(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-25
(45)【発行日】2022-08-02
(54)【発明の名称】リアルタイム位置を決定するシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G01S 5/14 20060101AFI20220726BHJP
【FI】
G01S5/14
(21)【出願番号】P 2021505940
(86)(22)【出願日】2019-08-22
(86)【国際出願番号】 JP2019032755
(87)【国際公開番号】W WO2020040241
(87)【国際公開日】2020-02-27
【審査請求日】2021-02-02
(32)【優先日】2018-08-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500164385
【氏名又は名称】デンソー インターナショナル アメリカ インコーポレーテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】100106149
【氏名又は名称】矢作 和行
(74)【代理人】
【識別番号】100121991
【氏名又は名称】野々部 泰平
(74)【代理人】
【識別番号】100145595
【氏名又は名称】久保 貴則
(72)【発明者】
【氏名】スミス ジョン エリック
【審査官】渡辺 慶人
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-173458(JP,A)
【文献】特表2017-528933(JP,A)
【文献】特開平10-105889(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0184268(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0303090(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0332535(US,A1)
【文献】特開2018-003331(JP,A)
【文献】特開2014-095223(JP,A)
【文献】特開2011-044112(JP,A)
【文献】特開2005-078223(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 5/00 - 5/14
19/00 - 19/55
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
G08G 1/00 - 99/00
E05B 1/00 - 85/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに予約を取るシステムであって、
対象物(10)に対して固定された位置に配置された固定位置デバイス(50)と、
前記固定位置デバイスは、通信リンク(140)を介して携帯デバイス(20)と無線で通信するように構成されたアンテナ(30)を有し、
対象物に対する携帯デバイスに関する位置情報を決定するように構成されたロケータ(210)と、
前記ロケータは、携帯デバイスから無線で送信される通信の信号特性に基づいて前記位置情報を決定するように構成され、および
ユーザに関連する予約を保存するように構成された予約制御システム(200)と、を備え、
前記予約制御システムは、ユーザが対象物に対して第1の位置にいることを示す前記位置情報に基づいて、ユーザのステータスが前記予約にチェックインされたことを決定するように構成され、前記予約制御システムは、ユーザが対象物に対して第2の位置にいることを示す前記位置情報に基づいて、ユーザの前記ステータスが前記予約からチェックアウトされたことを決定するように構成されるシステム。
【請求項2】
前記予約制御システムは、1つ以上の予約可能イベントの予約データを保存するように構成され、
前記予約制御システムは、前記予約可能イベントの少なくとも1つを含む予約可能イベントのセットについて、ユーザと関連する予約を保存するように構成され、
前記予約制御システムは、前記ロケータによって決定される前記位置情報に基づいて、予約可能イベントの前記セットの少なくとも1つについて、ユーザがチェックインしたことを決定するように構成され、
前記予約制御システムは、前記ロケータによって決定される前記位置情報に基づいて、予約可能イベントの前記セットの少なくとも1つについて、ユーザがチェックアウトした
ことを決定するように構成される、請求項1のシステム。
【請求項3】
対象物は車両であり、
前記予約可能イベントの前記セットの少なくとも1つは、出発イベントと停止イベントを含み、
前記出発イベントは、車両の第1の場所と関連付けられ、
前記停止イベントは、車両の第2の場所と関連付けられ、
車両が第1の場所に位置し、かつユーザが車両に対して第1の位置に位置しているとの決定に基づいて、ユーザが自動的に出発イベントに関してチェックインされ、
車両が第2の場所に位置し、かつユーザが車両に対して第2の位置に位置しているとの決定に基づいて、ユーザが自動的に停止イベントに関してチェックアウトされる、請求項2のシステム。
【請求項4】
前記第1の位置は車両の内部であり、前記第2の位置は車両の外部である、請求項3のシステム。
【請求項5】
ユーザの承認を生成するためのシステムであって、
ユーザに関連する予約を保存するように構成される予約制御システム(200)と、
前記予約制御システムは、前記予約について、ユーザの承認の生成を指示するように構成され、前記予約は、承認が生成される少なくとも1つの予約可能イベントに関連付けられ、
対象物(10)に対して固定された位置に配置される固定位置デバイス(50)と、
前記固定位置デバイスは、通信リンク(140)を介して携帯デバイス(20)と無線で通信するように構成されたアンテナ(30)を含み、
対象物に対する携帯デバイスに関する位置情報を決定するように構成されるロケータ(210)と、を備え、
前記ロケータは、携帯デバイスから無線で送信される通信の信号特性に基づいて前記位置情報を決定するように構成され、および
前記予約制御システムは、前記位置情報および前記承認に基づいて、前記少なくとも1つの予約可能イベントについて、ユーザに1つ以上の権利を付与するように構成され
、
前記予約制御システムは、1つ以上の予約可能イベントについての予約データを保存するように構成され、
前記予約制御システムは、前記予約可能イベントの少なくとも1つを含む予約可能イベントのセットについて、ユーザと関連する予約を保存するように構成され、
前記予約制御システムは、前記ロケータによって決定される前記位置情報に基づいて、予約可能イベントの前記セットの少なくとも1つについて、ユーザがチェックインしたことを決定するように構成され、
前記予約制御システムは、前記ロケータによって決定される前記位置情報に基づいて、予約可能イベントの前記セットの少なくとも1つについて、ユーザがチェックアウトしたことを決定するように構成される、システム。
【請求項6】
対象物は車両であり、
前記予約可能イベントの前記セットの少なくとも1つは、出発イベントと停止イベントを含み、
前記出発イベントは、車両の第1の場所と関連付けられ、
前記停止イベントは、車両の第2の場所と関連付けられ、
車両が第1の場所に位置し、かつユーザが車両に対して第1の位置に位置しているとの決定に基づいて、ユーザが自動的に出発イベントに関してチェックインされ、
車両が第2の場所に位置し、かつユーザが車両に対して第2の位置に位置しているとの決定に基づいて、ユーザが自動的に停止イベントに関してチェックアウトされる、請求項
5のシステム。
【請求項7】
前記第1の位置は車両の内部であり、前記第2の位置は車両の外部である、請求項
6のシステム。
【請求項8】
対象物に関する占有情報を報告するシステムであって、
占有情報に関して占有コントローラと無線で通信するように構成される通信コントローラと、
対象物(10)に対して固定された位置に配置される固定位置デバイス(50)と、
前記固定位置デバイスは、通信リンク(140)を介して携帯デバイス(20)と無線で通信するように構成されたアンテナ(30)を含み、
携帯デバイスは、ユーザと関連付けられ、
対象物に対する携帯デバイスに関する位置情報を決定するように構成されるロケータ(210)と、
前記ロケータは、携帯デバイスから無線で送信される通信の信号特性に基づいて前記位置情報を決定するように構成され、および
ユーザは、前記位置情報に基づいて、前記対象物に関連付けられる空間内に存在することが決定され、ユーザが前記空間内に存在することが決定された場合、前記占有情報は、ユーザが前記空間内に存在することを示
し、
ユーザに関連する予約を保存するように構成される予約制御システムを備え、
前記予約制御システムは、前記予約について、ユーザの承認の生成を指示するように構成され、前記予約は、承認が生成される少なくとも1つの予約可能イベントに関連付けられ、
前記予約制御システムは、1つ以上の予約可能イベントについての予約データを保存するように構成され、
前記予約制御システムは、前記予約可能イベントの少なくとも1つを含む予約可能イベントのセットについて、ユーザと関連する予約を保存するように構成され、
前記予約制御システムは、前記ロケータによって決定される前記位置情報に基づいて、予約可能イベントの前記セットの少なくとも1つについて、ユーザがチェックインしたことを決定するように構成され、
前記予約制御システムは、前記ロケータによって決定される前記位置情報に基づいて、予約可能イベントの前記セットの少なくとも1つについて、ユーザがチェックアウトしたことを決定するように構成される、システム。
【請求項9】
前記ロケータは、複数のユーザの1人とそれぞれ関連付けられる複数の携帯デバイスに
ついての位置情報を決定するように構成され、前記通信コントローラは、複数のユーザの
各々が前記対象物の前記空間内に存在するかどうかに関係する前記占有情報を通信するよ
うに構成される、請求項
8のシステム。
【請求項10】
前記対象物は、複数のユーザを運ぶことができる車両であり、ユーザの各々は、複数の携帯デバイスの1つに関連付けられる、請求項
9のシステム。
【請求項11】
複数の車両の各々がシステムを構成し、占有コントローラは、複数の車両の各々に存在する複数のユーザの占有を追跡するように構成される、請求項
10のシステム。
【請求項12】
対象物は車両であり、
前記予約可能イベントの前記セットの少なくとも1つは、出発イベントと停止イベントを含み、
前記出発イベントは、車両の第1の場所と関連付けられ、
前記停止イベントは、車両の第2の場所と関連付けられ、
車両が第1の場所に位置し、かつユーザが車両に対して第1の位置に位置しているとの決定に基づいて、ユーザが自動的に出発イベントに関してチェックインされ、
車両が第2の場所に位置し、かつユーザが車両に対して第2の位置に位置しているとの決定に基づいて、ユーザが自動的に停止イベントに関してチェックアウトされる、請求項
8のシステム。
【請求項13】
前記第1の位置は車両の内部であり、前記第2の位置は車両の外部である、請求項
12のシステム。
【請求項14】
対象物(10)のリソースを予約する方法であって、
予約制御システム(200)が、ユーザのためにリソースを予約すること、
対象物(10)に対して固定された位置に配置された固定位置デバイス(50)が、通信リンク(140)を介してユーザに関連付けられた携帯デバイス(20)と無線で通信すること、
ロケータ(210)が、通信リンクの無線通信の信号特性に基づいて、対象物に対する携帯デバイスに関する位置情報を決定すること、
予約制御システムが、リソースの使用と整合する位置情報に基づいて、ユーザによって使用中であるとしてリソースを識別
して、予約へのチェックインを行なうこと、および、
予約制御システムが、使用中としてリソースを識別した後、リソースの使用を止めたユーザと整合する位置情報に基づいて、ユーザによって使用中ではないとしてリソースを識別
して、予約からチェックアウトを行なうこと、を含む方法。
【請求項15】
対象物は、第1の場所から第2の場所までユーザを運ぶことができる車両であ
り、
車両は、第1の場所から第2の場所までの輸送期間の間、車両内で立つか、座るための空間であるリソースを提供
し、
