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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-25
(45)【発行日】2022-08-02
(54)【発明の名称】両辺押圧型の真空鮮度保持ケース
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/20 20060101AFI20220726BHJP
   B65D 51/16 20060101ALI20220726BHJP
【FI】
B65D81/20 B
B65D51/16 210
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021569466
(86)(22)【出願日】2020-08-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-11
(86)【国際出願番号】 CN2020108539
(87)【国際公開番号】W WO2021103656
(87)【国際公開日】2021-06-03
【審査請求日】2021-11-29
(31)【優先権主張番号】201922085091.4
(32)【優先日】2019-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521509789
【氏名又は名称】深▲セン▼市晶鼎包装材料有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN JINGDING PACKAGING MATERIALS CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Block C, No.3 Yanchuan Langdong Road, Songgang Town, Bao an District Shenzhen, Guangdong 518000 (CN)
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】王涛
(72)【発明者】
【氏名】李晶
(72)【発明者】
【氏名】羅光植
【審査官】種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第209473964(CN,U)
【文献】実開昭63-023266(JP,U)
【文献】国際公開第2000/044641(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 81/20
B65D 51/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケース本体(1)及びケース蓋(2)を含む両辺押圧型の真空鮮度保持ケースであって、前記ケース蓋(2)には空洞(7)が対称に開けられ、前記空洞(7)内にはピストン(10)がそれぞれスライド可能に接続され、前記空洞(7)内にはケース本体(1)の内部と連通する排気孔(8)がそれぞれ設けられ、排気孔(8)には、第1の一方向弁(9)が設けられ、前記ピストン(10)には、前記ピストン(10)が第1の一方向弁(9)に向いて移動する際に空洞(7)と外部とを連通する排気構造が設けられ、前記ケース蓋(2)には連動機構が設けられて、2つのピストン(10)を逆方向に移動させる、
ことを特徴とする両辺押圧型の真空鮮度保持ケース。
【請求項2】
前記連動機構は、中間部がケース蓋(2)に回転接続され、両端がそれぞれピストン(10)にヒンジ接続されている連結ロッド(15)を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の両辺押圧型の真空鮮度保持ケース。
【請求項3】
ケース蓋(2)には、連結ロッド(15)を取り付けるための取付溝(14)が開けられ、ケース蓋(2)の頂壁には、空洞(7)の上方に位置するとともに空洞に連通されている縦溝(18)が開けられ、連結ロッド(15)の端部には、前記連結ロッド(15)の端部に固定されるとともに縦溝(18)内に位置する押し子ブロック(19)が設けられている、
ことを特徴とする請求項2に記載の両辺押圧型の真空鮮度保持ケース。
【請求項4】
2つの押し子ブロック(19)が同じ高さにある場合、押し子ブロック(19)の上面はケース蓋(2)の上面と同一の平面にあり、前記縦溝(18)内には、押し子ブロック(19)の上面をケース蓋(2)の上面と同一の平面に保つように付勢するための弾性部材(20)が設けられている、
