(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-25
(45)【発行日】2022-08-02
(54)【発明の名称】確認タブを有するクイックコネクタ組立品
(51)【国際特許分類】
F16L 37/14 20060101AFI20220726BHJP
F16L 37/088 20060101ALI20220726BHJP
【FI】
F16L37/14
F16L37/088
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020082217
(22)【出願日】2020-05-07
【審査請求日】2021-06-14
(32)【優先日】2019-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507283816
【氏名又は名称】ア レイモン エ シー
【氏名又は名称原語表記】A. RAYMOND ET CIE
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】ミッチェル ウェイン ハント
(72)【発明者】
【氏名】マシュー デイビッド ルツケ
【審査官】杉山 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-70720(JP,A)
【文献】特開2012-189147(JP,A)
【文献】国際公開第2018/102213(WO,A1)
【文献】韓国登録特許第10-1966161(KR,B1)
【文献】特開2011-33056(JP,A)
【文献】特開2004-125158(JP,A)
【文献】特開2004-211814(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 37/14
F16L 37/088
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの構成要素の間の連結及び流体連結の確立のためのコネクタ組立品(20)であって、
第1の開放端部(44)において第1の軸(A
1)に沿って、かつ、第2の開放端部(46)へ、延在する流体通路(28)を画定する筐体(22)と、
前記筐体(22)の前記第1の開放端部(44)において、かつ、前記第1の軸(A
1)の周りの同軸上に、配置された保持リング(30)であって、前記第1の軸(A
1)に沿って延在するスロット(36)を画定する前記保持リング(30)と、
前記筐体(22)に固定されると共に前記第1の開放端部(44)における前記流体通路(28)の内側に少なくとも部分的に配置された保持クリップ(32)であって、前記第1の開放端部(44)へ挿入されたときに、取り外し可能に係合すると共に構成要素を保持するために適合されている前記保持クリップ(32)と、
前記保持リング(30)の前記スロット(36)の内側に配置された確認タブ(34)であって、前記確認タブ(34)が、前記筐体(22)の内側に完全に配置されている不適確認位置(42)と前記確認タブ(34)の一部分が、前記筐体(22)の外側表面(24)の上方側に視認できるように配置されている適正確認位置(40)との間を、前記スロット(36)に沿ってスライド可能に移動されるように適合された前記確認タブ(34)と、
を備えた、コネクタ組立品(20)。
【請求項2】
前記確認タブ(34)は、構成要素が、前記第1の開放端部(44)へ挿入されると共にその内部において前記保持クリップ(32)によって保持されるときに、前記適正確認位置(40)へのスライド可能な移動のために適合された、請求項1に記載のコネクタ組立品(20)。
【請求項3】
前記確認タブ(34)は、スライド可能に移動されたときに、前記適正確認位置(40)において前記確認タブ(34)を固定するために、前記保持リング(30)の保持要素(64)及び/又は前記筐体(22)と係合可能な係止要素(62)を備えた、請求項1又は請求項2に記載のコネクタ組立品(20)。
【請求項4】
前記保持リング(30)は、前記筐体(22)によって画定された回転防止スロット(50)の内側に配置された回転防止要素(60)を備えた、請求項1から請求項3の何れか1項に記載のコネクタ組立品(20)。
【請求項5】
(i)前記筐体(22)によって画定された前記流体通路(28)は、前記第2の開放端部(46)における第2の軸(A
2)に沿って延在しており、
(ii)前記筐体(22)は、I字形状、U字形状、L字形状又はT字形状であり、又は、
(iii)該(i)及び該(ii)の両方である、
請求項1から請求項4の何れか1項に記載のコネクタ組立品(20)。
【請求項6】
(i)前記筐体(22)は、モノリシック構造であり、
(ii)前記保持リング(30)は、モノリシック構造であり、
(iii)前記確認タブ(34)は、モノリシック構造であり、又は、
(iV)該(i)から該(iii)の何れかである、
請求項1から請求項5の何れか1項に記載のコネクタ組立品(20)。
【請求項7】
2つの構成要素の間の連結及び流体連結の確立のための方法であって、
請求項1から請求項6の何れか1項に記載された前記コネクタ組立品(20)を設けることと、
第1の構成要素の端部が、前記保持リング(30)の内側に配置されると共に前記第1の開放端部(44)において前記保持クリップ(32)によって保持されるまでに、前記筐体(22)の前記第1の開放端部(44)に前記第1の構成要素の端部を挿入することによって、前記確認タブを前記スロット(36)に沿って、かつ、前記適正確認位置(40)へ、前記確認タブ(34)をスライド可能に移動することと、
を備えた、方法。
【請求項8】
第2の構成要素の端部を前記コネクタ組立品(20)の前記筐体(22)の前記第2の開放端部(46)と連結すること、をさらに備えた、請求項7に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的に、クイックコネクタに関しており、より具体的には、使用している間の適正及び/又は完全な取り付けを視認できる表示を設けたクイックコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
