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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-25
(45)【発行日】2022-08-02
(54)【発明の名称】監視システム及び監視プログラム
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/04 20060101AFI20220726BHJP
   G08B 25/01 20060101ALI20220726BHJP
   G08B 25/10 20060101ALI20220726BHJP
   G08B 21/02 20060101ALI20220726BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20220726BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20220726BHJP
   H04W 88/04 20090101ALI20220726BHJP
   H04W 40/12 20090101ALI20220726BHJP
   H04W 4/38 20180101ALI20220726BHJP
【FI】
G08B25/04 K
G08B25/01 A
G08B25/10 A
G08B21/02
H04M11/00 301
H04M1/00 U
H04W88/04
H04W40/12
H04W4/38
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021215224
(22)【出願日】2021-12-28
【審査請求日】2022-01-12
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519452426
【氏名又は名称】株式会社デジタル・AI
(74)【代理人】
【識別番号】100114627
【弁理士】
【氏名又は名称】有吉 修一朗
(74)【代理人】
【識別番号】100182501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 靖之
(74)【代理人】
【識別番号】100175271
【弁理士】
【氏名又は名称】筒井 宣圭
(74)【代理人】
【識別番号】100190975
【弁理士】
【氏名又は名称】遠藤 聡子
(72)【発明者】
【氏名】関岡 英彦
【審査官】宮田 繁仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-096828(JP,A)
【文献】特表2019-502276(JP,A)
【文献】特開2019-216369(JP,A)
【文献】特開2021-114079(JP,A)
【文献】特開2011-114796(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 25/04
G08B 25/01
G08B 25/10
G08B 21/02
H04M 11/00
H04M 1/00
H04W 88/04
H04W 40/12
H04W 4/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の機器と、サーバと、前記機器と前記サーバの間の通信を中継する携帯可能な中継デバイスと、を備える監視システムであって、
前記機器は、
同機器を装着した監視対象から所定の監視情報を取得する検知手段と、
前記中継デバイスとの相互接続時には、前記検知手段が取得した前記監視情報を前記中継デバイスを介して前記サーバに送信し、前記中継デバイスとの相互接続が不可の場合には、前記サーバへのネットワークとは異なる開放されたネットワークである代替ネットワークの検索を開始し、検索された前記代替ネットワークを利用して前記中継デバイスを介さずに、前記検知手段が取得した前記監視情報を前記サーバに送信する監視情報送信手段と、を有し、
前記中継デバイスは、
前記機器及び前記サーバからの送信データを受け付け、それぞれ、前記サーバ及び前記機器に送信する中継手段と、
前記機器を示す機器識別子であって、機種が異なる複数の前記機器のそれぞれにおける前記機器識別子に基づき、前記監視情報の送信を行った前記機器が何れの機種であるのかを識別し、かつ、前記機器から受信した前記監視情報が、監視システムにおける何れの監視情報と対応するものであるのかを機種情報及びバイタルデータを教師データとする機械学習モデルに基づき識別する識別手段と、を有し、
前記サーバは、
前記機器を制御する制御信号を、前記中継デバイスを介して前記機器に送信する制御信号送信手段、を有すると共に、
前記監視対象に対応付けられた前記中継デバイスの位置情報が、同監視対象に対応して設定された見守りエリアの外域であることを条件として、前記見守りエリアの外域であることを管理画面に表示可能に構成されている
監視システム。
【請求項2】
所定の機器と、サーバと、前記機器と前記サーバの間の通信を中継する携帯可能な中継デバイスと、を備える監視システムであって、
前記機器は、
同機器を装着した監視対象から所定の監視情報を取得する検知手段と、
前記中継デバイスとの相互接続時には、前記検知手段が取得した前記監視情報を前記中継デバイスを介して前記サーバに送信し、前記中継デバイスとの相互接続が不可の場合には、前記サーバへのネットワークとは異なる開放されたネットワークである代替ネットワークの検索を開始し、検索された前記代替ネットワークを利用して前記中継デバイスを介さずに、前記検知手段が取得した前記監視情報を前記サーバに送信する監視情報送信手段と、を有し、
前記中継デバイスは、
前記機器及び前記サーバからの送信データを受け付け、それぞれ、前記サーバ及び前記機器に送信すると共に、前記機器との相互接続が不可となる蓋然性が高くなったことを条件として、注意信号を前記サーバに送信する中継手段と、
前記機器を示す機器識別子であって、機種が異なる複数の前記機器のそれぞれにおける前記機器識別子に基づき、前記監視情報の送信を行った前記機器が何れの機種であるのかを識別し、かつ、前記機器から受信した前記監視情報が、監視システムにおける何れの監視情報と対応するものであるのかを機種情報及びバイタルデータを教師データとする機械学習モデルに基づき識別する識別手段と、を有し、
前記サーバは、
前記機器を制御する制御信号を、前記中継デバイスを介して前記機器に送信する制御信号送信手段、を有すると共に、
前記中継デバイスから前記注意信号を受け付けたことを条件として、前記機器と前記中継デバイスの相互接続が不可となる蓋然性が高いことを管理画面に表示可能に構成されている
監視システム。
【請求項3】
前記サーバは、
前記注意信号を受け付けた後、前記機器と前記中継デバイスの相互接続が不可となる蓋然性が高く無くなった場合には、前記注意信号を受けたことを条件としたアラーティングを行っていたことを前記管理画面に表示可能に構成されている
請求項2に記載の監視システム。
【請求項4】
所定の機器と、サーバと、前記機器と前記サーバの間の通信を中継する携帯可能な中継デバイスと、を備える監視システムであって、
前記機器は、
同機器を装着した監視対象から所定の監視情報を取得する検知手段と、
前記中継デバイスとの相互接続時には、前記検知手段が取得した前記監視情報を前記中継デバイスを介して前記サーバに送信し、前記中継デバイスとの相互接続が不可の場合には、前記サーバへのネットワークとは異なる開放されたネットワークである代替ネットワークの検索を開始し、検索された前記代替ネットワークを利用して前記中継デバイスを介さずに、前記検知手段が取得した前記監視情報を前記サーバに送信する監視情報送信手段と、を有すると共に、
所定の注意信号を受け付けたことを条件として、所定の注意動作を行うように構成され、
前記中継デバイスは、
前記機器及び前記サーバからの送信データを受け付け、それぞれ、前記サーバ及び前記機器に送信すると共に、前記機器との相互接続が不可となる蓋然性が高くなったことを条件として、前記注意信号を前記機器に送信する中継手段と、
前記機器を示す機器識別子であって、機種が異なる複数の前記機器のそれぞれにおける前記機器識別子に基づき、前記監視情報の送信を行った前記機器が何れの機種であるのかを識別し、かつ、前記機器から受信した前記監視情報が、監視システムにおける何れの監視情報と対応するものであるのかを機種情報及びバイタルデータを教師データとする機械学習モデルに基づき識別する識別手段と、を有し、
