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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-25
(45)【発行日】2022-08-02
(54)【発明の名称】電動オイルポンプ
(51)【国際特許分類】
   F04C 2/18 20060101AFI20220726BHJP
【FI】
F04C2/18 311B
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020563646
(86)(22)【出願日】2019-05-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-02
(86)【国際出願番号】 CN2019088616
(87)【国際公開番号】W WO2019228311
(87)【国際公開日】2019-12-05
【審査請求日】2020-11-10
(31)【優先権主張番号】201810519275.4
(32)【優先日】2018-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】521071312
【氏名又は名称】浙江三花智能控制股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG SANHUA INTELLIGENT CONTROLS CO., LTD
【住所又は居所原語表記】Xialiquan, Qixing Street, Xinchang County, Shaoxing, Zhejiang 312500 P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】殷 炳玖
(72)【発明者】
【氏名】▲葉▼ ▲ウェイ▼
(72)【発明者】
【氏名】▲孫▼ 泳▲鋒▼
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ ▲凱▼
(72)【発明者】
【氏名】▲銭▼ 方旭
(72)【発明者】
【氏名】黄 立▲陽▼
【審査官】山崎 孔徳
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第207363874(CN,U)
【文献】特開2018-061423(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04C 2/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1チャンバと第2チャンバとを含むポンプ内腔を有するポンプハウジングと、
前記第1チャンバに設けられた第1ロータ手段と、
前記第2チャンバに設けられたステータ手段及び第2ロータ手段と、
電気制御基板と、
支持部材であって、少なくとも部分的に前記ステータ手段と前記電気制御基板との間に設けられ、対向して設けられた第1面と第2面とを含む本体部を含む支持部材と、
前記本体部の前記第1面及び前記第2面を貫通する接続端子とを含み、
前記接続端子は、本部と、第1接続部と、第2接続部とを含み、
前記本部は、前記第1接続部と前記第2接続部との間に設けられ、
前記本部は、少なくとも部分的に前記本体部と密着され又は少なくとも部分的に前記本体部と射出固定され、
前記第1接続部は、少なくとも部分的に前記本体部から延出し、
前記第2接続部は、少なくとも部分的に前記本体部から延出し、
前記第1接続部は、少なくとも部分的に前記ステータ手段に接続され、前記第二接続部は少なくとも部分的に前記電気制御板に接続されており、
前記支持部材は、前記本体部の前記第1面から前記第1面から離れる方向に突出し、且つ前記第1面の周方向に間隔をおいて分布するように設けられた第1凸部を含み、前記接続端子は前記第1凸部を通すように設けられ、前記第1凸部に凹溝が設けられ、前記凹溝は、前記第1凸部の上面から前記本体部の前記第1面の方向へ凹んでおり、且つ前記本体部の前記第2面を貫通しないように設けられ、前記接続端子は前記凹溝を貫通するように設けられ、前記凹溝内に設けられた前記接続端子の外周と前記凹溝の内壁との間にはシーラントが充填されるように設けられている、電動オイルポンプ。
【請求項2】
前記本体部は、前記電気制御基板と前記ステータ手段との間に設けられ、前記支持部材は、第1端部と第1中空室とを含み、前記第1端部は前記本体部と一体成形され、前記第1端部は、前記本体部の前記第1面から前記第1面から離れる方向に突出するように設けられ、前記第1中空室は、前記第1端部の内周側壁と前記本体部の前記第1面からなるように設けられ、前記第1中空室が前記第2チャンバの一部である、請求項1に記載の電動オイルポンプ。
