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特許7110437基板側コネクタおよびコネクタアセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-22
(45)【発行日】2022-08-01
(54)【発明の名称】基板側コネクタおよびコネクタアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H01R 12/71 20110101AFI20220725BHJP
   H01R 13/6581 20110101ALI20220725BHJP
【FI】
H01R12/71
H01R13/6581
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2021064785
(22)【出願日】2021-04-06
(65)【公開番号】P2021174770
(43)【公開日】2021-11-01
【審査請求日】2021-04-06
(31)【優先権主張番号】202010334204.4
(32)【優先日】2020-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202011015371.9
(32)【優先日】2020-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521145679
【氏名又は名称】東莞立訊技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】Dongguan Luxshare Technologies Co., Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ 生玉
(72)【発明者】
【氏名】郭 ▲栄▼哲
(72)【発明者】
【氏名】沈 学海
(72)【発明者】
【氏名】林 一恒
(72)【発明者】
【氏名】陳 宏基
【審査官】井上 信
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-117692(JP,A)
【文献】特開2015-56244(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0267760(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 12/71
H01R 13/648
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板側差込面と差込スロットとを備える基板側絶縁体であって、前記差込スロットは前記基板側差込面に配置され、前記差込スロットは対向配置された2つの嵌合側壁を備える基板側絶縁体と、
前記基板側絶縁体内に配置された端子モジュールと、
前記基板側絶縁体の一方の側に配置されるハウジングと、を備え、
差込バンプ部材が、前記ハウジングの一方の側に設けられ、差込バンプ部材は、前記差込用スロットに配置され、嵌合バンプが、前記差込バンプ部材の少なくとも一方の側に設けられ、前記嵌合バンプが、前記2つの嵌合側壁の少なくとも一方と嵌合しており、
前記基板側差込面に近い前記嵌合バンプの一方の側には制限面が設けられており、前記制限面の伸長方向は前記2つの嵌合側壁の伸長方向と交差しており、前記基板側差込面から離れた前記嵌合バンプの一方の側には、更に案内傾斜面が設けられており、
前記基板側絶縁体は、前記端子モジュールが配置される収容溝部を更に備え、前記端子モジュールは、前記収容溝部に対向配置される2つの端子部品を備え、前記2つの端子部品のいずれか1つは、複数の端子と、端子絶縁体と、導電性コロイドとを備え、前記複数の端子は、間隔を置いて配置され、前記端子絶縁体は、前記複数の端子に配置され、前記複数の端子の2つの端部は、前記端子絶縁体から露出され、前記導電性コロイドは、前記端子絶縁体の一方の側に配置される、
基板側コネクタ。
【請求項2】
前記差込バンプ部材は、対向配置される第1の側縁および第2の側縁を備える差込基板本体を更に備え、前記嵌合バンプの数は2つであり、前記2つの嵌合バンプは、前記第1の側縁および前記第2の側縁にそれぞれ配置される、請求項1に記載の基板側コネクタ。
【請求項3】
前記差込基板本体から離れた1つの前記嵌合バンプの一方の側と、前記差込基板本体から離れた他の1つの前記嵌合バンプの一方の側との間の距離は、前記2つの嵌合側壁の間の距離より大きい、請求項2に記載の基板側コネクタ。
【請求項4】
前記差込バンプ部材は、対向配置される第1の側縁と第2の側縁とを備える差込基板本体を更に備え、前記嵌合バンプは、前記第1の側縁上に配置され、前記第2の側縁は、前記2つの嵌合側壁のうちの1つに当接する、請求項1に記載の基板側コネクタ。
【請求項5】
前記差込基板本体から離れた1つの前記嵌合バンプの一方の側と前記第2の側縁との間の距離は、前記2つの嵌合側壁の間の距離より大きい、請求項4に記載の基板側コネクタ。
【請求項6】
前記差込スロットは対向して配置された第1の差込側壁および第2の差込側壁を更に備え、前記第1の差込側壁は、前記第2の差込側壁に近接する方向に突出する制限ブロックを備える、請求項1に記載の基板側コネクタ。
【請求項7】
前記第1の差込側壁から離れた前記制限ブロックの表面と前記第2の差込側壁との間の距離は、前記差込バンプ部材の厚さ以上である、請求項6に記載の基板側コネクタ。
【請求項8】
前記基板側差込面に近い前記制限ブロックの一方の側は、第1の案内面を更に備える、請求項6に記載の基板側コネクタ。
【請求項9】
前記基板側差込面に近接する前記2つの嵌合側壁のうち少なくとも1つの側には、第2の案内面が更に設けられている、請求項1に記載の基板側コネクタ。
【請求項10】
前記基板側絶縁体は係合溝を備え、前記基板側絶縁体は基板側接続面を更に備え、前記係合溝は前記基板側接続面を貫通し、前記ハウジングは前記係合溝内に配置された係合弾性片を備え、前記係合弾性片の一端は前記係合溝の側壁に当接する、請求項1に記載の基板側コネクタ。