前記サーバは、
前記機器を制御する制御信号を、前記中継デバイスを介して前記機器に送信する制御信号送信手段、を有する
監視システム。
【請求項5】
所定の機器と、サーバと、前記機器と前記サーバの間の通信を中継する携帯可能な中継デバイスと、を備える監視システムであって、
前記機器は、
同機器を装着した監視対象から所定の監視情報を取得する検知手段と、
前記中継デバイスとの相互接続時には、前記検知手段が取得した前記監視情報を前記中継デバイスを介して前記サーバに送信し、前記中継デバイスとの相互接続が不可の場合には、前記サーバへのネットワークとは異なる開放されたネットワークである代替ネットワークの検索を開始し、検索された前記代替ネットワークを利用して前記中継デバイスを介さずに、前記検知手段が取得した前記監視情報を前記サーバに送信する監視情報送信手段と、を有し、
前記中継デバイスは、
前記機器及び前記サーバからの送信データを受け付け、それぞれ、前記サーバ及び前記機器に送信すると共に、前記機器との相互接続が不可となったことを条件として、離脱信号を前記サーバに送信する中継手段と、
前記機器を示す機器識別子であって、機種が異なる複数の前記機器のそれぞれにおける前記機器識別子に基づき、前記監視情報の送信を行った前記機器が何れの機種であるのかを識別し、かつ、前記機器から受信した前記監視情報が、監視システムにおける何れの監視情報と対応するものであるのかを機種情報及びバイタルデータを教師データとする機械学習モデルに基づき識別する識別手段と、を有し、
前記サーバは、
前記機器を制御する制御信号を、前記中継デバイスを介して前記機器に送信する制御信号送信手段、を有すると共に、
前記中継デバイスから前記離脱信号を受け付けたことを条件として、前記機器と前記中継デバイスの相互接続が不可となったことを管理画面に表示可能に構成されている
監視システム。
【請求項6】
前記サーバは、
前記離脱信号を受け付けた後、前記機器と前記中継デバイスの相互接続が可能になった場合には、前記離脱信号を受けたことを条件としたアラーティングを行っていたことを前記管理画面に表示可能に構成されている
請求項5に記載の監視システム。
【請求項7】
所定の機器と、サーバと、前記機器と前記サーバの間の通信を中継する携帯可能な中継デバイスと、を備える監視システムであって、
前記機器は、
同機器を装着した監視対象から所定の監視情報を取得する検知手段と、
前記中継デバイスとの相互接続時には、前記検知手段が取得した前記監視情報を前記中継デバイスを介して前記サーバに送信し、前記中継デバイスとの相互接続が不可の場合には、前記サーバへのネットワークとは異なる開放されたネットワークである代替ネットワークの検索を開始し、検索された前記代替ネットワークを利用して前記中継デバイスを介さずに、前記検知手段が取得した前記監視情報を前記サーバに送信する監視情報送信手段と、を有し、
前記中継デバイスは、
前記機器及び前記サーバからの送信データを受け付け、それぞれ、前記サーバ及び前記機器に送信する中継手段と、
前記機器を示す機器識別子であって、機種が異なる複数の前記機器のそれぞれにおける前記機器識別子に基づき、前記監視情報の送信を行った前記機器が何れの機種であるのかを識別し、かつ、前記機器から受信した前記監視情報が、監視システムにおける何れの監視情報と対応するものであるのかを機種情報及びバイタルデータを教師データとする機械学習モデルに基づき識別する識別手段と、を有し、
前記サーバは、
前記機器を制御する制御信号を、前記中継デバイスを介して前記機器に送信する制御信号送信手段、を有すると共に、
前記機器のバッテリー残量、若しくは、前記中継デバイスのバッテリー残量が、所定の基準以下になったことを条件として、バッテリー残量が不足していることを示す注意信号を、前記機器、若しくは、前記中継デバイスの少なくとも一方に送信可能に構成されている
監視システム。
【請求項8】
継デバイスを介してサーバとの間の通信を行うことができる所定の機器を備える監視システムであって、
前記機器は、
同機器を装着した前記監視対象から所定の監視情報を取得する検知手段と、
前記中継デバイスとの相互接続時には、前記検知手段が取得した前記監視情報を前記中継デバイスを介して前記サーバに送信し、前記中継デバイスとの相互接続が不可の場合には、前記サーバへのネットワークとは異なる開放されたネットワークである代替ネットワークの検索を開始し、検索された前記代替ネットワークを利用して前記中継デバイスを介さずに、前記検知手段が取得した前記監視情報を前記サーバに送信する監視情報送信手段と、を有し、
前記機器及び前記サーバからの送信データを受け付け、それぞれ、前記サーバ及び前記機器に送信すると共に、前記機器との相互接続が不可となったことを条件として、前記機器との相互接続が不可となったことを前記サーバの管理画面に表示させるために、離脱信号を前記サーバに送信する中継手段と、前記機器を示す機器識別子であって、機種が異なる複数の前記機器のそれぞれにおける前記機器識別子に基づき、前記監視情報の送信を行った前記機器が何れの機種であるのかを識別し、かつ、前記機器から受信した前記監視情報が、監視システムにおける何れの監視情報と対応するものであるのかを機種情報及びバイタルデータを教師データとする機械学習モデルに基づき識別する識別手段とを有する前記中継デバイスを介して、前記機器を制御する制御信号を前記サーバから受け付ける
監視システム。
【請求項9】
所定の情報機器を、中継デバイスを介してサーバとの間の通信を行うことができる所定の機器として機能させるための監視プログラムであって、
前記機器は、
同機器を装着した前記監視対象から所定の監視情報を取得する検知手段と、
前記中継デバイスとの相互接続時には、前記検知手段が取得した前記監視情報を前記中継デバイスを介して前記サーバに送信し、前記中継デバイスとの相互接続が不可の場合には、前記サーバへのネットワークとは異なる開放されたネットワークである代替ネットワークの検索を開始し、検索された前記代替ネットワークを利用して前記中継デバイスを介さずに、前記検知手段が取得した前記監視情報を前記サーバに送信する監視情報送信手段と、を有し、
前記機器及び前記サーバからの送信データを受け付け、それぞれ、前記サーバ及び前記機器に送信すると共に、前記機器との相互接続が不可となったことを条件として、前記機器との相互接続が不可となったことを前記サーバの管理画面に表示させるために、離脱信号を前記サーバに送信する中継手段と、前記機器を示す機器識別子であって、機種が異なる複数の前記機器のそれぞれにおける前記機器識別子に基づき、前記監視情報の送信を行った前記機器が何れの機種であるのかを識別し、かつ、前記機器から受信した前記監視情報が、監視システムにおける何れの監視情報と対応するものであるのかを機種情報及びバイタルデータを教師データとする機械学習モデルに基づき識別する識別手段とを有する前記中継デバイスを介して、前記機器を制御する制御信号を前記サーバから受け付ける
監視プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は監視システム及び監視プログラムに関する。詳しくは、より一層充分に好適な見守りを実現することが可能な監視システム及び監視プログラムに係るものである。
【背景技術】
【0002】
見守りバンドは、見守りバンドにより収集された各種情報が好適に活用されることで、例えば、高齢者の孤独死を回避すること、徘徊老人の軌跡を追跡し安全を担保すること等の社会貢献に寄与し得る。
【0003】
そこで、本発明の発明者は、好適な見守りバンド監視を実現する技術を提案している(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2021-96828号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、見守りバンドによる監視対象は様々であり、その状況も様々であるため、特許文献1に記載の技術のみでは、好適な見守りを実現するのに充分ではない場合がある。
【0006】
