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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-25
(45)【発行日】2022-08-02
(54)【発明の名称】車両用デイタイムランプ
(51)【国際特許分類】
   F21S 43/20 20180101AFI20220726BHJP
   F21S 43/14 20180101ALI20220726BHJP
   F21S 43/13 20180101ALI20220726BHJP
   F21W 103/55 20180101ALN20220726BHJP
   F21Y 101/00 20160101ALN20220726BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20220726BHJP
【FI】
F21S43/20
F21S43/14
F21S43/13
F21W103:55
F21Y101:00 100
F21Y101:00 300
F21Y115:10
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018185109
(22)【出願日】2018-09-28
(65)【公開番号】P2020057457
(43)【公開日】2020-04-09
【審査請求日】2021-08-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000000136
【氏名又は名称】市光工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145908
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 信雄
(74)【代理人】
【識別番号】100136711
【弁理士】
【氏名又は名称】益頭 正一
(72)【発明者】
【氏名】大島 寛
(72)【発明者】
【氏名】川元 直人
【審査官】竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-255080(JP,A)
【文献】特開2005-145266(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 43/20
F21S 43/14
F21S 43/13
F21W 103/55
F21Y 101/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に用いられ、昼間点灯を行う車両用デイタイムランプであって、
ナンバープレートの両側方に設けられる側方部材と、
前記側方部材内に収納される光源と、を備え、
前記側方部材は、正面側と側方とに光の出射部を有し、
前記光源は、正面側の出射部と、側方の出射部とを通じて光を外部に出射する
ことを特徴とする車両用デイタイムランプ。
【請求項2】
前記正面側の出射部及び前記側方の出射部の少なくとも一方は、前記光源からの光を異なる出射角で外部に出射させる光学部材をさらに備える
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用デイタイムランプ。
【請求項3】
前記光学部材は、車両上方側に位置する第1光学部材と、車両上下中間側に位置する第2光学部材と、車両下方側に位置する第3光学部材と、を有し、
光を出射する際の仰角は、前記第1光学部材、前記第2光学部材、及び前記第3光学部材の順に大きくされている
ことを特徴とする請求項2に記載の車両用デイタイムランプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用デイタイムランプに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、昼間において車両の被視認性を高めるために車両外側に向けて光を出射する車両用デイタイムランプが知られている。この車両用デイタイムランプは、例えば車両前方に光を出射するように取り付けられている(例えば特許文献1~4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-120570号公報
【文献】特開2007-250384号公報
【文献】特開2009-245661号公報
【文献】特開2009-245662号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1~4に記載の車両用デイタイムランプは、車両前方に向けて光を出射することから、車両側方からの被視認性が低くなってしまう。
【0005】
本発明はこのような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、車両正面のみならず車両側方からの被視認性を高めた車両用デイタイムランプを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る車両用デイタイムランプは、車両に用いられ、昼間点灯を行うものであって、ナンバープレートの両側方に設けられる側方部材と、側方部材内に収納される光源とを備えている。側方部材は、正面側と側方とに光の出射部を有し、光源は、正面側の出射部と、側方の出射部とを通じて光を外部に出射する。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る車両用デイタイムランプによれば、ナンバープレートの両側方に設けられる側方部材内に光源を有すると共に、光源は正面側の出射部と側方の出射部とを通じて光を外部に出射するため、ナンバープレートの側方位置から正面側と側方に向けて光が出射される。よって、車両正面のみならず車両側方からの被視認性を高めた車両用デイタイムランプを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態に係る車両用デイタイムランプの斜視図である。
図2】第1実施形態に係る車両用デイタイムランプを示す断面図である。
図3】第2実施形態に係る車両用デイタイムランプを示す斜視図である。
