(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-25
(45)【発行日】2022-08-02
(54)【発明の名称】水道メーター検針装置
(51)【国際特許分類】
G08C 15/00 20060101AFI20220726BHJP
G08C 19/36 20060101ALI20220726BHJP
【FI】
G08C15/00 B
G08C19/36
(21)【出願番号】P 2022507016
(86)(22)【出願日】2020-03-09
(86)【国際出願番号】 JP2020010099
(87)【国際公開番号】W WO2021181481
(87)【国際公開日】2021-09-16
【審査請求日】2022-03-08
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】成相 貴弘
【審査官】岩本 太一
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-131019(JP,A)
【文献】国際公開第2017/122278(WO,A1)
【文献】特開2018-063512(JP,A)
【文献】特開2019-128227(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08C 13/00-25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井裏に設置された水道メーターの検針を行う水道メーター検針装置であって、
上空から下方の対象物の画像を撮像するカメラが搭載された無人飛行体と、
前記無人飛行体に搭載され、前記無人飛行体及び前記カメラを制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記水道メーターの上空を飛行中の前記無人飛行体から前記水道メーターの文字盤の上下向きを読み取る文字盤読取部と、
前記カメラによって撮像される撮像画像の上下向きが前記文字盤の前記上下向きと一致するように前記無人飛行体をヨー方向に回転させてから前記文字盤を撮像する画像撮像部と、
を備える水道メーター検針装置。
【請求項2】
前記文字盤読取部は、前記文字盤に含まれる矢印マークに基づいて、前記文字盤の上下向きを読み取るように構成され、
前記画像撮像部は、前記矢印マークの指す方向が前記撮像画像の下向きとなるように前記無人飛行体をヨー方向に回転させる請求項1に記載の水道メーター検針装置。
【請求項3】
前記画像撮像部は、前記水道メーターの上空において、複数の異なる撮像場所から前記文字盤をそれぞれ撮像する請求項1または請求項2に記載の水道メーター検針装置。
【請求項4】
前記制御装置は、前記撮像画像を、前記水道メーターに関連する関連情報に紐付けて保存する画像保存部を更に備える請求項1から請求項3の何れか1項に記載の水道メーター検針装置。
【請求項5】
前記関連情報は、前記水道メーターが設けられている建物に関連する情報、前記水道メーターの種類に関連する情報、及び前記天井裏における前記水道メーターの配置に関連する情報の何れか1つを含む請求項4に記載の水道メーター検針装置。
【請求項6】
前記制御装置は、前記水道メーターの上空まで自律飛行を行う自律飛行部をさらに備える請求項1から請求項5の何れか1項に記載の水道メーター検針装置。
【請求項7】
前記無人飛行体は、前記水道メーターの蓋を開けるためのアーム部を更に備える請求項1から請求項6の何れか1項に記載の水道メーター検針装置。
【請求項8】
前記無人飛行体は、下方を照らすライトを更に備える請求項1から請求項7の何れか1項に記載の水道メーター検針装置。
【請求項9】
前記無人飛行体は、前記水道メーターの前記文字盤の表面を掃除するためのブラシ
をさらに備える請求項1から請求項8の何れか1項に記載の水道メーター検針装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、水道メーター検針装置に係り、特に、無人小型飛行体を用いて天井裏に設置された水道メーターの検針を行う水道メーター検針装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、無人小型飛行体を用いた点検方法に関する技術が開示されている。この技術では、カメラを装着した無人小型飛行体を用いて、煙突、トンネル等の内部空間の状況を撮影し、その壁面状況を確認する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ビル等の建物の天井裏に水道メーターが設置されていることがある。水道メーターの検針は、天井に設けられた点検口から作業員が手を伸ばして水道メーターの文字盤をカメラで撮像する方法が一般的である。また、水道メーターが点検口から離れた場所に設置されている場合には、例えば棒の先端にカメラを装着して水道メーターの文字盤を撮像する方法が採られることもある。このような検針作業は、例えば作業員が脚立に乗りながら手探りで行う必要があるため、作業効率が悪いという課題がある。
