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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-25
(45)【発行日】2022-08-02
(54)【発明の名称】部品実装装置および部品供給装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/02 20060101AFI20220726BHJP
   H05K 13/08 20060101ALI20220726BHJP
【FI】
H05K13/02 B
H05K13/08 A
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2017222595
(22)【出願日】2017-11-20
(65)【公開番号】P2019096664
(43)【公開日】2019-06-20
【審査請求日】2020-06-29
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】大畑 利彦
【審査官】中田 誠二郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-353693(JP,A)
【文献】特開2014-204058(JP,A)
【文献】特開2009-283525(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00-13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
テープを送って前記テープに保持された部品を供給する部品供給装置と、
前記部品供給装置から供給される前記部品を基板に実装する実装ヘッドと、
前記部品の特性に基づいて、前記テープの送り動作に関するパラメータを決定する制御部と、
前記部品の特性を測定する特性測定部と、を備え、
前記特性測定部は、前記部品の磁性の有無を測定する磁性測定部を含み、
前記制御部は、前記磁性測定部により測定した前記部品の特性としての磁性の有無に基づいて、前記テープの送り動作に関するパラメータを決定するとともに、前記部品の特性としての磁性の有無を判定し、磁性を有する前記部品の場合に、前記テープの送りを速やかにするようにパラメータを決定し、磁性を有さない前記部品の場合に、前記テープの送りを磁性を有する前記部品の場合よりも緩やかにするようにパラメータを決定するように構成されている、部品実装装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記部品の特性に基づいて、前記テープの送り動作に関するパラメータとして、前記テープを送る速度と、前記テープの加速度とのうち少なくとも1つを決定するように構成されている、請求項1に記載の部品実装装置。
【請求項3】
前記部品の特性を記憶する記憶部をさらに備え、
前記制御部は、測定により取得した前記部品の特性としての前記磁性の有無を前記記憶部に記憶するとともに、前記記憶部に記憶された前記部品の特性としての前記磁性の有無に基づいて、前記テープの送り動作に関するパラメータを決定するように構成されている、請求項1または2に記載の部品実装装置。
【請求項4】
前記磁性測定部は、前記実装ヘッド、複数の前記実装ヘッドが配置されたヘッドユニット、前記テープの搬送路の下方、側方または上方に設けられている、請求項1~のいずれか1項に記載の部品実装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、部品実装装置および部品供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、部品供給装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、部品を保持したテープを送るテープ送り部と、テープの部品を検出するセンサと、部品の検出結果に基づいて、テープ送り部によるテープの送り動作を制御する制御部とを備える部品供給装置が開示されている。この特許文献1の部品供給装置では、制御部は、センサによる部品の検出結果に基づいて、テープの最初の部品を頭出しするようにテープ送り部の送り動作を制御するように構成されている。なお、特許文献1には、部品を保持するテープの送り動作に関する速度などのパラメータの制御については記載されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-127218号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1の部品供給装置では、部品を保持するテープの送り動作に関する速度などのパラメータについては、記載されていないものの、テープに収納された部品の移動(暴れ)を抑制して、部品の吸着精度が悪化するのを抑制するために、一律の速度によりテープを送るものと考えられる。このため、部品の移動(暴れ)が少ないテープまたは部品の場合でも速く送ることができないという不都合がある。その結果、部品を保持するテープの送り動作に関するパラメータを適切に設定して、適切にテープを送ることが困難であるという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、部品を保持するテープの送り動作に関するパラメータを適切に設定して、適切にテープを送ることが可能な部品実装装置および部品供給装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の第1の局面による部品実装装置は、テープを送ってテープに保持された部品を供給する部品供給装置と、部品供給装置から供給される部品を基板に実装する実装ヘッドと、部品の特性に基づいて、テープの送り動作に関するパラメータを決定する制御部と、部品の特性を測定する特性測定部と、を備え、特性測定部は、部品の磁性の有無を測定する磁性測定部を含み、制御部は、磁性測定部により測定した部品の特性としての磁性の有無に基づいて、テープの送り動作に関するパラメータを決定するとともに、部品の特性としての磁性の有無を判定し、磁性を有する部品の場合に、テープの送りを速やかにするようにパラメータを決定し、磁性を有さない部品の場合に、テープの送りを磁性を有する部品の場合よりも緩やかにするようにパラメータを決定するように構成されている
