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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-22
(45)【発行日】2022-08-01
(54)【発明の名称】鍵管理機
(51)【国際特許分類】
   E05B 19/00 20060101AFI20220725BHJP
【FI】
E05B19/00 E
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021096301
(22)【出願日】2021-06-09
(62)【分割の表示】P 2020103159の分割
【原出願日】2012-11-14
(65)【公開番号】P2021139289
(43)【公開日】2021-09-16
【審査請求日】2021-06-09
(31)【優先権主張番号】P 2011250099
(32)【優先日】2011-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】501079875
【氏名又は名称】グローリーAZシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100062764
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 襄
(72)【発明者】
【氏名】泉田 寛
(72)【発明者】
【氏名】櫛田 剛志
【審査官】家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-179969(JP,A)
【文献】特開2009-264000(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鍵を管理する鍵管理部を備える鍵管理機であって、
前記鍵と連結するキーホルダを備え、
前記キーホルダは、
本体部と、
前記鍵が連結されるリングと、
前記リングの両端部を挿入可能な開口部を有し、前記本体部に対し着脱可能に取り付けられる装着部と、
前記装着部に設けられるICタグと
を有する
ことを特徴とする鍵管理機。
【請求項2】
前記ICタグは、前記鍵の管理情報を記憶する
ことを特徴とする請求項1記載の鍵管理機
【請求項3】
前記キーホルダを着脱可能とする複数の錠機構をさらに備え、
前記複数の錠機構は、前記ICタグから情報を読み取るリーダを備える
ことを特徴とする請求項1または2記載の鍵管理機。
【請求項4】
前記錠機構と前記ICタグのデータとを対応付けることで、適合する前記錠機構と前記キーホルダとの組み合わせの設定を行う特殊操作部をさらに備える
ことを特徴とする請求項記載の鍵管理機。
【請求項5】
鍵を管理する鍵管理部を備える鍵管理機であって、
前記鍵と連結するキーホルダを備え、
前記キーホルダは、
本体部と、
前記鍵が連結されるリングと、
前記リングの両端部を挿入可能な開口部を有し、前記本体部に対し着脱可能に取り付けられる装着部と、
前記本体部に設けられるICタグと
を有する
ことを特徴とする鍵管理機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鍵を管理する鍵管理機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、金融機関や流通機関などにおいては、処理機器の作動用の鍵や管理場所を開閉する鍵など、複数の重要な鍵が使用されており、これら鍵の使用可能者を制限したり、鍵の使用履歴を残すために、鍵管理機を用いて電子制御による鍵の管理をしている。
【0003】
このような鍵管理機では、複数の錠機構が設けられ、各錠機構に対して、鍵を連結した固有のキーホルダが挿脱される。そして、これら各錠機構への各キーホルダの挿入の有無を検知する検知部が設けられている。
【0004】
また、キーホルダは連結材によって鍵と連結されている。この連結材としては、直線状のワイヤーの一端に雄ねじを有する連結部を設けるとともに他端に雌ねじを有する連結部を設けたワイヤリングが用いられている。
【0005】
しかしながら、このような鍵管理機では、ワイヤリングの連結部を外せば、鍵を交換したり、追加することができるため、その操作履歴を残すことができないというセキュリティ上の問題があった。
【0006】
また、鍵の使用可能者を設定する際には、錠機構に挿入されているキーホルダに対して設定するが、設定しようとするキーホルダ以外にも他の錠機構にキーホルダが挿入されているため、どのキーホルダに対して設定しているのかがわからなくなり、設定間違いをしてしまうという問題があった。
【0007】
さらに、キーホルダにICタグが設けられている場合においても、錠機構に挿入されているキーホルダのICタグに対してデータを更新するが、設定しようとするキーホルダ以外にも他の錠機構にキーホルダが挿入されているため、どのキーホルダのICタグに対してデータの更新を行っているのかがわからなくなり、データ更新の間違いをしてしまうという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開平6-167146号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、使い勝手のよい鍵管理機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の鍵管理機は、鍵を管理する鍵管理部を備える鍵管理機であって、前記鍵と連結するキーホルダを備え、前記キーホルダは、本体部と、前記鍵が連結されるリングと、前記リングの両端部を挿入可能な開口部を有し、前記本体部に対し着脱可能に取り付けられる装着部と、前記装着部に設けられるICタグとを有するものである。
【0011】
また、前記ICタグは、前記鍵の管理情報を記憶するものである。
【0012】
た、前記キーホルダを着脱可能とする複数の錠機構をさらに備え、前記複数の錠機構は、前記ICタグから情報を読み取るリーダを備えるものである。
【0013】
また、前記錠機構と前記ICタグのデータとを対応付けることで、適合する前記錠機構と前記キーホルダとの組み合わせの設定を行う特殊操作部をさらに備えるものである。
【0014】
また、本発明の鍵管理機は、鍵を管理する鍵管理部を備える鍵管理機であって、前記鍵と連結するキーホルダを備え、前記キーホルダは、本体部と、前記鍵が連結されるリングと、前記リングの両端部を挿入可能な開口部を有し、前記本体部に対し着脱可能に取り付けられる装着部と、前記本体部に設けられるICタグとを有するものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、使い勝手を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】第1の実施の形態を示す鍵管理機の斜視図である。
図2】同上鍵管理機に用いられるキーホルダの鍵取り外し構造を(a)~(e)に示す断面図である。
図3】同上キーホルダの誤挿入防止部の端面図である。
図4】同上鍵管理機に用いられる錠機構を示し、(a)~(c)は通常運用の場合の錠機構の断面図、(d)は返却承認運用の場合の錠機構の断面図である。
図5】同上鍵管理機に用いられる特殊操作部を示し、(a)は正面図、(b)は断面図である。
図6】同上鍵管理機の制御系のブロック図である。
図7】同上鍵管理機のタッチパネルに表示する表示画面を示す正面図である。
図8】同上タッチパネルに表示する表示画面を(a)~(c)に示す正面図である。
図9】同上鍵管理機の利用者登録操作において、(a)はタッチパネルに表示する表示画面を示す正面図、(b)は鍵管理機の収容庫に錠機構に対応して配置される表示部の表示状態を示す正面図である。