【0005】
そこで、新たな天井裏の水道メーターの検針方法として、例えば特許文献1に記載されているような無人小型飛行体を利用する方法が考えられる。天井裏における水道メーターは文字盤が上を向いていることが一般的である。このため、カメラを搭載した無人小型飛行体を水道メーターの上空まで飛行させることにより、作業員による撮像が困難な場所に設置された水道メーターであっても文字盤を撮像することが可能となる。しかしながら、水道メーターの上空から文字盤を単に撮像すると、文字盤の向きが傾いた撮像画像が得られることが考えられる。この場合、撮像画像の文字盤から数値を容易に読み取ることができず、検針作業の効率が低下するおそれがある。
【0006】
本開示は、上述のような課題を解決するためになされたもので、無人飛行体を用いて天井裏に設置された水道メーターの文字盤の撮像を行う水道メーター検針装置において、撮像画像における文字盤の読み取り易さを向上させることのできる水道メーター検針装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、天井裏に設置された水道メーターの検針を行う水道メーター検針装置であって、上空から下方の対象物の画像を撮像するカメラが搭載された無人飛行体と、無人飛行体に搭載され、無人飛行体及びカメラを制御する制御装置と、を備える。制御装置は、水道メーターの上空を飛行中の無人飛行体から水道メーターの文字盤の上下向きを読み取る文字盤読取部と、カメラによって撮像される撮像画像の上下向きが文字盤の上下向きと一致するように無人飛行体をヨー方向に回転させてから文字盤を撮像する画像撮像部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示の水道メーター検針装置によれば、飛行中の無人飛行体から水道メーターの文字盤の上下向きを読み取り、カメラによって撮像される撮像画像の上下向きが文字盤の上下向きと一致するように無人飛行体をヨー方向に回転させてから文字盤を撮像することが行われる。これにより、撮像画像において文字盤の上下方向の向きを撮像画像の向きに合わせることができるので、撮像画像における文字盤の読み取り易さを向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】水道メーター検針装置を用いた検針処理の概要を示す図である。
【
図2】天井裏に設置された水道メーターの一例を示す図である。
【
図4】無人飛行体の制御装置の機能を示す機能ブロック図である。
【
図5】実施の形態の水道メーター検針装置において実行される検針処理の制御ルーチンを示すフローチャートである。
【
図6】比較例の検針処理において撮像された文字盤の画像を示す図である。
【
図7】実施の形態の検針処理において撮像された文字盤の画像の一例を示す図である。
【
図8】アーム部を備えた無人飛行体の構成を示す図である。
【
図9】ライトを備えた無人飛行体の構成を示す図である。
【
図10】ブラシを備えた無人飛行体の構成を示す図である。
【
図11】制御装置のハードウェア資源の例を示す図である。
【
図12】制御装置のハードウェア資源の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。なお、各図において共通する要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0011】
実施の形態.
1.実施の形態の構成
1-1.検針対象の水道メーターの概要
図1は、水道メーター検針装置を用いた検針処理の概要を示す図である。本実施の形態の水道メーター検針装置は、天井裏104に設置された水道メーター110を検針対象としている。天井裏104は、建物のフロア空間100から天井パネル102を介して隔絶された空間である。水道メーター110は、天井裏104を通る水道配管108の途中に設置されている。天井パネル102には点検口106が設けられている。点検口106の扉を開口することによって、フロア空間100と天井裏104の空間との行き来が可能となる。
【0012】
天井裏104に設置された水道メーター110は、文字盤が上方を向くように設置されている。
図2は、天井裏に設置された水道メーターの一例を示す図である。この図の水道メーター110は、円形のベゼル111の内部に文字盤112が設けられている。文字盤112には、1m
3単位の流量を表示する第一メーター表示部113と、10L単位の流量を表示する第二メーター表示部114と、1L単位の流量を表示する第三メーター表示部115と、が配置されている。また、文字盤112には、水道配管108を流れる水流の向きを示す矢印マーク116が記されている。矢印マーク116は、文字盤の上下方向の上側から下側に向かう向きの矢印である。さらに、文字盤112には、水道メーター110の内部を通る水流がある場合に回転するパイロットマーク117が配置されている。
