(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-25
(45)【発行日】2022-08-02
(54)【発明の名称】換気装置を車椅子に取り付けるためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61G 5/10 20060101AFI20220726BHJP
【FI】
A61G5/10
(21)【出願番号】P 2020505323
(86)(22)【出願日】2018-08-15
(86)【国際出願番号】 EP2018072158
(87)【国際公開番号】W WO2019034711
(87)【国際公開日】2019-02-21
【審査請求日】2021-06-11
(32)【優先日】2017-08-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163809
【氏名又は名称】五十嵐 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】ホイサン デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】アンスワイン マシュー
【審査官】望月 寛
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2006/0117455(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0020667(US,A1)
【文献】独国実用新案第202015103969(DE,U1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0129305(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 5/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
換気装置を車椅子に取り付けるためのシステムにおいて、
前記車椅子に解放可能なように固定されるように構成される第1の部材であり、第1のカプラー構造を有する前記第1の部材、及び
前記換気装置と結合される第2の部材であり、前記換気装置を前記車椅子に取り付けるために、前記第1のカプラー構造と解放可能なように結合されるように構成される第2のカプラー構造を有する、前記第2の部材
を有
し、
前記第1の部材は、前記第1の部材を前記車椅子の一部に解放可能なように固定するように構成される、1つ又はそれ以上のストラップ部材及び1つ又はそれ以上の相互係合する締結要素を有する、
システム。
【請求項2】
前記1つ又はそれ以上のストラップ部材は、前記第1の部材を前記車椅子の前記一部に解放可能なように固定するために、その長さが調節可能であるように構成される、請求項
1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1のカプラー構造及び前記第2のカプラー構造の各々は、1つ又はそれ以上のカプラー要素を有する、並びに前記第1のカプラー構造の1つ又はそれ以上のカプラー要素は、前記換気装置を前記車椅子に取り付けるために、前記第2のカプラー構造の1つ又はそれ以上のカプラー要素と解放可能なように結合するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記システムは、前記換気装置を第2の車椅子に取り付けるように構成され、前記第2の車椅子は、前記車椅子とは異な
る形状及び形態を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
換気装置を車椅子に取り付けるための方法において、
第1の部材を前記車椅子に解放可能なように固定するステップであり、前記第1の部材は第1のカプラー構造を有する、ステップ、
第2の部材を前記換気装置に結合するステップであり、前記第2の部材は第2のカプラー構造を有する、ステップ、及び
前記換気装置を前記車椅子に取り付けるために、前記第2のカプラー構造を前記第1のカプラー構造と解放可能なように結合するステップ
を有し、
前記第1の部材は、前記第1の部材を前記車椅子の一部に解放可能なように固定するように構成される、1つ又はそれ以上のストラップ部材及び1つ又はそれ以上の相互係合する締結要素を有する、
方法。
【請求項6】
前記1つ又はそれ以上のストラップ部材は、前記第1の部材を前記車椅子の前記一部に解放可能なように固定するために、その長さが調整可能であるように構成される、請求項
