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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-25
(45)【発行日】2022-08-02
(54)【発明の名称】物品搬送設備
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/00 20060101AFI20220726BHJP
   B65G 1/04 20060101ALI20220726BHJP
   H01L 21/677 20060101ALI20220726BHJP
【FI】
B65G1/00 501F
B65G1/04 501
H01L21/68 A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019009607
(22)【出願日】2019-01-23
(65)【公開番号】P2020117351
(43)【公開日】2020-08-06
【審査請求日】2021-02-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】西澤 直幸
(72)【発明者】
【氏名】嶋村 淳一
(72)【発明者】
【氏名】中村 優介
【審査官】板澤 敏明
(56)【参考文献】
【文献】実開昭63-162704(JP,U)
【文献】特開2001-240210(JP,A)
【文献】特開2018-039660(JP,A)
【文献】特開平08-085607(JP,A)
【文献】特開2005-255396(JP,A)
【文献】特開2000-128308(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00-1/133
H01L 21/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を収納する収納部を上下方向及び横幅方向に複数並ぶ状態で備えた物品収納棚と、
開口部と、
前記開口部を介した物品の搬入と物品の搬出とのうちの少なくとも一方が行われるポート部と、
前記ポート部から前記収納部への物品の搬送又は前記収納部から前記ポート部への物品の搬送を行う物品搬送装置と、を備えた物品搬送設備であって、
上下方向に沿う上下方向視で前記横幅方向に対して直交する方向を奥行方向として、
複数の前記収納部の夫々は、前記奥行方向に並ぶ状態でN個(Nは2以上の整数)の物品を収納可能に構成され、
前記物品搬送装置は、搬送対象のN個の物品である対象物品群が前記奥行方向に並ぶ状態で当該対象物品群を支持する搬送支持部を備え、
前記ポート部は、前記対象物品群が一列に並ぶ状態で前記対象物品群を支持する支持体と、前記支持体を上下方向に沿う軸心周りに旋回させる旋回部と、を備え、
前記旋回部は、前記支持体に支持された前記対象物品群が前記横幅方向に並ぶ第1状態と、前記対象物品群が前記奥行方向に並ぶ第2状態と、に状態変化させるように前記支持体を旋回させ
前記開口部の開口面は、前記横幅方向に沿うように設けられ、
前記開口部は、前記ポート部に対して前記奥行方向における前記物品搬送装置の側とは反対側であって、前記ポート部に隣接する位置に形成されている、物品搬送設備。
【請求項2】
前記旋回部の旋回軸心は、前記第2状態であって前記支持体が支持可能な最大個数の物品を支持した状態である場合に、前記対象物品群のうち最も前記開口部に近い物品と上下方向視で重なる位置に設定されている、請求項1に記載の物品搬送設備。
【請求項3】
前記支持体は、N個の物品が同じ高さで一列に並ぶ状態で前記対象物品群を支持する、請求項1又は2に記載の物品搬送設備。
【請求項4】
前記ポート部は、前記支持体を上下方向に沿って移動させる昇降部を備えている、請求項1から3のいずれか一項に記載の物品搬送設備。
【請求項5】
前記ポート部への物品の搬入が完了したことを示す搬入完了信号の入力を受け付ける搬入完了受付部を更に備え、
前記ポート部が物品の搬入に用いられる場合、
前記ポート部を制御するポート制御部は、前記搬入完了信号の入力を受け付けたことに伴って前記第1状態から前記第2状態に状態変化させるように前記支持体を旋回させ、前記物品搬送装置によって前記ポート部から物品が搬送されたことに伴って前記第2状態から前記第1状態(横)に状態変化させるように前記支持体を旋回させる、請求項1から4のいずれか一項に記載の物品搬送設備。
【請求項6】
前記ポート部からの物品の搬出が完了したことを示す搬出完了信号の入力を受け付ける搬出完了受付部を更に備え、
前記ポート部が物品の搬出に用いられる場合、
前記ポート部を制御するポート制御部は、前記搬出完了信号の入力を受け付けたことに伴って前記第1状態から前記第2状態に状態変化させるように前記支持体を旋回させ、前記物品搬送装置によって前記ポート部に物品が搬送されたことに伴って前記第2状態から前記第1状態に状態変化させるように前記支持体を旋回させる、請求項1から5のいずれか一項に記載の物品搬送設備。
【請求項7】