本発明は以上の点に鑑みて創案されたものであって、より一層充分に好適な見守りを実現できる監視システム及び監視プログラムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明の監視システムは、所定の機器と、サーバと、前記機器と前記サーバの間の通信を中継する携帯可能な中継デバイスと、を備える監視システムであって、前記機器は、同機器を装着した監視対象から所定の監視情報を取得する検知手段と、前記中継デバイスとの相互接続時には、前記検知手段が取得した前記監視情報を前記中継デバイスに送信し、前記中継デバイスとの相互接続が不可の場合には、前記中継デバイスを介した前記サーバへのネットワークとは異なる開放されたネットワークである代替ネットワークの検索を開始し、検索された前記代替ネットワークを介して、前記検知手段が取得した前記監視情報を前記サーバに送信する監視情報送信手段と、を有し、前記中継デバイスは、前記機器及び前記サーバからの送信データを受け付け、それぞれ、前記サーバ及び前記機器に送信する中継手段と、前記機器を示す機器識別子であって、機種が異なる複数の前記機器のそれぞれにおける前記機器識別子に基づき、前記監視情報の送信を行った前記機器が何れの機種であるのかを識別し、かつ、前記機器から受信した前記監視情報が、監視システムにおける何れの監視情報と対応するものであるのかを機械学習モデルに基づき識別する識別手段と、を有し、前記サーバは、前記機器を制御する制御信号を、前記中継デバイスを介して前記機器に送信する制御信号送信手段、を有する。
【0008】
また、本発明の監視システムは、携帯可能な中継デバイスを介してサーバとの間の通信を行うことができる所定の機器を備える監視システムであって、前記機器は、同機器を装着した監視対象から所定の監視情報を取得する検知手段と、前記中継デバイスとの相互接続時には、前記検知手段が取得した前記監視情報を前記中継デバイスに送信し、前記中継デバイスとの相互接続が不可の場合には、前記中継デバイスを介した前記サーバへのネットワークとは異なる開放されたネットワークである代替ネットワークの検索を開始し、検索された前記代替ネットワークを介して、前記検知手段が取得した前記監視情報を前記サーバに送信する監視情報送信手段と、を有し、前記機器及び前記サーバからの送信データを受け付け、それぞれ、前記サーバ及び前記機器に送信する中継手段と、前記機器を示す機器識別子であって、機種が異なる複数の前記機器のそれぞれにおける前記機器識別子に基づき、前記監視情報の送信を行った前記機器が何れの機種であるのかを識別し、かつ、前記機器から受信した前記監視情報が、監視システムにおける何れの監視情報と対応するものであるのかを機械学習モデルに基づき識別する識別手段と、を有する前記中間デバイスを介して、前記機器を制御する制御信号を前記サーバから受け付ける。
【0009】
更に、上記の目的を達成するために、本発明の監視プログラムは、所定の情報機器を、携帯可能な中継デバイスを介してサーバとの間の通信を行うことができる所定の機器として機能させるための監視プログラムであって、前記機器は、同機器を装着した監視対象から所定の監視情報を取得する検知手段と、前記中継デバイスとの相互接続時には、前記検知手段が取得した前記監視情報を前記中継デバイスに送信し、前記中継デバイスとの相互接続が不可の場合には、前記中継デバイスを介した前記サーバへのネットワークとは異なる開放されたネットワークである代替ネットワークの検索を開始し、検索された前記代替ネットワークを介して、前記検知手段が取得した前記監視情報を前記サーバに送信する監視情報送信手段と、を有し、前記機器及び前記サーバからの送信データを受け付け、それぞれ、前記サーバ及び前記機器に送信する中継手段と、前記機器を示す機器識別子であって、機種が異なる複数の前記機器のそれぞれにおける前記機器識別子に基づき、前記監視情報の送信を行った前記機器が何れの機種であるのかを識別し、かつ、前記機器から受信した前記監視情報が、監視システムにおける何れの監視情報と対応するものであるのかを機械学習モデルに基づき識別する識別手段と、を有する前記中間デバイスを介して、前記機器を制御する制御信号を前記サーバから受け付ける。
【0010】
ここで、機器が監視情報送信手段を有することによって、中継デバイスとの相互接続時には、検知手段が取得した監視情報を中継デバイスに送信することができる。そして、中継デバイスに送信された監視情報は、後述する中継手段によりサーバに送信されるため、サーバで監視情報をモニタリングすることができる。
【0011】
また、機器が監視情報送信手段を有することによって、中継デバイスとの相互接続が不可の場合には、中継デバイスを介したサーバへのネットワーク(換言すると、中継デバイスとの相互接続ができている場合のネットワーク)とは異なる代替ネットワークを介して、検知手段が取得した監視情報をサーバに送信するため、サーバで監視情報をモニタリングすることができる。
【0012】
更に、監視情報送信手段による代替ネットワークの検索が、機器と中継デバイスとの相互接続が不可の場合に開始されることによって、換言すると、機器と中継デバイスとの相互接続時には代替ネットワークの検索を行わないことによって、機器の省電力化が実現する。
【0013】
また、代替ネットワークが開放されたネットワークであるために、代替ネットワークに接続するための作業(例えば、IDやパスワードの入力など)を要することなく、代替ネットワークを利用することができる(換言すると、代替ネットワークを介して監視情報をサーバに送信することができる)。
なお、ここでの「代替ネットワーク」としては、例えば、フリーWi-Fi(パスワード無し)が挙げられる。
【0014】
また、中継デバイスが携帯可能に構成されることによって、中継デバイスが携帯不能な場合(例えば、ビーコン端末を特定の場所に設置する場合)と比較すると、機器とサーバの間の通信を中継できるエリアが拡大し、監視対象の監視情報をモニタリングできるエリアの拡大が実現する。
なお、「携帯可能な中継デバイス」としては、例えば、スマートフォン、タブレット、ラップトップ等の電子機器が挙げられる。
【0015】
また、中継デバイスが中継手段を有することによって、機器及びサーバからの送信データを受け付け、それぞれ、サーバ及び機器に送信することができ、機器とサーバとの情報のやり取りが実現する。
【0016】
なお、中継デバイスを介すること無く、機器とサーバが直接的に情報のやり取りを行うことも技術的には可能であるが、中継デバイスを介さない場合には、中継デバイスが担っている役割を機器が担うことになり、機器の小型軽量化が難しくなる。そのため、本発明では、中継デバイスを介して、機器とサーバが間接的に情報のやり取りを行う構成を採用することで、機器の小型軽量化を実現している。
【0017】
更に、中継デバイスが識別手段を有することによって、機種が異なる複数の機器のそれぞれにおける機器識別子に基づき、監視情報の送信を行った機器が何れの機種であるのかを識別し、かつ、機器から受信した監視情報が、監視システムにおける何れの監視情報と対応するものであるのかを機械学習モデルに基づき識別することが可能になり、汎用性の高いシステムが実現する。
例えば、監視対象が装着する(若しくは、監視対象に装着された)機器を取り替えた場合であっても、監視対象が装着する(若しくは、監視対象に装着された)機種に合わせたデータ整形を行った上で、監視情報をサーバに送信するといった対応が可能となる。
【0018】
また、サーバが制御信号送信手段を有することによって、機器を制御する制御信号を、中継デバイスを介して機器に送信することができ、監視対象に対する監視内容に応じて、サーバから機器を制御することができる。
【0019】
また、機器が、中継デバイスとの相互接続が不可になると、中継デバイスの検索を開始し、代替ネットワークとの接続後も含めて、中継デバイスが検索されたことを条件として、相互接続を再開可能に構成されている場合には、機器と中継デバイスとの相互接続が可能な状況になると、相互接続を再開することができる。
即ち、代替ネットワークとの接続よりも、中継デバイスとの相互接続を優先させることで、正常な接続環境(機器と中継デバイスとの相互接続が行われている状況)にいち早く戻すことができる。
【0020】
ここで、機器と中継デバイスとの相互接続を優先させることで、中継デバイスの機能を充分に発揮することができる。
具体的には、識別手段による識別によって汎用性の高いシステムを実現し、また、制御信号を機器に送信することによるサーバからの機器の制御を実現する、といった中継デバイスの機能を発揮することができるのである。
【0021】