クイックコネクタは、複数のパイプ、チューブ又は類似の構成要素間の、便利で迅速な流体密封接続を許容するコネクタ組立品である。エンジンの冷却回路、又は、さらに最近では、電気自動車又はハイブリッド自動車のバッテリを冷却するために使用される冷却回路において使用されるチューブと連結するために、クイックコネクタは、自動車産業において一般的に使用されている。クイックコネクタは、通常、オスコネクタを受け入れるためのメスコネクタ、又は、メスコネクタを受け入れるためのオスコネクタを含む。動作中、メスコネクタの内部に完全に配置されたとき、メスコネクタを備えた流体連結における第1のチューブとオスコネクタを備えた流体連結における第2のチューブとの間の漏出のない流体連結を許容する位置において、オスコネクタは、可逆的に固定される。残念なことに、多くの従来のクイックコネクタは、連結される構成要素と一緒に固定することに関する多くの欠点に悩まされ、失敗した連結、減圧及び漏出をもたらしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、使用している間の適正及び/又は完全な取り付けを視認できる表示を設けたクイックコネクタ組立品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
2つの構成要素の間の連結及び流体連結の確立のための改良されたクイックコネクタ(QC)組立品が、設けられている。QC組立品は、筐体と、保持リングと、保持クリップと、確認タブと、を備える。筐体は、第1の開放端部における第1の軸に沿って、かつ、第2の開放端部へ、延在する流体通路を画定する。保持リングは、筐体の第1の開放端部において配置されると共に第1の軸に沿って延在するスロットを画定する。保持クリップは、筐体に固定されると共に第1の開放端部において流体通路の内側に少なくとも部分的に配置されている。保持クリップは、筐体の第1の開放端部へ挿入されたときに、取り外し可能に係合されると共に構成要素を保持するために適合されている。確認タブは、保持リングのスロットの内側に配置されている。確認タブは、確認タブが、筐体の内側に完全に配置されている不適確認位置と確認タブの一部が、筐体の外側表面の上方側に視認できるように配置されている適正確認位置との間のスロットに沿ってスライド可能に移動されるように適合されている。
【0005】
特定の実施形態では、QC組立品の確認タブは、構成要素が筐体の第1の開放端部に挿入されると共に保持クリップによってその内部で保持されたときの、適正確認位置へのスライド可能な移動のために適合される。
【0006】
特定の実施形態では、QC組立品の確認タブは、保持リングの保持要素と係合する係止要素及び/又は確認タブがスライド可能に移動されたときに、適正確認位置において確認タブを固定するための筐体を備える。
【0007】
特定の実施形態では、QC組立品の保持リングは、筐体によって画定された回転防止スロットの内側に配置された回転防止要素を備える。
【0008】
特定の実施形態では、流体通路は、筐体の第2の開放端部における第2の軸に沿って延在するQC組立品の筐体によって画定される。そのような実施形態では、筐体は、それ自体が、I字形状、U字形状、L字形状又はT字形状とされてもよいように、第1の軸と第2の軸とは、互いに対して、同一線上、平行又は垂直とされてよい。
【0009】
特定の実施形態では、筐体、保持リング及び/又は確認タブは、独立したモノリシック構造(monolithic in construction)とされている。
【0010】
QC組立品を有する2つの構成要素の間の連結及び流体連結を確立するための方法も、提供されている。方法は、第1の構成要素の端部が、保持リングの内部に配置されると共に筐体の第1の開放端部において保持クリップによって保持されるまでに、筐体の第1の開放端部に第1の構成要素の端部を挿入することによって、確認タブをスロットに沿って、かつ、適正確認位置の内部に、確認タブをスライド可能に移動することを含む。方法は、さらに、第2の構成要素の端部とQC組立品の筐体の第2の開放端部とを連結することを含んでもよい。
【0011】
本開示の様々な利点及び態様は、添付の図面と関連づけて考慮されるとき、以下の詳細な説明の観点において理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本開示のいくつかの実施形態によるクイックコネクタ(QC)組立品の側面図を示す。
【
図2】
図2は、本開示の特定の実施形態によるQC組立品の継手筐体の垂直断面図を示す。
【
図3】
図3は、本開示のいくつかの実施形態によるQC組立品の底面図を示す。
【
図4】
図4は、本開示の特定の実施形態によるQC組立品の保持リングの側面図を示す。
【
図6】
図6は、本開示のいくつかの実施形態によるQC組立品の確認タブの後面斜視図を示す。
【
図8】
図8は、本開示の特定の実施形態による、不適確認位置における確認タブを有するQC組立品の部分断面図を示す。
【
図9】
図9は、本開示の特定の実施形態による、メスコネクタによって移動されると共に適正確認位置に配置された確認タブを有するQC組立品の部分断面図を示す。
【
図10】
図10は、本開示の特定の実施形態による、不適確認位置に配置された確認タブを有するQC組立品の背面図を示す。
【
図11】
図11は、本開示の特定の実施形態による、適正確認位置に配置されると共に継手筐体の外側表面の上方側で視認できる確認タブを有する
図10のQC組立品の背面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
クイックコネクタ組立品が、提供されている。
図1から
