、ベース102はベースチューブガイド部分118を含む。詳細に後述するように、種々の実施態様では、ベースチューブガイド部分118と蓋104の蓋チューブガイド部分138とは一緒にチューブガイド140を画定する。チューブガイドは閉鎖形態においてチューブの運動を制限する。図1~5に示されている実施例では、ベースチューブガイド部分118は2つの凸部120と2つの凹部122とを含む。しかしながら、他の実施例では任意の所望の数の凸部120と凹部122とを利用してよい。
【0044】
図1,6及び7を参照すると、ベース102と同様に、蓋104は、蓋104の周囲を巡って延びる周縁領域124を含む。いくつかの実施例では、周縁領域124は任意には縁部126を画定する。図1に示されているように、ベース102と蓋104とが閉鎖形態にあるときには、蓋104の縁部126はベース102のトラフ113と整合する。詳細に後述するように、いくつかの実施態様では、ベース102と蓋104とが閉鎖形態にあるときには、蓋104の周縁領域124はトラフ113内部に配置可能であるものの、閉鎖形態における蓋104及びベース102の位置いかんではこのことは必要でない。
【0045】
図6及び7に示されているように、蓋104は4つの支持体128A~Dを含む。しかしながら、他の実施例では、任意の所望の数の支持体128を設けることもできる。いくつかの実施例では、蓋104上の支持体128の数は、ベース102上の支持体110の数と同じではあるものの、必ずしもその必要はない。支持体110A-Dと同様に、各支持体128A~Dは、保管バッグがキャリア100内に配置されているときに保管バッグの周囲領域に接触するように形成された接触面130A~Dを含む。図示のように、各接触面130A~Dはスロープを有しており、これらのスロープは異なる接触面に対して同じであっても異なっていてもよい。支持体128のプロフィールは、支持体110のプロフィールと同様であってよいが、しかし必ずしもこれが必要というわけではない。
【0046】
互いに隣接する支持体128A~Dは、空隙114と実質的に同様である空隙132によって離隔されて、保管バッグの周囲領域の一部が支持体128A~Dに接触しないようになっている。空隙132の数は、本開示内容に限定するものと考えるべきではない。いくつかの非制限的な実施例では、空隙132は、保管バッグの角隅を受容するように形成されてよい。
【0047】
いくつかの実施例では、蓋104は蓋チャネル部分134を含む。蓋チャネル部分134は、キャリア100内部に保管バッグの1つ又は2つ以上のチューブを含有するように形成されている。種々の実施例では、ベースチャネル部分116と蓋チャネル部分134とは一緒に、キャリア100内部に保管バッグのチューブを含有するチャネル136を画定する。
【0048】
図6及び7に示されているように、ベース102と同様に、蓋104は蓋チューブガイド部分138を含む。図1~9に示されている実施例では、蓋チューブガイド部分138は2つの凸部142と2つの凹部144とを含む。しかしながら、他の実施例では任意の所望の数の凸部142と凹部144とを利用してよい。蓋チューブガイド部分138のプロフィールは、保管バッグのチューブのプロフィールと同じであるか又は異なっていてよい。蓋チューブガイド部分138の形状はベースチューブガイド部分118の形状に対して相補的であるので、蓋104とベース102とが集成されると、蓋チューブガイド部分138の凸部142はベースチューブガイド部分118の凹部122と整合し、蓋チューブガイド部分138の凹部144はベースチューブガイド部分118の凸部120と整合する(例えば図1参照)。閉鎖形態において、蓋チューブガイド部分138の凸部142はベースチューブガイド部分118の凹部122に接触してよく、且つ/又は蓋チューブガイド部分138の凹部144はベースチューブガイド部分118の凸部120に接触してよいものの、このことは必ずしも必要ではない。
【0049】