図10】同上鍵管理機の登録変更操作において、(a)はタッチパネルに表示する表示画面を示す正面図、(b)は鍵管理機の収容庫に錠機構に対応して配置される表示部の表示状態を示す正面図である。
図11】同上鍵管理機の管理者承認設定操作において、(a)はタッチパネルに表示する表示画面を示す正面図、(b)は鍵管理機の収容庫に錠機構に対応して配置される表示部の表示状態を示す正面図である。
図12】同上鍵管理機のキーホルダの抜き取り操作において、(a)はタッチパネルに表示する表示画面を示す正面図、(b)は鍵管理機の収容庫に錠機構に対応して配置される表示部の表示状態を示す正面図である。
図13】同上鍵管理機の鍵交換操作において、(a)はタッチパネルに表示する表示画面を示す正面図、(b)は鍵管理機の収容庫に錠機構に対応して配置される表示部の表示状態を示す正面図である。
図14】第2の実施の形態を示し、キーホルダの鍵取り外し構造を(a)~(d)に示す断面図である。
図15】第3の実施の形態を示し、キーホルダの鍵取り外し構造を(a)(b)に示す断面図である。
図16】第4の実施の形態を示し、キーホルダの鍵取り外し構造を(a)(b)に示す断面図である。
図17】第5の実施の形態を示す鍵管理機の外に特殊操作部がある場合の説明図である。
図18】同上鍵管理機の制御のフローチャートである。
図19】第6の実施の形態を示す鍵管理機の外に特殊操作部がある場合の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、第1の実施の形態を、図1ないし図13を参照して説明する。
【0018】
図1に示すように、鍵管理機10は、鍵管理機本体11、この鍵管理機本体11の前面にそれぞれ開閉可能に設けられた扉としての鍵管理用扉12および特殊操作用扉13を備えている。
【0019】
鍵管理機本体11の前面側には、鍵管理用扉12によって開閉される収容庫16、操作用表示部17および操作部18としてのタッチパネル19、カードリーダ用のカード挿入部20、特殊操作用扉13によって開閉されるプリンタ21および特殊操作部22が配設されている。
【0020】
収容庫16には、鍵23を管理する複数の鍵管理部24としての複数の錠機構25が左右方向に並ぶとともに上下複数段に配設されている。各錠機構25には、鍵23が連結されたキーホルダ26が着脱可能に挿入されている。なお、1つのキーホルダ26には、1つの鍵23が連結される場合に限らず、利用目的に応じて複数の鍵23が一緒に連結される場合もある。
【0021】
そして、図2に示すように、キーホルダ26は、本体部30、この本体部30の一端に着脱可能に取り付けられる装着部31、鍵23が連結されるとともに装着部31に着脱可能に取り付けられるリング32、および本体部30の他端に着脱可能に取り付けられる誤挿入防止部33を有している。
【0022】
本体部30は、円筒状に形成され、一端を反挿入側端部および他端を挿入側端部としている。本体部30の反挿入側端部には装着部31が挿入される装着口35が形成され、挿入側端部には装着口35より小径の解除口36が形成され、これら装着口35と解除口36とが連通して同軸上に形成されている。解除口36の周辺部分から装着口35内に複数の係止部37が突設されている。装着口35内に突出する係止部37の先端側は、装着口35内で径方向に弾性変形可能とし、その先端には装着口35の中心方向に突出する爪部38が形成されている。装着口35の開口方向に対向する爪部38の面は傾斜面に形成され、反対側の面は本体部30の軸方向に垂直な面に形成されている。係止部37の基端側には解除口36内に突出する突起39が形成されている。また、本体部30の外周面には、係止溝40(図4参照)が形成されている。
【0023】
装着部31は、円柱状に形成され、本体部30の装着口35に嵌合挿入される挿入部42を有している。この挿入部42の一端には、本体部30の一端側の端面に当接する縁部43が形成されている。挿入部42の他端には、本体部30の複数の係止部37間に挿入される突軸44が突設され、この突軸44の周面に各係止部37の爪部38が引っ掛かる溝部45が形成されている。突軸44の端面には突軸44より小径のガイド軸46が突設されている。装着部31の一端側には、装着部31の周面から一端側の端面に亘り、平面視で略U字形の連結溝47が形成されている。装着部31の周面側に開口する連結溝47の開口部分は挿入部42に位置しており、挿入部42が本体部30に挿入された状態で、その連結溝47の開口部分が本体部30で閉塞される。
【0024】
リング32は、1本の金属材で構成され、両側部分がそれぞれ略U字形となるように長円環状に折曲されているとともに、金属材の両端部であるリング端部49が略U字形の折曲部分に配置されている。そして、一方のリング端部49から鍵23の穴に通され、リング32と鍵23とが連結された状態で、リング端部49が配置されている略U字形の折曲部分が、装着部31の周面側から連結溝47内に挿入されている。
【0025】
誤挿入防止部33は、本体部30の他端に例えば爪構造を用いて着脱可能に取り付けられている。誤挿入防止部33は、本体部30の解除口36と同径の解除口51を有する環状に形成されている。図3に示すように、誤挿入防止部33の端面には、複数の孔52が形成されている。これら孔52は、所定の数で、錠機構25とキーホルダ26との適合種類毎に異なる位置に配置されている。
【0026】
また、図1に示すように、複数の錠機構25がパネル55に一体に設けられている。図4に示すように、パネル55の各錠機構25の位置には、キーホルダ26が挿入される円筒状の挿入口56が形成されている。挿入口56の上方にはレバー57が軸58を支点として上下に揺動可能に設けられている。このレバー57の一端には、挿入口56内の所定の施錠可能位置まで挿入されたキーホルダ26の係止溝40に引っ掛かって抜け止めする爪部59が設けられている。挿入口56の開口方向に対向する爪部59の面は傾斜面に形成され、反対側の面は挿入口56の軸方向に垂直な面に形成されている。
【0027】
レバー57にはソレノイド60が連結されている。そして、レバー57は、ソレノイド60の駆動時(励磁時)に、爪部59がキーホルダ26の係止溝40に引っ掛からない上方の解錠位置(図4(b)参照)に揺動し、一方、ソレノイドの駆動停止時(非励磁時)に、レバー57に連結された図示しないばねの付勢により、爪部59がキーホルダ26の係止溝40に引っ掛かる施錠位置(図4(a)参照)に揺動する。
【0028】
レバー57の他端には突片61が設けられ、この突片61の揺動領域内で固定位置にストッパ62が配置されている。このストッパ62により、ばね付勢で揺動するレバー57を施錠位置と略同じ位置(図4(c)参照)で停止させる。そして、キーホルダ26を挿入口56に挿入した際に、ストッパ62により施錠位置と略同じ位置で停止されているレバー57の爪部59が挿入口56内に突出していても、キーホルダ26が爪部59の傾斜面に当接し、キーホルダ26で爪部59を押し上げて挿入口56の奥側の施錠可能位置まで挿入可能としている。
【0029】
なお、ストッパ62は、図4(a)~(c)に示す通常運用の場合において用いられるが、図4(d)に示す返却承認運用の場合には用いられない。この返却承認運用の場合には、ばね付勢で揺動するレバー57は施錠位置よりも挿入口56内に大きく侵入する。そのため、キーホルダ26を挿入口56に挿入した際に、キーホルダ26の挿入方向端面がレバー57の先端部に当接し、それ以上の挿入が規制される。この場合、所定の返却承認操作によってソレノイド60が駆動されてレバー57が解錠位置に揺動することにより、キーホルダ26を挿入口56の奥側の施錠可能入位置まで挿入可能としている。
【0030】