5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のカプラー構造及び前記第2のカプラー構造の各々は、1つ又はそれ以上のカプラー要素を有する、並びに前記第1のカプラー構造の1つ又はそれ以上のカプラー要素は、前記換気装置を前記車椅子に取り付けるために、前記第2のカプラー構造の1つ又はそれ以上のカプラー要素と解放可能なように結合するように構成される、請求項
5に記載の方法。
【請求項8】
前記換気装置を前記車椅子から取り外すために、前記第2のカプラー構造を前記第1のカプラー構造から解放するステップ、
前記第1の部材を第2の車椅子に解放可能なように固定するステップであり、前記第2の車椅子は前記車椅子とは異なる形状及び形態を有する、ステップ、並びに
前記換気装置を前記第2の車椅子に取り付けるために、前記第2のカプラー構造を前記第1のカプラー構造と解放可能なように結合するステップ
をさらに有する請求項
5に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、米国特許法第119条の下、2017年8月15日に出願された米国仮特許出願第62/545,496号の優先権を主張し、その内容は、参照することにより本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本特許出願は、換気装置を車椅子に取り付けるためのシステム及び方法に関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
在宅医療の換気装置は、外出中に治療を可能にするために、しばしば車椅子の後部に取り付けられる。異なる換気装置は、異なる取り付けソリューションを持ち、各換気装置は、多種多様の車椅子に取り付けようとしているとき、異なる課題を抱えている。多種多様の車椅子の形態は、換気装置を車椅子の後部に取り付ける標準的な方法を提供することを難しくさせる。
【0004】
図1から
図3は、同じ換気装置Vを異なる車椅子W
1、W
2及びW
3に取り付けるための3つの異なる従来技術の取り付けソリューションを示す。例えば、
図1は、柔らかいバッグB内に置かれる換気装置Vを示す。この柔らかいバッグBは、車椅子W
1に結合される機械式の取り付けハーネスHに固定されるリベット穴を持つ。
図2は、車椅子W
2に後部にある溝Cに機械的に固定される硬質シェルの換気装置サポートHS
1を示す。
図3は、車椅子W3の後部にストラップで留められる硬質シェルの換気装置サポートHS
2を示す。異なる車椅子の形状は、換気装置Vを車椅子W
1、W
2又はW
3に取り付けるための彼ら自身の革新的な方法を作り出すために、異なるサードパーティーの取り付けソリューション又は人々を必要とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
その結果、本特許出願の1つ又はそれ以上の実施例の目的は、換気装置を車椅子に取り付けるためのシステムを提供することである。このシステムは、第1の部材及び第2の部材を有する。第1の部材は、車椅子に解放可能なように固定されるように構成される。第1の部材は、第1のカプラー構造を有する。第2の部材は、換気装置と結合される。第2の部材は、換気装置を車椅子に取り付けるために、第1のカプラー構造と解放可能なように結合されるように構成される第2のカプラー構造を有する。
【0006】
本特許出願の1つ又はそれ以上の実施例のさらにもう1つの態様は、換気装置を車椅子に取り付けるための方法を提供することである。この方法は、第1の部材を車椅子に解放可能なように固定するステップであり、前記第1の部材は第1のカプラー構造を有する、ステップ、第2の部材を換気装置と結合するステップであり、前記第2の部材は第2のカプラー構造を有する、ステップ、及び前記換気装置を前記車椅子に取り付けるために、前記第2のカプラー構造を第1のカプラー構造と解放可能なように結合するステップを有する。
【0007】
本特許出願の1つ又はそれ以上の実施例のさらにもう1つの態様は、換気装置を車椅子に取り付けるためのシステムを提供することである。このシステムは、前記車椅子に解放可能なように固定するための手段であり、解放可能なように結合するための第1の手段を有する、前記固定するための手段、及び前記換気装置と結合するための手段であり、前記換気装置を前記車椅子に取り付けるために、解放可能なように結合するための前記第1の手段と解放可能なように結合されるように構成される、解放可能なように結合するための第2の手段を有する、結合するための手段を有する。
【0008】
