(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-22
(45)【発行日】2022-08-01
(54)【発明の名称】基板の毛髪検査装置及び基板の毛髪検査方法
(51)【国際特許分類】
G01N 21/956 20060101AFI20220725BHJP
【FI】
G01N21/956 B
(21)【出願番号】P 2021152035
(22)【出願日】2021-09-17
【審査請求日】2022-06-02
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000106760
【氏名又は名称】CKD株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111095
【氏名又は名称】川口 光男
(72)【発明者】
【氏名】菊池 和義
【審査官】小野寺 麻美子
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2011-0029057(KR,A)
【文献】中国特許出願公開第108535277(CN,A)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0108644(KR,A)
【文献】特開2000-42499(JP,A)
【文献】特開2011-182116(JP,A)
【文献】特表2016-519768(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/00 - G01N 21/958
G01B 11/00 - G01B 11/30
G01J 3/00 - G01J 4/04
G01J 7/00 - G01J 9/04
G06T 1/00 - G06T 9/40
H01L 21/64 - H01L 21/66
H05K 3/32 - H05K 3/34
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
緑色のレジスト領域が設けられるとともにクリーム半田の印刷されたプリント基板について、少なくとも前記レジスト領域における毛髪の有無を検査する基板の毛髪検査装置であって、
複数のカラー光を用いて、検査対象となる前記プリント基板である被検査基板に係るカラー画像を取得するカラー画像取得手段と、
前記カラー画像を用いて、前記被検査基板の色相画像を得る色相画像取得手段と、
前記カラー画像を用いて、前記被検査基板の彩度画像を得る彩度画像取得手段と、
前記色相画像の少なくとも前記レジスト領域において、該レジスト領域に対する色相差を利用して、少なくとも茶髪及び/又は金髪を含む毛髪を第一毛髪として検出可能な第一毛髪検出手段と、
前記彩度画像の少なくとも前記レジスト領域において、該レジスト領域に対する彩度差を利用して、少なくとも黒髪及び/又は白髪を含む毛髪を第二毛髪として検出可能な第二毛髪検出手段とを備え、
前記第一毛髪検出手段は、前記被検査基板の明度画像を用いることなく、前記色相画像のみに基づき前記第一毛髪を検出可能に構成され、
前記第二毛髪検出手段は、前記被検査基板の明度画像を用いることなく、前記彩度画像のみに基づき前記第二毛髪を検出可能に構成されていることを特徴とする基板の毛髪検査装置。
【請求項2】
前記被検査基板における前記レジスト領域が占める範囲を特定するためのレジスト領域情報を取得するレジスト領域情報取得手段を備え、
前記第一毛髪検出手段及び前記第二毛髪検出手段は、少なくとも前記レジスト領域情報取得手段が得た前記レジスト領域情報により特定される前記レジスト領域を検査対象として、前記第一毛髪及び前記第二毛髪を検出可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の基板の毛髪検査装置。
【請求項3】
前記レジスト領域情報取得手段は、前記プリント基板の設計情報及び/又は製造情報に基づき、前記レジスト領域情報を取得するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の基板の毛髪検査装置。
【請求項4】
複数のカラー光を用いて、理想的な前記プリント基板であるマスター基板に係るマスターカラー画像を取得するマスターカラー画像取得手段を備え、
前記レジスト領域情報取得手段は、前記マスターカラー画像を用いて前記マスター基板の色相画像を得るとともに、該色相画像から前記レジスト領域の色相と一致する領域を抽出すること、及び/又は、前記マスターカラー画像を用いて前記マスター基板の彩度画像を得るとともに、該彩度画像から前記レジスト領域の彩度と一致する領域を抽出することによって、前記レジスト領域情報を取得するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の基板の毛髪検査装置。
【請求項5】
前記レジスト領域情報取得手段は、前記被検査基板の色相画像から前記レジスト領域の色相に一致する領域を抽出すること、及び/又は、前記被検査基板の彩度画像から前記レジスト領域の彩度に一致する領域を抽出することによって、前記レジスト領域情報を取得するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の基板の毛髪検査装置。
【請求項6】
緑色のレジスト領域が設けられるとともにクリーム半田の印刷されたプリント基板について、少なくとも前記レジスト領域における毛髪の有無を検査する基板の毛髪検査方法であって、
複数のカラー光を用いて、検査対象となる前記プリント基板である被検査基板に係るカラー画像を取得するカラー画像取得工程と、
前記カラー画像を用いて、前記被検査基板の色相画像を得る色相画像取得工程と、
前記カラー画像を用いて、前記被検査基板の彩度画像を得る彩度画像取得工程と、
前記色相画像の少なくとも前記レジスト領域において、該レジスト領域に対する色相差を利用して、少なくとも茶髪及び/又は金髪を含む毛髪を第一毛髪として検出する第一毛髪検出工程と、
前記彩度画像の少なくとも前記レジスト領域において、該レジスト領域に対する彩度差を利用して、少なくとも黒髪及び/又は白髪を含む毛髪を第二毛髪として検出する第二毛髪検出工程とを備え、
前記第一毛髪検出工程では、前記被検査基板の明度画像を用いることなく、前記色相画像のみに基づき前記第一毛髪の検出処理が行われ、
前記第二毛髪検出工程では、前記被検査基板の明度画像を用いることなく、前記彩度画像のみに基づき前記第二毛髪の検出処理が行われることを特徴とする基板の毛髪検査方法。
【請求項7】
前記被検査基板における前記レジスト領域が占める範囲を特定するためのレジスト領域情報を取得するレジスト領域情報取得工程を含み、
前記第一毛髪検出工程及び前記第二毛髪検出工程では、少なくとも前記レジスト領域情報取得工程で得られた前記レジスト領域情報により特定される前記レジスト領域を検査対象として、前記第一毛髪及び前記第二毛髪の検出処理が行われることを特徴とする請求項6に記載の基板の毛髪検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント基板のレジスト領域における毛髪の有無を検査するための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プリント基板は、平板状のベース基板、該ベース基板の表面に形成された回路パターン及びランド、並びに、ベース基板の表面上であってランドなどを除く部分をコーティングする絶縁性のレジストなどを備えている。