図11を参照すると、同じ番号は、いくつかの図を通じて対応する部分を示しており、クイックコネクタ組立品(ここでは、コネクタ組立品又はQC組立品とも称する。)は、図示されると共に通常20で指定されている。クイックコネクタ組立品20の特定の特徴は、機能的であるが、異なる美的な構成として実施されてもよい。クイックコネクタ組立品20は、継手筐体22(すなわち、筐体22)と、保持リング30と、保持クリップ32と、確認タブ34と、を含む。
【0014】
継手筐体22は、流体通路28(すなわち、開放した穴28、あるいは、通路28と称する。)を通常画定する外側表面24及び内側表面26を備える。特に、継手筐体22は、第1の開放端部44及び第2の開放端部46を備えており、これらの間に延在する流体通路28を有する。様々な実施形態では、継手筐体22の第1の開放端部44は、メス型継手端部44(例えば、通常「38」として示されると共にオス型コネクタ38として以下に説明されるように、構成要素のオス型端部と共同で係合するために。)として適合されている。いくつかの実施形態では、継手筐体22の第2の開放端部46(例えば、構成要素のメス型端部(図示省略)と共同で係合するために。)は、オス型継手端部46として適合されている。そのように、第1の開放端部44及び第2の開放端部46は、ここでは、それぞれメス型継手端部44及びオス型継手端部46と称されてもよい。例えば、特定の実施形態では、外側表面24は、パイプ又はチューブ(図示省略)のメス型端部と係合するための一続きの同軸の返し部48を含むオス型継手端部46に最も近い。いくつかの実施形態では、図示されていないけれども、クイックコネクタ組立品20は、複数のメス型継手端部44及び/又は複数のオス型継手端部46を含む。
【0015】
通常、流体通路28は、メス型継手端部44をオス型継手端部46と流動的に連結すると共に流体通路28は、メス型継手端部44及びオス型継手端部46を通じて、流体が継手筐体22から流出又は流入することを許容する。特に、流体通路28は、メス型継手端部44において第1の軸A1(あるいは、継手軸A1と称する。)に沿って延在すると共にオス型継手端部46において第2の軸A2に沿って延在する。第1の軸A1及び第2の軸A2は、お互いに対して、同軸上、平行、垂直等とされてもよい。そのように、継手筐体22は、それ自体が、様々なサイズ、形状又は構成に順応してもよく、I字形状、U字形状、L字形状、T字形状又は同等の形状とされてもよい。
【0016】
様々な実施形態では、通路28は、断面が円筒形状である、又は、断面が楕円形状若しくは長方形状である。いくつかの実施形態では、継手軸A1は、第2の軸A2に対して角度Bを形成する。特定の実施形態では、角度Bは、0度、45度又は90度と等しい。特定の実施形態では、流体通路28は、4mmから70mm、あるいは、8mmから50mmと等しい最小直径56を含む。継手筐体22は、内側表面26によって画定されると共に継手軸A1に対して平行に連続する第1の回転防止スロット50を含む。様々な実施形態では、継手筐体22は、第2の回転防止スロット84を含む。いくつかの実施形態では、第1の回転防止スロット50は、第2の回転防止スロット84によって画定される第2の幅よりも広い第1の幅を画定する。いくつかの実施形態では、第2の回転防止スロット84は、継手軸A1に対して第1の回転防止スロット50と径方向に対向する位置において継手筐体22によって画定される。
【0017】
特定の実施形態では、継手筐体22のメス型継手端部44は、第1の保持クリップスロット52及び/又は以下においてさらに説明する第1の固定用開口部54を画定する。第1の保持クリップスロット52は、通常継手軸A1に対して直角に配置される。以下において詳しく説明されるように、第1の保持クリップスロット52は、保持クリップ32が、クイックコネクタ組立品20の内側に配置されたオス型コネクタ38(すなわち、上記で紹介された、構成要素のメス型端部)との係止可能(lockable)な係合を確立することを許容する。特定の実施形態では、メス型継手端部44は、さらに第2の固定用開口部92及び第2の保持クリップスロット94を画定する。特定の実施形態では、第2の固定用開口部92及び第2の保持クリップスロット94は、それぞれ第1の固定用開口部54及び第1の保持クリップスロット52と継手軸A1に対して径方向に対向する位置において、継手筐体22によって画定される。
【0018】
保持リング30は、通常円筒形状とされており、軸A
3(すなわち、保持リング軸A
3)に沿った内部穴の周りで延在する。個々の構成要素として、保持リング30は、筐体22の第1の開放端部44の内側へ挿入可能な寸法とされると共に第1の端部44の特定の要素と係合する、より具体的には、コネクタ組立品20において、保持リング30は、
図3、
図8及び
図9に示されるように、継手筐体22の内側表面26と物理的に接触するように、継手筐体22のメス型継手端部44の内側の同軸上に配置されている。言い換えると、保持リング30は、通常、継手筐体22の開口した第1の端部44において、第1の軸A
1の周りに同軸上に配置される。以下の追加的な詳細で説明するように、保持リング30は、第1の軸A
1に沿って延在するスロット36(確認タブスロット36とも称する。)を画定する。典型的には、スロット36は、また、通常は軸A
1と軸A
3とが互いに平行である保持リング軸A
3に沿って延在する。
【0019】
保持リング30は、継手筐体22の内側において、接着剤(例えば、セメント、膠、エポキシ、等)を有して又は有さずに固定されてもよい。特定の実施形態では、保持リング30は、継手筐体22の内側で保持リング30を共同で固定する(すなわち、係止する)ため、及び、保持リング30の移動を防止するための第1の固定用開口部54と係合するための第1の固定用返し部58(あるいは、固定用タブ58と称する。)を含む。様々な実施形態では、保持リング30は、継手筐体22の内側で保持リング30を固定するため、及び、保持リング30の継手筐体22からの移動を防止するための第2の固定用開口部92の内側で係止する第2の固定用返し部96を含む。
【0020】
