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特許7111598光プローブ、光学変位計、および表面形状測定機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-25
(45)【発行日】2022-08-02
(54)【発明の名称】光プローブ、光学変位計、および表面形状測定機
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/00 20060101AFI20220726BHJP
   G01B 11/24 20060101ALI20220726BHJP
【FI】
G01B11/00 B
G01B11/24 A
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2018229076
(22)【出願日】2018-12-06
(65)【公開番号】P2020091220
(43)【公開日】2020-06-11
【審査請求日】2021-08-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(74)【代理人】
【識別番号】100207789
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 良平
(72)【発明者】
【氏名】寺沢 智丈
(72)【発明者】
【氏名】長池 康成
【審査官】櫻井 仁
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-203445(JP,A)
【文献】特開2017-116507(JP,A)
【文献】特開2004-279087(JP,A)
【文献】特開2009-063446(JP,A)
【文献】特開2006-184777(JP,A)
【文献】特開2014-071919(JP,A)
【文献】特開2005-070053(JP,A)
【文献】特開2005-265616(JP,A)
【文献】特開平10-111361(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00-11/30
G01B 9/02
G01C 3/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を出射する光出射部と、
前記光出射部から出射された前記光を集光する第1集光光学素子と、
前記第1集光光学素子によって集光された光束を光軸に交差する方向に屈曲させることによってリング状光束に変換する第1光束変換素子と、
前記リング状光束を集光して集光光を被測定面に照射し、前記被測定面からの反射光を集光する第2集光光学素子と、
前記反射光を、前記反射光のうち前記第2集光光学素子における周辺部を通過する周辺光成分を前記光軸の近くに移すことによって縮径された縮径光束に、変換する第2光束変換素子と、
前記縮径光束を集光する第3集光光学素子と、
集光された前記縮径光束を受光する受光部と、
を備える、光プローブ。
【請求項2】
前記第1光束変換素子は、前記第2光束変換素子を構成し、
前記第1集光光学素子は、前記第3集光光学素子を構成する、
請求項1に記載の光プローブ。
【請求項3】
前記第1光束変換素子および前記第2光束変換素子の少なくとも一方は、一対の円錐レンズを含む、
請求項1に記載の光プローブ。
【請求項4】
前記第1集光光学素子は、前記光から平行光を形成する、
請求項1に記載の光プローブ。
【請求項5】
前記受光部は、前記第3集光光学素子によって集光された前記縮径光束が入射する光ファイバーを含む、
請求項1に記載の光プローブ。
【請求項6】
前記リング状光束に変換される前の前記光束における軸上光束を遮光する第1遮光部をさらに備える、
請求項1に記載の光プローブ。
【請求項7】
前記リング状光束の内側を通過する光を遮光する第2遮光部をさらに備える、
請求項1に記載の光プローブ。
【請求項8】
前記リング状光束の外側を通過する光を遮光する第3遮光部をさらに備える、
請求項1に記載の光プローブ。
【請求項9】
前記リング状光束に変換される前の前記光束の外側を通過する光を遮光する第4遮光部をさらに備える、
請求項1に記載の光プローブ。
【請求項10】
請求項1に記載の光プローブと、
少なくとも光軸方向において、前記被測定面に対して前記光プローブを相対移動させる第1移動部と、
前記受光部で受光した光強度信号に基づいて、前記被測定面の前記光軸方向における変位を計測する変位計測部と、
を備える、光学変位計。
【請求項11】
被測定物を保持する保持部と、
請求項10に記載の光学変位計と、
前記光学変位計を、前記保持部に対して、少なくとも前記光軸に交差する方向に相対移動させる第2移動部と、
を備える、表面形状測定機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光プローブ、光学変位計、および表面形状測定機に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、表面形状測定機等の測定機に用いられる光学変位計が知られている。光学変位計は、測定光の集光スポットを被測定面に沿って走査する。光学変位計は、被測定面からの反射光の光強度信号に基づいて、被測定面の変位を測定する。
しかし、被測定面が光透過性を有しかつ被測定物が測定方向において薄い場合には、被測定面と重なる他の反射面における反射光が光学変位計に入射するおそれがある。この場合、光学変位計の受光量が被測定面の反射光量からずれることに起因して測定精度が低下する。
このような測定精度の低下を抑制するため、集光スポットの焦点深度を浅くする技術が知られている。
例えば、特許文献1には、測定用光束の近軸光成分を遮光することによって、測定用光束の周辺光成分を使用する光学式変位測定器が記載されている。特許文献1に記載の技術によれば、近軸光成分が遮光されるので、被測定面に入射角が大きな光が照射される。この結果、被測定面が光透過性を有する場合にも被測定面以外の反射光の影響を除去しやすい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-207323号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような関連技術の光学変位計および表面形状測定機には、以下の問題がある。
特許文献1に記載の技術によれば、近軸光成分が遮光されるので、測定用光束の光利用効率が低下してしまう。特に、光学変位計に用いる光プローブを小径化しようとする場合、光利用効率の低下による光量不足は測定精度にも影響しやすい。
さらに特許文献1では、周辺光成分のみ用いるので、受光部としてシングルモードファイバーを使用する場合には、シングルモードファイバーへの結合効率が格段に低下してしまう。
この結果、特許文献1に記載の技術によれば、光学変位計に用いる光プローブの受光部としてシングルファイバーを使用できないので、光プローブの小型化、軽量化が難しい。
測定用光束の焦点深度を浅くする目的で、例えば、対物レンズの焦点距離を短くしたり、対物レンズの開口数(NA)を大きくしたりすることも考えられる。この場合、対物レンズが大口径化したり、対物レンズの作動距離が短くなったりする。被測定物の形状によっては、被測定面を走査する際に光プローブの先端部と被測定面とが干渉してしまう。この結果、測定可能な被測定面の形状に制約が生じてしまう。
【0005】
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、光透過性を有する薄肉の被測定物であっても精度よく被測定面の変位を測定することができ、かつ光利用効率に優れる光プローブ、光学変位計、および表面形状測定機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の第1の態様の光プローブは、光を出射する光出射部と、前記光出射部から出射された前記光を集光する第1集光光学素子と、前記第1集光光学素子によって集光された光束を光軸に交差する方向に屈曲させることによってリング状光束に変換する第1光束変換素子と、前記リング状光束を集光して集光光を被測定面に照射し、前記被測定面からの反射光を集光する第2集光光学素子と、前記反射光を、前記反射光のうち前記第2集光光学素子における周辺部を通過する周辺光成分を前記光軸の近くに移すことによって縮径された縮径光束に、変換する第2光束変換素子と、前記縮径光束を集光する第3集光光学素子と、集光された前記縮径光束を受光する受光部と、を備える。
