(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-25
(45)【発行日】2022-08-02
(54)【発明の名称】二環式ヘテロアリール誘導体
(51)【国際特許分類】
C07D 487/04 20060101AFI20220726BHJP
A61K 31/55 20060101ALI20220726BHJP
A61P 25/28 20060101ALI20220726BHJP
【FI】
C07D487/04 150
C07D487/04 CSP
A61K31/55
A61P25/28
(21)【出願番号】P 2019522297
(86)(22)【出願日】2017-10-30
(86)【国際出願番号】 EP2017077719
(87)【国際公開番号】W WO2018083050
(87)【国際公開日】2018-05-11
【審査請求日】2020-08-20
(32)【優先日】2016-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591003013
【氏名又は名称】エフ.ホフマン-ラ ロシュ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN-LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】バルテルス,ビョルン
(72)【発明者】
【氏名】ヤーコップ-ルートネ,ローラント
(72)【発明者】
【氏名】リンベルク,アンニャ
(72)【発明者】
【氏名】ナイトハルト,ヴェルナー
(72)【発明者】
【氏名】ラトニ,アサヌ
(72)【発明者】
【氏名】レアットリンガー,ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】サリー,ジェローム・シャルル
(72)【発明者】
【氏名】ヴァスタケイト,グレタ
【審査官】東 裕子
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-526410(JP,A)
【文献】特表2018-536671(JP,A)
【文献】特表2019-532938(JP,A)
【文献】特表2014-506903(JP,A)
【文献】特表2012-515205(JP,A)
【文献】国際公開第2011/007756(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I、I-1又はI-2で示される化合物
【化77】
(式中、
R
1は、水素、
C
1-7
アルキル、ハロゲンによって置換されている
C
1-7
アルキル、ハロゲン、
C
1-7
アルコキシ、又はハロゲンによって置換されている
C
1-7
アルコキシであり;
nが2又は3である場合、R
1は異なっていてもよく、
nは、1、2又は3であり、
Arは、
【化78】
(式中、
R
2は、水素、
C
1-7
アルキル、ハロゲンによって置換されている
C
1-7
アルキル、ハロゲン又は
C
1-7
アルコキシであり;
R
3は、水素又はハロゲンである)
から選択される6員ヘテロアリール基である)
又はその薬学的に活性な酸付加塩。
【請求項2】
式IA、IA-1又はIA-2で示される化合物である、請求項1記載の化合物:
【化79】
(式中、
R
1は、水素、
C
1-7
アルキル、ハロゲンによって置換されている
C
1-7
アルキル、ハロゲン、
C
1-7
アルコキシ、又はハロゲンによって置換されている
C
1-7
アルコキシであり;
nが2又は3である場合、R
1は異なっていてもよく、
nは、1、2又は3であり、
R
2は、水素、
C
1-7
アルキル、ハロゲンによって置換されている
C
1-7
アルキル、ハロゲン又は
C
1-7
アルコキシである)
又はその薬学的に活性な酸付加塩。
【請求項3】
請求項2記載の式IA、IA-1又はIA-2で示される化合物であって、
N-[(1R,5S,8S)-3-[2-(トリフルオロメチル)-4-ピリジル]-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
9-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-N-[(1R,5S,8S)-3-[2-(トリフルオロメチル)-4-ピリジル]-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
9-(4-クロロフェニル)-N-[(1R,5S,8S)-3-[2-(トリフルオロメチル)-4-ピリジル]-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
9-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-N-[(1R,5S,8S)-3-[2-(トリフルオロメチル)-4-ピリジル]-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
N-[(1R,5S,8S)-3-(2-メトキシ-4-ピリジル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
N-[(1R,5S,8S)-3-(2-メトキシ-4-ピリジル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
(9S)-N-[(1R,5S,8S)-3-(2-メトキシ-4-ピリジル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン、又は
(9R)-N-[(1R,5S,8S)-3-(2-メトキシ-4-ピリジル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
である化合物。
【請求項4】
式IB、IB-1又はIB-2で示される化合物である、請求項1記載の化合物:
【化80】
(式中、
R
1は、水素、
C
1-7
アルキル、ハロゲンによって置換されている
C
1-7
アルキル、ハロゲン、
C
1-7
アルコキシ、又はハロゲンによって置換されている
C
1-7
アルコキシであり;
nが2又は3である場合、R
1は異なっていてもよく、
nは、1、2又は3であり、
R
2は、水素、
C
1-7
アルキル、ハロゲンによって置換されている
C
1-7
アルキル、ハロゲン又は
C
1-7
アルコキシであり;
R
3は、水素又はハロゲンである)
又はその薬学的に活性な酸付加塩。
【請求項5】
請求項4記載の式IB、IB-1又はIB-2で示される化合物であって、
N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
(9S)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
(9R)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
9-(4-クロロフェニル)-N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
(9S)-9-(4-クロロフェニル)-N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
(9R)-9-(4-クロロフェニル)-N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
(9S)-N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
(9R)-N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
(9S)-N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
(9R)-N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
N-[(1R,5S,8S)-3-(6-クロロピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
(9S)-N-[(1R,5S,8S)-3-(6-クロロピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
(9R)-N-[(1R,5S,8S)-3-(6-クロロピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メトキシピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
N-[(1R,5S,8S)-3-(5-フルオロ-6-メチル-ピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
9-(3,4-ジフルオロフェニル)-N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
(9S)-9-(3,4-ジフルオロフェニル)-N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン、又は
(9R)-9-(3,4-ジフルオロフェニル)-N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
である化合物。
【請求項6】
式IC、IC-1又はIC-2で示される化合物である、請求項1記載の化合物:
【化81】
(式中、
R
1は、水素、
C
1-7
アルキル、ハロゲンによって置換されている
C
1-7
アルキル、ハロゲン、
C
1-7
アルコキシ、又はハロゲンによって置換されている
C
1-7
アルコキシであり;
nが2又は3である場合、R
1は異なっていてもよく、
nは、1、2又は3であり、
R
2は、水素、
C
1-7
アルキル、ハロゲンによって置換されている
C
1-7
アルキル、ハロゲン又は
C
1-7
アルコキシである)
又はその薬学的に活性な酸付加塩。
【請求項7】
請求項6記載の式IC、IC-1又はIC-2で示される化合物であって、
N-[(1R,5S,8S)-3-(6-クロロピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
(9S)-N-[(1R,5S,8S)-3-(6-クロロピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
(9R)-N-[(1R,5S,8S)-3-(6-クロロピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メチルピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
(9S)-N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メチルピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
(9R)-N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メチルピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
(9S)-N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
(9R)-N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
N-[(1R,5S,8S)-3-(6-クロロピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
(9S)-N-[(1R,5S,8S)-3-(6-クロロピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
(9R)-N-[(1R,5S,8S)-3-(6-クロロピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
(9S)-N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン、又は
(9R)-N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
である化合物。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項記載の式Iの化合物を調製する方法であって、