特定の実施形態では、保持リング30は、継手筐体22の第1の回転防止スロット50の内側に受け入れられると共に物理的に接触する第1の回転防止要素60を画定する。いくつかの実施形態では、第1の回転防止要素60は、確認タブスロット36又は確認タブスロット36の少なくとも一部分を画定する。様々な実施形態では、保持リング30は、筐体22の第2の回転防止スロット84の内側に受け入れられると共に物理的に接触する第2の回転防止要素100を画定する。
【0021】
いくつかの実施形態では、保持リング30は、保持要素64(あるいは、係合要素64と称する。)を画定する。一般的には、係合要素64は、継手筐体22の内側表面24に最も近接した確認タブスロット36の一部分によって画定する表面又は棚形状のものである。特定の実施形態では、係合要素64は、確認タブスロット36の1つ又は複数の壁によって、又は、これらの壁から延在して画定される。例えば、いくつかの実施形態では、係合要素64は、確認タブスロット36の壁の内側において、又は、これから延在して画定される係合開口部106、係合用凹部、係合タブ104又は係合用棚形状部によって画定される、又は、これらの一部を形成する。例えば、いくつかの実施形態では、係合要素64は、確認タブスロット36の壁内に、又は、そこから延びる、係合開口部106、係合凹部、係合タブ104又は係合棚によって画定される、又は、これらの一部を形成する。様々な実施形態では、係合開口部106、係合用凹部又は係合タブ104若しくは係合用棚形状部は、継手軸A
1に平行又は垂直のいずれかの平面に関する断面形状、例えば、正方形状、円形状、三角形状、長方形状、ひし形状、又は様々な多角形の形状、を画定する。特定の実施形態では、係合要素64は、確認タブスロット36の壁部から継手軸A
1に沿って延在するタブ104の表面によって画定される。いくつかの実施形態では、確認タブスロット36は、2つ、3つ、4つ又は5つの係合要素64を含む。特定の実施形態では、確認タブスロット36は、
図4に示される、係合タブ104と係合開口部106との組み合わせによって画定される係合要素64のように、同一でない係合要素64を含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、継手軸A
1の方向に延在する確認タブスロット36の壁部の一部分は、以下においてさらに説明されると共に
図3及び
図8に示されるように、T-スロット(すなわち、確認タブスロット36が、継手軸A
1に対して平行に連続するT-スロットを含むように)の横断面と一致する第1の係合スロット74(あるいは、整列スロット74と称する。)を画定する横断面を含む
【0023】
一般的には、保持リング30は、例えば、筐体22の第1の保持クリップスロット52及び第2の保持クリップスロット94と併せて、第3の保持クリップスロットと称されてもよい保持クリップスロット66を含む。保持リング30の第3の保持クリップスロット66は、その内部における保持クリップ32の通路を許容するために筐体22の第1の保持クリップスロット52と一直線にされる。同様に、様々な実施形態では、保持リング30は、筐体22の第2の保持クリップスロット94(存在する場合)と一直線にする第4の保持クリップスロット98を含む。
【0024】
保持クリップ32は、限定されない、また、別個の構成要素、又は、筐体22、保持リング30、等のようなQC組立品20のもう一つの構成要素と一体とされてもよい。いくつかの実施形態では、保持クリップ32は、通常、C字形状又はD字形状のばねである。
図1、
図10及び
図11に示されるように、いくつかの実施形態では、保持クリップ32は、通常、第1の保持クリップスロット52及び第2の保持クリップスロット94の内側に受け入れられる。保持クリップ32は、継手筐体22の外側表面24の周囲に、
図1、
図3及び
図10に示されるように、係止された構成で固定されてもよく、又は、係止されない構成(図示省略)で固定されてもよい。係止されない構成では、保持クリップ32は、外側表面24と保持クリップ32とが物理的に接触しており、保持クリップ32は、第1の保持クリップスロット52又は第2の保持クリップスロット94の内側に配置されない。
【0025】
特定の実施形態では、クイックコネクタ組立品20は、
図8及び
図9に示されるように、保持リング30によって所定の位置に固定される密封要素70を含む。いくつかの実施形態では、密封要素70は、O-リング又はX-リング、角リング若しくは密封要素の他の同等のタイプのような類似品である。
【0026】
上記で紹介したように、クイックコネクタ組立品20は、確認タブ34を含む。一般的には、確認タブ34は、保持リング30の確認タブスロット36の内側に配置されており、不適確認位置42と適正確認位置40との間でスロット36に沿ってスライド可能に移動されるように適合されている。さらに具体的には、確認タブ34の不適確認位置42は、完全に筐体22の内側に配置されており、ユーザは直ちに見ることができないが、これに対して、適正確認位置40では、確認タブ34は、筐体22の外側表面24の上方側で視認できるように配置されており、ユーザは直ちに見ることができる。コネクタ組立品20の特定の実施形態で活用される例示的な確認タブ34は、
図6及び
図7に示されている。いくつかの実施形態では、確認タブ34はプリズム状とされている。しかしながら、確認タブスロット36は、任意の形状を備えてもよく、確認タブ34(又は、確認タブ34の一部分)をその中に受け入れると共に固定するために適合されることが理解されるであろう。例えば、様々な実施形態では、確認タブ34は、円筒状の横断面、円形状の横断面、三角形状の横断面又は長方形状の横断面を備える。一般的には、しかしながら、確認タブ34は、ここで説明した観点において当業者によって直ちに選択されるであろう何れの多角形状及び/又は多角形状の横断面と一致してもよい。
【0027】