ベースチューブガイド部分118と蓋チューブガイド部分138とは一緒にチューブガイド140(図1参照)を画定する。チューブガイドは閉鎖形態でチューブの運動をさらに制限する。チューブガイド140のジオメトリ又はプロフィールは保管バッグのチューブのジオメトリと同じか又はこれとは異なっていてよい。蓋104とベース102とが集成されてチューブガイド140を画定すると、ベースチューブガイド部分118と及び蓋チューブガイド部分138とは互いに接触することができるものの、このことは上述のように必ずしも必要ではない。ベースチューブガイド部分118と蓋チューブガイド部分138とが互いに離隔している種々の事例では、ベースチューブガイド部分118と蓋チューブガイド部分138との間に画定される空隙を、チューブがチューブガイド140から押し退けられるのを防止するように寸法設定することができる。ある特定の事例では、ベースチューブガイド部分118及び/又は蓋チューブガイド部分138は保管バッグのチューブに接触してよいものの、このことは必ずしも必要ではない。
【0050】
図1、8及び9を参照すると、ベース102及び蓋104は閉鎖形態で配置可能である。閉鎖形態では、ベース102及び蓋104は接触位置と浮遊位置との間で適合可能である。種々の態様では、接触位置において、ベース102の周縁領域108は蓋104の周縁領域124に接触する。1つの非制限的な実施例では、接触位置において、蓋104の縁部126はベース102のトラフ113に接触する。図8及び9は、蓋104の縁部126がベース102のトラフ113内部に配置されている例を示している。
【0051】
いくつかの実施例では、ベース及び蓋が接触位置と浮遊位置との間で適合可能であるのを可能にしながら、ベース及び蓋を閉鎖形態で維持するために、調節可能な結合システムが設けられている。いくつかの実施例では、調節可能な結合システムは、ベースを蓋に結合するための調節可能な結合部材(図示せず)を受容し得る、ベース及び蓋内に画定された1つ又は2つ以上のアパーチャを含む。図2,3,6,7,9,10及び11は、ベース102及び/又は蓋104内のアパーチャ146の実施例を示している。いくつかの非制限的な実施例では、調節可能な結合部材は調節可能なタイ部材、ジップタイ、ワイヤ、Oリング、又は調節可能なクランプを含むものの、種々の他の実施例では、種々の他の適宜の調節可能な結合部材を利用してもよい。
【0052】
図10及び11は、保管バッグのためのキャリアのベース1000(図10)及び蓋1100(図11)の別の実施例を示している。ベース102と同様に、ベース1000は、トラフ113と、支持体110A~Dと、ベースチャネル部分116と、ベースチューブガイド部分118とを含む。蓋104と同様に、蓋1100は、縁部126と、支持体128A~Dと、蓋チャネル部分134と、蓋チューブガイド部分138とを含む。
【0053】
図12~16は、保管バッグ1600(図16参照)のためのキャリアのベース1200(図12,13及び16)及び蓋1400(図14及び15)の別の実施例を示している。この実施例では、ベース1200はトラフ113と、支持体110A~Dと、ベースチャネル部分116とを含むが、しかしベース102と比較するとベースチューブガイド部分118を含んでいない(そしてキャリア全体はチューブガイド140を含んでいない)。蓋1400は縁部126と、支持体128と、蓋チャネル部分134とを含むが、しかし蓋104と比較すると蓋チューブガイド部分138を含んでいない。図16に示されているように、保管バッグ1600の周囲領域1602の部分が支持体110に接触し、周囲領域1602の部分が空隙114内にあるように、保管バッグ1600はベース1200上に配置されている。保管バッグ1600のチューブ1606が、蓋1100と集成されると、ベース1200上のベースチャネル部分116によって、そしてキャリア内部に保持され、ベースチャネル部分116内部で種々の方向に延びることができる。図示されてはいないが、蓋1400は、図16に示されたものと同様に保管バッグ1600に係合するように形成されている。