予約制御システムは、車両内にいるユーザを示す位置情報、および車両が第1の場所にいることに基づいて、使用中としてリソースを識別
し、
予約制御システムは、車両外にいるユーザを示す位置情報、および車両が第2の場所にいることに基づいて、使用中ではないとしてリソースを識別するものである、請求項
14の方法。
【請求項16】
予約制御システムが、リソース
の予約に関してユーザの承認
の生成
を指示すること、および
予約制御システムは、承認および位置情報に基づいて、リソースに対してユーザに1つ以上の権利を付与すること、を含む請求項
14の方法。
【請求項17】
予約制御システムが、リソースに対する、ユーザに関連する予約を保存すること、および
予約制御システムが、予約に基づいて、リソースの複数の予約を生成すること、を含む請求項16の方法。
【請求項18】
リソースは、車両の集団内で提供される、利用可能な乗車の共同利用である、請求項
14の方法。
【請求項19】
予約制御システムは、通信コントローラを介して、対象物に関係する占有情報を占有コントローラ
から取得することを含み、占有コントローラは、通信コントローラを介して対象物と通信することが可能なネットワークデバイスである、請求項
14の方法。
【請求項20】
占有コントローラは、リソースが使用中として識別されたことに基づいて、占有情報の送信レートを高くする
、請求項
19の方法。
【請求項21】
占有コントローラは、ユーザが対象物のリソースに関連付けられていないことに基づいて、占有情報の送信レートを低くすることを含む、請求項
19の方法。
【請求項22】
ロケータは、複数のユーザにそれぞれ関連付けられた複数の携帯デバイスに関する位置情報を決定する、請求項
14の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
この出願は、2018年8月22に出願されて米国仮出願第62/720975号、2019年7月8日に出願された米国仮出願第62/871441号、および2019年8月20に出願された米国特許出願第16/545542号の利益を主張する。上記出願の全開示が参照により本明細書に組み入れられる。
【技術分野】
【0002】
本出願は、携帯デバイスおよび車両などの対象物に関する位置情報を決定するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
対象物のリアルタイムな場所または位置の決定は、多岐に渡るアプリケーションでますます普及するようになっている。リアルタイム位置決めシステム(RTLS)は、例えば、自動車、保管、小売、認証用のセキュリティアクセス、および承認用のセキュリティアクセスを含む多くの分野で、携帯デバイスなどの対象物を追跡するために使用され、信頼されている。
【0004】
自動車分野における従来の1つのRTLSは、車両内に配置され、無線周波数を介して携帯デバイスと通信することができるトランシーバまたはマスタコントローラを含む。通信の信号強度、到来角度、飛行時間、および/または、その他などの、マスタコントローラと携帯デバイスとの間の通信の1つ以上の特徴が監視され、車両に対する携帯デバイスの位置を決定するための基礎として使用され得る。例えば、通信の信号強度が低ければ、信号強度が高い通信と比較して、携帯デバイスは車両から遠く離れている可能性がある。一般的に、携帯デバイスと車両との間の距離が増加するにつれて、通信の強度は低下する。例えば、信号の角度は、1つ以上のアンテナによって測定され、それにより、角測量(三角測量など)又は他の技法(アンテナのどちら側、機械学習、など)を使用して、携帯デバイスの位置が決定され得る。例えば、信号の飛行時間は、1つ以上のアンテナによって測定され、それにより、携帯デバイスの距離が決定され得る。一般的に、携帯デバイスと車両との間の距離が増加するにつれて、飛行時間は長くなる。通信の信号特性の、この又は他の測定値に基づいて、携帯デバイスの位置が決定され得る。
【発明の概要】
【0005】
対象物に対する携帯デバイスの位置情報を決定するためのシステムおよび方法が提供される。一実施形態では、対象物と関連するリソースまたはサービスを予約するための予約制御システムが提供される。システムおよび方法は、携帯デバイスに関する位置情報を決定し、位置情報に基づき、ユーザをチェックインまたはチェックアウト(例えば、リソースが使用中または使用されていない)で識別することができる。
【0006】
一実施形態の、ユーザに予約を取るためのシステムは、固定位置デバイス、ロケータ、および予約制御システムを含む。固定位置デバイスは、対象物に対して固定された位置に配置され、通信リンクを介して携帯デバイスと無線で通信するように構成されたアンテナを含むことができる。
【0007】
ロケータは、対象物に対する携帯デバイスに関する位置情報を、携帯デバイスから無線で送信される通信の信号特性に基づいて決定するように構成することができる。予約制御システムは、ユーザに関連する予約を保存し、ユーザが対象物に対して第1の位置にいることを示す位置情報に基づいて、ユーザのステータスが予約チェックインされたことを決定するように構成され得る。予約制御システムは、ユーザが対象物に対して第2の位置にいることを示す位置情報に基づいて、ユーザのステータスが予約チェックアウトされたことを決定するように構成され得る。
【0008】
一実施形態では、ユーザの承認を生成するためのシステムは、予約制御システム、固定位置デバイス、およびロケータを含むことができる。予約制御システムは、ユーザに関連する予約を保存し、予約について、ユーザ承認の生成を指示するように構成することができる。予約は、承認が生成される少なくとも1つの予約可能イベントに関連付けることができる。
【0009】
固定位置デバイスは、対象物に対して固定された位置に配置され、通信リンクを介して携帯デバイスと無線で通信するように構成されたアンテナを含むことができる。ロケータは、対象物に対する携帯デバイスに関する位置情報を、携帯デバイスから無線で送信される通信の信号特性に基づいて決定するように構成することができる。
【0010】
一実施形態では、予約制御システムは、前記位置情報および前記承認に基づいて、前記少なくとも1つの予約可能イベントについてユーザに1つ以上の権利を付与するように構成することができる。
【0011】
一実施形態では、対象物のリソースを予約するための方法が提供される。この方法は、ユーザのためにリソースを予約すること、通信リンクを介してユーザに関連付けられた携帯デバイスと無線で通信すること、および、通信リンクの無線通信の信号特性に基づいて、対象物に対する携帯デバイスに関する位置情報を決定することを含むことができる。この方法はまた、リソースの使用と整合する位置情報に基づいて、ユーザによって使用中であるとしてリソースを識別すること、および、リソースを使用中と識別した後、リソースの使用を止めたユーザと整合する位置情報に基づいて、ユーザによって使用中ではないとしてリソースを識別すること、を含むことができる。
【0012】
一実施形態では、この方法は、リソースに関してユーザ承認を生成すること、および承認および位置情報に基づいてリソースに対してユーザに1つ以上の権利を付与することを含むことができる。
【0013】
一実施形態では、この方法は、ユーザに関連するバイオメトリックパラメータを決定することを含むことができる。
【0014】
一実施形態では、この方法は、テレマティクスユニットを介して、対象物に関連する占有情報を通信することができる。一実施形態では、占有情報の送信レートは、対象物のリソースが使用中であるかどうかに基づいて変化してもよい。
【0015】
本発明の実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、以下の説明で述べる、または図面に図示された構成要素の、動作の詳細または構成および配置の詳細に限定されないことを理解されたい。本発明は、様々な他の実施形態で実施することができ、本明細書に明示的に開示されていない別の方法で実施または実行することができる。また、本明細書で使用される表現および用語は、説明のためのものであり、限定的であると見なされるべきではないことを理解されたい。「含む(including)」および「備える(comprising)」およびその類語の使用は、それ以降に列挙された項目およびその均等物、ならびに追加の項目およびそれらの均等物を包含することを意味する。さらに、列挙が、様々な実施形態の説明において使用され得る。特に明記しない限り、列挙の使用は、本発明を任意の特定の順序または構成要素の数に限定するものとして解釈されるべきではない。また、列挙されたステップまたは構成要素と組み合わせる、または組む込むことができる任意の追加のステップまたは構成要素を本発明の範囲から除外するものとして解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本明細書に記載される図面は、選択された実施形態を図示する目的だけのためのものであって、可能な実施例のすべてではなく、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【
図1】
図1は、一実施形態によるシステムの代表的な図を示す。
【
図2】
図2は、少なくとも部分的に対象物上に配置された
図1のシステムの代表的な図を示す。
【
図3】
図3は、一実施形態によるシステムコンポーネントを示す。
【
図4】
図4は、一実施形態によるシステムのロケータを示す。
【
図5】
図5は、一実施形態によるシステムを示している。
【
図6】
図6は、一実施形態による、異なる場所に配置された1つ以上のデバイスに関する信号特性の代表的な図を示す。
【発明の詳細な説明】
【0017】
対象物に対する携帯デバイスの位置情報を決定し、その位置情報に基づいて対象物の動作を制御するシステムおよび方法が提供される。
I.システム概要
【0018】
一実施形態によるシステムが、
図1および
図2の図示された実施形態に示され、全体として100で表されている。システム100は、本明細書で概説されるように、1つ以上のシステムコンポーネントを含むことができる。システムコンポーネントは、ユーザ60、または、携帯デバイス20、センサ40、もしくは対象物デバイス50であり得る電子システムコンポーネント、または、それらのデバイスの1つ以上の特徴を含むコンポーネントであり得る。本明細書で論じられるように、対象物デバイス50の基礎となるコンポーネントは、これらのデバイスの任意の1つ以上と連携して動作するように構成することができる。この意味で、一実施形態では、携帯デバイス20、センサ40、および対象物デバイス50の間で共通のいくつかの態様または特徴があり得る。
図3に示される対象物デバイス50に関連して説明される特徴は、携帯デバイス20、またはセンサ40、あるいはその両方に組み込まれてもよい。一実施形態では、対象物デバイス50は、車両または建物などの対象物10上に配置された機器コンポーネントを形成することができる。対象物デバイス50は、対象物10の1つ以上のシステムに通信可能に結合されて、対象物10の動作を制御し、対象物10の1つ以上のシステムに情報を送信し、または、対象物の1つ以上のシステムから情報を受信し、あるいは、それらの組み合わせを行うことができる。例えば、対象物10は、対象物10の動作を制御するように構成された対象物コントローラ12を含むことができる。対象物10は、対象物コントローラ12と対象物デバイス50との間の通信を容易にする、有線または無線の1つ以上の通信ネットワークを含むことができる。対象物デバイス50と対象物コントローラ12との間の通信を容易にするための通信ネットワークは、
図2の図示された実施形態では150で表され、CANバスとして提供される。
【0019】
一実施形態では、システムは、テレマティクス制御ユニット(図示せず)などの通信コントローラを含むことができる。例えば、TCU(テレマティクス制御ユニット)は、(SPIを介して)対象物デバイス50に接続されてもよい。別の実施形態では、TCUは、対象物デバイス50と組み合わせられてもよい。別の実施形態では、TCUは、車両の対象物コントローラ12の一部であってもよいし、または車両の対象物コントローラ12に接続されてもよい。別の実施形態では、TCUが存在しなくてもよく、データは、携帯デバイスを介して(例えば、BLEを介して)トンネル化されてもよい。「トンネル化」は、従来のトンネルのことで、BLE上でTCP/IPを実行するようなものと定義することができる。しかしながら、本開示はそのように限定されない。トンネルは、関連するデータがコマンド/レスポンスを介して対象物デバイス50または他のシステムコンポーネントに通信されることを可能にする構成として定義され得る。通信コントローラは、通信を容易にすることができる任意のタイプの制御ユニットまたはシステムであり得る。通信コントローラは、対象物または携帯デバイス、あるいはその両方を含む、本明細書に記載の任意のコンポーネントに設けられてもよい。
