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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-25
(45)【発行日】2022-08-02
(54)【発明の名称】運動補助装置
(51)【国際特許分類】
   A61H 3/00 20060101AFI20220726BHJP
   A61F 2/62 20060101ALI20220726BHJP
   A61F 2/66 20060101ALI20220726BHJP
【FI】
A61H3/00 B
A61F2/62
A61F2/66
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2018133935
(22)【出願日】2018-07-17
(65)【公開番号】P2019093108
(43)【公開日】2019-06-20
【審査請求日】2020-11-24
(31)【優先権主張番号】10-2017-0155862
(32)【優先日】2017-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】金 廷 勳
(72)【発明者】
【氏名】崔 ▲ひょん▼ ▲ど▼
(72)【発明者】
【氏名】盧 世 坤
(72)【発明者】
【氏名】沈 榮 輔
(72)【発明者】
【氏名】李 ▲みん▼ 炯
(72)【発明者】
【氏名】李 演 白
(72)【発明者】
【氏名】李 鍾 源
【審査官】佐藤 智弥
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/067229(WO,A1)
【文献】特開2009-240488(JP,A)
【文献】特開2010-110381(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 3/00
A61F 2/62
A61F 2/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの近位部分を支持するための近位支持部と、
前記近位支持部に対してそれぞれ並進運動できる第1駆動リンク及び第2駆動リンクであって、前記第1駆動リンク及び前記第2駆動リンクは互いに異なる速度で並進運動を行う、第1駆動リンク及び第2駆動リンクと、
第1端部及び第2端部を備え、長さが変更され得る支持リンクであって、前記第1端部は前記第1駆動リンクと回転自在に連結され、前記第2端部は前記第2駆動リンクと回転自在に連結される、支持リンクと、
前記支持リンクに連結されてユーザの遠位部分を支持するための遠位支持部と、
前記近位支持部に備えられる第1回転軸を中心に回転自在であり、前記第1駆動リンク及び前記第2駆動リンクのそれぞれに回転自在に連結されるカップリングリンクと、
前記近位支持部に備えられる第2回転軸を中心に回転自在であり、前記第2駆動リンクそれぞれに回転自在に連結される連結リンクであって、前記第2回転軸は前記第1回転軸と互いに異なる、連結リンクと、
を含む運動補助装置。
【請求項2】
前記支持リンクは、前記近位支持部に対して並進運動及び回転運動を同時に行う、請求項1に記載の運動補助装置。
【請求項3】
前記支持リンクは、前記ユーザの遠位部分及び近位部分を連結する前記ユーザの関節にある遠隔回転中心又は前記遠隔回転中心の近くを中心に回転自在である、請求項1又は2に記載の運動補助装置。
【請求項4】
前記支持リンクの長さが増加する場合、前記支持リンクから前記遠隔回転中心までの距離は増加し、
前記支持リンクの長さが減少する場合、前記支持リンクから前記遠隔回転中心までの距離は減少する、請求項3に記載の運動補助装置。
【請求項5】
前記支持リンクは、
前記第1駆動リンクと回転自在に連結される第1サブ支持リンクと、
前記第2駆動リンクと回転自在に連結される第2サブ支持リンクと、を含み、
前記支持リンクは、前記第1サブ支持リンクと前記第2サブ支持リンクとの間の設定距離を調整できる、請求項4に記載の運動補助装置。
【請求項6】
前記第1サブ支持リンクは、前記設定距離を調整するために、前記第2サブ支持リンクに沿って摺動自在であり、
前記支持リンクは、前記設定距離で前記第1サブ支持リンク及び前記第2サブ支持リンクを固定させるための固定具をさらに含む、請求項5に記載の運動補助装置。
【請求項7】
前記支持リンクは、前記設定距離で前記第1サブ支持リンク及び前記第2サブ支持リンクを固定させるために、前記第1サブ支持リンク及び前記第2サブ支持リンクのそれぞれに螺合するターンバックルをさらに含む、請求項5に記載の運動補助装置。
【請求項8】
前記カップリングリンク及び前記連結リンクは前記第2駆動リンクに連結され、前記カップリングリンク及び前記連結リンクは平行に配置される、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の運動補助装置。
【請求項9】
前記近位支持部は前記ユーザの向こう脛を支持し、
前記遠位支持部は前記ユーザの足を支持し、
前記遠位支持部は前記支持リンクと回転自在に連結され、
前記支持リンクは、前記ユーザが前記運動補助装置を取り付けた状態を基準にして前記ユーザの前方にある、請求項1乃至のいずれか1項に記載の運動補助装置。
【請求項10】
ユーザの近位部分を支持するための近位支持部と、
前記近位支持部に対してそれぞれ並進運動できる第1駆動リンク及び第2駆動リンクであって、前記第1駆動リンク及び前記第2駆動リンクは互いに異なる速度で並進運動を行う、第1駆動リンク及び第2駆動リンクと、
前記第1駆動リンク及び前記第2駆動リンクにそれぞれ回転自在に連結される支持リンクと、
前記支持リンクに連結されてユーザの遠位部分を支持するための遠位支持部と、
前記近位支持部上に備えられる第1回転軸を中心に回転自在であり、前記第1駆動リンク及び前記第2駆動リンクのそれぞれに回転自在に連結され、長さが変更され得るカップリングリンクと、
を含む運動補助装置。
【請求項11】
前記第1駆動リンクは前記カップリングリンクの第1部分に連結され、
前記第2駆動リンクは前記カップリングリンクの第2部分に連結され、
前記カップリングリンクの長さが変更されるとき、前記第1部分と前記第2部分との間の距離は調整される、請求項10に記載の運動補助装置。
【請求項12】
前記支持リンクは、前記近位支持部に対して並進運動及び回転運動を同時に行う、請求項10又は11に記載の運動補助装置。
【請求項13】
前記支持リンクは、前記ユーザの遠位部分及び近位部分を連結する前記ユーザの関節にある遠隔回転中心又は前記遠隔回転中心の近くを中心に回転自在である、請求項10乃至12のいずれか1項に記載の運動補助装置。
【請求項14】
前記カップリングリンクの長さが増加する場合、前記支持リンクから前記遠隔回転中心までの距離は減少し、
前記カップリングリンクの長さが減少する場合、前記支持リンクから前記遠隔回転中心までの距離は増加する、請求項13に記載の運動補助装置。
【請求項15】
前記カップリングリンクは、
前記第1回転軸に回転自在に連結される第1サブカップリングリンクと、
前記第1駆動リンクと回転自在に連結され、前記第1サブカップリングリンクに対して相対的に移動可能な第2サブカップリングリンクと、
を含む、請求項10乃至14のいずれか1項に記載の運動補助装置。
【請求項16】
前記近位支持部上に備えられる第2回転軸を中心に回転自在な連結リンクをさらに含み、
前記第2回転軸は前記第1回転軸と異なり、
前記連結リンクは前記第2駆動リンクと回転自在に連結され、
