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  • 特許-車両の天井構造 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-25
(45)【発行日】2022-08-02
(54)【発明の名称】車両の天井構造
(51)【国際特許分類】
   B60R 7/08 20060101AFI20220726BHJP
   B60R 13/02 20060101ALI20220726BHJP
   B60N 3/00 20060101ALI20220726BHJP
【FI】
B60R7/08 Z
B60R13/02 A
B60N3/00 Z
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019005858
(22)【出願日】2019-01-17
(65)【公開番号】P2020114685
(43)【公開日】2020-07-30
【審査請求日】2021-03-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000110321
【氏名又は名称】トヨタ車体株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】吉田 涼介
(72)【発明者】
【氏名】福島 裕治
【審査官】村山 禎恒
(56)【参考文献】
【文献】実公昭48-030907(JP,Y1)
【文献】実開昭62-197476(JP,U)
【文献】実開昭64-019544(JP,U)
【文献】特開2002-029255(JP,A)
【文献】中国実用新案第207140960(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 7/00 - 7/14
B60R 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のルーフパネルを車室内側から覆うルーフライニングと、前記ルーフライニングの下方に設けられ、前記ルーフライニングと共に前記車両の後方に向けて開口する収容空間を形成するトレイと、を備える車両の天井構造であって、
前記車両の前後方向を前後方向とするとき、
前記ルーフライニングの前端縁は、前記ルーフパネルの前端縁よりも後方に位置しており、
前記トレイの前端縁は、前記ルーフライニングの前端縁よりも前方に位置しており、
前記トレイは、前記ルーフパネルの前端縁を車室内側から覆っており、
前記トレイの前端部には、前記ルーフパネルに当接することで前記ルーフパネルに対する前記トレイの前方への相対変位を規制する規制突部が設けられている、
車両の天井構造。
【請求項2】
前記ルーフライニングの下面及び前記トレイの上面の少なくとも一方には、前記ルーフライニングの前端縁と前記トレイの上面との間の隙間を後方から遮蔽する遮蔽部が車幅方向に沿って延設されている、
請求項1に記載の車両の天井構造。
【請求項3】
前記遮蔽部は、前記トレイと一体成形されている、
請求項2に記載の車両の天井構造。
【請求項4】
前記トレイのうち前記ルーフライニングの前端縁よりも前側の部分には、前記ルーフパネルに固定される固定部が設けられている、
請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の車両の天井構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の天井構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の前席シートの前部上方の天井材に取り付けられ、後方に向かって開口する空所を天井材との間に形成するオーバヘッドトレイ(以下、トレイ)が知られている(例えば、特許文献1参照)。同文献1に記載のトレイは、天井材に対してビスで固定されている。また、トレイの後縁は、ドア開口部側に至るにつれて前方に位置するように車幅方向に対して傾斜している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平11-129821号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載の車両においては、天井材の前端縁がトレイの前端縁よりも車両前方に位置している。このため、トレイが設けられた部分においては、車両の外板を構成するルーフパネルの下方に天井材及びトレイが存在することとなり、車室内の空間が制限されやすい。
【0005】