ここでの説明から理解されるように、確認タブ34は、通常、継手軸A1に沿って、また、任意で、上記に紹介した確認タブスロット36の内側の保持リング軸A3に沿ってスライドして移動可能とされている。典型的には、確認タブスロット36は、第1の端部86及び第2の端部88を含む。様々な実施形態では、確認タブスロット36は、第1の端部86において完全に又は部分的に密閉されているため、確認タブ34のいかなる部分も、物理的に妨げられることなく第2の端部88から離れる方向に第1の端部86を通り過ぎることはできない。いくつかの実施形態では、確認タブスロット36は、確認タブ34の外周部を画定する4つの隣接する外面と物理的に接触する。
【0028】
一般的には、確認タブ34は、上記に説明したような適正確認位置40又は不適確認位置42において若しくはこれらの間の単一の又は複数の中間位置において係止して固定されるように、確認タブスロット36に係止するように係合可能とされている。従って、特定の実施形態では、確認タブ34は、筐体22にスライドして移動されたときの適正確認位置40における確認タブ34を固定するための保持リング30の保持要素64及び/又は筐体22の保持要素(図示省略)と係合可能な、1つ又は複数の係止要素62(例えば、1つ、2つ、3つ又は複数の係止要素62)を含む。従って、そのような実施形態では、係止要素62は保持リング30の保持要素64と係合可能である。例えば、
図8及び
図9に示されるように、係止要素62及び係合要素64は、確認タブ34の不適確認位置42から適正確認位置40へ自由に移動することだけを許容しており、従って、確認タブを不適確認位置42から適正確認位置40へ移動するのに必要な力よりも大きな力(例えば、少なくとも1.5、2、5又は10倍の力)を使用することなく、確認タブ34の反対方向(すなわち、適正確認位置40から不適確認位置42への方向)へ自由にスライドすることを妨害する。
【0029】
特定の実施形態では、各係止要素62は、確認タブ表面68から延在する、独立した突起(nub)、返し(barb)、突出した部分(protrusion)(立方体状、角柱状、菱形状、三角形状又はピラミッド形状を含む様々な幾何形状の何れと合致してもよい)又は、くぼみ(dimple)(例えば、半球状のくぼみ)とされている。いくつかの実施形態では、各係止要素62は、確認タブ表面68から突出する角度付きのタブである。そのようないくつかの実施形態では、各係止要素62は、
図6、
図7及び
図11に示されるように、U字形状開口部78によって3つの側面が囲まれている。別の実施形態では、係止要素62は、
図8及び
図9に示されるように、いかなる開口部によっても囲まれていない。特定の実施形態では、係止要素62は、一般的に、三角形状、長方形状、U字形状、円形状又は様々な他の多角形状のような形状を画定する係止要素表面108を含んでおり、鋸歯形状及び/又は凸凹形状(be textured)を含んでもよい。例えば、特定の実施形態では、係止要素表面108は、確認タブ表面68に対して鋭角を形成する。特定の実施形態では、係止要素表面108は、確認タブスロット36の第1の端部86に最も近接した係止要素表面108の点から計測されてよい、確認タブ表面68からの最大間隔110を含む。特定の実施形態では、最大間隔110は、中心点のような、係止要素表面108の端部に対応しない係止要素表面108の中間地点から計測されてもよい。様々な実施形態では、確認タブ34は、異なる形状を形成する係止要素62の組合せのような同一でない係止要素を含む。いくつかの実施形態では、係止要素62は確認タブ34の複数の表面から延在する。
【0030】
特定の実施形態では、確認タブ34は、ねじの頭部又は特別に設計された工具のような工具を使用することなく適正確認位置40から不適確認位置42へスライドして移動することはできない。しかしながら、確認タブ34は、不適確認位置42の間のスロット36に沿って可逆的にスライドして移動されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、確認タブ34は、ねじの頭部又は特別に設計された工具のような工具を使用し、又は、使用することなく、手動によって適正確認位置40から不適確認位置42へスライドして移動可能とされている。しかしながら、典型的には、上記に説明したように、確認タブ34は、例えば、確認タブ34が適正確認位置40にあるときには(すなわち、係止要素62が、係止された係合を確立するために係合要素64によって受け入れられ/係合されているときには)、例えば、係合要素64に係合している係止要素62の力のような、力を適用することなく適正確認位置40から不適確認位置42へ自由にスライドすることはできない。
【0031】
適正確認位置40にあるときに、確認タブ34は、継手筐体22の外側表面24の上方側に視認できるように配置されている。様々な実施形態では、継手筐体22は、確認タブ34の表面/面を支持するための確認タブ支持表面80と、確認タブ34が、継手筐体22の内側表面26によって画定される内部空間から継手筐体22の外側表面24によって画定される外部空間へ抜け出ることができる確認タブスリット82と、を含む。確認タブ34は、適正確認位置40に配置されているときに、外部空間からはっきりと視認できる。
【0032】
様々な実施形態では、確認タブ34は、表示面76を含む。表示面76は、黄色、緑色、赤色、白色、青色、黒色、オレンジ色、紫色又はそのような色、又は、当該技術分野で既知の様々な他の色の何れかに対応する顔料又は染料の混合を通じて得られる様々な色相を含む様々な他の色の何れか、を含む様々な色の何れかとされてよい。表示面76は、その上に配置された反射するテープ、又は、ステッカ、又は、パターン、色、バーコード、反射性材料、又は、英数字のラベル又はメッセージを表示する印刷を含んでもよい。いくつかの実施形態では、表示面76は、確認タブ34が、適正確認位置40にあるときに、確認タブ34の視認性を強化するために機能する。特定の実施形態では、確認タブ34は、表示面76と同じ色とされている、又は、確認タブ34は、表示面76と異なる色とされている。特定の実施形態では、表示面76は、継手筐体22の外側表面24に対して目立って視認できるように着色されている。様々な実施形態では、表示面76は、確認タブ34とは異なる色とされている。