前記連結リンク及び前記カップリングリンクは互いに平行である、請求項10乃至15のいずれか1項に記載の運動補助装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の説明は運動補助装置に関する。
【背景技術】
【0002】
高齢化社会が進むにつれて、関節に問題が発生し、これに対する痛みや不便を訴える人が増加しており、関節が不自由な老人や患者の歩行を補助する運動補助装置に対する関心が高まっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一態様によれば、運動補助装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一実施形態に係る運動補助装置は、ユーザの近位部分を支持するための近位支持部と、前記近位支持部に対してそれぞれ並進運動できる第1駆動リンク及び第2駆動リンクであって、前記第1駆動リンク及び第2駆動リンクは互いに異なる速度で並進運動を行う、第1駆動リンク及び第2駆動リンクと、第1端部及び第2端部を備え、長さが変更され得る支持リンクであって、前記第1端部は前記第1駆動リンクと回転自在に連結され、前記第2端部は前記第2駆動リンクと回転自在に連結される、支持リンクと、前記支持リンクに連結されてユーザの遠位部分を支持するための遠位支持部とを含む。
【0005】
前記支持リンクは、前記近位支持部に対して並進運動及び回転運動を同時に行う。
【0006】
前記支持リンクは、前記ユーザの遠位部分及び近位部分を連結する前記ユーザの関節にある遠隔回転中心(RCM)又は前記遠隔回転中心(RCM)の近辺を中心に回転自在であり得る。
【0007】
前記支持リンクの長さが増加する場合、前記支持リンクから前記遠隔回転中心までの距離は増加し、前記支持リンクの長さが減少する場合、前記支持リンクから前記遠隔回転中心までの距離は減少し得る。
【0008】
前記支持リンクは、前記第1駆動リンクと回転自在に連結される第1サブ支持リンクと、前記第2駆動リンクと回転自在に連結される第2サブ支持リンクと、を含み、前記支持リンクは、前記第1サブ支持リンクと前記第2サブ支持リンクとの間の設定距離を調整し得る。
【0009】
前記第1サブ支持リンクは、前記設定距離を調整するために、前記第2サブ支持リンクに沿って摺動自在であり、前記支持リンクは、前記設定距離で前記第1サブ支持リンク及び前記第2サブ支持リンクを固定させるための固定具をさらに含み得る。
【0010】
前記支持リンクは、前記設定距離で前記第1サブ支持リンク及び前記第2サブ支持リンクを固定させるために、前記第1サブ支持リンク及び前記第2サブ支持リンクのそれぞれに螺合するターンバックルをさらに含み得る。
【0011】
前記近位支持部に備えられる第1回転軸を中心に回転自在であり、前記第1駆動リンク及び前記第2駆動リンクのそれぞれに回転自在に連結されるカップリングリンクと、前記近位支持部に備えられる第2回転軸を中心に回転自在であり、前記第2駆動リンクそれぞれに回転自在に連結される連結リンクであって、前記第2回転軸は前記第1回転軸と互いに異なる、連結リンクとをさらに含み得る。
【0012】
前記カップリングリンク及び前記連結リンクは前記第2駆動リンクに連結され、前記カップリングリンク及び前記連結リンクは平行に配置され得る。
【0013】
前記近位支持部は前記ユーザの向こう脛を支持し、前記遠位支持部は前記ユーザの足を支持し、前記遠位支持部は前記支持リンクと回転自在に連結され、前記支持リンクは、前記ユーザが前記運動補助装置を取り付けた状態を基準にして前記ユーザの前方にあり得る。
【0014】
一実施形態にかかる運動補助装置は、ユーザの近位部分を支持するための近位支持部と、前記近位支持部に対してそれぞれ並進運動できる第1駆動リンク及び第2駆動リンクであって、前記第1駆動リンク及び第2駆動リンクは互いに異なる速度で並進運動を行う、第1駆動リンク及び第2駆動リンクと、前記第1駆動リンク及び第2駆動リンクにそれぞれ回転自在に連結される支持リンクと、前記支持リンクに連結されてユーザの遠位部分を支持するための遠位支持部と、前記近位支持部上に備えられる第1回転軸を中心に回転自在であり、前記第1駆動リンク及び第2駆動リンクのそれぞれに回転自在に連結され、長さが変更され得るカップリングリンクとを含む。
【0015】
前記第1駆動リンクは前記カップリングリンクの第1部分に連結され、前記第2駆動リンクは前記カップリングリンクの第2部分に連結され、前記カップリングリンクの長さが変更されるとき、前記第1部分と前記第2部分との間の距離は調整し得る。
【0016】
前記支持リンクは、前記近位支持部に対して並進運動及び回転運動を同時に行う。
【0017】
前記支持リンクは、前記ユーザの遠位部分及び近位部分を連結する前記ユーザの関節にある遠隔回転中心(RCM)又は前記遠隔回転中心(RCM)の近辺を中心に回転自在であり得る。
【0018】
前記カップリングリンクの長さが増加する場合、前記支持リンクから前記遠隔回転中心までの距離は減少し、前記カップリングリンクの長さが減少する場合、前記支持リンクから前記遠隔回転中心までの距離は増加し得る。
【0019】
前記カップリングリンクは、前記第1回転軸に回転自在に連結される第1サブカップリングリンクと、前記第1駆動リンクと回転自在に連結され、前記第1サブカップリングリンクに対して相対的に移動可能な第2サブカップリングリンクとを含み得る。
【0020】
前記近位支持部上に備えられる第2回転軸を中心に回転自在な連結リンクをさらに含み、前記第2回転軸は前記第1回転軸と異なり、前記連結リンクは前記第2駆動リンクと回転自在に連結され、前記連結リンク及び前記カップリングリンクは互いに平行であり得る。
【0021】
一実施形態に係る運動補助装置は、ユーザの近位部分を支持するための近位支持部と、前記ユーザの遠位部分を支持するための遠位支持部と、前記遠位支持部に連結される支持リンクと、前記支持リンクの一端部に回転自在に連結され、前記近位支持部に対して並進運動できる第1駆動リンクと、前記支持リンクの他端部に回転自在に連結され、前記近位支持部に対して並進運動できる第2駆動リンクであって、前記第2駆動リンクは、前記第1駆動リンクの並進運動よりも遅い速度で並進運動を行う、第2駆動リンクとを含み、前記第1駆動リンク及び前記第2駆動リンクのうち少なくとも1つの駆動リンクは長さが変更され得る。
【0022】
前記支持リンクは、前記近位支持部に対して並進運動及び回転運動を同時に行う。
【0023】
前記第1駆動リンクの長さが減少する及び/又は前記第2駆動リンクの長さが増加する場合、前記遠位支持部及び前記近位支持部がなしている最小角度が減少し、前記第1駆動リンクの長さが増加する及び/又は前記第2駆動リンクの長さが減少する場合、前記遠位支持部及び前記近位支持部がなしている最小角度が増加し得る。
【0024】
前記少なくとも1つの駆動リンクは、前記支持リンクの一端部に回転自在に連結される第1サブ駆動リンクと、前記第1駆動リンク及び前記第2駆動リンクのうち少なくとも1つの駆動リンクそれぞれの長さを変更させるために、前記第1サブ駆動リンクに沿って摺動自在な第2サブ駆動リンクと、前記第1駆動リンク及び前記第2駆動リンクのうち少なくとも1つの駆動リンクそれぞれの長さを設定するために、前記第1サブ駆動リンク及び前記第2サブ駆動リンクを固定可能な固定具を含み得る。
【0025】
