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  • 特許-流量制御装置およびゼロ点調整方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-25
(45)【発行日】2022-08-02
(54)【発明の名称】流量制御装置およびゼロ点調整方法
(51)【国際特許分類】
   G01F 1/696 20060101AFI20220726BHJP
   G01F 25/10 20220101ALI20220726BHJP
   G01F 1/00 20220101ALI20220726BHJP
【FI】
G01F1/696 Z
G01F25/10 Q
G01F1/00 F
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2018136533
(22)【出願日】2018-07-20
(65)【公開番号】P2020012777
(43)【公開日】2020-01-23
【審査請求日】2021-03-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】舘山 哲也
【審査官】公文代 康祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-217812(JP,A)
【文献】特開2005-308665(JP,A)
【文献】実開平01-087209(JP,U)
【文献】米国特許第05363689(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01F 1/00
G01F 1/68-1/699
G01F 25/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象の流体が流れる上流から下流に向かって順次に配置された第1温度測定部、ヒータ、第2温度測定部を備え、前記第1温度測定部と前記第2温度測定部との温度測定結果の差を元に前記流体の流量に応じたセンサ値を出力するセンサ部と、前記センサ値を元に前記流体の流量値を求める流量算出部とを備える流量制御装置において、
前記流体の流れを停止するように構成された流体停止部と、
前記ヒータを停止するように構成されたヒータ停止部と、
前記流体停止部が前記流体の流れを停止し、前記ヒータ停止部が前記ヒータを停止した状態で前記第1温度測定部と前記第2温度測定部との温度測定結果の差がゼロとなる状態を検出するように構成された温度差検出部と、
前記温度差検出部が、前記第1温度測定部と前記第2温度測定部との温度測定結果の差がゼロとなる状態を検出すると、前記流量算出部が出力する流量値がゼロとなるように前記流量算出部を調整するように構成されたゼロ点調整部と
を備えることを特徴とする流量制御装置。
【請求項2】
測定対象の流体が流れる上流から下流に向かって順次に配置された第1温度測定部、ヒータ、第2温度測定部を備え、前記第1温度測定部と前記第2温度測定部との温度測定結果の差を元に前記流体の流量に応じたセンサ値を出力するセンサ部と、前記センサ値を元に前記流体の流量値を求める流量算出部とを備える流量制御装置のゼロ点調整方法であって、
前記流体の流れを停止する第1ステップと、
前記ヒータを停止する第2ステップと、
前記流体の流れを停止し、前記ヒータを停止した状態で前記第1温度測定部と前記第2温度測定部との温度測定結果の差がゼロとなる状態を検出する第3ステップと、
前記第3ステップで、前記第1温度測定部と前記第2温度測定部との温度測定結果の差がゼロとなる状態が検出されると、前記流量算出部が出力する流量値がゼロとなるように前記流量算出部を調整する第4ステップと
を備えることを特徴とするゼロ点調整方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱式流量計を用いた流量制御装置およびゼロ点調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
流路を流れる流体の流量や流速を測定する技術が、工業・医療分野などで幅広く利用されている。流量や流速を測定する装置としては、電磁流量計、渦流量計、コリオリ式流量計、熱式流量計など様々な種類があり、用途に応じて使い分けられている。熱式流量計は、 気体の検出が可能であり、圧力損失が基本的にはなく、質量流量が測定できるなどの利点がある。また、流路をガラス管から構成することで、腐食性の液体の流量を測定可能とした熱式流量計も用いられている(特許文献1参照)。このような液体の流量を測定する熱式流量計は、微量な流量の測定に適している。