【0007】
上記光プローブでは、前記第1光束変換素子は、前記第2光束変換素子を構成し、前記第1集光光学素子は、前記第3集光光学素子を構成してもよい。
【0008】
上記光プローブでは、前記第1光束変換素子および前記第2光束変換素子の少なくとも一方は、一対の円錐レンズを含んでもよい。
【0009】
上記光プローブでは、前記第1集光光学素子は、前記光から平行光を形成してもよい。
【0010】
上記光プローブでは、前記受光部は、前記第3集光光学素子によって集光された前記縮径光束が入射する光ファイバーを含んでもよい。
【0011】
上記光プローブでは、前記リング状光束に変換される前の前記光束における軸上光束を遮光する第1遮光部をさらに備えてもよい。
【0012】
上記光プローブでは、前記リング状光束の内側を通過する光を遮光する第2遮光部をさらに備えてもよい。
【0013】
上記光プローブでは、前記リング状光束の外側を通過する光を遮光する第3遮光部をさらに備えてもよい。
【0014】
上記光プローブでは、前記リング状光束に変換される前の前記光束の外側を通過する光を遮光する第4遮光部をさらに備えてもよい。
【0015】
本発明の第2の態様の光学変位計は、上記光プローブと、少なくとも光軸方向において、前記被測定面に対して前記光プローブを相対移動させる第1移動部と、前記受光部で受光した光強度信号に基づいて、前記被測定面の前記光軸方向における変位を計測する変位計測部と、を備える。
【0016】
本発明の第3の態様の表面形状測定機は、上記光学変位計と、前記光学変位計を、前記保持部に対して、少なくとも前記光軸に交差する方向に相対移動させる第2移動部と、を備える。
【発明の効果】
【0017】
本発明の光プローブ、光学変位計、および表面形状測定機によれば、光透過性を有する薄肉の被測定物であっても精度よく被測定面の変位を測定することができ、かつ光利用効率に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の第1の実施形態の光プローブ、光学変位計、および表面形状測定機の構成例を示す模式図である。
図2】本発明の第1の実施形態の光学変位計における計測ユニットの構成例を示す模式図である。
図3】本発明の第1の実施形態の表面形状測定機の動作説明図である。
図4】本発明の第2の実施形態の光プローブおよび光学変位計の構成例を示す模式図である。
図5】本発明の第2の実施形態における光プローブに用いる円錐レンズの模式的な正面図である。
図6図5におけるA-A断面図である。
図7】本発明の第2の実施形態の光プローブに用いる第1遮光部の作用を説明する模式図である。
図8】本発明の第3の実施形態の光プローブおよび光学変位計の構成例を示す模式図である。
図9】本発明の第4の実施形態の光プローブおよび光学変位計の構成例を示す模式図である。
図10】本発明の第5の実施形態の光プローブおよび光学変位計の構成例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下では、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。すべての図面において、実施形態が異なる場合であっても、同一または相当する部材には同一の符号を付し、共通する説明は省略する。
【0020】
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態の光プローブ、光学変位計、および表面形状測定機について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態の光プローブ、光学変位計、および表面形状測定機の構成例を示す模式図である。図2は、本発明の第1の実施形態の光学変位計における計測ユニットの構成例を示す模式図である。
【0021】
図1に示すように、本実施形態の表面形状測定機70は、ステージ30、光学変位計60A、および制御部100を備える。
【0022】
ステージ30は、保持部31と、移動部32(第2移動部)とを備える。
保持部31は、被測定物を保持する。保持部31の構成は、被測定物を保持できれば特に限定されない。例えば、保持部31は、被測定物を保持する目的で、チャック機構、吸着機構などを含んでもよい。
表面形状測定機70で測定する被測定物は、被測定面において第1光学系60Aから照射される光を反射できれば、特に限定されない。例えば、被測定物の例としては、光学素子、光学素子の基材、成形型などが挙げられる。
光学素子の例としては、レンズ、プリズム、ミラーなどが挙げられる。光学素子における被測定面の形状は特に限定されない。例えば、光学素子における被測定面は、凹面、凸面、平面などであってもよい。
光学素子の基材の例としては、光学素子の形状に形成されたガラス基材、プラスチック基材などが挙げられる。
成形型の例としては、光学素子用の成形型、光学素子以外の部品を成形する成形型が挙げられる。
【0023】
以下では、被測定物が、被測定レンズ40からなる場合の例で説明する。被測定レンズ40の形状は特に限定されない。図1に示す例では、被測定レンズ40は凸メニスカスレンズである。被測定レンズ40は、第1面40aおよび第2面40bを有する。第1面40aは凹面からなる。第2面40bは第1面40aと同軸に配置された凸面からなる。
被測定レンズ40のレンズ厚は特に限定されない。
被測定レンズ40の被測定面は、第1面40aであってもよいし、第2面40bであってもよい。図1に示す例では、被測定面は、第1面40aである。
被測定レンズ40はガラスレンズであってもよいし、プラスチックレンズであってもよい。
【0024】
移動部32は、保持部31を移動可能に支持する。移動部32は、保持部31を、少なくとも後述する光学変位計60Aの光軸Oに交差する方向に移動させる。移動部32は、さらに保持部31を光軸Oに沿う方向(以下、光軸方向と称する場合がある)に移動させてもよい。例えば、移動部32は、ゴニオステージ、回転ステージ、XYステージなどを含んでもよい。移動部32は、さらに光軸方向に移動するZステージを含んでもよい。
移動部32は、後述する制御部100と通信可能に接続され、制御部100からの制御信号によって移動量が制御される。
移動部32は、保持部31に保持された被測定面を光軸Oに対して相対移動させる。移動部32は被測定面を移動させるとき、被測定面が光軸Oと直交しかつ光軸O上の点Pを通過する状態を保つことがより好ましい。点Pは測定基準位置である。例えば、点Pは、後述する光プローブ10Aの移動中立位置における測定用光束の結像位置である。
【0025】
光学変位計60Aにおける変位測定方法としては、被測定面に照射される測定用光束の反射光強度に基づく適宜の変位測定方法が用いられる。例えば、光学変位計60Aに好適な変位測定方法の例としては、干渉計を用いる方法(以下、干渉計方式)、同軸共焦点光学系を用いる方法(以下、同軸共焦点方式)などが挙げられる。
干渉計方式では、参照面を有する干渉計光学系が用いられる。干渉計方式では、参照面における測定用光束の反射光束と、被測定面における測定用光束の反射光束とを、干渉させる。干渉光強度は、被測定面と干渉計光学系との光軸方向の相対変位によって変化する。干渉光強度の振幅および位相の情報から相対変位が算出される。
同軸共焦点方式では、同軸共焦点光学系を通して測定用光束を被測定面に照射する。被測定面からの測定用光束の反射光束を共焦点位置に配置された受光部で受光する。受光部における反射光束の信号強度は、被測定面が焦点位置に配置されたときに最大となる。同軸共焦点光学系と被測定面とを光軸方向に相対移動させて、信号強度が最大となる相対移動量を求めることによって、被測定面の相対変位が算出される。
【0026】
光学変位計60Aの変位測定方法は、干渉計方式でもよいし、同軸共焦点方式でもよいが、以下では、干渉計方式の一例で説明する。光学変位計60Aにおいて、干渉計光学系以外の構成は、特に断らない限り、同軸共焦点方式にも使用できる。
光学変位計60Aは、光プローブ10A、光プローブ移動部7(第1移動部)、および計測ユニット20を備える。
【0027】
光プローブ10Aは、筐体10a、第1光ファイバー1、参照部材2、第1集光レンズ3(第1集光光学素子、第3集光光学素子)、第1円錐レンズ4(第1光束変換素子、第2光束変換素子)、第2円錐レンズ5(第1光束変換素子、第2光束変換素子)、および第2集光レンズ6(第2集光光学素子)を備える。
【0028】