前記少なくとも1つの駆動リンクは、前記支持リンクの一端部に回転自在に連結される第1サブ駆動リンクと、前記第1駆動リンク及び前記第2駆動リンクのうち少なくとも1つの駆動リンクそれぞれの長さを変更させるために、前記第1サブ駆動リンクに対して相対的に移動可能な第2サブ駆動リンクと、前記第1駆動リンク及び前記第2駆動リンクのうち少なくとも1つの駆動リンクそれぞれの長さを設定するために、前記第1サブ駆動リンク及び前記第2サブ駆動リンクそれぞれに螺合するターンバックルとを含み得る。
【0026】
前記近位支持部に備えられる第1回転軸を中心に回転自在であり、前記第1駆動リンク及び前記第2駆動リンクそれぞれに回転自在に連結されるカップリングリンクと、
前記近位支持部に備えられる第2回転軸を中心に回転自在であり、前記第2駆動リンクそれぞれに回転自在に連結される連結リンクであって、前記第2回転軸は前記第1回転軸と互いに異なる、連結リンクとをさらに含み得る。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、運動補助装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】一実施形態に係る運動補助装置の斜視図である。
図2】一実施形態に係る運動補助装置の正面図である。
図3】一実施形態に係る運動補助装置をユーザが取り付けた形状を示す側面図である。
図4】一実施形態に係る運動補助装置を取り付けたユーザが底屈した状態を示す側面図である。
図5】一実施形態に係る運動補助装置を取り付けたユーザが背屈した状態を示す側面図である。
図6】一実施形態に係るリンクを示す側面図である。
図7】一実施形態に係るリンクの長さが増加した形状を示す側面である。
図8】一実施形態に係るカップリングリンクを示す斜視図である。
図9】一実施形態に係るカップリングリンクの長さが増加した形状を示す斜視図である。
図10】一実施形態に係る第1駆動リンクを示す斜視図である。
図11】一実施形態に係る第1駆動リンクの長さが増加した形状を示す斜視図である。
図12A】直立状態で足と向こう脛との間の角度が90度である人の足首関節の可動範囲を例示的に示す図である。
図12B】直立状態で足と向こう脛との間の角度が80度である人の足首関節の可動範囲を例示的に示す図である。
図12C】直立状態で足と向こう脛との間の角度が100度である人の足首関節の可動範囲を例示的に示す図である。
図13】一実施形態に係る運動補助装置を概略的に示す正面図及び側面図である。
図14】一実施形態に係る運動補助装置がユーザの底屈を補助する方向に駆動した状態を概略的に示す正面図及び側面図である。
図15】一実施形態に係る運動補助装置がユーザの底屈を補助する方向に駆動した状態を概略的に示す正面図及び側面図である。
図16】一実施形態に係るリンクの長さが変わる形状を概念的に示す図である。
図17】一実施形態に係るリンクの長さが増加した状態で、運動補助装置が作動する形状を概念的に示す図である。
図18】一実施形態に係るリンクの長さが減少した状態で、運動補助装置が作動する形状を概念的に示す図である。
図19】一実施形態に係るカップリングリンクの長さが変わる形状を概念的に示す図である。
図20】一実施形態に係るカップリングリンクの長さが増加した状態で、運動補助装置が作動する形状を概念的に示す図である。
図21】一実施形態に係るカップリングリンクの長さが減少した状態で、運動補助装置が作動する形状を概念的に示す図である。
図22】一実施形態に係る第1駆動リンクの長さが変わる形状を概念的に示す図である。
図23】一実施形態に係る第1駆動リンクの長さが増加した状態で、運動補助装置が作動する形状を概念的に示す図である。
図24】一実施形態に係る第2駆動リンクの長さが減少した状態で、運動補助装置が作動する形状を概念的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
実施形態に対する特定の構造的又は機能的な説明は単なる例示目的として開示されたものとして、様々な形態に変更され得る。したがって、実施形態は特定の開示形態に限定されるものではなく、本明細書の範囲は技術的な思想に含まれる変更、均等物ないし代替物を含む。
【0030】
第1又は第2などの用語を複数の構成要素を説明するために用いることがあるが、このような用語は1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的としてのみ解釈されなければならない。例えば、第1構成要素は第2構成要素と命名することができ、同様に第2構成要素は第1構成要素とも命名することができる。
【0031】
いずれかの構成要素が他の構成要素に「接続されて」いると言及された場合、構成要素が互いに直接的に接続されてもよく、又は中間にさらに他の構成要素が存在することもあり得ると理解されなければならない。
【0032】
単数の表現は、文脈上、明白に異なる意味をもたない限り複数の表現を含む。本明細書において、「含む」又は「有する」等の用語は明細書上に記載した特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものが存在することを示すものであって、1つ又は複数の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品、又はこれを組み合わせたものなどの存在又は付加の可能性を予め排除しないものとして理解しなければならない。
【0033】
異なるように定義されない限り、技術的であるか又は科学的な用語を含むここで用いる全ての用語は、本実施形態が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。一般的に用いられる予め定義された用語は、関連技術の文脈上で有する意味と一致する意味を有するものと解釈すべきであって、本明細書で明白に定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味として解釈されることはない。
【0034】
図1は、一実施形態に係る運動補助装置の斜視図であり、図2は、一実施形態に係る運動補助装置の正面図であり、図3は、一実施形態に係る運動補助装置をユーザが取り付けた形状を示す側面図である。
【0035】
図4は、一実施形態に係る運動補助装置を取り付けたユーザが底屈(plantar flexion)した状態を示す側面図であり、図5は、一実施形態に係る運動補助装置を取り付けたユーザが背屈(dorsi flexion)した状態を示す側面図である。
【0036】
図1図5を参照すると、運動補助装置1は、ユーザに取り付けられてユーザの運動を補助する。ユーザは、人体、動物又はロボットなどであってもよく、これに制限されることはない。運動補助装置1は、近位支持部91、遠位支持部92、支持リンク10、第1駆動リンク11、第2駆動リンク12、カップリングリンク13、連結リンク14、及びアクチュエータ70を含む。
【0037】
近位支持部91はユーザの近位部分を支持し、遠位支持部92はユーザの遠位部分を支持する。運動補助装置1は、近位支持部91と遠位支持部92との間の角度を調整する方式によりユーザの関節運動を補助する。例えば、近位支持部91はユーザの向こう脛(shank)を支持し、遠位支持部92はユーザの足を支持し、運動補助装置1はユーザの足首関節の底屈及び/又は背屈を補助する。なお、運動補助装置1が補助する関節は、足首関節に限定されないことは明らである。例えば、近位支持部91はユーザの前腕を支持し、遠位支持部92はユーザの中手骨(metacarpal)を支持し、運動補助装置1はユーザの手首関節の曲げ及び/又は伸長運動を補助する。以下、運動補助装置1が足首関節の動きを補助する場合を例示的に説明する。