【0003】
熱式流量計では、ヒータの上下流の温度差により流量を測定している。配管の上流から下流に向かって第1温度測定部、ヒータ、第2温度測定部を順次設け、第1温度測定部で測定された温度と第2温度測定部で測定された温度との差より、測定対象の流体の流量を求めて流量値としている。
【0004】
流量制御装置は、流路に流れる流体の流量を上述した流量計により測定し、測定された流量値が目標値である設定流量値となるように流体制御バルブの開度を制御している。この流量制御装置は、出荷時や現場で測定対象の流体の組成などが変更される場合などにゼロ点調整が実施されている。ゼロ点調整では、流量がゼロとされている状態で、流量計より出力される流量値がゼロとなるように、流量計の調整を行う。
【0005】
このゼロ点調整において、バルブが全閉であるにも関わらす、第1温度測定部と第2温度測定部との間に温度差が発生し、ゼロでない流量値が出力される場合がある。例えば、流量計の各温度測定部が、測定対象の流れ方向に対して垂直方向に配列されている場合、上述した状態となる。この場合、ヒータにより加熱された流体が上昇するため、第1温度測定部と第2温度測定部との間に温度差が発生する。また、配管の脈動があると、この影響により、第1温度測定部と第2温度測定部との間に温度差が発生する。
【0006】
これに対し、ヒータによる加熱を停止した状態でゼロ点調整を行うことで、上述した問題を解消するゼロ点調整の方法がある。ヒータによる加熱を停止していれば、第1温度測定部と第2温度測定部との間に温度差は発生しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2006-010322号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、ヒータの加熱を停止しても、余熱が存在しているため、ヒータを停止した直後では、バルブが全閉であっても、第1温度測定部と第2温度測定部との間に温度差が発生する場合がある。この状態を回避するために、ヒータの加熱を停止した後、余熱が無くなるまで待機すればよいが、どれだけ待機すればよいかが不明確であり、迅速な調整ができないという問題があった。
【0009】
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、より迅速に流量計のゼロ点調整が実施できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る流量制御装置は、測定対象の流体が流れる上流から下流に向かって順次に配置された第1温度測定部、ヒータ、第2温度測定部を備え、第1温度測定部と第2温度測定部との温度測定結果の差を元に流体の流量に応じたセンサ値を出力するセンサ部と、センサ値を元に流体の流量値を求める流量算出部とを備える流量制御装置において、流体の流れを停止するように構成された流体停止部と、ヒータを停止するように構成されたヒータ停止部と、ヒータ停止部がヒータを停止した状態で第1温度測定部と第2温度測定部との温度測定結果の差がゼロとなる状態を検出するように構成された温度差検出部と、温度差検出部が、第1温度測定部と第2温度測定部との温度測定結果の差がゼロとなる状態を検出すると、流量算出部が出力する流量値がゼロとなるように流量算出部を調整するように構成されたゼロ点調整部とを備える。
【0011】
本発明に係る流量制御装置は、測定対象の流体が流れる上流から下流に向かって順次に配置された第1温度測定部、ヒータ、第2温度測定部を備え、第1温度測定部と第2温度測定部との温度測定結果の差を元に流体の流量に応じたセンサ値を出力するセンサ部と、センサ値を元に流体の流量値を求める流量算出部とを備える流量制御装置において、流体の流れを停止するように構成された流体停止部と、ヒータを停止するように構成されたヒータ停止部と、ヒータ停止部がヒータを停止した状態でセンサ部が出力するセンサ値の振れ幅が設定されている規定値以下になる状態を検出するように構成されたセンサ値検出部と、センサ値検出部が、センサ値の振れ幅が設定されている規定値以下になる状態を検出すると、流量算出部が出力する流量値がゼロとなるように流量算出部を調整するように構成されたゼロ点調整部とを備える。