構成物の関連する要素の動作方法及び機能、並びに製造部品と製造の経済性との組み合わせと同じく、本特許出願のこれら及び他の目的、特徴並びに特性は、付随する図面を参照して、以下の説明及び添付の請求項を考慮するとより明白となり、これらの全てが本明細書を形成している。様々な図面において、同様の参照番号は対応する部品を示している。しかしながら、これら図面は単に例証及び説明を目的とするものであり、本発明の境界を規定するものとは意図されないことは明白に理解されるべきである。明細書及び請求項に用いられるように、文脈上明白に他の意味で述べている場合を除き、複数あることを述べなくとも、それらが複数あることも含んでいる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】換気装置を車椅子に取り付けるための従来技術のシステムを示す。
【
図2】
図1と同じ換気装置を車椅子に取り付けるためのもう1つの従来技術のシステムを示す。
【
図3】
図1と同じ換気装置を車椅子に取り付けるためのさらにもう1つの従来技術のシステムを示す。
【
図4】本特許出願の実施例に従う、換気装置を車椅子に取り付けるためのシステムの側面斜視図を示す。
【
図5】図において明瞭性のため及びシステムの他の構成要素をよりよく例示するためにシステムの幾つかの部分が示されていない、
図4のシステムの正面斜視図を示す。
【
図6】本特許出願の実施例に従う、システムの第1の部材の側面斜視図を示す。
【
図7】本特許出願の実施例に従う、システムの第2の部材の側面斜視図を示す。
【
図8】本特許出願のもう1つの実施例に従う、システムの第1の部材の側面斜視図を示す。
【
図9】本特許出願のもう1つの実施例に従う、システムの第2の部材の側面斜視図を示す。
【
図10】図において明瞭性のため及びシステムの他の構成要素をよりよく例示するためにシステムの幾つかの部分が示されていない、本特許出願のもう1つの実施例に従う、換気装置を車椅子に取り付けるためのシステムの側面図を示す。
【
図11】幾つかの異なる種類の車椅子に同じ換気装置を取り付けるのに使用される、本特許出願の実施例に従うシステムを示す。
【
図12】幾つかの異なる種類の車椅子に同じ換気装置を取り付けるのに使用される、本特許出願の実施例に従うシステムを示す。
【
図13】幾つかの異なる種類の車椅子に同じ換気装置を取り付けるのに使用される、本特許出願の実施例に従うシステムを示す。
【
図14】幾つかの異なる種類の車椅子に同じ換気装置を取り付けるのに使用される、本特許出願の実施例に従うシステムを示す。
【
図15】幾つかの異なる種類の車椅子に同じ換気装置を取り付けるのに使用される、本特許出願の実施例に従うシステムを示す。
【
図16】幾つかの異なる種類の車椅子に同じ換気装置を取り付けるのに使用される、本特許出願の実施例に従うシステムを示す。
【
図17】本特許出願の実施例に従う、換気装置を車椅子に取り付けるための例示的な方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
明細書において、特に文脈上はっきりと述べていない限り、複数あると述べていなくても、それらが複数あることを含む。明細書において、2つ以上の部品又は構成要素が"結合される"と述べることは、連動している限り、これらの部品が直接的に又は間接的、すなわち1つ以上の中間部品若しくは構成要素を介しての何れかにより接合される又は共に動作することを意味している。明細書において、"直接結合される"は、2つの要素が互いに直に接していることを意味している。明細書において、"固定して結合される"又は"固定される"は、2つの構成要素が互いに対し一定の方向を維持している間、1つとして移動するように結合されることを意味している。明細書において、"又は"という言葉は、特に文脈上はっきりと述べていない限り、"及び/又は"を意味している。
【0011】
明細書において、"ユニタリ(unitary)"という言葉は、構成要素が単一ピース又は単一ユニットとして作られることを意味している。すなわち、別々に作られ、その後ユニットとして連結される部分を含んでいる構成要素は、"ユニタリ"な構成要素又は本体ではない。明細書において、2つ以上の部品又は構成要素が互いに"係合する"と述べることは、これらの部品が互いに向けて直接的に又は1つ以上の中間部品若しくは構成要素を介して間接的にの何れかにより力を及ぼしていることを意味している。明細書において、"数字"は、1若しくは1以上の整数(すなわち複数)を意味する。
【0012】
明細書において、例であり限定ではない方向の表現は、頂部、底部、左側、右側、上方、下方、前方、後方及びそれらの派生語は、図面に示される要素の方位に関連し、特に明瞭に言わない限り、請求項を制限しない。
