(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-22
(45)【発行日】2022-08-01
(54)【発明の名称】回転ブラシ及びロボット掃除機
(51)【国際特許分類】
A47L 9/04 20060101AFI20220725BHJP
A47L 9/28 20060101ALN20220725BHJP
【FI】
A47L9/04 A
A47L9/28 E
(21)【出願番号】P 2020555491
(86)(22)【出願日】2018-08-01
(86)【国際出願番号】 CN2018098026
(87)【国際公開番号】W WO2019196265
(87)【国際公開日】2019-10-17
【審査請求日】2020-10-09
(31)【優先権主張番号】201820497196.3
(32)【優先日】2018-04-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521273938
【氏名又は名称】美智縦横科技有限責任公司
【氏名又は名称原語表記】Midea Robozone Technology Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.39 Caohu Avenue,Xiangcheng Economic Development Zone,Suzhou,Jiangsu 215131,China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】鄭浩
(72)【発明者】
【氏名】熊芳非
(72)【発明者】
【氏名】宣曉剛
【審査官】渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第204581168(CN,U)
【文献】特開2018-011621(JP,A)
【文献】国際公開第2012/140870(WO,A1)
【文献】特表2015-520639(JP,A)
【文献】特開2007-014369(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105212841(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0290482(US,A1)
【文献】実開昭52-070264(JP,U)
【文献】特開2004-358116(JP,A)
【文献】中国実用新案第206937332(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 9/00- 9/32
A47L11/00-11/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボット掃除機用の回転ブラシであって、
前記回転ブラシに垂直な軸方向に沿って鏡面対称であるとともに同軸に設置される第1ローラ及び第2ローラであって、周方向において間隔をあけて設置された複数の第1取付溝が設けられている前記第1ローラ及び周方向において間隔をあけて設置された複数の第2取付溝が設けられている前記第2ローラと、
前記第1取付溝に挿設されている第1ブラシ部材と、
前記第2取付溝に挿設されている第2ブラシ部材と、
前記回転ブラシは前記第1ローラと前記第2ローラとを接続する接続部材を含
み、
前記接続部材は、前記第1ローラと前記第2ローラとの相対的な回転を制限するために用いられ、
前記第1ローラ及び前記第2ローラは、同一の金型を逆回転させることにより別体に成形された部材であり、前記接続部材は、円盤体と、第1係止ブロックと、第2係止ブロックとを含み、前記第1係止ブロックと前記第2係止ブロックはそれぞれ前記円盤体の背中合わせの両側に設置され、前記第1ローラは外周側に第1固定溝が設けられ、前記第2ローラは外周側に第2固定溝が設けられ、前記第1係止ブロックは前記第1ローラの外周側から前記第1固定溝に係止され、前記第2係止ブロックは前記第2ローラの外周側から前記第2固定溝に係止される、
ことを特徴とする回転ブラシ。
【請求項2】
前記複数の第1取付溝は前記第1ローラの軸方向に沿って螺旋状に設置され、前記複数の第2取付溝は前記第2ローラの軸方向に沿って螺旋状に設置され、前記第1取付溝の螺旋方向と前記第2取付溝の螺旋方向とが、前記第1ローラの軸方向に沿ってみたとき反対である、