ことを特徴とする請求項3に記載の両辺押圧型の真空鮮度保持ケース。
【請求項5】
前記排気構造は、リング溝(11)、密封リング(12)及び通気溝(13)を含み、リング溝(11)はピストン(10)の外壁に開けられ、密封リング(12)はリング溝(11)に嵌合され、通気溝(13)はリング溝(11)内に開けられているとともに外部と連通し、リング溝(11)及び通気溝(13)の幅は密封リング(12)の線径よりも大きい、
ことを特徴とする請求項1に記載の両辺押圧型の真空鮮度保持ケース。
【請求項6】
前記ケース蓋(2)には、吸気孔(22)が開けられ、吸気孔(22)には第2の一方向弁(23)が設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の両辺押圧型の真空鮮度保持ケース。
【請求項7】
ケース蓋(2)には、圧力検知部材(24)が取り付けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の両辺押圧型の真空鮮度保持ケース。
【請求項8】
ケース本体(1)にはリングエッジ(6)が設けられ、リングエッジ(6)にはケース蓋(2)に当接する密封リング(5)が嵌合されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の両辺押圧型の真空鮮度保持ケース。
【請求項9】
ケース蓋(2)の両側にはバックル(3)がヒンジ接続され、ケース本体(1)にはバックル(3)の係嵌固定のための係嵌ブロック(4)が設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の両辺押圧型の真空鮮度保持ケース。
【請求項10】
ケース蓋(2)には、押し子ブロック(19)を押しておくための押圧バー(25)が設けられ、押圧バー(25)の一端はケース蓋(2)に回転接続される、
ことを特徴とする請求項4に記載の両辺押圧型の真空鮮度保持ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、鮮度保持ケースの分野に関し、より具体的には、両辺押圧型の真空鮮度保持ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
社会の発展や科学技術の進歩に伴い、食品の鮮度保持の質及び期間がより高く、より長くなることが求められている。容器内の食品の鮮度を保つために、通常は、容器内の空気を引き出して、容器を真空状態にさせることにより、その中の食品の鮮度保持が実現され、鮮度保持ケースは、一般に、密封されているように見えるケース本体であり、ケース本体を密封してケース本体と外部空気との接触を遮断することにより、鮮度保持の目的を達成する。しかしながら、このような構造の鮮度保持ケースは、ケース本体の内外の空気が互いに流通しないが、ケース本体内に依然として空気があるため、空気中の酸素によってケース本体内の食品が酸化され、それにより食品の鮮度が影響され、鮮度保持時間も限られる。
【0003】
現在市販されている真空鮮度保持ケース、例えば公開番号がCN203486343Uの中国特許に開示された手動真空引き鮮度保持ケースは、鮮度保持ケース本体と、鮮度保持ケース本体の開口部を密封キャッピングする鮮度保持ケース蓋とを含み、当該鮮度保持ケース蓋は、サーフェスシェルとボトムシェルとの固定係合により構成され、サーフェスシェルの表面には、サーフェスシェルを貫通した吸気口が設けられ、ボトムシェルの底部には、ボトムシェルを貫通した抽気用の導通孔及び吸気用の導通孔が設けられ、吸気用の導通孔は吸気口まで上向きに延伸し、抽気用の導通孔の底部には抽気孔用のプラグが設けられ、抽気用の導通孔の上部には密封リングが設けられ、抽気用の導通孔の上部には、手動真空引き装置が密封接続されている。新しいタイプの真空鮮度保持ケースは、エアーポンプハンドルを手動で操作し、操作が簡単且つ便利で、外付けの真空引き機器を必要とせずに真空引きステップを完了して、鮮度保持ケース本体内を真空状態にすることができ、外部空気が真空鮮度保持ケースの本体内に入ることを効果的に防止し、それにより、真空鮮度保持ケースの鮮度保持効果を保証するが、真空引きをする度にエアーポンプハンドルの往復操作をし続けることを必要として、真空引き効率が低いという欠陥がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願は、既存技術に存在する不足について、真空引き効率が高いという利点を有する両辺押圧型の真空鮮度保持ケースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を実現するために、本願は以下のような技術的な解決手段を提供する。