【請求項3】
前記支持部材は、第2端部と第2中空室とを更に含み、前記第2端部は前記本体部と一体成形され、前記第2端部は、前記本体部の前記第2面から前記第2面から離れる方向に突出するように設けられ、前記第2中空室は、前記第2端部の内周側壁と前記本体部の前記第2面との間に位置している、請求項2に記載の電動オイルポンプ。
【請求項4】
前記ポンプハウジングは第1ハウジングと第2ハウジングとを含み、前記第2端部は、前記第1ハウジングと前記第2ハウジングとの間に位置し、前記支持部材は、それぞれ前記第1ハウジングと前記第2ハウジングに着脱可能に接続されている、請求項3に記載の電動オイルポンプ。
【請求項5】
前記支持部材の材料は非金属材であり、前記支持部材は、前記接続端子をインサートとして前記接続端子と一体に射出成形されるように設けられ、少なくとも3分の1の前記接続端子は、前記支持部材に埋め込まれて前記支持部材に固定して接続されるように設けられ、少なくとも3分の1の前記接続端子は、前記ステータ手段と電気的に接続されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の電動オイルポンプ。
【請求項6】
前記支持部材は、前記本体部の前記第1面から前記第1面から離れる方向に突出し、且つ前記第1面の周方向に間隔をおいて分布するように設けらる第1凸部を含み、前記接続端子は前記第1凸部を通すように設けられ、前記第1凸部に凹溝が設けられ、前記凹溝は、前記第1凸部の上面から前記本体部の前記第1面の方向へ凹んでおり、且つ前記本体部の前記第2面を貫通しないように設けられ、前記接続端子は前記凹溝を貫通するように設けられ、前記凹溝内に設けられた前記接続端子の外周と前記凹溝の内壁との間にはシーラントが充填されるように設けられている、請求項5に記載の電動オイルポンプ。
【請求項7】
前記支持部材は、前記本体部と一体成形され、前記本体部の前記第1面から前記第1面から離れる方向に突出するように設けられた第1端部を含み、前記第1凸部は前記第1端部と一体成形され、前記第1凸部は、前記支持部材の軸方向に、前記本体部の第1面から前記第1面から離れる方向に突起し、且つ前記支持部材の径方向に、前記第1端部の内周側壁から前記支持部材の中心軸に向かって突起するように設けられている、請求項に記載の電動オイルポンプ。
【請求項8】
前記支持部材は、第2凸部と複数の第1補強リブとを更に含み、前記第1補強リブは前記本体部の前記第1面から前記第1面から離れる方向に突出するように設けられ、前記第2凸部は前記本体部の前記第1面から前記第1面から離れる方向に突出し、且つ前記第1凸部よりも前記支持部材の中心に近接するように設けられ、前記第1補強リブは、前記第2凸部の周方向に沿って円周配列分布又は間隔分布をなすように設けられ、少なくとも一部の前記第1補強リブが前記第1凸部と前記第2凸部を接続している、請求項またはに記載の電動オイルポンプ。
【請求項9】
前記支持部材は、前記支持部材の軸方向に、前記本体部の前記第1面から前記第1面から離れる方向に突出するように設けられた位置決め部を更に含み、前記接続端子の前記第1表面に近い一端と前記第1表面との間の垂直距離が第1距離であり、前記位置決め部と前記第1表面との垂直距離が前記第1距離よりも大きい、請求項1~4のいずれか一項に記載の電動オイルポンプ。
【請求項10】
前記支持部材は、前記支持部材の軸方向に、前記本体部の前記第1面から前記第1面から離れる方向に突出するように設けられた位置決め部を更に含み、前記接続端子の前記第1表面に近い一端と前記第1表面との間の垂直距離が第1距離であり、前記位置決め部と前記第1表面との垂直距離が前記第1距離よりも大きい、請求項に記載の電動オイルポンプ。
【請求項11】
前記支持部材は、前記位置決め部と前記第1補強リブとを接続する第2補強リブを更に含み、前記第2補強リブは、前記位置決め部の軸方向に、前記第1補強リブの上面から前記第1補強リブの上面から離れる方向に突起するように設けられている、請求項10に記載の電動オイルポンプ。
【請求項12】
前記支持部材は、少なくとも2つの第3凸部を更に含む、前記第3凸部は、前記本体部の前記第2面から前記第2面から離れる方向に突起し、且つ前記支持部材の周方向に沿って間隔をおいて分布するように設けられ、前記接続端子の前記第2面に近い一端と前記第2面との間の垂直距離が第2距離であり、前記第3突起部の突起方向に沿った高さは前記第2距離よりも小さい、請求項11に記載の電動オイルポンプ。
【請求項13】
前記支持部材は、前記本体部の前記第2面から前記第2面から離れる方向に突出し、且つ前記第3凸部よりも前記支持部材の中心に近接するように設けられた第4凸部を含み、前記第4凸部の突起方向に沿った高さは前記第2距離よりも小さい、請求項12に記載の電動オイルポンプ。
