(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-22
(45)【発行日】2022-08-01
(54)【発明の名称】電気エネルギーの過電流および過電圧保護された伝達のための多段保護装置
(51)【国際特許分類】
H02H 3/08 20060101AFI20220725BHJP
H02H 3/093 20060101ALI20220725BHJP
H02H 3/20 20060101ALI20220725BHJP
【FI】
H02H3/08 P
H02H3/093 A
H02H3/20 A
(21)【出願番号】P 2020567608
(86)(22)【出願日】2019-05-22
(86)【国際出願番号】 EP2019063240
(87)【国際公開番号】W WO2019238370
(87)【国際公開日】2019-12-19
【審査請求日】2021-01-25
(32)【優先日】2018-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BE
(73)【特許権者】
【識別番号】504019733
【氏名又は名称】フェニックス コンタクト ゲーエムベーハー ウント コムパニー カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハックル イヴ
(72)【発明者】
【氏名】グリース シモン-インマヌエル
【審査官】杉田 恵一
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-324674(JP,A)
【文献】特開2007-43822(JP,A)
【文献】特表2002-540756(JP,A)
【文献】特表2012-516669(JP,A)
【文献】特表2020-508032(JP,A)
【文献】特表2021-526784(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第3831935(DE,A1)
【文献】独国特許出願公開第102006057249(DE,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0027754(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0103834(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0338645(US,A1)
【文献】国際公開第2015/075801(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02H 3/08
H02H 3/093
H02H 3/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電圧端子(101)から電気負荷(103)への電気エネルギーの過電流および過電圧保護された伝達のための保護装置(100)であって、前記電圧端子(101)が2つの極を含み、
前記電圧端子(101)から前記電気負荷(103)への線路電流の流れを、前記線路電流が第1の公称電流に達すると阻止するように適合された第1のヒューズ回路(105)と、
前記第1のヒューズ回路(105)の下流かつ前記電気負荷(103)の上流に接続された過電圧保護回路(107)であり、電圧が前記電圧端子(101)において第1の電圧制限に達すると、前記第1の公称電流に達する線路電流を強制的に流して前記第1のヒューズ回路(105)をトリガするために、前記電圧端子の前記極を導電的に接続するように適合されている、過電圧保護回路(107)と、
前記過電圧保護回路(107)の下流かつ前記電気負荷(103)の上流に接続された第2のヒューズ回路(109)であり、前記線路電流が第2の公称電流に達すると、前記線路電流の前記流れを阻止するように適合され、前記第2の公称電流が前記電気負荷(103)に依存する、第2のヒューズ回路(109)と、
を
有し、
前記過電圧保護回路(107)が、前記第2のヒューズ回路(109)の公称電圧を低下させるように適合されていることを特徴とする保護装置(100)。
【請求項2】
請求項1に記載の保護装置(100)であって、特に第2の予想短絡電流である前記第2の公称電流が、特に第1の予想短絡電流である前記第1の公称電流よりも小さ
いことを特徴とする保護装置(100)。
【請求項3】
請求項1または2に記載の保護装置(100)であって、前記第2の公称電流が前記第1の公称電流よりも小さく、それに対応して前記電気負荷(103)への短絡電流強度が低い電流の流れを阻止することを特徴とする保護装置(100)。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の保護装置(100)であって、前記過電圧保護回路(107)が、前記電圧端子(101)の前記極に電気的に並列に接続された、制御入力(113)を有する半導体スイッチ(111)を備え、前記半導体スイッチ(111)が、前記制御入力(113)に印加される制御信号によって前記電圧端子(101)の前記極を電気的に接続し、前記線路電流が最小電流値を下回ると、前記電圧端子(101)の前記極の前記電気的接続を解除するように適合されていることを特徴とする保護装置(100)。