ことを特徴とする請求項1に記載の回転ブラシ。
【請求項3】
前記第1ブラシ部材は、第1取付部と、前記第1取付部に設置されている第1除塵部とを含み、前記第1ブラシ部材は前記第1取付部を介して前記第1取付溝に挿設され、
前記第2ブラシ部材は、第2取付部と、前記第2取付部に設置されている第2除塵部とを含み、前記第2ブラシ部材は前記第2取付部を介して前記第2取付溝に挿設される、
ことを特徴とする請求項1
又は請求項2に記載の回転ブラシ。
【請求項4】
前記第1ブラシ部材は、第1サブブラシ体及び第2サブブラシ体を含み、前記第1サブブラシ体と前記第2サブブラシ体とは前記第1ローラの周方向において交互に前記第1取付溝に挿設され、前記第1サブブラシ体の前記第1除塵部の剛性が前記第2サブブラシ体の前記第1除塵部の剛性よりも大きく、
前記第2ブラシ部材は、第3サブブラシ体及び第4サブブラシ体を含み、前記第3サブブラシ体と前記第4サブブラシ体とは前記第2ローラの周方向において交互に前記第2取付溝に挿設され、前記第3サブブラシ体の前記第2除塵部の剛性が前記第4サブブラシ体の前記第2除塵部の剛性よりも大きい、
ことを特徴とする請求項3に記載の回転ブラシ。
【請求項5】
前記第1サブブラシ体及び前記第2サブブラシ体の数はいずれも3つであり
、前記第3サブブラシ体及び前記第4サブブラシ体の数はいずれも3つである、
ことを特徴とする請求項4に記載の回転ブラシ。
【請求項6】
前記第2サブブラシ体の前記第1ローラから離れた一端は前記第1サブブラシ体の前記第1ローラから離れた一端よりも高く、
前記第4サブブラシ体の前記第2ローラから離れた一端は前記第3サブブラシ体の前記第2ローラから離れた一端よりも高く、又は
、
前記第1サブブラシ体の前記第1ローラから離れた一端は前記第2サブブラシ体の前記第1ローラから離れた一端よりも高く、前記第3サブブラシ体の前記第2ローラから離れた一端は前記第4サブブラシ体の前記第2ローラから離れた一端よりも高い、
ことを特徴とする請求項4に記載の回転ブラシ。
【請求項7】
前記第1取付溝はT字溝であり、前記第2取付溝はT字溝である、
ことを特徴とする請求項1に記載の回転ブラシ。
【請求項8】
ロボット掃除機であって、
機器本体及び
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の回転ブラシを含み、前記回転ブラシは前記機器本体に取り付けられ
る、
ことを特徴とするロボット掃除機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2018年4月9日に中国国家知識産権局に提出された、特許番号201820497196.3の特許の優先権及び利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本願は、家電製品の技術分野に関し、さらに具体的には、回転ブラシ及びロボット掃除機に関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術において、ロボット掃除機が動作するとき、ロボット掃除機に取り付けられた回転ブラシがそれに伴って回転し、回転する回転ブラシによって床上のゴミを塵埃吸込口へ掻き入れ、これにより、ゴミがロボット掃除機によってより効果的に吸い込まれるとともに、回転ブラシの植毛で床面の汚れを除去することもでき、これにより、清掃能力が相応に向上するが、既存の回転ブラシの植毛は、プロセスの要求が高く、コストも高く、効率が低い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願の実施形態は、回転ブラシ及びロボット掃除機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の実施形態の回転ブラシは、ロボット掃除機に用いられる。本願の実施形態の回転ブラシは、
前記回転ブラシに垂直な軸方向に沿って鏡面対称であるとともに同軸に設置される第1ローラ及び第2ローラであって、周方向において間隔をあけて設置された複数の第1取付溝が設けられている前記第1ローラ及び周方向において間隔をあけて設置された複数の第2取付溝が設けられている前記第2ローラと、
前記第1取付溝に挿設されている第1ブラシ部材と、
