(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-25
(45)【発行日】2022-08-02
(54)【発明の名称】メカトロニックシステムのシミュレーションのための操作手順を生成する方法
(51)【国際特許分類】
G06F 30/20 20200101AFI20220726BHJP
G06F 30/15 20200101ALI20220726BHJP
G05B 23/02 20060101ALI20220726BHJP
【FI】
G06F30/20
G06F30/15
G05B23/02 G
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020153294
(22)【出願日】2020-09-11
【審査請求日】2020-10-05
(32)【優先日】2019-09-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】518206169
【氏名又は名称】バーチャル ヴィークル リサーチ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】レイテラー ステファン ハラルド
(72)【発明者】
【氏名】ベネディクト マーティン
【審査官】松浦 功
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2011/016327(WO,A1)
【文献】特開2004-220577(JP,A)
【文献】国際公開第2013/099438(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0365353(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 30/00 -30/28
G05B 23/00 -23/02
G06F 9/46 - 9/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メカトロニックシステムのシミュレーションの操作手順を生成する
方法であって、
前記方法は、コンピュータ上で実行可能な以下の段階、すなわち、
少なくとも1つのソースパラメータを含むソースノードを決定する段階
であって、前記ソースノードは、前記ソースパラメータを有するデータベースを含み、および/または、前記ソースノードは、前記ソースノードのソース入力パラメータに基づいて前記ソースパラメータを決定するためのシミュレーション機能を含む、段階と、
少なくとも1つの第1シミュレーションノードを含む第1シミュレーションシステムを決定する段階であり、前記第1シミュレーションノードは、少なくとも1つの入力パラメータ及び少なくとも1つの出力パラメータを含み、前記第1シミュレーションノードは、前記第1シミュレーションノードの前記入力パラメータに基づいて前記出力パラメータを決定するためのシミュレーション機能を備える、段階と、
前記ソースパラメータに基づいて前記入力パラメータが利用可能であるかどうか
決定する段階であって、前記ソースパラメータは、前記第1シミュレーションノードの前記入力パラメータについての情報を含み、又は、前記ソースパラメータに基づいて前記入力パラメータがどのように決定されることができるかについての情報を少なくとも送達する、段階と、
前記ソースパラメータに基づいて前記入力パラメータが利用可能である
場合に、
前記
メカトロニックシステムの前記シミュレーションの操作手順を記述するために前記ソースノード及び前記第1シミュレーションノードの間のリンクを記述するグローバルオペレーショングラフを構築する段階と、
第2シミュレーションシステムを決定する段階であって、前記第2シミュレーションシステムは第2ソースノードを含む、段階と
を備え、
前記第2ソースノードは、前記第2シミュレーションシステムの第2シミュレーションノードであり、
前記第2シミュレーションノードは、少なくとも1つの追加の入力パラメータ及び少なくとも1つの追加の出力パラメータを含み、
前記第2シミュレーションノードは、前記ソースノードから取得された前記ソースパラメータを示す前記追加の入力パラメータに基づいて、前記追加の出力パラメータを決定するための追加のシミュレーション機能を含み、
前記追加の出力パラメータは、前記第1シミュレーションシステムの前記第1シミュレーションノードに対する入力パラメータとして使用され、それにより、両方のシミュレーションシステムのそれぞれの依存性及び協調シミュレーションが提供され、グローバルオペレーショングラフにマッピングされ、それにより、前記第1シミュレーションシステム及び前記第2シミュレーションシステムは、同時に実行される、
方法。
【請求項2】
前記
メカトロニックシステムのシミュレーションを実行するために前記グローバルオペレーショングラフに基づいてシミュレーションシステムを制御する段階をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ソースノードの前記ソースパラメータを前記シミュレーションノードの前記入力パラメータに変換するために構成される変換ユニットを提供する段階をさらに備える、請求項
1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記変換ユニットは、前記ソースパラメータのフォーマットを前記入力パラメータの必要なフォーマットに変換することにより、前記ソースパラメータを前記入力パラメータに転換する、請求項
3に記載の方法。
【請求項5】
前記変換ユニットは、前記ソースパラメータ及び特に追加のソースパラメータに基づいて前記入力パラメータを決定するための転換機能を提供
し、
前記転換機能は、前記ソースパラメータ、および、特に前記追加のソースパラメータに基づいて前記入力パラメータを決定するための変換動作を実行する中間プログラムを含み、前記変換動作へのリンクは、前記グローバルオペレーショングラフ内にマッピングされる、請求項
3又は
4に記載の方法。
【請求項6】
システム、特にメカトロニックシステムのシミュレーションのための操作手順を生成するシステムであって、請求項1から
5のいずれか一項に記載の方法のステップを実行するように構成されたプロセッサを備えるシステム。
【請求項7】
請求項1から