【請求項11】
前記複数の端子は、複数の接地端子と複数の信号端子とを備え、複数の凹部、前記導電性コロイドに近接する前記端子絶縁体の表面に間隔を置いて配置され、前記複数の凹部は、前記複数の接地端子に対応し、複数のバンプは、前記端子絶縁体に近接する前記導電性コロイドの表面に間隔を置いて配置され、前記複数のバンプは、それぞれ、前記複数の凹部に配置される、請求項に記載の基板側コネクタ。
【請求項12】
前記導電性コロイドは、コロイド体を更に含み、前記複数のバンプは、前記端子絶縁体に近いコロイド体の表面に配置され、前記端子絶縁体に近い複数のバンプのいずれかの端面と、対応する接地端子との間の距離は、前記端子絶縁体に近い前記コロイド体の表面と前記複数の信号端子との間の距離より小さい、請求項11に記載の基板側コネクタ。
【請求項13】
前記収容溝は、差込部と収容部とを備え、前記収容部は、前記基板側差込面から前記差込部より遠くにあり、前記基板側絶縁体は、位置決め部材を更に備え、前記位置決め部材の2つの端部は、前記収容溝の2つの対向する側壁とそれぞれ接続され、前記位置決め部材は、前記収容部を2つの収容空間に分割し、前記2つの端子部品は、前記2つの収容空間にそれぞれ配置され、前記2つの端子部品のいずれかの導電性コロイドは、前記位置決め部材と接続されている、請求項に記載の基板側コネクタ。
【請求項14】
前記2つの端子部品のいずれかに近い前記位置決め部材の表面は、第1の位置決め部を備え、前記位置決め部材に近い前記2つの端子部品のいずれかの前記導電性コロイドの表面は、第2の位置決め部を更に備え、前記第2の位置決め部は、前記第1の位置決め部に配置される、請求項13に記載の基板側コネクタ。
【請求項15】
前記2つの端子部品のいずれかに近接する前記収容溝の側壁は、第1の接続部を備え、前記導電性コロイドから離れる前記2つの端子部品のいずれかの前記端子絶縁体の表面は、第2の接続部を備え、前記第2の接続部はバックルを介して前記第1の接続部と接続される、請求項に記載の基板側コネクタ。
【請求項16】
前記基板側差込面に近い前記ハウジングの一方の側には、第1の開口が設けられ、前記基板側差込面は、前記第1の開口から露出しており、前記基板側差込面は、位置決めスロットを備え、前記位置決めスロットは、ワイヤ側コネクタの位置決めバンプ部材に接続されるように構成されている、請求項1に記載の基板側コネクタ。
【請求項17】
前記基板側差込面は、対向配置された2つの位置決めスロットを備え、前記2つの位置決めスロットは、前記基板側差込面の中心線を対称中心として対称的に配置され、前記2つの位置決めスロットは、逆L字状の形状である、請求項16に記載の基板側コネクタ。
【請求項18】
請求項1に記載の基板側コネクタと、
前記基板側コネクタに接続されたワイヤ側コネクタと、
を備える、コネクタアセンブリ。
【請求項19】
前記ワイヤ側コネクタは、ワイヤ側差込面を含むワイヤ側絶縁体を備え、前記ワイヤ側差込面は、対向配置された2つの位置決めバンプ部材を備え、前記ワイヤ側差込面に突設された前記2つの位置決めバンプ部材の正投影は、前記ワイヤ側差込面の表面範囲内にあり、前記基板側差込面に近い前記ハウジングの一方の側には、第1の開口が設けられ、前記基板側差込面は、前記第1の開口から露出され、前記基板側差込面は、対向配置された2つの位置決めスロットを備え、前記基板側差込面に突設された前記2つの位置決めスロットの正投影は、前記ハウジングの前記第1の開口内にあり、前記2つの位置決めスロットは、前記2つの位置決めバンプ部材と接続され、前記2つの位置決めバンプ部材と前記2つの位置決めスロットは逆L字状の形状である、請求項18に記載のコネクタアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2020年4月24日に出願された中国特許出願第202010334204.4号、および2020年9月24日に出願された中国特許出願第202011015371.9号の優先権利益を主張し、その全開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示はコネクタの技術分野に関し、特に基板側コネクタおよびコネクタアセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
従来の基板側コネクタは、絶縁体と、端子アセンブリと、ハウジングとを備える。端子アセンブリは絶縁体内に配置され、ハウジングは絶縁体の外面に配置される。制限部品または位置決め部品はハウジングと絶縁体との間に配置することができるが、ハウジングを絶縁体上に完全に固定することはできず、このことはハウジングと絶縁体との間の保持力が不十分であることを意味する。これにより、基板側コネクタ使用時にハウジングを絶縁体から容易に取り外すことができる。
【発明の概要】
【0004】
本開示の実施の形態は、従来の基板側コネクタのハウジングが絶縁体から容易に取り外されるという問題を解決するために、基板側コネクタおよびコネクタアセンブリを提供する。
【0005】
本開示の実施の形態は、基板側絶縁体、端子モジュール、およびハウジングを備える、基板側コネクタを提供する。基板側絶縁体は、基板側差込面と差込スロットとを備える。差込スロットは、基板側差込面上に配置され、対向配置された2つの嵌合側壁を備える。端子モジュールは、基板側絶縁体内に配置される。ハウジングは、基板側絶縁体の一方に配置されている。差込バンプ部材がハウジングの片側に設けられている。差込バンプ部材は、差込スロット内に配置される。差込バンプ部材の少なくとも1つの側面に嵌合バンプが設けられている。嵌合バンプは、2つの嵌合側壁のうちの少なくとも1つと嵌合ないし干渉する。前記基板側差込面に近い嵌合バンプの一方の側には制限面が設けられている。限界面の延在方向は、2つの嵌合側壁の延在方向と交差する。基板側差込面から離れる嵌合バンプの一方の側には、更に案内傾斜面が設けられている。
【0006】
本開示の別の実施の形態は、コネクタアセンブリを提供し、上述の説明による基板側コネクタと、基板側コネクタに接続されるワイヤ側コネクタとを備える。
【0007】