【0013】
1-2.水道メーター検針装置の構成
水道メーター検針装置は、指示端末8と、無人飛行体10を備えている。無人飛行体10は、指示端末8からの指示に従い機体の姿勢及び位置を把握しながら飛行することができる。無人飛行体10は、手のひら程度の大きさであり、空中で静止するホバリング飛行が可能である。無人飛行体10は、一般的にドローンとも呼ばれる。
図3は、無人飛行体10の概略構成を示す図である。無人飛行体10は、本体部11と、離着陸のための複数の脚部12と、飛行のための複数の回転翼13と、撮像のためのカメラ14と、制御装置20と、を有している。カメラ14は、本体部11の下部に搭載され、上空から下方を撮像する。
【0014】
制御装置20は、指示端末8から入力された指示に従い無人飛行体10の飛行及びカメラ14による撮像を制御する。無人飛行体10は、上下方向の移動、水平方向の移動、ヨー方向の移動、及びこれらの組み合わせによって飛行する。例えば、制御装置20は、指示端末8から指示された飛行ルートに従って自律飛行するように無人飛行体10の位置及び姿勢を制御する。或いは、制御装置20は、指示端末8から指示された対象物を探索して目標飛行ルートを演算し、演算された目標飛行ルートに従って当該対象物の上空まで自律飛行してもよい。なお、無人飛行体10の構成及び飛行制御に限定はない。すなわち、無人飛行体の構成及びその飛行制御は、既に多くの文献において提案されている。ここでは、無人飛行体における周知の構成及び周知の飛行制御を採用することができる。
【0015】
2.水道メーター検針装置の機能
図4は、無人飛行体の制御装置の機能を示す機能ブロック図である。
図4に示すように、無人飛行体10の制御装置20は、水道メーター110の検針処理を行うための機能ブロックとして、自律飛行部22、文字盤読取部24、画像撮像部26、及び画像保存部28を備えている。
【0016】
自律飛行部22は、無人飛行体10の飛行に関する処理を実行するための制御ブロックである。飛行に関する処理は、飛行ルートに従い自律飛行を行う自律飛行処理を含む。
図1に示すように、飛行ルートは、フロア空間100から点検口106を通って天井裏104まで上昇する第一ルートR1と、天井裏104を水平方向に移動して目的地である水道メーター110の上空まで飛行する第二ルートR2とを含む。自律飛行処理では、無人飛行体10は、第一ルートR1及び第二ルートR2に従い水道メーター110の上空まで自律飛行する。
【0017】
文字盤読取部24は、文字盤112の上下向きを特定するための特定情報を読み取る。この処理は、「文字盤読取処理」と呼ばれる。文字盤読取処理での「文字盤の上下向き」とは、文字盤112の中の第一メーター表示部113の数値の上下向きである。文字盤読取処理では、例えば、水道メーター110の上空を飛行中の無人飛行体10によって撮像された文字盤112の画像データから矢印マーク116を認識し、矢印マーク116の指す方向が文字盤112の上下方向の下向きとして読み取られる。また、文字盤読取処理では、例えば、第一メーター表示部113の数字の向きを文字盤112の上下向きとして直接読み取ることとしてもよい。
【0018】
自律飛行部22は、カメラ14による撮像の上下向きが、文字盤読取処理によって読み取られた文字盤の上下向きと一致するように、無人飛行体10をヨー方向に回転させる。この処理は、「向き調整処理」と呼ばれる。
【0019】
画像撮像部26は、カメラ14を操作して文字盤112の画像を撮像する撮像処理を行う。画像保存部28は、画像撮像部26において撮像された画像データを水道メーター110に関連する関連情報に紐付けて保存する。この処理は、以下「画像保存処理」と呼ばれる。関連情報は、例えば、水道メーター110が設置されている建物の識別情報、水道メーター110の種類に関連する情報、天井裏104における水道メーター110の配置に関連する情報、水道メーター110までの飛行ルートに関連する情報等が挙げられる。
【0020】
3.水道メーター検針装置による検針処理の具体的処理
図5は、本実施の形態の水道メーター検針装置において実行される検針処理の制御ルーチンを示すフローチャートである。検針処理を行う場合、事前準備として、作業員は天井パネル102の点検口106を開口する。また、作業員は、指示端末8を用いて、予め準備した水道メーター110の上空までの飛行ルートを無人飛行体10に送信するとともに検針処理の開始を指示する。
図5のフローチャートは、無人飛行体10の制御装置20が指示端末8から飛行ルートとともに検針処理開始の指示を受けて実行される。
【0021】
図5に示す制御ルーチンのステップS100では、自律飛行処理が実行される。制御装置20は、指示端末8から水道メーター110までの飛行ルートを受信している。ここでは、制御装置20は、受信した飛行ルートの従い、無人飛行体10の自律飛行を行う。