【0038】
近位支持部91は、ユーザの向こう脛に取り外し可能である。例えば、近位支持部91は、ふくらはぎを取り囲むふくらはぎ装着部(図示せず)を備え得る。ふくらはぎ装着部は、ユーザのふくらはぎの大きさに応じて周縁の長さが調整される。例えば、ふくらはぎ装着部は弾性バンドであり得る。近位支持部91は、ユーザの向こう脛の前方に取り付けられる。近位支持部91は、ユーザの向こう脛に安定的に支持されるための形状を有する。例えば、近位支持部91は、両側部がユーザの向こう脛に向かって曲げられたプレートであり得る。
【0039】
遠位支持部92は、ユーザの足に取り外し可能である。図3に基づいて支持リンク10が時計回り又は反時計回りに回転するとき、遠位支持部92は、支持リンク10と同様に時計回り又は反時計回りに回転することで、ユーザの足の運動を補助する。例えば、遠位支持部92は、ユーザの足の底面を支持するインソール部921と、ユーザの足の側面を取り囲んで支持リンク10に連結される連結部922を含む。運動補助装置1は、ユーザが着用する履物の内部に容易に挿入され得る。
【0040】
例えば、連結部922は、支持リンク10の周縁方向に沿って回転自在に連結され、このような場合、ユーザは、運動補助装置1を取り付けた状態で距骨下関節(talocalcaneal joint)の内がえし(inversion)及び/又は外がえし(eversion)動作を行う。一方、図示するものとは異なって、連結部922は支持リンク10に固定されてもよい。
【0041】
支持リンク10は、近位支持部91に対して並進運動及び回転運動を同時に行ってもよい。支持リンク10は、遠隔回転中心(Remote Center of Motion:RCM)を中心に回転自在である。図1などに開示された構造によると、遠隔回転中心(RCM)がユーザの足首関節の付近に形成される。遠隔回転中心(RCM)は、運動補助装置1を構成する複数のリンク10、11、12、13、14それぞれの長さに基づいて決定される。支持リンク10は、遠位支持部92に連結されて動力を伝達する。支持リンク10が遠隔回転中心(RCM)を中心に回転する場合、支持リンク10に連結された遠位支持部92も同様に遠隔回転中心(RCM)を中心に回転する。
【0042】
支持リンク10の両端部は、それぞれ第1駆動リンク11及び第2駆動リンク12に回転自在に連結される。支持リンク10の一端部は、第1ジョイントJ1によって第1駆動リンク11に連結され、他端部は第2ジョイントJ2によって第2駆動リンク12に連結される。第1ジョイントJ1及び第2ジョイントJ2のうち少なくとも1つ以上のジョイントは、2自由度の回転運動を実現するジョイントであり得る。例えば、図1に示すように、第1ジョイントJ1は、支持リンク10及び第1駆動リンク11が2自由度で回転可能にするユニバーサルジョイント又はボールジョイントであり、第2ジョイントJ2は、支持リンク10及び第2駆動リンク12が1自由度で回転可能にするジョイント、例えば、ヒンジであり得る。このような連結関係によると、アクチュエータ70の駆動によって、前頭面(frontal plane、図2参照)及び矢状面(sagittal plane、図3参照)のそれぞれに投影させた第1駆動リンク11と第2駆動リンク12との間の角度が同時に変更される。
【0043】
支持リンク10の長さは変更され得る。支持リンク10の長さを調整することで、後述するように遠隔回転中心(RCM)の位置を変更させ得る。例えば、図3図7に示すように、支持リンク10は、第1サブ支持リンク101、第2サブ支持リンク102、及び支持リンク固定具103を含む。第1サブ支持リンク101は、第1ジョイントJ1に回転自在に連結される。第2サブ支持リンク102は、第2ジョイントJ2に回転自在に連結される。支持リンク固定具103は、第1サブ支持リンク101及び第2サブ支持リンク102を固定させる。第1サブ支持リンク101及び第2サブ支持リンク102の相対的な移動は、支持リンク10の長さを変更させ得る。第1サブ支持リンク101及び第2サブ支持リンク102が相対的に移動するメカニズムに対する実施形態については図6及び図7を参照して後述する。
【0044】
第1駆動リンク11は、支持リンク10及びカップリングリンク13を連結する。第1駆動リンク11は、第1ジョイントJ1によって支持リンク10に回転自在に連結され、第3ジョイントJ3によってカップリングリンク13に回転自在に連結される。第3ジョイントJ3は、2自由度の回転運動を実現するジョイントであり得る。例えば、第3ジョイントJ3は、ユニバーサルジョイント又はボールジョイントであり得る。
【0045】
第2駆動リンク12は、支持リンク10、カップリングリンク13、及び連結リンク14を連結する。第2駆動リンク12は、第2ジョイントJ2によって支持リンク10に回転自在に連結され、第4ジョイントJ4によってカップリングリンク13に回転自在に連結され、第5ジョイントJ5によって連結リンク15に回転自在に連結される。
【0046】
第1駆動リンク11及び第2駆動リンク12のうち1つ以上の駆動リンクの長さは変更される。例えば、第1駆動リンク11及び第2駆動リンク12のうちの1つ以上の駆動リンクは、第1サブ駆動リンク111、第2サブ駆動リンク112、及び駆動リンク固定具113を含む。図1及び図2は、第1駆動リンク11が第1サブ駆動リンク111、第2サブ駆動リンク112、及び駆動リンク固定具113を含むものと例示的に図示したが、これに制限されることがないことは明らかである。第1サブ駆動リンク111は、第1ジョイントJ1に回転自在に連結される。第2サブ駆動リンク112は、第3ジョイントJ3に回転自在に連結される。駆動リンク固定具113は、第1サブ駆動リンク111及び第2サブ駆動リンク112を固定させる。第1サブ駆動リンク111及び第2サブ駆動リンク112の相対的な移動は、第1駆動リンク11の長さを変更させ得る。第1サブ駆動リンク111及び第2サブ駆動リンク112が相対的に移動するメカニズムに対する実施形態については、図10及び図11を参照して後述することにする。
【0047】
カップリングリンク13は、第1駆動リンク11及び第2駆動リンク12をカップリングさせる。カップリングリンク13は、近位支持部91に備えられる第1回転軸A1を中心に回転自在である。カップリングリンク13は、第3ジョイントJ3によって第1駆動リンク11に回転自在に連結され、第4ジョイントJ4によって第2駆動リンク12に回転自在に連結される。カップリングリンク13が回転する場合、第1駆動リンク11及び第2駆動リンク12のそれぞれは近位支持部91に対して並進運動する。第3ジョイントJ3及び第1回転軸A1の間の距離は、第4ジョイントJ4及び第1回転軸A1の間の距離よりも大きくてもよい。言い換えれば、第3ジョイントJ3の回転半径は、第4ジョイントJ4の回転半径よりも大きくてもよい。カップリングリンク13が回転する場合、第1駆動リンク11は、第2駆動リンク12よりも速い速度で並進運動する。一方、第1駆動リンク11は、近位支持部91に対して並進運動のみならず、回転運動も同時に行う可能性があることは明らかである。
【0048】
例えば、カップリングリンク13は、ユーザが運動補助装置1を取り付けた状態を基準にして、ユーザの前頭面に並んでいる平面上で回転運動できるように設けられる。このような構造によると、運動補助装置1全体がユーザの向こう脛から突出する高さを減少させ得る。
【0049】
