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特許7110506情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-22
(45)【発行日】2022-08-01
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/08 20120101AFI20220725BHJP
   G06Q 50/26 20120101ALI20220725BHJP
【FI】
G06Q40/08
G06Q50/26
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022040678
(22)【出願日】2022-03-15
【審査請求日】2022-03-16
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】595140170
【氏名又は名称】東京海上日動火災保険株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】503194934
【氏名又は名称】アビームコンサルティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100139066
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】和田 篤
(72)【発明者】
【氏名】石原 政樹
(72)【発明者】
【氏名】木下 行人
(72)【発明者】
【氏名】吉永 拓実
(72)【発明者】
【氏名】元木 賢治
(72)【発明者】
【氏名】伏見 研人
(72)【発明者】
【氏名】佐伯 相吉
(72)【発明者】
【氏名】朝倉 剛一
【審査官】竹下 翔平
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-191139(JP,A)
【文献】特開2018-067162(JP,A)
【文献】特開2002-183437(JP,A)
【文献】特開平11-144168(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
災害発生日時からの複数の異なる経過期間のそれぞれに対応付けられ、災害状況を場 所に対応付けて記憶した複数の災害状況データベースと、
支援制度の適用を受けるための条件を記憶した支援制度情報データベースと、
支援候補者を住所に対応づけて記憶した支援候補者データベースと、にアクセス可能 な情報処理装置であって、
前記複数の災害状況データベースのうち、前記複数の異なる経過期間のうち、災害発 生日時から対象日時までの経過時間を含む経過期間に対応付けられた災害状況データベ ースを選択する災害状況データベース選択部と、
選択された前記災害状況データベースから、前記支援候補者に対応づけられた住所に おける災害状況を抽出する災害状況抽出部と、
抽出された前記災害状況と、前記支援制度情報データベースに記憶された前記条件と に基づいて、前記支援候補者による支援制度の利用可能性を判定する判定部と、
前記判定部による判定結果を出力する出力部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記支援制度情報データベースは、災害発生日時からの前記複数の異なる経過期間の それぞれに対応付けられた複数の支援制度について、該支援制度の適用を受けるための 条件を記憶する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記判定部は、前記複数の支援制度のうち、災害発生日時から前記対象日時までの経 過時間を含む前記経過期間に対応付けられた支援制度を特定し、特定された前記支援制 度の利用可能性を判定する、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記災害状況データベース選択部は、前記複数の災害状況データベースのうち、災害 発生日時から前記対象日時までの経過時間を含む前記経過期間に対応付けられ、且つ所 定の災害の種類に対応付けられた前記災害状況データベースを選択する、請求項1から 3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記所定の災害の種類は、水災、地震、及び風災の少なくともいずれかを含む、請求 項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記支援候補者は、災害保険の契約者であり、
前記支援候補者データベースは、前記災害保険の内容を記憶する、請求項1から5の いずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
災害発生日時からの複数の異なる経過期間のそれぞれに対応付けられ、災害状況を場 所に対応付けて記憶した複数の災害状況データベースと、
支援制度の適用を受けるための条件を記憶した支援制度情報データベースと、
支援候補者を住所に対応づけて記憶した支援候補者データベースと、にアクセス可能 なコンピュータが、
前記複数の災害状況データベースのうち、前記複数の異なる経過期間のうち、災害発 生日時から対象日時までの経過時間を含む経過期間に対応付けられた災害状況データベ ースを選択する災害状況データベース選択ステップと、