【0003】
一般に、プリント基板上に部品(例えば電子部品)を実装する基板製造ラインにおいては、まずランド上にクリーム半田が印刷される(半田印刷工程)。次に、該クリーム半田の粘性に基づいてプリント基板上に部品が仮止めされる(マウント工程)。その後、かかるプリント基板がリフロー炉へ導かれ、クリーム半田を加熱溶融することで半田付けが行われる(リフロー工程)。
【0004】
通常、このような基板製造ラインにおいては、クリーム半田の印刷されたプリント基板を撮像して得た画像データに基づき、プリント基板における異物の有無が検査される。異物としては例えば毛髪を挙げることができる。プリント基板におけるレジストの設けられた領域(以下、「レジスト領域」という)に毛髪が付着していると、前記リフロー炉による加熱時に毛髪が炭化し、この炭化した毛髪によって複数のランド間で短絡が生じるおそれがある。
【0005】
そこで、毛髪などの異物を検出するための手法として、例えば、明度及び彩度を利用して第1異物質(明るい属性の異物)及び第2異物質(暗い属性の異物)を検出する手法が提案されている(例えば、特許文献1等参照)。
【0006】
特許文献1に係る異物の検出手法についてより詳しく説明すると、まず、複数のカラー光を用いて、マスター基板に係る複数のカラー別マスターイメージが取得されるとともに、これらカラー別マスターイメージの明度値をピクセル別に合してマスター基板イメージが取得される。また、複数のカラー光を用いて、検査対象のプリント基板(測定基板)に係る複数のカラー別測定イメージが取得されるとともに、これらカラー別測定イメージの明度値をピクセル別に合して測定基板イメージが取得される。つまり、マスター基板及び測定基板の明度に係る画像がそれぞれ取得される。そして、マスター基板イメージ及び測定基板イメージの差異(すなわち明度の差異)に基づき、第1異物質が検出される。
【0007】
また、カラー別マスターイメージを用いて、マスター基板に係る彩度マップが形成されるとともに、カラー別測定イメージを用いて、測定基板に係る彩度マップが形成される。すなわち、マスター基板及び測定基板の彩度に係る画像がそれぞれ取得される。そして、これら彩度マップの差異に基づき、第2異物質が検出される。
【0008】
また、特許文献1には、上記手法とともに、プリント基板のうちホールを含む領域と回路パターンを含む領域とを検査対象から除外する点が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記特許文献1に記載の手法では、マスター基板イメージ及び測定基板イメージの差異(すなわち明度に係るイメージの差異)として、毛髪の有無に係る差異のみならず、回路パターン、段差又は傷に係る差異をも検出するおそれがある。従って、回路パターンや段差、傷を毛髪として誤検出するおそれがある。尚、一般にレジストは半透明であるため、レジスト上面の段差のみならず、レジスト下の段差も毛髪として誤検出され得る。
【0011】
これに対し、回路パターンを含む領域を検査対象から除外することが考えられる。しかしながら、この場合には、除外された領域における毛髪の有無を検査することができなくなる。また、回路パターン又はこれに起因する段差を毛髪として誤検出することを防止できたとしても、傷を毛髪として誤検出することは依然として生じ得る。さらに、回路パターンを含む領域を検査対象から除外するための処理が非常に煩雑となるおそれがある。
【0012】
加えて、黒髪や茶髪、白髪、金髪などの様々な色の毛髪が存在するところ、特に茶髪や金髪とレジスト領域との明度差や彩度差は比較的小さなものとなりやすい。そのため、上記のように明度や彩度を利用した手法では、レジスト領域に付着した茶髪や金髪の検出精度が不十分となるおそれがある。
【0013】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、回路パターンを含む領域を検査対象として除外することなく、回路パターンや段差、傷を毛髪として誤検出することをより確実に防止できるとともに、金髪や茶髪を含む毛髪を精度よく検出することができる基板の毛髪検査装置などを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
以下、上記目的を解決するのに適した各手段につき、項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果を付記する。
【0015】
手段1.緑色のレジスト領域が設けられるとともにクリーム半田の印刷されたプリント基板について、少なくとも前記レジスト領域における毛髪の有無を検査する基板の毛髪検査装置であって、
複数のカラー光を用いて、検査対象となる前記プリント基板である被検査基板に係るカラー画像を取得するカラー画像取得手段と、
前記カラー画像を用いて、前記被検査基板の色相画像を得る色相画像取得手段と、
前記カラー画像を用いて、前記被検査基板の彩度画像を得る彩度画像取得手段と、
前記色相画像の少なくとも前記レジスト領域において、該レジスト領域に対する色相差を利用して、少なくとも茶髪及び/又は金髪を含む毛髪を第一毛髪として検出可能な第一毛髪検出手段と、
前記彩度画像の少なくとも前記レジスト領域において、該レジスト領域に対する彩度差を利用して、少なくとも黒髪及び/又は白髪を含む毛髪を第二毛髪として検出可能な第二毛髪検出手段とを備え、
前記第一毛髪検出手段は、前記被検査基板の明度画像を用いることなく、前記色相画像のみに基づき前記第一毛髪を検出可能に構成され、
前記第二毛髪検出手段は、前記被検査基板の明度画像を用いることなく、前記彩度画像のみに基づき前記第二毛髪を検出可能に構成されていることを特徴とする基板の毛髪検査装置。
【0016】
上記手段1によれば、色相画像の少なくともレジスト領域において、該レジスト領域との色相差を利用して、少なくとも茶髪及び/又は金髪を含む毛髪を第一毛髪として検出可能とされている。すなわち、茶髪や金髪といった第一毛髪は緑色のレジスト領域に対し色相の点で特に差異が生じやすい点に着目し、色相差を利用して第一毛髪を検出するように構成されている。従って、レジスト領域に位置する茶髪や金髪といった第一毛髪を精度よく検出することができる。
【0017】
また、上記手段1によれば、彩度画像の少なくともレジスト領域において、該レジスト領域との彩度差を利用して、少なくとも黒髪及び/又は白髪を含む毛髪を第二毛髪として検出可能とされている。すなわち、黒髪や白髪といった第二毛髪は緑色のレジスト領域に対し彩度の点で特に差異が生じやすい点に着目し、彩度差を利用して第二毛髪を検出するように構成されている。従って、レジスト領域に位置する黒髪や白髪といった第二毛髪を精度よく検出することができる。このように上記手段1によれば、黒髪、白髪、茶髪又は金髪といった一般によく見られる色の毛髪をそれぞれ精度よく検出することができる。
【0018】
また、被検査基板の明度画像を用いることなく、色相画像や彩度画像のみを利用して各毛髪の検出が行われる。従って、明度画像を利用することに伴い回路パターンや段差、傷が毛髪として誤検出されることをより確実に防止できる。さらに、明度画像を用いないため、検査処理に係る負担をより軽減することが可能となる。
【0019】
加えて、上記のように回路パターンや段差などに起因する誤検出を防止できることから、誤検出防止のために回路パターンを含む領域を検査対象として除外するといった煩雑な処理を行う必要がない。これにより、検査に係る処理負担をより軽減することができ、検査の高速化や検査に係るコストの増大抑制を図ることができる。