一方、これとは異なって、図16図24に示すように、カップリングリンク13は、ユーザの矢状面に並んでいる平面上で回転運動できるように設けられてもよい。この場合、第1ジョイントJ1及び第3ジョイントJ3のうちの1つ以上は、1自由度の回転自由度を有するジョイント、例えば、ヒンジで構成されてもよい。
【0050】
カップリングリンク13の長さは変更される。カップリングリンク13の長さを変更することで、カップリングリンク13上で第1駆動リンク11及び第2駆動リンク12がそれぞれ連結された部分、言い換えれば、第3ジョイントJ3と第4ジョイントJ4との間の距離を調整させ得る。例えば、カップリングリンク13は、第1サブカップリングリンク131、第2サブカップリングリンク132、及びカップリングリンク固定具133を含む。第1サブカップリングリンク131は、第1回転軸A1に回転自在に連結される。第2サブカップリングリンク132は、第3ジョイントJ3に回転自在に連結される。カップリングリンク固定具133は、第1サブカップリングリンク131及び第2サブカップリングリンク132を固定させる。第1サブカップリングリンク131及び第2サブカップリングリンク132の相対的な移動は、カップリングリンク13の長さを変更させる。第1サブカップリングリンク131及び第2サブカップリングリンク132が相対的に移動するメカニズムに対する実施形態については、図8及び図9を参照して後述する。
【0051】
連結リンク14は、近位支持部91に備えられる第2回転軸A2を中心に回転自在である。連結リンク14は、第5ジョイントJ5によって第2駆動リンク12に回転自在に連結される。例えば、連結リンク14は、カップリングリンク13と平行に配置され、第1回転軸A1から第4ジョイントJ4までの距離は、第2回転軸A2から第5ジョイントJ5までの距離と同一であってもよい。この場合、第2駆動リンク12は、第1回転軸A1及び第2回転軸A2を連結する仮想の線と平行を維持した状態で運動し得る。
【0052】
例えば、連結リンク14は、ユーザが運動補助装置1を取り付けた状態を基準にして、ユーザの前頭面に並んでいる平面上で回転運動できるように設けられてもよい。このような構造によると、運動補助装置1全体がユーザの向こう脛から突出する高さを減少させ得る。
【0053】
一方、これとは異なって、図16図24に示すように、連結リンク14は、ユーザの矢状面に並んでいる平面上で回転運動できるように設けられてもよい。
【0054】
第1ジョイントJ1は、第2駆動リンク12に前方に位置する。言い換えれば、図3に示すように、運動補助装置1を側面から眺めた状態を基準にして、第1駆動リンク11は第2駆動リンク12の前方に位置する。このような構造によると、カップリングリンク13及び連結リンク14がユーザの前頭面と並んでいる平面上で回転運動しても、支持リンク10は、第2駆動リンク12の後方に位置する遠隔回転中心(RCM)を中心に回転し得る。
【0055】
支持リンク10、第1駆動リンク11、第2駆動リンク12、カップリングリンク13、及び連結リンク14は1自由度で運動する。言い換えれば、支持リンク10、第1駆動リンク11、第2駆動リンク12、カップリングリンク13、及び連結リンク14のいずれか1つのリンクを動作させることで、遠位支持部92を駆動させ得る。
【0056】
アクチュエータ70は、支持リンク10、第1駆動リンク11、第2駆動リンク12、カップリングリンク13、及び連結リンク14のいずれか1つのリンクを運動させ得る。例えば、アクチュエータ70は、第1駆動リンク11をアクチュエータ70に近づく方向に引っ張る、又は、アクチュエータ70から遠ざかる方向に押し出す。アクチュエータ70が第1駆動リンク11をアクチュエータ70に近づく方向に引っ張る場合、第2駆動リンク12は、第1駆動リンク11よりも遅い速度でアクチュエータ70に近づく方向に引っ張られる。例えば、図3及び図4に示すように、アクチュエータ70に近づく方向が上方であるとき、アクチュエータ70が第1駆動リンク11をアクチュエータ70に近づく方向に引っ張る場合、第2駆動リンク12は、第1駆動リンク11よりも遅い速度で上方に並進運動する。この場合、支持リンク10は、支持リンク10及び第2駆動リンク12の間の角度が減少する方向に運動し、ユーザの足の背屈運動を補助できる。
【0057】
一方、アクチュエータ70が第1駆動リンク11をアクチュエータ70から遠ざかる方向に押し出す場合、第2駆動リンク12は、第1駆動リンク11よりも遅い速度でアクチュエータ70から遠ざかる方向に押し出される。例えば、図3及び図4に示すように、アクチュエータ70から遠ざかる方向が下方であるとき、アクチュエータ70が第1駆動リンク11をアクチュエータ70から遠ざかる方向に押し出す場合、第2駆動リンク12は、第1駆動リンク11よりも遅い速度で下方に並進運動する。この場合、支持リンク10は、支持リンク10及び第2駆動リンク12の間の角度が増加する方式で運動し、ユーザの足の底屈運動を補助できる。
【0058】
図2を基準にして、アクチュエータ70が第1駆動リンク11の上側端部を下方に移動させる場合、カップリングリンク13は反時計回りに回転する。例えば、アクチュエータ70は近位支持部91に回転自在に設置され、駆動源71、駆動軸72、動力伝達部材73、動力収容部74、駆動軸75、及びスライダ76を含む。
【0059】
駆動源71は、第1駆動リンク11を駆動するための動力を生成する。例えば、駆動源71はモータであってもよい。他の実施形態によれば、駆動源71は、電気エネルギー、又は、例えば、油圧又は空圧のような流体圧力により作動する少なくとも1つのピストン又はシリンダ装置を含む。例えば、駆動源71は、近位支持部91に設けられ得る。一方、これとは異なって、違い駆動源71は近位支持部91から離隔した部分に設置され、ケーブル、ベルト又はギヤトレインなどの他の動力伝達手段によって第1駆動リンク11に動力を伝達してもよい。
【0060】
駆動軸72は、駆動源71から動力が伝達されて回転する。動力伝達部材73は、回転する駆動軸72を他の回転体に連結させ得る。例えば、動力伝達部材73は、駆動軸72及び動力収容部74に巻かれるベルトであってもよい。駆動軸75は、動力収容部74と一体に形成される。駆動軸75は、外面にねじ山を備える。スライダ76は、駆動軸75に沿って摺動する。スライダ76の内面には、駆動軸75のねじ山に係合するねじ山が備えられる。スライダ76の一端はカップリングリンク13に回転自在に連結される。言い換えれば、例えば、スライダ76は、第6ジョイントJ6によってカップリングリンク13に回転自在に連結され得る。
【0061】
アクチュエータ70は、制御部(図示せず)に連結される。制御部は、圧力のような様々な環境因子を検出するよう構成された1つ又は複数のセンサ(図示せず)に接続される。
【0062】
制御部は、プロセッサ及びメモリを含む。メモリは、コンピュータ読み出し可能な記録媒体を含む。コンピュータで読み出し可能な媒体の例として、コンピュータで読み出し可能な記録媒体の例として、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク及び磁気テープのような磁気媒体、CD-ROM、DVDのような光記録媒体、フロプティカルディスクのような磁気-光媒体、及びROM、RAM、フラッシュメモリなどのようなプログラム命令を保存して行うよう、特別に構成されたハードウェア装置が含まれる。プログラム命令の例として、コンパイラによって生成されるような機械語コードのみならず、インタープリタなどを用いてコンピュータによって実行され得る高級言語コードを含む。上述のハードウェア装置は、本発明の動作を行うために1つ又は複数のソフトウェアモジュールとして作動するよう構成してもよく、その逆も同様である。