【0006】
ケース本体及びケース蓋を含む両辺押圧型の真空鮮度保持ケースであって、前記ケース蓋には空洞が対称に開けられ、前記空洞内にはピストンがそれぞれスライド可能に接続され、前記空洞内にはケース本体の内部と連通する排気孔がそれぞれ設けられ、排気孔には第1の一方向弁が設けられ、前記ピストンには、前記ピストンが第1の一方向弁に向いて移動する際に空洞と外部とを連通する排気構造が設けられ、前記ケース蓋には連動機構が設けられて、2つのピストンを逆方向に移動させる。
【0007】
対称的な空洞を設けるとともに、空洞内のピストンが逆方向に移動する連動状態にあることにより、さらに、鮮度保持ケースに対して真空引き操作を行う必要がある場合、そのうちの1つの空洞内のピストンを第1の一方向弁の方向に向いて移動するように押圧して、当該空洞内の空気を排出することに同期連動して、別の空洞内のピストンが上昇し、ピストンは、上昇するとき、空洞の底壁との間が閉塞状態になるとともに負圧が発生して、第1の一方向弁を開いてケース本体内の空気が空洞に引き抜かれ、真空引き操作が完了し、このように2つの空洞内のピストンを交互に押圧し続けることにより、鮮度保持ケースが、常に、真空引き動作状態及び空洞内の空気を排出する動作状態にあり、さらに、真空引き効率がより高くなるという目的を達成する。
【0008】
さらに、前記連動機構は、中間部がケース蓋に回転接続され、両端がそれぞれピストンにヒンジ接続されている連結ロッドを含む。
【0009】
連結ロッドにより2つのピストンの逆方向への連動が実現され、構造が簡単で、実現しやすく、それにより、後続の生産と加工に貢献し生産コストを効果的に低減する。
【0010】
さらに、前記ケース蓋には、連結ロッドを取り付けるための取付溝が開けられ、前記ケース蓋の頂壁には、空洞の上方に位置するとともに空洞に連通されている縦溝が開けられ、前記連結ロッドの端部には、それに固定されるとともに縦溝内に位置する押し子ブロックが設けられている。
【0011】
こうすると、上方の押し子ブロックを押圧して、ピストンが下へ移動するように押すことができ、それにより押圧操作が一層楽になる。
【0012】
さらに、2つの前記押し子ブロックが同じ高さにある場合、前記押し子ブロックの上面はケース蓋の上面と同一の平面にあり、前記縦溝内には、押し子ブロックの上面をケース蓋の上面と同一の平面に保つように付勢するための弾性部材が設けられている。
【0013】
こうすると、通常時、鮮度保持ケースが真空状態でない場合、弾性部材により、対称的な押し子ブロックを同じ高さにさせるとともに、ケース蓋の上面と同一の平面にさせることができ、鮮度保持ケースの上部の平坦度をよく保つことができ、外観全体がより平坦で美しい。
【0014】
さらに、前記排気構造は、リング溝、密封リング及び通気溝を含み、前記リング溝はピストンの外壁に開けられ、前記密封リングはリング溝に嵌合され、前記通気溝はリング溝内に開けられているとともに外部と連通し、前記リング溝及び通気溝の幅は密封リングの線径よりも大きい。
【0015】
こうすると、ピストンが第1の一方向弁の方向に向いて移動する際に、密封リングは第1の一方向弁から離れるように押され、このとき、一部の通気溝が露出されて、空洞内の気体が通気溝から排出されることができ、ピストンが第1の一方向弁を背向いた方向へ移動する際に、密封リングは第1の一方向弁に近づくように押され、このとき、密封リングは密封の役割を果たし、空洞内の気体が通気溝から排出されることができず、それにより空洞内に負圧が発生して第1の一方向弁を開くことができる。
【0016】
さらに、前記ケース蓋には、吸気孔が開けられ、前記吸気孔には第2の一方向弁が設けられている。
【0017】
ケース本体内を真空にした後からは、比較的開きにくく、このように設置後、第2の一方向弁を開くことにより、外部空気をケース本体内に入れることができ、このとき、容易にケース蓋を開くことができる。
【0018】
さらに、前記ケース蓋には圧力検知部材が取り付けられている。
【0019】
提示の役割を果たすことができる圧力検知部材の設置により、真空引き中に、圧力検知部材によりケース本体内の真空引き度合を知ることができる。
【0020】
さらに、前記ケース本体にはリングエッジが設けられ、前記リングエッジにはケース蓋に当接する密封リングが嵌合されている。
【0021】
