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特許7111814資産管理方法および装置ならびに電子デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-25
(45)【発行日】2022-08-02
(54)【発明の名称】資産管理方法および装置ならびに電子デバイス
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/38 20120101AFI20220726BHJP
【FI】
G06Q20/38 310
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020529627
(86)(22)【出願日】2019-02-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-06
(86)【国際出願番号】 US2019017956
(87)【国際公開番号】W WO2019161022
(87)【国際公開日】2019-08-22
【審査請求日】2020-07-06
(31)【優先権主張番号】201810151606.3
(32)【優先日】2018-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520015461
【氏名又は名称】アドバンスド ニュー テクノロジーズ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(72)【発明者】
【氏名】シュエビン・ヤン
【審査官】貝塚 涼
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/145007(WO,A1)
【文献】特開2018-14567(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106780025(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0221052(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0005804(US,A1)
【文献】国際公開第2017/170997(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第106790253(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
資産管理のための方法であって
ブロックチェーンの中のノードデバイスによって、ターゲットユーザデバイスに対して公開鍵および秘密鍵を生成するステップであって、前記ターゲットユーザデバイスがブロックチェーンネットワーク中の複数の位置に分散されて記録されている、ターゲットユーザの口座を有する、ステップと、
前記ターゲットユーザの口座からの資産オブジェクト移転要求を前記ブロックチェーンの中のノードデバイスによって受領するステップ(102)であって、前記資産オブジェクト移転要求が、移転されるべき資産オブジェクトと、前記資産オブジェクトを設定されたサイズを有する最大数量の複数のターゲット資産オブジェクトに分割する要求とを有し、前記複数のターゲット資産オブジェクトが前記ターゲットユーザに関連する前記秘密鍵によって署名される、ステップと、
前記秘密鍵に対応する前記公開鍵に基づいて前記ターゲットユーザデバイスに対して識別認証を行うステップと、
前記ブロックチェーンの中のノードデバイスによって、前記識別認証を行い、移転されるべき前記資産オブジェクトの資産タイプに対応するとともに前記ブロックチェーンの中で展開される契約オブジェクトを呼び出すステップ(104)と
前記ブロックチェーンの中のノードデバイスによって、移転されるべき前記資産オブジェクトを複数のターゲット資産オブジェクトに分割するステップ(104)であって、前記複数のターゲット資産オブジェクトのそれぞれが対応するアドレス情報を有する、ステップと
前記ブロックチェーンの中のノードデバイスによって、前記複数のターゲット資産オブジェクトに対応する資産受領オブジェクトを識別するステップと、
前記ブロックチェーンの中のノードデバイスによって、移転されるべき前記資産オブジェクトの前記対応するアドレス情報を、移転されるべき前記資産オブジェクトを保持するターゲットオブジェクトから除去するステップ(106)と、
前記ブロックチェーンの中のノードデバイスによって、前記複数のターゲット資産オブジェクトの対応するアドレス情報を、前記複数のターゲット資産オブジェクトに対応する前記資産受領オブジェクトに追加するステップ(106)と
を備える方法。
【請求項2】
前記契約オブジェクトが、実行プログラム、および前記資産オブジェクトを複数のターゲット資産オブジェクトに分割するために使用される分割規則を宣言し、前記複数のターゲット資産オブジェクトの合計値が前記資産オブジェクトの合計値に等しい、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
移転されるべき前記資産オブジェクトの前記資産タイプに対応するとともに前記ブロックチェーンの中で展開される前記契約オブジェクトを呼び出すステップが、
前記資産オブジェクトの前記資産タイプに対応するとともに前記ブロックチェーンの中で展開される前記契約オブジェクトの中で宣言された前記実行プログラムを呼び出すステップを備える、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
移転されるべき前記資産オブジェクトを前記複数のターゲット資産オブジェクトに分割するステップが、
前記分割規則に基づいて、移転されるべき前記資産オブジェクトを前記複数のターゲット資産オブジェクトに分割するステップを備える、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記契約オブジェクトが、実行プログラム、および資産オブジェクトを分割するために使用される分割規則を宣言し、
前記資産オブジェクト移転要求が、前記ターゲットユーザの口座によって要求された、移転されるべき前記資産オブジェクトに対する分割結果をさらに備える、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
移転されるべき前記資産オブジェクトの資産タイプに対応するとともに前記ブロックチェーンの中で展開される前記契約オブジェクトを呼び出すステップ、および移転されるべき前記資産オブジェクトを前記複数のターゲット資産オブジェクトに分割するステップが、
前記資産オブジェクトの前記資産タイプに対応するとともに前記ブロックチェーンの中で展開される前記契約オブジェクトの中で宣言された前記実行プログラムを呼び出すステップと、
前記ターゲットユーザの口座によって要求された、移転されるべき前記資産オブジェクトに対する前記分割結果が、前記契約オブジェクトの中で宣言された前記分割規則を満たすと決定するステップと
前記ターゲットユーザの口座によって要求された前記分割結果に基づいて、移転されるべき前記資産オブジェクトを前記複数のターゲット資産オブジェクトに分割するステップと
を備える、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記契約オブジェクトが、資産オブジェクトを移転するために使用される実行プログラムを宣言し、
移転されるべき前記資産オブジェクトが、前記契約オブジェクトを呼び出すことによって作成される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
移転されるべき前記資産オブジェクトのアドレス情報を、移転されるべき前記資産オブジェクトを保持する前記ターゲットオブジェクトから除去するステップ、および前記複数のターゲット資産オブジェクトのアドレス情報を、前記複数のターゲット資産オブジェクトに対応する前記資産受領オブジェクトに追加するステップが、
移転されるべき前記資産オブジェクトの前記資産タイプに対応するとともに前記ブロックチェーンの中で展開される前記契約オブジェクトの中で宣言された前記実行プログラムを呼び出すステップ、および前記資産オブジェクト移転要求が所定の移転規則を満たすかどうかを決定するステップと、
前記資産オブジェクト移転要求が前記所定の移転規則を満たす場合、移転されるべき前記資産オブジェクトの前記アドレス情報を、移転されるべき前記資産オブジェクトを保持する前記ターゲットオブジェクトから除去するステップ、および前記複数のターゲット資産オブジェクトの前記アドレス情報を、前記複数のターゲット資産オブジェクトに対応する前記資産受領オブジェクトに追加するステップと
を備える、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記ブロックチェーンによってサポートされるオブジェクトがアドレスフィールドを備え、
前記アドレスフィールドが、前記オブジェクトによって保持される資産オブジェクトのアドレス情報を維持するために使用される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
移転されるべき前記資産オブジェクトのアドレス情報を、移転されるべき前記資産オブジェクトを保持するターゲットオブジェクトから除去するステップ、および前記複数のターゲット資産オブジェクトのアドレス情報を、前記複数のターゲット資産オブジェクトに対応する前記資産受領オブジェクトに追加するステップが、
移転されるべき前記資産オブジェクトの前記アドレス情報を、移転されるべき前記資産オブジェクトを保持する前記ターゲットオブジェクトの中のアドレスフィールドから除去するステップ、および前記複数のターゲット資産オブジェクトの前記アドレス情報を、前記複数のターゲット資産オブジェクトに対応する前記資産受領オブジェクトの中のアドレスフィールドに追加するステップを備える、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記ブロックチェーンによってサポートされる前記契約オブジェクトがコードフィールドをさらに備え、
前記コードフィールドが、前記契約オブジェクトの中で宣言された実行プログラムに関係する実行コードを維持するために使用される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記複数のターゲット資産オブジェクトに対応する前記資産受領オブジェクトが、
前記複数のターゲット資産オブジェクトに対応するとともに前記ターゲットユーザの口座によって指定される第1の資産受領オブジェクト、または
前記複数のターゲット資産オブジェクトに対応するとともに、移転されるべき前記資産オブジェクトの前記資産タイプに対応する前記契約オブジェクトの中で宣言される、第2の資産受領オブジェクト
を備える、
請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記ブロックチェーンによってサポートされるオブジェクトが、口座オブジェクト、契約オブジェクト、および資産オブジェクトを備え、
前記複数のターゲット資産オブジェクトに対応する前記資産受領オブジェクトが、口座オブジェクト、契約オブジェクト、および資産オブジェクトのうちのいずれか1つを備える、
請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記ブロックチェーンがコンソーシアムチェーンであり、
前記ブロックチェーンの中のターゲットメンバーが、前記コンソーシアムチェーンの中の前記資産オブジェクトを作成するための許可を有するコンソーシアムメンバーである、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成された、コンピュータシステムによって実行可能な命令を含む1つまたは複数のモジュールを有する非揮発性のコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年2月14日に出願された中国特許出願第201810151606.3号の優先権を主張する。
【0002】
本明細書の1つまたは複数の実装形態は、ブロックチェーン技術の分野に関し、詳細には、資産管理方法および装置、ならびに電子デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