前記ポート部が設置されている領域に作業者が侵入したことを検出するセンサを更に備え、
前記ポート部を制御するポート制御部は、前記旋回部による前記支持体の旋回中に前記センサにより作業者を検出した場合には前記支持体の旋回を停止させる、請求項1から6のいずれか一項に記載の物品搬送設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を収納する収納部を上下方向及び横幅方向に複数並ぶ状態で備えた物品収納棚と、物品の搬入と物品の搬出とのうちの少なくとも一方が行われるポート部と、前記ポート部から前記収納部への物品の搬送又は前記収納部から前記ポート部への物品の搬送を行う物品搬送装置と、を備えた物品搬送設備に関する。
【背景技術】
【0002】
このような物品搬送設備として、例えば、特開2016-196361号公報(特許文献1)に記載されたものが知られている。以下、背景技術の説明において、かっこ書きの符号又は名称は、先行技術文献における符号又は名称とする。この特許文献1に記載の物品搬送設備は、ポート部に搬入された物品(B)を物品搬送装置(C)によって収納部に搬送し、収納部に収納されている物品を物品搬送装置によってポート部に搬送する。また、特開2008-174335号公報(特許文献2)に記載の物品搬送設備は、物品収納棚(保管棚2)における収納部の夫々が、奥行方向に2個の物品(保管物9)を並べた状態で収納可能に構成して収納効率を高めると共に、物品搬送装置(スタッカ装置4)が、奥行方向に2個の物品を並べた状態で支持する支持部(ハンド47)を備えて、物品搬送装置によって2個の物品を同時に搬送可能に構成することで搬送効率を高めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-196361号公報
【文献】特開2008-174335号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
物品収納棚の収納効率や物品搬送装置の搬送効率を高めるために、特許文献1に記載されたようなポート部を有する物品搬送設備において、特許文献2に記載された構成のように、物品収納棚の収納部を2個の物品を奥行方向に並べた状態で収納できるようにすると共に、物品搬送装置の搬送支持体に2個の物品を奥行方向に並べた状態で支持できるようにすることが考えられる。しかし、このように特許文献1の物品搬送設備において特許文献2に記載の構成を採用したとしても、ポート部の支持体は1個の物品のみを支持できる構成であるので、搬送効率を高めにくかった。そこで、ポート部においても奥行方向に2個の物品を並べて支持できるように構成することが考えられるが、物品搬送設備の外部からポート部に対して物品の搬入や搬出を行う場合に、奥行方向における外部から遠い側の位置に対する物品の搬入や搬出が行い難いという問題が生じる。
【0005】
そこで、搬送効率を高めながらポート部に対する物品の搬入又は搬出が行い易い物品搬送設備の実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記に鑑みた、物品搬送設備の特徴構成は、物品を収納する収納部を上下方向及び横幅方向に複数並ぶ状態で備えた物品収納棚と、開口部と、前記開口部を介した物品の搬入と物品の搬出とのうちの少なくとも一方が行われるポート部と、前記ポート部から前記収納部への物品の搬送又は前記収納部から前記ポート部への物品の搬送を行う物品搬送装置と、を備えた物品搬送設備であって、
上下方向に沿う上下方向視で前記横幅方向に対して直交する方向を奥行方向として、複数の前記収納部の夫々は、前記奥行方向に並ぶ状態でN個(Nは2以上の整数)の物品を収納可能に構成され、前記物品搬送装置は、搬送対象のN個の物品である対象物品群が前記奥行方向に並ぶ状態で当該対象物品群を支持する搬送支持部を備え、前記ポート部は、前記対象物品群が一列に並ぶ状態で前記対象物品群を支持する支持体と、前記支持体を上下方向に沿う軸心周りに旋回させる旋回部と、を備え、前記旋回部は、前記支持体に支持された前記対象物品群が前記横幅方向に並ぶ第1状態と、前記対象物品群が前記奥行方向に並ぶ第2状態と、に状態変化させるように前記支持体を旋回させ、前記開口部の開口面は、前記横幅方向に沿うように設けられ、前記開口部は、前記ポート部に対して前記奥行方向における前記物品搬送装置の側とは反対側であって、前記ポート部に隣接する位置に形成されている点にある。
【0007】
これらの特徴構成によれば、複数の物品収納棚の夫々に、N個の物品を奥行方向に並べて収納できるので、物品収納棚の収納効率を高めることができる。また、物品搬送装置の搬送支持部は、N個の搬送対象の物品である対象物品群を奥行方向に並べて支持可能であるため、物品搬送装置の搬送効率を高めることができる。そして、ポート部を第2状態に状態変化させることで、対象物品群が奥行方向に並ぶように支持体を配置することができる。そのため、物品搬送装置が、N個の物品を纏めてポート部に搬送することやN個の物品を纏めてポート部から搬送することが可能となり、物品搬送装置の搬送効率を高めることができる。また、ポート部を第1状態に状態変化させることで、対象物品群が横幅方向に並ぶように支持体を配置することができる。そのため、ポート部に対して奥行方向の一方側から作業を行う場合に、支持体に物品を搬入する作業や支持体から物品を搬出する作業が行い易くなる。このように、本構成によれば、物品搬送装置の搬送効率を高めながらポート部に対する物品の搬入又は搬出が行い易くなる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】物品搬送設備の平面図