【請求項5】
請求項4に記載の保護装置(100)であって、前記半導体スイッチ(111)がサイリスタまたはトランジスタによって形成されていることを特徴とする保護装置(100)。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の保護装置(100)であって、前記第1のヒューズ回路(105)および前記第2のヒューズ回路(109)がそれぞれ、過電流保護装置(123、125)、特にヒューズおよび/または電源スイッチを有し、前記それぞれの過電流保護装置(123、125)が、前記第1の電流強度制限もしくは前記第2の公称電流に達したときに、または前記第1の公称電流または前記第2の公称電流に達した後、所定の時間間隔が経過した後に、前記電圧端子(101)と前記電気負荷(103)との間の前記電気的接続を切断するように適合されていることを特徴とする保護装置(100)。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の保護装置(100)であって、前記第2のヒューズ回路(109)が、それぞれが電気エネルギーを電気負荷(103、205)に伝達するように適合された少なくとも2つの電流経路(201-1、201-2)を有し、過電流保護装置(125、203)が前記それぞれの電流経路(201-1、201-2)に配置されていることを特徴とする保護装置(100)。
【請求項8】
請求項7に記載の保護装置(100)であって、前記過電流保護ヒューズ(125、203)が前記それぞれの電流経路(201-1、201-2)において電流の流れを阻止するために、異なる公称電流でトリガするように適合されていることを特徴とする保護装置(100)。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の保護装置(100)であって、前記第1のヒューズ回路(105)および/または前記第2のヒューズ回路(109)が、構成要素および/もしくは周囲温度を検出するように、前記構成要素および/もしくは周囲温度が温度制限に達すると前記過電圧保護回路(107)をトリガするように、ならびに/または前記電圧端子(101)から前記電気負荷(103)に電流が流れるのを阻止するように適合されていることを特徴とする保護装置(100)。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の保護装置(100)であって、前記第2のヒューズ回路(109)が、前記線路電流を前記第2の公称電流に制限することによって、前記第1のヒューズ回路(105)および前記過電圧保護回路(107)を備える複合体と比較して低減された最大電力を前記電気負荷(103)に提供するように適合されていることを特徴とする保護装置(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電圧端子から電気負荷への電気エネルギーの過電流および過電圧保護された伝達のための保護装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電流強度、電圧および/または電力を制限するための保護装置は、通常、それぞれ所定の制限を上回る電流強度、電圧および/または電力から下流の電気部品を保護するために、絶縁増幅器で使用される。これに対応して、保護装置の下流に接続されている電気部品の最大公称データを有利に減らすことができる。爆発保護の要件を満たすために、保護装置を使用して、電圧端子から電気負荷を安全に切断することもできる。
【0003】
保護装置は、通常、過電流保護と、過電流保護の下流に接続された過電圧保護と、を有する。過電圧保護は、電圧制限に達すると電圧を短絡させることができ、それにより、短絡電流が過電流保護を通って流れ、過電流保護は、その後、公称電流に達すると電流の流れを遮断するためにトリガされ得る。不利なことに、公称電流に応じて、および/または電圧制限に応じて下流の電気部品の寸法決めをすることが必要な場合がある。したがって、電気部品は、公称電流および/または電圧制限未満での動作には必要でない、増加した部品寸法ならびに増加した公称電流および/または増加した公称電圧を有する可能性がある。
【0004】
以下の特許文献1には、本願発明に関連する技術として、電気機器の電源の監視・保護装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許出願公開第2010/188785号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示の目的は、従来の保護装置で可能であるよりも低い最大公称電流用に適合させることができる電気部品を保護装置の下流に接続することを可能にする、より効率的な保護装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本目的は、独立請求項の特徴によって達成される。有利な実施形態は、従属請求項、明細書、および添付図の主題である。
【0008】