選択された前記災害状況データベースから、前記支援候補者に対応づけられた住所に おける災害状況を抽出する災害状況抽出ステップと、
抽出された前記災害状況と、前記支援制度情報データベースに記憶された前記条件と に基づいて、前記支援候補者による支援制度の利用可能性を判定する判定ステップと、
前記判定ステップによる判定結果を出力する出力ステップと、
を実行する情報処理方法
【請求項8】
災害発生日時からの複数の異なる経過期間のそれぞれに対応付けられ、災害状況を場 所に対応付けて記憶した複数の災害状況データベースと、
支援制度の適用を受けるための条件を記憶した支援制度情報データベースと、
支援候補者を住所に対応づけて記憶した支援候補者データベースと、にアクセス可能 なコンピュータを、
前記複数の災害状況データベースのうち、前記複数の異なる経過期間のうち、災害発 生日時から対象日時までの経過時間を含む経過期間に対応付けられた災害状況データベ ースを選択する災害状況データベース選択部と、
選択された前記災害状況データベースから、前記支援候補者に対応づけられた住所に おける災害状況を抽出する災害状況抽出部と、
抽出された前記災害状況と、前記支援制度情報データベースに記憶された前記条件と に基づいて、前記支援候補者による支援制度の利用可能性を判定する判定部と、
前記判定部による判定結果を出力する出力部と、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
地震、水災、風災等の自然災害発生時において、被害状況を正確に把握し、被害の状況に応じて適切に対処させるため、情報を中央に集中させて意志決定を行なう災害情報システムが開発されている。例えば、特許文献1には、気象情報や地震情報などの自然環境に関する各種観測データを収集し、さらに各地域で発生している被害状況の報告を行なう端末からの情報を収集し、それらの情報を元に作表もしくは地図情報を作成し、各種端末に送信するものが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平11-144168号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
自然災害によって受けた被害に対する様々な支援制度が国や地方自治体等によって提供されている。支援制度の提供を受けるためには、建物の被害の程度などについて条件が規定されている場合が多い。この点、災害発生から比較的間もない期間は、まず報道情報等が利用可能となり、その後時間の経過と共に、各種の画像データや申告データ等が順次に利用可能となっていく。このように、災害発生からの時間経過に応じて、利用可能な災害状況を示す情報の種類は変化し得る。
【0005】
そこで、本発明は、支援制度の利用可否等の判定を、災害発生からの経過時間に応じて適切に行うことの可能な情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る情報処理装置は、災害発生からの複数の異なる経過期間のそれぞれに対応付けられ、災害状況を場所に対応付けて記憶した複数の災害状況データベースと、支援制度の適用を受けるための条件を記憶した支援制度情報データベースと、支援候補者を住所に対応づけて記憶した支援候補者データベースと、にアクセス可能な情報処理装置であって、前記複数の災害状況データベースのうち、前記複数の異なる経過期間のうち対象日時を含む経過期間に対応付けられた災害状況データベースを選択する災害状況データベース選択部と、選択された前記災害状況データベースから、前記支援候補者に対応づけられた住所における災害状況を抽出する災害状況抽出部と、抽出された前記災害状況と、前記支援制度情報データベースに記憶された前記条件とに基づいて、前記支援候補者による支援制度の利用可能性を判定する判定部と、前記判定部による判定結果を出力する出力部と、を備える。
【0007】
この態様によれば、複数の異なる経過期間のうち対象日時を含む経過期間に対応付けられた災害状況データベースが選択された上で、選択された前記災害状況データベースから、前記支援候補者に対応づけられた住所における災害状況が抽出され、これに基づいて支援候補者による支援制度の利用可能性が判定・出力される。よって、支援制度の利用可否等の判定が、災害発生からの経過時間に応じて適切に行われる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、支援制度の利用可否等の判定を、災害発生からの経過時間に応じて適切に行うことの可能な情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態に係る支援制度確認サポートシステム1の概略構成の一例を示す図である。
図2】支援制度情報DB101のデータ構造の一例を示す図である。
図3】契約情報DB103のデータ構造の一例を示す図である。
図4】コンピュータ1000のハードウェア構成の一例を示す概略図である。
図5】本実施形態に係る支援制度確認サポートシステム1が実行する動作処理の一例を示す動作シーケンス図である。
図6】支援制度確認画面の一例を示す図である。
図7】支援制度確認画面の他の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。(なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。)
