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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-25
(45)【発行日】2022-08-02
(54)【発明の名称】搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/252 20060101AFI20220726BHJP
   B65G 47/248 20060101ALI20220726BHJP
【FI】
B65G47/252
B65G47/248 G
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018143810
(22)【出願日】2018-07-31
(65)【公開番号】P2020019605
(43)【公開日】2020-02-06
【審査請求日】2020-12-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】宮本 雅哉
(72)【発明者】
【氏名】山下 道央
【審査官】中田 誠二郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-154641(JP,A)
【文献】特開平07-291205(JP,A)
【文献】特公昭50-016238(JP,B1)
【文献】国際公開第2012/044157(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/22-47/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送対象を搬送する方向を搬送方向とし、上下方向視で前記搬送方向に直交する方向を搬送幅方向として、前記搬送幅方向に沿う回転軸を有するローラが前記搬送方向に複数配列されていると共に、前記搬送方向に隣接する複数の前記ローラの間に空隙部が形成された搬送装置であって、
前記搬送対象を挟持する第1挟持部材及び第2挟持部材と、
前記第1挟持部材及び前記第2挟持部材を動作させる駆動機構と、を備え、
前記第1挟持部材は、前記搬送幅方向に沿って延在して前記空隙部に挿入可能な第1爪部を複数有し、
前記第2挟持部材は、前記搬送幅方向に沿って延在して前記空隙部に挿入可能な第2爪部を複数有し、
前記駆動機構は、
前記第1挟持部材が前記第2挟持部材よりも下方に位置した状態で、複数の前記第1爪部を複数の前記空隙部に挿入し、複数の前記ローラ上に載置された前記搬送対象を前記第1挟持部材によって持ち上げる持ち上げ動作と、
前記第1挟持部材及び前記第2挟持部材によって前記搬送対象を上下方向に挟持する挟持動作と、
前記搬送対象を挟持した状態の前記第1挟持部材と前記第2挟持部材との前記上下方向の位置関係を反転させる反転動作と、
前記第2挟持部材が前記第1挟持部材よりも下方に位置した状態で、前記搬送対象を下方から支持している複数の前記第2爪部を複数の前記空隙部に挿入すると共に、前記第1挟持部材及び前記第2挟持部材による前記搬送対象の挟持を解除して、前記搬送対象を複数の前記ローラ上に載置する降ろし動作と、を行い、
被せ機構と、取出機構と、を更に備え、
前記搬送対象は、一方向に開口する第1開口部を有する第1容器、及び、一方向に開口する第2開口部を有する第2容器であり、
前記被せ機構は、前記第1開口部が上側を向き、物品が収容された状態の前記第1容器に、前記第2開口部が下側を向いた状態の前記第2容器を被せる被せ動作を行い、
前記駆動機構は、前記第1容器及び前記第2容器を挟持した状態の前記第1挟持部材と前記第2挟持部材との前記上下方向の位置関係を反転させ、
前記取出機構は、前記第2開口部が上側を向いた状態の前記第2容器から、前記第1開口部が下側を向いた状態の前記第1容器を取り出す取出動作を行う、搬送装置。
【請求項2】
前記第2容器は、前記第1容器よりも強度が高く、前記第1容器を収容可能な大きさを有する、請求項に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記被せ機構は、前記第1容器又は前記第2容器を保持する容器保持部と、前記容器保持部を移動させる容器移動部と、を備え、
前記取出機構は、前記被せ機構と共通の前記容器保持部及び前記容器移動部を用いて構成されている、請求項又はに記載の搬送装置。
【請求項4】
前記取出機構は、前記第1容器を吸着する吸着部と、前記吸着部を移動させる吸着移動部と、を備えている、請求項からのいずれか一項に記載の搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ローラが複数配列された搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
物流センター等では、搬送中の搬送対象を上下方向に反転させる作業を行う場合がある。このような作業は、例えば、下記の特許文献1の装置を利用することで、自動化することができる。
【0003】
特許文献1の装置は、第1容器(1)を搬送する第1搬送部(2)と、第2容器(3)を搬送する第2搬送部(4)と、第1搬送部(2)及び第2搬送部(4)を回動させることにより第1容器(1)に収容された物品を反転させつつ第1容器(1)から第2容器(3)へ物品を移し替える移し替え装置(5)と、を備えている。なお、括弧内に示す符号は、特許文献1のものである。
【0004】