【0008】
この発明の第1の局面による部品実装装置では、上記のように構成することにより、部品またはテープの特性に基づいて、テープに収納された部品が移動し(暴れ)やすい場合には、テープの送りを緩やかにする(たとえば、緩やかに加減速する)パラメータを設定することができる。また、部品またはテープの特性に基づいて、テープに収納された部品が移動し(暴れ)にくい場合には、テープの送りを速やかにする(たとえば、速やかに加減速する)パラメータを設定することができる。これにより、部品を保持するテープの送り動作に関するパラメータを適切に設定して、適切にテープを送ることができる。その結果、特定のテープまたは部品について、部品を速やかに、かつ、安定して供給位置に供給することができる。
【0009】
上記第1の局面による部品実装装置において、好ましくは、制御部は、部品の特性に基づいて、テープの送り動作に関するパラメータとして、テープを送る速度と、テープの加速度とのうち少なくとも1つを決定するように構成されている。このように構成すれば、部品の特性に基づいて、テープに収納された部品の移動(暴れ)の程度を考慮して、パラメータとして、テープを送る速度、または、テープの加速度を最適化することができる。たとえば、テープを送る速度、または、テープの加速度をパラメータとして決定する場合、特定のテープまたは部品について、テープの送りを速やかにすることができるので、テープの送り動作の時間を短縮することができる
【0010】
上記第1の局面による部品実装装置では、部品の特性を測定する特性測定部をさらに備え、制御部は、特性測定部の測定により取得した部品の特性に基づいて、テープの送り動作に関するパラメータを決定するように構成されている。これにより、ユーザが部品の特性を入力する必要がないので、ユーザの作業負担が増大するのを抑制することができる。
【0011】
上記第1の局面による部品実装装置では、特性測定部は、部品の磁性の有無を測定する磁性測定部を含み、制御部は、磁性測定部により測定した部品の磁性の有無に基づいて、テープの送り動作に関するパラメータを決定するように構成されている。これにより、磁性を有する部品は、磁力を作用させることにより、部品の移動(暴れ)を抑制することができるので、磁性の有無を判断して、磁性を有する部品のテープの送りを速やかにするパラメータを設定することができる。その結果、磁性を有する部品の供給を速やかに行うことができる。また、磁性を有さない部品の場合、テープの送りを緩やかにするパラメータを設定することにより、部品の移動(暴れ)を抑制することができる。これにより、部品の吸着精度が悪化するのを抑制することができる。
【0012】
他の局面による部品実装装置は、特性測定部は、テープを撮像可能な撮像部を含み、制御部は、撮像部により撮像した画像に基づいて、テープの材質を判定し、判定したテープの材質に基づいて、テープの送り動作に関するパラメータを決定するように構成されている。このように構成すれば、たとえば、紙のテープは、部品を収容する収納部と部品との隙間が小さいので、部品の移動(暴れ)が抑制されやすい。これにより、テープの材質を判断して、たとえば、紙のテープの送りを速やかにするパラメータを設定することができる。これにより、紙のテープの送り動作の時間を短縮することができる。また、プラスチックのテープは、部品を収容する収納部と部品との隙間が比較的大きいので、部品が移動し(暴れ)やすい。これにより、テープの材質を判断して、たとえば、プラスチックのテープの送りを緩やかにするパラメータを設定することができる。これにより、部品の吸着精度が悪化するのを抑制することができる。
【0015】
上記第1の局面による部品実装装置において、好ましくは、部品の特性を記憶する記憶部をさらに備え、制御部は、測定により取得した部品の特性としての磁性の有無を記憶部に記憶するとともに、記憶部に記憶された部品の特性としての磁性の有無に基づいて、テープの送り動作に関するパラメータを決定するように構成されている。このように構成すれば、記憶部に記憶された情報に基づいて、部品の特性を容易に取得することができる。
【0016】
また、測定済みの種類の部品の特性の測定を行う必要が無いので、測定動作の時間が増大するのを抑制することができる。
【0017】
記第1の局面による部品実装装置において、好ましくは、磁性測定部は、実装ヘッド、複数の実装ヘッドが配置されたヘッドユニット、テープの搬送路の下方、側方または上方に設けられている。
【0018】
の局面による部品供給装置は、部品を保持したテープを送るテープ送り部と、部品の特性に基づいて、テープ送り部によるテープの送り動作に関するパラメータを決定する制御部とを備える。
【0019】
の局面による部品供給装置では、上記のように構成することにより、部品の特性に基づいて、テープに収納された部品が移動し(暴れ)やすい場合には、テープの送りを緩やかにするパラメータを設定することができる。また、部品の特性に基づいて、テープに収納された部品が移動し(暴れ)にくい場合には、テープの送りを速やかにするパラメータを設定することができる。これにより、部品を保持するテープの送り動作に関するパラメータを適切に設定して、適切にテープを送ることが可能な部品供給装置を提供することができる。その結果、特定のテープまたは部品について、部品を速やかに、かつ、安定して供給位置に供給することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、上記のように、部品を保持するテープの送り動作に関するパラメータを適切に設定して、適切にテープを送ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態による部品実装装置の全体構成を示した図である。