【0013】
ある実施例において、
図4-7を参照すると、換気装置102を車椅子104に取り付けるためのシステム100が提供されている。システム100は、第1の部材106及び第2の部材108を有する。第1の部材106は、車椅子104に解放可能なように固定されるように構成される。第1の部材106は、第1のカプラー構造110を有する。第2の部材108は、換気装置102と結合される。第2の部材108は、換気装置102を車椅子104に取り付けるために、第1のカプラー構造110と解放可能なように結合されるように構成される第2のカプラー構造112を有する、
【0014】
ある実施例において、システム100は、
図6に示されるような取り付けストラップ、及び
図7に示されるような取り付け要素(例えばホック)の組み合わせを含む。ある実施例において、取り付け要素は、
図7に示されるように、換気装置を使用するバッグ/ケースの一部でもよい。ある実施例において、取り付けストラップは、
図5に示されるように、車椅子104の後部に取り付けるために適切に調節される。ある実施例において、取り付け要素は、
図4に示されるように、換気装置102が取り付けストラップ上に取り付けられることを可能にするように構成される。ある実施例において、取り付け要素は、第2の部材108の第2のカプラー構造112と呼ばれてもよく、取り付けストラップは、第1の部材106と呼ばれてもよい。
【0015】
ある実施例において、換気装置102は、流体、例えば酸素、空気又は他の酸素或いは呼吸ガスの混合物を患者の気道に送出するように構成され、患者自身の換気努力を増大させる又は置き換える医療換気システム又は圧力支持装置である。例えば、ある実施例において、換気装置102は一般的に、主要なガス流送出システムを含み、このシステムは、圧力/フロー発生器、圧力/フロー制御要素並びにフローセンサを含む。圧力/フロー発生器は、呼吸ガスの供給器から任意のノイズ抑制装置を介して呼吸ガスのフロー、例えば空気、酸素又は酸素混合物のフローを受け取る。圧力/フロー発生器は、受け取った呼吸ガスの圧力を上昇させ、患者の気道に送出するための呼吸ガスのフローを生成する。
【0016】
ある実施例において、換気装置102は、前記呼吸ガスの供給器又は酸素供給源を含む。ある実施例において、換気装置102は、換気装置のハウジングの内側の中に置かれる内蔵の充電式バッテリーパック、及び/又は換気装置のハウジングの外側に取り外し可能に結合される取り外し可能なバッテリーパックを含む。
【0017】
ある実施例において、システム100は、車椅子104に(例えば、上述した換気装置102又は圧力支持装置以外の)他の医療装置を取り付けるように構成される。例えば、他の医療装置は、分泌物の管理に使用される医療装置、睡眠療法に使用される医療装置(例えばPAP、BiPAP等)、心臓ペーシング装置、医療治療装置、医療モニタリング装置、及び/又は他の携帯できる医療装置を含んでよい。
【0018】
ある実施例において、車椅子104は、如何なる二輪の車椅子、如何なる三輪の車椅子、如何なる四輪の車椅子又は如何なる五輪の車椅子でもよい。ある実施例において、車椅子104は、モーター付き或いは電動の車椅子、又は手動推進の車椅子でもよい。ある実施例において、車椅子104は、電動カート(mobility scooter)でもよい。ある実施例において、車椅子104は一般的に、フレーム、このフレームの回転可能で取り付けられる車輪/ローラー、シート、並びにフレーム及び任意で足置きの両方の上に置かれる背もたれを含む。車輪/ローラーは、フレームの前部にあるキャスターホイール、及び車椅子のフレームの後部にある2つの大きな車輪を含んでもよい。
【0019】
ある実施例において、システム100は、換気装置102を幾つかの異なる種類の車椅子の何れか1つに取り付けるように構成される。例えば、ある実施例において、システム100は、同じ換気装置102を、
図11に示されるような車椅子WC
1、
図12に示されるような車椅子WC
2、
図13及び
図14に示されるような車椅子WC
3、並びに
図15及び
図16に示されるような車椅子WC
4に取り付けるのに使用される。
【0020】
ある実施例において、
図5及び
図6に示されるような第1の部材106は、第1の支持部材124及び帯ひも(webbing)122を含む。ある実施例において、第1の支持部材は、概ね矩形形状の形態を持つ。ある実施例において、第1の支持部材124の長さは、12インチである。ある実施例において、第1の支持部材124の長さは、4インチから24インチまでの範囲内にある。ある実施例において、第1の支持部材124の高さは、3.5インチである。ある実施例において、第1の支持部材124の高さは、1インチから24インチまでの範囲内にある。