5のいずれか一項に記載の方法をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システム、特にメカトロニックシステムのシミュレーションのための操作手順を生成するコンピュータ実装方法に関する。さらに、本発明は、メカトロニックシステムのシミュレーションのための操作手順を生成するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のような複雑な機械システムの設計手順では、複数の異なる設計シミュレーション及び機能試験シミュレーションが実行されなければならない。それぞれのシミュレーション手順に対する十分な入力データが利用可能な場合にのみ、異なるシミュレーション手順のすべてが並列に実行されることができる。先行するシミュレーションからのシミュレーションデータは、後続のシミュレーションに利用可能になる前に、最初に計算及び決定されなければならないため、ほとんどの設計プロセス、設計シミュレーション及び機能試験は、シリアル方式で実行されなければならない。別の視点から、連続する試験を実装するためのシミュレーション自動化の量の増加は、機能試験全体の実行のために、機能及びそれらに関連するシミュレーションの自動リンクを要求する。例えば、車両モデルのFEMシミュレーション又は衝突シミュレーションを実行する前に、車両の専用Bピラー用の車ドアのような車両の個々の部品が設計及びシミュレーションされなければならない。さらに、車両モデルのFEMシミュレーションを実行した後、FEMシミュレーションの結果は、個々の部品のシミュレーション手順において再度考慮されなければならない場合がある。複数の異なる設計シミュレーション及び機能試験の間のインタラクションがないため、異なる設計及び試験部門の間で並列シミュレーション及び試験手順を実行することは困難である。
【0003】
例えば、上述の例によれば、始めに、例えば3つのタイプのシミュレーションが実行されなければならない。まず、CAD(コンピュータ支援設計)データは、フリーフォームの金属シートパーツ(例えば、車ドア)に対して作成される。次に、この部品の製造のパラメータ化及びシミュレーションが実行されることができる。さらに、次のステップとして、FEM衝突シミュレーションを実行して、車内の部品の衝突挙動をチェックする。従来の設定では、3つのタイプのシミュレーションの3つのワークフローが、可能な場合は順番に成されなければならないであろう。自動化ステップは、専門のプログラマによりハンドメイドで成されるであろう。異なる変換ステップは、中間ステップのスクリプトを書くプログラマによって実行される。シミュレーションのワークフロー内で成されなければならないいくつかのステップがある。まず、CADスケッチ及び材料データ(例えば、応力・ひずみ曲線)のようなデータが収集されなければならない。次に、それぞれの入力データに基づいてCADパラメータが調整される。次に、モデルの前処理ステップが実行され、シミュレーションユニットが構築される。次に、シミュレーションが動作する準備ができる。
【0004】
しかしながら、上述の伝統的なアプローチにはいくつかの課題がある。まず、中間ステップの自動化は、並列に動作すべき2つのシミュレーション手順の間で必要な変換ステップを具現化するために、時間及び個別の分野(IT及びシミュレーション)の専門家を必要とする。さらに、異なるシミュレーション手順の異なるステップがどのように接続されることができるかについての完全な概要はない。さらに、実際には、異なるシミュレーション手順におけるデータ、例えば特定の機械的パラメータは、異なるバージョン又はユニットで提供されてよい。さらに、異なるシミュレーション手順は、互いに関して快適ではない異なるシミュレーションソフトウェアを使用してよい。
【0005】
要約すると、異なるデータソース及びシミュレーション手順の間のインタラクションは複雑であり、異なるシミュレーション手順を組み合わせるべく人間のインタラクションが必要である。したがって、複雑なシミュレーションは時間を消費し、莫大なハードウェアリソースを必要とする。具体的には、自動車のような複雑なメカトロニックスシステムは、必要なハードウェアリソースが利用可能でなくてよいから、一般的なシミュレーションツールにより実行されることができない。
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、シミュレーションされるメカトロニックシステムのすべての必要なシミュレーション手順をハードウェアリソース節約態様で組み合わせるシミュレーションシステム及びシミュレーション手順を提供することである。
【0007】
この目的は、システム、特にメカトロニックシステム、及び独立請求項に記載のシステムのシミュレーションのための操作手順を生成するコンピュータ実装方法によって解決される。
【0008】
本発明の第1の態様によると、システム、特にメカトロニックシステムのシミュレーションのための操作手順を生成するコンピュータ実装方法が提供される。方法によれば、少なくとも1つのソースパラメータを備えるソースノードが決定される。さらに、少なくとも1つの第1シミュレーションノードを含む(少なくとも1つの)第1シミュレーションシステムが決定され、第1シミュレーションノードは少なくとも1つの入力パラメータ及び少なくとも1つの出力(目標)パラメータを含む。第1シミュレーションノードは、第1のノードの入力パラメータに基づいて出力パラメータを決定するためのシミュレーション機能を含む。方法によれば、さらに、入力パラメータがソースパラメータに基づいて利用可能であるかどうか決定される。入力パラメータがソースパラメータに基づいて利用可能な場合、システムのシミュレーションの操作手順を記述するために、ソースノード及び第1シミュレーションノードの間のリンクを記述するグローバルオペレーショングラフが構築される。
【0009】
上述のシミュレーションシステムは、例えば、メカトロニックシステム、例えば、車ドア又は任意の他の機械部品のような機械部品、電気機械部品、電気機械部品を制御するための制御ソフトウェア、又は機械部品の形成シミュレーションのような機械部品の試験手順に対するシミュレーションを記述する。メカトロニックシステムは、例えば、シミュレーションされるコンポーネントの機械的、電気的、電気機械的又はソフトウェアモジュールを含む。シミュレーションシステムは、1又は複数のデータソースユニット、1又は複数の入力パラメータに基づいてそれぞれ所望の出力パラメータ(複数可)をシミュレーション及び計算する1又は複数の機能ユニットを含む。