本開示は、第1の過電流保護および過電圧リミッタに加えて、追加の過電流保護を有する保護装置によって上記の目的が達成され得るという知見に基づく。特に、第1のヒューズよりも低い公称電流でトリガする第2のヒューズを第1のヒューズの下流に接続することができる。その結果、電気負荷を過電圧装置によって引き起こされる短絡電流よりも小さい過電流からも保護することができる。第1の過電圧リミッタおよび追加の過電流保護は、2つの別々の電圧制限スイッチ、特に異なるサイズのZダイオードによってトリガさせることができるクランプ回路とすることができる。
【0009】
第1の態様によると、本開示は、電圧端子から電気負荷への電気エネルギーの過電流および過電圧保護された伝達のための保護装置に関し、電圧端子は、2つの極(poles)を備える。保護装置は、電圧端子から電気負荷への線路電流の流れを、前記線路電流が第1の公称電流に達すると阻止するように適合された第1のヒューズ回路を備える。さらに、保護装置は、第1のヒューズ回路の下流かつ電気負荷の上流に接続された過電圧保護回路を含む。過電圧保護回路は、電圧端子において電圧が第1の電圧制限に達すると、第1の公称電流に達する線路電流を強制的に流して第1のヒューズ回路をトリガさせるために、電圧端子の極を電気的に低抵抗で接続するように適合されている。さらに、保護装置は、過電圧保護回路の下流に接続され、かつ電気負荷の上流に接続された第2のヒューズ回路を備える。第2のヒューズ回路は、線路電流が第2の公称電流に達すると前記線路電流が流れるのを阻止するように適合されている。第2の公称電流は、電気負荷に依存する。
【0010】
一実施形態では、第2の公称電流は、第1の公称電流よりも小さく、それに対応して電気負荷への短絡電流強度が低い電流の流れを阻止する。
【0011】
保護装置は、過電流保護とクランプ回路(クローバー(crowbar))との組合せとすることができ、これにより、電気負荷に許容される電流強度を上回る電流強度を有する電流の流れ、および/または電気負荷に許容される最大電圧を上回る電圧の存在に対して電気負荷の安全を確保することができる。特に、電流強度と電圧の制限との組合せによって、負荷が変換することができる最大電力も規定することができる。
【0012】
さらに、保護装置は、例えば、下流の電気部品の最大公称データを低減させることができるように、絶縁増幅器の信号入力に配置することができる。さらに、保護装置は、下流の電気部品が爆発性の環境および/または雰囲気で動作可能であることを可能にするために、爆発保護を形成することができる。
【0013】
保護装置は、保護装置の後の所定の電流強度、電圧、および/または電力値を予想することできるように、電気負荷のエネルギー供給部の下流に接続することができる。したがって、保護装置の下流に接続された電子回路は、電圧および/または電流強度レベルが低減することが予想され得るため、より小さい空隙距離および/または沿面距離を有することができる。
【0014】
第1のヒューズ回路の後に第2のヒューズ回路を配置することにより、第2のヒューズ回路の下流に接続された電子部品間で、電気的パラメータ、特に最大公称電流をより柔軟に設定することができるという利点を達成することができる。第2のヒューズ回路は、第1のヒューズ回路と比較して部品寸法が低減されたチップヒューズとして適合させることができる。さらに、第2のヒューズ回路の下流に接続された電気部品は、第1のヒューズ回路の下流の配置と比較して、部品寸法が低減し、および/または性能データが減少する可能性がある。
【0015】
ヒューズ回路のための電圧端子は、特に、エネルギー供給ネットワークとヒューズ回路との間に配置された回路によって形成することができる。この中間段は、例えば、スイッチモード電源および/または電圧変換器とすることができる。
【0016】
第2の公称電流は、第1の公称電流よりも小さくすることができる。特に、電圧端子の電圧の電圧変換が第1のヒューズ回路と第2のヒューズ回路との間に設けられていない場合、第2のヒューズ回路の下流に接続された電気負荷は、比較的低い公称電流を有することができ、それに対応して高い費用対効果でおよび/またはより小さく製造することができる。
【0017】
さらに、第1のヒューズ回路と第2のヒューズ回路との間に、電圧端子の電圧を昇圧または降圧するように適合された変圧器を配置することができる。変圧器は、例えば、電圧を24Vから5Vに低減させるように適合させることができる。第2のヒューズ回路の下流に接続された電気負荷は、第2の公称電流が第1の公称電流よりも大きくなるように、第1のヒューズ回路よりも高い電流強度に適合させることができる。
【0018】
保護装置は、保護装置の下流に接続されている電気負荷に規定された電流強度、電圧、および/または電力値を提供するために、エネルギー供給部の下流に接続されているバックアップヒューズとすることができる。電気負荷の電気部品間の絶縁距離は、特に最大電圧レベル、例えば50Vに適合させることができる。保護装置の後に、例えば、エネルギー供給部の出力電圧を増加または減少させるスイッチモード電源があってもよい。特に、20V~30Vの範囲の電圧を、3V~12Vの電圧に低下させることができる。それに応じて、下流の絶縁要素、例えば、変圧器は、従来のクローバー回路を使用する場合に可能であるよりも低い最大電圧に対して寸法決めすることができる。
【0019】