ブロックチェーン技術とは、いくつかのコンピューティングデバイスが、共同で「会計」に参加し完全な分散型データベースを共同で維持する新興の技術である。ブロックチェーン技術は、非集中化および透過性によって特徴づけられ、ブロックチェーン技術において、各コンピューティングデバイスは、データベース記録に参加することができ、データ同期を迅速に実行することができる。したがって、非集中型システムをセットアップし、自動実行のためにブロックチェーンの分散型データベースの中の様々な実行プログラムを収集するために、ブロックチェーン技術が使用される。ブロックチェーン技術は、多くの分野において広く使用されている。たとえば、金融技術の分野では、異なるユーザ間でのセキュアなポイントツーポイント支払いが、銀行などの金融機関を使用せずに実施され得るように、P2P支払いプラットフォームをセットアップし、ブロックチェーンにおけるスマートコントラクト(smart contract)などの実行プログラムを展開するために、ブロックチェーン技術が使用される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書は、資産オブジェクト移転要求をブロックチェーンの中のノードデバイスによって受領することであって、ここで、資産オブジェクト移転要求が、移転されるべき資産オブジェクトを含むことと、資産オブジェクト移転要求に応答して、移転されるべき資産オブジェクトの資産タイプに対応するとともにブロックチェーンの中で展開される契約オブジェクトを呼び出すことと、移転されるべき資産オブジェクトを複数のターゲット資産オブジェクトに分割することと、移転されるべき資産オブジェクトのアドレス情報を、移転されるべき資産オブジェクトを保持するターゲットオブジェクトから除去することと、複数のターゲット資産オブジェクトのアドレス情報を、複数のターゲット資産オブジェクトに対応する資産受領オブジェクト(asset receiving object)に追加することとを含む、資産管理方法を提供する。
【0005】
随意に、契約オブジェクトは、実行プログラム、および資産オブジェクトを分割するために使用される分割規則を宣言し、移転されるべき資産オブジェクトの資産タイプに対応するとともにブロックチェーンの中で展開される契約オブジェクトを呼び出すこと、および移転されるべき資産オブジェクトを複数のターゲット資産オブジェクトに分割することは、資産オブジェクトの資産タイプに対応するとともにブロックチェーンの中で展開される、契約オブジェクトの中で宣言された、実行プログラムを呼び出すことと、分割規則に基づいて、移転されるべき資産オブジェクトを複数のターゲット資産オブジェクトに分割することとを含む。
【0006】
随意に、契約オブジェクトは、実行プログラム、および資産オブジェクトを分割するために使用される分割規則を宣言し、資産オブジェクト移転要求は、ユーザによって要求された、移転されるべき資産オブジェクトに対する分割結果をさらに含み、移転されるべき資産オブジェクトの資産タイプに対応するとともにブロックチェーンの中で展開される契約オブジェクトを呼び出すこと、および移転されるべき資産オブジェクトを複数のターゲット資産オブジェクトに分割することは、資産オブジェクトの資産タイプに対応するとともにブロックチェーンの中で展開される、契約オブジェクトの中で宣言された、実行プログラムを呼び出すこと、およびユーザによって要求された、移転されるべき資産オブジェクトに対する分割結果が、契約オブジェクトの中で宣言された分割規則を満たすかどうかを決定することと、分割結果が、契約オブジェクトの中で宣言された分割規則を満たす場合、ユーザによって要求された分割結果に基づいて、移転されるべき資産オブジェクトを複数のターゲット資産オブジェクトに分割することとを含む。
【0007】
随意に、契約オブジェクトは、資産オブジェクトを移転するために使用される実行プログラムを宣言し、移転されるべき資産オブジェクトは、契約オブジェクトを呼び出すことによって作成され、移転されるべき資産オブジェクトのアドレス情報を、移転されるべき資産オブジェクトを保持するターゲットオブジェクトから除去すること、および複数のターゲット資産オブジェクトのアドレス情報を、複数のターゲット資産オブジェクトに対応する資産受領オブジェクトに追加することは、移転されるべき資産オブジェクトの資産タイプに対応するとともにブロックチェーンの中で展開される、契約オブジェクトの中で宣言された、実行プログラムを呼び出すこと、および資産オブジェクト移転要求が所定の移転規則を満たすかどうかを決定することと、資産オブジェクト移転要求が所定の移転規則を満たす場合、移転されるべき資産オブジェクトのアドレス情報を、移転されるべき資産オブジェクトを保持するターゲットオブジェクトから除去すること、および複数のターゲット資産オブジェクトのアドレス情報を、複数のターゲット資産オブジェクトに対応する資産受領オブジェクトに追加することとを含む。
【0008】
随意に、ブロックチェーンによってサポートされるオブジェクトは、アドレスフィールドを含み、アドレスフィールドは、オブジェクトによって保持される資産オブジェクトのアドレス情報を維持するために使用される。
【0009】
随意に、移転されるべき資産オブジェクトのアドレス情報を、移転されるべき資産オブジェクトを保持するターゲットオブジェクトから除去すること、および複数のターゲット資産オブジェクトのアドレス情報を、複数のターゲット資産オブジェクトに対応する資産受領オブジェクトに追加することは、移転されるべき資産オブジェクトのアドレス情報を、移転されるべき資産オブジェクトを保持するターゲットオブジェクトの中のアドレスフィールドから除去すること、および複数のターゲット資産オブジェクトのアドレス情報を、複数のターゲット資産オブジェクトに対応する資産受領オブジェクトの中のアドレスフィールドに追加することを含む。
【0010】
随意に、ブロックチェーンによってサポートされるオブジェクトは、コードフィールドをさらに含み、コードフィールドは、オブジェクトの中で宣言された実行プログラムに関係する実行コードを維持するために使用される。
【0011】
随意に、複数のターゲット資産オブジェクトに対応する資産受領オブジェクトは、複数のターゲット資産オブジェクトに対応するとともにユーザによって指定される資産受領オブジェクト、または複数のターゲット資産オブジェクトに対応するとともに、移転されるべき資産オブジェクトの資産タイプに対応する契約オブジェクトの中で宣言される、資産受領オブジェクトを含む。
【0012】
随意に、ブロックチェーンによってサポートされるオブジェクトは、口座オブジェクト、契約オブジェクト、および資産オブジェクトを含み、複数のターゲット資産オブジェクトに対応する資産受領オブジェクトは、口座オブジェクト、契約オブジェクト、および資産オブジェクトのうちのいずれか1つを含む。
【0013】
随意に、ブロックチェーンはコンソーシアムチェーン(consortium chain)であり、ブロックチェーンの中のターゲットメンバーは、コンソーシアムチェーンの中の資産オブジェクトを作成するための許可を有するコンソーシアムメンバーである。
【0014】
本明細書は、資産オブジェクト移転要求を受領するように構成された受領モジュールであって、ここで、資産オブジェクト移転要求が、移転されるべき資産オブジェクトを含む、受領モジュールと、資産オブジェクト移転要求に応答して、移転されるべき資産オブジェクトの資産タイプに対応するとともにブロックチェーンの中で展開される契約オブジェクトを呼び出し、移転されるべき資産オブジェクトを複数のターゲット資産オブジェクトに分割するように構成された分割モジュールと、移転されるべき資産オブジェクトのアドレス情報を、移転されるべき資産オブジェクトを保持するターゲットオブジェクトから除去し、複数のターゲット資産オブジェクトのアドレス情報を、複数のターゲット資産オブジェクトに対応する資産受領オブジェクトに追加するように構成された移転モジュールとを含む、資産管理装置をさらに提供する。
【0015】
随意に、契約オブジェクトは、実行プログラム、および資産オブジェクトを分割するために使用される分割規則を宣言し、分割モジュールは、資産オブジェクトの資産タイプに対応するとともにブロックチェーンの中で展開される、契約オブジェクトの中で宣言された、実行プログラムを呼び出し、分割規則に基づいて、移転されるべき資産オブジェクトを複数のターゲット資産オブジェクトに分割するように構成される。
【0016】
随意に、契約オブジェクトは、実行プログラム、および資産オブジェクトを分割するために使用される分割規則を宣言し、資産オブジェクト移転要求は、ユーザによって要求された、移転されるべき資産オブジェクトに対する分割結果をさらに含み、分割モジュールは、資産オブジェクトの資産タイプに対応するとともにブロックチェーンの中で展開される、契約オブジェクトの中で宣言された、実行プログラムを呼び出し、ユーザによって要求された、移転されるべき資産オブジェクトに対する分割結果が、契約オブジェクトの中で宣言された分割規則を満たすかどうかを決定し、分割結果が、契約オブジェクトの中で宣言された分割規則を満たす場合、ユーザによって要求された分割結果に基づいて、移転されるべき資産オブジェクトを複数のターゲット資産オブジェクトに分割するように構成される。
【0017】
随意に、契約オブジェクトは、資産オブジェクトを移転するために使用される実行プログラムを宣言し、移転されるべき資産オブジェクトは、契約オブジェクトを呼び出すことによって作成され、移転モジュールは、移転されるべき資産オブジェクトの資産タイプに対応するとともにブロックチェーンの中で展開される、契約オブジェクトの中で宣言された、実行プログラムを呼び出し、資産オブジェクト移転要求が所定の移転規則を満たすかどうかを決定し、資産オブジェクト移転要求が所定の移転規則を満たす場合、移転されるべき資産オブジェクトのアドレス情報を、移転されるべき資産オブジェクトを保持するターゲットオブジェクトから除去し、複数のターゲット資産オブジェクトのアドレス情報を、複数のターゲット資産オブジェクトに対応する資産受領オブジェクトに追加するように構成される。
【0018】
随意に、ブロックチェーンによってサポートされるオブジェクトは、アドレスフィールドを含み、アドレスフィールドは、オブジェクトによって保持される資産オブジェクトのアドレス情報を維持するために使用される。
【0019】
随意に、移転モジュールは、移転されるべき資産オブジェクトのアドレス情報を、移転されるべき資産オブジェクトを保持するターゲットオブジェクトの中のアドレスフィールドから除去し、複数のターゲット資産オブジェクトのアドレス情報を、複数のターゲット資産オブジェクトに対応する資産受領オブジェクトの中のアドレスフィールドに追加するようにさらに構成される。
【0020】
随意に、ブロックチェーンによってサポートされるオブジェクトは、コードフィールドをさらに含み、コードフィールドは、オブジェクトの中で宣言された実行プログラムに関係する実行コードを維持するために使用される。
【0021】
随意に、複数のターゲット資産オブジェクトに対応する資産受領オブジェクトは、複数のターゲット資産オブジェクトに対応するとともにユーザによって指定される資産受領オブジェクト、または複数のターゲット資産オブジェクトに対応するとともに、移転されるべき資産オブジェクトの資産タイプに対応する契約オブジェクトの中で宣言される、資産受領オブジェクトを含む。
【0022】
随意に、ブロックチェーンによってサポートされるオブジェクトは、口座オブジェクト、契約オブジェクト、および資産オブジェクトを含み、複数のターゲット資産オブジェクトに対応する資産受領オブジェクトは、口座オブジェクト、契約オブジェクト、および資産オブジェクトのうちのいずれか1つを含む。
【0023】
随意に、ブロックチェーンはコンソーシアムチェーンであり、ブロックチェーンの中のターゲットメンバーは、コンソーシアムチェーンの中の資産オブジェクトを作成するための許可を有するコンソーシアムメンバーである。
【0024】
本明細書は、プロセッサと、機械実行可能命令を記憶するように構成されたメモリとを含む、電子デバイスをさらに提供し、ここで、メモリの中に記憶されるとともにブロックチェーンベース資産管理の制御論理に対応する機械実行可能命令を、読み取ることおよび実行することによって、プロセッサは、資産オブジェクト移転要求を受領することであって、ここで、資産オブジェクト移転要求が、移転されるべき資産オブジェクトを含むことと、資産オブジェクト移転要求に応答して、移転されるべき資産オブジェクトの資産タイプに対応するとともにブロックチェーンの中で展開される契約オブジェクトを呼び出すことと、移転されるべき資産オブジェクトを複数のターゲット資産オブジェクトに分割することと、移転されるべき資産オブジェクトのアドレス情報を、移転されるべき資産オブジェクトを保持するターゲットオブジェクトから除去することと、複数のターゲット資産オブジェクトのアドレス情報を、複数のターゲット資産オブジェクトに対応する資産受領オブジェクトに追加することとを行うように構成される。
【0025】