また、機器が、一の代替ネットワークとの接続後は、他の代替ネットワークの検索を停止する場合には、換言すると、機器が代替ネットワークと接続された後には、更なる代替ネットワークの検索を行わない場合には、機器の省電力化が実現する。
なお、「一の代替ネットワーク」とは、複数の代替ネットワークの中の任意の代替ネットワークを意味しており、「他の代替ネットワーク」とは、複数の代替ネットワークの中の任意の代替ネットワークであり、かつ、一の代替ネットワークとは異なる代替ネットワークを意味している。
【0022】
更に、機器が、一の代替ネットワークとの接続が不可になったこと、及び、相互接続(機器と中継デバイスとの相互接続)が不可であること、を条件として、他の代替ネットワークの検索を開始し、検索された他の代替ネットワークを介して、監視情報をサーバに送信可能に構成されている場合には、換言すると、一の代替ネットワークとの接続時には他の代替ネットワークの検索を行わない場合には、機器の省電力化が実現する。
【0023】
また、機器が、同機器の位置情報を、代替ネットワークを介してサーバに送信可能に構成されている場合には、相互接続(機器と中継デバイスとの相互接続)が不可になった際に、機器の位置情報をサーバで把握することができる。
【0024】
また、機器が、代替ネットワークの基地局の位置情報を、代替ネットワークを介してサーバに送信可能に構成されている場合には、相互接続(機器と中継デバイスとの相互接続)が不可になった際に、代替ネットワークの基地局の位置情報をサーバで把握することができる。
なお、代替ネットワークの基地局の位置情報を把握することによって、機器の位置情報が取得できない場合(例えば、機器のGPS機能に不具合が発生している場合など)であっても、機器の位置情報(おおよその位置情報)をサーバで把握することができる。
【0025】
また、機器が、代替ネットワークとの接続時に、代替ネットワークと接続したことを示す離脱信号をサーバに送信可能に構成されている場合には、機器が中継デバイスとの接続から離脱したことをサーバで把握することができる。
【0026】
ところで、ここでの「機器(所定の機器)」とは、監視対象(人)が装着したり、監視対象(物)に装着したりすることができるのであれば、どの様なものであっても良い。例えば、監視対象(人)の手首に取り付ける見守りバンド等のウェアラブルデバイス(手首や脚などに装着するコンピュータデバイス)が挙げられる。
【0027】
また、ここでの「監視対象」は、人間に限らず、犬や猫等の動物であっても良く、ドローン等の物であっても良い。
【0028】
更に、ここでの「監視情報」は、監視対象(人)から取得したバイタルデータ(例えば、体温データ、睡眠データ、脈拍データ、血圧データ、血中酸素データ、心電図データ、など)や、監視対象(物)から取得したデータ(例えば、バッテリー残量の情報、各種パーツが正常動作しているか否かの情報、など)が挙げられる。
【発明の効果】
【0029】
本発明の監視システム及び監視プログラムでは、より一層充分に好適な見守りを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】見守りバンド監視システムXを説明するための模式図(1)である。
図2】見守りバンド監視システムXを説明するための模式図(2)である。
図3】見守りバンド監視システムXを説明するための模式図(3)である。
図4-1】見守りバンド監視システムXの使用方法を説明する図(1)である。
図4-2】見守りバンド監視システムXの使用方法を説明する図(2)である。
図4-3】見守りバンド監視システムXの使用方法を説明する図(3)である。
図4-4】見守りバンド監視システムXの使用方法を説明する図(4)である。
図4-5】見守りバンド監視システムXの使用方法を説明する図(5)である。
図4-6】見守りバンド監視システムXの使用方法を説明する図(6)である。
図4-7】見守りバンド監視システムXの使用方法を説明する図(7)である。
図4-8】見守りバンド監視システムXの使用方法を説明する図(8)である。
図4-9】見守りバンド監視システムXの使用方法を説明する図(9)である。
図4-10】見守りバンド監視システムXの使用方法を説明する図(10)である。
図4-11】見守りバンド監視システムXの使用方法を説明する図(11)である。
図4-12】見守りバンド監視システムXの使用方法を説明する図(12)である。
図4-13】見守りバンド監視システムXの使用方法を説明する図(13)である。
図4-14】見守りバンド監視システムXの使用方法を説明する図(14)である。
図5】見守りバンド監視システムYを説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」と称する)について説明を行う。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態
2.第2の実施の形態
3.変形例
【0032】
また、本実施の形態では、監視対象(見守り対象)である人(「見守り対象者」と称する)が見守りバンド(所定の機器の一例である)を装着する場合を例に挙げて説明を行う。また、見守り対象者の見守りを行う人を「見守り者」と称する。
【0033】
<1.第1の実施の形態>
[システム構成の説明]
図1は、本発明の監視システムの構成例の一例である見守りバンド監視システムXを説明するための模式図であり、図1で示す見守りバンド監視システムXは、見守りバンド1(1a、1b、1c、1d)と、中継デバイスとしてのスマートフォン2(2a、2b、2c、2d)と、サーバ3とで構成される。
【0034】
なお、本実施の形態では、スマートフォン(携帯可能な中継デバイスの一例である)に本発明の「監視プログラム」をインストールすることによって、中継デバイスとして機能させている(本実施の形態では、「スマートフォン」と記載した場合には、中継デバイスの機能を有するスマートフォンを意味する)。
【0035】
また、本実施の形態では、見守り対象者が装着する見守りバンドを、見守り対象者自身のスマートフォンと関連付けを行う。
具体的には、見守り対象者A(図示せず)が装着する「見守りバンド1a」を見守り対象者Aが有する「スマートフォン2a」と関連付け、見守り対象者B(図示せず)が装着する「見守りバンド1b」を見守り対象者Bが有する「スマートフォン2b」と関連付け、見守り対象者C(図示せず)が装着する「見守りバンド1c」を見守り対象者Cが有する「スマートフォン2c」と関連付け、見守り対象者D(図示せず)が装着する「見守りバンド1d」を見守り対象者Dが有する「スマートフォン2d」と関連付ける。
【0036】
そして、見守りバンドは、関連付けられたスマートフォンを介して、サーバ3と情報をやり取りすることになる。
具体的には、「見守りバンド1a」は「スマートフォン2a」を介して、「見守りバンド1b」は「スマートフォン2b」を介して、「見守りバンド1c」は「スマートフォン2c」を介して、「見守りバンド1d」は「スマートフォン2d」を介して、サーバ3と情報をやり取りすることになる。
なお、本実施の形態では、見守りバンドとスマートフォンとを1対1に対応させる場合を例に挙げて説明を行っているが、1つのスマートフォンに2以上の見守りバンドを対応させても良い。
【0037】
以下、「見守りバンド1a」「見守りバンド1b」「見守りバンド1c」「見守りバンド1d」を総称して「見守りバンド1」と称する。同様に、「スマートフォン2a」「スマートフォン2b」「スマートフォン2c」「スマートフォン2d」を総称して「スマートフォン2」と称する。
【0038】
ここで、見守りバンド1は、無線ネットワークを介してスマートフォン2と相互接続可能に構成されている。また、スマートフォン2はインターネット4(無線)を介してサーバ3にアクセス可能に構成されている。
【0039】
なお、「無線ネットワーク」は、見守りバンド1とスマートフォン2を無線接続できれば充分であって、例えば、Bluetooth(登録商標)やLoRaWAN(登録商標)など、特には限定されるものではない。
【0040】
また、見守りバンド1は、「見守り情報検知手段11」と「見守り情報送信手段12」を有する(図2参照)。
【0041】
ここで、見守り情報検知手段11は、見守りバンド1を装着している見守り対象者のバイタルデータを取得可能に構成されている。
【0042】
なお、「バイタルデータ」とは、見守り対象者の生命兆候を示すデータであり、例として、体温データ、睡眠データ、脈拍データ、血圧データ、血中酸素データ、心電図データ等が挙げられる。
