(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-25
(45)【発行日】2022-08-02
(54)【発明の名称】データオブジェクト情報処理方法、機器、及びシステム
(51)【国際特許分類】
B65G 1/137 20060101AFI20220726BHJP
G06Q 30/06 20120101ALI20220726BHJP
B65G 47/48 20060101ALI20220726BHJP
B65G 47/46 20060101ALI20220726BHJP
【FI】
B65G1/137 A
G06Q30/06
B65G47/48
B65G47/46 H
(21)【出願番号】P 2019538487
(86)(22)【出願日】2018-01-10
(86)【国際出願番号】 CN2018072040
(87)【国際公開番号】W WO2018133714
(87)【国際公開日】2018-07-26
【審査請求日】2021-01-08
(31)【優先権主張番号】201710047501.9
(32)【優先日】2017-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511050697
【氏名又は名称】アリババ グループ ホウルディング リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ワン,シュイミン
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-058860(JP,A)
【文献】特開2003-171001(JP,A)
【文献】特開2002-249209(JP,A)
【文献】特開2001-253515(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/137
G06Q 30/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
データオブジェクト情報処理システムであって、
事前設定の規則に従って、条件を満たす複数の注文を同じウェーブに結合するように構成された注文処理サブシステムと、
対応する品物が位置する
複数の第1の作業領域に従って、前記同じウェーブの前記
複数の注文に含まれるデータオブジェクトを分類し、その分類結果に従って、複数の第1の作業タスクを生成し、且つそれらを対応する第1の作業実行サブシステムに割り当てるように構成された第1の作業タスク生成サブシステムと、
現在の第1の作業タスクが完了されたこと及び第1の作業容器が吊りチェーンから吊り下げられたことを示すメッセージが受信された後で、前記現在の第1の作業タスクのタスク識別子、及び前記現在の第1の作業タスクが属する前記ウェーブのウェーブ識別子を吊りチェーン搬送サブシステムに通知するように構成された前記第1の作業実行サブシステムであって、前記現在の第1の作業タスクに対応する品物が前記第1の作業容器に含まれる、第1の作業実行サブシステムと、
前記複数の第1の作業領域及び複数の第2の作業領域を含む
領域に配置される前記吊りチェーン搬送サブシステムであって、前記吊りチェーン搬送サブシステムが、制御コンポーネント及び搬送軌道を含み、前記搬送軌道が、前記第1の作業領域及び前記第2の作業領域を接続するように構成され、前記制御コンポーネントが、通知メッセージが前記第1の作業実行サブシステムから受信された後で、前記ウェーブ識別子に従って第2の作業領域を割り当てるように構成され、前記同じウェーブの前記
複数の第1の作業タスクが、同じ前記第2の作業領域に対応し、搬送命令が、前記対応する第2の作業領域に前記第1の作業容器を搬送するために、前記割り当て結果に従って前記搬送軌道に送信される、吊りチェーン搬送サブシステムと、
を含
み、
前記第1の作業容器の外面に、グラフィックコードが設けられ、
前記第1の作業実行サブシステムが、容器識別子を取得するためにグラフィックコードを走査して識別し、前記ウェーブ識別子と、前記第1の作業タスクの前記タスク識別子と、前記容器識別子との間の対応関係を確立し、且つ前記吊りチェーン搬送サブシステムに前記対応関係を提供するように更に構成され、
前記吊りチェーン搬送サブシステムの前記制御コンポーネントが、前記ウェーブ識別子に従って前記第2の作業領域を割り当てた後で、前記ウェーブ識別子と、前記第1の作業タスクの前記タスク識別子と、前記容器識別子と、前記第2の作業領域との間の対応関係を格納し、
前記搬送軌道が、幹線、複数の第1のブランチ、及び複数の第2のブランチを含み、各第1のブランチの1つの端部が、前記第1の作業領域の1つに位置し、もう一方の端部が、前記幹線に接続され、各第2のブランチの1つの端部が、前記第2の作業領域の1つに位置し、もう一方の端部が、前記幹線に接続され、
前記吊りチェーン搬送サブシステムが、前記幹線及び各第2のブランチの連結点に位置するコード走査装置であって、その走査範囲に入る第1の作業容器の前記外面上のグラフィックコードを走査し、前記容器識別子を識別し、且つそれを前記制御コンポーネントに提供するように構成されるコード走査装置を更に含み、
前記制御コンポーネントが、前記識別された容器識別子に従って、前記容器識別子に対応する前記第2の作業領域を決定し、且つ制御命令を前記搬送軌道に送信し、
前記搬送軌道が、前記第2の作業領域に対応する第2のブランチに前記容器を移送する、
データオブジェクト情報処理システム。
【請求項2】
第2の作業実行サブシステムを更に含み、
前記吊りチェーン搬送サブシステムが、前記ウェーブ識別子と第2の作業領域の識別子との間の対応関係を前記第2の作業実行サブシステムに提供するように更に構成され、
前記第2の作業実行サブシステムが、前記ウェーブ識別子に従って、第2の作業タスクを生成し、且つ前記第2の作業領域の識別子の
情報を提供するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
第2の作業実行サブシステムを更に含み、
前記吊りチェーン搬送サブシステムにおける前記制御コンポーネントが、前記ウェーブ識別子と、前記第1の作業タスクの前記
タスク識別子と、前記容器識別子と、前記第2の作業領域との間の前記対応関係を前記第2の作業実行サブシステムに提供するように更に構成され、
前記第2の作業実行サブシステムが、前記ウェーブにおける前記第1の作業タスクの完了を確認するために、前記第2の作業領域に搬送された前記第1の作業容器の前記グラフィックコードを走査し、且つその走査結果に従って、前記対応するウェーブ識別子及び前記第1の作業タスクの前記
タスク識別子を判定するように構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記第2の作業実行サブシステムが、前記同じウェーブにおける前記
複数の第1の作業タスクの完了が確認された後で、外部への配送情報を生成するように更に構成される、
請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
例外管理サブシステム及
び第2の作業実行サブシステムを更に含み、
前記吊りチェーン搬送サブシステムにおける前記制御コンポーネントが、前記ウェーブ識別子に従って前記第2の作業領域を割り当てた後で、前記ウェーブ識別子と、前記第1の作業タスクの前記
タスク識別子と、前記容器識別子と、前記第2の作業領域との間の前記対応関係を記憶用に前記例外管理サブシステムに提供するように更に構成され、
前記第2の作業実行サブシステムが、ウェーブにおけるターゲットの第1の作業タスクに対応する第1の作業容器が、事前設定の時間内に前記第2の作業領域に搬送されない場合に、例外用の問い合わせ要求を前記例外管理サブシステムに送信するよう
に構成され、
前記例外管理サブシステムが、前記例外用の前記問い合わせ要求が受信された場合に、前記格納された割り当て結果に従って問い合わせ結果を提供するように構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記例外管理サブシステムが、前記ターゲットの第1の作業タスクに対応する前記第2の作業領域の割り当て情報が、前記割り当て結果に存在しない場合に、前記第1の作業タスクが完了されなかったという
情報を問い合わせ結果に与えるように特に構成される、
請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記例外管理サブシステムが、前記ターゲットの第1の作業タスクに対応する前記第2の作業領域の割り当て情報が、前記割り当て結果に存在するが、当該第2の作業領域が、前記ターゲットの第1の作業タスクが属する前記ウェーブにおける他の第1の作業タスクに対応する前記第2の作業領域とは異なる場合に、前記問い合わせ結果において、前記ターゲットの第1の作業タスクに対応する前記第2の作業領域を提供するように特に構成される、
請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
データオブジェクト情報処理方法であって、
第1の作業タスク生成サブシステムが、作業保留のウェーブ情報を受信することであって、事前設定の条件を満たす複数の注文が、同じウェーブに結合されることと、
対応する品物が位置する