【0020】
一実施形態では、TCUは、セルラーモデムまたは他の長距離WAN無線装置(Lora、Sigfoxなど)を含み得る。
【0021】
一実施形態では、上記のように、TCUはシステムの必須部分ではない。たとえば、TCUとそれが通信するシステムのすべての機能は、(クラウドにおいてではなく)ローカルに実行され得る。
【0022】
図3の図示の実施形態では、対象物デバイス50は、本明細書で論じられる1つ以上の機能およびアルゴリズム、またはそれらの態様に従って、対象物デバイス50の動作を制御するように構成された制御システムまたはコントローラ58を含むことができる。携帯デバイス20、またはセンサ40、あるいはその両方などのシステムコンポーネントは、同様に、それぞれのシステムコンポーネントの動作または態様を制御するように構成されたコントローラ58を含むことができる。
【0023】
コントローラ58には、本明細書に記載の機能およびアルゴリズムを実行するための、あらゆる電気回路およびコンポーネントが含まれている。一般的に言えば、コントローラ58は、本明細書に記載の機能を実行するようにプログラムされた、1つ以上のマイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、および/または他のプログラム可能な電子機器を含むことができる。コントローラ58は、追加的または代替的に、本明細書に記載の機能を実行するようにプログラムされた、またはマイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、および/または他の電子機器をサポートする他の電子コンポーネントを含むことができる。他の電子コンポーネントには、限定されるものではないが、1つ以上のフィールドプログラマブルゲートアレイ、システムオンチップ、揮発性または不揮発性メモリ、ディスクリート回路、集積回路、特定用途向け集積回路(ASIC)および/または他のハードウェア、ソフトウェア、またはファームウェアが含まれる。このようなコンポーネントは、1つ以上の回路基板に実装したり、他の態様で配置したりするなど、1つのユニットにまとめようと、複数のユニットにまたがって分散しようとも、任意の適切な態様で物理的に構成され得る。このようなコンポーネントは、対象物デバイス50内の異なる位置に物理的に分散されてもよいし、または、対象物デバイス50内の共通の場所に存在してもよい。物理的に分散される場合、コンポーネントは、限定されないが、CAN、LIN、FireWire、I2C、RS-232,RS-422,RS-485、SPI、Ethernet、Universal SerialBus(USB)、およびRF(cellular、WiFi、Bluetooth、Bluetooth LowEnergy)のような任意の適切なシリアルまたはパラレル通信プロトコルを使用して通信してもよい。本明細書で説明するように、ロケータ、モジュール、モデル、およびジェネレータという用語は、コントローラ58の部品を示す。例えば、一実施形態におけるモデルまたはロケータは、1つ以上のコア機能、および、その1つ以上のコア機能の出力に影響を与える1つ以上のパラメータを有するものとして説明される。モデルまたはロケータの態様は、コントローラ58のメモリに格納されてもよく、また、モデルが、1つ以上の入力を受信して変換するとともに1つ以上の出力を出力するように動作するよう構成されたコントローラ58の一部であるように、コントローラ構成の一部を形成してもよい。同様に、コントローラ58が、モジュールまたはジェネレータに関連して説明された入力を受信し、モジュールまたはジェネレータに関連付けられたアルゴリズムに応じた出力を提供するように構成されるよう、モジュールまたはジェネレータは、コントローラ58の一部をなす。
【0024】
図3の図示の実施形態における対象物デバイス50のコントローラ58は、他の電子ハードウェアの中で、1つ以上のアプリケーション57(ソフトウェアおよび/またはファームウェアを含む)を実行する1つ以上のプロセッサ51、1つ以上のメモリユニット52(例えば、RAMおよび/またはROM)、および1つ以上の通信インターフェース53を含むことができる。対象物デバイス50は、通信インターフェース53を介して下位レベルのデバイス/電子機器へのアクセスを制御するオペレーティングシステム56を有していてもよいし、有していなくてもよい。対象物デバイス50は、ハードウェアベースの暗号化ユニット55を有していてもよいし、有していなくてもよい。それらがない場合、暗号化機能はソフトウェアで実行され得る。対象物デバイス50は、セキュアメモリユニット(例えば、セキュアエレメントまたはハードウェアセキュリティモジュール(HSM))54(または、それへのアクセス)を有していてもよいし、有していなくてもよい。図示の実施形態では、オプションのコンポーネントおよび通信経路が仮想線で示されている。
【0025】
図3の図示された実施形態におけるコントローラ58は、任意のコンポーネントにおけるセキュアメモリユニット54の存在に依存しない。セキュアメモリユニット54がオプションで存在しない場合、そうでなければセキュアメモリユニット54に格納され得るデータ(例えば、非公開鍵および/または秘密鍵)は、休止時(可能であるとき)に暗号化され得る。そのようなデータへのアクセスを実質的に防止するだけでなく、システムコンポーネント全体のセキュリティ破壊を実質的に防止または検出するか、あるいはその両方を行うために、ソフトウェアベースおよびハードウェアベースの対策の両方が利用されてもよい。このような対策機能の例には、物理的な障害物またはシールドを実装すること、JTAGおよび他のポートを無効にすること、攻撃ベクトルを排除するためにソフトウェアインターフェイスを強化すること、信頼できる実行環境を使用すること(例えば、ハードウェアまたはソフトウェア、あるいはその両方)、オペレーティングシステムのルートアクセスまたはセキュリティ破壊を検出することが含まれる。
【0026】
開示の目的のため、安全であることは、一般に、秘密であること(暗号化されていること)、認証されていること、および完全性が検証されていることと考えられている。しかし、本開示はそのように限定されず、「安全」という用語はこれらの態様のサブセットであってもよく、またはデータセキュリティに関連する追加の態様を含んでもよいことを理解されたい。
【0027】
通信インターフェース53は、有線または無線を含む、本明細書で説明する通信リンクのタイプのいずれかを含む、任意のタイプの通信リンクとすることができる。通信インターフェース53は、外部または内部の、またはその両方の通信を容易にすることができる。例えば、通信インターフェース53は、アンテナアレイ30に結合されてもよく、またはアンテナ30を組み込んでもよい。アンテナアレイ30は、BLE通信を含む無線通信を容易にするように構成された1つ以上のアンテナを含むことができる。
【0028】
別の例として、通信インターフェース53は、WiFi規格に従う無線通信など、携帯デバイス20の形態の別のシステムコンポーネントとの無線通信リンクを提供することができる。別の例では、通信インターフェース53は、複数のデバイス間の通信を容易にするCANベースの有線ネットワークなどの有線リンクを介して、車両(例えば、車両コンポーネント)の対象物コントローラ12と通信するように構成することができる。一実施形態の通信インターフェース53は、ユーザ60に情報を通信し、および/またはユーザ60から情報を受信するためのディスプレイおよび/または入力インターフェースを含むことができる。
【0029】
一実施形態では、対象物デバイス50は、別の対象物デバイス50またはユーザ以外の1つ以上の補助デバイスと通信するように構成されてもよい。補助デバイスは、対象物デバイス50とは異なって構成されてもよく、例えば、補助デバイスは、プロセッサ51を含まず、代わりに、対象物デバイス50との情報の送信または受信、もしくはその両方のための少なくとも1つの直接接続および/または通信インターフェースを含んでもよい。例えば、補助デバイスは対象物デバイス50からの入力を受け入れるソレノイドであってもよく、または、補助デバイスは対象物デバイス50にアナログおよび/またはデジタルフィードバックを提供するセンサ(例えば、近接センサ)であってもよい。
【0030】
図示された実施形態のシステム100は、携帯デバイス20に関してリアルタイムで位置情報を決定するように構成され得る。
図1の図示の実施形態では、ユーザ60は、携帯デバイス20(例えば、スマートフォン)を携帯することができる。システム100は、対象物10へのアクセスまたは対象物10のコマンドの許可が与えられるべき位置にユーザ60が位置しているかどうかを判定するのに十分な精度でリアルタイムに、対象物10(例えば、車両)に対する携帯デバイス20の位置特定を容易にすることができる。
【0031】
例えば、対象物10が車両である実施形態では、システム100は、携帯デバイス20が車両の外部にあるが、運転者側のドアまで5フィート、3フィート、または2フィート以下のようにすぐ近くであるかどうかの決定を容易にすることができる。この決定は、システム100が車両をアンロックすべきかどうかを識別するための基礎をなすことができる。一方、システム100が、携帯デバイス20は車両の外部にあり、運転者側ドアのすぐ近くにない(例えば、2フィート、3フィート、または5フィートの範囲外にある)と判定した場合、システム100は、運転者側ドアをロックすることを決定することができる。別の例として、システム100が、携帯デバイス20は運転者側席のすぐ近くにあるが、助手席または後席の近くではないと判断した場合、システム100は、車両の始動を可能にすることを決定することができる。逆に、携帯デバイス20運転者側席の近接範囲外であると判定された場合、システム100は、車両を不動にすることまたは不動を維持することを決定することができる。
【0032】
対象物10は、本明細書に記載された1つ以上の実施形態に従って、アンテナアレイ30に結合されるセンサ40などの、複数の対象物デバイス50またはその変種を含むことができる。
【0033】
携帯デバイス20のマイクロロケーションは、全地球測位システム、携帯デバイス20からの通信の1つ以上の信号特性、および1つ以上のセンサ(例えば、近接センサ、リミットスイッチ、または視覚センサ)、またはそれらの組み合わせから得られた情報を使用するなど、様々な方法で決定することができる。システム100を構成することができるマイクロロケーション技法の一例は、2017年4月14に出願され、「リアルタイムロケーションを確立するためのシステムおよび方法」と題する、Raymond Michael Stittらの米国特許出願第15/488136号に記載されており、その開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0034】
一実施形態において、
図2の図示された実施形態では、対象物デバイス(例えば、システム制御モジュール(SCM))50および(アンテナアレイ30に結合された)複数のセンサ40は、対象物10上に、または対象物10に対して固定された位置に配置することができる。対象物10の例示のユースケースは、先の例で特定された車両、または対象物デバイス50によってアクセスが制御される建物を含む。
【0035】
携帯デバイス20は、通信リンク140を介して対象物デバイス50と無線で通信することができる。複数のセンサ40は、携帯デバイス20と対象物デバイス50との間の通信を傍受して、信号強度、到来角度、飛行時間、またはそれらの任意の組み合わせなどの、通信の1つ以上の信号特性を決定するように構成することができる。代替の実施形態では、携帯デバイス20は、対象物デバイス50以外の別のデバイスと通信を確立してもよいが、対象物デバイス50と1つ以上のセンサ40との少なくとも1つは、これらの通信を傍受して、対象物10に対するそれぞれのデバイスの位置を決定するように構成され得る。