図2】物品搬送設備の側面図
図3】搬入用ポート部及び搬出用ポート部の正面図
図4】第1状態の搬入用ポート部の平面図
図5】第2状態の搬入用ポート部の平面図
図6】第1状態で且つ第1高さの搬入用ポート部の正面図
図7】第2状態で且つ第2高さの搬入用ポート部の正面図
図8】制御ブロック図
図9】物品搬送制御のフローチャート
図10】搬入用ポート制御のフローチャート
図11】搬出用ポート制御のフローチャート
図12】非常停止制御のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
1.実施形態
物品搬送設備の実施形態について図面に基づいて説明する。
図1及び図2に示すように、物品搬送設備は、物品Wを収納する収納部1を上下方向Z及び横幅方向Yに複数並ぶ状態で備えた物品収納棚2と、物品Wの搬入と物品Wの搬出とのうちの少なくとも一方が行われるポート部3と、ポート部3から収納部1への物品Wの搬送又は収納部1からポート部3への物品Wの搬送を行う物品搬送装置4と、を備えている。
【0010】
物品収納棚2は、互いに対向する状態で一対設置されている。本実施形態では、物品搬送装置4としてスタッカークレーンが設置されており、物品搬送装置4は、一対の物品収納棚2の間に形成されている走行経路Lを横幅方向Yに沿って走行する。また、本例では、物品搬送装置4は、ガラス基板を複数枚収容したカセットを物品Wとして搬送する。また、本実施形態では、物品搬送設備は、物品Wの搬入に用いられる搬入用ポート部3Aと、物品Wの搬出に用いられる搬出用ポート部3Bと、の一対のポート部3を備えている。物品搬送装置4は、搬入用ポート部3Aから収納部1への物品Wの搬送と、収納部1から搬出用ポート部3Bへの物品Wの搬送と、を行う。
【0011】
容器収納設備100、領域Aの側周囲を覆う壁体5と、領域Aの上方に設置されたファンフィルタユニット6(図2参照)と、を備えている。物品収納棚2、ポート部3、及び物品搬送装置4は、領域Aに設置されており、ファンフィルタユニット6の作用によって、領域Aを天井側から床側に向けて清浄空気が流動する。
【0012】
以下、物品搬送設備について説明を加えるが、上下方向Zに沿う上下方向視で横幅方向Yに対して直交する方向を奥行方向Xと称して説明する。また、奥行方向Xにおいて、物品収納棚2に対して走行経路Lが存在する方向を手前側X1と称し、手前側X1とは反対側を奥側X2と称して説明する。
【0013】
〔収納部〕
複数の収納部1の夫々は、奥行方向Xに並ぶ状態でN個(Nは2以上の整数)の物品Wを収納可能に構成されている。本実施形態では、収納部1には、第1収納位置1Aと、この第1収納位置1Aより奥側X2に設定された第2収納位置1Bと、が設定されている。この収納部1は、第1収納位置1Aと第2収納位置1Bとの夫々に物品Wを収納することで、奥行方向Xに並ぶ状態で2個の物品Wを収納可能に構成されている。
【0014】
〔物品搬送装置〕
図2に示すように、物品搬送装置4は、走行経路Lを横幅方向Yに沿って走行する走行体8と、走行体8に立設されたマスト9と、マスト9に沿って上下方向Zに沿って昇降する昇降体10と、昇降体10に支持されて収納部1及びポート部3と自己との間で物品Wを移載する移載装置11と、移載装置11を昇降体10に対して上下方向Zに沿う軸心周りに回転させる旋回装置12と、を備えている。物品搬送装置4は、走行体8の走行、昇降体10の昇降、および、移載装置11及び旋回装置12の作動により、収納部1とポート部3との間で物品Wを搬送する。
【0015】
移載装置11は、物品Wを支持する搬送支持部16と、搬送支持部16を奥行方向Xに沿って出退移動させる出退部17と、を備えている。出退部17は、昇降体10が存在する手前側X1に引退させた引退位置(図1及び図2に示す位置)と、収納部1が存在する奥側X2に突出させた突出位置(図示せず)と、に搬送支持部16を出退移動させる。移載装置11は、搬送支持部16の出退と、昇降部23の昇降による移載装置11全体の昇降と、により、収納部1又はポート部3と自己との間で物品Wを移載する。また、移載装置11は、旋回装置12によって移載装置11の全体が180度旋回することで、一対の物品収納棚2の何れの収納部1との間でも物品Wを移載可能となっている。
【0016】