【0020】
手段2.前記被検査基板における前記レジスト領域が占める範囲を特定するためのレジスト領域情報を取得するレジスト領域情報取得手段を備え、
前記第一毛髪検出手段及び前記第二毛髪検出手段は、少なくとも前記レジスト領域情報取得手段が得た前記レジスト領域情報により特定される前記レジスト領域を検査対象として、前記第一毛髪及び前記第二毛髪を検出可能に構成されていることを特徴とする手段1に記載の基板の毛髪検査装置。
【0021】
上記手段2によれば、毛髪の有無に関し、レジスト領域を選択的に検査することができる。従って、レジスト領域に位置する毛髪の炭化によるリスクをより確実に回避することができる。
【0022】
手段3.前記レジスト領域情報取得手段は、前記プリント基板の設計情報及び/又は製造情報に基づき、前記レジスト領域情報を取得するように構成されていることを特徴とする手段2に記載の基板の毛髪検査装置。
【0023】
尚、設計情報としては、プリント基板のCADデータなどを挙げることができ、製造情報としては、プリント基板のガーバーデータなどを挙げることができる。
【0024】
上記手段3によれば、設計情報や製造情報を用いて、被検査基板との関係で十分に正確なレジスト領域情報を容易に取得することができる。
【0025】
手段4.複数のカラー光を用いて、理想的な前記プリント基板であるマスター基板に係るマスターカラー画像を取得するマスターカラー画像取得手段を備え、
前記レジスト領域情報取得手段は、前記マスターカラー画像を用いて前記マスター基板の色相画像を得るとともに、該色相画像から前記レジスト領域の色相と一致する領域を抽出すること、及び/又は、前記マスターカラー画像を用いて前記マスター基板の彩度画像を得るとともに、該彩度画像から前記レジスト領域の彩度と一致する領域を抽出することによって、前記レジスト領域情報を取得するように構成されていることを特徴とする手段2に記載の基板の毛髪検査装置。
【0026】
上記手段4によれば、マスター基板を用いて、レジスト領域情報を取得する。従って、設計情報や製造情報を用いることなく、被検査基板との関係で十分に正確なレジスト領域情報を得ることができる。
【0027】
尚、明度画像からレジスト領域の明度と一致する領域を抽出することによりレジスト領域情報を取得しようとした場合には、レジスト領域と重なる位置にある回路パターンや段差などを非レジスト領域と誤判定するおそれがある。この点、上記手段4では、色相画像や彩度画像からレジスト領域の色相や彩度と一致する領域を抽出することによりレジスト領域情報を取得するため、マスター基板におけるレジスト領域をより正確に特定することができ、ひいてはより正確なレジスト領域情報を取得することができる。その結果、被検査基板のレジスト領域に対する検査をより適切に行うことが可能となる。
【0028】
手段5.前記レジスト領域情報取得手段は、前記被検査基板の色相画像から前記レジスト領域の色相に一致する領域を抽出すること、及び/又は、前記被検査基板の彩度画像から前記レジスト領域の彩度に一致する領域を抽出することによって、前記レジスト領域情報を取得するように構成されていることを特徴とする手段2に記載の基板の毛髪検査装置。
【0029】
上記手段5によれば、上記手段4と同様に、レジスト領域と重なる位置にある段差や傷などを非レジスト領域と誤判定することをより確実に防止できる。従って、レジスト領域をより正確に特定することができ、ひいてはより正確なレジスト領域情報を取得することができる。
【0030】
また、上記手段5によれば、検査対象となる被検査基板の画像に基づきレジスト領域情報を取得するため、取得されたレジスト領域情報に基づく領域と被検査基板における実際のレジスト領域とがより正確に一致することとなり、被検査基板にとって最適なレジスト領域情報を取得することができる。従って、被検査基板のレジスト領域を対象とした毛髪検査をより精度よく行うことができる。
【0031】
手段6.緑色のレジスト領域が設けられるとともにクリーム半田の印刷されたプリント基板について、少なくとも前記レジスト領域における毛髪の有無を検査する基板の毛髪検査方法であって、
複数のカラー光を用いて、検査対象となる前記プリント基板である被検査基板に係るカラー画像を取得するカラー画像取得工程と、
前記カラー画像を用いて、前記被検査基板の色相画像を得る色相画像取得工程と、
前記カラー画像を用いて、前記被検査基板の彩度画像を得る彩度画像取得工程と、
前記色相画像の少なくとも前記レジスト領域において、該レジスト領域に対する色相差を利用して、少なくとも茶髪及び/又は金髪を含む毛髪を第一毛髪として検出する第一毛髪検出工程と、
前記彩度画像の少なくとも前記レジスト領域において、該レジスト領域に対する彩度差を利用して、少なくとも黒髪及び/又は白髪を含む毛髪を第二毛髪として検出する第二毛髪検出工程とを備え、
前記第一毛髪検出工程では、前記被検査基板の明度画像を用いることなく、前記色相画像のみに基づき前記第一毛髪の検出処理が行われ、
前記第二毛髪検出工程では、前記被検査基板の明度画像を用いることなく、前記彩度画像のみに基づき前記第二毛髪の検出処理が行われることを特徴とする基板の毛髪検査方法。
【0032】
上記手段6によれば、上記手段1と同様の作用効果が奏されることとなる。
【0033】
手段7.前記被検査基板における前記レジスト領域が占める範囲を特定するためのレジスト領域情報を取得するレジスト領域情報取得工程を含み、
前記第一毛髪検出工程及び前記第二毛髪検出工程では、少なくとも前記レジスト領域情報取得工程で得られた前記レジスト領域情報により特定される前記レジスト領域を検査対象として、前記第一毛髪及び前記第二毛髪の検出処理が行われることを特徴とする手段6に記載の基板の毛髪検査方法。
【0034】
上記手段7によれば、上記手段2と同様の作用効果が奏されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】プリント基板の概略構成を示す平面模式図である。
【
図3】プリント基板の製造ラインの構成を示すブロック図である。
【
図4】半田印刷後検査装置を模式的に示す概略構成図である。
【
図5】半田印刷後検査装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図6】HSV色空間の色相環を簡易的に示す図である。
【
図7】金髪の付着した被検査基板に係る色相画像を示す図である。
【
図8】茶髪の付着した被検査基板に係る色相画像を示す図である。
【
図9】黒髪の付着した被検査基板に係る彩度画像を示す図である。
【
図10】白髪の付着した被検査基板に係る彩度画像を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、一実施形態について図面を参照しつつ説明する。まず、プリント基板1の構成について説明する。
【0037】
図1,2に示すように、プリント基板1は、ガラスエポキシ樹脂等からなる平板状のベース基板2に、銅箔からなる回路パターン3a及びランド3b、ベース基板2の表裏に設けられたランド3bを貫通するスルーホール3cなどが形成されたものである。ランド3b上やスルーホール3cには、半田粒をフラックスで練ってなるクリーム半田5が印刷されている。クリーム半田5を介して例えば図示しない所定の部品(例えば電子部品)における電極部とランド3bとが電気的に接続される。
【0038】
また、ベース基板2の表面であってランド3bを除く部位には、緑色のレジスト領域4(