【0010】
具体的には、機能ユニットの1つは、1又は複数の入力パラメータに基づいて所望の出力パラメータを決定した上述のシミュレーションノードとして定義されてよい。
【0011】
ソースノードは、少なくとも1つのソースパラメータを含む。以下でさらに詳細に説明されるように、ソースパラメータは、データベースから、又は別のシミュレーションシステムから取得されてよい。さらに、ソースパラメータは、第1シミュレーションノードの必要な入力パラメータについての情報を含んでよい、又はソースパラメータに基づいて入力パラメータがどのように決定されることができるかについての情報を少なくとも送達してよい。例えば、以下に説明されるように、入力パラメータを実現するべく、出力パラメータに基づくいくつかの中間計算及びシミュレーションが実行されることができる。
【0012】
出力パラメータは、シミュレーションノードのシミュレーションの結果を記述する。出力パラメータは、例えば、温度、E係数、又は材料パラメータのような単一の物理パラメータであってよい。さらに、出力パラメータは、変形試験の結果、FEM分析又は動的車両試験の結果のような、結果として得られるシミュレーションモデルのデータセットを記述してよい。
【0013】
入力パラメータは、シミュレーションノード内でシミュレーションを実行するために必要な情報を記述する。入力パラメータは、例えば、温度、E係数、又は材料パラメータのような単一の物理パラメータであってよい。さらに、入力パラメータは、変形試験の結果、FEM分析の結果、動的車両試験の結果のようなシミュレーションノード内でシミュレーションをシミュレーションするために必要な、データセットに必須の機能又は事前に実行されたシミュレーション結果を記述してよい。
【0014】
方法によれば、入力パラメータがソースパラメータに基づいて原理的に利用可能であるかどうか決定されることができる。例えば、第1シミュレーションでは、必要な入力パラメータがソースノードを形成するデータベース内に格納されることが知られている。別の場合では、ソースパラメータは、入力パラメータの必要な物理ユニットと異なる物理ユニットを含む。したがって、ユニット間の変換が、入力パラメータを提供するべく実行されることができる。さらなる場合では、別のシミュレーション手順では、必要な入力パラメータを形成するソースパラメータは、既に計算及びシミュレーションされていることが知られている。したがって、入力パラメータは、他のシミュレーション手順から取得されることができる。
【0015】
それぞれの情報は、1又は複数のシミュレーションシステム及びデータベースのすべての情報を組み合わせる一般的法則により達成されることができる。しかしながら、本発明のアプローチによると、この一般的法則は、一度だけ実行されなければならない。一度一般的法則を実行した後、ソースノード及びシミュレーションノードの間のすべてのインタラクションは、利用可能である。
【0016】
いくつかのソースノード及びシミュレーションノードの間のすべてのインタラクションは、グローバルオペレーショングラフ内でマッピングされる。したがって、本発明によると、グローバルオペレーショングラフが構築され、システムのシミュレーションの操作手順を記述するソースノード及び第1シミュレーションノードの間のリンクを記述する。具体的には、グローバルオペレーショングラフにより、ソースノード並びに複数のデータベース及びシミュレーションシステムのそれぞれのシミュレーションノードの間の複数のインタラクションがマッピングされることができる。
【0017】
したがって、本発明のさらなる例示的な実施形態によると、シミュレーションシステムは、例えば制御部により、システムのシミュレーションを実行するためにグローバルオペレーショングラフに基づいて制御される。換言すると、グローバルオペレーショングラフは、少なくとも1つのシミュレーションシステムの追加の外部ソースノードとのインタラクションのマップ及び必要な経路を提供する。したがって、システムのシミュレーションのための操作手順の繰り返しの場合、シミュレーションを実行する後続のステップは、グローバルオペレーショングラフの経路に厳密に従うことができる。異なるシミュレーションシステム及びデータソースの間のすべてのインタラクションを再度決定する必要はない。したがって、ハードウェアリソースに対する要件を減らすことができる。これは、より多くのハードウェアリソースを必要とすることなく、より複雑な実際の物理システムがシミュレーションされることができるという効果も有する。したがって、グローバルオペレーショングラフを一度決定することにより、システムのシミュレーションの繰り返しのシミュレーション時間が短縮されることができる。したがって、連続する試験を実装するためのシミュレーション自動化の量の増加を考慮すると、グローバルオペレーショングラフにより機能の自動リンクを要求し、機能試験全体の実行のためのそれらに関連するシミュレーションが規定される。
【0018】
さらなる例示的な実施形態によると、ソースノードは、ソースパラメータを含むデータベースを備える。例えば、複数の材料パラメータは、ソースノードとして機能するデータベース内に格納されてもよい。したがって、入力パラメータが延性又は耐熱性のような特定の材料又は材料特性を特定すべきである場合、例えば第2材料の延性を記述するそれぞれの入力パラメータは、ソースノードのソースパラメータから取得されることができる。このそれぞれのリンクは、グローバルオペレーショングラフ内でマッピングされる。
【0019】
さらなる例示的な実施形態によれば、ソースノードは、ソースノードのソース入力パラメータに基づいてソースパラメータを決定するためのシミュレーション機能を備える。したがって、例えば、シミュレーションの入力パラメータとして使用されることができるソースパラメータは、1又は複数のソース入力パラメータに基づいて計算されることができることが知られている。したがって、ソースノードは、出力パラメータをシミュレーション及び計算するためのソース関数を含んでよい。
【0020】
ソース関数は、それぞれの入力パラメータに基づいて所望の出力パラメータを計算するための複数のサブプログラムツールが格納されるリポジトリユニットから取得されることができる。リポジトリユニット及びそれぞれのサブプログラムツールへのそれぞれのリンクは、グローバルオペレーショングラフ内でマッピングされる。
【0021】
