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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-25
(45)【発行日】2022-08-02
(54)【発明の名称】プログラム、方法及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/26 20120101AFI20220726BHJP
【FI】
G06Q50/26
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021143566
(22)【出願日】2021-09-02
【審査請求日】2021-11-02
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519383027
【氏名又は名称】Vesta株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 豪
【審査官】塩田 徳彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-166739(JP,A)
【文献】特開2018-156262(JP,A)
【文献】特開2009-116720(JP,A)
【文献】特開2021-018479(JP,A)
【文献】國武 千人 Yukihito KUNITAKE,SVMによる広域空撮画像の複雑性評価を用いた被災家屋検出手法 A Method to Detect the Collapsed Structures with the Complexity Evaluation of the Wide Aerial Image by SVM,画像電子学会誌 Vol.49 No.3 2020 [CD-ROM] The Journal of the Institute of Image Electronics Engineers of Japan,一般社団法人画像電子学会,2020年12月31日,P.199~206,ISSN:2186-716X
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記コンピュータは、記憶部に、第2エリアについて推定された建物棟数情報を記憶するように構成されており、
前記第2エリアの前記建物棟数情報は、前記第2エリアとは異なる第1エリアの夜間光の情報と第1エリアの建物棟数情報とに基づいて作成される計算式、および、前記第2エリアの夜間光の情報に基づいて推定され、
前記プログラムは、前記コンピュータのプロセッサに、
前記第2エリアの気象情報を取得するステップと、
前記取得した前記第2エリアの前記気象情報、および、前記記憶部に記憶される前記第2エリアについて推定された建物棟数情報基づいて、前記第2エリアにおける建物の被災棟数の情報を推定するステップと、を実行させるプログラム。
【請求項2】
前記計算式は、
前記第1エリアの夜間光の情報と、当該第1エリアの建物棟数情報とに基づいて作成される学習済みモデルであって、第2エリアの夜間光の情報に対し建物棟数を出力するよう作成される学習済みモデル、または、
重回帰分析により作成される関係式であって、建物棟数を目的変数とする関係式である、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記取得するステップにおいて、前記気象情報として、風速、降雨量、災害情報の少なくともいずれかを取得し、
前期推定するステップにおいて、前記取得した気象情報に基づいて、前記第2エリアにおける被災棟数の情報を推定する、請求項1または2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記取得するステップにおいて、前記気象情報を、第1の距離間隔で規定したメッシュデータとして取得し、
前記建物棟数情報は、第2の距離間隔で規定された領域ごとに推定された建物棟数の情報であり、
前記推定するステップにおいて、前記メッシュデータである前記気象情報と、前記建物棟数情報とに基づいて、前記被災棟数の情報を推定する、請求項3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記推定するステップにおいて、
前記取得する前記第2エリアの特定の気象情報がしきい値を超えているか否かに応じて、前記被災棟数の情報を推定する、請求項1から4のいずれかに記載のプログラム。
【請求項6】
前記プログラムは、前記プロセッサに、さらに、
前記気象情報により災害が発生しうる被災地の被災前後において、当該被災地でユーザによって撮影されたコンテンツを受け付けることにより、前記被災棟数の情報を補正するステップと、
前記コンテンツを受け付けることに応答して、前記被災地に寄付をする処理を行う、請求項1から5のいずれかに記載のプログラム。
【請求項7】
前記夜間光の情報とは異なる情報であって、前記気象情報により災害が発生しうる被災地についての情報に基づいて、前記推定される被災棟数の情報を補正するステップをさらに実行させる、請求項1から5のいずれかに記載のプログラム。
【請求項8】
前記補正するステップにおいて、前記被災地を撮影した撮影データに基づいて、前記被災棟数の情報を補正する、請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
前記補正するステップにおいて、前記被災地の前記建物の属性の情報に基づいて、前記被災棟数の情報を補正する、請求項7に記載のプログラム。
【請求項10】
前記補正するステップにおいて、前記建物の属性の情報として、前記建物の工法の情報に基づいて、前記被災棟数の情報を補正する、請求項9に記載のプログラム。
【請求項11】
前記補正するステップにおいて、前記気象情報が予測されている範囲の広さよりも、より狭い範囲の気象情報を特定することにより、前記被災棟数の情報を補正する、請求項7に記載のプログラム。
【請求項12】
前記補正するステップにおいて、前記被災地を撮影したデータに基づいて、前記より狭い範囲の気象情報を特定する、請求項11に記載のプログラム。
【請求項13】
前記撮影をするユーザに対し、前記撮影をする要件を提示する、請求項6に記載のプログラム。
【請求項14】
プロセッサを備えるコンピュータによって実行される方法であって、前記プロセッサが、
第1エリアの夜間光の情報と、前記第1エリアの建物棟数の情報とに基づいて、前記第1エリアとは異なる第2エリアの建物棟数を推定するための計算式を作成するステップと、
前記計算式に基づいて、前記第2エリアの夜間光の情報の入力に応答して、前記第2エリアの建物棟数を推定するステップと、を実行する、方法。
【請求項15】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータによって実行される方法であって、
前記コンピュータは、記憶部に、第2エリアについて推定された建物棟数情報を記憶するように構成されており、
前記第2エリアの前記建物棟数情報は、前記第2エリアとは異なる第1エリアの夜間光の情報と第1エリアの建物棟数情報とに基づいて作成される計算式、および、前記第2エリアの夜間光の情報に基づいて推定されており、
前記方法は、前記プロセッサが、
前記第2エリアの気象情報を取得するステップと、
前記取得した前記第2エリアの前記気象情報、および、前記記憶部に記憶される前記第2エリアについて推定された建物棟数情報基づいて、前記第2エリアにおける建物の被災棟数の情報を推定するステップと、を実行する、方法。
【請求項16】
制御部と、記憶部とを備える情報処理装置であって、
前記情報処理装置は、記憶部に、第2エリアについて推定された建物棟数情報を記憶するように構成されており、
前記第2エリアの前記建物棟数情報は、前記第2エリアとは異なる第1エリアの夜間光の情報と第1エリアの建物棟数情報とに基づいて作成される計算式、および、前記第2エリアの夜間光の情報に基づいて推定されており、
前記制御部が、
前記第2エリアの気象情報を取得するステップと、
前記取得した前記第2エリアの前記気象情報、および、前記記憶部に記憶される前記第2エリアについて推定された建物棟数情報基づいて、前記第2エリアにおける建物の被災棟数の情報を推定するステップと、を実行する、情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、方法及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、世界各地で台風、ハリケーンを含めた熱帯低気圧による強風や豪雨等の気象災害が増加しており、このような気象災害における被害予測を行うための技術が求められている。
【0003】
災害の発生に対処するため、災害発生時の被災人口を予測する技術として、事前に定義した人口密度などのデータをもとに、災害発生時の被災人口や物的被害をグリッドセルで予測することを主題とした技術はある(下記の特許文献1)。被災人口を予測することで、あらゆる種類の自動警報システムおよび損害補償システム(例えば保険および再保険産業など)のための情報を生成できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特表2013-517547号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
各種データが充実している場合、災害発生に伴って、各種データに基づいて様々な対処を実行することができる。
例えば、地方自治体や事業所は、建物の被災棟数の情報に基づいて、その災害に対処するための施策の規模の決定や種々の推定を行う場合がある。例えば、地方自治体は、被災前に、救援人員の手配、救援物資の供給等にかかる推定を行うことができる。保険業務を行う事業者は、災害発生に伴う保険金の見積もりを被災前後で行うことができる。車両などの商品を販売する事業者であれば、被災前に、災害の規模感に応じて、屋外等に置かれた商品を予め被災を免れる場所に移動させて被害を回避する等の措置をとることができる。また、地方自治体は、被災後において、より詳細な建物の被災棟数の情報に基づいて、被災者や被災エリアの救援(例えば、インフラ復旧のための人的・物的リソース、被災者への物品の供給など)を行うことができる。
【0006】
また、災害が発生し被災をした場合、例えば建物が倒壊してしまう、家屋が流されてしまうなど被災地での被害の規模が大きくなるほど、復旧に向けた被災者の人的、心理的、金銭的な負担などが大きくなってしまう。そのため、被災の規模感を可視化しつつ、被災地・被災者などへの寄付が行われる環境をよりいっそう充実化させることも重要である。
【0007】
災害による建物の被災棟数を予測するには、その地域における建物の総数となる統計情報が必要である。
【0008】
しかしながら、多くの国(または国の一部の地域、国をまたいだ広範な地域)において、建物の現況調査は不十分であり、必ずしも統計情報が充実しているとは言えない状態である。そのため、これら統計情報の過不足により、国によって被害予測の精度にばらつきがあることが課題となっていた。
【0009】
したがって、各種データが充実しているとは限らない世界各国においても、災害発生時の被害予測をするための、より正確な建物の被災棟数の情報を推定するための技術が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示に示す一実施形態によると、プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるプログラムが提供される。コンピュータは、記憶部に、第2エリアについて推定された建物棟数情報を記憶するように構成されており、第2エリアの前記建物棟数情報は、第2エリアとは異なる第1エリアの人口分布または夜間光の情報と第1エリアの建物棟数情報とに基づいて作成される計算式、および、第2エリアの人口分布の情報または夜間光の情報に基づいて推定され、プログラムは、コンピュータのプロセッサに、第2エリアの気象情報を取得するステップと、第2エリアの気象情報と第2エリアについて推定された建物棟数の情報とに基づいて、第2エリアにおける建物被災棟数の情報を推定するステップと、を実行させる。
【0011】
当該第1エリアの人口分布または夜間光の情報として、世界各国の人口分布の情報または人工衛星が撮影した夜間光の情報を用いてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、より正確な建物の被災棟数の情報を推定するための技術を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】システム1の全体の構成を示す図である。
図2】端末装置10のブロック図である。
図3】サーバ20の機能的な構成を示す図である。
図4】データベースのデータ構造を示す図である。