図1にて散点模様を付した領域)が設けられている。レジスト領域4は、絶縁性のレジストからなり、ベース基板2や回路パターン3aをコーティングする。尚、レジスト領域4の上面やレジスト領域4の下には、回路パターン3aなどに起因する段差が存在していることがある。
【0039】
次に、プリント基板1を製造する製造ライン(製造工程)について
図3を参照して説明する。
図3に示すように、製造ライン10には、その上流側(
図3上側)から順に、半田印刷機12、半田印刷後検査装置13、部品実装機14、リフロー装置15、及び、リフロー後検査装置16が設置されている。プリント基板1は、これら装置に対しこの順序で搬送されるように設定されている。本実施形態においては、半田印刷後検査装置13が「基板の毛髪検査装置」を構成する。
【0040】
半田印刷機12は、プリント基板1の各ランド3b上などにクリーム半田5を印刷する半田印刷工程を行う。例えば、スクリーン印刷によりクリーム半田5の印刷が行われる。スクリーン印刷では、まずスクリーンマスクの下面をプリント基板1に接触させた状態で、該スクリーンマスク上面にクリーム半田5を供給する。前記スクリーンマスクには、プリント基板1の各ランド3bに対応する複数の開口部が形成されている。次いで、前記スクリーンマスクの上面に所定のスキージを接触させつつ移動させることにより、前記開口部内にクリーム半田5を充填する。その後、プリント基板1を前記スクリーンマスクの下面から離間させることにより、ランド3bにクリーム半田5が塗布されるとともに、スルーホール3cにクリーム半田5が充填される。
【0041】
半田印刷後検査装置13は、印刷されたクリーム半田5の状態や、クリーム半田5の印刷されたプリント基板1における異物の有無を検査する半田印刷後検査工程を行う。また、半田印刷後検査工程では、クリーム半田5の印刷されたプリント基板1に対し、少なくともレジスト領域4における毛髪の有無に関する検査も行われる。半田印刷後検査装置13については後により詳しく説明する。
【0042】
部品実装機14は、クリーム半田5が印刷されたランド3bなどに前記部品を搭載する部品実装工程(マウント工程)を行う。これにより、前記部品の電極部がそれぞれ所定のクリーム半田5に対し仮止めされる。
【0043】
リフロー装置15は、クリーム半田5を加熱溶融させて、ランド3bと、前記部品の前記電極部とを半田接合(半田付け)するリフロー工程を行う。
【0044】
リフロー後検査装置16は、リフロー工程において半田接合が適切に行われたか否か等について検査するリフロー後検査工程を行う。例えばリフロー工程後のプリント基板1の画像データ等を用いて前記部品における位置ずれの有無などを検査する。
【0045】
このように、製造ライン10では、プリント基板1が順次搬送されつつ、半田印刷工程→半田印刷後検査工程→部品実装工程(マウント工程)→リフロー工程→リフロー後検査工程が行われるようになっている。
【0046】
この他、図示は省略するが、製造ライン10は、半田印刷機12と半田印刷後検査装置13との間などの上記各装置間に、プリント基板1を移送するためのコンベア等を備えている。また、半田印刷後検査装置13と部品実装機14との間やリフロー後検査装置16の下流側には分岐装置が設けられている。そして、半田印刷後検査装置13やリフロー後検査装置16にて良品判定されたプリント基板1は、そのまま下流側へ案内される一方、検査装置13,16にて不良品判定されたプリント基板1は分岐装置により不良品貯留部(不図示)へと排出されるようになっている。
【0047】
次に、半田印刷後検査装置13の構成について説明する。
図4,5に示すように、半田印刷後検査装置13は、プリント基板1の搬送や位置決め等を行う搬送機構31と、プリント基板1の検査を行うための検査ユニット32と、搬送機構31や検査ユニット32の駆動制御をはじめ、半田印刷後検査装置13における各種制御や画像処理、演算処理を実行する制御装置33とを備えている。
【0048】
搬送機構31は、プリント基板1の搬入出方向に沿って配置された一対の搬送レール31aと、各搬送レール31aに対し回転可能に配設された無端のコンベアベルト31bとを備えている。また、図示は省略するが、搬送機構31には、前記コンベアベルト31bを駆動するモータ等の駆動手段と、プリント基板1を所定位置に位置決めするためのチャック機構とが設けられている。搬送機構31は、制御装置33(後述する搬送機構制御部341)により駆動制御される。
【0049】
上記構成の下、半田印刷後検査装置13へ搬入されたプリント基板1は、搬入出方向と直交する幅方向の両側縁部がそれぞれ搬送レール31aに挿し込まれるとともに、コンベアベルト31b上に載置される。続いて、コンベアベルト31bが動作を開始し、プリント基板1が所定の検査位置まで搬送される。プリント基板1が検査位置に達すると、コンベアベルト31bが停止するとともに、前記チャック機構が作動する。このチャック機構の動作により、コンベアベルト31bが押し上げられ、コンベアベルト31bと搬送レール31aの上辺部によってプリント基板1の両側縁部が挟持された状態となる。これにより、プリント基板1が検査位置に位置決め固定される。検査が終了すると、チャック機構による固定が解除されるとともに、コンベアベルト31bが動作を開始する。これにより、プリント基板1は、半田印刷後検査装置13から搬出される。勿論、搬送機構31の構成は、上記形態に限定されるものではなく、他の構成を採用してもよい。
【0050】
検査ユニット32は、搬送レール31a(プリント基板1の搬送路)の上方に配設されている。検査ユニット32は、照明装置321及びカメラ322を備えている。また、検査ユニット32は、X軸方向(
図4左右方向)の移動を可能とするX軸移動機構323、及び、Y軸方向(
図4前後方向)の移動を可能とするY軸移動機構324をも備えている。両移動機構323,324は、制御装置33(後述する移動機構制御部340)により駆動制御される。本実施形態では、照明装置321及びカメラ322が「カラー画像取得手段」を構成する。
【0051】
照明装置321は、半田印刷後検査装置13による検査対象となるプリント基板1(以下、「被検査基板1a」という)に対し、所定の光を照射するものである。より詳しく説明すると、照明装置321は、第一リングライト321a、第二リングライト321b及び第三リングライト321cを備えている(
図4参照)。
【0052】
第一リングライト321aは、被検査基板1aに対し略水平方向からの光照射を行う。第二リングライト321bは、第一リングライト321aよりも上方に配置され、被検査基板1aに対し斜め上方からの光照射を行う。第三リングライト321cは、第二リングライト321bの内側に配置されており、被検査基板1aに対しほぼ鉛直上方からの光照射を行う。
【0053】
各リングライト321a,321b,321cは、それぞれ被検査基板1aに対し白色光を照射する。すなわち、各リングライト321a,321b,321cは、赤色光、青色光及び緑色光という複数のカラー光を一度に被検査基板1aへと照射するようになっている。
【0054】
カメラ322は、その光軸が上下方向(Z軸方向)に沿うように配置されており、被検査基板1aにおける所定の被検査領域を真上から撮像する。尚、被検査基板1aの「被検査領域」は、カメラ322の撮像視野(撮像範囲)の大きさを1単位として被検査基板1aに予め設定された複数のエリアのうちの1つのエリアである。
【0055】