本発明の目的は、トレイを設けることに起因して車室内の空間が制限されることを抑制できる車両の天井構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための車両の天井構造は、車両のルーフパネルを車室内側から覆うルーフライニングと、前記ルーフライニングの下方に設けられ、前記ルーフライニングと共に前記車両の後方に向けて開口する収容空間を形成するトレイと、を備え、前記車両の前後方向を前後方向とするとき、前記ルーフライニングの前端縁は、前記ルーフパネルの前端縁よりも後方に位置しており、前記トレイの前端縁は、前記ルーフライニングの前端縁よりも前方に位置している。
【0007】
同構成によれば、トレイの前部とルーフパネルの前部との間には、ルーフライニングが介在しない。これにより、トレイの前部とルーフパネルの前部との間にルーフライニングが介在する構成と比較して、トレイの前部をルーフパネルの前部に近接して配置することが可能となる。したがって、トレイを設けることに起因して車室内の空間が制限されることを抑制できる。
【0008】
上記車両の天井構造において、前記ルーフライニングの下面及び前記トレイの上面の少なくとも一方には、前記ルーフライニングの前端縁と前記トレイの上面との間の隙間を後方から遮蔽する遮蔽部が車幅方向に沿って延設されていることが好ましい。
【0009】
トレイの前端縁を、ルーフライニングの前端縁よりも前方に位置させることにより収容空間を構成する場合、ルーフライニングの前端縁とトレイとの間に隙間が生じ、収容空間に収容される収容物が当該隙間に入り込むおそれがある。
【0010】
この点、上記構成によれば、収容空間の前部に遮蔽部が設けられているため、上述した不都合が生じにくくなる。
上記車両の天井構造において、前記遮蔽部は、前記トレイと一体成形されていることが好ましい。
【0011】
同構成によれば、遮蔽部によってトレイの剛性を高めることができる。また、部品点数を少なくすることができる。したがって、遮蔽部を簡易な構成で実現することができる。
上記車両の天井構造において、前記トレイのうち前記ルーフライニングの前端縁よりも前側の部分には、前記ルーフパネルに固定される固定部が設けられていることが好ましい。
【0012】
同構成によれば、トレイのうちルーフライニングの前端縁よりも前側の部分が、固定部によりルーフパネルに固定される。このため、トレイの前部が垂れ下がることを抑制できる。
【0013】
上記車両の天井構造において、前記トレイは、前記ルーフパネルの前端縁を車室内側から覆っていることが好ましい。
同構成によれば、ルーフパネルの前端縁が車室内に露出することをトレイによって抑制できる。したがって、ルーフライニングの前端縁をルーフパネルの前端縁よりも後方に配置することに起因して車室内の意匠性が損なわれることを抑制できる。
【0014】
上記車両の天井構造において、前記トレイの前端部には、前記ルーフパネルに当接することで前記ルーフパネルに対する前記トレイの前方への相対変位を規制する規制突部が設けられていることが好ましい。
【0015】
同構成によれば、トレイの前端部に設けられた規制突部により、ルーフパネルに対するトレイの前方への相対変位が規制される。このため、トレイの前端縁と、ルーフパネルの前方に設けられるウィンドシールドとの間隔を維持することができ、トレイの前端縁とウィンドシールドとの干渉を抑制できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、トレイを設けることに起因して車室内の空間が制限されることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】車両の天井構造の一実施形態について、同構造が適用された車両を車室内側から視た斜視図。
図2】同実施形態のトレイを上側から視た斜視図。
図3】同実施形態の車両の天井構造の断面図であって、図2の3-3線に対応した位置における断面図。
図4】同実施形態の車両の天井構造の断面図であって、図2の4-4線に対応した位置における断面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図1図4を参照して、一実施形態について説明する。
なお、以降において、車両の前後方向を単に前後方向と称し、前後方向の前方及び後方を単に前方及び後方と称する。
【0019】
図1に示すように、車両は、ウィンドシールド101の車幅方向の両側縁に沿って延在する一対のフロントピラー102を備えている。各フロントピラー102は、後側ほど上方に位置するように傾斜している。各フロントピラー102の後方には、上下方向に沿って延在するセンターピラー103が設けられている。なお、同図では、車両の後方から前方を視たときの右側におけるセンターピラー103のみを図示している。各フロントピラー102の上端と各センターピラー103の上端とは、前後方向に沿って延在するルーフサイドレール104に連結されている。
