IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ぐるなびの特許一覧

特許7110923情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
<>
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法及びプログラム 図1
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法及びプログラム 図2
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法及びプログラム 図3
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法及びプログラム 図4
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法及びプログラム 図5
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法及びプログラム 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-25
(45)【発行日】2022-08-02
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/12 20120101AFI20220726BHJP
【FI】
G06Q50/12
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018211060
(22)【出願日】2018-11-09
(65)【公開番号】P2020077273
(43)【公開日】2020-05-21
【審査請求日】2021-07-29
(73)【特許権者】
【識別番号】500175565
【氏名又は名称】株式会社ぐるなび
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】特許業務法人南青山国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100104215
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100196575
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 満
(74)【代理人】
【識別番号】100168181
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 哲平
(74)【代理人】
【識別番号】100117330
【弁理士】
【氏名又は名称】折居 章
(74)【代理人】
【識別番号】100160989
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 正好
(74)【代理人】
【識別番号】100168745
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 彩子
(74)【代理人】
【識別番号】100176131
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100197398
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 絢子
(74)【代理人】
【識別番号】100197619
【弁理士】
【氏名又は名称】白鹿 智久
(72)【発明者】
【氏名】千葉 牧人
【審査官】久慈 渉
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-110042(JP,A)
【文献】登録実用新案第3210380(JP,U)
【文献】特開2014-241467(JP,A)
【文献】特開2012-115570(JP,A)
【文献】特開2009-163406(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
テーブルごとに、辺の長さを示す情報と、利用客1人分の幅の情報と、を記憶する記憶部と、
複数のテーブルの結合を示す結合情報を受信した場合、前記複数のテーブルそれぞれの前記辺の長さを示す情報と、前記利用客1人分の幅の情報に基づいて、同じ辺に座る利用客同士の間の距離が所定距離以上離れるように、結合後のテーブルの最大着席可能人数を設定する制御部