【0011】
(1)機能構成
(1-1)全体構成
図1に示すとおり、本実施形態に係る支援制度確認サポートシステム1(以下、「システム1」とする。)は、サーバ10と、ユーザ端末20a、20bと、を有する。ユーザ端末20aは、例えば、災害保険を提供する保険会社の従業員(以下、単に「保険会社従業員」と称する。)が利用する端末であり、ユーザ端末20bは、例えば、災害保険の契約者(以下、単に「保険契約者」と称する。)が利用する端末である。ここで、災害保険は、火災保険や地震保険など、自然災害によって被る損害に関する保険を広く意味する。災害保険が対象とする自然災害は、特に限定されないが、例えば、火災、地震、水災、風災、台風・竜巻、雪・ひょう、落雷、洪水・集中豪雨・土砂崩れ等を含んでもよい。サーバ10は、インターネット等の通信ネットワークを介して、ユーザ端末20a、20bそれぞれと情報を送受信可能に接続され、これらユーザ端末20a、20bに、国や自治体が提供する自然災害に対する支援制度に関するサービスを提供する。以下では、保険契約者が、支援制度を利用し得る者(支援候補者)となる場合を例に説明するが、支援候補者は保険契約者に限らず任意の者であってよい。
【0012】
(1-2)サーバ10
サーバ10は、支援制度情報DB101と、複数の災害状況DB102と、契約情報DB103と、を有する。或いは、サーバ10は、これらDBにアクセス可能に構成される限り、これらデータベースはサーバ10の外部に設けられてもよい。また、サーバ10は、制御部104を有する。制御部104は、DB管理部104Aと、災害状況DB選択部104bと、災害状況抽出部104cと、判定部104dと、出力部104eとを含む。
【0013】
DB管理部104Aは、支援制度情報DB101、災害状況DB102、及び契約情報DB103等の各種のデータベースを管理する。
【0014】
支援制度情報DB101は、国や自治体が提供する自然災害に対する支援制度の内容や条件等の情報を記憶する。DB管理部104Aは、例えば、Webクローラによりインターネット等の通信ネットワークを介して支援制度に関する情報を定期的に抽出し、支援制度情報DB101に格納することにより、支援制度情報DB101を更新する。具体的には、DB管理部104Aは、定期的に支援制度の提供主体のサーバ等にアクセスした上で、支援制度に関する情報を取得し、これを支援制度情報DB101に格納する。
【0015】
図2は、支援制度情報DB101のデータ構造の一例を示す図である。同図に示す通り、支援制度情報DB101には、例えば、支援制度を識別するための識別情報(ID)である支援制度IDに対応付けて、期間や、支援制度の内容、支援制度の適用を受けるための条件等が登録され得る。支援制度情報DB101に登録される支援制度が対象とする災害の種類は特に限定されず、地震、水害、風災等、任意の災害であってよい。
【0016】
支援制度情報DB101に記憶される「期間」は、後述する災害情報DB102に対応付けられる、災害発生からの複数の異なる経過期間のいずれかであってよい。DB管理部104Aは、支援制度の提供主体のサーバ等にアクセスして支援制度に関する情報を取得して支援制度情報DB101に格納する際に、当該支援制度の条件の内容に応じて、複数の異なる経過期間のいずれかに当該支援制度を対応付けてもよい。具体的には、支援制度の条件が、報道情報等によって判定可能なものであれば、当該支援制度を後述する「第1期間」に対応付けてもよい。また、支援制度の条件が、画像データ等によって判定可能なものであれば、当該支援制度を後述する「第2期間」に対応付けてもよい。また、支援制度の条件が、人的入力データ等によって判定可能なものであれば、当該支援制度を後述する「第3期間」に対応付けてもよい。図2に示す例では、支援制度ID「S001」の支援制度は、後述する第1災害状況DB群102A(に含まれる第1災害状況DB102a、102b、102c)に対応付けられたのと同一の「第1期間」に対応付けられている。また、支援制度ID「S002」の支援制度は、後述する第2災害状況DB群102B(に含まれる第2災害状況DB102d、102e、102f)に対応付けられたのと同一の「第2期間」に対応付けられている。また、支援制度ID「S003」の支援制度は、後述する第3災害状況DB群102C(に含まれる第3災害状況DB102g、102h、102i)に対応付けられたのと同一の「第3期間」に対応付けられている。
【0017】
支援制度の提供主体は、例えば、国や都道府県等の自治体等であってよい。支援制度は、例えば、国が提供する全国共通の支援制度や、都道府県等の自治体が提供する支援制度であってもよい。全国共通の支援制度の種類は、特に限定されないが、例えば、給付、現物支給、助成・補助、貸付・融資、現物貸与、減免・猶予、立替、サービス等を含んでもよい。また、制度の窓口は、行政機関に限らず、民間企業に設定されてもよい。都道府県の支援制度は、例えば、災害見舞金や被災者生活再建支援制度等を含み、国の制度と比較し、条件や金額面において被災者に有利になるよう設定されている場合が多い。特に、被害の程度が半壊以下であったり、所得の制限等を理由に全国共通の支援制度では救済されない被災者に対して現金を給付する目的で、都道府県独自に制度が設けられている場合がある。
