(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-25
(45)【発行日】2022-08-02
(54)【発明の名称】炉を介する運搬
(51)【国際特許分類】
B65G 25/02 20060101AFI20220726BHJP
【FI】
B65G25/02 D
B65G25/02 E
(21)【出願番号】P 2018563127
(86)(22)【出願日】2017-07-27
(86)【国際出願番号】 EP2017068954
(87)【国際公開番号】W WO2018019920
(87)【国際公開日】2018-02-01
【審査請求日】2020-07-22
(32)【優先日】2016-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】517098527
【氏名又は名称】オートテック・エンジニアリング・ソシエダッド・リミターダ
【氏名又は名称原語表記】Autotech Engineering, S.L.
(73)【特許権者】
【識別番号】518421360
【氏名又は名称】ヘアチェイ・オルノス・インドゥストゥリアレス・ソシエダッド・リミターダ
【氏名又は名称原語表記】GHI HORNOS INDUSTRIALES S.L.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(72)【発明者】
【氏名】エドゥアルド・フェルナンデス・デ・レタナ・アレギ
(72)【発明者】
【氏名】ディエゴ・アングロ・アングロ
【審査官】中田 誠二郎
(56)【参考文献】
【文献】特公昭47-000488(JP,B1)
【文献】特開平02-052984(JP,A)
【文献】特開昭49-077245(JP,A)
【文献】西独国特許出願公開第02117148(DE,A)
【文献】独国特許出願公開第102010019215(DE,A1)
【文献】米国特許第05409102(US,A)
【文献】特開昭53-142781(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 25/00-25/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
炉を介して運搬方向へ製品を動かすためのコンベヤユニットシステムであって、
円周方向に配置された複数のローラを備える1つ以上の回転自在なシャフトと、
1つ以上の前記ローラ又は1つ以上の前記回転自在なシャフトを回転させるためのモータドライブと、
前記運搬方向に沿って伸び、互いに略平行に配置された複数の細長い第1ビームと、
前記運搬方向に沿って伸び、前記第1ビームに挟まれて配置された複数の細長い第2ビームと、を有し、
前記第1ビームは、前記回転自在なシャフトの前記ローラにスライド自在に取り付けられ、上流位置と下流位置との間の前記運搬方向に沿った前後往復運動において置換自在なように構成されており、
前記第2ビームは、前記運搬方向の平面に略垂直な平面において規定される鉛直方向に沿って、下側鉛直位置と上側鉛直位置との間の上下往復運動において置換自在なように構成されており、
使用中、前記製品を支持する前記第1ビームの上側作用表面は、前記下側鉛直位置と前記上側鉛直位置との間で前記鉛直方向に沿って配置され、
前記ローラは、前記回転自在なシャフトの外側突出部によって規定され、
前記回転自在なシャフトは、前記第1ビームを横断して配置され
、
前記第1ビームは、前記ローラの前記外側突出部が内側に収納される逆向きU字形状又はH字形状の断面を有し、前記製品から落下する汚染物質から前記ローラの前記外側突出部を保護する、コンベヤユニットシステム。
【請求項2】
前記第1ビームは、前記ローラは、前記回転自在なシャフトに設けられたディスクによって画定される、請求項
1に記載のコンベヤユニットシステム。
【請求項3】
前記ディスクまたは前記外側突出部が前記回転自在なシャフトに設けられる、溶接される、若しくは前記回転自在なシャフトと一体的に形成される、請求項
2に記載のコンベヤユニットシステム。
【請求項4】
直線上下往復運動を前記第2ビームに提供するための駆動メカニズムを有する、請求項1~
3のいずれか1つに記載のコンベヤユニットシステム。
【請求項5】
請求項1~
4のいずれか1つに記載の前記コンベヤユニットシステムを介して運搬方向へ製品を動かすための方法であって、
前記上流位置のある前記第1ビームと前記下流位置にある前記第2ビームとを提供する工程を有し、
さらに、
a)前記第1ビームに沿った初期位置に相当する前記運搬方向に沿った初期位置で、前記第1ビームに1つ以上の製品を提供する工程と、
b)前記製品が、前記第1ビームに関する前記初期位置を維持する間、前記運搬方向に沿った第1位置に到達するように、前記第1ビームを前記上流位置から前記下流位置まで動かす工程と、
c)前記製品が、前記運搬方向に沿った前記第1位置で、前記第2ビームによって支持されるように、前記第2ビームを前記下側鉛直位置から前記上側鉛直位置まで動かす工程と、
d)前記第1ビームを前記下流位置から前記上流位置まで動かす工程と、
e)前記製品が、前記第1ビームに沿った初期位置とは異なる前記第1ビームに沿った第1位置に相当する、前記運搬方向に沿った前記第1位置で、前記第1ビームによって支持されるように、前記第2ビームを前記上側鉛直位置から前記下側鉛直位置まで動かす工程と、を有する方法。
【請求項6】