更に、バイタルデータとして取得する数値は、所定期間中の最低値、最高値、最頻値、平均値、偏差値、2値等が挙げられる。
【0043】
また、見守り情報送信手段12は、見守り情報検知手段11が取得した「バイタルデータ」と、「見守りバンド1のバッテリー残量データ」をスマートフォン2に送信可能に構成されている。
【0044】
更に、見守り情報送信手段12は、見守りバンド1とスマートフォン2との相互接続が不可となった場合(例えば、無線ネットワークが接続できない程度に見守りバンド1とスマートフォン2とが離間した場合、スマートフォン2のバッテリーが切れた場合、など)に、フリーWi-Fi(代替ネットワークの一例)の検索を開始する。
【0045】
そして、フリーWi-Fiが見つかると、図3(a)で示すように、見つかったフリーWi-Fi6に自動的に接続し(換言すると、見守り対象者が何らかの作業を行うことなく、見守りバンド1がフリーWi-Fi6に接続し)、見守り情報検知手段11が取得した「バイタルデータ」と、「見守りバンド1のバッテリー残量データ」は、スマートフォン2に代えて、フリーWi-Fi6を介してサーバ3に送信される。
また、「フリーWi-Fi6の基地局の位置情報」についても、フリーWi-Fi6を介してサーバ3に送信される。
【0046】
なお、フリーWi-Fi6は、市中に多数存在するが、複数のフリーWi-Fi6の中のいずれかのフリーWi-Fi6と見守りバンド1が接続すると、フリーWi-Fi6の検索を停止する。
【0047】
また、見守り情報送信手段12は、見守りバンド1とスマートフォン2との相互接続が不可となった場合に、フリーWi-Fi6の検索と同時に、スマートフォン2の検索も開始する。
【0048】
そして、スマートフォン2が見つかると、図3(b)で示すように、見守りバンド1とスマートフォン2との相互接続を再開する。相互接続が再開されると、「バイタルデータ」と「見守りバンド1のバッテリー残量データ」は、スマートフォン2に送信される。
【0049】
なお、スマートフォン2の検索については、フリーWi-Fi6と見守りバンド1が接続した後も行う。換言すると、フリーWi-Fi6の検索を停止した後も、引き続き、スマートフォン2の検索を行う。
【0050】
そして、フリーWi-Fi6と見守りバンド1が接続した後に、スマートフォン2が見つかると、フリーWi-Fi6との接続を解消し、見守りバンド1とスマートフォン2との相互接続を再開する。即ち、見守り情報送信手段12は、見守りバンド1とフリーWi-Fi6との接続よりも、見守りバンド1とスマートフォン2との相互接続を優先させるように構成されている。
【0051】
次に、スマートフォン2は、「位置情報検知手段12」と「中継手段22」と「識別手段23」を有する(図2参照)。
【0052】
ここで、位置情報検知手段21は、スマートフォン2の位置座標を取得可能に構成されている。
【0053】
なお、「位置座標」については、GPS衛星を利用した測位による取得が代表的であるが、GPS衛星を利用した測位ができない場合には、加速度センサ及び地磁気センサで見守り対象者(スマートフォン2を携帯している者)の歩数、歩幅、進行方向を推定し、起点となる座標(GPS衛星からの電波が届かなくなった地点)から累積的に見守り対象者の位置情報を推測して算出しても良い。
【0054】
また、中継手段22は、見守りバンド1からの送信データ(「バイタルデータ」及び「見守りバンド1のバッテリー残量データ」)と共に、位置情報検知手段21が取得した位置座標(スマートフォン2の位置座標)である「ロケーションデータ」と、「スマートフォン2のバッテリー残量データ」についても、サーバ3に送信する。
【0055】
また、中継手段22は、その他の見守り対象者のデータ(例えば、歩数データ、バンド着脱判断データ、消費カロリーデータ、転倒判断データ、など)をサーバ3に送信しても良い。
なお、「歩数データ」「バンド着脱判断データ」「消費カロリーデータ」は、バイタルデータに基づいて算出することができ、「転倒判断データ」については、加速度センサで見守り対象者の加速度を追跡し、身体の位置と動作の変化を測定することによって、転倒や転落の有無を判定することができる。
【0056】
また、中継手段22は、サーバ3からの送信データ(具体的には、後述する警告手段33や制御信号送信手段34が送信したデータ)を受け付け、所定のデータフォーマットに基づいてデータ整形を行い、見守りバンド1に送信可能に構成されている。
なお、ここでのデータ整形も、既知または慣用の手法を用いており、データフォーマットの態様に制限は無い。見守りバンド1のハードウェア構成やプログラム構成に応じて決定される。
【0057】
また、中継手段22は、見守りバンド1とスマートフォン2との相互接続が不可となる蓋然性が高い場合(例えば、無線ネットワークを介して得られる見守りバンド1からの信号が微弱になった場合)に、見守りバンド1とスマートフォン2との相互接続が不可となる可能性を示す注意信号を、見守りバンド1及びサーバ3に送信可能に構成されている。
なお、注意信号には、注意信号を発する際のロケーションデータも含まれている。
また、注意信号を受信した見守りバンド1は、所定の注意動作(注意音を発する、振動する、など)を行う。
【0058】
更に、中継手段22は、見守りバンド1とスマートフォン2との相互接続が不可となった場合に、見守りバンド1が見守り不能となったことを意味する離脱信号を、サーバ3に送信可能に構成されている。
なお、離脱信号には、見守りバンド1とスマートフォン2との相互接続が不可となった際のロケーションデータも含まれている。
【0059】
また、中継手段22は、見守り対象者の意思入力に基づいて、「SOS信号」を、サーバ3に送信可能に構成されている。
【0060】
また、識別手段23は、見守りバンド1を示すバンド識別子(図示せず)に基づき、「バイタルデータ」の送信を行った見守りバンド1が何れの機種であるのかを識別する。
【0061】
更に、識別手段23は、見守りバンド1が送信した「バイタルデータ」が、見守りバンド監視システムXにおける何れのデータと対応するものであるのかを、機械学習モデルに基づき識別する。
【0062】
ここで、機械学習の教師データは、見守りバンド1のバンド識別子が含む機種情報と、「バイタルデータ」の組み合わせである。
なお、機械学習における入力データは「バイタルデータ」であり、出力データは「機種情報(該当する見守りバンド1が、既知または慣用の見守りバンド1のうちの何れの機種であるかを示す情報)」である。
【0063】
次に、サーバ3は、モニタ5に接続されており、「管理手段31」、「表示手段32」、「警告手段33」及び「制御信号送信手段34」を有する(図2参照)。
【0064】
ここで、管理手段31は、見守り対象者を示す見守り対象識別子(図示せず)とバンド識別子(図示せず)を対応付け、スマートフォン2から送信された「バイタルデータ」「見守りバンド1のバッテリー残量データ」「ロケーションデータ」及び「スマートフォン2のバッテリー残量データ」に基づいて、モニタリングデータを決定する。
【0065】
また、管理手段31は、バンド識別子と対応する「見守りエリア」を決定する。
【0066】
なお、「見守りエリア」は、市町村等の所定のエリアを指しても良いし、所定の位置座標を中心とする同心円状の範囲を指しても良い。また、見守りエリアは、複数の市町村等の所定のエリアを指しても良い。
【0067】
また、管理手段31は、バンド識別子と対応する「バイタル正常範囲」を決定する。
【0068】
なお、「バイタル正常範囲」とは、見守り対象者の意思入力に基づき管理手段31により決定されたものである。こうした「バイタル正常範囲」は、見守り対象識別子のそれぞれに対して個別に決定される。
【0069】
また、表示手段32は、モニタリングデータの少なくとも一部に基づいて、バンド識別子と対応する管理画面を、モニタ5に表示するための信号(表示信号)を出力する。
【0070】
また、警告手段33は、モニタリングデータの少なくとも一部に基づいて、見守り対象者に関する異常を注意喚起するための見守り対象者向けアラーティングを、見守りバンド1と協働して行う。
【0071】
更に、警告手段33は、モニタリングデータの少なくとも一部に基づいて、見守り対象者に関する異常を注意喚起するための見守り者向けアラーティングを、表示手段32と協働して管理画面上で行う。
【0072】