説明する実装形態では、ユーザによって指定された、移転されるべき資産オブジェクトに対応する契約オブジェクトが呼び出され、移転されるべき資産オブジェクトが、複数のターゲット資産オブジェクトに分割され、移転されるべき資産オブジェクトのアドレス情報が、移転されるべき資産オブジェクトを保持するターゲットオブジェクトから除去され、分割を通じて取得された複数のターゲット資産オブジェクトのアドレス情報が、複数のターゲット資産オブジェクトを保持する受領オブジェクトに追加されて、ターゲット資産オブジェクトを移転し、その結果、実世界における資産は、保持するためにブロックチェーンの中のデジタル資産に変換され得、資産は、ブロックチェーンに基づいてオンラインで分割および移転され得る。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】例示的な一実装形態による資産管理方法を示すフローチャートである。
図2】例示的な一実装形態による電子デバイスを示す概略構造図である。
図3】例示的な一実装形態による資産管理装置を示すブロック図である。
図4】本開示の一実装形態による、資産管理のためのコンピュータ実装方法の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本明細書は、ブロックチェーンにおける資産オブジェクト分割および資産オブジェクト移転を完了するための技術的解決策を開示することを意図する。
【0028】
実装形態では、ブロックチェーンの中のターゲットメンバーは、ブロックチェーンにおける資産オブジェクトの資産タイプに対応する契約オブジェクト(スマートコントラクト)を事前に展開することができる。作成される契約オブジェクトは、資産オブジェクト管理のために使用される。ブロックチェーンにアクセスするユーザは、以前の契約オブジェクトを呼び出すことによってブロックチェーン上で資産オブジェクトを作成することができ、ブロックチェーンにおいて、保持される資産オブジェクト上でオンライン管理を完了することができる。
【0029】
資産オブジェクトを作成するとき、ブロックチェーンにアクセスするユーザは、資産オブジェクト作成用の以前の契約オブジェクトを呼び出すために、ブロックチェーンへの資産オブジェクト作成要求を開始することができ、次いで、作成された資産オブジェクトのアドレス情報を、資産オブジェクトを保持するターゲットオブジェクトに追加することができる。たとえば、資産オブジェクトが、資産オブジェクトを作成するために使用された以前の実行プログラムを呼び出すことによって作成され得るように、資産オブジェクトを作成するために使用される実行プログラムが、契約オブジェクトの中で事前に宣言され得る。
【0030】
加えて、ブロックチェーンにアクセスするユーザは、保持される資産オブジェクトが移転されるとき、ブロックチェーンへの資産オブジェクト移転要求を開始することができる。資産オブジェクト移転要求を受領した後、ブロックチェーンの中のノードデバイスは、資産オブジェクト移転要求に応答することができ、資産オブジェクトを複数の資産オブジェクトに分割することができる。資産オブジェクトが複数のターゲット資産オブジェクトに分割された後、ノードデバイスは、資産オブジェクトのアドレス情報を、資産オブジェクトを保持するターゲットオブジェクトから除去し、分割を通じて取得された複数のターゲット資産オブジェクトのアドレス情報を、複数のターゲット資産オブジェクトに対応する資産受領オブジェクトに追加して、資産オブジェクトのオンライン移転を完了することができる。
【0031】
ユーザによって指定された、移転されるべき資産オブジェクトに対応する契約オブジェクトが呼び出され、移転されるべき資産オブジェクトが複数のターゲット資産オブジェクトに分割され、移転されるべき資産オブジェクトのアドレス情報が、移転されるべき資産オブジェクトを保持するターゲットオブジェクトから除去され、分割を通じて取得された複数のターゲット資産オブジェクトのアドレス情報が、複数のターゲット資産オブジェクトを保持する受領オブジェクトに追加されて、ターゲット資産オブジェクトを移転し、その結果、実世界における資産が、保持するためにブロックチェーンにおけるデジタル資産に変換され得、資産がブロックチェーンに基づいてオンラインで分割および移転され得ることが、説明する実装形態から習得され得る。
【0032】
以下は、特定の実装形態を使用することによって特定の適用シナリオを参照しながら本明細書を説明する。
【0033】
図1を参照すると、図1は、本明細書の一実装形態による資産管理方法を示す。方法は、以下のステップを実行するために、ブロックチェーンの中のノードデバイスに適用される。
【0034】
ステップ102:ブロックチェーンの中のノードデバイスが、資産オブジェクト移転要求を受領し、ここで、資産オブジェクト移転要求は、移転されるべき資産オブジェクトを含む。
【0035】
ステップ104:資産オブジェクト移転要求に応答して、移転されるべき資産オブジェクトの資産タイプに対応するとともにブロックチェーンの中で展開される契約オブジェクトを呼び出し、移転されるべき資産オブジェクトを複数のターゲット資産オブジェクトに分割する。
【0036】
ステップ106:移転されるべき資産オブジェクトのアドレス情報を、移転されるべき資産オブジェクトを保持するターゲットオブジェクトから除去し、複数のターゲット資産オブジェクトのアドレス情報を、複数のターゲット資産オブジェクトに対応する資産受領オブジェクトに追加する。
【0037】
本明細書で説明するブロックチェーンは、そのサポートされるオブジェクトが資産オブジェクトを含む、任意のタイプのブロックチェーンネットワークを含むことができる。
【0038】
たとえば、従来のブロックチェーンでは、サポートされるオブジェクトは、通常、口座オブジェクトおよび契約オブジェクトしか含まない。しかしながら、本明細書では、ブロックチェーンによってサポートされるオブジェクトは拡張され得、現在ブロックチェーンによってサポートされる口座オブジェクトおよび契約オブジェクトに加えて資産オブジェクトが提供される。
【0039】
本明細書で説明するブロックチェーンのタイプが特に限定されず、コンソーシアムチェーン、またはコンソーシアムチェーン以外のブロックチェーン(たとえば、プライベートチェーンまたはパブリックチェーン)であり得ることに留意することは有益である。
【0040】
契約オブジェクトは、ブロックチェーンの中のターゲットメンバーによってブロックチェーンの中で展開され、ブロックチェーンの分散型データベース(すなわち、ブロックチェーンの元帳)の中に記録され、かつブロックチェーンによってサポートされる資産オブジェクトを管理するために使用される、スマートコントラクトプログラムを含むことができる。ブロックチェーンにアクセスするユーザは、ブロックチェーンにおける資産オブジェクトを作成するために契約オブジェクトを呼び出すことができ、ブロックチェーンにおいて、保持される資産オブジェクトのオンライン管理を完了することができる。
【0041】
たとえば、ブロックチェーンは、コンソーシアムメンバーの働きをするいくつかの金融機関を含む、コンソーシアムチェーンであり得る。この場合、ブロックチェーンの中のターゲットメンバーは、コンソーシアムチェーンの中のコンソーシアムメンバーの働きをし、かつ資産オブジェクトを作成するための許可を有する、金融機関であり得る。分散型スマートコントラクトプラットフォームは、コンソーシアムチェーンを使用することによってセットアップされ得る。スマートコントラクトプラットフォームの運営者は、スマートコントラクトプラットフォームによってサポートされるオブジェクトを拡張することができ、現在サポートされる口座オブジェクトおよび契約オブジェクトに加えて資産オブジェクトが提供され、その結果、コンソーシアムメンバーの働きをする金融機関は、ブロックチェーンにおけるスマートコントラクト(契約オブジェクト)を解放することによって、プラットフォーム上で新たな資産タイプを作成することができる。したがって、ブロックチェーンにアクセスするユーザは、資産オブジェクトを作成するためにスマートコントラクトを呼び出すことができ、保持される資産オブジェクトのオンライン管理を完了することができる。
【0042】
本明細書において、ブロックチェーンにアクセスするユーザによってブロックチェーンの中で開始される要求が、従来のブロックチェーンにおいて使用される移転であり得ることに留意することは有益である。
【0043】
たとえば、ブロックチェーンにアクセスするユーザは、ブロックチェーンの中で展開されている契約オブジェクトを呼び出して資産オブジェクトを作成するために、ブロックチェーンにおいて資産オブジェクトを作成するために使用される移転を開始することができ、またはブロックチェーンの中で展開されている契約オブジェクトを呼び出して資産オブジェクトの宣言を更新するために、ブロックチェーンにおいて資産オブジェクトの宣言を更新するために使用される移転を開始することができる。
【0044】
確かに、ブロックチェーンにアクセスするユーザによってブロックチェーンにおいて開始される要求は、移転以外の標準データ構造での命令、メッセージなどであり得、本明細書では特に限定されない。以下の実装形態では、ブロックチェーンにアクセスするユーザによってブロックチェーンにおいて開始される要求が移転であるという一例を使用することによって、説明が提供される。
【0045】
資産オブジェクトは、スマート資産オブジェクトを含むことができ、スマート資産オブジェクトは、スマート資産を維持するために使用される。スマート資産は、実世界におけるユーザの任意のタイプの実物資産に対応し、スマート資産は、スマート資産オブジェクトを使用することによってブロックチェーンの中で処理され得る。たとえば、スマート資産オブジェクトは、ブロックチェーンにおいてスマートコントラクトを使用することによって処理され得る。スマート資産に対応する、実世界におけるユーザの実物資産は、本明細書では特に限定されない。
【0046】
たとえば、ブロックチェーンが、いくつかの金融機関を含むコンソーシアムチェーンであることを想定すると、実際の適用例では、資金、不動産、株式、ローン契約、手形、および支払い受取勘定などの、ユーザのオフライン資産は、コンソーシアムチェーンの中のノードデバイスを管理する金融機関によってデジタル資産の中にパックされ得、コンソーシアムチェーンの分散型データベースの中で作成および展開され得る。
【0047】
以下は、特定の実装形態を使用することによって「ブロックチェーンオブジェクト拡張」、「契約オブジェクト展開」、「資産オブジェクト作成」、および「資産オブジェクト分割および移転」を参照しながら、本明細書の技術的解決策を詳細に説明する。
【0048】
1)ブロックチェーンオブジェクト拡張
本明細書では、ブロックチェーンネットワークをセットアップするとき、ブロックチェーンの運営者は、ブロックチェーンによってサポートされるオブジェクトを拡張することができる。
【0049】
従来のブロックチェーン(たとえば、イーサリアム(Ethereum))では、ブロックチェーンによってサポートされるオブジェクトは、通常、口座オブジェクトおよび契約オブジェクトしか含まない。しかしながら、本明細書では、ブロックチェーンによってサポートされるオブジェクトは拡張され得、既存の口座オブジェクトおよび契約オブジェクトに加えて資産オブジェクトが提供される。
【0050】
言い換えれば、本明細書では、ブロックチェーンによってサポートされるオブジェクトは、口座オブジェクト、契約オブジェクト、および資産オブジェクトを含むことができる。したがって、ブロックチェーンにおいて口座およびスマートコントラクトを作成することに加えて、ブロックチェーンにアクセスするユーザは、ブロックチェーンにおいてデジタル資産を作成して、実世界における資産をブロックチェーンの中で展開されるデジタル資産に変換することができる。
【0051】
図示した実装形態では、ブロックチェーンによってサポートされるオブジェクトは、やはり以下の4つの属性フィールド、すなわち、残高フィールド、記憶フィールド、コードフィールド、およびナンスフィールドを含むことができる。
【0052】
従来のブロックチェーン(たとえば、イーサリアム)では、残高フィールド(アドレスフィールド)は、通常、「残高」を示し、オブジェクトが有する金額を示すために使用される。しかしながら、本明細書では、残高フィールドの趣旨は拡張され得、残高フィールドは、「残高」ではなくオブジェクトによって保持される資産オブジェクトを維持するために使用されるアドレス情報を示す。実際の適用例では、残高フィールドは、複数の資産オブジェクトのアドレス情報を維持することができる。
【0053】