【0054】
図17~21は、保管バッグ2100(図21参照)のためのキャリアのベース1700(図17~19及び21)及び蓋2000(図20)の別の実施例を示している。この実施例では、ベース1700はベース1200と同様であり、トラフ113と、支持体110と、ベースチャネル部分116とを含むが、しかしベースチューブガイド部分118を含んでいない(そしてキャリア全体はチューブガイド140を含んでいない)。蓋2000は蓋1400と同様であり、縁部126と、支持体128A~Dと、蓋チャネル部分134とを含むが、しかし蓋104と比較すると蓋チューブガイド部分138を含んでいない。図21に示されているように、保管バッグ2100の周囲領域2102の部分が支持体110A~Dに接触し、周囲領域2102の部分が空隙114内にあるように、保管バッグ2100はベース1700上に配置されている。保管バッグ2100のチューブ2106が、蓋1100と集成されると、ベース1700上のベースチャネル部分116によって、そしてキャリア内部に保持される。ベース1200と比較して、ベースチャネル部分116は、種々の方向ではなく同じ方向にチューブ2106を導く。図示されてはいないが、蓋2000は、図21に示されたものと同様に保管バッグ2100に係合するように形成されている。
【0055】
種々の実施例では、キャリアによって保管バッグを保護する方法が、保管バッグがベースの支持体を含むベースに接触するように、キャリアのベース内に保管バッグを配置することを含む。方法はまた、ベースチャネル部分内に保管バッグのチューブを配置することを含む。任意には、方法は、保管バッグのチューブをベースチューブガイド部分に近接して配置することを含む。バッグがベース内に配置されるときに保管バッグは流体を含有していてよく、あるいはバッグがベース内に配置された後でバッグに流体を添加してもよい。いくつかの実施態様では、バッグをベース内に配置する前に部分的に充填し、そしてバッグがベース内に配置された後で追加の流体を添加してもよい。
【0056】
いくつかの実施例では、方法は、閉鎖形態において蓋とベースとを配置することを含む。任意には、閉鎖形態における蓋とベースとの配置は、接触位置又は浮遊位置に蓋を動かすことを含む。種々の実施例では、閉鎖形態における蓋とベースとの配置は、保管バッグが蓋の支持体を含む蓋に接触するように、蓋を配置することを含む。いくつかの実施例では、閉鎖形態における蓋とベースとの配置は、保管バッグのチューブが蓋チャネル部分内部に位置し、ひいてはチューブがキャリアのチャネル内部に保持されるように、蓋を配置することを含む。任意には、蓋を配置することは、蓋チューブガイド部分とベースチューブガイド部分とを有するチューブガイドを形成し、そしてチューブガイド内部にチューブを配置することを含む。ある特定の実施例では、閉鎖形態において蓋とベースとを配置した後、方法は、蓋とベースとを調節可能な結合システムを介して結合することを含む。
【0057】
下記実施例によって、開示内容をさらに定義することができる。
【0058】
実施例1。ベース及び蓋を含んでなる、保管バッグのためのキャリアであって、該ベース及び該蓋のそれぞれが、該保管バッグの縁部の応力を低減するために該保管バッグの周囲領域に接触するように形成された2以上の支持体を含み、閉鎖形態における該蓋と該ベースとの間の距離が、該閉鎖形態において該保管バッグと該ベース及び該蓋との最大限の接触を可能にするように、該保管バッグの充填容積に適合可能である、保管バッグのためのキャリア。
【0059】
実施例2。前記ベースと前記蓋との間の距離が、閉鎖形態で接触位置と浮遊位置との間で適合可能であり、前記接触位置では、前記蓋の周縁領域が前記ベースの周縁領域に接触し、そして前記浮遊位置では、前記蓋の周縁領域が前記ベースの周縁領域から離隔している、実施例1のキャリア。
【0060】