複数の第1の作業領域に従って、前記同じウェーブの前記
複数の注文に含まれるデータオブジェクトを分類することと、
その分類結果に従って複数の第1の作業タスクを生成することと、それらを対応する第1の作業実行サブシステムに割り当てることと、前記第1の作業タスクが完了されたこと及び第1の作業容器が吊りチェーンから吊り下げられたことを示すメッセージが受信された後で、現在の第1の作業タスクのタスク識別子、及び現在の第1の作業タスクが属する前記ウェーブのウェーブ識別子を前記第1の作業実行サブシステムによって吊りチェーン搬送サブシステムに通知することと、前記同じウェーブの前記
複数の第1の作業タスクに対応する第1の作業容器を同じ第2の作業領域に前記吊りチェーン搬送サブシステムによって搬送することとであって、前記吊りチェーン搬送サブシステムが、複数の第1の作業領域及び複数の第2の作業領域を含む
領域に配置され、前記吊りチェーン搬送サブシステムが、制御コンポーネントと、前記
複数の第1の作業領域及び前記
複数の第2の作業領域を接続するように構成された搬送軌道と、を含むことと、
を含
み、
前記第1の作業容器の外面に、グラフィックコードが設けられ、
前記データオブジェクト情報処理方法は、
前記第1の作業実行サブシステムが、容器識別子を取得するためにグラフィックコードを走査して識別し、前記ウェーブ識別子と、前記第1の作業タスクの前記タスク識別子と、前記容器識別子との間の対応関係を確立し、且つ前記吊りチェーン搬送サブシステムに前記対応関係を提供することと、
前記吊りチェーン搬送サブシステムの前記制御コンポーネントが、前記ウェーブ識別子に従って前記第2の作業領域を割り当てた後で、前記ウェーブ識別子と、前記第1の作業タスクの前記タスク識別子と、前記容器識別子と、前記第2の作業領域との間の対応関係を格納することと、
を含み、
前記搬送軌道が、幹線、複数の第1のブランチ、及び複数の第2のブランチを含み、各第1のブランチの1つの端部が、前記第1の作業領域の1つに位置し、もう一方の端部が、前記幹線に接続され、各第2のブランチの1つの端部が、前記第2の作業領域の1つに位置し、もう一方の端部が、前記幹線に接続され、
前記吊りチェーン搬送サブシステムが、前記幹線及び各第2のブランチの連結点に位置するコード走査装置を含み、
前記データオブジェクト情報処理方法は、
前記コード走査装置が、その走査範囲に入る第1の作業容器の前記外面上のグラフィックコードを走査し、前記容器識別子を識別し、且つそれを前記制御コンポーネントに提供することと、
前記制御コンポーネントが、前記識別された容器識別子に従って、前記容器識別子に対応する前記第2の作業領域を決定し、且つ制御命令を前記搬送軌道に送信することと、
前記搬送軌道が、前記第2の作業領域に対応する第2のブランチに前記容器を移送することと、
を含む
、データオブジェクト情報処理方法。
【請求項9】
データオブジェクト情報処理方法であって、
第1の作業実行サブシステムによって第1の作業タスクを受信することであって、前記第1の作業タスクが、同じウェーブから分解された複数の第1の作業タスクのうちの1つであり、前記同じウェーブが、条件を満たす複数の注文に対応することと、
前記第1の作業タスクが完了されたこと及び対応する第1の作業容器が吊りチェーンから吊り下げられたことを示すメッセージが受信された後で、前記第1の作業タスクのタスク識別子、及び前記第1の作業タスクが属する前記ウェーブのウェーブ識別子を吊りチェーン搬送サブシステムに通知することと、前記同じウェーブの前記
複数の第1の作業タスクに対応する第1の作業容器を同じ第2の作業領域に前記吊りチェーン搬送サブシステムによって搬送することとであって、前記吊りチェーン搬送サブシステムが、複数の第1の作業領域及び複数の第2の作業領域を含む
領域に配置され、前記吊りチェーン搬送サブシステムが、制御コンポーネントと、前記様々な第1の作業領域及び前記様々な第2の作業領域を接続するように構成された搬送軌道と、を含むことと、
を含
み、
前記第1の作業容器の外面に、グラフィックコードが設けられ、
前記データオブジェクト情報処理方法は、
前記第1の作業実行サブシステムが、容器識別子を取得するためにグラフィックコードを走査して識別し、前記ウェーブ識別子と、前記第1の作業タスクの前記タスク識別子と、前記容器識別子との間の対応関係を確立し、且つ前記吊りチェーン搬送サブシステムに前記対応関係を提供することと、
前記吊りチェーン搬送サブシステムの前記制御コンポーネントが、前記ウェーブ識別子に従って前記第2の作業領域を割り当てた後で、前記ウェーブ識別子と、前記第1の作業タスクの前記タスク識別子と、前記容器識別子と、前記第2の作業領域との間の対応関係を格納することと、
を含み、
前記搬送軌道が、幹線、複数の第1のブランチ、及び複数の第2のブランチを含み、各第1のブランチの1つの端部が、前記第1の作業領域の1つに位置し、もう一方の端部が、前記幹線に接続され、各第2のブランチの1つの端部が、前記第2の作業領域の1つに位置し、もう一方の端部が、前記幹線に接続され、
前記吊りチェーン搬送サブシステムが、前記幹線及び各第2のブランチの連結点に位置するコード走査装置を含み、
前記データオブジェクト情報処理方法は、
前記コード走査装置が、その走査範囲に入る第1の作業容器の前記外面上のグラフィックコードを走査し、前記容器識別子を識別し、且つそれを前記制御コンポーネントに提供することと、
前記制御コンポーネントが、前記識別された容器識別子に従って、前記容器識別子に対応する前記第2の作業領域を決定し、且つ制御命令を前記搬送軌道に送信することと、
前記搬送軌道が、前記第2の作業領域に対応する第2のブランチに前記容器を移送することと、
を含む
、データオブジェクト情報処理方法。
【請求項10】
データオブジェクト情報処理方法であって、
第1の作業実行サブシステムによって提供される、第1の作業タスクが完了されたこと及び第1の作業容器が搬送軌道から吊り下げられたことを示す通知メッセージを、吊りチェーン搬送サブシステムによって受信することであって、前記吊りチェーン搬送サブシステムが、複数の第1の作業領域及び複数の第2の作業領域を含む
領域に配置され、前記吊りチェーン搬送サブシステムが、制御コンポーネントと、前記
複数の第1の作業領域及び前記
複数の第2の作業領域を接続するように構成された前記搬送軌道と、を含むことと、
前記第1の作業タスクが属するウェーブの
ウェーブ識別子に従って、第2の作業領域を割り当てることであって、同じウェーブの前記
複数の第1の作業タスクが、同じ第2の作業領域に対応し、前記同じウェーブが、条件を満たす複数の注文に対応し、且つ複数の第1の作業タスクに分解されることと、
その割り当て結果に従って、搬送命令を前記搬送軌道に送信し、その結果、前記第1の作業容器が、前記対応する第2の作業領域に搬送されることと、
を含
み、
前記第1の作業容器の外面に、グラフィックコードが設けられ、
前記データオブジェクト情報処理方法は、
前記第1の作業実行サブシステムが、容器識別子を取得するためにグラフィックコードを走査して識別し、前記ウェーブ識別子と、前記第1の作業タスクのタスク識別子と、前記容器識別子との間の対応関係を確立し、且つ前記吊りチェーン搬送サブシステムに前記対応関係を提供することと、
前記吊りチェーン搬送サブシステムの前記制御コンポーネントが、前記ウェーブ識別子に従って前記第2の作業領域を割り当てた後で、前記ウェーブ識別子と、前記第1の作業タスクの前記タスク識別子と、前記容器識別子と、前記第2の作業領域との間の対応関係を格納することと、
を含み、
前記搬送軌道が、幹線、複数の第1のブランチ、及び複数の第2のブランチを含み、各第1のブランチの1つの端部が、前記第1の作業領域の1つに位置し、もう一方の端部が、前記幹線に接続され、各第2のブランチの1つの端部が、前記第2の作業領域の1つに位置し、もう一方の端部が、前記幹線に接続され、
前記吊りチェーン搬送サブシステムが、前記幹線及び各第2のブランチの連結点に位置するコード走査装置を含み、
前記データオブジェクト情報処理方法は、
前記コード走査装置が、その走査範囲に入る第1の作業容器の前記外面上のグラフィックコードを走査し、前記容器識別子を識別し、且つそれを前記制御コンポーネントに提供することと、
前記制御コンポーネントが、前記識別された容器識別子に従って、前記容器識別子に対応する前記第2の作業領域を決定し、且つ制御命令を前記搬送軌道に送信することと、
前記搬送軌道が、前記第2の作業領域に対応する第2のブランチに前記容器を移送することと、
を含む
、データオブジェクト情報処理方法。
【請求項11】
前記第1の作業タスクが属する前記ウェーブの前記
ウェーブ識別子に基づく第2の作業領域の前記割り当てが、
前記通知メッセージが受信された後で、前記通知メッセージに関係する前記第1の作業タスクが属する前記ウェーブの前記
ウェーブ識別子を決定することと、
第2の作業領域が、前記ウェーブ識別子用に割り当てられたかどうかを判断することと、
肯定の場合に、前記割り当て結果に従って、現在の第1の作業タスクに対応する前記第2の作業領域を決定することと、
そうでない場合に、前記ウェーブ
識別子用に前記第2の作業領域を割り当て、前記ウェーブ識別子と前記第2の作業領域の
識別子との間の対応関係を格納することと、