f)前記製品が、前記第1ビームに関する前記第1位置を維持しながら、前記運搬方向に沿った第2位置に到達するように、前記第1ビームに関する前記第1位置で、前記製品とともに前記第1ビームを、前記上流位置から前記下流位置まで動かす工程と、
g)前記製品が、前記運搬方向に沿った前記第2位置で、前記第2ビームによって支持されるように、前記第2ビームを前記下側鉛直位置から前記上側鉛直位置まで動かす工程と、
h)前記第1ビームを前記下流位置から前記上流位置まで動かす工程と、
i)前記製品が、前記第1ビームに沿った前記第1位置とは異なる前記第1ビームに沿った第2位置に相当する、前記運搬方向に沿った前記第2位置で,前記第1ビームによって支持されるように、前記第2ビームを前記上側鉛直位置から前記下側鉛直位置まで動かす工程と、
任意ではあるが、前記工程f)から前記工程i)までを繰り返す工程と、を有する請求項
5に記載の方法。
【請求項7】
前記工程h)の後に、
j)前記製品が、前記運搬方向に沿った前記第2位置で、前記第2ビームによって支持され続けるように、前記第2ビームを、前記上側鉛直位置から前記下側鉛直位置まで動かす工程と、
k)前記第2ビームによって保持される前記製品を、前記運搬方向に沿った前記第2位置から前記運搬方向に沿った第3位置まで押すように、前記第1ビームを、前記上流位置から前記下流位置まで動かす工程と、を有する、請求項
6に記載の方法。
【請求項8】
請求項
5~7のいずれか1つに記載の方法で、運搬方向へ製品を動かすための請求項1~
4のいずれか1つに記載のコンベヤユニットシステムを有する連続式炉。
【請求項9】
請求項
5~7のいずれか1つに記載の方法で、運搬方向へ製品を動かすための請求項1~
4のいずれか1つに記載のコンベヤユニットシステムを2つ以上有しており、
前記2つ以上のコンベヤユニットシステムの前記第1ビームは一致して動き、前記2つ以上のコンベヤユニットシステムの前記第2ビームは一致して動く、請求項
8に記載の連続式炉。
【請求項10】
請求項
5に記載の方法で、運搬方向へ製品を動かすための請求項1~
4のいずれか1つに記載のコンベヤユニットシステムを
2つ以上備える連続式炉であって、
前記2つ以上のコンベヤユニットシステムの前記第1ビームは一致して動き、前記2つ以上のコンベヤユニットシステムの前記第2ビームは一致して動
き、
前記工程e)で、前記第2ビームが、前記上側鉛直位置から前記下側鉛直位置まで動かされると、前記製品は、下流コンベヤユニットの前記第1ビームによって支持される、連続式炉。
【請求項11】
請求項
6又は7に記載の方法で、運搬方向へ製品を動かすための請求項1~
4のいずれか1つに記載のコンベヤユニットシステムを
2つ以上備える連続式炉であって、
前記2つ以上のコンベヤユニットシステムの前記第1ビームは一致して動き、前記2つ以上のコンベヤユニットシステムの前記第2ビームは一致して動
き、
前記工程e)又は前記
工程i)のいずれかで、前記第2ビームが、前記上側鉛直位置から前記下側鉛直位置まで動かされると、前記製品は、下流コンベヤユニットの前記第1ビームによって支持される、連続式炉。
【請求項12】
上流位置での下流コンベヤユニットの前記第1ビームは部分的に、上流コンベヤユニットの前記第2ビームに挟まれる、請求項
9~11のいずれか1項に記載の連続式炉。
【請求項13】
下流位置での上流コンベヤユニットの前記第1ビームは部分的に、下流コンベヤユニットの前記第2ビームに挟まれる、請求項
9~11のいずれか1項に記載の連続式炉。
【請求項14】
上流コンベヤユニットの前記第1ビームによって規定されるパスは、下流コンベヤユニットの前記第1ビームによって規定されるパスと実質的に重複する、請求項
9~13のいずれか1つに記載の連続式炉。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、高温の炉、特に乗り物の加熱成形構造部品のための生産ラインにおいて使用される炉を介して製品を運ぶためのコンベヤシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
一端で導入された装入物が炉内を通過して他端で排出される炉は、連続式又は半連続式の炉又はシステムとして知られている。連続式又は半連続式のシステムに関する典型的な適用は、例えば、アルミニウムインゴット、金属ビレット、スチールコイル、バー若しくはそれらの間のブランクの熱処理である。
【0003】
連続式の炉は、一端で導入された装入物が炉を介して連続して動き、他端で排出される、一種の再加熱炉として理解される。それは、後続の連続した処理のタイムリーな供給を保証するために通常利用される。
【0004】
半連続式の炉は、連続式炉の一形態で、一定速度で移動する装入物が炉の全体に装填されると、装入物の連続移動が停止し、装入物が炉内に一定時間置かれる。この半連続式炉は、一般に、金得された装入物/製品がバッチで要求される場合に利用される。
【0005】
自動車産業において、重量を減らす要求は、軽量材料、製造工程及び道具の発展と実施とに至った。乗車している人の安全に対する関心の高まりもまた、衝突時にエネルギを吸収して車両を無傷な状態に保つための材料の採用へと繋がる。そういった意味で、軽量構造に関する基準を満たすために、高強度鋼、超高強度鋼から作られる乗物部品がしばしば採用される。
【0006】