カメラ322は、カラーカメラで構成されており、制御装置33(後述するカメラ制御部333)により動作制御される。制御装置33(カメラ制御部333)の動作制御により、カメラ322は、各リングライト321a,321b,321cから被検査基板1aに対する同時照射が行われている状態で、この被検査基板1aからの反射光の撮像を行う。これにより、被検査基板1aの被検査領域に係るカラー画像が取得されることとなる。このカラー画像は、少なくともレジスト領域4の画像を含む。また、このカラー画像は、多数の画素を有しており、各画素に対応して、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)に係る3種類のパラメータ値がそれぞれ設定されている。本実施形態において、これらパラメータ値は0~1の範囲で表現される。
【0056】
カメラ322によって撮像されて取得されたカラー画像は、制御装置33(後述のカラー画像取込部334)に転送される。そして、制御装置33は、該カラー画像に基づき検査処理を実行する。本実施形態では、照明装置321により被検査基板1aを照らした状態で、カメラ322によってカラー画像を取得する工程が「カラー画像取得工程」に相当する。
【0057】
制御装置33は、所定の演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)、各種プログラムや固定値データ等を記憶するROM(Read Only Memory)、各種演算処理の実行に際して各種データが一時的に記憶されるRAM(Random Access Memory)及びこれらの周辺回路等を含んだコンピュータからなる。
【0058】
制御装置33は、CPUが各種プログラムに従って動作することで、メイン制御部331、照明制御部332、カメラ制御部333、カラー画像取込部334、色相画像取得部335、彩度画像取得部336、レジスト領域情報取得部337、第一毛髪検出部338、第二毛髪検出部339、移動機構制御部340、搬送機構制御部341などの各種機能部として機能する。本実施形態では、色相画像取得部335が「色相画像取得手段」を構成し、同様に、彩度画像取得部336が「彩度画像取得手段」を、レジスト領域情報取得部337が「レジスト領域情報取得手段」を、第一毛髪検出部338が「第一毛髪検出手段」を、第二毛髪検出部339が「第二毛髪検出手段」を、それぞれ構成する。
【0059】
但し、上記各種機能部は、上記CPU、ROM、RAMなどの各種ハードウェアが協働することで実現されるものであり、ハード的又はソフト的に実現される機能を明確に区別する必要はなく、これらの機能の一部又は全てがICなどのハードウェア回路により実現されてもよい。尚、制御装置33は、クリーム半田5の状態やプリント基板1における異物の有無を検査するための機能部を備えているが、本実施形態では、該機能部を省略している。
【0060】
さらに、制御装置33には、キーボードやマウス、タッチパネル等で構成される入力部342、液晶ディスプレイ等で構成される、表示画面を備えた表示部343、各種データやプログラム、演算結果、検査結果等を記憶可能な記憶部344、外部と各種データを送受信可能な通信部345などが設けられている。まず、記憶部344及び通信部345について説明する。
【0061】
記憶部344は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等で構成されており、各種情報を記憶する。記憶部344は、画像記憶部344a、検査用情報記憶部344b、レジスト領域情報記憶部344c及び検査結果記憶部344dを備えている。
【0062】
画像記憶部344aは、カメラ322により撮像され取得されたカラー画像を記憶する。また、画像記憶部344aには、色相画像取得部335や彩度画像取得部336によって取得される、それぞれ後述する色相画像及び彩度画像なども記憶される。画像記憶部344aに記憶されたカラー画像、色相画像及び彩度画像などは、適宜表示部343に表示させることが可能となっている。
【0063】
検査用情報記憶部344bは、被検査基板1aの検査に用いられる各種情報を記憶する。例えば、検査用情報記憶部344bには、色相画像に二値化処理を施すために用いられる閾値(色相閾値)、彩度画像に二値化処理を施すために用いられる閾値(彩度閾値)、レジスト領域4か否かの判定に用いられる基準値(領域特定用基準値)などが記憶される。また、検査用情報記憶部344bには、毛髪か否かを判定するための面積閾値及び長さ閾値も記憶される。
【0064】
レジスト領域情報記憶部344cは、レジスト領域情報取得部337により取得されたレジスト領域情報を記憶する。
【0065】
検査結果記憶部344dは、毛髪検出部338,339による検査結果データを記憶する。また、検査結果記憶部344dには、クリーム半田5の状態やプリント基板1における異物の有無に関する検査結果データや、各種検査結果データを確率統計的に処理した統計データなども記憶される。これらの検査結果データや統計データは、適宜表示部343に表示させることが可能となっている。
【0066】
通信部345は、例えば有線LAN(Local Area Network)や無線LAN等の通信規格に準じた無線通信インターフェースなどを備え、外部と各種データを送受信可能に構成されている。例えば毛髪検出部338,339により行われた検査の結果などが通信部345を介して外部に出力されたり、リフロー後検査装置16により行われた検査の結果が通信部345を介して入力されたりする。
【0067】
次に、制御装置33を構成する上記各種機能部について詳しく説明する。まず、移動機構制御部340及び搬送機構制御部341について説明し、その後、メイン制御部331等について説明する。
【0068】
移動機構制御部340は、X軸移動機構323及びY軸移動機構324を駆動制御する機能部であり、メイン制御部331からの指令信号に基づき、検査ユニット32の位置を制御する。移動機構制御部340は、X軸移動機構323及びY軸移動機構324を駆動制御することにより、検査ユニット32を、検査位置に位置決め固定された被検査基板1aにおける任意の被検査領域の上方位置へ移動させることができる。そして、被検査基板1aに設定された複数の被検査領域に検査ユニット32が順次移動されつつ、該被検査領域に係る検査が実行されていくことで、被検査基板1a全域の検査が実行される。
【0069】
搬送機構制御部341は、搬送機構31を駆動制御する機能部であり、メイン制御部331からの指令信号に基づき、被検査基板1aの搬送位置を制御する。
【0070】
次いで、メイン制御部331等について説明する。メイン制御部331は、半田印刷後検査装置13全体の制御を司る機能部であり、照明制御部332やカメラ制御部333など他の機能部と各種信号を送受信可能に構成されている。
【0071】
照明制御部332は、照明装置321を駆動制御する機能部である。照明制御部332は、メイン制御部331からの指令信号に基づき、照明装置321から被検査基板1aに対する光の照射又は照射停止に関するタイミング制御などを行う。
【0072】
カメラ制御部333は、カメラ322を駆動制御する機能部である。カメラ制御部333は、メイン制御部331からの指令信号に基づき、カメラ322による被検査基板1aの撮像タイミングなどを制御する。
【0073】
カラー画像取込部334は、カメラ322により撮像され取得されたカラー画像を取り込むための機能部である。カラー画像取込部334によって取り込まれたカラー画像は、画像記憶部344aに記憶される。