図2】本発明の一実施形態による部品供給装置の概略を示した図である。
図3】本発明の一実施形態による部品供給装置の部品取出し位置周辺を示した図である。
図4】本発明の一実施形態による開放部の概略を示した図である。
図5】本発明の一実施形態による磁性測定部の第1例を示した図である。
図6】本発明の一実施形態による磁性測定部の第2例を示した図である。
図7】本発明の一実施形態による基板認識カメラによるテープの撮像を説明するための図である。
図8】本発明の一実施形態による部品供給装置のパラメータの一例を説明するための図である。
図9】本発明の一実施形態による部品実装装置の制御部による磁性データ送信処理を説明するためのフローチャートである。
図10】本発明の一実施形態による部品供給装置の制御部によるパラメータ決定処理を説明するためのフローチャートである。
図11】本発明の一実施形態による部品実装装置の制御部によるテープデータ送信処理を説明するためのフローチャートである。
図12】本発明の一実施形態による部品供給装置の制御部によるパラメータ決定処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
(部品実装装置の構成)
図1を参照して、本発明の実施形態による部品実装装置100の構成について説明する。
【0024】
図1に示すように、部品実装装置100は、一対のコンベア2により基板PをX方向に搬送し、実装作業位置Mにおいて基板Pに部品31を実装する部品実装装置である。
【0025】
部品実装装置100は、基台1と、一対のコンベア2と、部品供給部3と、ヘッドユニット4と、支持部5と、一対のレール部6と、部品認識撮像部7と、制御部8とを備えている。
【0026】
一対のコンベア2は、基台1上に設置され、基板PをX方向に搬送するように構成されている。また、一対のコンベア2には、搬送中の基板Pを実装作業位置Mで停止させた状態で保持する保持機構が設けられている。また、一対のコンベア2は、基板Pの寸法に合わせてY方向の間隔を調整可能に構成されている。
【0027】
部品供給部3は、一対のコンベア2の外側(Y1側およびY2側)に配置されている。また、部品供給部3には、複数のテープフィーダ10が配置されている。部品供給部3の複数のテープフィーダ10は、それぞれ、後述する実装ヘッド42に対して部品31を供給するように構成されている。なお、テープフィーダ10は、特許請求の範囲の「部品供給装置」の一例である。
【0028】
テープフィーダ10は、図2に示すように、複数の部品31を所定の間隔を隔てて保持したテープ32が巻き付けられたリール33を保持している。テープフィーダ10は、テープ32を送ってテープ32に保持された部品31を供給するように構成されている。つまり、テープフィーダ10は、部品31を保持するテープ32を送出することによりリール33を回転させて、テープフィーダ10のY方向の先端から部品31を供給するように構成されている。ここで、部品31は、IC、トランジスタ、コンデンサおよび抵抗などの電子部品を含む。なお、テープフィーダ10の詳細な説明については、後述する。
【0029】
図1に示すように、ヘッドユニット4は、一対のコンベア2および部品供給部3の上方位置に配置されており、ノズル41が下端に取り付けられた複数(5つ)の実装ヘッド42と、基板認識カメラ43とを含んでいる。なお、基板認識カメラ43は、特許請求の範囲の「撮像部」および「特性測定部」の一例である。
【0030】
実装ヘッド42は、テープフィーダ10から供給される部品31を基板Pに実装するように構成されている。具体的には、実装ヘッド42は、部品供給部3により供給される部品31を吸着して、実装作業位置Mに配置された基板Pに対して吸着した部品31を装着するように構成されている。また、実装ヘッド42は、昇降可能(Z方向に移動可能)に構成されている。また、実装ヘッド42は、負圧発生機(図示せず)によりノズル41の先端部に発生された負圧によって、テープフィーダ10から供給される部品31を吸着して保持し、基板Pにおける実装位置に部品31を装着(実装)するように構成されている。
【0031】
基板認識カメラ43は、基板Pの位置および姿勢を認識するために、基板PのフィデューシャルマークFを撮像するように構成されている。そして、フィデューシャルマークFの位置を撮像して認識することにより、基板Pにおける部品31の実装位置を正確に取得することが可能である。また、基板認識カメラ43は、テープフィーダ10により送られるテープ32の上面を撮像することが可能に構成されている。具体的には、基板認識カメラ43は、テープフィーダ10の部品取出し位置142(図2参照)におけるテープ32を撮像可能に構成されている。
【0032】
支持部5は、モータ51を含んでいる。支持部5は、モータ51を駆動させることにより、支持部5に沿ってヘッドユニット4をX方向に移動させるように構成されている。支持部5は、両端部が一対のレール部6により支持されている。
【0033】
一対のレール部6は、基台1上に固定されている。X1側のレール部6は、モータ61を含んでいる。レール部6は、モータ61を駆動させることにより、支持部5を一対のレール部6に沿ってX方向と直交するY方向に移動させるように構成されている。ヘッドユニット4が支持部5に沿ってX方向に移動可能であるとともに、支持部5がレール部6に沿ってY方向に移動可能であることによって、ヘッドユニット4は水平方向(XY方向)に移動可能である。
【0034】
部品認識撮像部7は、基台1の上面上に固定されている。部品認識撮像部7は、一対のコンベア2の外側(Y1側およびY2側)に配置されている。部品認識撮像部7は、部品31の実装に先立って部品31の吸着状態(吸着姿勢)を認識するために、実装ヘッド42のノズル41に吸着された部品31を下側(Z2側)から撮像するように構成されている。これにより、実装ヘッド42のノズル41に吸着された部品31の吸着状態を制御部8により取得することが可能である。
【0035】