例えば、加熱成形型焼入(HFDQ)として知られる処理は、ホウ素鋼シートを利用し、少なくとも1.000MPa、望ましくは1.500MPa以上又は2.000MPa以上の張力強度を有する超高強度鋼(UHSS)特性を有する打ち抜き部品を生成する。強度の増加により、より薄い標準寸法材料を利用することができ、結果的に従来の冷却打ち抜き軟鋼部品よりも重量が減る。
【0007】
このような方法において、加熱されるブランクは、鋼、特に超高強度鋼(UHSS)から作られ得る。一般的な用語において、鋼ブランクは、鋼基板と金属被覆層とを有し得る。金属被覆層の例は、アルミニウム、アルミニウム合金、亜鉛若しくは亜鉛合金を含む。鋼基板又は鋼ブランクの例は、ホウ素鋼を含む。
【0008】
自動車で利用されるホウ素鋼の例は、22MnB5鋼である。22MnB5鋼の組成は、以下に重量比率でまとめられ得る(残りは鉄(Fe)と不純物)。
【0009】
【0010】
同一化学組成を有する複数の22MnB5鋼が商業的に利用可能である。しかしながら、22MnB5鋼の各組成の正確な量は、1つの製造業者から別の製造業までやや異なり得る。Usibor(登録商標)1500Pは、アルセロール(Arcelor)によって製造される、商業的に利用可能な22MnB5鋼の一例である。
【0011】
Usibor(登録商標)の組成は、以下に重量比率でまとめられ得る(残りは鉄(Fe)と不純物)。
【0012】
【0013】
別の例では、22MnB5鋼は、約0.23%のC、約0.22%のSi及び約0.16%のCrを含み得る。材料はさらに、異なる比率で、Mn、Al、Ti、B、N、Niを有し得る。
【0014】
UHSSの様々な別の鋼の組成もまた、自動車産業において利用され得る。特に、EP2735620A1に記載される鋼組成が適切であると考えられ得る。EP2735620A1の表1及び段落0016から0021が具体的に参照され、段落0067から0079が考慮される。ある例では、UHSSブランクは、約0.22%のC、約1.2%のSi及び約2.2%のMnを含み得る。
【0015】
腐食と酸化ダメージと防ぐために、これら(例えばUsibor(登録商標)のような22MnB5鋼及び上記又は上述の別の組成)のいずれかの組成の鋼は被覆され得る。この被覆は、例えば、アルミニウムシリコン(AlSi)被覆、又は、亜鉛又は亜鉛合金を主に含む被覆であり得る。
【0016】
Usibor(登録商標)1500Pは、パーライトフェライト相において供給される。それは、均一パターンで分布した微粒子構造である。機械特性は、この構造に関連する。加熱、ホットスタンプ処理、及び続く焼き入れの後、マルテンサイトミクロ構造が生成される。結果として、最大強度と降伏強度が著しく増加する。同様の処理が別の鋼組成に適用可能である。
【0017】
そのような22MnB5鋼は、880℃で又は880℃近傍でAc3ポイントを有し得る。別のUHSSは、約880℃又はそれ以上でAc3ポイントを有し得る。
【0018】
従って鋼ブランクは、Ac3より高い温度に到達するように炉内で加熱され得る。従って、880℃以上の温度まで加熱が実施され得る。
【0019】
連続式加熱成形処理に続くため、ブランクは、一様時間間隔においてプレスに到達する必要がある。このように、オーステナイト化温度(Ac3)より高い温度、つまり、約880℃以上までのブランクの加熱もまた、連続した処理に続くことが望ましい。従って、プレスへのタイムリーな供給を保証するために、連続式炉として構成された加熱炉は、ブランクをオーステナイト化温度まで加熱するために利用される。
【0020】
既知の連続式炉は、例えば、ブランクがローラの上部に運ばれるローラ運搬システムを有する。ブランクの前方動作は、ローラを駆動させることによって提供される。これらのシステムは、ローラが容易に汚されるので、相当高価でかつやっかいなメンテナンスタスクを含む。別の既知のシステムは、例えば、ビームが幾分循環動作をする「ウォーキングビーム」を利用する。これらのシステムは、相当大きくかつ長い配置システムを含む。
【0021】
従来の「ウォーキングビーム」運搬システムにおいて、動きを「ウォーキングビーム」に伝達するための駆動メカニズムは、通常炉の下に配置される。従って、駆動メカニズムからウォーキングビームへの動きの伝達を可能にするため、炉の底部に、ある種の開口を有することが要求される。一般的に、前後の動きを水平に動くビームに伝達するために必要とされる開口は、炉を外部雰囲気から密閉することを困難にする、長手方向の開口である。上下の動きを垂直に動くビームに伝達するために必要とされる開口は、通常、長手方向の開口より小さい。
【0022】
文書DE102010019215は、運搬された製品を配達するためのチェーンの利用を促進する連続式炉に関する運搬システムを開示する。しかしながら、現状では、これらのチェーンにおいて均一なテンションを維持することは、非効率であり得、従って、耐久性の低いシステムに至る。これは、炉をより長くするにつれてますます難題になる。例において、長い炉は、約35メーターより長い炉であり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
本開示の目的は、処理される製品が高い温度の炉内で移動するための改良された運搬システムを提供することである。
【0024】