を具備する情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記同じ辺を構成する前記複数のテーブルそれぞれの辺の長さの和と、前記利用客1人分の幅の情報と、前記所定距離に基づいて、前記同じ辺に座る利用客同士の間の距離が前記所定距離以上離れるように、前記同じ辺の最大着席可能人数を算出し、算出した前記同じ辺の最大着席可能人数に基づいて、前記結合後のテーブルの最大着席可能人数を設定する
情報処理装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の情報処理装置であって、
前記利用客1人分の幅の情報は、少なくとも大人と子供の区分に応じて設定され、
前記制御部は、前記区分に応じて設定された前記利用客1人分の幅の情報に基づいて、前記結合後のテーブルの最大着席可能人数を設定する
情報処理装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の情報処理装置であって、
前記利用客1人分の幅の情報は、少なくとも男女の性別に応じて設定され、
前記制御部は、前記性別に応じて設定された前記利用客1人分の幅の情報に基づいて、前記結合後のテーブルの最大着席可能人数を設定する
情報処理装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記結合後のテーブルの利用時間帯を示す情報を受信し、前記結合後のテーブルの利用時間帯の店舗内のテーブルの利用割合が高いほど前記所定距離を短縮して、前記結合後のテーブルの最大着席可能人数を設定する
情報処理装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、客グループに含まれる利用客の過去の利用履歴に基づく平均消費金額を示す情報を受信し、前記平均消費金額が高いほど前記所定距離を延長して、前記結合後のテーブルの最大着席可能人数を設定する
情報処理装置。
【請求項7】
テーブルごとに、辺の長さを示す情報と、利用客1人分の幅の情報と、を記憶し、
複数のテーブルの結合を示す結合情報を受信した場合、前記複数のテーブルそれぞれの前記辺の長さを示す情報と、前記利用客1人分の幅の情報に基づいて、同じ辺に座る利用客同士の間の距離が所定距離以上離れるように、結合後のテーブルの最大着席可能人数を設定する
コンピュータが実行する情報処理方法。
【請求項8】
コンピュータに、
テーブルごとに、辺の長さを示す情報と、利用客1人分の幅の情報と、を記憶するステップと、
複数のテーブルの結合を示す結合情報を受信した場合、前記複数のテーブルそれぞれの前記辺の長さを示す情報と、前記利用客1人分の幅の情報に基づいて、同じ辺に座る利用客同士の間の距離が所定距離以上離れるように、結合後のテーブルの最大着席可能人数を設定するステップ
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲食店内の設備(テーブル)を管理するための情報処理の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ユーザが飲食店における予約座席を指定することについて記載がある。しかし、テーブルが結合することや分離することについては考慮されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-084196号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
飲食店内の設備、特にテーブルを管理する情報処理の技術分野においては、各テーブルに最大着席可能人数を設定する場合がある。しかし、従来は、上記特許文献1のようにテーブルの結合等について考慮されておらず、テーブルを結合する際、単純に各テーブルの最大着席可能人数を合算していた。
【0005】
しかし、複数のテーブルの間を詰めたことにより、テーブルの角近傍に座る人と、他のテーブルの角近傍に座る人との距離が近くなり、それぞれの人に窮屈さを感じさせる可能性がある。
【0006】
本発明は、各テーブルの最大着席可能人数を設定する情報処理において、座る人に窮屈さを感じさせないようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成する本発明の一実施形態は、記憶部と制御部を具備する情報処理装置である。
上記記憶部は、テーブルごとに、辺の長さを示す情報と、利用客1人分の幅の情報と、を記憶する。