制御部8は、CPUを含んでいる。また、制御部8は、記憶部81を含んでいる。制御部8は、一対のコンベア2による基板Pの搬送動作、ヘッドユニット4による実装動作、部品認識撮像部7および基板認識カメラ43による撮像動作などの部品実装装置100の全体の動作を制御するように構成されている。また、制御部8は、テープフィーダ10の制御部11(図2参照)と通信可能に構成されている。制御部8は、複数のテープフィーダ10の各々の制御部11と連携して、実装動作を制御するように構成されている。記憶部81は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)および記憶装置などを含む。記憶装置は、たとえば、ハードディスクドライブや半導体記憶装置などである。記憶部81には、実装動作のプログラム、実装に関するデータなどが記憶される。また、記憶部81には、部品31またはテープ32の特性が記憶される。
【0036】
(テープフィーダの構成)
図2図8を参照して、本発明の実施形態によるテープフィーダ10の構成について説明する。
【0037】
図2に示すように、テープフィーダ10は、制御部11と、周縁にテープ送り用の歯を等間隔に備えたスプロケット12a、12bおよび12cと、モータ13aおよび13bと、テープ押さえ部材14とを備えている。テープ押さえ部材14には、開放部141と、部品取出し位置142が設けられている。また、テープ押さえ部材14には、磁石16(図3参照)が設けられている。テープフィーダ10は、自動でテープ32をローディング可能なフィーダである。
【0038】
テープ32は、図4および図6に示すように、キャリアテープ321と、カバーテープ322とを含む。キャリアテープ321には、部品31が収納された収納部321aと、スプロケット12a~12cに係合する係合穴とが設けられている。収納部321aは、部品31のサイズよりも大きい空間を有している。収納部321aの上方は、カバーテープ322により覆われている。これにより、部品供給前に収納部321aから部品31が出るのを防止することが可能である。部品供給時には、カバーテープ322が切り開かれて、収納部321aの上方が露出される。これにより、部品取出し位置142において、部品31を収納部321aから実装ヘッド42により取り出すことが可能である。
【0039】
制御部11は、テープフィーダ10の駆動を制御するように構成されている。具体的には、制御部11は、モータ13a、モータ13bの駆動を制御して、テープ32の送り動作を制御するように構成されている。制御部11は、制御回路を有する基板を含む。また、制御部11は、テープフィーダ10に設けられたセンサ(図示せず)によるテープ32の検知結果に基づいて、テープ32の送り動作を制御するように構成されている。また、制御部11は、モータ13aおよび13bを、テープ32の送り動作に関するパラメータに基づいて駆動制御するように構成されている。具体的には、制御部11は、テープ32の送り動作に関するパラメータとして、テープ32を送る速度と、テープ32の加速度と、テープ32の停止位置とのうち少なくとも1つに基づいて、モータ13aおよび13bの駆動を制御するように構成されている。
【0040】
スプロケット12aおよび12bは、モータ13aにより連動して駆動される。スプロケット12cは、モータ13bにより駆動される。スプロケット12a、12b、12c、モータ13aおよび13bは、テープ32を送るテープ送り部を構成する。スプロケット12a、12bおよび12cは、テープ32の係合穴に係合して、テープ32をテープ送り方向Aに沿って送るように構成されている。
【0041】
スプロケット12aは、テープ送り方向Aにおいて、開放部141の下流側に設けられている。スプロケット12bは、テープ送り方向Aにおいて、開放部141の上流側で、かつ、押圧部15の下流側に設けられている。スプロケット12cは、テープ送り方向Aにおいて、押圧部15の上流側に設けられている。スプロケット12cは、テープフィーダ10のテープ32の入口側に設けられている。
【0042】
スプロケット12aおよび12bは、ベルトにより接続されており、同期して回転されるように構成されている。スプロケット12aおよび12bは、テープ32の搬送路の下方に設けられている。スプロケット12cは、テープ32の搬送路の上方に設けられている。モータ13aおよび13bは、制御部11により駆動が制御されて、駆動されるように構成されている。
【0043】
テープ押さえ部材14は、テープ32を上方から押さえるとともに、テープ送り方向Aに沿ってガイドするように構成されている。また、テープ押さえ部材14は、部品取出し位置142を含むテープ送り方向Aにおける下流領域に配置されている。テープ押さえ部材14により、テープ32の搬送路の上下方向の大きさを必要最小限にすることができるので、テープ送り方向Aにおける下流領域において、テープ32が上下にぶれるのを抑制することができる。
【0044】
開放部141は、カバーテープ322による収納部321aの覆いを解除して、収納部321aの上方を開放するように構成されている。開放部141は、図4に示すように、カッター141aと、カバーテープガイド141bとを含んでいる。カッター141aは、刃先をキャリアテープ321とカバーテープ322との間に挿入させてカバーテープ322を切断するように構成されている。つまり、カッター141aは、テープ32の移動に伴って、カバーテープ322を順次切り開くように構成されている。カバーテープガイド141bは、切り開かれたカバーテープ322をX方向の両側に押し広げるように構成されている。つまり、カバーテープガイド141bは、テープ32の移動に伴って、カバーテープ322を順次幅方向(X方向)に開け広げるように構成されている。
【0045】
部品取出し位置142は、テープ押さえ部材14のテープ送り方向Aにおける下流部分に設けられている。具体的には、部品取出し位置142は、テープ送り方向Aにおいて、開放部141よりも下流側に設けられている。部品取出し位置142には、上下方向(Z方向)に貫通する矩形形状の穴が設けられている。これにより、収納部321aに収納された部品31の上方が開放され、実装ヘッド42により部品31を取り出すことが可能となる。