【0018】
支援制度情報DB101に記憶される「条件」は、支援制度の適用を受けるための条件であって、土地や建物に対する災害状況によって規定されてもよく、具体的には、建物の損傷の程度(一部損壊、半壊、全壊等)や、水災の場合の水浸高さ等によって規定されてもよい。例えば、水災の場合、当該条件は、住所が浸水地域に含まれること(浸水地域に居住していること)、浸水被害を受けたこと、所定の浸水高さ以上の被害にあったこと等を含んでもよい。また、地震の場合、当該条件は、住所が所定の震度以上の地域に含まれること(所定の震度以上の地域に居住していること)、建物被害を受けたこと、建物被害の度合が所定の基準以上であること等を含んでもよい。また、風災の場合、当該条件は、平均風速(例えば、災害発生後の所定期間における平均風速)が所定の閾値以上の地域に住所が含まれること(所定の平均風速以上の地域に居住していること)、建物被害を受けたこと、建物被害の度合が所定の基準以上であること等を含んでもよい。
【0019】
図1に示す通り、サーバ10は、第1災害状況DB群102Aに含まれる第1水災状況DB102a、第1地震状況DB102b、第1風災状況DB102c、第2災害状況DB群102Bに含まれる第2水災状況DB102d、第2地震状況DB102e、第2風災状況DB102f、第3災害状況DB群102Cに含まれる第3水災状況DB102g、第3地震状況DB102h、第3風災状況DB102iを有する。なお、これらDBについては、いずれも「災害状況DB102」と称する場合がある。
【0020】
各災害状況DB102は、場所に対応付けて、当該場所における所定の災害の災害状況を記憶している。例えば、第1水災状況DB102a、第2水災状況DB102d、及び第3水災状況DB102gはそれぞれ、水災による災害状況を場所に対応付けて記憶する。水災による災害状況は、例えば、水浸の有無や高さによって規定されてもよい。また、例えば、第1地震状況DB102b、第2地震状況DB102e、及び第3地震状況DB102hはそれぞれ、地震による災害状況を場所に対応付けて記憶する。地震による災害状況は、例えば、震度等によって規定されてもよいし、地震によって受けた建物の被害を示す情報によって規定されてもよい。また、例えば、第1風災状況DB102c、第2風災状況DB102f、及び第3風災状況DB102iはそれぞれ、風災による災害状況を場所に対応付けて記憶する。風災による災害状況は、例えば、風速等によって規定されてもよいし、風災によって受けた建物の被害を示す情報によって規定されてもよい。
【0021】
更に、各災害状況DB102は、災害発生からの複数の異なる経過期間のいずれかに対応付けられている。第1災害状況DB群102Aに含まれる第1水災状況DB102a、第1地震状況DB102b、第1風災状況DB102cは、災害発生直後の第1期間(例えば、災害発生から災害発生日の翌日まで)に対応付けられている。また、第2災害状況DB群102Bに含まれる第2水災状況DB102d、第2地震状況DB102e、第2風災状況DB102fは、災害発生後数日後の第2期間(例えば、災害発生日の翌日から、災害発生から一週間経過時点まで)に対応付けられている。また、第3災害状況DB群102Cに含まれる第3水災状況DB102、第3地震状況DB102、第3風災状況DB102は、災害発生数週間後の第3期間(例えば、災害発生から一週間経過時点から、災害発生から三週間経過時点まで)に対応付けられている。なお、各災害状況DBに対応付けられた複数の異なる期間は、互いに連続していてもよいし、連続していなくてもよい(一定の期間を隔てていてもよい)。
【0022】
一般に、災害発生からの経過時間に応じて、利用可能な情報は変化し得る。そのため、本実施形態に係る支援制度確認サポートシステム1のように、災害発生からの複数の異なる経過期間のそれぞれに対応付けられた複数の災害状況DBを有することによって、災害発生からの経過期間に応じて適切に支援制度の利用可能性等の判定が可能となる。なお、支援制度確認サポートシステム1が有する災害状況DBの数は、図1に示したものに限られない。また、災害状況DBは、水災、地震、及び風災等に限らず、他の種類の災害を対象とするものであってもよい。また、災害状況DBに対応付けられる経過期間の数は、図1に示した3つに限らず、2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。
【0023】
災害状況DB管理部104Aは、例えば、各種の情報源から、災害状況を示すデータを取得し、取得したデータに基づいて各災害状況DBを生成、更新等することが可能である。災害状況を示すデータは、特に限定されず、定性的か定量的かの別を問わない。具体的には、災害状況を示すデータは、報道資料、画像データ、人的入力データ等を含んでもよい。
【0024】
報道資料は、例えば、新聞・雑誌やテレビ、ラジオ等の報道機関が公表している資料であってもよい。報道資料には、例えば、発生した災害の種類や、各種の場所における災害状況が含まれ得る。災害状況DB管理部104Aは、例えば、報道資料を提供する各種のサーバ等にアクセスすることにより報道資料を取得する。
【0025】