図5】データベースのデータ構造を示す図である。
図6】データベースのデータ構造を示す図である。
図7】システム1における処理の流れの一例を示す図である。
図8】第2エリアの建物棟数を推定する処理の流れの一例を示す図である。
図9】システム1における処理の流れの一例を示す図である。
図10】端末装置10における画面例の一例である。
図11】端末装置10における画面例の一例である。
図12】ユーザによって指定された地域の被災棟数の推定結果を表示するための別の画面例を示す図である。
図13】ユーザによって指定された地域の被災棟数の推定結果を表示するための別の画面例を示す図である。
図14】ユーザによって指定された地域の被災棟数の推定結果を表示するための別の画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しつつ、本開示の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0015】
<第1の実施の形態>
<1 システム1の全体構成>
システム1は、災害により予想される建物の被災棟数情報を予測するためのシステムである。図1は、システム1の全体の構成を示す図である。
【0016】
図1に示すように、システム1は、複数の端末装置(図1では端末装置10Aおよび端末装置10Bを示している。以下、総称して「端末装置10」ということもある)と、サーバ20とを含む。端末装置10とサーバ20とは、ネットワーク80を介して通信接続する。
【0017】
端末装置10は、システム1を利用する各ユーザが操作する装置である。端末装置10は、据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPC、または、移動体通信システムに対応したスマートフォン、タブレット等の携帯端末などにより実現される。
【0018】
図1に端末装置10Bとして示すように、端末装置10は、通信IF(Interface)12と、入力装置13と、出力装置14と、メモリ15と、記憶部16と、プロセッサ19とを備える。
【0019】
端末装置10は、ネットワーク80を介してサーバ20と通信可能に接続される。端末装置10は、5G、LTE(Long Term Evolution)などの通信規格に対応した無線基地局81、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11などの無線LAN(Local Area Network)規格に対応した無線LANルータ82等の通信機器と通信することによりネットワーク80に接続される。
【0020】
通信IF12は、端末装置10が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入力装置13は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置(例えば、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス、キーボード等)である。出力装置14は、ユーザに対し情報を提示するための出力装置(ディスプレイ、スピーカ等)である。メモリ15は、プログラム、および、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。記憶部16は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ19は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路などにより構成される。
【0021】
サーバ20は、災害により予想される建物の被害予測をするための装置である。サーバ20は、ネットワーク80に接続されたコンピュータである。
【0022】
図1に示すように、サーバ20は、通信IF22と、入出力IF23と、メモリ25と、ストレージ26と、プロセッサ29とを備える。
【0023】
通信IF22は、サーバ20が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入出力IF23は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置、および、ユーザに対し情報を提示するための出力装置とのインタフェースとして機能する。メモリ25は、プログラム、および、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。ストレージ26は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ29は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路などにより構成される。
【0024】
<1.1 端末装置10の構成>
図2は、実施の形態1のシステム1を構成する端末装置10のブロック図である。図2に示すように、端末装置10は、複数のアンテナ(アンテナ111、アンテナ112)と、各アンテナに対応する無線通信部(第1無線通信部121、第2無線通信部122)と、操作受付部130(タッチ・センシティブ・デバイス131およびディスプレイ132を含む)と、音声処理部140と、マイク141と、スピーカ142と、位置情報センサ150と、カメラ160と、記憶部170と、制御部180と、を含む。端末装置10は、図2では特に図示していない機能及び構成(例えば、電力を保持するためのバッテリー、バッテリーから各回路への電力の供給を制御する電力供給回路など)も有している。図2に示すように、端末装置10に含まれる各ブロックは、バス等により電気的に接続される。
【0025】
アンテナ111は、端末装置10が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ111は、空間から電波を受信して受信信号を第1無線通信部121へ与える。
【0026】
アンテナ112は、端末装置10が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ112は、空間から電波を受信して受信信号を第2無線通信部122へ与える。
【0027】
第1無線通信部121は、端末装置10が他の無線機器と通信するため、アンテナ111を介して信号を送受信するための変復調処理などを行う。第2無線通信部122は、端末装置10が他の無線機器と通信するため、アンテナ112を介して信号を送受信するための変復調処理などを行う。第1無線通信部121と第2無線通信部122とは、チューナー、RSSI(Received Signal Strength Indicator)算出回路、CRC(Cyclic Redundancy Check)算出回路、高周波回路などを含む通信モジュールである。第1無線通信部121と第2無線通信部122とは、端末装置10が送受信する無線信号の変復調や周波数変換を行い、受信信号を制御部180へ与える。
【0028】
操作受付部130は、ユーザの入力操作を受け付けるための機構を有する。具体的には、操作受付部130は、タッチスクリーンとして構成され、タッチ・センシティブ・デバイス131と、ディスプレイ132とを含む。
【0029】
タッチ・センシティブ・デバイス131は、端末装置10のユーザの入力操作を受け付ける。タッチ・センシティブ・デバイス131は、例えば静電容量方式のタッチパネルを用いることによって、タッチパネルに対するユーザの接触位置を検出する。タッチ・センシティブ・デバイス131は、タッチパネルにより検出したユーザの接触位置を示す信号を入力操作として制御部180へ出力する。
【0030】
ディスプレイ132は、制御部180の制御に応じて、画像、動画、テキストなどのデータを表示する。ディスプレイ132は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイによって実現される。
【0031】
音声処理部140は、音声信号の変復調を行う。音声処理部140は、マイク141から与えられる信号を変調して、変調後の信号を制御部180へ与える。また、音声処理部140は、音声信号をスピーカ142へ与える。音声処理部140は、例えば音声処理用のプロセッサによって実現される。マイク141は、音声入力を受け付けて、当該音声入力に対応する音声信号を音声処理部140へ与える。スピーカ142は、音声処理部140から与えられる音声信号を音声に変換して当該音声を端末装置10の外部へ出力する。
【0032】
位置情報センサ150は、端末装置10の位置を検出するセンサであり、例えばGPS(Global Positioning System)モジュールである。GPSモジュールは、衛星測位システムで用いられる受信装置である。衛星測位システムでは、少なくとも3個または4個の衛星からの信号を受信し、受信した信号に基づいて、GPSモジュールが搭載される端末装置10の現在位置を検出する。
【0033】
カメラ160は、受光素子により光を受光して、撮影画像として出力するためのデバイスである。カメラ160は、例えば、カメラ160から撮影対象までの距離を検出できる深度カメラである。
【0034】
記憶部170は、例えばフラッシュメモリ等により構成され、端末装置10が使用するデータおよびプログラムを記憶する。記憶部170は、ユーザ情報171と、気象情報172と、被災棟数情報173と、撮影要件情報174と、投稿動画情報175と、を記憶する。
【0035】
ユーザ情報171は、端末装置10によりシステム1を利用しているユーザの情報である。ユーザ情報171としては、ユーザを識別する情報(ユーザID)等が含まれる。例えば、ユーザ情報171は、ユーザがシステム1を利用するために所定のアプリケーションを端末装置10にインストールしたときに登録した情報である。
【0036】
ユーザIDとしては、災害情報を含む気象情報を配信するアプリケーションにおいてユーザに発行されるユーザIDであるとしてもよい。
【0037】
ユーザIDとしては、メール、ビデオ通話、カレンダー、ストレージ、ドキュメント作成、スプレッドシート作成、ニュース配信など様々な機能をSaaS(Software as a Service)等の形式で提供するビジネス用サービス(個人向けを含むこととしてもよい)のユーザアカウントであるとしてもよい。気象情報を配信するアプリケーションにおいて、当該ユーザアカウントの情報を用いることとしてもよく、ユーザのカレンダー等の情報を読み込んで表示することとしてもよい。また、当該ビジネス用サービスにおいて、ニュース配信の一部として、気象情報の配信を含むこととしてもよい。
【0038】
ユーザIDとしては、ユーザが所定のサービスを利用する際に、当該サービスを提供する事業者のコンピュータが発行するユーザIDが含まれる。例えば、端末装置10において、気象情報をユーザに通知する気象アプリケーション、メッセンジャーアプリケーション、決済アプリケーション等のアプリケーションをユーザがインストールしたとする。これらアプリケーションにおけるサービスを提供する事業者のサーバ装置が、ユーザIDを発行する。例えば、サーバ装置が、端末装置10の識別情報、ユーザの本人確認を経て(例えば、免許証など本人確認書類を用いて本人確認を行う)発行される情報(電話番号など)等と関連付けて、各アプリケーションにおけるユーザIDを発行する。端末装置10は、これら各アプリケーションでユーザに発行されるユーザIDを、ユーザ情報171として保持することとしてもよい。
【0039】
気象情報172は、ユーザの端末装置10に表示させる天気・気圧・風向・風速・気温・湿度など大気の状態に関する情報と、大雨、強風、雷などの気象災害に関する情報を含む。端末装置10は、ネットワークを介して、ユーザの現在地又はユーザが指定したエリアの気象情報172をサーバ20から受信する。
【0040】
被災棟数情報173は、ユーザの端末装置10に表示させる情報であって、ユーザの現在地が含まれるエリア又はユーザが指定したエリアにおける建物の被災棟数を推定した情報である。当該被災棟数情報173はサーバ20において推定された情報である。端末装置10は、ネットワークを介して、サーバ20から被災棟数情報173を受信する。なお、被災棟数情報173は端末装置10において推定されてもよい。この場合、端末装置10は、サーバ20において被災棟数情報を推定するための処理と同様の処理を行う。
【0041】
例えば、端末装置10は、災害により被災した後の地域において、カメラにより、被災した地域の景観、建物、道路インフラ等を撮影する操作をユーザから受け付ける。これにより、例えば被災した直後の状況等を動画等により記録することができる。
【0042】
また、例えば、端末装置10は、気象情報により災害の発生が予測される地域において(すなわち、災害により被災する前のタイミングにおいて)、撮影する操作をユーザから受け付ける。これにより、例えば、被災前の状況として、強風、豪雨の影響(例えば、建物の周囲の木々などの揺れの度合い、増水の状況など)を記録することができる。