このような特許文献1の装置は、第1搬送部(2)によって搬送される第1容器(1)から、第2搬送部(4)によって搬送される第2容器(3)へ物品を移し替えることにより、物品を上下反転させる。このように、特許文献1の装置では、搬送部が分離している必要があり、1つの搬送部上で物品を反転させることができない。よって、特許文献1の装置では、搬送対象の搬送経路の設計自由度が低いという課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第5126688号公報(図8
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、搬送対象の搬送経路の設計自由度が高い搬送装置が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記に鑑みた、搬送装置の特徴構成は、
搬送対象を搬送する方向を搬送方向とし、上下方向視で前記搬送方向に直交する方向を搬送幅方向として、前記搬送幅方向に沿う回転軸を有するローラが前記搬送方向に複数配列されていると共に、前記搬送方向に隣接する複数の前記ローラの間に空隙部が形成された搬送装置であって、
前記搬送対象を挟持する第1挟持部材及び第2挟持部材と、
前記第1挟持部材及び前記第2挟持部材を動作させる駆動機構と、を備え、
前記第1挟持部材は、前記搬送幅方向に沿って延在して前記空隙部に挿入可能な第1爪部を複数有し、
前記第2挟持部材は、前記搬送幅方向に沿って延在して前記空隙部に挿入可能な第2爪部を複数有し
前記駆動機構は、
前記第1挟持部材が前記第2挟持部材よりも下方に位置した状態で、複数の前記第1爪部を複数の前記空隙部に挿入し、複数の前記ローラ上に載置された前記搬送対象を前記第1挟持部材によって持ち上げる持ち上げ動作と、
前記第1挟持部材及び前記第2挟持部材によって前記搬送対象を上下方向に挟持する挟持動作と、
前記搬送対象を挟持した状態の前記第1挟持部材と前記第2挟持部材との前記上下方向の位置関係を反転させる反転動作と、
前記第2挟持部材が前記第1挟持部材よりも下方に位置した状態で、前記搬送対象を下方から支持している複数の前記第2爪部を複数の前記空隙部に挿入すると共に、前記第1挟持部材及び前記第2挟持部材による前記搬送対象の挟持を解除して、前記搬送対象を複数の前記ローラ上に載置する降ろし動作と、を行い、
被せ機構と、取出機構と、を更に備え、
前記搬送対象は、一方向に開口する第1開口部を有する第1容器、及び、一方向に開口する第2開口部を有する第2容器であり、
前記被せ機構は、前記第1開口部が上側を向き、物品が収容された状態の前記第1容器に、前記第2開口部が下側を向いた状態の前記第2容器を被せる被せ動作を行い、
前記駆動機構は、前記第1容器及び前記第2容器を挟持した状態の前記第1挟持部材と前記第2挟持部材との前記上下方向の位置関係を反転させ、
前記取出機構は、前記第2開口部が上側を向いた状態の前記第2容器から、前記第1開口部が下側を向いた状態の前記第1容器を取り出す取出動作を行う点にある。
【0008】
この特徴構成によれば、搬送対象を挟持する一対の挟持部材のそれぞれが、複数のローラの間に形成された複数の空隙部に挿入可能な複数の爪部を有している。そのため、複数のローラに干渉することなく、搬送対象に対して、複数のローラ上からの持ち上げ動作、挟持動作、反転動作及び降ろし動作を行い、複数のローラ上に反転した物品を戻すことができる。このように、本構成によれば、搬送経路を構成する複数のローラ上で物品を反転させることができるため、搬送対象の搬送経路の設計自由度を高くすることができる。
また、本特徴構成によれば、第1開口部が上側を向き、物品が収容された状態の第1容器に、第2開口部が下側を向いた状態の第2容器が被せられて、これらの容器が上下反転される。そして、第2開口部が上側を向いた状態の第2容器から、第1開口部が下側を向いた状態の第1容器が取り出される。これにより、第1容器に収容されていた物品が第2容器に移載される。つまり、第1容器から第2容器に物品を容易に移し替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施形態に係る搬送装置の斜視図
図2】被せ機構の被せ動作の一例を示す側面断面図
図3】第2容器を被せられた第1容器が持ち上げ位置に搬送される様子を示す平面図
図4】駆動機構の持ち上げ動作の一例を示す平面図
図5】駆動機構の持ち上げ動作の一例を示す側面断面図
図6】駆動機構の持ち上げ動作の一例を示す側面断面図
図7】駆動機構の挟持動作の一例を示す側面断面図
図8】駆動機構の反転動作の一例を示す側面断面図
図9】駆動機構が第1容器及び第2容器を降ろし位置の上方に移動させる様子を示す平面図
図10】駆動機構の降ろし動作の一例を示す側面断面図
図11】駆動機構の降ろし動作の一例を示す側面断面図
図12】取出機構の取出動作の一例を示す側面断面図
図13】第2の実施形態に係る搬送装置の平面図
【発明を実施するための形態】
【0010】
1.第1の実施形態
以下では、第1の実施形態に係る搬送装置100について図面を参照して説明する。図1に示すように、搬送装置100は、第1容器C1及び第2容器C2を搬送対象とし、第1容器C1に収容されている物品Aを、第2容器C2に移し替える装置である。搬送装置100は、第1搬送部1と、第2搬送部2と、第3搬送部3と、第4搬送部4と、容器処理装置5と、挟持装置6と、を備えている。
【0011】
以下の説明では、物品Aが収容された第1容器C1、及び物品Aが収容された第2容器が搬送される方向を「搬送方向X」とし、搬送方向Xの下流側及び上流側をそれぞれ「第1側X1」及び「第2側X2」とする。更に、鉛直方向視で搬送方向Xに直交する方向を「搬送幅方向Y」とする。また、鉛直方向を「上下方向Z」とし、上下方向Zの上側及び下側をそれぞれ「上側Z1」及び「下側Z2」とする。