【0021】
ある実施例において、第1の支持部材124は、第1の支持面124a及び第2の支持面124bを含む。ある実施例において、
図6に示されるように、第1の支持部材124は、その中に換気装置102の一部を収容するために構成される開口137を含む。もう一つの実施例において、
図5に示されるように、開口137は任意である。
【0022】
ある実施例において、第1の支持部材124は、プラスチック材料から作られる。ある実施例において、第1の支持部材124は、如何なる柔軟な材料からも作られる。本特許出願は、第1の支持部材124が当業者は分かっているような他の材料から形成されてよいことも考慮している。ある実施例において、部材124は、ナイロン、プラスチック、ポリエステル、布又は他の如何なる柔軟な若しくは柔軟ではない材料から構成されてよい。本特許出願は、第1の部材106及び第1の支持部材124が当業者は分かっているような他の形状又は構成であってよいことも考慮している、例えば、第1の支持部材124は、
図5及び
図6にあるのと異なるサイズ、形状及び/又は形態を有する。
【0023】
ある実施例において、第1の部材106は、第1の部材106を車椅子104に素早く取り付ける、及び第1の部材106を車椅子104から素早く解放/取り外すように構成される相互係合する締結要素(例えば、バックルクリップ/サイドリリースクリップ)121a、121b、121c及び121dの2つ又はそれ以上の組を含んでもよい。ある実施例において、締結要素121a、121b、121c及び121dの各々は、メス部分及びオス部分を含む。ある実施例において、締結要素121a、121b、121c及び121dの各々のメス部分は、第1の支持部材124に取り付けられ、締結要素121a、121b、121c及び121dの各々のオス部分は、対応するストラップ部122a、122b、122c及び122dに取り付けられる、並びにそれが反対でもよい。ある実施例において、前記サイドリリースクリップの代わりに、第1の部材106は、第1の部材106を車椅子104に素早く取り付ける、及び第1の部材106を車椅子104から素早く解放/取り外すように構成される他の種類の相互係合する締結要素を含んでよい。例えば、これらの他の種類の相互係合する締結要素は、面ファスナー(hook and loop fastener)、例えばVELCRO、スナップ、留め具、ボタン、クリップ、バックル、留め金、はと目(eyelet)等を含む。
【0024】
ある実施例において、
図6及び
図8に示されるように、締結要素121a、121b、121c及び121dの各々のメス部分(又はオス部分)は、第1の支持部材124と、その端部139a、139b、139c及び139dにおいてに取り付けられる。もう1つの実施例において、
図5に示されるように、締結要素121a、121b、121c及び121dの各々のメス部分(又はオス部分)は、第1の部材106が車椅子104に解放可能なように固定され得る限り、第1の支持部材124と、その長さ方向に沿ったどこかで取り付けられる。
【0025】
ある実施例において、帯ひも122は、布、ナイロン、ポリエステル、プラスチック又は他の軽量及び弾性のない材料から作られてよい。本特許出願は、当業者は分かっているような他の材料から形成されてよいことも考慮している。ある実施例において、部材122は、述べた材料に加え、ゴムから作られることもできる。ある実施例において、帯ひも122は、1つ又はそれ以上のストラップ部又は部材を含む。例示される実施例において、帯ひも122は、4つのストラップ部又は部材122a、122b、122c及び122dを含む。
【0026】
ある実施例において、各ストラップ部又は部材122a、122b、122c及び122dの長さは、24インチである。ある実施例において、各ストラップ部又は部材122a、122b、122c及び122dの長さは、4インチから60インチまでの範囲内にある。ある実施例において、各ストラップ部又は部材122a、122b、122c及び122dの幅は、1インチである。ある実施例において、各ストラップ部又は部材122a、122b、122c及び122dの幅は0.5インチから4インチまでの範囲内にある。
【0027】
ある実施例において、ストラップ部又は部材122a、122b、122c及び122dの端部125a、125b、125c及び125dは、第1の支持部材124の後部/第2の支持面124bに固定され、ストラップ部又は部材122a、122b、122c及び122dの自由端127a、127b、127c及び127dは、締結要素121a、121b、121c及び121dの対応する1つ(例えばオス又はメス部分)に取り付けられる。