【0020】
図3に示すように、各ルーフサイドレール104同士の間には、ルーフパネル10が設けられている。ルーフパネル10は、車両の外板を構成するパネル本体11と、パネル本体11の前部の下方に設けられた補強板12とを有している。
【0021】
パネル本体11の前部は、後側ほど上方に位置するように傾斜している。パネル本体11の前端部11aは、車室100内側に向かって屈曲され、更に前側に向かって屈曲されている。
【0022】
補強板12は、パネル本体11の前端部11aの下面に接合された前端部12a、前端部12aの後側にて屈曲され、後側ほど下方に位置するように傾斜して延在する前側傾斜部12b、及び前側傾斜部12bの後側にて屈曲され、後側に向けて延在する延在部12cを有している。また、補強板12は、延在部12cの後側にて屈曲され、後側ほど上方に位置するように傾斜して延在する後側傾斜部12d、及び後側傾斜部12dの後側にて屈曲され、パネル本体11に沿って延在するとともにパネル本体11に対向する後端部12eを有している。
【0023】
ルーフパネル10の前端部は、パネル本体11の前端部11aと、補強板12の前端部12aとが上下に重ね合わされて形成されている。なお、パネル本体11の前端部11aと、補強板12の前端部12aとは、例えばスポット溶接により接合されている。
【0024】
ルーフパネル10の前端縁10aは、ウィンドシールド101の後端縁101aよりも下方に位置するとともに、同後端縁101aよりも前方に位置している。
ルーフパネル10の前端部(パネル本体11の前端部11a)とウィンドシールド101の後端部との間は、モール105によってシールされている。
【0025】
図1及び図3に示すように、ルーフパネル10、より詳しくは、補強板12の延在部12cと後側傾斜部12dとの屈曲部分よりも後側の部分は、車室100内側からルーフライニング20により覆われている。
【0026】
図3に示すように、ルーフライニング20の前部は、補強板12の後側傾斜部12d及び補強板12よりも後方に位置するパネル本体11に沿って湾曲している。ルーフライニング20の前端部は、補強板12の上記屈曲部分を覆っている。ルーフライニング20の前端縁20aは、ルーフパネル10の前端縁10aよりも後方に位置している。なお、ルーフライニング20は、例えば織布や不織布により形成されている。
【0027】
図1に示すように、ルーフライニング20の前部における車幅方向の中央部には、車室100内側に向かって突出した膨出部21が形成されている。
図1及び図3に示すように、ルーフパネル10の前部、より詳しくは、補強板12及びルーフライニング20の前部の下方には、ルーフライニング20と共に車両の後方に向けて開口する収容空間90を形成する硬質樹脂製のトレイ30が設けられている。
【0028】
図3に示すように、トレイ30の前部は、補強板12の延在部12cに沿って前方に向かって延在している。また、トレイ30の前端部は、屈曲してウィンドシールド101に向かって延在しており、ルーフパネル10の前端縁10aを車室100内側から覆っている。なお、トレイ30の前端縁30aとウィンドシールド101との間には隙間が設けられている。
【0029】
図2及び図3に示すように、トレイ30の前部、より詳しくは、ルーフライニング20の前端縁20aより前側の部分には、ルーフパネル10の補強板12に固定される複数の固定部31が設けられている。固定部31は、トレイ30の上面から突出する座部32と、座部32に取り付けられる樹脂製のクリップ33とにより構成されている。
【0030】
図2及び図4に示すように、トレイ30の前端部には、複数のリブ40が車幅方向に互いに間隔をおいて突設されている。
複数のリブ40には、複数の規制リブ41が含まれている。なお、規制リブ41が本発明に係る規制突部に相当する。
【0031】
図4に示すように、規制リブ41は、ルーフパネル10の補強板12の前端部12aの下面に当接されている。このことにより、ルーフパネル10に対するトレイ30の前方への相対変位が規制されている。
【0032】
図1及び図2に示すように、トレイ30は、車幅方向に沿って延在する長尺板状をなしている。トレイ30の車幅方向の両端部には、上下方向に沿って貫通するボルト孔34aが設けられている。トレイ30は、各ボルト孔34aに挿通されるボルト(図示略)によって各ルーフサイドレール104に取り付けられている。
【0033】