本詳細な説明と請求項にわたって、「高い温度」は、加熱を必要とする処理に依拠し得る。例えば、ホットスタンプ処理の間の「高い温度」は、オーステナイト化温度以上、特にAc3以上の温度として理解されるべきである。鋼ブランクが、例えば、鋼ブランクをホットスタンプする間、炉内で加熱されると、ブランクの組成に依拠して、高い温度は、約800℃から約960℃までの範囲であり得る。代替として、例えば、アルミニウム合金の時効硬化処理のような別の処理の場合、「高い温度」は、約200℃以上の範囲にある温度として理解され得る。またさらなる例、例えば、異なる合金の均質化において、「高い温度」は、約500℃であり得る。
【0025】
前述の問題及び/又は課題は、自動車産業又は自動車産業において利用される材料及び処理に固有のものではない。代わりに、これらの課題は、製品が高い温度にさらされ、続く処理が入力として加熱製品を利用するいずれの産業においても直面され得る。
【課題を解決するための手段】
【0026】
第1の態様において、炉を介して運搬方向へ製品を動かすコンベヤユニットが提供される。コンベヤユニットは、運搬方向に沿って伸び、かつ、互いに略平行に配置された複数の第1細長いビームを有する。第1ビームは、ローラにスライド自在に取り付けられ、上流(後方)位置と下流(前方)位置との間の運搬方向に沿った前後の往復動作において置換自在なように構成される。コンベヤユニットはさらに、運搬方向に沿って伸び、かつ、第1ビームを挟んで配置された複数の第2細長いビームを有する。第2ビームは、より低い鉛直位置とより高い鉛直位置との間の鉛直方向に沿った上下の往復動作において置換可能なように構成される。鉛直方向は、運搬方向の平面に略垂直な平面において規定され、使用中、製品を支持する第1ビームのより高い作用表面は、第2ビームのより低い鉛直位置とより高い鉛直位置との間で、鉛直方向に沿って配置される。
【0027】
この態様によれば、第1ビームセットの作用表面を第2ビームセットの2つの端部位置(上下方向の上部位置と下部位置)の間に位置させることと、いずれかのビームセットの動きにおける連携との組み合わせにおいて、実質的に直交する往復運動を行うように移動可能な2組の異なるビームセットを設けることより、製品は第1ビーム長に沿って、ひいては搬送方向に沿って動かされる。コンベヤユニットが、例えば炉の内部に配置されると、それゆえ、製品は炉にわたって「移動する」ことができる。さらに、第1ビームの各ストローク(前後方向の往復動作)の後、新しい製品(又は新しい複数の製品)が内部位置に供給されると、製品は、連続した方法で炉にわたって移動できる。
【0028】
略鉛直な動作において移動自在なビームの2つのセットは、運搬方向に沿った前後の往復動作において移動自在な複数の第1ビームと、第1ビームで挟まれ、かつ、上下の往復動作、つまり、運搬方向が配置される平面に略垂直な平面において、移動自在である複数の第2ビームとである。
【0029】
さらにこの態様において、第1ビームがスライド自在にローラに取り付けられるという事実は、上流(後方)位置から下流(前方)位置までの第1ビームの線状の置換を容易にする。さらに、現状では、第1ビームの長さに依拠して、ローラの提供がビームの曲がりを軽減する。
【0030】
この態様によると、ローラに動きを伝達するための駆動メカニズムは、炉の下に配置されるとういうことは必要とされない。それゆえ、炉の底部における長手方向の開口を有することが不要であり、従って、炉チャンバのよりよい密閉が可能になる。炉チャンバの十分な密閉は、炉の温度のよりよい制御を可能にする。ある例において、炉チャンバが適切に密閉されると、保護雰囲気が炉チャンバに提供され得る。保護雰囲気の非限定的例は、ドライエア、窒素及び/若しくはメタンである。
【0031】
従来の「ウォーキングビーム」炉において、炉の底部に長手方向の開口があるため、ヒータは通常、炉チャンバの上側に配置される。それゆえ、本発明において、炉の下に駆動メカニズムを有する必要がないため、同様に、炉の底部に長手方向の開口を有する必要がないので、上側のヒータの補足物として又は代替として、炉チャンバの下側部分(又は底部)に下側ヒータを配置することができる。しかしながら、上下の動きを鉛直に動くビームに伝達するために、炉の底部に配置された開口を有することは未だ必要だが、この種の開口は小さく、容易に密閉することができ、炉の底部におけるヒータの配置と互換性がある。
【0032】
本開示と特許請求の範囲にわたって、「上流又は後方位置」という用語は、コンベヤユニットの入口又は装入領域、又は、炉の入口により近い、運搬方向/フロー内の位置又は該位置までと理解されるべきである。「下流又は前方位置」という用語は、コンベヤユニット又は炉の出口又は排出領域により近い、運搬方向/フロー内の位置又は該位置までと理解されるべきである。
【0033】
ある例では、運搬される製品は、一般的に自動車産業で用いられるブランクであり得る。これらのいくつかの場合において、鋼ブランクが予測され得る。より多くの例において、製品の一群(バッチ)を含む、アルミニウムインゴット、金属ビレット、鋼コイル又はバー、バスケット又はコンテナ、若しくは、一般的ないずれのタイプの装入物が予測され得る。
【0034】
ある例において、第2ビームはさらに、互いに略平行に配置され得る。
【0035】