a)式7で示される化合物
【化82】
を式8で示される化合物
【化83】
と反応させて、式Iで示される化合物
【化84】
(式中、置換基は、上記の意味を有する)にすること、及び
必要に応じて、得られた化合物を薬学的に許容し得る酸付加塩に変換すること;又は
b)式14で示される化合物
【化85】
をKI及びK
2CO
3の存在下で環化させて、式Iで示される化合物
【化86】
(式中、置換基は、上記の意味を有する)にすること、並びに
必要に応じて、得られた化合物を薬学的に許容し得る酸付加塩に変換すること;又は
c)式16で示される化合物
【化87】
を式
Ar-X
で示される化合物と反応させて、式Iで示される化合物
【化88】
(式中、該置換基は、上記の意味を有し、そして、Xは、ハロゲンである)にすること、及び
必要に応じて、得られた化合物を薬学的に許容し得る酸付加塩に変換すること;又は
d)キラルHPLC分離によって式Iで示されるラセミ化合物を式I-1又はI-2で示される化合物に分離すること
を含む方法。
【請求項9】
請求項1~7のいずれか一項記載の1つ以上の化合物と薬学的に許容し得る賦形剤とを含有する医薬。
【請求項10】
アルツハイマー病、脳アミロイド血管症、オランダ型遺伝性脳出血アミロイドーシス(HCHWA-D)、多発梗塞性認知症、拳闘家認知症又はダウン症候群を処置するための請求項9記載の医薬。
【請求項11】
アルツハイマー病、脳アミロイド血管症、オランダ型遺伝性脳出血アミロイドーシス(HCHWA-D)、多発梗塞性認知症、拳闘家認知症又はダウン症候群を処置するための医薬を製造するための請求項1~7のいずれか一項記載の化合物の使用。
【請求項12】
治療活性物質として用いるための請求項1~7のいずれか一項記載の化合物。
【請求項13】
アルツハイマー病、脳アミロイド血管症、オランダ型遺伝性脳出血アミロイドーシス(HCHWA-D)、多発梗塞性認知症、拳闘家認知症又はダウン症候群を処置するための請求項1~7のいずれか一項記載の化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式I、I-1又はI-2で示される化合物、
【化1】
(式中、
R
1は、水素、低級アルキル、ハロゲンによって置換されている低級アルキル、ハロゲン、低級アルコキシ、又はハロゲンによって置換されている低級アルコキシであり;
nが2又は3である場合、R
1は異なっていてもよく、
nは、1、2又は3であり、
Arは、
【化2】
(式中、
R
2は、水素、低級アルキル、ハロゲンによって置換されている低級アルキル、ハロゲン又は低級アルコキシであり;
R
3は、水素又はハロゲンである)
から選択される6員ヘテロアリール基である)
又はその薬学的に活性な酸付加塩に関する。
【0002】
今や、式Iで示される本化合物は、γ-セクレターゼのモジュレーターであり、それらは、脳におけるβ-アミロイドの沈着に関連する疾患、特に、アルツハイマー病、並びに脳アミロイド血管症、オランダ型遺伝性脳出血アミロイドーシス(HCHWA-D)、多発梗塞性認知症、拳闘家認知症及びダウン症候群等のその他の疾患を治療又は予防するために有用であり得ることが見出されている。
【背景技術】
【0003】
アルツハイマー病(AD)は、晩年における認知症の最も一般的な原因である。病理学的には、ADは、細胞外斑におけるアミロイドの沈着、及び脳における細胞内神経原線維変化により特徴付けられる。アミロイド斑は、一連のタンパク質分解的切断工程によるβ-アミロイド前駆体タンパク質(APP)に由来するアミロイドペプチド(Aβペプチド)で主に構成される。APPの幾つかの形態が同定されており、そのうち最も量が多いのは、695、751及び770アミノ酸長のタンパク質である。これらは全て、ディファレンシャルスプライシングを通して単一の遺伝子から生じる。Aβペプチドは、APPの同じドメインに由来する。
【0004】
Aβペプチドは、β-及びγ-セクレターゼと呼ばれる2つのタンパク質分解酵素の逐次作用を通してAPPから生成される。β-セクレターゼは、まず、膜貫通ドメイン(TM)の直ぐ外側のAPPの細胞外ドメインで切断して、TM及び細胞質のドメインを含有するAPPのC末端断片(CTFβ)を生成する。CTFβは、TM内の幾つかの隣接する位置で切断してAβ-ペプチド及び細胞質断片を生成するγ-セクレターゼの基質である。γ-セクレターゼによって媒介される様々なタンパク質分解的切断は、異なる鎖長のAβペプチド(例えば、Aβ38、Aβ40及びAβ42)を生じさせる。後者は、神経毒性凝集体を形成するその強い傾向から、より病原的なアミロイドペプチドであると考えられる。
【0005】
β-セクレターゼは、典型的なアスパルチルプロテアーゼである。γ-セクレターゼは、4つの必須サブユニット:プレセニリン(PS、PS1及びPS2を含む)、ニカストリン、前咽頭欠損(anterior pharynx defective)1(APH-1)、及びプレセニリンエンハンサー2(PEN-2)からなる高分子量複合体である。解像度3.4Åにおけるヒトγ-セクレターゼの原子構造は、既に公開されている(X. Bai, C. Yan, G. Yang, P. Lu, D. Ma, L. Sun, R. Zhou, S. H. W. Scheres, Y. Shi, Nature 2015, 525, pages 212 - 217)。プレセニリンは、触媒部位を有しており、そして、ポリトピックな膜タンパク質のTM内の基質を切断し、そして、ポリトピックな膜タンパク質自体である非定型アスパルチルプロテアーゼの群を表す。γ-セクレターゼの他の必須成分であるニカストリン並びにaph1及びpen-2の遺伝子産物は、基質の認識及び動員に関与していると考えられる。γ-セクレターゼの証明されている基質は、APP、及びNotch受容体ファミリーのタンパク質であるが、γ-セクレターゼは、緩い基質特異性を有し、そして、APP及びNotchに無関係の多くの更なる膜タンパク質が、インビトロでγ-セクレターゼによって切断されると報告されている。
【0006】
γ-セクレターゼ活性は、Aβペプチドの生成に絶対必要である。これは、遺伝的手段、すなわち、プレセニリン遺伝子の除去、及び低分子量阻害性化合物の両方によって示されている。ADについてのアミロイドカスケード仮説によれば、Aβの生成及び沈着は、疾患の最大の原因である。したがって、γ-セクレターゼの選択的かつ強力な阻害は、ADの予防及び治療に有用であり得ると考えられた。
【0007】
別の処置様式は、γ-セクレターゼ活性を調節し、その結果、Aβ42生成を選択的に低減することである。これによって、凝集及び斑形成の能力がないか又は低く、そして、神経毒性がないか又はより小さい、Aβ38、Aβ37又はその他等のより短いAβアイソフォームが増加するであろう。γ-セクレターゼ活性の調節に対してこの効果を示す化合物は、特定の非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)及び関連する類似体を含む(Weggen et al., Nature, 414 (2001) 212-16)。
【0008】
したがって、本発明の化合物は、脳におけるβ-アミロイドの沈着に関連する疾患、特に、アルツハイマー病、並びに脳アミロイド血管症、オランダ型遺伝性脳出血アミロイドーシス(HCHWA-D)、多発梗塞性認知症、拳闘家認知症及びダウン症候群等のその他の疾患の治療又は予防に有用であろう。
【0009】
多数の文献、例えば、以下の刊行物にγ-セクレターゼの調節に関する現在の知見が記載されている:
【表1】
【発明を実施するための形態】
【0010】
式Iの化合物については以下の定義を使用する:
【0011】
本明細書で使用するとき、用語「低級アルキル」は、1~7個の炭素原子を含有する飽和の直鎖又は分枝鎖の基、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、i-ブチル、2-ブチル、t-ブチル等を意味する。好ましいアルキル基は、1~4個の炭素原子を有する基である。
【0012】
本明細書で使用するとき、用語「ハロゲンによって置換されている低級アルキル」は、少なくとも1個の水素原子がハロゲンによって置き換えられている、上に定義した通りのアルキル基、例えば、CF3、CHF2、CH2F、CHFCF3、CH2CHF2、CH2CH2F、CH2C(CH3)2CF3、CH2CF2CF3、CH(CF3)2、CH2CF3、(CH2)2CF3、(CH2)3CF3、CH(CH3)CF3、CF2CF3等を意味する。好ましい基は、CF3である。
【0013】
用語「低級アルコキシ」は、O原子を介して結合している、上に定義した通りの低級アルキル基を意味する。
【0014】
用語「ハロゲンによって置換されている低級アルコキシ」は、少なくとも1個の水素原子がハロゲンによって置き換えられている、上に定義した通りの低級アルコキシ基を意味する。
【0015】
用語「ハロゲン」は、塩素、ヨウ素、フッ素及び臭素を意味する。
【0016】
用語「薬学的に許容し得る酸付加塩」は、無機酸及び有機酸、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、クエン酸、ギ酸、フマル酸、マレイン酸、酢酸、コハク酸、酒石酸、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸等との塩を包含する。
【0017】
本発明の目的は、式Iの化合物、アルツハイマー病、脳アミロイド血管症、オランダ型遺伝性脳出血アミロイドーシス(HCHWA-D)、多発梗塞性認知症、拳闘家認知症又はダウン症候群を処置するための医薬を調製するためのこのような化合物の使用、このような化合物の製造、及び本発明に係る式Iの化合物に基づく医薬である。
【0018】
本発明の一つの目的は、式IA、IA-1又はIA-2の化合物、
【化3】
(式中、
R
1は、水素、低級アルキル、ハロゲンによって置換されている低級アルキル、ハロゲン、低級アルコキシ、又はハロゲンによって置換されている低級アルコキシであり;
nが2又は3である場合、R
1は異なっていてもよく、
nは、1、2又は3であり、
R
2は、水素、低級アルキル、ハロゲンによって置換されている低級アルキル、ハロゲン又は低級アルコキシである)
又はその薬学的に活性な酸付加塩、例えば、以下の化合物である。
【0019】
N-[(1R,5S,8S)-3-[2-(トリフルオロメチル)-4-ピリジル]-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
9-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-N-[(1R,5S,8S)-3-[2-(トリフルオロメチル)-4-ピリジル]-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
9-(4-クロロフェニル)-N-[(1R,5S,8S)-3-[2-(トリフルオロメチル)-4-ピリジル]-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
9-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-N-[(1R,5S,8S)-3-[2-(トリフルオロメチル)-4-ピリジル]-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
N-[(1R,5S,8S)-3-(2-メトキシ-4-ピリジル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
N-[(1R,5S,8S)-3-(2-メトキシ-4-ピリジル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
(9S)-N-[(1R,5S,8S)-3-(2-メトキシ-4-ピリジル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン、又は
(9R)-N-[(1R,5S,8S)-3-(2-メトキシ-4-ピリジル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン。
【0020】
本発明の更なる一つの目的は、式IB、IB-1又はIB-2の化合物、
【化4】
(式中、
R
1は、水素、低級アルキル、ハロゲンによって置換されている低級アルキル、ハロゲン、低級アルコキシ、又はハロゲンによって置換されている低級アルコキシであり;
nが2又は3である場合、R
1は異なっていてもよく、