挿入口56の奥側には誤挿入防止機構63が配設されている。この誤挿入防止機構63は、キーホルダ26の誤挿入防止部33の複数の孔52の形成領域に対応して配置された複数のピンを有している。これらピンは、所定の数で、錠機構25とキーホルダ26との適合種類毎に異なる位置に配置されている。そして、挿入口56に挿入されたキーホルダ26が誤挿入防止機構63と適合種類である場合には、各孔52に各ピンが差し込まれてキーホルダ26が施錠可能位置まで挿入することができ、一方、不適合種類である場合には、誤挿入防止部33の端面とピンの先端とが当接し、キーホルダ26が施錠可能位置まで挿入することができないようにして、不適合種類の場合の誤挿入を防止するように構成されている。
【0031】
各錠機構25には、キーホルダ26が施錠可能位置まで挿入されたことを検知する検知部65が配設されている。
【0032】
各錠機構25毎に、例えば、各錠機構25の下側の近傍に表示部66が設けられている。表示部66は、例えばLEDなどの光源を用いて、複数色(カラー)で点灯および点滅可能とする。
【0033】
また、図1に示すように、タッチパネル19は、複数の錠機構25に隣接した位置に配置されており、操作用表示部17としてカラー液晶表示パネルが用いられている。このカラー液晶表示パネルの表面に、指のタッチ位置を検知する例えば静電容量方式の操作部18が配設されている。そして、タッチパネル19に各種事項を表示し、タッチパネル19への指のタッチによって操作入力可能とする。
【0034】
また、カード挿入部20は、鍵管理機本体11の前面に上下方向に沿ってスリット状に設けられており、カードの磁気記憶帯を上から下に通すことにより、カード挿入部20内に配置されているカードリーダ(図6に示すカードリーダ87)によってカードの磁気記憶帯から情報が読み取られる。
【0035】
また、プリンタ21は、鍵抜取情報および鍵交換情報の履歴などをロール紙などの用紙に印字し、この印字した用紙を鍵管理機本体11の前面から導出、もしくは印字したロール紙を鍵管理機本体11の内部の図示しない巻取機構によって巻き取るように構成されている。
【0036】
また、特殊操作部22は、例えば、キーホルダ26を鍵23の着脱を可能な状態に操作するなどのキーホルダ26に対して特殊操作を行なうところで、特殊操作が可能な権限者のみが利用できる。
【0037】
図5(a)(b)に示すように、特殊操作部22はパネル69に設けられ、このパネル69にはキーホルダ26を挿入可能とする特殊操作用挿入口70が設けられている。特殊操作用挿入口70の前面には、カバー71(図1参照)が開閉可能に配置されている。
【0038】
特殊操作用挿入口70内の奥側の端面には、特殊操作用挿入口70の中心軸と同軸に解除部材72が固定されている。この解除部材72は、キーホルダ26の解除口36,51に挿入可能とする円柱状に形成され、先端にはガイド軸46が侵入可能とする凹部73が形成されている。
【0039】
特殊操作部22には、特殊操作が可能な権限者によるキーホルダ26に対しての特殊操作を許可するとともに権限者以外によるキーホルダ26に対しての特殊操作を不可とする規制部74、およびキーホルダ26に対して特殊操作を行なうことを検知する検知部75が配設されている。規制部74は、例えば、ソレノイド(図6のソレノイド74a)でストッパを特殊操作用挿入口70に進退させる機構を用い、通常はストッパを特殊操作用挿入口70に侵入させることにより、キーホルダ26を特殊操作用挿入口70の所定の特殊操作位置まで挿入されるのを規制し、権限者が特殊操作する場合にのみストッパを特殊操作用挿入口70から退避させることにより、キーホルダ26を特殊操作用挿入口70の所定の特殊操作位置まで挿入可能とする。また、検知部75は、キーホルダ26が所定の特殊操作位置まで挿入されたことを検知する。
【0040】
また、図1に示すように、鍵管理用扉12は、鍵管理機本体11の側部にヒンジ78によって開閉可能に取り付けられ、鍵管理機本体11に配置された鍵管理用扉施錠機構79により鍵管理機本体11に対して閉鎖状態で施錠され、鍵管理用扉施錠機構79の解錠によって鍵管理機本体11から開放可能としている。なお、鍵管理用扉施錠機構79は、図6に示すように、鍵管理用扉12を施錠および解錠するためのソレノイド79a、および鍵管理用扉12の閉塞を検知する検知部79bを有している。
【0041】
また、図1に示すように、特殊操作用扉13は、鍵管理機本体11の側部にヒンジ82によって開閉可能に取り付けられ、鍵管理機本体11に配置された特殊操作用扉施錠機構83により鍵管理機本体11に対して閉鎖状態で施錠され、特殊操作用扉施錠機構83の解錠によって鍵管理機本体11から開放可能としている。なお、特殊操作用扉施錠機構83は、図6に示すように、特殊操作用扉13を施錠および解錠するためのソレノイド83a、および特殊操作用扉13の閉塞を検知する検知部83bを有している。
【0042】
次に、図6に鍵管理機10の制御系のブロック図を示す。
【0043】
鍵管理機10は、この鍵管理機10を制御する制御部86を有している。この制御部86には、タッチパネル19、カードリーダ87、記憶部88、プリンタ21、複数の錠機構25のソレノイド60と検知部65と表示部66、特殊操作部22の規制部74のソレノイド74aと検知部75、鍵管理用扉施錠機構79のソレノイド79aと検知部79b、および特殊操作用扉施錠機構83のソレノイド83aと検知部83bなどが接続されている。
【0044】
記憶部88には、錠機構25毎の利用者情報や権限者情報など鍵管理情報、特殊操作が可能な権限者情報などの各種の登録情報や、鍵抜取履歴や鍵交換履歴などの各種の履歴が記憶される。利用者情報および権限者情報には利用者や権限者が保有するカードの情報や暗証番号などが含まれる。
【0045】
そして、制御部86は、次のような機能を制御機能の一部として具備している。
【0046】
タッチパネル19に表示する鍵情報の表示形態と表示部66に表示する表示形態とを、タッチパネル19の操作状態に応じて同期させる。タッチパネル19による錠機構25毎の鍵管理情報の設定登録時に、既に登録済みである錠機構25と、現在設定操作中である錠機構25と、未登録である錠機構25とを区別可能な表示形態で、タッチパネル19および表示部66に表示させる。複数者の承認が必要な鍵23の取り出しに関するタッチパネル19の操作入力時に、タッチパネル19の操作状態に応じてタッチパネル19および表示部66の表示形態を変更させる。なお、同期させる表示形態は、例えば、色、あるいは点滅や点灯である。
【0047】
さらに、制御部86は、キーホルダ26に対して特殊操作が可能な権限者を識別する識別部86aの機能を有するとともに、識別部86aで権限者が識別されることにより特殊操作部22でのキーホルダ26に対する特殊操作を可能とする機能を有している。
【0048】
次に、鍵管理機10の動作を説明する。
【0049】
図7には、鍵管理機10の待機状態においてタッチパネル19に表示する表示画面を示す。タッチパネル19の画面には、日時を表示する日時表示領域A1、画面の名称を表示する画面名称表示領域A2、各画面毎の主な表示領域A3、およびエラーなどの状態を表示する状態表示領域A4がある。
【0050】
まず、利用者(一般利用者)が取り出すことができる鍵23の取出権限の登録について説明する。これは、利用者情報と利用者の取出権限が設定される鍵23を管理する錠機構25とを対応付けて記憶部88に登録するものである。
【0051】
図7のタッチパネル19の待機画面において、登録の権限を有する管理者(権限者)のカードをカードリーダ87に通し、その後に表示される暗証番号入力画面で管理者が暗証番号を入力する。これら入力情報が認証されることで図8(a)に示すメインメニュー画面が表示される。図8(a)のメインメニュー画面で登録を選択することにより、図8(b)に示す登録メニュー画面が表示される。図8(b)の登録メニュー画面で使用者登録を選択することにより、図8(c)に示す使用者登録メニュー画面が表示される。図8(c)の使用者登録メニュー画面で一般登録を選択することにより、図9(a)に示す一般登録の選択画面が表示される。