【0043】
端末装置10は、撮影要件情報174を、ユーザがシステム1を利用するために所定のアプリケーションを端末装置10にインストールしたときに、ネットワークを介してサーバ20から取得することとしてもよい。
【0044】
例えば、撮影要件情報174には、被災状況を適切に記録するための情報を含む。具体的には、撮影要件情報174は、被写体を撮影する構図の情報、被写体を撮影する時間の長さの情報を含む。撮影要件情報174は、ユーザがシステム1を利用するために所定のアプリケーションを起動した際に表示される情報であって、所定時間以上建物の全体像が映るように動画を撮影する旨の情報が含まれる。
【0045】
撮影要件情報174は、ユーザの端末装置10において静止画または動画を撮影する場合に、ユーザによる動画撮影を適切にまたは安全に行わせるための情報である。
【0046】
また、例えば、撮影要件情報174は、災害により被災した後の地域において、被災した建物のうち、災害の種類に応じて被災の可能性が高い部分を優先的に撮影する旨の情報が含まれる。具体的に、被災の可能性が高い部分として、以下を含みうる。
・ 強風によって被害が発生する可能性が高い部分:
例えば、台風等の強風による被災であれば、建物の屋根周辺、窓など
・ 水害(大雨・洪水など)によって被害が発生する可能性が高い部分:
大雨等の水害による被災であれば、建物の一定以下の高さ(1階部分など)の、浸水する可能性が高い部分。
洪水発生時に、建物に浸水したことを示す痕跡。例えば、一定の高さに沿って、浸水時に付着した土砂が付着している、壁面の色が異なっているなどの痕跡が残りうる。浸水したことの痕跡は、その痕跡の位置(高さ)により、洪水の規模感、建物が被災した程度を推定しうる情報としても用いることができる。
また、撮影要件情報174は、災害の規模感を推定しうる部分を優先的に撮影する旨の情報が含まれる。具体的には、以下を含みうる。
・ 強風の場合、その規模感を推定しうる情報。例えば、建物の周辺で揺れる対象(樹木などの自然物、道路標識などの人工物)を優先的に撮影する旨の情報。風によって揺れる程度に応じて、強風の規模感を推定しうる。
・ 建物の周辺の河川や堤防を優先的に撮影する旨の情報。例えば、河川や堤防の状況を撮影することで、洪水が発生しうる箇所、洪水の規模感を推定しうる。
【0047】
また、例えば、撮影要件情報174には、ユーザが安全に配慮して動画を撮影するための情報を含む。例えば、撮影要件情報174は、ユーザの現在地周辺で気象災害が発生している場合、ユーザに安全な場所から撮影を行う旨の情報を含む。具体的に、例えば、台風等の強風による被災であれば、建物内から撮影を行う旨の情報を含む。また、大雨等の水害による被災であれば、建物の2階以上から撮影を行う旨の情報を含む。また、撮影要件情報174は、ユーザの撮影位置がもともと進入禁止であると設定されている範囲に近づいているまたは滞在している場合に、ユーザが当該進入禁止と設定されている範囲に侵入しないよう警告するための情報を含む。端末装置10は、端末装置10の位置情報(位置情報センサ150等により出力される情報)と、予め定められた進入禁止エリアの情報(例えば、地図情報に基づき、進入禁止エリアを判別する)とに基づいて、ユーザに対し警告を表示する。
【0048】
撮影要件情報174は、気象情報の予測結果に基づき、ユーザの撮影位置が危険になると推定される場合に(例えば、台風等の影響により、地域の防災警戒レベルが一定以上になると推定される、または、避難指示が発令されている場合など)、今後気象情報の変化により危険になるエリアに立ち入らず退避するよう警告するための情報が含まれる。撮影要件情報174において、ユーザに警告を表示する条件となる気象情報の情報(予測される風速と比較する閾値、予測される雨量と比較する閾値等の情報、または、地域に発令される警戒レベルの情報等)を含む。
【0049】
端末装置10は、撮影要件情報174に基づく情報について、カメラの撮影結果を解析することにより、拡張現実(Augmented Reality)機能により各種オブジェクトを撮影画像に重畳させることで表示することとしてもよい。
【0050】
例えば、端末装置10は、被災地において被災した後において、被災した建物のうち、災害の種類に応じて被災の可能性が高い部分を、撮影画像に基づいて特定する。具体的には、端末装置10は、配信されている気象情報などから災害の種類の情報を取得して、当該災害の種類に応じて(例えば、強風であるか、洪水であるか等)、撮影画像において特定の物体、建物の一部を抽出する(例えば、強風の場合に、建物の屋根を特定する)。端末装置10は、撮影画像において、当該特定の物体、建物の一部等について抽出した結果と関連付けて、ユーザに撮影要件を提示する(例えば、撮影画像における建物の屋根の部分と関連付けて、屋根を含めて撮影することを促すオブジェクトを表示する)。これにより、ユーザが撮影要件情報174に示される要件に従って撮影を行うことがよりいっそう容易となる。
【0051】
投稿動画情報175は、ユーザが端末装置10を利用して、所定のエリアに含まれる建物等を撮影した動画である。サーバ20は、当該動画を、ネットワークを介して取得し、投稿動画として記憶する。
【0052】
制御部180は、記憶部170に記憶されるプログラムを読み込んで、プログラムに含まれる命令を実行することにより、端末装置10の動作を制御する。制御部180は、例えば予め端末装置10にインストールされているアプリケーションである。制御部180は、プログラムに従って動作することにより、入力操作受付部181と、送受信部182と、データ処理部183と、通知制御部184としての機能を発揮する。
【0053】
入力操作受付部181は、タッチ・センシティブ・デバイス131等の入力装置に対するユーザの入力操作を受け付ける処理を行う。入力操作受付部181は、タッチ・センシティブ・デバイス131に対してユーザが指などを接触させた座標の情報に基づき、ユーザの操作がフリック操作であるか、タップ操作であるか、ドラッグ(スワイプ)操作であるか等の操作の種別を判定する。
【0054】
送受信部182は、端末装置10が、サーバ20等の外部の装置と、通信プロトコルに従ってデータを送受信するための処理を行う。
【0055】
データ処理部183は、端末装置10が入力を受け付けたデータに対し、プログラムに従って演算を行い、演算結果をメモリ等に出力する処理を行う。例えば、データ処理部183は、ユーザによる投稿動画の撮影が撮影要件情報174に基づいて行われているかを判定する処理を行う。
【0056】
通知制御部184は、ユーザに対し情報を提示する処理を行う。通知制御部184は、表示画像をディスプレイ132に表示させる処理、音声をスピーカ142に出力させる処理、振動をカメラ160に発生させる処理等を行う。例えば、データ処理部183は、ユーザの気象情報および被災棟数情報をディスプレイ132に表示するための処理を行う。
【0057】
<1.2 サーバ20の機能的な構成>
図3は、サーバ20の機能的な構成を示す図である。図3に示すように、サーバ20は、通信部201と、記憶部202と、制御部203としての機能を発揮する。
【0058】
通信部201は、サーバ20が外部の装置と通信するための処理を行う。
【0059】
記憶部202は、サーバ20が使用するデータ及びプログラムを記憶する。また、記憶部202は、ユーザ情報DB(データベース)281と、気象情報DB282、人口分布情報DB283、夜間光情報DB284、建物棟数情報DB285、被災棟数情報DB286、投稿動画情報DB287、および、衛星画像情報DB288を記憶する。
【0060】
ユーザ情報DB281は、システム1における各ユーザの情報を保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0061】
気象情報DB282は、ユーザの端末装置10に表示させる天気予報の情報を保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0062】
人口分布情報DB283は、サーバ20において建物棟数を推定するために利用する人口分布情報を保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0063】
夜間光情報DB284は、サーバ20において建物棟数を推定するために利用する夜間光情報を保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0064】
建物棟数情報DB285は、サーバ20において、災害発生時に、被災棟数を推定するために利用する建物棟数情報を保持するためのデータベースである。また、建物棟数情報DB285は、サーバ20において推定された建物棟数情報を保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0065】
被災棟数情報DB286は、サーバ20において推定された被災棟数情報を保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0066】
投稿動画情報DB287は、サーバ20において被災棟数情報を補正するための投稿動画情報を保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0067】
衛星画像情報DB288は、サーバ20において被災棟数情報を補正するための衛星画像情報を保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0068】
制御部203は、サーバ20のプロセッサがプログラムに従って処理を行うことにより、各種モジュールとして示す機能を発揮する。制御部203は、送受信制御モジュール203a、送信制御モジュール203b、人口分布情報取得モジュール203c、夜間光情報取得モジュール203d、建物棟数情報取得モジュール203e、気象情報取得モジュール203f、投稿動画取得モジュール203g、衛星画像取得モジュール203h、関係式作成モジュール203i、建物棟数推定モジュール203j、被災棟数推定モジュール203k、補正モジュール203l、および、表示制御モジュール203mとしての機能を発揮する。
【0069】
送受信制御モジュール203aは、サーバ20が外部の装置から通信プロトコルに従って信号を送受信する処理を制御する。
【0070】
送信制御モジュール203bは、サーバ20が外部の装置に対し通信プロトコルに従って信号を送信する処理を制御する。
【0071】
人口分布情報取得モジュール203cは、サーバ20がネットワークを介して、所定のエリアの建物棟数を推定するための人口分布に関する情報を取得する処理を制御する。サーバ20は、人口分布に関する情報を、以下のような態様で、地理範囲と関連付けて人口の情報として保持しうる。
・ 行政区画単位と関連付けた人口の情報
・ 地理範囲を所定の幅により規定したメッシュを単位として、メッシュと関連付けた人口の情報
【0072】
例えば、人口分布情報取得モジュール203cは、アプリケーションプログラミングインタフェース(API、Application Programming Interface)により、人口分布に関して情報公開されているデータベース(例えば、European Commissionなどの機関が構築した人口分布図DB)から、システム1の管理者が指定したエリアの人口分布に関する情報を取得する。これら人口分布に関する情報は、国による調査などによって集計されていることがある。例えば、行政機関が、行政区画単位(市区町村など)で人口を集計し、公開していることがある。
【0073】
例えば、人口分布情報取得モジュール203cは、行政区画単位で人口の情報を取得し、取得した人口の情報を、所定の幅のメッシュを単位とした人口の情報に変換することとしてもよい。例えば、人口分布情報取得モジュール203cは、市区町村のような行政区画単位の地理範囲についてメッシュで区切った場合にメッシュによって占められる範囲と、当該市区町村ごとの人口分布の情報とに基づいて、各メッシュの人口の分布を推定することとしてもよい。例えば、市区町村の面積と、各メッシュの面積とに基づいて、メッシュの数が定まる。人口分布情報取得モジュール203cは、このメッシュのうち、人が居住する範囲のメッシュを抽出することとしてもよい。行政区画の地理範囲のうち、人が居住する範囲のメッシュを抽出することとしては、以下が含まれうる。
・ 例えば、都市計画法などの規定に基づき、人が居住する地域と定められている地理範囲を抽出する
・ 農用地区域と定められている範囲は、人が居住する範囲とはしないこととしてもよい
・ 平野部であるか山間部であるか等の地理的条件に基づき、人が居住する範囲のメッシュを抽出する。例えば、山間部で傾斜が大きい範囲については人が居住する可能性は低いとしてもよい。
【0074】