【0036】
図示の実施形態における通信リンク140は、ブルートゥースローエナジー(BTLE)通信リンクである。しかしながら、本開示はそのように限定されない。例えば、通信リンク140はBTLEでなくてもよい。通信リンクは、有線または無線で、BTLEの代わりにUltraWideband(UWB)を含む任意のプロトコルに従って確立されてもよい。別の例として、通信リンク140は、複数のタイプの通信リンクを含むことができ、例えば、通信リンク140は、BTLEおよびUWBの両方に従って確立されてもよい。
【0037】
決定された信号特性は、携帯デバイス20と対象物デバイス50との間の通信リンクとは別の通信リンク140を介して、対象物デバイス50に通信され、または、分析された後に通信され得る。追加的または代替的に、携帯デバイス20は、1つ以上のセンサ40と直接通信リンクを確立することができ、1つ以上の信号特性が、この直接通信リンクに基づいて決定され得る。
【0038】
本明細書で説明するように、信号強度、飛行時間、および到来角度などの1つ以上の信号特性を分析して、対象物10に対する携帯デバイス20に関する位置情報、対象物10または対象物デバイス50の態様、もしくはそれらの組み合わせを決定することができる。例えば、センサ40と対象物デバイス50との間の到来時間差または到来角度、あるいはその両方を処理して、携帯デバイス20の相対位置を決定することができる。対象物デバイス50に対する1つ以上のアンテナアレイ30の位置は既知であり、そのため、携帯デバイス20の相対位置は、アンテナアレイ30および対象物デバイス50に対する絶対位置に変換されることができる。
【0039】
信号特性の追加または代替例が、距離関数、三辺測量関数、三角測量関数、多辺測量関数、フィンガープリント関数、差分関数、飛行時間関数、到来時間関数、到来時間差関数、出発角度関数、幾何関数など、またはそれらの任意の組み合わせを含む、1つ以上のアルゴリズムに従って位置を決定することを容易にするために取得されてもよい。
II.ロケータ
【0040】
図1~3の図示の実施形態におけるシステム100は、対象物10に対する携帯デバイス20に関する位置情報を決定するように構成され得る。位置情報は、対象物10に対する携帯デバイス20の外部位置を示すことができ、もしくは、位置情報は、対象物10内の携帯デバイス20の内部位置、またはそれらの組み合わせを示すことができる。一実施形態では、ロケータは、この位置情報を決定するように構成され得る。一実施形態によるロケータは、
図4に示され、全体として210で表される。ロケータ210は、携帯デバイス20によって送信され、1つ以上のセンサ40によって受信される無線通信の1つ以上の信号特性など、1つ以上の入力216を受信するように構成され得る。入力は、位置情報に対応する1つ以上の出力218に変換され得る。
【0041】
入力216は、無線通信の信号特性に限定されないことを理解されたい。入力216は、無線通信以外の特性またはパラメータの1つ以上の測定値を含み得る。追加的または代替的に、入力216は、対象物10またはシステム100内の別のデバイスの状態を示すものであってもよい。例えば、車両のコンテクストにおいて、入力216のうちの1つ以上は、1つ以上の車両ドアが開いているか閉じているか、または窓が開いているか閉じているかを示すことができる。
【0042】
図示の実施形態におけるロケータ210は、対象物デバイス50に組み込まれてもよい。例えば、対象物デバイス50のコントローラ58は、ロケータ210を組み込み、通信インターフェース53を介して1つ以上のセンサ40に通信可能に結合されてもよい。
【0043】
ロケータ210は、1つ以上の入力216を受信し、対象物10に対する携帯デバイス20の位置を示す1つ以上の出力218を生成するように構成されたコア機能またはロケータアルゴリズム212を含むことができる。本明細書で論じられるように、1つ以上の入力216は、アプリケーションごとに異なってもよい。入力216の例は、信号強度(RSSI)、到来角度(AOA)、および飛行時間(TOF)などの通信の1つ以上の信号特性を含む。
【0044】
図5の図示の実施形態では、システム100は、車両である対象物10と一体となって提供される。対象物10は、他のアプリケーションでは異なる場合がある。図示の実施形態のシステム100は、対象物デバイス50と、これらのデバイスが固定位置デバイスを構成するように、対象物10上の固定位置に配置された複数のセンサ40A~Dとを含む。センサ40A~Dおよび対象物デバイス50の位置は、アプリケーションごとに異なっていてもよい。しかしながら、開示の目的のために、対象物デバイス50は、通常、車両の中心に配置され、センサ40A~Dは、車両の四隅に配置される。図示の実施形態では、ロケータ210に関連する議論を容易にするためにグリッドが示されている。
【0045】
図5の図示の実施形態では、携帯デバイス20は、対象物10の中心に設けられる原点(0cm、0cm)に対して270cm、450cmのX、Y座標に配置されている。センサ40A、40B、40Dは、携帯デバイス20に対してそれぞれ258cm、648cm、および442cmに位置している。一実施形態では、携帯デバイス20から送信され、センサ40A、40B、40Dおよび対象物デバイス50のそれぞれによって受信される通信の信号特性(例えば、RSSI)は、ロケータ210によって、それぞれのセンサ40A、40B、40Dに対する距離または位置に変換され得る。(車両の一部が携帯デバイス20とセンサ40Cとの間の視線を遮り、通信の信号特性の有効な測定を潜在的に妨げるため、図示の実施形態では、センサ40Cは示されているが、この決定から除外される。)
【0046】
一実施形態におけるロケータ210は、例えば、各固定位置デバイス用の変換テーブルまたは固定位置デバイスのタイプ、フィンガープリンティングまたは他のヒューリスティック(例えば、機械学習変換器)を含む様々な方法で、センサ40または対象物デバイス50から得られた信号特性を、距離メトリックまたは他のパラメータに変換することができる。変換テーブルの例が、
図6の図示された実施形態にチャート形式で示され、全体を600で表されている。
【0047】
図6の図示の実施形態では、変換テーブル620は、RSSIを、センサ40A、40B、40Dのそれぞれの距離に変換するように動作可能である。
図6の図示の実施形態に戻ると、センサ40A、40B、40DのRSSIの測定値は、概して、それぞれ、-47dBm、-53dBm、および-55dBmに対応する。各センサ40A、40B、40DのこれらのRSSI測定値は、変換テーブル620に基づいて、距離測定値に直接変換することができる。あるいは、ロケータ210は、対象物10に対する携帯デバイス20の位置を決定するためのさらなる計算において距離を表すために、RSSI測定値を利用してもよい。
【0048】
図示の実施形態では、屋外変換テーブル620に基づきセンサ40A、40B、40Dのそれぞれに対して決定された3つの距離を用いて、ロケータ210は、センサ40A、40B、40Cの既知の位置が与えられた場合の3つの距離の三辺測量によって携帯デバイスの位置を決定することができる。本開示は、ロケータアルゴリズム212の一部として、三辺測量に限定されないことに留意されたい。本明細書で論じられるように、距離関数、三角測量関数、多辺測量関数、フィンガープリンティング関数、差分関数、飛行時間関数、到着時間関数、到着時間差関数、出発角度関数、幾何学関数など、またはそれらの任意の組み合わせを含む、様々な追加のまたは代替の関数がロケータアルゴリズム212の一部を形成してもよい。
【0049】
ロケータ210のロケータアルゴリズム212は、ロケータ210の複数のパラメータ214に従って調整可能であってもよい。1つ以上の入力および複数のパラメータ214の値に基づいて、ロケータアルゴリズム212は、対象物10に対する携帯デバイス20の位置を示す出力を提供することができる。ロケータアルゴリズム212は、アプリケーションごとに異なっていてもよい。
【0050】
一例において、ロケータアルゴリズム212は、ニューラルネットワーク(例えば、1つ以上の層を有する畳み込みニューラルネットワーク)であってもよく、1つ以上のパラメータは、ニューラルネットワーク内のノードの重みを含んでもよい。重みは、携帯デバイス20および対象物10から得られたサンプル、およびそれらのサンプルに関して得られた真の情報を用いたロケータ210のトレーニング中に調整されてもよい。
【0051】
車両に、システム100の一実施形態に従って多くのアンテナがあってもよく、アンテナのそれぞれは、異なる向きで異なる場所にあってもよい。アンテナ、および、対象物デバイス50またはセンサ40などの関連デバイスのすべてまたはサブセットは、RSSI、到来角度、飛行時間、または他のもの、あるいはそれらの任意の組み合わせの測定値を同時に取得することができる。
【0052】
様々な要因が受信機と送信機との間の通信の1つ以上の信号特性に影響を及ぼし得るので、ロケータ210およびロケータアルゴリズム212の調整を容易にするために、様々な状況の下で1つ以上の信号特性のサンプルが取得されてもよい。
【0053】
状況の変化の例には、すべての起こり得る角度/方向の大部分をカバーするサンプルの試験または取得を強制するために、携帯デバイス20を意図的にすべての方向に回転させること、ならびに、地面に対して異なる高さで試験サンプルを取得すること、を含むことができる。
III.予約方法
【0054】
位置情報に基づいて資産(例えば、対象物10)を予約する方法が提供される。予約方法は、1つ以上の基準を満たす位置情報に応じて生成される、ユーザ通知などの1つ以上のメッセージを生成することを含むことができる。追加的または代替的に、1つ以上のメッセージは、1つ以上の基準を満たす位置情報に応じて別のデバイスに送信される通信であってもよい。
【0055】
一実施形態では、
図1~6の図示の実施形態と併せて説明されたシステムは、二次システムの動作を向上するため、二次システム200へ情報を提供するか、または二次システム200と通信する、位置特定サービスまたは位置特定システム100を形成することができる。同時に、位置特定システムおよび二次システム200は、
図7の図示の実施形態に示されるシステム300(例えば、メッセージングシステム)を形成することができる。
【0056】
一実施形態における二次システム200は、ライドシェアリングサービス、自動運転タクシー、または他の自動車サービス、もしくは、賃貸物件、オフィススペース、オフィスデスクなど(サービス提供者が、顧客の存在とサービスの予約状態[予約済み、未予約、間違った予約など]に基づいて顧客とやり取りしたい何か)の他の非自動車サービスなどの予約サービスまたは予約制御システムである。一実施形態における位置特定サービスは、二次システム200のシステム性能、動作、および/またはユーザ体験を向上することができる。
【0057】
二次システム200は、携帯デバイス20、対象物デバイス50、および対象物制御システム12のうちの少なくとも1つと通信することができてもよい。例えば、第1および第2の予約システム通信リンク240、242が
図7に示され、第1の予約システム通信リンク240は、二次システム200と対象物デバイス50との間の通信機能を提供し、第2の予約システム通信リンク242は、携帯デバイス20と二次システム200との間の通信機能を提供する。第1および第2の予約システム通信リンク240、242は、本明細書で説明される通信リンク140の無線構成と同様の無線リンクとして描かれている。しかしながら、本開示はそのように限定されない。第1および第2の予約システム通信リンク240、242は、通信リンク140に関連して説明された代替の実施形態と同様に、BTLE、セルラー、UWB、および有線接続を含む、任意のタイプの通信リンクであり得る。例えば、一実施形態の予約制御システム200は、少なくとも部分的に対象物10に統合されることができ、有線形態の第1の通信リンク240を介して対象物デバイス50と通信することができる。この例では、予約制御システム200は、対象物10上に配置されたコンポーネントと、複数の対象物10のサービスを管理することができるネットワークサーバーなどの遠隔配置されたコンポーネントとの間で分散され得る。予約制御システム200のコンポーネント間の通信リンクは、本明細書で説明されるテレマティクスユニットを含む様々な方法で確立され得る。