まず、密封リングは、ケース本体とケース蓋との接続箇所の密封性を向上させて、外部空気が接続箇所からケース本体内に入ることを回避することができ、また、リングエッジは、密封リングへの位置決め役割を果たすことができ、そして、密封リングを取り外して洗浄と交換することができる。
【0022】
さらに、前記ケース蓋の両側にはバックルがヒンジ接続され、前記ケース本体にはバックルの係嵌固定のための係嵌ブロックが設けられている。
【0023】
ケース本体とケース蓋は、バックルの係嵌方法により着脱可能な接続が実現され、バックルを反転させるだけで取り付けと取り外しを実現することができ、構造が簡単で、容易で迅速に着脱することができる。
【0024】
さらに、前記ケース蓋には、押し子ブロックを押しておくための押圧バーが設けられ、前記押圧バーの一端はケース蓋に回転接続される。
【0025】
押圧バーの設置により、鮮度保持ケースに対して真空引き操作を行う必要がないとき、押圧バーを回転させて両端の押し子ブロックを押しておくことにより、押し子ブロックを安定して現在状態に保つことができ、押し子ブロックが上下に動くことがない。
【0026】
さらに、前記連動機構は、さらに、前記連結ロッドのケース蓋を背向く側に着脱可能に接続された面蓋を含む。
【0027】
面蓋は、連結ロッド及びピストンが破損し難くなるように保護する一方、ユーザが操作しやすい。
【0028】
さらに、前記ケース蓋には収容溝が開けられ、前記連結ロッド及び前記面蓋は収容溝内に位置し、かつ、前記面蓋と前記収容溝の壁との間には隙間がある。
【0029】
連結ロッド及び面蓋をある程度保護できることにより、連結ロッド及び面蓋が破損し難くなる。
【0030】
さらに、前記ケース蓋には吸気孔が開けられ、前記吸気孔には第4の一方向弁が取り付けられ、前記面蓋には押圧ボタンが設けられ、前記押圧ボタンと前記第4の一方向弁との間には伝動部材が設けられ、前記押圧ボタンを押圧することにより第4の一方向弁を開くことができる。
【0031】
ケース本体内を真空にした後からは、比較的開き難にくく、このように設置すると、押圧ボタンを押すことにより第4の一方向弁を開くことができ、それにより外部空気がケース本体内に入り、このときケース蓋を容易に開くことができる。
【0032】
さらに、前記第4の一方向弁は、吸気孔内に貫設されている接続部と、接続部の収容溝に面する一端に接続された抜け止め部と、接続部の収容溝から遠い一端に接続された密封部とを含み、前記接続部及び抜け止め部の側壁には密封部まで貫通した空気漏れ溝が開けられている。
【0033】
さらに、前記伝動部材の周側壁には、弾性片が固定接続され、前記ケース蓋には支持部材が固定接続され、前記弾性片の伝動部材から遠い一端は前記支持部材に接続される。
【0034】
支持部材及び弾性片は伝動部材を固定して位置制限することができ、それにより伝動部材が押圧ボタンと第4の一方向弁との間から抜けにくくなる。
【0035】
さらに、前記排気構造は、ピストンに開けられた弁取付用孔と、弁取付用孔内に取り付けられた第3の一方向弁とを含む。
【0036】
ピストンが第1の一方向弁に近づく方向へ移動する際に、排気構造の作用の下で密閉室が外部と連通する。ピストンが第1の一方向弁から離れる方向へ移動する際に、排気構造の作用の下でピストンと空洞の底壁との間に密閉室が形成される。
【発明の効果】
【0037】
要約すると、本願は、以下の効果を有する。
【0038】
空洞及びピストンを対称的に設置するとともに、連結ロッドにより2つのピストン同士が連動されて逆方向に移動することが実現されることにより、2つの空洞内の駆動部材を交互に押圧することにより、常に、真空引き中の空洞及び空洞内の空気を排出する操作があり、鮮度保持ケースの真空引き効率の効果的な向上を達成し、通常時、鮮度保持ケースが真空状態でない場合、弾性部材によりケース蓋の上面の平坦性を保つことができ、鮮度保持ケース全体の美観性を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】本願の実施例1の全体構造図である。
図2】本願の実施例1の分解図である。
図3】本願の実施例1の斜視図である。
図4】本願の実施例1におけるピストンと押し子ブロックとの構造図である。
図5】本願の実施例2の全体構造の概略図である。
図6】本願の実施例2の斜視図である。
図7】本願の実施例2の連動機構の構造を具現化するための概略図である。
図8図7のA箇所の拡大図である。
図9】本願の実施例2の面蓋の概略構造図である。
図10】本願の実施例2の押圧ボタン、伝動部材及び第4の一方向弁の構造を具現化するための斜視図である。
