IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエイツ,インコーポレイティドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-25
(45)【発行日】2022-08-02
(54)【発明の名称】空間充填デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/00 20060101AFI20220726BHJP
【FI】
A61B17/00 500
【請求項の数】 5
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019188092
(22)【出願日】2019-10-11
(62)【分割の表示】P 2016524199の分割
【原出願日】2014-06-26
(65)【公開番号】P2020022784
(43)【公開日】2020-02-13
【審査請求日】2019-10-29
【審判番号】
【審判請求日】2021-10-22
(31)【優先権主張番号】61/839,843
(32)【優先日】2013-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】14/315,237
(32)【優先日】2014-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/907,288
(32)【優先日】2013-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391028362
【氏名又は名称】ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエイツ,インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】W.L. GORE & ASSOCIATES, INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【弁理士】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(72)【発明者】
【氏名】ブリジット ビー.エアーズ
(72)【発明者】
【氏名】ネイサン シー.コーリー
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン ジェイ.マスターズ
(72)【発明者】
【氏名】トーマス アール.マクダニエル
(72)【発明者】
【氏名】アーロン エル.パリス
(72)【発明者】
【氏名】ケネス エム.シッパー
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス エス.ウェブスター
(72)【発明者】
【氏名】ロアーク エヌ.ウルフ
(72)【発明者】
【氏名】ピーター ジェイ.ツェラー
【合議体】
【審判長】村上 聡
【審判官】安井 寿儀
【審判官】栗山 卓也
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/040431(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0054515(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0172927(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0162048(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2001/0000799(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0069406(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺部材のそれぞれが第一の端部と第二の端部を含む、複数の長尺部材を含むデバイスフレーム、
複数の長尺部材の第一の端部を集約する第一のハブ部材と、複数の長尺部材の第二の端部を集約する第二のハブ部材、ここで、第一のハブ部材又は第二のハブ部材のいずれか一方は第一のハブ部材及び第二のハブ部材の他方の内部に同心状に配置されており、
ここで、デバイスフレームはフェース部、側方対向スカート部及び反転部を含み、長尺部材の第一の部分はフェース部を画定し、そして第一のハブ部材から半径方向に延在しており、長尺部材の第二の部分は側方対向スカート部を画定し、そしてフェース部から第一の回転方向に沿って遠位に軸及びらせん方向に延在しており、そして長尺部材の第三の部分は反転部を画定している、
フェース部及び側方対向スカート部に取り付けられているカバー構成要素
デバイスフレームの遠位端の近く又は遠位端に配置されている第一の複数のアンカー、及び
方対向スカート部に配置されている第二の複数のアンカー
を含む、メディカルデバイス。
【請求項2】
前記第一のハブ部材はアイレットであり、そして前記第二のハブ部材はアイレットである、請求項1記載のメディカルデバイス。
【請求項3】
前記第一のハブ部材又は前記第二のハブ部材の一方はリング部材であり、そして前記第一のハブ部材又は前記第二のハブ部材の他方はアイレットである、請求項1記載のメディカルデバイス。
【請求項4】
前記第一のハブ部材はリング部材であり、そして前記第二のハブ部材はリング部材である、請求項1記載のメディカルデバイス。
【請求項5】
前記第一のハブ部材はクリンプジョイントであり、そして前記第二のハブ部材はアイレット又はリング部材であり、そして前記第一のハブ部材は前記第二のハブ部材の内部で同心状に配置されている、請求項1記載のメディカルデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本開示は、患者内の開口部、導管又は構造を閉塞するために使用することができるインプラント可能なメディカルデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
背景
心耳等の心臓特徴部は心血流障害の原因となることがあり、これは多数の心臓関連病理と関連している。例えば、左心耳(LAA)内血流障害によって生じる、心房細動に伴う合併症は、塞栓性脳卒中を引き起こす場合がある。LAAは筋肉からなる袋状物であり、心臓の左心房の前外側壁から延在し、左心房のための貯留部として機能する。正常な心周期では、LAAは左心房と共に収縮し、血液をLAAから送出する。これにより、血液がLAA内で滞留するのを一般に防いでいる。しかし、不整脈(例えば、心房細動)を特徴とする心周期では、LAAがしばしば十分に収縮できず、血液がLAA内に滞留してしまう場合がある。LAA内に滞留する血液は凝固して血栓を生じやすく、これがLAAから逸失して、最終的に塞栓性脳卒中を引き起こすことがある。
【発明の概要】
【0003】
要旨
第一の一般的な態様において、メディカルデバイスは長尺フレーム部材のそれぞれが、第一の端部と第二の端部を含む複数の長尺フレーム部材を含むデバイスフレームを含む。メディカルデバイスはまた、複数の長尺部材の第一の端部を集約する第一のハブ部材と、複数の長尺部材の第二の端部を集約する第二のハブ部材を含む。メディカルデバイスは、第一のハブ部材を第二のハブ部材と結合する結合要素をさらに含み、ここで、第一のハブ部材及び第二のハブ部材はデバイスフレームの長手方向の軸に沿って実質的に整列されている。デバイスフレームはフェース部、側方対向スカート部及び反転部を含み、そして長尺部材の第一の部分はフェース部を画定し、そして第一のハブ部材から半径方向に延在しており、長尺部材の第二の部分は側方対向スカート部を画定し、そしてフェース部から第一の回転方向に沿って遠位、軸及びらせん方向に延在しており、そして長尺部材の第三の部分は反転部を画定し、そして第一の回転方向とは反対の回転方向に沿って、側方対向スカート部の遠位部分から第二のハブ部材に概して近位方向に延在している。
【0004】
様々な実装品は下記の1つ以上のものを含むことができる。結合要素は、接着剤、溶接、リベット又は機械的な構成要素であることができる。長尺フレーム部材のそれぞれに関して、第一のハブ部材からの出口位置と第二ハブ部材への入口位置との間に画定される角度は、約140°~約360°の範囲で、又は、約225°~約315°、又は、約255°~285°の範囲又は270°であることができる。メディカルデバイスはまた、デバイスフレームに取り付けられた少なくとも1つのアンカー構成要素を含んでよい。長尺フレーム部材の各々は1つ以上のワイヤを含んでよい。長尺フレーム部材はチューブの部分を含んでよい。第一の回転方向は時計回り又は反時計回りであってよい。デバイスフレームのフェース部は実質的に平坦であってよく、又は、ほぼ凸形状又はほぼ凹形状であってよい。第一のハブ部材はアイレットであってよく、そして第二のハブ部材はアイレットであってよい。第一のハブ部材はリング部材であってよく、そして第二のハブ部材はアイレットであってよい。第一のハブ部材はリング部材であってよく、そして第二のハブ部材はリング部材であってよい。第二のハブ部材は第一のハブ部材の内部に同心状に配置されうる。メディカルデバイスはまた、フェース部及び側方対向スカート部に取り付けられたカバー構成要素を含んでよい。カバー構成要素は反転部に取り付けられなくてよい。カバー構成要素はカバー構成要素を通る血液の通過を阻害するように構成されうる。カバー構成要素は血液がカバー構成要素を通過することを可能にするが、塞栓がカバー構成要素を通過させないことにより、フィルタを構成することができる。反転部の第一の部分は側方対向スカート部の少なくとも一部と対向し、反転部の第二の部分はフェース部の少なくとも一部に対向することができる。メディカルデバイスはまた、フェース部、側方対向スカート部及び反転部の第二の部分に取り付けられたカバー構成要素であって、該カバー構成要素が反転部の第一の部分に取り付けられなくてよい、カバー構成要素を含んでよい。
【0005】
第二の一般的な態様において、メディカルデバイスは長尺フレーム部材のそれぞれが、第一の端部と第二の端部を含む複数の長尺フレーム部材を含むデバイスフレームを含む。メディカルデバイスはまた、複数の長尺部材の第一の端部を集約する第一のハブ部材と、複数の長尺部材の第二の端部を集約する第二のハブ部材を含む。メディカルデバイスはまた、第一のハブ部材を第二のハブ部材と結合する結合要素を含み、そして第一のハブ部材及び第二のハブ部材はデバイスフレームの長手方向の軸に沿って実質的に整列されている。デバイスフレームはフェース部、側方対向スカート部及び反転部を含む。長尺部材の第一の部分はフェース部を画定し、そして第一のハブ部材から半径方向に延在しており、長尺部材の第二の部分は側方対向スカート部を画定し、そしてフェース部から第一の回転方向に沿って遠位、軸及びらせん方向に延在しており、そして長尺部材の第三の部分は反転部を画定し、そして第一の回転方向とは反対の回転方向に沿って、側方対向スカート部の遠位部分から第二のハブ部材に概して近位方向に延在している。メディカルデバイスはフェース部及び側方対向スカート部に取り付けられたカバー構成要素をさらに含む。
【0006】
様々な実装品は下記の1つ以上のものを含むことができる。カバー構成要素は反転部に取り付けられなくてよい。カバー構成要素はカバー構成要素を通る血液の通過を阻害するように構成されうる。カバー構成要素は血液がカバー構成要素を通過することを可能にするが、塞栓がカバー構成要素を通過させないことにより、ろ過するように構成されうる。反転部の第一の部分は側方対向スカート部の少なくとも一部と対向し、反転部の第二の部分はフェース部の少なくとも一部に対向することができる。カバー構成要素は反転部の第二の部分に取り付けられてよく、そして反転部の第一の部分に取り付けられなくてよい。
【0007】
1つ以上の実施形態の詳細は添付図面及び下記説明に示される。他の特徴、目的及び利点は記載及び図面ならびに特許請求の範囲から明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図面の簡単な説明
図1図1A図1B及び図1Cは患者の体内の穴、欠損部、開口部、アペンデージ、脈管又は導管を閉塞するために使用することができる例示的な閉塞デバイスの斜視図である。
【0009】
図2図2は別の例示的な閉塞デバイスの正面図及びさらに別の例示的な閉塞デバイスの斜視図を示す。
【0010】
図3A図3Aは例示的な治具装置の斜視図である。
【0011】
図3B図3Bは例示的な治具装置の上面図であり、デバイスフレームを巻くために使用することができる巻回パターンを示す。
【0012】
図4図4は例示的なデバイスフレームの斜視図である。
【0013】
図5図5Aはフック形状の例示的なアンカーを含む例示的なデバイスフレームの斜視図である。
【0014】
図5B図5Bは例示的な閉塞デバイスの正面図である。
【0015】
図6図6は本明細書中で議論されるデバイスフレームのカップ状特徴部を提供することができる例示的な製造操作を示す。
【0016】
図7図7はデバイスのカップ状特徴部を示す、例示的な閉塞デバイスの遠位部分の斜視図である。
【0017】
図8図8はマンドレルに沿って延在しており、カバー構成要素が取り付けられるフレームの部分に塗布された接着剤を有する、例示的なデバイスフレームの斜視図である。
【0018】
図9図9は例示的なデバイスフレームの斜視図である。
【0019】
図10図10は例示的なデバイスフレームの一部及び例示的なリング部材の斜視図である。
【0020】
図11図11は例示的なデバイスフレームの一部の概念図である。
【0021】
図12図12は別の例示的なデバイスフレームの一部の概念図である。
【0022】
図13図13はさらに別の例示的なデバイスフレームの一部の概念図である。
【0023】
図14図14はさらに別の例示的なデバイスフレームの一部の概念図である。
【0024】
図15図15はさらに別の例示的なデバイスフレームの一部の概念図である。
【0025】
図16図16はさらに別の例示的なデバイスフレームの一部の概念図である。
【0026】
図17図17はさらに別の例示的なデバイスフレームの一部の概念図である。
【0027】
図18図18A、18B及び18Cは材料チューブから形成された長尺部材を有するデバイスフレームを含む例示的なデバイスの斜視図である。
【0028】
図19図19はNiTiチューブからレーザ切断された後の長尺のプレヒートセット構成の例示的なデバイスフレームの図である。
【0029】
図20図20は例示的なデバイスフレームの一部の概念図である。
図21図21は例示的なデバイスフレームの一部の概念図である。
図22図22は例示的なデバイスフレームの一部の概念図である。
図23図23は例示的なデバイスフレームの一部の概念図である。
図24図24は例示的なデバイスフレームの一部の概念図である。
図25図25は例示的なデバイスフレームの一部の概念図である。
【0030】
図26A図26Aは本明細書中に提供される閉塞デバイスの実施形態に含まれる例示的なアンカー構成要素の斜視図である。
【0031】
図26B図26Bは例示的な閉塞デバイスの長尺部材に取り付けられている図26Aのアンカー構成要素を示す斜視図である。
【0032】
図26C図26Cはカバー構成要素を含む例示的な閉塞デバイスに取り付けられている図26Aのアンカー構成要素を示す斜視図である。
【0033】
図27図27A~27Dは本明細書中に提供される実施形態による、互いの内部でのハブ部材又はアイレットのネスティングを例示する図である。
【0034】
図28図28A~28Cは本明細書中に提供されるいくつかの実施形態による、ネスティングされたアイレットを有する閉塞デバイスを構成するための技法を示す。
【0035】
図29A及び図29Bはネスティングされたアイレットを有する閉塞デバイスを形成するために使用することができる、巻線治具の斜視図及び側面図である。
【0036】
図30図30A及び30Bは遠位アンカーアセンブリを有する例示的な閉塞デバイスの実施形態を示す。
【0037】
図31図31A及び31Bは遠位アンカーアセンブリを有する例示的な閉塞デバイスの実施形態を示す。
【0038】
図32図32は例示的な閉塞デバイスの実施形態の側面斜視図である。
【0039】
図33図33A~33Dは例示的な閉塞デバイスの実施形態の種々の図を示す。
【0040】
図34A図34Aは別の例示的な閉塞デバイスの実施形態の斜視図を示す。
【0041】
図34B図34B図34Aの閉塞デバイスとともに使用することができる遠位アンカー部材を示す。
【0042】
図34C図34C図34Aの閉塞デバイスの追加の図である。
図34D図34D図34Aの閉塞デバイスの追加の図である。
【0043】
図35図35は例示的な閉塞デバイスフレームの実施形態の側面図である。
【0044】
図36図36図35の例示的な閉塞デバイスフレームの斜視図である。
【0045】
図37図36は例示的なアンカーフレームの実施形態の側面図である。
【0046】
図38図38は別の例示的なアンカーフレームの実施形態の側面図である。
【0047】
図39図39図38の例示的なアンカーフレームの斜視図である。
【0048】
図40図40は別の例示的な閉塞デバイスフレームの実施形態の側面図である。
【0049】
図41図41図40の例示的な閉塞デバイスフレームの斜視図である。
【0050】
図42図42は別の例示的な閉塞デバイスフレームの実施形態の側面図である。
【0051】
図43図43はさらに別の例示的な閉塞デバイスフレームの一部の概念図である。
【0052】
図44図44はさらに別の例示的な閉塞デバイスフレームの一部の概念図である。
【0053】
図45図45はさらに別の例示的な閉塞デバイスフレームの一部の概念図である。
【0054】
図46図46はさらに別の例示的な閉塞デバイスフレームの一部の概念図である。
【0055】
図47図47は別の例示的な閉塞デバイスフレームの実施形態の側面図である。
【0056】
図48図48図47の例示的な閉塞デバイスフレームの斜視図である。
【0057】
図49図49は別の例示的な閉塞デバイスフレームの実施形態の側面図である。
【0058】
図50図50図49の例示的な閉塞デバイスフレームの分解図である。
【0059】
図51図51は別の例示的な閉塞デバイスフレームの実施形態の側面図である。
【0060】
図52図52図51の例示的な閉塞デバイスフレームの分解図である。
【0061】
図53図53はさらに別の例示的な閉塞デバイスフレームの一部の概念図である。
【0062】
図54図54はさらに別の例示的な閉塞デバイスフレームの一部の概念図である。
【0063】
図55図55はさらに別の例示的な閉塞デバイスフレームの一部の概念図である。
【0064】
図56図56はいくつかの実施形態による閉塞デバイスフレームのための材料切断パターンを示す。
【0065】
図57図57はいくつかの実施形態による閉塞デバイスフレームのための別の材料切断パターンを示す。
【0066】
図58図58はいくつかの実施形態による閉塞デバイスフレームのための別の材料切断パターンを示す。
【0067】
図59図59はさらに別の例示的な閉塞デバイスフレームの一部の概念図である。
【0068】
図60図60はさらに別の例示的な閉塞デバイスフレームの一部の概念図である。
【0069】
図61図61はいくつかの実施形態による閉塞デバイスフレームのための別の材料切断パターンを示す。
【0070】