さらなる例示的な実施形態によると、第2シミュレーションシステムが決定される。第2シミュレーションシステムは、第2ソースノードを含む。したがって、例示的な実施形態によって、複数のシミュレーションシステム間のリンクがグローバルオペレーショングラフにマッピングされることができることが記載される。例えば、第2シミュレーションシステムが第2シミュレーションシステムのそれぞれのソースノードにおいて既にそれぞれのソースパラメータを決定している場合、ソースパラメータは、第1シミュレーションシステムのシミュレーションノードに対する入力パラメータとして取得されることができる。このそれぞれのリンクは、グローバルオペレーショングラフ内に格納される。
【0022】
例えば、第1シミュレーションシステムは、車両のBピラーの設計及びシミュレーションを記述し、第2シミュレーションシステムは、動的車両試験を記述する。第2シミュレーションシステムは、例えば、車両のフレームワークの材料を含む車両の包括的車両モデルを既に含む。Bピラーは車両のフレームワークの部品として決定されるから、第2シミュレーションシステムは、既に、Bピラーの材料についての情報を有する。したがって、これらの情報は、既に、第2シミュレーションシステムにおいてBピラーの材料パラメータの情報を含むソースノードにより受信されることができるため、第1シミュレーションシステムでは、Bピラーの材料パラメータを決定する追加のステップを再度実行する必要はない。このリンクは、グローバルオペレーショングラフ内に格納され、それにより、自動停止が提供される。
【0023】
さらなる例示的な実施形態によると、第2ソースノードは、第2シミュレーションシステムの第2シミュレーションノードであり、第2シミュレーションノードは、少なくとも1つの追加の入力パラメータ及び少なくとも1つの追加の出力パラメータを含む。第2シミュレーションノードは、第1のノードの追加の入力パラメータに基づいてソースパラメータを示す追加の出力パラメータを決定するための追加のシミュレーション機能を含む。したがって、第1シミュレーションシステムだけでなく、第2及び/又は追加の緩和システムも、データベース又は他のシミュレーションシステムの他のソースノードから受信されるいくつかのソースパラメータに基づいてそれぞれの追加のパラメータを受信することができるそれぞれのシミュレーションノードを備えてよい。
【0024】
さらなる例示的な実施形態によると、ソースノードのソースパラメータをシミュレーションノードの入力パラメータに変換するために構成される変換ユニットが提供されてよい。したがって、ソースパラメータは、シミュレーションノードのプログラムのプログラムバージョンと異なる異なるプログラムバージョンにより利用可能であることができる。さらに、ソースパラメータは、入力パラメータの単位(例えば、cm、センチメートル)と異なるそれぞれの単位(例えば、フィード)において利用可能であることができる。したがって、変換ユニットは、ソースパラメータを入力パラメータの所望の品質(単位又はプログラムバージョンなど)に変換する。
【0025】
したがって、さらなる例示的な実施形態によると、変換ユニットは、ソースパラメータのフォーマット(単位、通信プロトコル又はプログラムバージョンなど)を入力パラメータの必要なフォーマットに変換することによって、ソースパラメータを入力パラメータに転換する。
【0026】
さらなる例示的な実施形態によると、変換ユニットは、ソースパラメータ及び特に追加のソースパラメータに基づいて入力パラメータを決定するための転換機能を提供する。変換ユニットは、変換動作を実行する中間プログラムツール(例えば、ゲートウェイパターン)を記述する複数の転換機能を含んでよい。このリンクは、グローバルオペレーショングラフ内でマッピングされる。したがって、どの変換プログラムツールが必要で利用可能であるかがマッピングされているから、必要な変換プログラムの選択は、利用可能なソースパラメータ及び所望の入力パラメータに基づいて自動的に実行される。シミュレーションの特定の手順のための新しい変換プログラムをプログラムする必要はない。
【0027】
さらなる例示的な実施形態によると、システム、特にメカトロニックシステムのシミュレーションのための操作手順を生成するシステムが提供され、該システムは上述の方法のステップを実行するように構成されたプロセッサを備える。
【0028】
さらなる例示的な実施形態によると、プログラムがコンピュータにより実行されると、コンピュータに、上述の方法のステップを実行させる命令を備えるコンピュータプログラムプロダクトが提供される。
【0029】
プログラムプロダクトは、例えば、Java(登録商標)、C++のような任意の好適なプログラミング言語におけるコンピュータ可読命令コードとして実装されてよく、コンピュータ可読媒体(リムーバブルディスク、揮発性又は不揮発性メモリ、埋め込メモリ/プロセッサなど)に格納されてよい。命令コードは、対象とする機能を実行するようにコンピュータ又は任意の他のプログラマブルデバイスをプログラムするように動作可能である。プログラムプロダクトは、World Wide Webのようなネットワークから利用可能であってよく、そこからダウンロードされてよい。本発明は、コンピュータプログラムプロダクト又はソフトウェアを用いることによって実現されてよい。しかしながら、本発明は、1又は複数の特定電子回路又はハードウェアを用いることによって実現されてもよい。さらに、本発明は、ハイブリッド形態、すなわち、ソフトウェアモジュール及びハードウェアモジュールの組み合わせにおいて実現されてもよい。
【0030】
要約すると、いつ、それぞれのシミュレーションステップ又は必要なソースパラメータが初めて決定又は計算されるかは既知であるため、グローバルオペレーショングラフを構築することにより、類似又は複数の異なるシミュレーションシステムのシミュレーションステップが一度だけ実行されることができる。従って、システムのシミュレーションの操作手順を最適化するべく、異なるシミュレーションシステムのシミュレーションノードの性能を再スケジュールすることも可能である。したがって、グローバルオペレーショングラフにより、すべての依存性及びすべての実行変換がマッピングされる。後処理アクションとして、グローバルオペレーショングラフ内の順序が最適化されて、計算リソースのより良い使用を提供することができる。
【0031】