を含む、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ウェーブ識別子に従って、前記第2の作業領域を割り当てた後で、割り当て結果情報を記憶用に例外管理サブシステムに提供し、例外が発生した場合には、前記例外管理サブシステムによって前記例外の原因を問い合わせること
を更に含む、
請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2017年1月22日出願で、「データオブジェクト情報処理方法、機器、及びシステム(DATA OBJECT INFORMATION PROCESSING METHOD,APPARATUS,AND SYSTEM)」と題された中国特許出願第201710047501.9号に対して優先権を主張し、その特許出願は、その全体が参照により本明細書で援用される。
【0002】
技術分野
本出願は、データオブジェクト情報処理技術に関し、特にデータオブジェクト情報処理方法、機器、及びシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
背景技術
オンライン・ツー・オフライン(O2O)は、インターネットをオフライン取引用のプラットホームにするために、インターネットとオフラインビジネスチャンスを結合させることを意味する。サービス指向電子商取引方式のアップグレードで、商品(サービス)、注文、及び支払いプロセスが改善され、以前の単純な電子商取引モジュールは、より頻繁な生活指向のシナリオにシフトされた。従来のサービス産業が、常に低効率及び不十分な雇用吸収の状態だったので、新しい方式によって駆り立てられてO2Oブームが出現し、こうして食事の宅配(一般に「テイクアウト」と呼ばれる)、生鮮商品の宅配、戸別のメーキャップ及び他のO2O方式が、次々出現し始めている。
【0004】
ここで、生鮮商品対象に対応するオフラインストアは、「スーパーマーケット」と呼ばれてもよい。実際の用途において、スーパーマーケットは、複数の区画を設けられてもよく、それらは、例えば、果物区画、海産物区画などを含んでもよい。各区画における特定の品物は、前もって購入されてスーパーマーケットに入ってもよい。ファーストフード商品対象と異なり、生鮮商品対象は、通常、「食事ボックス」などの標準パッケージング用具に従って前もって包装することができない。例えば、商品がりんごである場合に、消費者は、注文を出す場合に、購入するキログラム数を指定してもよい。スーパーマーケットは、注文を受信した後で、通常、最初にりんごを計量し、それらを包装する必要がある。換言すれば、生鮮商品対象は、通常、注文が受信された後で、注文の明細に従って「処理される」。いわゆる「処理」は、品物の計量及び他の作業を含んでもよい。処理が完了した後で、商品対象は、包装され、配送を待つ。
【0005】
明らかなように、オンライン注文が受信された後で、生鮮商品などの商品に対するオフラインオーダーピッキング、パッケージング、配送及び他の作業を実行するには、通常、より多くの時間がかかり、配送の適時性を保証することは、難しいことが多い。従って、どのようにオフライン作業の効率を改善し、且つ配送の適時性を改善するかは、当業者によって解決される必要のある技術的問題になった。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の概要
データオブジェクト情報処理方法、機器、及びシステムが、本出願において提供され、それらは、第1及び第2の作業の効率を改善することができ、且つ配送の適時性をよりよく保証することができる。
【0007】
以下の解決法が、本出願において提供される。
【0008】
事前設定の規則に従って、条件を満たす複数の注文を同じウェーブに結合するように構成された注文処理サブシステムと、
対応する品物が位置する相異なる第1の作業領域に従って、同じウェーブの様々な注文に含まれるデータオブジェクトを分類し、その分類結果に従って、複数の第1の作業タスクを生成し、且つそれらを対応する第1の作業実行サブシステムに割り当てるように構成された第1の作業タスク生成サブシステムと、
現在の第1の作業タスクが完了されたこと及び第1の作業容器が吊りチェーンから吊り下げられたことを示すメッセージが受信された後で、現在の第1の作業タスクのタスク識別子、及び現在の第1の作業タスクが属するウェーブのウェーブ識別子を吊りチェーン搬送サブシステムに通知するように構成された第1の作業実行サブシステムであって、現在の第1の作業タスクに対応する品物が第1の作業容器に含まれる、第1の作業実行サブシステムと、
複数の第1の作業領域及び複数の第2の作業領域を含むオフラインストアに配置される吊りチェーン搬送サブシステムであって、吊りチェーン搬送サブシステムが、制御コンポーネント及び搬送軌道を含み、搬送軌道が、第1の作業領域及び第2の作業領域を接続するように構成され、制御コンポーネントが、通知メッセージが第1の作業実行サブシステムから受信された後で、ウェーブ識別子に従って第2の作業領域を割り当てるように構成され、同じウェーブの様々な第1の作業タスクが、同じ第2の作業領域に対応し、搬送命令が、対応する第2の作業領域に第1の作業容器を搬送するために、割り当て結果に従って搬送軌道に送られる、吊りチェーン搬送サブシステムと、
を含むデータオブジェクト情報処理システム。
【0009】
第1の作業タスク生成サブシステムが、作業保留のウェーブ情報を受信することであって、事前設定の条件を満たす複数の注文が同じウェーブに結合されることと、
対応する品物が位置する相異なる第1の作業領域に従って、同じウェーブの様々な注文に含まれるデータオブジェクトを分類することと、
分類結果に従って、複数の第1の作業タスクを生成することと、それらを対応する第1の作業実行サブシステムに割り当てることと、第1の作業タスクが完了されたこと及び第1の作業容器が吊りチェーンから吊り下げられたことを示すメッセージが受信された後で、現在の第1の作業タスクのタスク識別子、及び現在の第1の作業タスクが属するウェーブのウェーブ識別子を、第1の作業実行サブシステムによって吊りチェーン搬送サブシステムに通知することと、同じウェーブの様々な第1の作業タスクに対応する第1の作業容器を吊りチェーン搬送サブシステムによって同じ第2の作業領域に搬送することとであって、吊りチェーン搬送サブシステムが、複数の第1の作業領域及び複数の第2の作業領域を含むオフラインストアに配置され、吊りチェーン搬送サブシステムが、制御コンポーネントと、様々な第1の作業領域及び様々な第2の作業領域を接続するように構成された搬送軌道と、を含むことと、
を含むデータオブジェクト情報処理方法。
【0010】
第1の作業実行サブシステムによって、第1の作業タスクを受信することであって、第1の作業タスクが、同じウェーブから分解された複数の第1の作業タスクのうちの1つであり、同じウェーブが、条件を満たす複数の注文に対応することと、
第1の作業タスクが完了されたこと及び対応する第1の作業容器が吊りチェーンから吊り下げられたことを示すメッセージが受信された後で、第1の作業タスクのタスク識別子、及び第1の作業タスクが属するウェーブのウェーブ識別子を吊りチェーン搬送サブシステムに通知することと、同じウェーブの様々な第1の作業タスクに対応する第1の作業容器を吊りチェーン搬送サブシステムによって同じ第2の作業領域に搬送することであって、吊りチェーン搬送サブシステムが、複数の第1の作業領域及び複数の第2の作業領域を含むオフラインストアに配置され、吊りチェーン搬送サブシステムが、制御コンポーネントと、様々な第1の作業領域及び様々な第2の作業領域を接続するように構成された搬送軌道と、を含むことと、
を含むデータオブジェクト情報処理方法。
【0011】
第1の作業実行サブシステムによって提供される、第1の作業タスクが完了されたこと及び第1の作業容器が搬送軌道から吊り下げられたことを示す通知メッセージを吊りチェーン搬送サブシステムから受信することであって、吊りチェーン搬送サブシステムが、複数の第1の作業領域及び複数の第2の作業領域を含むオフラインストアに配置され、吊りチェーン搬送サブシステムが、制御コンポーネントと、様々な第1の作業領域及び様々な第2の作業領域を接続するように構成された搬送軌道と、を含むことと、
第1の作業タスクが属するウェーブの識別子に従って、第2の作業領域を割り当てることであって、同じウェーブの様々な第1の作業タスクが、同じ第2の作業領域に対応し、同じウェーブが、条件を満たす複数の注文に対応し、且つ複数の第1の作業タスクに分解されることと、
割り当て結果に従って、搬送命令を搬送軌道に送信し、その結果、第1の作業容器が、対応する第2の作業領域に搬送されることと、
を含むデータオブジェクト情報処理方法。
【0012】
第1の作業タスク生成サブシステムに適用されるデータオブジェクト情報処理機器であって、
作業保留のウェーブ情報を受信するように構成されたウェーブ情報受信ユニットであって、事前設定の条件を満たす複数の注文が同じウェーブに結合される、ウェーブ情報受信ユニットと、
対応する品物が位置する相異なる第1の作業領域に従って、同じウェーブの様々な注文に含まれるデータオブジェクトを分類するように構成された分類ユニットと、