筐体10aは、細長い有底筒部材である。筐体10aの長手方向における第1端部E1(図示左側の端部)には、後述する第1光ファイバー1の先端部1bが固定されている。筐体10aの長手方向における第2端部E2(図示右側の端部)には、長手方向に開口する開口部10bが形成されている。
筐体10aの内部には、光軸Oに沿って、先端部1b、参照部材2、第1集光レンズ3、第1円錐レンズ4、第2円錐レンズ5、および第2集光レンズ6がこの順に配置されている。光軸Oは、筐体10aの長手方向に延びている。
先端部1b、参照部材2、第1集光レンズ3、第1円錐レンズ4、第2円錐レンズ5、および第2集光レンズ6は、図示略の固定部材によって筐体10aに固定されている。
【0029】
第1光ファイバー1は、基端部1c(図2参照)から先端部1bに延びるシングルモードファイバーである。
図2に示すように、基端部1cは、後述する計測ユニット20の内部に配置されている。
図1に示すように、先端部1b(光出射部、受光部)は、筐体10aの第1端部E1の内側において、光軸Oと同軸に固定されている。先端部1bには、光ファイバー端面1aが形成されている。光ファイバー端面1aは、第1光ファイバー1への光入射および第1光ファイバー1からの光出射が可能である。
【0030】
参照部材2は、面精度が良好な光透過性の平行平板からなる。参照部材2は、第1光ファイバー1の光ファイバー端面1aに近接して配置されている。ただし、光ファイバー端面1aが、参照部材2の後述する参照面を兼ねる構成も可能である。この場合には、光ファイバー端面1aに近接する参照部材は配置されない。
参照部材2において、光ファイバー端面1a寄りの表面は、干渉計における参照面が形成されている。例えば、参照面は、ビームスプリッタ面で形成される。
参照部材2は、第1光ファイバー1からの入射光束を参照面において、透過光束と反射光束とに分割する。
【0031】
第1集光レンズ3は、正の屈折力を有する単レンズ、または全体として正の屈折力を有するレンズ群からなる。ただし、図1に示す例では、第1集光レンズ3は、第1面3aおよび第2面3bが光軸方向に対向する単レンズである。第1面3aは参照部材2に対向するレンズ面である。第2面3bは、後述する第1円錐レンズ4に対向するレンズ面である。
第1集光レンズ3は、光軸Oと同軸に配置されている。本実施形態では、第1集光レンズ3の前側焦点は、先端部1bに合わされている。これにより、第1集光レンズ3は、先端部1bからの出射光を平行光束にするコリメータレンズを構成している。
【0032】
第1円錐レンズ4は、円錐面4aと、平面4bと、が光軸方向において対向した透過光学素子である。第1円錐レンズ4は、円錐面4aの頂点4cを通る平面4bの法線を回転中心線とする回転対称プリズムからなる。
第1円錐レンズ4の平面4bは、第1集光レンズ3の第2面3bと対向している。第1円錐レンズ4は、光軸Oと同軸に配置されている。
第1円錐レンズ4は、平面4bに入射して円錐面4aを透過する透過光の光路を光軸Oに向けて屈曲させる。
【0033】
第2円錐レンズ5は、円錐面5aと、平面5bと、が光軸方向において対向した透過光学素子である。第2円錐レンズ5は、円錐面5aの頂点5cを通る平面5bの法線を回転中心線とする回転対称プリズムからなる。
第2円錐レンズ5の円錐面5aは、第1円錐レンズ4の円錐面4aと対向している。第2円錐レンズ5は、光軸Oと同軸に配置されている。
第2円錐レンズ5は、平面5bに入射して円錐面5aを透過する透過光の光路を光軸Oに向けて屈曲させる。
本実施形態では、円錐面5aの頂角の大きさは、第1円錐レンズ4の円錐面4aの頂角の大きさに等しい。
【0034】
第2集光レンズ6は、正の屈折力を有する単レンズ、または全体として正の屈折力を有するレンズ群からなる。ただし、図1に示す例では、第2集光レンズ6は、第1面6aおよび第2面6bが光軸方向に対向する単レンズである。第1面6aは第1円錐レンズ4の平面5bに対向するレンズ面である。第2面6bは、開口部10bに臨むレンズ面である。
第2集光レンズ6は、光軸Oと同軸に配置されている。
【0035】
光プローブ移動部7は、光学変位計60Aを少なくとも光軸方向に移動可能に支持する。光プローブ移動部7は、光学変位計60Aを光軸方向に移動させることによって、光学変位計60Aから出射される測定用光束の集光位置を光軸方向に高精度に進退させる。
光プローブ移動部7の構成は、光学変位計60Aを光軸方向に、必要な測定精度に応じた精度で移動できれば特に限定されない。例えば、光プローブ移動部7としては、ピエゾ素子駆動機構などが用いられてもよい。
光プローブ移動部7は、後述する制御部100と通信可能に接続され、制御部100からの制御信号によって移動量が制御される。
【0036】
図2に示すように、計測ユニット20は、光源21、カップリングレンズ22、第2光ファイバー23、光ファイバーカプラ24、第3光ファイバー25、集光レンズ26、受光素子27、および変位計側部28を備える。
【0037】
光源21は、変位測定に用いる光を放射する。光学変位計60Aでは干渉計方式が用いられるので、光源21は可干渉光を放射する。光源21としては、半導体レーザ、ガスレーザなどが用いられてもよい。本実施形態では、一例として半導体レーザが用いられている。この場合、光源21が放射する光は発散光である。
【0038】
カップリングレンズ22は、光源21から放射される光を後述する第2光ファイバー23に光結合する。
カップリングレンズ22は、光源21に発光点と、入射端面23aにおけるコア中心と、が互いに光学的に共役になる位置に配置される。カップリングレンズ22は、光源21が放射する光を集光し、第2光ファイバー23の入射端面23a上に結像する。
【0039】
第2光ファイバー23は、カップリングレンズ22によって光結合された光を第1光ファイバー1に伝送する。
第2光ファイバー23は、長手方向において第1端部および第2端部を有する。第2光ファイバー23の第1端部には、コアが露出した入射端面23aが形成されている。第2光ファイバー23の第2端部は、後述する光ファイバーカプラ24のポートに接続されている。例えば、第2光ファイバー23はシングルモードファイバーからなる。
【0040】
光ファイバーカプラ24は、第1ポート24a、第2ポート24b、および第3ポート24cを有する。光ファイバーカプラ24は、第1ポート24aに入射した光を第2ポート24bに出射する。光ファイバーカプラ24は、第2ポート24bに入射した光を第3ポート24cに出射する。
第1ポート24aには、第2光ファイバー23の第2端部が光接続されている。
第2ポート24bには、第1光ファイバー1の基端部1cが光接続されている。
第3ポート24cには、後述する第3光ファイバー25の第1端部が光接続されている。
【0041】
第3光ファイバー25は、光ファイバーカプラ24の第3ポート24cから出射される光を伝送する。
第3光ファイバー25は、長手方向において第1端部および第2端部を有する。第3光ファイバー25の第1端部は、光ファイバーカプラ24の第3ポート24cに光接続されている。第3光ファイバー25の第2端部には、コアが露出した出射端面25aが形成されている。例えば、第3光ファイバー25はシングルモードファイバーからなる。
【0042】
集光レンズ26は、第3光ファイバー25の出射端面25aから出射される光を集光する。
受光素子27は、集光レンズ26による集光位置に配置される。受光素子27は、集光レンズ26によって集光される光を光電変換する。受光素子27は、光電変換によって生成された光強度信号を、後述する変位計側部28に送出する。
受光素子27としては、光源21で発生される波長光を精度よく光電変換できる適宜の光検出素子、光検出器が使用可能である。
【0043】
変位計側部28は、受光素子27から送出された光強度信号に基づいて、被測定面の光軸方向における変位を計測する。変位計側部28は、後述する制御部100と通信可能に接続されており、制御部100からの制御信号に基づいて、光源21の駆動および受光素子27からの光強度信号の信号処理を行う。
変位計側部28が行う変位計測処理については、光学変位計60Aの動作とともに説明する。
【0044】
図1に示す制御部100は、表面形状測定機70および光学変位計60Aの測定動作を制御する。制御部100は、使用者が操作入力を行う操作部100aを備える。例えば、操作部100aは、キーボード、操作ボタン、操作レバー、操作パネル、操作スイッチなどの適宜の操作入力手段を有する。