【0012】
第1搬送部1は、搬送方向Xに沿って延在し、物品Aが収容された第1容器C1を、搬送方向Xに沿って第1側X1へ向けて搬送する。第1容器C1は、第2容器C2よりも強度が低い容器である。第1容器C1は、一方向に開口する第1開口部C1aを有している。第1容器C1は、第1開口部C1aが上側Z1を向いた状態で第1搬送部1によって搬送される。図示の例では、第1容器C1は、直方体状に形成された紙製のケースであり、例えばカートンケースや段ボールケース等である。そして、開梱装置(図示を省略)によって第1容器C1の上面が切除されることにより、上側Z1に開口する第1開口部C1aが形成される。
【0013】
第1搬送部1は、搬送幅方向Yに沿う回転軸を有する複数の第1ローラ11と、複数の第1ローラ11を回転自在に支持する一対の第1支持部12と、を備えている。複数の第1ローラ11は、搬送方向Xに隣接する第1ローラ11が互いに離間するように、搬送方向Xに配列されている。そのため、搬送方向Xに隣接する第1ローラ11の間には、第1空隙部11aが形成されている。一対の第1支持部12は、複数の第1ローラ11に対して搬送幅方向Yの外側に配置され、それぞれ搬送方向Xに沿って延在している。そして、一対の第1支持部12は、搬送幅方向Yの両側から複数の第1ローラ11を回転自在に支持している。図示の例では、一対の第1支持部12は、搬送方向Xに沿って延在する板状に形成され、複数の第1ローラ11を挟んで搬送幅方向Yに対向している。
【0014】
第2搬送部2は、搬送方向Xに沿って延在し、空の第2容器C2を搬送方向Xに沿って搬送する。本実施形態では、第2搬送部2は、空の第2容器C2を、搬送方向Xに沿って第2側X2へ向けて搬送する。第2容器C2は、第1容器C1よりも強度が高い容器である。第2容器C2は、第1容器C1を収容可能な大きさを有している。第2容器C2は、一方向に開口する第2開口部C2aを有している。本実施形態では、第2容器C2は、第2開口部C2aが下側Z2を向いた状態で第2搬送部2によって搬送される。図示の例では、第2容器C2は、直方体状に形成された合成樹脂製のケースであり、例えばボックス型コンテナや折り畳み式コンテナ等である。
【0015】
第2搬送部2は、搬送幅方向Yに沿う回転軸を有する複数の第2ローラ21と、複数の第2ローラ21を回転自在に支持する一対の第2支持部22と、を備えている。複数の第2ローラ21は、搬送方向Xに隣接する第2ローラ21が互いに離間するように、搬送方向Xに配列されている。そのため、搬送方向Xに隣接する第2ローラ21の間には、第2空隙部21aが形成されている。一対の第2支持部22は、複数の第2ローラ21に対して搬送幅方向Yの外側に配置され、それぞれ搬送方向Xに沿って延在している。そして、一対の第2支持部22は、搬送幅方向Yの両側から複数の第2ローラ21を回転自在に支持している。図示の例では、一対の第2支持部22は、搬送方向Xに沿って延在する板状に形成され、複数の第2ローラ21を挟んで搬送幅方向Yに対向している。
【0016】
本実施形態では、第1搬送部1及び第2搬送部2は、搬送方向Xに沿って一列に並んで配置されている。具体的には、第1搬送部1及び第2搬送部2は、第1搬送部1の第1側X1の端部と、第2搬送部2の第2側X2の端部とが対向するように配置されている。そのため、第1搬送部1は、第2搬送部2に向けて第1容器C1を搬送し、第2搬送部2は、第1搬送部1に向けて第2容器C2を搬送する。
【0017】
第3搬送部3は、搬送方向Xに沿って延在し、物品Aが収容された第2容器C2を、搬送方向Xに沿って第1側X1へ向けて搬送する。つまり、第3搬送部3は、物品Aが収容された第2容器C2を、第1搬送部1が第1容器C1を搬送する方向と同じ方向に搬送する。
【0018】
第3搬送部3は、搬送幅方向Yに沿う回転軸を有する複数の第3ローラ31と、複数の第3ローラ31を回転自在に支持する一対の第3支持部32と、を備えている。複数の第3ローラ31は、搬送方向Xに隣接する第3ローラ31が互いに離間するように、搬送方向Xに配列されている。そのため、搬送方向Xに隣接する第3ローラ31の間には、第3空隙部31aが形成されている。一対の第3支持部32は、複数の第3ローラ31に対して搬送幅方向Yの外側に配置され、それぞれ搬送方向Xに沿って延在している。そして、一対の第3支持部32は、搬送幅方向Yの両側から複数の第3ローラ31を回転自在に支持している。図示の例では、一対の第3支持部32は、搬送方向Xに沿って延在する板状に形成され、複数の第3ローラ31を挟んで搬送幅方向Yに対向している。
【0019】
本実施形態では、第3搬送部3は、第1搬送部1及び第2搬送部2に対して搬送幅方向Yに隣接して配置されている。具体的には、第3搬送部3は、当該第3搬送部3の第2側X2の端部領域が、第1搬送部1の第1側X1の端部領域に対して搬送幅方向Yに隣接するように配置されている。換言すれば、第1搬送部1と第3搬送部3とは、搬送幅方向Y視で一部が重複するように配置されている。
【0020】
第4搬送部4は、空の第1容器C1を回収するために用いられ、第1容器C1を第3搬送部3から離れる側へ向けて搬送する。本実施形態では、第4搬送部4は、搬送幅方向Yに沿って延在し、第1容器C1を搬送幅方向Yに沿って搬送する。図示の例では、第4搬送部4は、ベルトコンベヤである。また、ここでは、第4搬送部4は、第3搬送部3に対して搬送幅方向Yにおける第1搬送部1及び第2搬送部2の側とは反対側に隣接して配置されている。