図62図62はいくつかの実施形態による閉塞デバイスフレームのための別の材料切断パターンを示す。
【0071】
図63A図63Aはさらに別の例示的な閉塞デバイスフレームの一部の概念図である。
【0072】
図63B図63B図63Aの閉塞デバイスフレームのハブ部材の部分を示す。
図63C図63C図63Aの閉塞デバイスフレームのハブ部材の部分を示す。
【0073】
様々な図面中の同様の参照符号は同様の要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0074】
詳細な説明
本ドキュメントは、例えば、患者の体内のスペース、穴、欠損部、開口部、アペンデージ、脈管又は導管を完全に、部分的に又は実質的に閉塞するのに有用なデバイス、システム及び方法を記載する。追加の用途は、幾つかの実施形態では、フィルタリングを含むことができる。幾つかのインプラント可能なメディカルデバイスは本明細書中に記載され、そして一般に、特定のデバイスに関連して記載される任意の特徴部は本明細書中に記載の任意の他のデバイスとともに使用することができる。幾つかの例では、特定のデバイスに関連して記載される1つ以上の特徴部は、別のデバイスの1つ以上の特徴部を交換するか又は置換することができる。幾つかの例では、特定のデバイスに関連して記載される1つ以上の特徴部は別のデバイスに追加されるか又は含まれることができる。また、本明細書中に記載の任意の特徴部の組み合わせ又は副次組み合わせは、一般に、本明細書中に記載の任意のデバイスとともに使用することができる。
【0075】
一般に、本明細書中に記載の任意のインプラント可能なメディカルデバイスは、さまざまな低侵襲的な経カテーテル展開技術を使用して、患者の体内のインビボ展開部位に送達されそして展開されることができる。例えば、本明細書中に記載の任意のインプラント可能なメディカルデバイスは、デリバリーカテーテルに解放可能に取り付けることができ、そしてデバイス及びデリバリーカテーテルはデリバリーシース内に装填されうる。デリバリーシースは患者の血管系に導入され、デリバリーシースの遠位端が標的インビボ展開部位に又はその付近に配置されるまで、血管系を通って前進されうる。インプラント可能なメディカルデバイスは、例えば、デリバリーカテーテルを使用して、デリバリーシースの遠位端からデバイスを押出し、そしてデリバリーカテーテルからデバイスを取り外すことによって、展開部位で展開されうる。幾つかの例では、デバイスは、デリバリーカテーテル及びインプラント可能なメディカルデバイスの位置を維持(又は前進)させている間にデリバリーシースをリトラクトし、そしてその後、デバイスをデリバリーカテーテルから取り外すことによって展開することができる。幾つかの実施形態では、デバイスの第一の部分はデバイスの第二の部分がデリバリーシースによって拘束されたままデリバリーシースから解放され、デバイスの第一の部分の位置決めが確認され、その後、デバイスの第二の部分はデリバリーシースから解放される。デリバリーカテーテル及びデリバリーシースは、その後、患者の身体から取り出され又はリトラクトされうる。幾つかの例において、テザー、縫合糸又はケーブルなどのリトリーバル要素はデバイスの一部に解放可能に取り付けられている。リトリーバル要素は、必要に応じて、展開後に、デバイスをリトリーブし又は再捕捉するために使用することができる。
【0076】
本明細書中に議論した任意のインプラント可能なメディカルデバイスはヒト心臓の左心耳(LAA)を閉塞するために使用することができる。インプラント可能なメディカルデバイスを、LAA又は他の適切なデリバリー部位などのデリバリー部位に、カテーテルシステムを通して又はその上で血管内にてデリバリーし、そして該部位で展開することができる。インプラント可能なメディカルデバイスは、例えば、左心房の主室(左心房チャンバー)からLAAを単離するために、LAA内及び/又はLAA口を横切って展開することができる。これはLAA内の血栓形成及び/又はLAAからの血栓脱出を防止することができる。このように、脳卒中の危険性を低減又は最小化することができる。
【0077】
限定することなく、本明細書中に記載されるデバイスは、右心耳又は左心耳、瘻、動脈瘤などの心臓及び動脈管開存を含む患者の体内の空間、穴、欠損部、開口部、脈管、導管又はアペンデージを閉塞するために使用することができる。閉塞デバイスは、多種多様な開口部幾何形状及びサイズに適合するのに十分な柔軟性があり、そして展開部位で様々な構造幾何形状に適合するように高度の順応性があるフレームを提供する。特に、デバイスの実施形態は、穿孔からの臨床後遺症が有意に低減され、又は、左心耳組織の外傷性穿孔なしに強固で確実な固定性を提供する、左心耳閉塞デバイスフレームを提供することができる。本明細書中で議論されるデバイスは、一般に、閉塞用途に使用するものとして記載されているが、デバイスはろ過用途にも適用することができる。例えば、本明細書中に記載のデバイスフレームは、閉塞用途、ろ過用途などに使用することができる。1つの例として、本明細書中に記載の任意のフレームは、閉塞用途のためにカバー構成要素を通る血液の通過を阻止するように構成されているカバー構成要素で完全に、実質的に又は部分的に覆われることができる。幾つかの実施形態において、本明細書中に記載の任意のフレームはろ過用途のためにカバー構成要素を通る血液の通過を許容するが、カバー構成要素を塞栓が通過するのを阻止するように構成されているカバー構成要素で完全に、実質的に又は部分的に覆われることができる。このように、フレームは閉塞用途で使用されうるので、フレームのフェース部は、例えば、閉塞面として本明細書中に記載されうるが、フェース部は、フレームが閉塞でなく、ろ過するために使用される用途では、フィルタ面として同様に記載されうる。
【0078】
幾つかの実装形態では、本明細書中に記載されるデバイスは二つ以上の形態をとることができる。例えば、デバイスが展開部位にデリバリーされている間に、デバイスは圧潰された又はデリバリー形態をとることができる。デバイスの展開に続いて、デバイスは拡張又は展開形態をとることができる。例えば、デバイスが展開されている間に、デバイスは1つ以上の部分的に拡張又は部分的に展開された形態をとることができる。
【0079】
図1A図1B及び図1Cは、患者の体内の穴、欠損部、開口部、アペンデージ、脈管又は導管を閉塞するために使用することができる例示的な閉塞デバイス100の斜視図である。閉塞デバイス100は複数の長尺部材102を含むデバイスフレームを含み、そしてフレームの少なくとも一部を被覆するカバー構成要素104を含む。この例では、カバー構成要素104は、フレームの一部を被覆し、そして長尺部材の一部に取り付けられている。本明細書中に使用されるときに、「フレーム」はデバイスのフレーム全体を指すか、又は、少なくとも1つの長尺部材を含むデバイスの局所部分を指すことができる。閉塞デバイス100は、図1Aにおいて、第一のハブ部材108で例示的なデリバリーカテーテル106に解放可能に取り付けられている。幾つかの実施形態において、第一のハブ部材108及び第二のハブ部材116は連結可能であり、そしてデリバリーカテーテル106は、第一のハブ部材108及び第二のハブ部材116の両方に解放可能に取り付けられていてよい。
【0080】
一般に、閉塞デバイス100の長尺部材102は、デバイスフレームの少なくとも1つの閉塞面110、フレームの外周の周りに延在する、デバイスフレームの側方対向スカート112及びデバイスフレームの反転部114(図1Cを参照されたい)を画定するように構成されている。長尺部材102はデバイスフレームの少なくとも1つの閉塞面110を画定する第一の部分、デバイスフレームの側方対向スカート112を画定する第二の部分、及びデバイスフレームの反転部114を画定する第三の部分を含む。閉塞面110は、略円板状の部材であってよく、そして様々な実施形態において、ほぼ円形形状を有することができ、又は、卵形又はほぼ楕円形の形状を有することができる。図1Bに見られるように、側方対向スカート112は、閉塞される空間の壁に適合するように構成されているデバイス100の側方対向表面を画定する。例えば、側方対向スカート112(カバー構成要素104とともに)は、左心耳の内壁に適合することができ、そしてスカート112と左心耳の壁との間の血液の通過を防止し又は実質的に防止することにより、左心耳の閉塞を支援する。幾つかの実施形態では、1つ以上のアンカー特徴部122は含まれる。幾つかのこのような実施形態では、アンカー特徴部122は側方対向スカート122から突出していてよく、それにより、デバイス100の遊走耐性を向上させることができる。下記により詳細に記載されるとおり、幾つかの実施形態では、反転部114は、側方対向スカート112の少なくと一部のプロファイルと概して対向している第一の部分、及び、閉塞面110の少なくとも一部のプロファイルと概して対向している第二の部分を含むことができる。
【0081】
長尺部材102の各々は第一の端部及び第二の端部を含む。第一のハブ部材108は長尺部材102の第一の端部を集約し、そして第二のハブ部材116(図1Cを参照されたい)は長尺部材102の第二の端部を集約する。すなわち、長尺部材102の各々は、第一のハブ部材108から第二のハブ部材116に延在し、長尺部材102の第一の部分は閉塞面110を画定し、長尺部材102の第二の部分は側方対向スカート112を画定し、そして長尺部材102の第三の部分は反転部114を画定している。閉塞デバイス100は10本の長尺部材を含む。
【0082】
一般に、デバイスフレームは、フェース部、側方対向スカート部及び反転部を含む。長尺部材の第一の部分はフェース部を画定し、そして第一のハブ部材から半径方向に延在している。長尺部材の第二の部分は、側方対向スカート部を画定し、そしてフェース部から第一の回転方向(例えば、反時計回り)に沿って、遠位、軸及びらせん方向に延在している。長尺部材の第三の部分は反転部を画定し、そして側方対向スカート部の遠位部分から第二のハブ部材まで第一の回転方向とは反対(すなわち、この例では時計回り)の回転方向に沿って概して近位方向に延在している。
【0083】
一般に、デバイスが最初に構築された時点で、長尺部材102は共通の回転方向で第一のハブ部材108から第二のハブ部材116へと延びている。例えば、長尺部材102の各々は、一般に時計回りの方向に第一のハブ部材108から第二のハブ部材116へと延在していることができる。あるいは、例えば、長尺部材102の各々は、一般に反時計回りの方向に第一のハブ部材108から第二のハブ部材116へと延在していることができる。以下にさらに詳細に記載されるとおり、デバイスの反転部はデバイスの内側へと反転され、そして、この反転はデバイスフレームの側方対向スカート部を画定する長尺部材の部分の回転方向とは反対の回転方向の経路に従うように長尺部材の一部に反転部を画定させる。
【0084】
別の例示的な閉塞デバイス200の正面図及びさらに別の例示的な閉塞デバイス202の斜視図である図2で最も良好に理解されるとおり、長尺部材の各々について、長尺部材の第一の部分204は第一のハブ部材206から概して半径方向に延在している。第一の部分204は閉塞面の「支柱」と呼ぶことができる。デバイス200及び202は、図1A~Cの閉塞デバイス100と非常に類似しているが、異なる数の長尺部材(特に、10でなく、12)を含む。これは本明細書中で議論されるデバイスは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14又はそれ以上などの任意の適切な数の長尺部材で構成することができることを示している。また、デバイス200及び202は閉塞デバイスがそれぞれの閉塞面のために異なる直径を有し、そして対応する側方対向スカートのための異なる直径又は幅を有するように構成することができることを示す。
【0085】
図2のデバイス200、202は、各々、ほぼ円形形状を有する閉塞面を含む。一般に、本明細書中に議論されるデバイスの閉塞面は、幾つかの実施形態において、ほぼ平坦なプロファイルを有してよく、他の実施形態においては、凸状プロファイル又は凹状プロファイルを有することができる。幾つかの例では、デバイスの閉塞面は、デバイスの長手方向軸に関して対称性である。他の例では、閉塞面は、デバイスの長手方向軸に関して非対称又は偏心性である。
【0086】
図2のデバイス202をここで参照すると、デバイスの閉塞面の周辺部に到達するときに、長尺部材はらせん経路を横断し始めそして側方対向スカートを画定する。図1Bを参照して最も良好に理解されうるとおり、長尺部材は、上記のとおりに同一の回転方向にらせん状に横切るように、デバイスの側方対向スカート112を画定する第二の部分115を含む。
【0087】
一般に、図1Aの図は閉塞デバイス100の近位部分を示し、図1Cの図はデバイス100の遠位部分を示す。一般に、デバイス100がLAAに展開されるとき、閉塞面100は、一般に、左心房に面するように配向されることができ、側方対向スカート112は、一般に、LAAの壁に面するように配向されることができ、そして反転部114はLAA内に面するように(すなわち、LAAの内部に面するように)配向されることができる。展開後に、反転部114の位置は、一般に、デリバリーシステムに対して閉塞面110の遠位であるから、反転部114は閉塞面110の遠位にあると言われる。対照的に、閉塞面110は、その展開位置は、一般に、反転部114と比較して、デリバリーシステムに一般に近位にあるので、反転部114の近位にあると言われる。典型的には、デバイスの遠位部分は最初に展開され、そしてデバイスの近位部分(例えば、閉塞面110を含む)は、その後に、展開される。LAAを参照して、デバイスの展開後に、反転部114は、一般に、LAAの内部に一般に深い位置にあってよく、一方、閉塞面110は心臓の左心房に面するように配向されることができる。
【0088】
本明細書中で議論されるデバイスは、一般に、デバイスを装填するためにデリバリーシース内に引き込まれ、一般に、デバイスを展開するためにデリバリーシースから押し出されることができる。例えば、デリバリーカテーテル106はデバイスの一部に解放可能に取り付けられることができ(例えば、デバイス、第一のハブ部材108、第一のハブ部材108及び第二のハブ部材116の近位端の付近の取り付け位置など)、そしてデリバリーシース内にデバイス100を引き込むために使用されうる。デリバリーシースは患者の血管系に導入され、デリバリーシースの遠位端が生体内展開部位で標的又はその近くに位置するまで、上記のとおりに血管系を通って前進させることができる。デバイス100は、その後、デリバリーカテーテルとともにシースから外に押し出され、そしてカテーテルはデバイスから取り外されることができる。一般に、本明細書中で議論されるデバイスは、例えば、シース内に装填され、デバイスの遠位端部分に係合するように制御カテーテルを用いることなく、シースから展開されうる。
【0089】
長尺部材102は、幾つかの実施形態ではワイヤである。例えば、長尺部材102は、自己拡張型デバイスのためのスプリングワイヤ、形状記憶合金ワイヤ又は超弾性合金ワイヤであることができる。長尺部材102はニチノール(NiTi)、L605スチール、ステンレススチール又は任意の他の適切な生体適合性材料から作ることができる。幾つかの実施形態において、白金、タンタル、イリジウム、パラジウムなどの充填材を含むニチノールチューブなどの伸線チューブを使用して、追加の放射線視認性を有する長尺部材102を向上させることができる。幾つかの実施形態では、長尺部材102の一部又は全部を、向上した放射線可視性のために放射線不透過性コーティングでコーティング(例えば、スパッタコーティング)することができる。例えば、幾つかのそのような実施形態において、長尺部材102の一部又は全部を貴金属で被覆することができ、該貴金属としては、限定するわけではないが、タンタル、白金などが挙げられる。幾つかの実施形態では、生体再吸収性又は生体吸収性材料、例えば、生体再吸収性又は生体吸収性ポリマーを用いることができる。NiTiの超弾性特性は、幾つかの実施形態によると、NiTiを長尺部材102のための特に良好な候補材料(例えば、NiTiワイヤはヒートセットして、所望の形状にすることができる)とすることができる。長尺部材102がデリバリーシースから体腔に展開されるときのように、制限のより少ない環境に配置されるときに、長尺部材102が所望の形状に自己拡張されることができるように、NiTiをヒートセットすることができる。長尺部材102は、デバイス100のための構造及び形状を提供することができる。一般に、本明細書中に記載のデバイスは、デバイスの目的に合わせるように所望のとおりに成形されている長尺部材102を含む。長尺部材102は、一般に、順応性、疲労耐性、及び長尺部材102が格納された長さを有するように、弾性であることができる。長尺部材102は、予備形成された形状に圧潰させそして伸長させることを可能にするバネ性を有することができる(例えば、デバイスのフレームは予備形成された形状を有することができる)。さらに後述するように、本明細書中に記載のデバイスは、一般に、1回以上ヒートセットされうる。
【0090】
幾つかの実施形態において、長尺部材102の直径又は厚さは、約0.008”~約0.015”又は約0.009”~約0.030”であることができるが、幾つかの実施形態において、より小さな又はより大きな直径を有する長尺部材を使用することができる。幾つかの実施形態において、長尺部材102の各々は同一の直径を有する。幾つかの実施形態では、長尺部材102の1つ以上の部分は直径がテーパー状であってよい。長尺部材は円形断面形状を有してよく、又は、矩形又は他の多角形などの非円形の断面形状を有してよい。長尺部材102が有することができる他の断面形状の例としては、正方形、楕円形、矩形、三角形、D字形、台形又は、編組もしくは鎖状構築物によって形成される不規則な断面形状が挙げられる。幾つかの実施形態では、デバイスフレームは平坦な長尺部材102を含むことができる。幾つかの例では、長尺部材102は、長尺部材102の直径が長尺部材102の長さに沿って変化するように、センタレス研削技術を用いて成形することができる。
【0091】
他の実施形態では、長尺部材102は材料のチューブから形成されており、該材料のチューブはチューブの一部を除去するように切断され、長尺部材102を残す。チューブはニチノール(NiTi)、L605スチール、ステンレススチール又は任意の他の適切な生体適合性材料から形成されることができる。幾つかの実施形態において、生体再吸収性又は生体吸収性材料、例えば、生体再吸収性又は生体吸収性ポリマーを用いることができる。材料のチューブは様々な方法で切断されることができる。例えば、チューブはレーザによって切断することができる。或いは、幾つかの例のみを表示すると、チューブはブレードにより、ウォータージェットにより切断されることができ、又は、電気化学的にミリングされることができる。長尺部材が第一のハブ部材108から第二のハブ部材116へと延在しているように、チューブを所定のパターンにより切断し、長尺部材102を形成する。これらの切断チューブの実施形態において、第一のハブ部材及び第二のハブ部材108、116は、例えば、チューブの円筒部を含むことができる。第一のハブ部材108、第二のハブ部材116及び長尺部材102は、切断プロセスの後に、チューブの残りの部分を表すので、すべてチューブの一部と考えることができる。その後、さらに後述するように、チューブは、1回以上ヒートセットされうる。
【0092】