【0074】
色相画像取得部335は、画像記憶部344aに記憶された、被検査基板1の被検査領域に関するカラー画像を用いて、被検査基板1aの被検査領域に係る色相画像を取得する。色相画像は、カラー画像における各画素の、HSV色空間の色相環における色相を示す画像である。
図7,8に色相画像の一例を示す。色相画像取得部335は、0°(360°)を赤、60°を黄、120°を(厳密な)緑、180°をシアン、240°を青、300°をマゼンタとしたHSV色空間の色相環(
図6参照)における各画素の色相Hue(以下、「色相H」と記載する)を求め、各画素とその色相Hとが関連付けられてなる色相画像を取得する。本実施形態では、色相画像取得部335によって被検査基板1aの色相画像を得る工程が「色相画像取得工程」に相当する。色相画像は、画像記憶部344aに記憶される。
【0075】
色相Hは、以下の数式1,2又は3を用いて算出される。尚、数式1は、RGBに係る各パラメータ値のうちBのパラメータ値が最大である場合に用いられる。数式2は、RGBに係る各パラメータ値のうちRのパラメータ値が最大である場合に用いられる。数式3は、RGBに係る各パラメータ値のうちGのパラメータ値が最大である場合に用いられる。但し、RGBに係る各パラメータ値の最大値及び最小値が等しい場合、色相Hは定義されない。
<数式1> H=60×(G-R)/(MAX-MIN)+60
<数式2> H=60×(B-G)/(MAX-MIN)+180
<数式3> H=60×(R-B)/(MAX-MIN)+300
尚、数式1~3において、R,G,BはそれぞれRGBに係る各パラメータ値を示し、MAXは各パラメータ値のうちの最大値を示し、MINは各パラメータ値のうちの最小値を示す。
【0076】
彩度画像取得部336は、画像記憶部344aに記憶された、被検査基板1aの被検査領域に関するカラー画像を用いて、被検査基板1aの被検査領域に係る彩度画像を取得する。彩度画像は、カラー画像における各画素の彩度を示す画像である。
図9,10に彩度画像の一例を示す。彩度画像取得部336は、次の数式4を用いてカラー画像における各画素の彩度S(HSV形式の彩度)を算出し、各画素とその彩度Sとが関連付けられてなる彩度画像を取得する。本実施形態では、彩度画像取得部336によって被検査基板1aの彩度画像を得る工程が「彩度画像取得工程」に相当する。彩度画像は、画像記憶部344aに記憶される。
<数式4> S=(1-3×MIN/(R+G+B))
尚、数式1~3と同様に、数式4において、R,G,BはそれぞれRGBに係る各パラメータ値を示し、MINは各パラメータ値のうちの最小値を示す。また、彩度画像における各画素の彩度Sは0~1で表され、画素の彩度Sが1に近いほど該画素の色は原色に近いものとなる。尚、数式4に代えて、次の数式4aから彩度Sを求めてもよい。
<数式4a> S=(MAX-MIN)/MAX
レジスト領域情報取得部337は、被検査基板1aにおけるレジスト領域4が占める範囲を特定するためのレジスト領域情報を取得する。本実施形態において、レジスト領域情報取得部337は、検査対象のプリント基板1すなわち被検査基板1aに基づき、レジスト領域情報を取得する。
【0077】
より詳しくは、レジスト領域情報取得部337は、カラー画像に基づき、上記同様の色相画像を取得する。尚、色相画像取得部335により取得された色相画像を用いてもよい。
【0078】
次いで、レジスト領域情報取得部337は、色相画像のうち色相Hが所定範囲(本実施形態では例えば70°以上160°以下)となっている画素の連結成分を特定する処理を行うとともに、特定された連結成分(塊部分)の面積(本実施形態では画素数)を算出する。つまり、レジスト領域情報取得部337は、カラー画像のうち緑又は緑に近い色となっている塊部分の面積を算出する。
【0079】
その上で、レジスト領域情報取得部337は、塊部分の面積と検査用情報記憶部344bに予め記憶された領域特定用基準値とを比較し、面積が領域特定用基準値を上回る塊部分をレジスト領域4と判定する。そして、レジスト領域情報取得部337は、このレジスト領域4を特定するための情報(例えば、レジスト領域4の位置を示す座標情報など)をレジスト領域情報として取得する。取得されたレジスト領域情報は、レジスト領域情報記憶部344cに記憶される。本実施形態では、レジスト領域情報取得部337によりレジスト領域情報を取得する工程が「レジスト領域情報取得工程」に相当する。
【0080】
第一毛髪検出部338は、色相画像取得部335により取得された色相画像の少なくともレジスト領域4において、該レジスト領域4に対する色相差を利用して、少なくとも茶髪及び金髪を含む毛髪を第一毛髪として検出する。ここで、第一毛髪の検出手法について詳しく説明する。
【0081】
まず、第一毛髪検出部338は、色相画像の各画素を色相成分で二値化してなる二値化色相画像を得る。本実施形態において、二値化色相画像は、検査用情報記憶部344bに予め記憶された色相閾値と色相画像における各画素の色相Hとを比較し、色相画像における各画素を二値化することで得られる。得られた二値化色相画像は、0(明部分)及び1(暗部分)を備えた白黒画像となる。二値化色相画像は、画像記憶部344aに記憶される。
【0082】
尚、参考として、金髪X1が付着した被検査基板1aに係る色相画像(
図7参照)と、茶髪X2が付着した被検査基板1aに係る色相画像(
図8参照)とを示す。これらに示すように、色相画像において、金髪X1及び茶髪X2の各色相とレジスト領域4の色相とは検査を行う上で十分に異なるものとなる。そのため、二値化色相画像においては、例えば、金髪X1及び茶髪X2が暗部分で表され、レジスト領域4が明部分で表されることとなる。
【0083】
二値化色相画像を得た後、第一毛髪検出部338は、この二値化色相画像のうち、少なくともレジスト領域情報取得部337が得たレジスト領域情報により特定されるレジスト領域4を検査対象(検査範囲)として設定する。従って、ランド3bやスルーホール3c、被検査基板1aに付された文字部分や図形部分などは検査対象(検査範囲)から除かれる。また、本実施形態において、レジスト領域情報及び色相画像は、それぞれ同一の被検査基板1aに基づき取得されているため、この被検査基板1aにとって最適な検査対象が設定される。
【0084】
その上で、第一毛髪検出部338は、前記検査対象(検査範囲)において、レジスト領域4(例えば明部分)の色相と異なる色相を有する画素(例えば暗部分)の連結成分を特定する処理を行うとともに、特定された連結成分(塊部分)の面積(例えば画素数)を算出する。また、第一毛髪検出部338は、前記連結成分(塊部分)の長さ(例えばX方向長さ及びY方向長さ)を算出する。
【0085】
次いで、第一毛髪検出部338は、塊部分の面積と検査用情報記憶部344bに予め記憶された面積閾値とを比較する。そして、第一毛髪検出部338は、塊部分の面積が前記面積閾値を上回る場合には第一毛髪がレジスト領域4に存在すると判定し、被検査基板1aにおける被検査領域を「不良」と判定する。
【0086】
また、第一毛髪検出部338は、塊部分の長さと検査用情報記憶部344bに予め記憶された長さ閾値とを比較する。そして、第一毛髪検出部338は、塊部分の長さが前記長さ閾値を上回る場合には第一毛髪がレジスト領域4に存在すると判定し、被検査基板1aにおける被検査領域を「不良」と判定する。
【0087】