nは、1、2又は3であり、
R
2は、水素、低級アルキル、ハロゲンによって置換されている低級アルキル、ハロゲン又は低級アルコキシであり;
R
3は、水素又はハロゲンである)
又はその薬学的に活性な酸付加塩、例えば、以下の化合物である。
【0021】
N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
(9S)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
(9R)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
9-(4-クロロフェニル)-N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
(9S)-9-(4-クロロフェニル)-N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
(9R)-9-(4-クロロフェニル)-N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
(9S)-N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
(9R)-N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
(9S)-N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
(9R)-N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
N-[(1R,5S,8S)-3-(6-クロロピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
(9S)-N-[(1R,5S,8S)-3-(6-クロロピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
(9R)-N-[(1R,5S,8S)-3-(6-クロロピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メトキシピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
N-[(1R,5S,8S)-3-(5-フルオロ-6-メチル-ピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
9-(3,4-ジフルオロフェニル)-N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
(9S)-9-(3,4-ジフルオロフェニル)-N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン、又は
(9R)-9-(3,4-ジフルオロフェニル)-N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン。
【0022】
本発明の一つの目的は、式IC、IC-1又はIC-2の化合物、
【化5】
(式中、
R
1は、水素、低級アルキル、ハロゲンによって置換されている低級アルキル、ハロゲン、低級アルコキシ、又はハロゲンによって置換されている低級アルコキシであり;
nが2又は3である場合、R
1は異なっていてもよく、
nは、1、2又は3であり、
R
2は、水素、低級アルキル、ハロゲンによって置換されている低級アルキル、ハロゲン又は低級アルコキシである)
又はその薬学的に活性な酸付加塩、例えば、以下の化合物である。
【0023】
N-[(1R,5S,8S)-3-(6-クロロピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
(9S)-N-[(1R,5S,8S)-3-(6-クロロピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
(9R)-N-[(1R,5S,8S)-3-(6-クロロピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メチルピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
(9S)-N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メチルピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
(9R)-N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メチルピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
(9S)-N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
(9R)-N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
N-[(1R,5S,8S)-3-(6-クロロピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
(9S)-N-[(1R,5S,8S)-3-(6-クロロピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
(9R)-N-[(1R,5S,8S)-3-(6-クロロピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
(9S)-N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン、又は
(9R)-N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン。
【0024】
式Iの本化合物及びその薬学的に許容し得る塩は、当技術分野において公知の方法、例えば、下記方法によって調製することができ、該方法は、
a)式7の化合物
【化6】
を式8の化合物
【化7】
と反応させて、式Iの化合物
【化8】
(式中、置換基は、上記の意味を有する)にすること、及び
必要に応じて、得られた化合物を薬学的に許容し得る酸付加塩に変換すること;又は
b)式14の化合物
【化9】
をKI及びK
2CO
3の存在下で環化させて、式Iの化合物
【化10】
(式中、置換基は、上記の意味を有する)にすること、並びに
必要に応じて、得られた化合物を薬学的に許容し得る酸付加塩に変換すること;又は
c)式16の化合物
【化11】
を式
Ar-X
の化合物と反応させて、式Iの化合物
【化12】
(式中、該置換基は、上記の意味を有し、そして、Xは、ハロゲンである)にすること、及び
必要に応じて、得られた化合物を薬学的に許容し得る酸付加塩に変換すること;又は
d)キラルHPLC分離によって式Iのラセミ化合物を式I-1又はI-2の化合物に分離すること
を含む。
【0025】
より詳細には、式Iの化合物及びその中間体は、スキーム1~5及び43の具体例の説明によって調製することができる。
【0026】
式Iの化合物の一般的な合成
【化13】
メチル又はエチル 2-フェニルアセタート2を2-(4-ブロモブトキシ)テトラヒドロ-2H-ピランでアルキル化して3を生成することによって開始される、一般式Iの誘導体の調製(スキーム1)。ヒドラジンの添加によって、対応するヒドラジド4を与えた。4を2-メチル-2-チオシュード尿素硫酸塩と反応させて、アミノトリアゾール5を得た。ザントマイヤー(Sandmeyer)反応によって、対応する脱保護されたBr-トリアゾール誘導体6を与えた。光延(Mitsunobu)反応を介した分子内環化によって汎用中間体7を与え、これを様々な8型のアミンと容易にブッフバルト(Buchwald)型反応させて、式Iの最終生成物を与えることができる。
【0027】
【化14】
あるいは、一般式Iの化合物は、以下のように調製することもできた(スキーム2)。1,1’-チオカルボニルジピリジン-2(1H)-オンと反応させて、アミノ-ピペリジン8を対応するイソチオシアナト誘導体9に変換した。アンモニアを添加することによってチオウレア10を与え、これをMeIでSアルキル化して11を与えることができる。式12の中間体とのアミドカップリングによって13を与え、これをヒドラジンと反応させると、トリアゾール誘導体14に容易に変換された。最後に、KI及びK
2CO
3の存在下で分子内環化させて、式Iの化合物を与えた。
【0028】
【化15】
あるいは、一般式Iの化合物は、スキーム3に記載のように調製することもできる。中間体7(スキーム1に記載)を市販されているアミノピペリジン誘導体とブッフバルト型カップリングさせて、15を形成することができた。標準的な条件下でBoc脱保護して16を与えた。Et
3N等の塩基の存在下、エタノール若しくはNMP等の溶媒中、熱条件下で、又は触媒条件(例えば、パラジウム(0)又は銅(II)の触媒作用等)下で置換反応を使用することによって、16を一般式Ar-Xの複素環式ハロゲン化物とカップリングさせて、式Iの化合物を与えることができる。
【0029】
中間体8の一般的な合成
【化16】
tert-ブチル N-[(1S,5R,8S)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]カルバマート17(CAS 847862-26-4)から出発して、スキーム1~2で使用した式8の化合物をスキーム4に従って調製することができる。Et
3N等の塩基の存在下、エタノール若しくはNMP等の溶媒中、熱条件下で、又は触媒条件(例えば、パラジウム(0)又は銅(II)の触媒作用等)下で置換反応を使用することによって、17を一般式Ar-Xの複素環式ハロゲン化物とカップリングさせて、式18の化合物を与えることができる。酸、例えば、トリフルオロ酢酸で脱保護した後、式8の化合物が得られた。
【0030】
複素環ハロゲン化物は、市販されているか、文献において公知であるので、当技術分野において公知の方法によって調製することができる。
【0031】
中間体12の一般的な合成
【化17】
塩基(例えば、NaHMDS)の存在下、低温で、市販されている酸19を1-クロロ-4-ヨード-ブタンでアルキル化すると、中間体12が容易に調製された。
【0032】
複素環ハロゲン化物は、市販されているか、文献において公知であるので、当技術分野において公知の方法によって調製することができるか、あるいは明細書に記載の通り調製することができた。
【0033】
下記試験に従って化合物を調べた。
【0034】
γ-セクレターゼアッセイの説明
細胞γ-セクレターゼアッセイ
Swedish二重突然変異(K595N/M596L)を有するヒトAPP695を過剰発現しているヒト神経膠腫H4細胞を、96ウェルプレートの10% FCS、0.2mg/L ハイグロマイシンBを含有しているIMDM培地中に、30,000細胞/ウェル/100μLでプレーティングし、そして、37℃、5% CO2でインキュベートした。
【0035】
プレーティングの3~4時間後、化合物を培地で希釈し、そして、1.5倍濃縮物として50μLを添加して最終濃度にする。24時間、化合物インキュベートを実施する。最終用量は、典型的には、1/2対数ずつ(half-log steps)4μMから0.0013μMの範囲であり、その結果、8点の用量応答曲線が得られる。
【0036】
ビヒクルのみ及び参照化合物を使用する適切な対照をこのアッセイに適用した。Me2SOの最終濃度は、0.4%であった。
【0037】
37℃、5% CO2でインキュベートした後、AlphaLisaアッセイキット(Human Amyloid beta 1-42 Kit:カタログ#AL203C、Perkin Elmer)を用いて、上清を分泌されたAβ42の定量に供した。細胞培養上清 20μLをアッセイプレートに移した。次いで、AlphaLisaカップリング捕捉抗体及びビオチン化検出抗体の混合物 10μLを添加し、そして、アッセイプレートを穏やかに振盪しながら室温で3時間インキュベートした。ドナー(Donor)ビーズ 20μLを更に添加した後、アッセイプレートを直接光に曝露することなく一定振盪しながら、室温で30分間インキュベートした。次いで、680nmで励起し、そして、570nmで発光する内臓プログラムを使用して、Paradigm AlphaLisa Readerでアッセイプレートを読み取った。
【0038】