以上のように、人口分布情報取得モジュール203cは、行政区画単位の地理範囲のうち、人が居住する範囲のメッシュを抽出し、抽出したメッシュと、当該行政区画単位の人口の情報戸に基づいて、各メッシュの人口の情報を推定しうる。
【0075】
夜間光情報取得モジュール203dは、サーバ20がネットワークを介して、所定のエリアの建物棟数を推定するための夜間光に関する情報を取得する処理を制御する。
【0076】
例えば、夜間光情報取得モジュール203dは、アプリケーションプログラミングインタフェース(API、Application Programming Interface)により、夜間光に関して情報公開されているデータベース(例えば、アメリカ航空宇宙局などの宇宙開発にかかわる機関により管理されている、人工衛星から撮影した夜間光の画像DB)から、システム1の管理者が指定したエリアの夜間光に関する情報を取得する。
【0077】
夜間光に関する情報としては、人工衛星が撮影した画像の撮影範囲(地理範囲)の情報と、当該画像における光の位置、光の強度の情報が含まれる。これら画像における光の位置は、光を発する建物の位置と関連しうる。また、画像における光の強度は、建物における人口の集中度合い(密度)と関連しうる。
【0078】
夜間光に関する情報として、人工衛星が撮影した画像の品質の情報を含むこととしてもよい。例えば、夜間光を撮影した画像の品質として、以下を含みうる。
・ 画像の解像度の情報
・ 夜間光を撮影するカメラの受光感度の情報
【0079】
例えば、夜間光を撮影した画像の解像度が高いほど、より小さい地理範囲を対象とした夜間光の情報を取得しうる。また、夜間光を撮影した場合の夜間光の受光感度が高いほど、光の強度をより多くの段階の情報量で取得しうる。
【0080】
建物棟数情報取得モジュール203eは、サーバ20がネットワークを介して、所定のエリアの建物棟数を推定するための計算式を作成するための建物棟数に関する情報を取得する処理を制御する。
【0081】
例えば、建物棟数情報取得モジュール203eは、アプリケーションプログラミングインタフェース(API、Application Programming Interface)により、建物棟数に関して情報公開されているデータベースから、システム1の管理者が指定したエリアの建物棟数に関する情報を取得する。例えば、衛星画像または航空写真に基づき、建物と推定される範囲を特定するための機械学習アルゴリズムにより、一定範囲ごとの建物棟数を推定した結果を蓄積したデータベース(一部の地域)から、建物棟数の情報を取得する。
【0082】
例えば、当該データベースでは、衛星画像または航空写真のうち、建物と推定される形状(建物全体の形状、建物の屋根の形状)を特定する学習済みモデルを用いて、コンピュータがこれら衛星画像または航空写真に含まれる建物を特定した結果の情報を蓄積させている。当該コンピュータは、例えば、衛星画像または航空写真により撮影されている範囲に基づいて、緯度経度の情報、一定距離のメッシュで区切られた範囲、または、行政区画で規定された地理範囲(都市単位、区画単位、町村単位など)等の情報と関連付けて、建物棟数の情報をデータベースとして蓄積させている。
【0083】
気象情報取得モジュール203fは、サーバ20がネットワークを介して、ユーザに表示させるための気象情報を取得する処理を制御する。例えば、気象情報取得モジュール203fは、アプリケーションプログラミングインタフェース(API、Application Programming Interface)により、気象情報を公開するデータベースから、逐次、気象情報を受信して蓄積する。気象情報取得モジュール203fは、ユーザが指定した日時と地点の気象情報を取得して、当該ユーザの端末装置10へ応答する。
【0084】
気象情報取得モジュール203fは、地理範囲を一定距離のメッシュで区切った範囲ごとに、気象情報の予測結果(気温、風速、雨量など)を取得する。気象情報ごとに(例えば、風速の予測結果であるか、気温の予測結果であるか等)、メッシュの範囲が異なりうる。気象情報取得モジュール203fは、行政区画単位で気象情報の予測結果を取得する。
【0085】
気象情報取得モジュール203fは、各地域の気象情報、台風などの災害発生時には当該災害の要因についての予測情報(例えば台風であれば勢力、進路の予測結果など)を、気象情報を提供するサーバ等から取得する。
【0086】
投稿動画取得モジュール203gは、サーバ20がネットワークを介して、ユーザが投稿したコンテンツとしての投稿動画に関する情報を取得する処理を制御する。端末装置10は、当該投稿動画に関する情報を解析することにより、動画により撮影されている地域の建物棟数の推定結果のデータと、当該地域において災害が発生する前後での被災棟数の推定結果のデータとを補正する。サーバ20は、ユーザが投稿したコンテンツとして、静止画を取得することとしてもよい。
【0087】
サーバ20は、投稿動画そのものを取得することとしてもよいし、投稿動画を別の装置によって解析した解析結果を取得することとしてもよい。例えば、サーバ20がSNS等に投稿された投稿動画に関する情報を取得する場合に、SNS等を運営する事業者が、投稿動画の解析自体を行い、その解析結果をサーバ20が取得することがあり得る。
【0088】
サーバ20は、投稿動画が撮影された位置の情報と関連付けて、当該投稿動画を取得する。例えば、サーバ20は、投稿動画を撮影したユーザの端末装置10の位置情報を受け付けて、当該投稿動画の情報を保持することとしてもよい。また、サーバ20は、撮影された投稿動画に関連付けられている撮影位置の情報を保持することとしてもよい。
【0089】
サーバ20が投稿動画を取得する経路として、例えば、投稿動画取得モジュール203gは、アプリケーションプログラミングインタフェース(API、Application Programming Interface)により、所定のアプリケーションから送信される投稿動画を受け付ける。投稿動画取得モジュール203gは、動画投稿サイトまたはSNS(Social Networking Service)から、指定した日時とエリアの動画データを取得することとしてもよい。
【0090】
投稿動画に撮影位置の情報が関連付けられることとして、以下があり得る。
・ 投稿動画のメタデータとして、撮影位置の情報が、当該撮影を行った端末装置10により埋め込まれている。サーバ20が、投稿動画のメタデータから、撮影位置の情報を取得する
・ ユーザが投稿動画をSNS等に投稿する際、投稿動画とともにテキスト等(ハッシュタグを含む)を入力している場合がある。サーバ20が、投稿動画に関連付けられる当該テキスト等を解析して、撮影位置に相当する文言を抽出する
【0091】
投稿動画取得モジュール203gは、SNS等に投稿された投稿動画を収集する場合、投稿動画とともに入力されているテキスト等(ハッシュタグを含む)に基づいて、投稿動画を収集する範囲を設定してもよい。例えば、投稿動画取得モジュール203gは、SNSにおいて、災害に対応するキーワード等(例えば、台風に関するキーワードなど)により検索を行い、その検索結果から、投稿動画を収集することとしてもよい。
【0092】
衛星画像取得モジュール203hは、サーバ20がネットワークを介して、被災棟数のデータを補正するための衛星画像データを取得する処理を制御する。例えば、衛星画像取得モジュール203hは、アプリケーションプログラミングインタフェース(API、Application Programming Interface)により、人工衛星から撮影された可視光もしくは合成開口レーダの画像を公開するデータベースから、ユーザが指定した日時とエリアの衛星画像データを取得する。
【0093】
衛星画像を用いて被災棟数のデータを補正する方法として、以下が含まれ得る。
・ サーバ20が、災害発生前と災害発生後の被災地の衛星画像を比較することにより、被害を受けている建物を特定する。これにより、サーバ20が、衛星画像に基づいて、被災棟数のデータを補正する。
・ サーバ20が、衛星画像を解析することにより、被害を受けている建物を特定する。例えば、サーバ20において、被害を受けていない場合の建物の画像と、被害を受けている場合の建物の画像とを保持しておき、衛星画像を解析することにより、被害を受けている建物を特定する。
【0094】
サーバ20は、以上のように投稿動画取得モジュール203gにより取得した投稿動画、衛星画像取得モジュール203hにより取得した衛星画像に基づいて、被災棟数のデータを補正している。
【0095】
この他に、サーバ20は、被災棟数のデータ、被害の程度のデータを補正するために、被災前後の航空写真、ドローンにより撮影された撮影データを用いることとしてもよい。
【0096】
例えば、サーバ20は、ドローンなどにより、被災地を様々な方向から撮影したデータに基づいて解析することにより被災地の3Dモデルを作成し(例えば、様々な観測点から撮影した静止画または動画の視差情報を解析することで、物体、空間、建物の3Dモデルを作成する)、作成された3Dモデルに基づいて、建物の被害状況を取得することとしてもよい。例えば、サーバ20は、上記で作成された3Dモデルに基づいて、建物がどの程度被害を受けているのかを判定することとしてもよい。例えば、サーバ20は、建物の形状に基づいて、建物で被害を受けている箇所を特定することとしてもよい。
【0097】
また、サーバ20は、被災前後の被災地の3Dモデルに基づいて、被害の状況として、建物がもともと所在していた地点から流されてしまっているのかを判定することとしてもよい。
【0098】
関係式作成モジュール203iは、同一のエリアの人口分布情報(人口分布情報DB283)、夜間光情報(夜間光情報DB284)および建物棟数情報(建物棟数情報DB285)に基づいて、他のエリアの建物棟数を推定するための計算式を作成する処理を制御する。
【0099】
例えば、関係式作成モジュール203iは、予め建物棟数のデータベースに蓄積されているエリアの建物棟数の情報(建物棟数情報取得モジュール203eが取得する情報)と、当該エリアにおける人口分布の情報または夜間光の情報の少なくともいずれかとを用いて機械学習を行うことにより、人口分布の情報または夜間光の情報の入力に対して建物棟数を推定した結果を応答する学習済みモデルを生成する。これにより、建物棟数の情報がない地域においても、当該地域の人口分布の情報または夜間光の情報の少なくともいずれかに基づいて、建物棟数を推定することができる。
【0100】
具体的には、関係式作成モジュール203iは、予め建物棟数が判明している場合の当該建物棟数の情報と、当該建物棟数の情報と関連付けられている地理範囲の情報とに基づいて、当該地理範囲に対応する人口分布の情報または夜間光の情報の少なくともいずれかを取得する。これにより、関係式作成モジュール203iは、計算式として、上記の建物棟数を推定するための学習済みモデルを生成する。
【0101】
また、計算式を作成する方法として、以下のようにしてもよい。関係式作成モジュール203iは、予め建物棟数のデータベース等にある建物棟数情報を目的変数として、人口分布情報および夜間光情報を説明変数とした重回帰分析を用いて計算式(重回帰式)を作成してもよい。
【0102】
建物棟数推定モジュール203jは、各エリアの人口分布情報または夜間光情報の少なくともいずれか、および、関係式作成モジュール203iが作成した計算式(上記の学習済みモデル、重回帰式など)に基づいて、各エリアの建物棟数を推定する処理を制御する。
【0103】
建物棟数推定モジュール203jは、以下のような地理範囲に基づいて、各地理範囲の建物棟数を推定することとしてもよい。
・ メッシュで規定される地理範囲
・ 行政区画単位
【0104】
具体的には、建物棟数推定モジュール203jは、人口分布情報または夜間光情報のメッシュに基づいて、建物棟数を推定するメッシュを決定する。または、建物棟数推定モジュール203jは、建物棟数または被災棟数を推定するユーザから、メッシュの距離の幅の指定を受け付けて、当該指定された距離のメッシュに基づいて、各メッシュの建物棟数を推定する。建物棟数推定モジュール203jは、例えば、250mメッシュで建物棟数を推定する。
【0105】
ユーザからメッシュの幅の指定を受け付けるために、以下のようにしてもよい。
・ 建物棟数または被災棟数を推定するユーザから、推定したい地理範囲の指定を受け付けつつ、メッシュの幅の設定に応じて推定に要する計算時間の見込みを当該ユーザに提示する。
【0106】
上記のようにすることで、例えば被災棟数を推定したいユーザは、推定に要する計算時間の長短を考慮して、メッシュの幅を設定することができる。建物棟数推定モジュール203jは、建物棟数または被災棟数の推定をするユーザの情報に応じて(例えば、当該ユーザがどの事業会社で、どのような目的で被災棟数を推定するか等)、推定の対象とする地理範囲、メッシュの幅等を設定することとしてもよい。ユーザによってはメッシュの幅を小さくした状態で被災棟数を推定したいことがあり得る。