上記制御部は、複数のテーブルの結合を示す結合情報を受信した場合、上記複数のテーブルそれぞれの上記辺の長さを示す情報と、上記利用客1人分の幅の情報に基づいて、同じ辺に座る利用客同士の間の距離が所定の第1の距離以上離れるように、結合後のテーブルの最大着席可能人数を設定する。
【0008】
上記制御部が、上記複数のテーブルそれぞれの上記辺の長さを示す情報と、上記利用客1人分の幅の情報に基づいて、同じ辺に座る利用客同士の間の距離が所定の第1の距離以上離れるように、結合後のテーブルの最大着席可能人数を設定することとしたので、結合後のテーブルに座る人と人との間には少なくとも上記第1の距離が保たれることになり、座る人に窮屈さを感じさせないようにすることができる。
【0009】
上記制御部は、上記同じ辺を構成する上記複数のテーブルそれぞれの辺の長さの和と、上記利用客1人分の幅の情報と、上記第1の距離に基づいて、上記同じ辺に座る利用客同士の間の距離が上記第1の距離以上離れるように、上記同じ辺の最大着席可能人数を算出し、算出した上記同じ辺の最大着席可能人数に基づいて、上記結合後のテーブルの最大着席可能人数を設定してもよい。
【0010】
上記制御部が、上記同じ辺を構成する上記複数のテーブルそれぞれの辺の長さの和と、上記利用客1人分の幅の情報と、上記第1の距離に基づいて、上記同じ辺に座る利用客同士の間の距離が上記第1の距離以上離れるように、上記同じ辺の最大着席可能人数を算出し、算出した上記同じ辺の最大着席可能人数に基づいて、上記結合後のテーブルの最大着席可能人数を設定することとしたので、まず、結合後の一辺(上記同じ辺)の最大着席可能人数を算出し、次に、結合後のテーブル全体の最大着席可能人数を設定することにより、最大着席可能人数の設定が具体的に実現可能になる。
【0011】
上記利用客1人分の幅の情報は、少なくとも大人と子供の区分に応じて設定されてもよい。
この場合、上記制御部は、上記区分に応じて設定された上記利用客1人分の幅の情報に基づいて、上記結合後のテーブルの最大着席可能人数を設定してもよい。
【0012】
上記制御部が、上記区分に応じて設定された上記利用客1人分の幅の情報に基づいて、上記結合後のテーブルの最大着席可能人数を設定することとしたので、子供連れの客グループの来店に際しても最適な最大着席可能人数の設定が可能になる。
【0013】
上記利用客1人分の幅の情報は、少なくとも男女の性別に応じて設定されてもよい。
この場合、上記制御部は、上記性別に応じて設定された上記利用客1人分の幅の情報に基づいて、上記結合後のテーブルの最大着席可能人数を設定してもよい。
【0014】
上記制御部が、上記性別に応じて設定された上記利用客1人分の幅の情報に基づいて、上記結合後のテーブルの最大着席可能人数を設定することとしたので、客グループ内の性別に応じて最適な最大着席可能人数の設定が可能になる。
【0015】
上記制御部は、上記結合後のテーブルの利用時間帯を示す情報を受信し、上記結合後のテーブルの利用時間帯の店舗内のテーブルの利用割合が高いほど上記第1の距離を短縮して、上記結合後のテーブルの最大着席可能人数を設定してもよい。
【0016】
上記制御部が、上記結合後のテーブルの利用時間帯を示す情報を受信し、上記結合後のテーブルの利用時間帯の店舗内のテーブルの利用割合が高いほど上記第1の距離を短縮して、上記結合後のテーブルの最大着席可能人数を設定することとしたので、混雑時にはより多くの人が結合後のテーブルに座れるように最大着席可能人数を設定することができる。
【0017】
上記制御部は、客グループに含まれる利用客の過去の利用履歴に基づく平均消費金額を示す情報を受信し、上記平均消費金額が高いほど上記第1の距離を延長して、上記結合後のテーブルの最大着席可能人数を設定してもよい。
【0018】
上記制御部が、客グループに含まれる利用客の過去の利用履歴に基づく平均消費金額を示す情報を受信し、上記平均消費金額が高いほど上記第1の距離を延長して、上記結合後のテーブルの最大着席可能人数を設定することとしたので、座る人と人の間に過去の利用履歴に基づく上記平均消費金額に相応な距離を確保することができ、顧客満足を獲得できる。
【0019】
上記目的は、以下の実施形態によっても達成できる。
テーブルごとに、辺の長さを示す情報と、利用客1人分の幅の情報と、を記憶し、
複数のテーブルの結合を示す結合情報を受信した場合、上記複数のテーブルそれぞれの上記辺の長さを示す情報と、上記利用客1人分の幅の情報に基づいて、同じ辺に座る利用客同士の間の距離が所定の第1の距離以上離れるように、結合後のテーブルの最大着席可能人数を設定する