搬送支持部16は、搬送対象のN個の物品Wである対象物品群WGが奥行方向Xに並ぶ状態で対象物品群WGを支持可能に構成されている。本実施形態では、搬送支持部16は、第1搬送支持部16Aと、この第1搬送支持部16Aに対して奥行方向Xに並ぶ第2搬送支持部16Bと、を有している。この搬送支持部16は、第1搬送支持部16Aと第2搬送支持部16Bとの夫々に搬送対象の物品Wを支持することで、2個の搬送対象の物品Wを奥行方向Xに並ぶ状態で支持可能に構成されている。本例では、これら搬送対象の2個の物品Wが対象物品群WGを構成する。このように、物品搬送装置4は、対象物品群WGが奥行方向Xに並ぶ状態で当該対象物品群WGを支持する搬送支持部16を備えている。
【0017】
移載装置11は、収納部1に2個の物品Wが収納されている場合に、その2個の物品Wを搬送対象の物品W(対象物品群WG)として、搬送支持部16の出退と移載装置11の昇降とによって、収納部1から搬送支持部16に移載することができるように構成されている。また、移載装置11は、収納部1に1個の物品Wのみが収納されている場合は、その1個の物品Wを搬送対象の物品Wとして、搬送支持部16の出退と移載装置11の昇降とによって、収納部1から搬送支持部16に移載することができるように構成されている。また、収納部1に2個の物品Wが収納されている場合でも、搬送支持部16の突出量を変更することで、収納部1に収納されている2個の物品Wのうちの第1収納位置1Aにある物品Wのみを搬送対象の物品Wとして、搬送支持部16の出退と移載装置11の昇降とによって、収納部1から搬送支持部16に移載することができるように構成されている。このように、移載装置11は、1個又は2個の物品Wを収納部1から搬送支持部16に移載することができるように構成されている。
【0018】
また、移載装置11は、物品Wを収納部1から搬送支持部16に移載する場合の逆の手順で物品Wを移載することで、1個又は2個の物品Wを搬送支持部16から収納部1に移載することができるように構成されている。また、移載装置11は、収納部1に対して物品Wを移載する場合と同様に、1個又は2個の物品Wを第2状態の搬入用ポート部3Aの支持体21から搬送支持部16に移載することができ、1個又は2個の物品Wを搬送支持部16から第2状態の搬出用ポート部3Bの支持体21に移載することができるように構成されている。このように、本実施形態では、物品搬送装置4は、1個からN個のうちの任意の個数の物品Wを搬送対象として搬送するように構成されている。そして、搬送対象の物品Wが複数である場合には、それら複数の物品Wを対象物品群WGと称する。
【0019】
〔ポート部〕
図2から図7に示すように、ポート部3は、対象物品群WGが一列に並ぶ状態で対象物品群WGを支持する支持体21と、支持体21を上下方向Zに沿う旋回軸心周りに旋回させる旋回部22と、支持体21を上下方向Zに沿って昇降させる昇降部23と、を備えている。本実施形態では、支持体21は、対象物品群WGを構成するN個の物品Wが同じ高さで一列に並ぶ状態で、当該対象物品群WGを支持するように構成されている。ここでは、支持体21における物品Wを支持する支持面が水平方向に沿う面とされている。また、本実施形態では、支持体21は、第1ポート支持部21Aと、この第1ポート支持部21Aに対して上下方向視で隣接する第2ポート支持部21Bと、を有している。ポート部3は、第1ポート支持部21Aと第2ポート支持部21Bとの夫々に物品Wを支持することで、2個の搬送対象の物品Wで構成される対象物品群WGを一列に並ぶ状態で支持可能に構成されている。
【0020】
旋回部22は、支持体21に支持された対象物品群WGが横幅方向Yに並ぶ第1状態(図1図5及び図7に示す搬入用ポート部3Aの状態)と、支持体21に支持された対象物品群WGが奥行方向Xに並ぶ第2状態(図4及び図6に示す搬入用ポート部3Aの状態、並びに、図2に示す搬出用ポート部3Bの状態)と、に状態変化させるように支持体21を旋回させる。本実施形態では、図4及び図5に示すように、旋回軸心Pは、上下方向視で第2ポート支持部21Bに支持されている物品Wと重なる位置に設定されている。旋回部22は、図4に示す第2状態から支持体21を旋回軸心P周りに時計回りに90度旋回させることで図5に示す第1状態に状態変化させ、図5に示す第1状態から支持体21を旋回軸心P周りに反時計回りに90度旋回させることで図4に示す第2状態に状態変化させる。
【0021】
図1及び図3に示すように、壁体5における搬入用ポート部3Aに対応する位置には、搬入用開口部26が形成されている。この搬入用開口部26は、搬入用ポート部3Aに対して奥側X2に隣接する位置に形成されている。本実施形態では、搬入用ポート部3Aへの物品Wの搬入は作業者が行う。具体的には、作業者が、物品Wを搬入用開口部26を通して第1設置領域A1に入れ、その物品Wを搬入用ポート部3Aの第1ポート支持部21A又は第2ポート支持部21Bに載せるようにして、物品Wを搬入する。このように、搬入用ポート部3Aに対して奥側X2(容器収納設備100の外側)から物品Wを搬入する作業を行う。尚、作業者による物品Wの搬入は、作業者が物品Wを直接手で持って行ってもよく、物品Wを支持した台車を作業者が操作して行ってもよい。また、第1設置領域A1は、容器収納設備100内の領域Aの一部であり、搬入用ポート部3Aが設置されている領域である。この第1設置領域A1は、走行経路Lと搬入用開口部26との間に設けられている。