実装形態では、上記に示した口座オブジェクト、契約オブジェクト、および資産オブジェクトは、アドレス情報に対応する資産オブジェクトを保持するために、資産オブジェクトのアドレス情報を残高フィールドに追加することができる。言い換えれば、本明細書では、資産オブジェクトは、上記に示した口座オブジェクトおよび契約オブジェクトに加えて仮想資産を保持することができる。
【0054】
記憶フィールドは、オブジェクトの様々な宣言(たとえば、口座宣言、契約宣言、および資産宣言)を維持するために使用される。たとえば、一例として資産オブジェクトを使用することによって、資産オブジェクトを解放する金融機関、または金融機関によって指定され資産オブジェクトを更新するための許可を有する別の執行者が、記憶フィールドの中の内容を修正することによって資産オブジェクトの宣言を更新することができる。たとえば、資産オブジェクトがユーザのオフラインローン契約資産をパックすることによって取得されるデジタル資産であることを想定すると、ユーザの定期的なローン実行宣言が変化するとき、資産オブジェクトを解放する金融機関、または金融機関によって指定され資産オブジェクトを更新するための許可を有する別の執行者は、ユーザの定期的なローン実行宣言が変化するにつれて、デジタル資産に対応する資産オブジェクトの中の記憶フィールドの中の内容を同期的に更新することができる。
【0055】
コードフィールドは、オブジェクトの中で宣言された実行プログラム(たとえば、コードに関係する様々な実行可能方法)に関係する実行コードを維持するために使用される。言い換えれば、本明細書では、上記に示した口座オブジェクト、契約オブジェクト、および資産オブジェクトはすべて、オブジェクトの中の関連する実行プログラムを宣言することができる。
【0056】
たとえば、一例として資産オブジェクトを管理するために使用される契約オブジェクトを使用することによって、契約オブジェクトによって管理される資産オブジェクトに関係する任意の動作が、実行プログラムの形態で契約オブジェクトのコードフィールドの中で事前に宣言され得る。その後、実行プログラムが直ちに呼び出されて、対応する動作を完了することができる。たとえば、資産オブジェクトを管理するために使用される契約オブジェクトの中で宣言された実行プログラムは、通常、資産オブジェクトを作成するために使用される実行プログラム、資産オブジェクトを更新するために使用される実行プログラム、資産オブジェクトを移転するために使用される実行プログラムなどを、含むことができる。
【0057】
オブジェクトの中で宣言された実行プログラムに関係する実行コードを維持することに加えて、コードフィールドが、契約オブジェクトの呼出しアドレス、契約オブジェクトが呼び出されるときに移転される必要がある呼出しパラメータなどを、維持できることに留意することは有益である。
【0058】
ナンスフィールドは、ブロックチェーンの中でリプレイアタックが行われるのを防止するためのカウントを維持するために使用される。カウントは、通常、ブロックチェーンの中でリプレイアタックが行われるのを防止するために使用される乱数または擬似乱数であり得る。
【0059】
2)契約オブジェクト展開
図示した実装形態では、ブロックチェーンは、コンソーシアムメンバーの働きをするいくつかの金融機関を含む、コンソーシアムチェーンであり得る。この場合、ブロックチェーンの中のターゲットメンバーは、コンソーシアムチェーンの中のコンソーシアムメンバーの働きをし、かつ資産オブジェクトを作成するための許可を有する、金融機関であり得る。
【0060】
分散型スマートコントラクトプラットフォームは、コンソーシアムチェーンを使用することによってセットアップされ得、コンソーシアムチェーンの中で資産オブジェクトを作成するための許可を有する金融機関は、コンソーシアムチェーンの中でスマートコントラクト(契約オブジェクト)を解放することによって、プラットフォーム上で新たな資産タイプを作成することができる。
【0061】
実装形態では、コンソーシアムチェーンの中の各金融機関は、コンソーシアムチェーンによって戻される公開鍵および秘密鍵を取得するために、コンソーシアムチェーンのコンソーシアムメンバーとして最初に登録され得る。公開鍵は、コンソーシアムチェーンの中の各金融機関の口座アドレスとして使用され、秘密鍵は、口座を運用するために各金融機関によって使用される一意鍵として使用される。次いで、コンソーシアムチェーンに加わる各金融機関は、資産オブジェクトを作成することをコンソーシアムチェーンの運営者によって認可され得る。資産オブジェクトを作成することを認可されると、金融機関は、新たな資産タイプを作成するために、実際の必要に基づいてコンソーシアムチェーンの中でスマートコントラクトを作成および展開することができる。
【0062】
コンソーシアムチェーンの中の金融機関によってスマートコントラクトを解放する特定のプロセスは、本明細書で詳細には説明されず、当業者は関連技術における説明を参照することができる。
【0063】
たとえば、実際の適用例では、金融機関は、作成されたスマートコントラクトをコンソーシアムチェーンに展開するために、保持された秘密鍵に基づいてコンソーシアムチェーンに移転を展開することができる。別の金融機関によって展開された移転を、管理されるノードデバイスを使用することによって受領すると、コンソーシアムチェーンの中の各コンソーシアムメンバーは、コンソーシアムチェーンの中で最近展開された移転に対する合意処理を、コンソーシアムチェーンの合意アルゴリズムに基づいて実行することができ、合意処理を完了した後、移転によって展開されたスマートコントラクトをコンソーシアムチェーンの分散型データベースの中に記録することができる。コンソーシアムチェーンによってサポートされる合意アルゴリズム、および合意アルゴリズムに基づいてコンソーシアムチェーンによって実行される合意処理は、本明細書で詳細には説明されず、当業者は関連技術における説明を参照することができる。
【0064】
本明細書では、新たな資産タイプに対応するとともにコンソーシアムチェーンの中の金融機関によって展開されるスマートコントラクトは、スマートコントラクトに対応する資産タイプに関係する実行プログラムを事前に宣言することができる。事前に宣言された実行プログラムは、スマートコントラクトに対応する契約オブジェクトのコードフィールドの中で搬送され得る。
【0065】
図示した実装形態では、新たな資産タイプに対応するスマートコントラクトの中で宣言されるとともにコンソーシアムチェーンの中の金融機関によって展開される実行プログラムは、資産オブジェクトを作成するために使用される実行プログラム、および資産オブジェクトを移転するために使用される実行プログラムを含むことができる。コンソーシアムチェーンにアクセスするユーザは、保持された秘密鍵に基づいて署名された移転をコンソーシアムチェーンに展開するために、コンソーシアムチェーンによって提供されるAPIインターフェースを呼び出すことができ、仮想資産を作成し、保持される仮想資産のオンライン移転を完了するために、スマートコントラクトの中で宣言された実行プログラムを呼び出すことができる。
【0066】
確かに、資産オブジェクトを作成および移転するために使用される、説明する実行プログラムに加えて、新たな資産タイプに対応するスマートコントラクトの中で宣言されるとともにコンソーシアムチェーンの中の金融機関によって展開される実行プログラムは、資産オブジェクトに関係する他の実行プログラム、たとえば、資産オブジェクトを更新するために使用される実行プログラムを含むことができる。本明細書では列挙は提供されない。
【0067】
3)資産オブジェクト作成
本明細書では、ブロックチェーンにアクセスする必要があるユーザは、コンソーシアムチェーンによって戻される公開鍵および秘密鍵を取得するために、コンソーシアムチェーンに事前登録することができる。登録の後、コンソーシアムチェーンは、ユーザ用の対応する口座オブジェクトを作成することができる。
【0068】
加えて、登録済みのユーザは、保持された秘密鍵に基づいて署名されるとともに、資産オブジェクトを作成するように要求するために使用される移転を、コンソーシアムチェーンによって提供されるAPIインターフェースを使用することによってコンソーシアムチェーンに展開することができる。
【0069】
秘密鍵に基づいてユーザによって展開された移転を受領した後、登録済みのユーザに接続されたコンソーシアムチェーンの中のノードデバイスは、ユーザによって保持される秘密鍵に対応する公開鍵に基づいて、ユーザに対する識別認証を最初に実行することができる。たとえば、実際の適用例では、ユーザは、保持された秘密鍵に基づいて、開始済みの移転に署名することができ、ブロックチェーンの中のノードデバイスは、ユーザによって保持される秘密鍵に対応する公開鍵に基づいて、署名検証を実行する。署名検証が成功する場合、ユーザに対する識別認証が成功する。
【0070】
識別認証が成功した後、合意アルゴリズムに基づく時間期間内に受領された移転に対して合意処理が実行され得、作成するようにユーザが要求する資産オブジェクトのタイプを決定するために、合意処理の後に移転が実行され得る(コンソーシアムチェーンは、異なる資産オブジェクトタイプに対応する複数の契約オブジェクトを展開することがあるが、ユーザは、いくつかのタイプの資産オブジェクトのみを作成するように要求してよい)。
【0071】
たとえば、一実装形態では、作成されるように要求する資産オブジェクトのタイプは、保持された秘密鍵に基づいてユーザによって展開された移転の中で宣言され得、移転を受領するノードデバイスは、ユーザが現在作成するように要求する資産オブジェクトのタイプを、移転の中で宣言された情報に基づいて決定することができる。
【0072】
作成するようにユーザが要求する資産オブジェクトのタイプを決定した後、ノードデバイスは、コンソーシアムチェーンの中で展開されるとともに、作成するようにユーザが要求する資産オブジェクトのタイプに対応する、契約オブジェクトをさらに照会することができ、次いで、契約オブジェクトの中で宣言されるとともに資産オブジェクトを作成するために使用される実行プログラムを、契約オブジェクトの呼出しアドレスに基づいて呼び出して、資産オブジェクト作成を完了することができる。
【0073】
たとえば、一実装形態では、保持された秘密鍵に基づいてユーザによって展開された移転は、作成されるように要求する資産オブジェクトに関係するパラメータ、たとえば、作成されるように要求する資産量を、さらに含むことができる。以前の契約オブジェクトを呼び出すと、ノードデバイスは、呼出しパラメータとしてのパラメータを、契約オブジェクトの中で宣言されるとともに資産オブジェクトを作成するために使用される実行プログラムに移転することができ、実行のためにプログラムが呼び出されて資産オブジェクト作成を完了することができる。
【0074】
図示した実装形態では、示したプロセスを使用することによってユーザ用の資産オブジェクトを作成した後、ノードデバイスは、作成された資産オブジェクトのアドレス情報を、資産オブジェクトを保持するターゲットオブジェクトの残高フィールドにさらに追加することができる。
【0075】
以前の資産オブジェクトのアドレス情報を生成するプロセスは、本明細書では特に限定されない。たとえば、一実装形態では、資産オブジェクトのアドレス情報は、作成されるように要求する資産オブジェクトの移転内容に対してハッシュ計算を実行することによって取得されるハッシュ値であり得る。
【0076】
図示した実装形態では、作成された資産オブジェクトを最終的に保持するターゲットオブジェクトは、以下の2つの事例を含む。
【0077】
ある事例では、作成された資産オブジェクトを最終的に保持するターゲットオブジェクトは、ユーザによって指定されるとともに資産オブジェクトを保持するために使用されるターゲットオブジェクトであり得る。
【0078】
たとえば、実装形態では、ユーザは、新たに作成される資産オブジェクトを保持できるターゲットオブジェクトを、資産オブジェクト作成を要求するための展開済みの移転の中で事前に宣言することができ、またはユーザは、作成された資産オブジェクトを保持する指定のターゲットオブジェクトの資産オブジェクトを展開する金融機関を、オフライン通知を通じて通知することができる。
【0079】
別の事例では、作成された資産オブジェクトを最終的に保持するターゲットオブジェクトは、代替として、以前の契約オブジェクトの中で事前に宣言されるとともに資産オブジェクトを保持するために使用されるターゲットオブジェクトであり得る。言い換えれば、契約オブジェクトを呼び出すことによって作成された資産オブジェクトを保持できるターゲットオブジェクトは、以前の金融機関が契約オブジェクトを展開するときに契約オブジェクトの中で事前に宣言され得る。
【0080】
たとえば、契約オブジェクトを呼び出すことによって作成された資産オブジェクトを保持できるターゲットオブジェクトのホワイトリストが、以前の金融機関が契約オブジェクトを展開するときに契約オブジェクトの中で事前に宣言され得る。ホワイトリストに合致するターゲットオブジェクトだけが、以前の契約オブジェクトを呼び出すことによって作成された資産オブジェクトを保持することができる。