【0063】
例えば、制御部はプロセッサによって実行されるとき、圧力センサにより測定された圧力に基づいて歩行状態を決定するため、プロセッサを特殊目的コンピュータとして構成する。制御部は、圧力センサにより測定された圧力に基づいてアクチュエータ70を制御することで、背屈又は底屈を補助する動力を発生させ得る。
【0064】
図6は、一実施形態に係るリンクを示す側面図であり、図7は、一実施形態に係るリンクの長さが増加した形状を示す側面である。
【0065】
図6及び図7を参照すると、支持リンク10の長さは変更される。例えば、支持リンク10は、第1サブ支持リンク101、第2サブ支持リンク102、及び支持リンク固定具103を含む。
【0066】
第1サブ支持リンク101は、第1ジョイントJ1によって第1サブ駆動リンク111に2自由度の回転自在に連結される。第2サブ支持リンク102は、第2ジョイントJ2によって第2駆動リンク12に回転自在に連結される。第1サブ支持リンク101及び第2サブ支持リンク102は、互いに対して相対的に移動する。
【0067】
第1サブ支持リンク101は、第2サブ支持リンク102に沿って摺動する。第1サブ支持リンク101及び第2サブ支持リンク102のいずれか1つのサブ支持リンク101、102は内部に中空部を有し、他の1つのサブ支持リンク102、101の少なくとも一部は、前記中空部の内部に挿入される。例えば、第1サブ支持リンク101の少なくとも一部は、第2サブ支持リンク102の内部の中空部に挿入される。第1サブ支持リンク101が第2サブ支持リンク102の内部に挿入される長さが増加するほど、第1ジョイントJ1、及び第2ジョイントJ2の間の距離は減少する。言い換えれば、支持リンク10の長さが減少し得る。
【0068】
例えば、第1サブ支持リンク101は、長手方向に一定の間隔に離隔して形成される複数の挿入溝101aを含み、第2サブ支持リンク102は、複数の挿入溝101aに連通する長手方向ホール102aを含む。支持リンク10は、第1サブ支持リンク101及び第2サブ支持リンク102を固定するための支持リンク固定具103を含む。例えば、支持リンク固定具103はボルトであってもよい。
【0069】
支持リンク固定具103は、複数の挿入溝101aのいずれか1つの挿入溝と、長手方向ホール102aに同時に挟まれる。支持リンク固定具103は、第1サブ支持リンク101及び第2サブ支持リンク102が相対的に移動することを制限する。例えば、支持リンク固定具103は、長手方向ホール102aを貫通し、複数の挿入溝101aのいずれか1つの挿入溝に螺合する。支持リンク固定具103が挿入される挿入溝101aの位置及び長手方向ホール102a上における位置に応じて支持リンク10の長さが決定される。例えば、図6は、支持リンク10の長さが最小である状態を示し、図7は、支持リンク10の長さが最大である状態を示す。支持リンク固定具103は、長手方向ホール102a上の任意の位置に固定され得るため、ユーザは支持リンク10の長さを線形的に調整できる。支持リンク10の長さが変更することにより、運動補助装置1の遠隔回転中心(RCM)の位置は変更される。支持リンク10の長さが増加する場合、支持リンク10から遠隔回転中心(RCM)までの距離は増加し、支持リンク10の長さが減少する場合、支持リンク10から遠隔回転中心(RCM)までの距離は減少する。支持リンク10の長さが変更することにより、運動補助装置1の遠隔回転中心(RCM)の位置が変更される具体的なメカニズムについては、図16図18を参照して後述することにする。
【0070】
一方、遠位支持部92は、第1サブ支持リンク101に回転自在に設けられる。例えば、第1サブ支持リンク101は、遠位支持部92の離脱を防止するための一対のフランジを備える。このような構造によると、運動補助装置がユーザの距骨下関節の内がえし及び/又は外がえし動作を許容する。したがって、ユーザは、駆動リンク11によって生成された外力を受けることなく、滑らかに内がえし及び/又は外がえし動作を行うことができる。
【0071】
示されていないが、一部の他の実施形態において、支持リンク10は、電磁石のような固定装置を含んでもよい。制御部(図示せず)は、底屈及び/又は背屈を行う補助力を提供する間に、ユーザの内がえし及び外がえしのうち1つ以上の動作の実行が制限されるよう、固定装置を作動させることができる。したがって、本発明の実施形態に係る運動補助装置は、ユーザの足首の負傷を防止しながら、ユーザが歩行するように補助できる。図8は、一実施形態に係るカップリングリンクを示す斜視図であり、図9は、一実施形態に係るカップリングリンクの長さが増加した形状を示す斜視図である。
【0072】
図8及び図9を参照すると、カップリングリンク13の長さは変更される。例えば、カップリングリンク13は、第1サブカップリングリンク131、第2サブカップリングリンク132、及びカップリングリンク固定具133を含む。
【0073】
第2サブカップリングリンク132は、第3ジョイントJ3によって第1駆動リンク11に2自由度の回転自在に連結される。第1サブカップリングリンク131は、第1回転軸A1によって近位支持部91(図1参照)に回転自在に連結され、第4ジョイントJ4によって第2駆動リンク12に回転自在に連結される。第1サブカップリングリンク131及び第2サブカップリングリンク132は互いに対して相対的に移動する。
【0074】
第2サブカップリングリンク132は、第1サブカップリングリンク131に沿って摺動する。第1サブカップリングリンク131及び第2サブカップリングリンク132のいずれか1つのサブカップリングリンク131、132は内部に中空部を有し、他の1つのサブカップリングリンク132、131の少なくとも一部は、前記中空部の内部に挿入され得る。例えば、第1サブカップリングリンク131の少なくとも一部は、第2サブカップリングリンク132の内部の中空部に挿入される。第1サブカップリングリンク131が第2サブカップリングリンク132の内部に挿入される長さが増加するほど、第3ジョイントJ3と第4ジョイントJ4との間の距離は減少する。言い換えれば、カップリングリンク13の長さが減少する。
【0075】
第2サブカップリングリンク132は長手方向ホール132aを含み、第1サブカップリングリンク131は、長手方向に一定の間隔に離隔して形成され、長手方向ホール132aに連通する複数の挿入溝131aを含む。カップリングリンク13は、第1サブカップリングリンク131及び第2サブカップリングリンク132を固定するためのカップリングリンク固定具133を含む。例えば、カップリングリンク固定具133はボルトであり得る。
【0076】
第1サブカップリングリンク131、第2サブカップリングリンク132、及びカップリングリンク固定具133によって第3ジョイントJ3と第4ジョイントJ4との間の距離が変更される。第1回転軸A1と第4ジョイントJ4との間の距離が固定された状態で、第3ジョイントJ3と第4ジョイントJ4との間の距離が変更する場合、運動補助装置1の遠隔回転中心(RCM)の位置は変更される。第3ジョイントJ3と第4ジョイントJ4との間の距離が増加する場合、支持リンク10から遠隔回転中心(RCM)までの距離は減少し、第3ジョイントJ3と第4ジョイントJ4との間の距離が減少する場合、支持リンク10から遠隔回転中心(RCM)までの距離は増加する。第3ジョイントJ3と第4ジョイントJ4との間の距離が変更することで、運動補助装置1の遠隔回転中心(RCM)の位置が変更される具体的なメカニズムについては、図19図21を参照して後述することにする。