なお、「アラーティング」とは、見守りバンド1やスマートフォン2やサーバ3(コンピュータ装置)が有する既知または慣用の出力デバイスに基づく報知を指す。こうした報知は、視覚的、聴覚的及び触覚的表現が挙げられる。
【0073】
以下、警告手段33が行うアラーティングについて、説明を行う。
【0074】
(1.SOS信号に基づくアラーティング)
警告手段33は、スマートフォン2からSOS信号を受け付けたことを条件として、見守り者向けアラーティングを行う。
具体的には、SOS信号を受け付けたことを管理画面上に表示し、見守り者に注意喚起する。
【0075】
(2.ロケーションデータに基づくアラーティング)
また、警告手段33は、ロケーションデータが見守りエリアの外域を示していることを条件として、見守り者向けアラーティングを行う。
【0076】
更に、警告手段33は、ロケーションデータが見守りエリアの外域を示していることに代えて、若しくは、ロケーションデータが見守りエリアの外域を示していることに加えて、ロケーションデータが所定のエリア内に位置していることを条件として、見守り者向けアラーティングを行っても良い。
【0077】
なお、「外域を示している」とは、(1)位置座標の少なくとも一部が、見守りエリアを逸脱していることや、(2)位置座標の少なくとも一部が、見守りエリアを所定時間、逸脱していることを意味する。
【0078】
(3.バイタルデータに基づくアラーティング)
また、警告手段33は、バイタルデータがバイタル正常範囲を逸脱していることを条件として、見守り対象者向けアラーティングを行う。
具体的には、バイタルデータが正常範囲を逸脱していることを見守り対象者に知らしめるために、スマートフォン2に対してメッセージ(SMSや電子メースなど)を送信すると共に、スマートフォン2を介して見守りバンド1にバイブコマンド信号を送信する。なお、バイブコマンド信号を受信した見守りバンド1は、所定の振動動作を行う。
また、バイタルデータが正常範囲を逸脱していることを報知するためのメッセージについては、見守り対象者のみならず、見守り対象者毎(見守り対象識別子毎)に登録された登録者(例えば、見守り対象者の家族など)にも送信する。
【0079】
また、警告手段33は、バイタルデータがバイタル正常範囲を逸脱していることを条件として、見守り者向けアラーティングを行う。
具体的には、見守り対象者のバイタルデータが正常範囲を逸脱していることを管理画面に表示し、見守り者に注意喚起する。
【0080】
なお、警告手段33による見守り者向けアラーティングを行った後に、見守り対象者のバイタルデータが正常範囲を逸脱しなくなった場合には、表示手段32は、管理画面において、「バイタルデータが正常範囲を逸脱していたこと」が分かるようにモニタ5に表示するための信号(表示信号)を出力する。
【0081】
(4.注意信号に基づくアラーティング)
更に、警告手段33は、スマートフォン2から注意信号を受け付けたことを条件として、見守り者向けアラーティングを行う。
具体的には、見守りバンド1とスマートフォン2との相互接続が不可となる蓋然性が高いことを管理画面上に表示し、見守り者に注意喚起する。なお、管理画面上には「ロケーションデータ」も表示する。
【0082】
なお、警告手段33による見守り者向けアラーティングを行った後に、相互接続が不可となる蓋然性が高く無くなった場合には、表示手段32は、管理画面において、「注意信号を受けたことを条件としたアラーティングを行っていたこと」が分かるようにモニタ5に表示するための信号(表示信号)を出力する。
【0083】
(5.離脱信号に基づくアラーティング)
また、警告手段33は、スマートフォン2から離脱信号を受け付けたことを条件として、見守り者向けアラーティングを行う。
具体的には、見守りバンド1とスマートフォン2との相互接続が不可となったことを管理画面に表示し、見守り者に注意喚起する。なお、管理画面上には「ロケーションデータ」も表示する。
【0084】
なお、警告手段33による見守り者向けのアラーティングを行った後に、相互接続が可能になった場合には、表示手段32は、管理画面において、「離脱信号を受けたことを条件としたアラーティングを行っていたこと」が分かるようにモニタ5に表示するための信号(表示信号)を出力する。
【0085】
更に、警告手段33による見守り者向けのアラーティングを行った後に、フリーWi-Fi6を介して見守りバンド1からデータを受け付けた場合には、表示手段32は、管理画面において、「フリーWi-Fi6を介してデータを受け付けたこと」が分かるようにモニタ5に表示するための信号(表示信号)を出力する。
【0086】
(6.バッテリー残量データに基づくアラーティング)
また、警告手段33は、スマートフォン2のバッテリー残量が所定の基準値以下になっていることを条件として、見守り対象者向けアラーティングを行う。
具体的には、バッテリー残量が基準値以下であることを見守り対象者に知らしめるために、スマートフォン2に対してメッセージ(SMSや電子メールなど)を送信すると共に、スマートフォン2を介して見守りバンド1にバイブコマンド信号を送信する。なお、バイブコマンド信号を受信した見守りバンド1は、所定の振動動作を行う。
【0087】
また、警告手段33は、スマートフォン2のバッテリー残量が所定の基準値以下になっていることを条件として、見守り者向けアラーティングを行う。
具体的には、バッテリー残量が基準値以下であることを管理画面に表示し、見守り者に注意喚起する。
【0088】
また、制御信号送信手段34は、モニタ5に表示された管理画面を介した意思入力(見守り者の意思入力)に基づいて、見守りバンド1を制御するコントロール信号を決定し、コントロール信号をスマートフォン2経由で見守りバンド1に送信する。
【0089】
[システムの使用方法の説明]
以下、見守りバンド監視システムXの使用方法の一例を説明する。
図4-1~図4-14は、見守りバンド監視システムXの使用方法を説明するための図であり、モニタ5の表示画面を示している。
【0090】
先ず、見守りバンド監視システムXを利用する見守り者は、ログインを行う。具体的には、ログインIDとパスワードを入力することで、ログインを行う(図4-1参照)。
【0091】
ログイン直後の画面が図4-2であり、初期画面では、符号Mで示す領域(以下、「メイン画面」と称する)に「登録されている全てのユーザの情報」が表示され、符号Sで示す領域(以下、「サブ画面」と称する)に「検索ツール」が表示されている。
【0092】
具体的には、メイン画面では、符号aで示す領域に「見守り対象者A」の情報が表示され、符号bで示す領域に「見守り対象者B」の情報が表示され、符号cで示す領域に「見守り対象者C」の情報が表示され、符号dで示す領域に「見守り対象者D」の情報が表示されている。
【0093】
また、サブ画面の「検索ツール」を用いることで、各種条件でユーザを絞り込むことができ、絞り込み検索を行った結果がメイン画面に表示されることになる。
【0094】
ユーザの絞り込み検索としては、例えば、「地域選択」のボタンをクリックして、地域を選択(例えば、「福岡市」を選択)すると、選択した地域に対応するユーザの情報がメイン画面に表示される。
同様に、「グループ指定」のボタンをクリックして、グループを選択(例えば、「老人施設A」を選択)すると、選択したグループに対応するユーザの情報がメイン画面に表示される。
また同様に、「担当者選択」のボタンをクリックして、担当者を選択(例えば、「見守り太郎」を選択)すると、選択した担当者に対応するユーザの情報がメイン画面に表示される。
更に同様に、「電池レベル指定」のボタンをクリックして、電池残量を選択(例えば、「0~25%」を選択)すると、選択した電池レベルに対応するユーザの情報がメイン画面に表示される。
【0095】
他のユーザの絞り込み検索としては、例えば、「監視対象」「SOS」「アラート」「エリア外」にチェックを付すと、チェックを付した項目に該当するユーザの情報がメイン画面に表示される。
【0096】
更に他のユーザの絞り込み検索としては、例えば、「登録番号」「MACADDRESS」「氏名(漢字)」「氏名(フリガナ)」を入力すると、入力項目に該当するユーザの情報がメイン画面に表示される。
【0097】
また、初期画面では、「メイン画面」に詳細表示がなされているが(図4-2参照)、画面右上の「簡易」ボタンをクリックすることで、「メイン画面」に簡易表示がなされることになる(図4-3参照)。