次いで、測定されたシグナルを使用して、XLfit 5.3ソフトウェア(IDBS)を使用して非線形回帰フィット分析によって、Aβ42分泌の阻害についてのIC50値を計算した。
【0039】
以下の表は、Aβ42分泌の阻害(nM)についての全ての化合物のデータを示す:
【表2】
【0040】
式Iの化合物及び式Iの化合物の薬学的に許容し得る塩は、医薬として、例えば、医薬製剤の形態で使用され得る。医薬製剤は、例えば錠剤、コーティング錠剤、糖衣錠、硬及び軟ゼラチンカプセル剤、液剤、乳剤又は懸濁剤の形態で、経口投与され得る。しかし、投与はまた、例えば坐剤の形態で直腸内に、例えば注射液剤の形態で非経口的に行うこともできる。投与はまた、例えば経皮投与のように局所的に、又は点眼剤又は点耳剤の形態で実施され得る。
【0041】
式Iの化合物は、医薬製剤を製造するために、薬学的に不活性な無機又は有機の担体と共に加工され得る。乳糖、トウモロコシデンプン又はその誘導体、タルク、ステアリン酸又はその塩等を、例えば、錠剤、コーティング錠剤、糖衣錠及び硬ゼラチンカプセル剤のためのそのような担体として使用することができる。軟ゼラチンカプセル剤のための適切な担体は、例えば、植物油、ロウ、脂肪、半固体及び液体のポリオール等である。しかし、活性物質の性質に応じて、軟ゼラチンカプセル剤の場合は、通常担体を必要としない。液剤及びシロップ剤の製造に適切な担体は、例えば、水、ポリオール、グリセリン、植物油等である。坐剤に適切な担体は、例えば、天然又は硬化油、ロウ、脂肪、半液体又は液体のポリオール等である。
【0042】
医薬製剤はさらに、保存料、可溶化剤、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、甘味料、着色料、香味料、浸透圧を変化させるための塩、緩衝剤、マスキング剤又は酸化防止剤を含有することができる。これらはまた、更に他の治療上価値のある物質を含有することができる。
【0043】
式Iの化合物又はその薬学的に許容し得る塩、及び治療上不活性な担体を含有する医薬はまた、1種以上の式Iの化合物及び/又は薬学的に許容し得る酸付加塩と、所望により1種以上の他の治療上価値のある物質とを、1種以上の治療上不活性な担体と共に、ガレヌス投与形態にすることを含む、それらの製造のための方法と同様に、本発明の目的である。
【0044】
本発明によると、式Iの化合物及びその薬学的に許容し得る塩は、アルツハイマー病のようなAβ42分泌の阻害に基づく病気の抑制又は防止に有用である。
【0045】
投与量は、広い範囲内で変化させることができ、そして当然ながら各特定の症例における個々の要求に適合させる必要があろう。経口投与の場合には、成人の投与量は、1日に約0.01mg~約1000mgの一般式Iの化合物、又は対応する量のその薬学的に許容し得る塩と変化させることができる。1日投与量は、1回用量として又は分割用量で投与されてもよく、加えて、必要性が示される場合、上限を超えることもできる。
【0046】
【0047】
製造手順
1.品目1、2、3及び4を混合し、精製水で顆粒化する。
2.顆粒を50℃で乾燥させる。
3.顆粒を適切な粉砕装置に通す。
4.品目5を加え、3分間混合し、適切なプレス機で圧縮する。
【0048】
【0049】
製造手順
1.品目1、2及び3を適切なミキサーで30分間混合する。
2.品目4及び5を加え、3分間混合する。
3.適切なカプセルに充填する。
【実施例】
【0050】
実験の部
以下の実施例は、本発明の説明のために提供される。これらは、本発明の範囲を限定するものではなく、単にその代表例として考慮されるべきである。
【0051】
概要
分析方法
HPLC(LCMS_fastgradient法)
カラム:Agilent Zorbax Eclipse Plus C18、Rapid Resolution HT、2.1×30mm、1.8μm、部品番号959731-902
溶媒A:水 0.01% ギ酸;溶媒B:アセトニトリル(MeCN)
【0052】
【0053】
略称
実験部分では、以下の略称を用いた:
THF=テトラヒドロフラン;
TBME=メチル-tert-ブチルエーテル;
DMF=ジメチルホルムアミド;
TLC=薄層クロマトグラフィー;
RT=室温、20~25℃。
THP=テトラヒドロピラン
【0054】
中間体の調製
8型の中間体
中間体8-1:
(1R,5S,8S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-アミン
【化18】
【0055】
工程1:封管内において、tert-ブチル N-[(1R,5S,8S)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]カルバマート(500mg、2.21mmol)をEtOH(10mL)に溶解させ、そして、4-クロロ-6-メチルピリミジン(869mg、6.63mmol)を添加し、続いてトリエチルアミン(894mg、1.23mL、8.84mmol)を添加した。反応混合物を130℃で一晩撹拌した。粗反応混合物を真空中で濃縮した。残留物をCH2Cl220mL及び水 20mLで希釈した。有機相をCH2Cl2(3×20mL)で抽出し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空中で濃縮した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン中0%~100% EtOAc)によって精製して、黄色の固体としてtert-ブチル N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]カルバマートを与えた(496mg、収率71%)。MS (ES+) m/z: 319.2 [(M+H)+]
【0056】
工程2:CH2Cl2(8mL)中tert-ブチル N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]カルバマート(260mg、817μmol)の明黄色の溶液に、TFA(931mg、629μL、8.17mmol)を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌し、そして、真空中で濃縮した。イオン交換カラム(Si-SCX-2、10g、MeOHで洗浄、そして、MeOH(2M NH3)で遊離)によって粗物質を精製して、(1R,5S,8S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-アミン 8-1(195mg、804μmol、収率98.5%)を与え、これを更に精製することなく次の工程で使用した。MS (ES+) m/z: 219.2 [(M+H)+]
【0057】
中間体8-2:
(1R,5S,8S)-3-(5-フルオロ-6-メチル-ピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-アミン
【化19】
【0058】
工程1:中間体8-1の調製(工程1)と同様に、封管内において、100℃で、トリエチルアミン(358mg、493μL、3.53mmol)の存在下で、溶媒としてEtOHを用いて、tert-ブチル N-[(1R,5S,8S)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]カルバマート(200mg、884μmol)及び4-クロロ-5-フルオロ-6-メチルピリミジン(194mg、1.33mmol)から、白色の固体としてtert-ブチル N-[(1R,5S,8S)-3-(5-フルオロ-6-メチル-ピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]カルバマートを得た(255mg、758μmol、収率86%)。MS (ES+) m/z: 337.3 [(M+H)+]。
【0059】
工程2:中間体8-1の調製(工程2)と同様に、37% HCl水溶液(445mg、371μL、4.51mmol)の存在下で、CH2Cl2中tert-ブチル N-[(1R,5S,8S)-3-(5-フルオロ-6-メチル-ピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]カルバマート(253mg、752μmol)から、白色の固体として(1R,5S,8S)-3-(5-フルオロ-6-メチル-ピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-アミン(170mg、719μmol、収率96%)を得、そして、更に精製することなく次の工程でそのまま使用した。MS (ES+) m/z: 237.1 [(M+H)+]。
【0060】
中間体8-3:
(1R,5S,8S)-3-(6-クロロピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-アミン
【化20】
【0061】
工程1:中間体8-1の調製(工程1)と同様に、封管内において、100℃で、トリエチルアミン(447mg、616μL、4.42mmol)の存在下で、溶媒としてEtOHを用いて、tert-ブチル N-[(1R,5S,8S)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]カルバマート(250mg、1.1mmol)及び4-クロロ-6-フルオロ-ピリミジン(220mg、1.66mmol)から、白色の固体としてtert-ブチル N-[(1R,5S,8S)-3-(6-クロロピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]カルバマート(329mg、収率88%)を得た。MS (ES+) m/z: 339.2 [(M+H)+]。
【0062】
工程2:中間体8-1の調製(工程2)と同様に、37% HCl(567mg、473μL、5.76mmol)の存在下で、CH2Cl2中tert-ブチル N-[(1R,5S,8S)-3-(6-クロロピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]カルバマート(325mg、959μmol)から、白色の固体として(1R,5S,8S)-3-(6-クロロピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-アミン(230mg、収率100%)を得、そして、更に精製することなく次の工程でそのまま使用した。MS (ES+) m/z: 239.2 [(M+H)+]。
【0063】
中間体8-4:
(1R,5S,8S)-3-(6-メトキシピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-アミン
【化21】
【0064】
工程1:中間体8-1の調製(工程1)と同様に、封管内において、100℃で、K2CO3(458mg、3.31mmol)の存在下で、溶媒としてDMFを用いて、tert-ブチル N-[(1R,5S,8S)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]カルバマート(250mg、1.1mmol)及び4-ヨード-6-メトキシピリミジン(391mg、1.66mmol)から、白色の固体としてtert-ブチル N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メトキシピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]カルバマート(315mg、収率85%)を得た。MS (ES+) m/z: 335.2 [(M+H)+]。
【0065】
工程2:中間体8-1の調製(工程2)と同様に、TFA(1.13g、760μL、9.87mmol)の存在下で、CH2Cl2中tert-ブチル N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メトキシピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]カルバマート(330mg、987μmol)から、白色の固体として(1R,5S,8S)-3-(6-メトキシピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-アミン(222mg、収率96%)を得、そして、更に精製することなく次の工程でそのまま使用した。MS (ES+) m/z: 235.2 [(M+H)+]。
【0066】
中間体8-5:
(1R,5S,8S)-3-[2-(トリフルオロメチル)-4-ピリジル]-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-アミン