図4図3に示したランプアッシーLAの分解斜視図である。
図5図4に示したランプアッシーLAの一部断面図である。
図6】光軸を示す概念図であり、(a)は比較例を示し、(b)は第2実施形態の例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を好適な実施形態に沿って説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下に示す実施形態においては、一部構成の図示や説明を省略している箇所があるが、省略された技術の詳細については、以下に説明する内容と矛盾が発生しない範囲内において、適宜公知又は周知の技術が適用されていることはいうまでもない。
【0010】
図1は、第1実施形態に係る車両用デイタイムランプを示す斜視図であり、図2は、第1実施形態に係る車両用デイタイムランプを示す断面図である。図1及び図2に示すように本実施形態に係る車両用デイタイムランプ1は、車両に用いられて昼間点灯を行うものであって、ナンバーフレームNFと、イルミネーションランプ(光源)ILとを備えている。
【0011】
ナンバーフレームNFは、正面視して矩形状となる部材であって、矩形上辺となる上ブロックTBと、矩形下辺となる下ブロックUBと、矩形側方辺となる2つの側方ブロック(側方部材)LBとを備え、四角形状のナンバープレートNPの周縁部に取り付けられてナンバープレートNPを補強・装飾するものである。図1に示すナンバーフレームNFは、車両前方に設けられるものを想定しているが、前方に限らず、車両後方に設けられるものであってもよい。
【0012】
図2は、図1に示したナンバーフレームNFのII-II断面図である。図2に示すように、イルミネーションランプILはナンバーフレームNFの側方ブロックLB内に収納されている。このイルミネーションランプILは、例えば側方ブロックLB内において縦方向に複数個配列されている。1つのイルミネーションランプILは、例えば車両前方(正面側)に光軸を持つLED(Light Emitting Diode)と、側方(特に車両外側)に光軸を持つLEDとによって構成されている。
【0013】
さらに、側方ブロックLBは、図2に示すように、車両前方及び側方(特に車両外側)に開口部(出射部)O1,O2が形成されている。よって、イルミネーションランプILからの光は、前方開口部O1及び側方開口部O2を通じて外部(すなわち前方と側方)に出射されることとなる。
【0014】
なお、側方開口部O2は、前方開口部O1よりも大きく形成されているが、特にこれに限るものではない。また、前方開口部O1は、前方に向けて広がるテーパ構造となっているが、これに限らずテーパ構造となっていなくともよい。また、側方開口部O2がテーパ構造となっていてもよい。
【0015】
また、本実施形態においてイルミネーションランプILはLEDを光源とするものを想定しているが、これに限らず、可能であればハロゲンランプやメタルハライドランプを光源とするものであってもよい。さらに、イルミネーションランプILは、車両前方に光軸を持つものと、側方に光軸を持つものとによって構成される場合に限らず、例えば反射部材を通じて車両前方や側方とに光を導くものであってもよい。加えて、イルミネーションランプILは白色に発光するものに限らず種々の色に発光するものであってもよい。特に、発光色を緑(528nm)とすることにより昼間でも風景に埋没し難い発色とすることができる。
【0016】
さらに、ナンバーフレームNFは、側方ブロックLBがナンバープレートNPに対して隙間Sを有した状態でナンバープレートNPに取り付けられている。このため、イルミネーションランプILからの漏れ光が隙間Sを通じてナンバープレートNPの周縁部を照らすこととなる。このような漏れ光を利用することで、例えばナンバープレートNPの装飾効果を高めることも可能である。
【0017】
なお、図2においては車両左側(向かって右側)の側方ブロックLB等の断面を示しているが、車両右側(向かって左側)についても左右対象となるだけで同様の構成である。
【0018】
このような車両用デイタイムランプ1については、イルミネーションランプILが点灯させられると、前方開口部O1を通じて光が前方に出射される。このため、例えば車両前方に位置する者に光を認識させることが可能となり、車両前方に対する車両の被視認性を向上させることができる。
【0019】
さらに、本実施形態に係る車両用デイタイムランプ1は、イルミネーションランプILが点灯させられると、側方開口部O2を通じて光が側方にも出射される。このため、例えば車両側方(特に車両前側方)に位置する者に光を認識させることが可能となり、車両側方に対する車両の被視認性を向上させることができる。
【0020】
このようにして、第1実施形態に係る車両用デイタイムランプ1によれば、ナンバープレートNPの両側方に設けられる側方ブロックLB内にイルミネーションランプILを有すると共に、イルミネーションランプILは前方開口部O1と側方開口部O2とを通じて光を外部に出射するため、ナンバープレートNPの側方位置から前方と側方に向けて光が出射される。よって、車両正面のみならず車両側方からの被視認性を高めた車両用デイタイムランプ1を提供することができる。
【0021】
次に、本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態に係る車両用デイタイムランプは第1実施形態のものと同様であるが、一部構成が異なっている。以下、第2実施形態について第1実施形態との相違点を説明する。
【0022】
図3は、第2実施形態に係る車両用デイタイムランプを示す斜視図である。図3に示すように、第2実施形態に係る車両用デイタイムランプ2は車両前面に取り付けられるブラケットBKを備えている。ブラケットBKは、中央側のナンバープレート取付部BK1と、両側方のランプアッシー取付部BK2とを備えている。
【0023】
ナンバープレート取付部BK1は平板状に構成されており、不図示のボルト等を介してナンバープレートNPが取り付けられるものである。ランプアッシー取付部BK2は、上面視して前方が凹む凹み形状となっている。このランプアッシー取付部BK2には、クランピングスクリュー等を介してランプアッシー(側方部材)LAが取り付けられる。