【0021】
容器処理装置5は、第1容器C1や第2容器C2を保持しつつ移動させる装置である。本実施形態では、容器処理装置5は、第1容器C1又は第2容器C2を吸着する吸着部51と、吸着部51を移動させる吸着移動部52と、を備えている。
【0022】
吸着部51は、第1容器C1又は第2容器C2を吸着して保持する。吸着部51は、吸着対象(第1容器C1又は第2容器C2)に対して作用する吸着状態と、吸着対象に対して作用しない非吸着状態とを切り替え可能に構成されている。吸着部51は、第1容器C1又は第2容器C2を保持する「容器保持部」として機能する。図示の例では、吸着部51は、吸着対象に接触した状態で、吸着部51と吸着対象と間の空間を負圧とすることで、吸着対象を吸着する吸着パッドである。図示の例では、複数の吸着部51が、吸着移動部52の先端部に設けられている。
【0023】
吸着移動部52は、容器保持部としての吸着部51を移動させる「容器移動部」として機能する。吸着移動部52は、複数個所に設定された移動対象位置のそれぞれに吸着部51を移動させる。ここで、移動対象位置には、吸着対象を吸着する位置と、吸着対象の吸着を解除する位置とが含まれる。図1に示す例では、移動対象位置は4箇所に設定されている。具体的には、第2容器C2を吸着する位置である第2搬送部2の第2側X2の端部、第2容器C2の吸着を解除する位置である第1搬送部1の第1側X1の端部又はその第2側X2、第1容器C1を吸着する位置である第3搬送部3の第2側X2の端部又はその第1側X1、及び、第1容器C1の吸着を解除する位置である第4搬送部4の搬送幅方向Yにおける第3搬送部3側の端部の4箇所に、移動対象位置が設定されている。図示の例では、吸着移動部52は、ロボットアームである。
【0024】
図2に示すように、容器処理装置5は、第1開口部C1aが上側Z1を向き、物品Aが収容された状態の第1容器C1に、第2開口部C2aが下側Z2を向いた状態の第2容器C2を被せる被せ動作を行う。本実施形態では、容器処理装置5は、第2搬送部2によって搬送されてきた第2容器C2を保持し、第2容器C2が第1容器C1を内包する状態となるように、保持した第2容器C2を、第1搬送部1によって搬送されてきた第1容器C1に被せる。このように、本実施形態では、容器処理装置5が「被せ機構」として機能する。なお、本実施形態では、第2容器C2は、第2開口部C2aが下側Z2を向いた状態で第2搬送部2によって搬送されるが、容器処理装置5によって保持されるまでに、第2搬送部2上で第2開口部C2aが下側Z2を向いていれば良い。
【0025】
図2に示す例では、複数の吸着部51は、第2開口部C2aが下側Z2を向いた状態で第2搬送部2によって搬送されている第2容器C2を対象として、当該第2容器C2における底板部(第2開口部C2aが形成された面とは反対側に位置する面を成す部分)の外側の表面を吸着する。そして、第1開口部C1aが上側Z1を向き、物品Aが収容された状態で第1搬送部1によって搬送されている第1容器C1に、第2開口部C2aが下側Z2を向いた状態の第2容器C2を被せるように、吸着移動部52が第2容器C2を吸着した複数の吸着部51を移動させる。
【0026】
図1に示すように、第1搬送部1における搬送方向Xの第1側X1の端部には、挟持装置6が第1容器C1及び第2容器C2を持ち上げる位置である持ち上げ位置Puが設定されている。容器処理装置5は、第1搬送部1における持ち上げ位置Puよりも第2側X2の第1容器C1に対して第2容器C2を被せる。そのため、第2容器C2を被せられた第1容器C1が第1搬送部1によって持ち上げ位置Puに搬送される。本実施形態では、第1搬送部1には、第1搬送部1における持ち上げ位置Puよりも第1側X1への第1容器C1及び第2容器C2の移動を規制する規制部材13が設けられている。図示の例では、規制部材13は、第1搬送部1の搬送面(第1ローラ11の上端位置)よりも上側Z1に突出し、第2容器C2の第1側X1の表面(側面)に当接するように構成されている。また、第3搬送部3の第2側X2の端部には、挟持装置6が第1容器C1及び第2容器C2を降ろす位置である降ろし位置Pdが設定されている。
【0027】
挟持装置6は、第1容器C1及び第2容器C2を挟持する第1挟持部材61及び第2挟持部材62と、これらの挟持部材61,62を動作させる駆動機構63と、を備えている。
【0028】
本実施形態では、駆動機構63は、一対のレール64と、一対のレール64に沿って走行する台車65と、一対の挟持部材61,62を台車65に対して昇降させる昇降部66と、一対の挟持部材61,62を昇降部66に対して回動させる回動部67と、一対の挟持部材61,62を互いに近接及び離間させる挟持動作部68と、を有している。
【0029】
一対のレール64は、搬送幅方向Yに沿って延在している。一対のレール64は、互いに搬送方向Xに離間して配置されている。図示の例では、一対のレール64は、第1搬送部1の持ち上げ位置Puに対して搬送幅方向Yにおける第3搬送部3側とは反対側に配置されている。
【0030】
台車65は、一対のレール64上を転動する複数の車輪を有している。これらの車輪は、例えば台車65に設けられた走行用モータによって駆動される。
【0031】
昇降部66は、第1挟持部材61及び第2挟持部材62を台車65に対して上下方向Zに沿って移動させる。図示の例では、昇降部66は、上下方向Zに沿って伸縮する2重の筒状部材を有して構成されている。昇降部66は、例えば台車65に設けられた昇降用モータによって駆動される。
【0032】