本発明のアプローチ、特にグローバルオペレーショングラフの構築は、任意の時に動的に再構成して結果の変化に反応し、ユーザにフィードバックを提供する又はシミュレーションノード及びソースノードの新しい構成並びに試験用セットアップをそれぞれ引き起こすことができるソースノードの異なる入力パラメータセットを自動生成することにより、複雑な試験用セットアップ及び連鎖試験手順のパラメータ試験を可能にする。
【0032】
グローバルオペレーションの設計に起因して、根本的な通信プロトコルを分析することが可能であり、異なるシミュレーションシステム間で好適な通信ゲートウェイの自動生成及び配備を可能にすることができる。通信は1つの信号(ソースパラメータ)の別の信号(入力パラメータ)への変換として解釈されることができるため、グローバルオペレーショングラフは、グラフ内に好適な接続を示して、開始ノード(ソースノード)を目標ノード(シミュレーションノード)に接続し、必要な変換ステップを再構成することができる。したがって、1つの信号(ソースパラメータ)から別の信号(入力パラメータ)への変換のコレクションから、提供された通信ゲートウェイに参加することにより、好適なゲートウェイ(例えば、中間プログラムツール)が自動的に構築されることができる。
【0033】
グローバルオペレーショングラフはメタデータ自体の種類を示すため、後続(シミュレーション)ノードに不足している情報を提供することが可能である。
【0034】
アルゴリズム及びデータ構造を記述する提案されたコンピュータ実装方法は、シミュレーションツール及びそれぞれのハードウェアで構成される接続された試験環境(シミュレーションシステム)に対して使用されることができる。グローバルオペレーショングラフ内でマッピングされたプロセスをインタラクティブ且つ動的に変更、構築、及び実行することにより、車両システムのような複雑なメカトロニックシステムの統合ハードウェアシミュレーションに様々な改良をもたらすことができる。
【0035】
例えば、シミュレーションの結果の信頼性は、オペレーショングラフに基づいて実行された試験の品質をより良く評価することによって向上される。具体的には、グローバルオペレーショングラフによってマッピングされた複雑なパラメータ試験を自動的に生成、評価、及び実行することにより、性能の改良を達成することができる。さらに、複数のシミュレーションシステムのような、例えば、車内のコンポーネントのようなメカトロニックシステムをシミュレーションすることにより接続されたコンポーネントの通信時間は、ハードウェア及びソフトウェア部品の間の通信の構造をトラッキング及び分析することにより向上されることができ、グローバルオペレーショングラフに基づいて自動的に最適化することを可能にする。グローバルオペレーショングラフは、また、ソースノード及びシミュレーションノードの間のいくつかのリンクのマッピングの性質に起因して利用可能なアルゴリズムを記述する。
【0036】
さらに、グローバルオペレーショングラフにより、接続されたハードウェアコンポーネントのソフトウェアに対する複雑な構築、通信、及び配備プロセスの動的なチェーンを可能にすることができる。したがって、グローバルオペレーショングラフにおいて複雑なチェーンをマッピングする複雑なシミュレーションシステムのより高速且つより安全な実行が可能になる。
【0037】
具体的には、グローバルオペレーショングラフによって、それらのノード及びシミュレーションノードの間の情報及びソースパラメータの不足が明らかになる。
【0038】
グローバルオペレーショングラフを異なるシミュレーションサイクルのプロセスグラフモデルとして提供することにより、シミュレーション開発者向けのテンプレートを提供することが可能である。これは、例えば単純なGUI(動的構築シミュレーションの発展の民主化)において容易に充満及び接続されることができる。グローバルオペレーショングラフにより、異なるシミュレーション間の接続が、可視化及び/又はモデル化されることができ、出力が接続されて異なるシミュレーションをチェーンすることができる。プロセスグラフはバージョン管理されてグラフデータベースに格納されることができる。同一の入力及び出力パラメータを用いる変換(すなわち、変換又はソース)ノードが容易に交換されることができるため、グローバルオペレーショングラフの構造はモジュール型であり、異なるシミュレーションシステム及び/又はシミュレーションシステムの新しいシミュレーションステップがグローバルオペレーショングラフに自動的に追加されることができる。
【0039】
さらに、グローバルオペレーショングラフによって、結果、すなわち、シミュレーションノードのパラメータに応じて異なるシミュレーションノードをチェーンするために使用されることができる決定木が提供される。
【0040】
さらに、プロセスグラフモデルの設定では、例えばグローバルオペレーショングラフのマッピングでは、開発者は、ここで、彼らが彼らのローカルマシンで実行するであろう呼び出しを入力して、グローバルオペレーショングラフを自動的に生成ですることができる。これにより、システムのシミュレーションの操作手順を開始し、専門のIT担当者が、グローバルオペレーショングラフの構築及び配備を書き直す必要なく、これらの発展状態をただチェックしてソースパラメータを変更する。すべてのデータ(入力パラメータ、ソースパラメータ)がシミュレーションでチェックされた後、それらは、プロセスグラフユニットによって前に計算されたグローバルオペレーショングラフによって、正しい順序で自動的に引き起こされる。
【0041】
例えば、第1に、CADデータは、製造エンジニア(ソースノード)により提供された入力データを使用する形成シミュレーション(第1シミュレーションシステム)に対して用意されるであろう。次に、例えば、形成プロセス(第1シミュレーションシステム)の事前応力シミュレーション(ソースノード)により、既にシミュレーションされている形成シミュレーションの結果部分は、衝突シミュレーション(第2シミュレーションシステム)で直接使用されることができる。それは、すべての金属部品(他の形成シミュレーションのいくつかのソースノードによって提供される)が収集された後に開始する。
【0042】