【請求項14】
前記支持部材は、前記支持部材の外周側壁に沿って周設された溝を更に含み、前記電動オイルポンプは、少なくとも部分的に前記溝内に設けられたシールリングを更に含む、請求項1に記載の電動オイルポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、出願日が2018年5月28日、出願番号が201810519275.4の中国特許出願の優先権を主張し、当該出願の全ての内容は引用により本発明に結合される。
【背景技術】
【0002】
本願は、車両の分野に関し、例えば、電動オイルポンプに関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
車両業界が急速に発展し、車両性能がより安全、より確実、より安定、全自動インテリジェント化及び環境保護・省エネ方向に進むにつれて、電動オイルポンプが車両潤滑システム及び冷却システムの少なくとも一方に多く適用され、市場の要求を良好に満たすことができる。
【0004】
電動オイルポンプは、主に車両の潤滑システムおよび冷却システムの少なくとも一方に動力源を提供し、電動オイルポンプは、ステータ手段および電気制御基板を含み、一般的に、ステータ手段と電気制御基板とが接続端子によって電気的に接続される。
【発明の効果】
【0005】
本発明は、接続端子がステータ手段や電気制御基板にそれぞれ接続される際に生じる接続端子の変形を低減するために有利な電動オイルポンプを提供する。
【0006】
第1チャンバと第2チャンバとを含むポンプ内腔が設けられたポンプハウジングと、前記第1チャンバに設けられた第1ロータ手段と、前記第2チャンバに設けられたステータ手段と第2ロータ手段と、電気制御基板と、少なくとも部分的に前記ステータ手段と前記電気制御基板との間に設けられ、対向して設けられた第1面と第2面とを含む本体部を含む支持部材と、前記本体部の前記第1面及び前記第2面を貫通する接続端子と、を含む電動オイルポンプであって、前記接続端子は、本部と、第1接続部と、第2接続部とを含み、前記本部は、前記第1接続部と前記第2接続部との間に設けられ、前記本部は、少なくとも部分的に前記本体部と密着され又は少なくとも部分的に前記本体部と射出固定され、前記第1接続部は、少なくとも部分的に前記本体部から延出し、前記第2接続部は、少なくとも部分的に前記本体部から延出し、前記第1接続部は、少なくとも部分的に前記ステータ手段に接続され、前記第二接続部は、少なくとも部分的に前記電気制御基板に接続される。
【0007】
本部は、少なくとも部分的に支持部材の本体部に密着され又は射出固定されるため、これにより接続端子の周方向が支持され、接続端子がステータ手段や電気制御基板にそれぞれ接続される際に生じる接続端子の変形を低減するために有利である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施例に係る電動オイルポンプの第1実施形態の断面構造模式図である。
図2図1におけるポンプカバーが装着されていない電動オイルポンプの正面図である。
図3図1における支持部材と接続端子を組み合わせた後の一方向での斜視構造模式図である。
図4図1における支持部材と接続端子を組み合わせた後の他の方向での斜視構造模式図である。
図5図3又は図4における支持部材と接続端子を組み合わせた正面図である。
図6図5のA―A方向に沿った断面図である。
図7図1又は図3又は図4又は図5又は図6における接続端子の斜視構造模式図である。
図8図7における接続端子の正面図である。
図9図1におけるステータ手段の斜視構造模式図である。
図10】一実施形態に係る電動オイルポンプの第2実施形態の断面図である。
図11図10における支持部材と接続端子を組み合わせた後の一方向での斜視構造模式図である。
図12図10における支持部材と接続端子を組み合わせた後の他の方向での斜視構造模式図である。
図13図11又は図12における支持部材と接続端子を組み合わせた正面図である。
図14図13のB―B方向に沿った断面図である。
図15】一実施形態に係る電動オイルポンプの第3実施形態の断面図である。
図16図15における支持部材と接続端子を組み合わせた後の一方向での斜視構造模式図である。
図17図15における支持部材と接続端子を組み合わせた後の他の方向での斜視構造模式図である。
図18図16又は図17における支持部材と接続端子を組み合わせた正面図である。
図19図18のC―C方向に沿った断面図である。
図20】一実施形態に係る電動オイルポンプの第4実施形態の断面図である。
図21図20における支持部材と接続端子を組み合わせた後の一方向での斜視構造模式図である。
図22図20における支持部材と接続端子を組み合わせた後の他の方向での斜視構造模式図である。