その分類結果に従って、複数の第1の作業タスクを生成し、且つそれらを対応する第1の作業実行サブシステムに割り当てるように構成されたタスク生成ユニットであって、第1の作業タスクが完了されたこと及び第1の作業容器が吊りチェーンから吊り下げられたことを示すメッセージが受信された後で、第1の作業実行サブシステムが、現在の第1の作業タスクのタスク識別子、及び現在の第1の作業タスクが属するウェーブのウェーブ識別子を吊りチェーン搬送サブシステムに通知し、吊りチェーン搬送サブシステムが、同じウェーブの様々な第1の作業タスクに対応する第1の作業容器を同じ第2の作業領域に搬送し、吊りチェーン搬送サブシステムが、複数の第1の作業領域及び複数の第2の作業領域を含むオフラインストアに配置され、吊りチェーン搬送サブシステムが、制御コンポーネントと、様々な第1の作業領域及び様々な第2の作業領域を接続するように構成された搬送軌道とを含む、タスク生成ユニットと、
を含むデータオブジェクト情報処理機器。
【0013】
第1の作業実行サブシステムに適用されるデータオブジェクト情報処理機器であって、
第1の作業タスクを受信するように構成されたタスク受信ユニットであって、第1の作業タスクが、同じウェーブから分解された複数の第1の作業タスクのうちの1つであり、同じウェーブが、条件を満たす複数の注文に対応する、タスク受信ユニットと、
第1の作業タスクが完了されたこと及び対応する第1の作業容器が吊りチェーンから吊り下げられたことを示すメッセージが受信された後で、第1の作業タスクのタスク識別子、及び第1の作業タスクが属するウェーブのウェーブ識別子を吊りチェーン搬送サブシステムに通知するように構成された通知ユニットであって、吊りチェーン搬送サブシステムが、同じウェーブの様々な第1の作業タスクに対応する第1の作業容器を同じ第2の作業領域に搬送し、吊りチェーン搬送サブシステムが、複数の第1の作業領域及び複数の第2の作業領域を含むオフラインストアに配置され、吊りチェーン搬送サブシステムが、制御コンポーネントと、様々な第1の作業領域及び様々な第2の作業領域を接続するように構成された搬送軌道とを含む、通知ユニットと、
を含むデータオブジェクト情報処理機器。
【0014】
吊りチェーン搬送サブシステムに適用されるデータオブジェクト情報処理機器であって、
第1の作業実行サブシステムによって提供される、第1の作業タスクが完了されたこと及び第1の作業容器が搬送軌道から吊り下げられたことを示す通知メッセージを受信するように構成された通知メッセージ受信ユニットであって、吊りチェーン搬送サブシステムが、複数の第1の作業領域及び複数の第2の作業領域を含むオフラインストアに配置され、吊りチェーン搬送サブシステムが、制御コンポーネントと、様々な第1の作業領域及び様々な第2の作業領域を接続するように構成された搬送軌道とを含む、通知メッセージ受信ユニットと、
第1の作業タスクが属するウェーブの識別子に従って、第2の作業領域を割り当てるように構成された領域割り当てユニットであって、同じウェーブの様々な第1の作業タスクが、同じ第2の作業領域に対応し、同じウェーブが、条件を満たす複数の注文に対応し、且つ複数の第1の作業タスクに分解される、領域割り当てユニットと、
その割り当て結果に従って、搬送命令を搬送軌道に送信し、その結果、第1の作業容器が、対応する第2の作業領域に搬送されるように構成された搬送命令送信ユニットと、
を含むデータオブジェクト情報処理機器。
【0015】
本出願で提供される特定の実施形態に従って、以下の技術的効果が、本出願において開示される。
【0016】
本出願の実施形態を用いることによって、オフラインストアにおける第1の作業、搬送、及び第2の作業は、有機的に接続することができる。第1の作業から生成された容器は、吊りチェーンサブシステムによって第2の作業領域に自動的に搬送することができる。更に、同じウェーブの相異なる第1の作業タスクはまた、第1及び第2の作業の効率を改善するために、同じ第2の作業領域に集まってもよく、配送の適時性は、よりよく保証することができる。
【0017】
加えて、障害管理サブシステムが、本出願の実施形態において更に設けられ、それは、第1の作業タスクの状態、第2の作業領域の割り当てなどを追跡してもよい。ひとたびあるウェーブの幾つかの第1の作業タスクが、予定された第2の作業領域に時間通りに到達しなければ、障害管理サブシステムは、問い合わせを行ない、且つ例外の原因を突き止めるために利用され、このようにしてウェーブ全体の作業の停止を回避することができる。
【0018】
もちろん、本出願のいずれかの製品の実装形態は、前述で説明された全ての利点を必ずしも同時に達成する必要はない。
【0019】
図面の簡単な説明
本出願の実施形態における又は先行技術における技術的解決法をより明確に説明するために、実施形態の説明において用いられる添付の図面が、以下で簡単に導入される。以下で説明される添付の図面が、本出願の単に幾つかの実施形態であることが明白である。当業者は、創造的な労力なしに、これらの添付の図面に従って他の添付の図面を更に取得し得る。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本出願の実施形態によるソフトウェア及びハードウェアの概略アーキテクチャ図である。
【
図2】本出願の実施形態によるシステムの概略図である。
【
図3】本出願の実施形態による第1の方法の流れ図である。
【
図4】本出願の実施形態による第2の方法の流れ図である。
【
図5】本出願の実施形態による第3の方法の流れ図である。
【
図6】本出願の実施形態による第1の機器の概略図である。
【
図7】本出願の実施形態による第2の機器の概略図である。
【
図8】本出願の実施形態による第3の機器の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
詳細な説明
本出願の実施形態における技術的解決法は、本出願の実施形態における添付の図面に関連して、下記で明らかに且つ完全に説明される。説明される実施形態が、本出願の全ての実施形態ではなく、単に幾つかであることが明らかである。創造的な労力なしに、本出願における実施形態に基づいて、当業者によって取得された全ての他の実施形態は、本出願の保護範囲内に入るものとする。
【0022】
本出願の実施形態において、オーダーピッキング及び配送の効率を改善するために、吊りチェーン搬送システムが、オフラインストアに配置されてもよい。吊りチェーン搬送システムは、搬送軌道、吊りチェーン、及び他の自動搬送装置を含む。従って、注文の受信及び第1の作業(例えばオーダーピッキングと他の作業)の完了後に、それは、吊りチェーン及び搬送軌道によって、事前設定の第2の作業(例えばパッケージング及び他の作業)領域に搬送することができる。オフラインストアが、複数の第1の作業領域、即ち複数の「区画」を含む場合に、各「区画」は、集中型の第2の作業領域への搬送のための搬送軌道を設けることができる。各搬送軌道は、吊りチェーンを設けることができる。即ち、幾つかの吊りチェーンが存在してもよく、吊りチェーンのそれぞれは、第1の作業領域の位置に対応する搬送開始点と、第2の作業領域に対応する終了点を有する。第1の作業タスクが受け入れられた後で、対応する品物が、ある区画において計量などをされ、パッケージングバッグなどの事前設定の容器に入れられ、且つ吊りチェーンから吊り下げられる。その後、対応する搬送軌道は、対応する品物を含む容器を第2の作業領域に自動的に搬送してもよく、パッケージングなどの第2の作業は、第2の作業領域において実行することができ、配送者は、品物を配送することができる。従って、第1のオペレータは、品物を計量すること及び吊りチェーンに品物を吊り下げることなどの作業を実行する必要があるだけであり、第1の作業領域から第2の作業領域まで品物を送る必要はない。従って、作業効率は、改善することができる。
【0023】
小さなオフラインストアにおいて、又は少量の注文しかない場合に、1つの第2の作業領域があってもよい。即ち、第1の作業から生成された全ての第1の作業容器は、パッケージング用の同じ第2の作業領域に集まることができる。しかしながら、同時注文の数が、ユーザ数が増加するにつれて増加することを考慮すると、多数の注文がある場合に、同じ第2の作業領域に第2の作業を実行させることは、やはり作業効率のボトルネックをもたらす可能性がある。従って、第1の作業、第2の作業、及び他の作業の効率を更に改善し、且つ配送の適時性を保証するために、本出願の実施形態には複数の第2の作業領域もまた存在してもよい。換言すれば、オフラインストアは、複数の第1の作業領域及び複数の第2の作業領域を含んでもよい。いわゆる「複数の第1の作業領域」は、複数の「区画」を意味する。第1の作業領域のそれぞれは、同じタイプの品物を格納するように構成される。それに応じて、このタイプの品物用の第1の作業(例えば、主としてオーダーピッキング作業)もまた、第1の作業領域において実行される。第2の作業領域は、パッケージングなどの作業が実行される領域を指す。換言すれば、第1の作業及び第2の作業は、第1及び第2の作業の効率を改善するために、幾つかの相異なる領域において同期して実行されてもよい。
【0024】