本発明の実施形態は、異なる主題を参照して説明されていることに留意しなければならない。特に、いくつかの実施形態はデバイスタイプの請求項を参照して説明されたが、他の実施形態は方法タイプの請求項を参照して説明された。しかしながら、当業者は、上記および以下の説明から、他の通知がない限り、あるタイプの主題に属する特徴の任意の組み合わせに加えて、異なる主題に関連する特徴間の任意の組み合わせ、特にデバイスタイプの請求項の特徴と方法タイプの請求項の特徴との間の任意の組み合わせも、本出願で開示されているとみなされる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
本発明の上記で定義された態様および追加の態様は、以下で説明される実施形態の例から明らかであり、実施形態の例を参照して説明される。本発明は、実施形態の例を参照して以下により詳細に説明されるが、本発明はそれらに限定されない。
【0044】
【
図1】本発明の例示によるシステムをシミュレーションするための操作手順を生成するコンピュータ実装方法の概略図を示す。
【0045】
【
図2】本発明の例示的な実施形態による変換ユニット及びシミュレーション機能を示すコンピュータ実装方法の概略図を示す。
【0046】
【
図3】本発明の例示的な実施形態による複数のシミュレーションシステム及びソースノードを示すコンピュータ実装方法の概略図を示す。
【0047】
【
図4】本発明の例示的な実施形態によるシステムをシミュレーションする全体的手順の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0048】
図面における図示は、概略図である。異なる図面における類似又は一致の要素には同一の参照符号が提供されていることに留意されたい。
【0049】
図1は、本発明の例示によるシステムをシミュレーションするための操作手順を生成するコンピュータ実装方法の概略図を示す。
【0050】
少なくとも1つのソースパラメータPsを備えるソースノード101が決定される。さらに、少なくとも1つの第1シミュレーションノード111を含む(少なくとも1つの)第1シミュレーションシステム110が決定され、第1シミュレーションノード111は少なくとも1つの入力パラメータPi及び少なくとも1つの出力(目標)パラメータPaを含む。第1シミュレーションノード111は、第1のノードの入力パラメータPiに基づいて出力パラメータPaを決定するためのシミュレーション機能を含む。方法によれば、さらに、入力パラメータPiがソースパラメータPsに基づいて利用可能であるかどうか決定される。入力パラメータPiがソースパラメータPsに基づいて利用可能である場合、システムのシミュレーションの操作手順を記述するために、ソースノード101及び第1シミュレーションノード111の間のリンクを記述するグローバルオペレーショングラフ102が構築される。
【0051】
図1に示される例示的な実施形態では、第1シミュレーションシステム110は、例えば、例えば車ドアのような機械部品のシミュレーションを記述する。第1に、幾何学CADデータ112が提供される。CADデータ112に基づいて、(例えば、入力CADデータに基づいて有限要素メッシュを自動的に確立することにより)機械部品のシミュレーションモデルが構築113される。機械部品の材料パラメータ114とともに、初期シミュレーションモデル115が定義される。この初期シミュレーションモデル115は、FEMシミュレーションノード111への入力パラメータPiを意味する。次に、(例えば、FEM)シミュレーション111が実行される。
【0052】
初期シミュレーションモデル115は、シミュレーションノード111内で(例えば、FEM)シミュレーションを実行するのに必要な第1入力パラメータPiを提供する。さらに、機械部品の材料の応力特性のような追加の入力パラメータPiは、
図1の例示的な実施形態ではデータベースであってよいソースノード101から導出されなければならない。他の必要な入力パラメータPiとともに、シミュレーションノード111のシミュレーションが実行されてよい。機械部品の形成されたシミュレーションモデル116(FEMシミュレーション及び機械部品の更新された応力特性についてのすべての情報を含む)のような達成された出力パラメータPa又はシミュレーション結果は、概して、後続の後処理手順117に提供されることができる。
【0053】
入力パラメータPiがソースパラメータPsに基づいて原理的に利用可能であるかどうか決定されることができる。例えば、第1シミュレーションシステム110では、機械部品の材料の応力特性のような1つの必要な入力パラメータPiがソースノード101を形成するデータベース内に格納されることが知られている。例えば、複数の材料パラメータは、ソースノード101として機能するデータベース内に格納されてもよい。したがって、入力パラメータPiが材料の応力特性、延性又は耐熱性のような特定の材料又は材料特性を特定すべきである場合、例えば材料の延性を記述するそれぞれの入力パラメータPiは、ソースノード101のソースパラメータPsから取得されることができる。このそれぞれのリンクは、
図1から理解されることができるように、グローバルオペレーショングラフ102内でマッピングされる。
【0054】
それぞれの情報は、1又は複数のシミュレーションシステム110及びデータベースのすべての情報を組み合わせる一般的法則により達成されることができる。しかしながら、本発明のアプローチによると、この一般的法則は、一度だけ実行されなければならない。一度一般的法則を実行した後、ソースノード101及びシミュレーションノード110の間のすべてのインタラクションは、利用可能であり、グローバルオペレーショングラフ102内でマッピングされる。したがって、グローバルオペレーショングラフ102が構築され、システムのシミュレーションの操作手順を記述するソースノード101及び第1シミュレーションノード111の間のリンクを記述する。具体的には、グローバルオペレーショングラフ102により、ソースノード101並びに複数のデータベース及びシミュレーションシステムのそれぞれのシミュレーションノード111の間の複数のインタラクションがマッピングされることができる。
【0055】
図1から理解されることができるように、グローバルオペレーショングラフ102は、複数のシミュレーションノード111及びソースノード101をそれらの依存性及びインタラクションとともに示す。したがって、シミュレーションされるシステムのシミュレーションを実行することにより、グローバルオペレーショングラフ102を通る経路をたどることができ、それにより、1つのノードを他の後に実行する手順及びスケジュールについての命令を明確にする。
【0056】