幾つかの実施形態において、1つ以上の長尺部材102は、長尺部材の経路の少なくとも一部にわたって2つ以上のワイヤ(例えば、ツイストペア、又は、編組もしくは鎖状構築物)を含む。すなわち、長尺部材102は、その経路の一部又は全部にわたって二糸状長尺部材と考えることができる。
【0093】
上述したように、第一のハブ部材108及び第二のハブ部材116は、それぞれ、長尺部材102の第一の端部及び第二の端部を集約する。カットチューブの実施形態(すなわち、材料のチューブが長尺部材102を画定するように切断される実施形態)において、第一のハブ部材108及び第二のハブ部材116は、典型的には、長尺部材102が延在しているチューブの筒状部分である。ワイヤベースの長尺部材102を含む実施形態において、ハブ部材108、116は、さらに後述するように、アイレット、クリンプジョイント又はリング部材であることができる。幾つかの例では、第一のハブ部材108及び第二のハブ部材116は両方ともアイレットである。幾つかの例では、第一のハブ部材108及び第二のハブ部材116は両方ともリング部材である。幾つかの例では、第一のハブ部材108はアイレットであり、そして第二のハブ部材116はリング部材である。幾つかの例では、第一のハブ部材108はリング部材であり、そして第二のハブ部材116はアイレットである。幾つかの例では、第一のハブ部材108はアイレット又はリング部材であり、そして第二のハブ部材116はクリンプジョイントである。
【0094】
幾つかの実施形態において、閉塞デバイスのフレームは、材料のチューブ又はシートを切断しそして膨張させることにより形成されうる(例えば、図18A、18B、18C及び19を参照されたい)。例えば、幾つかの実施形態において、閉塞デバイスのフレームは、NiTi材料のチューブ又はシートをレーザ切断し、NiTi材料を所望の形状へ膨張させ、そして、その後、材料を所望の形状にヒートセットすることにより形成されうる。
【0095】
幾つかの実施形態において、本明細書中で議論されるデバイスフレームは単一のハブ部材で構成することができる。例えば、長尺部材の第一の部分はデバイスのフェース部を画定することができ、長尺部材の第二の部分はデバイスの側方対向スカート部を画定することができ、そして長尺部材の第三の部分はデバイスの反転部を画定することができ、ここで、長尺部材の第一の端部及び第二の端部は単一のハブ部材によって集約される。
【0096】
カバー構成要素104はカバー構成要素104を通した血液及び/又は血栓の通過を阻害するように構成され、すなわち、カバー構成要素104を通した血液及び/又は血栓の流れを実質的に閉塞し又は調節するように構成されうる。幾つかの実施形態は、カバー構成要素104が迅速な組織の進界成長を誘導し、そしてカバー構成要素104を通した血液の通過を即座に閉塞するように構成されている、カバー構成要素104を提供する。カバー構成要素104は長尺部材102の延伸部及び圧潰部をそれぞれ収納するように延伸しそして圧潰することができる多孔性の弾性部材であってよい。カバー構成要素104の孔は、実質的に、又は、幾つかの例では完全に、血液、他の体液、血栓及び塞栓の通過を防止するようなサイズであることができる。幾つかの実施形態では、カバー構成要素104はカバー構成要素104を通る血液、他の体液、血栓又は他の身体材料の通過を防止し又は実質的に防止する。カバー構成要素104は微孔性構造を有することができ、該微孔性構造は閉塞デバイス100の耐久性閉塞及び補足的な固着強度のための組織進界成長の足場を提供する。カバー構成要素104の幾つかの実施形態は延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)ポリマーなどのフルオロポリマーを含む。幾つかの例では、カバー構成要素104は膜状カバーとすることができる。幾つかの例では、カバー構成要素104はフィルムとすることができる。
【0097】
幾つかの実施形態において、カバー構成要素104はカバー構成要素104を通る流体通過の阻害が即時であり、血栓プロセスに依存しないように構成されている。幾つかの実施形態において、カバー構成要素104は1つ以上の化学的又は物理的方法によって変性され、それにより、カバー構成要素104の特定の物理的特性を向上させることができる。例えば、親水性コーティングをカバー構成要素104に適用し、カバー構成要素104の湿潤性及びエコー半透明性を改善することができる。幾つかの実施形態において、カバー構成要素104は、内皮細胞の付着、内皮細胞遊走、内皮細胞増殖及び血栓症に対する抵抗性の1つ以上を促進する化学的部分で修飾されうる。幾つかの実施形態では、カバー構成要素104は共有結合したヘパリンで修飾されても、又は、創傷治癒を促進するか又は組織の炎症を低減するために現場で放出される1種以上の薬剤物質で含浸されてもよい。幾つかの実施形態では、薬剤はコルチコステロイド、ヒト成長因子、抗有糸分裂剤、抗血栓剤又はデキサメタゾンリン酸ナトリウムであることができる。
【0098】
幾つかの実施形態において、カバー構成要素104はフルオロポリマー(例えば、延伸PTFE(ePTFE)又はPTFE)から形成されうる。幾つかの実施形態において、カバー構成要素104はポリエステル、シリコーン、ウレタンもしくは別の生体適合性ポリマー又はそれらの組み合わせから形成されうる。幾つかの実施形態において、生体再吸収性又は生体吸収性材料、例えば、生体再吸収性又は生体吸収性ポリマーを用いることができる。幾つかの実施形態において、カバー構成要素104はダクロンを含むことができる。幾つかの実施形態において、カバー構成要素104はニット又はファイバーを含むことができる。カバー構成要素104は様々な実施形態において、織布又は不織布であることができる。幾つかの実施形態において、カバー構成要素104はコポリマーから形成されうる。幾つかの例では、カバー構成要素104の第一の部分は第一の材料から形成され、そしてカバー構成要素104の第二の部分は第二の材料から形成されてよい。例えば、閉塞面110を被覆するカバー構成要素104の部分は第一の材料から形成され、そしてデバイスの残りの部分を被覆するカバー構成要素104の部分は第二の材料から形成されうる。別の例では、側方対向スカート112を被覆するカバー構成要素104の部分は第一の材料から形成され、デバイスの残りの部分を被覆するカバー構成要素104の部分は第二の材料から形成されうる。
【0099】
幾つかの実施形態において、カバー構成要素104は、例えば、長尺部材の第一の部分及び第二の部分に接着剤などにより取り付けられているが、長尺部材の第三の部分には取り付けられていない。すなわち、カバー構成要素はデバイスフレームの閉塞面110及び側方対向スカート112でデバイスフレームに取り付けられているが、デバイスフレームの反転部114でデバイスフレームに取り付けられていない。
【0100】
幾つかの実施形態において、カバー構成要素104は、例えば、デバイスフレームの閉塞面110及び側方対向スカート112に接着剤などによって取り付けられている。幾つかの実施形態において、カバー構成要素104は接着剤を使用して、長尺フレーム部材の少なくとも幾つかの部分に取り付けられている。幾つかの実施形態において、FEP(フッ素化エチレンプロピレン)を接着剤として用いて、カバー構成要素104を長尺フレーム部材に取り付ける。例えば、FEPコーティングを長尺フレーム部材の部分に適用することができ(例えば、図8を参照されたい)、そしてFEPは長尺フレーム部材にカバー構成要素104を接着するための結合剤として作用することができる。幾つかの実施形態において、放射線不透過性材料を接着剤と組み合わせることができる。例えば、幾つかの実施形態では、放射線不透過性粉末(例えば、タングステン粉末)を接着剤と混合することができる。そのような放射線不透過性材料が長尺フレーム部材にカバー構成要素104を取り付けるための接着剤と組み合わせて使用されるときに、閉塞デバイス100(及び、このような放射線不透過性材料を含む本明細書中に記載の他のデバイス)は(例えば、蛍光透視法を用いて)放射線可視化の観点から向上されうる。
【0101】
幾つかの実施形態において、カバー構成要素104の部分は、カバー構成要素104を長尺部材にバンド締めすることによって長尺部材に取り付けることができる。例えば、幾つかの実施形態において、カバー構成要素104の部分、例えば、限定するわけではないが、カバー構成要素104の端部は、バンド締めを用いて長尺部材又はハブ部材に取り付けられる。バンド締めは様々な材料であることができ、限定するわけではないが、生体適合性膜材料、縫合糸材料、金属材料など及びそれらの組み合わせが挙げられる。このような取り付け材料及び技術はまた、本明細書中に提供される閉塞デバイスの他の実施形態にも使用することができる。
【0102】
幾つかの実施形態において、カバー構成要素104はデバイスフレームの選択された領域に取り付けられ、そしてデバイスフレームの他の領域に取り付けられていない。この技術は、インプラント部位での患者の解剖学的構造のトポグラフィーに対する閉塞デバイス150の適合性の向上を促進することができる。このような技術はまた、本明細書中に提供される閉塞デバイスの他の実施形態でも使用することができる。
【0103】
幾つかの実施形態において、カバー構成要素104は予め穿孔され、カバー構成要素104を通る流体流を調節し、ろ過特性を形成し、及び/又はカバー構成要素104への組織進界成長の傾向に影響を与える。幾つかの実施形態において、カバー構成要素104をより剛性にし、又は、表面テクスチャを追加するように処理される。例えば、幾つかの実施形態において、カバー構成要素104をFEP粉末により処理し、剛化されたカバー構成要素104を提供し、又は、カバー構成要素104上に粗面化された表面を提供する。幾つかの実施形態では、カバー構成要素104の選択された部分はそのように処理され、カバー構成要素104の他の部分はそのように処理されない。他のカバー構成要素104材料処理技術はまた、有利な機械特性及び組織応答相互作用を提供するように使用されうる。このような材料及び技術はまた、本明細書中に提供される閉塞デバイスの他の実施形態に使用することができる。
【0104】
デバイスフレームの反転部114については、カバー構成要素104は閉塞面110の少なくとも一部のプロファイルに対向する反転部の部分に取り付けられてよく、そしてカバー構成要素104は側方対向スカート112の少なくとも一部のプロファイルに概して対向する反転部の部分には取り付けられない。図1Cを参照されたい。ここで、カバー構成要素104は側方対向スカート112の少なくとも一部に対向する反転部114の部分117付近で緩く、閉塞面110の少なくとも一部に対向する反転部114の部分119に対して締まっている。一般に、カバー構成要素104を反転部114の少なくとも一部に取り付けないことは、カバー構成要素にある程度の自由度を提供し、デバイスフレームが拡張し及び圧潰するなどの際に、結合を避けて自由に移動することを可能にする。
【0105】
幾つかの実施形態において、第一のハブ部材108及び第二のハブ部材116の両方はカバー構成要素104により覆われている。幾つかの実施形態において、第一のハブ部材108及び第二のハブ部材116の一方又は両方はカバー構成要素104により覆われていない。図1B及び1Cを参照とすると、デバイス100はデバイス100が装填されるカテーテル又はシース124とともに、例示の容易さのためにマンドレル120上に載置されて示されている。実際の使用では、マンドレル120は、例えば、デリバリー構成要素などによって置き換えられる。
【0106】
幾つかの実施形態において、第一のハブ108及び第二のハブ部材116は結合要素によって互いに結合される。結合要素は、接着剤、例えば、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)であることができる。他の例では、結合要素は溶接又は機械的結合要素、例えば、ジョイント、リベット(例えば、バーベルリベット)又は種々のタイプの捕捉部材であることができる。一緒に結合されたとき、第一のハブ部材108及び第二のハブ部材116は、デバイスフレームの長手方向軸に沿って実質的に整列されていることができる。幾つかの例では、第一のハブ部材108及び第二のハブ部材116はデバイスフレームの長手方向軸に沿って同心状に整列されていることができる。幾つかの実施形態では、結合要素は第一のハブ部材108及び第二のハブ部材116との間の相対運動を排除することができる。ハブ部材の間の相対運動を排除することで、幾つかの例では、長尺部材の直線化効果を低減又は無効化することができ、そのことは、幾つかの場合には、デバイスを装填し又は展開するのに有利であることができる。
【0107】
第一のハブ部材108と第二ハブ部材116を一緒に結合することにより、閉塞面110の支柱は閉塞面110の少なくとも一部と対向する反転部114の部分119の支柱と背中合わせに配置されている。これにより、デバイス100の長尺部材102にかかる回転力をバランスさせることができ、デバイス100の展開に有利であることができる。例えば、下記にさらに議論されるとおり、反転部114がデバイス内で反転されているので、回転力をバランスさせることができ、それにより、デバイスの遠位対向部分は図1Cを参照して理解されるとおり、カップ状形状を形成する。
【0108】
ワイヤを含む長尺部材102を有するデバイスでは、例えば、長尺部材は、巻線治具又はモジュラーツールを使用して、また、各々の長尺部材102を1つ以上のピン、バー、ブロック、チャンネル又は特徴画定治具部品により画定される巻線経路に沿って案内することによって巻かれ、所望のとおりのデバイスの特徴部を形成することができる。例えば、治具装置を使用する際に、長尺部材は、治具装置によって画定され又は治具装置の特徴部によって画定されるとおりの所定の経路をたどることができる。図3Aは例示的な治具装置220の斜視図である。治具装置220は8本ワイヤ閉塞デバイスを巻くために使用することができる。異なる数のワイヤを含むデバイスの場合、治具220と同様の治具装置であるが、適切な修正が加えられたものを使用することができる。
【0109】
図3Bは例示的な治具装置222の上面図であり、そして閉塞デバイスを巻くために使用することができる巻線パターン224を示す。治具装置222は、治具220と同様であるが、必要に応じて、デバイスのための1つ以上のアンカーを提供するための1つ以上の巻線経路と使用することができる追加の特徴部227(例えば、ピン)を含む。長尺部材102は、治具222の中央部226でピン又はマンドレル(図示せず)の周りにコイル状の様式で最初に巻かれ、第一のアイレット(幾つかの実施形態では第一のハブ部材108であることができる)を作成することができる。長尺部材102は、その後、半径方向に巻かれ(部分228を参照されたい)、治具222内の経路を通る。長尺部材102は、一般に、部分230で示されるように、回転方向(この例では時計回り)に巻かれ、そして最終的に治具の中心部226に半径方向に戻って巻かれ(部分232を参照されたい)、ピン又はマンドレルの周りに巻かれて、第二のアイレット(幾つかの実施形態では、第二のハブ部材116であることができる)を形成する。図3Bで理解されるとおり、第一のアイレットからの長尺部材の出口経路と、第二のアイレットへの入口経路とのなす角度は約270°である。幾つかの例では、角度は約255°~約285°の範囲であってよい。幾つかの例では、角度は約225°~約315°の範囲であってよい。幾つかの例では、角度は、約140°~約360°の範囲であってよい。長尺部材102の各々は、同様に、治具22上に巻かれてよく、上述した角度は、デバイスのワイヤの各々についてほぼ同じであってよい。一般に、デバイスの長さは、第一のアイレットからの長尺部材の出口経路と、第二のアイレットへの入口経路とのなす巻線角度に部分的に基づいて調節できる。例えば、より長いスカート長さを有するデバイスでは、約360°以上の角度を使用することができる。より短いスカート長さを有するデバイスでは、約140°~200°の角度を使用することができる。
【0110】
図4はマンドレル252及びフレームが巻線治具から取り外された後のマンドレル252により保持された例示的なデバイスフレーム250の斜視図である。フレーム250は、第二のハブ部材116としてアイレット254、及び、第一のハブ部材108としてリング部材256を含む。本明細書中に議論される閉塞デバイスの第一のハブ部材又は第二のハブ部材のいずれかとして使用されうる種々のタイプのリング部材を下記により詳細に記載することにする。
【0111】
デバイスフレーム250は、一般に、デバイスフレーム250を形成する6本のワイヤを含む。デバイスフレーム250はまた、6つのアンカー特徴部258を含み、それは、この例では、6本の追加のワイヤによって形成される。このように、図4のデバイスフレームは、二線条のフレームの部分及び単一線条のフレームの部分を含む。フレーム250は6本のワイヤを有するフレームのために設計された治具上で巻かれているが、図3Bの8線ワイヤの例示的な治具アセンブリ224は特徴部227を例示し、その周囲にワイヤが巻かれて、アンカー特徴部258と類似のデバイスフレームアンカー特徴部を提供することができる。例えば、フレームワイヤ及びアンカーワイヤを含むワイヤ対は第一のハブ部材108(例えば、第一のアイレット)から延在していることができる。フレームワイヤは図3Bに示す経路を横切り、そしてアンカーワイヤは最初に同一の経路を横切るが、部分230の間に、特徴部227の周囲に巻かれ、そして停止されることができる。
【0112】
アンカー特徴部は様々な形状を取ることができる。図5Aはフック形状を有する例示的なアンカー262を含む例示的なデバイスフレーム260の斜視図である。図5Bは例示的な閉塞デバイス266の正面図であり、そしてアンカー268が閉塞されるべき空間の壁(例えば、LAAの壁)の組織に係合するための側方対向スカートからどのように延在することができるを示す。
【0113】
幾つかの実施形態において、本明細書中に記載のデバイスフレームは単一のヒートセット操作を含む方法を用いて形成でき、ここで、形状記憶長尺部材102を、所定の配向状態で所定の時間、所定の熱プロファイルにしたがって加熱し、所望のとおりに長尺部材をヒートセットする。幾つかの実施形態において、本明細書中に記載のデバイスフレームは2回のヒートセット操作を含む方法を用いて形成できる。例えば、第一のヒートセット操作はデバイスの閉塞面110及び反転部116の部分を画定するように提供でき、そして第二のヒートセット操作は側方対向スカート112及び反転部116の部分を画定するように使用することができる。例えば、第二のヒートセット操作は本明細書中に記載のデバイスフレームのカップ状特徴部を提供するように使用できる。
【0114】