実施例3。前記ベースの周縁領域又は前記蓋の周縁領域のうちの一方がトラフを含み、そして前記ベースの前記周縁領域又は前記蓋の周縁領域のうちの他方が、前記接触位置では前記トラフ内に位置する、実施例2のキャリア。
【0061】
実施例4。各支持体がスロープを含む接触面を含み、前記接触面が前記保管バッグの周囲領域に接触するように形成されている、実施例1~3のいずれか1つのキャリア。
【0062】
実施例5。各接触面のプロフィールがアーチ状である、実施例4のキャリア。
【0063】
実施例6。各接触面のプロフィールが凍結された保管バッグのプロフィールに対して相補的である、実施例4又は実施例5のキャリア。
【0064】
実施例7。前記ベース内の互いに隣接する支持体が、前記保管バッグの周囲領域の一部が前記支持体に接触しないように、空隙によって離隔されている、実施例1~6のいずれか1つのキャリア。
【0065】
実施例8。前記ベース及び/又は前記蓋がさらに、閉鎖形態で前記キャリア内部に保管バッグの1つ又は2つ以上のチューブを含有するように形成されたチャネルを含む、実施例1~7のいずれか1つのキャリア。
【0066】
実施例9。前記ベースがさらにベースチューブガイド部分を含み、そして前記蓋がさらに蓋チューブガイド部分を含み、前記ベースチューブガイド部分と前記蓋チューブガイド部分とが一緒に、閉鎖形態でチューブの運動を制限するためのチューブガイドを画定する、実施例1~8のいずれか1つのキャリア。
【0067】
実施例10。前記ベースチューブガイド部分の形状が前記蓋チューブガイド部分の形状に対して相補的である、実施例9のキャリア。
【0068】
実施例11。前記チューブガイドのジオメトリが、前記チューブのジオメトリとは異なる、実施例9又は実施例10のキャリア。
【0069】
実施例12。前記蓋ガイド部分及び前記ベースガイド部分がそれぞれ少なくとも1つの凸部と少なくとも1つの凹部とを含む、実施例9~11のいずれかのキャリア。
【0070】
実施例13。前記ベース及び前記蓋がそれぞれ高密度ポリエチレンを含む、実施例1~12のいずれか1つのキャリア。
【0071】
実施例14。前記ベースを前記蓋に結合するための調節可能な結合部材を受容するための2つ又は3つ以上のアパーチャをさらに含む、実施例1~13のいずれか1つのキャリア。
【0072】
実施例15。前記調節可能な結合部材が、調節可能なタイ部材を含む、実施例14のキャリア。
【0073】
実施例16。ベースと蓋とを含む、保管バッグのためのキャリアであって、該ベースと該蓋とが閉鎖形態において内部領域を画定し、該蓋と該ベースとが、該閉鎖形態における該内部領域の内部に保管バッグのチューブを保持するように形成されており、かつ、該ベースと該蓋との間の距離が、該閉鎖形態において接触位置と浮遊位置との間で調節可能である、キャリア。
【0074】
実施例17。さらに前記内部領域内部にチャネルを含み、前記チャネルが、前記保管バッグのチューブを保持するように形成されている、実施例16のキャリア。
【0075】
実施例18。前記ベースがさらにベースチューブガイド部分を含み、そして前記蓋がさらに蓋チューブガイド部分を含み、前記蓋ガイド部分と前記ベースガイド部分とが一緒に、閉鎖形態でチューブの運動を制限するためのチューブガイドを画定する、実施例16又は17のキャリア。
【0076】
実施例19。前記蓋チューブガイド部分が前記浮遊位置では前記ベースチューブガイド部分から離隔しており、そして前記蓋チューブガイド部分が前記接触位置では前記ベースチューブガイド部分に接触している、実施例18のキャリア。
【0077】
実施例20。前記チューブガイドのジオメトリが、前記チューブのジオメトリとは異なる、実施例18又は19のキャリア。
【0078】
実施例21。前記ベース及び蓋の周縁領域が前記浮遊位置では離隔しており、そして前記ベース及び蓋の周縁領域が前記接触位置では接触している、実施例16~20のいずれかのキャリア。
【0079】
実施例22。さらに、前記保管バッグの周囲領域に接触するように形成された傾斜接触面を有する、前記ベース内部の支持体を含む、実施例16から21のいずれか1つのキャリア。