回動部67は、第1挟持部材61及び第2挟持部材62を、昇降部66に対して回動軸67aの軸心周りに回動させる。本実施形態では、回動部67は、回動軸67aと、第1挟持部材61及び第2挟持部材62を支持する挟持動作部68とを、昇降部66に対して回動させる。回動軸67aは、搬送幅方向Yに沿って延在するように配置されている。回動軸67aは、例えば昇降部66に設けられた回動用モータによって駆動される。
【0033】
挟持動作部68は、第1挟持部材61及び第2挟持部材62を、互いに近接及び離間させる方向に移動自在に支持している。本実施形態では、挟持動作部68は、第1挟持部材61及び第2挟持部材62を、互いに近接及び離間させる方向に沿って摺動自在に案内する案内部68aを備えている。ここでは、第1挟持部材61及び第2挟持部材62は、互いに独立して案内部68aに沿って移動可能に構成されている。第1挟持部材61及び第2挟持部材62は、例えば挟持動作部68に設けられた挟持用モータによって駆動される。
【0034】
第1挟持部材61は、搬送幅方向Yに沿って延在して第1空隙部11aと第3空隙部31aとに挿入可能な第1爪部611を複数(図示の例では4つ)有している。本実施形態では、複数の第1爪部611は、第1挟持部材61及び第2挟持部材62が第1容器C1及び第2容器C2を挟持する方向及び搬送幅方向Yの双方に直交する方向に間隔を空けて並んで配置されている。これにより、複数の第1爪部611は、第1空隙部11a又は第3空隙部31aに挿入された状態では、搬送方向Xに間隔を空けて並んで配置される。
【0035】
第2挟持部材62は、搬送幅方向Yに沿って延在して第1空隙部11aと第3空隙部31aとに挿入可能な第2爪部621を複数(図示の例では4つ)有している。本実施形態では、複数の第2爪部621は、複数の第1爪部611が並んでいる方向と同じ方向に間隔を空けて並んで配置されている。これにより、複数の第2爪部621も、第1空隙部11a又は第3空隙部31aに挿入された状態では、搬送方向Xに間隔を空けて並んで配置される。
【0036】
駆動機構63は、持ち上げ動作と、挟持動作と、反転動作と、降ろし動作と、を行う。持ち上げ動作は、第1挟持部材61が第2挟持部材62よりも下側Z2に位置した状態で、複数の第1爪部611を複数の空隙部(本実施形態では、複数の第1空隙部11a)に挿入し、複数のローラ(本実施形態では、複数の第1ローラ11)上に載置された第1容器C1及び第2容器C2を複数の第1爪部611によって持ち上げる動作である。挟持動作は、複数の第1爪部611及び複数の第2爪部621によって第1容器C1及び第2容器C2を上下方向Zに挟持する動作である。反転動作は、第1容器C1及び第2容器C2を挟持した状態の複数の第1爪部611と複数の第2爪部621との上下方向Zの位置関係を反転させる動作である。降ろし動作は、第2挟持部材62が第1挟持部材61よりも下側Z2に位置した状態で、第1容器C1及び第2容器C2を下側Z2から支持している複数の第2爪部621を複数の空隙部(本実施形態では、複数の第1空隙部11a及び複数の第3空隙部31a)に挿入すると共に、複数の第1爪部611及び複数の第2爪部621による第1容器C1及び第2容器C2の挟持を解除して、第1容器C1及び第2容器C2を複数の前記ローラ(本実施形態では、複数の第3ローラ31)上に載置する動作である。
【0037】
複数の第1爪部611及び複数の第2爪部621の延在方向(搬送幅方向Y)の長さは、複数の第1爪部611及び複数の第2爪部621が上記の持ち上げ動作、挟持動作、反転動作、及び降ろし動作を行える長さに設定されている。本実施形態では、複数の第1爪部611及び複数の第2爪部621の延在方向(搬送幅方向Y)の長さは、同じ長さとされている。そして、これらの長さは、第1搬送部1及び第3搬送部3の双方の配置領域の搬送幅方向Yの長さよりも大きく設定されている。
【0038】
以下では、図3から図11を参照して、本実施形態における駆動機構63の持ち上げ動作、挟持動作、反転動作、及び降ろし動作の一例について説明する。なお、図3から図11では、説明の便宜上、一組の第1容器C1及び第2容器C2のみを図示すると共に、駆動機構63の一対のレール64及び台車65の図示を省略している。
【0039】
図3に示すように、容器処理装置5によって第2容器C2が被せられた第1容器C1が第1搬送部1の持ち上げ位置Puに搬送される。前述のように、第1搬送部1には規制部材13が設けられているため、第2容器C2の第1側X1の表面(側面)が規制部材13に当接することにより、第1容器C1及び第2容器C2が持ち上げ位置Puで停止する。このとき、複数の第1爪部611及び複数の第2爪部621は、第1搬送部1に対して搬送幅方向Yに退避した位置に配置されている。
【0040】
次に、複数の第1爪部611が第1容器C1よりも下側Z2に位置すると共に、複数の第2爪部621が第2容器C2よりも上側Z1に位置するように、第1挟持部材61及び第2挟持部材62が移動する。そして、図4及び図5に示すように、複数の第1爪部611が複数の第1空隙部11aに挿入されるように、台車65(図1参照)が第1搬送部1側に移動する。図示の例では、上下方向Z視で第2容器C2の全体に対して複数の第1爪部611及び複数の第2爪部621が重複する位置まで、台車65が第1搬送部1側に移動している。なお、第1容器C1及び第2容器C2が持ち上げ位置Puに搬送されてくる前に、複数の第1爪部611及び複数の第2爪部621が、図4及び図5に示すように、上下方向Z視で第1搬送部1と重複する位置に配置されていてもよい。
【0041】