【化22】
【0067】
工程1:中間体8-1の調製(工程1)と同様に、封管内において、150℃で、DIPEA(964mg、1.3mL、7.46mmol)の存在下で、溶媒としてNMPを用いて、tert-ブチル N-[(1R,5S,8S)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]カルバマート(1.57g、6.87mmol)及び4-ヨード-2-(トリフルオロメチル)ピリジン(1.5g、5.33mmol)から、白色の固体としてtert-ブチル N-[(1R,5S,8S)-3-[2-(トリフルオロメチル)-4-ピリジル]-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]カルバマート(1.37g、収率70%)を得た。MS (ES+) m/z: 372.2 [(M+H)+]。
【0068】
工程2:中間体8-1の調製(工程2)と同様に、37% HCl(1.68g、1.4mL、17mmol)の存在下で、CH2Cl2中tert-ブチル N-[(1R,5S,8S)-3-[2-(トリフルオロメチル)-4-ピリジル]-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]カルバマート(1.05g、2.82mmol)から、白色の固体として(1R,5S,8S)-3-[2-(トリフルオロメチル)-4-ピリジル]-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-アミン(735mg、収率96%)を得、そして、更に精製することなく次の工程でそのまま使用した。MS (ES+) m/z: 272.2 [(M+H)+]。
【0069】
中間体8-6:
(1R,5S,8S)-3-(2-メトキシ-4-ピリジル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-アミン
【化23】
【0070】
工程1:中間体8-1の調製(工程1)と同様に、封管内において、140℃で、DIPEA(2.28g、3.09mL、17.70mmol)の存在下で、溶媒としてNMPを用いて、tert-ブチル N-[(1R,5S,8S)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]カルバマート(2.00g、8.84mmol)及び4-フルオロ-2-メトキシピリジン(1.12g、8.84mmol)から、白色の固体としてtert-ブチル N-[(1R,5S,8S)-3-(2-メトキシ-4-ピリジル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]カルバマート(1.42g、48%)を得た。MS (ES+) m/z: 334.3 [(M+H)+]。
【0071】
工程2:中間体8-1の調製(工程2)と同様に、TFA(7.38g、5.0mL、15.2mmol)の存在下で、CH2Cl2中tert-ブチル N-[(1R,5S,8S)-3-(2-メトキシ-4-ピリジル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]カルバマート(1.42g、4.26mmol)から、白色の固体として(1R,5S,8S)-3-(2-メトキシ-4-ピリジル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-アミン(0.89g、89%)を得、そして、更に精製することなく次の工程でそのまま使用した。MS (ES+) m/z: 234.2 [(M+H)+]。
【0072】
中間体8-7:
(1R,5S,8S)-3-(6-クロロピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-アミン
【化24】
【0073】
工程1:中間体8-1の調製(工程1)と同様に、封管内において、90℃で、Et3N(3.63g、5.0mL、35.9mmol)の存在下で、溶媒としてEtOHを用いて、tert-ブチル N-[(1R,5S,8S)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]カルバマート(2.00g、8.84mmol)及び3,5-ジクロロピリダジン(2.0g、13.4mmol)から、白色の固体としてtert-ブチル N-[(1R,5S,8S)-3-(6-クロロピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]カルバマート(1.71g、54%)を得た。MS (ES+) m/z: 339.2 [(M+H)+]。
【0074】
工程2:中間体8-1の調製(工程2)と同様に、37% HCl(1.61g、1.34mL、16.3mmol)の存在下で、CH2Cl2中tert-ブチル N-[(1R,5S,8S)-3-(6-クロロピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]カルバマート(0.93g、2.72mmol)から、白色の固体として(1R,5S,8S)-3-(6-クロロピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-アミン(0.65g、100%)を得、そして、更に精製することなく次の工程でそのまま使用した。MS (ES+) m/z: 239.1 [(M+H)+]。
【0075】
中間体8-8:
(1R,5S,8S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-アミン
【化25】
【0076】
工程1:封管内におけるMeOH(22mL)中tert-ブチル N-[(1R,5S,8S)-3-(6-クロロピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]カルバマート(963mg、2.70mmol)の溶液に、NaOMeのメタノール溶液(25%、1.9mL、8.3mmol)を添加した。反応混合物を85℃で一晩加熱した。反応混合物をIsolute HM-Nに吸着させ、そして、カラムクロマトグラフィーによって、白色の固体としてtert-ブチル N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]カルバマート(362mg、38%)を与えた。MS (ES+) m/z: 335.2 [(M+H)+]。
【0077】
工程2:中間体8-1の調製(工程2)と同様に、TFA(1.12g、0.76mL、9.86mmol)の存在下で、CH2Cl2中tert-ブチル N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]カルバマート(0.93g、2.72mmol)から、白色の固体として(1R,5S,8S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-アミン(225mg、96%)を得、そして、更に精製することなく次の工程でそのまま使用した。MS (ES+) m/z: 235.2 [(M+H)+]。
【0078】
12型の中間体
中間体12-1:
6-クロロ-2-(2,3,4-トリフルオロフェニル)ヘキサン酸
【化26】
【0079】
-45℃のトルエン(3mL)中2-(2,3,4-トリフルオロフェニル)酢酸(2mmol)の溶液に、THF中1M NaHMDS(4.2mmol)を添加した。反応物をこの温度で1時間撹拌した後、同様に-45℃のトルエン中1-クロロ-4-ヨードブタン(2.2mmol)の溶液にカニューレで添加(cannulated)した。次いで、得られた反応混合物を1時間かけてゆっくりRTに温め、そして、更に30分間撹拌した。pH=1になるまで2M HClを添加し、そして、生成物をEtOAcで抽出した。有機相をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、そして、真空下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、CH2Cl2/MeOH)によって、無色の油状物として標題生成物(29%)を与えた。MS (ES+) m/z: 279.2 [(M-H)+]。
【0080】
中間体12-2:
6-クロロ-2-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]ヘキサン酸
【化27】
中間体12-1の調製と同様の方法を用いて、2-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]酢酸から、ろう状の固体として標題化合物を調製した。MS (ES+) m/z: 293.1 [(M-H)
+]。
【0081】
中間体12-3:
6-クロロ-2-(4-クロロフェニル)ヘキサン酸
【化28】
中間体12-1の調製と同様の方法を用いて、2-(4-クロロフェニル)酢酸から、固体として標題化合物を調製した。MS (ES+) m/z: 260.1 [(M-H)
+]。
【0082】
中間体12-4:
6-クロロ-2-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]ヘキサン酸
【化29】
中間体12-1の調製と同様の方法を用いて、2-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]酢酸から、明黄色の油状物として標題化合物を調製した。MS (ES+) m/z: 293.1 [(M-H)
+]。
【0083】
中間体12-5:
6-クロロ-2-(3,4-ジフルオロフェニル)ヘキサン酸
【化30】
中間体12-1の調製と同様の方法を用いて、2-(3,4-ジフルオロフェニル)酢酸から、明黄色の油状物として標題化合物を調製した。MS (ES+) m/z: 261.8 [(M-H)
+]。
【0084】
一般手順1:ブッフバルトカップリング反応
1,4-ジオキサン中の中間体7の溶液に、中間体8又は市販されているtert-ブチル(1R,5S)-8-アミノ-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-カルボキシラート 1.1当量を添加した。反応混合物を脱気し、そして、パラジウム触媒[2-ジ-tert-ブチルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル CAS 564483-19-8の存在下における、ジブロモ-ビス-(トリtert.-ブチル)-ホスフィン-パラジウム(0.1当量、CAS 185812-86-6)又はトリ(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)CAS 51364-51-3のいずれか]及びNaOtBu(2.1当量)を添加した。反応が完了するまで(通常2~8時間)、反応混合物を100℃で加熱し、そして、真空下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー又は逆相分取HPLCのいずれかによって精製を実施して、所望の生成物を与えた。
【0085】
実施例1
N-[(1R,5S,8S)-3-[2-(トリフルオロメチル)-4-ピリジル]-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
【化31】
【0086】
工程1:(1R,5S,8S)-8-イソチオシアナト-3-[2-(トリフルオロメチル)-4-ピリジル]-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン
【化32】
【0087】
CH2Cl2(3.5mL)中(1R,5S,8S)-3-[2-(トリフルオロメチル)-4-ピリジル]-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-アミン(中間体8-5)(250mg、0.92mmol)の溶液に、1-(2-オキソピリジン-1-カルボチオイル)ピリジン-2-オン及びNEt(iPr)2(0.16mL、0.92mmol)を添加した。反応混合物をRTで一晩撹拌し、真空下で濃縮し、そして、カラムクロマトグラフィー(SiO2、ヘプタン/EtOAc)によって、黄色の固体として(1R,5S,8S)-8-イソチオシアナト-3-[2-(トリフルオロメチル)-4-ピリジル]-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン 240mg(83%)を与えた。MS (ES+) m/z: 314.2 [(M+H)+]。