【0081】
図示した実装形態では、最終的に保持および作成される資産オブジェクトは、コンソーシアムチェーンによってサポートされる口座オブジェクト、契約オブジェクト、および資産オブジェクトのうちのいずれか1つを含むことができる。言い換えれば、本明細書では、コンソーシアムチェーンによってサポートされる口座オブジェクト、契約オブジェクト、および資産オブジェクトは各々、資産オブジェクトを保持することができる。作成された資産オブジェクトは、ユーザによって指定され得るか、または契約オブジェクトの中で宣言され得、口座オブジェクト、契約オブジェクト、および資産オブジェクトのうちのいずれか1つによって保持され得る。
【0082】
たとえば、ユーザは、作成された資産オブジェクトBを保持するターゲットオブジェクトとして資産オブジェクトAを指定することができ、次いで、資産オブジェクトBのアドレス情報を資産オブジェクトAの残高フィールドに追加して、資産オブジェクトAおよび資産オブジェクトBのパケット処理を完了することができる。
【0083】
4)資産オブジェクト分割および移転
本明細書では、登録済みのユーザは、資産オブジェクト作成を開始するために、資産オブジェクトを作成するように要求するために使用され、かつ保持された秘密鍵に基づいて署名される移転を、コンソーシアムチェーンによって提供されるAPIインターフェースを使用することによってコンソーシアムチェーンに展開することができる。加えて、実際の適用例では、ユーザは、保持された資産オブジェクトを分割を通じて移転するために、資産オブジェクトを移転するために使用され、かつ保持された秘密鍵に基づいて署名される移転を、APIインターフェースを使用することによってコンソーシアムチェーンに展開することができる。
【0084】
秘密鍵に基づいてユーザによって展開された移転を受領した後、登録済みのユーザに接続されたコンソーシアムチェーンの中のノードデバイスは、ユーザによって保持される秘密鍵に対応する公開鍵に基づいて、ユーザに対する識別認証を最初に実行することができる。識別認証が成功した後、ノードデバイスは、分割および移転することをユーザが必要とする資産オブジェクトを決定するために、合意アルゴリズムに基づく時間期間内に受領された移転に対して合意処理を実行することができ、合意処理が完了した後に移転を実行することができる。
【0085】
たとえば、一実装形態では、保持された秘密鍵に基づいてユーザによって展開される移転は、ユーザが移転することを必要とする資産オブジェクトのアドレス情報または他の識別情報を宣言することができ、移転を受領するノードデバイスは、移転の中で宣言された情報に基づいて、移転するようにユーザが現在要求する、移転されるべき資産オブジェクトを決定することができる。ノードデバイスが、移転するようにユーザが要求する、移転されるべき資産オブジェクトを決定した後、移転されるべき資産オブジェクトを複数のターゲット資産オブジェクトに分割するために、移転されるべき資産オブジェクトの資産タイプに対応する契約オブジェクトが呼び出され得る。
【0086】
図示した実装形態では、ユーザは、移転されるべき資産オブジェクト、および移転の中でユーザによって要求された、移転されるべき資産オブジェクトに対する分割結果を、宣言することができる。たとえば、ユーザは、ブロックチェーンの中で移転を開始することができ、資産Aを資産Bおよび資産Cに分割するように要求することができる。
【0087】
契約オブジェクトは、実行プログラム、および資産オブジェクトを分割するために使用される分割規則を事前に宣言することができる。分割規則は、契約オブジェクトの中で宣言されるいくつかの資産分割条件であり得る。当業者は、実際の必要に基づいて資産分割条件の特定の内容をカスタマイズすることができる。たとえば、ユーザが、ブロックチェーンの中で移転を開始し、かつ資産Aを資産Bおよび資産Cに分割するように要求することを想定すると、資産分割条件は、資産Aを分割することによって取得される資産Bおよび資産Cの合計値が、資産Aに等しいかどうかであり得る。はいの場合、現在の分割が許容され得、そうでない場合、現在の分割は拒絶され得る。
【0088】
資産オブジェクトを分割するために使用される実行プログラムに対応する実行論理は、本明細書では特に限定されない。当業者は、実際の必要に基づいて実行論理をカスタマイズすることができる。たとえば、場合によっては、実行プログラムは、契約オブジェクトのコードフィールドの中で事前に宣言される資産分割条件などの、実行コードであり得る。
【0089】
この場合、移転されるべき資産オブジェクトを分割するために移転を実行するとき、ノードデバイスは、ユーザによって要求された、移転されるべき資産オブジェクトに対する分割結果が、契約オブジェクトの中で宣言された分割規則を満たすかどうかを決定するために、契約オブジェクトの中で宣言された実行プログラムを呼び出すことができる。
【0090】
たとえば、分割規則とは、分割結果が分割規則を満たすかどうかを検証するために、分割を通じて取得される複数の資産オブジェクトの合計値が、分割されるべき資産オブジェクトの合計値と同じである必要があるというプロセス、すなわち、分割を通じて取得された複数の資産オブジェクトの合計値が、分割されるべき資産オブジェクトの合計値と同じであるかどうかを検証するプロセスである。
【0091】
本明細書では、移転の中でユーザによって要求された、移転されるべき資産オブジェクトに対する分割結果が、契約オブジェクトの中で宣言された分割規則を満たす場合、ノードデバイスは、ユーザによって要求された分割結果に基づいて、移転されるべき資産オブジェクトを複数のターゲット資産オブジェクトに分割することができる。反対に、移転の中でユーザによって要求された、移転されるべき資産オブジェクトに対する分割結果が、契約オブジェクトの中で宣言された分割規則を満たさない場合、ノードデバイスは、ユーザによって開始された移転を拒絶することができる。
【0092】
図示した別の実装形態では、ユーザは、代替として、移転されるべき資産オブジェクトに対する要求された分割結果ではなく、移転されるべき資産オブジェクトを宣言することができる。
【0093】
この場合、契約オブジェクトの中で事前に宣言された、資産オブジェクトを分割するために使用される分割規則は、契約オブジェクトの中で宣言された、いくつかの資産分割方法であり得る。当業者は、実際の必要に基づいて資産分割条件の特定の内容をカスタマイズすることができる。たとえば、契約オブジェクトは、一例では複数のメンバーユーザによって定式化されたスマートコントラクトであり得る。スマートコントラクトでは、複数のメンバーユーザは、スマートコントラクトを呼び出すことによって作成された資産オブジェクトを分割する分割方法を、事前に明記することができる。たとえば、ユーザは、分割を通じて取得された資産オブジェクトの最大数量を明記することができるか、または分割を通じて取得された資産オブジェクトの数量もしくはそれらの値が同じである必要があることなどを明記することができる。
【0094】
移転されるべき資産オブジェクトを分割するために移転を実行するとき、ノードデバイスは、移転されるべき資産オブジェクトを分割規則に基づいて自動的に分割するために、契約オブジェクトの中で宣言された実行プログラムを呼び出すことができ、契約オブジェクトの中で明記された分割方法で、移転されるべき資産オブジェクトを複数のターゲット資産オブジェクトに分割することができる。
【0095】
本明細書では、移転されるべき資産オブジェクトが複数のターゲット資産オブジェクトに分割された後、ノードデバイスは、移転されるべき資産オブジェクトを削除することができ、移転されるべき資産オブジェクトのアドレス情報を、移転されるべき資産オブジェクトを保持するターゲットオブジェクトの残高フィールドから除去することができ、分割を通じて取得された複数のターゲット資産オブジェクトのアドレス情報を、複数のターゲット資産オブジェクトに対応する資産受領オブジェクトの中の残高フィールドに追加することができる。
【0096】
本明細書において、ユーザが、以下の2つの方法で移転を開始することによって、保持された資産オブジェクトをコンソーシアムチェーンの中で移転できることに留意することは有益である。
【0097】
図示した実装形態では、仮想資産移転に対して使用される移転タイプがコンソーシアムチェーンの中に記述され得、ユーザは、コンソーシアムチェーンの中での仮想資産移転のために使用される、記述された移転タイプを開始することによって、契約オブジェクトを呼び出すことなくコンソーシアムチェーンの中で資産オブジェクトを移転することができる。
【0098】
このシナリオでは、移転されるべき資産オブジェクトが複数のターゲット資産オブジェクトに分割された後、移転を実行するノードデバイスは、複数の資産オブジェクトのアドレス情報を、複数の資産オブジェクトを保持するターゲットオブジェクトの残高フィールドから除去し、ターゲット資産オブジェクトのアドレス情報を、ターゲット資産オブジェクトに対応する資産受領オブジェクトの中の残高フィールドに追加する。
【0099】
図示した別の実装形態では、資産オブジェクトは、代替として、資産オブジェクトの資産タイプに対応する契約オブジェクトを呼び出すことによって、ユーザによって移転され得る。この場合、資産オブジェクトを移転するために使用される実行プログラムは、契約オブジェクトの中で事前に宣言され得、移転規則が実行プログラムの中に事前に記述される。
【0100】
以前の移転規則は、契約オブジェクトの中で宣言された、いくつかの資産移転条件であり得る。当業者は、実際の必要に基づいて以前の資産移転条件の特定の内容をカスタマイズすることができる。たとえば、以前の資産移転条件とは、移転を開始するユーザが、契約オブジェクトの中で宣言された指定のユーザグループ要件を満たすときに資産オブジェクト移転を完了できることであり得る。
【0101】
資産オブジェクトを移転するために使用される実行プログラムに対応する実行論理は、本明細書では特に限定されず、実際の必要に基づいて当業者によってカスタマイズされ得る。たとえば、場合によっては、実行プログラムは、契約オブジェクトのコードフィールドの中で事前に宣言された資産移転条件などの、実行コードであり得る。
【0102】
ユーザが、コンソーシアムチェーンの中で以前のスマートコントラクトを呼び出すことによって作成された資産オブジェクトを移転する必要があるとき、ユーザは、コンソーシアムチェーンの中の契約オブジェクトに対して、資産オブジェクトを移転するために使用される移転を開始して、契約オブジェクトの入力の働きをすることができ、次いで、契約オブジェクトの中で宣言されるとともに資産オブジェクトを移転するために使用される実行プログラムを、ターゲット資産オブジェクトに対応する契約オブジェクトの呼出しアドレスに基づいて呼び出すことができ、資産オブジェクトを移転するために使用されるとともにユーザによって開始される移転が、以前の実行プログラムの中に記述された移転規則を満たすかどうかを決定することができる。はいの場合、ノードデバイスは、移転されるべき資産オブジェクトのアドレス情報を、移転されるべき資産オブジェクトを保持するターゲットオブジェクトの残高フィールドから直ちに除去することができ、分割を通じて取得された複数のターゲット資産オブジェクトのアドレス情報を、複数のターゲット資産オブジェクトに対応する資産受領オブジェクトの中の残高フィールドに追加することができる。
【0103】
図示した実装形態では、複数のターゲット資産オブジェクトに対応する資産受領オブジェクトはまた、以下の2つの事例を含むことができる。
【0104】
ある事例では、ターゲット資産オブジェクトに対応する資産受領オブジェクトは、ユーザによって指定されるとともにターゲット資産オブジェクトに対応する資産受領オブジェクトであり得る。
【0105】
たとえば、実装形態では、ユーザは、資産オブジェクトを移転するように要求するために使用される、展開された移転の中で、複数のターゲット資産オブジェクトに対応する資産受領オブジェクトを事前に宣言することができるか、またはユーザは、ターゲット資産オブジェクトに対応する資産受領オブジェクトの資産オブジェクトを解放する金融機関に、オフライン通知を通じて通知することができる。
【0106】
別の事例では、ターゲット資産オブジェクトに対応する資産受領オブジェクトは、代替として、契約オブジェクトの中で事前に宣言されるとともにターゲット資産オブジェクトに対応する資産受領オブジェクトであり得る。言い換えれば、以前の金融機関が契約オブジェクトを展開するとき、契約オブジェクトは、契約オブジェクトを呼び出すことによって作成された資産オブジェクトが分割および移転されるときに、分割を通じて取得された資産オブジェクトを保持できる受領オブジェクトを事前に宣言することができる。