制御部100は、ステージ30、光プローブ移動部7、および変位計側部28(図2参照)と通信可能に接続されている。制御部100は、操作部100aを通した操作入力に基づいて、表面形状測定機70の各装置部分を制御する。
例えば、制御部100は、光プローブ移動部7およびステージ30の少なくとも一方に制御信号を送出することによって、光学変位計60Aと、保持部31に保持された被測定物との相対位置を調整する制御を行う。本実施形態では、形状測定の前に、制御部100には被測定面の設計上の形状データが記憶されている。制御部100は、記憶された設計上の形状データに基づいて、被測定面上の点を、例えば、測定基準位置Pに移動させることができる。
例えば、制御部100は、変位計側部28に制御信号を送出することによって、光学変位計60Aによる形状測定の開始および停止を制御する。
制御部100が行う具体的な制御については、表面形状測定機70および光学変位計60Aの動作とともに説明する。
【0045】
変位計側部28および制御部100の装置構成としては、例えば、CPU、メモリ、入出力インターフェース、外部記憶装置などを含むコンピュータが用いられてもよい。この場合、コンピュータは、後述する動作に対応する制御信号を生成する適宜の制御プログラムを実行する。制御プログラムは、上述のメモリ、外部記憶装置に記憶されていてもよい。制御プログラムは、記憶媒体から読み込むことでメモリにロードされてもよい。制御プログラムは、通信回線を通してメモリにロードされてもよい。
変位計側部28および制御部100の装置構成としては、例えば、それぞれの動作を実行させる適宜のハードウェアが用いられてもよいし、適宜のハードウェアとコンピュータとの組み合わせが用いられてもよい。
変位計側部28および制御部100は、互いに別体で構成されてもよいし、一体化されていてもよい。
【0046】
次に、表面形状測定機70の動作例について、光プローブ10Aおよび光学変位計60Aの動作例を中心として説明する。
図3は、本発明の第1の実施形態の表面形状測定機の動作説明図である。
【0047】
図1に示すように、表面形状測定機70においては、ステージ30が光学変位計60Aの第2端部E2と対向して位置されている。
例えば、被測定レンズ40の第1面40aの表面形状を測定する場合、図1に示すように、第1面40aを光学変位計60Aに向けた状態で被測定レンズ40を保持部31に保持させる。
操作部100aから形状測定を開始する操作入力がなされると、制御部100は、予め記憶された第1面40aの形状データに基づいて、表面形状測定における測定用光束の走査経路を算出する。
この後、制御部100は、光プローブ移動部7およびステージ30に、光プローブ10Aおよび被測定レンズ40の相対位置の初期化を行う制御信号を送出する。これにより、光プローブ移動部7は、光プローブ10Aを移動中立位置に移動する。ステージ30の移動部32は、第1面40a上における走査経路の始点を、第1面40aの設計上の形状データに基づいて測定基準位置Pに移動する。このとき、移動部32は、測定基準位置Pにおける第1面40aの法線を光軸Oに一致させることを目的として保持部31を回動させる。
以上で、光プローブ10Aおよび被測定レンズ40の配置の初期化が終了する。
【0048】
この後、制御部100は、変位計側部28に変位測定を開始させる制御信号を送出する。
変位計側部28は、光源21を点灯する。図2に示すように、光源21は光束L0を出射する。光束L0は、カップリングレンズ22によって、入射端面23a上に集光される。光束L0は第2光ファイバー23に光結合される。光束L0は、図2において実線矢印で移動方向を示すように、第2光ファイバー23のコア内を第1ポート24aに向かって進む。光束L0は、第2光ファイバー23の端部に達すると、光ファイバーカプラ24の第1ポート24aに入射する。光束L0は、光ファイバーカプラ24内を第2ポート24bに向かって進む。光束L0は、光ファイバーカプラ24の第2ポート24bから出射される。これにより、光束L0は第1光ファイバー1の基端部1cに入射する。
【0049】
図1に示すように、光束L0は、第1光ファイバー1の光ファイバー端面1aに達すると、参照部材2に向けて出射される。
光束L0は、参照部材2の参照面で、反射光束L0rと、出射光束L1と、に分割される。
反射光束L0rは、第1光ファイバー1の光ファイバー端面1aに入射し、第1光ファイバー1内を光ファイバーカプラ24に向かって進む。
出射光束L1は、参照部材2から第1集光レンズ3に向かって放射される。出射光束L1は光軸Oを中心として光ファイバー端面1aから発散する。
【0050】
図2に示すように、反射光束L0rは、第2ポート24bに入射した後、第3ポート24cを通して第3光ファイバー25に入射する。反射光束L0rは、第3光ファイバー25内を出射端面25aに向かって進む。反射光束L0rは、出射端面25aから出射した後、集光レンズ26によって受光素子27上に集光される。
【0051】
図1に示すように、出射光束L1は、第1集光レンズ3に入射すると、第1集光レンズ3によって集光される。本実施形態では、第1集光レンズ3の前側焦点が光ファイバー端面1aに一致しているので、出射光束L1は、第1集光レンズ3によって平行光束L2に変換される。
平行光束L2は、光軸Oに沿って進む。平行光束L2は、第1円錐レンズ4の平面4bに入射すると、光軸Oに沿って進み、円錐面4aに到達する。
【0052】
円錐面4aは回転対称プリズムとして機能する。平行光束L2は、頂点4cを通る軸上光線を除いて、円錐面4aにて光軸Oに向かって一様に屈折される。
軸上光線は、原理的には光軸Oに沿って直進する。ただし、頂点4cの仕上がり形状によっては、仕上がり形状に応じて屈折されたり、散乱されたり、集光されたりする。軸上光線の近傍の光線も同様である。しかし、平行光束L2において、軸上光線成分の光量は、その他の成分に比べて格段に少ない。
【0053】
平行光束L2が光軸Oに向かって一様に屈折されると、光軸Oに交差する屈曲光束L3が形成される。屈曲光束L3が第2端部E2に向かって進むにつれて、平行光束L2の周辺光成分と、平行光束L2の中心光成分とが、漸次入れ替わる。
平行光束L2における最外の周辺光線が光軸Oと交差した後、屈曲光束L3は、第2端部E2の方に進むにつれて光軸Oから離れる。本明細書では、このように、光軸Oに直交する断面が円環状になった状態をリング状光束L4と称する。以下では、光束の断面に関して、特に断らない限り、光軸Oに直交する断面を単に「断面」と称する。
リング状光束L4の内周光成分は、平行光束L2の中心光成分からなる。リング状光束L4の外周光成分は、平行光束L2の周辺光成分からなる。リング状光束L4の断面において内周部から外周部に向かう光強度分布は、平行光束L2の断面において周辺部から中心部に向かう光強度分布に対応する。
【0054】
リング状光束L4は、第2円錐レンズ5の円錐面5aに達すると、円錐面5aにて光軸Oに向かって一様に屈折される。本実施形態では、円錐面4a、円錐面5aの頂角は互いに等しく、かつ第1円錐レンズ4および第2円錐レンズ5が同軸に配置されている。この結果、リング状光束L4は、光軸Oと同軸の円筒状の平行光束に変換される。
平面5bを透過したリング状光束L4が第2集光レンズ6に入射すると、リング状光束L4は集光され、リング状集光光束L5に変換される。本実施形態では、リング状集光光束L5は、第2集光レンズ6の後側焦点位置に結像される。本実施形態では、第2集光レンズ6の後側焦点位置は、初期化状態において測定基準位置Pに一致している。
【0055】
リング状集光光束L5は、後側焦点位置に向かうにつれて集光されるので、リング状集光光束L5の外周光と内周光とは次第に近づき、光軸O上に微小スポットが形成される。
リング状集光光束L5は第1面40aに達すると、リング状集光光束L5の一部が第1面40aの反射率に応じて、物体側に反射され、リング状集光光束L5のその他が第1面40aを透過する。
例えば、リング状集光光束L5における光束L5aの一部が光束L6aとして反射される。第1面40aの法線は上述の初期化動作によって光軸Oに一致している。この結果、光束L6aは、光軸Oに関して光束L5aと線対称な光束である。同様に、リング状集光光束L5の他の光束成分も、一部が第1面40aで同様に反射される。この結果、第1面40aによって、リング状集光光束L5と同様な形状で、リング状集光光束L5と同様な光路をたどって第2集光レンズ6に向かう反射光束L6が形成される。反射光束L6は、リング状集光光束L5よりも全体光量は少ないが、リング状集光光束L5と同様な光強度分布を有する。反射光束L6は全体として、リング状集光光束L5の光路を逆進する。