【0058】
予約制御システム、つまり二次システム200は、対象物デバイス50に関連して説明されたものと同様のコンポーネントで構築され得る。本明細書で論じられるように、二次システム200は、対象物10および対象物10から遠隔配置されたサーバシステムなどの1つ以上の物体に分散されてもよい。
【0059】
一実施形態では、二次システム200は、ライドシェアリング制御システムまたは予約制御システムであってもよく、ユーザは、A地点からC地点までの乗車を得ることができる。その乗車は、即座にまたは将来の任意の時点で発生し得る。乗車を得るためのプロセスの一環として、ユーザはA地点(ユーザが乗り物に乗ることになっている場所)に移動する必要があるかもしれない。次いで、ユーザはA地点からC地点(ユーザが乗り物を降りることになっている場所)に運ばれる。地点Aから地点Cまでの乗車には、AとCの間の任意の数の地点を含めることができる(例えば、A→B0→B1→C)。乗り物は、各地点で「停車」してもよい(例えば、乗り物は、各地点で停車して、ユーザを送迎する可能性がある)。つまり、乗り物は、一実施形態において、以下の順序に従うことができる。停車地A→停車地B0→停車地B1→...→停車地C。
【0060】
ルートは、地点および/または停車地の順序付けられた集合を定義する場合がある(例えば、特定の車両がそのルートを移動する際の一連の停車地)。ルートは、何度も(例えば、毎日何度も)走行(例えば、実行)するようにスケジュールされることができ、必要に応じて将来にわたっていつまでもスケジュールされ得る(例えば、ドライバーAは、車両Xに乗り、ルートRを午前10時15分、午前10時30分、午前10時45に運転するなど)。車両と運転手は、作成時またはそれ以降にスケジュールに割り当てられてもよい。これらのスケジュールの各々(つまり、特定のルートの事例[例えば、特定の時間に出発するルート])には、ユーザが個別に予約できる独自の予約可能な停車地のセットがあってもよい(例えば、明日の午前10時30分に、ユーザUは停車地Aから停車地Cへ移動したいので、ユーザはルートRの明日の午前10時30分の予定で、予約可能な停車地Aと予約可能な停車地Bを予約する。)
【0061】
予約は、特定のユーザの予約可能な開始停車地と予約可能な終了停車地とを定義することができる(例えば、ユーザUは、午前10時30に停車地Aから停車地Cまでの「予約」を有する)。あるいは、予約は、予約可能な停車地の完全な(または部分的な)系列を定義することができる(例えば、ユーザUは、午前10時30分に停車地Aから、次に停車地B0、次に停車地B1、最後に停車地Cの予約を有する)。
【0062】
車両の収容能力(座席)は限られているため、二次システム200は、予約可能な各停車地を予約したユーザの数を追跡して、(スペア有り、もしくはスペア無しで)収容能力を超えないようにする。その結果、スケジュールに関連付けられたルートを使用して、二次システムは、ユーザの予約に従って、ユーザに、予約可能な各停車地を予約してあげることができる(例えば、ルートがA→B0→B1→Cであって、予約がAからCの場合、二次システムは、ユーザに停車地A、B0、およびB1を予約してあげることができる[ユーザはCで降りるため、Cではない])。
【0063】
ユーザは、ルートに沿った予約可能な各停車地へチェックインされ、または各停車地からチェックアウトされることができる。予約可能な特定の停車地にチェックインされることは、ユーザが車内にいることを意味し得る(例えば、サービスを使用している)。予約可能な特定の停車地からチェックアウトされることは、ユーザが車内にいないことを意味し得る(例えば、もはやサービスを使用していない)。あるいは、予約可能な特定の停車地からチェックアウトされることは、ユーザが車内にいないが、以前は車内にいたことを意味し得る(例えば、サービスを使用していたが、もはやそのサービスを使用していない)。システム200は、他のメタデータ(タイムスタンプまたは他のデータなど)とともに、チェックインのステータスおよびチェックアウトのステータスを別々に追跡することができる。あるいは、システム200は、それらを単一のブール値に組み合わせても良いし(ユーザがチェックインされているかされていないか)、またはそれらの任意の組み合わせであってもよい。
【0064】
システム200の一実施形態において、予約にて予約可能な停車地は、同じスケジュール内に存在し得る。ただし、代替システムでは、ユーザは複数のスケジュールに及ぶ予約を作成できてもよい(例えば、同じルートに連続して複数回乗車したい人)。代替的または追加的に、1つのシステムにおいて、スケジュールは、複数のルート(従って、ルートの組み合わせから、対応する予約可能な停車地)を含んでもよい。
【0065】
システム200は、ライドシェアリングサービス、予約サービス、および、自動車サービス(例えば、レンタル、タクシーサービス、大量輸送など)並びに他の産業(建物またはサービスへのアクセス、オフィス利用、など)における他のサービスでの使用に適合され得る。したがって、二次システム200、および、位置特定システム100と二次システム200とを備えたシステム300は、ライドシェアリングサービスに限定されない。二次システム200は、任意のタイプの資産のための任意のタイプの予約システム、または任意のタイプの資産のための任意のアクセス制御システムであり得る。
【0066】
チェックイン/チェックアウトの状態は、追加的または代替的に、各停車地においてではなく、予約レベルで追跡できることを理解されたい。
【0067】
予約制御システム、つまり二次システム200の動作方法は、
図8の図示の実施形態に与えられ、全体として1000で表されている。図示の実施形態において、ユーザは、二次システム200とやりとりして、本明細書で資産としても説明されている対象物10の予約可能なリソース(例えば、ライドシェアリング車両での乗車など、本明細書で説明されるサービス)を予約することができる。ステップ1010。ユーザは、携帯デバイス20を用いて、確立されたネットワーク接続(例えば、インターネット)を介して二次システム200と通信することができる。ユーザは他の方法で予約可能なリソースを予約することができ、ユーザ自身が実際に予約可能なリソースを予約しなくてもよいことを理解されたい。プロキシ(パーソナルアシスタントや自動化システムなど)が、ユーザのために予約可能なリソースを予約してもよい。二次システム200は、ユーザによる使用のために対象物10の予約可能なリソースを確保し、予約可能なリソースをユーザの携帯デバイス20に関連付けることができる。ステップ1012。
A.チェックイン
【0068】
一実施形態では、予約可能なリソースが予約されている状態で、位置特定システム100を利用して、ユーザに関連付けられた携帯デバイス20に関する位置情報を決定することができる。携帯デバイス20の位置情報が、資産の予約可能なリソースの使用を開始するためのステップと一致する場合、ユーザは、チェックインされた、つまりリソースがユーザによって使用されていると見なされ得る。ステップ1016。
【0069】
一実施形態では、資産(例えば、車両)に対するチェックインは、位置特定システム100からの出力に基づいて確立され得る。チェックインは自動的に行われ得る。例えば、一実施形態では、自動チェックインは、以下のステップに従って実行され得る。ユーザが特定のサービスを予約し(例えば、ライドシェアリングサービスで停車地Aから停車地Bまで、時間Xから時間Yまで車、ホテルの部屋、または家を借りる、など)、ユーザが適切な絶対位置(例えば、特定の地理的位置)および/または対象物10への相対的な位置(例えば、車内、屋内または部屋の中、乗車のための停車地など)にいるとき、ユーザは、特定の場所で(例えば、予約した停車地で車両に乗った)、予約に自動的にチェックインされ得る(例えば、ユーザは車両内にいる[サービスを使用している])。
【0070】
二次サービスによっては、ユーザは位置に基づいてチェックインされることができる場合があり、例えば、ユーザが予約した車内にいる場合、ユーザはチェックインされ得る。ただし、ユーザが車外にいる場合、ユーザはチェックインされ得ないか、または、他のシステム制約が満たされていることを条件として(車両が現在の停車地を離れていない、現在の予約がまだ有効である、など)、ユーザが以前にチェックインされていれば、ユーザはチェックアウトされる可能性がある。一例として、ユーザは乗車した後に降車したり、間違った時間に降車したり、間違った時間に乗車したりするかもしれない。システムは、ユーザの位置、資産の位置、およびユーザに関連付けられた予約に基づいて、チェックインおよびチェックアウトを追跡するように構成され得る。
【0071】
一実施形態では、ユーザの電話が、意図的に、またはバッテリーの消耗の結果としてオフにされたり、アプリケーションがクラッシュしたり、または位置特定システム100がユーザ(ユーザのデバイス)をもはや検出しない原因となるかもしれない他のことが起こったりする可能性がある。結果として、システム200は、たとえもはやユーザが検出されなくても、ユーザが特定の位置で(例えば、チェックアウトのために外で)検出されたとシステム200が決定するまで、ユーザをチェックイン状態に保ってもよい。さらに、システム200は、対象物の物理的状態に基づいてチェックインを許可しなくてもよく、例えば、車両が移動している間、ユーザはチェックインされ得ない。ユーザが予約可能な特定の停車地にチェックインされた場合、システム200は、予約内の残りのすべての予約可能な停車地にユーザをチェックインしてもよいし、あるいは、システム200は、各停車地に到着または各停車地を出発するたびに、各予約可能な停車地のチェックインステータスを更新してもよい。
B.チェックアウト
【0072】
一実施形態において、チェックイン後、携帯デバイス10に関する位置情報は、位置特定システム100から取得することができる。システム200は、予約されたサービスまたは割り当てられたリソースの使用が完了したかどうか(例えば、リソースがユーザによってもはや使用されていないこと)を決定することができる。ステップ1015。例えば、システム200は、車両が予約されたサービスに関連する目的地の停車地に到達したことを判定することができる。この例のユーザは、携帯デバイス20と共に車両を降りることができる。資産または対象物10の予約可能なリソースの使用と矛盾する位置情報に基づいて、システム200は、予約可能なリソースに関してユーザがチェックアウトされたとみなすことができる。ステップ1017、1018、1019。
【0073】
一実施形態において、資産のチェックアウトは、位置特定システム100からの出力に基づいて確立され得る。チェックアウトは自動的に行われ得る。例えば、一実施形態では、自動チェックアウトは、以下のステップに従って実行され得る。ユーザが特定のサービスを予約し(例えば、ライドシェアリングサービスで停車地Aから停車地Bまで、時間Xから時間Yまで車、ホテルの部屋、または家を借りる、など)、ユーザが適切な絶対位置(例えば、特定の地理的位置)および/または対象物への相対的な位置(例えば、車外、屋外または部屋の外、降車のための停車地など)にいるとき、ユーザは、特定の場所で(例えば、ユーザは予約した停車地で車両から降りた)、予約から自動的にチェックアウトされ得る(例えば、ユーザは車両の外にいる[もはやサービスを使用していない])。
【0074】
二次サービスによっては、ユーザは位置に基づいてチェックアウトされることができ、例えば、ユーザが予約した車両の外にいる場合、ユーザはチェックアウトされ得る。ただし、ユーザが車内にいる場合、ユーザはチェックアウトされ得ないか、または、他のシステム制約が満たされていることを条件として(車両が現在の停車地を離れていない、現在の予約がまだ有効である、など)、ユーザが以前にチェックアウトされたならば、ユーザはチェックインされる可能性がある。例えば、ユーザが降車した後で乗車したり、間違った時間に降車したり、間違った時間に乗車したりするかもしれない。
【0075】