【0107】
また、建物棟数推定モジュール203jは、行政区画単位により定められる地理範囲により、各エリアの建物棟数を推定することとしてもよい。例えば、建物棟数推定モジュール203jは、行政区画単位(都道府県、市区町村)で規定される地理範囲を特定し、当該地理範囲の人口分布または夜間光情報(例えば、夜間光の強度および夜間光が分布している範囲)の少なくともいずれかに基づいて(例えば、夜間光情報と、関係式作成モジュール203iにより生成される計算式とに基づいて)、当該行政区画単位の建物棟数を推定する。
【0108】
ここで、建物棟数推定モジュール203jは、上記のメッシュに基づき推定された建物棟数に基づいて、行政区画単位の建物棟数を推定してもよい。例えば、建物棟数推定モジュール203jは、各行政区画単位を構成するメッシュを特定し、各メッシュについて推定される建物棟数を集計することにより、各行政区画単位の建物棟数を推定してもよい。
【0109】
建物棟数推定モジュール203jは、これによって、建物棟数情報取得モジュール203eが建物棟数情報を取得できないエリアの建物棟数を推定し、建物棟数情報として建物棟数情報DB285に登録することが可能である。建物棟数推定モジュール203jは、指定したエリアの人口分布情報または夜間光情報の少なくともいずれかの情報と、計算式とに基づいて、指定したエリアの建物棟数を推定する処理を行う。
【0110】
被災棟数推定モジュール203kは、建物棟数推定モジュール203jが推定した建物棟数、および、気象情報取得モジュール203fが取得した気象情報に基づいて、各エリアにおける被災棟数情報を推定する処理を行う。被災棟数情報は、気象の影響を受け何らかの被害を受ける恐れのある建物棟数である。
【0111】
被災棟数推定モジュール203kは、以下のような地理範囲に基づいて、各地理範囲の被災棟数を推定することとしてもよい。
・ メッシュで規定される地理範囲
・ 行政区画単位
【0112】
例えば、被災棟数推定モジュール203kは、気象情報取得モジュール203fが取得した気象情報として、風速情報、降雨情報等に基づいて、被災棟数情報を推定する。被災棟数推定モジュール203kが被災棟数情報を推定することとして、以下を含みうる。
・ 被災棟数推定モジュール203kは、風速情報に示される風速が閾値を超える場合に、風による建物への被害が発生する、と推定する。
・ 被災棟数推定モジュール203kは、降水量の情報に示される、一定時間内の降水量(例えば、24時間の累積の降水量)が閾値を超える場合に、降雨による建物への被害が発生する、と推定する。
・ サーバ20において、災害の規模感に応じて、建物が被災する程度または割合を設定しておく。例えば、統計的に、台風などの災害の規模感(大きさ(風速が所定以上である範囲、半径)、強さ(風速)など)と、特定の地理範囲において当該災害により被災した被災棟数と、被災した内容(例えば台風であれば屋根が破壊された範囲等)との記録に基づいて、災害が発生した場合の建物が被災する程度または割合を設定しうる。
【0113】
サーバ20が、気象情報として予測される災害情報(台風、大雨など)に基づいて、災害が発生すると見込まれる地理範囲、または、災害発生後においては災害が発生したと見込まれる地理範囲を特定する。被災棟数推定モジュール203kは、災害が発生する前後において、災害が発生すると予測される地理範囲のメッシュの気象情報(災害の規模感の情報を含む)と、当該メッシュに対応する地理範囲における建物棟数の推定結果の情報と、上記の設定とに基づいて、各メッシュにおける被災棟数を推定することとしてもよい。
・ 被災棟数推定モジュール203kは、台風などの災害の規模感、当該災害によって被災した被災棟数の記録、被災した内容とに基づいて機械学習を行うことにより、学習済みモデルを生成することとしてもよい。当該学習済みモデルは、予測される気象情報(例えば、台風、大雨など)と、建物棟数の情報との入力に基づいて、被災棟数、被災の程度(例えば台風であれば屋根が破壊された建物の数。大雨であれば浸水した建物の数)の予測結果を出力する。
【0114】
気象情報として取得される災害情報として、風速情報、降水量の情報などが含まれうる。当該風速情報は、例えば10キロメートルメッシュから数キロメートルのメッシュの情報として取得することが可能である。または、例えば、被災棟数推定モジュール203kは、気象情報取得モジュール203fが取得した24時間の累計降水量の情報に基づいて、被災棟数情報を推定する。当該累計降水量の情報は、例えば数キロメートルのメッシュの情報として提供されていることがあり得る。メッシュの幅は、上記のように気象情報それぞれによって異なりうる。例えば、風速情報と累計降水量の情報とで、予測される気象情報のメッシュの幅が異なっていてもよい。風速情報のメッシュの幅は、累計降水量の情報のメッシュの幅よりも広いことがありうる。
【0115】
建物棟数推定モジュール203jが推定した建物棟数情報のメッシュの幅と、気象情報取得モジュール203fが取得した気象情報のメッシュの幅とは異なっていてもよい。例えば、建物棟数情報のメッシュの幅と比較して、気象情報のメッシュの幅が大きい場合、被災棟数推定モジュール203kは、建物棟数推定モジュール203jが推定した建物棟数情報のメッシュに対して最も近いメッシュの気象情報を利用して、被災棟数を推定する。
【0116】
補正モジュール203lは、投稿動画取得モジュール203gまたは衛星画像取得モジュール203hが取得した情報に基づいて、被災棟数推定モジュール203kが推定した被災棟数情報を補正する処理を行う。
【0117】
当該被災棟数情報を補正する方法としては、以下が含まれうる。
(1)建物棟数を補正することで、被災棟数を補正
ある地理範囲における建物棟数の情報を、人口分布の情報または夜間光の情報によらず、他の情報に基づいて補正する。例えば、投稿動画取得モジュール203gによって取得される投稿動画等により、建物棟数の情報を補正する。例えば、投稿動画に示される地理範囲において、投稿動画に被写体として写る建物を特定することにより、当該地理範囲における建物棟数の情報を補正する。サーバ20が、投稿動画等により補正した建物棟数の情報に基づいて、被災棟数推定モジュール203kが推定した被災棟数情報を補正する。
(2)建物の構造等の属性の情報に基づいて、被災棟数を補正
サーバ20が、投稿動画に被写体として写る建物を特定して解析することにより、当該建物の構造(屋根の構造、屋根の形状、壁材の材質など)、建物の工法(鉄筋であるか、木造であるか、コンクリートの建物であるかなど)など、建物の属性の情報を推定する。サーバ20は、これら人口分布の情報、夜間光の情報によっては判別し難い建物の属性の情報に基づいて、被災棟数推定モジュール203kが推定した被災棟数情報を補正する。例えば、建物の屋根の構造、屋根の形状等に応じて、被害の発生の確率、発生の程度を補正することとしてもよいし、鉄筋か木造かコンクリート造りであるかによって被害の発生の確率、発生の程度を補正することとしてもよい。例えば、コンクリート造りの建物は、被害が発生しにくいとして、被災棟数を少なく補正することがあり得る。
(3)気象情報取得モジュール203fにより取得される気象情報よりも、より狭い地理範囲の気象情報に基づいて、被災棟数を補正
気象情報を配信する装置から取得する気象情報のメッシュの幅が大きい場合、当該メッシュよりも狭い範囲では地形等により様々な気象条件になっていると想定される。そのため、投稿動画取得モジュール203gによって取得される投稿動画等を解析することにより、当該投稿動画で撮影されている範囲における風速、降水量等を解析して、よりピンポイントの範囲での気象情報を予測しうる。これにより、被災棟数の予測の精度を向上させうる。
【0118】
例えば、補正モジュール203lは、建物棟数を推定した結果と、建物の属性の情報と、建物がある地理範囲において災害発生した記録とに基づいて、深層学習アルゴリズム等により学習済みモデルを作成しておく。補正モジュール203lは、当該学習済みモデルを用いて、ユーザによって投稿された投稿動画の解析結果等に基づいて、被災棟数情報を補正してもよい。
【0119】
また、補正モジュール2031は、被災棟数推定モジュール203kが推定した被災棟数情報について、建物の属性の情報により補正をしてもよい。例えば、予め建物の属性の情報に補正の係数を設定しうる。
【0120】
表示制御モジュール203mは、ユーザの操作に応答して、端末装置10に各種情報を表示させるための一連の処理を制御する。表示制御モジュール203mは、ユーザからの操作に基づいて、端末装置10に被災棟数情報を提示するタイミングを任意に設定してもよい。具体的に、例えば、表示制御モジュール203mは、ユーザに登録されたエリアに気象災害が及ぶ1週間前から端末装置10に被災棟数情報を提示することが可能である。
【0121】
また、表示制御モジュール203mは、被災棟数情報が更新された場合、端末装置10に更新された被災情報を提示し、当該被災棟数情報が更新されたことを通知する。
【0122】
<2 データ構造>
以下に図4図5図6に示すサーバ20が記憶するユーザ情報DB281と、気象情報DB282、人口分布情報DB283、夜間光情報DB284、建物棟数情報DB285、被災棟数情報DB286、投稿動画情報DB287、および、衛星画像情報DB288のデータ構造について説明する。なお、図4図5図6は、各データベースのデータ構造を示す図である。
【0123】
ユーザ情報データベース281は、端末装置10を携帯するユーザに関する情報を記録するデータベースである。ユーザ情報データベース281のレコードのそれぞれは、項目「ユーザID」と、項目「現在地」と、項目「指定したエリア」と、を含む。ユーザ情報DB281は、ユーザの属性に関する情報を含む。
【0124】
項目「ユーザID」は、ユーザそれぞれを識別する情報である。
【0125】
項目「現在地」は、ユーザの現在の位置情報を示す情報である。端末装置10は、位置情報センサ150により検出した端末装置10の位置を、ユーザの現在地として記録する。
【0126】
項目「指定したエリア」は、ユーザが指定したエリアを示す情報である。ユーザはあらかじめ1または複数のエリアを指定し登録しておくことが可能である。
【0127】
気象情報DB282は、外部システムやデータベース等から取得した気象に関する情報を連続的に記録する。気象情報DB282のレコードのそれぞれは、項目「エリア」と、項目「気象」とを含む。
【0128】
項目「エリア」は、地理範囲を特定するための情報である。例えば、地理範囲として、地点の情報、地図上を一定距離ごとのメッシュで区切ったメッシュそれぞれの識別情報(例えば緯度経度の情報に基づいて、メッシュそれぞれを識別してもよい)、行政区画単位(都道府県、州、区市町村単位)の情報があり得る。
【0129】
項目「気象」は、日時の情報と関連付けて、天気・気圧・風向・風速・気温・湿度など大気の状態に関する情報と、大雨、強風、雷などの気象災害に関する情報を含む。
【0130】
人口分布情報DB283は、外部システムやデータベース等から取得した人口分布に関する情報を記録するデータベースである。人口分布情報DB283のレコードのそれぞれは、項目「エリア」と、項目「日付」と、項目「人口情報」とを含む。
【0131】
項目「エリア」は、地理範囲を特定するための情報である。
【0132】
項目「日付」は、人口分布の情報が記録されたタイミングを示す情報であり、例えば、人口が集計されたタイミングの情報である。
【0133】
項目「人口情報」は、当該エリアに含まれる人口を示す情報である。例えば、国などの行政機関が調査によって地理範囲ごとの人口を集計していることがあり得る。地理範囲によっては、人口情報が統計情報として集計されていないこともあり得る。
【0134】
夜間光情報DB284は、外部システムやデータベース等から取得した夜間光に関する情報を記録するデータベースである。図5に示すように、夜間光情報DB284のレコードのそれぞれは、項目「エリア」と、項目「日時」と、項目「夜間光情報」と、を含む。
【0135】
項目「エリア」は、地理範囲を特定するための情報である。項目「エリア」において、例えば、人工衛星が撮影した撮影範囲の情報を含む。
【0136】
項目「日時」は、夜間光の情報が取得されたタイミングを示す。
【0137】
項目「夜間光情報」は、当該地理範囲について、夜間に人工衛星または上空から撮影した画像を示す情報である。
【0138】
建物棟数情報DB285は、建物棟数推定モジュール203jが推定した建物棟数情報等を記録するデータベースである。建物棟数情報DB285のレコードのそれぞれは、項目「エリア」と、項目「日付」と、項目「建物棟数情報」と、を含む。
【0139】
項目「エリア」は、地理範囲を特定するための情報である。例えば、建物棟数推定モジュール203jが推定した建物棟数の情報を建物棟数情報DB285で保持する場合、推定にあたり用いた人口分布の情報または夜間光の情報の地理範囲を、当該項目「エリア」における地理範囲の情報としてもよい。