【0056】
反射光束L6は、第2集光レンズ6の周辺部に入射する。反射光束L6は、第2集光レンズ6によって集光され、光軸Oに沿って進む。
反射光束L6は、第2円錐レンズ5および第1円錐レンズ4をこの順に透過し、縮径光束L7に変換される。縮径光束L7は、リング状光束L4および屈曲光束L3の光路を逆進することによって形成される。縮径光束L7は、第2集光レンズ6の周辺部を通過する反射光束L6が光軸Oの近くに移されて形成された平行光束である。これにより、縮径光束L7の外径は、第2集光レンズ6を通過する反射光束L6の外径よりも小さい。
縮径光束L7は、平行光束L2、および出射光束L1の各光路と同様な光路を逆進するので、光ファイバー端面1aにおける光結合効率が向上する。これにより、反射光束L6の光量が高精度に測定できる。
【0057】
これに対して、第1面40aを透過した光束L5aの他成分は、第1面40aの屈折力に応じて屈折した後、第2面40bにて光束L6bとして反射される。
光束L6bが反射光束L6と同様に第1光ファイバー1に光結合されるのは、光束L6bがリング状集光光束L5の光路を逆進する場合である。光束L6bが第1光ファイバー1に光結合されると、後述する変位測定のノイズ光になる。
リング状集光光束L5は、第1面40aに斜入射して、第1面40a上で結像しているので、第1面40aを透過する光束L5aは光軸Oから離れる方向に進んだ後、第2面40bで一部が反射されることによって光束L6bが形成される。
第2面40bの曲率半径が被測定レンズ40のレンズ厚に一致している非常に特殊な例を除けば、光束L6bのすべてがリング状集光光束L5の結像位置に戻ることはない。
被測定物が薄肉レンズの場合、第2面40bへの入射角が浅いと、光束L6bの一部が光ファイバー端面1aに戻る可能性がある。
しかし、本実施形態では、リング状集光光束L5には、光軸Oに関する近軸光が含まれていないので、最も入射角が浅くなる光束成分でもリング状光束L4およびリング状集光光束L5の内周成分である。したがって、本実施形態によれば、リング状光束L4の内径と、第2集光レンズ6の開口数を適宜設定することによって、光束L6bが光路を逆進して光ファイバー端面1aに結像されることを防止できる。
さらに、本実施形態では、万一、光束L6bが光ファイバー端面1aに戻るとしても、リング状光束L4の内周成分は、出射光束L1の周辺光成分である。出射光束L1の周辺光成分は中心光成分に比べて光強度が低い。これにより、万一、光束L6bが光ファイバー端面1aに戻ったとしても、中心光成分が戻る場合に比べて低ノイズになる。
【0058】
光ファイバー端面1aにおいて第1光ファイバー1に光結合した縮径光束L7は、反射光束L0rと同様の光路を進んで、受光素子27で受光される。ただし、反射光束L0rと縮径光束L7とは、互いの光路長差に応じて干渉を起こす。ここで、縮径光束L7の光路長とは、出射光束L1が参照面から出射されて、平行光束L2、屈曲光束L3、リング状光束L4、リング状集光光束L5、反射光束L6、および縮径光束L7に順次変換された後、参照面に戻るまでの全光路長を意味する。具体的には、参照部材2から光ファイバー端面1aまでの光路長の2倍に相当する。
受光素子27は、干渉光の光強度に対応する干渉信号を変位計側部28に送出する。
【0059】
次に、変位測定の動作について説明する。
光学変位計60Aにおける変位測定では、第1面40a上の走査経路における各測定位置において、光プローブ10Aを光軸方向に駆動しながら干渉信号を取得する。
光プローブ移動部7によって光プローブ10Aが光軸方向に移動されると、リング状集光光束L5のフォーカス位置が光軸方向に移動する。フォーカス位置が測定基準位置Pに配置された第1面40aからずれると、第1面40aには、デフォーカス状態のリング状集光光束L5が照射される。
このようなデフォーカス状態では、反射光束L6のうち、リング状集光光束L5の光路を逆進できる成分が低下する。反射光束L6のうち、リング状集光光束L5の光路を逆進して、光ファイバー端面1aに戻る光量が最大になるのは、リング状集光光束L5のフォーカス位置が第1面40aに一致したときである。
第1光ファイバー1に光結合して、光源21に達する縮径光束L7は、参照部材2の参照面を通過すると、反射光束L0rとの光路長差に応じてと干渉を起こす。受光素子27における受光量は、第1光ファイバー1に入射する反射光束L6の光量に干渉による光量変化分が加算された大きさになる。
【0060】
受光素子27で光電変換されることによって生成された干渉信号は、変位計側部28に送出される。変位計側部28では、光プローブ移動部7の駆動量に基づく光プローブ10Aの移動位置と、干渉信号とから、リング状集光光束L5のフォーカス位置が第1面40aに一致した移動位置を算出する。具体的な処理としては、例えば、位相シフト法による演算処理が挙げられる。
位相シフト法によれば、光軸方向における複数の位置の干渉信号の演算処理によって、干渉による信号変化を除いたピーク強度が得られる移動位置の情報が算出される。
ただし、反射光束L6に第2面40bからの光束L6bなどのノイズ光が混入すると、ピーク強度の判定に誤差が生じる。例えば、光束L6bは、反射光束L6と光路長が異なるので、干渉信号におけるノイズの原因になる。干渉信号が乱れると、位相シフト法の精度が低下する。
例えば、第1光ファイバー1における光結合する反射光束L6の光量が低下したり、ばらついたりしても、ピーク強度の判定に誤差が生じる。例えば、第1光ファイバー1に光結合する反射光束L6の光量が低下すると、干渉信号のS/N比が低下するため測定精度が低下する。例えば、第1光ファイバー1に光結合する反射光束L6の光量がばらつくと、ピーク強度の位置が変化する。
本実施形態では、上述したように、反射光束L6へのノイズ光の混入が抑制され、かつ第1光ファイバー1における光結合効率にも優れるので、高精度なピーク強度の判定が可能である。
変位計側部28は、リング状集光光束L5のフォーカス位置が第1面40aに一致した移動位置の情報を、測定位置における第1面40aの変位量として記憶する。
【0061】
このようにして、1つの測定位置における第1面40aの位置が取得されると、制御部100は、ステージ30に制御信号を送出して、走査経路上の次の測定位置を測定基準位置Pに移動させる。例えば、第1面40aが球面の場合には、図3に示すように、移動部32は、点Pを中心として保持部31を回転させる。
この測定位置は、制御部100が記憶している設計上の第1面40a上の測定位置である。実際の第1面40aは、製作誤差などによって測定基準位置Pからずれている可能性がある。
測定位置が移動したら、制御部100は、上述の変位測定動作を行わせる制御を行う。
予定された走査経路上のすべての測定位置での測定が終了したら、変位計側部28は、各変位量を、任意の基準位置からの変位に換算する。例えば、第1面40aと被測定レンズ40のレンズ光軸との交点の変位量を0として、各測定位置の変位量を換算する。換算された各変位量は、第1面40aの設計値からずれ量を表す。このようにして、第1面40aの形状測定が終了する。
【0062】
本実施形態の光プローブ10Aによれば、第1面40aに対して、第2集光レンズ6の周辺部を通過するリング状集光光束L5を照射するので、第1面40aに対して入射角が浅い近軸光が排除されている。このため、被測定レンズ40が薄肉であっても、第2面40bでの反射光(光束L6b)が第1光ファイバー1に戻ることを抑制できる。この結果、光束L6aなどの第1面40aで反射される光がノイズ光として被測定面で反射された反射光束L6に混入することを抑制できるので、高精度の変位測定が行える。
【0063】
さらに本実施形態では、出射光束L1の全光束から、平行光束L2が形成され、第1円錐レンズ4および第2円錐レンズ5によって、平行光束L2からリング状光束L4が形成される。リング状光束L4は、第2円錐レンズ5で集光されることによってリング状光束L4の全光束がリング状集光光束L5として、第1面40aに照射される。
このように本実施形態では、出射光束L1の中心光成分および周辺光成分の全体が、第2集光レンズ6の周辺部を透過することによって、第1面40aに斜入射される。このため、例えば、平行光束L2の中心部を遮光するなどして、第2集光レンズ6の周辺部を通る測定用光束を形成する場合に比べて、光利用効率が向上する。
【0064】