【0012】
本発明に係る流量制御装置は、測定対象の流体が流れる上流から下流に向かって順次に配置された第1温度測定部、ヒータ、第2温度測定部を備え、第1温度測定部と第2温度測定部との温度測定結果の差を元に流体の流量に応じたセンサ値を出力するセンサ部と、センサ値を元に流体の流量値を求める流量算出部とを備える流量制御装置において、流体の流れを停止するように構成された流体停止部と、ヒータを停止するように構成されたヒータ停止部と、ヒータ停止部が、ヒータを停止した時点より設定されている時間が経過したか否かを判定するように構成された経過時間判定部と、経過時間判定部が、ヒータを停止した時点より設定されている時間が経過したことを判定すると、流量算出部が出力する流量値がゼロとなるように流量算出部を調整するように構成されたゼロ点調整部とを備える。
【0013】
本発明に係るゼロ点調整方法は、測定対象の流体が流れる上流から下流に向かって順次に配置された第1温度測定部、ヒータ、第2温度測定部を備え、第1温度測定部と第2温度測定部との温度測定結果の差を元に流体の流量に応じたセンサ値を出力するセンサ部と、センサ値を元に流体の流量値を求める流量算出部とを備える流量制御装置のゼロ点調整方法であって、流体の流れを停止する第1ステップと、ヒータを停止する第2ステップと、流体の流れを停止し、ヒータを停止した状態で第1温度測定部と第2温度測定部との温度測定結果の差がゼロとなる状態を検出する第3ステップと、第3ステップで、第1温度測定部と第2温度測定部との温度測定結果の差がゼロとなる状態が検出されると、流量算出部が出力する流量値がゼロとなるように流量算出部を調整する第4ステップとを備える。
【0014】
本発明に係るゼロ点調整方法は、測定対象の流体が流れる上流から下流に向かって順次に配置された第1温度測定部、ヒータ、第2温度測定部を備え、第1温度測定部と第2温度測定部との温度測定結果の差を元に流体の流量に応じたセンサ値を出力するセンサ部と、センサ値を元に流体の流量値を求める流量算出部とを備える流量制御装置のゼロ点調整方法であって、流体の流れを停止する第1ステップと、ヒータを停止する第2ステップと、流体の流れを停止し、ヒータを停止した状態でセンサ部が出力するセンサ値の振れ幅が設定されている規定値以下になる状態を検出する第3ステップと、第3ステップで、センサ値の振れ幅が設定されている規定値以下になる状態が検出されると、流量算出部が出力する流量値がゼロとなるように流量算出部を調整する第4ステップとを備える。
【0015】
本発明に係るゼロ点調整方法は、測定対象の流体が流れる上流から下流に向かって順次に配置された第1温度測定部、ヒータ、第2温度測定部を備え、第1温度測定部と第2温度測定部との温度測定結果の差を元に流体の流量に応じたセンサ値を出力するセンサ部と、センサ値を元に流体の流量値を求める流量算出部とを備える流量制御装置のゼロ点調整方法であって、流体の流れを停止する第1ステップと、ヒータを停止する第2ステップと、流体の流れを停止し、ヒータを停止した時点より設定されている時間が経過したか否かを判定する第3ステップと、第3ステップで、ヒータを停止した時点より設定されている時間が経過したことが判定されると、流量算出部が出力する流量値がゼロとなるように流量算出部を調整する第4ステップとを備える。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したことにより、本発明によれば、より迅速に流量計のゼロ点調整が実施できるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本発明の実施の形態1における流量制御装置の構成を示す構成図である。
図2図2は、センサ部101の構成を示す構成図である。
図3図3は、本発明の実施の形態1における流量制御装置のゼロ点調整方法を説明するためのフローチャートである。
図4図4は、本発明の実施の形態2における流量制御装置の構成を示す構成図である。
図5図5は、本発明の実施の形態2における流量制御装置のゼロ点調整方法を説明するためのフローチャートである。
図6図6は、本発明の実施の形態3における流量制御装置の構成を示す構成図である。