【0022】
壁体5における搬出用ポート部3Bに対応する位置には、搬出用開口部27が形成されている。この搬出用開口部27は、搬出用ポート部3Bに対して奥側X2に隣接する位置に形成されている。本実施形態では、搬出用ポート部3Bからの物品Wの搬出は作業者が行う。具体的には、作業者が、第1状態の搬出用ポート部3Bの第1ポート支持部21A又は第2ポート支持部21Bに載せられている物品Wを持ち上げ、搬出用開口部27を通して当該物品Wを第2設置領域A2から出すようにして、物品Wを搬出する。このように、搬出用ポート部3Bに対して奥側X2(容器収納設備100の外側)から物品Wを搬出する作業を行う。尚、作業者による物品Wの搬出は、作業者が物品Wを直接手で持って行ってもよく、物品Wを支持した台車を作業者が操作して行ってもよい。また、第2設置領域A2は、容器収納設備100内の領域Aの一部であり、搬出用ポート部3Bが設置されている領域である。この第2設置領域A2は、走行経路Lと搬出用開口部27との間に設けられている。
【0023】
物品搬送設備には、ポート部3が設置されている領域に異物が侵入したことを検出するセンサ28と、センサ28が異物を検出した場合に作動する報知装置29と、ポート部3に対する作業が終了した場合に作業者が操作する操作部30と、が備えられている。センサ28として、第1設置領域A1に異物が侵入したことを検出する第1センサ28Aと、第2設置領域A2に異物が侵入したことを検出する第2センサ28Bと、が備えられている。報知装置29として、第1センサ28Aが異物を検出した場合に作動する第1報知装置29Aと、第2センサ28Bが異物を検出した場合に作動する第2報知装置29Bと、が備えられている。操作部30として、搬入用ポート部3Aに物品Wを搬入する作業が終了した場合に作業者が操作する第1操作部30Aと、搬出用ポート部3Bから物品Wを搬出する作業が終了した場合に作業者が操作する第2操作部30Bと、が備えられている。
【0024】
本実施形態では、センサ28は、設置領域(第1設置領域A1、第2設置領域A2)に対して奥側X2から異物が侵入した場合に、その異物を検出するように設置されている。具体的には、第1センサ28Aは、搬入用開口部26に設置されており、搬入用開口部26を通して第1設置領域A1に侵入した異物を検出する。また、第2センサ28Bは、搬出用開口部27に設置されており、搬出用開口部27を通して第2設置領域A2に侵入した異物を検出する。つまり、本実施形態では、作業者を異物としており、作業者が設置領域に侵入した場合にその作業者をセンサ28によって検出するようになっている。また、本実施形態では、センサ28は物品搬送装置4を異物として検出しない。
【0025】
〔制御装置〕
図8に示すように、物品搬送設備は、物品搬送装置4及びポート部3を制御する制御装置Hを備えている。この制御装置Hは、ポート部3を制御するポート制御部H1としての機能を備えている。また、第1操作部30Aは、第1操作部30Aが押し操作された場合に搬入完了信号を制御装置Hに送信する。つまり、制御装置Hは、ポート部3への物品Wの搬入が完了したことを示す搬入完了信号を受け付ける搬入完了受付部H2としての機能を備えている。また、第2操作部30Bは、第2操作部30Bが押し操作された場合に搬出完了信号を制御装置Hに送信する。つまり、制御装置Hは、ポート部3からの物品Wの搬出が完了したことを示す搬出完了信号の入力を受け付ける搬出完了受付部H3としての機能を備えている。
【0026】
制御装置Hは、搬入制御と搬出制御とを実行する。搬入制御では、制御装置Hは、搬入完了信号を受け付けたことに伴って搬入用ポート部3Aから収納部1に物品Wを搬送するように、物品搬送装置4を制御する。搬出制御では、制御装置Hは、上位のコントローラ等(図示せず)からの搬出指令を受け付けたことに伴って収納部1から搬出用ポート部3Bに物品Wを搬送するように、物品搬送装置4を制御する。
【0027】
制御装置Hは、第1変更制御と第2変更制御と第3変更制御と第4変更制御とを実行する。第1変更制御は、制御装置Hが搬入完了信号の入力を受け付けたことに伴って第1状態から第2状態に状態変化させるように支持体21を旋回させる制御である。第2変更制御は、物品搬送装置4によってポート部3から物品Wが搬送されたことに伴って、ポート部3を第2状態から第1状態に状態変化させるように支持体21を旋回させる制御である。第3変更制御は、物品搬送装置4によってポート部3に物品Wが搬送されたことに伴って、ポート部3を第2状態から第1状態に状態変化させるように支持体21を旋回させる制御である。第4変更制御は、制御装置Hが搬出完了信号の入力を受け付けたことに伴って、ポート部3を第1状態から第2状態に状態変化させるように支持体21を旋回させる制御である。
【0028】