本開示の実施の形態では、差込バンプ部材の嵌合バンプが差込溝の嵌合側壁と嵌合しつつハウジングの差込バンプ部材を基板側絶縁体の差込スロットに接続することにより、ハウジングと基板側絶縁体を保持する保持力を高めることができる。これにより、ハウジングを基板側絶縁体と強固に接続することができ、基板側絶縁体からの離脱を効果的に防止することができる。
【0008】
しかし、この概要は本開示のすべての態様および実施の形態を含むわけではなく、この概要はいかなる方法においても限定または制限を意図するものではなく、本明細書に開示される開示は、当業者によって、それに対する明らかな改善および修正を包含すると理解されることを理解されたい。
【0009】
新規であると考えられる例示的な実施の形態の特徴、および例示的な実施の形態に特徴的な要素および/またはステップは、添付の特許請求の範囲に詳細に記載されている。図面は例示の目的のためだけのものであり、一定の縮尺で描かれていない。例示的な実施の形態は、構成および動作方法の両方に関して、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を参照することによって最もよく理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の実施の形態の基板側コネクタの斜視図である。
図2】本開示の実施の形態の基板側コネクタの分解図である。
図3】本開示の実施の形態の基板側コネクタの別の分解図である。
図4図1のA-A’線に沿った断面図である。
図5図4の領域Aの拡大図である。
図6図1のB-B’線に沿った断面図である。
図7】本開示の実施の形態の端末構成要素の斜視図である。
図8】本開示の実施の形態の端子モジュールおよび基板側絶縁体のアセンブリの斜視図である。
図9図2の領域Bの拡大図である。
図10】本開示の実施の形態のワイヤ側コネクタ上に組み立てられた基板側コネクタの斜視図である。
図11】本開示の実施の形態のワイヤ側コネクタの斜視図である。
図12】本開示の実施の形態のワイヤ側コネクタの別の斜視図である。
図13】本開示の実施の形態のワイヤ側差込バンプ部材およびケーブルのアセンブリの斜視図である。
図14図10の線C-C’に沿った断面図である。
図15】本開示の実施の形態のコネクタアセンブリの分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の例示的な実施の形態が示されている添付の図面を参照して、本開示をより詳細に説明する。しかしながら、本開示は、多くの異なる形態で具現化されてもよく、本明細書に記載された実施の形態に限定されるものとして解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施の形態は本開示が十分かつ完全であり、本開示の範囲を当業者に十分に伝えるように提供される。
【0012】
特定の用語は特定の構成要素に言及するために、本明細書および以下の特許請求の範囲の全体にわたって使用される。当業者には理解されるように、製造業者は、異なる名前で要素を参照することができる。本明細書では、名前が異なるコンポーネントと機能が異なるコンポーネントを区別することは意図していない。以下の説明および特許請求の範囲において、用語「含む/含んでいる」および「備える/備えている」は、限定されないで、オープンな態様で使用され、したがって、「含むが、限定されない」ものとして解釈されるべきである。「実質的に/実質的に」は、許容可能な誤差範囲内で、基本的な技術的効果を達成するために、特定の誤差範囲内で技術的問題を解決することができることを意味するものである。
【0013】
以下の説明は、本開示を実施するための最良の形態の説明である。この説明は、本開示の一般的な原理の例示の目的でなされ、限定的な意味で解釈されるべきではない。開示の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照することによって最良に決定される。
【0014】
また、「含む」、「含んでいる」という文言およびその変形は非排他的な包含を含むものである。したがって、一連の要素を含むプロセス、方法、物体または装置はこれらの要素のみならず、明示的に特定されていない他の要素をも含むか、またはプロセス、方法、物体または装置の固有の要素を含むことができる。これ以上の限定がなされない場合には「・・・~を含む」によって限定される要素は、プロセス、方法、物品または装置に存在する他の同一の要素を排除するものではない。
【0015】
以下の実施の形態では、開示全体を通して同じまたは類似の要素を指すために同じ参照番号が使用される。
【0016】
図1図3は、本開示の一実施の形態の基板側コネクタの分解斜視図であり、図4は、図1のA-A’線に沿った断面図である。図に示すように、本実施の形態の基板側コネクタ1は、基板側絶縁体10と、端子モジュール11と、ハウジング12と、回路基板13とを備えている。基板側絶縁体10は、基板側差込面101と、基板側接続面102と、収容溝103と、差込スロット104とを備えている。基板側差込面101は、基板側接続面102と反対である。収容溝103は第1の方向Xに沿って基板側差込面101と基板側接続面102とを貫通し、基板側差込面101に差込開口1011を形成し、基板側接続面102に接続開口1021を形成する。差込スロット104は、基板側差込面101に配置され、第1の方向Xに沿って基板側接続面102に差し込まれて延びている。端子モジュール11は、基板側絶縁体10の収容溝103内に配置されている。ハウジング12は、基板側絶縁体10の一方の側に配置されている。ハウジング12の一方の側には差込バンプ部材121が設けられており、この差込バンプ部材121は、差込用スロット104内に配置されている。
【0017】