【0046】
また、テープフィーダ10には、図3に示すように、磁石16が設けられている。磁石16は、テープ押さえ部材14の下方に設けられている。具体的には、磁石16は、テープ送り方向Aにおいて、開放部141から部品取出し位置142にかけてテープ通路に設けられている。磁石16は、部品31が収納部321a内において移動しないよう、および、部品31が収納部321aから飛び出さないように、磁性を有する部品31を磁力により引き付けるように構成されている。つまり、開放部141により、収納部321aの上方が開放された後、部品取出し位置142において部品31が取り出されるまでの間に、テープ32の移動に伴って、部品31が移動する(暴れる)のを、磁石16により抑制される。磁石16は、永久磁石を含む。
【0047】
ここで、本実施形態では、制御部8および11は、部品31またはテープ32の特性に基づいて、テープ32の送り動作に関するパラメータを決定するように構成されている。具体的には、部品実装装置100の制御部8により、部品31の特性データ、または、テープ32の特性データを取得する。そして、部品31の特性データまたはテープ32の特性データが、制御部8から制御部11に送信される。テープフィーダ10の制御部11は、受信した部品31の特性データまたはテープ32の特性データに基づいて、テープ32の送り動作に関するパラメータを決定するように構成されている。
【0048】
また、制御部8および11は、部品31またはテープ32の特性に基づいて、テープ32の送り動作に関するパラメータとして、テープ32を送る速度と、テープ32の加速度と、テープ32の停止位置とのうち少なくとも1つを決定するように構成されている。たとえば、制御部8および11は、図8に示すように、パラメータとして、テープ32の加速度を決定する。パラメータは、図8の例では、複数のうちから1つが選択されて決定される。テープ32の停止位置のパラメータは、部品31が収納部321a内において移動しやすい場合は、移動量を考慮して、停止位置をセンターから移動させるパラメータである。
【0049】
部品31の特性は、特性測定部により測定される。制御部8および11は、特性測定部の測定により取得した部品31またはテープ32の特性に基づいて、テープ32の送り動作に関するパラメータを決定するように構成されている。特性測定部は、部品31の磁性の有無を測定するセンサ15a(図5参照)またはセンサ15b(図6参照)を含んでいる。なお、磁性の有無は、たとえば、フェライト磁石程度の磁力により、引き付けられるか否かが閾値とされる。
【0050】
図5の例に示すように、センサ15aは、実装ヘッド42に設けられている。センサ15aは、部品取出し位置142において、部品31に近接させることにより、部品31の磁性の有無を測定する。センサ15aは、実装ヘッド42にノズル41の代わりに取り付けられる。センサ15aは、使用しない場合は、複数種類のノズル41が載置されるノズルステーション(図示せず)などに載置されている。図6の例に示すように、センサ15bは、テープフィーダ10に設けられている。センサ15bは、テープ32の搬送路において、部品31に近接することにより、部品31の磁性の有無を測定する。センサ15bは、テープ32の搬送路の下方に設けられている。センサ15aまたは15bは、テープフィーダ10がセットされた場合、または、テープ32がセットされた場合に、測定が行われる。つまり、最初の部品31において、磁性が測定される。なお、センサ15aおよび15bは、特許請求の範囲の「磁性測定部」および「特性測定部」の一例である。
【0051】
制御部8および11は、センサ15aまたは15bにより測定した部品31の磁性の有無に基づいて、テープ32の送り動作に関するパラメータを決定するように構成されている。具体的には、制御部8および11は、磁性を有する部品31の場合、テープ32の送り動作に関するパラメータとしてのテープ32の加速度が大きくなるように決定する。制御部8および11は、磁性を有さない部品31の場合、テープ32の送り動作に関するパラメータとしてのテープ32の加速度が、磁性を有する部品31の場合よりも小さくなるように決定する。
【0052】
図7に示すように、特性測定部は、テープ32を撮像可能な基板認識カメラ43を含んでいる。基板認識カメラ43は、ヘッドユニット4に設けられている。また、基板認識カメラ43は、真上からテープ32を撮像するように構成されている。制御部8および11は、基板認識カメラ43により撮像した画像に基づいて、テープ32の材質を判定し、判定したテープ32の材質に基づいて、テープ32の送り動作に関するパラメータを決定するように構成されている。具体的には、制御部8および11は、テープ32の材質が紙の場合、テープ32の送り動作に関するパラメータとしてのテープ32の加速度が大きくなるように決定する。制御部8および11は、テープ32の材質がプラスチックの場合、テープ32の送り動作に関するパラメータとしてのテープ32の加速度が、紙のテープ32の場合よりも小さくなるように決定する。ここで、一般的に、紙のテープ32の収納部321aと部品31との隙間は、プラスチックのテープ32の収納部321aと部品31との隙間よりも小さい。つまり、紙のテープ32の方が、収納部321a内において、部品31が移動し(暴れ)にくい。また、紙のテープ32は、白く映り、プラスチックのテープ32は、黒く映る。制御部8は、撮像した画像でのテープの色に基づいて、テープ32の色が白ければ紙のテープ32と判断し、テープ32の色が黒ければプラスチックのテープ32と判断する。
【0053】