【0107】
図示した実装形態では、複数のターゲット資産オブジェクトに対応する資産受領オブジェクトは、コンソーシアムチェーンによってサポートされる口座オブジェクト、契約オブジェクト、および資産オブジェクトのうちのいずれか1つを含むことができる。言い換えれば、本明細書では、移転されるべきターゲット資産オブジェクトは、保持するために以前のコンソーシアムチェーンによってサポートされる口座オブジェクト、契約オブジェクト、および資産オブジェクトに移転され得る。
【0108】
契約オブジェクトを呼び出すための許可を有するユーザのリストが、通常、いくつかのシナリオでは以前の契約オブジェクトの中でさらに宣言され得ることに留意することは有益である。したがって、秘密鍵に基づいてユーザによって展開された移転を受領した後、ブロックチェーンの中のノードデバイスは、識別認証中にユーザが契約オブジェクトを呼び出すための許可を有するかどうかをさらに認証することができ、認証が成功する場合、ユーザが契約オブジェクトを呼び出すための許可を有することを決定することができ、次いで、以前の契約オブジェクトの中で宣言されるとともに資産オブジェクトを作成または移転するために使用される実行プログラムを呼び出して、資産オブジェクト作成および移転を完了することができる。
【0109】
たとえば、以前の契約オブジェクトの中で宣言された契約オブジェクトを呼び出すための許可を有するユーザのリストは、ユーザによって保持される公開鍵のリストであり得る。秘密鍵に基づいてユーザによって展開された移転を受領した後、ブロックチェーンの中のノードデバイスは、公開鍵リストの中の公開鍵に基づいて、ユーザに対して識別認証を実行することができる。認証が成功する場合、そのことはユーザが契約オブジェクトを呼び出すための許可を有することを示す。
【0110】
確かに、実際の適用例では、トランザクションをサブミットするユーザが契約オブジェクトを呼び出すための許可を有するかどうかを検証する動作は、ユーザによって保持される公開鍵に基づいてユーザに対して識別認証を実行することに加えて、他の方法を使用することによってさらに実施され得る。本明細書では列挙は提供されない。本明細書では、ユーザによって指定された、移転されるべき資産オブジェクトに対応する契約オブジェクトが呼び出され、移転されるべき資産オブジェクトが複数のターゲット資産オブジェクトに分割され、移転されるべき資産オブジェクトのアドレス情報が、移転されるべき資産オブジェクトを保持するターゲットオブジェクトから除去され、分割を通じて取得された複数のターゲット資産オブジェクトのアドレス情報が、複数のターゲット資産オブジェクトを保持する受領オブジェクトに追加されて、ターゲット資産オブジェクトを移転し、その結果、実世界における資産が、保持するためにブロックチェーンの中のデジタル資産に変換され得、資産がブロックチェーンに基づいてオンラインで分割および移転され得ることが、説明する実装形態から習得され得る。
【0111】
方法実装形態に対応して、本明細書は資産管理装置の実装形態をさらに提供する。本明細書における資産管理装置の実装形態は、電子デバイスに適用され得る。装置実装形態は、ソフトウェアを使用することによって実施され得るか、またはハードウェアもしくはハードウェアとソフトウェアとの組合せを使用することによって実施され得る。ソフトウェアを使用することによって装置が実装される一例では、装置が配置される電子デバイスのプロセッサが、不揮発性メモリに対応するコンピュータプログラム命令を実行のために読み取った後、論理装置が取得される。ハードウェアの観点から、図2に示すように、図2は、本明細書による資産管理装置が配置される電子デバイスのハードウェア構造の図である。図2に示すプロセッサ、メモリ、ネットワークインターフェース、および不揮発性メモリに加えて、実装形態における装置が配置される電子デバイスは、通常、電子デバイスの実際の機能に基づいて他のハードウェアを含むことができる。ここでは簡単のために詳細は省略される。
【0112】
図3は、本明細書の例示的な一実装形態による資産管理装置を示すブロック図である。
【0113】
図3を参照すると、資産管理装置30は、図2に示す電子デバイスに適用され得、受領モジュール301、分割モジュール302、および移転モジュール303を含む。
【0114】
受領モジュール301は、資産オブジェクト移転要求を受領するように構成され、ここで、資産オブジェクト移転要求は、移転されるべき資産オブジェクトを含む。
【0115】
分割モジュール302は、資産オブジェクト移転要求に応答して、移転されるべき資産オブジェクトの資産タイプに対応するとともにブロックチェーンの中で展開される契約オブジェクトを呼び出し、移転されるべき資産オブジェクトを複数のターゲット資産オブジェクトに分割するように構成される。
【0116】
移転モジュール303は、移転されるべき資産オブジェクトのアドレス情報を、移転されるべき資産オブジェクトを保持するターゲットオブジェクトから除去し、複数のターゲット資産オブジェクトのアドレス情報を、複数のターゲット資産オブジェクトに対応する資産受領オブジェクトに追加するように構成される。
【0117】
本実装形態では、契約オブジェクトは、実行プログラム、および資産オブジェクトを分割するために使用される分割規則を宣言する。
【0118】
分割モジュール302は、資産オブジェクトの資産タイプに対応するとともにブロックチェーンの中で展開される、契約オブジェクトの中で宣言された、実行プログラムを呼び出し、分割規則に基づいて、移転されるべき資産オブジェクトを複数のターゲット資産オブジェクトに分割するように構成される。
【0119】
本実装形態では、契約オブジェクトは、実行プログラム、および資産オブジェクトを分割するために使用される分割規則を宣言し、資産オブジェクト移転要求は、ユーザによって要求された、移転されるべき資産オブジェクトに対する分割結果をさらに含む。
【0120】
分割モジュール302は、資産オブジェクトの資産タイプに対応するとともにブロックチェーンの中で展開される、契約オブジェクトの中で宣言された、実行プログラムを呼び出し、ユーザによって要求された、移転されるべき資産オブジェクトに対する分割結果が、契約オブジェクトの中で宣言された分割規則を満たすかどうかを決定し、分割結果が、契約オブジェクトの中で宣言された分割規則を満たす場合、ユーザによって要求された分割結果に基づいて、移転されるべき資産オブジェクトを複数のターゲット資産オブジェクトに分割するように構成される。
【0121】
本実装形態では、契約オブジェクトは、資産オブジェクトを移転するために使用される実行プログラムを宣言し、移転されるべき資産オブジェクトは、契約オブジェクトを呼び出すことによって作成される。
【0122】
移転モジュール303は、移転されるべき資産オブジェクトの資産タイプに対応するとともにブロックチェーンの中で展開される、契約オブジェクトの中で宣言された、実行プログラムを呼び出し、資産オブジェクト移転要求が所定の移転規則を満たすかどうかを決定し、資産オブジェクト移転要求が所定の移転規則を満たす場合、移転されるべき資産オブジェクトのアドレス情報を、移転されるべき資産オブジェクトを保持するターゲットオブジェクトから除去し、複数のターゲット資産オブジェクトのアドレス情報を、複数のターゲット資産オブジェクトに対応する資産受領オブジェクトに追加するように構成される。
【0123】
本実装形態では、ブロックチェーンによってサポートされるオブジェクトは、アドレスフィールドを含み、アドレスフィールドは、オブジェクトによって保持される資産オブジェクトのアドレス情報を維持するために使用される。移転モジュール303は、移転されるべき資産オブジェクトのアドレス情報を、移転されるべき資産オブジェクトを保持するターゲットオブジェクトの中のアドレスフィールドから除去し、複数のターゲット資産オブジェクトのアドレス情報を、複数のターゲット資産オブジェクトに対応する資産受領オブジェクトの中のアドレスフィールドに追加するように構成される。
【0124】
本実装形態では、ブロックチェーンによってサポートされるオブジェクトは、コードフィールドをさらに含み、コードフィールドは、オブジェクトの中で宣言された実行プログラムに関係する実行コードを維持するために使用される。
【0125】
本実装形態では、複数のターゲット資産オブジェクトに対応する資産受領オブジェクトは、複数のターゲット資産オブジェクトに対応するとともにユーザによって指定される資産受領オブジェクト、または複数のターゲット資産オブジェクトに対応するとともに、移転されるべき資産オブジェクトの資産タイプに対応する契約オブジェクトの中で宣言される、資産受領オブジェクトを含む。
【0126】
本実装形態では、ブロックチェーンによってサポートされるオブジェクトは、口座オブジェクト、契約オブジェクト、および資産オブジェクトを含み、複数のターゲット資産オブジェクトに対応する資産受領オブジェクトは、口座オブジェクト、契約オブジェクト、および資産オブジェクトのうちのいずれか1つを含む。
【0127】
本実装形態では、ブロックチェーンはコンソーシアムチェーンであり、ブロックチェーンの中のターゲットメンバーは、コンソーシアムチェーンの中の資産オブジェクトを作成するための許可を有するコンソーシアムメンバーである。
【0128】
装置におけるモジュールの機能および役割の特定の実装プロセスについては、方法における対応するステップの実装プロセスを参照されたい。ここでは簡単のために詳細は省略される。
【0129】
装置実装形態は基本的に方法実装形態に対応するので、関連する部分については、方法実装形態における説明を参照されたい。説明する装置実装形態は一例にすぎない。別個の部分として説明するモジュールは、物理的に別個であってもなくてもよく、モジュールとして表示される部分は、物理モジュールであってもなくてもよく、言い換えれば、ある位置に配置され得るか、または複数のネットワークモジュールの中で分散され得る。モジュールの一部または全部は、本明細書の解決策の目的を達成するための実際の必要に基づいて選択され得る。当業者は、創造的な取組みを伴わずに本明細書の実装形態を理解および実施することができる。
【0130】
実装形態において説明するシステム、装置、またはモジュールは、コンピュータチップもしくはコンピュータエンティティによって実装され得るか、またはいくつかの機能を有する製品によって実装され得る。典型的な実装デバイスはコンピュータであり、コンピュータは、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、セルラーフォン、カメラフォン、スマートフォン、携帯情報端末、メディアプレーヤ、ナビゲーションデバイス、電子メール受信および送信デバイス、ゲーム機、タブレットコンピュータ、ウェアラブルデバイス、またはそれらの組合せであり得る。
【0131】
方法実装形態に対応して、本明細書は電子デバイスの実装形態をさらに提供する。電子デバイスは、プロセッサと、機械実行可能命令を記憶するように構成されたメモリとを含み、プロセッサおよびメモリは、通常、内部バスを使用することによって接続される。別の可能な実装形態では、デバイスは、別のデバイスまたは構成要素と通信するために、外部インターフェースをさらに含むことができる。
【0132】
本実装形態では、メモリの中に記憶されるとともに資産管理の制御論理に対応する機械実行可能命令を、読み取ることおよび実行することによって、プロセッサは、資産オブジェクト移転要求を受領することであって、ここで、資産オブジェクト移転要求が、移転されるべき資産オブジェクトを含むことと、資産オブジェクト移転要求に応答して、移転されるべき資産オブジェクトの資産タイプに対応するとともにブロックチェーン上で展開される契約オブジェクトを呼び出すことと、移転されるべき資産オブジェクトを複数のターゲット資産オブジェクトに分割することと、移転されるべき資産オブジェクトのアドレス情報を、移転されるべき資産オブジェクトを保持するターゲットオブジェクトから除去することと、複数のターゲット資産オブジェクトのアドレス情報を、複数のターゲット資産オブジェクトに対応する資産受領オブジェクトに追加することとを行うように構成される。
【0133】
本実装形態では、契約オブジェクトは、実行プログラム、および資産オブジェクトを分割するために使用される分割規則を宣言する。
【0134】
メモリの中に記憶されるとともに資産管理の制御論理に対応する機械実行可能命令を、読み取ることおよび実行することによって、プロセッサは、資産オブジェクトの資産タイプに対応するとともにブロックチェーンの中で展開される、契約オブジェクトの中で宣言された、実行プログラムを呼び出し、分割規則に基づいて、移転されるべき資産オブジェクトを複数のターゲット資産オブジェクトに分割するように構成される。