【0077】
図10は、一実施形態に係る第1駆動リンクを示す斜視図であり、図11は、一実施形態に係る第1駆動リンクの長さが増加した形状を示す斜視図である。
【0078】
図10及び図11を参照すると、第1駆動リンク11の長さは変更される。例えば、第1駆動リンク11は、第1サブ駆動リンク111、第2サブ駆動リンク112及び駆動リンク固定具113を含む。
【0079】
第1サブ駆動リンク111は、第1ジョイントJ1によって支持リンク10に2自由度の回転自在に連結される。第2サブ駆動リンク112は、第3ジョイントJ3によってカップリングリンク13に回転自在に連結される。第1サブ駆動リンク111及び第2サブ駆動リンク112は、互いに対して相対的に移動する。例えば、駆動リンク固定具113は、第1サブ駆動リンク111及び第2サブ駆動リンク112それぞれに螺合するターンバックルであり得る。
【0080】
第1サブ駆動リンク111は、駆動リンク固定具113の内部に挿入可能であり、駆動リンク固定具113と螺合可能な第1挿入部111aを含み、第2サブ駆動リンク112は駆動リンク固定具113内部に挿入可能であり、駆動リンク固定具113と螺合可能な第2挿入部112aを含む。第1挿入部111a及び第2挿入部112aは、向かい合って互いに異なる方向のねじ山を備える。例えば、第1挿入部111aが右ねじである場合、第2挿入部112aは左ねじである。駆動リンク固定具113は、第1挿入部111aが挿入される部分には右ねじに対応する第1ねじ山113aを備え、第2挿入部112aが挿入される部分には左ねじに対応する第2ねじ山113bを備えてもよい。第1ねじ山113a及び第2ねじ山113bは互いに反対方向であり得る。このような構造によると、駆動リンク固定具113が回転するとき、第1サブ駆動リンク111及び第2サブ駆動リンク112が相対的に回転しないながらも、それぞれの駆動リンク固定具113の中心から遠ざかる、又は近づくことができる。
【0081】
例えば、図10に示すように、駆動リンク固定具113が反時計回りに回転する場合、第1サブ駆動リンク111及び第2サブ駆動リンク112は近づく。反対に、図11のように、駆動リンク固定具113が時計回りに回転する場合、第1サブ駆動リンク111及び第2サブ駆動リンク112は遠ざかる。
【0082】
第1駆動リンク11の長さが変更することで、運動補助装置1の駆動範囲(range of motion:ROM)は変更される。第1駆動リンク11の長さが減少する場合、支持リンク10及び第2駆動リンク12(図1参照)がなしている最小角度は減少し、第1駆動リンク11の長さが増加する場合、支持リンク10及び第2駆動リンク12がなしている最小角度は増加する。
【0083】
同様に、第2駆動リンク12の長さが変更することで、運動補助装置1の駆動範囲(ROM)は変更される。第1駆動リンク11とは反対に、第2駆動リンク12の長さが増加する場合、支持リンク10及び第2駆動リンク12がなしている最小角度は減少し、第2駆動リンク12の長さが減少する場合、支持リンク10及び第2駆動リンク12がなしている最小角度は増加する。
【0084】
第1駆動リンク11の長さが変更することで、運動補助装置1の駆動範囲(ROM)が変更される具体的なメカニズムについては、図21図24を参照して後述することにする。
【0085】
図10及び図11において、第1サブ駆動リンク111及び第2サブ駆動リンク112がねじ山を含み、駆動リンク固定具113がターンバックルである場合について例示的に説明したが、第1駆動リンク11の長さ調整方法はこれに制限されることはないことを明らかにする。
【0086】
例えば、第1駆動リンク11及び第2駆動リンク12のいずれか1つの駆動リンクは、図6図10を参照して説明したように、長手方向のホールを有する第1サブ駆動リンクと、複数の挿入溝を有する第2サブ駆動リンクと、長手方向のホール、及び複数の挿入溝に挟まれる駆動リンク固定具を含む。
【0087】
同様に、支持リンク10は、ねじ山を有する第1サブ支持リンク及び第2サブ支持リンクと、第1サブ支持リンク及び第2サブ支持リンクを連結するターンバックルを含む。また、カップリングリンク13は、ねじ山を有する第1サブカップリングリンク及び第2サブカップリングリンクと、第1サブカップリングリンク及び第2サブカップリングリンクを連結するターンバックルを含む
図12Aは、直立状態で足と向こう脛との間の角度が90度である人の足首関節の可動範囲を例示的に示す図であり、図12Bは、直立状態で足と向こう脛との間の角度が80度である人の足首関節の可動範囲を例示的に示す図であり、図12Cは、直立状態で足と向こう脛との間の角度が100度である人の足首関節の可動範囲を例示的に示す図である。
【0088】
図12A図12Cを参照すると、本出願人は複数の人に対する試験を通して図12A図12Cに示すように、人ごとに最も安らかに感じる直立状態、言い換えれば、「中立位置(neutral position)」が互いに異なるとことが確認された。したがって、人ごとに中立位置を基準にして背屈動作及び底屈動作の最大角度がそれぞれ互いに異なるため、運動補助装置の駆動範囲と人の駆動範囲を一致させる必要がある。実施形態によれば、第1駆動リンク11及び/又は第2駆動リンク12の長さを変更させることで、運動補助装置の駆動範囲(ROM)を調整することでユーザの足首関節運動を効率よく補助でき、ユーザが感じる着用感を向上させることができる。これに関する説明は図21図24を参照して後述することにする。
【0089】
図13は、一実施形態に係る運動補助装置を概略的に示す正面図及び側面図であり、図14及び図15は、一実施形態に係る運動補助装置がユーザの底屈を補助する方向に駆動した状態を概略的に示す正面図及び側面図である。
【0090】
図13図15を参照すると、運動補助装置1は、近位支持部91、遠位支持部92、支持リンク10、第1駆動リンク11、第2駆動リンク12、カップリングリンク13、及び連結リンク14を含む。
【0091】
支持リンク10は、近位支持部91に対して並進運動及び回転運動を同時に行う。支持リンク10及び第1駆動リンク11を連結する第1ジョイントJ1は、第2駆動リンク12の前方に位置し、第1駆動リンク11及びカップリングリンク13を連結する第3ジョイントJ3は駆動リンク12の側部近傍に位置する。このようなジョイント配置によって、第2駆動リンク12、カップリングリンク13、及び連結リンク14が近位支持部91に平行した平面上で運動しながらも、矢状面上で第1駆動リンク11及び第2駆動リンク12の相対的な動きを可能にする。また、第1駆動リンク11及び第2駆動リンク12の相対的な動きにより、これとそれぞれ連結してリンク10によって連結された遠位支持部92は、ユーザの足首関節の近辺に形成される遠隔回転中心(RCM)を中心に回転する。
【0092】
以下、図16図24は、説明の便宜のために運動補助装置1を二次元平面に概念的に示す図である。図16図24には、支持リンク10、第1駆動リンク11、及び第2駆動リンク12が同じ平面上で運動する構造について示されているが、当業者であれば、図13図15に示された構造もこれと同様に動作できるという点を理解できるはずである。
【0093】
図16は、一実施形態に係るリンクの長さが変わる形状を概念的に示す図であり、図17は、一実施形態に係るリンクの長さが増加した状態で、運動補助装置が作動する形状を概念的に示す図であり、図18は、一実施形態に係るリンクの長さが減少した状態で、運動補助装置が作動する形状を概念的に示す図である。