なお、「メイン画面」に簡易表示がなされている状態で、画面右上の「詳細」ボタンをクリックすることで、「メイン画面」に詳細表示がなされることになる。
【0098】
次に、「メイン画面」に表示されているユーザの情報のうち、「No92選択」~「No95選択」のボタンをクリックすると、対応するユーザ情報の詳細情報が表示される。
例えば、見守り対象者Aの情報のうち、「No92選択」のボタンをクリックすると、「メイン画面」に「ユーザの情報(見守り対象者Aの詳細情報)」が表示され、「サブ画面」に「メニュー情報」が表示される(図4-4参照)。
【0099】
ここで、「ユーザの情報」としては、「写真情報」「見守りバンド1の個体番号」「見守りバンド1の装置タイプ」「見守りバンド1のMACアドレス」「見守りバンド1のAuthKey」「接続アラート送信先(メールアドレス、SkypeID)」「ユーザ登録番号」「行政個人番号」「ユーザ生年月日」「IMEI番号」「ユーザ氏名(漢字)」「ユーザ氏名(フリガナ)」「ユーザ性別」「認知症の有無」「身長(cm)」「体重(kg)」「グループ」「地域」「郵便番号」「都道府県」「住所」「緊急連絡先氏名」「続柄」「緊急連絡先電話番号」「緊急連絡先メールアドレス」「安全確認日時」「契約場所」「契約開始日(年月日)」「契約解約日(年月日)」「担当者」「端末タイプ」「端末Version」「スマホの機種」「SIMカードの会社」「スマホの電話番号」等が表示される。
【0100】
また、符号Uで示す領域(以下、「下方画面」と称する)に、「見守りバンド1の電池残量」と「スマートフォン2の電池残量」が表示されている。
【0101】
更に、「下方画面」には、「計測時間設定」「GPS・SOS設定」「アラートレベル設定」「調整値設定」の各種ボタンが表示されている。
ここで、「計測時間設定」のボタンをクリックすると、(1)見守りバンド1による位置計測時間を何秒毎に行うのか、(2)見守りバンド1による脈拍計測時間を何秒毎に行うのか、を設定することができる。
また、「GPS・SOS設定」のボタンをクリックすると、(1)スマートフォン2のGPS機能のON/OFF、(2)ユーザのSOS機能のON/OFF、を設定することができる。
更に、「アラートレベル設定」のボタンをクリックすると、バイタル正常範囲を設定することができる。具体的には、(1)心拍数の上下限、(2)最高血圧の上下限、(3)最低血圧の上下限、(4)体温の上下限、(5)血中酸素の上下限、を設定することができる。
また、「調整値設定」のボタンをクリックすると、心拍数、最高血圧、最低血圧、体温、血中酸素の調整値(医療機器での実測値と見守りバンドでの実測値の差)を設定することができる。
【0102】
次に、「サブ画面」に表示されている「メニュー画面」のうち、「心拍数」のボタンをクリックすると、「メイン画面」に心拍数のデータが表示される(図4-5参照)。
同様に、「サブ画面」に表示されている「メニュー情報」のうち、「血圧」のボタンをクリックすると、「メイン画面」に血圧のデータが表示される(図4-6参照)。
また同様に、「サブ画面」に表示されている「メニュー情報」のうち、「体温」のボタンをクリックすると、「メイン画面」に体温のデータが表示される(図4-7参照)。
更に同様に、「サブ画面」に表示されている「メニュー情報」のうち、「血中酸素」のボタンをクリックすると、「メイン画面」に血中酸素のデータが表示される(図4-8参照)。
また同様に、「サブ画面」に表示されている「メニュー情報」のうち、「歩数計」のボタンをクリックすると、「メイン画面」に歩数計のデータが表示される(図4-9参照)。
また同様に、「サブ画面」に表示されている「メニュー情報」のうち、「呼吸」のボタンをクリックすると、「メイン画面」に呼吸のデータが表示される(図4-10参照)。
また同様に、「サブ画面」に表示されている「メニュー情報」のうち、「電子カルテ」のボタンをクリックすると、「メイン画面」に電子カルテのデータが表示される(図4-11参照)。
なお、「サブ画面」に表示されている「メニュー情報」のうち、「検索画面に戻る」のボタンをクリックすると、初期画面が表示される(図4-2参照)。
【0103】
ここで、警告手段33が、見守り者向けアラーティングを行う際には、対応するユーザの情報が着色表示されることになる。
例えば、見守り対象者Aのスマートフォン2から「SOS信号」を受け付けた場合には、見守り対象者Aの情報を着色表示し(図4-12参照)、見守り対象者Bのバイタルデータがバイタル正常範囲を逸脱している場合には、見守り対象者Bの情報を着色表示する(図4-13)といった具合である。
また、例えば、見守り対象者Aのスマートフォン2から注意信号や離脱信号を受け付けた場合には、見守り対象者Aの情報を着色表示する(図4-14参照)。
なお、本実施の形態では、どの様な種別のアラーティングであるかの判別の便宜を考慮して、アラーティング毎に表示方法を異ならせている。
【0104】
[効果]
上記した本発明を適用した見守りバンド監視システムXでは、見守り対象者が携帯しているスマートフォン2を介してバイタルデータをサーバ3に送信しているために、見守り範囲(警告手段33がロケーションデータやバイタルデータに基づくアラーティングを行うことができる範囲)の拡大が実現する。
【0105】
また、スマートフォン2の中継手段22が注意信号を見守りバンド1に送信し、見守りバンド1が注意動作を行うために、見守りバンド1とスマートフォン2との相互接続不可となりそうな状況を、見守り対象者1に知らせることができ、見守り不能な状況となることの回避が期待できる。
即ち、中継デバイスとして携帯性を有するスマートフォン2を採用しているために、スマートフォン2の不携帯(置き忘れなど)の場合には、見守り対象者の見守りを行うことができなくなってしまう。そのため、見守り対象者1に注意喚起し、スマートフォン2の不携帯を回避することで、安定的な見守りの継続が実現する。
【0106】
更に、スマートフォン2の中継手段22が注意信号をサーバ3に送信し、警告手段33が見守り者向けアラーティングを行うことによっても、見守り不能な状況となることの回避が期待できる。
即ち、見守り者向けアラーティングを契機として、見守り者が各種手段(例えば、電話連絡、メール連絡など)で見守り対象者に注意喚起を行うことが可能であり、こうした注意喚起により、スマートフォン2の不携帯を回避することで、安定的な見守りの継続が実現する。
【0107】
また、スマートフォン2の中継手段22が離脱信号をサーバ3に送信し、警告手段33が見守り者向けアラーティングを行うことによって、「見守り不能な状況」を早期に脱することが期待できる。
即ち、見守り者向けアラーティングを契機として、見守り者が各種手段(例えば、電話連絡、メール連絡など)で見守り対象者や、その関係者(例えば、家族など)に注意喚起を行うことが可能であり、こうした注意喚起により、スマートフォン2の不携帯を回避することで、「見守り不能な状況」の早期改善が実現する。
【0108】
更に、スマートフォン2の中継手段22が送信する離脱信号に、スマートフォン2の位置情報が含まれており、見守り対象者の捜索に役立つことが期待できる。
即ち、「見守り不能な状況」において、見守り対象者との連絡が取れない場合には、見守り対象者を捜索することになるが、こうした見守り対象者の捜索時において、スマートフォン2の位置情報を参考とした早期発見が実現する。
【0109】
また、見守りバンド1とスマートフォン2との相互接続が不可となり、「見守り不能な状況」となった場合であっても、フリーWi-Fi6を介して「バイタルデータ」や「見守りバンド1のバッテリー残量データ」をサーバに送信することができ、「見守り不能な状況」の解消(一応の解消)が実現する。
【0110】
更に、フリーWi-Fi6を介してサーバ3に送信するデータに、「フリーWi-Fi6の基地局の位置情報」が含まれており、見守り対象者の捜索時において、基地局の位置情報を参考とした早期発見が実現する。
【0111】
また、見守りバンド1が「位置情報検知手段」を備えていない(例えば、GPS機能を備えていない)ために、見守りバンド1の小型軽量化と、見守りバンド1の低消費電力化が実現する。
なお、見守りバンド1の消費電力が小さいことは、見守りバンド1のバッテリーが長持ちすることを意味し、1回の充電で可能な見守り時間の長時間化が実現する。
【0112】
<2.第2の実施の形態>
[システム構成の説明]