情報処理方法。
【0020】
コンピュータに、
テーブルごとに、辺の長さを示す情報と、利用客1人分の幅の情報と、を記憶するステップと、
複数のテーブルの結合を示す結合情報を受信した場合、上記複数のテーブルそれぞれの上記辺の長さを示す情報と、上記利用客1人分の幅の情報に基づいて、同じ辺に座る利用客同士の間の距離が所定の第1の距離以上離れるように、結合後のテーブルの最大着席可能人数を設定するステップ
を実行させるための
プログラム。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、各テーブルの最大着席可能人数を設定する情報処理において、座る人に窮屈さを感じさせないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施形態に係る情報処理装置を含む店舗運営支援システムの構成を示す概念図である。
図2】上記実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成を示す概念図である。
図3】上記実施形態に係る情報処理装置の記憶部が有する情報を示す概念図である。
図4】上記記憶部が有するテーブル情報データベースの記憶内容の一例を示す図である。
図5】上記実施形態におけるテーブル情報を説明するための概念図である。
図6】上記実施形態におけるテーブル結合時の情報処理の手順例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0024】
〔第1の実施形態〕
〔情報処理システム〕
図1は、本実施形態に係る情報処理装置100を含む店舗運営支援システム1の構成を示す概念図である。店舗運営支援システム1は、飲食店の店舗内に情報処理装置100、クラウド上に予約受付サーバ150を有する。予約客は、顧客端末300を用いて予約受付サーバ150にアクセスし、予約要求を送信することで上記飲食店の利用を予約することができる。
【0025】
情報処理装置100は、飲食店の店舗内で飲食店の従業員が操作する。予約受付サーバ150は、情報処理装置100と顧客端末300の間で予約受付を仲介する。予約受付サーバ150は、顧客端末300から予約要求を受信し、予約要求を情報処理装置100に送信する。
【0026】
顧客端末300は、汎用のコンピュータやスマートフォンなどで構成される。顧客は顧客端末300を通して、予約要求を店舗運営支援システム1に提供する。予約要求には、少なくとも予約グループの人数が含まれる。情報処理装置100と予約受付サーバ150は汎用のコンピュータを用いて構成される。
【0027】
〔情報処理装置〕
図2は、本実施形態に係る情報処理装置100のハードウェア構成を示すブロック図である。図2に示すように、情報処理装置100は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、入出力インタフェース15、及び、これらを互いに接続するバス14を備える。
【0028】
CPU11は、必要に応じてRAM13等に適宜アクセスし、各種演算処理を行いながら各ブロック全体を統括的に制御する。ROM12は、CPU11に実行させるOS(Operating System)、プログラムや各種パラメータなどのファームウェアが固定的に記憶されている不揮発性のメモリである。RAM13は、CPU11の作業用領域等として用いられ、OS、実行中の各種アプリケーション、処理中の各種データを一時的に保持する。
【0029】
入出力インタフェース15には、表示部16、操作受付部17、記憶部18、通信部19等が接続される。表示部16は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)、OELD(Organic Electro-Luminescence Display)、CRT(Cathode Ray Tube)等を用いた表示デバイスである。操作受付部17は、例えばマウス等のポインティングデバイス、キーボード、その他の入力装置である。なお、表示部16と操作受付部17を液晶タッチパネルにより一つにまとめてもよい。
【0030】
記憶部18は、例えばHDD(Hard Disk Drive)や、フラッシュメモリ(SSD;Solid State Drive)、その他の固体メモリ等の不揮発性メモリである。当該記憶部18には、上記OSや各種アプリケーション、各種データが記憶される。
【0031】
通信部19は、例えばNIC(Network Interface Card)や無線LAN等の無線通信用の各種モジュールである。通信部19により情報処理装置100は他の装置とデータを送受信できる。