さらに本実施形態では、第2集光レンズ6の周辺部によってリング状光束L4を集光するため、上述したように、第2集光レンズ6に全光束が透過する場合に比べて、結像位置における収差が少なくなる。これにより、同じ開口数であれば、焦点深度は、全光束が透過する光学系に比べて本実施形態の光学系の方が浅くなる。したがって、より高精度の変位測定が可能になる。全光束が透過する光学系で同様の焦点深度を得るには、レンズ径を大きくするなどして開口数を大きくしなければならないので、本実施形態の光学系の方が小型化に有利である。
光プローブ10Aの外径を小径化できると、複雑な形状を有する金型面、図3に示すような曲率半径の小さな凹面を有する小型レンズなどの測定が容易になる。
【0065】
以上説明したように、本実施形態の光プローブ10A、光学変位計60A、および表面形状測定機70によれば、光透過性を有する薄肉の被測定物であっても精度よく被測定面の変位を測定することができ、かつ光利用効率に優れる。
【0066】
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態の光プローブおよび光学変位計について説明する。
図4は、本発明の第2の実施形態の光プローブおよび光学変位計の構成例を示す模式図である。図5は、本発明の第2の実施形態における光プローブに用いる円錐レンズの模式的な正面図である。図6は、図5におけるA-A断面図である。図7は、本発明の第2の実施形態の光プローブに用いる第1遮光部の作用を説明する模式図である。
【0067】
図4に示すように、本実施形態の光学変位計60Bは、第1の実施形態の光学変位計60Aの光プローブ10Aに代えて、光プローブ10Bを備える。光学変位計60Bは、第1の実施形態の表面形状測定機70において、光学変位計60Aに代えて用いることができる。
以下、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0068】
光プローブ10Bは、遮光部41(第1遮光部)と、遮光部42(第2遮光部)と、が追加された以外は、光プローブ10Aと同様に構成される。
遮光部41は、リング状光束L4に変換される前の光束における軸上光束を遮光する。遮光部41の透過率は、透過光の変位測定への影響を考慮して適宜設定することができる。
図5、6に示すように、遮光部41は、第1円錐レンズ4における円錐面4aにおいて、頂点4cおよびその近傍に設けられている。遮光部41の平面視形状は頂点4cを中心とする円である。
遮光部41の外径D41は、頂点4cの近傍において、円錐形状に製造誤差の発生しやすい範囲を被覆できる大きさであればよい。ただし、図4では、見易さのため、遮光部41の大きさが誇張されており、光束の遮光領域の図示は省略されている。
【0069】
遮光部41の構成は、軸上光束を遮光できれば特に限定されない。例えば、遮光部41は、光吸収性材料を含む遮光塗料の硬化物によって形成されてもよい。例えば、遮光部41は光吸収性材料が円錐面4a上に蒸着されて形成されてもよい。
遮光部41は、軸上光束を光散乱によって減衰させてもよい。具体的には、遮光部41は、頂点4cの近傍を粗面化することによって形成されてもよい。例えば、遮光部41は、頂点4cを覆う光散乱層によって形成されてもよい。
【0070】
遮光部42は、リング状光束L4の内側を通過する光を遮光する。遮光部42の透過率は、透過光の変位測定の影響を考慮して適宜設定することができる。例えば、遮光部42の透過率は、遮光部41の透過率と同様の大きさであってもよい。
図5、6に示すように、遮光部42は、第2円錐レンズ5における円錐面5aにおいて、頂点5cおよびその近傍に設けられている。遮光部42の平面視形状は頂点5cを中心とする円である。
遮光部42の外径D42は、リング状光束L4の内径以下であれば、特に限定されない。
遮光部42の構成は、遮光部41の説明で例示した構成が用いられてもよい。
【0071】
光プローブ10Bは、遮光部41によって平行光束L2の軸上光成分が遮光され、遮光部42によってリング状光束L4の内側を通過する光が遮光される以外は、第1の実施形態の光プローブ10Aと同様の作用を有する。
以下、光プローブ10Bの作用について、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0072】
第1円錐レンズ4をガラスまたはプラスチックで成形する場合、円錐面4aを厳密な1点に収束させることは困難である。頂点4cは、平行光束L2の波長に比べて大きな有限の端面によって形成される。この結果、頂点4cの近傍に入射する軸上光束は、円錐面4aによる屈折方向と異なる方向に出射される。
例えば、図7に示すように、第1円錐レンズ4に入射する軸上光束L2aが頂点4cにおいて光束L3aのように直進すると、第2面40b(図4参照)に到達した場合に第2面40bで正反射されて、反射光束L6とは光路長が異なる戻り光が生じる。
例えば、頂点4cの近傍の形状によっては、軸上光束L2aが、光束L3bのように光軸Oとも屈曲光束L3とも異なる方向に透過することが考えられる。この場合、光束L3bは、第2面40bに浅い入射角で入射するので、光ファイバー端面1aに光結合する戻り光になりやすい。
しかし、本実施形態では、軸上光束L2aが遮光部41によって遮光されるので、光束L3a、L3bは、発生しないか、発生しても変位測定に影響しない程度の光量に抑制できる。
【0073】
遮光部42は、円錐面5aにおいてリング状光束L4よりも内側を通過する光を遮光できる。この結果、遮光部42の位置を通過して光ファイバー端面1aに光結合されるノイズ光が遮光される。
例えば、光束L3a、L3bなどの遮光部41を透過する光束が生じても、遮光部42によって、リング状光束L4の内側を通過する光成分が遮光される。
例えば、遮光部42によって、第2面40bにおける反射光のうち、リング状光束L4の内側を通過して光ファイバー端面1aに光結合される光成分が遮光される。
さらに遮光部42は、光プローブ10B内の光学素子の反射光によってフレア光が発生したとしても、フレア光のうち、遮光部42の位置を通過して光ファイバー端面1aに光結合される光成分を遮光することができる。
【0074】
このように、本実施形態によれば、遮光部41、42によって、第1の実施形態よりもさらにノイズ光の発生を抑制できるので、より正確な変位測定が可能である。
【0075】
さらに、本実施形態では、第1円錐レンズ4および第2円錐レンズ5の製造コストを低減することができる。
例えば、第1円錐レンズ4において、頂点4cの近傍まで、円錐面4aを高精度に形成すると第1円錐レンズ4の製造コストが増大する。しかし、本実施形態では、頂点4cの近傍が遮光部41によって遮光されるので、遮光部41で覆われる部位では、円錐面4aが形成されなくてもよい。例えば、遮光部41で覆われる部位の形状は、レンズ光軸と交差する平面、円錐と異なる凸面などであってもよい。この結果、第1円錐レンズ4の製造コストが低減される。
第2円錐レンズ5についても、第1円錐レンズ4と同様である。
【0076】
以上説明したように、本実施形態の光プローブ10Bおよび光学変位計60Bによれば、第1の実施形態と同様、光透過性を有する薄肉の被測定物であっても精度よく被測定面の変位を測定することができ、かつ光利用効率に優れる。
【0077】
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態の光プローブおよび光学変位計について説明する。
図8は、本発明の第3の実施形態の光プローブおよび光学変位計の構成例を示す模式図である。
【0078】
図8に示すように、本実施形態の光学変位計60Cは、第1の実施形態の光学変位計60Aの光プローブ10Aに代えて、光プローブ10Cを備える。光学変位計60Cは、第1の実施形態の表面形状測定機70において、光学変位計60Aに代えて用いることができる。
以下、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0079】
光プローブ10Cは、遮光部43(第4遮光部)と、遮光部44(第3遮光部)と、が追加された以外は、光プローブ10Aと同様に構成される。
遮光部43は、リング状光束L4に変換される前の光束の外側を通過する光を遮光する。遮光部43の透過率は、透過光の変位測定への影響を考慮して適宜設定することができる。例えば、遮光部43の透過率は、第2の実施形態における遮光部41の透過率と同様の大きさであってもよい。