加えて、多数の同時注文、即ち非常に短時間における複数の注文の受信の頻繁な発生ゆえに、配送が、各注文用に実行される場合に、明白にこれは、多数の配送資源を用い、それは、配送資源が限られている場合に、配送の適時性を低減する。従って、注文もまた、本出願の実施形態において結合することができる。換言すれば、複数の注文が、同じ配送ウェーブへ結合され、同じ配送ウェーブにおける様々な注文は、1人の配送者によって同時に配送することができる。これは、配送資源の浪費を回避し、且つまた様々な注文の配送の適時性をよりよく保証することができる。注文が結合される場合に、幾つかの注文結合規則が、前もって作成され得る。例えば、配送先住所及び要求された配送時刻などの要因を考慮して、近い配送先住所及び要求された配送時刻を備えた注文は、同じウェーブなどに結合することができる等である。
【0025】
前述の注文結合作業に従って配送ウェーブを生成する場合に、同じ配送ウェーブに含まれるデータオブジェクト(例えば商品対象等)は、一緒に包装され、同じ配送者に渡される必要がある。従って、第1の作業(オーダーピッキング作業など)もまた、オーダーピッキングの時刻に同時に実行されてもよい。更に、同じウェーブは、複数の注文を含む。従って、同じウェーブは、複数の相異なるデータオブジェクトを含んでもよく、データオブジェクトに対応する品物は、相異なる第1の作業領域に位置してもよい。従って、同じウェーブの様々な注文に含まれるデータオブジェクトもまた、対応する品物が位置する相異なる第1の作業領域に従って分類されてもよく、複数の第1の作業タスクが、分類結果に従って生成される。換言すれば、注文が、ウェーブを生成するために結合された後で、同じウェーブはまた、第1の作業タスクが実行される前に、複数の第1の作業タスクに分解されてもよく、1つの第1の作業タスクは、関係する各第1の作業領域における従業員によって完了することができる。
【0026】
完了すると、各第1の作業タスクは、吊りチェーンシステムによって、第2の作業領域に搬送されてもよい。本出願の実施形態には複数の第2の作業領域がある。特定の実装形態において、複数のパッケージング領域があってもよく、又は同じパッケージング領域は、複数の「ゲート」を含み、相異なるゲートにおける対応するパッカーが、ゲートにおけるパッケージング作業の責任を負う。同じパッケージング領域における複数の「ゲート」は、パッケージング領域を複数のサブ領域に分割することとほぼ等価であり、サブ領域のそれぞれは、独立して働く。従って、本出願の実施形態において、それらは、複数の第2の作業領域と集合的に呼ばれる。複数の第2の作業領域が存在する場合に、吊りチェーンシステムによる第1の作業タスクの実行結果の搬送中に、同じウェーブにおける様々な第1の作業タスクの実行結果(即ち、パッケージングバッグなど、同じ第1の作業タスクに関連する品物を保持する容器)もまた、同じ第2の作業領域に集まるように制御されてもよい。
【0027】
換言すれば、本出願の実施形態において、注文は、初めはウェーブを生成するために結合されてもよく、次にウェーブは、複数の第1の作業タスクに分解され、同じウェーブにおける様々な第1の作業タスクの実行結果は、同じ第2の作業領域に集まる。かかる自動制御を用いれば、第1及び第2の作業の効率は、改善することができ、それは、配送の適時性の保証に有益である。
【0028】
特定の実装形態において、吊りチェーンシステムはまた、各第1の作業領域と各第2の作業領域との間に経路が存在し、且つ特定の搬送経路が、搬送プロセスにおいて制御され得る限り、様々な方法でオフラインストアに配置されてもよい。例えば、一実施方法において、吊りチェーンシステムは、
図1に示されているように配置されてもよい。3つの第1の作業領域及び2つの第2の作業領域が、オフラインストアに存在すると仮定すると、搬送軌道は、スペースを節約し、且つ多過ぎる搬送軌道の混交によって引き起こされる混乱を回避するために、吊りチェーンシステムの搬送軌道が配置される場合に、幹線101、第1のブランチ102、及び第2のブランチ103に分割されてもよい。1つの幹線101だけが存在してもよく、それは、軌道の共通部分である。複数の第1のブランチ102が存在してもよく、それぞれにおける第1の端部は、1つの第1の作業領域に対応し、もう一方の端部は、幹線101に接続する。同様に、複数の第2のブランチ103もまた存在してもよく、それぞれにおける第1の端部は、1つの第2の作業領域に対応し、もう一方の端部は、幹線101に接続する。従って、複数の軌道を混交せずに、搬送軌道が、各第1の作業領域及び各第2の作業領域まで延びることが可能である。特定の実装形態において、搬送軌道は、オフラインストアの天井から「吊され」てもよく、第1の作業のオペレータは、搬送用の搬送軌道に容器を吊すことができる。このように、オフラインストアのスペースは、搬送軌道の存在ゆえに、節約することができ、ストアにおける作業領域のエリアが制限されることを回避することができる。加えて、搬送プロセスにおいて、容器が軌道から落ちるのを防ぐために、「安全ネット」が、軌道の下に設けられ得る。従って、容器が、軌道から落ちた場合に、容器は、「安全ネット」の中に落ちて、オフラインストアの人々を傷つけこと又は容器における物品を損傷することを回避する。もちろん、他の実施方法において、搬送軌道はまた、他の方法で置かれてもよく、それは、ここでは制限されない。
【0029】
搬送軌道が、前述の方法で配置される場合に、搬送軌道は、自動駆動装置などの搬送実行コンポーネントの制御下で、第1の作業領域から第2の作業領域への方向に沿って連続的に移動してもよい。第1の作業タスクの完了後に、各作業領域のオペレータは、対応する物品を保持する容器104を対応するブランチ102に吊り下げてもよく、容器は、搬送軌道によって第2の作業領域に搬送される。容器104は、パッケージングバッグなどの形状であってもよい。更に、作業し易くするために、各容器104は、フック(図には示されていない)などの接続又は統合された部材を有してもよく、その部材を通して、容器104は、搬送軌道のブランチ102から吊り下げることができる。
【0030】
加えて、本出願の実施形態は、同じウェーブにおける相異なる第1の作業タスクの処理結果を同じ第2の作業領域に集中させる問題に関する。従って、特定の実装形態において、次の処理もまた実行されてもよい。第1に、一意の識別子(コードなど)が、容器104の外面上に提供され、その識別子は、バーコード又は2次元コードなどのグラフィックコードとして与えられてもよい。更に、コードスキャナが、各第1の作業領域に設けられてもよい。第1の作業領域におけるオペレータが、第1の作業タスクを完了し、且つ作業の実行結果を容器104に置いた後で、容器の識別子情報は、コード走査によって取得されてもよい。その後、第1の作業領域の端末装置は、第1の作業タスクのタスク識別子と、第1の作業タスクに対応するウェーブ識別子と、容器の容器識別子との間の対応関係を吊りチェーンシステムにおける制御コンポーネントに提供してもよい(即ち、搬送軌道などのハードウェア構造を含むことに加えて、吊りチェーンシステムはまた、ソフトウェアを介して特定の搬送経路を制御してもよい)。従って、制御コンポーネントは、ウェーブ識別子に従って第2の作業領域を割り当て、且つ同じウェーブにおける相異なる第1の作業タスクを同じ第2の作業領域に割り当ててもよい。即ち、この時点で制御コンポーネントに記録された情報は、ウェーブ識別子と、第1の作業タスクの識別子と、容器識別子と、第2の作業領域との間の対応関係を含む。次に、前述の容器は、軌道のブランチ102から吊り下げられ、次に軌道の幹線101に搬送される。容器が、軌道の幹線101とブランチ103との間の連結点に到達すると、複数のブランチ103が存在するので、コード走査装置105がまた、次の搬送経路を決定するために、幹線101とブランチ102との間の連結点に設けられてもよい。ある容器が、コード走査装置105の走査範囲に搬送されると、コード走査装置は、容器の外面におけるグラフィックコードなどを自動的に走査し、且つ走査結果における容器識別子を制御コンポーネントに提供してもよい。従って、制御コンポーネントは、どの容器が、幹線と第2のブランチとの間の連結点に到達したかを知り得、次に制御コンポーネントは、以前に記録された対応関係情報に従って、容器が、どの第2の作業領域に搬送されるべきかを決定してもよい。次に、制御コンポーネントは、容器が、対応する第2のブランチ103に送られ、且つ対応する第2の作業領域に最終的に搬送されるように、搬送実行コンポーネントに制御命令を送信してもよい。
図1から分かるように、2つの相異なる第1のブランチ102からの2つの容器104は、幹線を介して同じ第2のブランチ103に搬送され、次に同じ第2の作業領域に送られ、このようにして「集中」を達成してもよい。
【0031】
要するに前述の方法で、第1の作業領域におけるオペレータは、搬送軌道の選択などの作業を実行する必要なしに、第1の作業タスクを終了した後で、対応する軌道ブランチから容器を直接吊り下げることができ、後続のプロセスは、自動制御下で完了され得、このようにして作業能率の改善を支援することができる。
【0032】
もちろん、
図1は、単に特定の実施解決法を示すために前述において示されている。実際の用途において、別の実施解決法もまた採用されてもよい。例えば、別個の搬送軌道が、各第1の作業領域と各第2の作業領域との間に配置され、特定軌道が、吊り下げに先立って割り当てられ、次に容器が、対応する軌道から吊り下げら、且つ対応する第2の作業領域に搬送される等であり、それは、ここでは詳述されない。
【0033】