ある例において、ローラは、1つ以上の回転自在なシャフトに周方向に設けられた外側突出部又はディスクによって規定され得る。これらの場合、シャフトは第1ビームに略横方向に配置され得る。これは、コンベヤユニットが上記のように、例えば炉内で、実質的に利用されるとき、シャフトが炉内に実装され得る、又は、外側突出部/ディスクの少なくとも一部が炉内にある間、シャフトが外部に残り得ることを意味する。炉の外側にシャフトを実装することは、突出部/ディスク、つまり、ローラが炉の内側に配置されるので、シャフトの潜在的なダメージを減らす、又は、少なくとも、シャフトのための特別で高価な材料(例えば、セラミック又は高温に耐えることができる鋳放し材)を必要とすること防ぐ。これは材料コストの観点において、相当コスト効果がある。例において、ディスク又は外側突出部は、シャフトに実装される、溶接される若しくはシャフトと統合的にさえ形成され得る。ある例において、各ディスク又は外側突出部は独立したシャフトに実装される、溶接される若しくはシャフトと統合的にさえ形成され得る。
【0036】
さらなる例において、ローラは、略均一な外側直径を有する回転自在なシャフトの外側境界線によって規定され得る。これらの場合、シャフトは第1ビームに作動自在に接続され得る。これらの例において、コンベヤが、例えば炉内に設けられると、シャフトは炉内に残り得る。
【0037】
いくつかの例において、第1ビームは逆向きU字形状の断面を有し得る。これらの場合、ローラは逆向きU字形状の内側に適合し得る。代替として、H形状の断面又は同様の断面が予測され得る。U字形状のビームの内側にローラをあわせることは、例えば、コンベヤユニットが、例えば炉内に配置されるとき、例えば製品から落ちた被覆又は部品によるローターの汚染を減らす。特に、製品は、例えばAlSi又はZn被覆を有する鋼ブランクであり得る。
【0038】
いくつかの例において、ローラは、アイドルローラであり得、第1ビームの動作は、例えば第1ビームに前後の往復動作を提供するように構成された駆動メカニズムによって生成され、制御され得る。代替として、ローラは、1つ以上のシャフトに回転動作を提供し、前後の往復動作を促進するモータに接続され得る。これらのいくつかの例において、ローラは、(追加の直線的駆動メカニズムなしで)前後の凹具区動作を第1ビームに提供するように構成された駆動メカニズムに接続され得る。
【0039】
本発明の別の態様において、本発明のコンベヤユニットを介して製品を運搬方向へ動かす方法がある。該方法は、上流位置にある第1ビームと下側鉛直位置にある第2ビームとを提供する工程を有する。該方法はさらに、
a)第1ビームに沿った初期位置に相当する運搬方向に沿った初期位置で第1ビームに1つ以上の製品を提供する工程と、
b)製品が、第1ビームに関する初期位置を維持する間、運搬方向に沿った第1位置に到達するように、上流位置から下流位置まで第1ビームを動かす工程と、
c)製品が、運搬方向にそった第1位置で、第2ビームによって支持されるように、第2ビームを下側鉛直位置から上側鉛直位置まで動かす工程と、
d)第1ビームを下流位置から上流位置まで動かす工程と、
e)第1ビームに沿った初期位置とは異なる第1ビームに沿った第1位置に相当する運搬方向に沿った第1位置で、製品が第1ビームで支持されるように、第2ビームを上側鉛直位置から下側鉛直位置まで動かす工程と、を有する。
【0040】
この態様において、該方法は、例えば炉内に配置され得るコンベヤユニットを介して製品を運搬する効果的な方法を提供する。該方法は、垂直平面における2つの往復動作を調整するためにのみ必要なので、作動が相当に簡易である。そして、それは、ビームの第1のグループは垂直方向にのみ動き、ビームの第2のグループは垂直方向にのみ動くので、作動のための垂直空間を比較的ほとんど必要としない。
【0041】
望ましい実施形態において、本発明の方法はさらに、
f)製品が、第1ビームに対する第1位置を維持する間、運搬方向に沿った第2位置に到達するように、第1ビームに関する第1位置で、上流位置から下流位置まで製品と共に第1ビームを移動する工程と、
g)運搬方向に沿った第2位置で、製品が第2ビームによって支持されるように、第2ビームを下側鉛直位置から上側鉛直位置まで動かす工程と、
h)下流位置から上流位置まで第1ビームを動かす工程と、
i)第1ビームに沿った第1位置とは異なる第1ビームに沿った第2位置に相当する運搬方向に沿った第2位置で、製品が第1ビームによって支持されるように、第2ビームを上側鉛直位置から下側鉛直位置まで動かす工程と、
任意ではあるが、工程f)から工程i)を繰り返す工程と、を有する。
【0042】
別の望ましい実施形態において、本発明の方法は上述の工程h)の後、さらに、
j)運搬方向に沿った第2位置で、製品が第2ビームによって支持され続けるように、第2ビームを上側鉛直位置から下側鉛直位置まで動かす工程と、
k)第2ビームによって支持された製品を運搬方向に沿った第2位置から運搬方向に沿った第3位置へ押すために、第1ビームを上流位置から下流位置まで動かす工程と、
を有する。
【0043】
さらなる態様において、連続式の炉が提供される。炉は、実質的に上記のような方法で、運搬方向へ製品を動かすための、実質的に上記のようなコンベヤユニットを有する。例において、炉は、実質的に上記のような2つ以上のコンベヤユニットを有し得る。これらの例において、上流位置での下流コンベヤの(水平方向に動く)ユニットの第1ビームは、上流コンベヤユニットの(鉛直に動く)第2ビームに部分的に挟まれ得る。代替として又はさらに、下流位置での上流コンベヤユニットの(水平方向に動く)第1ビームは、下流コンベヤユニットの(鉛直に動く)第2ビームに部分的に挟まれ得る。
【0044】
ある例において、2つ以上のユニットの第1ビームは、一致して動き、2つ以上のユニットの第2ビームは一致して動いてもよい。
【0045】