再び、図4のデバイスフレーム250を参照して、フレーム250は第一のヒートセット操作を用いてヒートセットされうる。第一のヒートセット操作に続いて、図6は本明細書中に記載のデバイスフレームのカップ状特徴部を提供することができる例示の製造操作を示す。マンドレル282に保持され、そして初期的に図4のフレーム250の配向と同様のほぼ平坦配向であるデバイスフレーム280は製造パイプ又はチューブ284の内部空間へ所定の距離で押し込まれる。例えば、フレーム280の第一のハブ部材及び第二のハブ部材108、116が取り付けられるマンドレル282は製造パイプ又はチューブ284内で中央にあることができ、それにより、(ほぼ平坦な)フレーム280は製造パイプ又はチューブ284の縁286と同じ高さにある。その後、マンドレルはチューブ284中に所定の距離で押し込まれ、それにより、第一のハブ部材及び第二のハブ部材108、116を、チューブ284の内部空間に少なくとも部分的に入らせることができる。フレーム28はチューブ284の直径よりも大きい直径を有し、そしてマンドレル282がチューブ284中に前進される間に過剰のフレーム長さがチューブ284により押し込まれるときに、側方対向スカート112は形成される。幾つかの例において、マンドレル282はチューブ284中に約0.090”押し込まれる。幾つかの実施形態において、マンドレルはチューブ284中に約0.088”~約0.092”の範囲の距離だけ前進されうる。幾つかの例では、マンドレルはチューブ284中に約0.085”~約0.095”の範囲の距離だけ前進されうる。マンドレル282がチューブ284中に適切に前進し、側方対向スカート112を形成したときに、第二のヒートセット操作をフレーム280上で行うことができる。上記の記載は2つの別個のヒートセット操作を記載しているが、幾つかの実施形態では、単一のヒートセット操作を行うことができる。
【0115】
図7はデバイスのカップ状特徴部を示す例示的な閉塞デバイス288の遠位部分の斜視図である。
【0116】
第二のヒートセット操作動作に続いて、デバイスフレームをチューブ284から取り出し、そしてカバー構成要素104への取り付けの準備をすることができる。第一のハブ部材及び第二のハブ部材108及び116は、デバイスフレームを伸長させるためにマンドレル上で分離されうる。接着剤(例えば、FEP)を長尺部材の部分に適用することができる。上述したように、カバー構成要素104は、閉塞面110、側方対向スカート112及び閉塞面の少なくとも一部のプロファイルに対向する反転部の部分に取り付けられている。カバー構成要素104は、側方対向スカートの少なくとも一部のプロファイルに概して対向する反転部の部分に取り付けられていない。このように、カバー構成要素を取り付けるべき長尺部材の部分が接着剤で被覆されており、カバー構成要素を取り付けるべきでないフレームの部分が接着剤で被覆されていないようにフレームを調製することができる。幾つかの例では、フレーム全体を最初に接着剤で塗布し、そして接着剤の選択された部分を(真空吸引などにより)除去することができる。幾つかの例では、カバー構成要素を取り付けるべきフレームの部分にのみ接着剤を塗布することができる。
【0117】
図8はマンドレルに沿って伸長されている、例示的なデバイスフレーム290の斜視図であり、接着剤はカバー構成要素を取り付けるフレーム290の部分に塗布されている。幾つかの例では、ハイポチューブはマンドレル上でデバイスを伸長させるために第一のハブ部材及び第二のハブ部材108及び116を分離するように使用することができる。その後、カバー構成要素104は接着剤を介してフレーム290の部分に取り付けられることができる。幾つかの例では、膜状フィルムをフレーム上に巻き、カバー構成要素104を提供する。幾つかの例では、膜状袋状要素をフレーム上に配置し、カバー構成要素104を提供する。
【0118】
カバー構成要素の適用に続いて、第一のハブ部材及び第二のハブ部材108及び116は結合要素によって互いに結合することができる。結合要素は、幾つかの例では、FEP等の接着剤であることができる。他の例では、結合要素は、溶接、又は、ジョイント、リベット(例えば、バーベルリベット)又は種々のタイプの捕捉部材などの機械的結合要素であってよい。結合要素はデバイスフレームの長手方向軸に沿って第一のハブ部材108及び第二のハブ部材116を実質的に整列することができる。幾つかの例では、第一のハブ部材108及び第二のハブ部材116はデバイスフレームの長手方向軸に沿って同心状に整列することができる。
【0119】
図9は第二のハブ部材が第一のハブ部材の内部で同心状に配置され(例えば、その内部でネスティング)されている例示的なデバイスフレーム300の斜視図である。この例では、第一のハブ部材及び第二のハブ部材の各々はアイレットである。幾つかの例では、第一の直径を有する第一のマンドレルは第一のアイレットを巻くのに使用することができ、そして第二の(この例ではより小さい)直径を有する第二のマンドレルは第二のアイレットを巻くのに使用することができる。他の例では、第一のハブ部材は、第二のハブ部材内に同心状に配置されることができる。
【0120】
図10は例示的なデバイスフレーム310の一部及び例示的なリング部材312の斜視図である。リング部材312は概してリング形状を有し、リング部材312の壁を通って長手方向に画定された複数の穴を含む。リング部材312は長尺部材の端部を集約することができ、該長手部材はリング部材312の穴を通過していてよく、又は、幾つかの実施形態において、リング部材312内で終端していてよい。
【0121】
図11~17は本明細書中に提供される閉塞デバイスの設計に組み込むことができる特定の閉塞デバイスフレーム特徴部を強調するように描かれている。例えば、図の一部では、ハブ部材及び/又は他のフレーム特徴部の設計が強調されている。これらの図で強調された1つ以上の特徴部は本明細書中の他の箇所に記載の任意の閉塞デバイスに含まれ得ることが理解され、そのような特徴部(及び本明細書中に記載の他の特徴部)は、混合されそして適合されて、複合設計を作成し、該複合設計が完全に本開示の範囲内にあることは理解されるべきである。これらの図において、カバー構成要素が示されず、又は、部分的なカバー構成要素のみが示され、そしてフレームの幾つかの部分が示されず、そのため、強調されたフレーム特徴部はより容易に見ることができる。図11~17の閉塞デバイスが、幾つかの実施形態ではカバー構成要素と組み合わせることができることは理解されるべきである。カバー構成要素は、カバー構成要素104及び/又は本明細書中に記載の任意の他の例示的なカバー構成要素を参照して上述したとおりの機能、特徴部、特性などのいずれか又はすべてを共有することができる。
【0122】
図11は本明細書中で議論したタイプの例示的なデバイスフレーム400の一部の概念図である。フレーム400は、反転部の部分117がどのように側方対向スカート112に対向するか、そして反転部の部分119がどのように閉塞面110に対向するかを示す。ユニオンジョイント402は第一のハブ部材108を第二のハブ部材116に結合し、デバイスの長手方向軸に沿って整列させる。ジョイント402はハブ部材の回転運動を可能にしながら、ハブ部材108及び116を軸的に保持することができる。ハブ部材108及び116はこの例ではアイレットである。ジョイントのキャップ118は、例えば、丸みを帯びていてよい。
【0123】
図12は本明細書中で議論したタイプの例示的なデバイスフレーム420の一部の概念図である。フレームは第一のハブ部材としてリング部材422を含む。第二のハブ部材は図示の例でアイレット423である。図示の実施形態では、リング部材422及びアイレット423は互いに直接的に結合されていない。しかしながら、幾つかの実施形態では、リング部材422及びアイレット423は互いに直接的に結合されている。リング部材422はアンカー取り付けワイヤのための追加の終端点を提供することができる。図12中で見られるとおり、長尺部材は、一般に、軸方向に沿ってリング部材422に入り、一方、アイレットに入るワイヤ(図11を参照されたい)はらせん状に巻かれた方向に接線方向に入ることができる。幾つかの例では、リング部材422は、例えば、デリバリーカテーテルを取り付けるためのねじ特徴部(図示せず)を含むことができる。
【0124】
図13は本明細書中で議論したタイプの例示的なデバイスフレーム440の一部の概念図である。フレームは、それぞれ、第一のハブ部材及び第二のハブ部材に対応する2つのリング部材422及び424を含む。長尺部材は様々な方法にてハブ部材で終端とすることができる。例えば、長尺部材はハブ部材を通してループされうる。長尺部材は、代わりに、溶接され、又は、接着剤で取り付けられていることができる。
【0125】
図14は本明細書中で議論したタイプの例示的なデバイスフレーム460の一部の概念図である。フレームは、ジョイント426によりそれぞれ結合されている、第一のハブ部材及び第二のハブ部材に対応する2つのリング部材422及び424を含む。幾つかの例では、ジョイント426はリング部材422及び424が互いに対して回転することができるように構成されうる。幾つかの例では、ジョイント426は、リング部材422及び424が互いに対して回転することができないように構成されうる。
【0126】
図15は本明細書中で議論したタイプの例示的なデバイスフレーム480の一部の概念図である。フレームは2012年11月16日に出願された発明の名称“Joint Assembly for Medical Devices,”、発明者Coby C. Larsen, Steven J. Masters及びThomas R. McDanielの仮出願に記載されているタイプのピボットハブ構成要素430を含み、該出願の全体をすべての目的で参照により本明細書中に取り込む。ピボットハブ構成要素430で終端とする長尺部材の端部はソケット又はスロット特徴部を有するハブ430によって受け入れられるボール端部432を有する。図示の実施形態では、内側ハブ部材はリング部材424を含む。幾つかの実施形態では、内側ハブ部材は別のタイプのハブ部材であってもよく、例えば、限定するわけではないが、アイレット、チューブ部などが挙げられる。
【0127】
図16は本明細書中で議論したタイプの例示的なデバイスフレーム500の一部の概念図である。アンカーアセンブリ502は含まれ、該アンカーアセンブリ502はデバイス500の閉塞フレームを形成するように使用される長尺部材とは別個の長尺部材を使用する。閉塞フレームの長尺部材は第一のハブ部材として機能するアイレット504で終端しており、一方、アンカー長尺部材は接着剤、溶接接合又は機械構造(例えば、ドッグボーンジョイント)によりアイレットに取り付けることができるハブもしくはリング構成要素506で終端としている。図示の実施形態では、内側ハブ部材はアイレット505を含む。幾つかの実施形態では、内側ハブ部材は別のタイプのハブ部材であってよく、例えば、限定するわけではないが、リング部材、チューブ部などが挙げられる。アンカーアセンブリ502は、幾つかの実施形態において、閉塞フレームのワイヤとは異なるサイズ、形状又は材料のワイヤを使用することができる。幾つかの実施形態では、アンカーアセンブリ502は本明細書中の他の箇所に記載されるようなカットチューブ法を用いて形成することができる。
【0128】
図17図16のフレーム500に類似しているデバイスフレーム520の一部の概念図であるが、デバイスの遠位端の近くにある追加のアンカー510を含み、それにより、例えば、デバイスの展開の間に、早期固着が可能になる。アンカー510は、例えば、同じハブ又はリング構成要素506で終端とすることができる。図示の実施形態では、内側ハブ部材はアイレット505を含む。幾つかの実施形態では、内側ハブ部材は別のタイプのハブ部材であってよく、例えば、限定するわけではないが、リング部材、チューブ部などが挙げられる。アンカーアセンブリ510は、幾つかの実施形態では、閉塞フレームのワイヤとは異なるサイズ、形状又は材料のワイヤを使用することができる。幾つかの実施形態では、アンカーアセンブリ510は本明細書中の他の箇所に記載されるようなカットチューブ法を用いて形成することができる。
【0129】
図18A、18B及び18Cは材料のチューブを切断(例えば、レーザ切断)しそして延伸することにより形成される長尺部材552を有するデバイスフレームを含む例示的なデバイス550の斜視図である。この例では、デバイス550は6本の長尺部材552を含む。デバイス550のフレームは、一般に、本明細書中で議論した他の閉塞デバイスフレームと類似の形状を有する。例えば、カバー構成要素560が存在するけれど、デバイスフレームのフェース部554、側方対向スカート部556及び反転部558を図中に見ることができる。
【0130】
図19は、例えば、NiTiチューブからレーザ切断された直後の、長尺のプレヒートセットの構成例の例示的なデバイスフレーム900の図である。フレーム900は本明細書中で議論したハブ部材に対応することができるフレームの遠位端の近くに筒状部材を含む。フレームはまた、チューブの長尺部分を含み、該長尺部分のチューブは、長尺部分が本明細書中で議論したフレームの特徴部を形成するように特定の構成にヒートセットされうる。長尺部分は、一般に、筒状部材で終端とする。フレーム900は、チューブの残りの部分が本明細書中に提供される幾つかの閉塞デバイスのためのフレームを形成することができるように材料のチューブをどのように切断することができるかの一般的な例を描写することが意図される。
【0131】
図20~25は本明細書中に提供される閉塞デバイスの設計に組み込むことができる特定の閉塞デバイスフレーム特徴部を強調するように描かれている。例えば、幾つかの図では、アンカーフレーム及び/又は閉塞フレームの設計が強調されている。これらの図で強調された1つ以上の特徴部は本明細書中の他の箇所に記載の任意の閉塞デバイスに含まれ得ることが理解され、そのような特徴部(及び本明細書中に記載の他の特徴部)は、混合されそして適合されて、複合設計を作成し、該複合設計が完全に本開示の範囲内にあることは理解されるべきである。これらの図において、カバー構成要素が示されず、又は、部分的なカバー構成要素のみが示され、そしてフレームの幾つかの部分が示されず、そのため、強調されたフレーム特徴部はより容易に見ることができる。図20~25の閉塞デバイスが、幾つかの実施形態ではカバー構成要素と組み合わせることができることは理解されるべきである。カバー構成要素は、カバー構成要素104及び/又は本明細書中に記載の任意の他の例示的なカバー構成要素を参照して上述したとおりの機能、特徴部、特性などのいずれか又はすべてを共有することができる。
【0132】
図20は本明細書中で議論したタイプの例示的なデバイスフレーム700の一部の概念図である。リング部材702は主要デバイスフレームが既に組み立てられた後に、予備形成されたアンカー704を別個に追加することができるように取り付け穴を含む。ボール端部はフレーム長尺部材及びアンカー長尺部材上に示され、そして長尺部材をリング部材702に固定するのを助けることができる。接着剤もしくは溶接ジョイント又は他の機械固定構成要素はまた、例えば、場合により使用されうる。図示の実施形態において、内側ハブ部材はアイレット505を含む。幾つかの実施形態では、内側ハブ部材は別のタイプのハブ部材であってよく、例えば、限定するわけではないが、リング部材、チューブ部などが挙げられる。予備形成されたアンカー704は、幾つかの実施形態において、閉塞フレームのワイヤとは異なるサイズ、形状又は材料のワイヤを使用することができる。例えば、幾つかの実施形態では、予備形成されたアンカー704は生体吸収性ポリマーから形成されることができ、一方、閉塞フレームは金属材料から形成される。
【0133】
図21は、本明細書中で議論したタイプの例示的なデバイスフレーム720の一部の概念図である。フレーム720は、アンカー724を含むアンカーアセンブリ722を含み、該アンカーアセンブリ722は材料のチューブから切断される。例えば、アンカーアセンブリ722はニチノールのチューブから切断することができる。アセンブリ722の1つ以上のアンカーアームはデバイスフレーム720の長手方向の異なる位置に配置されたアンカー724(例えば、アンカー724a、724b)を含む。これは、例えば、展開の際に段階的固定を容易にすることができる。アンカー724a及び724bはアセンブリの同一アーム上にあるため、追加のアンカーは、例えば、デバイスのプロファイルに追加することなく提供されうる。
【0134】
幾つかの実施形態において、アンカー724(及び本明細書中に提供される他のアンカー)は可撓性かつ弾力性であるように設計され、それにより、アンカー724はデリバリーシース内に封じ込めるための低プロファイルデリバリー形態に圧潰することができ、そして有意な引きずり抵抗なしにデリバリーシース内で並進移動されうる。デリバリーシースから展開されるときに、アンカー724は展開部位で周囲の組織に係合する湾曲した形状(例えば、図示されるとおり、又は、図示されたのと同様)に戻る。幾つかの実施形態では、アンカー724は周囲の組織を突き刺し、一方、フレーム720の他の部分はアンカー724の侵入深さを制限するための綿撒糸として働く。アンカー724の侵入に関連する心膜液浸出の危険性は軽減されうる。幾つかの実施形態では、アンカー724は貫通することなく周囲の組織に係合する。アンカー724は尖った点を有するものとして示されているが、幾つかの実施形態では、アンカー724(及び本明細書中に記載の他のアンカー)は他のタイプの端部を有することができることが理解されるべきであり、該端部としては、限定するわけではないが、ボール端部、さかとげ、非外傷性端、フック、二股端部などが挙げられる。幾つかの実施形態では、アンカー724の個々のアンカーは異なるタイプの端部を有することができる。
【0135】
図22は本明細書中で議論したタイプの例示的なデバイスフレーム740の一部の概念図である。フレーム740は遠位拡張性ステント部742を含み、該ステント部はフレーム740の遠位端の近くで半径方向の剛性を高めることができる。増加した半径方向の剛性は幾つかの実施形態において固定性を改良することができる(アンカーは図23に示されていないが、ステント部742は本明細書中に示される任意のフレームと組み合わせることができる)。ステント部742は、フレームのループ領域の近くに縫合糸又はフィルムによりフレーム740の遠位部にゆるく取り付けられることができる。ステント部742は、例えば、ワイヤから形成され、又は、カットチューブから形成されうる。
【0136】
図23は本明細書中で議論したタイプの例示的なデバイスフレーム760の一部の概念図である。フレーム760は図23のフレーム740と類似しているが、ステント部762から延在しているアンカー特徴部764とともにステント部762を含む。
【0137】
図24は本明細書中で議論したタイプの例示的なデバイスフレーム780の一部の概念図である。フレーム780はデバイスフレーム780の遠位端でインフレームアンカー782を含む。アンカー782はループを含み、そして組織の侵入を回避し又は最小限にするように設計された受動性固定を提供する。他の例では、アンカー782は組織を貫通するように設計された鋭い特徴部(例えば、少なくとも1つのフック、さかとげ又は歯)を含むことができる。代替として、2013年3月15日に出願された、発明の名称“Space Filling Devices,”で、発明者Coby C. Larsen, Brandon A. Lurie, Steven J. Masters, Thomas R. McDaniel及びStanislaw L. Zukowskiの仮出願(すべての目的でその全体を参照により本明細書中に取り込む)に記載の任意のマイクロコイルアンカー特徴部は、本明細書中で議論した任意のフレーム上の長尺フレーム部材の任意の適切な部分に取り付けられることができる。
【0138】
図25は本明細書中で議論したタイプの例示的なデバイスフレーム800の一部の概念図である。フレーム800はアンカーハブ構成要素804から遠位に延在しているアンカー802を含み、該アンカーハブ構成要素804は、この例では、結合構成要素808により第二のハブ部材806に結合されている。結合構成要素808は構成要素808のそれぞれの端部でボール端部を含む。この実施形態では、アンカー802は、結合構成要素808の使用のおかげで、デバイスフレーム800の残りからある程度独立して繋ぐことができる。