画像データは、例えば、人工衛星により撮像されることにより生成される衛星画像データ(可視光画像やSAR画像を含む)や、ドローン等の飛行体から撮像されることにより生成される空撮画像データ等を含んでもよい。これら画像データは、大まかには報道資料の後で利用可能となる場合が多い。特に、衛星画像データについては、その種類に応じて利用可能となる時期が異なり得るため、災害状況DB管理部104Aは、災害発生からの経過時間に応じて異なる種類の衛星画像データを取得し分けてもよい。例えば、SAR画像は災害発生から1日以内程度で速報版を取得可能なため、例えば災害発生の翌日はSAR画像のみが取得されてもよい。これにより、公的支援制度一覧及び復旧ロードマップ(図2)を迅速に提供可能となる。また、例えば、災害発生から数日後程度は、支援制度が公表される頃までに解析可能な状態で収集可能な可視光画像が、SAR画像(確定版)に加えて取得されてもよい。これにより、より正確に浸水地域に居住する保険契約者を特定して、罹災受付を案内すること等が可能となる。また、画像データは、例えば、SNSにアップロードされた災害状況を示す画像データを含んでもよい。災害状況DB管理部104Aは、例えば、これら画像データ(衛星画像データや空撮画像データ等)を提供するサーバ等にアクセスすることにより画像データを取得する。
【0026】
人的入力データは、任意の者が入力したデータであって、例えば、損害鑑定人データや契約者データ等を含んでもよい。損害鑑定人データは、損害鑑定人によって確認された災害状況(損害状況)を示すデータである。損害鑑定人データは、例えば、損害鑑定人が災害現場に赴いて確認した災害状況を示すデータであってよい。災害状況DB管理部104Aは、例えば、損害鑑定人等が利用する情報処理装置に入力された損害鑑定人データを取得してもよい。また、契約者申告データは、保険契約者が申告した情報を示すデータである。契約者申告データは、例えば、支援制度の条件に関する保険契約者の属性情報等(例えば、世帯構成、世帯員年齢、所得額等)を示すデータや、保険契約者が保険会社に対して申告した災害状況を示すデータ等であってよい。災害状況DB管理部104Aは、例えば、保険契約者が利用する情報処理装置や、保険会社従業員が利用する情報処理装置から、契約者申告データを取得してもよい。
【0027】
サーバ10が有する各災害状況DB102は、DB管理部104Aが取得した災害状況を示す各種のデータに基づいて構成され得る。例えば、第1期間に対応づけられる第1水災状況DB102a、第1地震状況DB102b、第1風災状況DB102cは、例えば、報道資料等に基づいて構成されてもよい。また、例えば、第2期間に対応づけられる第2水災状況DB102d、第2地震状況DB102e、第2風災状況DB102fは、例えば、画像データ等に基づいて構成されてもよい。また、第3期間に対応づけられる第3水災状況DB102g、第3地震状況DB102h、第3風災状況DB102iは、例えば、人的な入力データ等に基づいて構成されてもよい。
【0028】
なお、第1水災状況DB102aは、更に衛星画像データに基づいて構成されてもよい。水災の被害状況は、衛星画像データで把握することが比較的容易であり、また、衛星画像データは災害発生から比較的早い段階で利用可能となり得るからである。また、第2水災状況DB102dは、更に、街中等に設置された浸水高を計測するセンサにより計測された浸水高データに基づいて構成されてもよい。
【0029】
図3は、契約情報DB103のデータ構造の一例を示す図である。契約情報DB103は、災害保険の契約に関する情報が格納されている。契約情報DB103は、例えば、契約者名、住所、属性、保険内容等を記憶してもよい。住所は、保険契約者に関連する住所であって、具体的には、契約者住所の他、所在地住所等を含んでもよい。属性は、保険契約者の年齢、性別等の属性に関する情報である。保険内容は、保険の内容を示す情報であって、例えば、保険の名称、保険料、保険期間、補償内容、特約内容等を含んでもよい。なお、本実施形態に係るサーバ10は、支援候補者を住所に対応づけて記憶したデータベース(支援候補者データベース)であれば、契約情報DB103以外のデータベースを有し、又は該データベースにアクセス可能であってもよい。
【0030】
災害状況DB選択部104bは、サーバ10がアクセス可能な複数の災害状況DB102(災害状況DB群)から、所定の災害状況DB102を選択する。例えば、災害状況DB選択部104bは、災害発生からの複数の異なる経過期間のそれぞれに対応付けられた災害状況DB102から、所定の災害状況DB102を選択する。より具体的には、災害状況DB選択部104bは、支援制度の利用可能性等の確認を希望する日時としてユーザ(保険会社従業員や、保険契約者等)が指定した日時の情報を取得した上で、当該日時情報を含む経過期間に対応付けられた災害状況DB102を、複数の災害状況DB102から選択する。このように、複数の異なる経過期間に対応付けられた複数の災害状況DB102から、所定の日時情報を含む経過期間に対応付けられた災害状況DB102が選択されることにより、支援制度の利用可能性等を適切に実行することが可能となる。また、災害状況DB選択部104bは、例えばユーザが指定した災害の種別を取得した上で、当該災害の種別に対応する災害状況DB102を、複数の災害状況DB102から選択してもよい。これにより、支援制度の利用可能性等を、災害の種類に応じて適切に確認することが可能となる。
【0031】