その後、図6に示すように、第1挟持部材61が第1搬送部1に対して上側Z1に移動することにより、複数の第1爪部611によって第1容器C1及び第2容器C2が持ち上げられる(持ち上げ動作)。このとき、複数の第1爪部611が第1搬送部1の一対の第1支持部12に干渉しないように、一対の第1支持部12のそれぞれには、第1爪部611と同数の第1切欠部12aが形成されている。図5に示すように、第1切欠部12aは、複数の第1爪部611が挿入される複数の第1空隙部11aの位置に合わせて、第1支持部12の上端から第1ローラ11の下端よりも下側Z2まで連続するように形成されている。
【0042】
その後、図7に示すように、第1挟持部材61が第1搬送部1に対して更に上側Z1に移動すると共に、第2挟持部材62が第1挟持部材61に対して相対的に接近する方向に移動することにより、第1容器C1及び第2容器C2が複数の第1爪部611と複数の第2爪部621とによって上下方向Zに挟持される(挟持動作)。
【0043】
続いて、図8に示すように、回動部67によって第1挟持部材61及び第2挟持部材62を180度回動させることにより、第1容器C1及び第2容器C2を挟持した状態の複数の第1爪部611と複数の第2爪部621との上下方向Zの位置関係が反転する(反転動作)。このような反転動作の際、第1容器C1及び第2容器C2が第1搬送部1に干渉することを回避するために、反転動作を行う前に昇降部66によって第1挟持部材61及び第2挟持部材62を上側Z1に移動させ、第1容器C1及び第2容器C2と第1搬送部1との距離を充分に確保している。そして、本例では、反転動作の後は、昇降部66は第1挟持部材61及び第2挟持部材62を元の位置に戻す。
【0044】
続いて、図9に示すように、第1容器C1及び第2容器C2が第3搬送部3の降ろし位置Pdの上側Z1に位置するように、台車65(図1参照)が第3搬送部3側に移動する。図示の例では、上下方向Z視で第3搬送部3の搬送経路幅(第3搬送部3の搬送経路における搬送幅方向Yの大きさ)の全体に対して複数の第1爪部611及び複数の第2爪部621が重複する位置まで、台車65が第3搬送部3側に移動している。
【0045】
そして、図10に示すように、第1挟持部材61が第2挟持部材62に対して相対的に離間する方向に移動することにより、複数の第1爪部611及び複数の第2爪部621による第1容器C1及び第2容器C2の挟持が解除される。その後、図11に示すように、第2挟持部材62が第1搬送部1及び第3搬送部3に対して相対的に下側Z2に移動することにより、複数の第2爪部621が複数の第1空隙部11a及び複数の第3空隙部31aに挿入される。そして、第2挟持部材62が更に下側Z2に移動することにより、第1容器C1及び第2容器C2が第3搬送部3の降ろし位置Pdに降ろされる(降ろし動作)。
【0046】
このとき、複数の第2爪部621が第3搬送部3の一対の第3支持部32に干渉しないように、一対の第3支持部32のそれぞれには、第2爪部621と同数の第3切欠部32aが形成されている。第3切欠部32aは、複数の第2爪部621が挿入される複数の第3空隙部31aの位置に合わせて、第3支持部32の上端から第3ローラ31の下端よりも下側Z2まで連続するように形成されている。また、このとき、第1搬送部1の一対の第1支持部12のそれぞれには、上述した複数の第1切欠部12aが形成されているため(図5等参照)、複数の第2爪部621が一対の第1支持部12に干渉することはない。
【0047】
挟持装置6の駆動機構63が上記のような持ち上げ動作、挟持動作、反転動作、及び降ろし動作を行うことにより、第3搬送部3の降ろし位置Pdには、第2開口部C2aが上側Z1を向いた状態で、第1開口部C1aが下側Z2を向いた状態の第1容器C1を収容した第2容器C2が位置することになる。
【0048】
その後、図12に示すように、容器処理装置5は、第2開口部C2aが上側Z1を向いた状態の第2容器C2から、第1開口部C1aが下側Z2を向いた状態の第1容器C1を取り出す取出動作を行う。本実施形態では、容器処理装置5は、第2開口部C2aが上側Z1を向いた状態で第3搬送部3によって搬送されている第2容器C2から、第1開口部C1aが下側Z2を向いた状態の第1容器C1を取り出す。このように、本実施形態では、容器処理装置5が「取出機構」として機能する。前述のように、本実施形態では、容器処理装置5は、「被せ機構」としても機能する。換言すれば、本実施形態では、取出機構は、被せ機構と共通の吸着部51(容器保持部)及び吸着移動部52(容器移動部)を用いて構成されている。
【0049】
図12に示す例では、複数の吸着部51が、第2開口部C2aが上側Z1を向いた状態で第3搬送部3によって搬送されている第2容器C2から、第1開口部C1aが下側Z2を向いた状態の第1容器C1における底板部(第1開口部C1aが形成された面とは反対側に位置する面を成す部分)の外側の表面を吸着する。そして、吸着移動部52が第1容器C1を吸着した複数の吸着部51を上側Z1に移動させることにより、第2容器C2から第1容器C1を取り出す。
【0050】
2.第2の実施形態
以下では、第2の実施形態に係る搬送装置100について、図13を参照して説明する。本実施形態では、第1搬送部1、第2搬送部2、第3搬送部3、及び第4搬送部4の構成が、上記第1の実施形態とは異なっている。以下では、上記第1の実施形態との相違点を中心として説明する。なお、特に説明しない点については、上記第1の実施形態と同様とする。
【0051】