【0140】
項目「日付」は、建物棟数情報を取得した日付を示す情報である。
【0141】
項目「建物棟数情報」は、当該地理範囲に含まれる建物棟数を示す情報である。なお、建物棟数情報DB285に登録される情報は、建物棟数情報取得モジュール203eが取得した情報、または、建物棟数推定モジュール203jが推定した情報の少なくともいずれかが含まれる。建物棟数情報DB285において、建物棟数情報取得モジュール203eが取得した情報と建物棟数推定モジュール203jが推定した情報とは区別して登録されてもよい。これによって、建物棟数推定モジュール203jにおける推定の精度が向上する。
【0142】
被災棟数情報DB286は、被災棟数推定モジュール203kが推定した被災棟数情報等を記録するデータベースである。被災棟数情報DB286のレコードのそれぞれは、項目「エリア」と、項目「日付」と、項目「被災棟数」と、項目「気象情報」と、を含む。
【0143】
項目「エリア」は、地理範囲を特定するための情報である。
【0144】
項目「日付」は、被災棟数の情報を推定した日時を示す情報である。図示するように、サーバ20は、予測される各時刻の気象情報と、各地理範囲の建物棟数の情報とに基づいて被災棟数推定モジュール203kによって推定される被災棟数の情報を、項目「日付」において保持する。
【0145】
項目「被災棟数」は、被災棟数推定モジュール203kにより、当該地理範囲で当該日時に何らかの被害を受ける恐れがある、または、災害により被災した、と推定された建物棟数の情報である。
【0146】
項目「気象情報」は、被災棟数を推定する対象となった災害を特定する情報を示し、例えば、気象情報DB282の項目「気象」に含まれる情報である。なお、項目「被災棟数」に登録される情報は、補正モジュール203lにおいて補正された被災棟数情報を含むこととしてもよい。
【0147】
投稿動画情報DB287は、投稿動画取得モジュール203gが外部システムやデータベース等から取得した投稿動画情報等を記録するデータベースである。図6に示すように、投稿動画情報DB287のレコードのそれぞれは、項目「エリア」と、項目「日時」と、項目「出所」と、項目「投稿動画情報」とを含む。
【0148】
項目「エリア」は、地理範囲を特定するための情報である。項目「エリア」の情報は、例えば、投稿動画情報を取得した端末装置10のGPSモジュールに基づく情報である。
【0149】
項目「日時」は、投稿動画取得モジュール203gにおいて投稿動画が取得された日時を示す情報である。
【0150】
項目「出所」は、サーバ20において投稿動画を取得した取得元の情報を示す。例えば、項目「出所」は、ユーザが投稿動画を送信したアプリケーションを特定する情報を含む。項目「出所」は、ネットワークを介して、投稿動画を収集したウェブサイトを特定する情報を含む。
【0151】
項目「投稿動画情報」は、投稿動画取得モジュール203gが取得した投稿動画の情報である。
【0152】
衛星画像情報DB288は、衛星画像取得モジュール203hが外部システムやデータベース等から取得した衛星画像情報等を記録するデータベースである。衛星画像情報DB288のレコードのそれぞれは、項目「エリア」と、項目「日時」と、項目「衛星画像情報」とを含む。
【0153】
項目「エリア」は、地理範囲を特定するための情報である。例えば、人工衛星が撮影した衛星画像に、撮影範囲の情報が関連付けられており、サーバ20が当該衛星画像の撮影画像の情報を抽出することで、衛星画像の地理範囲を特定する情報として項目「エリア」に保持させる。
【0154】
項目「日時」は、衛星画像取得モジュール203hにおいて取得する衛星画像が、人工衛星によって撮影されたタイミングを示す。例えば、人工衛星によって撮影された画像に、撮影タイミングの情報が含まれうる。
【0155】
項目「衛星画像」は、衛星画像取得モジュール203hが取得した衛星画像の情報である。
【0156】
<3 動作>
以下、図7および図8を参照しながら、システム1により所定のエリア(第2エリア)の建物棟数情報を推定する処理について説明する。
【0157】
図7は、第1の実施の形態におけるシステム1により、サーバ20が、第2エリアの建物棟数を推定する処理の流れの一例を示す図である。図7の説明では、建物棟数を推定するための計算式を作成する処理の流れを説明する。
【0158】
ステップS11において、サーバ20は、第1エリアの人口分布情報、夜間光情報、および、建物棟数情報を取得する。当該第1エリアは、人口分布情報、夜間光情報、建物棟数情報が予め用意されている地理範囲である。
【0159】
ステップS12において、サーバ20の関係式作成モジュール203iは、S11において取得した人口分布情報、夜間光情報、および、建物棟数情報に基づいて、第1エリアとは異なる第2エリアの建物棟数を推定するための計算式を作成する。ここで作成した計算式は、記憶部202等において記憶され、例えばユーザが指定したエリアの建物棟数を推定するために呼び出すことが可能である。
【0160】
図8は、第2エリアの建物棟数を推定する処理の流れの一例を示す図である。
ステップS13において、サーバ20は、第2エリアの人口分布情報または夜間光情報のいずれか、もしくはその両方を取得する。
【0161】
ステップS14において、サーバ20は、ステップS12において作成した計算式と、ステップS523において取得した第2エリアの人口分布情報、または、夜間光情報、または、その両方に基づいて、第2エリアの建物棟数情報を推定する。ここで推定された第2エリアの建物棟数情報は、建物棟数情報DB285等により記憶する。これにより、サーバ20は、建物棟数情報DB285において建物棟数情報が記憶されていないエリアについても、人口分布情報または夜間光情報に基づいて建物棟数情報を推定することができる。
【0162】
次に、図9を参照しながら、システム1により所定のエリア(第2エリア)の被災棟数情報を推定する処理について説明する。図9は、第1の実施の形態におけるシステム1により、第2エリアの建物棟数を推定する処理の流れの一例を示す図である。
【0163】
ステップS21において、サーバ20は、第2エリアの建物棟数情報を取得する。例えば、サーバ20は、第2エリアの地理範囲を、気象情報の各メッシュ単位で区切り、メッシュ単位で建物棟数情報を取得することとしてもよい。また、サーバ20は、第2エリアの地理範囲を、建物棟数情報の各メッシュ単位で区切り、気象情報を取得してもよい。
【0164】
ステップS22において、サーバ20は、第2エリアの気象情報を取得する。サーバ20が取得した第2エリアの気象情報は、気象情報DB282等により記憶する。例えば、サーバ20は、第2エリアとして特定される地理範囲の情報に基づいて、当該地理範囲に含まれる各メッシュの気象情報を取得する。
【0165】
ステップS23において、サーバ20は、ステップS21において取得した第2エリアの建物棟数情報と、ステップS22において取得した第2エリアの気象情報に基づいて、第2エリアの被災棟数情報を推定する。例えば、サーバ20は、建物棟数情報の各メッシュ単位で、気象情報と、建物棟数情報とに基づいて、被災棟数を推定することとしてもよい。建物棟数情報のメッシュの幅よりも気象情報のメッシュの幅のほうが大きい場合、サーバ20は、建物棟数情報のメッシュに最も近い気象情報のメッシュを特定することにより、被災棟数を推定することとしてもよい。ここでサーバ20が推定した被災棟数情報は、被災棟数情報DB286等により記憶してもよい。また、後述するステップにおいて補正された被災棟数情報を被災棟数情報DB286等に記憶(または記憶の更新を)してもよい。
【0166】
ステップS24において、サーバ20は、第2エリアに含まれる建物等を撮影した投稿動画情報を取得する。サーバ20が取得した投稿動画情報は、投稿動画情報DB287等により記憶する。
【0167】
ステップS25において、サーバ20は、第2エリアの衛星画像情報を取得する。サーバ20が取得した衛星画像情報は、衛星画像情報DB288等により記憶する。
【0168】
ステップS26において、サーバ20は、ステップS524において取得した投稿動画情報とステップS26において取得した衛星画像情報とに基づいて、ステップS524において推定された第2エリアの被災棟数情報を補正する。ここで補正された被災棟数情報は、被災棟数情報DB286等により記憶する。このように、推定された被災棟数情報を補正することによってより精度の高い推定結果を得ることができる。
【0169】
以上の説明では、サーバ20が、投稿動画情報と衛星画像情報とを取得して、第2エリアの被災棟数情報を補正する例を説明している。しかし、サーバ20は、投稿動画情報と衛星画像情報とのうちのいずれかのみを取得して被災棟数情報を補正してもよい。また、被災棟数情報は補正されなくてもよい。
【0170】
また、サーバ20は、被災棟数情報データベース286に保持される各エリアの被災棟数の情報について、災害発生後に調査等により確定された被災棟数、被害の程度の情報を保持することとしてもよい。ここで、サーバ20は、被災棟数情報データベース286において、確定された被災棟数の情報と、災害発生の前後で建物棟数情報等に基づき推定された被災棟数の情報とを区別して保持することとしてもよい。これにより、災害発生時の災害の規模、建物棟数の情報、確定された被災棟数の情報その他の情報に基づいて機械学習を行うことにより学習済みモデルを生成することとしてもよい。当該学習済みモデルにより、災害発生時の被災棟数を推定することとしてもよい。
【0171】
また、第2エリアの被災棟数情報の推定は、ユーザの指定操作に応答して行われるものであって、サーバ20が推定した被災棟数情報は端末装置10に随時送信され、ディスプレイに表示されてもよい。端末装置10は、被災棟数情報がディスプレイに表示する際に、当該エリアの被災棟数の程度がユーザに識別可能に表示してもよい(例えば、エリアごとの被災棟数の推定結果に応じて色分けする、強調して表示をする等)。
【0172】
<4 画面例>
図10(A)と図10(B)は、本開示の第1の実施の形態における端末装置10の画面例を示す図である。
【0173】
図10の画面例(A)は、ユーザがスマートフォンである端末装置10に実装されているプログラムにおける操作画面の一例を示す図である。
【0174】
画面例(A)に示すように、ユーザの端末装置10において、ユーザの現在地に関する情報を表示するための第1の領域A1と、ユーザが投稿動画情報を撮影するための撮影要件情報を第2の領域A2を表示させる。
【0175】
端末装置10は、領域A3において、ユーザが撮影を行うことで、被災地に寄付が行われることを当該ユーザに通知している。端末装置10またはサーバ20は、投稿画像を受け付けたことに応じて、被災地への寄付金額を決定し、決定した金額を、被災地へ寄付する処理を行うこととしてもよい。
【0176】
端末装置10またはサーバ20が、ユーザからの災害発生前後における被災地(被災すると想定される地域を含む)を撮影した投稿動画を受け付けることに応答して、被災地への寄付をすること、被災地への寄付金を決定することは、以下を含みうる。
・ 端末装置10のユーザが、災害発生前後の被災地について撮影した静止画または動画をサーバ20へ投稿すること自体により、サーバ20が被災地へ寄付をする処理を行うと決定する
・ 端末装置10のユーザが、撮影要件情報に示される撮影要件を満たす投稿動画を撮影して投稿した場合に、寄付金の額を変更する(例えば、撮影要件を満たす投稿動画を撮影して投稿した場合に、撮影要件を満たしていない動画よりも多くの寄付金とする)。被災棟数の推定の精度を向上させ、被災地への支援の体制(復旧のための人的リソースの配備、保険金算定の迅速化)を適切に整えられるようにしつつ、被災地への寄付もすることができる。
・ サーバ20が、端末装置10から、端末装置10の位置情報と、投稿動画とを受け付けて、端末装置10の位置情報に基づいて被災地を撮影したと判断される場合に(例えば、被災地から一定距離内である)、被災地へ寄付をすると決定する。
【0177】
例えば、サーバ20は、予め、災害が発生したとした場合に寄付する寄付金を各事業者、各団体、個人から受け付けている。サーバ20は、ユーザから、災害発生前後において被災地を撮影した投稿動画の投稿を受け付けることに応答して、被災地と関連付けられる団体(例えば、慈善事業を行う団体、地方公共団体など)を特定し、当該団体へ寄付金として入金する処理を行う。サーバ20は、災害発生後においても、被災地へ寄付するための寄付金を事業者等から受け付けており、寄付金を受け付けることに応じて、被災地と関連付けられる団体(例えば、撮影された被災地)などに寄付金として送金してもよい。
【0178】