第1変更制御及び第2変更制御は、ポート部3が物品Wの搬入に用いられる場合にそのポート部3に対して実行される。つまり、本実施形態では、第1変更制御及び第2変更制御は、搬入用ポート部3Aに対して実行される。また、第3変更制御及び第4変更制御は、ポート部3が物品Wの搬出に用いられる場合にそのポート部3に対して実行される。つまり、本実施形態では、第3変更制御及び第4変更制御は、搬出用ポート部3Bに対して実行される。
【0029】
また、制御装置Hは、停止制御と報知制御とを実行する。停止制御は、ポート部3が設置されている領域に異物が侵入したことをセンサ28が検出した場合においてポート部3が第1状態でない場合に、ポート部3及び物品搬送装置4を非常停止させる制御である。ここで、ポート部3が第1状態でない場合には、当該ポート部3が第1状態から第2状態に状態変化のために旋回中、及び、第2状態から第1状態に状態変化のために旋回中を含む。従って、この停止制御により、制御装置Hは、旋回部22による支持体21の旋回中にセンサ28により作業者を検出した場合には支持体21の旋回を停止させる。本実施形態では、停止制御は、第1設置領域A1に異物が侵入したことを第1センサ28Aが検出した場合において、搬入用ポート部3Aが第1状態でない場合には、搬入用ポート部3A及び物品搬送装置4を非常停止させる制御である。また、停止制御は、第2設置領域A2に異物が侵入したことを第2センサ28Bが検出した場合において、搬出用ポート部3Bが第1状態でない場合には、搬出用ポート部3B及び物品搬送装置4を非常停止させる制御である。
【0030】
報知制御は、ポート部3が設置されている領域に異物が侵入したことをセンサ28が検出した場合に、報知装置29を作動させる制御である。本実施形態では、ポート部3が設置されている領域に異物が侵入したことをセンサ28が検出した場合において、ポート部3が第1状態でない場合に、報知装置29を作動させる制御である。より詳しくは、報知制御は、第1設置領域A1に異物が侵入したことを第1センサ28Aが検出した場合において、搬入用ポート部3Aが第1状態でない場合に、第1報知装置29Aを作動させる制御である。また報知制御は、第2設置領域A2に異物が侵入したことを第2センサ28Bが検出した場合において、搬出用ポート部3Bが第1状態でない場合に、第2報知装置29Bを作動させる制御である。
【0031】
次に、図9に示すフローチャートに基づいて、制御装置Hによる物品搬送装置4の制御(物品搬送制御)について説明する。制御装置Hは、搬送完了信号を受け付け(S1:Yes)、且つ、この搬送完了信号の受け付けに伴って実行される第1変更制御が完了したこと(S2:Yes)に伴って、搬入制御を実行する(S3)。また、制御装置Hは、搬送指令を受け付けたこと(S4:Yes)に伴って、搬出制御を実行する(S5)。
【0032】
次に、図10に示すフローチャートに基づいて、制御装置Hによる搬入用ポート部3Aの制御(搬入用ポート制御)について説明する。制御装置Hは、搬入完了信号を受け付けたこと(S11:Yes)に伴って、第1変更制御を実行する(S12)。そして、この搬入完了信号を受け付けたことに伴って実行される搬入制御が完了したこと(S13:Yes)に伴って、第2変更制御を実行する(S14)。
【0033】
次に、図11に示すフローチャートに基づいて、制御装置Hによる搬出用ポート部3Bの制御(搬出用ポート制御)について説明する。制御装置Hは、搬出制御が完了したこと(S21:Yes)に伴って、第3変更制御を実行する(S22)。そして、搬出完了信号を受け付けたこと(S23:Yes)に伴って、第4変更制御を実行する(S24)。
【0034】
次に、図12に示すフローチャートに基づいて、制御装置Hが実行する非常停止制御について説明する。制御装置Hは、第1センサ28Aが異物を検出した場合(S31:Yes)において、搬入用ポート部3Aが第1状態でない場合(S32:No)は、停止制御及び報知制御を実行する(S35)が、第1センサ28Aが異物を検出した場合(S31:Yes)において、搬入用ポート部3Aが第1状態である場合(S32:Yes)は、停止制御及び報知制御を実行しない。また、制御装置Hは、第2センサ28Bが異物を検出した場合(S33:Yes)において、搬出用ポート部3Bが第1状態でない場合(S34:No)は、停止制御及び報知制御を実行する(S35)が、第2センサ28Bが異物を検出した場合(S33:Yes)において、搬出用ポート部3Bが第1状態である場合(S34:Yes)は、停止制御及び報知制御を実行しない。
【0035】
2.その他の実施形態
次に、物品搬送設備のその他の実施形態について説明する。
【0036】
(1)上記の実施形態では、ポート部3として、搬入用ポート部3Aと搬出用ポート部3Bとを備えた構成を例として説明した。しかし、これには限定されず、ポート部3として、搬入用ポート部3Aと搬出用ポート部3Bとのうちのいずれか一方のみを備えた構成であってもよい。また、1つのポート部3が、物品Wの搬入と物品Wの搬出との双方を行う構成としてもよい。また、単数又は複数のポート部3を備える構成において、各ポート部3の機能を設定変更により搬入用と搬出用とに適宜変更可能に構成されていてもよい。
【0037】