【0052】
図9(a)の選択画面では、収容庫16に設けられている実際の錠機構25の配列に対応した配置でかつ錠機構25毎に番号を付した選択ボタンが一覧表示される。
【0053】
選択ボタンがまだ1つも選択されていない場合には、全ての番号の選択ボタンが例えば白抜きの枠の中に番号のみが表示された表示形態となっている。
【0054】
図9(a)に図示するように、タッチパネル19で例えば1~3番の選択ボタンをそれぞれ選択すると、選択された1~3番の選択ボタンが初期の表示形態とは別の表示形態で表示され、選択されたことを表示する。例えば、1~3番の選択ボタンが黄色で表示され、他の選択ボタンが白色で表示される。
【0055】
このとき、図9(b)に示すように、鍵管理機本体11の収容庫16においては、各錠機構25の表示部66の表示形態が同期される。例えば、選択された1~3番に対応する錠機構25の表示部66が黄色で点灯または点滅され、選択されていない番号に対応する錠機構25の表示部66は消灯状態に保たれる。
【0056】
これにより、登録を行っている管理者は、タッチパネル19で選択した番号の選択ボタンと選択された実際の鍵23および錠機構25との両方を確認でき、選択間違いおよび登録間違いを防止することができる。
【0057】
図9(a)の選択画面での選択後に、確定ボタンを操作することにより、利用者の固有の番号などの利用者情報を入力するように即す利用者情報入力画面、および利用者の固有のカードをカードリーダ87に通すように即すリード画面が順に表示される。それぞれの画面での入力操作後に、最終の画面で登録ボタンを操作することにより、利用者情報と取出権限が設定される鍵23を管理する錠機構25とが対応付けられて記憶部88に登録される。
【0058】
また、例えば、利用者の取出権限を他の鍵23についても追加登録する場合について説明する。図8(c)の使用者登録メニュー画面で登録変更を選択し、利用者の固有の番号やカード情報を入力することにより、図10(a)に示す登録変更の選択画面が表示される。
【0059】
図10(a)の選択画面では、収容庫16に設けられている実際の錠機構25の配列に対応した配置でかつ錠機構25毎に番号を付した選択ボタンが一覧表示されるとともに、利用者の取出権限が既に登録されている1~3番の選択ボタンが未登録の選択ボタンとは異なる表示形態で表示される。例えば、登録済みの選択ボタンが青色、未登録の選択ボタンが白色で表示される。
【0060】
そして、追加登録する例えば4番の選択ボタンを選択することにより、その選択ボタンが例えば白色から黄色の表示に切り換わる。これにより、登録を行っている管理者は、登録済みの青色表示の選択ボタンと、未登録の白色表示の選択ボタンと、選択中の黄色表示の選択ボタンとを区別して容易に確認でき、選択間違いを防止することができる。
【0061】
このとき、図10(b)に示すように、鍵管理機本体11の収容庫16においては、各錠機構25の表示部66の表示形態が同期される。例えば、登録済みの1~3番に対応する錠機構25の表示部66が青色で点灯され、選択中の4番に対応する錠機構25の表示部66が黄色で点灯され、未登録かつ未選択の番号に対応する錠機構25の表示部66が消灯状態に保たれる。
【0062】
これにより、登録を行っている管理者は、タッチパネル19で選択した番号の選択ボタンと選択された実際の鍵23および錠機構25との両方を確認でき、選択間違いおよび登録間違いを防止することができる。
【0063】
図10(a)の選択画面での選択後は、上述した図9(a)の選択画面での選択後と同様に、所定の登録操作をすることにより、利用者の取出権限が設定された他の鍵23についても記憶部88に追加登録される。
【0064】
また、例えばある重要な鍵23について、利用者が取出権限を有していても別の管理者の承認がないと、その鍵23の取り出しができない設定に登録する場合について説明する。これは、上述した利用者の取出権限の登録後に行なう。
【0065】
図8(b)の登録メニュー画面で機能登録を選択し、さらにその後の画面で順次表示される承認設定を選択、利用者情報および管理者情報の入力により、図11(a)の承認ホルダ設定の選択画面が表示される。
【0066】
図11(a)の選択画面では、収容庫16に設けられている実際の錠機構25の配列に対応した配置でかつ錠機構25毎に番号を付した選択ボタンが一覧表示されるとともに、登録済みの利用者が取出権限のある鍵23に対応した選択ボタンが未登録の選択ボタンとは別の表示形態で表示される。さらに、利用者の取出権限が登録されている選択ボタンのうち、管理者の承認有りが設定された選択ボタンと承認有りが設定されていない選択ボタンとが異なる表示形態で表示される。例えば、利用者の取出権限が登録されている選択ボタンのうち、管理者の承認有りが設定された選択ボタンは青色で表示され、承認有りが設定されていない選択ボタンは緑色で表示され、また、利用者の取出権限が未設定の選択ボタンは白色で表示される。
【0067】
このとき、図11(b)に示すように、鍵管理機本体11の収容庫16においては、各錠機構25の表示部66の表示形態が同期される。例えば、利用者の取出権限が登録されている選択ボタンのうち、管理者の承認有りが設定された錠機構25の表示部66が青色で表示され、承認有りが設定されていない錠機構25の表示部66が緑色で表示され、また、利用者の取出権限が未設定の錠機構25の表示部66は消灯状態に保たれる。
【0068】
これにより、設定を行う管理者は、設定を行う利用者の取出権限のある選択ボタンと実際の鍵23および錠機構25との両方を確認できるとともに、承認有りの設定が完了された選択ボタンと承認有りが設定されていない選択ボタンとを容易に確認することができ、設定途中でどこまで設定したか分からなくなることがなく、設定を容易にできるとともに設定間違いを防止することができる。
【0069】
次に、鍵23の取出操作について説明する。
【0070】
図7の待機画面で、鍵23の取り出しを行う利用者のカードをカードリーダ87に通し、その後に表示される暗証番号入力画面で利用者が暗証番号を入力し、利用者情報が認証されることにより、図12(a)に示すホルダ抜き取りの選択画面が表示される。
【0071】
図12(a)の選択画面では、収容庫16に設けられている実際の錠機構25の配列に対応した配置でかつ錠機構25毎に番号を付した選択ボタンが一覧表示されるとともに、予め登録されている利用者の取出権限のある鍵23に対応した選択ボタンが取出権限のない鍵23に対応した選択ボタンとは別の表示形態で表示される。図12(a)の選択画面では、利用者が取出権限がある1~3番の選択ボタンの色が他の選択ボタンとは変えて表示される。さらに、取出権限のある鍵23のうち、鍵23が取出状態にある錠機構25の番号の選択ボタンと鍵23を取出可能な錠機構25の番号の選択ボタンとが異なる色で表示される。例えば、鍵23が取出状態にある錠機構25に対応する選択ボタンが青色で表示され、鍵23を取出可能な錠機構25に対応する選択ボタンが黄色で表示され、取出権限のない選択ボタンが白色で表示される。
【0072】
このとき、図12(b)に示すように、鍵管理機本体11の収容庫16においては、各錠機構25の表示部66の表示形態が同期される。例えば、鍵23が取出状態にある錠機構25の表示部66が青色で点灯され、鍵23の取出可能な錠機構25の表示部66が黄色で点灯または点滅され、取出権限のない錠機構25の表示部66が消灯状態に保たれる。
【0073】
これにより、利用者は、取出権限のある鍵23について容易に確認できるとともに、鍵23の有無を容易に確認でき、さらに、鍵管理機本体11の収容庫16の表示部66の表示から実際の鍵23の場所も容易に確認できる。
【0074】