【0139】
図26Aは本明細書中に提供される閉塞デバイスの幾つかの実施形態に含まれている例示的なアンカー構成要素600を示している。例示的なアンカー構成要素600はワイヤ(例えば、NiTi又はステンレススチール)であり、該ワイヤは曲げられているか、又は、端部602の複合曲げ角度及びU-形状アーム604を含む、示された適切な形状で形成される。アンカー構成要素600の自由端としては鋭い先端、非外傷性端、さかとげ、ボール端部もしくは他のタイプの先端又はそれらの組み合わせを挙げることができる。
【0140】
第一のアーム及び第二のアーム604a及び604bは閉塞デバイスフレームの長尺部材に結合されうる。例えば、図26Bの例に示されるとおり、アンカー構成要素600は閉塞デバイス610の長尺部材611及び612に結合されうる。この例の実施形態では、アンカー構成要素600の第一のアーム604aは第一の長尺部材611に結合され、そして第二のアーム604bは第二の長尺部材612に結合される。図示されるとおり、第一のアーム604aは第一のアーム604aの長さに沿って2つ以上の位置で第一の長尺部材611に結合される。第一のアーム604aを結合するこの方法は、実質的に第一のアーム604aの全長に沿って第一の長尺部材611と第一のアーム604aを接触した状態で保持させる。幾つかの実施形態において、第二のアーム604bは単一の場所で第二の長尺部材612に結合される。したがって、幾つかの実施形態では、第二のアーム604bは第二の長尺部材612に対して回動することができる。このような第二のアーム604bと第二の長尺部材612との間の回動可能な結合により、閉塞デバイス610が異なるサイズ又は形態に拡張又は収縮するときに、アンカー構成要素600は閉塞デバイス610のフレームに関してその位置を再構成することができる。アンカー構成要素600が閉塞デバイス610のフレームに関してその位置を再構成するときに、周囲組織にデバイスを固定する能力を維持するように、端部602は、一般に、半径方向外方を指す。さらに、デバイス610の遊走の可能性を低減するために、端部602はわずかに近位方向を指す。この特徴部は図26Cに例示されており、それはアンカー構成要素600を示し、閉塞デバイス610が部分的に圧潰された形態である間に端部は暴露され、そして固定性を提供する配向である。
【0141】
図27A~27Dは2つ以上のハブ部材が相互に対して同心状に又は同軸的に位置するようにハブ部材をネスティングするための技術を例示している。幾つかの実施形態において、本明細書中に提供される閉塞デバイスの長尺フレーム部材はハブ部材で終端となる。幾つかの実施形態では、ハブ部材はアイレット(らせん構造を有するように巻かれた1つ以上の長尺部材を含むコイル)である。幾つかの実施形態では、ハブ部材は、長尺フレーム部材が終端となるリング部材である(例えば、図10を参照されたい)。幾つかの実施形態では、ハブ部材は長尺部材の集合体を囲むカラーであるクリンプジョイントである。幾つかの実施形態では、クリンプジョイントはカラー内に長尺部材を抑止するための接着剤、溶接、圧縮嵌合などを含むことができる。アイレット及びリング部材はまた、長尺部材の補足的な拘束を提供するための接着剤、溶接、圧縮嵌合などを含むことができる。ネスティングされたハブ構成は低プロファイルに圧潰可能であること、ならびに疲労に対して耐性であるなどの利点を有している閉塞デバイスを提供することができる。図27A~27Dは本明細書中に提供される閉塞デバイスの設計に組み込むことができる特定の閉塞デバイスフレーム特徴部を強調するように描かれている。これらの図で強調された1つ以上の特徴部は本明細書中の他の箇所に記載の任意の閉塞デバイスに含まれ得ることが理解され、そのような特徴部(及び本明細書中に記載の他の特徴部)は、混合されそして適合されて、複合設計を作成し、該複合設計が完全に本開示の範囲内にあることは理解されるべきである。これらの図において、カバー構成要素が示されず、又は、部分的なカバー構成要素のみが示され、そしてフレームの幾つかの部分が示されず、そのため、強調されたフレーム特徴部はより容易に見ることができる。図27A~27Dの閉塞デバイスが、幾つかの実施形態ではカバー構成要素と組み合わせることができることは理解されるべきである。カバー構成要素は、カバー構成要素104及び/又は本明細書中に記載の任意の他の例示的なカバー構成要素を参照して上述したとおりの機能、特徴部、特性などのいずれか又はすべてを共有することができる。
【0142】
図27Aはネスティングされたアイレット622及び624を有する閉塞デバイス620を描いている。すなわち、第一のアイレット622は第二のアイレット624により画定される空間内に配置されている。図27Bはリング部材634内にネスティングされたアイレット632を有する閉塞デバイス630を示している。図27Cはリング部材644内でネスティングされたクリンプジョイント642を有する閉塞デバイス640を示している。図27Dはアイレット654内でネスティングされたリング部材652を有する閉塞デバイス650を示している。リング部材、アイレット及びクリンプジョイントの任意の組み合わせが、本開示の範囲内で考えられることが理解されるべきである。アイレットを有する幾つかの実施形態では、アイレットを構成する長尺要素の一部又は全部は、溶接(例えば、レーザ溶接)、又は、他の技術(例えば、接着剤を使用するなど)によってアイレット領域で結合されうる。ネスティングされたアイレットを有する幾つかの実施形態では、このような技術は内側アイレットと外側アイレットを一緒に結合しない状態で、内側アイレット及び/又は外側アイレットの長尺要素の一部又は全部を個々に結合させるために使用することができる。ネスティングされたアイレットを有する幾つかの実施形態において、このような技術は、内側アイレット及び外側アイレットの長尺要素の一部又は全部を一緒に結合させるために使用することができる。1つ以上のアイレットを含む本明細書中に提供される任意の閉塞デバイスは、このように結合したアイレットの長尺要素の一部又は全部を有することができる。
【0143】
図28A図28Cはネスティングされたアイレットを有する閉塞デバイスのフレームを形成するための技術を描いている。図28Aは第一のアイレット662及び第二のアイレット664を含む長尺部材660のアセンブリを示す。長尺部材660のアセンブリは本明細書中の他の箇所に記載されるとおりの治具及び/又はマンドレルを用いた長尺部材の巻回方法から得ることができる。長尺部材660のアセンブリは第一のアイレット662及び第二のアイレット664を含む。幾つかの実施形態では、アイレットが含まれるが、他の実施形態では、他のタイプのハブは、アイレットの代わりに又はそれに加えて、含まれることができる。
【0144】
図28Bはハブをネスティングするための技術の中間工程を描いている。図28A中に示される長尺部材660のアセンブリの形態から図28B中に示される長尺部材660のアセンブリの形態に移行するために、第一のアイレット662及び第二のアイレット664は個別に約180°、そして矢印663及び665により示されるとおりの反対方向に回転される。そうするときに、長尺部材660は相互に捩じられない。
【0145】
図28Cはハブ部材をネスティングするための技術の最終工程を描いている。すなわち、内側アイレット662を、第二のハブ664により画定される内側空間内に実質的に配置する。幾つかの実施形態において、第二のハブ664を、第一のハブ662により画定される内部空間内に実質的に配置することができる。
【0146】
図29A及び29Bはツーリング670を示し、該ツーリング670はネスティングされたアイレットを有する閉塞デバイスを製造するために長尺部材を巻くために使用することができる。巻回パターンは巻回開始ディスク672で開始し、そしてポスト674の下方に巻く。長尺部材は、その後、巻かれ、各々類似しているが、明確に異なる経路を通る(この例では約216°)。長尺部材は、その後、巻かれ、ポストのボトムから開始し、上方に行き、当初のアイレットの周囲の別のアイレットを形成する。
【0147】
図30A~34Dは遠位アンカー部材を含む閉塞デバイスの実施形態を提供する。様々なタイプの遠位アンカー部材を記載している。図30A~34Dは本明細書中に提供される閉塞デバイスの設計に組み込むことができる特定の閉塞デバイスフレーム特徴部を強調するように描かれている。これらの図で強調された1つ以上の特徴部は本明細書中の他の箇所に記載の任意の閉塞デバイスに含まれ得ることが理解され、そのような特徴部(及び本明細書中に記載の他の特徴部)は、混合されそして適合されて、複合設計を作成し、該複合設計が完全に本開示の範囲内にあることは理解されるべきである。幾つかのこれらの図において、フレーム及びカバー構成要素の少なくとも幾つかの部分が示されず、そのため、強調されたフレーム特徴部はより容易に見ることができる。
【0148】
図30Aは閉塞部材681及び遠位アンカー部材686を含む閉塞デバイス680を描いている。本明細書中に記載の幾つかの他の閉塞デバイスと同様に、閉塞部材681は閉塞面682、側方対向スカート683、反転部684及びハブ部材685(幾つかの実施形態において、ネスティングされたハブであってよいが、他の実施形態では、ハブはネスティングされていない)を含む。
【0149】
幾つかの実施形態において、遠位アンカー部材686は切断され、その後、膨張された材料から作られる。例えば、幾つかの実施形態において、遠位アンカー部材686は実質的に図示されるとおりの形態に、レーザ切断され、その後、膨張された(そして幾つかの実施形態において、ヒートセットされた)材料のチューブから製造される。幾つかの実施形態において、NiTiを材料として使用するが、ステンレススチール及びポリマーなどの他の材料も、NiTiの代わりに又はそれと組み合わせて使用することができる。遠位アンカー部材686の設計は遠位アンカー部材686から半径方向の力を周囲の組織に対して適用するのを促進することができ、それは閉塞デバイス680の固定性能を補助することができる。さらに、遠位アンカー部材686の形態は湾曲状長尺部材から作られた部分を含む。このような湾曲された部分は軸方向及び半径方向の可撓性及びスプリング性を提供し、それにより、アンカーフレームは患者の人体内のデバイスの遊走に対して耐性とする。さらに、幾つかの実施形態において、遠位アンカー部材686は周囲の組織に対して閉塞デバイス680の固定を提供するように組織に隣接し又は侵入することができる複数の自由端687を含む。
【0150】
幾つかの実施形態において、閉塞部材681及び遠位アンカー部材686は結合要素689により結合されうる。結合要素は、幾つかの例では、FEPなどの接着剤又は溶接であることができる。図示の例において、結合要素689はジョイント、リベット(例えば、バーベルリベット)又は種々のタイプの捕捉部材などの機械的な結合要素である。結合要素はデバイスフレームの長手方向軸に沿って閉塞部材ハブ685及びアンカー部材ハブ688を実質的に整列することができる。幾つかの例では、閉塞部材ハブ685及びアンカー部材ハブ688はデバイスフレームの長手方向軸に沿って同心状に整列されうる。
【0151】
幾つかの実施形態において、結合要素689は閉塞部材681及び遠位アンカー部材686の間の相対移動を可能にすることができる。例えば、閉塞部材681及び遠位アンカー部材686は相互に対して軸方向に移動することができ、又は、相互に対して回転することができる。
【0152】
図30Bは遠位アンカー部材696を含む閉塞デバイス690の別の実施形態を示す。本明細書中に記載の幾つかの他の閉塞デバイスと同様に、閉塞部材691は閉塞面692、側方対向スカート693、反転部694及びハブ部材695 (幾つかの実施形態において、ネスティングされたハブ部材であることができるが、他の実施形態では、ハブはネスティングされていない)を含む。
【0153】
幾つかの実施形態において、遠位アンカー部材696は複数の長尺部材(例えば、696a、696b及び696c)から作られており、リング部材698で1つの端部を終端とし、他方の端部をボール端部697で終端とする。ボール端部697は非外傷的に身体組織に係合しそして摩擦、圧力又は絡まりなどによりデバイス690を固定するように適合されている。幾つかの例では、ボール端部697はレーザ溶接により固定アンカーワイヤの端部で形成されうる。ボール端部697はアンカー性を提供し、そして幾つかの実施形態において、穿孔又は心膜液貯留の可能性を低減することができる。一般に、ボール端部697又は本明細書中で議論した他の受動性アンカー特徴部は、幾つかの実施形態において、鋭い縁を有する幾つかの活性アンカー要素と比較して、デリバリーシースの内面上での摩擦を低減させることができ、ある場合にはデリバリーシステムの微粒子化を低減することができる。幾つかの実施形態において、ボール端部697の直径はフレームアンカーワイヤの直径の約2倍であることができる。幾つかの例では、ボール端部697の直径はフレームアンカーワイヤの直径の約1×(ちょうど丸いワイヤ端部を有する)~2×の範囲であることができ、例えば、直径はフレームアンカーワイヤの直径の約1.5×、又は、フレームアンカーワイヤの直径の約1.6×、1.7×、1.8×又は1.9×であることができる。ボール端部697は、例えば、フレームアンカーワイヤの端部にレーザパルスを適用することにより形成されうる。例えば、幾つかの実施形態において、球状部材又はボール端部697は精密レーザ溶接技術を用いて(例えば、Nd:YAGレーザを用いて)フレームアンカーワイヤの端部で直接的に形成することができる。
【0154】
幾つかの実施形態において、閉塞部材691及び遠位アンカー部材696は結合要素699により一緒に結合されうる。結合要素は、幾つかの例では、FEPなどの接着剤又は溶接であることができる。図示の例において、結合要素689はジョイント、リベット(例えば、バーベルリベット)又は種々のタイプの捕捉部材などの機械的な結合要素である。幾つかの実施形態において、結合要素699は閉塞部材691及び遠位アンカー部材696との間の相対移動を可能にすることができる。例えば、閉塞部材691及び遠位アンカー部材696は相互に対して軸方向に移動すること又は相互に対して回転することが可能になることができる。
【0155】
図31Aは、遠位アンカー部材816を含む閉塞デバイス810の別の実施形態を示す。本明細書中に記載の他の閉塞デバイスと同様に、閉塞部材811は閉塞面812、側方対向スカート813、反転部814及びハブ部材815(幾つかの実施形態において、ネスティングされたハブであることができるが、他の実施形態では、ハブはネスティングされていない)を含む。
【0156】
幾つかの実施形態において、遠位アンカー部材816は切断され、その後、膨張された材料から作られる。例えば、幾つかの実施形態において、遠位アンカー部材816はレーザ切断され、その後、実質的に図示されるとおりの形態へと膨張された(そして幾つかの実施形態において、ヒートセットされた)材料のチューブから製造される。幾つかの実施形態において、NiTiを材料として使用するが、ステンレススチール及びポリマーなどの他の材料も使用することができる。
【0157】
幾つかの実施形態において、閉塞部材811及び遠位アンカー部材816は結合要素819により結合されうる。閉塞デバイス680及び閉塞デバイス690とは対照的に、閉塞デバイス810では、ハブ815及び818は結合されていない。むしろ、閉塞部材811及び遠位アンカー部材816の周囲は複数の縫合糸結び目819により結合されうる。幾つかの実施形態において、ハブ815及び818はまた、縫合糸を用いて一緒にテザーされうる。縫合糸結び目819は、長尺部材(例えば、816a、816b、816c)を、閉塞部材811の長尺部材、又は、閉塞部材811のカバー構成要素、又は、閉塞部材811の長尺部材及びカバー構成要素の両方に結び付けそして拘束する。
【0158】
複数の縫合糸結び目819を用いて閉塞部材811及び遠位アンカー部材816を結合するこの技術は、閉塞デバイス810を、デリバリーシース内に配置するように非常に低いプロファイルに圧潰することが可能であることができる。さらに、幾つかの実施形態において、閉塞部材811の周囲及び遠位アンカー部材816を結合するための複数の縫合糸結び目819の使用はデリバリーシース中への装填の間、展開の間及び展開の後の閉塞デバイス810の安定性を向上させることができる。
【0159】
図31Bは遠位アンカー部材826を含む閉塞デバイス820の別の実施形態を示す。本明細書中に記載の他の閉塞デバイスと同様に、閉塞部材821は閉塞面822、側方対向スカート823、反転部824及びハブ部材825 (幾つかの実施形態において、ネスティングされたハブアセンブリであることができるが、他の実施形態では、ハブはネスティングされていない)を含む。
【0160】
幾つかの実施形態において、閉塞部材821及び遠位アンカー部材826は閉塞部材821の周囲の一部及び全部及び遠位アンカー部材826の周囲でらせん経路を交差部で画定しているオーバーハンドランニングステッチ829により結合されうる。閉塞デバイス680及び閉塞デバイス690とは対照的に、閉塞デバイス820では、ハブ825及び828は結合されていない。むしろ、閉塞部材821の周囲及び遠位アンカー部材826はオーバーハンドランニングステッチ829により一緒に結合されうる。幾つかの実施形態において、ハブ825及び828はまた、縫合糸を用いて一緒にテザーされうる。オーバーハンドランニングステッチ829は、長尺部材(例えば、826a、826b、826c)を、閉塞部材821の長尺部材、又は、閉塞部材821のカバー構成要素、又は、閉塞部材821の長尺部材及びカバー構成要素の両方に結び付けそして拘束する。
【0161】
オーバーハンドランニングステッチ829を用いて閉塞部材821及び遠位アンカー部材826を結合するこの技術は、閉塞デバイス820を、デリバリーシース内に配置するように非常に低いプロファイルに圧潰することが可能であることができる。さらに、幾つかの実施形態において、閉塞部材821の周囲及び遠位アンカー部材826を結合するためのオーバーハンドランニングステッチ829の使用はデリバリーシース中への装填の間、展開の間及び展開の後の閉塞デバイス820の安定性を向上させることができる。さらに、遠位アンカー部材826の閉塞部材821への取り付けは、幾つかの実施形態において、体内の空間(例えば、LAA)内で閉塞デバイス820を中央にするのを支援する。
【0162】
図32は閉塞部材831及び遠位アンカー部材836を含む別の閉塞デバイス830の側方斜視図を示している。この図では、遠位アンカー部材836の長尺部材837の端部のみが見えている。遠位アンカー部材836は、図30A、30B、31A及び31Bの遠位アンカー部材686、696、816及び826のいずれかに類似することができ、そして図33A~33Cの遠位アンカー部材846に類似することができ、そして任意の他の同様の設計を有することができることが理解されるべきである。
【0163】
遠位アンカー部材836の長尺部材837は閉塞部材831から概して半径方向に突出していることが分かる。特に、幾つかの実施形態において、遠位アンカー部材836の長尺部材837は閉塞部材831のカバー構成要素832を通して突出している。さらに、幾つかの実施形態において、遠位アンカー部材836の長尺部材837は閉塞部材831の長尺部材834により画定される間隙空間を介して閉塞部材831から突出している(図32に示されるとおり)。