【0080】
実施例23。互いに隣接する支持体が、前記保管バッグの周囲領域の一部が前記支持体に接触しないように、空隙によって離隔されている、実施例22のキャリア。
【0081】
実施例24。保管バッグを低温で保護する方法であって、前記実施例のいずれかのキャリアを、前記保管バッグが内部に配置された状態の閉鎖形態において維持するに際し、前記保管バッグは液状媒体又は凍結媒体を含有しており、そして前記キャリアの周りの温度を制御し、これにより前記液状媒体を凍結させるか、前記凍結媒体を凍結状態で維持するか、又は前記凍結媒体を解凍させる、ことを含む、保管バッグを低温で保護する方法。
【0082】
実施例25。前記保管バッグが液状媒体を含有しており、そして前記キャリアの周りの温度を制御することが、前記キャリアの周りの温度を前記液状媒体の凝固点未満まで低下させ、そして前記液状媒体が凍結されるまで前記温度を前記液状媒体の凝固点未満に維持することを含む、実施例24の方法。
【0083】
実施例26。前記保管バッグが凍結された媒体を含有しており、そして前記キャリアの周りの温度を制御することが、前記キャリアの周りの温度を前記凍結された媒体の融点を上回る点まで上昇させ、そして前記凍結された媒体が解凍されるまで前記温度を前記凍結された媒体の融点を上回る温度に維持することを含む、実施例24の方法。
【0084】
実施例27。保管バッグを保護する方法であって、前記方法が、前記実施例のいずれかのキャリアのベース内に前記保管バッグを配置し、前記保管バッグが前記ベースに接触し、前記ベース及び蓋を閉鎖形態で配置し、前記保管バッグが前記蓋に接触し、そして前記蓋は接触位置又は浮遊位置にあり、そして前記蓋と前記ベースとを、調節可能な結合システムを介して結合することを含む、保管バッグを保護する方法。
【0085】
実施例28。前記ベースが2つ又は3つ以上の支持体を含み、そして前記保管バッグが前記保管バッグの周囲領域で前記2つ又は3つ以上の支持体に接触する、実施例27の方法。
【0086】
実施例29。前記保管バッグが1つ又は2つ以上のチューブを含み、前記ベースと蓋とがチャネルを形成し、そして前記方法がさらに前記チューブを前記チャネル内に配置することを含む、実施例27又は28の方法。
【0087】
実施例30。前記保管バッグが1つ又は2つ以上のチューブを含み、前記ベースと前記蓋とが蓋ガイドを形成し、そして前記チューブが前記チューブガイドに近接して配置される、実施例27~29のいずれか1つの方法。
【0088】
実施例31。さらに、前記バッグが前記キャリアの前記ベース内に配置される前又は配置された後に前記保管バッグに流体を添加することを含む、実施例27~30のいずれか1つの方法。
【0089】
添付の請求項の組成物及び方法は、本明細書中に記載された特定の組成物及び方法によって範囲が制限されることはない。本明細書中に記載された特定の組成物及び方法は、請求項のいくつかの特徴を例示するものとして意図されており、また機能的に等価のいかなる組成物及び方法も、本開示の範囲に含まれる。なお、本明細書中に言及される添付の図面は必ずしも原寸に比例するものではなく、本開示の種々の態様を例示するために誇張されることもある。その点において、図面は制限的なものと解釈されるべきではない。本明細書中に示され記載されたものに加えた組成物及び方法の種々の変更形は、添付の請求項の範囲に含まれるものとする。さらに、これらの組成物及び方法の特定の代表的な組成物、方法、及び特徴だけが具体的に記載されているが、他の組成物及び方法も、添付の請求項の範囲に含まれるものとする。したがって、工程、エレメント、構成部分、又は成分の組み合わせを本明細書中で明示的に述べることができるものの、たとえ明示されていなくても、工程、エレメント、構成部分、又は成分の全ての他の組み合わせも含まれる。
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