【0032】
また、CPU11はROM12に記憶されているソフトウェアプログラムをロードすることにより本発明の制御部等を構成する。記憶部18は本発明の記憶部として機能する。
【0033】
本実施形態は、図1図2に示す構成を採用することにより、店舗の設備に関する情報を情報技術により管理することが可能になり、店舗運営を効率化させることができる。
【0034】
〔記憶部のデータ〕
図3は、記憶部18が有する情報を示す概念図である。記憶部18は、予約情報データベース181、テーブル情報データベース182、顧客データベース183、設定情報データベース184を記憶する。
【0035】
予約情報データベース181は、上記予約要求に基づいて生成される予約情報を蓄積するデータベースである。予約情報は、来店日時、予約者情報、来店する客グループを構成する利用客の属性を含む。
【0036】
上記予約者情報は、予約客の名前や連絡先等、予約者を特定するための情報である。上記来店日時は、利用時間帯を示す情報の一例である。例えば、予約客により、12月13日の17:30から19:30までのように指定される。上記利用時間帯を示す情報は、利用時間帯そのものでなくても利用開始時間だけであってもよく、「夕飯時」のように利用時間帯を大まかに示していてもよい。
【0037】
上記利用客の属性は、性別(男性であるか女性であるか)、長幼(大人であるか子供であるか)をそれぞれ示す情報である。上記利用客の属性は、例えば、客グループごとに、大人の人数と子供の人数、大人のうちの男性の人数がわかる情報であってもよい。
【0038】
テーブル情報データベース182は、飲食店舗内にあるテーブルに関する情報(テーブル情報)を蓄積するデータベースである。上記テーブル情報は、従業員等による操作受付部17を使用した入力操作等により、あらかじめ生成されている。
【0039】
図4はテーブル情報データベース182の記憶内容の一例を示す図である。図4に示すように、テーブル情報データベース182は、テーブルごとにテーブルの各辺の長さを記憶する。本実施形態では、テーブルが矩形(四角形)であるとして、短辺と長辺の長さをそれぞれ示す情報が、センチメートルを単位としてテーブル情報データベース182に記憶されている。
【0040】
顧客データベース183は、過去に当該店舗を利用した利用客の情報を顧客情報として蓄積したデータベースである。利用客の情報としては、利用客を特定する情報、利用日時、会計した合計金額、来店人数を含む。利用客の情報は、例えば、予約情報に基づいて、CPU11が生成する。
【0041】
また図示しないが、記憶部18には、各テーブルへの現在の利用客の配席状況及び上記予約情報40に対応する予約者が予約時間に配席される予定のテーブルを示す配席予約状況を含む、配席情報が記憶されている。
【0042】
設定情報データベース184は、各種設定値を記憶するが、本実施形態では少なくとも、利用客1人分の幅の情報と、利用客間の距離(第1の距離)の情報を記憶する。利用客1人分の幅と、利用客間の距離は、それぞれ、デフォルト値が記憶されている。本実施形態の変形例においては、利用客の属性に応じた利用客1人分の幅のバリエーション値が記憶されていてもよい。
【0043】
〔テーブル情報とテーブル結合〕
図5は、上記テーブル情報を説明するための概念図である。図5は2つのテーブルと利用客の座席を真上から見下ろしたところを概念的に示している。図4の長辺の長さは図5中、Xで示され、短辺の長さはYで示されている。
【0044】
図5に示されている2つのテーブルを図中の結合辺で結合させて1つの結合後テーブルにする場合、テーブル間の距離が詰められることによって、図中、Pで示されている利用客とQで示されている利用客との間に充分な距離が確保されず、従来技術においては利用客PとQの顧客満足度が低下する可能性がある。
【0045】
利用客Pと利用客Qは、テーブル結合前、それぞれのテーブルの角(コーナー)近傍に配席されていたため、角の方向の隣に気兼ねをすることがない。ところが、Xの長さによっては、テーブル結合により利用客PとQの間の距離が短縮され、利用客PとQは(あるいはその他の客も)窮屈さを感じ、顧客満足度が低下する可能性がある。そこで本実施形態では、以下に述べるテーブル結合の情報処理を行うことによって、座る人に窮屈さを感じさせないようにする。
【0046】
〔テーブル結合の情報処理〕