そして、図12(a)の選択画面で選択した後、確定操作をすることにより、図4(a)に示すように、選択された錠機構25のソレノイド60が駆動され、レバー57が施錠位置から解錠位置に揺動してキーホルダ26の係止が解除され、利用者によってキーホルダ26を抜き取ることが可能となる。ソレノイド60は、キーホルダ26が抜き取れたことを検知部65で検知すること、あるいは所定時間が経過することによって、駆動が停止される。ソレノイド60の駆動が停止されると、図4(c)に示すように、キーホルダ26が抜かれた状態でも、ばね付勢によりレバー57がストッパ62に当接する位置、すなわち施錠位置と略同じ位置に揺動する。
【0075】
キーホルダ26が錠機構25から抜かれたことを検知部65が検知することにより、取出日時、利用者情報および鍵情報を含む取出情報の履歴が記憶部88に記憶される。
【0076】
また、管理者の承認が必要な鍵23の取出操作について説明する。
【0077】
利用者により、上述のように図12(a)の選択画面で選択ボタンを選択し、確定操作しても、管理者による承認の必要が設定されている鍵23である場合には、錠機構25が解錠せず、管理者用の承認画面が表示される。管理者によりカード情報および暗証番号が入力されて承認された後、図12(a)の選択画面と同様の管理者用の選択画面が表示される。この管理者用の選択画面では、利用者によって選択されるとともに管理者による承認が必要な選択ボタンが他の選択ボタンとは異なる表示形態で表示される。管理者が承認の必要な選択ボタンを選択することにより、その選択ボタンの表示形態が変更される。例えば、利用者によって選択されている選択ボタンが黄色で表示されていた場合、管理者がその選択ボタンを選択することにより緑色で表示される。
【0078】
このとき、鍵管理機本体11の収容庫16においては、各錠機構25の表示部66の表示形態が同期される。例えば、利用者によって選択されている錠機構25の表示部66が黄色で点灯または点滅され、管理者が選択ボタンを選択することによりその選択された錠機構25の表示部66が黄色から緑色の点灯または点滅に変更される。
【0079】
これにより、管理者は、選択ボタンを選択したのかどうかを確認でき、操作間違いを防止できる。
【0080】
管理者により、管理者用の選択画面での選択後、確定操作をすることにより、選択された錠機構25が解錠される。これにより、承認が必要な鍵23の取り出しが可能となる。
【0081】
次に、鍵23の返却操作について説明する。
【0082】
図4(c)に示すように、返却する鍵23のキーホルダ26を錠機構25の挿入口56に挿入する。このとき、ストッパ62により施錠位置と略同じ位置で停止されているレバー57の爪部59が挿入口56内に突出しているが、キーホルダ26が爪部59の傾斜面に当接し、キーホルダ26で爪部59をばね付勢に抗して押し上げることにより、キーホルダ26を挿入口56の奥側の施錠可能位置へ向けて挿入可能とする。
【0083】
挿入口56に挿入されたキーホルダ26が錠機構25の誤挿入防止機構63と適合種類である場合には、キーホルダ26の各孔52に誤挿入防止機構63の各ピンが差し込まれてキーホルダ26が施錠可能位置まで挿入することができる。キーホルダ26が施錠可能位置まで挿入されると、ばね付勢によりレバー57の爪部59がキーホルダ26の係止溝40に嵌り込み、キーホルダ26が施錠される。
【0084】
一方、不適合種類である場合には、誤挿入防止部33の端面とピンの先端とが当接し、キーホルダ26が施錠可能位置まで挿入することができない。そのため、不適合な錠機構25へのキーホルダ26の誤挿入を防止できる。
【0085】
また、ここで説明した返却操作は通常運用の場合であるが、鍵23の返却に承認操作を必要とする返却承認運用とすることもできる。この場合には、図4(d)に示すように、ストッパ62が用いられず、キーホルダ26を抜き外した後に、ばね付勢で揺動するレバー57は施錠位置よりも挿入口56内に大きく侵入する。そのため、返却操作時に、キーホルダ26を挿入口56に挿入すると、キーホルダ26の挿入方向端面がレバー57の先端部に当接し、施錠可能位置への挿入が規制される。この場合には、返却操作する利用者のカードをカードリーダ87に通し、利用者がタッチパネル19で暗証番号を入力し、承認を得る。承認が得られたら、タッチパネル19で所定の返却操作を行うことにより、ソレノイド60が駆動されてレバー57が解錠位置に揺動し、キーホルダ26を挿入口56内の所定の施錠可能位置へ向けて挿入可能となる。なお、他の返却操作は通常運用と同様である。
【0086】
次に、キーホルダ26に連結されている鍵23を別の鍵23に交換したり、別の鍵23を追加する鍵交換操作について説明する。
【0087】
鍵交換の権限を有する権限者である管理者が、カード情報および暗証番号の入力による承認後に、図8(a)のメインメニューで鍵交換を選択することにより、図13(a)に示す選択画面が表示される。図13(a)の選択画面で鍵交換操作を行うキーホルダ26に対応する選択ボタンを選択することにより、選択された選択ボタンが他の選択ボタンとは異なる表示形態で表示される。
【0088】
このとき、図13(b)に示すように、鍵管理機本体11の収容庫16においては、各錠機構25の表示部66の表示形態が同期される。例えば、選択された選択ボタンに対応する錠機構25の表示部66が点灯される。
【0089】
そして、図13(a)の選択画面で選択ボタンを選択することにより、選択された錠機構25が解錠される。また、特殊操作用扉13が解錠され、特殊操作部22のソレノイド74aが駆動されてストッパが特殊操作用挿入口70から退避され、特殊操作部22へのキーホルダ26の挿入が可能な状態となる。
【0090】
管理者は、表示部66が点灯する錠機構25からキーホルダ26を抜き取り、抜き取ったキーホルダ26を特殊操作部22のカバー71をずらして特殊操作用挿入口70に挿入する。図2(a)(b)および図2(c)に示すように、キーホルダ26を特殊操作用挿入口70に挿入していくと、解除部材72が解除口51,36に挿入されるとともに、解除部材72が各係止部37の突起39に当接し、各係止部37が外径方向に弾性変形する。これにより、各係止部37の爪部38が装着部31の溝部45から外れ、本体部30と装着部31との結合が解除される。その後、図2(d)に示すように、装着部31を本体部30から抜き外す。装着部31を本体部30から抜き外すことにより、装着部31の周面側に開口する連結溝47が露出するため、図2(e)に示すように、リング32を連結溝47の開口側に移動させて装着部31から取り外すことができる。
【0091】
交換する鍵23を連結したリング32、あるいは別の鍵23を追加したリング32を装着部31の周面側から連結溝47に挿入し、この装着部31を本体部30の装着口35に挿入し(図2(c)の状態)、本体部30および装着部31を一体に特殊操作用挿入口70から抜き取る。これにより、解除部材72が本体部30から抜け外れるため、解除部材72で弾性変形されていた各係止部37がその爪部38を装着部31の溝部45に係合する係止状態に復帰し、本体部30と装着部31とが外れないように結合される。
【0092】
なお、本体部30から装着部31を抜き外したら、本体部30を特殊操作用挿入口70から抜き取り、特殊操作部22の外で本体部30と装着部31とを結合操作してもよい。
【0093】
また、キーホルダ26が特殊操作用挿入口70に挿入されたことを検知部75で検知することにより、日時、管理者情報および鍵情報などを含む鍵交換履歴が記憶部88に記憶される。
【0094】
鍵交換の終えたキーホルダ26は元の錠機構25に挿入し、キーホルダ26が戻されたことを検知部65で検知することにより、鍵交換完了となる。
【0095】
なお、記憶部88に記憶された鍵取出情報、鍵交換情報の履歴などは、管理者による操作により、プリンタ21によって印字出力することができる。
【0096】