チェックインに関連して述べたように、ユーザの電話が、意図的に、またはバッテリーの消耗の結果としてオフにされたり、アプリケーションがクラッシュしたり、または位置特定システムがユーザ(ユーザのデバイス)をもはや検出しない原因となるかもしれない他のことが起こったりする可能性がある。結果として、一実施形態では、システムは、予約の終わり(目的地の停車地)でユーザを検出しない場合(例えば、予約の最終停車地でユーザが検出されない場合)、ユーザをチェックアウトすることができる。システムは、たとえもはやユーザが検出されなくても、ユーザが特定の位置で(例えば、チェックインのために内部で)検出されたとシステムが決定するまで、ユーザをチェックアウト状態に保ってもよい。さらに、システムは、対象物の物理的状態に基づいてチェックアウトを許可しなくてもよく、例えば、車両が移動している間、ユーザはチェックアウトされ得ない。ユーザが予約可能な特定の停車地でチェックアウトされた場合、システム200は、予約内の残りのすべての予約可能な停車地からユーザをチェックアウトしてもよいし、あるいは、システムは、各停車地に到着または各停車地を出発するたびに、各予約可能な停車地のチェックアウトステータスを更新してもよい。代替実施形態において、システムは、ユーザの携帯デバイスがもはや検出されない場合、ユーザをチェックアウトしてもよい。
C.車両が近くにある
【0076】
一実施形態において、
図8の図示された実施形態において仮想線でオプションとして示されるように、システム200は、ユーザを予約可能なリソースに案内する支援を提供してもよい。携帯デバイス20に関する位置情報が、ユーザが予約可能なリソースに近いが予約可能なリソースを使用していないことと一致する場合(例えば、車両に近いが車両内ではない、または車両のすぐ近くにある)、システム200は、予約可能なリソースへユーザを案内することを促進するためのユーザへの通知を提供してもよい。ステップ1020、1022。
【0077】
一実施形態において、携帯デバイス20およびユーザの近くに多くの車両が存在するかもしれず、それは、ユーザ自身が車両の集合を区別し、どの車両が正しい車両であるかを判断することを潜在的に困難にする。車両の状態とともに、ユーザの予約および車両(対象物10)に対するユーザの位置(例えば、ユーザが車両内にいないこと、またはユーザが車両の助手席側の近くにいることなど)、および/または、絶対位置(例えば、車両が停車地にいて、車両がユーザの現在の地理的位置の近傍であること)の知識を使用することにより、システム200は、ユーザを適切な車両に案内し、および/または、目的とする車両が近くにいることをユーザに知らせることができる。追加的または代替的に、システムは、ユーザが近くに立っている車両が適切な車両であるかどうかを少なくともユーザに示すことができる。この種の通知は、ユーザおよび/または車両の絶対的な地理的位置を認識し、車両とユーザを相関させる従来のクラウドシステムとは異なるかもしれない。本開示の一実施形態によるシステムは、はるかに正確であり、スケールに応じ得る。例えば、システムは、車両XとYの両方がGPSなどによって決定されるほぼ同じ地理的位置にいるにもかかわらず、ユーザが車両Yではなく車両Xのドアの近くにいることを検出することができる。
D.ユーザが車両に乗らない
【0078】
一実施形態において、ユーザがピックアップ位置で注意散漫となり車両に乗らなかったり、またはユーザが、例えば、最初に予約したものとは異なる車両(サービス)を予約することを望むなど、意図的に車両に乗らなかったりする場合がある。車両の状態とともに、ユーザの予約および対象物に対するユーザの位置(例えば、ユーザが車両内にいないこと)、および/または、絶対位置(例えば、車両が停車地にいて、車両がユーザの現在の地理的位置の近傍であること)の知識を使用することにより、システム200は、乗り物がピックアップ位置に到着したこと、およびユーザが車両に乗る必要があることをユーザに通知することができる。システム200は、ユーザが車両に乗るまで(または車両が停車地を離れるまで)、継続的にユーザに通知することができる。システムは、ユーザが通知を無視していると判断された場合(例えば、一定期間後またはしきい値数の通知後に乗らなかった、もしくは通知の積極的な棄却の後に乗らなかった、あるいはそれらの任意の組み合わせ)、ユーザに別の車両(サービス)を予約することを提案してもよい。ステップ1024、1026。
E.ユーザが車両を降りない
【0079】
一実施形態において、ユーザは、割り当てられた量のリソースの使用が終了した後、割り当てられたリソースの使用を中止しないかもしれない。例えば、ユーザは予定された停車地でバスや車両を離れなかったり、予定された時間にホテルの部屋を離れなかったりするかもしれない。一実施形態において、
図8-9に仮想線でオプションとして示されるように、システム200は、リソースの過剰使用を回避しようとするため、リソースの延長使用をユーザに予約しようとするため、またはそれらの組み合わせのための措置を講じることができる。例えば、システム200は、間近に迫った予約完了をユーザに通知するか、またはリソースの延長使用をユーザに再予約するか、またはそれらの組み合わせを行ってもよい。ステップ1028、1030、1032、1034、1036、1038。
【0080】
ユーザが降車位置で注意散漫となり車両から降りなかったり、またはユーザが、例えば、最初に予約したものとは異なる(後の)停車地で降車することを望んで、意図的に車両から降りなかったりする場合がある。車両の状態とともに、ユーザの予約および車両(対象物10)に対するユーザの位置(例えば、ユーザが車両内にいること)、および/または、絶対位置(例えば、車両が停車地にいて、車両がユーザの現在の地理的位置の近傍であること)の知識を使用することにより、システムは、乗り物が降車のための停車地に到達したこと、およびユーザは車両を降りる必要があることをユーザに通知することができる。
【0081】
システムは、ユーザが車両を降りるまで(または車両が停車地を離れるまで)、継続的にユーザに通知することができる。ステップ1030、1034。ユーザが予定された停車地で車両を降りないシナリオでは、運転手は、予期しない乗客が乗車していることを通知されてもよい。代替的または追加的に、乗客が車両を降りない場合、システムは、車両が停車地を出発するとき(または他の何らかのイベントで)、その停車地を乗客に自動的に予約することができる。ステップ1028、1032、1036。代替的または追加的に、乗客が車両を降りない場合、システムは、追加のまたはより少ないサービスの使用および/または料金のために、乗客への請求金額を調整してもよい。乗客が車両を降りておらず、予約可能な停車地が満員の場合、運転手はどの乗客が車両を降りていないかを簡単に識別できる場合がある。乗客が車両を降りておらず、予約可能な停車地が満員の場合、満員であるために車両は予約されることができないことを乗客に通知してもよく、したがって、乗客に車両を降りる必要があることを知らせてもよい。ステップ1038。写真などの個人情報は、ユーザに関連付けられてもよく、一実施形態において、識別を容易にするために運転手に利用可能にされてもよい。
F.ユーザが間違った車両に乗った
【0082】
一実施形態において、ユーザは、ピックアップ位置で混乱して間違った車両に乗るかもしれず、または、ユーザは、例えば、最初に予約したものとは異なる車両(サービス)を予約することを望んで、意図的に間違った車両に乗るかもしれない。車両の状態とともに、ユーザの予約および車両(対象物10)に対するユーザの位置(例えば、ユーザが予約していない車両内にいること)、および/または、絶対位置(例えば、車両が停車地にいて、車両がユーザの現在の地理的位置の近傍であること)の知識を使用することにより、システムは、ユーザが間違った車両に乗ったことを知らせることができる。
【0083】
ユーザが間違った車両に乗るシナリオでは、運転手は、予期しない乗客が乗車していることを通知されてもよい。代替的または追加的に、乗客が間違った車両に乗り込んだ場合、システムは乗客の予約を現在の車両に変更する(および/または新しい予約を選択する)ように乗客に促してもよい。代替的または追加的に、乗客が間違った車両に乗り込み、車両が出発する(またはその他のイベント)前に降りない場合、システムは自動的にその停車地を乗客に予約してもよい。代替的または追加的に、乗客が間違った車両に乗り込み、車両が出発する前に降りない場合、システムは、追加のまたはより少ないサービスの使用および/または料金のために乗客への請求金額を調整してもよい。乗客が車両に乗り込み、予約可能な停車地が満員の場合、運転手はどの乗客が車両に乗ったかを簡単に識別できる場合がある。乗客が車両に乗り込み、予約可能な停車地が満員の場合、満員であるために車両は予約されることができないことを乗客に通知してもよく、したがって、乗客に車両を降りる必要があることを知らせてもよい。そのような場合、システムは、ユーザに別の車両(サービス)を予約することを提案してもよい。
G.ユーザが予約なしで車両に乗った
【0084】
一実施形態において、ユーザは、予約なしで車両に乗ることを望むかもしれない(ウォークアップユーザなど)。車両の状態とともに、ユーザの予約(この場合は予約の欠如)および対象物に対するユーザの位置(例えば、ユーザが予約していない車両内にいること)、および/または、絶対位置(例えば、車両が停車地にいて、車両がユーザの現在の地理的位置の近傍であること)の知識を使用することにより、システムは、ユーザが予約していない車両に乗ったことをユーザに通知することができる。
【0085】
ユーザが予約なしで車両に乗った場合、運転手は、予期しない乗客が乗車していることを通知されてもよい。代替的または追加的に、乗客が予約なしで車両に乗った場合、システムは現在の車両を予約する(および目的地を選択する[または現在の停車地から次の停車地まで自動的に予約を生成する])ように乗客に促してもよい。代替的または追加的に、乗客が予約なしで車両に乗り込み、車両が出発する前に降りない場合、車両が停車地を出発するとき(または何らかの他のイベントで)、システムは自動的にその停車地を乗客に予約してもよい。代替的または追加的に、乗客が予約なしで車両に乗り込み、車両が出発する前に降りない場合、システムは、追加のまたはより少ないサービスの使用および/または料金のために乗客への請求金額を調整してもよい。乗客が車両に乗り込み、予約可能な停車地が満員の場合、運転手はどの乗客が車両に乗り込んだかを簡単に識別できる場合がある。乗客が車両に乗り込み、予約可能な停車地が満員の場合、満員であるために車両は予約されることができないことを乗客に通知してもよく、したがって、車両を降りる必要があることを乗客に知らせてもよい。そのような場合、システムは、別の車両(サービス)を予約することをユーザに提案してもよい。
H.ユーザが間違った停車地で車両を降りた
【0086】
一実施形態において、ユーザは、注意散漫となりおよび/または混乱して、間違った停車地で車両を降りるかもしれず、または、ユーザは、例えば、最初に予約したものとは異なる停車地で降りることを望んで、意図的に車両を降りるかもしれない。車両の状態とともに、ユーザの予約および車両(対象物10)に対するユーザの位置(例えば、ユーザが車両内にいないこと)、および/または、絶対位置(例えば、車両が停車地にいて、車両がユーザの現在の地理的位置の近傍であること)の知識を使用することにより、システムは、ユーザが間違った停車地で車両を降りたこと、およびユーザは車両に戻る必要があることをユーザに通知することができる。システムは、ユーザが車両に戻るまで(または車両が停車地を離れるまで)、ユーザに継続的に通知してもよい。ユーザが間違った停車地で車両を降りたシナリオでは、運転手は、乗客が間違った停車地で降りたことを通知されてもよい。代替的または追加的に、乗客が間違った停車地で車両を降りる場合、システムは、車両が停車地を出発するとき(または他の何らかのイベントで)、乗客を自動的にチェックアウトしてもよい。代替的または追加的に、乗客が間違った停車地で車両を降りる場合、システムは、追加のまたはより少ないサービスの使用および/または料金のために、乗客への請求金額を調整してもよい。ユーザが予約した目的地以外の停車地でチェックアウトした場合、システムはユーザに別の車両(サービス)を予約することを提案してもよい。
I.座席固有の予約または座席の検出
【0087】