図11】本願の実施例の第4の一方向弁の概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、図1~10を参照しながら、本願についてさらに詳細に説明する。
【0041】
本願の実施例は、両辺押圧型の真空鮮度保持ケースを開示した。
【0042】
実施例1
両辺押圧型の真空鮮度保持ケースは、図1及び図2に示すように、ケース本体1及びケース蓋2を含み、ケース蓋2とケース本体1との固定は係嵌方法により実現される。ケース蓋2の両側には、それにヒンジ接続されたバックル3が設けられるとともに、ケース本体1にはバックル3の係嵌のための係嵌ブロック4が対応して設けられていて、それにより、ケース蓋2とケース本体1との着脱可能な接続が実現され、そして容易で迅速に着脱することができる。ケース蓋2とケース本体1との間の密封性を向上させるために、ケース本体1とケース蓋2との間に密封リング5が設けられ、ここで、ケース本体1の頂壁にはリングエッジ6が設けられ、密封リング5には、リングエッジ6に合わせた窪みが設けられ、それにより安定して密封リング5をケース本体1に取り付けることができ、ケース蓋2をケース本体1に固定する際に、ケース蓋2のエッジ部分が密封リング5を押し付けて接続箇所の密封性を確保し、外部空気がケース本体1内に入らないことを確保する。
【0043】
図1及び図3に示すように、ケース蓋2には2つの空洞7が対称的に設けられ、空洞7の底部には、ケース本体1の内部と連通する排気孔8が開けられ、排気孔8には第1の一方向弁9が設けられ、第1の一方向弁9のため、気体はケース本体1内からしか空洞7内に入ることができない。2つの空洞7内には、それぞれピストン10がスライド可能に接続され、ピストン10には、それが第1の一方向弁9に向いて移動する際に空洞7と外部とを連通する排気構造が設けられ、即ち、ピストン10が第1の一方向弁9に向いて移動する際に、空洞7が外部と連通し、ピストン10が第1の一方向弁9に背向いた方向へ移動する際に、ピストン10と空洞7の底壁との間に密閉室71が形成される。ピストン10が往復移動するように付勢し、即ち、ケース本体1内の空気を引き続いて真空にすることを実現することができ、こうすると、鮮度保持ケース自体が真空引き機能付きのものであるため、追加のツールに頼る必要がなく、より使用しやすく、実用性がよりよい。
【0044】
図3及び図4に示すように、排気構造は、リング溝11、密封リング12及び通気溝13を含み、ここで、リング溝11はピストン10の側壁に開けられ、かつ、密封リング12はリング溝11内に嵌合され、そして、通気溝13はリング溝11内に開けられているとともに、密閉室71と外部とを連通する。ここで、リング溝11の幅は密封リング12の線径よりも大きく、通気溝13の幅はリング溝11の幅と一致する。こうすると、ピストン10が第1の一方向弁9から離れる方向に移動する際に、空洞7の内壁の作用の下で、密封リング12がリング溝11内の第1の一方向弁9に近い位置まで移動し、このとき、密封リング12が通気溝13を塞ぐことにより、密閉室71が閉塞状態になり、真空引き目的を達成する。ピストン10が第1の一方向弁9に近づく方向にスライドする際に、空洞7の内壁の作用の下で、密封リング12がリング溝11内の第1の一方向弁9から遠い位置まで移動し、このとき、通気溝13が露出することにより、密閉室71内の空気を排出することができ、その後からの真空引き操作が容易になる。図1及び図3に示すように、ケース蓋2には取付溝14が開けられ、取付溝14内には、両側のピストン10が連動されて逆方向に移動する連動機構が設けられ、当該連動機構は連結ロッド15を含み、ここで、連結ロッド15の中間部は取付溝14内壁に回転接続され、そして、連結ロッド15の両端はそれぞれ両側のピストン10にヒンジ接続され、連結ロッド15の両端には条溝16が開けられ、ピストン10上のヒンジ接続軸17は条溝16にスライド可能に接続される。ケース本体1に対して真空引きを行う必要がある場合、ピストン10を押圧して下に移動するように付勢する際に、別のピストン10を連動して上に移動させることができることにより、真空引きが行われ、ピストン10が下に移動する空洞7内からは空気が排出され、このように、2つの空洞7内のピストン10を往復に押圧することにより、常に、真空状態の空洞7があり、それにより、真空引き効率がより高くなるという目的を達成できる。
【0045】