次に、図14に第2の実施の形態のキーホルダ26を示す。なお、前記実施の形態と同じの構成については、同じ符号を用いてその説明を省略する。
【0097】
本体部30の装着口35の内周に雌ねじ91が形成されている。複数の係止部37が解除口36側か装着口35側へ向けて突出されているとともに本体部30の中心に向けて突出されている。
【0098】
装着部31は挿入部42の外周に雌ねじ91に螺合する雄ねじ92が形成され、挿入部42の端面には断面略鋸刃状の突起が放射状に設けられてラッチ部93が構成されている。
【0099】
本体部30と装着部31との間にはラッチ部材94が配置されている。このラッチ部材94は、装着口35内を軸方向に移動可能とし、一端面には装着部31のラッチ部93と噛み合うラッチ部95が形成され、他端面には軸部96が突設されている。軸部96の周面には、係止部37が係合可能とする複数の溝部97が軸方向に沿って形成されている。本体部30とラッチ部材94との間には、ラッチ部材94のラッチ部95を装着部31のラッチ部93に押圧するスプリング98が配置されている。なお、図14には誤挿入防止部33の図示を省略している。
【0100】
装着部31のラッチ部93とラッチ部材94のラッチ部95との関係は次のように構成されている。ラッチ部材94の回転が規制されているとすると、装着部31を本体部30に取り付ける回転方向に回転させようとした場合には、互いのラッチ部93,95が噛み合うことなく、装着部31の回転が可能であり、また、装着部31を本体部30から取り外す回転方向に回転させようとした場合には、互いのラッチ部93,95が噛み合うため、装着部31の回転が規制される。
【0101】
そして、図14(a)に示すように、キーホルダ26の組立状態では、装着部31が本体部30の装着口35にねじ込まれている。スプリング98で押圧されているラッチ部材94のラッチ部95が装着部31のラッチ部93に噛み合っている。各係止部37が各溝部97に係合し、本体部30に対してラッチ部材94の回転が規制されている。
【0102】
そのため、装着部31を本体部30から外す回転方向に回転させようとしても、本体部30に対して回転が規制されているラッチ部材94と噛み合っている装着部31は回転しない。したがって、鍵23が連結されたリング32が装着部31から外れることはない。
【0103】
また、鍵交換時には、図14(b)に示すように、キーホルダ26を特殊操作部22に挿入することにより、解除部材72が解除口36に挿入されるとともに、解除部材72が各係止部37に当接し、各係止部37が外径方向へ弾性変形する。これにより、各係止部37が軸部96の溝部97から外れ、ラッチ部材94の回転が可能となる。
【0104】
この状態で、図14(c)に示すように、装着部31を本体部30から外れる回転方向に回転操作することにより、装着部31に噛み合っているラッチ部材94が回転可能であるため、装着部31とラッチ部材94とが一緒に回転し、装着部31が本体部30から外れる軸方向に移動する。
【0105】
そして、図14(d)に示すように、装着部31が本体部30から外れることにより、装着部31の周面側に開口する連結溝47が露出するため、リング32を装着部31の連結溝47から取り外すことができる。
【0106】
一方、交換する鍵23を連結したリング32、あるいは別の鍵23を追加したリング32を装着部31に取り付けた後には、装着部31を本体部30の装着口35に押し当て取り付け回転方向に回転させて本体部30にねじ込んでいく。
【0107】
装着部31を本体部30にねじ込んでいく途中で、装着部31のラッチ部93がラッチ部材94のラッチ部95に当接するが、装着部31の取り付け回転方向への回転時にはラッチ部材94と噛み合わないため、仮にラッチ部材94の回転が規制されていても、装着部31を本体部30にねじ込んでいくことができる。ラッチ部材94は、装着部31に押圧されながら、スプリング98の付勢に抗して本体部30内に押し込まれていく。
【0108】
装着部31の縁部43が本体部30に当接して締め付けられたら結合完了し、キーホルダ26を特殊操作部22から抜き外す。これにより、各係止部37が軸部96の溝部97に嵌り込み、ラッチ部材94の回転を規制する。そのため、本体部30と装着部31とが外れない結合状態となる。
【0109】
なお、装着部31が本体部30から外れたら、本体部30を特殊操作部22から抜き外し、特殊操作部22の外で本体部30と装着部31とを結合操作してもよい。
【0110】
次に、図15に第3の実施の形態のキーホルダ26を示す。なお、前記実施の形態と同じの構成については、同じ符号を用いてその説明を省略する。
【0111】
本体部30には、本体部30の径方向にリング32が挿通される挿通孔101が形成され、挿通孔101の一端側には本体部30の一端の反挿入側端部に連通する切欠部102が形成されている。
【0112】
リング32のリング端部49は、互いに所定の間隔をあけて対向するように直線状に形成されており、本体部30の挿通孔101に挿入されている。図15(b)に示すように、一方のリング端部49側が切欠部102に侵入するように移動させると、他方のリング端部49側が挿通孔101から外れ、両リング端部49間の隙間部分が本体部30の外部に露出するように構成されている。
【0113】
本体部30には挿通孔101と本体部30の他端の挿入側端部とに連通する作用孔103が軸方向に沿って形成されている。この作用孔103には棒状の鉄心104が軸方向に移動可能に配置されているとともに、鉄心104を挿通孔101へ向けて押圧するスプリング105が配置されている。
【0114】
なお、特殊操作部22には、キーホルダ26が挿入されることにより、作用孔103に挿入可能とする棒状の磁石が配置される。
【0115】
また、本実施の形態では、リング32が装着部31として構成されている。また、図15には誤挿入防止部33の図示を省略している。
【0116】
そして、図15(a)に示すように、リング32の両リング端部49が挿通孔101内に配置され、鉄心104がスプリング105の付勢によって両リング端部49間の隙間部分に侵入した状態では、リング32を本体部30に対して径方向に移動させることができないため、鍵23をリング32から外すことができない結合状態にある。
【0117】
また、キーホルダ26を特殊操作部22に挿入し、棒状の磁石が作用孔103に挿入されると、図15(b)に示すように、磁石に鉄心104が吸引されて両リング端部49間から外れるように移動する。そのため、リング32を本体部30に対して径方向に移動させることにより、両リング端部49間の隙間部分が本体部30の外側に露出される。その両リング端部49間の隙間部分から鍵23を交換したり追加することができる。
【0118】
一方、リング32に対して鍵23を交換したり追加した後には、リング32を元の位置に戻し、キーホルダ26を特殊操作部22から抜き外すことにより、スプリング105の付勢で鉄心104が両リング端部49間の隙間部分に侵入し、鍵23をリング32から外すことができない結合状態となる。
【0119】
なお、両リング端部49間の隙間部分が本体部30の外側に露出されるようにリング32が本体部30に対して移動させたら、キーホルダ26を特殊操作部22から抜き外し、特殊操作部22の外で、リング32に対して鍵23を交換したり追加し、その後、リング32を元の位置に戻しし、鍵23をリング32から外すことができない結合状態としてもよい。
【0120】
次に、図16に第4の実施の形態のキーホルダ26を示す。なお、前記実施の形態と同じの構成については、同じ符号を用いてその説明を省略する。
【0121】
図15に第3の実施の形態のキーホルダ26と同様の構成を備えているが、リング32が円弧状に形成されているとともに、このリング32を挿通する挿通孔101も円弧状に形成されている。
【0122】