一実施形態による上記のシステムは、車両そのものを予約することができる(例えば、車両は9つの座席を有し、したがって最大9人のユーザがその車両を予約することができる)。しかしながら、特定の車両の特定の座席を予約可能であってもよい。さらに、システムは、(乗客の割り当てられた座席に対する乗客の決定された位置に基づいて)間違った座席に座っている乗客に通知を与えてもよい。追加的または代替的に、システムは、ユーザが任意の座席に座ることを許可してもよいが、彼らが着席している特定の座席にユーザの位置を特定してもよい。
J.パーソナライズ
【0088】
座席固有の予約の有無にかかわらず、システムは、特定の個人および/またはグループに関連付けられた、保存された希望条件に基づいて、特定のユーザまたはユーザのグループの体験をパーソナライズしてもよい。システムが座席固有の予約を許可する、および/または、ユーザを特定の座席にローカライズする場合、ユーザの保存された座席希望条件(暖房、冷房、リクライニング、ランバーサポートなど)、オーディオ希望条件(個人用オーディオサービスの資格情報、音量、お気に入りの放送局など)、ビデオ希望条件(個人用ビデオストリーミングサービスの資格情報、お気に入りのチャネルなど)、および/またはその他の保存された希望条件/設定が、ユーザが着席している座席に自動的に適用されてもよい。
【0089】
追加的または代替的に、システムは、ユーザに関する情報を使用して、標的型または非標的型広告(例えば、オーディオ、ビデオ、匂い、製品サンプルなど)を、ユーザが着席している座席に届けてもよい(例えば、設定および/または希望条件、乗車または降車位置、ID[匿名化の有無によらない]、またはその他の任意の属性)。システムは、追加的または代替的に、(例えば、システムがユーザを特定の座席にローカライズしない場合など)、車両における適切な設定を決定するために、現在車両に乗っている、またはすぐにピックアップされる予定のユーザのグループの希望条件を集めたものを使用しても良い(例えば、すべてのユーザが大音量のラップ音楽を好む場合、システムは大音量のラップ音楽を再生してもよいが、1人のユーザが乗車中に音楽を聴きたくない場合は、代わりに、よりソフトで穏やかな音楽が再生されてもよい。すべてのユーザが華氏73度に設定された温度を好む場合、サーモスタットが華氏73度に設定されてもよいが、そうでない場合、サーモスタットはユーザのグループにより適した値に設定されてもよい[例えば、平均、最大、最小など]。)。システムは決定された設定を自動的にセットしてもよい、または、決定された設定が運転手に伝えられて、手動で設定されるか、承認されてもよい。
K.プライバシー
【0090】
一実施形態のシステムは、ユーザおよび資産(例えば、対象物)に関連する識別情報が第三者のオブザーバによってアクセスされることから実質的に保護するように構成されてもよい。この保護により、追跡や盗難を実質的に防ぐことができる。ユーザが利用したいサービス(例えば、ライドシェアリングサービス、レンタルまたはオフィスなど)に属するものとして対象物を発見できるようにするために、対象物は、対象物(例えば、車両)に関する識別情報を携帯デバイスに開示してもよい。例えば、車両への乗車を予約するために、またはユーザが間違った車両に乗ったかどうかを判定するために、システムは、車両に対するユーザの位置(例えば、ユーザがどの車両に位置しているかなど)を決定してもよい。これを達成するために、対象物(例えば、車両)は、それがどのサービスの一部であるか、またはどのサービスを提供するかなどの(例えば、車両がライドシェアリングフリートの一部である、バスが都市の公共大量輸送交通システムの一部である、ATMが特定の銀行チェーンの一部である、など)、それ自体に関する情報をブロードキャストまたはアドバタイズすることができる。対象物によるこれらのサービスのブロードキャスト/アドバタイズメントは、携帯デバイスだけでなく、他の人(第三者)にも観察可能である可能性がある。携帯デバイスは、ユーザが設定または許可したサービスに関連付けられた対象物に応答する(たとえば、接続する、通信する、さらに問い合わせる、など)ことを決定してもよい。代替的または追加的に、これらの役割を逆にすることができ、携帯デバイスはそれ自体に関する情報をアドバタイズ/ブロードキャストし、対象物は、対象物に対して設定または許可された携帯デバイスに応答してもよい。
【0091】
携帯デバイスと対象物が接続された後(またはそれに応答して)、それらは、対象物に固有の情報(例えば、車両番号など)または携帯デバイスに固有の情報(例えば、デバイス識別子、車両に対する位置)などの追加の識別情報を通信することができる。どちらの場合も、第三者はそのようなアドバタイズメント/ブロードキャストおよび/またはその後の通信を使用して、対象物および/または携帯デバイス(したがってユーザ)に関する情報を追跡または取得する可能性がある。これらのアドバタイズメント/ブロードキャストおよびその後の通信は、第三者が(a)携帯デバイス(ユーザ)および/または対象物を追跡すること、および、(b)対象物および/または携帯デバイスの識別情報を取得することを防ぐことにより、携帯デバイス(ユーザ)および/または対象物のプライバシーを保護する方法で実行され得る。例えば、ライドシェアリングサービスは、近接度に基づいてユーザが車両を発見し、予約できるようにしたいが、システム通信の第三者のオブザーバが、やりとりに関与する特定の車両または携帯デバイスに関する識別情報を取得できるようにはしたくない。一実施形態では、車両またはサービスまたは対象物が予約されている(例えば、現在利用可能な予約はない)、またはサービスを停止している場合、アドバタイズメントまたはプライバシーを侵害する通信を中止することができる。一例として、車両のライドシェアリングサービスが4つの空きスロットを含む場合、車両からのアドバタイズメントが有効にされ得る。4つのスロットがすべて埋まると、車両はアドバタイズメントを無効にしてもよい。
【0092】
一実施形態において、対象物(例えば、車両)は、それが属するサービス(例えば、特定のライドシェアリング、タクシー、大量輸送など)に関する情報をアドバタイズ/ブロードキャストし、設定された携帯デバイスは、対象物に接続され、続いて、サービスを予約し、動作を実行するべく、対象物に固有の追加の「プライベート情報」(例えば、車両番号または他のサービス対象物固有情報)を取得するために、対象物と通信する。別の実施形態では、携帯デバイスも、携帯デバイスに固有の「プライベート情報」を対象物に通信してもよい。これらの実施形態において、「プライベート情報」は、オブザーバが、基礎となる情報(ペイロード)を取得できない、または(繰り返される通信イベントに渡ってさえ)観察された通信を特定の携帯デバイスおよび/または対象物に関連付けることができないように、ランダム化および/または暗号化されても良い。例えば、「プライベート情報」は、各メッセージで変化する入力(例えば、タイムスタンプまたはカウンタ)、各メッセージでまたは時間に基づいて変化する暗号化キーおよび/またはランダマイザを含んでもよいし、分離した(例えば、クラウド)サービスによって提供されるまたはサービス内に存在するコンテンツと関連付けられたランダム識別子であるか、もしくはランダム識別子を含んでもよいし、あるいはそれらの任意の組み合わせであってもよい。「プライベート情報」は、基礎となる情報を出特するため、クラウドサービスなどの別のサービスと連携する携帯デバイスによって読み取り可能であってもよく(例えば、携帯デバイスは、基礎となる情報を取得するために、受信した「プライベート情報」をクラウドサービスに送信する、または、クラウドサービスは、基礎となる情報についての情報を携帯デバイスに提供することなく、受信した「プライベート情報」を使用して、動作を実行する。)、および/または、デバイスローカルサービスによって読み取り可能であってもよい(例えば、携帯デバイスは、アプリケーションバンドルの一部として、外部クラウドサービスから以前に受信した情報、プライベートデバイス識別子、またはデバイスに保存されている承認/資格情報などの、自由に使える情報に基づいて「ポータブル情報」を復号化またはランダム化解除する)。
【0093】
別の実施形態では、「プライベート情報」は、暗号化またはランダム化されないが、安全で認証された通信リンクを介してのみ交換される。別の実施形態では、「プライベート情報」は、広告/ブロードキャスト自体の一部として通信されてもよい(すなわち、接続が確立された後の通信を介してではなく)。
【0094】
これらの方法において、携帯デバイスは、システム通信の第三者のオブザーバが、前記「プライベート情報」を取得できない、または前記携帯デバイスおよび/または対象物を追跡できない方法で、サービス発見プロセスの一部として、対象物に関する「プライベート情報」を取得することができ、それは、対象物および/または携帯デバイスが互いの事前知識を持っていることを必要とせずに、携帯デバイスに、サービスを予約することおよび/または処理を実行することを可能とする。(特定のサービスへの参加および/またはそのようなサービスへの参加に対する所有者の同意を除く)。
IV.鍵/承認の自動生成と割り当てシステム及び方法
【0095】
自動での鍵生成または承認生成、あるいはその両方、および割り当てのシステム及び方法が提供される。システム及び方法は、本明細書に記載の1つ以上の実施形態による、二次システム200および位置特定システム100と併せて提供され得る。
【0096】
一実施形態において、「承認」は、特定のユーザまたはデバイスが、特定の制約条件で(例えば、何時、何回、など)特定の権利を用いて(例えば、どのサブ機能、どのセキュリティレベル、どの媒体などの特定の方法で)特定のサービス(車両、または車両の機能)にアクセスすることを可能にする。多くのシステムでは、「承認」は「デジタルキー」と呼ばれることがある。「承認」は、例えば、2017年10月27日に出願された、スミスらの、デバイスを認証し、承認するシステムおよび方法と題された米国出願第15/796180号に説明されており、その開示は、全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0097】
一実施形態によるシステムは、ユーザが運転手となる「スケジュール」のセットに基づいて、ユーザ、またはユーザのデバイスのセットの承認を自動的に生成することができる(すなわち、システムは、スケジュールごとに割り当てられた車両にアクセスするユーザのために承認を生成することができる)。
【0098】
追加的または代替的に、システムは、ユーザの予約(すなわち、ユーザが乗客となる車両、および、いつユーザが乗客となるか)に基づいて、ユーザ、またはユーザのデバイスのセットの承認を自動的に生成することができる(すなわち、システムは、予約ごとに、予約済みの車両にアクセスするユーザのための承認を生成する)。
【0099】
承認の開始時間と終了時間は、計算されたスケジュール/ルートの実行時間、および/または、運転手/乗客(ユーザ)が、現在/出発/目的の車両位置へ/からの推定移動時間(ユーザが車両に到着するための移動時間、現在位置からルートの始点まで車両を移動する移動時間、ルートの終点から別の目的地まで車両を移動する移動時間、などを含む)を使用して動的に決定され得る。あるいは、開始時間と終了時間は静的に決定されてもよい(例えば、一日中)。計算されるスケジュール/ルートの実行時間(例えば、スケジュール/ルートの期間)および/または停車地の推定到着時間(例えば、車両が特定の停車地に到着する時間)は、(Google Maps、Waze、Apple Mapsなどのようなリアルタイムマッピング/交通システムを介して静的または動的に計算される)停車地間の移動時間、停車地待機時間(すなわち、停車地で乗客を待機する時間、それは、静的、動的であるかもしれず、また、すべての停車地で同じであっても、各停車地で異なってもよい)、気象条件、交通状況、乗客数、または関連する可能性のあるその他の属性を使用して計算することができる。計算されるスケジュール/ルート実行時間および/または停車地の推定到着時間は、スケジュールが作成されるか、または割り当てられたとき、スケジュールが始まる前の所定の時間に、または動的に、もしくはそれらの任意の組み合わせで計算され得る。システムは、計算されたスケジュール/ルートの実行時間および/または推定到着時間に基づいて、承認を更新することができる。一実施形態では、スケジュール/ルート実行時間は、スケジュール/ルートが生成される(すなわち、特定のスケジュールがルートに対して作成される)ときに、スケジュール開始時間に、および/またはスケジュール開始時間前の所定の時間に、動的に決定されてもよい。