図5は、図4の領域Aの拡大図である。図に示されるように、差込スロット104は、2つの対向する嵌合側壁1041を備え、差込バンプ部材121の少なくとも1つの側面は差込スロット104の少なくとも1つの嵌合側壁1041と嵌合ないし干渉する。この実施の形態では、2つの嵌合側壁1041が第2の方向Yに間隔を置いて配置される。第2の方向Yにおける差込バンプ部材121の少なくとも1つの側面はハウジング12を基板側絶縁体10に強固に接続できるように、差込スロット104の少なくとも1つの嵌合側壁1041と嵌合し、第2の方向Yは第1の方向Xに直交する。回路基板13は、基板側差込面101から離れた基板側絶縁体10の一方に配置されている。すなわち、回路基板13は、基板側絶縁体10の基板側接続面102の一方に配置され、端子モジュール11と接続されている。本実施の形態のハウジング12は金属製である。
【0018】
この実施の形態では、ハウジング12が収容空間1201と、第1の開口1202と、第2の開口1203とを備えるハウジング本体120を更に備える。第1の開口1202は第2の開口1203と反対であり、収容空間1201と連通している。差込バンプ部材121は、第1の開口1202の側方に配置され、第1の方向Xに沿って第2の開口1203に向かって延びている。差込バンプ部材121は、収容体部120の収容空間1201に配置されている。差込バンプ部材121とハウジング本体120の側壁との間には隙間が存在する。
【0019】
ハウジング12が基板側絶縁体10の一方に配置されると、基板側絶縁体10がハウジング12の収容空間1201に滞留することになり、基板側絶縁体10の基板側差込面101が第1の開口1202から露出することになり、基板側絶縁体10の基板側接続面102が第2の開口1203から露出することになる。差込バンプ部材121は、差込スロット104内に配置され、基板側差込面101に近接してハウジング12の一方に配置されている。差込バンプ部材121は、基板側接続面102に近づく形で第1の方向Xに沿って延びている。
【0020】
差込バンプ部材121は、差込基板本体1211と、2つの嵌合バンプ1212とを備える。差込基板本体1211は基板側接続面102に閉じる第1の方向Xに沿って延び、反対に配置された第1の側縁1211aと第2の側縁1211bとを備えている。本実施の形態では、第1の側縁1211aおよび第2の側縁1211bが第2の方向Yに沿って間隔を置いて配置されている。2つの嵌合バンプ1212は、差込基板本体1211の第1の側縁1211aおよび第2の側縁1211bにそれぞれ配置されている。2つの嵌合バンプ1212は第2の方向Yに沿って差込基板本体1211から突出し、差込スロット104の2つの対向する嵌合側壁1041と嵌合して、ハウジング12を基板側絶縁体10と強固に接続できるようにする。差込基板本体1211から離れている嵌合バンプ1212のそれぞれの1つの側部と、差込基板本体1211から離れている別の嵌合バンプ1212の1つの側部との間の距離は、差込スロット104の2つの嵌合側壁1041の間の距離D2より僅かに大きいので、2つの嵌合バンプ1212は、差込スロット104の2つの対向する嵌合側壁1041と嵌合ないし干渉する可能性がある。
【0021】
また、差込基板本体1211の第1の側縁1211aに1つだけの嵌合バンプ1212を設けることも可能である。すなわち、差込基板本体1211から離れた嵌合バンプ1212の一方の側と第2の側縁1211bとの距離は、差込スロット104の2つの嵌合側壁1041間の距離D2より僅かに大きい。嵌合バンプ1212は、対応する差込スロット104の嵌合側壁1041と嵌合ないし干渉する可能性がある。このとき、差込基板本体1211の第2の側縁1211bは対応する差込スロット104の嵌合側壁1041に当接し、これによってハウジング12を基板側絶縁体10に強固に接続することもできる。
【0022】
この実施の形態では、基板側差込面101に近い嵌合バンプ1212の各々の一方の側が制限面1212aを含む。制限面1212aの延在方向は、差込スロット104の嵌合側壁1041の延在方向と交差する。すなわち、限界面1212aの延在方向は、差込スロット104の嵌合側壁1041の延在方向と平行ではない。嵌合バンプ1212が、対応する差込スロット104の嵌合側壁1041と嵌合ないし干渉する場合、限界面1212aは差込バンプ部材121が差込スロット104から離脱するのを防止するために、差込スロット104の嵌合側壁1041と交差するであろう。この実施の形態では制限面1212aが第2の方向Yに沿って延在し、差込スロット104の嵌合側壁1041は第1の方向Xに沿って延在する。嵌合バンプ1212が対応する差込スロット104の嵌合側壁1041と嵌合ないし干渉する場合、限界面1212aは、差込スロット104の嵌合側壁1041と直交する。
【0023】
一実施の形態では、各嵌合バンプ1212の、基板側差込面101から離れた側には、案内傾斜面1212bが更に設けられる。案内傾斜面1212bの基板側接続面102から離れた一端と差込基板本体1211の第1の側縁1211a(または第2の側縁1211b)との間の距離は、差込基板本体1211の基板側差込面101に近い案内傾斜面1212bの一端と第1の側縁1211a(または第2の側縁1211b)との間の距離より小さい。嵌合バンプ1212のそれぞれの案内傾斜面1212bは、差込スロット104の嵌合側壁1041に対して移動して、差込バンプ部材121を差込スロット104に案内することができる。
【0024】
図6は、図1の線B-B’に沿った断面図である。一実施の形態では図に示されるように、差込スロット104は第1の差込側壁1042と、第1の差込側壁1042に対向する第2の差込側壁1043とを更に含む。第1の差込側壁1042および第2の差込側壁1043の配置の方向は、2つの嵌合側壁1041の方向と直交する。本実施の形態の第1の差込側壁1042および第2の差込側壁1043は、第1の方向Xに沿って間隔を置いて配置されている。また、第1の差込側壁1042には、第2の差込側壁1043に閉じる方向に向かって突出する制限ブロック1044が設けられている。第1の差込側壁1042から離れた制限ブロック1044の表面と第2の差込側壁1043との間の距離D3は、差込バンプ部材121の厚さD4より僅かに大きいか、または等しく、第1の差込側壁1042に直交する方向における差込スロット104の幅を小さくすることを可能にする。したがって、差込スロット104における差込バンプ部材121の位置は、第1の差込側壁1042と直交する方向における差込バンプ部材121の変位を低減するように制限することができる。