【0028】
ある実施例において、ストラップ部又は部材122a、122b、122c及び122dの自由端127a、127b、127c及び127dは、車椅子104の一部129に巻き付けられるように構成される。ある実施例において、車椅子104の一部129は、背もたれ、後部の支持部材、側部の支持部材又は車椅子104の他の如何なる部材又は支持部材でもよい。ある実施例において、ストラップ部又は部材122a、122b、122c及び122dは次いで、その対応する締結要素121a、121b、121c及び121dにより車椅子104の一部129の周りにしっかり取り付けられる。ある実施例において、ストラップ部又は部材122a、122b、122c及び122dの各々は、第1の部材106が異なるサイズ、形状及び形態を有する車椅子104のために調節されるように、個々に長さを調節可能である。ある実施例において、ストラップ部又は部材122a、122b、122c及び122dの各々は、必要に応じて、ユーザにより簡単に調節される。ある実施例において、第1の部材106は、車椅子104の後部に恒久的に取り付けられてもよい。
【0029】
ある実施例において、第1のカプラー構造110は、第1の部材106の第1の支持部材124の第1/前部の支持面124a上に置かれる。ある実施例において、第1のカプラー構造110は、
図6に示されるように、ループ110aの形式でよい。もう1つの実施例において、第1のカプラー構造110は、
図8に示されるように、フック110bの形式でよい。ある実施例において、
図8から
図10に示される及び
図8から
図10に関して述べたような第1の部材106及び第2の部材108は、本明細書で論じた相違点を除き、
図4から
図7に示される及び
図4から
図7に関して述べたような第1の部材106及び第2の部材108と同じ構造、形態及び動作を持つ。
【0030】
ある実施例において、
図4から
図7に示されるような第2の部材108は、プラスチック材料から作られる。本特許出願は、当業者は分かっているような他の材料から形成されることも考慮している。ある実施例において、部材108は、ゴム又は金属から構成されてもよい。
【0031】
ある実施例において、第2の部材108は、換気装置を使用するバッグ又はケースVBに取り外し可能で取り付けられる。ある実施例において、第2の部材108は、換気装置を使用するバッグ/ケースVBに恒久的に取り付けられてよい。ある実施例において、第2の部材108は、換気装置を使用するバッグ/ケースVB内に成形されてもよい。
【0032】
ある実施例において、換気装置を使用するバッグ/ケースVBは、それの輸送、保管及び使用中に換気装置102を保護するように構成される。ある実施例において、換気装置を使用するバッグ/ケースVBは、コンパクトであり、使いやすい。ある実施例において、換気装置を使用するバッグ/ケースVBは、フレーム及びこのフレームの上に形成されるカバーを含む。このフレームは、換気装置102を収容するための区画を定めるための壁を含む。ある実施例において、換気装置を使用するバッグ/ケースVBは、それの輸送、保管及び使用中に換気装置102を保護するように構成される緩衝材を含んでもよい。ある実施例において、
図4に示されるように、換気装置を使用するバッグ/ケースVBは、換気装置102を換気装置を使用するバッグ/ケースVBから取り外すことなく、換気装置102の動作制御パネル131がアクセス可能であるように構成される。ある実施例において、換気装置を使用するバッグ/ケースVBは、換気装置102及び換気装置を使用するバッグ/ケースVBの輸送を容易にするためのストラップ又はハンドルを持ってもよい。ある実施例において、換気装置を使用するバッグ/ケースVBは、軟質又は硬質シェルの形態を持ってよい。
【0033】
ある実施例において、第2の部材108は、1つ又はそれ以上の第2の支持部材133を含む。
図4及び
図7の例示される実施例において、第2の部材108は、換気装置を使用するバッグ/ケースVB内に収容される換気装置の両側/両端に置かれる2つの第2の支持部材133を含む。ある実施例において、第2の部材108の2つの第2の支持部材133が互いに相互接続される。ある実施例において、第2の部材108の2つの第2の支持部材133は、互いに分離してもよい。
【0034】
ある実施例において、第2の部材108及び/又は1つ又はそれ以上の第2の支持部材133は、環状形状の形態を持ってもよい。本特許出願は、第2の部材108及び/又は1つ又はそれ以上の第2の支持部材133が当業者は分かっているような他の形状又は形態を持ってもよいことも考慮している。