第1のヒューズ回路は、例えば、1500Aの予想短絡電流の場合に、線路電流の流れを阻止するように適合させることができ、過電圧保護回路は、電圧を調整可能な電圧値、例えば、18Vに制限する。それに応じて、第2のヒューズ回路は、第1のヒューズ回路によって保護された短絡電流を下回る電流強度で線路電流が流れるのを阻止するように適合させることができる。これに対応して、第2のヒューズ回路をチップヒューズとして実装することができ、それに応じて数多くの設計で製造することができるため、下流の電子回路を保護するためのパラメータを広範囲のパラメータから選択することができる。特に、保護装置は、このようにして市場での入手可能性のレベルが高い電子部品から構成することができ、したがって効率的かつ安価に製造することができる。
【0020】
一実施形態では、特に第2の予想短絡電流である第2の公称電流は、特に第1の予想短絡電流である第1の公称電流よりも小さく、および/または過電圧保護回路が第2のヒューズ回路の公称電圧を低下させるように適合されている。これにより、上述した利点が実現される。
【0021】
一実施形態では、第1のヒューズ回路および第2のヒューズ回路はそれぞれ、過電流保護装置、特にヒューズおよび/または電源回路スイッチを有し、過電流保護装置は、第1の公称電流もしくは第2の公称電流に達したときに、または第1の公称電流または第2の公称電流に達した後、所定の時間間隔が経過した後に、電圧端子と電気負荷との間の電気的接続を切断するように適合されている。
【0022】
所定の時間間隔は、ヒューズのワイヤエレメントが電流の流れによって加熱され、溶融される、それぞれのヒューズのトリガ遅延によって決定することができる。第1のヒューズ回路における過電流保護ヒューズのトリガ遅延は、第2の保護回路における過電流保護ヒューズのトリガ遅延よりも大きくすることができる。特に、第1の過電流保護ヒューズは、半導体スイッチが切り替わった後、電圧端子と電気負荷との間の電気的接続をその後切断するために使用される。第1の過電流保護ヒューズをトリガさせる、第1の公称電流を上回る電流強度を有する線路電流は、半導体スイッチを介して流れ、したがって電気負荷には流れない。
【0023】
電気負荷を損傷する可能性のある電流強度を有する線路電流に対する電気負荷の保護は、第2の過電流保護装置によって実施することができる。したがって、第2の過電流保護装置は、第1の過電流保護装置よりも迅速にかつ低い電流強度でトリガすることができる。
【0024】
一実施形態では、第1の保護回路および/または第2の保護回路は、第1の公称電流を上回るおよび/または第2の公称電流を上回る電流強度で線路電流が電気負荷に流れるのを阻止するために、短絡電流が過電圧保護回路を通って流れたときに、電圧端子と電気負荷との間の電気的接続を遮断するように適合されている。
【0025】
電気的接続は、ブロッキング半導体素子、機械的スイッチング接点によって、または過電流保護装置の規定された溶融によって遮断することができる。したがって、電気的接続は、可逆的な方法で、または規定された溶融の場合は不可逆的な方法で切断することができる。第1の保護回路および/または第2の保護回路がトリガされた後、回路を動作状態に戻すために手動の介入が必要な場合がある。例えば、過電流保護装置のうちの1つを交換すること、および/または過電圧もしくは過電流の原因を取り除くことが必要な場合がある。
【0026】
一実施形態では、第2のヒューズ回路は、電気エネルギーを電気負荷に伝達するようにそれぞれ適合された少なくとも2つの電流経路を有し、過電流保護装置は、各電流経路に配置されている。
【0027】
一実施形態では、電流経路の過電流保護装置は、それぞれの電流経路における電流の流れを阻止するために、異なる公称電流でトリガされるように適合されている。
【0028】
一実施形態では、第1のヒューズ回路および/または第2のヒューズ回路は、構成要素および/または周囲温度を検出し、構成要素および/または周囲温度が温度制限に達すると、過電圧保護回路をトリガし、および/または電圧端子から電気負荷に電流が流れるのを阻止するように適合されている。これには、電気負荷を熱的負荷から保護することができるという利点がある。
【0029】
一実施形態では、第2のヒューズ回路は、線路電流を第2の公称電流に制限することによって、第1のヒューズ回路および過電圧保護回路から構成される複合体と比較して低減された最大電力を電気負荷に提供するように適合されている。
【0030】
一実施形態では、過電流保護装置は、電気負荷の下流に接続することができる。
【0031】
さらなる例示的な実施形態は、添付の図を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】一実施形態における保護装置を示す図である。
【
図2】一実施形態における保護装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1は、電圧端子101から電気負荷103への電気エネルギーの過電流および過電圧保護された伝達のための保護装置100の概略図を示し、電圧端子101は、2つの極を含む。保護装置100は、電圧端子101から電気負荷103への線路電流の流れを、前記線路電流が第1の公称電流強度制限に達すると、阻止するように適合された第1のヒューズ回路105を備える。
【0034】