このように、製品が上流コンベヤユニットの第1ビームの下流端部に到達すると、第2ビームは、下側鉛直位置から上側鉛直位置まで動かされ、第1ビームは、下流位置から上流位置まで動かされ、第2ビームは上側鉛直位置から下側鉛直位置まで戻され、製品は、下流コンベヤユニットの第2ビームによって支持される。
【0046】
さらなる代替において、下流コンベヤユニットの第1ビームは、上流コンベヤユニットの第1ビームで挟まれ得る。これらの代替の組み合わせもまた予測され得る。
【0047】
従って、製品は、連続したコンベヤユニットの第1ビームを介して動き得、それゆえ、実質的に上記のような連続するコンベヤユニットをさらに追加することによって、例えば、トリガ、例えば、ビームの曲げ耐性なしで、実質的にいずれの所望の長さの炉の建設を可能にする。
【0048】
さらなる例において、コンベヤユニットを形成するために、第1ビーム及び/又は第2ビームは、ユニットの全長を有し得る。コンベヤユニットの長さは、例えば、コンベヤユニットが用いられる炉の長さによって規定され得る。代替として、2つ以上の第1ビーム又は第2ビームは、例えば、溶接によってあわせられ、より長いコンベヤユニットを形成し得る。
【図面の簡単な説明】
【0049】
本開示の非限定的な例は、添付図を参照して、以下に記載される。
【
図1】一例に係るコンベヤユニットの透視図を示す。
【
図2a】炉内に配置された
図1のユニットの第2ビームの異なる鉛直位置での断面図を示す。
【
図2b】炉内に配置された
図1のユニットの第2ビームの異なる鉛直位置での断面図を示す。
【
図3a】実質的に上記のようなコンベヤユニットを介して運搬方向へ製品を動かす方法を実施する間に生じる一連の状況を模式的に示す。
【
図3b】実質的に上記のようなコンベヤユニットを介して運搬方向へ製品を動かす方法を実施する間に生じる一連の状況を模式的に示す。
【
図3c】実質的に上記のようなコンベヤユニットを介して運搬方向へ製品を動かす方法を実施する間に生じる一連の状況を模式的に示す。
【
図3d】実質的に上記のようなコンベヤユニットを介して運搬方向へ製品を動かす方法を実施する間に生じる一連の状況を模式的に示す。
【
図4a】より長いコンベヤシステムを構築するために2つのコンベヤユニットが共に置かれ得る方法を模式的に示す。
【
図4b】より長いコンベヤシステムを構築するために2つのコンベヤユニットが共に置かれ得る方法を模式的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0050】
これらの図面において、対応する部品を明示するために、同一の参照符号が用いられている。
【0051】
図1は、製品を運搬方向(
図3a~3dにおける矢印A参照)へ動かすためのコンベヤユニット1の一例の透視図を示す。ユニット1は、ローラ11にスライド自在に取り付けられた複数の第1ビーム10を有する。この例では、5つの第1ビームが設けられているが、さらなる例では、別の個数の第1ビームが設けられ得る。
【0052】
いくつかの例において、第1ビームに上流(後方)位置と下流(前方)位置(
図3aにおける101及び102参照)との間での前後往復動作を提供するために、第1ビーム10は、直線駆動メカニズム(図示されていない)に接続され得るフレーム(図示されていない)に取り付けられ得る。例において、駆動メカニズムは、直線置換を提供する既知の機械的、油圧式若しくはサーボ機構メカニズムであってもよい。特に、モータ、例えば電気モータによって駆動される油圧式ピストンが、予測され得る。
【0053】
図1にさらに示されるように、ローラ11は、回転自在なシャフト111の周囲に、例えばそれらの外側突出部として提供される。例において、ローラは、例えばねじ止め又は溶接によってシャフトに接続又は固定され得る。代替として、ローラは、シャフトとともに機械加工され得る。例において、シャフトは、受動的な方法で自由に回転され得、第1ビームの動きは、例えば、第1ビームに前後往復運動を提供するように構成された駆動メカニズムによって、支配され得る。別の例において、前後往復運動を補助するために、モータが利用され、複数のシャフト又は1つ以上のシャフトに回転動作が与えられ得る。これらの例のいくつかにおいて、ローラは、(追加の直線駆動メカニズムなしで)第1ビームに前後往復運動を提供するように構成された駆動メカニズムと接続され得る。
【0054】
ユニット1はさらに、第1ビームに挟まれて配置された複数の第2ビーム20を有する。さらなる駆動メカニズム21が予測され、鉛直方向に沿って、下側鉛直位置と上側鉛直位置(
図2a及び
図2b参照)との間での上下往復運動を第2ビーム20に提供する。鉛直方向は、運搬方向の平面に略垂直な平面において規定され得る。
【0055】
図1にさらに示されるように、第1ビーム10は、H形状の断面を有する。H形状の断面の下側部分103は、ローラ111を覆い、それゆえ、コンベヤユニットが、例えば炉内に配置されるとき、例えば、製品から落下する被覆によるローラの汚染の可能性を低減する。代替として、第1ビームは、逆向きU字断面を有し得る。
【0056】
図2a及び
図2bは、炉30内に配置された
図1のユニットの第2ビームの異なる鉛直位置での断面図を示す。
図2aにおいて、第2ビーム20は下側鉛直位置にあり、
図2bにおいて、第2ビーム20は上側鉛直位置にある。これらの図にさらに示されるように、作用表面104、つまり、製品が支持され得る第1ビーム10の表面は、上側鉛直位置と下側鉛直位置との間にある。
【0057】