【0088】
工程2:[(1R,5S,8S)-3-[2-(トリフルオロメチル)-4-ピリジル]-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]チオウレア
【化33】
MeOH(2.1mL、15.1mmol)中7N アンモニアの溶液に、(1R,5S,8S)-8-イソチオシアナト-3-[2-(トリフルオロメチル)-4-ピリジル]-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン(237mg、0.75mmol)を添加した。反応混合物をRTで1時間撹拌した。新たに形成された沈殿物を濾過によって回収し、そして、冷MeOHで洗浄し、そして、真空下で乾燥させて、白色の固体として[(1R,5S,8S)-3-[2-(トリフルオロメチル)-4-ピリジル]-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]チオウレア 200mg(80%)を与えた。MS (ES+) m/z: 331.2 [(M+H)
+]。
【0089】
工程3:2-メチル-3-[(1R,5S,8S)-3-[2-(トリフルオロメチル)-4-ピリジル]-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]イソチオウレアヨウ化水素酸塩
【化34】
封管内において、EtOH(2mL)中[(1R,5S,8S)-3-[2-(トリフルオロメチル)-4-ピリジル]-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]チオウレア(196mg、0.59mmol)の溶液に、MeI(40μL、0.65mmol)を添加した。反応混合物を80℃で3時間加熱した。反応混合物を真空下で濃縮し、そして、得られた固体をEt
2O中で粉砕し、濾過によって生成物を回収し、そして、真空下で乾燥させて、白色の固体として2-メチル-3-[(1R,5S,8S)-3-[2-(トリフルオロメチル)-4-ピリジル]-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]イソチオウレアヨウ化水素酸塩 246mg(88%)を与えた。MS (ES+) m/z: 345.2 [(M+H)
+]。
【0090】
工程4:6-クロロ-N-[(Z)-C-メチルスルファニル-N-[(1R,5S,8S)-3-[2-(トリフルオロメチル)-4-ピリジル]-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]カルボンイミドイル]-2-(2,3,4-トリフルオロフェニル)ヘキサンアミド
【化35】
DMF(2mL)中2-メチル-3-[(1R,5S,8S)-3-[2-(トリフルオロメチル)-4-ピリジル]-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]イソチオウレアヨウ化水素酸塩(136mg、0.29mmol)の溶液に、6-クロロ-2-(2,3,4-トリフルオロフェニル)ヘキサン酸(100mg、0.29mmol)、HOBt(133mg、0.86mmol)、EDC.HCl(166mg、0.86mmol)及びNEt(iPr)
2(0.40mL、2.31mmol)を添加した。反応混合物をRTで5時間撹拌し、次いで、水に注いだ。生成物をEtOAcで3回抽出し、そして、合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO
2、ヘプタン/EtOAc)によって、明黄色の油状物として6-クロロ-N-[(Z)-C-メチルスルファニル-N-[(1R,5S,8S)-3-[2-(トリフルオロメチル)-4-ピリジル]-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]カルボンイミドイル]-2-(2,3,4-トリフルオロフェニル)ヘキサンアミド 175mg(54%)を与えた。MS (ES+) m/z: 607.3 [(M+H)
+]。
【0091】
工程5:(1S,5R,8S)-N-[5-[5-クロロ-1-(2,3,4-トリフルオロフェニル)ペンチル]-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]-3-[2-(トリフルオロメチル)-4-ピリジル]-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-アミン
【化36】
DMF(1mL)中6-クロロ-N-[(Z)-C-メチルスルファニル-N-[(1R,5S,8S)-3-[2-(トリフルオロメチル)-4-ピリジル]-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]カルボンイミドイル]-2-(2,3,4-トリフルオロフェニル)ヘキサンアミド(95mg、0.15mmol)の溶液に、THF中1M ヒドラジン(2mL、2mmol)を添加した。反応混合物をRTで6時間撹拌し、そして、真空下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO
2、CH
2Cl
2/MeOH)によって、白色の固体として(1S,5R,8S)-N-[5-[5-クロロ-1-(2,3,4-トリフルオロフェニル)ペンチル]-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]-3-[2-(トリフルオロメチル)-4-ピリジル]-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-アミン 10mg(11%)を与えた。MS (ES+) m/z: 573.3 [(M+H)
+]。
【0092】
工程6:N-[(1R,5S,8S)-3-[2-(トリフルオロメチル)-4-ピリジル]-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
【化37】
DMF(2mL)中(1S,5R,8S)-N-[5-[5-クロロ-1-(2,3,4-トリフルオロフェニル)ペンチル]-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]-3-[2-(トリフルオロメチル)-4-ピリジル]-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-アミン(26mg、0.045mmol)の溶液に、K
2CO
3(25mg、0.18mmol)及びKI(15mg、0.090mmol)を添加した。反応混合物を70℃で2時間加熱し、そして、真空下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO
2、CH
2Cl
2/MeOH)によって、白色の固体としてN-[(1R,5S,8S)-3-[2-(トリフルオロメチル)-4-ピリジル]-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン 9mg(37%)を与えた。MS (ES+) m/z: 536.2 [(M+H)
+]。
【0093】
実施例2
9-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-N-[(1R,5S,8S)-3-[2-(トリフルオロメチル)-4-ピリジル]-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
【化38】
実施例1の調製と同様に、中間体8-5及び12-2を用いて、白色の固体として標題化合物 3mgを調製した。MS (ES+) m/z: 551.3 [(M+H)
+]。
【0094】
実施例3
N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
【化39】
実施例1の調製と同様に、中間体8-1及び12-2を用いて、白色の固体として標題化合物 20mgを調製した。MS (ES+) m/z: 498.3 [(M+H)
+]。
【0095】
実施例4及び5
(9S)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
及び
(9R)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
【化40】
Reprosil Chiral NRにおけるラセミ型N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン(実施例3)のキラルHPLC分離によって、白色の固体として標題化合物を生成した。40mg、MS (ES+) m/z: 498.1 [(M+H)
+]及び43mg、MS (ES+) m/z: 498.1 [(M+H)
+]。
【0096】
実施例6
9-(4-クロロフェニル)-N-[(1R,5S,8S)-3-[2-(トリフルオロメチル)-4-ピリジル]-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
【化41】
実施例1の調製と同様に、中間体8-5及び12-3を用いて、白色の固体として標題化合物 35mgを調製した。MS (ES+) m/z: 517.3 [(M+H)
+]。
【0097】
実施例7
9-(4-クロロフェニル)-N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
【化42】
実施例1の調製と同様に、中間体8-1及び12-3を用いて、白色の固体として標題化合物 19mgを調製した。MS (ES+) m/z: 464.2 [(M+H)
+]。
【0098】
実施例8及び9
(9S)-9-(4-クロロフェニル)-N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
及び
(9R)-9-(4-クロロフェニル)-N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
【化43】
Reprosil Chiral NRにおけるラセミ型9-(4-クロロフェニル)-N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン(実施例7)のキラルHPLC分離によって、白色の固体として標題化合物を生成した。8mg、MS (ES+) m/z: 464.2 [(M+H)
+]及び8mg、MS (ES+) m/z: 464.2 [(M+H)
+]。
【0099】
実施例10
9-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-N-[(1R,5S,8S)-3-[2-(トリフルオロメチル)-4-ピリジル]-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
【化44】
実施例1の調製と同様に、中間体8-5及び12-4を用いて、無色の油状物として標題化合物 19mgを調製した。MS (ES+) m/z: 551.3 [(M+H)
+]。
【0100】
実施例11
N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
【化45】
実施例1の調製と同様に、中間体8-1及び12-4を用いて、白色の固体として標題化合物 55mgを調製した。MS (ES+) m/z: 498.3 [(M+H)
+]。
【0101】
実施例12及び13
(9S)-N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
及び
(9R)-N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
【化46】
Reprosil Chiral NRにおけるラセミ型N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン(実施例11)のキラルHPLC分離によって、白色の固体として標題化合物を生成した。24mg、MS (ES+) m/z: 498.3 [(M+H)
+]及び25mg、MS (ES+) m/z: 498.3 [(M+H)
+]。
【0102】
実施例14
N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
【化47】
実施例1の調製と同様に、中間体8-1及び12-1を用いて、白色の固体として標題化合物 34mgを調製した。MS (ES+) m/z: 484.2 [(M+H)