また、特性測定部は、テープ32の、収納部321aと部品31とのクリアランス(隙間)を撮像可能な基板認識カメラ43を含んでいる。制御部8および11は、基板認識カメラ43により撮像した画像に基づいて、テープ32の部品31を収容する収納部321aと部品31との隙間を算出し、算出した隙間に基づいて、テープ32の送り動作に関するパラメータを決定するように構成されている。具体的には、制御部8および11は、テープ32の収納部321aと部品31との隙間が所定の閾値以下の場合、テープ32の送り動作に関するパラメータとしてのテープ32の加速度が大きくなるように決定する。制御部8および11は、テープ32の収納部321aと部品31との隙間が所定の閾値よりも大きい場合、テープ32の送り動作に関するパラメータとしてのテープ32の加速度が、隙間が閾値以下の場合よりも小さくなるように決定する。なお、隙間の閾値は、寸法により設定されていてもよいし、収納部321aの寸法との比率により設定されていてもよい。
【0054】
図8に示すように、パラメータA1(A2)の場合、加速度の絶対値の上限が大きく設定される。つまり、加速時の加速度(正の値)が大きく設定され、減速時の加速度(負の値)が小さく設定される。また、パラメータA1(A2)では、速度が大きくなる。パラメータA1(A2)によりテープ32を送った場合、テープ32を送る時間は、t1となる。パラメータB1(B2)の場合、加速度の絶対値の上限が、パラメータA1(A2)よりも小さく設定される。また、パラメータB1(B2)では、パラメータA1(A2)よりも速度が小さくなる。パラメータB1(B2)によりテープ32を送った場合、テープ32を送る時間は、t1よりも大きいt2となる。パラメータC1(C2)の場合、加速度の絶対値の上限が、パラメータB1(B2)よりも小さく設定される。また、パラメータC1(C2)では、パラメータB1(B2)よりも速度が小さくなる。パラメータC1(C2)によりテープ32を送った場合、テープ32を送る時間は、t2よりも大きいt3となる。また、制御部11は、パラメータに応じて、モータ13aおよび13bに供給する電力の値を制御するように構成されている。また、たとえば、パラメータA1(A2)は、加速度が100%に設定され、パラメータB1(B2)は、加速度が80%に設定され、パラメータC1(C2)は、加速度が60%に設定される。
【0055】
制御部8および11は、記憶部81に記憶された部品31またはテープ32の特性に基づいて、テープ32の送り動作に関するパラメータを決定するように構成されている。また、制御部8は、測定により取得した部品31またはテープ32の特性を記憶部81に記憶するように構成されている。つまり、制御部8は、部品31またはテープ32の特性を測定またはデータから取得し、取得した部品31またはテープ32の特性を、記憶部81に記憶して、利用するように構成されている。制御部8は、記憶部81に、対応する部品31またはテープ32の特性が記憶されていれば、記憶されている情報を用いて、テープ32の送り動作に関するパラメータを決定する。制御部8および11は、テープフィーダ10に紐付られた部品データ(部品パラメータ)に、部品31またはテープ32の特性を保存するように構成されている。これにより、テープフィーダ10とリール部品との関係を解除したり、新しい部品31のリール33を付け替えるまでこの情報を流用することが可能である。
【0056】
また、制御部8および11は、実装ヘッド42による部品31の過去の吸着率に基づいて、テープ32の送り動作に関するパラメータを決定するように構成されている。たとえば、制御部8は、所定の実装数毎や所定の時間毎に、過去の吸着率を参照する。そして、制御部8は、吸着率が高い場合、テープ32の送り動作に関するパラメータを、テープ32を速やかに送るように変更する。また、制御部8は、吸着率が低い場合、テープ32の送り動作に関するパラメータを、テープ32を緩やかに送るように変更する。
【0057】
(磁性データ送信処理)
次に、図9を参照して、部品実装装置100の制御部8による磁性データ送信処理についてフローチャートに基づいて説明する。
【0058】
図9のステップS1において、記憶部81に磁性データが有るか否かが判断される。磁性データが無ければ、ステップS2に進み、磁性データが有れば、ステップS5に進む。ステップS2において、磁力測定が行われる。具体的には、センサ15aまたは15bにより、部品31の磁性の有無が測定される。
【0059】
ステップS3において、磁性の判定が行われる。つまり、測定した部品31に磁性が有るか否かが判定される。ステップS4において、判定した磁性のデータが記憶部81に保存される。その後、ステップS5に進む。
【0060】
ステップS5において、磁性データがテープフィーダ10の制御部11に送信される。その後、磁性データ送信処理が終了される。
【0061】
(パラメータ決定処理)
次に、図10を参照して、テープフィーダ10の制御部11によるパラメータ決定処理についてフローチャートに基づいて説明する。
【0062】
図10のステップS11において、磁性データを受信したか否かを判断する。つまり、部品実装装置100の制御部8から磁性データを受信したか否かを判断する。磁性データを受信しなければ、ステップS12に進み、磁性データを受信すれば、ステップS13に進む。ステップS12において、パラメータを変更しない。つまり、磁性データが更新されて制御部8から制御部11に送信されないかぎり、パラメータが維持される。その後、パラメータ決定処理が終了される。
【0063】
ステップS13において、磁性データに基づいて、部品31に磁性が有るか否かが判断される。部品31に磁性があれば、ステップS14に進み、部品31に磁性が無ければ、ステップS15に進む。ステップS14において、パラメータA1が選択される。その後、パラメータ決定処理が終了される。ステップS15において、パラメータB1が選択される。その後、パラメータ決定処理が終了される。
【0064】
(テープデータ送信処理)
次に、図11を参照して、部品実装装置100の制御部8によるテープデータ送信処理についてフローチャートに基づいて説明する。
【0065】
図11のステップS21において、記憶部81にテープデータが有るか否かが判断される。テープデータが無ければ、ステップS22に進み、テープデータが有れば、ステップS25に進む。ステップS22において、テープ32が撮像される。具体的には、基板認識カメラ43により、テープ32の上面が撮像される。