図5は、本発明の監視システムの構成例の他の一例である見守りバンド監視システムYを説明するための模式図であり、上述した見守りバンド監視システムXと同様に、見守りバンド1、スマートフォン2、サーバ3とで構成される。
なお、第2の実施の形態では、第1の実施の形態との相違箇所のみを説明する。
【0113】
先ず、見守りバンド1は、「見守り情報検知手段11」と「見守り情報送信手段12」に加えて、「位置情報検知手段13」を有する(図5参照)。
【0114】
そして、位置情報検知手段13は、見守りバンド1の位置座標を取得可能に構成されている。
【0115】
なお、「位置座標」については、位置情報検知手段21の場合と同様に、GPS衛星を利用した測位による取得が代表的であるが、GPS衛星を利用した測位ができない場合には、加速度センサ及び地磁気センサで見守り対象者(見守りバンド1を装着している者)の歩数、歩幅、進行方向を推定し、起点となる座標(GPS衛星からの電波が届かなくなった地点)から累積的に見守り対象者の位置情報を推測して算出しても良い。
【0116】
また、見守り情報送信手段12は、「バイタルデータ」「見守りバンド1のバッテリー残量データ」に加えて、位置情報検知手段13が取得した位置座標(見守りバンド1の位置座標)である「見守りバンド1のロケーションデータ」についても、スマートフォン2に送信する。
【0117】
更に、見守り情報送信手段12は、見守りバンド1とスマートフォン2の相互接続が不可となった後、フリーWi-Fi6が見つかると、「バイタルデータ」「見守りバンド1のバッテリー残量データ」及び「見守りバンド1のロケーションデータ」を、スマートフォン2に代えて、フリーWi-Fi6を介してサーバ3に送信する。
【0118】
次に、スマートフォン2は、「位置情報検知手段21」と「中継手段22」と「識別手段23」を有する(図5参照)。
【0119】
そして、中継手段22は、見守りバンド1からの送信データ(「バイタルデータ」「見守りバンド1のバッテリー残量データ」及び「見守りバンド1のロケーションデータ」)を受け付け、所定のデータフォーマットに基づいてデータ整形を行い、サーバ3に送信可能に構成されている。
なお、ここでのデータ整形が、既知または慣用の手法を用いており、データフォーマットの態様に制限が無い点は、第1の実施の形態と同様である。
【0120】
更に、中継手段22は、見守りバンド1からの送信データ(「バイタルデータ」「見守りバンド1のバッテリー残量データ」及び「見守りバンド1のロケーションデータ」)と共に、「スマートフォン2のバッテリー残量データ」についても、サーバ3に送信する。
【0121】
また、中継手段22がサーバ3に送信する注意信号には、注意信号を発する際における、「見守りバンド1のロケーションデータ」が含まれている。
更に、注意信号を発する際における、位置情報検知手段21が取得した位置座標(スマートフォン2の位置座標)である「スマートフォン2のロケーションデータ」も含まれている。
【0122】
また、中継手段22がサーバ3に送信する離脱信号には、見守りバンド1とスマートフォン2との相互接続が不可となった際に、スマートフォン2が有している「見守りバンド1のロケーションデータ」も含まれている。
更に、離脱信号には、離脱信号を発する際における、「スマートフォン2のロケーションデータ」も含まれている。
【0123】
続いて、サーバ3は、モニタ5に接続されており、「管理手段31」、「表示手段32」、「警告手段33」及び「制御信号送信手段34」を有する(図5参照)。
【0124】
そして、管理手段31は、見守り対象識別子(図示せず)とバンド識別子(図示せず)を対応付け、スマートフォン2から送信された「バイタルデータ」「見守りバンド1のバッテリー残量データ」「見守りバンド1のロケーションデータ」及び「スマートフォン2のバッテリー残量データ」に基づいて、モニタリングデータを決定する。
【0125】
また、警告手段33は、見守りバンド1のロケーションデータが見守りエリアの外域を示していることを条件として、見守り者向けアラーティングを行う。
【0126】
更に、警告手段33は、見守りバンド1のロケーションデータが見守りエリアの外域を示していることに代えて、若しくは、見守りバンド1のロケーションデータが見守りエリアの外域を示していることに加えて、見守りバンド1のロケーションデータが所定のエリア内に位置していることを条件として、見守り者向けアラーティングを行っても良い。
【0127】
また、警告手段33は、スマートフォン2から注意信号を受け付けたことを条件として、見守り者向けアラーティングを行う。
具体的には、見守りバンド1とスマートフォン2との相互接続が不可となる蓋然性が高いことを管理画面上に表示し、見守り者に注意喚起する。なお、管理画面上には「見守りバンド1のロケーションデータ」及び「スマートフォン2のロケーションデータ」も表示する。
【0128】
また、警告手段33は、スマートフォン2から離脱信号を受け付けたことを条件として、見守り者向けアラーティングを行う。
具体的には、見守りバンド1とスマートフォン2との相互接続が不可となり、見守りバンド1が見守り不能になったことを管理画面上に表示し、見守り者に注意喚起する。なお、管理画面上には「見守りバンド1のロケーションデータ」及び「スマートフォン2のロケーションデータ」も表示する。
なお、ここでの「見守りバンド1のロケーションデータ」は、スマートフォン2が有する最新のデータを意味している(見守りバンド1とスマートフォン2との相互接続が不可である以上、リアルタイムでの位置情報を意味するものではない)。
【0129】
[効果]
上記した本発明を適用した見守りバンド監視システムYでは、上述した見守りバンド監視システムXと同様に、見守り対象者が携帯しているスマートフォン2を介してバイタルデータをサーバ3に送信しているために、見守り範囲(警告手段33が見守りバンドのロケーションデータやバイタルデータに基づくアラーティングを行うことができる範囲)の拡大が実現する。
【0130】
また、注意信号によって安定的な見守りの継続が実現する点、離脱信号によって「見守り不能な状況」の早期改善が実現する点、フリーWi-Fiを介したデータ送信によって「見守り不能な状況」の解消(一応の解消)が実現する点、についても、上述した見守りバンド監視システムXと同様である。
【0131】
更に、離脱信号に、スマートフォン2の位置情報のみならず、見守りバンド1の位置情報も含まれており、より一層充分に、見守り対象者の捜索に役立つことが期待できる。
【0132】
また、フリーWi-Fi6を介して送信するデータに、見守りバンド1の位置情報も含まれており、より一層充分に、見守り対象者の捜索に役立つことが期待できる。
【0133】
<3.変形例>
[変形例1]
上記した第2の実施の形態では、スマートフォン2が「位置情報検知手段21」を有する場合を例に挙げて説明を行っているが、「見守りバンド1のロケーションデータ」を把握することで、見守り対象者の見守りを行うことができるために、必ずしも、スマートフォン2が「位置情報検知手段21」を有する必要は無い。
【0134】
[変形例2]
上記した第1の実施の形態、第2の実施の形態では、見守り対象者が「人」である場合を例に挙げて説明を行っているが、本発明の監視システムの適用対象は、「人」に限られるものではなく、見守り対象者が「物」であっても良い。
【符号の説明】
【0135】
1 見守りバンド
2 スマートフォン
3 サーバ
4 インターネット
5 モニタ
6 フリーWi-Fi
11 見守り情報検知手段
12 見守り情報送信手段
13 位置情報検知手段
21 位置情報検知手段
22 中継手段
23 識別手段
31 管理手段
32 表示手段
33 警告手段
34 制御信号送信手段
【要約】
【課題】好適な見守りを実現することができる監視システム及び監視プログラムを提供する。
【解決手段】見守りバンド1と、スマートフォン2と、サーバ3とで構成される見守りバンド監視システムであって、見守りバンド1とスマートフォン2との相互接続が不可になったことを条件として、フリーWi-Fiの検索を開始し、検索されたフリーWi-Fiを介して見守りバンド1からサーバ3にデータを送信する。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4-1】
図4-2】
図4-3】
図4-4】
図4-5】
図4-6】
図4-7】
図4-8】
図4-9】
図4-10】
図4-11】
図4-12】
図4-13】
図4-14】
図5