図2は、本発明の例示的な実施形態による変換ユニット(シミュレーション機能)201を示すコンピュータ実装方法の概略図を示す。ソースノード101は、ソースノード101のソース入力パラメータPsiに基づいてソースパラメータPsを決定するためのシミュレーション機能201を含む。したがって、例えば、シミュレーションノード111の入力パラメータPiとして使用されることができるソースパラメータPsは、1又は複数のソース入力パラメータPsiに基づいて計算されることができることが知られている。したがって、ソースノード101は、出力パラメータPsをシミュレーション及び計算するためのソース関数201を含んでよい。
【0057】
ソース関数201は、それぞれのソース入力パラメータPsiに基づいて所望の出力パラメータを計算するための複数のサブプログラムツールが格納されるリポジトリユニット又は機能ソース202から取得されることができる。リポジトリユニット202及びそれぞれのサブプログラムツールへのそれぞれのリンクは、グローバルオペレーショングラフ102内でマッピングされる。さらに、機能ソース202に基づいて、それぞれのシミュレーション機能が構築203されてよい。
【0058】
さらに、ソースパラメータPsは、第1シミュレーションノード111の必要な入力パラメータPiについての情報を含んでよい、又はソースパラメータPsに基づいて入力パラメータPiがどのように決定されることができるかについての情報を少なくとも送達してよい。例えば、入力パラメータPiを実現するべく、出力パラメータPsに基づくいくつかの中間計算及びシミュレーションが実行されることができる。
【0059】
さらに、ソースノード101のソースパラメータPsをシミュレーションノード111の入力パラメータPiに変換するために構成される変換ユニット201が提供されてよい。例えば、変換ユニット201は、ソースパラメータのフォーマット(単位又はプログラムバージョンなど)を入力パラメータの必要なフォーマットに変換することによって、ソースパラメータPsを入力パラメータPiに転換する。
【0060】
さらなる例示的な実施形態によると、変換ユニット201は、ソースパラメータPs及び特に追加のソースパラメータPsに基づいて入力パラメータPiを決定するための転換機能を提供する。変換ユニット201は、機能ソースユニット202内に格納される中間プログラムツール(例えば、ゲートウェイパターン)を記述する複数の転換機能を含んでよく、中間プログラムツールは変換動作を実行する。このリンクは、グローバルオペレーショングラフ102内でマッピングされる。したがって、どの変換プログラムツールが必要で利用可能であるかがマッピングされているから、必要な変換プログラムの選択は、利用可能なソースパラメータPs及び所望の入力パラメータPiに基づいて自動的に実行される。シミュレーションの特定の手順のための新しい変換プログラムをプログラムする必要はない。
【0061】
図3は、本発明の例示的な実施形態による複数のシミュレーションシステム110、320及びソースノード101を示すコンピュータ実装方法の概略図を示す。
【0062】
図3に示される例示的な実施形態では、第2シミュレーションシステム320がさらに決定される。第2シミュレーションシステム320は、例えば、構造車両モデル302のFEMシミュレーションを記述し、車両には、車両ドアのような機械部品が組み込まれる。機械部品は、例えば、第1シミュレーションシステム110でシミュレーションされる。第2シミュレーションシステム320によると、構造車両モデル302のデータ及びそれぞれの材料パラメータ301が提供される。次に、構造車両モデルのシミュレーションモデル303が生成される。次に、追加の入力パラメータPiが必要であるシミュレーションノード321では、FEMシミュレーションが実行される。
【0063】
シミュレーションノード321は、車両の適応されたシミュレーションモデル303から入力パラメータPiを受信する。さらに、追加の入力パラメータPiが、それぞれのソースパラメータPsを提供するソースノード201から取得される。
【0064】
ソースノード101は、例えば、変換ユニット201、
図2に示されるようなシミュレーション機能又は
図1に示されるようなデータベースを提供してもよい。出力パラメータPaに基づく入力パラメータPiの基礎は、FEMシミュレーションノード321において決定される。出力パラメータPaに基づいて、車両の形成されたシミュレーションモデル304がアクセスされることができる。次に、追加の後処理ステップ305が、実行されることができる。
【0065】
さらに、変換ユニット201は、第1シミュレーションシステム110のシミュレーションノード111に対する入力パラメータPiとして必要である特定のソースパラメータPsを提供してもよい。
【0066】
さらに、第2シミュレーションシステム320は、追加のソースノード301、データマイニング、例えば、特定の材料パラメータを含んでよい。追加のソースノード301は、第1シミュレーションシステム110の追加のシミュレーションノード又は追加のデータソース114における入力パラメータPiとして使用されてよいソースパラメータPsを提供してよい。したがって、材料パラメータ301は既に第2シミュレーションシステム320に対して収集及び決定されているから、材料パラメータ114を再度収集及び決定する必要はない。
【0067】
さらに、第1シミュレーションシステム110及び第2シミュレーションシステム320は、同時に実行されてよい。
図3から理解されることができるように、第2シミュレーションシステム320は、ソースノード201に対してソース入力パラメータPsiを提供する。上述のとおり、ソースノード201は、第1シミュレーションシステム110のシミュレーションノード111に対してそれぞれのソースパラメータPs(Pi)を決定する。さらに、シミュレーションノード111は、いくつかの出力パラメータPaによって定義されるシミュレーションモデル116を決定する。シミュレーションモデル116から及び/又はシミュレーションノード111から、それぞれ、第2シミュレーションシステム320のシミュレーションノード321の入力パラメータとして機能する追加のソースパラメータPsが取得されることができる。したがって、両方のシミュレーションシステム110、320のそれぞれの依存性及び協調シミュレーションが提供され、グローバルオペレーショングラフ102にマッピングされる。