また、本実施の形態でも、リング32が装着部31として構成されている。
【0123】
そして、図16(a)に示すように、リング32の両リング端部49が挿通孔101内に配置され、鉄心104がスプリング105の付勢によって両リング端部49間の隙間部分に侵入した状態では、リング32を本体部30に対して円方向に移動させることができないため、鍵23をリング32から外すことができない結合状態にある。
【0124】
また、キーホルダ26を特殊操作部22に挿入し、棒状の磁石が作用孔103に挿入されると、図16(b)に示すように、磁石に鉄心104が吸引されて両リング端部49間から外れるように移動する。そのため、リング32を本体部30に対して円方向に移動させることにより、両リング端部49間の隙間部分が本体部30の外側に露出される。その両リング端部49間の隙間部分から鍵23を交換したり追加することができる。
【0125】
一方、リング32に対して鍵23を交換したり追加した後には、リング32を元の位置に戻し、キーホルダ26を特殊操作部22から抜き外すことにより、スプリング105の付勢で鉄心104が両リング端部49間の隙間部分に侵入し、鍵23をリング32から外すことができない結合状態となる。
【0126】
なお、両リング端部49間の隙間部分が本体部30の外側に露出されるようにリング32が本体部30に対して移動させたら、キーホルダ26を特殊操作部22から抜き外し、特殊操作部22の外で、リング32に対して鍵23を交換したり追加し、その後、リング32を元の位置に戻しし、鍵23をリング32から外すことができない結合状態としてもよい。
【0127】
以上のように構成された鍵管理機10によれば、タッチパネル19に表示する鍵情報の表示形態と実際に鍵23が配置される錠機構25の表示部66に表示する表示形態とを、タッチパネル19の操作状態に応じて同期させるため、例えば操作が途中で中断されたとしてもどこまで操作したのかといった操作状態を容易に判別でき、操作性を向上できる。
【0128】
表示形態として、操作状態に応じて色分け表示したり、点灯表示や点滅表示することにより、操作状態を容易に判別することができる。
【0129】
タッチパネル19による錠機構25毎の鍵管理情報の設定登録時に、既に登録済みである錠機構25と、現在設定操作中である錠機構25と、未登録である錠機構25とを区別可能な表示形態で、タッチパネル19および表示部66に表示させるため、どこまで設定登録をしているのかを容易に判別することができる。
【0130】
複数者の承認が必要な鍵23の取り出しに関するタッチパネル19の操作入力時に、タッチパネル19の操作状態に応じてタッチパネル19および表示部66の表示形態を変更させるため、どこまで操作を行ったかを容易に判別することができる。
【0131】
なお、本実施の形態では、操作用表示部17と操作部18とが一体となっているタッチパネル19を用いたが、これに限らず、操作用表示部17と操作部18とを分けて用いてもよい。この場合、操作部18の領域内に操作用表示部17が配置されているものが含まれる。
【0132】
また、キーホルダ26は、分割された本体部30と装着部31とを備え、装着部31が本体部30に対して鍵23を取り外し不可とする状態と特定の解除操作によって鍵23を着脱可能とする状態とに移動可能とするため、鍵23の管理を確実にできるとともに、鍵23の交換や追加を容易にできる。
【0133】
装着部31が、本体部30とを結合可能とするとともに特定の解除操作によって結合解除可能とし、結合解除状態で鍵23を着脱できるため、鍵23の管理を確実にできるとともに、鍵23の交換や追加を容易にできる。
【0134】
本体部30と装着部31との結合状態で鍵23を装着部31から取り外し不可とするため、鍵23を確実に取り外し不可とすることができる。
【0135】
誤挿入防止部33によって適合しない錠機構25への誤挿入を防止でき、また、誤挿入防止部33が本体部30に着脱可能に取り付けられるため、例えば誤挿入防止部33側と本体部30側のどちらかが破損したとしても、破損した側のみを交換するだけでよい。さらに、本体部30を共通とし、錠機構25との適合種類毎の誤挿入防止部33との組み合わせを変えればよく、鍵管理機10の鍵23の保管位置の変更などにも容易に対応することができる。
【0136】
錠機構25への誤挿入防止部33の挿入方向先端面に、錠機構25との適合種類毎に異なる配置の複数の孔52を設けるため、孔52の配置によって錠機構25との適合種類を数多く構築できる。
【0137】
なお、キーホルダ26にはICタグを具備するようにしてもよい。ICタグは、例えば本体部30や装着部31に取り付けるようにする。このICタグを用いることにより、ICタグに管理情報を記憶させておくことができ、ICタグに記憶された情報を利用し、鍵23の管理を容易にできる。この場合、錠機構25や特殊操作部22にはICタグに情報を読み書きするためのICタグ用リーダライタを配置することにより、錠機構25や特殊操作部22に挿入されたキーホルダ26の情報を読み取ったり書き込むことができる。
【0138】
また、鍵管理機10には、錠機構25とは別にキーホルダ26を着脱可能とする特殊操作部22を備えたため、この特殊操作部22に装着されたキーホルダ26に対して特殊操作をすることができ、使い勝手を向上できる。
【0139】
識別部86aで権限者が識別されることにより、特殊操作部22でのキーホルダ26に対する特殊操作を可能とするため、権限者のみが特殊操作を行え、鍵23の管理を確実にできる。
【0140】
識別部86aで権限者が識別されることにより、特殊操作部22の特殊操作用扉13を解錠するため、権限者のみが特殊操作を行え、鍵23の管理を確実にできる。
【0141】
特殊操作が、キーホルダ26を鍵23の着脱が可能な状態とする操作であるため、鍵23の管理を確実にできる。
【0142】
上述したようにキーホルダ26がICタグを有している場合には、特殊操作により、ICタグのデータを読み書きするデータ操作であるため、データ操作の間違いが発生するのを防止できる。
【0143】
また、複数の権限者の承認が必要な鍵23のキーホルダ26に対して操作する場合、例えば、2人の権限者の承認によりキーホルダ26のICタグのデータを書き換えたり変更する場合において、1人の権限者は鍵管理機の場所にいるが、もう1人の権限者が別の場所にいる状況でも、特殊操作部22を利用することによりキーホルダ26に対して操作可能とすることもできる。この場合、鍵管理機10は所定のネットワークを通じて外部との通信機能を有する。そして、1人目の権限者による操作で、1人目の権限者についての承認操作を行い、操作を行うキーホルダ26を特殊操作部22に挿入し、タッチパネル19で遠隔承認モードを設定する。この遠隔承認モードを設定することにより、特殊操作部22の検知部75がキーホルダ26を検知していることを条件に制御部86では遠隔承認を許可する。鍵管理機10とは別の場所にいる2人目の権限者は、パソコンなどで鍵管理機10と通信し、2人目の権限者についての承認操作を行うことにより、特殊操作部22に挿入されているキーホルダ26に対して所定の操作が行なわれる。このように、特殊操作部22を利用することにより、キーホルダ26に対する遠隔操作を行うことができる。
【0144】
なお、特殊操作としては、複数の錠機構25のうちのいずれか1つにキーホルダ26を適合させる操作でもよい。これは、例えば、特殊操作部22において、錠機構25の誤挿入防止機構63に合わせて、キーホルダ26の誤挿入防止部33を物理的に加工したり、上述したようにキーホルダ26がICタグを有している場合には、錠機構25と対応付けてICタグのデータを操作することなどが含まれる。これにより、適合する錠機構25とキーホルダ26との組み合わせの設定を確実にできる。
【0145】
また、特殊操作部22を鍵管理機10の錠機構25と一体に設け、上述した特殊操作を錠機構25にて行うようにしてもよい。