これにより、被災地へ寄付をすることを動機として、ユーザに投稿動画を撮影して投稿をするよう促すことができ、災害発生前後における被災状況をより精度良く推定しうる。その結果、保険金の推計、復旧に必要な機材・人員計画の策定などを災害発生後において直ちに行えるようにし、被災地への支援をよりいっそう充実化させうる。
【0179】
端末装置10は、ユーザに被災地への寄付を促すための情報を表示する。具体的に、端末装置10は、投稿動画により被災状況の推定の精度を向上させうる情報を提示しつつ、動画の撮影および投稿により、被災地への寄付が行われることを示す旨の表示をしてもよい。
【0180】
例えば、被災状況の推定の精度を高めるため、投稿動画は所定時間以上の動画を撮影したものとする場合、所定時間以上の撮影をすることを促す表示(撮影の残り時間を表示する等)をしつつ、所定の金額が被災地への寄付されることを示す旨の情報を表示してもよい。
【0181】
(ユーザの現在地に関する情報の表示態様)
(1) ユーザの現在地の表示: 端末装置10は、第1の領域A1に表示させる情報を、ユーザの現在地によって決定する。例えば、ユーザが第2エリアに含まれる地点においてプログラムを実行した場合、端末装置10は、第1の領域A1に、現在地として第2エリアと表示する。
【0182】
(2) 現在の気象情報の表示: 第1の領域A1に表示させる情報を、ユーザの現在地の現在の気象情報によって決定する。例えば、ユーザが第2エリアに含まれる地点においてプログラムを実行した場合、端末装置10は、第1の領域A1に、第2エリアの現在の気象情報を表示する。ここで、例えば、第1の領域A1に表示される気象情報は、大雨、強風等の災害情報、または、晴、雨、などの天候の情報であってもよい。
【0183】
(投稿動画情報を撮影するための撮影要件情報の表示態様)
端末装置10は、第2の領域A2において、ユーザが投稿動画情報を撮影するための撮影要件情報を表示させる。
【0184】
(1)撮影要件情報を表示:端末装置10は、第2の領域A2において、ユーザが安全に撮影を行うために撮影場所に関する撮影要件情報を表示する。例えば、端末装置10は、大雨・洪水の場合の安全性を高めるために、所定以上の高さ(建物、高台)にいることを促す表示をする。具体的に、例えば、端末装置10は、第2の領域A2において、建物の2階以上の高さから撮影することを促す旨の情報を表示する。
【0185】
端末装置10は、第2の領域A2において、投稿動画による被災棟数情報の補正の精度を高めるために、撮影要件情報を表示する。例えば、端末装置10は、第2の領域A2において、撮影要件情報として、被写体としての建物等の全体が所定時間以上映るように動画を撮影する旨の情報を表示する。また、ユーザの撮影が容易に行われるように、被写体(対象物)が端末装置10において認識されているか否かの判定結果を第2の領域A2に表示してもよい。
【0186】
また、ユーザの撮影が容易に行われるように、補正に必要な撮影時間のうち残りの撮影時間を強調して第2の領域A2に表示してもよい。
【0187】
また、端末装置10は、第2の領域A2において、撮影要件情報として、優先して撮影してほしい個所に関する情報を表示してもよい。具体的に、例えば、端末装置10は、投稿動画による被災棟数情報の補正の精度を高めるために、建物の屋根周辺個所を撮影するように促す旨の情報を表示する。
【0188】
図10の画面例(B)は、操作画面の他の一例を示す図である。
【0189】
(投稿動画情報を撮影するための撮影要件情報の表示態様)
(1)撮影要件情報を表示:端末装置10は、第2の領域A2において、気象情報が所定の要件を満たした場合に、ユーザに撮影を中断させ避難を勧告するための撮影要件情を表示する。例えば、端末装置10は、第2の領域A2において、ユーザの現在地が危険である旨の情報を表示する。また、このとき、ユーザの現在地に基づいて、ユーザの現在地から最も近い避難所の情報を第2の領域A2に表示可能にしてもよい。また、このとき、ユーザの現在地に基づいて、より詳細な気象情報を第2の領域A2に表示可能にしてもよい。このとき、表示される詳細な気象情報は、第1の領域A1に表示させる気象情報よりも詳細な情報であってもよい。
【0190】
図11の画面例は、端末装置10に実装されているプログラムにおける提示画面において被災棟数情報の一例を示す図である。
【0191】
当該画面例に示すように、ユーザの端末装置10において、被災棟数情報を推定した日時に関する情報を表示するための第1の領域B1と、ユーザの現在地または登録したエリアの被災棟数情報を表示するための第2の領域B2と、被災棟数や気象情報等の情報を表示するための第3の領域B3と、を表示させる。
【0192】
端末装置10は、領域B2において、マップ上に、第2エリアに含まれるユーザの現在地を表示する。端末装置10は、領域B2において、雨雲情報や風速、風向等に関する情報をマップ上に示す。また、端末装置10は、第3の領域B3において、登録したエリアの気象情報を表示する。具体的に、例えば、端末装置10は、発生した気象災害が登録したエリアに及ぶ日時を含む情報を示す。
【0193】
(被災棟数情報の表示態様)
被災棟数情報の表示;端末装置10は、第2の領域B2において、ユーザが指定したエリア、ユーザの現在地、または予めユーザが登録したエリアの被災棟数情報に関する情報を表示する。
【0194】
例えば、端末装置10は、第2の領域B2において、マップ上に、ユーザが指定した地点(またはユーザの現在地)と、現在予測されている被災棟数情報と、気象情報とを併せて表示する。現在予測されている被災棟数情報は、マップ上に、アイコンとして表示してもよいし、被害が予測される地点の近傍に詳細な被災棟数を表示してもよい。
【0195】
また、端末装置10は、第3の領域B3において、ユーザが指定した地点、ユーザの現在地または登録したエリアの、被災棟数情報に関する情報と気象情報とを合わせた情報を表示する。具体的に、例えば、端末装置10は、ユーザが指定した地点、ユーザの現在地または登録したエリアの周辺で、建物に被害が発生するおおよその時刻と被害の種類とを表示する。
【0196】
端末装置10は、ユーザに対し、気象情報の変化の指定を受け付けて、当該指定を受け付けた気象情報において推定される被災棟数情報をディスプレイ132に表示することとしてもよい。例えば、台風などの災害においては、予測する期間が長いほど(例えば、1日後の気象情報の予測よりも、1週間後の気象情報の予測のほうが)、台風の進路予測などのブレが大きくなり得る。端末装置10は、ユーザに対し、災害の規模感の指定を受け付けて、指定された規模感に応じた被災棟数情報をディスプレイ132に表示してもよい。これにより、災害発生の規模感とに応じて、例えば悲観的なシナリオ(災害発生の規模感が比較的大きい)、楽観的なシナリオ(災害発生の規模感が相対的に小さい)に沿って、人的リソース・支援物資の配送の計画、保険金の算出などを、災害発生前の段階でシミュレーションすることができる。上記の例で、ユーザから指定を受け付けた災害発生の規模感が発生する可能性を示す情報をあわせて表示することとしてもよい。これにより、ユーザは、被災棟数の推定と、災害発生する可能性とを考慮して、例えば、商品を移動させるなどの措置を検討することがよりいっそう容易になる。]
【0197】
図12図13図14とは、ユーザによって指定された地域の被災棟数の推定結果を表示するための別の画面例を示す図である。
【0198】
図12の画面例(A)に示すように、端末装置10は、サーバ20等から取得した気象情報を、地図情報と関連付けて表示する。サーバ20等が端末装置10に気象情報を送信しつつ、端末装置10のブラウザ等において、気象情報を表す画像を描画させることとしてもよい。
【0199】
具体的には、端末装置10は、画面C1において、各メッシュの風向き及び風速の強さに基づいて、風向きを表す方向にオブジェクトを描画しつつ(例えば、風速の方向へとアニメーションするようにオブジェクトを描画することで、ユーザに風向きを知覚させる)、風速が大きいほどオブジェクトを長く描画する。
【0200】
端末装置10は、地図情報を拡大または縮小する入力操作をユーザから受け付けて、地図情報を表示する倍率を変更する。端末装置10は、地図情報を表示させる倍率に対応する情報を画面C1に表示することで、ユーザに、地図情報をどの程度拡大または縮小させて表示しているかを知覚させる。図示する例では拡大ボタンC3と縮小ボタンC4との間に、地図情報を拡大または縮小させて表示させている程度(倍率)を表す情報(図示する例では「5」)を表示している。
【0201】
画面C1において、地図情報を表示するための倍率を切り替える操作を、拡大ボタンC3及び縮小ボタンC4により受け付ける。端末装置10は、C3において、地図情報を拡大して表示させるための入力操作を受け付ける。端末装置10は、縮小ボタンC4において、地図情報を縮小して表示させるための入力操作を受け付ける。
【0202】
端末装置10は、検索受付部C2において、ユーザから、気象情報を表示させる地理範囲(地点、行政区画単位など)を指定する操作を受け付ける。端末装置10は、ユーザから地理範囲の入力を受け付けて、対応する地理範囲にフォーカスするように(例えば、指定された地理範囲が画面の中央に配置されるように)、地図情報を表示する範囲を切り替える。
【0203】
端末装置10は、地図情報を表示する倍率を指定する操作に応答して、地図情報を拡大または縮小して表示しつつ、当該倍率に応じて、地理範囲の名称(例えば、行政区画単位)を切り替えて地図上に表示する。
【0204】
端末装置10は、地図情報を表示しつつ、地理範囲を表す地理名称C5を表示する。端末装置10は、地図情報を表示させている倍率に応じて、地理範囲として表示する範囲を決定する。例えば、端末装置10は、地図情報を縮小させて表示させている場合においては、地理範囲として、行政区画単位における都道府県など広域の名称及び当該地理範囲の境界線を表示することとし(例えば、都道府県単位で境界線を描画する)、地図情報を拡大して表示させていくにつれて、例えば市区町村単位など、より小さい行政区画単位の名称及び当該地理範囲の境界線を表示する。このように、地図の拡大または縮小に応じて、表示する地理範囲の名称の範囲を変更することにより、ユーザに対し、気象情報及び被災棟数の推定結果を確認したい地理範囲を、地図情報から視覚的に容易に探索できるようにすることができる。
【0205】
端末装置10は、地理範囲を指定する操作をユーザから受け付けることに応答して、当該地理範囲において推定される被災棟数の情報を表示する。例えば、端末装置10は、地理範囲を指定する操作として、地理名称C5への入力操作を受け付けることに応答して、当該地理名称C5に対応する地理範囲について被災棟数を推定した結果を画面C1に表示する。
【0206】
ここで、画面例(A)では、ユーザが地理範囲を指定する操作をせずとも、一定の地理範囲として、国単位(図示する例では、地理名称C9に示すように、「日本」)で被災棟数を推定した結果をグラフ等のオブジェクトC10により表示している。図示するように、端末装置10は、画面例(A)では、地理範囲の名称である地理名称C11(図示する例では「日本」という国単位)と関連付けて、オブジェクトC10を表示する。これにより、ユーザが地理範囲を指定する操作をせずとも、地理範囲における被災棟数の規模感を可視化することができる。
【0207】
図12の画面例(B)は、画面例(A)において、ユーザから、地理範囲を拡大するための入力操作を受け付けたことに応答して、表示する地理範囲を更新した局面を示す。画面例(B)では、端末装置10は、地理範囲として都道府県単位の名称を表示しつつ、都道府県(図示する例では、地理名称C12に示すように、「東京都」)を構成する市区町村単位の境界線を描画し、当該市区町村の名称自体は表示していない。画面例(B)に示すように、端末装置10は、拡大ボタンC3と縮小ボタンC4との間に、地図情報を拡大または縮小させて表示させている程度(倍率)を表す情報(図示する例では「10」)を表示している。例えば、端末装置10は、図示する例で「東京都」を指定する操作をユーザから受け付けることにより、当該「東京都」において推定される被災棟数の情報を表示する。また、端末装置10は、画面C1において、地図情報をスクロールさせる入力操作をユーザから受け付ける。例えば、端末装置10は、ポインティングデバイス等によりドラッグする操作に応答して、地図情報を表示させる範囲をスクロールさせる。
【0208】
図13において、端末装置10は、拡大ボタンC3等への入力操作に応答して、図12の画面例(B)の状態よりもさらに地理範囲を拡大させた状態(図示する例では拡大ボタンC3と縮小ボタンC4との間に、倍率「12」を表示している)を画面C1に表示している。図示するように、図12の画面例(B)の状態と比較して、市区町村単位(すなわち、図12の画面例(B)で表示される「東京都」のような都道府県単位よりも細分化した単位)で地理範囲の名称を表示して、各名称をユーザから指定する操作を受け付けている。例えば、端末装置10は、地理名称C6に示される地理範囲「中央区」をユーザが指定する操作(例えば、地理名称C6をポインティングデバイス等により指定する操作)に応答して、当該地理範囲「中央区」について推定される被災棟数の情報を時系列でウィンドウC7に表示する。