【0068】
換言すると、一方のシミュレーションシステム110、320は、他方のシミュレーションシステム320、110に対するそれぞれのソースノード111、116、201、321を含む。したがって、必要なソースパラメータPs,Psiの双方向交換が提供されることができる。
【0069】
さらに、第1シミュレーションシステム110及び第2シミュレーションシステム320は同時に動作してよく、必要なソースパラメータPs,Psiの交換が、シミュレーションシステム110、320のそれぞれの同時ランタイム中に提供される。例えば、シミュレーションモデル116の結果が特定の材料パラメータの強度が低すぎると示す場合、パラメータの値「シミュレーション部品(例えば、車のBピラー)の厚さ」が増加され、例えば第1シミュレーションシステム110においてシミュレーションされるBピラーを含む車のようなメカトロニックシステム全体をシミュレーションした第2シミュレーションノード321において、それぞれ、ソースパラメータPs及び入力パラメータPiとして使用されることができる。しかしながら、第2シミュレーションノード321及び形成されたシミュレーションモデル304の結果が、それぞれ、第1シミュレーションシステム110においてシミュレーションされた部品の増加された厚さに起因して、全体の重み要件が一致しないことを示す場合、重み情報を記述するそれぞれのソース入力パラメータPsiがソースノード101のシミュレーション機能201に与えられる。シミュレーション機能201では、プログラムツールは、例えば、それぞれの重み特性が満たされることができるソースパラメータ「Bピラーに対する材料の種類」又は再度パラメータ「厚さ」を補正することにより、重みを補正してよい。この補正されたソースパラメータPsは、入力パラメータPiとして再度、追加のシミュレーションモデル116をシミュレーションするべく第1シミュレーションノード111に与えられる。再度、補正された追加のシミュレーションモデル116は、再度、第2シミュレーションノード321において入力パラメータPiとして使用される。
【0070】
したがって、両方のシミュレーションシステム110、320は、各シミュレーションモデル116、304が、第1及び第2シミュレーションシステム110、320の各シミュレーションモデルに対して決定されたそのそれぞれ要件を満たすまで、同時に動作する。
【0071】
複数のシミュレーションシステム110、320間のリンクは、グローバルオペレーショングラフ102内でマッピングされる。例えば、第2シミュレーションシステム320が第2シミュレーションシステム320のそれぞれのソースノード301において既にそれぞれのソースパラメータPsを決定している場合、ソースパラメータPsは、第1シミュレーションシステム110のシミュレーションノードに対する入力パラメータPiとして取得されることができる。このそれぞれのリンクは、グローバルオペレーショングラフ102内で格納される。
【0072】
図4は、本発明の例示的な実施形態によるシステムをシミュレーションする全体的手順の概略図を示す。
【0073】
まず、それぞれのシミュレーション110、320、430が決定される。例えば、第1シミュレーションシステム110は車両のBピラーのシミュレーションを記述し、第2シミュレーションシステム320は完全車両のシミュレーションを記述し、第3シミュレーションシステム430は、例えば、車両の衝突シミュレーションを記述する。次に、初期プロセス分析ステップでは、シミュレーションシステム110、320、430間及びいくつかのソースノード101間のすべてのインタラクション及びリンクが決定される。それぞれのインタラクション及びリンクが、グローバルオペレーショングラフ102内でマッピングされる。
【0074】
次に、すべてのシミュレーションシステム110、320、430を含むシステムのシミュレーションは、例えば制御部401により、システムのシミュレーションを実行するためにグローバルオペレーショングラフ102に基づいて制御される。それぞれのシミュレーションシステム110、320、430は、例えば、異なる場所に配置され、ネットワークを介して制御部401に接続されるクライアントコンピュータであってよい別個のシミュレーションユニット402で実行されることができる。グローバルオペレーショングラフ102は、シミュレーションシステム110、320、430の間及び追加の外部ソースノード101とのインタラクションのマップ及び必要な経路を提供する。制御部401は、グローバルオペレーショングラフ102に基づいてシミュレーションユニット402を制御してよい。したがって、システムのシミュレーションのための操作手順の繰り返しの場合、シミュレーションを実行する後続のステップは、グローバルオペレーショングラフ102の経路に厳密に従うことができる。異なるシミュレーションシステム110、320、430及びソースノード101の間のすべてのインタラクションを再度決定する必要はない。
【0075】
用語「備える(comprising)」は、他の要素又はステップを除外しない、また「a」又は「an」は複数を除外しないことに留意されたい。また、異なる実施形態に関連して説明される要素が組み合わされてもよい。特許請求の範囲における参照符号が、特許請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきではないことにも留意されたい。
【符号の説明】
【0076】
101 ソースノード
102 グローバルオペレーショングラフ
110 第1シミュレーションシステム
111 第1シミュレーションノード
112 幾何学CADデータ
113 機械部品のシミュレーションモデルが構築
114 材料パラメータ
115 初期シミュレーションモデル
116 形成されたシミュレーションモデル
117 後処理手順
201 シミュレーション機能
202 機能ソース
203 シミュレーション機能が構築
320 第2シミュレーションシステム
301 追加のソースノード
材料パラメータ
302 構造車両モデル
303 適応されたシミュレーションモデル
304 形成されたシミュレーションモデル
305 後処理ステップ
321 第2シミュレーションノード
401 制御部
402 シミュレーションユニット
430 第3シミュレーションシステム
Ps ソースパラメータ
Psi ソース入力パラメータ
Pi 入力パラメータ
Pa 出力パラメータ