【0033】
いくつかの実施形態では、表示面76は、1次元バーコード(例えば、UPC code、EAN code、code 39、code 128、ITF、code 93、codabar、GS1 databar、MSI Plessey、等)、2次元バーコード(例えば、QR code、datamatrix code、PDF417、AZTEC、等)、ホログラフィックのコード、人間が読み取れる英数字のコード、当該技術分野で既知の他のコード及び機械及び/又は人間によって解釈可能なコードのような、コードを含む。このようなコードの追加の例には、既知の、又は、そうでなければ特徴づけられているものような線形バーコードと、既知の、又は、そうでなければ特徴づけられているものようなマトリックスバーコードと、これらの同等品と、又は、これらの組み合わせをを含む。線形バーコードとしては、Australia Post barcode、Codabar、code 25-Non-interleaved 2 of 5、Code 25 Interleaved 2 of 5、Code 11、Farmacode (すなわち、Code 32) 、Code 39、Code 49、Code 93、Code 128、CPC binary、EAN 2、EAN 5、EAN-8、EAN-13、GS1-128、GS1 DataBar、ITF-14、JAN、Japan Post bardcode、KarTrak ACI、MSI、Pharmacode、PLANET、Plessey、PostBar、POSTNET、RM4SCC/KIX、RM Mailmark L、Telepen、又は、Universal Product Code等が挙げられる。マトリックスコードとしては、AR code、Aztec Code、BEEtag、Bee Tagg、Bokode、Code 1、Code 16K、ColorCode、Color Construct Code、Cronto Visual Cryptogram、CyberCode、d-touch、DataGlyphs、Data Matrix、Datastrip Code、Digimarc Barcode、DotCode、DotCode A、DWCode、EZcode、Han Xin Barcode、High Capacity Color Barcode、HueCode、InterCode、JAB-Code、MaxiCode、mCode、MMCC、NexCode、PDF417、Qode、QR code、ShotCode、Snowflake Code、SPARQCode、又はTrillcode等が挙げられる。
【0034】
上記要素に加えて、確認タブ34が、確認タブスロット36の内側において、第2の端部88の方向に、阻止タブ90によって画定された点を越えてスライドして移動することができないように、継手筐体22は、阻止タブ90、阻止フランジ、又は、確認タブ34が所定の点を越えて移動されることを防ぐ物理的な障壁の様々な他の障壁を含む。様々な実施形態では、例えば、又は確認タブスロット36の第2の端部88の方向にスライドされる又は移動されることによって、確認タブ34が、クイックコネクタ組立品20から移動されない又は押されないことを確実にするために、阻止タブ90又はこれと機能的に同等な物は、確認タブスロット36との組み合わせで機能する。いくつかの実施形態では、確認タブ34は、クイックコネクタ組立品20から確認タブスロット36の第2の端部88を通って移動されない。
【0035】
図8及び
図9に示されるように、クイックコネクタ組立品20を使用する方法は、コネクタ組立品20のメス型継手端部44の内側において、オス型コネクタ38(例えば、上記で紹介された構成要素のメス型端部)を挿入することを含む。オス型コネクタ38をメス型継手端部44の内側に十分に挿入することは、
図8及び
図10に示される不適確認位置42から
図9及び
図11に示される適正確認位置40へ継手軸A
1に沿って、確認タブ34を必然的に移動することを含む。メス型継手端部44の内側にオス型コネクタ38を挿入することは、オス型コネクタ38の軸を継手軸A
1と一直線にしており、従って、継手筐体22の内壁26から最も遠位の確認タブスロット36の一部分によって画定される第1の係合スロット74の内側において、オス型コネクタ38の整列フランジ72の位置を調整することを含む。同様に、オス型コネクタ38をコネクタ組立品20の内側へ十分に挿入すること(例えば、その筐体22の内側)は、整列フランジ72が、係合スロット74によって受け入れられて、確認タブ68の端部に衝撃を与え、それによって、不適確認位置42から適正確認位置40へ確認タブ68を移動することを含む。様々な実施形態では、整列フランジ72が、係合スロット74の内側に配置されたとき、整列フランジ72は、係合スロット74との組み合わせによって、クイックコネクタ組立品20の内側におけるオス型コネクタ38の回転を防止するように作用する。いくつかの実施形態では、係合スロット74は、主要寸法の全範囲の90%未満、80%未満、あるいは、75%未満のような軸A
3に沿って計測される保持リング30の主要寸法の一部分だけに沿って延在する。
【0036】
いくつかの実施形態では、保持リング30は、オス型コネクタ38によって画定された第2の整列フランジ(図示省略)を受け入れるための第2の係合スロット102を画定する。特定の実施形態では、第2の係合スロット102は、第2の回転防止要素100の内側に画定される。
【0037】