災害状況抽出部104cは、選択された災害情報DB102から、支援候補者に対応付けられた住所における災害状況を抽出する。例えば、災害状況抽出部104cは、契約情報DB103に記憶された保険契約者(支援候補者の一例)の住所を取得した上で、当該住所に対応する災害状況を、災害状況DB選択部104bにより選択された災害状況DB102から抽出し、当該災害状況を保険契約者が受けた災害状況とする。抽出される災害状況は、例えば、水災による水浸の有無や高さによって規定される災害状況、地震による震度や建物の被害を示す情報によって規定される災害状況、風災による風速や建物の被害を示す情報によって規定される災害状況を含んでもよい。
【0032】
判定部104dは、災害状況抽出部104cにより抽出された災害状況と、支援制度情報DB101に記憶された支援制度の適用を受けるための条件とに基づいて、支援候補者による支援制度の利用可能性を判定する。ここで、利用可能性は、例えば、支援制度の利用可否や、利用可能な場合に当該支援制度によって給付される支援額等を含んでもよい。例えば、判定部104dは、支援候補者に対応付けられた住所における災害状況が、支援制度の適用を受けるための条件を満たすか否かを判定する。この際、判定部104dは、例えば、支援制度情報DB101に記憶された支援制度のうち、日時情報が属する期間に対応付けられた支援制度を特定することにより、利用可能性の判定を行う支援制度を決定してもよい。
【0033】
出力部104eは、判定部104dによる判定結果を、出力する。出力部104eは、例えば、サーバ10が有する出力装置に出力してもよい。或いは、出力部104eは、保険会社従業員が利用するユーザ端末20aや、保険契約者が利用するユーザ端末20bに、判定結果を送信してもよい。また、出力部104eは、例えば支援制度の提供主体である自治体が利用する情報処理装置に対して、判定結果を送信してもよい。これにより、自治体は、支援制度の利用可能性を把握することで、支援制度の大まかな申請者数を把握することが可能となる。
【0034】
(2)ハードウェア構成
サーバ10、ユーザ端末20a、20bそれぞれのハードウェア構成について説明する。これらはそれぞれ、1台又は複数台のコンピュータ1000によって構成することができる。図4は、コンピュータ1000のハードウェア構成の一例を示す概略図である。
【0035】
図4に示すように、コンピュータ1000は、プロセッサ1001、メモリ1002、記憶装置1003、入力I/F部1004、データI/F部509、通信I/F部1006、及び表示装置1007を含む。
【0036】
プロセッサ1001は、メモリ1002に記憶されているプログラムを実行することによりコンピュータ1000における様々な処理を制御する。例えば、サーバ10が有する各種の機能部(DB管理部104A、災害状況DB選択部104b、災害状況抽出部104c、判定部104d、及び出力部104e等)は、メモリ1002に一時記憶された上で、主にプロセッサ1001上で動作するプログラムとして実現可能である。
【0037】
メモリ1002は、例えばRAM(Random Access Memory)等の記憶媒体である。メモリ1002は、プロセッサ1001によって実行されるプログラムのプログラムコードや、プログラムの実行時に必要となるデータを一時的に記憶する。
【0038】
記憶装置1003は、例えばハードディスクドライブ(HDD)やフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体である。記憶装置1003は、オペレーティングシステムや、上記各構成を実現するための各種プログラムを記憶する。この他、記憶装置1003は、支援制度情報DB101、災害状況DB102、及び契約情報DB103等を記憶することも可能である。このようなプログラムやデータは、必要に応じてメモリ1002にロードされることにより、プロセッサ1001から参照される。
【0039】
入力I/F部1004は、操作者からの入力を受け付けるためのデバイスである。入力I/F部1004の具体例としては、キーボードやマウス、タッチパネル、各種センサ、ウェアラブル・デバイス等が挙げられる。入力I/F部1004は、例えばUSB(Universal Serial Bus)等のインタフェースを介してコンピュータ1000に接続されても良い。
【0040】
データI/F部509は、コンピュータ1000の外部からデータを入力するためのデバイスである。データI/F部509の具体例としては、各種記憶媒体に記憶されているデータを読み取るためのドライブ装置等がある。データI/F部509は、コンピュータ1000の外部に設けられることも考えられる。その場合、データI/F部509は、例えばUSB等のインタフェースを介してコンピュータ1000へと接続される。
【0041】
通信I/F部1006は、コンピュータ1000の外部の装置と有線又は無線により、インターネットNを介したデータ通信を行うためのデバイスである。通信I/F部1006は、コンピュータ1000の外部に設けられることも考えられる。その場合、通信I/F部1006は、例えばUSB等のインタフェースを介してコンピュータ1000に接続される。
【0042】
表示装置1007は、各種情報を表示するためのデバイスである。表示装置1007の具体例としては、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、ウェアラブル・デバイスのディスプレイ等が挙げられる。表示装置1007は、コンピュータ1000の外部に設けられても良い。その場合、表示装置1007は、例えばディスプレイケーブル等を介してコンピュータ1000に接続される。