遮光部43の構成は、リング状光束L4に変換される前の光束の外側を通過する光を遮光できれば特に限定されない。図8に示す例では、遮光部43は、屈曲光束L3の外径以上の内径を有する開口部43aが厚さ方向に貫通した遮光板からなる。例えば、遮光部43は、光吸収性材料を含む遮光塗料で塗装された金属板、プラスチック板などを備えてもよい。例えば、遮光部43は、艶消し処理された黒色メッキの施された金属板、プラスチック板などを備えてもよい。
遮光部43は、図示略の固定部材によって筐体10aの内側に固定されている。遮光部43は、屈曲光束L3が開口部43aの内側を通過する位置に固定されている。
【0080】
遮光部44は、リング状光束L4の外側を通過する光を遮光する。遮光部44の透過率は、透過光の変位測定の影響を考慮して適宜設定することができる。例えば、遮光部44の透過率は、遮光部43の透過率と同様の大きさであってもよい。
遮光部44の構成は、リング状光束L4の外側を通過する光を遮光できれば特に限定されない。図8に示す例では、遮光部44は、リング状光束L4の外径以上の内径を有する開口部44aが厚さ方向に貫通した遮光板からなる。遮光部44は、開口部44aの大きさを除いては遮光部43と同様に形成されてもよい。
遮光部44は、図示略の固定部材によって筐体10aの内側に固定されている。遮光部44は、第1円錐レンズ4と第2円錐レンズ5の間において、リング状光束L4が開口部44aの内側を通過する位置に固定されている。
【0081】
光プローブ10Cは、遮光部43によってリング状光束L4に変換される前の光束の外側を通過する光が遮光され、遮光部44によってリング状光束L4の外側を通過する光遮光される以外は、第1の実施形態の光プローブ10Aと同様の作用を有する。
以下、光プローブ10Cの作用について、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0082】
本実施形態によれば、遮光部43によって屈曲光束L3の外側を通る光が遮光される。この結果、遮光部43の位置を通過して光ファイバー端面1aに光結合されるノイズ光が遮光される。
さらに本実施形態によれば、遮光部44によってリング状光束L4の外側を通る光が遮光される。この結果、遮光部44の位置を通過して光ファイバー端面1aに光結合されるノイズ光が遮光される。
さらに遮光部43、44によれば、光プローブ10B内の光学素子の反射光によってフレア光が発生したとしても、遮光部43、44の位置を通過するフレア光成分を遮光できるので、ノイズ光を低減できる。
【0083】
このように、本実施形態によれば、遮光部43、44によって、第1の実施形態よりもさらにノイズ光の発生を抑制できるので、より正確な変位測定が可能である。
【0084】
以上説明したように、本実施形態の光プローブ10Cおよび光学変位計60Cによれば、第1の実施形態と同様、光透過性を有する薄肉の被測定物であっても精度よく被測定面の変位を測定することができ、かつ光利用効率に優れる。
【0085】
[第4の実施形態]
本発明の第4の実施形態の光プローブおよび光学変位計について説明する。
図9は、本発明の第4の実施形態の光プローブおよび光学変位計の構成例を示す模式図である。
【0086】
図9に示すように、本実施形態の光学変位計60Dは、第1の実施形態の光学変位計60Aの光プローブ10Aに代えて、光プローブ10Dを備える。光学変位計60Dは、第1の実施形態の表面形状測定機70において、光学変位計60Aに代えて用いることができる。
以下、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0087】
光プローブ10Cは、第2の実施形態におけると同様の遮光部41、42と、第3の実施形態におけると同様の遮光部43、44と、が追加された以外は、光プローブ10Aと同様に構成される。
【0088】
本実施形態によれば、遮光部41~44を備えるので、第1の実施形態と同様な作用の他に、第2および第3の実施形態と同様の作用も備える。
このように、本実施形態によれば、遮光部41~44によって、第1の実施形態よりもさらにノイズ光の発生を抑制できるので、より正確な変位測定が可能である。
【0089】
[第5の実施形態]
本発明の第5の実施形態の光プローブおよび光学変位計について説明する。
図10は、本発明の第5の実施形態の光プローブおよび光学変位計の構成例を示す模式図である。
【0090】
図10に示すように、本実施形態の光学変位計60Eは、第2の実施形態の光学変位計60Bの光プローブ10Bに代えて、光プローブ10Eを備える。光学変位計60Eは、第1の実施形態の表面形状測定機70において、光学変位計60Aに代えて用いることができる。
以下、第2の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0091】
光プローブ10Eは、第2の実施形態における遮光部41、42の他に、さらに、遮光部45、46、47(第1遮光部)と、遮光部48、49、50(第2遮光部)を備える。
【0092】
遮光部45、46、47は、遮光部41と同様、リング状光束L4に変換される前の光束における軸上光束を遮光する。ただし、遮光部45は、第1集光レンズ3の第1面3aにおいて光軸O上に設けられている。遮光部46は、第1集光レンズ3の第2面3bにおいて光軸O上に設けられている。遮光部47は、第1円錐レンズ4の平面4bにおいて光軸O上に設けられている。
遮光部45~47の光軸方向から見た大きさは、それぞれの光路上の大きさが遮光部41の遮光領域に対応する大きさ以下である。例えば、本実施形態の場合、遮光部46、47の大きさは、遮光部41の大きさ以下である。遮光部45は、遮光部41よりもわずかに小さい。
本実施形態では、軸上光束を遮光部41、45~47によって遮光できるので、遮光部41、45~47の透過率は、遮光部41、45~47全体として透過光の変位測定への影響が抑制できる透過率であればよい。例えば、全体として必要な透過率がT1の場合であって、遮光部45~47が遮光部41に対応する遮光領域を有する場合、遮光部41、45~47の各透過率の積がT1になっていてもよい。
【0093】
遮光部48、49、50は、遮光部42と同様、リング状光束L4の内側を通過する光を遮光する。ただし、遮光部48は、第2円錐レンズ5の平面5bにおいて光軸O上に設けられている。遮光部49は、第2集光レンズ6の第1面6aにおいて光軸O上に設けられている。遮光部50は、第2集光レンズ6の第2面6bにおいて光軸O上に設けられている。
遮光部48~50の光軸方向から見た大きさは、それぞれの光路上のリング状光束L4の内径以下である。
本実施形態では、リング状光束L4の内側を通過する光を遮光部42、48~50によって遮光できるので、遮光部42、48~50の透過率は、遮光部42、48~50全体として透過光の変位測定への影響が抑制できる透過率であればよい。例えば、全体として必要な透過率がT2の場合であって、遮光部48~50が遮光部42に対応する遮光領域を有する場合、遮光部42、48~50の各透過率の積がT2になっていてもよい。
【0094】
本実施形態によれば、遮光部41の他に、さらに遮光部45~47を備えるので、第2の実施形態に比べて、軸上光束の透過をより確実に抑制できる。さらに、第1集光レンズ3における第1面3a、第2面3bでの正反射光と、第1円錐レンズ4における平面4bにおける正反射光と、を抑制できる。この結果、第1集光レンズ3および第1円錐レンズ4における軸上光束の正反射光が光ファイバー端面1aに光結合されてノイズ光となることを防止できる。
【0095】
さらに本実施形態によれば、遮光部42の他に、さらに遮光部48~50を備えるので、リング状光束L4の内側を通過する光が光ファイバー端面1aに光結合されることをより確実に抑制できる。
特に、光プローブ10E内の光学素子の反射光によってフレア光が発生したとしても、さらに遮光部48~50の位置を通過するフレア光成分を遮光できるので、ノイズ光をさらに低減できる。
【0096】
このように、本実施形態によれば、さらに遮光部45~50を備えることによって、第2の実施形態よりもさらにノイズ光の発生を抑制できるので、より正確な変位測定が可能である。
【0097】
なお、上記各実施形態の説明では、光プローブの光出射部が第1光ファイバー1の先端部1bからなる場合の例で説明した。しかし、光出射部は、光ファイバー端面1aと同様な位置に発光面が配置された発光素子で構成されてもよい。例えば、光出射部として用いることができる発光素子としては、半導体レーザが挙げられる。
【0098】