(2)上記の実施形態では、Nを2とし、対象物品群WGを搬送対象の2個の物品Wとした。しかし、Nを3以上とし、対象物品群WGが、最大3個以上の物品Wにより構成されてもよい。
【0038】
(3)上記の実施形態では、支持体21が、N個の物品Wを同じ高さで支持する構成を例として説明した。しかし、これには限定されず、支持体21が、N個の物品Wのうちの一部又は全部の物品Wを互いに異なる高さで支持するように構成されていてもよい。例えば、支持体21が、2個の物品Wを支持する場合、第1ポート支持部21Aに支持されている物品Wと第2ポート支持部21Bに支持されている物品Wとを互いに異なる高さで支持するように構成されていてもよい。
【0039】
(4)上記の実施形態では、ポート部3が昇降部23を備える構成を例として説明した。しかし、これには限定されず、ポート部3が昇降部23を備えない構成であってもよい。例えば、支持体21に対して物品Wを搬入又は搬出する場合の支持体21の高さと、物品搬送装置4が支持体21との間で物品Wを移載する場合の支持体21の高さと、が同じ場合などには、ポート部3は昇降部23を備えなくてもよい。
【0040】
(5)上記の実施形態では、第1操作部30Aが操作されるに伴って第1操作部30Aから送信される信号を搬入完了信号とした。しかし、搬入完了信号はこれに限定されない。例えば、搬入用ポート部3Aの支持体21に支持されている物品Wの存在を検出する在荷センサを備え、この在荷センサが物品Wを検出するに伴って在荷センサから送信される信号を搬入完了信号としてもよい。また、別に設置された搬入用搬送装置によって搬入用ポート部3Aに物品Wを搬入する場合に、当該搬入用搬送装置による物品Wの搬入用ポート部3Aへの搬入が完了されるに伴って搬入用搬送装置から送信される信号を搬入完了信号としてもよい。
【0041】
(6)上記の実施形態では、第2操作部30Bが操作されるに伴って第2操作部30Bから送信される信号を搬出完了信号とした。しかし、搬出完了信号はこれに限定されない。例えば、搬出用ポート部3Bの支持体21に支持されている物品Wの存在を検出する在荷センサを備え、この在荷センサが物品Wを検出しなくなるに伴って在荷センサから送信される信号を搬送完了信号としてもよい。また、別に設置された搬出用搬送装置によって搬出用ポート部3Bから物品Wを搬出する場合に、当該搬出用搬送装置による物品Wの搬出用ポート部3Bからの搬出が完了されるに伴って搬出用搬送装置から送信される信号を搬出完了信号としてもよい。
【0042】
(7)上記の実施形態では、旋回部22による支持体21の旋回中にセンサ28により、ポート部3が設置されている領域に作業者が侵入したことを検出した場合に、支持体21の旋回を停止させる構成を例として説明した。しかし、支持体21の旋回の停止条件はこれに限定されない。例えば、センサ28に加えて又は代えて、物品搬送設備が非常停止用の操作部を備え、非常停止用の操作部が操作された場合に、旋回部22による支持体21の旋回を停止させる構成としてもよい。
【0043】
(8)なお、上述した各実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【0044】
3.上記実施形態の概要
以下、上記において説明した物品搬送設備の概要について説明する。
【0045】
物品搬送設備は、物品を収納する収納部を上下方向及び横幅方向に複数並ぶ状態で備えた物品収納棚と、物品の搬入と物品の搬出とのうちの少なくとも一方が行われるポート部と、前記ポート部から前記収納部への物品の搬送又は前記収納部から前記ポート部への物品の搬送を行う物品搬送装置と、を備えた物品搬送設備であって、上下方向に沿う上下方向視で前記横幅方向に対して直交する方向を奥行方向として、複数の前記収納部の夫々は、前記奥行方向に並ぶ状態でN個(Nは2以上の整数)の物品を収納可能に構成され、前記物品搬送装置は、搬送対象のN個の物品である対象物品群が前記奥行方向に並ぶ状態で当該対象物品群を支持する搬送支持部を備え、前記ポート部は、前記対象物品群が一列に並ぶ状態で前記対象物品群を支持する支持体と、前記支持体を上下方向に沿う軸心周りに旋回させる旋回部と、を備え、前記旋回部は、前記支持体に支持された前記対象物品群が前記横幅方向に並ぶ第1状態と、前記対象物品群が前記奥行方向に並ぶ第2状態と、に状態変化させるように前記支持体を旋回させる。
【0046】
本構成によれば、複数の物品収納棚の夫々に、N個の物品を奥行方向に並べて収納できるので、物品収納棚の収納効率を高めることができる。また、物品搬送装置の搬送支持部は、N個の搬送対象の物品である対象物品群を奥行方向に並べて支持可能であるため、物品搬送装置の搬送効率を高めることができる。そして、ポート部を第2状態に状態変化させることで、対象物品群が奥行方向に並ぶように支持体を配置することができる。そのため、物品搬送装置が、N個の物品を纏めてポート部に搬送することやN個の物品を纏めてポート部から搬送することが可能となり、物品搬送装置の搬送効率を高めることができる。また、ポート部を第1状態に状態変化させることで、対象物品群が横幅方向に並ぶように支持体を配置することができる。そのため、ポート部に対して奥行方向の一方側から作業を行う場合に、支持体に物品を搬入する作業や支持体から物品を搬出する作業が行い易くなる。このように、本構成によれば、物品搬送装置の搬送効率を高めながらポート部に対する物品の搬入又は搬出が行い易くなる。