【0035】
ある実施例において、各々の第2の支持部材133は、前部/第1の支持面133a及び後部/第2の支持面133bを含む。ある実施例において、第2のカプラー構造112は、第1/前部の支持面133a上に置かれる。ある実施例において、第2のカプラー構造122は、
図7に示されるようなフック122aの形式でもよい。もう1つの実施例において、第2のカプラー構造112は、
図9に示されるようなループ112bの形式でもよい。
【0036】
ある実施例において、換気装置を使用するバッグ/ケースVBにある換気装置は、第2の部材108と一緒に、必要に応じて、ユーザにより第1の部材106に簡単に取り付けられる又は第1の部材106から簡単に取り外される。
【0037】
ある実施例において、
図4から
図7を参照すると、第1の部材106のループ110aは、換気装置102を車椅子104に取り付けるために、第2の部材108上に置かれる対応するフック112aと解放可能なように結合されるように構成される。ある実施例において、
図8から
図10を参照すると、第1の部材106のフック110bは、換気装置102を車椅子104に取り付けるために、第2の部材108上に置かれる対応するループ112bと解放可能なように結合されるように構成される。
【0038】
ある実施例において、
図4から
図7に示されるような第1のカプラー構造110、110a、及び
図8から
図10に示されるような第1のカプラー構造110、110bは、システム100の第1のカプラー構造110のほんの2つの例である。ある実施例において、第1のカプラー構造110は、換気装置102を車椅子104に取り付けるために、第2のカプラー構造112と解放可能なように結合するための如何なる締結具を含んでよい。同様に、
図4から
図7に示されるような第2のカプラー構造112、112a、及び
図8から
図10に示されるような第2のカプラー構造112、112bは、システム100の第2のカプラー構造112のほんの2つの例である。ある実施例において、第2のカプラー構造112は、換気装置102を車椅子104に取り付けるために、第1のカプラー構造110と解放可能なように結合するための如何なる締結具を含んでよい。例えば、ある実施例において、第1のカプラー構造110及び/又は第2のカプラー構造112は、面ファスナー、例えばVELCRO、スナップ、磁石、蟻継ぎ(dovetail)、留め具、ボタン、クリップ、バックル、留め金、はと目等を含む。
【0039】
ある実施例において、第1のカプラー構造110は、第1の部材106の第1の支持部材124上の中央に置かれる(
図4から
図7及び
図8から
図10に例示される2つではなく)単一の第1のカプラー構造を含み、この単一の第1のカプラー構造は、第2の部材108/換気装置を使用するバッグ/ケースVB上の中央に置かれる対応する単一の第2のカプラー構造112と解放可能なように結合されるように構成される。ある実施例において、単一の第1及び第2のカプラー構造は、車椅子104にある換気装置102の重量とバランスを取るために、より大きな幅を持ってもよい。
【0040】
ある実施例において、システム100は、自分の家環境又は介護付き住宅或いは介護施設において患者/ユーザにより使用されてもよい。例えば、そのような実施例において、システム100は、換気装置102又は他の如何なる携帯できる医療装置が、これらに限定されないが、患者ベッド、椅子又は他の患者支援構造を含む幾つかの異なる種類の患者支援構造の何れか1つに取り付けられることを可能にするように構成される。例えば、ある実施例において、システム100は、自分の家環境又は介護付き住宅或いは介護施設において、携帯できる医療装置を、患者/ユーザのベッドの側面に、又はベッドのベッドレールに取り付けるようにも構成される。ある実施例において、システム100は、換気装置120又は他の如何なる医療装置が、車のシート及び/又は患者を運搬/輸送する車両のシートの幾つかの異なる種類の何れか1つに取り付けられることを可能にするように構成されるある実施例において、他の医療装置は、分泌物の管理に使用される医療装置、睡眠療法に使用される医療装置(例えばPAP、BiPAP等)、心臓ペーシング装置、医療治療装置、医療モニタリング装置、及び/又は他の携帯できる医療装置を含んでよい。
【0041】
本特許出願の万能な換気装置取り付けソリューションは、換気装置102が如何なる車椅子の後部に取り付けられることを可能にする。すなわち、システム100は、如何なる車椅子と共に働くように構成される"フリーサイズ構造(one size fits all configuration)"を提供する。