前記第2取付溝に挿設されている第2ブラシ部材と、を含む。
【0006】
本願の実施形態の回転ブラシでは、第1ローラと第2ローラは鏡面対称であり、各第1ブラシ部材の底面は第1取付溝に挿入可能であり、且つ各第2ブラシ部材の底面は第2取付溝に挿入可能であり、これにより、回転ブラシの製造コストを低減でき、取り付けやすく、効率が高い。
【0007】
本願の実施形態のロボット掃除機は、機器本体及び回転ブラシを含み、前記回転ブラシは前記機器本体に取り付けられ、前記回転ブラシは、
前記回転ブラシに垂直な軸方向に沿って鏡面対称であるとともに同軸に設置される第1ローラ及び第2ローラであって、周方向において間隔をあけて設置された複数の第1取付溝が設けられている前記第1ローラ及び周方向において間隔をあけて設置された複数の第2取付溝が設けられている前記第2ローラと、
前記第1取付溝に挿設されている第1ブラシ部材と、
前記第2取付溝に挿設されている第2ブラシ部材と、を含む。
【発明の効果】
【0008】
本願の実施形態のロボット掃除機では、第1ローラと第2ローラは鏡面対称であり、各第1ブラシ部材の底面は第1取付溝に挿入可能であり、且つ各第2ブラシ部材の底面は第2取付溝に挿入可能であり、これにより、回転ブラシの製造コストを低減でき、取り付けやすく、効率が高い。
【0009】
本願の実施形態の付加的な態様及び利点について、その一部は以下に説明され、一部は以下の説明から明らかになるか、又は本願の実施形態の実施を通じて理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本願の上記及び/又は付加的な態様及び利点は、下記の図面を参照して実施形態を説明することにより、明らかになり、理解しやすくなる。
【0011】
【
図1】本願の実施形態の回転ブラシの構造の模式図である。
【
図2】本願の実施形態の回転ブラシの別の構造の模式図である。
【
図3】本願の実施形態の第1ローラの構造の模式図である。
【
図4】本願の実施形態の第1サブブラシ体の構造の模式図である。
【
図5】本願の実施形態の第2サブブラシ体の構造の模式図である。
【
図6】本願の実施形態の回転ブラシの断面構造の模式図である。
【
図7】本願の実施形態のロボット掃除機の底面の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、本願の実施形態についてさらに説明する。図面において、同じ又は類似の符号は、全文に渡って同じ又は類似の素子又は同じ又は類似の機能を有する素子を表す。
【0013】
また、以下に図面を参照して説明した本願の実施形態は例示的なものであり、本願の実施形態を解釈するためのものにすぎず、本願を制限するものとして理解するべきではない。
【0014】
本願において、特に明確に定義及び限定しない限り、第1特徴が第2特徴の「上」又は「下」であるということは、第1は第2特徴に直接接触することであっても、第1が第2特徴に中間媒体を介して間接的に接触することであってもよい。そして、第1特徴が第2特徴「の上」、「上方向」及び「上面」にあるということは、第1特徴が第2特徴の真上又は斜め上にあることであってもよいし、第1特徴の水平高さが第2特徴よりも高いことを表すだけであってもよい。第1特徴が第2特徴「の下」、「下方」及び「下面」にあるということは、第1特徴が第2特徴の真下又は斜め下にあることであってもよいし、第1特徴の水平高さが第2特徴よりも低いことを表すだけであってもよい。
【0015】
図1及び
図2を参照すると、本願は、回転ブラシ100を提供する。回転ブラシ100は、第1ローラ10及び第2ローラ20を含む。第1ローラ10と第2ローラ20とは、回転ブラシ100に垂直な軸方向に沿って鏡面対称であるとともに同軸に設置される。第1ローラ10には、第1ローラ10の周方向において間隔をあけて設置された複数の第1取付溝12が設けられている。第2ローラ20には、第2ローラ20の周方向において間隔をあけて設置された複数の第2取付溝22が設けられている。回転ブラシ100は、第1ブラシ部材30及び第2ブラシ部材40をさらに含む。第1ブラシ部材30は、第1取付溝12に挿設されている。第2ブラシ部材40は、第2取付溝22に挿設されている。
【0016】