【0025】
この実施の形態では、第3の方向Zにおける差込スロット104の幅が制限ブロック1044を介して減少させることができる。このようにして、差込スロット104における差込バンプ部材121の位置を制限して、差込バンプ部材121の第3の方向Zへの変位を小さくすることができる。一実施の形態では、基板側差込面101に近い制限ブロック1044の一方の側には更に第1の案内面10441が設けられている。基板側差込面101に近い第1の案内面10441の一方の側と第2の差込側壁1043との間の距離は、基板側差込面101から離れた第1の案内面10441の一方の側と第2の差込側壁1043との間の距離より大きい。本実施の形態では、第3の方向Zにおける基板側差込面101に近い差込スロット104の一方の側の幅が第3の方向Zにおける基板側接続面102に近い差込スロット104の一方の側の幅より大きいので、差込バンプ部材121を基板側差込面101を介して容易に差込スロット104に挿入することができ、かつ第1の案内面10441を差込スロット104に挿入する差込バンプ部材121を案内することができる。この実施の形態では、制限ブロック1044の数は2つであり、これらの制限ブロック1044は、第2の方向Yに沿って第1の差込側壁1042上に間隔を置いて配置されている(図2参照)。
【0026】
一実施の形態では、基板側差込面101に近い差込スロット104の嵌合側壁1041のそれぞれの1つの側面には第2の案内面10411(図5参照)が更に設けられる。これにより、基板側差込面101に近接する各嵌合側壁1041の第2の方向Yにおける一方の側の幅は基板側差込面101から離れる各嵌合側壁1041の第2の方向Yにおける一方の側の幅より小さくなる。言い換えれば、第2の方向Yにおける基板側差込面101に近接する差込溝104の一方の側の幅は、第2の方向Yにおける基板側差込面101から離れる一方の側の差込溝104の幅より大きくなるので、差込バンプ部材121を基板側差込面101を通して差込溝104内に容易に挿入することができ、2つの第2案内面10411が差込溝104内に挿入される差込バンプ部材121を案内することができる。他の実施の形態では1つの第2の案内面10411のみを設けることが可能であり、すなわち、2つの嵌合側壁1041のうちの1つは、上述したのと同じ効果のために第2の案内面10411を備えることになる。
【0027】
図2に戻ると、本実施の形態におけるプラグバンプ部材121の数は2個であり、プラグスロット104の数と一致するため、プラグスロット104の数も2個であるが、これに限定されるものではない。本実施の形態では差込用スロット104が基板側差込面101の第3の方向Zの一方の側に配置され、差込バンプ部材121はハウジング12の第3の方向Zの側縁に配置されている。差込用スロット104は、基板側差込面101の第2の方向Yの一方の側にも配置することができる。差込バンプ部材121が差込用スロット104に対応して配置され、ハウジング12の第2の方向Yの側縁にも配置することができる。差込用スロット104が基板側差込面101の第2の方向Yの一方の側にも設けられている場合には、差込用スロット104の2つの嵌合側壁1041が第3の方向Zに間隔を置いて配置される。差込スロット104の第1の差込側壁1042および第2の差込側壁1043は、第2の方向Yに間隔を置いて配置されている。
【0028】
図1図3に戻って、本実施の形態では、第2の方向Yに絶縁体10が第1の方向Xに沿って延びる係止溝部105をそれぞれ設けた基板側の対向する2辺がある。係合溝105の一端は基板側接続面102を貫通している。第2の方向Yにおけるハウジング12の対向する2辺には、それぞれハウジング12内に延びる係合弾性片122が設けられている。ハウジング12が基板側絶縁体10の一方に配置され、その上にハウジング12が基板側絶縁体10の基板側接続面102を経て最初に通され、その後、基板側絶縁体10の基板側差込面101に移動する。一方、各係合弾性片122は、対応する係合溝105に配置されている。ハウジング12が基板側絶縁体10の一方の後方に配置されると、ハウジング12における係合弾性片122の一端が第1の方向Xにおける係合溝105の側壁に当接する。このようにすれば、基板側絶縁体10がハウジング12に対して第1の方向Xに回路基板13に向かってずれることを防止できる。一実施の形態では、第2の方向Yにおけるハウジング12の2つの対向する側面にはそれぞれ開口123が設けられる。2つの係合弾性片122は、それぞれ2つの開口123に対応している。ハウジング12が基板側絶縁体10の一方に配置されると、係合弾性片122の各々は、基板側絶縁体10によって圧搾されて対応する開口123に向かって移動する。すなわち、開口123は、係合弾性片122がハウジング12との基板側絶縁体10のアセンブリに影響を与えないように係合弾性片122のための自由空間を提供する。
【0029】
この実施の形態では、端子モジュール11は、対向して配置された2つの端子構成要素111を備える。2つの端子部品111は、基板側絶縁体10の収容溝部103内に第3の方向Zに沿って配置されている。図7は、本開示の一実施の形態の端子部品の斜視図である。図に示すように、端子部品111はそれぞれ、複数の端子1111と、端子絶縁体1112と、導電性コロイド1113とを備える。複数の端子1111は、間隔を置いて配置されている。各端子1111は、端子本体11111と、差込端部11112と、接続端部11113とを備えている。端子本体11111の両端には、差込端部11112と接続端部11113とがそれぞれ配置されている。端子絶縁体1112は、複数の端子1111の複数の端子本体1111を覆っている。複数の差込端部11112および複数の接続端部11113は端子絶縁体1112から露出しており、すなわち、端子絶縁体1112から各端子1111の両端が露出している。導電性コロイド1113は、端子絶縁体1112の一方の側に配置されている。
【0030】