図6は、情報処理装置100のCPU11が実行するテーブル結合時の情報処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0047】
CPU11は、まず、テーブル結合を示す情報を受信したか否かを判断する(ステップST11)。テーブル結合を示す情報は、例えば、従業員による操作によって、あるいは、予約要求に応じて自動的に、生成される。テーブル結合を示す情報は、例えば、2つのテーブルIDを指定する情報を含み、CPU11はこれに基づいて結合する複数のテーブルの辺の長さを示す情報を取得する。
【0048】
長辺同士を結合するよりも短辺同士を結合させたほうが、結合後テーブルの最大着席可能人数が多いため、本実施形態では図5に示すように、短辺を結合辺とする。
【0049】
CPU11は、テーブル結合を示す情報を受信した場合(ステップST11:Yes)、長辺の長さを示す情報をテーブル情報データベース182から取得する(ステップST12)。
【0050】
次に、CPU11は、利用客1人分の幅の情報を、設定情報データベース184から取得する(ステップST13)。
【0051】
次に、CPU11は、予約要求により生成された予約情報を受信したか否かを判断する(ステップST14)。ステップST11で受信したテーブル結合を示す情報が、予約要求に応じて自動的に生成されたものである場合、CPU11は、予約要求により生成された予約情報を受信したと判断する(ステップST14:Yes)。
【0052】
この場合、CPU11は、予約情報に基づいて、結合後のテーブルの利用時間帯を示す情報を取得する(ステップST15)。続いて、CPU11は、当該利用時間帯の店舗内のテーブルの利用割合を、予約情報データベース181に基づいて算出する(ステップST16)。
【0053】
続いて、CPU11は、算出した利用割合に応じて、最低限確保する利用客間の距離(所定の第1の距離)を設定する(ステップST17)。例えば、下記式のような、上記利用割合が高いほど利用客間の距離が短縮されるような計算式を使って設定する。
(利用客間の距離)=(デフォルトの利用客間の距離)*((係数)/(利用割合))
【0054】
他方で、テーブル結合が予約情報に基づくものではない場合など、CPU11が予約情報を受信していない場合(ステップST14:No)、CPU11は、最低限確保する利用客間の距離(所定の第1の距離)として、設定情報データベース184に記憶されているデフォルト値を用いる。
【0055】
次に、CPU11は、テーブル結合により同じ辺になった2つのテーブルの長辺(以下、「結合後テーブルの長辺」と呼ぶ)の最大着席可能人数を算出する(ステップST18)。具体的には、CPU11は、結合後テーブルの長辺の長さ(結合前テーブルの長辺の長さの和により算出)と、ステップST13で取得した利用客1人分の幅と、ステップST17で設定した最低限確保する利用客間の距離(所定の第1の距離)とを使い、利用客間の距離が、第1の距離を下回らないように、上記最大着席可能人数を算出する。
【0056】
次に、CPU11は、ステップST18で算出した結合後テーブルの長辺以外の辺についても同様に、最大着席可能人数を算出し、算出結果を合算した人数を、結合後のテーブルの最大着席可能人数として設定する(ステップST19)。図6の一連の情報処理の処理結果は、結合後のテーブルの最大着席可能人数だけでなく、各辺の最大着席可能人数も含んだ情報が出力されてもよい。
【0057】
上記実施形態では、上記制御部が、上記複数のテーブルそれぞれの上記辺の長さを示す情報と、上記利用客1人分の幅の情報に基づいて、同じ辺に座る利用客同士の間の距離が所定の第1の距離以上離れるように、結合後のテーブルの最大着席可能人数を設定することとしたので、結合後のテーブルに座る人と人との間には少なくとも上記第1の距離が保たれることになり、座る人に窮屈さを感じさせないようにすることができる。
【0058】
上記実施形態では、上記制御部が、上記同じ辺を構成する上記複数のテーブルそれぞれの辺の長さの和と、上記利用客1人分の幅の情報と、上記第1の距離に基づいて、上記同じ辺に座る利用客同士の間の距離が上記第1の距離以上離れるように、上記同じ辺の最大着席可能人数を算出し、算出した上記同じ辺の最大着席可能人数に基づいて、上記結合後のテーブルの最大着席可能人数を設定することとしたので、まず、結合後の一辺(上記同じ辺)の最大着席可能人数を算出し、次に、結合後のテーブル全体の最大着席可能人数を設定することにより、最大着席可能人数の設定が具体的に実現可能になる。
【0059】