【0047】
ここで、前記支持体は、N個の物品が同じ高さで一列に並ぶ状態で前記対象物品群を支持すると好適である。
【0048】
本構成によれば、ポート部を第1状態に状態変更することで、N個の物品が同じ高さで横幅方向に一列に並ぶため、ポート部へのN個の物品の搬入やポート部からのN個の物品の搬出が行い易くなる。また、ポート部を第2状態に状態変更することで、N個の物品が同じ高さで奥行方向に一列に並ぶため、物品搬送装置によってN個の物品を纏めてポート部に搬送することやN個の物品を纏めてポート部に搬送することが行い易くなる。
【0049】
また、前記ポート部は、前記支持体を上下方向に沿って移動させる昇降部を備えていると好適である。
【0050】
本構成によれば、昇降体により支持体の上下方向に移動させることで、第1状態の支持体の高さを物品の搬入や搬出が行い易い高さにしながら、第2状態の支持体の高さを物品搬送装置が物品を搬送し易い高さにできる。
【0051】
また、前記ポート部への物品の搬入が完了したことを示す搬入完了信号の入力を受け付ける搬入完了受付部を更に備え、前記ポート部が物品の搬入に用いられる場合、前記ポート部を制御するポート制御部は、前記搬入完了信号の入力を受け付けたことに伴って前記第1状態から前記第2状態に状態変化させるように前記支持体を旋回させ、前記物品搬送装置によって前記ポート部から物品が搬送されたことに伴って前記第2状態から前記第1状態に状態変化させるように前記支持体を旋回させると好適である。
【0052】
本構成によれば、ポート部が物品の搬入に用いられる場合、第1状態のポート部の支持体に物品が載せられてポート部への物品の搬入が完了したことを示す搬入完了信号の入力を受け付けると、ポート制御部は、ポート部の状態を第1状態から第2状態に状態変化させる。これにより、物品搬送装置によって物品をポート部から搬送することができるようになる。そして、物品搬送装置によってポート部から物品が搬送されたことに伴って、ポート制御部は、ポート部を第2状態から第1状態に状態変化させる。このように、ポート部は第2状態から第1状態に自動的に状態変化するため、ポート部への物品の搬入を円滑に行うことができる。
【0053】
また、前記ポート部からの物品の搬出が完了したことを示す搬出完了信号の入力を受け付ける搬出完了受付部を更に備え、前記ポート部が物品の搬出に用いられる場合、前記ポート部を制御するポート制御部は、前記搬出完了信号の入力を受け付けたことに伴って前記第1状態から前記第2状態に状態変化させるように前記支持体を旋回させ、前記物品搬送装置によって前記ポート部に物品が搬送されたことに伴って前記第2状態から前記第1状態に状態変化させるように前記支持体を旋回させると好適である。
【0054】
本構成によれば、ポート部が物品の搬出に用いられる場合、第1状態のポート部の支持体に載せられた物品の搬出が完了したことを示す搬出完了信号の入力を受け付けると、ポート制御部は、ポート部の状態を第1状態から第2状態に状態変化させる。これにより、物品搬送装置によって次の物品をポート部に搬送することができるようになる。そして、物品搬送装置によってポート部に物品が搬送されたことに伴って、ポート制御部は、ポート部を第2状態から第1状態に状態変化させる。これにより、ポート部からの物品の搬出が容易にできるようになる。このように、ポート部は第2状態から第1状態に自動的に状態変化するため、ポート部からの物品の搬出を円滑に行うことができる。
【0055】
また、前記ポート部が設置されている領域に作業者が侵入したことを検出するセンサを更に備え、前記ポート部を制御するポート制御部は、前記旋回部による前記支持体の旋回中に前記センサにより作業者を検出した場合には前記支持体の旋回を停止させると好適である。
【0056】
本構成によれば、支持体の旋回中にポート部が設置されている領域に作業者が侵入した場合は、そのことがセンサによって検出されて、ポート制御部によって旋回中の支持体が停止される。そのため、旋回中の支持体に作業者が接触する可能性を低減できる。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本開示に係る技術は、物品収納棚とポート部と物品搬送装置とを備えた物品搬送設備に利用することができる。
【符号の説明】
【0058】
1:収納部
2:物品収納棚
3:ポート部
4:物品搬送装置
16:搬送支持部
21:支持体
22:旋回部
23:昇降部
26:搬入用開口部(開口部)
27:搬出用開口部(開口部)
28:センサ
H1:ポート制御部
H2:搬入完了受付部
H3:搬出完了受付部
W:物品
WG:対象物品群
X:奥行方向
Y:横幅方向
Z:上下方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12