【0146】
また、特殊操作部22は、鍵管理機10に一体に設ける場合に限らず、鍵管理機10とは別体に設けてもよい。
【0147】
この特殊操作部22を鍵管理機10とは別体に設けた場合の第5の実施の形態を、図17および図18に示す。なお、前記実施の形態と同じの構成については、同じ符号を用いてその説明を省略する。
【0148】
図17に示すように、特殊操作部22を鍵管理機10とは別体に設け、これら特殊操作部22と鍵管理機10とを、直接接続にするケーブルで互いに通信可能に接続したり、ネットワークで互いに通信可能に接続する。
【0149】
特殊操作部22には、特殊操作を行う種類があり、例えば、ICタグリーダ・ライタ、鍵交換機構、およびキーホルダ26の加工機構などの種類がある。ICタグリーダ・ライタは、キーホルダ26がICタグを有する場合に、ICタグの情報を読み書きする。鍵交換機構は、キーホルダ26のロックを解除ししてキーホルダ26に連結されている鍵23を別の鍵23に交換したり別の鍵23を追加する。加工機構は、鍵管理機10の錠機構25に適合するようにキーホルダ26の誤挿入防止部33を加工する。各種類の特殊操作部22は、それぞれ種類毎の識別情報を有するとともに通信機能を有しており、識別情報を鍵管理機10に送信可能とする。
【0150】
また、鍵管理機10では、特殊操作部22の接続状況や種類を監視し、その監視情報の履歴を管理する機能などを有している。
【0151】
そして、図18のフローチャートを参照して鍵管理機10の制御動作を説明する。
【0152】
鍵管理機10では、タッチパネル19に表示されるメニュー画面で特殊操作が選択されると(ステップ1)、選択された特殊操作に対応する特殊操作部22が接続されているか確認する(ステップ2)。この確認方法は、予め鍵管理機10で記憶している各特殊操作部22の識別情報と接続状態にある特殊操作部22から送られている識別情報との比較による。
【0153】
比較の結果、選択された特殊操作部22が接続されていない場合には(ステップ2のNO)、タッチパネル19などで報知する(ステップ3)。この場合、選択が間違っていれば、選択しなおし、また、接続されている特殊操作部22が間違っていれば、特殊操作しようとする特殊操作部22を接続しなおしてから、再び選択すればよい。
【0154】
比較の結果、選択された特殊操作部22が接続されている場合には(ステップ2のYES)、鍵管理機10から特殊操作開始情報を特殊操作部22に送信する。
【0155】
これにより、特殊操作部22では、特殊操作開始情報を受信し、予め鍵管理機10から取り外して特殊操作部22に装着されているキーホルダ26に対して対応する特殊操作を行う。特殊操作部22で特殊操作が完了したら、特殊操作部22から特殊操作完了情報(特殊操作履歴)を鍵管理機10へ送信する。
【0156】
鍵管理機10は、特殊操作部22から送信される特殊操作履歴を受信し(ステップ4のYES)、受信した特殊操作履歴を記憶し(ステップ5)、特殊操作処理を終了する。
【0157】
なお、鍵管理機10は、特殊操作部22が接続されていない場合、メニュー画面に特殊操作を表示しないようにしたりメニュー画面に特殊操作を表示しても選択できないようにし、また、特殊操作部22が接続されている場合、メニュー画面に対応した特殊操作を表示して選択できるようにしてもよい。
【0158】
また、特殊操作履歴は、鍵管理機10に記憶する他、特殊操作部22に記憶してもよいし、鍵管理機10や特殊操作部22にネットワークを介して接続されるパソコンなどに記憶してもよい。
【0159】
次に、特殊操作部22を鍵管理機10とは別体に設けた場合の第6の実施の形態を、図19に示す。なお、前記実施の形態と同じの構成については、同じ符号を用いてその説明を省略する。
【0160】
特殊操作部22を鍵管理機10とは別体に設け、特殊操作部22と鍵管理機10とはネットワーク接続されず、特殊操作部22を管理者110が管理するとともに操作する。特殊操作部22には、第5の実施の形態と同様に特殊操作を行う種類がある。
【0161】
そして、特殊操作を行う場合には、管理者110が鍵管理機10からキーホルダ26を外し、管理者110が管理する特殊操作部22でキーホルダ26に対して特殊操作を行う。特殊操作が完了したら、キーホルダ26を鍵管理機10に戻す。
【0162】
特殊操作部22での特殊操作履歴は、特殊操作部22に記憶する他、鍵管理機10に記憶させて管理するようにしてもよい。特殊操作履歴を鍵管理機10に記憶させるには、特殊操作部22にUSBメモリなどの携帯型記憶媒体を接続して特殊操作履歴を記憶した後、特殊操作部22から外した携帯型記憶媒体を鍵管理機10の場所に持って行き、携帯型記憶媒体を鍵管理機10に接続し、携帯型記憶媒体から鍵管理機10に特殊操作履歴を転送して記憶するようにしてもよい。また、特殊操作部22にネットワークを介して接続されるパソコンに特殊操作履歴を記憶して管理するようにしてもよい。
【0163】
また、鍵管理機10において、鍵管理機10の利用者で異動となった利用者の登録情報を削除する場合には、全ての登録情報を印字し、一つ一つ確認しなければならず、非常に手間のかかるものであった。
【0164】
このような問題を解決するために、鍵管理機10で記憶している操作履歴から、一定期間、鍵管理機10を利用していない利用者(未利用者)をリストアップして、管理者に通知するようにする。
【0165】
すなわち、鍵管理機10は、利用者が操作する操作部と、この操作部を操作する利用者を識別する識別部86aと、操作履歴を記憶する記憶部88と、外部に対して通知可能とする通知手段と、記憶部88に記憶されている操作履歴から一定期間、鍵管理機10を利用していない未利用者を特定し、その未利用者情報を通知手段により通知させる制御部86とを備える。
【0166】
この通知手段による通知は、特定した未利用者情報をプリンタ21で印字したりタッチパネル19に表示することが含まれる。なお、鍵管理機10と役席端末とがネットワーク接続されている場合は、役席端末に未利用者情報を通知することも含まれる。
【0167】
このようにすることで、印字した内容や表示された内容を見ることで、鍵管理機10の利用者で異動となった利用者を確認することができ、その異動となった利用者を鍵管理機10の利用者データから簡単に削除することができる。
【0168】
また、未利用者を抽出するための期間は、例えば1ヶ月、2ヶ月、2週間、3週間などの任意の期間に設定できるようにしてもよい。
【0169】
さらに、鍵管理機10の電源をオンした際、タッチパネル19に表示される初期画面に、特定された未利用者を削除しないと鍵管理機10が利用できない旨を表示するとともに、鍵管理機10の継続利用ができるようにし、そして、一定以上の権限を有する権限者の承認を得ることで継続利用が可能となるようにしてもよい。
【0170】
このようにすることで、鍵管理機10の利用者データの削除忘れをなくすことができ、設定情報の厳正化を図ることができる。
【0171】
さらに、人事管理サーバと、鍵管理機10とがネットワーク接続されている場合、あるいはサーバと、人事管理サーバと、鍵管理機10とがそれぞれネットワーク接続されている場合、特定した未利用者情報と人事管理サーバ内に記憶された人事情報とを照合し、削除すべき人物である異動となった利用者のみを削除するようにしてもよい。この場合、自動的に削除してもよいし、手動で削除してもよい。
【0172】
このようにすることで、異動となった利用者のみを確実に削除することができる。
【符号の説明】
【0173】
10 鍵管理機
22 特殊操作部
23 鍵
24 鍵管理部
25 錠機構
26 キーホルダ
30 本体部
31 装着部
32 リング
47 開口部である連結溝
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