尚、第一毛髪検出部338は、塊部分の面積が前記面積閾値を上回り、かつ、塊部分の長さが長さ閾値を上回る場合に、第一毛髪がレジスト領域4に存在すると判定してもよい。また、面積や長さ以外のパラメータ(例えば太さや形状など)を利用して、第一毛髪が存在するか否かを判定するようにしてもよい。
【0088】
一方、第一毛髪検出部338は、塊部分の面積が前記面積閾値以下であり、かつ、塊部分の長さが前記長さ閾値以下である場合には、第一毛髪がレジスト領域4に存在しないと判定する。そして、第一毛髪検出部338は、被検査基板1aにおける被検査領域を「良」と判定する。本実施形態では、第一毛髪検出部338により第一毛髪を検出する工程が「第一毛髪検出工程」に相当する。
【0089】
そして、第一毛髪検出部338は、被検査基板1aの全ての被検査領域を対象として、第一毛髪の有無に関する上記検査処理を行う。すなわち、第一毛髪検出部338は、被検査基板1aに係る全ての色相画像を利用して上記検査処理を行う。全ての被検査領域の第一毛髪に係る検査結果は検査結果記憶部344dに記憶される。このように第一毛髪検出部338は、被検査基板1aの明度画像(被検査基板1aの各画素の明度を示す画像)を用いることなく、被検査基板1aの色相画像のみに基づき第一毛髪の検出処理を行う。
【0090】
第二毛髪検出部339は、彩度画像取得部336により取得された彩度画像の少なくともレジスト領域4において、該レジスト領域4に対する彩度差を利用して、少なくとも黒髪及び白髪を含む毛髪を第二毛髪として検出する。ここで、第二毛髪の検出手法についてより詳しく説明する。
【0091】
まず、第二毛髪検出部339は、彩度画像の各画素を彩度成分で二値化してなる二値化彩度画像を得る。本実施形態において、二値化彩度画像は、検査用情報記憶部344bに予め記憶された彩度画像取得用閾値と彩度画像における各画素の彩度Sとを比較し、彩度画像における各画素を二値化することで得られる。得られた二値化彩度画像は、0(暗部分)及び1(明部分)を備えた白黒画像となる。二値化彩度画像は、画像記憶部344aに記憶される。
【0092】
尚、参考として、黒髪X3が付着した被検査基板1aに係る彩度画像(
図9参照)と、白髪X4が付着した被検査基板1aに係る彩度画像(
図10参照)とを示す。これらに示すように、彩度画像において、黒髪X3及び白髪X4の各彩度とレジスト領域4の彩度とは検査を行う上で十分に異なるものとなる。そのため、二値化彩度画像においては、例えば、黒髪X3及び白髪X4が暗部分で表され、レジスト領域4が明部分で表されることとなる。
【0093】
二値化彩度画像を得た後、第二毛髪検出部339は、この二値化彩度画像のうち、少なくともレジスト領域情報取得部337が得たレジスト領域情報により特定されるレジスト領域4を検査対象(検査範囲)として設定する。
【0094】
その上で、第二毛髪検出部339は、前記検査対象(検査範囲)において、レジスト領域4(例えば明部分)と異なる彩度を有する画素(例えば暗部分)の連結成分を特定する処理を行うとともに、特定された連結成分(塊部分)の面積及び長さを算出する。
【0095】
次いで、第二毛髪検出部339は、塊部分の面積と前記面積閾値とを比較し、塊部分の面積が前記面積閾値を上回る場合には第二毛髪がレジスト領域4に存在すると判定する。また、第二毛髪検出部339は、塊部分の長さと前記長さ閾値とを比較し、塊部分の長さが前記長さ閾値を上回る場合には第二毛髪がレジスト領域4に存在すると判定する。そして、第二毛髪検出部339は、レジスト領域4に第二毛髪が存在すると判定したとき、被検査基板1aにおける被検査領域を「不良」と判定する。
【0096】
尚、第二毛髪検出部339は、塊部分の面積が前記面積閾値を上回り、かつ、塊部分の長さが長さ閾値を上回る場合に、第二毛髪がレジスト領域4に存在すると判定してもよい。また、面積や長さ以外のパラメータ(例えば太さや形状など)を利用して、第二毛髪が存在するか否かを判定するようにしてもよい。
【0097】
一方、第二毛髪検出部339は、塊部分の面積が前記面積閾値以下であり、かつ、塊部分の長さが前記長さ閾値以下である場合には、第二毛髪がレジスト領域4に存在しないと判定し、被検査基板1aにおける被検査領域を「良」と判定する。本実施形態では、第二毛髪検出部339により第二毛髪を検出する工程が「第二毛髪検出工程」に相当する。
【0098】
そして、第二毛髪検出部339は、被検査基板1aの全ての被検査領域を対象として、第二毛髪の有無に関する上記検査処理を行う。すなわち、第二毛髪検出部339は、被検査基板1aに係る全ての彩度画像を利用して上記検査処理を行う。全ての被検査領域の第二毛髪に係る検査結果は検査結果記憶部344dに記憶される。このように第二毛髪検出部339は、被検査基板1aの明度画像を用いることなく、被検査基板1aの彩度画像のみに基づき第二毛髪の検出処理を行う。
【0099】
また、半田印刷後検査装置13(メイン制御部331)は、被検査基板1aにおける全ての被検査領域に対し、第一毛髪や第二毛髪の有無などに係る検査が行われた結果、全ての被検査領域について「良」と判定された場合には、被検査基板1aのレジスト領域4に毛髪はないと判定し、この判定結果を検査結果記憶部344dに記憶する。
【0100】
一方、半田印刷後検査装置13は、「不良」と判定された被検査領域が1つでも存在する場合には、被検査基板1aに毛髪(すなわち不良箇所)があると判定し、この判定結果を検査結果記憶344dに記憶する。また、このような判定結果は、表示部343や通信部345などを介して外部に報知される。
【0101】
以上詳述したように、本実施形態によれば、色相画像の少なくともレジスト領域4において、該レジスト領域4との色相差を利用して、少なくとも茶髪及び金髪を含む毛髪を第一毛髪として検出可能とされている。すなわち、茶髪や金髪といった第一毛髪は緑色のレジスト領域4に対し色相の点で特に差異が生じやすい点に着目し、色相差を利用して第一毛髪を検出するように構成されている。従って、レジスト領域4に位置する茶髪や金髪といった第一毛髪を精度よく検出することができる。
【0102】
また、彩度画像の少なくともレジスト領域4において、該レジスト領域4との彩度差を利用して、少なくとも黒髪及び白髪を含む毛髪を第二毛髪として検出可能とされている。すなわち、黒髪や白髪といった第二毛髪は緑色のレジスト領域4に対し彩度の点で特に差異が生じやすい点に着目し、彩度差を利用して第二毛髪を検出するように構成されている。従って、レジスト領域4に位置する黒髪や白髪といった第二毛髪を精度よく検出することができる。
【0103】
このように本実施形態によれば、第一毛髪及び第二毛髪を精度よく検出することができる。すなわち、黒髪、白髪、茶髪又は金髪といった一般によく見られる色の毛髪をそれぞれ精度よく検出することができる。
【0104】
また、被検査基板1aの明度画像を用いることなく、色相画像や彩度画像のみを利用して各毛髪の検出が行われる。従って、明度画像を利用することに伴い回路パターン3aや段差、傷が毛髪として誤検出されることをより確実に防止できる。さらに、明度画像を用いないため、検査処理に係る負担をより軽減することが可能となる。
【0105】
加えて、上記のように回路パターン3aや段差などに起因する誤検出を防止できることから、誤検出防止のために回路パターン3aを含む領域を検査対象として除外するといった煩雑な処理を行う必要がない。これにより、検査に係る処理負担をより軽減することができ、検査の高速化や検査に係るコストの増大抑制を図ることができる。
【0106】