前述の方法で第1の作業、搬送、及び第2の作業を実行するプロセスにおいて、ネットワーク若しくはハードウェア例外又はタスク作業エラー(第2の作業領域が、不正確に割り当てられることなど)が発生し、間違った第2の作業領域へと第1の作業容器が滑り込むこと又は第1の作業タスクの完了の失敗などに帰着し、結局、ウェーブ全体の作業の停止につながる可能性があることに留意されたい。これは、事実であり、例外管理システムがまた、本出願の実施形態において設けられもよい。吊りチェーンシステムの割り当て結果などの情報は、例外管理システムに提供されてもよい。従って、例外管理システムは、特定のウェーブの特定の第1の作業タスクの実行状態などを追跡してもよい。あるウェーブのある第1の作業タスクにおいて例外が発生したことが分かった場合に、例外の起こり得る原因などを決定するために、問い合わせが、例外管理システムによって行われてもよい。従って、例外の原因は、迅速に位置を突き止められ得、配送の適時性を更に保証することができる。
【0034】
本出願の実施形態の実施解決法は、様々な相異なる観点から下記で導入される。
【0035】
実施形態1
まず第1に、
図2を参照すると、実施形態1は、データオブジェクト情報処理システムを全体として提供する。システムは、注文処理サブシステム201、第1の作業タスク生成サブシステム202、第1の作業実行サブシステム203、及び吊りチェーン搬送サブシステム204を特に含んでもよい。
【0036】
注文処理サブシステム201は、事前設定の規則に従って、条件を満たす複数の注文を同じウェーブに結合するように構成される。
【0037】
特に、注文処理サブシステム201は、販売プラットホームクラウドに位置してもよく、クラウドは、注文を一様に結合し、且つ様々なオフラインストアにおける注文に対して他の作業を実行する。代替として、注文処理サブシステム201はまた、オフラインストアに直接配置されてもよく、そのそれぞれは、そのそれぞれの注文を結合する。特定の注文結合規則が、配送先住所の距離及び配送時刻の近さなどに従って、条件を満たす注文を同じウェーブに結合することを含む様々な特定の方法で実行されてもよいが、それは、ここでは詳述されない。特に、ウェーブIDなどのウェーブ識別子は、ウェーブが生成された後で、ウェーブ用に生成されてもよい。
【0038】
第1の作業タスク生成サブシステム202は、対応する品物が位置する相異なる第1の作業領域に従って、同じウェーブの様々な注文に含まれるデータオブジェクトを分類し、その分類結果に従って複数の第1の作業タスクを生成し、且つそれらを対応する第1の作業実行サブシステム203に割り当てるように構成される。
【0039】
第1の作業タスク生成サブシステム202はまた、クラウド又はオフラインストアに位置してもよい。そのサブシステムは、第1の作業領域の詳細をオフラインストアに前もって格納してもよく、特定のウェーブの情報を取得した後で、サブシステムは、ウェーブにおける様々な関連データオブジェクト及びデータオブジェクトが位置する第1の作業領域に従って、複数の相異なる第1の作業タスクにウェーブを分解してもよい。同様に、各第1の作業タスクが生成された後で、第1の作業タスクのid等を含む第1の作業タスクの識別子もまた生成されてもよい。更に、ウェーブidと各第1の作業タスクidとの間の関連が、確立されてもよい。
【0040】
第1の作業実行サブシステム203は、現在の第1の作業タスクが完了されたこと及び第1の作業容器が吊りチェーンから吊り下げられたことを示すメッセージが受信され後で、現在の第1の作業タスクのタスク識別子、及び現在の第1の作業タスクが属するウェーブのウェーブ識別子を吊りチェーン搬送サブシステム204に通知し、ここで、現在の第1の作業タスクに対応する品物は、第1の作業容器に含まれる。
【0041】
第1の作業実行サブシステム203は、オフラインストアに位置してもよい。コンピュータなどの装置が、各第1の作業領域に配置されてもよく、又は各第1の作業領域における従業員は、モバイル端末装置を装備する。第1の作業実行サブシステム203に対応するアプリケーションが、かかるコンピュータ装置又はモバイル端末装置にインストールされてもよい。それに応じて、第1の作業タスク生成サブシステム202によって割り当てられた第1の作業タスクが受信された後で、対応する従業員は、対応するタスクを実行するように促されてもよい。加えて、第1の作業実行サブシステム203は、吊りチェーン搬送サブシステム204に情報を更に転送することができる。従業員が、特定の第1の作業タスクに従って、オーダーピッキング及び他の作業を実行した後で、従業員は、パッケージングバッグなどの容器に対応する品物を置き、且つそれを搬送軌道から吊り下げることができる。この時点で、吊りチェーン搬送サブシステムは、第1の作業タスクが完了されたことを第1の作業実行サブシステム203によって通知されてもよく、同時に、対応するウェーブ識別子及び第1の作業タスクの識別子などの情報もまた、吊りチェーン搬送サブシステム204に提供されてもよい。容器の外面にグラフィックコード及び他の情報が存在する場合に、第1の作業実行サブシステム203はまた、外部コードスキャナと接続されるか、又は内蔵コード走査機能を提供されてもよい等である。容器が、搬送軌道から吊り下げられる前に、コード走査作業が、実行されてもよい。従って、上記情報が、吊りチェーン搬送サブシステム204に提供される場合に、上記情報はまた、ウェーブ識別子及び第1の作業タスクの識別子に加えて、容器識別子を含んでもよい。
【0042】
吊りチェーン搬送サブシステム204は、複数の第1の作業領域及び複数の第2の作業領域を含むオフラインストアに配置される。吊りチェーン搬送サブシステム204は、制御コンポーネント及び搬送軌道を含む。搬送軌道は、様々な第1の作業領域及び様々な第2の作業領域を接続するように構成され、制御コンポーネントは、通知メッセージが第1の作業実行サブシステムから受信された後で、ウェーブ識別子に従って、第2の作業領域を割り当てるように構成される。同じウェーブの第1の作業タスクは、同じ第2の作業領域に対応し、搬送命令が、第1の作業容器を対応する第2の作業領域に搬送するために、割り当て結果に従って搬送軌道に送られる。
【0043】
吊りチェーン搬送サブシステム204は、オフラインストアに配置され、且つハードウェア部及びソフトウェア部からなる。ハードウェア部は、搬送軌道及び駆動装置などの特定の物理的な搬送構造を含んでもよく、ソフトウェア部は、搬送軌道によって容器を搬送するプロセスにわたる自動制御を実現するための制御コンポーネントであってもよい。更に、制御コンポーネントは、第1の作業実行サブシステム203によって送信された通知メッセージに従って、第1の作業タスクと第2の作業領域との間の対応関係を更に制御してもよい。特に、同じウェーブの相異なる第1の作業タスクは、同じ第2の作業領域に集まり、このようにして第1及び第2の作業の効率を改善してもよい。
【0044】
実際の用途において、システムは、第2の作業実行サブシステムを更に含んでもよい。この場合に、
吊りチェーン搬送サブシステム204は、ウェーブ識別子と第2の作業領域の識別子との間の対応関係を第2の作業実行サブシステムに提供するように更に構成されてもよく、
それに応じて、第2の作業実行サブシステムは、ウェーブ識別子に従って、第2の作業タスクを生成し、且つ第2の作業領域識別子の対応するプロンプト情報を提供するように構成されてもよい。
【0045】
第2の作業実行サブシステムは、パッカーなどの従業員のモバイル端末装置に又はパッケージングルームのコンピュータ装置に配置されてもよい。関連する第1の作業容器が、ある第2の作業領域に搬送されたことを示すメッセージが受信された場合に、対応する第2の作業タスクが、生成されてもよい。タスクにおいて、対応するウェーブの情報に関するプロンプト、ウェーブに含まれる様々な第1の作業タスクの関連情報、様々な第1の作業タスクに対応するデータオブジェクト情報、ウェーブに関連する様々な注文の詳細等が、特定のパッカーなどの従業員に渡されてもよく、従業員は、パッケージングなどの第2の作業を実行する。その後、注文は、ウェーブにおける配送を実行する配送者を待ってもよい。
【0046】
上記のように、特定の実装形態において、第1の作業容器の外面に、グラフィックコード識別子が設けられ得る場合に、第1の作業実行サブシステム203は、グラフィックコード識別子を走査及び識別し、容器識別子を取得し、ウェーブ識別子と、第1の作業タスクの識別子と、容器識別子との間の対応関係を確立し、且つ吊りチェーン搬送サブシステム204に当該対応関係を提供するように更に構成されてもよい。吊りチェーン搬送サブシステムの制御コンポーネントは、ウェーブ識別子に従って第2の作業領域を割り当てた後で、ウェーブ識別子と、第1の作業タスクの識別子と、容器識別子と、第2の作業領域との間の対応関係を格納する。
【0047】
特定の実装形態において、搬送軌道は、幹線、複数の第1のブランチ、及び複数の第2のブランチを含んでもよい。各第1のブランチの1つの端部は、第1の作業領域の1つに位置し、もう一方の端部は、幹線に接続される。各第2のブランチの1つの端部は、第2の作業領域の1つに位置し、もう一方の端部は、幹線に接続される。
【0048】