一実施の形態では、複数の端子1111が複数の接地端子1111aと複数の信号端子1111bとを備える。2つの信号端子1111bは、隣り合う2つの接地端子1111aの間に設けられている。端子絶縁体1112の導電性コロイド1113側の面には、複数の凹部11121が間隔を置いて設けられている。複数の凹部11121は、それぞれ、複数の接地端子1111aに対応している。複数のバンプ11131は、端子絶縁体1112に近接する導電性コロイド1113の表面上に間隔を置いて配置される。複数のバンプ11131はそれぞれ、対応する凹部11121内に配置され、その結果、複数のバンプ11131はそれぞれ、複数の接地端子1111aに対応することになる。導電性コロイド1113は、コロイド本体11130を更に含む。複数のバンプ11131は、コロイド体11130の端子絶縁体1112側の面に間隔を置いて配置されている。端子絶縁体1112に近いそれぞれのバンプ11131の端面と対応するグランド端子1111aとの距離は、端子絶縁体1112に近いコロイド体11130の表面と複数の信号端子1111bとの距離より小さい。換言すれば、導電性コロイド1113は複数のバンプ11131を介して、導電性コロイド1113と対応する接地端子1111aとの間の距離を短くすることができ、導電性コロイド1113と対応する接地端子1111aとの間の距離を、導電性コロイド1113と信号端子1111bとの間の距離より小さくすることができる。したがって、導電性コロイド1113および複数の接地端子1111aは複数のシールド領域を形成することになり、それぞれのシールド領域内の2つの信号端子1111bが、隣接するシールド領域内の他の2つの信号端子1111bとクロストークしないことになる。このようにして、電磁シールドと電気伝導を達成することができる。
【0031】
一実施の形態では、複数の端子1111に近い導電性コロイド1113の表面は、各端子1111の端子本体11111に平行である。したがって、基板側コネクタ1のSI性能を向上させることができる。各端子1111の端子本体11111が折り曲げられると、複数の端子1111に近い導電性コロイド1113の各バンプ11131の表面も折り曲げられる。複数の端子1111に近い導電性コロイド1113の表面の形状は各端子1111の端子本体11111の形状と一致するので、複数の端子1111に近い導電性コロイド1113の表面は各端子1111の端子本体11111と平行となる。一実施の形態では、複数の凹部11121のうちの少なくとも1つは蟻継ぎ凹部であり、複数のバンプ11131のうちの少なくとも1つは蟻継ぎバンプであり、それによって、導電性コロイド1113と端子絶縁体1112との間の接続の安定性を高めることができる。
【0032】
図6に戻って、本実施の形態の基板側絶縁体10の収容溝103は、差込部103aと収容部103bとを備え、収容部103bは基板側差込面101から差込部103aより遠いことを特徴とする。図8は、本開示の一実施の形態の端子モジュールと基板側絶縁体のアセンブリの斜視図である。同図に示すように、本実施の形態の基板側絶縁体10は位置決め部材106を更に備え、その位置決め部材106の2つの端部は収容溝103の対向する2つの側壁にそれぞれ第2の方向Yに連結されている。位置決め部材106は収容部103b内に配置され、収容部103bを2つの収容空間に分割している(図2参照)。2つの端子部品111が基板側絶縁体10に配置されると、各端子部品111は接続開口1021を介して収容溝部103に挿入されることになる。2つの端子部品111は、それぞれ対応する収容空間に配置されている。差込部103aには、各端子部品111の各端子1111の差込端部11112が配置されている。収容部103bには、端子本体11111と、端子絶縁体1112と、各端子部品111の各端子1111の導電性コロイド1113とが配置されている。各端子部品111の導電性コロイド1113は、位置決め部材106に接続されている。位置決め部材106は、端子部品111の各々の位置を基板側絶縁体10の収容溝103内に位置決めする。
【0033】
図7および図8に戻って、一実施の形態では、端子部品111のそれぞれに近接する位置決め部材106の表面には第1の位置決め部1061が設けられている。各端子部品111の導電性コロイド1113の位置決め部材106側の面には、第2の位置決め部11132が設けられている。端子部品111の各々が収容溝103内に配置される場合、第2の位置決め部品11132は、対応する第1の位置決め部品1061内に配置されることになる。本実施の形態では、第1の位置決め部1061は凹部であり、第2の位置決め部11132はバンプであり、第1の位置決め部1061の断面形状は第2の位置決め部11132の断面形状と一致する。なお、本実施の形態では、第1の位置決め部1061の断面と第2の位置決め部11132の断面とはいずれも蟻継ぎ(鳩尾)形状である。端子絶縁体1112に近い第2の位置決め部11132の一端の幅は端子絶縁体1112から離れた第2の位置決め部11132の一端の幅より小さく、このことは、端子絶縁体1112に近い第1の位置決め部1061の一端の幅は端子絶縁体1112から離れた第1の位置決め部1061の一端の幅より小さいことを意味する。第1の位置決め部1061と第2の位置決め部11132とは第1の方向Xにスライド接続されており、第2の位置決め部11132は第3の方向Zにおいて、第1の位置決め部1061から取り外すことはできないが、本実施の形態では第1の位置決め部1061の数と第2の位置決め部11132の数とは複数であり、第1の位置決め部1061の数は第2の位置決め部11132の数と同一である。第1の位置決め部1061もバンプとすることができ、第2の位置決め部11132も凹部とすることができる。
【0034】