【0066】
ステップS23において、テープ32の色、部品名称に基づいて、テープ32の種類の判定が行われる。つまり、撮像したテープ32の材質が紙かプラスチックかが判定される。あるいは、撮像した部品31の名称(種類)が判定される。ステップS24において、判定したテープ32の種類のデータが記憶部81に保存される。その後、ステップS25に進む。
【0067】
ステップS25において、テープ32の種類のデータがテープフィーダ10の制御部11に送信される。その後、テープデータ送信処理が終了される。
【0068】
(パラメータ決定処理)
次に、図12を参照して、テープフィーダ10の制御部11によるパラメータ決定処理についてフローチャートに基づいて説明する。
【0069】
図12のステップS31において、テープデータを受信したか否かを判断する。つまり、部品実装装置100の制御部8からテープデータを受信したか否かを判断する。テープデータを受信しなければ、ステップS32に進み、テープデータを受信すれば、ステップS33に進む。ステップS32において、パラメータを変更しない。つまり、テープデータが更新されて制御部8から制御部11に送信されないかぎり、パラメータが維持される。その後、パラメータ決定処理が終了される。
【0070】
ステップS33において、テープデータに基づいて、テープ32の種類が判断される。テープ32の種類が紙であれば、ステップS34に進み、テープ32の種類がプラスチックであれば、ステップS35に進む。ステップS34において、パラメータA2が選択される。その後、パラメータ決定処理が終了される。ステップS35において、パラメータB2が選択される。その後、パラメータ決定処理が終了される。
【0071】
(実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0072】
本実施形態では、上記のように、部品31またはテープ32の特性に基づいて、テープ32の送り動作に関するパラメータを決定する制御部8および11を設ける。これにより、部品31またはテープ32の特性に基づいて、テープ32に収納された部品31が移動し(暴れ)やすい場合には、テープ32の送りを緩やかにするパラメータを設定することができる。また、部品31またはテープ32の特性に基づいて、テープ32に収納された部品31が移動し(暴れ)にくい場合には、テープ32の送りを速やかにするパラメータを設定することができる。これにより、部品31を保持するテープ32の送り動作に関するパラメータを適切に設定して、適切にテープ32を送ることができる。その結果、特定のテープ32または部品31について、部品31を速やかに、かつ、安定して供給位置に供給することができる。
【0073】
また、本実施形態では、上記のように、制御部8および11を、部品31またはテープ32の特性に基づいて、テープ32の送り動作に関するパラメータとして、テープ32を送る速度と、テープ32の加速度と、テープ32の停止位置とのうち少なくとも1つを決定するように構成する。これにより、部品31またはテープ32の特性に基づいて、テープ32に収納された部品31の移動(暴れ)の程度を考慮して、パラメータとして、テープ32を送る速度、テープ32の加速度、または、テープ32の停止位置を最適化することができる。テープ32を送る速度、または、テープ32の加速度をパラメータとして決定する場合、特定のテープ32または部品31について、テープ32の送りを速やかにすることができるので、テープ32の送り動作の時間を短縮することができる。また、テープ32の停止位置をパラメータとして決定する場合、テープ32の送り動作による部品31の移動を考慮して、テープ32に収納された部品31を部品取り出し位置に安定して供給することができる。これにより、部品31を適切な位置に停止させることができるので、安定して部品31を供給することができる。
【0074】
また、本実施形態では、上記のように、部品31の磁性の有無を測定するセンサ15aまたは15bを設け、制御部8および11を、センサ15aまたは15bにより測定した部品31の磁性の有無に基づいて、テープ32の送り動作に関するパラメータを決定するように構成する。これにより、磁性を有する部品31は、磁力を作用させることにより、部品31の移動(暴れ)を抑制することができるので、磁性の有無を判断して、磁性を有する部品31のテープ32の送りを速やかにするパラメータを設定することができる。その結果、磁性を有する部品31の供給を速やかに行うことができる。また、磁性を有さない部品31の場合、テープ32の送りを緩やかにするパラメータを設定することにより、部品31の移動(暴れ)を抑制することができる。これにより、部品31の吸着精度が悪化するのを抑制することができる。
【0075】
また、本実施形態では、上記のように、テープ32を撮像可能な基板認識カメラ43を設け、制御部8および11を、基板認識カメラ43により撮像した画像に基づいて、テープ32の材質を判定し、判定したテープ32の材質に基づいて、テープ32の送り動作に関するパラメータを決定するように構成する。ここで、紙のテープ32は、部品31を収容する収納部321aと部品31との隙間が小さいので、部品31の移動(暴れ)が抑制されやすい。テープ32の材質を判断して、紙のテープ32の送りを速やかにするパラメータを設定することができる。これにより、紙のテープ32の送り動作の時間を短縮することができる。また、プラスチックのテープ32は、部品31を収容する収納部321aと部品31との隙間が比較的大きいので、部品31が移動し(暴れ)やすい。これにより、テープ32の材質を判断して、プラスチックのテープ32の送りを緩やかにするパラメータを設定することができる。これにより、部品31の吸着精度が悪化するのを抑制することができる。
【0076】