上記実施形態では、上記制御部が、上記結合後のテーブルの利用時間帯を示す情報を受信し、上記結合後のテーブルの利用時間帯の店舗内のテーブルの利用割合が高いほど上記第1の距離を短縮して、上記結合後のテーブルの最大着席可能人数を設定することとしたので、混雑時にはより多くの人が結合後のテーブルに座れるように最大着席可能人数を設定することができる。
【0060】
なお、上記実施形態における、予約情報を受信していない場合に「所定の第1の距離」としてデフォルト値を用いる構成は一例である。予約情報を受信していない場合でも、上記利用割合に、現在時間におけるテーブルの利用率を用いたり過去の同じ時間帯の利用率に基づいた予測値を用いたりして、予約情報を受信した場合と同じく「所定の第1の距離」を動的に設定してもよい。この場合、CPU11がステップST15で取得する、結合後のテーブルの利用時間帯は現在時間から所定の時間(例えば90分間)としてもよい。本構成によっても、混雑時にはより多くの人(予約客もウォークイン客も含む)が結合後のテーブルに座れるように最大着席可能人数を設定することができる。
【0061】
〔変形例〕
上述した実施形態の変形例について、以下に述べる。
【0062】
〔変形例1〕
上記実施形態では、ステップST17で、結合後テーブルの利用時間帯における、飲食店の利用割合に応じて利用者間の距離を設定することとしたが、さらに、予約情報の客グループに含まれる利用客の過去の利用履歴に基づく平均消費金額を示す情報を、顧客情報データベース183から取得して、当該平均消費金額が高いほど上記最低限確保する利用客間の距離(所定の第1の距離)を延長することとしてもよい。
【0063】
この場合、過去の平均消費金額が高い利用客を含む客グループの予約の際には、利用客間の距離が余裕を持って広く設定される。
【0064】
本変形例では、上記制御部が、客グループに含まれる利用客の過去の利用履歴に基づく平均消費金額を示す情報を受信し、上記平均消費金額が高いほど上記第1の距離を延長して、上記結合後のテーブルの最大着席可能人数を設定することとしたので、座る人と人の間に過去の利用履歴に基づく上記平均消費金額に相応な距離を確保することができ、顧客満足を獲得できる。
【0065】
〔変形例2〕
上記実施形態では、ステップST13で、利用客1人分の幅の情報を設定情報データベース184から取得することとしたが、CPU11は、利用客の属性に応じて設定された利用客1人分の幅の情報を取得し、取得した情報に基づいて結合後のテーブルの最大着席可能人数を設定(ステップST14~ST19)してもよい。
【0066】
本変形例では、設定情報データベース184が、利用客1人分の幅のデフォルト値に加え、利用客の属性(性別、長幼)に応じた利用客1人分の幅のバリエーション値を記憶している。
【0067】
CPU11は、利用客が子供の場合の結合後テーブルの最大着席可能人数、大人の場合、男女別の場合の区分に応じて上記最大着席可能人数をそれぞれ設定する。
【0068】
本変形例では、上記制御部が、上記区分に応じて設定された上記利用客1人分の幅の情報に基づいて、上記結合後のテーブルの最大着席可能人数を設定することとしたので、子供連れの客グループの来店に際しても最適な最大着席可能人数の設定が可能になる。
【0069】
また、本変形例では、上記制御部が、上記性別に応じて設定された上記利用客1人分の幅の情報に基づいて、上記結合後のテーブルの最大着席可能人数を設定することとしたので、客グループ内の性別に応じて最適な最大着席可能人数の設定が可能になる。
【0070】
変形例2は、変形例1と組み合わせることができる。
【0071】
なお、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な形で実施することができる。このため、上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。例えば、上述の各処理ステップは処理内容に矛盾を生じない範囲で各処理ステップの一部又は全部を省略したり、任意に順番を変更して又は並列に実行したりすることができる。
【符号の説明】
【0072】
1…店舗運営支援システム
11…CPU
12…ROM
13…RAM
14…バス
15…入出力インタフェース
16…表示部
17…操作受付部
18…記憶部
181…予約情報データベース
182…テーブル情報データベース
183…顧客情報データベース
184…設定情報データベース
19…通信部
100…情報処理装置
150…予約受付サーバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6