図3及び図4に示すように、ケース蓋2の空洞7に対応する上方には、空洞7に連通されている縦溝18が設けられ、かつ、縦溝18内には、連結ロッド15の端部との固定のための押し子ブロック19が設けられ、押し子ブロック19と縦溝18内壁との間には間隔がある。2つの押し子ブロック19が同じ高さにある場合、押し子ブロック19の上面はケース蓋2の上面と同一の平面にある。縦溝18内には、2つの押し子ブロック19を同じ高さにリセットするように付勢する弾性部材20が設けられ、弾性部材20はバネを含み、縦溝18の内壁には凸板21が突設され、バネは、一端が凸板21に固定され、他端が押し子ブロック19に固定され、それにより、押し子ブロック19を押圧して下に移動させてから離すと、押し子ブロック19はバネの復元力の作用の下で元の位置に戻り、こうすると、ケース蓋2の表面の平坦度及び美観度がよりよくなり、そして、押し子ブロック19を離したとき、バネの復元力により一定の真空引き目的を達成することができ、真空引き操作全体がより簡単になり、省力化を図ることができる。ケース蓋2には、押し子ブロック19の頂壁を押すための押圧バー25(図1に示すように)が設けられ、押圧バー25の一端はケース蓋2に回転接続され、鮮度保持ケースに対して真空引き操作を行う必要がない場合、押圧バー25を回転して両端の押し子ブロック19を押すことにより、安定して押し子ブロック19を現在状態に保つことができ、押し子ブロック19が上下に動くことがない。
【0046】
図1に示すように、ケース蓋2には、ケース本体1の内部と連通する吸気孔22が設けられ、吸気孔22には第2の一方向弁23が取り付けられ、第2の一方向弁23はゴム栓体を含み、ゴム栓体で吸気孔22を塞ぎ、第2の一方向弁23により、空気は外部からしかケース本体1内に入ることができず、こうすると、ケース本体1の内部が真空状態にあるため、ケース蓋2を開くことができない状態で、第2の一方向弁23を開くことにより外部空気をケース本体1の内部に入れることにより、ケース蓋2をスムーズに開くことができる。ケース蓋2には、圧力検知部材24が取り付けられ、本実施例における圧力検知部材24には、内部が中空のゴム突起が使用される。ゴム突起はゴム栓体と一体に設けられたものであり、ゴム突起の内部はケース本体1の内部と連通し、それにより、ケース本体1の内部が真空になった後、ゴム突起が完全に下へ凹み、人々がケース本体1の内部がすでに真空になったことをタイムリーに知ることができ、マーク提示の役割を果たし、そして、こうすると、ゴム突起とゴム栓体とは1つの全体として形成され、付属品の数を減らし、コストを効果的に低減する。
【0047】
図2に示すように、ケース本体1の長辺の外壁には、くさび形のブロックである係止ブロック26が設けられている。ケース蓋2の内壁には係止ブロック26と係り合うための係止溝(図示せず)が開けられている。ケース蓋2でケース本体1をキャッピングした後、ケース本体1の長辺方向の固定を係止ブロック26と係止溝とで実現することができ、ケース蓋2とケース本体1とがよりよく固定され、ケース本体1の長辺方向が容易に変形する現象を減らす。
【0048】
本実施例の実施原理は、次のとおりである。まず、ケース蓋2でケース本体1をキャッピングし、バックル3と係嵌ブロック4との係嵌により固定が実現され、続いて、そのうちの1つの押し子ブロック19を押圧して下に移動させ、押し子ブロック19によって、空洞7内のピストン10が下に移動するように付勢され、密閉室71内の空気が排出されるとともに、連結ロッド15に連動されて別の空洞7内のピストン10が上に移動し、ピストン10が上に移動して第1の一方向弁9から離れる方向に移動する際に、密閉室71内に負圧が発生して第1の一方向弁9を開き、ケース本体1に対する真空引きが実現され、押し子ブロック19は、離された後、バネの作用の下で元の位置に戻り、このように2つの押し子ブロック19を交互に往復押すと、ケース本体1に対する真空引きを続けることができる。後で、ケース蓋2を開く必要がある場合、先に、バックル3と係嵌ブロック4とを解除してから、第2の一方向弁23を開いて、外部空気がケース本体1内に入り、このとき、ケース蓋2を正常に開くことができる。
【0049】
実施例2
図5及び図6を参照すると、両辺押圧型の真空鮮度保持ケースは、ケース本体1及びケース蓋2を含み、ケース本体1はケース蓋2に挿接される。ケース本体1の頂壁にはリングエッジ6が一体成形され、ケース蓋2の底壁には、リングエッジ6に挿接される挿入溝27が開けられ、挿入溝27の溝底には、密封リング5が嵌設されている。ケース蓋2でケース本体1をキャッピングすると、リングエッジ6が挿入溝27に挿接されて密封リング5に密着し、それにより外部空気がケース本体1内に入らないことを確保する。