【0135】
本実装形態では、契約オブジェクトは、実行プログラム、および資産オブジェクトを分割するために使用される分割規則を宣言し、資産オブジェクト移転要求は、ユーザによって要求された、移転されるべき資産オブジェクトに対する分割結果をさらに含む。
【0136】
メモリの中に記憶されるとともに資産管理の制御論理に対応する機械実行可能命令を、読み取ることおよび実行することによって、プロセッサは、資産オブジェクトの資産タイプに対応するとともにブロックチェーンの中で展開される、契約オブジェクトの中で宣言された、実行プログラムを呼び出し、ユーザによって要求された、移転されるべき資産オブジェクトに対する分割結果が、契約オブジェクトの中で宣言された分割規則を満たすかどうかを決定し、分割結果が、契約オブジェクトの中で宣言された分割規則を満たす場合、ユーザによって要求された分割結果に基づいて、移転されるべき資産オブジェクトを複数のターゲット資産オブジェクトに分割するように構成される。
【0137】
本実装形態では、契約オブジェクトは、資産オブジェクトを移転するために使用される実行プログラムを宣言し、移転されるべき資産オブジェクトは、契約オブジェクトを呼び出すことによって作成される。
【0138】
メモリの中に記憶されるとともに資産管理の制御論理に対応する機械実行可能命令を、読み取ることおよび実行することによって、プロセッサは、移転されるべき資産オブジェクトの資産タイプに対応するとともにブロックチェーンの中で展開される、契約オブジェクトの中で宣言された、実行プログラムを呼び出し、資産オブジェクト移転要求が所定の移転規則を満たすかどうかを決定し、資産オブジェクト移転要求が所定の移転規則を満たす場合、移転されるべき資産オブジェクトのアドレス情報を、移転されるべき資産オブジェクトを保持するターゲットオブジェクトから除去し、複数のターゲット資産オブジェクトのアドレス情報を、複数のターゲット資産オブジェクトに対応する資産受領オブジェクトに追加するように構成される。
【0139】
本実装形態では、ブロックチェーンによってサポートされるオブジェクトは、アドレスフィールドを含み、アドレスフィールドは、オブジェクトによって保持される資産オブジェクトのアドレス情報を維持するために使用される。
【0140】
メモリの中に記憶されるとともに資産管理の制御論理に対応する機械実行可能命令を、読み取ることおよび実行することによって、プロセッサは、移転されるべき資産オブジェクトのアドレス情報を、移転されるべき資産オブジェクトを保持するターゲットオブジェクトの中のアドレスフィールドから除去し、複数のターゲット資産オブジェクトのアドレス情報を、複数のターゲット資産オブジェクトに対応する資産受領オブジェクトの中のアドレスフィールドに追加するように構成される。
【0141】
当業者は、本明細書を検討し本明細書を実践した後、本明細書の別の実装形態を容易に解明することができる。本明細書は、本明細書の任意の変形形態、機能、または適応的変更を包含するものとする。これらの変形形態、機能、または適応的変更は、本明細書の一般原理に適合し、本明細書では開示されない技術分野における周知の事実または普通に使用される技術的手段を含む。本明細書および実装形態は、例として検討されるにすぎず、本明細書の実際の範囲および趣旨は、以下の特許請求の範囲によって説明される。
【0142】
本明細書が、添付図面の中で示されこれまでに説明した正確な構造に限定されず、本明細書の範囲から逸脱することなく修正および変更が加えられ得ることを理解されたい。本明細書の範囲は、添付の特許請求の範囲のみによって限定される。
【0143】
以前の説明は、本明細書の例示的な実装形態にすぎないが、本明細書を限定するものではない。本明細書の趣旨および原理から逸脱することなく加えられた任意の修正、均等な置換え、または改善が、本明細書の保護範囲内に入るべきである。
【0144】
図4は、本開示の一実装形態による、ブロックチェーンにおける資産の管理のためのコンピュータ実装方法400の一例を示すフローチャートである。提示を明快にするために、以下の説明は、概して、この説明における他の図面のコンテキストで方法400を説明する。しかしながら、方法400が、適宜に、たとえば、任意のシステム、環境、ソフトウェア、およびハードウェア、またはシステム、環境、ソフトウェア、およびハードウェアの組合せによって実行され得ることが理解されよう。いくつかの実装形態では、方法400の様々なステップは、並行して、組み合わせて、ループをなして、または任意の順序で、実行され得る。
【0145】
402において、ブロックチェーンネットワークの分散型データベースの中に記録されたターゲットユーザに対して鍵が生成される。鍵は、公開鍵および秘密鍵を含む。いくつかの実装形態では、公開鍵は、ブロックチェーンにおける機関の口座アドレスに関連付けられる。秘密鍵は、口座を運用すべき機関によって使用されるように構成され得る。いくつかの実装形態では、ブロックチェーンネットワークは、コンソーシアムチェーンを含み、ブロックチェーンネットワークにおけるターゲットメンバー(ユーザ)は、コンソーシアムチェーンにおける資産オブジェクト生成認可を有するコンソーシアムメンバーである。ブロックチェーンネットワークは、1つまたは複数の口座オブジェクトおよび1つまたは複数の契約オブジェクトを含む。ブロックチェーンネットワークのオブジェクト(たとえば、口座オブジェクト、契約オブジェクト、ターゲットオブジェクト、および資産オブジェクト)は、1つまたは複数のフィールドを含む。たとえば、フィールドは、以下のもの、すなわち、ターゲットユーザ用のIP構成、DNS検索やDNS設定の変更などのイベントを含むターゲットユーザからのDNSログ、遮断または許容されたネットワーク通信などのイベントを含むターゲットユーザからのネットワークファイアウォールログ(および/または、他のセキュリティ関連ログファイル)、オペレーティングシステム(OS)に関連するイベントを含むターゲットユーザからのOSログ、ターゲットユーザにおけるポート設定、ターゲットユーザからまたはターゲットユーザに資産を移転するための成功および/または失敗したユーザ試行を含むターゲットユーザからのユーザアクセスログ、ならびに/あるいはターゲットユーザにおける様々なユーザに対する特定のアクセス権限を含むターゲットユーザからのユーザ権限データうちの、1つまたは複数を含むことができる。フィールドはまた、エンティティ名、エンティティID、ターゲットユーザID、OSバージョン情報、およびインストールされたソフトウェアに対するソフトウェアバージョン、ネットワークルータ情報、他のDNS設定、ファイアウォール設定、ポート設定、IPホワイトリストおよび/またはブラックリスト設定などのうちの、1つまたは複数を含むことができる。402から、方法400は404に進む。
【0146】
404において、ターゲットユーザからユーザ入力が受け取られる。ユーザ入力は、資産オブジェクトを移転するための要求を含む。資産オブジェクトは、ターゲットユーザに関連する物理資産に対応するデジタル資産を含む。要求は、ターゲットユーザによって指定された資産タイプを含む。資産タイプは、コンソーシアムチェーンの中で展開され得る資産オブジェクトの複数の異なるタイプのうちの1つに対応する、識別子によって示され得る。404から、方法400は406に進む。
【0147】
406において、要求の受領に応答して、資産オブジェクトの資産タイプに基づいて契約オブジェクトが決定される。契約オブジェクトは、資産オブジェクトを分割するために使用され得る分割規則を含む。たとえば、分割規則は、分割プロセスを規定することができ、分割プロセスを通じて、分割を通じて取得された複数の資産オブジェクトの合計値は、分割されるべき資産オブジェクトの合計値と同じである。契約オブジェクトは、ターゲットオブジェクトを生成するように構成された実行プログラム、および実行プログラムに関係する実行コードを維持するために使用されるコードフィールドを含むことができる。406から、方法400は408に進む。
【0148】
408において、要求の受領に応答して、資産オブジェクトは、ターゲットオブジェクトを生成するために、契約オブジェクトを使用して処理される。ターゲットオブジェクトは、ターゲットオブジェクトを作成するために、資産タイプに対応する契約オブジェクトをブロックチェーンの中で展開することによって複数の資産オブジェクトのアドレス情報を維持するために使用される、アドレスフィールドを含む。いくつかの実装形態では、分割を通じて生成されたターゲットオブジェクトは、分割規則を使用して検証される。検証プロセスは、分割を通じて取得される複数のターゲットオブジェクトの合計値が、分割のために使用された元の資産オブジェクトの値に等しいかどうかを検証することを含むことができる。408から、方法400は410に進む。
【0149】
410において、資産移転要求が所定の移転規則を満たすかどうかについて決定が行われる。所定の移転規則は、ブロックチェーンのターゲットユーザおよび他のユーザのセキュリティおよび秘密性を保護するように構成された1つまたは複数のパラメータを含むことができる。たとえば、移転規則は、契約オブジェクトによって規定された資産移動要件を含むことができる。資産移動要件は、トランザクションのための資産、およびトランザクションを実行するかまたはトランザクションの受領者であるユーザに関連する、パラメータを規定することができる。いくつかの実装形態では、ユーザパラメータは、ブロックチェーンのオブジェクトに関連するユーザグループを識別することができる。資産移転要求が所定の移転規則を満たさないことが決定される場合、方法400は412に進む。412において、資産移転要求が所定の移転規則を満たさないことを示すために警告が生成される。412から、方法400は404に戻る。
【0150】
そうではなく、414において、資産移転要求が所定の移転規則を満たすことが決定される場合、資産オブジェクトのアドレス情報が、資産オブジェクトを保持するターゲットオブジェクト(たとえば、ターゲットオブジェクトのフィールド)から削除される。414から、方法400は416に進む。
【0151】
416において、ターゲットオブジェクトのアドレス情報が、資産オブジェクトに対応する資産受領オブジェクトに追加される。資産受領オブジェクトは、資産オブジェクトの資産タイプに基づいて契約オブジェクトによって識別され得、ターゲットオブジェクト(たとえば、オブジェクトの特定のグループに属する資産受領オブジェクトとターゲットオブジェクトの両方)に関連付けられ得る。416の後、方法400は停止する。
【0152】
本出願の実装形態は、ブロックチェーンにおいて資産を管理する際の技術的な問題を解決することができる。いくつかの実装形態では、ブロックチェーンは、不変かつ改ざん防止性のデータ移転およびデータ記憶をもたらす分散型記憶ソリューションであり、データは、暗号化された形式でブロックチェーンのデータベースの中に記憶される。そのようなセキュリティ方策は、ブロックチェーン上に記憶されたシステム状態データが、悪意のあるプロセスによって改悪または改変されないことを保証する。たとえば、資産受領オブジェクトの改変は、ターゲットユーザが詐欺目的に対して危険にさらされるときに攻撃者によって使用される戦法であり得、不変のブロックチェーン上でのシステム状態データの記憶は、攻撃者によるその戦法の使用を防止する。いくつかの実装形態では、ブロックチェーンのデータベースの中に記憶されたデータの完全性をさらに保証するために、エンティティを横断する異なる支払いアプリケーションからのブロックチェーンヘッダは、ブロックチェーン上でクロスメルケライズ(cross-Merkelize)されるかまたはそれ以外で処理される。
【0153】
セキュリティおよび秘密性を考慮して、契約オブジェクトは、資産オブジェクトを生成しアドレス情報を処理のために他のプラットフォームへ送る前に、資産オブジェクトに関連するデータに対してプライバシー保護処理を実行するように構成され得る。加えて、資産移転動作は、対応するデータボリュームを第2のロケーションの中に追加するときに第1のロケーションからデータボリュームを削除することによって、ブロックチェーン内の全体的なデータボリュームに影響を及ぼさないように構成される。したがって、資産移転動作は、資産管理の従来の方法に関連する一般的な問題である、データボリュームの指数関数的な増加につながらない。
【0154】