【0100】
効率、ユーザ体験、およびシステム性能を向上させるために、システムは、事前承認オフセット、および/または、事後承認オフセット、および/または最大承認ギャップしきい値、および/または、他のオフセットおよび/またはしきい値を適用することによって、生成された承認のセットを調整および/または統合することができる。事前承認オフセットは、承認の決定された開始時間の前に承認が有効であると見做される時間および/またはアクセスの数として定義することができる(例えば、運転手は予定された開始時間の30分前まで車両にアクセスできる必要があり、乗客は予約の5分前まで車両にアクセスできる必要がある、など)。
【0101】
事後承認オフセットは、承認の決定された終了時間の後に承認が有効であると見做される時間および/またはアクセスの数として定義することができる(例えば、運転手は予定された終了時間の30分後まで車両にアクセスできる必要があり、乗客は予約の5分後まで車両にアクセスできる必要がある、など)。
【0102】
最大承認ギャップしきい値は、連続する承認が、その後は結合され得ない、(時間的に)連続する承認の終了時間と開始時間の間の最大時間間隔(ギャップ)を定義するしきい値として定義され得る(例えば、しきい値が30分の場合、15分離れた2つの承認[承認Aは10:15分に終了し、承認Bは10:30に開始する]は1つの承認に結合され得るが、1時間離れた2つの承認は結合され得ない)。オフセットおよび/またはしきい値は、静的に決定することも動的に決定することもできる。例示のシステムでは、事前および事後承認オフセット、および最大承認ギャップしきい値は、すべて30分に設定される。別の例示システムは、オフセットおよび/またはしきい値が、ユーザの履歴(サービスの利用年数、乗車回数など)、システム内の役割(運転手、監督運転手、など)、スケジュール間の移動時間、および/または他の基準に従って、ユーザごとに異なって設定され得るものである。
【0103】
事前承認オフセット、事後承認オフセット、および最大承認ギャップしきい値を使用する、調整と結合の組み合わせアルゴリズムの一例が、以下のステップに従って提供される。
1)特定の車両とユーザについて、スケジュールと予約のセットに基づいて、承認の最大セットを決定する。
2)承認ごとに、事前承認及び事後承認オフセットを適用する(つまり、開始時間から事前承認オフセットを差し引き、終了時間に事後承認オフセットを加える)。
3)開始時刻の昇順で2セットから順番に並べる(例えば、2018年8月17日午前10時15分、2018年8月17日午前10時30分、2018年8月17日午前11時、など)。
4)同じ権限(i)と(j、またはi+1)を持つ承認の連続するペアごとに、2つの開始時間と終了時間の差(つまり、[j]開始時間-[i]終了時間)が最大承認ギャップしきい値未満(または、以下)の場合、[i]の終了時間を[j]の終了時間に設定し、そして、セットから[j]を削除することにより、[i]と[j]を統合する(あるいは、[j]の開始時間を[i]の開始時間に設定して[i]を削除する)。
【0104】
上記のアルゴリズムを前提として、同じアクセス権のセットを持つ、同じ車両とユーザに対する下記の承認のセットは、以下のように統合され得る。
(1)から、結果として生じるセットは、{2018年8月17日午前10時15分~午前10時35分、2018年8月17日午前10時30分~午前10時50分、2018年8月17日午前11時00分~午前11時20分、2018年8月17日午前11時15分~午前11時35分}となる。
(2)から、オフセットおよびしきい値がそれぞれ30分であるとすると、結果として生じるセットは、{2018年8月17日午前9時45分~午前11時05分、2018年8月17日午前10時00分~午前11時20分、2018年8月17日午前10時30分~午前11時50分、2018年8月17日午前10時45分~午前12時05分}となる。
(3)から、セットはすでに順番に並べられている。
(4)から、結果として生じるセットは、{2018年8月17日午前9時45分~午前12時05分}となる。
繰り返し1:2018年8月17日午前10時00分マイナス2018年8月17日午前11時05分は、最大承認ギャップしきい値未満であるため、統合し、削除する。→2018年8月17日午前9時45分~午前11時20分。
繰り返し2:2018年8月17日午前10時30分マイナス2018年8月17日午前11時20分は、最大承認ギャップしきい値未満であるため、統合し、削除する。→2018年8月17日午前9時45分~午前11時50分。
繰り返し3:2018年8月17日午前10時45分マイナス2018年8月17日午前11時50分は、最大承認ギャップしきい値未満であるため、統合し、削除する。→2018年8月17日午前9時45分~午前12時05分。
【0105】
システムは、「手動」承認、つまり上記の「スケジュール」と「予約」のセットを介して「自動的に」以外の手段で作成される承認(フリートマネージャーなど)もサポートすることができる。システムは「自動」認証を「手動」認証とは別にマーキングしてもよく、その結果、「自動」認証が更新される必要があるときはいつでも、「手動」認証に影響を与えることなく既存のセットを簡単に破棄して再作成することができる。
V.バイオメトリック認証システムを支援するためのシステムおよび方法
【0106】
位置特定システム100および二次システム200を含む、一実施形態によるシステムは、システムとやりとりするのに十分な通信能力(アプリがインストールされている、BLEに対応可能である、セルラーに対応可能である、など)を有する携帯デバイスに依存してもよい。その結果、受動的バイオメトリックまたは他のバイオメトリックシステムが、そのようなシステムと組み合わせて使用されて、ユーザを識別し、それらの位置を追跡することができる。多くの場合、バイオメトリクス自体、特に受動的バイオメトリクス(顔認識など)は、考えられる分類(ユーザ)の大規模なセット全体で、特に困難な環境(急いで、車両に乗り込んでいる、および車両から降りているユーザなど)でエラーが発生しやすい傾向がある。
【0107】
一実施形態によるシステムによって提供される識別情報は、対応できる携帯デバイスを有するユーザのための追加のセキュリティ手段として、またはそのような携帯デバイスを有するユーザを、バイオメトリックシステムが処理しなければならないユーザのリストから削除することを介して(または、そのようなユーザの処理方法を変更することによって)、そのようなシステムがユーザをより正確に(信頼性を高める)分類するのを助けるために使用され得る。バイオメトリックシステムが、追加のセキュリティ手段としてユーザを認証するために使用される場合、セキュリティ情報(2017年10月27日に出願された、スミスらの、デバイスを認証し、承認するシステムおよび方法と題された米国出願第15/796180号に説明されるセキュリティ情報など)は、さらに、そのようなシステムの速度と精度を向上させることができる。
【0108】
ユーザが車両の乗客である場合、携帯デバイスから取得されるセキュリティ情報に基づく認証により、車両の運転手は、ユーザを手作業で確認する必要がないということを自信を持って進めることができる。
VI.占有情報を報告するためのシステムおよび方法
【0109】
システム200の一実施形態では、テレマティクス制御ユニット(例えば、プロセッサが取り付けられたセルラーモデム)は、接続/検出された携帯デバイスのセットに関する情報(例えば、各携帯デバイスに対して、関連付けられた携帯デバイス識別子、ユーザ識別子、ゾーン、現在の決定された位置、携帯デバイスおよび/またはそのユーザに関するその他の関連情報、またはそれらの任意の組み合わせ)を取得するために、対象物デバイス50(例えば、BLEベースの位置特定システム)とやりとりすることができる。TCUは、占有情報が変更されるたび、並びに周期的に(所定間隔で、現在は5秒ごとにセットされている)、または、問い合わせ時に、他のシステム、サービス、およびアルゴリズムによる使用のために、この占有情報を、他のシステムおよび/またはサービス(二次システム、対象物、位置特定システムと関連付けられたクラウドサービス、他の任意のサービスまたはシステム、もしくはそれらの任意の組み合わせなど)送信してもよい。1つのシステムにおいて、占有情報は匿名化されてもよいし、あるいは、占有情報は匿名化されなくてもよい。この占有情報は、適切なUIアクションを実行すべく(例えば、ユーザがチェックインされた、チェックアウトされたこと、ユーザが間違った車両に乗っていることなどをユーザに知らせる)、チェックイン/チェックアウトの状態を判断するため、および、携帯デバイスによって使用されるレポートを生成するためにクラウドによって使用され得る。この占有情報は、緊急時など、特定の車両の現在または過去の占有者のセット(または、特定のサービスのユーザ)を知る必要がある場合にも使用されてもよい。このような場合、TCUは、占有情報を提供する占有コントローラとして機能することができる。
【0110】
一実施形態では、テレマティクス制御ユニットは、対象物デバイスおよび/または接続/検出された携帯デバイスに関連する識別情報を実質的に保護するように構成されても良い。個人情報または機密とみなされる情報を保護するための、本明細書に記載されるような保護スキームは、他のシステムおよび/またはサービス(二次システム、対象物、位置特定システムと関連付けられたクラウドサービス、他の任意のサービスまたはシステム、もしくはそれらの任意の組み合わせなど)への通信とともに提供され得る。そのような保護は、1つのシステムまたはサービスに提供され、別のシステムまたはサービスには存在しない場合があることを理解されたい。
VII.テレマティクス報告レートを調整するためのシステムと方法
【0111】
一実施形態では、組み込みシステムの更新レートおよび/または応答性は、(異なるゾーンの)内部または外部で、承認されているかどうかに係わらず、検出されたユーザの存在に基づいて更新されてもよい。例えば、車両が駐車していて、検出されたユーザが存在しない場合、GPS更新が毎秒送信されなくてもよい。報告レートの調整は、車両の近くまたは車内にユーザがいたかどうかに基づくことができる、多数の他のテレマティクスがある。
【0112】
「垂直」、「水平」、「上」、「下」、「上方」、「下方」、「内側」、「内側へ」、「外側」および「外側へ」などの方向を示す用語が、図示された実施形態の方向に基づいて本発明を説明するのを助けるために使用される。方向を示す用語の使用が、本発明をいずれかの特定の方向に限定すると解釈されるべきではない。
【0113】
上記の説明は、本発明の現在の実施形態の説明である。均等論を含む特許法の原則に従って解釈されるべき、添付の特許請求の範囲に定義される本発明の精神および広範な態様から逸脱することなく、様々な変更や変化がなされることができる。本開示は、説明の目的のために提示されたものであり、本発明のすべての実施形態の包括的な説明として解釈されるべきではなく、または請求の範囲をこれらの実施形態に関連して図示または説明される特定の要素に限定するものでもない。例えば、限定するものではないが、記載された発明の任意の個々の要素は、実質的に同様の機能を提供するか、さもなければ適切な動作を提供する代替要素によって置き換えることができる。これには、例えば、当業者に現在知られているような、現時点で知られている代替要素、および、開発時に当業者が代替要素として認識するような、将来的に開発される代替要素が含まれる。さらに、開示された実施形態は、共に説明され、協力して利点の集まりを提供する複数の特徴を含む。本発明は、発行された特許請求の範囲に明示的に記載されている場合を除き、これらの特徴の全てを含む、または、記載された全ての利点を提供する実施形態のみに限定されない。例えば、冠詞「a」、「an」、「the」または「said」を使用する、単数形での請求項要素を参照することは、その要素を単数に限定するものとして解釈されるべきではない。「X、YおよびZのうちの少なくとも1つ」としての請求項要素に対する言及は、個々にX、YまたはZのいずれか1つ、およびX、YおよびZの任意の組み合わせ、例えばX、Y、Z;X、Y;X、Z:Y、Zを含むことを意味する。