【0050】
図6及び図7を参照すると、ケース蓋2の上部には収容溝28が設けられ、ケース蓋2において、収容溝28の底部に2つのガイドリング29が一体成形されており、ガイドリング29の内部は収容溝28と連通する空洞7を形成する。ケース蓋2には、空洞7とケース本体1とを連通する排気孔8が開けられ、排気孔8には第1の一方向弁9が設けられており、第1の一方向弁9により、気体はケース本体1の内部からしか空洞7内に入ることができない。2つの空洞7の内部には、いずれにもピストン10がスライド可能に接続され、ピストン10と空洞7の底壁との間には密閉室71が形成され、ピストン10には排気構造が設けられている。排気構造は、ピストン10の中心に開けられた弁取付用孔と、弁取付用孔内に取り付けられた第3の一方向弁31とを含み、第3の一方向弁31により、気体は密閉室71からしか弁取付用孔を通して外部に流れることができない。ピストン10が第1の一方向弁9に近づく方向に移動する際に、排気構造の作用の下で、密閉室71が外部と連通する。ピストン10が第1の一方向弁9から離れる方向に移動する際に、排気構造の作用の下で、ピストン10と空洞7底壁との間に密閉室71が形成される。ピストン10が往復に移動するように付勢すると、ケース本体1の内部の空気を抽出し続けることができ、こうすると、鮮度保持ケース自体が真空引き機能付きのものであるため、それにより、ケース本体の内部の空気を抽出するのに追加のツールに頼る必要がなく、より使用しやすく、実用性がよりよい。
【0051】
図6及び図7を参照すると、収容溝28内には2つのピストン10が連動されて逆方向に移動する連動機構が設けられている。連動機構は、収容溝28に設けられた面蓋32と、面蓋32と収容溝28の溝底との間に設けられた連結ロッド15とを含み、ここで、面蓋32と収容溝28の溝壁との間には隙間があり、連結ロッド15は面蓋32の収容溝28の底部に面する側に着脱可能に接続、かつ、連結ロッド15の両端は、それぞれ2つのピストン10にヒンジ接続され、連結ロッド15の中間部はケース蓋2にヒンジ接続される。
【0052】
具体的に言えば、図7及び図8を参照すると、連結ロッド15の下側の中間部には第1のヒンジラグ36が2つ一体成形され、第1のヒンジラグ36の側面には第1のピン軸37が一体成形されている。ケース蓋2の収容溝28の底部には2つの第1のヒンジシート38が一体成形され、第1のヒンジシート38には第1のピン孔が開けられている。2つの第1のピン軸37は、それぞれ2つの第1のヒンジシート38の第1のピン孔に回転接続されている。第1のピン軸37の第1のピン孔への取り付けを容易にするために、第1のヒンジシート38の上部には第1のピン孔と連通するノッチが開けられ、ノッチと第1のピン孔とが連通する箇所の幅は第1のピン軸37の直径よりも小さい。これにより、第1のピン軸37を第1のピン孔に取り付ける際に、連結ロッド15を把持して第1のピン軸37を該当する第1のヒンジシート38のノッチに位置合わせてから、連結ロッド15を下に押圧するだけで、第1のピン軸37がノッチを通って第1のピン孔に入ることができる。
【0053】
図6及び図7を参照すると、連結ロッド15の端部には2つの第2のヒンジラグ39が一体成形され、第2のヒンジラグ39の側面には第2のピン軸40が一体成形されている。ピストン10には2つの第2のヒンジシート41が一体成形され、第2のヒンジシート41には第2のピン孔が開けられている。第2のピン軸40は第2のヒンジシート41の第2のピン孔に回転接続される。第2のピン孔は長孔であり、その中で第2のピン孔がスライドすることができることに留意されたい。
【0054】
図7及び図9を参照すると、面蓋32の連結ロッド15を面する側には、位置決め溝33及び少なくとも1組の係止機構(本実施例では、2組の係止構造を例とする)が設けられ、係止構造は2つの係止フック34を含み、連結ロッド15は2つの係止フック34の間に係り止められ、連結ロッド15の面蓋32を面する側には位置決めバー35が一体成形され、位置決めバー35は位置決め溝33に挿接される。
【0055】