上記実施形態の回転ブラシ100では、第1ローラ10と第2ローラ20は鏡面対称であり、各第1ブラシ部材30の底面は第1取付溝12に挿入可能であり、且つ第2ブラシ部材40の底面は第2取付溝22に挿入可能であり、これにより、回転ブラシ100の製造コストを低減でき、取り付けやすく、効率が高い。
【0017】
具体的には、第1ローラ10と第2ローラ20は別体に成形される。第1ローラ10と第2ローラ20とは、形状及び大きさが一致している。第1ローラ10及び第2ローラ20の形状は、両方とも略円筒体を呈してもよい。回転ブラシ100の金型を使用して回転ブラシ100を生産する場合、第1ローラ10及び第2ローラ20は、同じ金型を逆回転させ押し出すことにより得られる。第1ローラ10の一端と第2ローラ20の一端とは、1つの回転ブラシ100を形成するように外部素子を介して一体に接続される。
【0018】
なお、第1ローラ10と第2ローラ20とは、回転ブラシ100に垂直な軸方向に沿って鏡像であるとともに同軸に設置され、つまり、第1ローラ10と第2ローラ20との中心軸は同じ水平面にある。第1ローラ10と第2ローラ20とは回転ブラシ100の中心軸に垂直な軸方向に沿って左右対称であり、第1ローラ10と第2ローラ20とは、形状及び大きさが鏡像であり、且つ一致している。
【0019】
具体的には、一例において、第1ローラ10に設置されている第1取付溝12は、いずれも周方向において等間隔に設置されてもよく、例えば、隣接する2つの第1取付溝12同士の周方向間隔の角度は30度、60度又は90度であってもよく、ここでは制限しない。第2ローラ20に設置されている第2取付溝22は、いずれも周方向において等間隔に設置されてもよく、例えば、隣接する2つの第2取付溝22同士の周方向間隔の角度は30度、60度又は90度であってもよく、ここでは制限しない。
【0020】
第1ブラシ部材30及び第2ブラシ部材40は、いずれも清掃用のブラシ構造体である。一実施例において、第1ブラシ部材30は、異なる清掃能力を有するブレード構造体又はブラシ毛構造体を含む。第2ブラシ部材40も、異なる清掃能力を有するブレード構造体又はブラシ毛構造体を有する。第1ブラシ部材30は、第1取付溝12に対して移動可能で、第2ブラシ部材40は第2取付溝22に対して移動可能である。生産・組立時に、第1ブラシ部材30を第1取付溝12の軸方向に沿って第1取付溝12に挿設することができ、第2ブラシ部材40を第2取付溝22の軸方向に沿って第2取付溝22に挿設することができ、こうすると、効率が高く、取り付けやすく、コストが低い。
【0021】
図1及び
図3を参照すると、一部の実施形態において、複数の第1取付溝12は第1ローラ10の軸方向に沿って螺旋状に設置され、複数の第2取付溝22は第2ローラ20の軸方向に沿って螺旋状に設置され、第1ローラ10の軸方向に沿ってみたとき、第1取付溝12の螺旋方向と第2取付溝22の螺旋方向は反対である。こうすると、回転ブラシ100の清掃能力を向上させることができる。
【0022】
なお、第1ローラ10の左から右への軸方向Lにおいて、第1取付溝12の螺旋方向は下から上であり、第2取付溝22の螺旋方向は上から下であり、つまり、第1ローラ10と第2ローラ20との螺旋方向は反対である。また、第1ローラ10及び第2ローラ20を生産する場合、第1ローラ10と第2ローラ20とのブランク材を異なる方向に沿って選択するだけで、螺旋方向が反対の取付溝を得られ、それにより第1ローラ10及び第2ローラ20を得られる。
【0023】
図1、
図4及び
図5を参照すると、一部の実施形態において、第1ブラシ部材30は、第1取付部32と、第1取付部32に設置された第1除塵部34とを含む。第1ブラシ部材30は、第1取付部32を介して第1取付溝12に挿設される。第2ブラシ部材40は、第2取付部42と、第2取付部42に設置された第2除塵部44とを含む。第2ブラシ部材40は、第2取付部42を介して第2取付溝22に挿設される。
【0024】
こうすると、第1取付部32を介して、第1ブラシ部材30を第1取付溝12に迅速に取り付けることができ、第2取付部42を介して、第2ブラシ部材40を第2取付溝22に迅速に取り付けることができ、効率が高く、コストが低い。
【0025】