図7図7は、本発明の実施の形態3における流量制御装置のゼロ点調整方法を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態おける流量制御装置について説明する。
【0019】
[実施の形態1]
はじめに、本発明の実施の形態1における流量制御装置について、図1を参照して説明する。この流量制御装置は、センサ部101、流量算出部102、流体停止部103、ヒータ停止部104、温度差検出部105、ゼロ点調整部106を備える。
【0020】
センサ部101は、図2に例示するように、測定対象の流体151が配管152を流れる上流から下流に向かって順次に配置された第1温度測定部121、ヒータ122、第2温度測定部123を備える。センサ部101は、第1温度測定部121と第2温度測定部123との温度測定結果の差を元に、流体151の流量に応じたセンサ値を出力する。流量算出部102は、センサ部101が出力したセンサ値を元に、流体151の流量値を求める。センサ部101および流量算出部102は、よく知られた熱式流量計である。
【0021】
流体停止部103は、流体の流れを停止する。例えば、流体停止部103は、図2に示す配管152の図示しない上流側に設けられているバルブを全閉状態とすることで、流体151の流れを停止する。ヒータ停止部104は、ヒータ122の動作を停止する。
【0022】
温度差検出部105は、ヒータ停止部104がヒータを停止した状態で第1温度測定部121と第2温度測定部123との温度測定結果の差がゼロとなる状態を検出する。ゼロ点調整部106は、温度差検出部105が、第1温度測定部121と第2温度測定部123との温度測定結果の差がゼロとなる状態を検出すると、流量算出部102が出力する流量値がゼロとなるように流量算出部102を調整する。
【0023】
次に、本発明の実施の形態1における流量制御装置のゼロ点調整方法について、図3のフローチャートを用いて説明する。
【0024】
まず、ステップS101で、流体停止部103が、流体151の流れを停止する(第1ステップ)。次に、ステップS102で、ヒータ停止部104が、ヒータ122の動作を停止する(第2ステップ)。
【0025】
上述したように、流体151の流れを停止し、ヒータ122の動作を停止した後、ステップS103で、温度差検出部105が、第1温度測定部121と第2温度測定部123との温度測定結果の差を検出する。温度差検出部105が、第1温度測定部121と第2温度測定部123との温度測定結果の差がゼロになったことを検出すると(ステップS104のyes)、ステップS105で、ゼロ点調整部106が、流量算出部102が出力する流量値がゼロとなるように流量算出部102を調整する。
【0026】
以上に説明したように、実施の形態1によれば、第1温度測定部121と第2温度測定部123との温度測定結果の差がゼロとなる状態が検出されると、ゼロ点調整部106がゼロ点調整を実施する。第1温度測定部121と第2温度測定部123との温度測定結果の差がゼロとなる状態は、ヒータ122の加熱を停止した後の余熱が無くなっている状態と考えることができ、実施の形態1では、この時点でゼロ点調整を実施する。この結果、実施の形態1によれば、確実に余熱が無くなったと思われるまで無駄に待機することなく、迅速にゼロ点調整が実施できるようになる。
【0027】
[実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2における流量制御装置について、図4を参照して説明する。この流量制御装置は、センサ部101、流量算出部102、流体停止部103、ヒータ停止部104、センサ値検出部107、ゼロ点調整部106aを備える。センサ部101、流量算出部102、流体停止部103、ヒータ停止部104は、前述した実施の形態1と同様である。
【0028】
実施の形態2において、センサ値検出部107は、ヒータ停止部104がヒータを停止した状態で、センサ部101が出力するセンサ値の振れ幅が設定されている規定値以下になる状態を検出する。センサ値の振れ幅の判断基準とする規定値は、予め余熱を測定しながらセンサ値の振れ幅を測定する中で、決定しておけばよい。ゼロ点調整部106aは、センサ値検出部107が、センサ値の振れ幅が設定されている規定値以下になる状態を検出すると、流量算出部102が出力する流量値がゼロとなるように流量算出部102を調整する。
【0029】