+]。
【0103】
実施例15及び16
(9S)-N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
及び
(9R)-N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
【化48】
Reprosil Chiral NRにおけるラセミ型N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン(実施例14)のキラルHPLC分離によって、白色の固体として標題化合物を生成した。20mg、MS (ES+) m/z: 484.2 [(M+H)
+]及び25mg、MS (ES+) m/z: 484.2 [(M+H)
+]。
【0104】
実施例17
N-[(1R,5S,8S)-3-(6-クロロピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
【化49】
実施例1の調製と同様に、中間体8-3及び12-1を用いて、白色の固体として標題化合物 37mgを調製した。MS (ES+) m/z: 504.2 [(M+H)
+]。
【0105】
実施例18及び19
(9S)-N-[(1R,5S,8S)-3-(6-クロロピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
及び
(9R)-N-[(1R,5S,8S)-3-(6-クロロピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
【化50】
Reprosil Chiral NRにおけるラセミ型N-[(1R,5S,8S)-3-(6-クロロピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン(実施例17)のキラルHPLC分離によって、白色の固体として標題化合物を生成した。30mg、MS (ES+) m/z: 504.2 [(M+H)
+]及び32mg、MS (ES+) m/z: 504.2 [(M+H)
+]。
【0106】
実施例20
N-[(1R,5S,8S)-3-(2-メトキシ-4-ピリジル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
【化51】
実施例1の調製と同様に、中間体8-6及び12-1を用いて、白色の固体として標題化合物 25mgを調製した。MS (ES+) m/z: 499.3 [(M+H)
+]。
【0107】
実施例21
N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メトキシピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
【化52】
【0108】
工程1:Tert-ブチル (1R,5S,8S)-8-[[9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-イル]アミノ]-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-カルボキシラート
【化53】
実施例1の調製と同様に、市販されているtert-ブチル (1R,5S,8S)-8-アミノ-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-カルボキシラート及び中間体12-1を用いて、白色の固体としてtert-ブチル (1R,5S,8S)-8-[[9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-イル]アミノ]-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-カルボキシラート 404mgを調製した。MS (ES+) m/z: 492.3 [(M+H)
+]。
【0109】
工程2:N-[(1R,5S,8S)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
【化54】
CH
2Cl
2(4mL)中tert-ブチル (1R,5S,8S)-8-[[9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-イル]アミノ]-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-カルボキシラート(400mg、0.81mmol)の撹拌溶液に、TFA(0.50mL、6.5mmol)を添加した。反応混合物をRTで6時間撹拌し、次いで、真空下で蒸発乾固した。残留物をCH
2Cl
2に溶解させ、次いで、NaHCO
3水溶液で洗浄した。有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮して、明黄色の固体としてN-[(1R,5S,8S)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン 320mg(89%)を与えた。MS (ES+) m/z: 392.3 [(M+H)
+]。
【0110】
工程3:N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メトキシピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
【化55】
NMP(2mL)中N-[(1R,5S,8S)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン(35mg、0.089mmol)の撹拌溶液に、4-クロロ-6-メトキシ-ピリミジン(12.5mg、0.089mmol)及びNEt(iPr)
2(0.047mL、0.268mmol)を添加した。反応混合物を100℃で1時間加熱し、次いで、真空下で蒸発させた。分取HPLCによって精製して、白色の固体としてN-[(1R,5S,8S)-3-(6-メトキシピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン 16mg(36%)を与えた。MS (ES+) m/z: 500.4 [(M+H)
+]。
【0111】
実施例22
N-[(1R,5S,8S)-3-(5-フルオロ-6-メチル-ピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
【化56】
実施例21、工程3と同様に、N-[(1R,5S,8S)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン及び4-クロロ-5-フルオロ-6-メチル-ピリミジンから、白色の固体として標題生成物 20mgを調製した。MS (ES+) m/z: 502.4 [(M+H)
+]。
【0112】
実施例23
N-[(1R,5S,8S)-3-(6-クロロピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
【化57】
実施例21、工程3と同様に、N-[(1R,5S,8S)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン及び3,5-ジクロロピリダジンから、白色の固体として標題生成物 12mgを調製した。MS (ES+) m/z: 504.2 [(M+H)
+]。
【0113】
実施例24及び25
(9S)-N-[(1R,5S,8S)-3-(6-クロロピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
及び
(9R)-N-[(1R,5S,8S)-3-(6-クロロピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
【化58】
Reprosil Chiral NRにおけるラセミ型N-[(1R,5S,8S)-3-(6-クロロピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン(実施例23)のキラルHPLC分離によって、白色の固体として標題化合物を生成した。5mg、MS (ES+) m/z: 504.2 [(M+H)
+]及び6mg、MS (ES+) m/z: 504.2 [(M+H)
+]。
【0114】
実施例26
N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メチルピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
【化59】
実施例21、工程3と同様に、N-[(1R,5S,8S)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン及び5-クロロ-3-メチル-ピリダジンから、白色の固体として標題生成物 10mgを調製した。MS (ES+) m/z: 484.2 [(M+H)
+]。
【0115】
実施例27及び28
(9S)-N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メチルピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
及び
(9R)-N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メチルピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
【化60】
Reprosil Chiral NRにおけるラセミ型N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メチルピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン(実施例26)のキラルHPLC分離によって、白色の固体として標題化合物を生成した。4mg、MS (ES+) m/z: 484.2 [(M+H)
+]及び4mg、MS (ES+) m/z: 484.2 [(M+H)
+]。
【0116】
実施例29
N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
【化61】
MeOH(1mL)中N-[(1R,5S,8S)-3-(6-クロロピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン(実施例23)(10mg、0.019mmol)の撹拌溶液に、NaOMe(MeOH中25%固形分(sol.)、23μL、0.10mmol)を添加した。反応物を120℃で5時間撹拌し、真空下で濃縮し、そして、分取HPLCによって精製して、白色の固体として標題生成物(7mg、66%)を与えた。MS (ES+) m/z: 500.2 [(M+H)
+]。
【0117】
実施例30及び31
(9S)-N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
及び
(9R)-N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
【化62】
Reprosil Chiral NRにおけるラセミ型N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン(実施例29)のキラルHPLC分離によって、白色の固体として標題化合物を生成した。5mg、MS (ES+) m/z: 500.2 [(M+H)
+]及び6mg、MS (ES+) m/z: 500.2 [(M+H)
+]。
【0118】
実施例32
N-[(1R,5S,8S)-3-(6-クロロピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
【化63】
【0119】
工程1:メチル 6-テトラヒドロピラン-2-イルオキシ-2-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]ヘキサノアート
【化64】
0℃のDMF(45mL)中メチル 2-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]アセタート(6.33g、29mmol)の撹拌溶液に、NaH(60%、1.28g、31.9mmol)を添加した。反応混合物を1時間撹拌し、次いで、同様に0℃のDMF(45mL)中2-(4-ブロモブトキシ)テトラヒドロピラン(6.88g、29mmol)の溶液に1滴ずつカニューレで添加した。反応物をRTで1時間更に撹拌し、そして、NH