方法は、上記で説明したように、オス型コネクタ38をコネクタ組立品20のメス型継手端部44へ十分に挿入することに先立ち、保持クリップ32が、係止された構造へ配置されることを確実にすることを含む。オス型コネクタ38の十分な挿入は、通常、オス型コネクタ38が、クイックコネクタ組立品20の内側へ適正かつ十分に挿入されたときに、保持クリップ32を、係止されて係合するようにオス型コネクタ38へはめ込むことを含む。係止された構成では、保持クリップ32は、オス型コネクタ38によって画定される環状の間隙と係合し、クイックコネクタ組立品20からのオス型コネクタ38の引き抜きを防止する。オス型コネクタ38がメス型継手端部44へ十分に挿入されることに続いて、確認タブ34が、適正確認位置40へ移動されることが、上記のことから理解されるであろう。
図9に示されるように、オス型コネクタ38が、クイックコネクタ組立品20の内側へ十分に挿入されたとき、密封要素70及び保持リング30は、オス型コネクタ38と継手筐体22との間の流体密封のシールを共同で確立する。
【0038】
オス型コネクタ38をクイックコネクタ組立品20から取り外すことは、保持クリップ32が、もはやオス型コネクタ38と固定された状態で係合しなくなる係止解除された状態へと保持クリップ32を移動することを含む。オス型コネクタ38を取り外すことは、コネクタ組立品20のメス型継手端部44からオス型コネクタ38を引き抜くことをさらに含む。
【0039】
確認タブ34は、オス型コネクタ38が十分かつ適正にクイックコネクタ組立品20へ挿入されているときに関する視認できるシグナルを提供するという利点を有する。確認タブ34は、オス型コネクタ38とクイックコネクタ組立品20との間の連結が形成されたことの確認を提供する。表示面76は、上記に記載したように、オス型コネクタ38のクイックコネクタ組立品20の内側への適正な取り付けを確認すると共に文書化する走査装置によって読み取ることができる機械で読み取り可能なコードを含んでもよい。
【0040】
上記に記載した、例えば、継手筐体22、保持リング30、確認タブ34、密封要素70及び保持クリップ32のような、クイックコネクタ組立品20の構成要素の様々な要素は、下記に記載する材料の内の1つ又は複数のいずれかのような同じ又は異なる材料から製造されてもよく、最終的にはこれらを備える。さらに、各要素は、それ自体が異なる材料の組み合わせを備えてもよく、従って、全体にわたって均質な組成を備えなくてもよい。特定の実施形態では、1つ又は複数のクイックコネクタ組立品20の構成要素(例えば、筐体22、保持リング30、保持クリップ32、確認タブ34、等)は、単一の材料で構成されている(monolithic in construction)。
【0041】
一般的には、継手筐体22、保持リング30、確認タブ34、密封要素70及び保持クリップ32において、又は、これらとして使用されるのに適した材料は、金属(例えば、鋼、アルミニウム、合金、等)、樹脂(例えば、熱硬化性樹脂及び/又は熱可塑性樹脂)、ゴム/エラストマ及びこれらの組み合わせを含む。しかしながら、クイックコネクタ組立品20の要素を製造するために、無数の材料が使用されてもよく、それぞれ典型的には、通常、有用性、コスト、性能/最終用途、等の関数として選択される。さらに、金属、金属合金、ゴム/エラストマ及び樹脂は、使用されるのに適した材料の包括的なものではない。一般的には、保持クリップ32は、鋼のような金属を備える。しかしながら、保持クリップ32は、変形可能な弾力性を有する保持クリップ32を設けるために適した任意の数の材料を備えてもよい。
【0042】
特定の実施形態では、クイックコネクタ組立品20は、熱可塑性樹脂及び/又は熱可塑性樹脂のような樹脂を備える。そのような実施形態では、継手筐体22、保持リング30、確認タブ34、密封要素70及び/又は保持クリップ32は、それぞれ独立して、独立して選択された樹脂を備えてもよい。適切な樹脂の例は、典型的には、自己重合性モノマ(すなわち、モノマ及び硬化剤の両方として作用する)から形成された樹脂も活用さえ得るけれども、モノマ及び硬化剤の反応生成物を備える。そのような樹脂は、従来、反応生成物において存在する特定の官能基によって命名/識別されることが理解される。例えば、「ポリウレタン樹脂」という用語は、イソシアネート(すなわち、モノマ)とポリオール(すなわち、鎖延長剤/硬化剤)との反応生成物を備える高分子化合物を表す。イソシアネートとポリオールとの反応は、未反応のモノマ又は硬化剤のどちらにも存在しなかったウレタン官能基を作り出す。しかしながら、特定の例では、樹脂は、モノマ中に存在する特定の官能基によって命名されることも理解される。例えば、「エポキシ樹脂」という用語は、1つ又は複数のエポキシ基を有するモノマと硬化剤との架橋反応生成物を備えたポリマ化合物を表す。しかしながら、一旦硬化すると、エポキシ樹脂は、もはやエポキシではなく、又は、もはやエポキシ基を含まないが、エポキシ樹脂は、当該技術分野で理解されているように、硬化後に残り得る未反応又は残留するエポキシ基(すなわち、硬化部位)のためにある。しかしながら、他の例では、樹脂は、モノマ及び反応生成物の両方に存在する官能基(すなわち、未反応の官能基)によって命名されてもよい。
【0043】
いくつかの実施形態では、クイックコネクタ組立品20の様々な構成要素は、温度が、摂氏マイナス40度から120度又は摂氏マイナス40度から135度及び/又は圧力が、0.5から2バールとなる連続した曝露下での使用に適した材料を備える。特定の実施形態では、1つ又は複数の、あるいは全ての、クイックコネクタ組立品20の様々な構成要素は、不可逆的である有害な影響(例えば、融解等)なしに、摂氏150度までの温度での曝露に30分まで、あるいは30分よりも長く耐えることができる材料を備える。いくつかの実施形態では、継手筐体22は、合成ゴム又は天然ゴム若しくはポリアミドを含む。いくつかの実施形態では、密封要素70は、エチレン-プロピレンゴム又は熱可塑性ポリオレフィンを備える。いくつかの実施形態では、保持リング30は、継手筐体22及び/又は確認タブ34よりも下方側に硬度計を有する。
【0044】