図2および図3に戻ると、図9図2における領域Bの拡大図であり、本実施の形態では、端子部品111の各々に近い収容溝103の側壁に、第1の接続部1031を更に設け、第3の方向Zに導電性コロイド1113から離れた端子部品111の各々の端子絶縁体1112の表面と、第2の接続部11122とを更に設けている。各端子部品111が収容溝部103に配置されると、各端子部品111の端子絶縁体1112の第2の接続部11122がバックルを介して第1の接続部1031に接続されて収容溝部103内の各端子部品111を固定し、各端子部品111が第1の方向Xに沿って基板側接続面102から離脱するのを防止する。本実施の形態では、第1の接続部1031は穴であり、第2の接続部11122はバンプ部材である。本実施の形態では、第1の接続部1031の数と第2の接続部11122の数とは同じ数だけ設けられている。
【0035】
図2図3および図6に戻って、この実施の形態では、回路基板13が間隔を置いて配置された複数の導電性パッド131を備える。各端子部品111の各端子1111の接続端部11113は、対応する導電パッド131に接続されている。また、基板側差込面101から離れた基板側絶縁体10の表面(基板側接続面102)にも接続支柱1022が設けられている。回路基板13は接続孔132を備える。回路基板13がハウジング12に配置されると、接続ポスト1022が接続孔132に配置され、端子1111のそれぞれの接続端部11113が対応する導電性パッド131に正確に接続されることが可能になる。この実施の形態では、基板側差込面101から離れたハウジング12の一方の側は、第2の開口1203の周囲に配置された複数の差込柱124を更に備える。回路基板13は複数の挿通孔133を備え、この挿通孔には複数の差込柱124がそれぞれ挿通され、ハウジング12と回路基板13とを接続する。これにより、回路基板13に対する基板側絶縁体10の位置を固定することができ、端子モジュール11を回路基板13と安定して接続することができる。
【0036】
図10は、本開示の一実施の形態のワイヤ側コネクタ上に組み立てられた基板側コネクタの斜視図である。図に示すように、本実施の形態の基板側コネクタ1は、コネクタアセンブリを形成するためにワイヤ側コネクタ2に接続されている。図11および図12は、本開示の実施の形態のワイヤ側コネクタの斜視図である。図13は、本開示の一実施の形態のワイヤ側差込バンプ部材とケーブルのアセンブリの斜視図である。図に示すように、本実施の形態のワイヤ側コネクタ2は、ワイヤ側差込バンプ部材21と、ケーブル22と、ワイヤ側絶縁体23とを備える。ワイヤ側差込バンプ部材21は、複数の端子接触パッド211および複数のケーブル接続パッド212を備える。複数の端子接触パッド211は、ワイヤ側差込バンプ部材21の2つの対向面に間隔を置いて配置され、ワイヤ側差込バンプ部材21の一方に配置されている。複数のケーブル接続パッド212は、ワイヤ側差込バンプ部材21の2つの対向面に間隔を置いて配置され、かつ、ワイヤ側差込バンプ部材21の他側に配置されている。複数のケーブル接続パッド212は、それぞれ複数の端子接触パッド211と電気的に接続されている。ケーブル22の一端は複数の端子接触パッド211に電気的に接続される複数のケーブル接続パッド212に半田付けされ、ケーブル22の他端はワイヤ側差込バンプ部材21から離れる方向に延びている。
【0037】
ワイヤ側絶縁体23は、ワイヤ側差込バンプ部材21の一部とケーブル22の一部とに配置されている。ワイヤ側絶縁体23は、ワイヤ側差込面231とワイヤ側接続面232とを備える。複数の端子接触パッド211が有するワイヤ側差込バンプ部材21の一方はワイヤ側差込面231から突出しており、複数の端子接触パッド211が露出していることになる。ケーブル22の他端は、ワイヤ側接続面232から突出する。
【0038】
図14は、図10の線C-C’に沿った断面図である。同図に示すように、本実施の形態では基板側コネクタ1がワイヤ側コネクタ2に接続されている場合、ワイヤ側コネクタ2のワイヤ側差込バンプ部材21は、基板側コネクタ1の収容溝103の差込部103aに挿入されることになる。したがって、ワイヤ側差込バンプ部材21は2つの端子構成要素111の間に配置され、各端子構成要素111の各端子1111の差込端部11112は対応する端子接触パッド211と接触して、基板側コネクタ1とワイヤ側コネクタ2とを信号伝送のために電気的に接続することができる。
【0039】
図11および図12に戻って、本実施の形態のワイヤ側コネクタ2は、ラッチ部品24も備える。第3の方向Zにおけるワイヤ側絶縁体23の表面には、ラッチ部品24が配置されたラッチ収容溝233が設けられている。図15は、本開示の実施の形態のコネクタアセンブリの分解図である。同図に示すように、本実施の形態では、基板側差込面101に近い基板側コネクタ1のハウジング12の一方の側がバックル部125を更に備え、第1の方向Xに沿って基板側差込面101から突出している。基板側コネクタ1がワイヤ側コネクタ2に接続されると、バックル部125はラッチ部品24(図10参照)に接続され、基板側コネクタ1とワイヤ側コネクタ2との間の接続安定性を増大させることになる。
【0040】
一実施の形態では、基板側絶縁体10の基板側差込面101が対向して配置された2つの位置決めスロット1012を更に含む。また、ワイヤ側コネクタ2のワイヤ側絶縁体23のワイヤ側差込面231は、対向配置された2つの位置決めバンプ部材234(図12参照)を備える。基板側コネクタ1がワイヤ側コネクタ2に接続されると、位置決めバンプ部材234の各々が対応する位置決めスロット1012に配置され、ワイヤ側コネクタ2と接続される基板側コネクタ1を正確に挿入するように案内するであろう。さらに、ワイヤ側差込面231に投影された2つの位置決めバンプ部材234の正投影はワイヤ側差込面231の表面範囲内にあり、基板側差込面101に投影された2つの位置決めスロット1012の正投影は、第1の開口1202内にある。基板側コネクタ1がワイヤ側コネクタ2に接続されるとき、基板側コネクタ1とワイヤ側コネクタ2とが接続される領域は、基板側コネクタ1のハウジング12の第1の開口1202の領域と、ワイヤ側絶縁体23のワイヤ側差込面231の領域内に維持される。これにより、基板側コネクタ1およびワイヤ側コネクタ2の大きさは大きくならないであろう。
【0041】