4Clの飽和水溶液に注いだ。生成物をEtOAcで抽出し、合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO
2、ヘプタン/EtOAc)によって、明黄色の油状物としてメチル 6-テトラヒドロピラン-2-イルオキシ-2-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]ヘキサノアート 7.82g(72%)を与えた。
【0120】
工程2:6-テトラヒドロピラン-2-イルオキシ-2-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]ヘキサンヒドラジド
【化65】
MeOH(70mL)中メチル 6-テトラヒドロピラン-2-イルオキシ-2-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]ヘキサノアート(7.82g、20.9mmol)の撹拌溶液に、ヒドラジン水和物(16.9mL、272mmol)を添加した。反応混合物を80℃で17時間撹拌し、そして、真空下で濃縮した。残留物を水で希釈し、そして、生成物をEtOAcで抽出した。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮して、無色の油状物として6-テトラヒドロピラン-2-イルオキシ-2-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]ヘキサンヒドラジド 7.81g(99%)を与えた。MS (ES+) m/z: 375.2 [(M+H)
+]。
【0121】
工程3:5-[5-テトラヒドロピラン-2-イルオキシ-1-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]ペンチル]-4H-1,2,4-トリアゾール-3-アミン
【化66】
密封した反応器において、6-テトラヒドロピラン-2-イルオキシ-2-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]ヘキサンヒドラジド(7.82g、20.9mmol)を2-プロパノール(55mL)に溶解させた。Et
3N(8.7mL、62.7mmol)及び2-メチル-2-チオシュード尿素硫酸塩(2.91g、10.4mmol)を添加し、そして、反応混合物を130℃で一晩加熱した。次いで、反応混合物をRTに冷却し、真空下で濃縮し、そして、残留物をCH
2Cl
2で希釈し、次いで、ブラインで洗浄した。有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、真空下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO
2、CH
2Cl
2/MeOH)によって、白色の泡状物として5-[5-テトラヒドロピラン-2-イルオキシ-1-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]ペンチル]-4H-1,2,4-トリアゾール-3-アミン(4.89g、59%)を与えた。MS (ES+) m/z: 399.3 [(M+H)
+]。
【0122】
工程4:5-(5-ブロモ-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-5-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]ペンタン-1-オール
【化67】
60℃のCH
3CN(40mL)中の亜硝酸tert-ブチル(2.11g、2.43mL、18.4mmol)及び臭化第二銅(4.11g、18.4mmol)の黒色の溶液に、5-[5-テトラヒドロピラン-2-イルオキシ-1-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]ペンチル]-4H-1,2,4-トリアゾール-3-アミン(4.89g、12.3mmol)を少しずつ添加した。次いで、反応混合物を75℃で1時間加熱し、そして、RTに冷却した。 2N HCl(3mL)を添加し、そして、撹拌を30分間継続した。反応混合物を真空下で濃縮し、そして、残留物をEtOAcで希釈し、そして、水で洗浄した。有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、真空下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO
2、ヘプタン/EtOAc)によって、黄色の泡状物として5-(5-ブロモ-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-5-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]ペンタン-1-オール 2.7g(38%)を与えた。MS (ES+) m/z: 378.1 [(M+H)
+]。
【0123】
工程5:2-ブロモ-9-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン
【化68】
-10℃のTHF(25mL)中5-(5-ブロモ-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-5-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]ペンタン-1-オール(1.31g、2.25mmol)及びトリフェニルホスフィン(0.866g、3.38mmol)の溶液に、DEAD(0.53mL、3.38mmol)を添加した。反応混合物をこの温度で30分間更に撹拌し、次いで、水に注いだ。生成物をEtOAcで抽出し、そして、合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO
2、ヘプタン/EtOAc)によって、白色の固体として2-ブロモ-9-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン 0.51g(63%)を与えた。MS (ES+) m/z: 360.0 [(M+H)
+]。
【0124】
工程6:N-[(1R,5S,8S)-3-(6-クロロピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
【化69】
一般的なブッフバルト手順1を用いて、2-ブロモ-9-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン(99mg、0.41mmol)及び(1R,5S,8S)-3-(6-クロロピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-アミン(中間体8-7)から、明黄色の固体として標題生成物 53mg(37%)を調製した。MS (ES+) m/z: 518.2 [(M+H)
+]。
【0125】
実施例33及び34
(9S)-N-[(1R,5S,8S)-3-(6-クロロピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
及び
(9R)-N-[(1R,5S,8S)-3-(6-クロロピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
【化70】
Reprosil Chiral NRにおけるラセミ型N-[(1R,5S,8S)-3-(6-クロロピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン(実施例32)のキラルHPLC分離によって、白色の固体として標題化合物を生成した。15mg、MS (ES+) m/z: 518.2 [(M+H)
+]及び15mg、MS (ES+) m/z: 518.2 [(M+H)
+]。
【0126】
実施例35
N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
【化71】
一般的なブッフバルト手順1を用いて、2-ブロモ-9-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン(実施例32に記載、工程5)及び(1R,5S,8S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-アミン(中間体8-8)から、白色の固体として標題生成物 87mgを調製した。MS (ES+) m/z: 514.3 [(M+H)
+]。
【0127】
実施例36及び37
(9S)-N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
及び
(9R)-N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
【化72】
Reprosil Chiral NRにおけるラセミ型N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン(実施例35)のキラルHPLC分離によって、白色の固体として標題化合物を生成した。20mg、MS (ES+) m/z: 514.3 [(M+H)
+]及び21mg、MS (ES+) m/z: 514.3 [(M+H)
+]。
【0128】
実施例38
N-[(1R,5S,8S)-3-(2-メトキシ-4-ピリジル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
【化73】
一般的なブッフバルト手順1を用いて、2-ブロモ-9-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン(実施例32に記載、工程5)及び(1R,5S,8S)-3-(2-メトキシ-4-ピリジル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-アミン(中間体8-6)から、白色の固体として標題生成物 50mgを調製した。MS (ES+) m/z: 513.2 [(M+H)
+]。
【0129】
実施例39及び40
(9S)-N-[(1R,5S,8S)-3-(2-メトキシ-4-ピリジル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
及び
(9R)-N-[(1R,5S,8S)-3-(2-メトキシ-4-ピリジル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
【化74】
Reprosil Chiral NRにおけるラセミ型N-[(1R,5S,8S)-3-(2-メトキシ-4-ピリジル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン(実施例38)のキラルHPLC分離によって、白色の固体として標題化合物を生成した。14mg、MS (ES+) m/z: 513.2 [(M+H)
+]及び14mg、MS (ES+) m/z: 513.2 [(M+H)
+]。
【0130】
実施例41
9-(3,4-ジフルオロフェニル)-N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
【化75】
実施例32と同様に、メチル 2-(3,4-ジフルオロフェニル)アセタート及び(1R,5S,8S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-アミン(中間体8-1)から、白色の固体として標題生成物 26mgを調製した。MS (ES+) m/z: 466.3 [(M+H)
+]。
【0131】
実施例42及び43
(9S)-9-(3,4-ジフルオロフェニル)-N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
及び
(9R)-9-(3,4-ジフルオロフェニル)-N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン
【化76】
Reprosil Chiral NRにおけるラセミ型9-(3,4-ジフルオロフェニル)-N-[(1R,5S,8S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]アゼピン-2-アミン(実施例41)のキラルHPLC分離によって、白色の固体として標題化合物を生成した。8mg、MS (ES+) m/z: 466.3 [(M+H)
+]及び7mg、MS (ES+) m/z: 466.3 [(M+H)
+]。