具体的には、一実施例において、第1除塵部34を接着剤で第1取付部32に貼りつけることができ、第2除塵部44も接着剤で第2取付部42に貼りつけることができる。別の実施例において、第1除塵部34を機械的な圧着方法で第1取付部32に貼りつけることができ、第2除塵部44も機械的な圧着方法で第2取付部42に貼りつけることができる。
【0026】
図1を参照すると、一部の実施形態において、第1ブラシ部材30は、第1サブブラシ体31及び第2サブブラシ体33を含み、第1サブブラシ体31と第2サブブラシ体33とは第1ローラ10の周方向において交互に第1取付溝12に挿設されている。第1サブブラシ体31の第1除塵部34の剛性は第2サブブラシ体33の第1除塵部34の剛性よりも大きい。第2ブラシ部材40は、第3サブブラシ体41及び第4サブブラシ体43を含み、第3サブブラシ体41と第4サブブラシ体43とは第2ローラ20の周方向において交互に第2取付溝22に挿設されている。第3サブブラシ体41の第2除塵部44の剛性は第3サブブラシ体41の第2除塵部44の剛性よりも大きい。
【0027】
こうすると、回転ブラシ100が異なる清掃床面に適応でき、ユーザの使用感も良くなる。
【0028】
なお、第1サブブラシ体31と第2サブブラシ体33とは第1ローラ10の周方向において交互に第1取付溝12に挿設され、一実施例において、第1サブブラシ体31と第2サブブラシ体33とは第1ローラ10の周方向において均等且つ交互に第1取付溝12に挿設される。つまり、隣接する第1サブブラシ体31と第2サブブラシ体33との間の周方向間隔の角度差は同じである。好ましくは、隣接する第1サブブラシ体31と第2サブブラシ体33との間の周方向間隔の角度差は60度である。同様に、第3サブブラシ体41と第4サブブラシ体43とは第2ローラ20の周方向において交互に第2取付溝22に挿設され、一実施例において、第3サブブラシ体41と第4サブブラシ体43とは第2ローラ20の周方向において均等且つ交互に第2取付溝22に挿設される。つまり、隣接する第3サブブラシ体41と第4サブブラシ体43との間の間隔の角度差は同じである。好ましくは、隣接する第3サブブラシ体41と第4サブブラシ体43との間の周方向間隔の角度差は60度である。
【0029】
さらに、第1サブブラシ体31の第1除塵部34の剛性は第2サブブラシ体33の第1除塵部34よりも大きく、つまり、第1サブブラシ体31の第1除塵部34の清掃力が第2サブブラシ体33の第1除塵部34の清掃力よりも大きい。第1サブブラシ体31と第2サブブラシ体33との剛性が異なるため、回転ブラシ100が清掃時に異なる清掃床面に適応できる。同様に、第3サブブラシ体41の第2除塵部44の剛性は第3サブブラシ体41の第2除塵部44よりも大きく、つまり、第3サブブラシ体41の第2除塵部44の清掃力が第4サブブラシ体43の第2除塵部44の清掃力よりも大きい。第3サブブラシ体41と第4サブブラシ体43との剛性が異なるため、回転ブラシ100が清掃時に異なる清掃床面に適応できる。
【0030】
具体的には、第1サブブラシ体31は清掃のためのブレードであってもよく、ブレード全体は第1取付部32に直接取り付けられてもよい。第2サブブラシ体33は清掃のための絨毛ブラシであってもよい。絨毛ブラシは、第1取付部32に取り付けられる。第3サブブラシ体41は清掃のためのブレードであってもよく、ブレード全体は第2取付部42に直接取り付けられてもよい。第4サブブラシ体43は清掃のための絨毛ブラシであってもよい。絨毛ブラシは第2取付部42に取り付けられる。
【0031】
一実施例において、第1サブブラシ体31及び第2サブブラシ体33の数はいずれも3つであり、また、第3サブブラシ体41及び第4サブブラシ体43の数はいずれも3つである。別の実施例において、第1サブブラシ体31及び第2サブブラシ体33の数はいずれも3つである。また別の実施例において、第3サブブラシ体41及び第4サブブラシ体43の数はいずれも3つである。
【0032】
こうすると、回転ブラシ100の清掃能力が向上でき、構造が簡単で、コストが低い。
【0033】
なお、隣接する2つの第1サブブラシ体31の周方向間隔の角度は120度である。隣接する2つの第2サブブラシ体33の周方向間隔の角度は120度である。隣接する2つの第3サブブラシ体41の周方向間隔の角度は120度である。隣接する2つの第4サブブラシ体43の周方向間隔の角度は120度である。
【0034】