図13に示すように、本実施形態では、第1搬送部1、第2搬送部2、及び第3搬送部3は、同じ方向に搬送対象を搬送する。具体的には、第1搬送部1は、物品Aが収容された第1容器C1を搬送方向Xの第1側X1に搬送し、第2搬送部2は、空の第2容器C2を搬送方向Xの第1側X1に搬送し、第3搬送部3は、物品Aが収容された第2容器C2を搬送方向Xの第1側X1に搬送する。
【0052】
本実施形態では、第1搬送部1及び第3搬送部3は、第3搬送部3が第1搬送部1よりも第1側X1に位置するように搬送方向Xに沿って一列に並んで配置されている。そして、第1搬送部1の第1側X1の端部と第3搬送部3の第2側X2の端部とが、それらの間で搬送対象を搬送できるように隣接している。なお、第1搬送部1と第3搬送部3とが一体的に構成されていても良い。本実施形態では、第1搬送部1から第3搬送部3に搬送対象が搬送される際に、規制部材13に干渉することを回避するため、規制部材13は、第1搬送部1の搬送面(第1ローラ11の上端位置)よりも上側Z1に突出した規制位置と、第1搬送部1の搬送面よりも下側Z2に退避した退避位置とに移動可能に構成されている。
【0053】
第2搬送部2は、第1搬送部1に対して搬送幅方向Yに隣接して配置されている。換言すれば、第1搬送部1と第2搬送部2とは、搬送幅方向Y視で一部が重複するように配置されている。また、第4搬送部4は、第3搬送部3よりも上側Z1に配置され、第1容器C1を搬送幅方向Yに沿って第3搬送部3から離れる側へ向けて搬送する。
【0054】
本実施形態では、持ち上げ位置Pu及び降ろし位置Pdの双方が、第1搬送部1の第1側X1の端部に設定されている。つまり、本実施形態では、挟持装置6は、第1容器C1及び第2容器C2を搬送幅方向Yに移動させる必要がない。そのため、本実施形態では、複数の第1爪部611及び複数の第2爪部621の延在方向(搬送幅方向Y)の長さが、上記第1の実施形態よりも小さく設定されている。これに伴い、一対のレール64の搬送幅方向Yの長さも、上記第1の実施形態よりも小さく設定され、台車65の移動範囲が上記第1の実施形態よりも狭くなっている。
【0055】
また、本実施形態では、第1搬送部1における一対の第1支持部12のそれぞれには、複数の第1切欠部12aが形成されているが、第3搬送部3における一対の第3支持部32には、第3切欠部32aが形成されていない。
【0056】
3.その他の実施形態
(1)上記の実施形態では、搬送装置100の搬送対象が物品Aを収容可能な第1容器C1及び第2容器C2である構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば、搬送装置100の搬送対象が、物品A自体であっても良いし、第1容器C1及び第2容器C2とは形状が異なる容器であっても良い。
【0057】
(2)上記の実施形態では、第2容器C2が第1容器C1よりも強度が高い構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、第2容器C2が第1容器C1と強度が同じか又は第1容器C1よりも強度が低い構成としても良い。
【0058】
(3)上記の実施形態では、第2容器C2が第1容器C1を収容可能な大きさを有する構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば、第1容器C1が第2容器C2を収容可能な大きさを有する構成としても良い。この場合、容器処理装置5は、被せ動作の際に、第1容器C1に収容された物品Aを第2容器C2が内包するように、第1容器C1の内側に第2容器C2を被せると良い。
【0059】
(4)上記の実施形態では、容器処理装置5が被せ機構及び取出機構の双方として機能する構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、被せ機構及び取出機構がそれぞれ独立して設けられた構成としても良い。
【0060】
(5)上記の実施形態では、容器保持部としての吸着部51を備えた構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば、吸着部51の代わりに第1容器C1や第2容器C2を把持する把持部を備えた構成としても良い。
【0061】
(6)上記第1の実施形態では、第2搬送部2が空の第2容器C2を搬送方向Xに沿って第2側X2へ向けて搬送する構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、第2搬送部2は、第1搬送部1へ向けて空の第2容器C2を搬送することができれば良い。よって、例えば、第2搬送部2が搬送幅方向Yに沿って第2容器C2を搬送する構成としても良く、或いは、第2搬送部2が搬送方向X及び搬送幅方向Yに対して傾斜した方向に沿って第2容器C2を搬送する構成としても良い。
【0062】
(7)なお、上述した各実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【0063】
4.上記実施形態の概要
以下、上記において説明した搬送装置の概要について説明する。
【0064】
搬送装置は、
搬送対象を搬送する方向を搬送方向とし、上下方向視で前記搬送方向に直交する方向を搬送幅方向として、前記搬送幅方向に沿う回転軸を有するローラが前記搬送方向に複数配列されていると共に、前記搬送方向に隣接する複数の前記ローラの間に空隙部が形成された搬送装置であって、
前記搬送対象を挟持する第1挟持部材及び第2挟持部材と、
前記第1挟持部材及び前記第2挟持部材を動作させる駆動機構と、を備え、
前記第1挟持部材は、前記搬送幅方向に沿って延在して前記空隙部に挿入可能な第1爪部を複数有し、