上記各実施形態の説明では、光プローブの受光部が第1光ファイバー1の先端部1bからなる場合の例で説明した。しかし、受光部は、光軸方向において光ファイバー端面1aの近傍に受光面が配置された受光素子で構成されてもよい。例えば、受光部としては、受光素子27が用いられてもよい。
【0099】
上記各実施形態の説明では、第1光束変換素子および第2光束変換素子が、第1円錐レンズ4と第2円錐レンズ5との組合せからなる場合の例で説明した。しかし、第1光束変換素子および第2光束変換素子は円錐レンズの組合せには限定されない。例えば、第1光束変換素子および第2光束変換素子としては、回折格子、ホログラム素子などが用いられてもよい。例えば、第1光束変換素子および第2光束変換素子としては、円錐レンズと、回折格子、ホログラム素子などとの組合せが用いられてもよい。
【0100】
上記各実施形態の説明では、第1光ファイバー1の先端部1bが光プローブの光出射部と受光部とを構成する場合の例で説明した。しかし、光出射部と受光部とは、互いに異なる部材から構成されてもよい。
例えば、第1の実施形態において、出射光束L1の光路上にビームスプリッタが設けられることによって、出射光束L1の光路を戻る光束が分岐されてもよい。この場合、分岐された光路上に受光部が設けられる。干渉計方式の場合には、ビームスプリッタ面を参照面として用いることができる。参照部材2と計測ユニット20の光ファイバーカプラ24は削除される。
例えば、第1の実施形態において、平行光束L2の光路上にビームスプリッタが設けることによって、平行光束L2の光路を戻る光束が分岐されてもよい。この場合、分岐された光路上に第1集光レンズ3と同様の集光レンズ(第3集光光学素子)と、受光部と、が設けられる。干渉計方式の場合には、ビームスプリッタ面を参照面として用いることができる。この場合、参照部材2と計測ユニット20の光ファイバーカプラ24は削除される。この変形例は、第1集光光学素子と第3集光光学素子とが異なる例になっている。
【0101】
上記各実施形態の説明では、第1光束変換素子が第2光束変換素子を構成する場合の例で説明した、しかし、第2光束変換素子は、第1光束変換素子と異なっていてもよい。
例えば、第1の実施形態において、第2円錐レンズ5と第2集光レンズ6との間のリング状光束L4の光路上に、ビームスプリッタが設けられることによって、平行光束L2の光路を戻る光束が分岐されてもよい。この場合、分岐された光路上に第2光束変換素子と、第3集光光学素子と、受光部とが、設けられる。例えば、第2光束変換素子としては、第1円錐レンズ4および第2円錐レンズ5と同様の構成が用いられてもよい。例えば、第3集光光学素子としては、第1集光レンズ3と同様の光学素子が用いられてもよい。干渉計方式の場合には、ビームスプリッタ面を参照面として用いることができる。この変形例は、第1光路変換素子と第2光路変換素子とが互いに異なり、第1集光光学素子と第3集光光学素子とが異なる例になっている。
同様にして、第1の実施形態において第1円錐レンズ4および第2円錐レンズ5の間の光路上にビームスプリッタが設けられることによって、屈曲光束L3またはリング状光束L4の光路を戻る光束が分岐されてもよい。この場合、分岐された光路上に第1円錐レンズ4と同様の光学素子と、第3集光光学素子と、受光部とが、設けられる。この変形例は、第1光路変換素子と第2光路変換素子とが一部を共有する例になっている。
【0102】
上記各実施形態の説明では、第1集光レンズ3が出射光束L1を平行光束L2に変換する場合の例で説明した。この場合、第1集光レンズ3と第1円錐レンズ4とのレンズ間隔と、第2円錐レンズ5と第2集光レンズ6とのレンズ間隔と、を必要に応じて自由に変えることができる。
ただし、第1集光レンズ3は、出射光束L1を非平行光に集光してもよい。
【0103】
上記第2および第4の実施形態では、遮光部43が屈曲光束L3の光路上に配置され、遮光部44が第1円錐レンズ4と第2円錐レンズ5との間のリング状光束L4の光路上に配置された場合の例で説明した。しかし、遮光部43、44の配置位置はこれには限定されない。
例えば、遮光部43は、出射光束L1および平行光束L2の少なくとも一方の光路上に配置されてもよい。
例えば、遮光部44は、第2円錐レンズ5と第2集光レンズ6との間の光路上に配置されてもよい。
【0104】
上記第2~第5の実施形態の説明では、遮光部42等の第2遮光部がリング状光束L4の内径以下の場合の例で説明した。しかし、第2遮光部は、リング状光束L4の内径より大きくてもよい。この場合、第2遮光部は、リング状光束L4の内周部の光束径を規制する光束整形部材になっている。
同様に、遮光部44等の第3遮光部、遮光部42等の第4遮光部の内径も、それぞれを通過する光束の外径より小さくてもよい。この場合、第3遮光部および第4遮光部は、それぞれを通過する光束の外周部の光束径を規制する光束整形部材になっている。
【0105】
上記各実施形態の説明では、変位測定が干渉計方式で行われる場合の1例について説明した。しかし、干渉計方式における構成例は上述の例には限定されない。
例えば、第1の実施形態において、光ファイバーカプラ24、集光レンズ26、および参照部材2が削除された構成も可能である。この場合、光源21とカップリングレンズ22との間に第1のビームスプリッタが配置されることによって、カップリングレンズ22を物体側に透過する光が分岐されて第1の分岐光路が形成される。第1の分岐光路上には、受光素子27が配置される。さらに、カップリングレンズ22と第1光ファイバー1との間の光路に第2のビームスプリッタが配置されることによって、光束L0が分岐されて第2の分岐光路が形成される。第2の分岐光路上には、反射型の参照部材が設けられる。参照部材の参照面で反射された光は、光路を逆進して第1のビームスプリッタで分岐されて受光素子27に入射する。
例えば、第1の実施形態において、参照部材2が削除された構成も可能である。この場合、光ファイバーカプラ24に代えて、4つのポートを有する光ファイバーカプラが用いられる。光束L0は、第2ポート24bと第4のポートとに分割される。第4のポートから出射される光束L0は、集光レンズによって集光された後、反射型の参照部材によって反射され、集光レンズを通して第4のポートに光結合される。第4のポートに光結合した光束は、第3ポート24cを通して、受光素子27に入射する。この変形例は、上述の第1および第2のビームスプリッタで構成された光学系を4つのポートを有する光ファイバーカプラで構成した場合の例になっている。
【0106】
上記各実施形態の説明では、変位測定が干渉計方式で行われる場合について説明した。しかし、変位測定は、同軸共焦点方式で行われてもよい。例えば、第1の実施形態において、参照部材2を削除した構成によれば、同軸共焦点方式の変位測定が可能である。
その際、光ファイバーカプラ24による光路分岐は、ビームスプリッタを用いた光路分岐に置き換えられてもよい。
【0107】
以上、本発明の好ましい各実施形態を説明したが、本発明はこれらの各実施形態に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
また、本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
【符号の説明】
【0108】
1 第1光ファイバー
1a 光ファイバー端面
1b 先端部(光出射部、受光部)
2 参照部材
3 第1集光レンズ
4 第1円錐レンズ(第1光束変換素子、第2光束変換素子)
4a、5a 円錐面
4c、5c 頂点
5 第2円錐レンズ(第1光束変換素子、第2光束変換素子)
6 第2集光レンズ
7 光プローブ移動部(第1移動部)
10a 筐体
10A、10B、10C、10D、10E 光プローブ
21 光源
27 受光素子
28 変位計側部
30 ステージ
31 保持部
32 移動部(第2移動部)
40 被測定レンズ(被測定物)
40a 第1面(被測定面)
40b 第2面
41、45、46、47 遮光部(第1遮光部)
42、48、49、50 遮光部(第2遮光部)
43 遮光部(第4遮光部)
44 遮光部(第3遮光部)
60A、60B、60C、60D、60E 光学変位計
70 表面形状測定機
100 制御部
E1 第1端部
E2 第2端部
L0、L3a、L3b、L5a、L6a、L6b 光束
L0r 反射光束
L1 出射光束
L2 平行光束
L2a 軸上光束
L3 屈曲光束
L4 リング状光束
L5 リング状集光光束
L6 反射光束
L7 縮径光束
O 光軸
P 測定基準位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10