【0164】
遠位アンカー部材836の長尺部材837をカバー構成要素832及び閉塞部材831の長尺部材834に結びそして拘束するための縫合技術は閉塞デバイス830に使用することができる。例えば、幾つかの実施形態において、縫合糸結び目(図31Aを参照されたい)を用いて、遠位アンカー部材836の長尺部材837を閉塞部材831の長尺部材834に結びそして拘束することができる。幾つかの実施形態において、オーバーハンドランニングステッチ技術(図31Bを参照されたい)を用いて、遠位アンカー部材836の長尺部材837を閉塞部材831のカバー構成要素832及び長尺部材834に結びそして拘束することができる。幾つかの実施形態において、このような技術及び他の技術(例えば、クリップ、接着剤、溶接など)の組み合わせは、遠位アンカー部材836の長尺部材837を閉塞部材831のカバー構成要素832及び長尺部材834に結びそして拘束するために使用することができる。
【0165】
図33A~33Dは別の閉塞デバイス840を示している。閉塞デバイス840は閉塞部材841及び遠位アンカー部材846を含む。閉塞部材841は、閉塞面842、側方対向スカート843、カバー構成要素844及び反転部845を含む。
【0166】
遠位アンカー部材846は複数の長尺部材847のフレーム及び基材848を含む。基材848は長尺部材847に対して、少なくとも部分的に結合され(例えば、FEPを用いて)、ラミネートされ又は別の方法で取り付けられている。幾つかの実施形態において、基材は緻密化されたePTFE材料であることができる。幾つかの実施形態において、他のタイプのシート材料は使用されてよく、限定するわけではないが、PTFE、ポリエステル、DACRON、シリコーン、ウレタン又は他の生体適合性ポリマー又はそれらの組み合わせが挙げられる。
【0167】
幾つかの実施形態において、複数の長尺部材847のフレーム及び基材848を含む遠位アンカー部材846は側方対向スカート843の遠位端の近くで閉塞部材841に取り付けられていてよい。例えば、幾つかの実施形態において、遠位アンカー部材846の複数の長尺部材847のフレーム及び基材848は図31A、31B及び32を参照して記載されるとおり(縫合糸結び目、オーバーハンドランニングステッチなどを使用して)、閉塞部材841の長尺部材及び/又は閉塞部材841のカバリング844に取り付けられる。幾つかの実施形態において、基材848は遠位アンカー部材846を閉塞部材841に取り付けるための追加の表面を提供する。例えば、図33Bでは、縫合要素849を用いて、基材848をカバー構成要素844に縫い合わせる。縫合要素849はまた、長尺部材847を閉塞部材841の長尺部材844及びカバー構成要素844に結ぶために使用することができる。このようにして、遠位アンカー部材846は、場合により、側方対向スカート843の遠位端の近くで閉塞部材841に強固に取り付けられることができる。
【0168】
図34A、34C及び34Dは遠位アンカー部材856を含む別の例示的な閉塞デバイス850を示している。図34Bは閉塞デバイス850の構成部品であることができる例示的な遠位アンカー部材856を示している。
【0169】
図34Bを参照すると、例示的な遠位アンカー部材856はアンカー部分857、近位球状部分858、及び、ハブ859a及び859bを備えたフレームを含むことができる。遠位アンカー部材856は切断され、そして膨張された(例えば、図34A、34C及び34Dに示されるとおり)材料から作られることができ、又は、種々のタイプのハブを用いて結合された長尺部材から作られることができる(例えば、図34Bに示されるとおり)。
【0170】
図34A、34C及び34Dを参照すると、例示的な閉塞デバイス850は遠位アンカー部材856及び閉塞部材851を含む。閉塞部材851はハブ851a、閉塞面852、側方対向スカート853、カバー構成要素854及び反転部855を含む。
【0171】
幾つかの実施形態において、遠位アンカー部材856は下記の1つ以上の方法で閉塞部材851に結合される。例えば、遠位アンカー部材856のハブ859aは閉塞部材851のハブ851aに結合されうる。このようなハブ859aとハブ851aとの結合は本明細書中の他の箇所に記載されるハブを結合するための種々の技術(例えば、結合要素、例えば、接着剤(例えば、FEP)、溶接、機械的な結合要素 (例えば、ジョイント、リベット(例えば、バーベルリベット))、又は、様々なタイプの捕捉部材)を用いて達成できる。追加的に、又は、代わりとして、遠位アンカー部材856は図31A、31B及び32を参照して記載される縫合技術を使用して(例えば、縫合糸結び目、オーバーハンドランニングステッチなどを使用して)、閉塞部材851に結合されうる。図33A~33Dを参照して記載されるとおり、遠位アンカー部材856に基材を含むことができる。追加的に、又は、代わりとして、遠位アンカー部材856は、球状部分858と閉塞部材851の内側との間の締まり嵌めを用いて閉塞部材851に結合されうる。すなわち、球状部分858の外径は閉塞部材851の内側よりも大きく、それにより、遠位アンカー部材856及び閉塞部材851の結合を提供することができる。
【0172】
図35及び36はそれぞれ側面図及び近位斜視図において、別の例示的な閉塞デバイスフレーム860を示している。図示の実施形態では、閉塞デバイスフレーム860は複数の長尺部材862を含み、該長尺部材は巻かれて、閉塞デバイスフレーム860を形成している。長尺部材862は長尺部材102及び/又は本明細書中に記載の任意の他の例示的な長尺部材を参照して上述したとおりの機能、特徴部、特性などのいずれか又は全部を共有していることができる。幾つかの実施形態において、長尺部材862は上述のように、カットチューブ法から形成することができる。
【0173】
閉塞デバイスフレーム860の図示の実施形態において、長尺部材862は閉塞面870、側方スカート872、反転部876及びネスティングされたアイレット868であるハブ部材868を形成する。閉塞デバイスフレーム860の幾つかの実施形態において、閉塞面870、側方スカート872、反転部876及びハブ部材868は本明細書中に提供されるすべての他の閉塞デバイスを参照して上述したとおりの機能、特徴部、特性などのいずれか又は全部を共有することができることが理解されるべきである。
【0174】
閉塞デバイスフレーム860は幾つかの実施形態において、カバー構成要素と組み合わされることができる。カバー構成要素はカバー構成要素104及び/又は本明細書中に記載の任意の他の例示的なカバー構成要素を参照して上述したとおりの機能、特徴部、特性などのいずれか又は全部を共有することができる。
【0175】
閉塞デバイスフレーム860の図示された実施形態はハブ部材として、ネスティングされたアイレット868を含むが、閉塞デバイスフレーム860の幾つかの実施形態において、ハブ部材の一方又は両方は、本明細書中に記載の任意のタイプのハブ部材であることができる(例えば、リング部材、クリンプジョイント、チューブ部又はそれらの組み合わせ)。
【0176】
図37は本明細書中に提供される閉塞デバイスの部品として含まれることができる例示的なアンカーフレーム880を示す。図示の実施形態では、アンカーフレーム880は、複数の長尺部材882を含み、該長尺部材は巻かれて、アンカーフレーム880を形成する。長尺部材882は長尺部材102及び/又は本明細書中に記載の任意の他の例示的な長尺部材を参照して上述したとおりの機能、特徴部及び特性などのいずれか又はすべてを共有することができる。幾つかの実施形態において、長尺部材882は上述のとおりのカットチューブ法から形成することができる。
【0177】
アンカーフレーム880の図示された実施形態において、長尺部材882はアンカーアーム884及びアイレット886であるハブ部材886を形成する。アンカーフレーム880の幾つかの実施形態において、アンカーアーム884及びハブ部材886は本明細書中に提供されるすべての他のアンカーフレームを参照して上述したとおりの機能、特徴部、特性などのいずれか又はすべてを共有することができることは理解されるべきである。例えば、アンカーアーム884の自由端はアンカー特徴部600を参照して上述したとおりの鋭い先端、非外傷性先端、さかとげ、ボール端部又は他のタイプの先端或いはそれらの組み合わせを有するように構成されうる。アンカーフレーム880の図示の実施形態において、アンカーアーム884は概してらせん経路に沿って延在している。幾つかの実施形態において、アンカーアーム884は他の経路に沿って延在することができ、該他の経路としては、限定するわけではないが、例えば、アイレット886の中央軸と平行な経路、図示されているのとは逆に向けられたらせん経路、種々の異なるピッチ角度でのらせん経路、波状経路で、閉塞デバイスフレームの長尺部材の周囲に巻かれたものなど及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0178】
図38及び39はそれぞれ、本明細書中に提供される閉塞デバイスの部品として含まれることができる別の例示的なアンカーフレーム890の側面図及び近位斜視図を示す。図示の実施形態において、アンカーフレーム890は複数の長尺部材892を含み、該長尺部材は上記のとおりのカットチューブ法から形成される。長尺部材892は長尺部材102及び/又は本明細書中に記載される任意の他の例示的な長尺部材を参照して上述したとおりの機能、特徴部、特性などのいずれか又はすべてを共有することができる。幾つかの実施形態において、長尺部材892は上述のように、巻かれて、アンカーフレーム890を形成することができる。
【0179】
アンカーフレーム890の図示の実施形態において、長尺部材892はチューブの一部を構成している1つ以上のアンカーアーム894及びハブ部材896を形成している。半径方向ストラット893はハブ部材896から半径方向外側に延在し、その後、アンカーアーム894へと遷移している。アンカーフレーム890の幾つかの実施形態において、アンカーアーム894、半径方向ストラット893及びハブ部材896は本明細書中に提供されるすべての他のアンカーフレームを参照して上述したとおりの機能、特徴部、特性などのいずれか又はすべてを共有することができることが理解されるべきである。例えば、アンカーアーム894の自由端はアンカー特徴部600を参照して上述したとおりの鋭い先端、非外傷性先端、さかとげ、ボール端部又は他のタイプの先端或いはそれらの組み合わせを有するように構成されうる。アンカーフレーム890の図示の実施形態において、アンカーアーム894は概してらせん経路に沿って延在している。幾つかの実施形態において、アンカーアーム894は他の経路に沿って延在することができ、該他の経路としては、限定するわけではないが、例えば、アイレット896の中央軸と平行な経路、図示されているのとは逆に向けられたらせん経路、種々の異なるピッチ角度でのらせん経路、波状経路など及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0180】
図40及び41はそれぞれ、例示的な閉塞デバイス900の側面図及び近位斜視図を示す。閉塞デバイス900はアンカーフレーム890(上述のとおり)に結合された閉塞デバイスフレーム860(上述のとおり)を含む。幾つかの実施形態において、閉塞デバイス900はアンカーフレーム880(図37を参照されたい)又は本明細書中に提供される別のアンカーフレームに結合された閉塞デバイス860を含む。幾つかの実施形態において、閉塞デバイス900は本明細書中に提供される別の閉塞デバイスフレームに結合されたアンカーフレーム890(又はアンカーフレーム880)を含む。
【0181】
幾つかの実施形態において、閉塞デバイス900はカバー構成要素と組み合わされることができることが理解されるべきである。カバー構成要素はカバー構成要素104及び/又は本明細書中に記載される他の例示的なカバー構成要素を参照して上述したとおりの機能、特徴部、特性などのいずれか又はすべてを共有することができる。
【0182】
閉塞デバイス900の図示の実施形態において、閉塞デバイスフレーム860のハブ部材868(すなわち、ネスティングされたアイレット868)はアンカーフレーム880のハブ部材896内部に配置される。幾つかの実施形態において、ハブ部材868及び896は他の形態で構成される。例えば、幾つかの実施形態において、ハブ部材896はハブ部材868の両方の内部に配置される。さらに、幾つかの実施形態において、ハブ部材896はハブ部材868の内側ハブ部材と外側ハブ部材との間でネスティングされている。
【0183】
幾つかの実施形態において、アンカーアーム894は閉塞デバイスフレーム860の長尺部材862と編み合わされている。アンカーアーム894の長尺部材862との編み合わせはアンカーアーム894の自由端が閉塞デバイスフレーム860の側方スカート872から突出しているかぎり、すべての可能な形態で構成されうる。
【0184】
閉塞デバイス900の図示の実施形態において、アンカーアーム894は側方スカート872の近位端の領域で側方スカート872から突出している。閉塞デバイス900の幾つかの実施形態において、アンカーアーム894は側方スカート872の遠位端の領域で側方スカート872から突出している。閉塞デバイス900の幾つかの実施形態において、アンカーアーム894は側方スカート872の近位端と側方スカート872の遠位端との間の中央ボディー領域で側方スカート872から突出している。閉塞デバイス900の幾つかの実施形態において、アンカーアーム894は異なる長さを有し、そして側方スカート872に沿って異なる領域で側方スカート872から突出している(例えば、幾つかは近位端領域から突出しており、一方、他のものは中央ボディー領域から突出しており、又は、幾つかは遠位端領域から突出しており、一方、他のものは中央ボディー領域から突出しており、或いは、幾つかは近位端領域から突出しており、一方、他のものは遠位領域から突出している)。
【0185】
図42は別の例示的な閉塞デバイス910の側面図である。閉塞デバイス910はアンカーフレーム920に結合された閉塞デバイスフレーム(上述のとおり)を含む。幾つかの実施形態において、閉塞デバイス910は本明細書中に提供されるアンカーフレームに結合された閉塞デバイスフレーム860を含む。幾つかの実施形態において、閉塞デバイスフレーム910は本明細書中に提供される別の閉塞デバイスフレームに結合されたアンカーフレーム920を含む。
【0186】
閉塞デバイス910は幾つかの実施形態において、カバー構成要素と組み合わせることができることは理解されるべきである。カバー構成要素はカバー構成要素104及び/又は本明細書中に記載される他の例示的なカバー構成要素を参照して上述したとおりの機能、特徴部、特性などのいずれか又はすべてを共有することができる。
【0187】
アンカーフレーム920はハブ部材(視認されない)及びアンカーアーム924を含む。幾つかの実施形態において、アンカーフレーム920は本明細書中の別の箇所で記載されるとおりのカットチューブ法から形成される。幾つかの実施形態において、アンカーフレーム920は本明細書中の別の箇所で記載されるとおりの複数のワイヤを巻くことにより形成される。
【0188】
閉塞デバイス910の図示の実施形態において、アンカーアーム924はネスティングされたアイレット868の軸と概して平行な方向で、閉塞デバイスフレーム860の側方スカート872に沿って延在している。閉塞デバイス910の幾つかの実施形態において、アンカーアーム924はらせんパターン又は別のパターンで側方スカート872に沿って延在している。閉塞デバイス910の図示の実施形態において、アンカーアーム924は閉塞デバイスフレーム860の長尺要素924と少なくとも部分的に編み合わされている。閉塞デバイス910の幾つかの実施形態において、アンカーアーム924は図示の実施形態と比較して、閉塞デバイスフレーム860の長尺要素924とより多く編み合わされているか、又は、より少なく編み合わされている。
【0189】
閉塞デバイス910の図示の実施形態において、アンカーフレーム920のハブ部材は閉塞デバイスフレーム860の内側ハブ部材及び外側ハブ部材868の間に配置されている(すなわち、アンカーフレーム920のハブ部材はネスティングされたアイレット868の間に挟まれている。幾つかの実施形態において、アンカーフレーム920のハブ部材及びハブ部材868は他の形態で構成される。例えば、幾つかの実施形態において、アンカーフレーム920のハブ部材はネスティングされたアイレット868の内側ハブ部材の内部に配置される。さらに、幾つかの実施形態において、ネスティングされたアイレット868はアンカーフレーム920のハブ部材の内部に配置される。
【0190】
閉塞デバイス910の図示の実施形態において、アンカーアーム924は側方スカート872の近位端と側方スカート872の遠位端との間の中央ボディー領域から突出している。閉塞デバイス910の幾つかの実施形態において、アンカーアーム924は側方スカート872の近位端の領域で側方スカート872から突出している。閉塞デバイス910の幾つかの実施形態において、アンカーアーム924は側方スカート872の遠位端の領域で側方スカート872から突出している。閉塞デバイス910の幾つかの実施形態において、アンカーアーム924は異なる長さを有し、そして側方スカート872に沿った異なる領域で側方スカート872から突出している(例えば、幾つかは近位端領域から突出し、一方、他のものは中央ボディー領域から突出し、又は、幾つかは遠位端領域から突出し、一方、他のものは中央ボディー領域から突出し、又は、幾つか近位端領域から突出し、一方、他のものは遠位領域から突出している)。
【0191】
図43~46は、それぞれ閉塞デバイス920、930、940及び950の追加の実施形態を模式的に示す。幾つかの実施形態において、閉塞デバイス920、930、940及び950は閉塞面、側方対向スカート及び反転部などの上記のとおりの特徴部を有するフレームを含む。さらに、幾つかの実施形態において、閉塞デバイス920、930、940及び950は閉塞デバイスフレームと一体になったアンカーフレームを含む。幾つかのこのような実施形態において、閉塞デバイス920、930、940及び950はアンカーフレームのハブ部材が閉塞デバイスフレームの内側ハブ部材と外側ハブ部材との間に挟まれるように構成されている。図43~46は、本明細書中に提供される閉塞デバイスの設計に取り込まれることができる特定の閉塞デバイスフレームの特徴部を強調するように描かれている。例えば、幾つかの図において、ハブ部材、アンカーフレーム及び/又は閉塞フレームの設計は強調されている。これらの図中で強調されている1つ以上の特徴部は本明細書中の他の箇所に記載されている任意の閉塞デバイス中に含まれることができ、そしてこのような特徴部(及び本明細書中に記載の他の特徴部)を組み合わせそして適合させて、本開示の範囲内に完全に入る複合設計を形成することができることは理解されるべきである。これらの図において、カバー構成要素を示さず、そしてフレームのある部分を示さず、それにより、強調されたフレーム特徴部は容易に見ることができる。図43~46の閉塞デバイスは幾つかの実施形態において、カバー構成要素と組み合わせることができることは理解されるべきである。カバー構成要素は、カバー構成要素104及び/又は本明細書中に記載の任意の他の例示的なカバー構成要素を参照して上述したとおりの機能、特徴部、特性などのいずれか又はすべてを共有することができる。
【0192】