前記第2挟持部材は、前記搬送幅方向に沿って延在して前記空隙部に挿入可能な第2爪部を複数有し、
前記駆動機構は、
前記第1挟持部材が前記第2挟持部材よりも下方に位置した状態で、複数の前記第1爪部を複数の前記空隙部に挿入し、複数の前記ローラ上に載置された前記搬送対象を前記第1挟持部材によって持ち上げる持ち上げ動作と、
前記第1挟持部材及び前記第2挟持部材によって前記搬送対象を上下方向に挟持する挟持動作と、
前記搬送対象を挟持した状態の前記第1挟持部材と前記第2挟持部材との前記上下方向の位置関係を反転させる反転動作と、
前記第2挟持部材が前記第1挟持部材よりも下方に位置した状態で、前記搬送対象を下方から支持している複数の前記第2爪部を複数の前記空隙部に挿入すると共に、前記第1挟持部材及び前記第2挟持部材による前記搬送対象の挟持を解除して、前記搬送対象を複数の前記ローラ上に載置する降ろし動作と、を行う。
【0065】
この構成によれば、搬送対象を挟持する一対の挟持部材のそれぞれが、複数のローラの間に形成された複数の空隙部に挿入可能な複数の爪部を有している。そのため、複数のローラに干渉することなく、搬送対象に対して、複数のローラ上からの持ち上げ動作、挟持動作、反転動作及び降ろし動作を行い、複数のローラ上に反転した物品を戻すことができる。このように、本構成によれば、搬送経路を構成する複数のローラ上で物品を反転させることができるため、搬送対象の搬送経路の設計自由度を高くすることができる。
【0066】
ここで、被せ機構と、取出機構と、を更に備え、
前記搬送対象は、一方向に開口する第1開口部を有する第1容器、及び、一方向に開口する第2開口部を有する第2容器であり、
前記被せ機構は、前記第1開口部が上側を向き、物品が収容された状態の前記第1容器に、前記第2開口部が下側を向いた状態の前記第2容器を被せる被せ動作を行い、
前記駆動機構は、前記第1容器及び前記第2容器を挟持した状態の前記第1挟持部材と前記第2挟持部材との前記上下方向の位置関係を反転させ、
前記取出機構は、前記第2開口部が上側を向いた状態の前記第2容器から、前記第1開口部が下側を向いた状態の前記第1容器を取り出す取出動作を行うと好適である。
【0067】
この構成によれば、第1開口部が上側を向き、物品が収容された状態の第1容器に、第2開口部が下側を向いた状態の第2容器が被せられて、これらの容器が上下反転される。そして、第2開口部が上側を向いた状態の第2容器から、第1開口部が下側を向いた状態の第1容器が取り出される。これにより、第1容器に収容されていた物品が第2容器に移載される。つまり、第1容器から第2容器に物品を容易に移し替えることができる。
【0068】
また、前記被せ機構と前記取出機構と備えた構成において、
前記第2容器は、前記第1容器よりも強度が高く、前記第1容器を収容可能な大きさを有すると好適である。
【0069】
この構成によれば、第1容器から物品が移し替えられる第2容器は、第1容器よりも強度が高い。そのため、第2容器の搬送の際等に、第2容器に変形や摩耗等が生じ難い。したがって、第2容器の変形や摩耗等に起因する搬送不良が発生する可能性を低減することができる。
また、この構成によれば、第1容器に第2容器が被せられた際に、第2容器が第1容器を内包した状態となる。そのため、第1容器に第2容器を被せる被せ動作を行い易く、また、第1容器及び第2容器が反転された際に物品が容器の外にこぼれ難い。したがって、第1容器から第2容器に物品を適切に移し替えることができる。
【0070】
また、前記被せ機構は、前記第1容器又は前記第2容器を保持する容器保持部と、前記容器保持部を移動させる容器移動部と、を備え、
前記取出機構は、前記被せ機構と共通の前記容器保持部及び前記容器移動部を用いて構成されていると好適である。
【0071】
この構成によれば、被せ機構及び取出機構の構成を共通化することができる。したがって、被せ機構と取出機構とを独立して設ける構成と比較して、搬送装置の構成を簡略化することができると共に、搬送装置の製造コストを低くすることができる。
【0072】
また、前記取出機構は、前記第1容器を吸着する吸着部と、前記吸着部を移動させる吸着移動部と、を備えていると好適である。
【0073】
第2開口部が上側を向いた第2容器に、第1開口部が下側を向いた第1容器が重なった状態では、第2容器から第1容器を取り出すことが困難な場合がある。このような場合であっても、この構成によれば、第1容器を吸着して保持することができるため、第2容器から第1容器を容易に取り出すことができる。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本開示に係る技術は、ローラが複数配列された搬送装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0075】
100 :搬送装置
1 :第1搬送部
11 :第1ローラ
11a :第1空隙部
2 :第2搬送部
3 :第3搬送部
31 :第3ローラ
31a :第3空隙部
5 :容器処理装置(被せ機構、取出機構)
51 :吸着部(容器保持部)
52 :吸着移動部(容器移動部)
6 :挟持装置
61 :第1挟持部材
611 :第1爪部
62 :第2挟持部材
621 :第2爪部
63 :駆動機構
A :物品
C1 :第1容器(搬送対象)
C1a :第1開口部
C2 :第2容器(搬送対象)
C2a :第2開口部
X :搬送方向
Y :搬送幅方向
Z :上下方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13