樹脂を含む上記に記載したクイックコネクタ組立品20の特定の構成要素の組成に関して、適切な樹脂の例には、熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂を含む。熱硬化性樹脂及び/又は熱可塑性樹脂の適切な例には、典型的には、ナイロン等のポリアミド(PA)と、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、液晶ポリエステル等のポリエステルと、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレン等のポリオレフィンと、スチレン系樹脂、ポリオキシメチレン(POM)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチレンメタクリレート(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリスルホン(PSU)、ポリエーテルスルホン、ポリケトン(PK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリアリレート(PAR)、ポリエーテルニトリル(PEN)、レゾール型、尿素(例えば、メラミンタイプ)、フェノキシ樹脂、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素化樹脂、ポリスチレンタイプ、ポリオレフィンタイプ、ポリウレタンタイプ、ポリエステルタイプ、ポリアミドタイプ、ポリブタジエンタイプ、ポリイソプレンタイプ、フルオロタイプ等の熱可塑性エラストマ及びこれらの共重合体、変更及び組み合わせを含む。
【0045】
上記に記載したゴム/エラストマを備えるクイックコネクタ組立品20の特定の構成要素の組成に関して、適切なゴム/エラストマの例は、ネオプレンゴム、ブナ-Nゴム、シリコンゴム、エチレンプロピレンジエンモノマ(EPDN)ゴム、天然ガムゴム、バイトンゴム、天然ラテックスゴム、ビニルゴム、サントプレンゴム、エピクロロヒドリン(ECH)ゴム、 ブチルゴム、ラテックスフリー熱可塑性エラストマ(TPEs)、熱可塑性エラストマ、ハイパロンゴム、エチレンプロピレンゴム、フルオロエラストマゴム、フルオロシリコンゴム、水素化ニトリルゴム、ニトリルゴム、パーフロロエラストマゴム、ポリアクリルゴム、ポリクロロプレン、ポリウレタン、アフラスゴム(例えば、TFE/Ps)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、スチレンブタジエンゴム(SBRs)、ポリアクリレート、エチレンアクリルゴム、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレン-酢酸ビニル(EVA)及びこれらの組み合わせを含む。
【0046】
様々な実施形態では、上記に記載したクイックコネクタ組立品20の構成要素のいずれかは、混合物(filler)を含む材料(例えば、樹脂、ゴム、等)を備えてもよい。適切な混合物の例には、無機フィラ(例えば、ヒュームドシリカ微粉、沈降シリカ微粉、溶融シリカ微粉、焼成シリカ微粉、ヒュームド二酸化チタン微粉、石英微粉、カルシウム炭酸塩微粉、珪藻土微粉、酸化アルミニウム微粉、水酸化アルミニウム粉、酸化亜鉛微粉、炭酸亜鉛微粉、ガラス繊維等)、有機繊維(例えば、炭素繊維)、天然繊維及び同等品並びにこれらの組み合わせ、といった機械的強度を提供するために追加される強化フィラを含む。いくつかの実施形態では、クイックコネクタ組立品20の少なくとも1つの構成要素は、ガラス繊維を含む。
【0047】
添付の特許請求の範囲は、詳細な説明に記載された表現及び特定の化合物、組成物又は方法に限定されず、添付の特許請求の範囲に含まれる特定の実施形態の間で異なり得ることが理解される。様々な実施形態の特定の特徴又は態様を説明するために本明細書に依拠する任意のマーカッシュグループに関して、他のすべてのマーカッシュの要素から独立したそれぞれのマーカッシュグループの各要素から、異なる、特別な及び/又は予期しない結果が得られてもよい。マーカッシュグループの各要素は、個別に及び/又は組み合わせて依拠されてもよく、添付の特許請求の範囲内の特定の実施形態に対して適切なサポートを提供してよい。
【0048】
さらに、本発明の様々な実施形態を説明する際に依拠する任意の範囲及び部分的範囲は、独立して、かつ、集合的に添付の特許請求の範囲に含まれており、そのような値が本明細書に明確に書かれていない場合であっても、その中の全体及び/又は分数の値を含む全ての範囲を説明かつ熟慮すると理解される。当業者は、列挙された範囲及び部分的な範囲が、本発明の様々な実施形態を十分に説明すると共に可能にすることを直ちに認識し、かつ、そのような範囲および部分的な範囲は、関連する半分、3分の1、4分の1、5分の1等に、さらに線引きすることができる(delineated into)。まさに一例として、「0.1から0.9の範囲」とは、さらに、下3分の1、すなわち、0.1から0.3、真ん中3分の1、すなわち、0.4から0.6、及び、上3分の1、すなわち、0.7から0.9に線引きされ得てもよく、これらは、個別にかつ集合的に添付の特許請求の範囲内にあり、個別及び/又は集合的に依拠されてもよく、添付の特許請求の範囲内の特定の実施形態のための適切なサポートを提供する。さらに、「少なくとも」、「より大きい」、「未満」、「しかない(no more than)」といった範囲を定義又は変更する言語に関して、そのような言語は、 部分的な範囲及び/若しくは上限又は下限を含む。もう1つの例として、「少なくとも10」の範囲には、少なくとも10から35の部分的な範囲、少なくとも10から25の部分的な範囲、25から35の部分的な範囲、等が本質的に含まれ、各部分的な範囲は 個別に及び/又は集合的に依拠され、添付の特許請求の範囲内の特定の実施形態に対する適切なサポートを提供する。最後に、開示された範囲内の個々の数は、添付の特許請求の範囲内で、特定の実施形態に依拠されてもよく、適切なサポートを提供する。例えば、「1から9の範囲」には、3のような様々な個別の整数や、4.1のような小数点(又は分数)を含む個別の数値が含まれ、添付の特許請求の範囲内で、特定の実施形態に依拠されてもよく、適切なサポートを提供する。