第2ビーム20は、サポート201に取り付けられ得る。例において、2つのビームを同時に持ちこたえ得るT形状サポートが予測され得る。次に、サポート201は、第2ビームに上下往復運動を提供するように構成されたさらなる駆動メカニズムに接続され得るフレーム202に取り付けられ得る。例において、駆動メカニズムは、直線置換を提供する既知の機械的、油圧式若しくはサーボ機構メカニズムのいずれであってもよい。特に、モータ、例えば電気モータによって駆動させられる油圧式ピストンが予測され得る。
【0058】
図2a及び
図2bにさらに示されるように、コンベヤユニットは、例えば駆動メカニズムとシャフト11とを炉30の外側に残す炉内に収容されてもよい。このように、コンベヤユニットが炉内に取り付けられるように構成されるとき、ビーム(第1ビームと第2ビーム)、ローラ及び第2ビームのサポートのみが、炉内で高温に耐えることができる耐火性の材料から作られる必要がある。これは、材料コストの観点において相当費用対効果がある。
【0059】
図3a~
図3dは、実質的に上記のようなコンベヤユニットを介して運搬方向へ、例えばブランク又はパーツとして製品又は製品の一群を動かす方法を実施する間に生じる一連の状況を模式的に示す。該方法は、
図3a~
図3dによって示された一連の状況を参照して、以下に記載される。
【0060】
シーケンス(工順)は、第1ビーム10が上流位置101に配置され(第1ビームの下流位置102は破線で示されている)、第2ビームが下側鉛直位置(
図2a参照)に配置される
図3aで開始する。第1及び第2ビームのこれらの初期位置において、製品100(又は代替として複数の製品、製品の一群)は、第1ビーム10(矢印B)に沿った初期位置Y1に相当する、運搬方向(矢印A)に沿った初期位置X1で第1ビーム10に提供され得る。
【0061】
図3bにおいて、製品100を伴う第1ビーム10は下流位置にある、つまり、第1ビームは既に、上流位置から下流位置へ動かされている。このように、製品100は、第1ビーム10に関して初期位置Y1を維持する間、運搬方向(矢印A)に沿った第1位置X2に到達し得る。
【0062】
さらに
図3bにおいて、第2ビーム20は、下側鉛直位置から上側鉛直位置まで動かされ得る。それゆえ、製品100は、運搬方向(矢印A)に沿った第1位置X2で、第2ビーム20によって支持され得る。
【0063】
シーケンスは、第1ビーム10が再び上流位置にある、つまり、第1ビームが既に下流位置から上流位置へ戻されている
図3cに続く。さらに
図3cにおいて、第2ビーム20は既に、上側鉛直位置から下側鉛直位置へ戻されていてもよい。このように、製品100は再び、ここで第1ビーム(矢印B)に沿った第1位置Y2に相当する、運搬方向(矢印A)に沿った第1位置X2で、第1ビーム10によって支持され得る。第1ビームに沿った第1位置Y2は、第1ビームに沿った初期位置Y1とは異なり、第1位置Y2は、初期位置Y1より第1ビーム10の下流端部105に近い。
【0064】
この段階で、さらなる製品(又は複数のさらなる製品)100’が、第1ビーム10に沿った第1位置Y2において既に製品100から十分に上流で第1ビーム10に提供され得る。さらなる製品100’は、例えば、第1ビーム10(矢印B)に沿った初期位置Y1で提供され、
図3a~
図3cに関連して実質的に説明された同一のシーケンスが繰り返され得る。代替として、第1ビームの2、3若しくはそれ以上のストローク(前後往復運動)の後、さらなる製品が提供され得る。製品は同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0065】
図3dで、第1ビーム10に関する第1位置Y2に製品100を有し、第1ビーム10に関する初期位置Y1にさらなる製品100’を有する第1ビーム10は既に、上流位置から下流位置へ動かされていてもよい。このように、製品100は、第1ビーム(矢印B)に関する第1位置Y2を維持しながら、運搬方向(矢印A)に沿った第2位置X3に到達し得る。さらなる製品100’が第1ビーム10に関する初期位置Y1でさらに提供されるそれらの例において、さらなる製品100’はまた、製品100として第1ビーム10によって支持され動かされ得るが、第1位置に沿った初期位置Y1を維持しながら、運搬方向に沿った初期位置X1から、例えば運搬方向(矢印A)にそった第1位置X2まで動かされ得る。
【0066】
実質的に上記のようなシーケンスが、製品(又は製品の一群)が第1ビームの全長に沿って動かされるまで繰り返され得る。このように、提供されたさらなる製品は常に、第1ビームの1回以上のストローク(前後往復運動)の後に提供され、加熱製品の連続式(半連続式)のフローが炉内に収容されたコンベヤユニットの出口で提供され得る。例において、製品(一群の製品)をさらに加熱するために、製品は、予め決められた時間、炉内に残され得る。これらの場合、加熱製品、つまり、一群の製品の反連続式のフローが提供される。
【0067】
全ての例において、ストローク速度及び/又は第1ビームの動きの加減速は、炉の寸法、実施される熱サイクル及び炉によって供給される装置の入力要求に従って設定され得る。さらに、一般的にハードウェアとソフトウェアとの組み合わせであり得る制御システムもまた提供され、例えば、一群の製品が炉内により長く留まる必要がある場合、製品が前に動く速度及び/又はコンベヤユニットが停止される時間を調整する。
【0068】