【0043】
(3)動作シーケンス
図5は本実施形態に係る支援制度確認サポートシステム1が実行する動作処理の一例を示す動作シーケンス図である。以下では、一例として、保険会社従業員が、サーバ10によって提供される支援制度確認サービスを、保険会社従業員が利用するユーザ端末20aを介して利用する場面を想定して説明する。より具体的には、保険会社従業員が、災害発生後の任意のタイミングにおいて、特定の地域に住所を有する個々の保険契約者が支援制度を利用できるか否かを確認する場面が想定される。
【0044】
(S11)まず、保険会社従業員が利用するユーザ端末20aは、保険会社従業員による入力装置の操作に応じて、支援制度の確認に関する所定の情報の入力を受け付ける。所定の情報は、例えば、災害の種別、災害が発生した日時、現在の日時、及び対象地域の情報等を含む。対象地域の情報は、例えば、都道府県や市区町村等の行政区画であってもよい。なお、現在の日時は、従業員により入力されなくとも、例えばサーバ10やユーザ端末20a等により自動的に取得されてもよい。
【0045】
(S12)次に、ユーザ端末20aは、ステップS11において入力された支援制度の確認に関する所定の情報を、サーバ10に送信する。サーバ10は、当該情報を受信する。
【0046】
(S13)次に、災害状況DB選択部104bは、S11において受信した情報に基づいて、サーバ10がアクセス可能な複数の災害状況DB102から所定の災害状況DB102を選択する。具体的には、災害状況DB選択部104bは、災害が発生した日時と現在の日時とに基づいて、災害が発生してからの経過時間を算出し、算出された経過時間が属する所定の期間を特定した上で、当該特定された所定の期間に対応付けられた災害状況DB群を特定する。例えば、図1に示す例では、算出された経過時間が第1期間に含まれる場合は、第1災害状況DB群102Aが選択され、算出された経過時間が第2期間に含まれる場合は、第2災害状況DB群102Bが選択され、算出された経過時間が第3期間に含まれる場合は、第3災害状況DB群102Cが選択される。更に、特定された災害状況DB群のうちから、ステップS12において受信した、災害の種別に対応する災害状況DB102を選択する。例えば、図1に示す例において、第1災害状況DB群102Aが選択されている場合、災害の種別が水災であれば第1水災状況DB102aが、災害の種別が地震であれば第1地震状況DB102bが、災害の種類が風災であれば第1風災状況DB102cが、それぞれ選択される。
【0047】
(S14)次に、災害状況抽出部104cは、契約情報DB103から、支援制度確認の対象となる保険契約者を抽出する。具体的には、契約情報DB103に記憶された保険契約者のうち、ステップS11で受信された対象地域に含まれる住所に対応付けられた保険契約者を抽出する。なお、保険会社従業員は、ステップS11において、対象地域を指定せずに、個別に少なくとも1人の保険契約者を指定してもよい。この場合、災害状況抽出部104cは、契約情報DB103から、指定された少なくとも1人の保険契約者を抽出してもよい。
【0048】
(S15)次に、災害状況抽出部104cは、抽出された個々の保険契約者について、ステップS13で選択された災害状況DB102を参照して、当該保険契約者に対応付けられた住所における災害状況を抽出する。抽出される災害状況は、例えば、水災による水浸の有無や高さによって規定される災害状況、地震による震度や建物の被害を示す情報によって規定される災害状況、風災による風速や建物の被害を示す情報によって規定される災害状況を含んでもよい。
【0049】
(S16)次に、判定部104dは、支援制度情報DB101を参照して、保険契約者毎に支援制度の利用可能性を判定する。判定部104dは、例えば、利用可能性として、支援制度の利用可否や、利用可能な場合に当該支援制度によって給付される支援額等を判定する。判定部104dは、契約情報DB103から、ステップS14で抽出された支援対象となる保険契約者保険契約者に対応づけられた住所を抽出する。そして、判定部104dは、当該保険契約者が受けた災害状況に基づいて、支援制度情報DB101を参照し、所定の支援制度について当該保険契約者が受けた災害状況に照らして当該支援制度が受けられるか否かや、受けられる場合に給付される支援額を判定する。例えば水災の場合、支援制度情報DB101において、所定の支援制度に関して、水深が条件として規定されているとする。この時、保険契約者が被った被害の水深を特定し、当該水深が支援制度情報データベースに記憶された支援制度を受けるための条件としての水災の深さ、を満たすか否かを判定する。そして満たすと判定された場合、当該保険契約者は、当該支援制度を受けることができると判定される。
【0050】
(S17)次に、出力部104eは、判定部104dによる判定結果を、ユーザ端末20aに送信する。ユーザ端末20aは、サーバ10から当該判定結果を受信する。
【0051】
(S18)次に、ユーザ端末20aは、サーバ10から受信した判定結果に基づいて、所定の支援制度確認画面を表示する。
【0052】