位置決めスロット1012のそれぞれの形状は、位置決めバンプ部材234のそれぞれの形状に一致する。この実施の形態では、位置決めスロット1012の各々が逆L字形状である。2つの位置決めスロット1012は、基板側差込面101の中心線に対して対称的に配置されている。位置決めバンプ部材234のそれぞれの形状は、対応する位置決めスロット1012の形状と一致するため、位置決めバンプ部材234のそれぞれの形状も逆L字形状となる。2つの位置決めバンプ部材234は、ワイヤ側差込面231の中心線に対して対称に配置されている。具体的には、位置決めスロット1012の各々は、第1のスロット部分1012aと、第1のスロット部分1012aと連通する第2のスロット部分1012bとを備え、第1のスロット部分1012aは第2の方向Yに延在し、第2のスロット部分1012bは第3の方向Zに延在する。位置決めバンプ部材234の各々は、第1の位置決めバンプ部分234aおよび第1の位置決めバンプ部分234aに接続された第2の位置決めバンプ部分234bを含み、第1の位置決めバンプ部分234aは第2の方向Yに沿って延在し、第2の位置決めバンプ部分234bは第3の方向Zに沿って延在し、位置決めバンプ部材234の各々が対応する位置決めスロット1012内に配置されるとき、位置決めバンプ部材234の各々の第1の位置決めバンプ部分234aは対応する位置決めスロット1012の第1のスロット部分1012aと協働して、基板側コネクタ1およびワイヤ側コネクタ2のみを第2の方向Yに相対的に移動するように制限し、位置決めバンプ部材234の各々の第2の位置決めバンプ部分234bは、対応する位置決めスロット1012の第2のスロット部分1012bと協働して、基板側コネクタ1およびワイヤ側コネクタ2のみを第3の方向Zに相対的に移動するように制限する。これにより、ワイヤ側コネクタ2のワイヤ側差込バンプ部材21を基板側コネクタ1の収容溝103に精度良く挿入することができる。
【0042】
本実施の形態の基板側コネクタ1の基板側絶縁体10の基板側差込面101は、2つの位置決めスロット1012の間に配置された案内溝1013を更に備える。本実施の形態では、ワイヤ側コネクタ2のワイヤ側絶縁体23のワイヤ側差込面231にも、第1の方向Xに沿ってワイヤ側差込面231から突出した案内板235が設けられている。ワイヤ側差込面231に投影された案内板235の正投影は、ワイヤ側差込面231にある。案内板235は、ワイヤ側コネクタ2と接続される基板側コネクタ1を案内することができる。
【0043】
本実施の形態では、2つの位置決めバンプ部材234の間に案内板235が配置されている。また、ワイヤ側差込面231から突出する案内板235の長さは、ワイヤ側差込面231から突出する各位置決めバンプ部材234の長さより長くなっている。基板側コネクタ1がワイヤ側コネクタ2に接続されると、ワイヤ側コネクタ2の位置決めバンプ部材234が基板側コネクタ1の位置決めスロット1012に挿入される前に、端子コネクタ2の案内板235が端子コネクタ1の案内溝1013に挿入されることになる。ワイヤ側コネクタ2の案内板235は、基板側コネクタ1の案内溝1013と協働して、ワイヤ側コネクタ2が基板側コネクタ1に正しい方向に確実に挿入されるように最初に位置決めされるであろう。そして、ワイヤ側コネクタ2の位置決め用バンプ部材234を基板側コネクタ1の位置決め用スロット1012に挿入することにより、基板側コネクタ1がワイヤ側コネクタ2と接続される際の斜め挿入による破損を回避することができる。本実施の形態では、ラッチ収容溝233が案内板235まで延びている。
【0044】
要約すると、本開示は、基板側コネクタおよびコネクタアセンブリを提供する。差込バンプ部材の嵌合バンプが差込溝の嵌合側壁と嵌合ないし干渉する間に、ハウジングの差込バンプ部材を基板側絶縁体の差込スロットに接続することにより、ハウジングと基板側絶縁体を保持する保持力を高めることができる。これにより、ハウジングを基板側絶縁体と強固に接続することができ、基板側絶縁体からの離脱を効果的に防止することができる。
【0045】
本開示では、端子絶縁体の複数の凹部と導電性ゲルの複数のバンプとの連携により、導電性ゲルと複数の接地端子との距離を小さくして、端子部品の電磁シールド性能を効果的に向上させることができる。基板側絶縁体の収容溝内に位置決め部材が配置され、位置決め部材上の第1の位置決め部が、端子部品の各々の導電性コロイドの第2の位置決め部と協働して、端子部品を基板側絶縁体の収容溝内に固定する。
【0046】
また、ワイヤ側コネクタの複数の位置決め用バンプ部材が基板側コネクタの複数の位置決め用凹部と接続されているので、ワイヤ側コネクタと基板側コネクタとの接続時に斜めに挿入されることによる損傷を回避するために、ワイヤ側コネクタを基板側コネクタに正確に接続することができる。複数の位置決めバンプ部材および複数の位置決め凹部は、それぞれ、基板側コネクタのワイヤ側コネクタと差込面の対向する差込面に配置されている。これにより、ワイヤ側コネクタおよび基板側コネクタのサイズを大きくすることはないであろう。
【0047】
「備える」、「備えている」、またはそれらの任意の他の変形形態は、非排他的な包含を包含することを意図しており、一連の要素のプロセス、方法、物品、またはデバイスはそれらの要素を備えるだけでなく、明示的に列挙されていない他の要素、またはそのようなプロセス、方法、物品、またはデバイスに固有の要素も備えることを理解されたい。「…を備える」という文言によって定義される要素は、その要素を備えるプロセス、方法、物品、またはデバイス内の同じ要素の存在を排除しない。
【0048】
本開示はその好ましい実施の形態に関連して説明されたが、本開示を限定することを意図するものではない。本開示を考慮すれば、当業者には、本開示の趣旨から逸脱することなく、ここに具体的に記載された実施の形態を超える例示的な実施の形態の他の修正を行うことができることが、明らかであろう。したがって、そのような修正は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるように、本開示の範囲内にあると考えられる。
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