【0042】
ある実施例において、本特許出願に説明されるような寸法は、上述した寸法よりも最大5%より大きい、又は最大5%より小さい。ある実施例において、本特許出願に説明されるような寸法は、上述した寸法よりも最大10%より大きい、又は最大10%より小さい。ある実施例において、本特許出願に説明されるような寸法は、上述した寸法よりも最大20%より大きい、又は最大20%より小さい。ある実施例において、本特許出願に説明されるような寸法の全ては、インチ単位である。
【0043】
図17は、換気装置102を車椅子104に取り付けるための例示的な方法500を例示している。本明細書に示される方法500の手順は、例示することを目的としている。ある実施例において、方法500は、説明されていない1つ又はそれ以上の追加の手順を用いて、及び/又は論じた手順の1つ又はそれ以上を用いることなく達成されてよい。加えて、
図17に例示される及び明細書に記載される方法500の手順の順番は限定を目的としていない。
【0044】
方法500の手順502において、第1の部材106が車椅子104に解放可能なように固定され、ここで第1の部材106は、第1のカプラー構造110を含む。方法500の手順504において、第2の部材108が換気装置102と結合され、ここで第2の部材108は、第2のカプラー構造112を有する。
【0045】
方法500の手順506において、第2のカプラー構造112は、換気装置102を車椅子104に取り付けるために、第1のカプラー構造110と解放可能なように結合される。方法500の手順508において、第2のカプラー構造112は、換気装置102を車椅子104から取り外すために、第1のカプラー構造110から解放される。例えば、第2のカプラー構造112が第1のカプラー構造110から解放されるとき、ユーザは、換気装置102を車椅子104から簡単に取り外すことができる。
【0046】
ユーザは、その後、同じ換気装置102を(
図11から
図16に示されるような)第2の車椅子WC
1、WC
2、WC
3又はWC
4に取り付けることができる。例えば、方法500の手順510において、第1の部材106は、(
図11から
図16に示されるような)第2の車椅子WC
1、WC
2、WC
3又はWC
4に解放可能なように固定され、ここで第2の車椅子WC
1、WC
2、WC
3又はWC
4は、車椅子104とは異なる形状及び形態を有する。方法500の手順512において、第2のカプラー構造112は、換気装置102を第2の車椅子WC
1、WC
2、WC
3又はWC
4に取り付けるために、第1のカプラー構造110と解放可能なように結合される。
【0047】
本特許出願は、換気装置102が略何れの車椅子の後部にも取り付けることを可能にする万能な換気装置取り付けソリューションを提供する。システム100は、ユーザがいつでもどこででも換気装置102を車椅子104に簡単に取り付けること、及びユーザがいつでもどこででも換気装置102を車椅子104から簡単に解放する/取り外すことを可能にするようにも構成される。システム100は、この取り付けシステムのアップグレード/交換を必要とすることなく、ユーザが自分の車椅子を変更することを可能にするようにも構成される。
【0048】
請求項において、括弧の間に置かれる如何なる参照符号がその請求項を限定していると解釈されるべきではない。"有する"又は"含む"という言葉は、請求項に挙げられている要素又はステップの存在を排除するものではない。幾つかの手段を列挙している装置の請求項において、これらの手段の幾つかがハードウェアの同一アイテムにより具現化されてよい。要素が複数あることを述べていなくても、そのような要素が複数あることを排除するものではない。幾つかの手段を列挙している如何なる装置の請求項において、これらの手段の幾つかがハードウェアの同一アイテムにより具現化されてよい。幾つかの要素が互いに異なる従属請求項に挙げられているという単なる事実は、これらの要素が組み合わされて使用されることができないことを示していない。
【0049】
本特許出願は、最も実用的及び好ましい実施例であると現在考えられるものに基づいて、説明を目的に詳細に説明されたとしても、そのような詳細は、単に説明を目的とすること、及び本特許出願は、開示される実施例に限定されるのではなく、それどころか、付随する請求項の主旨及び範囲内にある修正案及び等価なアレンジメントにも及んでいると意図されることを理解すべきである。例えば、本特許出願は、何れかの実施例の1つ又はそれ以上の特徴が、可能な限り、他の何れかの実施例の1つ又はそれ以上の特徴と組み合わされ得ることを理解すべきである。