この場合に、吊りチェーン搬送サブシステムは、コード走査装置を更に含んでもよい。コード走査装置は、幹線及び各第2のブランチの連結点に位置し、且つその走査範囲に入る第1の作業容器の外面上のグラフィックコードを走査し、容器識別子を識別し、且つそれを制御コンポーネントに提供するように構成される。制御コンポーネントは、識別された容器識別子に従って、容器識別子に対応する第2の作業領域を決定し、且つ制御命令を搬送軌道に送信する。搬送軌道は、第2の作業領域に対応する第2のブランチに容器を移送する。
【0049】
特定の実装形態において、吊りチェーン搬送サブシステム204における制御コンポーネントは、ウェーブ識別子と、第1の作業タスクの識別子と、容器識別子と、第2の作業領域との間の対応関係を第2の作業実行サブシステムに提供するように更に構成されてもよい。この場合に、第2の作業実行サブシステムは、ウェーブにおける第1の作業タスクの完了を確認するために、第2の作業領域に搬送された第1の作業容器のグラフィックコードを走査し、且つ走査結果に従って、対応するウェーブ識別子及び第1の作業タスクの識別子を判定するように更に構成されてもよい。
【0050】
その後、第2の作業実行サブシステムは、同じウェーブにおける様々な第1の作業タスクが確認された後で、外部への配送情報を生成するように更に構成されてもよい。
【0051】
加えて、システムは、例外管理サブシステムを更に含んでもよい。
【0052】
この場合に、吊りチェーン搬送サブシステム204における制御コンポーネントは、第2の作業領域が、ウェーブ識別子に従って割り当てられた後で、ウェーブ識別子と、第1の作業タスクの識別子と、容器識別子と、第2の作業領域との間の対応関係を記憶用に例外管理サブシステムに提供するように更に構成されてもよい。第2の作業実行サブシステムは、ウェーブにおけるターゲットの第1の作業タスクに対応する第1の作業容器が、事前設定の時間内に第2の作業領域に搬送されない場合に、例外用の問い合わせ要求を例外管理サブシステムに送信するように更に構成されてもよい。例外管理サブシステムは、例外用の問い合わせ要求が受信された場合に、格納された割り当て結果に従って、問い合わせ結果を提供するように特に構成されてもよい。
【0053】
特定の実装形態において、例外管理サブシステムは、ターゲットの第1の作業タスクに対応する第2の作業領域の割り当て情報が、割り当て結果に存在しない場合に、第1の作業タスクが完了されなかったというプロンプトを問い合わせ結果に与えるように特に構成されてもよい。
【0054】
代替として、例外管理サブシステムはまた、ターゲットの第1の作業タスクに対応する第2の作業領域の割り当て情報が、割り当て結果に存在するが、しかしその第2の作業領域が、ターゲットの第1の作業タスクが属するウェーブにおける他の第1の作業タスクに対応する第2の作業領域とは異なる場合に、問い合わせ結果において、ターゲットの第1の作業タスクに対応する第2の作業領域を提供するように特に構成されてもよい。
【0055】
要するに、本出願の実施形態において提供される前述のシステムを通して、オフラインストアにおける第1の作業、搬送、及び第2の作業は、有機的に接続することができる。第1の作業からもたらされた容器は、吊りチェーンサブシステムによって第2の作業領域に自動的に搬送することができる。更に、同じウェーブの相異なる第1の作業タスクもまた、第1及び第2の作業の効率を改善するために、同じ第2の作業領域に集まってもよく、配送の適時性は、よりよく保証することができる。
【0056】
加えて、障害管理サブシステムが、本出願の実施形態において更に提供され、障害管理サブシステムは、第1の作業タスクの状態、第2の作業領域の割り当てなどを追跡してもよい。ひとたびあるウェーブの幾つかの第1の作業タスクが、予定された第2の作業領域に時間通りに到達しなければ、障害管理サブシステムは、問い合わせを行ない、且つ例外の原因を突き止めるために利用され、このようにしてウェーブ全体の作業の停止を回避することができる。
【0057】
実施形態2
実施形態2は、前述の実施形態1に対応する。データオブジェクト情報処理方法が、第1の作業タスク生成サブシステムの観点から提供される。
図3を参照すると、方法は、以下のステップを含んでもよい。
S301において、第1の作業タスク生成サブシステムは、作業保留のウェーブ情報を受信し、事前設定の条件を満たす複数の注文が、同じウェーブに組み合わされる。
S302において、同じウェーブの様々な注文に含まれるデータオブジェクトは、対応する品物が位置する相異なる第1の作業領域に従って分類される。
S303において、複数の第1の作業タスクが、分類結果に従って生成され、且つ対応する第1の作業実行サブシステムに割り当てられる。第1の作業実行サブシステムは、第1の作業タスクが完了されたこと及び第1の作業容器が吊りチェーンから吊り下げられたことを示すメッセージが受信された後で、現在の第1の作業タスクのタスク識別子、及び現在の第1の作業タスクが属するウェーブのウェーブ識別子を吊りチェーン搬送サブシステムに通知する。吊りチェーン搬送サブシステムは、同じウェーブの様々な第1の作業タスクに対応する第1の作業容器を同じ第2の作業領域に搬送する。吊りチェーン搬送サブシステムは、複数の第1の作業領域及び複数の第2の作業領域を含むオフラインストアに配置され、吊りチェーン搬送サブシステムは、制御コンポーネントと、様々な第1の作業領域及び様々な第2の作業領域を接続するように構成された搬送軌道と、を含む。
【0058】
実施形態3
実施形態3もまた、前述の実施形態1に対応する。データオブジェクト情報処理方法が、第1の作業タスク実行サブシステムの観点から提供される。
図4を参照すると、方法は、以下のステップを含んでもよい。
S401において、第1の作業実行サブシステムは、第1の作業タスクを受信し、第1の作業タスクは、同じウェーブから分解された複数の第1の作業タスクのうちの1つであり、同じウェーブは、条件を満たす複数の注文に対応する。
S402において、第1の作業タスクが完了されたこと及び対応する第1の作業容器が吊りチェーンから吊り下げられたことを示すメッセージが受信された後で、吊りチェーン搬送サブシステムは、第1の作業タスクのタスク識別子、及び第1の作業タスクが属するウェーブのウェーブ識別子を通知され、吊りチェーン搬送サブシステムは、同じウェーブの様々な第1の作業タスクに対応する第1の作業容器を同じ第2の作業領域に搬送する。吊りチェーン搬送サブシステムは、複数の第1の作業領域及び複数の第2の作業領域を含むオフラインストアに配置され、吊りチェーン搬送サブシステムは、制御コンポーネントと、様々な第1の作業領域及び様々な第2の作業領域を接続するように構成された搬送軌道と、を含む。
【0059】
第1の作業容器の外面には、グラフィックコード識別子が設けられる。
【0060】
この場合に、グラフィックコード識別子はまた、容器識別子を取得するために走査されて識別されてもよく、ウェーブ識別子と、第1の作業タスクの識別子と、容器識別子との間の対応関係が確立され、対応関係は、吊りチェーン搬送サブシステムに提供される。吊りチェーン搬送サブシステムの制御コンポーネントは、第2の作業領域が、ウェーブ識別子に従って割り当てられた後で、ウェーブ識別子と、第1の作業タスクの識別子と、容器識別子と、第2の作業領域との間の対応関係を格納する。
【0061】
実施形態4
実施形態4もまた、前述の実施形態1に対応する。データオブジェクト情報処理方法が、吊りチェーン搬送サブシステムの観点から提供される。
図5を参照すると、方法は、以下のステップを含んでもよい。
S501において、吊りチェーン搬送サブシステムは、第1の作業実行サブシステムによって提供される、第1の作業タスクが完了されたこと及び第1の作業容器が吊り下げられたことを示す通知メッセージを受信し、吊りチェーン搬送サブシステムは、複数の第1の作業領域及び複数の第2の作業領域を含むオフラインストアに配置され、吊りチェーン搬送サブシステムは、制御コンポーネントと、様々な第1の作業領域及び様々な第2の作業領域を接続するように構成された搬送軌道と、を含む。
S502において、第2の作業領域は、第1の作業タスクが属するウェーブの識別子に従って割り当てられ、同じウェーブの様々な第1の作業タスクは、同じ第2の作業領域に対応し、同じウェーブは、条件を満たす複数の注文に対応し、且つ複数の第1の作業タスクに分解される。
S503において、搬送命令が、割り当て結果に従って、搬送軌道に送られ、その結果、第1の作業容器は、対応する第2の作業領域に搬送される。
【0062】
特定の実装形態において、通知メッセージと関係する第1の作業タスクが属するウェーブの識別子が、第1の作業実行サブシステムによって提供された通知メッセージが受信された後で、決定されてもよい。次に、第2の作業領域が、ウェーブの識別子に従って割り当てられたかどうかが判断される。肯定の場合に、現在の第1の作業タスクに対応する第2の作業領域が、割り当て結果に従って決定される。そうでない場合、ある第2の作業領域がウェーブに割り当てられてもよく、ウェーブ識別子と当該第2の作業領域の識別子との間の対応関係が格納される。
【0063】
加えて、例外を追跡するために、第2の作業領域がウェーブ識別子に従って割り当てられた後で、割り当て結果情報はまた、記憶用に例外管理サブシステムに提供されてもよい。例外の場合には、例外の原因は、例外管理サブシステムによって問い合わせることができる。