アンカーフレーム及び/又は閉塞デバイスフレームのハブ部材は本明細書中に記載の任意のタイプのハブ部材(例えば、アイレット、リング部材、クリンプジョイント、チューブ部など)であることができる。幾つかの実施形態において、アンカーフレームのハブ部材及び閉塞デバイスフレームのハブ部材は互いに対して他の配置で構成される。例えば、幾つかの実施形態において、アンカーフレームのハブ部材は閉塞デバイスフレームの両方のハブ部材の内部に配置されている。さらに、幾つかの実施形態において、閉塞デバイスフレームのハブ部材はアンカーフレームのハブ部材の内部に配置されている。すなわち、幾つかの実施形態において、アンカーフレームのハブ部材は配置物の最外ハブ部材である。
【0193】
閉塞デバイス920、930、940及び950は、幾つかの実施形態において、カバー構成要素と組み合わせることができることは理解されるべきである。カバー構成要素は、カバー構成要素104及び/又は本明細書中に記載の任意の他の例示的なカバー構成要素を参照して上述したとおりの機能、特徴部、特性などのいずれか又はすべてを共有することができる。
【0194】
図43はアンカーフレーム924と結合された例示的な閉塞デバイスフレーム922の一部の概念図である。本明細書中の他の箇所に記載の幾つかの閉塞デバイスの実施形態と同様に、閉塞デバイスフレーム922は閉塞面921、側方対向スカート923及び反転部925を含む。図示の実施形態において、閉塞デバイスフレーム922は巻回ワイヤ構造物を有し、一方、アンカーフレーム924はカットチューブ法を用いて形成された。閉塞デバイスフレーム922の内側ハブ部材はリング部材927であり、そして閉塞デバイスフレーム922の外側ハブ部材はアイレット926である。アンカーフレーム924のハブ部材は閉塞デバイスフレーム922の内側ハブ部材927と外側ハブ部材926との間に挟まれたチューブ部(図示せず)である。アンカーフレーム924の自由端は閉塞デバイスフレーム922の側方対向スカート923の中央ボディー領域から突出して、閉塞デバイス920に追加の遊走耐性を提供している。
【0195】
図44はアンカーフレーム934と結合された例示的な閉塞デバイスフレーム932の一部の概念図である。本明細書中の他の箇所に記載の幾つかの閉塞デバイスの実施形態と同様に、閉塞デバイスフレーム932は閉塞面931、側方対向スカート933及び反転部935を含む。図示の実施形態において、閉塞デバイスフレーム932は巻回ワイヤ構造物を有し、一方、アンカーフレーム934はカットチューブ法を用いて形成された。閉塞デバイスフレーム932の内側ハブ部材はリング部材937であり、そして閉塞デバイスフレーム932の外側ハブ部材はアイレット936である。アンカーフレーム934のハブ部材は閉塞デバイスフレーム932の内側ハブ部材937と外側ハブ部材936との間に挟まれたチューブ部(図示せず)である。アンカーフレーム934の自由端は閉塞デバイスフレーム932の遠位領域及び閉塞デバイスフレーム932の近位領域の両方から突出して、閉塞デバイス930に追加の遊走耐性を提供している。
【0196】
図45はアンカーフレーム944と結合された例示的な閉塞デバイスフレーム942の一部の概念図である。本明細書中の他の箇所に記載の幾つかの閉塞デバイスの実施形態と同様に、閉塞デバイスフレーム942は閉塞面941、側方対向スカート943及び反転部945を含む。図示の実施形態において、閉塞デバイスフレーム942は巻回ワイヤ構造物を有し、一方、アンカーフレーム944はカットチューブ法を用いて形成された。閉塞デバイスフレーム942の内側ハブ部材はリング部材947であり、そして閉塞デバイスフレーム942の外側ハブ部材はアイレット946である。アンカーフレーム944のハブ部材は閉塞デバイスフレーム942の内側ハブ部材947と外側ハブ部材946との間に挟まれたチューブ部(図示せず)である。アンカーフレーム944の自由端は閉塞デバイスフレーム942の遠位領域から突出して、閉塞デバイス940に追加の遊走耐性を提供している。
【0197】
図46はアンカーフレーム954と結合された例示的な閉塞デバイスフレーム952の一部の概念図である。本明細書中の他の箇所に記載の幾つかの閉塞デバイスの実施形態と同様に、閉塞デバイスフレーム952は閉塞面951、側方対向スカート953及び反転部955を含む。図示の実施形態において、閉塞デバイスフレーム952は巻回ワイヤ構造物を有し、一方、アンカーフレーム954はカットチューブ法を用いて形成された。閉塞デバイスフレーム952の内側ハブ部材はリング部材957であり、そして閉塞デバイスフレーム952の外側ハブ部材はアイレット956である。アンカーフレーム954のハブ部材は閉塞デバイスフレーム952の内側ハブ部材957と外側ハブ部材956との間に挟まれたチューブ部(図示せず)である。アンカーフレーム954の自由端は閉塞デバイスフレーム952の近位領域から突出して、閉塞デバイス950に追加の遊走耐性を提供している。
【0198】
図47及び48は別の例示的な閉塞デバイスフレーム960のぞれぞれ側面図及び近位斜視図を示す。図示の実施形態において、閉塞デバイスフレーム960はカットチューブ法から形成された複数の長尺部材962を含み、それにより、閉塞デバイスフレーム960を形成している。長尺部材962は長尺部材102及び/又は本明細書中に記載の任意の他の例示的な長尺部材を参照して上述したとおりの機能、特徴、特性などのいずれか又は全部を共有していることができる。幾つかの実施形態において、長尺部材962は上記のとおりの巻回ワイヤ法から形成されうる。
【0199】
閉塞デバイスフレーム960の図示の実施形態において、長尺部材962は閉塞面970、側方スカート972、凸状部976及びチューブ部であるハブ部材968を形成する。閉塞デバイスフレーム960の幾つかの実施形態において、、閉塞面970、側方スカート972、凸状部976及びハブ部材968は本明細書中に提供されるすべての他の閉塞デバイスを参照して上述したとおりの機能、特徴、特性などのいずれか又はすべてを共有することができることは理解されるべきである。
【0200】
凸部976は長尺部材962の自由端を含む。幾つかの実施形態において、長尺部材962の自由端の幾つか又はすべては一緒に結合されている。幾つかの実施形態において、長尺部材962の自由端は一緒に結合されておらず、そして互いに独立して移動することができる。幾つかの実施形態において、凸状部976は凹状又は反転部である。
【0201】
閉塞デバイスフレーム960は幾つかの実施形態において、カバー構成要素と組み合わせることができる。カバー構成要素は、カバー構成要素104及び/又は本明細書中に記載の任意の他の例示的なカバー構成要素を参照して上述したとおりの機能、特徴、特性などのいずれか又はすべてを共有することができる。
【0202】
閉塞デバイス960の図示の実施形態はハブ部材としてチューブ部868を含むが、閉塞デバイスフレーム960の幾つかの実施形態において、ハブ部材868は本明細書中の他の箇所で記載された任意の他のタイプのハブ部材であることができる(例えば、リング部材、クリンプジョイント、アイレットなど)。
【0203】
図49及び50は例示的な閉塞デバイス980のそれぞれ側面図及び近位分解斜視図を示す。閉塞デバイス980はアンカーフレーム890(図38及び39を参照して上述したとおり)と結合された閉塞デバイスフレーム960(上記のとおり)を含む。幾つかの実施形態において、閉塞デバイス980はアンカーフレーム880(図37を参照されたい)又は本明細書中の他の箇所に提供される別のアンカーフレームと結合された閉塞デバイスフレーム960を含む。幾つかの実施形態において、閉塞デバイス980は本明細書中に提供される別の閉塞デバイスフレームと結合されたアンカーフレーム890(又はアンカーフレーム880)を含む。
【0204】
閉塞デバイス980は幾つかの実施形態において、カバー構成要素と結合させることができることは理解されるべきである。カバー構成要素は、カバー構成要素104及び/又は本明細書中に記載の任意の他の例示的なカバー構成要素を参照して上述したとおりの機能、特徴部、特性などのいずれか又はすべてを共有することができる。
【0205】
閉塞デバイス980の図示の実施形態において、閉塞デバイスフレーム960のハブ部材968 (すなわち、チューブ部868)はアンカーフレーム890のハブ部材896の内部に配置されている。幾つかの実施形態において、ハブ部材968及び896は他の配置で構成されている。例えば、幾つかの実施形態において、ハブ部材896はハブ部材968の内部に配置されている。
【0206】
幾つかの実施形態において、アンカーアーム894は閉塞デバイスフレーム960の長尺部材962と編み合わされている。アンカーアーム894の長尺部材962との編み合わせはアンカーアーム894の自由端が閉塞デバイスフレーム960の側方スカート972から突出しているかぎり、すべての可能な形態で構成されうる。
【0207】
閉塞デバイス980の図示の実施形態において、アンカーアーム894は側方スカート972の遠位端の領域で側方スカート972から突出している。閉塞デバイス980の幾つかの実施形態において、アンカーアーム894は側方スカート972の近位端の領域で側方スカート972から突出している。閉塞デバイス980の幾つかの実施形態において、アンカーアーム894は側方スカート972の近位端と側方スカート972の遠位端との間の中央ボディー領域で側方スカート972から突出している。閉塞デバイス980の幾つかの実施形態において、アンカーアーム894は異なる長さを有し、そして側方スカート972に沿って異なる領域で側方スカート972から突出している(例えば、幾つかは近位端領域から突出しており、一方、他のものは中央ボディー領域から突出しており、又は、幾つかは遠位端領域から突出しており、一方、他のものは中央ボディー領域から突出しており、又は、幾つかは近位端領域から突出しており、一方、他のものは遠位領域から突出している)。
【0208】
図51は側面図において別の例示的な閉塞デバイスフレーム990を示している。図示の実施形態において、閉塞デバイスフレーム990は巻かれた複数の長尺部材992を含み、閉塞デバイスフレーム990を形成している。長尺部材992は長尺部材102及び/又は本明細書中に記載の任意の他の例示的な長尺部材を参照して上述したとおりの機能、特徴部、特性などのいずれか又は全部を共有していることができる。幾つかの実施形態において、長尺部材992は上述のように、カットチューブ法から形成することができる。
【0209】
閉塞デバイスフレーム990の図示の実施形態において、長尺部材992は閉塞面995、側方対向スカート994及び遠位面996を画定している。閉塞デバイスフレーム990の幾つかの実施形態において、閉塞面995、側方対向スカート994及び遠位面996は、本明細書中に提供されるすべての他の閉塞デバイスを参照して上述したとおりの機能、特徴部、特性などのいずれか又はすべてを共有することができることは理解されるべきである。
【0210】
遠位面996は長尺部材992の自由端を含む。幾つかの実施形態において、長尺部材992の自由端の幾つか又はすべては一緒に結合されている。幾つかの実施形態において、長尺部材992の自由端は一緒に結合されておらず、そして互いに独立して移動することができる。幾つかの実施形態において、遠位部996は凹状、凸状又は反転部である。
【0211】
閉塞デバイスフレーム990は幾つかの実施形態において、カバー構成要素と組み合わせることができる。カバー構成要素は、カバー構成要素104及び/又は本明細書中に記載の任意の他の例示的なカバー構成要素を参照して上述したとおりの機能、特徴部、特性などのいずれか又はすべてを共有することができる。
【0212】
閉塞デバイスフレーム990の図示の実施形態はリング部材998をハブ部材998として含むが、閉塞デバイスフレーム960の幾つかの実施形態において、ハブ部材998は本明細書中の他の箇所に記載の任意の他のタイプのハブ部材であることができる(例えば、アイレット、クリンプジョイント、チューブ部など)。
【0213】
図52は例示的な閉塞デバイス1000の近位分解斜視図を示す。閉塞デバイス1000はアンカーフレーム890(図38及び39を参照して上述したとおり)と結合された閉塞デバイスフレーム990(上述のとおり)を含む。幾つかの実施形態において、閉塞デバイス1000はアンカーフレーム880(図37を参照されたい)又は本明細書中に提供される別のアンカーフレームと結合された閉塞デバイスフレーム990を含む。幾つかの実施形態において、閉塞デバイス1000は本明細書中に提供される別の閉塞デバイスフレームと結合されたアンカーフレーム890(又はアンカーフレーム880)を含む。
【0214】
閉塞デバイス1000は、幾つかの実施形態において、カバー構成要素と組み合わせることができることは理解されるべきである。カバー構成要素は、カバー構成要素104及び/又は本明細書中に記載の任意の他の例示的なカバー構成要素を参照して上述したとおりの機能、特徴部、特性などのいずれか又はすべてを共有することができる。
【0215】
閉塞デバイス1000の図示の実施形態において、閉塞デバイスフレーム990のハブ部材998(すなわち、リング部材998)は別のアンカーフレーム890のハブ部材896の内部に配置されている。幾つかの実施形態において、ハブ部材998及び896は他の配置で構成されている。例えば、幾つかの実施形態において、ハブ部材896はハブ部材998の内部に配置されている。
【0216】
幾つかの実施形態において、アンカーアーム894は閉塞デバイスフレーム990の長尺部材992と編み合わされている。アンカーアーム894の長尺部材992との編み合わせはアンカーアーム894の自由端が閉塞デバイスフレーム990の側方スカート994から突出しているかぎり、すべての可能な形態で構成されうる。
【0217】
閉塞デバイス1000の図示の実施形態において、アンカーアーム894は側方スカート994の遠位端の領域で側方スカート994から突出している。閉塞デバイス1000の幾つかの実施形態において、アンカーアーム894は側方スカート994の近位端の領域で側方スカート994から突出している。閉塞デバイス1000の幾つかの実施形態において、アンカーアーム894は側方スカート994の近位端と側方スカート994の遠位端との間の中央ボディー領域で側方スカート994から突出している。閉塞デバイス1000の幾つかの実施形態において、アンカーアーム894は異なる長さを有し、そして側方スカート994に沿って異なる領域で側方スカート994から突出している(例えば、幾つかは近位端領域から突出しており、一方、他のものは中央ボディー領域から突出しており、又は、幾つかは遠位端領域から突出しており、一方、他のものは中央ボディー領域から突出しており、或いは、幾つかは近位端領域から突出しており、一方、他のものは遠位領域から突出している)。
【0218】
図53~55はそれぞれ閉塞デバイス1010、1020及び1030の追加の実施形態を模式的に示している。閉塞デバイス1010、1020及び1030は、長尺部材の第一の端部がアイレットで終端となり、そして長尺部材の第二の端部がレーザボールで終端となるように構成されている。レーザボールはレーザを用いて長尺部材の端部を一緒に溶融することにより形成することができる。このようにして、幾つかの実施形態において、レーザボールは図示のように球形でなくてもよい。閉塞デバイス1010、1020及び1030のアイレットは本明細書中に記載の任意のタイプのハブ部材であることができる(例えば、リング部材、クリンプジョイント、チューブ部など)ことは理解されるべきである。図53~55は本明細書中に提供される閉塞デバイスの設計中に取り込むことができる特定の閉塞デバイスフレームの特徴部を強調するように描かれている。例えば、幾つかの図において、ハブ部材及び/又は閉塞フレームの特徴部の設計は強調されている。これらの図において強調された1つ以上の特徴部は本明細書中の他の箇所に記載の任意の閉塞デバイスに含まれることができ、そしてこのような特徴部(及び本明細書中に記載の他の特徴部)は組み合わされて又は適合されて、本開示の範囲内に完全に入る複合設計を形成することができることは理解されるべきである。これらの図において、カバー構成要素を示さず、フレームの幾つかの部分を示さず、それにより、強調されたフレームの特徴部は容易に見ることができる。図53~55の閉塞デバイスは幾つかの実施形態において、カバー構成要素と組み合わせることができることは理解されるべきである。カバー構成要素は、カバー構成要素104及び/又は本明細書中に記載の任意の他の例示的なカバー構成要素を参照して上述したとおりの機能、特徴部、特性などのいずれか又はすべてを共有することができる。
【0219】
閉塞デバイス1010、1020及び1030は幾つかの実施形態において、カバー構成要素と組み合わせることができることは理解されるべきである。カバー構成要素は、カバー構成要素104及び/又は本明細書中に記載の任意の他の例示的なカバー構成要素を参照して上述したとおりの機能、特徴部、特性などのいずれか又はすべてを共有することができる。さらに、閉塞デバイス1010、1020及び1030は本明細書中に提供されるアンカーフレーム(例えば、アンカーフレーム880、890、920、924、934、942、954など)と組み合わせることができることは理解されるべきである。
【0220】
図53は長尺部材1012の巻回ワイヤ構造物を有する例示的な閉塞デバイス1010の一部の概念図である。本明細書中の他の箇所に記載の幾つかの閉塞デバイスの実施形態と同様に、閉塞デバイス1010は閉塞面1011、側方対向スカート1013及び反転部1015を含む。幾つかの実施形態において、閉塞デバイス1010の長尺部材1012はカットチューブ法を用いて形成される。幾つかのこのような実施形態において、ハブ部材1014はチューブ部である。図示の実施形態において、長尺部材1012の第一の端部はアイレット1014であるハブ部材1014で終端となる。長尺部材1012の他の端部はレーザボール1016で終端となる(すなわち、長尺部材1012の端部は一緒に結合されている)。閉塞デバイス1010の図示の実施形態において、レーザボール1016で終端となる長尺部材1012の端部は反転されている。すなわち、レーザボール1016で終端となる長尺部材1012の端部はアイレット1014から離れる方向に向いている。
【0221】
図54は長尺部材1022の巻回ワイヤ構造物を有する例示的な閉塞デバイス1020の一部の概念図である。本明細書中の他の箇所に記載の幾つかの閉塞デバイスの実施形態と同様に、閉塞デバイス1020は閉塞面1021、側方対向スカート1023及び反転部1025を含む。幾つかの実施形態において、閉塞デバイス1020の長尺部材1022はカットチューブ法を用いて形成される。幾つかのこのような実施形態において、ハブ部材1024はチューブ部である。図示の実施形態において、長尺部材1022の第一の端部はアイレット1024であるハブ部材1024で終端となる。長尺部材1022の他の端部はレーザボール1026で終端となる。閉塞デバイス1020の図示の実施形態において、レーザボール1026で終端となる長尺部材1022の端部は浮いている。すなわち、レーザボール1026はアイレット1014と係合されていない。
【0222】