トレイ30の車幅方向の両端部には、上記ボルトの各々を車室100内側から覆うカバー34が取り付けられている(図1参照)。
トレイ30の車幅方向の両端部には、後方に向かって延在する一対のグリップ部35が設けられている。各グリップ部35の先端部には、車幅方向に沿って貫通するボルト孔35aが設けられている。各グリップ部35の先端部は、各ボルト孔35aに挿通されるボルト(図示略)によって各ルーフサイドレール104に取り付けられている。
【0034】
各グリップ部35の先端部には、上記ボルトの各々を車室100内側から覆うキャップ36が取り付けられている(図1参照)。
図1及び図2に示すように、トレイ30の車幅方向の中央部には、車内照明装置や各種機器のスイッチ(いずれも図示略)などを備えるオーバーヘッドコンソール106が露出する露出口37が設けられている。なお、ルーフライニング20の上記膨出部21は、オーバーヘッドコンソール106の上方に位置する。
【0035】
図2及び図3に示すように、トレイ30の上面には、一対の遮蔽リブ50、一対の遮蔽リブ50の間に位置する内側リブ51、及び一対の遮蔽リブ50の車幅方向外側に位置する一対の外側リブ52が突設されている。
【0036】
各遮蔽リブ50は、車幅方向に沿って延設されており、ルーフライニング20の前端縁20aとトレイ30との間の隙間を後方から遮蔽している。各遮蔽リブ50とルーフライニング20の前端部との間には、僅かに隙間が設けられている(いずれも図3参照)。なお、上記一対の遮蔽リブ50が本発明に係る遮蔽部に相当する。
【0037】
内側リブ51は、露出口37の車幅方向の両外側と後側とを囲んでいる。
各外側リブ52は、一対の遮蔽リブ50の車幅方向外側から後方に向かって延在している。
【0038】
本実施形態では、各遮蔽リブ50、内側リブ51、及び各外側リブ52は1つに連なって設けられており、トレイ30と一体に形成されている。
上記収容空間90は、トレイ30、ルーフライニング20、各遮蔽リブ50、内側リブ51、及び各外側リブ52によって区画されている。なお、上記収容空間90のうち内側リブ51の後方においては、左右の空間が連通されており、長尺物の収納が可能となっている。
【0039】
図2に示すように、トレイ30のうち各遮蔽リブ50の前方には、車幅方向に互いに間隔をおいて設けられた一対の取付孔38が形成されている。
図1及び図3に示すように、一対の取付孔38には、支持部材(図示略)を介してサンバイザー107が取り付けられている。各サンバイザー107は、車幅方向に長い長方形板状をなしており、支持部材を中心に傾動可能に支持されている。各サンバイザー107がトレイ30に沿って寝かされた状態において、各サンバイザー107の後端部は、遮蔽リブ50よりも後方に位置している。
【0040】
トレイ30における遮蔽リブ50よりも後側の部分には、前後方向に長い複数の覗き孔39が車幅方向に互いに間隔をおいて形成されている。各覗き孔39は、トレイ30の下方から収容空間90内を視認するための窓である。本実施形態では、各覗き孔39が、寝かされた状態の各サンバイザー107によって覆われる部分に形成されている。
【0041】
本実施形態の作用及び効果について説明する。
(1)車両の天井構造は、車両のルーフパネル10を車室100内側から覆うルーフライニング20と、ルーフライニング20の下方に設けられ、ルーフライニング20と共に車両の後方に向けて開口する収容空間90を形成するトレイ30とを備える。ルーフライニング20の前端縁20aは、ルーフパネル10の前端縁10aよりも後方に位置しており、トレイ30の前端縁30aは、ルーフライニング20の前端縁20aよりも前方に位置している。
【0042】
こうした構成によれば、トレイ30の前部とルーフパネル10の前部との間には、ルーフライニング20が介在しない。これにより、トレイ30の前部とルーフパネル10の前部との間にルーフライニングが介在する構成と比較して、トレイ30の前部をルーフパネル10の前部に近接して配置することが可能となる。したがって、トレイ30を設けることに起因して車室100内の空間が制限されることを抑制できる。
【0043】
ところで、トレイ30の前部とルーフパネル10の前部との間にルーフライニングが介在する構成においては、ルーフライニングとトレイ30の前端縁30aとの見切りが車室100内から視認されやすく、車室100内の意匠性を損なうものとなっている。
【0044】
この点、上記構成によれば、ルーフライニング20とトレイ30の前端縁30aとの見切りが車室100内から視認されにくいため、上述した不都合が生じない。
(2)トレイ30の上面には、ルーフライニング20の前端縁20aとトレイ30の上面との間の隙間を後方から遮蔽する遮蔽リブ50が車幅方向に沿って延設されている。