【0024】
ランプアッシーLAは合計で4個取り付けられ、一側に2つ、他側に2つ取り付けられている。2つのランプアッシーLAのうち1つは側方出射用でありランプアッシー取付部BK2の凹み外側に取り付けられる。2つのランプアッシーLAのうち残り1つは前方出射用であり、ランプアッシー取付部BK2の凹み内側に取り付けられる。なお、4つのランプアッシーLAは、光の出射方向が異なるだけで、それぞれが同じ構成となっている。
【0025】
図4は、図3に示したランプアッシーLAの分解斜視図である。図4に示すように、ランプアッシーLAは、LED(光源)10が複数個搭載された基板20と、LED10の光出射側に設けられた前面カバー部材(正面側の出射部、側方の出射部)30と、車両取付側となる後方カバー部材40とを備え、これらが適宜の手段に組み付けられている。前面カバー部材30は透明性部材(例えばアクリル等の透明樹脂)によって構成されており、光の出射部を構成している。
【0026】
図5は、図4に示したランプアッシーLAの一部断面図である。図5に示すように、前面カバー部材30は、複数個のLED10に対応して複数個のレンズ部(光学部材)31を備えている。
【0027】
複数個のレンズ部31は、複数個のLED10からの光を異なる出射角で外部に出射させるものであり、2個(複数個)の第1レンズ部(第1光学部材)31aと、2個(複数個)の第2レンズ部(第2光学部材)31bと、2個(複数個)の第3レンズ部(第3光学部材)31cとを備えている。なお、各レンズ部31a~31cは2個に限るものではなく、1個又は3個以上であってもよい。
【0028】
第1レンズ部31aは、複数個のレンズ部31のうち、車両上方側に位置するものである。第1レンズ部31aは、車両に接近する身長170cm程度の背の高い人を対象に、LED10からの光(水平光)を仰角(水平に対する上向き角度)25°となるように出射させるものである。
【0029】
第2レンズ部31bは、複数個のレンズ部31のうち、車両上下中間側に位置するものである。第2レンズ部31bは、車両に接近する身長150cm程度の背の低い人を対象に、LED10からの光(水平光)を仰角15°となるように出射させるものである。
【0030】
第3レンズ部31cは、複数個のレンズ部31のうち、車両下方側に位置するものである。第3レンズ部31cは、遠方に位置する自転車等からの視認性を確保すべく、LED10からの光(水平光)を仰角10°となるように出射させるものである。
【0031】
このように、レンズ部31は、LED10からの光を異なる出射角で外部に出射させて、高さが異なる対象に対しても被視認性を向上させるようにしている。特に、第1~第3レンズ部31a~31cからの光の光軸を交差させることがないため、一層被視認性を向上させるようにしている。
【0032】
図6は、光軸を示す概念図であり、(a)は比較例を示し、(b)は第2実施形態の例を示している。例えば図6(a)の比較例に示すように光軸(破線参照)が交差する場合、光は交差箇所Pにおいて集まることとなる。このため、広い出射範囲を実現し難くなりLED10からの光を車外の者に知覚させ難くなる。一方、第2実施形態に示すように、車両上方側に位置する第1レンズ部31a、車両上下中間側に位置する第2レンズ部31b、及び、車両下方側に位置する第3レンズ部31cの順に仰角が大きくされている場合、光軸は交差しないこととなる。この場合、図6(b)に示すように、交差箇所Pが無いことから、光を広範囲に出射させることとなり、LED10からの光を車外の者に知覚させ易くすることができる。よって、光を認識できる領域を狭めることなく一層被視認性を向上させることとなる。
【0033】
このようにして、第2実施形態に係る車両用デイタイムランプ1によれば、第1実施形態と同様に、車両正面のみならず車両側方からの被視認性を高めた車両用デイタイムランプ1を提供することができる。
【0034】
また、LED10からの光を異なる出射角で外部に出射させるレンズ部31をさらに備えるため、異なる高さ方向に光を出射させることができ、高さ方向においても被視認性を向上させることができる。
【0035】
また、光を出射する際の仰角は、車両上方側に位置する第1レンズ部31a、車両上下中間側に位置する第2レンズ部31b、及び、車両下方側に位置する第3レンズ部31cの順に大きくされている。このため、3方向に延びる光軸を交差させることなく、一層被視認性を向上させることができる。すなわち、光軸が交差すると交差箇所Pにおいて集光し、視認者にとって光を認識できる領域を狭めることとなるが、光軸を交差させないように光を出射することにより光を認識できる領域を狭めることなく一層被視認性を向上させることができる。
【0036】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよいし、実施形態同士の技術や公知・周知技術を組み合わせてもよい。
【0037】
例えば上記実施形態に係る車両用デイタイムランプ1,2は、車両前方のナンバープレートNPに対して設けられ車両前方及び側方に対して光を出射するものであるが、これに限らず、車両後方のナンバープレートNPに対して設けられ車両後方及び側方に対して光を出射するものであってもよい。
【0038】
また、第2実施形態に係る車両用デイタイムランプ2は、車両前方及び側方の双方に対して光の出射角度を異ならせるようになっているが、これに限らず、車両前方及び側方の一方のみで光の出射角度を異ならせるようになっていてもよい。
【符号の説明】
【0039】
1,2 :車両用デイタイムランプ
10 :LED(光源)
30 :前面カバー部材(正面側の出射部、側方の出射部)
31 :レンズ部(光学部材)
31a :第1レンズ部(第1光学部材)
31b :第2レンズ部(第2光学部材)
31c :第3レンズ部(第3光学部材)
IL :イルミネーションランプ(光源)
LA :ランプアッシー(側方部材)
LB :側方ブロック(側方部材)
NP :ナンバープレート
O1 :前方開口部(正面側の出射部)
O2 :側方開口部(側方の出射部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6