図55は長尺部材1032の巻回ワイヤ構造物を有する例示的な閉塞デバイス1030の一部の概念図である。本明細書中の他の箇所に記載の幾つかの閉塞デバイスの実施形態と同様に、閉塞デバイス1030は閉塞面1031、側方対向スカート1033及び反転部1035を含む。幾つかの実施形態において、閉塞デバイス1030の長尺部材1032はカットチューブ法を用いて形成される。幾つかのこのような実施形態において、ハブ部材1034はチューブ部である。図示の実施形態において、長尺部材1032の第一の端部はアイレット1034であるハブ部材1034で終端となる。長尺部材1032の他の端部はレーザボール1036で終端となる。閉塞デバイス1030の図示の実施形態において、レーザボール1036で終端となる長尺部材1032の端部はアイレット1034の内部でネスティングされている。
【0223】
図56~58はそれぞれ例示的な材料切断パターン1040、1050及び1060を示しており、それを用いて本明細書中に提供される閉塞デバイスフレームの幾つかの実施形態を形成することができる。材料切断パターン1040、1050及び1060を用いて、閉塞デバイスフレームは一体部材として形成することができる。幾つかの場合に、材料切断パターン1040、1050及び1060は材料のチューブ(例えば、NiTi又は他の材料のチューブ)をレーザ切断するために使用することができる。幾つかのこのような場合には、得られた閉塞デバイスフレームは一体でかつシームのない構造物である。或いは、幾つかの例では、材料の平面シートを示されるとおりに切断し、その後、シートをチューブへと成形することができる。幾つかの実施形態において、化学エッチング、機械加工、ウォータージェット切断又は他の技術を用いて、材料切断パターン1040、1050及び1060に従って閉塞デバイスフレームを形成することができる。幾つかの実施形態において、例示的な材料切断パターン1040、1050及び1060はフレームを形成するために巻かれることができるワイヤ状長尺部材を形成するための材料から切断される閉塞デバイスフレームの形成を容易にする。幾つかの実施形態において、アンカー特徴部は長尺部材と一体成形されている。アンカー特徴部は多種多様な形態を有することができ、そして閉塞デバイスフレーム上でいずれの位置に配置されてもよい。
【0224】
図56は複数の長尺部材1042を含む材料切断パターン1040を示している。長尺部材1042の第一の端部はハブ部材1044で終端となり、そして長尺部材1042の第二の部材は自由端1046で終端となる。ハブ部材1044はチューブ部1044を含み、又は、チューブ部1044へと形成されうる。閉塞フレームへと形成されるときに、自由端1046は種々のタイプのハブ部材(例えば、リング部材、アイレット、クリンプジョイント、レーザボールなど)で終端とすることができる。この実施形態において、自由端1046は取り付け、取扱及び操作を容易にするための穴(例えば、穴を通してワイヤを挿入するなど)を有するタブを含む。
【0225】
図57は複数の長尺部材1052を含む材料切断パターン1050を示している。長尺部材1052の第一の端部はハブ部材1054で終端となり、そして長尺部材1052の第二の部材は自由端1056で終端となる。ハブ部材1054はチューブ部1044を含み、又は、チューブ部1044へと形成されうる。閉塞フレームへと形成されるときに、自由端1056は種々のタイプのハブ部材(例えば、リング部材、アイレット、クリンプジョイント、レーザボールなど)で終端とすることができる。この実施形態において、長尺部材1052としては種々のタイプのアンカー特徴部1058(例えば、さかとげ、フック、非外傷性突起物、角度付き突起物、半径方向突起物、二股突起物、スプリング部材など及びそれらの組み合わせ)が挙げられる。このようなアンカー特徴部1058は長尺部材1052と一体であり、そして閉塞デバイスの遊走に耐性とするためにインプラント部位で組織と接触させるように閉塞デバイスから突出する構成であることができる。アンカー特徴部1058はまた、マイクロフック又はインフレームアンカー特徴部とも呼ぶことができる。アンカー特徴部1058は所望のとおりに長尺部材1052上の任意の箇所に配置されてよい。結果として、閉塞フレームへと形成されたときに、アンカー特徴部はフレームの任意の領域に、そして、所望のときには、フレーム上に複数の領域に配置されてよい。このようなアンカー特徴部1058は本明細書中に提供されるアンカーフレーム、閉塞デバイスフレーム及び閉塞デバイスのいずれかを形成する長尺部材上に含まれることができることは理解されるべきである。
【0226】
幾つかの実施形態において、アンカー特徴部1058は、デバイスがインプラントされたときに、1つ以上の方向(例えば、近位方向及び遠位方向、側方方向、回転方向など)で閉塞デバイスを安定化させる役割を果たすことができる。長尺部材1052とともに一体で形成されるアンカー特徴部1058を含むことは種々の設計上の利点を提供する。例えば、幾つかの実施形態において、追加のアンカーフレームは閉塞デバイス中に含まれる必要はない。しかしながら、幾つかの実施形態において、追加のアンカーフレームは、アンカー特徴部1058を有する閉塞デバイス中に含まれることができる。さらに、アンカー特徴部1058は多種多様な異なる形状を有するように形成されうる。幾つかの実施形態において、長尺部材1052は、長尺部材1052が閉塞デバイスフレームの形状に巻かれたときに、アンカー特徴部1058を容易に所望の向きとすることができる幅/厚さで構成されている。例えば、幾つかの実施形態において、長尺部材1052の幅より大きい厚さを有する長尺部材1052は、長尺部材105が閉塞デバイスフレームの形状に巻かれたときに、アンカー特徴部1058を適切に向かせることを支援する。
【0227】
図58は複数の長尺部材1062を含む材料切断パターン1060を示している。長尺部材1062の第一の端部はハブ部材1064で終端となり、そして長尺部材1062の第二の部材は自由端1066で終端となる。ハブ部材1064はチューブ部1064を含み、又は、チューブ部1064へと形成されうる。閉塞フレームへと形成されるときに、自由端1066は種々のタイプのハブ部材(例えば、リング部材、アイレット、クリンプジョイント、レーザボールなど)で終端とすることができる。この実施形態において、長尺部材1062はアンカー特徴部1068を含む。この実施形態において、アンカー特徴部1068は突起物である。アンカー特徴部1068は長尺部材1062と一体であり、、そして閉塞デバイスの遊走に耐性とするためにインプラント部位で組織と接触させるように閉塞デバイスから突出する構成であることができる。このようなアンカー特徴部1068が本明細書中に提供されるアンカーフレーム、閉塞デバイスフレーム及び閉塞デバイスのいずれかを形成する長尺部材上に含まれることができることは理解されるべきである。
【0228】
図59及び60はそれぞれ閉塞デバイス1070及び1090の追加の実施形態を模式的に示している。幾つかの実施形態において、閉塞デバイス1070及び1090は上述のような材料切断パターン1040、1050もしくは1060又はその変形を用いて形成される。閉塞デバイス1070及び1090は、長尺部材の第一の端部がアイレットで終端となり、そして長尺部材の第二の端部がチューブ部で終端となるように構成されている。閉塞デバイス1070及び1090のアイレットは本明細書中に記載の任意のタイプのハブ部材(例えば、リング部材、クリンプジョイント、チューブ部など)であることができることは理解されるべきである。図59及び60は本明細書中に提供される閉塞デバイスの設計中に取り込むことができる特定の閉塞デバイスフレームの特徴部を強調するように描かれている。例えば、幾つかの図において、ハブ部材及び/又は閉塞フレームの特徴部の設計は強調されている。これらの図において強調された1つ以上の特徴部は本明細書中の他の箇所に記載の任意の閉塞デバイスに含まれることができ、そしてこのような特徴部(及び本明細書中に記載の他の特徴部)は組み合わされて又は適合されて、本開示の範囲内に完全に入る複合設計を形成することができることは理解されるべきである。これらの図において、カバー構成要素を示さず、フレームの幾つかの部分を示さず、それにより、強調されたフレームの特徴部はより容易に見ることができる。図59及び60の閉塞デバイスは幾つかの実施形態において、カバー構成要素と組み合わせることができることは理解されるべきである。カバー構成要素は、カバー構成要素104及び/又は本明細書中に記載の任意の他の例示的なカバー構成要素を参照して上述したとおりの機能、特徴部、特性などのいずれか又はすべてを共有することができる。
【0229】
図59はフレームを形成しそしてアイレット1074で終端となる長尺部材1072及びチューブ部1076を含む閉塞デバイス1070を示している。本明細書中の他の箇所で記載された幾つかの閉塞デバイスの実施形態と同様に、閉塞デバイス1070は閉塞面1071、側方対向スカート1073及び反転部1075を含む。図示の実施形態において、チューブ部1076はアイレット1074内でネスティングされている。幾つかの実施形態において、アイレット1074はチューブ1076内でネスティングされていてよい。閉塞デバイス1070はまた、一体アンカー特徴部1078(例えば、図57及び58を参照されたい)を含む。アンカー特徴部1078は種々のタイプのアンカー特徴部(例えば、さかとげ、フック、非外傷性突起物、角度付き突起物、半径方向突起物、二股突起物、スプリング部材など及びそれらの組み合わせ)であることができる。このようなアンカー特徴部1078は長尺部材1072と一体であり、そして閉塞デバイスの遊走に耐性とするためにインプラント部位で組織と接触させるように閉塞デバイスから突出する構成であることができる。このようなアンカー特徴部1078は本明細書中に提供されるアンカーフレーム、閉塞デバイスフレーム及び閉塞デバイスのいずれかを形成する長尺部材上に含まれることができることは理解されるべきである。
【0230】
図60はフレームを形成しそしてアイレット1094で終端となる長尺部材1092及びチューブ部1096を含む閉塞デバイス1090を示している。本明細書中の他の箇所で記載された幾つかの閉塞デバイスの実施形態と同様に、閉塞デバイス1090は閉塞面1091、側方対向スカート1093及び反転部1095を含む。図示の実施形態において、チューブ部1096はアイレット1094内でネスティングされている。幾つかの実施形態において、アイレット1094はチューブ1096内でネスティングされていてよい。
【0231】
図61及び62は本明細書中に提供される閉塞デバイスフレームの幾つかの実施形態を形成するために使用されうる、材料切断パターン1100及び1110をそれぞれ示している。材料切断パターン1100及び1110を使用して、閉塞デバイスフレームは一体部材として形成されうる。幾つかの場合には、材料切断パターン1100及び1110は材料のチューブ(NiTi又は他の材料のチューブ)のレーザ切断のために利用されうる。幾つかのこのような場合に、得られる閉塞デバイスフレームは一体でかつシームのない構造物である。或いは、幾つかの場合には、材料の平面シートは示されるように切断でき、その後、シートはチューブへと成形されうる。幾つかの実施形態において、化学エッチング、機械加工、ウォータージェット切断又は他の技術を用いて、材料切断パターン1100及び1110に従って閉塞デバイスフレームを形成することができる。
【0232】
図61は複数の長尺部材1102を含む材料切断パターン1100を示している。長尺部材1102の第一の端部はハブ部材1104で終端となり、そして長尺部材1042の第二の端部は自由端で終端となる(図示せず)。ハブ部材1104はチューブ部1104を含み、又は、チューブ部1104へと形成されうる。ハブ部材1104は、チューブ部1104が中実チューブ部(例えば、図56~58のチューブ部1044、1054及び1064)よりも圧縮性となるように構成されている。チューブ部1104のこのような圧縮性は幾つかの実施形態において、容易に、低減されたプロファイルデリバリー形態とすることができる。閉塞フレームへと形成されたときに、自由端は種々のタイプのハブ部材で終端とすることができる(例えば、リング部材、アイレット、クリンプジョイント、レーザボールなど)。材料切断パターン1100はまた、アンカー特徴部1106を含む。
【0233】
図62は複数の長尺部材1112を含む材料切断パターン1110を示している。長尺部材1112の第一の端部はハブ部材1114で終端となり、そして長尺部材1142の第二の端部は自由端1114で終端となる。図63A~63Cをさらに参照して記載されるとおり、ハブ部材1114は長尺部材1142のためのレセプタクルを含むチューブ部1114を含み、又は、チューブ部1114へと形成されうる。閉塞フレームへと形成されたときに、自由端1116はハブ部材1114内に閉じ込められることができる。
【0234】
図63A~63Cは別の例示的な閉塞デバイス1120を示している。図63Aは閉塞デバイス1120の側面図であり、そして図63B及び63Cは長尺部材1122の終端を示す閉塞デバイス1120の部分図である。本明細書中の他の箇所に記載の幾つかの閉塞デバイスの実施形態と同様に、閉塞デバイス1120は閉塞面1121、側方対向スカート1123及び反転部1125を含む。図63A~63Cの閉塞デバイスは幾つかの実施形態において、カバー構成要素と組み合わせることができることは理解されるべきである。カバー構成要素は、カバー構成要素104及び/又は本明細書中に記載の任意の他の例示的なカバー構成要素を参照して上述したとおりの機能、特徴部、特性などのいずれか又はすべてを共有することができる。
【0235】
幾つかの実施形態において、閉塞デバイス1120は図62を参照して上述したとおりの材料切断パターン1110又はその変形を用いて形成される。閉塞デバイス1120は、長尺部材1122の第一の端部がチューブ部1124で終端となり、そして長尺部材1122の第二の端部がチューブ部1124の内部に配置されている自由端1126で終端となるように構成される。チューブ部1124はレセプタクル1127(例えば、スロット、穴など)を含み、それを通して長尺部材1122は延在していることができる。自由端1126はレセプタクル1127よりも大きい球状端部を含み、それにより、チューブ部1124内部から自由端1126が脱離するのに耐性を提供する。幾つかの実施形態において、リテイナーリング1128はチューブ部1124の外側直径上に配置され、チューブ部1124内に自由端1126をさらに保持する。
【0236】
閉塞デバイスはLAAに関して説明されてきたが、幾つかの実施形態において、閉塞デバイスは、右心耳、瘻、動脈管開存症、心房中隔欠損、心室中隔欠損、弁傍漏れ、動静脈奇形又は体内管などの患者の身体内の他の開口部を閉塞又は密封するために使用できる。
【0237】
本明細書中で議論した例は閉塞デバイスに焦点を当てているが、本明細書中に記載の特徴部はまた、他のタイプのメディカルデバイス又はアクセサリーでも使用できるものと考えられる。インプラント可能なデバイス及びアクセサリーの例としては、限定するわけではないが、閉塞デバイス及び閉止デバイス、フィルタ(例えば、下大静脈フィルタ又は塞栓防止フィルタ)、カテーテル系グラバ又は回復デバイス、一時的なろ過デバイス、ステント、ステントグラフト及び脈管サイザーが挙げられる。幾つかの例において、本明細書中で議論したデバイスは脈管もしくはアペンデージライナーを提供することができる。例えば、閉塞デバイスをアペンデージ内に最初に配置し、それにより、反転部116(デバイスのカップ状部分)を左心房(left atrial chamber)に対面させることにより、デバイスをアペンデージ内で展開することができる。フィルタするようにデバイスが設計される実施形態では、カバー構成要素は多孔性であることができ、ここで、孔は一般に、孔を通して血液を通過させることができるサイズであるが、カバー構成要素の孔を通して塞栓を通過させることを防止するようなサイズである。
【0238】
幾つかの実施形態において、閉塞デバイス又はろ過デバイスは本明細書中に上述したフレームのいずれかと類似している第一のフレーム、及び、該第一のフレーム内に配置されているサブフレームを含むことができる。デバイスは幾つかの実施形態において、カバー構成要素を含まなくてよい。サブフレームは、幾つかの例において、回転方向とは反対の回転方向に従う長尺部材を含み、次いで、第一のフレームの長尺部材を含むことができる。サブフレームは幾つかの例において、閉塞又は閉鎖するように構成されうる。サブフレームは幾つかの例でろ過するように構成されうる。
【0239】
本明細書中で議論したデバイスとともに使用できるハブ特徴部の追加の例に関しては、2012年11月16日に出願された、発明の名称“Joint Assembly for Medical Devices,”で、発明者Coby C. Larsen, Steven J. Masters及びThomas R. McDaniel(すべての目的でその全体を参照により本明細書中に取り込む)の仮出願を参照されたく、また、2013年3月15日に出願された、発明の名称“Space Filling Devices,” で、発明者Coby C. Larsen, Brandon A. Lurie, Steven J. Masters, Thomas R. McDaniel及びStanislaw L. Zukowski(すべての目的でその全体を参照により本明細書中に取り込む)の仮出願を参照されたい。本明細書中で議論したデバイスをデリバリーし、展開し、再配置しそして回収するために使用することができるデリバリーシステムデバイス、システム及び技術の追加の例に関しては、2012年11月16日に出願された、発明の名称 “Implantable Medical Device Deployment System,”で、発明者Steven J. Masters 及びThomas R. McDaniel(すべての目的でその全体を参照により本明細書中に取り込む)の仮出願を参照されたい。
【0240】
幾つかの特徴及び利点はデバイス及び/又は方法の構造及び機能の詳細とともに、種々の代替物を含めて、先行の記載に示してきた。本開示は例示のみを目的とし、それゆえ、網羅的であることが意図されない。種々の変更は、特に、本明細書中に記載の原理内の組み合わせを含めて、部品の構造、材料、要素、構成要素、形状、サイズ及び配置の点で、添付の特許請求の範囲が表現される用語の広く、一般的な意味により示される全範囲にまで行うことができることは当業者に明らかであろう。これらの種々の変更が添付の特許請求の範囲の精神及び範囲から逸脱する程度にまで、変更はその範囲に包含されることが意図される。本明細書に参照されるすべての文献、刊行物及び特許は、それに含まれる図面を含めて、その全体が参照により取り込まれる。
図1A
図1B
図1C
図2
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18A
図18B
図18C
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26A
図26B
図26C
図27A
図27B
図27C
図27D
図28A
図28B
図28C
図29A
図29B
図30A
図30B
図31A
図31B
図32
図33A
図33B
図33C
図33D
図34A
図34B
図34C
図34D
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45
図46
図47
図48
図49
図50
図51
図52
図53
図54
図55
図56
図57
図58
図59
図60
図61
図62
図63A
図63B
図63C