【0022】
次のステップS102では、無人飛行体10が水道メーター110の上空に到達したか否かが判定される。制御装置20は、各種センサの信号を用いた公知の技術によって無人飛行体10の位置を常に把握している。ここでは、制御装置20は、把握している無人飛行体10の位置が水道メーター110の位置に到達したか否かが判定される。その結果、無人飛行体10の位置が水道メーター110の上空に未だ到達していない場合、処理はステップS100に戻り、自律飛行処理が継続される。
【0023】
一方、ステップS102の処理において無人飛行体10が水道メーター110の上空に到達したと判定された場合、処理は次のステップS104に移行する。ステップS104では、文字盤読み取り処理が実行される。ここでは、制御装置20は、カメラ14によって撮像される文字盤112の矢印マーク116の向きに基づいて、文字盤112の上下向きを読み取る。
【0024】
次のステップS106では、向き調整処理が実行される。ここでは、制御装置20は、カメラ14による撮像画像の上下向きが文字盤読み取り処理において読み取られた文字盤112の上下向きと一致するように、無人飛行体10がヨー方向に回転される。これにより、文字盤112の矢印マーク116の指す方向が撮像画像の下向きとなるように無人飛行体10の向きが調整される
【0025】
次のステップS108では、撮像処理が実行される。ここでは、制御装置20は、カメラ14によって水道メーター110の文字盤112の画像を撮像する。次のステップS110では、画像保存処理が実行される。ここでは、制御装置20は、撮像処理によって撮像された撮像画像に、水道メーター110に関連する関連情報を紐付けてメモリに保存する。
【0026】
以上のように構成された検針処理によれば、以下の効果が得られる。
図6は、比較例の検針処理において撮像された文字盤の画像を示す図である。
図6に示す比較例は、本実施の形態の検針処理において、向き調整処理を行わない場合に得られる撮像画像の一例である。
図6に示す撮像画像120では、撮像対象の水道メーター110の文字盤112の上下方向が撮像画像120の上下方向と一致していない。このような撮像画像を表示装置に表示して検針作業を行う場合、作業員は文字盤112の数値を確認し難い。
【0027】
これに対して、
図7は、本実施の形態の検針処理において撮像された文字盤の画像の一例を示す図である。
図7に示す撮像画像122では、カメラ14による撮像画像の上下方向と水道メーター110の文字盤112の上下方向とが向き調整処理によって一致するように調整されている。このため、このような撮像画像を表示装置に表示して検針作業を行う場合、作業員は文字盤112の数値を確認し易い。
【0028】
このように、本実施の形態の水道メーター検針装置による検針処理によれば、作業員が文字盤112の数値を読み取り易い撮像画像を得ることができる。これにより、水道メーターの検針の作業効率を向上させることができる。
【0029】
また、本実施の形態の水道メーター検針装置による検針処理によれば、文字盤112に含まれる矢印マークに基づいて文字盤112の上下向きが読み取られる。矢印マークは
画像認識し易いため、文字盤112の上下向きを確実に読み取ることができる。
【0030】
また、本実施の形態の水道メーター検針装置による検針処理によれば、撮像画像が水道メーター110に関連する関連情報に紐付けされて保存される。これにより、撮像画像とともに水道メーター110の種類、配置等を特定することができるので、作業員による検針作業の効率を高めることができる。
【0031】
また、本実施の形態の水道メーター検針装置による検針処理によれば、無人飛行体10は、水道メーター110の上空まで自律飛行することができる。これにより、作業員による手動操作による飛行が困難な天井裏104の暗い空間であっても、水道メーター110の上空まで無人飛行体10を飛行させることができる。
【0032】
4.本実施の形態の変形例
本実施の形態の水道メーター検針装置は、以下のように変形した態様を適用してもよい。
【0033】
4-1.撮像処理
撮像処理は、水道メーター110の上空において、複数の異なる撮像場所から文字盤112を撮像する構成としてもよい。この場合、例えば、制御装置20は、ステップS110の処理が完了した場合に、自律飛行部22を制御して、無人飛行体10を水平方向に移動させる。ここでは、例えば、水道メーター110のベゼル111の外周に沿った円弧上を移動する。そして、制御装置20は、再びステップS104からステップS110の処理を実行する。このような処理を複数回繰り返すことにより、ベゼル111の外周に沿った複数の撮像場所からの撮像画像を得ることができる。これにより、作業員が文字盤112の数値を読み取る際に、例えば一つの撮像画像の数値が光の反射等によって読み取り難い場合であっても、他の画像を参照することによって文字盤112の数値を読み取ることが可能となる。
【0034】