第1及び第2ビームの相対長さに依拠して、製品が第1ビームの下流端部、つまり、運搬方向に沿った最後の位置に到達した状況において、製品が、運搬方向に沿った最後の位置で、第2ビームによって支持されたままであるように、製品を支持する第2ビームを上側鉛直位置から下側鉛直位置へ動かすことを含むさらなる工程が、予測され得る。これらの場合、第2ビームで支持される製品を運搬方向に沿った最後の位置から運搬方向に沿った端部位置まで押すように、さらなる工程は、第1ビームを上流位置から下流位置まで動かすことを含み得る。これらの例において、そのような押し動作は、例えば炉から、例えばプレスシステムまで、例えば製品の運搬のために用いられ得る。代替として、製品の端部位置で、ロボット、例えば、運送フォーク又は別のいずれの既知の保持装置が、加熱製品を取り、それらを次の処理に移動させるために提供され得る。
【0069】
例において、保持装置、ロボット若しくはフォークは、製品を初期位置で提供するために、コンベヤユニットの開始点で提供され得る。
【0070】
加熱製品(例えば、ブランク)の連続式フローを提供するために、つまり、加熱製品を、例えばプレスシステムのような連続式処理にタイムリーに供給できるようにするために、実質的に上記のような1つ以上のコンベヤユニットが炉内に提供され得る。このように、製品が炉の所定温度にさらされる時間に対応した炉の長さに応じて、
図3a~
図3dに関連して実質的に説明されたシーケンスを必要回数繰り返すことによって、製品が炉内で動かされ得る。
【0071】
図4a及び
図4bは、より大きいコンベヤシステムを構築するように連続して配置された2つのコンベヤユニットの部分上面図を模式的に示す。さらなる例において、より多くのコンベヤユニットが予測され得る。各コンベヤユニットは、
図1~
図3dに関係して実質的に説明されたように作られ、実施され得る。
【0072】
図4a及び
図4bの例において、上流コンベヤユニット40及び下流コンベヤユニット50が示される。各ユニット40、50は、実質的に上記に記載された、第1の水平方向に動くビーム41、51と第2の鉛直方向に動くビーム42、52とを有し得る。上流ユニット40の第1ビーム41と第2ビーム42との下流端部412、422はそれぞれ、下流ユニット50の第1ビーム51及び第2ビーム52の上流端部511、521に隣接する。
【0073】
この例において、第1ビーム41、51は一致して動いてもよく、第2ビーム42、52は一致して動いてもよい。ある例において、異なるコンベヤユニットの動くビームが一致していることを保証するために、第1ユニットの水平方向に動くビームは、第2ユニットの水平方向に動くビームを有する既知の機械的、油圧式若しくは電気システムのいずれにもよって接続され得る。
【0074】
図4a及び
図4bにさらに示されるように、製品100が上流ユニット40から下流ユニット50まで動かされ得る/運搬され得る方法を説明するシーケンスが模式的に説明される。
【0075】
図4aにおいて、製品100は既に、第1ビーム41の下流端部412にある。ユニット40とユニット50の第1ビーム41、51は、例えば、下流位置にあり得る。従って、製品100は、上流ユニット40の第1ビーム41の運搬方向(矢印A)に沿った下流端部位置Xeにあり得る。
図4bにおいて、以下の工程が、その間に既に実施されていてもよい。
第2ビーム42、52が、下側鉛直位置から上側鉛直位置へ動かされ得ること、
第1ビーム41、51が、下流位置から上流位置へ戻される得ること、
第2ビーム42、52が、上側鉛直位置から下側鉛直位置へさらに戻され得ること。
このように、ここで、製品100は、下流ユニット50の第1ビーム51に沿った初期位置Y1に相当するその上流端部511で、下流ユニット50の第1ビーム51に支持され、一方で運搬方向(矢印A)に沿ったXe位置を維持し得る。
【0076】
これらの例のいくつかにおいて、連続的なコンベヤユニットの第2ビーム、例えば、
図4a及び
図4bのユニット40、50の第2ビーム42、52は同一のサポート(
図1の符号201)によって支持され得る。このように、上流コンベヤユニット40の第2ビーム42の下流端部422及び下流コンベヤユニット50の第2ビーム52の上流端部521は、
図1において符号201で示されるようなサポートによって支持され得る。いくつかの例において、サポートはT形状のサポートであってもよい。単一サポートの提供は、連続的なコンベヤユニットの第2ビームを一斉に動かすことに貢献する。
【0077】
代替例において、連続的なコンベヤユニットの(水平方向に動く)第1ビームは、その全長の一部に沿って挟まれ、一斉に動き得る。
【0078】
いくつかの工程、例えば加熱成形工程において、連続式炉は、約35メータ~約50メータの範囲にある全長を有し得る。これらの例において、炉は、約5~10メータの範囲にある長さを有する複数のコンベヤユニットを備え得る。従って、実質的に上記のようなより大きいコンベヤシステムを構築するように、連続式の炉は、通常、例えば、連続的に配置された4~10個のコンベヤユニットから作られ得る。連続的に配置された他の数のユニットもまた予測され得る。
【0079】
全ての例において、製品はアルミニウム又は鋼、特に超高強度鋼(UHSS)から作られ得る。
【0080】
例の数のみが本明細書では開示されたが、別の代替、修正、使用及び/若しくはそれらと同等のものが可能である。さらに、記載された例のあらゆる可能な組み合わせもまたカバーされ得る。従って、本開示の範囲は、特定の例によって制限されるべきでないが、以下の請求項の公平な解釈のみによって決定されるべきである。