本出願の実装形態は、資産管理を改善するための方法および装置を提供する。いくつかの実装形態では、処理プラットフォーム(たとえば、支払い処理サーバ)は、確認されることになるデータグループ(たとえば、ユーザトランザクション量に対応するデータグループ)として、確認されることになり所定の機能に対応するデータをデータ提供プラットフォームから取得する。加えて、処理プラットフォームは、所定の移転規則によって確認されることになる資産に関連する追加(たとえば、履歴)データをさらに取得することができる。履歴データはまた、同じ所定の機能に対応してよく、比較データグループが、資産移転の前の処理のために、処理プラットフォーム(たとえば、ブロックチェーンネットワークのノード)に提供され得る。次いで、処理プラットフォームは、資産移転要求が所定の移転規則を満たすかどうかを決定する。所定の移転規則が満たされる(たとえば、異常なデータがない)場合、処理プラットフォームは、資産を移転することを継続することができる。異常なデータがあることを処理プラットフォームが決定する場合、処理プラットフォームは、警告を始めること、関連する人物にデータ例外の原因を分析するように指示すること、および関連する解決策を、トリガすることができる。
【0155】
いくつかの実装形態では、処理プラットフォームは、複数の異なるエンティティを横断する資産移転およびトランザクションのリスクスコアを、トランザクション用のトランザクションデータと、トランザクションを扱うことに関与するホスト用のシステム状態データの両方に基づいて決定する。しきい値を超えるスコアを有する高リスクと見なされるトランザクションを識別するために、リスクスコアが検査される。そのようなトランザクションは、遮断され得るか、または、たとえば、事例管理システムにおけるさらなる検査のために、待ち行列に入れられ得る。比較のために使用されるべきシステム状態データ、ならびにトランザクションデータおよびリスクスコアは、不変の、セキュアな、かつ分散型のデータ記憶を提供するブロックチェーン上に記憶され得る。ブロックチェーンの使用は、トランザクショントラフィックが増大し、かつ/または増大したトラフィックを収容するためにもっと多くのホストを追加することによってトランザクションネットワークが拡大するにつれて、経時的に増加し得る大量のトランザクションデータおよびシステム状態データの収集および分析を容易にする。したがって、データを記憶および分析するためのブロックチェーンの使用を通じて、実装形態は、データ抽出、分析、およびデータの記憶に関してスケーラビリティをもたらす。その上、ブロックチェーンが複数のネットワークロケーションにわたって分散されるので、実装形態は、データ記憶のための集中型データベースの使用を回避し、したがって、そのような集中型記憶ハブにおける攻撃に弱い、以前に利用可能な従来のリスク分析ソリューションと比較して、悪意のあるプロセスによる改悪または削除にさほど弱くはない。
【0156】
本明細書で説明する実施形態および動作は、デジタル電子回路構成において、または本明細書で開示する構造を含むコンピュータソフトウェア、ファームウェア、もしくはハードウェアにおいて、またはそれらのうちの1つまたは複数の組合せにおいて実施され得る。動作は、1つもしくは複数のコンピュータ可読記憶デバイス上に記憶されるかまたは他のソースから受け取られるデータに対する、データ処理装置によって実行される動作として実施され得る。データ処理装置、コンピュータ、またはコンピューティングデバイスは、例として、プログラマブルプロセッサ、コンピュータ、システムオンチップ、または上記のうちの複数のもの、もしくは上記の組合せを含む、データを処理するための装置、デバイス、および機械を包含してよい。装置は、専用論理回路構成、たとえば、中央処理ユニット(CPU)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または特定用途向け集積回路(ASIC)を含むことができる。装置はまた、当該のコンピュータプログラム用の実行環境を作成するコード、たとえば、プロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステム(たとえば、オペレーティングシステム、またはオペレーティングシステムの組合せ)、クロスプラットフォームランタイム環境、仮想機械、またはそれらのうちの1つまたは複数の組合せを構成するコードを含むことができる。装置および実行環境は、ウェブサービス基盤、分散型コンピューティング基盤、およびグリッドコンピューティング基盤などの、様々な異なるコンピューティングモデル基盤を実現することができる。
【0157】
コンピュータプログラム(たとえば、プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアモジュール、ソフトウェアユニット、スクリプト、またはコードとも呼ばれる)は、コンパイル型言語またはインタープリタ型言語、宣言型言語または手続き型言語を含む、任意の形式のプログラミング言語で書くことができ、スタンドアロンプログラムとしての形式、またはモジュール、コンポーネント、サブルーチン、オブジェクト、もしくはコンピューティング環境において使用するのに適した他のユニットとしての形式を含む、任意の形式で展開され得る。プログラムは、他のプログラムもしくはデータ(たとえば、マークアップ言語ドキュメントの中に記憶された1つまたは複数のスクリプト)を保持するファイルの一部分の中に、当該のプログラムに専用の単一のファイルの中に、または複数の協調したファイル(たとえば、1つまたは複数のモジュール、サブプログラム、またはコードの部分を記憶するファイル)の中に、記憶され得る。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ上で、または1つのサイトにおいて配置されるかもしくは複数のサイトにわたって分散され通信ネットワークによって相互接続される複数のコンピュータ上で、実行され得る。
【0158】
コンピュータプログラムの実行用のプロセッサは、例として、汎用マイクロプロセッサと専用マイクロプロセッサの両方、および任意の種類のデジタルコンピュータのいずれか1つまたは複数のプロセッサを含む。一般に、プロセッサは、読取り専用メモリもしくはランダムアクセスメモリまたはその両方から命令およびデータを受け取る。コンピュータの必須要素は、命令に従ってアクションを実行するためのプロセッサ、ならびに命令およびデータを記憶するための1つまたは複数のメモリデバイスである。一般に、コンピュータはまた、データを記憶するための1つまたは複数の大容量記憶デバイスを含むか、あるいはそうしたデバイスからデータを受け取ること、もしくはそうしたデバイスにデータを転送すること、またはその両方を行うように、動作可能に結合される。コンピュータは、別のデバイス、たとえば、モバイルデバイス、携帯情報端末(PDA)、ゲーム機、全地球測位システム(GPS)レシーバ、またはポータブル記憶デバイスの中に組み込むことができる。コンピュータプログラム命令およびデータを記憶するのに適したデバイスは、例として、半導体メモリデバイス、磁気ディスク、および光磁気ディスクを含む、不揮発性メモリ、媒体、およびメモリデバイスを含む。プロセッサおよびメモリは、専用論理回路構成によって増補され得るか、または専用論理回路構成の中に内蔵され得る。
【0159】
モバイルデバイスは、ハンドセット、ユーザ機器(UE)、移動電話(たとえば、スマートフォン)、タブレット、ウェアラブルデバイス(たとえば、スマートウォッチおよびスマートメガネ)、人体内の埋め込み式デバイス(たとえば、バイオセンサー、人工内耳)、または他のタイプのモバイルデバイスを含むことができる。モバイルデバイスは、(たとえば、無線周波数(RF)信号を使用して)様々な通信ネットワークにワイヤレス通信することができる(以下で説明する)。モバイルデバイスは、モバイルデバイスの現在の環境の特性を決定するためのセンサーを含むことができる。センサーは、カメラ、マイクロフォン、近接度センサー、GPSセンサー、動きセンサー、加速度計、周辺光センサー、湿度センサー、ジャイロスコープ、コンパス、気圧計、指紋センサー、顔認識システム、RFセンサー(たとえば、Wi-Fiおよびセルラー無線)、熱センサー、または他のタイプのセンサーを含むことができる。たとえば、カメラは、可動式または固定式のレンズ、フラッシュ、イメージセンサー、およびイメージプロセッサを有する、前方対面または後方対面のカメラを含むことができる。カメラは、顔認識および/または虹彩認識のために細部をキャプチャすることが可能なメガピクセルカメラであり得る。カメラは、データプロセッサ、およびメモリの中に記憶されるかまたは遠く離れてアクセスされる認証情報と一緒に、顔認識システムを形成することができる。顔認識システムまたは1つもしくは複数のセンサー、たとえば、マイクロフォン、動きセンサー、加速度計、GPSセンサー、またはRFセンサーは、ユーザ認証のために使用され得る。
【0160】
ユーザとの対話をもたらすために、実施形態は、表示デバイスおよび入力デバイス、たとえば、ユーザに情報を表示するための液晶ディスプレイ(LCD)または有機発光ダイオード(OLED)/仮想現実(VR)/拡張現実(AR)ディスプレイ、ならびにユーザがそれによってコンピュータに入力を与えることができるタッチスクリーン、キーボード、およびポインティングデバイスを有する、コンピュータ上に実装され得る。他の種類のデバイスが、同様にユーザとの対話をもたらすために使用され得、たとえば、ユーザに提供されるフィードバックは、任意の形態の感覚フィードバック、たとえば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、または触覚フィードバックであり得、ユーザからの入力は、音響入力、音声入力、または触覚入力を含む、任意の形態で受け取られ得る。加えて、コンピュータは、ユーザによって使用されるデバイスへドキュメントを送ること、およびそうしたデバイスからドキュメントを受け取ることによって、たとえば、ウェブブラウザから受け取られた要求に応答してユーザのクライアントデバイス上のウェブブラウザへウェブページを送ることによって、ユーザと対話することができる。
【0161】
実施形態は、ワイヤラインまたはワイヤレスのデジタルデータ通信(または、それらの組合せ)、たとえば、通信ネットワークの任意の形態または媒体によって相互接続されたコンピューティングデバイスを使用して実施され得る。相互接続されるデバイスの例は、通常は通信ネットワークを通じて相互作用する、概して互いから遠く離れたクライアントおよびサーバである。クライアント、たとえば、モバイルデバイスは、たとえば、買いトランザクション、売りトランザクション、支払いトランザクション、贈与トランザクション、送出トランザクション、もしくはローントランザクションを実行するかまたは同じことを認可する、サーバを用いるかまたはサーバを通じて、トランザクション自体を実行することができる。そのようなトランザクションは、アクションおよびレスポンスが時間的に近接しているような、たとえば、アクションおよびレスポンスが実質的に同時に行われることを個人が認知し、個人のアクションに後続するレスポンスに対する時間差が1ミリ秒(ms)よりも小さいかもしくは1秒(s)よりも小さく、またはレスポンスが、システムの処理限度を考慮に入れる意図的な遅延を伴わないような、リアルタイムであってよい。
【0162】
通信ネットワークの例は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、無線アクセスネットワーク(RAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、およびワイドエリアネットワーク(WAN)を含む。通信ネットワークは、インターネット、別の通信ネットワーク、または通信ネットワークの組合せの、全部または一部を含むことができる。情報は、ロングタームエボリューション(LTE)、5G、IEEE802、インターネットプロトコル(IP)、または他のプロトコルもしくはプロトコルの組合せを含む、様々なプロトコルおよび規格に従って通信ネットワーク上で伝送され得る。通信ネットワークは、接続されたコンピューティングデバイス間で、音声データ、ビデオデータ、生体データ、もしくは認証データ、または他の情報を伝送することができる。
【0163】
別個の実装形態として説明した特徴は、組み合わせて、単一の実装形態で実施されてよく、単一の実装形態として説明した特徴は、複数の実装形態で、別個に、または任意の好適な部分組合せで実施されてよい。特定の順序で説明および特許請求される動作は、特定の順序が実行されなければならないことも、図示したすべての動作が実行されなければならないことも(いくつかの動作は随意であり得る)、必要とするものとして理解されるべきでない。適宜に、マルチタスキングまたは並行処理(または、マルチタスキングと並行処理との組合せ)が実行され得る。
【符号の説明】
【0164】
30 資産管理装置
301 受領モジュール
302 分割モジュール
303 移転モジュール
図1
図2
図3
図4