さらに、両毛髪検出部338,339は、少なくともレジスト領域情報取得部337が得たレジスト領域情報により特定されるレジスト領域4を検査対象として、第一毛髪及び第二毛髪を検出可能に構成されている。従って、毛髪の有無に関し、レジスト領域4を選択的に検査することができる。これにより、レジスト領域4に位置する毛髪の炭化によるリスクをより確実に回避することができる。
【0107】
加えて、被検査基板1aの色相画像からレジスト領域4の色相に一致する領域を抽出することによって、レジスト領域情報が取得される。従って、被検査基板1aの明度画像を用いる場合と比べて、レジスト領域4と重なる位置にある段差や傷などを非レジスト領域と誤判定することをより確実に防止できる。従って、レジスト領域4をより正確に特定することができ、ひいてはより正確なレジスト領域情報を取得することができる。
【0108】
また、検査対象となる被検査基板1aの画像に基づきレジスト領域情報を取得するため、取得されたレジスト領域情報に基づく領域と被検査基板1aにおける実際のレジスト領域4とがより正確に一致することとなり、被検査基板1aにとって最適なレジスト領域情報を取得することができる。従って、被検査基板1aのレジスト領域4を対象とした毛髪検査をより精度よく行うことができる。
【0109】
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
【0110】
(a)上記実施形態において、レジスト領域情報取得部337は、被検査基板1aに係る色相画像における一定範囲の色相を有する部分をレジスト領域として抽出することで、レジスト領域情報を取得するように構成されている。これに対し、レジスト領域情報取得部337は、彩度画像における一定範囲の彩度を有する部分をレジスト領域として抽出することで、レジスト領域情報を取得するものであってもよい。勿論、これらレジスト領域情報の取得手法を併用してもよい。
【0111】
(b)上記実施形態において、レジスト領域情報取得部337は、被検査基板1aの画像に基づき、レジスト領域情報を取得するように構成されている。
【0112】
これに対し、レジスト領域情報取得部337は、マスターカラー画像を用いてマスター基板の色相画像を得るとともに該色相画像からレジスト領域の色相に一致する領域を抽出すること、及び、マスターカラー画像を用いてマスター基板の彩度画像を得るとともに該彩度画像からレジスト領域の彩度に一致する領域を抽出することの少なくとも一方によって、レジスト領域情報を取得するものであってもよい。マスターカラー画像は、理想的なプリント基板1であるマスター基板(不図示)のカラー画像である。マスターカラー画像は、例えば半田印刷後検査装置13に供給されたマスター基板を、照明装置321により照らした状態でカメラ322により撮像することによって取得することができる。この場合、照明装置321及びカメラ322が「マスターカラー画像取得手段」を構成する。
【0113】
マスターカラー画像に基づきレジスト領域情報を取得するように構成することで、後述する設計情報や製造情報を用いることなく、被検査基板1aとの関係で十分に正確なレジスト領域情報を得ることができる。
【0114】
また、色相画像や彩度画像からレジスト領域の色相や彩度と一致する領域を抽出することによりレジスト領域情報を取得するため、明度画像を用いる場合と比べて、マスター基板におけるレジスト領域4をより正確に特定することができ、ひいてはより正確なレジスト領域情報を取得することができる。その結果、被検査基板1aのレジスト領域4に対する検査をより適切に行うことができる。
【0115】
(c)レジスト領域情報取得部337は、プリント基板1の設計情報及び製造情報の少なくとも一方に基づき、レジスト領域情報を取得するものであってもよい。設計情報としては、プリント基板1のCADデータなどを挙げることができ、製造情報としては、プリント基板1のガーバーデータなどを挙げることができる。
【0116】
設計情報や製造情報を用いてレジスト領域情報を取得するように構成することで、プリント基板1やマスター基板などが手元にない状態であっても、被検査基板1aとの関係で十分に正確なレジスト領域情報を容易に取得することができる。
【0117】
(d)上記実施形態において、各リングライト321a,321b,321cは、白色光を照射するように構成されているが、赤色光、青色光又は緑色光(つまり、それぞれ異なる色)を照射するものであってもよい。また、この場合には、カメラ322をモノクロカメラにより構成し、各リングライト321a,321b,321cからの照射が順次行われる都度、該カメラ322によるプリント基板1の撮像を行い、計3種類の画像を得るように構成してもよい。そして、この3種類の画像に基づき、色相画像や彩度画像を取得するようにしてもよい。尚、三種類の画像は、各画素に対応して、R(赤色)に係るパラメータ値、G(緑色)に係るパラメータ値、又は、B(青色)に係るパラメータ値がそれぞれ設定されているものである。従って、これら三種類の画像が「カラー画像」に相当するということができる。
【0118】
(e)上記実施形態では、第一毛髪や第二毛髪を検出するにあたって、色相画像や彩度画像を二値化して二値化色相画像や二値化彩度画像を得るように構成されているが、必ずしも二値化画像を得る必要はない。従って、例えば、色相画像や彩度画像をそのまま用いて、第一毛髪や第二毛髪を検出するように構成してもよい。例えば、色相画像又は彩度画像における一定範囲の色相又は彩度を有する部位の面積や長さなどを求め、この面積や長さに基づき第一毛髪や第二毛髪を検出するように構成してもよい。
【0119】
(f)上記実施形態では、色相画像に基づき茶髪及び金髪を検出する構成とされているが、色相画像に基づき茶髪及び金髪のうちの一方を検出する構成としてもよい。この場合、第一毛髪は茶髪及び金髪のうちの一方のみを含む毛髪をいう。
【0120】
また、上記実施形態では、彩度画像に基づき黒髪及び白髪を検出する構成とされているが、彩度画像に基づき黒髪及び白髪のうちの一方を検出する構成としてもよい。この場合、第二毛髪は黒髪及び白髪のうちの一方のみを含む毛髪をいう。
【符号の説明】
【0121】
1…プリント基板、1a…被検査基板、4…レジスト領域、5…クリーム半田、13…半田印刷後検査装置(基板の毛髪検査装置)、321…照明装置(カラー画像取得手段、マスターカラー画像取得手段)、322…カメラ(カラー画像取得手段、マスターカラー画像取得手段)、335…色相画像取得部(色相画像取得手段)、336…彩度画像取得部(彩度画像取得手段)、337…レジスト領域情報取得部(レジスト領域情報取得手段)、338…第一毛髪検出部(第一毛髪検出手段)、339…第二毛髪検出部(第二毛髪検出手段)。
【要約】
【課題】回路パターンを含む領域を検査対象として除外することなく、回路パターンや段差、傷を毛髪として誤検出することをより確実に防止できるとともに、金髪や茶髪を含む毛髪を精度よく検出することができる基板の毛髪検査装置などを提供する。
【解決手段】半田印刷後検査装置13では、被検査基板に係るカラー画像が取得されるとともに、カラー画像を用いて色相画像及び彩度画像が得られる。そして、得られた色相画像の少なくともレジスト領域において、該レジスト領域に対する色相差を利用して茶髪及び/又は金髪を含む毛髪が第一毛髪として検出される。また、得られた彩度画像の少なくともレジスト領域において、該レジスト領域に対する彩度差を利用して黒髪及び/又は白髪を含む毛髪が第二毛髪として検出される。第一毛髪及び第二毛髪の検出は、被検査基板の明度画像を用いることなく、色相画像及び彩度画像のみに基づき行われる。
【選択図】
図5