次に、本発明の実施の形態2における流量制御装置のゼロ点調整方法について、図5のフローチャートを用いて説明する。まず、ステップS101で、流体停止部103が、流体151の流れを停止する(第1ステップ)。次に、ステップS102で、ヒータ停止部104が、ヒータ122の動作を停止する(第2ステップ)。ここまでは、前述した実施の形態1と同様である。
【0030】
上述したように、流体151の流れを停止し、ヒータ122の動作を停止した後、ステップS106で、センサ値検出部107が、センサ部101が出力するセンサ値の振れ幅を測定(検出)する。センサ値検出部107が、検出しているセンサ値の振れ幅が、設定されている規定値以下になったことを検出すると(ステップS107のyes)、ステップS105で、ゼロ点調整部106が、流量算出部102が出力する流量値がゼロとなるように流量算出部102を調整する。
【0031】
以上に説明したように、実施の形態2によれば、センサ部101が出力するセンサ値の振れ幅が設定されている規定値以下になる状態が検出されると、ゼロ点調整部106aがゼロ点調整を実施する。センサ部101が出力するセンサ値の振れ幅が設定されている規定値以下になる状態は、ヒータ122の加熱を停止した後の余熱が無くなっている状態と考えることができる。実施の形態2では、この時点でゼロ点調整を実施する。この結果、実施の形態2によれば、確実に余熱が無くなったと思われるまで無駄に待機することなく、迅速にゼロ点調整が実施できるようになる。
【0032】
[実施の形態3]
次に、本発明の実施の形態3における流量制御装置について、図6を参照して説明する。この流量制御装置は、センサ部101、流量算出部102、流体停止部103、ヒータ停止部104、経過時間判定部108、ゼロ点調整部106bを備える。センサ部101、流量算出部102、流体停止部103、ヒータ停止部104は、前述した実施の形態1と同様である。
【0033】
実施の形態3において、経過時間判定部108は、ヒータ停止部104がヒータを停止した時点より設定されている時間が経過したか否かを判定する。設定されている時間は、予め余熱を測定しながら、時間の経過を測定する中で決定しておけばよい。ゼロ点調整部106bは、経過時間判定部108が、ヒータを停止した時点より設定されている時間が経過したことを判定すると、流量算出部102が出力する流量値がゼロとなるように流量算出部102を調整する。
【0034】
次に、本発明の実施の形態3における流量制御装置のゼロ点調整方法について、図7のフローチャートを用いて説明する。まず、ステップS101で、流体停止部103が、流体151の流れを停止する(第1ステップ)。次に、ステップS102で、ヒータ停止部104が、ヒータ122の動作を停止する(第2ステップ)。ここまでは、前述した実施の形態1と同様である。
【0035】
上述したように、流体151の流れを停止し、ヒータ122の動作を停止した後、ステップS108で、経過時間判定部108が、時間の経過計測を開始する。経過時間判定部108が、計測している時間が、設定されている時間になったことを判断すると(ステップS109のyes)、ステップS105で、ゼロ点調整部106bが、流量算出部102が出力する流量値がゼロとなるように流量算出部102を調整する。
【0036】
以上に説明したように、実施の形態3によれば、ヒータを停止した時点より設定されている時間が経過すると、ゼロ点調整部106aがゼロ点調整を実施する。ヒータを停止してから予め設定されている規定時間が経過すれば、ヒータ122の加熱を停止した後の余熱が無くなっている状態と考えることができる。実施の形態3では、この時点でゼロ点調整を実施する。この結果、実施の形態3によれば、確実に余熱が無くなったと思われるまで無駄に待機することなく、迅速にゼロ点調整が実施できるようになる。
【0037】
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形および組み合わせが実施可能であることは明白である。
【符号の説明】
【0038】
101…センサ部、102…流量算出部、103…流体停止部、104…ヒータ停止部、105…温度差検出部、106,106a,106b…ゼロ点調整部、107…センサ値検出部、108…経過時間判定部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7