また、本実施形態では、上記のように、制御部8および11を、基板認識カメラ43により撮像した画像に基づいて、テープ32の部品31を収容する収納部321aと部品31との隙間を算出し、算出した隙間に基づいて、テープ32の送り動作に関するパラメータを決定するように構成する。これにより、隙間が小さい場合には、部品31の移動(暴れ)が抑制されるので、収納部321aと部品31との隙間を判断して、隙間の小さい部品31を収容するテープ32の送りを速やかにするパラメータを設定することができる。これにより、テープ32の送り動作の時間を短縮することができる。また、隙間が大きい場合は、テープ32の送りを緩やかにするパラメータを設定することにより、部品31の移動(暴れ)を抑制することができる。これにより、部品31の吸着精度が悪化するのを抑制することができる。
【0077】
また、本実施形態では、上記のように、部品31またはテープ32の特性を記憶する記憶部81を設け、制御部8および11を、記憶部81に記憶された部品31またはテープ32の特性に基づいて、テープ32の送り動作に関するパラメータを決定するように構成する。これにより、記憶部81に記憶された情報に基づいて、部品31またはテープ32の特性を容易に取得することができる。
【0078】
また、本実施形態では、上記のように、制御部8を、測定により取得した部品31またはテープ32の特性を記憶部81に記憶するように構成する。これにより、測定済みの種類の部品31またはテープ32の特性の測定を行う必要が無いので、測定動作の時間が増大するのを抑制することができる。
【0079】
また、本実施形態では、上記のように、制御部8および11を、実装ヘッド42による部品31の過去の吸着率に基づいて、テープ32の送り動作に関するパラメータを決定するように構成する。これにより、吸着率が高い部品31のテープ32の送りを速やかにするパラメータに設定することができるので、部品31の吸着精度が悪化するのを抑制しつつ、テープ32の送り動作の時間を効果的に短縮することができる。また、吸着率が低い部品31のテープ32の送りを緩やかにするパラメータに設定することができるので、部品31の吸着精度を改善することができる。
【0080】
(変形例)
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0081】
たとえば、上記実施形態では、部品実装装置の制御部により部品またはテープの特性を測定する制御を行い、テープフィーダ(部品供給装置)の制御部によりテープの送り動作に関するパラメータを決定する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、部品実装装置の制御部によりテープの送り動作に関するパラメータを決定してもよい。また、部品供給装置の制御部により部品またはテープの特性を測定する制御を行ってもよい。
【0082】
たとえば、部品実装装置の制御部によりテープの送り動作に関するパラメータを決定して、決定したパラメータを部品供給装置に送信してもよい。
【0083】
また、上記実施形態では、部品供給装置が自動ローディングに対応している構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、部品供給装置が自動ローディングに対応していなくてもよい。
【0084】
また、上記実施形態では、磁性の有無を測定するセンサ(磁性測定部)が実装ヘッドに取り付けられる構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、磁性測定部を実装ヘッドが配置されるヘッドユニットに直接取り付けてもよい。
【0085】
また、上記実施形態では、磁性の有無を測定するセンサ(磁性測定部)がテープの搬送路の下方に設けられている構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、磁性測定部をテープの搬送路の側方や上方に設けてもよい。たとえば、磁性測定部を、部品取り出し位置より上流の搬送路の下方または上方、あるいは、部品供給装置のテープ入り口付近に配置してもよい。
【0086】
また、上記実施形態では、基板認識カメラ(撮像部)により真上からテープを撮像する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、基板の高さ位置を測定する斜め方向に撮像を行う撮像部により、テープを斜め上方から撮像する構成であってもよい。
【0087】
また、上記実施形態では、部品供給位置にテープフィーダ(部品供給装置)が配置される構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、部品供給位置に部品供給装置に加えて部品を載置したトレイなどを配置してもよい。
【0088】
また、上記実施形態では、開放部によりカバーテープを切り開く構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、開放部によりカバーテープをキャリアテープから剥がして、収納部の上方を開放するようにしてもよい。
【0089】
また、上記実施形態では、説明の便宜上、制御部の制御処理を、処理フローに沿って順番に処理を行うフロー駆動型のフローチャートを用いて説明した例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部の制御処理を、イベント単位で処理を実行するイベント駆動型(イベントドリブン型)の処理により行ってもよい。この場合、完全なイベント駆動型で行ってもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行ってもよい。
【符号の説明】
【0090】
4 ヘッドユニット
8 制御部
11 制御部
10 テープフィーダ(部品供給装置)
15a、15b センサ(磁性測定部、特性測定部)
31 部品
32 テープ
42 実装ヘッド
43 基板認識カメラ(撮像部、特性測定部)
81 記憶部
100 部品実装装置
321a 収納部
P 基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12