保護装置100は、第1のヒューズ回路105の下流かつ電気負荷103の上流に接続された過電圧保護回路107をさらに備える。過電圧保護回路107は、電圧が電圧端子101において第1の電圧制限に達すると、第1の公称電流に達する線路電流を強制的に流して、第1のヒューズ回路105をトリガさせるために、電圧端子101の極を導電的に接続するように適合されている。
【0035】
さらに、保護装置100は、過電圧保護回路107の下流に接続され、かつ電気負荷103の上流に接続された第2のヒューズ回路109を備える。第2のヒューズ回路109は、線路電流が第2の公称電流に達すると線路電流が流れるのを阻止するように適合されている。第2の公称電流は、第1の公称電流よりも小さい。
【0036】
過電圧保護回路107は、電圧端子101の極に電気的に並列に接続された、制御入力113を有する半導体スイッチ111、特にサイリスタを含む。半導体スイッチ111は、制御入力113に印加される制御信号によって電圧端子101の極を導電的に接続し、線路電流が最小電流値を下回ると電圧端子101の極の電気的接続を解除するように適合されている。
【0037】
過電圧保護回路107は、電圧制限スイッチ115、特に、スイッチ入力117およびスイッチ出力119を有するZダイオードをさらに備える。電圧制限スイッチ115は、スイッチ入力117を介して第1のヒューズ回路105の下流に接続され、スイッチ出力119を介して半導体スイッチ111の制御入力113に接続されている。さらに、電圧制限スイッチ115は、電圧端子101において電圧が第1の電圧制限に達すると、スイッチ出力119において制御信号を提供するように適合されている。
【0038】
過電圧保護回路107は、電圧制限スイッチ115のスイッチ出力119の下流に接続された、電圧制限スイッチ115と共に電圧端子101の極に電気的に並列に配置された抵抗器121をさらに備える。制御入力113は、電圧制限スイッチ115のスイッチ出力119および抵抗器121に接続され、抵抗器121は、半導体スイッチ111を切り替えるために、電圧制限スイッチ115が切り替えられると、制御信号を、特に電圧端子101の電圧の一部の形態で制御入力113に提供するように適合されている。
【0039】
第1のヒューズ回路105および第2のヒューズ回路109はそれぞれ、過電流保護装置123、125、特にヒューズを有する。過電流保護装置123は、第1の電流強度制限に達したときに電圧端子101と電気負荷103との間の電気的接続を切断するように、または第1の公称電流に達した後、所定の時間間隔後に電気的接続を切断するように適合されている。これに対応して、過電流保護装置125は、第2の公称電流に達したときに、または第2の電流強度制限に達した後、所定の時間間隔が経過した後に、電圧端子101と電気負荷103との間の電気的接続を切断するように適合されている。
【0040】
図2は、電圧端子101から少なくとも2つの電気負荷103、205に電気エネルギーを伝達するための保護装置100の概略図を示す。保護装置100は、電圧端子101から電気負荷103、205への線路電流が第1の公称電流に達すると線路電流の流れを阻止するように適合された第1のヒューズ回路105を備える。
【0041】
保護装置100は、第1のヒューズ回路105の下流に接続され、かつ電気負荷103、205の上流に接続された過電圧保護回路107をさらに備える。過電圧保護回路107は、電圧端子101において電圧の第1の電圧制限に達すると、第1の公称電流に達する線路電流を強制的に流して第1のヒューズ回路105をトリガするために、電圧端子101の極を導電的に接続するように適合されている。
【0042】
さらに、保護装置100は、過電圧保護回路107の下流かつ電気負荷103、205の上流に接続された第2のヒューズ回路109を備える。第2のヒューズ回路109は、2つの電流経路201-1、201-2を有し、これらの電流経路はそれぞれ、電気エネルギーを電気負荷103、205に伝達するように適合されている。電流経路201-1、201-2のそれぞれには、過電流保護装置125、203が配置されている。
【0043】
過電流保護ヒューズ125は、電流経路201-1を通って流れる電流の第2の公称電流に達すると、電流が電流経路201-1を通って流れるのを阻止するように適合されている。過電流保護装置203は、電流経路201-2を通って流れる電流の第3の公称電流に達すると、電流が電流経路201-2を通って流れるのを阻止するように適合されている。第2の公称電流および第3の公称電流はそれぞれ、第1の公称電流よりも小さくすることができる。過電流保護装置125、203は、それぞれの電流経路201-1、201-2において電流の流れを阻止するために、異なる公称電流でトリガするように適合されている。
【符号の説明】
【0044】
100 保護装置、 101 電圧端子、 103 電気負荷、 105 第1のヒューズ回路、 107 過電圧保護回路、 109 第2のヒューズ回路、 111 半導体スイッチ、 113 制御入力、 115 電圧制限スイッチ、 117 スイッチ入力、 119 スイッチ出力、 121 抵抗器、 123 過電流保護装置、 125 過電流保護装置、 201-1 電流経路、 201-2 電流経路、 203 過電流保護装置、 205 電気負荷。