図6は、保険会社従業員が利用するユーザ端末20bにおいて表示される支援制度確認画面の一例を示す。図6に示す例では、支援制度確認画面は、保険IDと、保険種類と、契約者名と、契約者住所と、所在地住所と、支援金の受給可能性と、床上浸水高と、被害区分と、生活再建支援金に関する情報と、災害見舞金に関する情報と、を含む。ここで、生活再建支援金及び災害見舞金はそれぞれ、支援制度の一例である。保険IDは、保険を特定する識別するための識別情報である。保険種類は、当該保険の種類を示す情報である。契約者名は、保険契約者の名称または氏名等である。契約者住所は、保険契約者の住所である。所在地住所は保険契約者の所在地の住所である。
【0053】
支援金の受給可能性は、各種支援金を受給できる可能性があるか否かを示す情報である。例えば、契約者住所と所在地住所とが一致している場合に、例えば、判定部104dによって、各種支援金を受給できると判定され得る。床上浸水高は、損害確認時に実測された床上浸水の高さである。床上浸水高は、例えば、図1を参照して説明した災害状況DB102に含まれる、損害鑑定人データや契約者申告データ等に基づいて生成されてもよい。被害区分は、例えば、床上浸水高から予測可能な罹災証明書の被害区分であってよく、具体的には、半壊、全壊、中規模半壊、大規模半壊等を含んでもよい。
【0054】
生活再建支援金に関する情報は、例えば、支援制度の利用可能性の一例として、受給可能性と、受給予測金額とを含む。受給可能性は、例えば、上記の各種支援金を受給できる可能性があり、被害区分が中規模半壊以上の場合に、受給可能であると判定されてもよい。受給予測金額は、予測される受給金額であって、罹災証明書の被害区分に基づいて受給できる。
【0055】
災害見舞金に関する情報は、例えば、支援制度の利用可能性の一例として、受給可能性と、受給予測金額とを含む。受給可能性は、例えば、上記の各種支援金を受給できる可能性があり、被害区分が半壊以上の場合に、受給可能であると判定されてもよい。受給予測金額は、予測される受給金額であって、罹災証明書の被害区分に基づいて受給できる。
【0056】
(4)その他
図5に示した動作シーケンスでは、保険会社従業員が、サーバ10によって提供される支援制度確認サービスを、保険会社従業員が利用するユーザ端末20aを介して利用する場面を例として説明した。しかしながら、保険会社従業員に代えて保険契約者が、サーバ10によって提供される支援制度確認サービスを、保険契約者が利用するユーザ端末20bを介して利用する場合にも、図5に示したのと同様の処理が適用され得る。
【0057】
図7は、支援制度確認画面の他の一例を示す図である。当該画面は、例えば、損害鑑定人等による損害確認の実施後に、所定のシステムにより利用可能な床上浸水高の項目を活用して生成される。当該画面では、対象となる支援制度や受給できる支援金等の額が所定のコミュニケーションツール(メッセージボード)で通知され、パーソナライズした支援制度の情報が提示され得る。
【0058】
図7に示す支援制度確認画面は、例えば、「内閣府が定める被害区分:半壊以上に該当する可能性が高く、」などの、災害状況から推定される被害区分の説明や、所定の支援制度の対象となる可能性があることの案内を含んでもよい。これらの表示内容は、例えば、判定部104dによって判定された、支援制度の利用可能性に基づいて生成されてもよい。また、当該支援制度確認画面では、「このようなことでお悩みの方は今すぐ申請」などとして、支援制度が対象とする被災者やその被災状況等の案内を含んでもよい。このような案内により、支援制度の対象範囲がより明確となり、支援制度の申請の増加・促進等の効果が奏される。当該案内の表示内容は、例えば、判定部104dが契約情報DB103から取得した保険契約者に関する情報(例えば、保険契約者の属性情報)に基づいて、生成してもよい。また、当該支援制度確認画面では、判定部104d等により推定された被害区分に基づいて、保険契約者が受給できる可能性のある支援金の額が明示されてもよい。
【0059】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0060】
1…支援制度確認サポートシステム、10…サーバ、20a、20b…ユーザ端末、101…支援制度情報DB、102…災害状況DB、103…契約情報DB、104…制御部、104a…DB管理部、104b…災害状況DB選択部、104c…災害状況抽出部、104d…判定部、104e…出力部
【要約】
【課題】支援制度の利用可否等の判定を、災害発生からの経過時間に応じて適切に行うことの可能な情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】災害発生からの複数の異なる経過期間のそれぞれに対応付けられた複数の災害状況データベースと、支援制度情報データベースと、支援候補者データベースと、にアクセス可能な情報処理装置であって、対象日時を含む経過期間に対応付けられた災害状況データベースを選択する災害状況データベース選択部と、選択された災害状況データベースから、支援候補者に対応づけられた住所における災害状況を抽出する災害状況抽出部と、抽出された災害状況と、支援制度情報データベースに記憶された条件とに基づいて、支援候補者による支援制度の利用可能性を判定する判定部と、判定部による判定結果を出力する出力部と、を備える情報処理装置。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7