【0094】
図16図18を参照すると、支持リンク10X、10Y、10Zの長さは変わり得る。RCM1は、初期状態の支持リンク10Xを含む運動補助装置の遠隔回転中心を示す(図16参照)。RCM2は、長さが増加してリンク10Yを含む運動補助装置の遠隔回転中心を示す(図17参照)。RCM3は、長さが減少してリンク10Zを含む運動補助装置の遠隔回転中心を示す(図18参照)。
【0095】
RCM2は、RCM1より支持リンク10X、10Y、10Zから遠く離れた位置に形成され、RCM3は、RCM1より支持リンク10X、10Y、10Zから近い位置に形成される。支持リンク10X、10Y、10Zの長さが増加するほど、遠隔回転中心(RCM)が支持リンク10X、10Y、10Zから遠ざかり、支持リンク10X、10Y、10Zの長さが減少するほど、遠隔回転中心(RCM)が支持リンク10X、10Y、10Zから近づく。
【0096】
足首又は足の甲が厚いユーザは、図17に示すように支持リンク10の長さを増加させることで遠位支持部の遠隔回転中心(RCM)を自分の足首関節の近辺に位置させ、足首又は足の甲が薄いユーザは、図18に示すように支持リンク10の長さを減少させることで遠位支持部の遠隔回転中心(RCM)を自分の足首関節の近辺に位置させ得る。
【0097】
図19は、一実施形態に係るカップリングリンクの長さが変わる形状を概念的に示す図であり、図20は、一実施形態に係るカップリングリンクの長さが増加した状態で、運動補助装置が作動する形状を概念的に示す図であり、図21は、一実施形態に係るカップリングリンクの長さが減少した状態で、運動補助装置が作動する形状を概念的に示す図である。
【0098】
図19図21を参照すると、カップリングリンク13X、13Y、13Zの長さは変わり得る。RCM4は、初期状態のカップリングリンク13Xを含む運動補助装置の遠隔回転中心を示す(図19参照)。RCM5は、長さが増加したカップリングリンク13Yを含む運動補助装置の遠隔回転中心を示す(図20参照)。RCM6は、長さが減少したカップリングリンク13Zを含む運動補助装置の遠隔回転中心を示す(図21参照)。
【0099】
RCM5は、RCM4よりも支持リンク10X、10Y、10Zに近い位置に形成され、RCM6は、RCM4よりも支持リンク10X、10Y、10Zから遠く離れた位置に形成される。カップリングリンク13X、13Y、13Zの長さが増加するほど、遠隔回転中心(RCM)が支持リンク10X、10Y、10Zに近づき、カップリングリンク13X、13Y、13Zの長さが減少するほど、遠隔回転中心(RCM)が支持リンク10X、10Y、10Zから遠ざかる。
【0100】
足首又は足の甲が薄いユーザは、図20に示すようにカップリングリンク13の長さを増加させることで遠位支持部の遠隔回転中心(RCM)を自分の足首関節の近辺に位置させ、足首又は足の甲が厚いユーザは、図21に示すように、カップリングリンク13の長さを減少させることで遠位支持部の遠隔回転中心(RCM)を自分の足首関節の近辺に位置させ得る。
【0101】
図22は、一実施形態に係る第1駆動リンクの長さが変わる形状を概念的に示す図であり、図23は、一実施形態に係る第1駆動リンクの長さが増加した状態で、運動補助装置が作動する形状を概念的に示す図であり、図24は、一実施形態に係る第2駆動リンクの長さが減少した状態で、運動補助装置が作動する形状を概念的に示す図である。
【0102】
図22図24を参照すると、第1駆動リンク11X、11Y、11Zの長さは変わり得る。近位支持部91に対してカップリングリンク13を同一の角度範囲内で回転させるとき、第1駆動リンク11X、11Y、11Zの長さ変更による変更されたリンク10の駆動範囲をそれぞれθ1及びθ2に表示した。θ1は、第1駆動リンク11Yの長さが増加した状態の支持リンク10の駆動範囲を示す(図23参照)。θ2は、第1駆動リンク11Zの長さが減少した状態の支持リンク10の駆動範囲を示す(図24参照)。
【0103】
第1駆動リンク11X、11Y、11Zの長さが増加するほど、支持リンク10及び第2駆動リンク12がなしている最小角度は増加し、第1駆動リンク11X、11Y、11Zの長さが減少するほど、支持リンク10及び第2駆動リンク12がなしている最小角度は減少する。言い換えれば、第1駆動リンク11X、11Y、11Zの長さが増加するほど、遠位支持部92及び近位支持部91がなしている最小角度は増加して底屈運動の最大角度が増加し、第1駆動リンク11X、11Y、11Zの長さが減少するほど、遠位支持部92及び近位支持部91がなしている最小角度は減少して背屈運動の最大角度が増加する。
【0104】
上述したように、支持リンク10、第1駆動リンク11、第2駆動リンク12、連結リンク13、及び連結リンク14のように、動いている構成要素は、ユーザが運動補助装置1を取り付ける間に、ユーザの足首とユーザの足前面との間の前方側に配置される。したがって、支持リンク10は、ユーザの足首関節の軸上に配置されないことがあり、ユーザの足首関節軸上、又はその近辺に形成される遠隔回転中心(RCM)を中心に回転する。また、動いている駆動要素がユーザの下肢の前方に配置されるため、ユーザは、運動補助装置1を取り付けた状態で運動靴のような一般的な履物を容易に着用することができる。
【0105】
また、上述したように、一部の例示的な実施形態において、遠隔回転中心(RCM)の位置は、支持リンク10及び/又は連結リンク13の長さを調整することで調整され、ユーザの足首関節軸と運動補助装置1のRCMをマッチングさせ得る。その結果、運動補助装置1の補助力は、ユーザに効率よく伝えられることができる。
【0106】
また、上述したように、このように支持リンク10及び第2駆動リンク12がなしている最小角度が変更されることで、運動補助装置の駆動範囲が変わる。例えば、中立位置で、図12Bに示すような直立形状勢を有するユーザは、図23に示すように、第1駆動リンク11の長さを増加させることで、底屈運動の最大角度を増加させ得る。反対に、中立位置で、図12Cに示すような直立形状勢を有するユーザは、図24に示すように第1駆動リンク11の長さを減少させることで、背屈運動の最大角度を増加させ得る。このように第1駆動リンク11の長さを増加又は減少することにより、遠位支持部92の駆動範囲をユーザの足首の可動範囲に一致させることで、ユーザの足首運動を効率よく補助でき、着用感を向上させることができる。
【0107】
上述したように実施形態を限定された図面によって説明したが、当該技術分野で通常の知識を有する者であれば、上記に基づいて様々な技術的な修正及び変形を適用することができる。例えば、説明された技術が説明された方法と異なる順序で実行されたり、かつ/又は説明されたシステム、構造、装置、回路などの構成要素が説明された方法と異なる形態で結合又は組み合わされたり、他の構成要素又は均等物によって置き換えたり代替されても適切な結果を達成することができる。したがって、他の実現、他の実施形態、及び請求項の範囲と均等なものなども後述する許請求の範囲の範囲に属するものであろう。
【符号の説明】
【0108】
1 : 運動補助装置
91 : 近位支持部
11 : 第1駆動リンク
12 : 第2駆動リンク
10 : 支持リンク
92 : 遠位支持部
RCM: 遠隔回転中心
13 : カップリングリンク
図1
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