【0209】
端末装置10は、ウィンドウC7において、ユーザが指定した地理範囲を示す情報(図示する例では「東京都中央区」)と、時系列での被災棟数の推定結果を示すグラフC8とを表示する。例えば、端末装置10は、グラフC8において、横軸を時間帯とし、縦軸を各時間帯における被災棟数の推定結果として、時間帯を変更する操作に応じて被災棟数の推定結果を表示する時間帯を切り替えて表示する。
【0210】
図示する例では、端末装置10は、地理範囲を拡大または縮小させる程度に応じて、地図情報を一定以上拡大させて表示している場合には、風速及び風向きの情報に基づくオブジェクトを描画していない。
【0211】
以上のように、端末装置10は、ユーザから、地図情報を表示させる範囲をスクロールさせる操作、拡大または縮小させる操作を受け付けて、地理範囲を表す名称を指定可能に表示しつつ、地図情報を表示させる倍率に応じた行政区画単位の名称を表示する。端末装置10は、ユーザから、地理範囲を指定する操作を受け付けることに応答して、当該地理範囲について推定される被災棟数の情報を時系列で表示する。
【0212】
また、図14の画面例(A)、画面例(B)に示すように、端末装置10は、世界各国において災害が発生した場合の被災棟数の情報を表示する。図14の例では、地理名称C13に示すように、「フィリピン」についての被災棟数の情報を表示している。図14の画面例(A)において、端末装置10は、拡大ボタンC3への入力操作に応答して、画面例(B)に示すように、表示する地理範囲を拡大して表示する。画面例(B)では、端末装置10は、州単位で地理範囲を表示している。
【0213】
<小括>
以上により、システム1によると、建物が存在する全世界の陸地を対象に建物棟数のデータベースを作成することができる。また、気象情報に基づき、台風やハリケーンを含めた熱帯低気圧による強風や豪雨などの気象災害による実際の被害が発生する前に建物の被災棟数をリアルタイムに予測(推定)することができる。
【0214】
また、全世界を対象とする気象モデルは全球モデルを選択することになり、一般的に気象情報の水平分解能の精度が低くなる傾向にある。この水平分解能は被災棟数の推定の精度に大きな影響を与える。そのため、被災棟数の推定の精度を上げるためには追加のデータによる補正が求められていた。システム1において、サーバ20は投稿動画情報を取得し、被災棟数の情報を補正することによって、被災棟数情報の精度を高くする。
【0215】
<変形例>
(1)投稿動画による補正の精度を高める方法:第1の実施の形態のシステム1において、サーバ20は、投稿動画取得モジュール203gが取得した投稿動画の貢献度を判定してもよい。ここで、投稿動画の貢献度とは、投稿された動画を利用した補正によって被災棟数情報の精度がどの程度高くなるかを示す度合いである。例えば、サーバ20は、投稿動画の貢献度を判定するために、被写体としての建物等が所定の構図で撮影されているか否かを判定してもよい。また、サーバ20は、投稿動画の貢献度を判定し、投稿動画から貢献度の高い所定期間の情報を抽出してもよい。
【0216】
投稿動画による補正の精度を高めるために、貢献度が高い投稿動画を投稿したユーザに対して特典を付与してもよい。特典は、貢献度によって変動するものであってもよい。特典は、例えば、ユーザへのポイント還元、または、被災エリアへの寄付等である。
【0217】
また、投稿動画による補正の精度を高めるために、撮影要件情報は、貢献度が高い投稿動画撮影するための情報を含んでいてもよい。例えば、撮影要件情報には、被写体としての建物等の全体が所定時間以上映るように動画を撮影する旨の情報を含んでいてもよい。また、撮影要件情報には、被写体から所定の距離離れて動画を撮影する旨の情報を含んでいてもよい。
【0218】
また、投稿動画による補正の精度を高めるために、端末装置10は、投稿動画が所定の構図で撮影されているか否かを判定する機能を含んでいてもよい。例えば、所定の構図は、被写体としての建物等の全体が所定時間以上映っている構図、建物と建物の周囲が所定時間以上映っている構図、または、建物の被災箇所が所定時間以上映っている構図である。
【0219】
サーバ20が取得した投稿動画に基づいて被災棟数情報を補正することによって、サーバ20において算出される被災棟数情報の精度を高めることが可能である。これによって、端末装置10に対して、サーバ20は精度の高い被災棟数情報を提供することが可能である。これによって端末装置10のユーザは、精度の高い被災棟数情報に基づいて、災害対策を行うことができる。また、端末装置10のユーザとしての損害保険会社または自治体の防災担当者等は、他県からの応援要員の確保、避難場所の手配、人命救助を行うべき地域の優先順位等の意思決定を迅速かつより正確に行うことができる。
【0220】
(2)端末装置10における表示方法:第1の実施の形態のシステム1において、端末装置10は、ネットワークを介して、または、所定のアプリケーションを起動させることによって、サーバ20から受信した被災棟数情報をディスプレイに表示できる。例えば、端末装置10は、所定のエリアの被災棟数情報、当該エリアの気象情報、および、当該エリアのマップ情報と関連付けてディスプレイに表示する。また、端末装置10は、これに端末装置10のユーザの現在地の情報を関連付けて表示してもよい。
【0221】
また、端末装置10は、ユーザの指定操作に応答して、ユーザが指定したエリアの情報を被災棟数情報ディスプレイに表示してもよい。
【0222】
<付記>
上記で説明した事項を以下に付記する。
【0223】
(付記1)
プロセッサ(29,19)と、メモリ(25,15)とを備えるコンピュータ(20,10)に実行させるプログラムであって、コンピュータは、記憶部に、第2エリアについて推定された建物棟数情報(285)を記憶するように構成されており、第2エリアの建物棟数情報は、第2エリアとは異なる第1エリアの人口分布(283)または夜間光の情報(284)の少なくともいずれかと第1エリアの建物棟数情報とに基づいて作成される計算式(S12)、および、第2エリアの人口分布の情報または夜間光の情報に基づいて推定され、プログラムは、コンピュータのプロセッサに、第2エリアの気象情報を取得するステップ(203f、S22)と、第2エリアの気象情報と第2エリアについて推定された建物棟数情報とに基づいて、第2エリアにおける建物の被災棟数の情報を推定するステップ(203k、S23)と、を実行させるプログラム。
【0224】
(付記2)
計算式は、第1エリアの人口分布または夜間光の情報の少なくともいずれかと、当該第1エリアの建物棟数情報とに基づいて作成される学習済みモデルであって、第2エリアの人口分布または夜間光の情報に対し建物棟数を出力するよう作成される学習済みモデル、または、重回帰分析により作成される関係式であって、建物棟数を目的変数とする関係式である、付記1に記載のプログラム。
【0225】
(付記3)
取得するステップにおいて、気象情報として、風速、降雨量、災害情報の少なくともいずれかを取得し、前期推定するステップにおいて、取得した気象情報に基づいて、第2エリアにおける被災棟数の情報を推定する、付記1または2に記載のプログラム。
【0226】
(付記4)
取得するステップにおいて、気象情報を、第1の距離間隔で規定したメッシュデータとして取得し、建物棟数情報は、第2の距離間隔で規定された領域ごとに推定された建物棟数の情報であり、推定するステップにおいて、メッシュデータである気象情報と、建物棟数情報とに基づいて、被災棟数の情報を推定する、付記3に記載のプログラム。
【0227】
(付記5)
推定するステップにおいて、取得する第2エリアの特定の気象情報がしきい値を超えているか否かに応じて、被災棟数の情報を推定する、付記1から4のいずれかに記載のプログラム。
【0228】
(付記6)
プログラムは、プロセッサに、さらに、気象情報により災害が発生しうる被災地の被災前後において、当該被災地でユーザによって撮影されたコンテンツを受け付けることにより、被災棟数の情報を補正するステップと、コンテンツを受け付けることに応答して、被災地に寄付をする処理を行う、付記1から5のいずれかに記載のプログラム。
【0229】
(付記7)
人口分布または夜間光の情報とは異なる情報であって、気象情報により災害が発生しうる被災地についての情報に基づいて、推定される被災棟数の情報を補正するステップをさらに実行させる、付記1から5のいずれかに記載のプログラム。
【0230】
(付記8)
補正するステップにおいて、被災地を撮影した撮影データに基づいて、被災棟数の情報を補正する、付記7に記載のプログラム。
【0231】
(付記9)
補正するステップにおいて、被災地の建物の属性の情報に基づいて、被災棟数の情報を補正する、付記7に記載のプログラム。
【0232】
(付記10)
補正するステップにおいて、建物の属性の情報として、建物の工法の情報に基づいて、被災棟数の情報を補正する、付記9に記載のプログラム。
【0233】
(付記11)
補正するステップにおいて、気象情報が予測されている範囲の広さよりも、より狭い範囲の気象情報を特定することにより、被災棟数の情報を補正する、付記7に記載のプログラム。
【0234】
(付記12)
補正するステップにおいて、被災地を撮影したデータに基づいて、より狭い範囲の気象情報を特定する、付記11に記載のプログラム。
【0235】
(付記13)
撮影をするユーザに対し、撮影をする要件を提示する、付記6に記載のプログラム。
【0236】
(付記14)
プロセッサを備えるコンピュータによって実行される方法であって、プロセッサが、第1エリアの人口分布または夜間光の情報の少なくともいずれかと、第1エリアの建物棟数の情報とに基づいて、第1エリアとは異なる第2エリアの建物棟数を推定するための計算式を作成するステップと、計算式に基づいて、第2エリアの人口分布または夜間光の情報の少なくともいずれかの入力に応答して、第2エリアの建物棟数を推定するステップと、を実行する、方法。
【0237】
(付記15)
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータによって実行される方法であって、コンピュータは、記憶部に、第2エリアについて推定された建物棟数情報を記憶するように構成されており、第2エリアの建物棟数情報は、第2エリアとは異なる第1エリアの人口分布または夜間光の情報の少なくともいずれかと第1エリアの建物棟数情報とに基づいて作成される計算式、および、第2エリアの人口分布の情報または夜間光の情報に基づいて推定されており、方法は、プロセッサが、第2エリアの気象情報を取得するステップと、第2エリアの気象情報と第2エリアについて推定された建物棟数情報とに基づいて、第2エリアにおける建物の被災棟数の情報を推定するステップと、を実行する、方法。
【0238】
(付記16)
制御部と、記憶部とを備える情報処理装置であって、情報処理装置は、記憶部に、第2エリアについて推定された建物棟数情報を記憶するように構成されており、第2エリアの建物棟数情報は、第2エリアとは異なる第1エリアの人口分布または夜間光の情報の少なくともいずれかと第1エリアの建物棟数情報とに基づいて作成される計算式、および、第2エリアの人口分布の情報または夜間光の情報に基づいて推定されており、制御部が、第2エリアの気象情報を取得するステップと、第2エリアの気象情報と第2エリアについて推定された建物棟数情報とに基づいて、第2エリアにおける建物の被災棟数の情報を推定するステップと、を実行する、情報処理装置。
【符号の説明】
【0239】
10 端末装置、20 サーバ、80 ネットワーク、12 通信IF、13 入力装置、14 出力装置、15 メモリ、16 記憶部、19 プロセッサ、201 通信部、202 記憶部


【要約】      (修正有)
【課題】より正確な建物の被災棟数の情報を推定するためのプログラム、方法及び情報処理装置を提供する。
【解決手段】プロセッサと、メモリと、を備えるコンピュータに実行させるプログラムであって、コンピュータは、記憶部に、第2エリアについて推定された建物棟数情報を記憶する。第2エリアの建物棟数情報は、第2エリアとは異なる第1エリアの人口分布又は夜間光の情報の少なくとも何れかと第1エリアの建物棟数情報とに基づいて作成される計算式及び第2エリアの人口分布の情報又は夜間光の情報に基づいて推定される。プログラムは、コンピュータのプロセッサに、第2エリアの気象情報を取得するステップと、第2エリアの気象情報と第2エリアについて推定された建物棟数情報とに基づいて、第2エリアにおける建物の被災棟数の情報を推定するステップと、を実行させる。
【選択図】図9
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14