図5図10及び図11を参照すると、ケース蓋2において、収容溝28の底部に吸気孔22が開けられ、吸気孔22は、第1のピン軸37の軸線の延長線の真下に位置する。吸気孔22には、第4の一方向弁42が取り付けられ、第4の一方向弁42により、空気は外部からしかケース本体1の内部に入ることができない。第4の一方向弁42は、吸気孔22に貫設されている柱状の接続部421と、接続部421の収容溝28に面する一端に一体成形された抜け止め部422と、接続部421の収容溝28から遠い一端に一体成形された密封部423とを含み、密封部423はケーキ状を呈し、また、接続部421及び抜け止め部422の側壁には、密封部423まで貫通した空気漏れ溝が開けられている。第4の一方向弁42を吸気孔22に装着する際に、接続部421は張力がかけられた状態にあり、ケース本体1の内部が負圧状態になると、外部空気も第4の一方向弁42を押し開いてケース本体1内に入り難く、第4の一方向弁42の収容溝28に露出している部分をケース本体1が存在する方向に押すことによってのみ、第4の一方向弁42を開くことができ、それからこそ、外部空気が吸気孔22を通ってケース本体1に入ることができる。
【0056】
図9及び図10を参照すると、ユーザが第4の一方向弁42を押圧しやすくするため、面蓋32にボタン取付孔43が開けられ、ボタン取付孔43には押圧ボタン44が設けられ、押圧ボタン44と面蓋32との間には弾性片が接続されている。また、図7及び図10を参照すると、押圧ボタン44と第4の一方向弁42との間には、伝動部材45がさらに設けられ、伝動部材45の一端は押圧ボタン44に当接し、他端は第4の一方向弁42に当接する。伝動部材45の第4の一方向弁42と当接する一端には止まり孔46が開けられ、第4の一方向弁42の一部は止まり孔46内に挿入して、伝動部材45と第4の一方向弁42とが外れにくくなることに留意されたい。伝動部材45の側壁には、2つの弾性片47が対称的に設けられ、2つの弾性片47は伝動部材45と一体成形され、ケース蓋2の収容溝28の底部には、弾性片47を支持するための支持部材48が一体成形されており、弾性片47は支持部材48に着脱可能に接続され、具体的に言えば、弾性片47には挿入孔49が開けられ、支持部材48には、挿入孔49に適合する挿入ピン50が成形され、挿入ピン50は挿入孔49に挿接される。
【0057】
本実施例の実施原理は、次のとおりである。まず、ケース蓋2でケース本体1をキャッピングしてから、面蓋32の両辺を交互に往復押圧することにより、2つのピストン10が連結ロッド15につられて、それぞれ2つのガイドリング29内で下に移動し、それによりケース本体1内の空気を引き抜け続ける。後続で、ケース蓋2を開く必要がある場合、先に押圧ボタン44を押圧することにより、伝動部材45が第4の一方向弁42を押圧して第4の一方向弁42を開き、それにより外部空気がケース本体1内に入ってケース本体1の内外気圧のバランスを取り、続いて、ケース蓋2をケース本体1から取り外せばよい。
【0058】
本具体的な実施形態の実施例は、いずれも本願の好適な実施例であり、本願の保護範囲を限定するものではなく、そのため、本願の構造、形状、原理にしたがって行われた同価変更は、いずれも本願の保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0059】
1...ケース本体、2...ケース蓋、3...バックル、4...係嵌ブロック、5...密封リング、6...リングエッジ、7...空洞、71...密閉室、8...排気孔、9...第1の一方向弁、10...ピストン、11...リング溝、12...密封リング、13...通気溝、14...取付溝、15...連結ロッド、16...条溝、17...ヒンジ接続軸、18...縦溝、19...押し子ブロック、20...弾性部材、21...凸板、22...吸気孔、23...第2の一方向弁、24...圧力検知部材、25...押圧バー、26...係嵌ブロック、27...挿入溝、28...収容溝、29...ガイドリング、31...第3の一方向弁、32...面蓋、33...位置決め溝、34...係止フック、35...位置決めバー、36...第1のヒンジラグ、37...第1のピン軸、38...第1のヒンジシート、39...第2のヒンジラグ、40...第2のピン軸、41...第2のヒンジシート、42...第4の一方向弁、421...接続部、422...抜け止め部、423...密封部、43...ボタン取付孔、44...押圧ボタン、45...伝動部材、46...止まり孔、47...弾性片、48...支持部材、49...挿入孔、50...挿入ピン。
図1
図2
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図4
図5
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図7
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図9
図10
図11