一実施例において、第2サブブラシ体33の第1ローラ10から離れた一端は第1サブブラシ体31の第1ローラ10から離れた一端よりも高く、また、第4サブブラシ体43の第2ローラ20から離れた一端は第3サブブラシ体41の第2ローラ20から離れた一端よりも高い。別の実施例において、第1サブブラシ体31の第1ローラ10から離れた一端は第2サブブラシ体33の第1ローラ10から離れた一端よりも高く、第3サブブラシ体41の第2ローラ20から離れた一端は第4サブブラシ体43の第2ローラ20から離れた一端よりも高い。
【0035】
こうすると、回転ブラシ100の清掃能力が向上できるとともに、回転ブラシ100が清掃時に異なる清掃床面に適応できる。
【0036】
好ましくは、第2サブブラシ体33の高さは第1サブブラシ体31の高さよりも0.4mm高い。第4サブブラシ体43の高さは第3サブブラシ体41の高さよりも0.4mm高い。当然のことながら、第1サブブラシ体31の高さと第2サブブラシ体33の高さとの差をニーズに応じて設定でき、ここでは限定しない。同様に、第3サブブラシ体41と第4サブブラシ体43との高さの差をニーズに応じて設定でき、ここでは限定しない。
【0037】
図1及び
図3を参照すると、一部の実施形態において、第1取付溝12はT字溝であり、第2取付溝22はT字溝である。こうすると、第1ブラシ部材30を第1取付溝12に容易に挿設し、第2ブラシ部材40を第2取付溝22に容易に挿設する。
【0038】
図1及び
図2を参照すると、一部の実施形態において、回転ブラシ100は、第1ローラ10と第2ローラ20とを接続する接続部材50を含み、接続部材50は、第1ローラ10と第2ローラ20との相対的な回転を制限するために用いられる。こうすると、接続部材50を介して第1ローラ10と第2ローラ20とを接続し、構造が簡単である。
【0039】
具体的には、接続部材50は独立部品であり、接続部材50の両端は、それぞれ第1ローラ10及び第2ローラ20に接続される。接続部材50の直径は、第1ローラ10及び第2ローラ20に一致してもよい。一実施例において、接続部材50は円環状を呈してもよい。
【0040】
図1及び
図2を参照すると、一部の実施形態において、接続部材50は円盤体52、第1係止ブロック54及び第2係止ブロック56を含み、第1係止ブロック54及び第2係止ブロック56は、それぞれ円盤体52の背中合わせの両側に設置され、第1ローラ10には第1固定溝14が設けられ、第2ローラ20には第2固定溝24が設けられ、第1係止ブロック54は第1固定溝14に係止され、第2係止ブロック56は第2固定溝24に係止される。
【0041】
こうすると、第1係止ブロック54と第1固定溝14との協働、第2係止ブロック56と第2固定溝24との協働により、第1ローラ10と第2ローラ20とを一体に固定することが容易になる。
【0042】
具体的には、複数の第1係止ブロック54は等間隔に設置され、複数の第2係止ブロック56は等間隔に設置される。第1係止ブロック54及び第2係止ブロック56の数は、ここでは限定せず、ニーズに応じて設定できる。
【0043】
なお、第1ローラ10の一端には、第2ローラ20から離れる方向に向かって第1固定溝14が設けられ、つまり、第1固定溝14は円盤体52に沿った断面方向に垂直であってもよい。第2ローラ20の一端には、第1ローラ10から離れる方向に向かって第2固定溝24が設けられ、つまり、第2固定溝24は円盤体52に沿った断面方向に垂直であってもよい。
【0044】
図7を参照すると、本願の実施形態は、ロボット掃除機1000をさらに提供する。ロボット掃除機1000は、上記いずれの実施形態の回転ブラシ100を含む。回転ブラシ100は機器本体300に取り付けられる。機器本体300は、モータ(図示せず)を含む。モータは、回転ブラシ100が回転するように駆動するためのモータである。
【0045】
上記実施形態のロボット掃除機1000では、第1ローラ10と第2ローラ20とは鏡面対称であり、各第1ブラシ部材30の底面は第1取付溝12に挿入可能であり、且つ第2ブラシ部材40の底面は第2取付溝22に挿入可能であり、これにより回転ブラシ100の製造コストを低減でき、取り付けやすく、効率が高い。
【0046】