4-2.画像保存処理
画像保存処理は、作業員の指示端末8へ撮像画像のデータを送信する送信処理を更に含んでいてもよい。画像データの送信方式に限定はない。これにより、作業員は、指示端末8の表示装置によって、撮像画像をその場で確認することが可能となる。
【0035】
4-3.アーム部を備えた無人飛行体10
水道メーター110は、文字盤112を覆う蓋が設けられているものもある。そこで、無人飛行体10は、文字盤112を覆う蓋を開けるためのアーム部を備えていてもよい。
図8は、アーム部を備えた無人飛行体の構成を示す図である。
図8に示す変形例の無人飛行体10は、本体部11から下方に延びるアーム部16が設けられている。アーム部16は、固定式でもよいし、可動式でもよい。アーム部16が固定式である場合、制御装置20は、ステップS104の処理の前にアーム部16の先端を文字盤112の蓋に引っ掛けて開けるように無人飛行体10の飛行を制御する。また、アーム部16が可動式である場合、制御装置20は、ステップS104の処理の前にアーム部16の先端を文字盤112の蓋に引っ掛けて開けるようにアーム部16の可動を制御する。これにより、文字盤112に蓋が設けられた水道メーター110であっても、検針処理を行うことが可能となる。
【0036】
4-4.ライトを備えた無人飛行体10
天井裏104は暗所であるため、水道メーター110の文字盤112を撮像し難い。そこで、無人飛行体10は、下方を照らすライトを備えていてもよい。
図9は、ライトを備えた無人飛行体の構成を示す図である。
図9に示す変形例の無人飛行体10は、本体部11から下方を照らすライト15が設けられている。ライト15は、常時点灯式でもよいし、暗所で自動的に点灯するセンサライトでもよい。また、制御装置20は、撮像処理時に点灯するようにライト15を制御してもよい。これにより、光量不足によって撮像画像の文字盤112が視認できない事態を防ぐことができる。
【0037】
4-5.ブラシを備えた無人飛行体10
文字盤112を覆う蓋が設けられていない水道メーター110は、塵埃の堆積によって文字盤112が視認し難い場合がある。そこで、無人飛行体10は、文字盤112の表面を掃除するためのブラシを備えていてもよい。
図10は、ブラシを備えた無人飛行体の構成を示す図である。
図10に示す変形例の無人飛行体10は、本体部11から下方に向けて突出したブラシ17が設けられている。ブラシ17は、固定式でもよいし、回転駆動するように構成されていてもよい。制御装置20は、ステップS104の処理の前に無人飛行体10を下降させて文字盤112の上の塵埃をブラシ17で掃き落とす。ブラシ17が回転駆動式である場合、制御装置20は、ブラシ17を回転させて塵埃を更に掃き落とす。これにより、文字盤112が寺内の堆積によって視認できない事態を防ぐことが可能となる。
【0038】
4-6.制御装置20
本実施の形態において、自律飛行部22、文字盤読取部24、画像撮像部26、及び画像保存部28は、制御装置20が有する機能を示す。
図11は、制御装置のハードウェア資源の例を示す図である。制御装置20は、ハードウェア資源として、例えばプロセッサ201とメモリ202とを含む処理回路200を備える。画像保存部28が有する機能はメモリ202によって実現される。メモリ202は、例えば半導体メモリである。制御装置20は、メモリ202に記憶されたプログラムをプロセッサ201によって実行することにより、自律飛行部22、文字盤読取部24、画像撮像部26、及び画像保存部28に示す各部の機能を実現する。
【0039】
図12は、制御装置のハードウェア資源の他の例を示す図である。
図12に示す例では、制御装置20は、例えばプロセッサ201、メモリ202、及び専用ハードウェア203を含む処理回路200を備える。
図12は、制御装置20が有する機能の一部を専用ハードウェア203によって実現する例を示す。制御装置20が有する機能の全部を専用ハードウェア203によって実現しても良い。専用ハードウェア203として、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、又はこれらの組み合わせを採用できる。
【符号の説明】
【0040】
8 指示端末、 10 無人飛行体、 11 本体部、 12 脚部、 13 回転翼、 14 カメラ、 15 ライト、 16 アーム部、 17 ブラシ、 20 制御装置、 22 自律飛行部、 24 文字盤読取部、 26 画像撮像部、 28 画像保存部、 100 フロア空間、 102 天井パネル、 104 天井裏、 106 点検口、 108 水道配管、 110 水道メーター、 111 ベゼル、 112 文字盤、 113 第一メーター表示部、 114 第二メーター表示部、 115 第三メーター表示部、 116 矢印マーク、 117 パイロットマーク、 120 撮像画像、 122 撮像画像、 200 処理回路、 201 プロセッサ、 202 メモリ、 203 専用ハードウェア