【0064】
実施形態1~実施形態4の特定の実装形態の詳細ために前述の説明に言及することができるが、それは、ここでは詳述されない。
【0065】
実施形態2に対応して、データオブジェクト情報処理機器が、本出願の実施形態において更に提供される。
図6を参照すると、機器は、第1の作業タスク生成サブシステムに適用され、
作業保留のウェーブ情報を受信するように構成されたウェーブ情報受信ユニット601であって、事前設定の条件を満たす複数の注文が、同じウェーブに組み合わされる、ウェーブ情報受信ユニット601と、
対応する品物が位置する相異なる第1の作業領域に従って、同じウェーブの様々な注文に含まれるデータオブジェクトを分類するように構成された分類ユニット602と、
その分類結果に従って、複数の第1の作業タスクを生成し、且つそれらを対応する第1の作業実行サブシステムに割り当てるように構成されたタスク生成ユニット603であって、第1の作業タスクが完了されたこと及び第1の作業容器が吊りチェーンから吊り下げられたことを示すメッセージが受信された後で、第1の作業実行サブシステムが、現在の第1の作業タスクのタスク識別子、及び現在の第1の作業タスクが属するウェーブのウェーブ識別子を吊りチェーン搬送サブシステムに通知し、吊りチェーン搬送サブシステムが、同じウェーブの様々な第1の作業タスクに対応する第1の作業容器を同じ第2の作業領域に搬送し、吊りチェーン搬送サブシステムが、複数の第1の作業領域及び複数の第2の作業領域を含むオフラインストアに配置され、吊りチェーン搬送サブシステムが、制御コンポーネントと、様々な第1の作業領域及び様々な第2の作業領域を接続するように構成された搬送軌道とを含む、タスク生成ユニット603と、
を含む。
【0066】
実施形態3に対応して、データオブジェクト情報処理機器が、本出願の実施形態において更に提供される。
図7を参照すると、機器は、第1の作業実行サブシステムに適用され、
第1の作業タスクを受信するように構成されたタスク受信ユニット701であって、第1の作業タスクが、同じウェーブから分解された複数の第1の作業タスクのうちの1つであり、同じウェーブが、条件を満たす複数の注文に対応する、タスク受信ユニット701と、
第1の作業タスクが完了されたこと及び対応する第1の作業容器が吊りチェーンから吊り下げられたことを示すメッセージが受信された後で、第1の作業タスクのタスク識別子、及び第1の作業タスクが属するウェーブのウェーブ識別子を吊りチェーン搬送サブシステムに通知するように構成された通知ユニット702であって、吊りチェーン搬送サブシステムが、同じウェーブの様々な第1の作業タスクに対応する第1の作業容器を同じ第2の作業領域に搬送し、吊りチェーン搬送サブシステムが、複数の第1の作業領域及び複数の第2の作業領域を含むオフラインストアに配置され、吊りチェーン搬送サブシステムが、制御コンポーネントと、様々な第1の作業領域及び様々な第2の作業領域を接続するように構成された搬送軌道とを含む、通知ユニット702と、
を含む。
【0067】
特定の実装形態において、第1の作業容器の外面には、グラフィックコード識別子が設けられ、
この場合に、機器は、
容器識別子を取得するためにグラフィックコード識別子を走査して識別し、ウェーブ識別子と、第1の作業タスクの識別子と、容器識別子との間の対応関係を確立し、且つ吊りチェーン搬送サブシステムに対応関係を提供するように構成された走査ユニットを更に含んでもよい。吊りチェーン搬送サブシステムの制御コンポーネントは、ウェーブ識別子に従って第2の作業領域を割り当てた後で、ウェーブ識別子と、第1の作業タスクの識別子と、容器識別子と、第2の作業領域との間の対応関係を格納する。
【0068】
実施形態4に対応して、データオブジェクト情報処理機器が、本出願の実施形態において更に提供される。
図8を参照すると、機器は、吊りチェーン搬送サブシステムに適用され、
第1の作業実行サブシステムによって提供される、第1の作業タスクが完了されたこと及び第1の作業容器が搬送軌道から吊り下げられたことを示す通知メッセージを受信するように構成された通知メッセージ受信ユニット801であって、吊りチェーン搬送サブシステムが、複数の第1の作業領域及び複数の第2の作業領域を含むオフラインストアに配置され、吊りチェーン搬送サブシステムが、制御コンポーネントと、様々な第1の作業領域及び様々な第2の作業領域を接続するように構成された搬送軌道とを含む、通知メッセージ受信ユニット801と、
第1の作業タスクが属するウェーブの識別子に従って、第2の作業領域を割り当てるように構成された領域割り当てユニット802であって、同じウェーブの様々な第1の作業タスクが、同じ第2の作業領域に対応し、同じウェーブが、条件を満たす複数の注文に対応し、且つ複数の第1の作業タスクに分解される、領域割り当てユニット802と、
割り当て結果に従って、搬送命令を搬送軌道に送信し、その結果、第1の作業容器が、対応する第2の作業領域に搬送されるように構成された搬送命令送信ユニット803と、
を含む。
【0069】
特定の実装形態において、領域割り当てユニットは、
通知メッセージが受信された後で、通知メッセージに関係する第1の作業タスクが属するウェーブの識別子を決定するように構成されたウェーブ識別子決定サブユニットと、
第2の作業領域が、ウェーブ識別子用に割り当てられたかどうかを判断するように構成された判断サブユニットと、
第2の作業領域が割り当てられている場合に、割り当て結果に従って、現在の第1の作業タスクに対応する第2の作業領域を決定するように構成された第1の決定サブユニットと、
第2の作業領域が割り当てられていない場合に、ウェーブ用の第2の作業領域を割り当てるように、且つウェーブ識別子と第2の作業領域の識別子との間の対応関係を格納するように構成された第2の決定サブユニットと、
を特に含んでもよい。
【0070】
加えて、機器は、
第2の作業領域がウェーブ識別子に従って割り当てられた後で、記憶用に例外管理サブシステムに割り当て結果情報を提供し、且つ例外が発生した場合に、例外管理サブシステムによって例外の原因を問い合わせるように構成された割り当て結果提供ユニットを更に含んでもよい。
【0071】
本出願の実施形態を用いることによって、オフラインストアにおける第1の作業、搬送、及び第2の作業は、有機的に接続することができる。第1の作業から生成された容器は、吊りチェーンサブシステムによって第2の作業領域に自動的に搬送することができる。更に、同じウェーブの相異なる第1の作業タスクはまた、第1及び第2の作業の効率を改善するために、同じ第2の作業領域に集まってもよく、配送の適時性は、よりよく保証することができる。
【0072】
加えて、障害管理サブシステムが、本出願の実施形態において更に提供され、障害管理サブシステムは、第1の作業タスクの状態、第2の作業領域の割り当てなどを追跡してもよい。ひとたびあるウェーブの幾つかの第1の作業タスクが、予定された第2の作業領域に時間通りに到達しなければ、障害管理サブシステムは、問い合わせを行ない、且つ例外の原因を突き止めるために利用され、このようにしてウェーブ全体の作業の停止を回避することができる。
【0073】
前述の実施方法の説明から、当業者は、本出願が、ハードウェアによって実施されてもよく、又はソフトウェア+必要な汎用ハードウェアプラットフォームによって実施されてもよいことを明白に理解し得る。かかる理解に基づいて、本出願の技術的解決法の本質、又は先行技術に寄与する部分は、ソフトウェアプロダクトの形で具体化されてもよい。コンピュータソフトウェアプロダクトは、ROM/RAM、磁気ディスク又は光ディスクなどの記憶媒体に格納され、且つコンピュータ装置(パーソナルコンピュータ、サーバ、ネットワーク装置などであってもよい)が、本出願の実施形態又は実施形態のある部分における方法を実行できるようにする幾つかの命令を含んでもよい。
【0074】
本明細書における実施形態は、漸進的に説明され、実施形態の同一又は類似の部分は、互いに関連して取得されてもよく、各実施形態は、他の実施形態と相異なる部分を強調する。特に、システム又はシステム実施形態は、方法実施形態に基本的に似ており、その結果、それらは、単に説明される。関連部分に関して、方法実施形態における部分の説明を参照されたい。前述において説明されたシステム及びシステム実施形態は、単に実例である。別個の部分として説明されたユニットは、物理的に別個であってもなくてもよく、ユニットとして表示された部分は、物理的なユニットであってもなくてもよく、1つの位置に位置してもよく、又は複数のネットワークユニット上に分散されてもよい。モジュールの幾つか又は全ては、実施形態の解決法の目的を達成するために、実際の必要性に従って選択されてもよい。当業者は、創造的な労力なしに本出願を理解し実施することができる。
【0075】
本出願で提供されるデータオブジェクト情報処理方法、機器、及びシステムは、前述において詳細に説明され、本出願の原理及び実施方法は、このテキストにおいて具体例を適用することによって説明される。実施形態に関する前述の説明は、本出願の方法及び本出願の核となる概念の理解を支援するために単に用いられる。一方で当業者にとって、修正が、本出願の概念に従って、特定の実施方法及び適用範囲に対して行われ得る。要するに、本明細書の内容は、本出願を限定するように解釈されるべきではない。