具体的には、ロボット掃除機1000は、モータに接続されるモータ回転カーバ200をさらに含み、モータが回転するときに、モータ回転カーバ200も駆動されて回転する。また、回転ブラシ100は、第1エンドカーバ60及び第2エンドカーバ70をさらに含み、第1エンドカーバ60はモータ回転カーバ200と第1ローラ10とを接続し、第2エンドカーバ70は第2ローラ20を接続する。
【0047】
ロボット掃除機1000は、サイドブラシ400(図示せず)をさらに含む。機器本体300は、円形又は略正方形に形成されてもよく、機器本体300はプラスチックであってもよい。機器本体300の前側にバンパー(図示せず)を設置してもよいし、バンパーと機器本体300との間にバネを設置してもよく、それにより機器本体300が障害物に衝突した後、障害物によってロボット掃除機1000に加えられた衝突力が当該バネによって緩衝されることができ、さらに、ロボット掃除機1000を保護する。
【0048】
機器本体300内にはダストカップ(図示せず)が設置され、ダストカップは少なくとも1層のフィルター構造を有することができ、機器本体300の底面に塵埃吸込口(図示せず)が設置され、塵埃吸込口はダストカップに連通されてもよく、ダストカップの裏側に負圧を発生するための吸塵モータを配置でき、吸塵モータの働きで、塵埃吸込口から塵埃をダストカップ内に吸い込むことができ、ユーザは、ロボット掃除機1000を一定時間使用した後、ダストカップをロボット掃除機1000の機器本体300から取り出して塵埃を捨てることができ、また、ユーザはダストカップ及びフィルター構造を定期的に洗浄することもできる。
【0049】
ダストカップの両側にそれぞれ走行輪(図示せず)が1つ設置され、各走行輪はそれぞれ1つの独立の駆動モータ(図示せず)により駆動され、2つの走行輪の中間位置の前側に、支持及びステアリング機能を有するユニバーサルホイール(図示せず)をさらに設置してもよいが、これに限定されない。
【0050】
サイドブラシ400は、機器本体300の底部に設置されるとともに2つの走行輪の前側に位置することができ、サイドブラシ400は、独立のモータによって駆動されて回転し、サイドブラシ400は、機器本体300の底部及び機器本体300の両側にある塵埃を塵埃吸込口の処に集め、それにより、より高効率で塵埃をダストカップ内に吸い込むことができる。
【0051】
本明細書の説明において、用語「一部の実施形態」、「一実施形態」、「いくつかの実施形態」、「模式的な実施形態」、「例示」、「具体的な例示」、又は「いくつかの例示」は、前記実施形態または例示を参照しながら説明した具体的な特徴、構造、材料又は特性は、本願の少なくとも1つの実施形態又は例示に含まれることを意図する。本明細書において、上記用語の模式的な記述は、必ずしも同じ実施形態又は例示を意味するとは言えない。そして、説明した具体的な特徴、構造、材料又は特性を、いずれの1つ又は複数の実施形態又は例示において、適切な方法で組み合わせてもよい。
【0052】
また、用語「第1」、「第2」は、説明のためにしか使用されず、相対的な重要性を明示または示唆するか、または、示された技術的特徴の数を暗示するものとして理解されるべきではない。したがって、「第1」および「第2」により限定される特徴は、少なくとも1つの前記特徴を明示するかまたは暗黙的に含む。本願の説明において、「複数の」は、特に明確に限定しない限り、少なくとも2つ、例えば2つ、3つであることを意味する。
【0053】
以上、本願の実施例を示し、説明したが、上記実施例は例示的なものであり、本願を限定するものと理解するべきではなく、当業者は、本願の保護範囲内で上記実施例に対して変更、修正、置換及び変形を行うことができ、本願の保護範囲は請求項及びそれに同等なものによって定義されることを理解できるだろう。
【符号の説明】
【0054】
1000…ロボット掃除機、100…回転ブラシ、10…第1ローラ、12…第1取付溝、14…第1固定溝、20…第2ローラ、22…第2取付溝、24…第2固定溝、30…第1ブラシ部材、32…第1取付部、34…第1除塵部、31…第1サブブラシ体、33…第2サブブラシ体、40…第2ブラシ部材、42…第2取付部、44…第2除塵部、41…第3サブブラシ体、43…第4サブブラシ体、50…接続部材、52…円盤体、54…第1係止ブロック、56…第2係止ブロック、60…第1エンドカーバ、70…第2エンドカーバ、200…モータ回転カーバ、300…機器本体、400…サイドブラシ。