【0045】
トレイ30の前端縁30aを、ルーフライニング20の前端縁20aよりも前方に位置させることにより収容空間90を構成する場合、ルーフライニング20の前端縁20aとトレイ30との間に隙間が生じ、収容空間90に収容される収容物が当該隙間に入り込むおそれがある。
【0046】
この点、上記構成によれば、収容空間90の前部に遮蔽リブ50が設けられているため、上述した不都合が生じにくくなる。
(3)遮蔽リブ50は、トレイ30と一体成形されている。
【0047】
こうした構成によれば、遮蔽リブ50によってトレイ30の剛性を高めることができる。また、部品点数を少なくすることができる。したがって、遮蔽リブ50を簡易な構成で実現することができる。
【0048】
(4)トレイ30のうちルーフライニング20の前端縁20aよりも前側の部分には、ルーフパネル10の補強板12に固定される固定部31が設けられている。
こうした構成によれば、トレイ30のうちルーフライニング20の前端縁20aよりも前側の部分が、固定部31によりルーフパネル10の補強板12に固定される。このため、トレイ30の前部が垂れ下がることを抑制できる。
【0049】
(5)トレイ30は、ルーフパネル10の前端縁10aを車室100内側から覆っている。
こうした構成によれば、ルーフパネル10の前端縁10aが車室100内に露出することをトレイ30によって抑制できる。したがって、ルーフライニング20の前端縁20aをルーフパネル10の前端縁10aよりも後方に配置することに起因して車室100内の意匠性が損なわれることを抑制できる。
【0050】
(6)トレイ30の前端部には、ルーフパネル10に当接することでルーフパネル10に対するトレイ30の前方への相対変位を規制する規制リブ41が設けられている。
こうした構成によれば、トレイ30の前端部に設けられた規制リブ41により、ルーフパネル10に対するトレイ30の前方への相対変位が規制される。このため、トレイ30の前端縁と、ルーフパネル10の前方に設けられるウィンドシールド101との間隔を維持することができ、トレイ30の前端縁30aとウィンドシールド101との干渉を抑制できる。
【0051】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・規制リブ41は省略することもできる。
【0052】
・複数のリブ40のうち規制リブ41の数や配置は適宜変更できる。
・トレイ30は、ルーフパネル10の前端縁10aを車室100内側から覆っていなくてもよい。このとき、例えば、トレイ30とは別体の内装部材によりルーフパネル10の前端縁10aを覆うようにしてもよい。
【0053】
・固定部31は省略することもできる。
・遮蔽部は、トレイ30とは別体に構成されるものであってもよい。
・トレイ30の遮蔽リブ50に代えて、ルーフライニング20の下面からトレイ30の上面に向かって突出する部分を遮蔽部として採用することもできる。また、当該遮蔽部と本実施形態の遮蔽リブ50との双方を設けることもできる。
【0054】
・遮蔽リブ50とルーフライニング20とを当接させるようにしてもよい。
・遮蔽リブ50は、車幅方向に互いに間隔をおいて延在するものであってもよい。
・遮蔽リブ50は省略することもできる。
【0055】
・膨出部21を有していないルーフライニングを備える車両に本発明を適用することもできる。
・トレイは、車室100内において車幅方向の全体にわたって延在するものに限定されない。例えば、車幅方向の両側にそれぞれ設けられ、収容空間を個別に形成するトレイであってもよい。
【0056】
・トレイ30は、ルーフサイドレール104に代えてルーフパネル10にボルトにより取り付けられるものであってもよい。
【符号の説明】
【0057】
10…ルーフパネル、10a…前端縁、11…パネル本体、11a…前端部、12…補強板、12a…前端部、12b…前側傾斜部、12c…延在部、12d…後側傾斜部、12e…後端部、20…ルーフライニング、20a…前端縁、21…膨出部、30…トレイ、30a…前端縁、31…固定部、32…座部、33…クリップ、34…カバー、34a…ボルト孔、35…グリップ部、35a…ボルト孔、36…キャップ、37…露出口、38…取付孔、39…覗き孔、40…リブ、41…規制リブ(規制突部)、50…遮蔽リブ(遮蔽部)、51…内側リブ、52…外側リブ、90…収容空間、100…車室、101…ウィンドシールド、101a…後端縁、102…フロントピラー、103…センターピラー、104…ルーフサイドレール、105…モール、106…オーバーヘッドコンソール、107…サンバイザー。
図1
図2
図3
図4