図23図21又は図22における支持部材と接続端子を組み合わせた正面図である。
図24図23のD―D方向に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本実施例における電動オイルポンプは、車両潤滑システムおよび冷却システムの少なくとも一方の作動媒体に流れる動力を提供することができる。
【0010】
図1を参照し、電動オイルポンプ100は、ポンプハウジングと、第1ロータ手段2と、ステータ手段4と、第2ロータ手段3と、電気制御基板6とを含み、ポンプハウジングはポンプ内腔を含み、第1ロータ手段2、ステータ手段4、第2ロータ手段3および電気制御基板6はポンプ内腔に設けられ、本実施例では、ポンプ内腔は、第1チャンバ80と第2チャンバ90とを含み、第1ロータ手段2は第1チャンバ80に設けられ、ステータ手段4および第2ロータ手段3は第2チャンバ90に設けられ、ステータ手段4はステータコア41とコイル42とを含み、電動オイルポンプ100が作動する時、電気制御基板6は、ステータ手段4のコイル42を通過した電流が予定の規律に従って変化するように制御することで、ステータ手段4が変化な励起磁場を生じるように制御し、第2ロータ手段3は、励起磁場の作用で転動し、第1ロータ手段2を転動させるように直接または間接的に駆動することができ、第1ロータ手段2が転動する時、第1ロータ手段2内の液圧室の容積が変化し、作動媒体が流出口に押し出されて流れる動力を発生する。
【0011】
図1を参照し、本実施例では、ポンプハウジングは、ポンプカバー1と、第1ハウジング7と、第2ハウジング8とを含み、ポンプカバー1と第1ハウジング7とは固定して接続され、第1ハウジング7と第2ハウジング8とは固定して接続されている。本実施例では、ポンプカバー1と第1ハウジング7とはねじやボルトで接続され、これにより電動オイルポンプの着脱をより便利にし、第1ロータ手段2のメンテナンスに有利であり、ポンプカバー1と第1ハウジング7とは他の形態、例えば挿着又は係合等の形態で接続されてもよいことは勿論である。第1ハウジング7と第2ハウジング8とは固定して接続されており、一実施形態では、第1ハウジング7と第2ハウジング8とはねじやボルトで接続され、これにより電動オイルポンプの着脱をより便利にし、本実施例では、電気制御基板6が第1ハウジング7と第2ハウジング8との間の空洞内に設けられるので、電気制御基板6のメンテナンスにも有利である一方、第1ハウジング7と第2ハウジング8との間の接続をより確実にすることができ、第1ハウジング7と第2ハウジング8とは、挿着、係合等の他の接続形態で接続されてもよい。
【0012】
図2を参照し、第1ロータ手段2は、複数の内歯を含む第1ロータ21と、複数の外歯を含む第2ロータ22とを含み、第1ロータ21の内歯と第2ロータ22の外歯との間には液圧室801が形成され、本実施例では、液圧室801も第1チャンバ80の一部であり、本実施例では、第1ロータ21は第2ロータ22の外周に嵌設されている。再び図1を参照し、電動オイルポンプは、流入口11および流出口12を更に含み、作動媒体は、流入口11により液圧室801に進入可能であり、流出口12により液圧室801から流出可能である。第1ロータ21と第2ロータ22との間に一定の偏心距離が存在するため、第2ロータ22が転動する時、第2ロータ22の一部の外歯が第1ロータ21の一部の内歯と噛み合い、第1ロータ21を転動させるように駆動し、第1ロータ21と第2ロータ22が1回転する過程において、液圧室801の内容積が変化し、一実施例では、第1ロータ手段2が始点からある角度まで転動する時に、液圧室801内の容積が徐々に増大して局所真空が形成され、作動媒体が流入口11から液圧室801に吸入され、第1ロータ21及び第2ロータ22が転動し続けると、作動媒体が満たされた液圧室801の容積が徐々に減少し、作動媒体が押圧され、液圧室801内に入った作動媒体が流出口12に押し出されて流れる動力を発生する。本実施例では、電動オイルポンプ100は、一部の第1ロータ手段2を転動させるように駆動することができるポンプ軸9を更に含み、本実施例では、ポンプ軸9は第2ロータ22を転動させるように駆動することができ、ポンプ軸9の第1端が第2ロータ22に接続され、ポンプ軸9の第2端が第2ロータ手段3に接続され、第2ロータ手段3はポンプ軸9を介して第2ロータ22を転動させるように駆動することで、第1ロータ手段2の転動を実現し、すなわち、第2ロータ22と第1ロータ21とは、内外歯の噛み合いによって伝動を実現する。
【0013】
図1を参照し、電動オイルポンプ100は、少なくとも部分的にステータ手段4と電気制御基板6との間に設けられた支持部材5を更に含み、本実施例では、ステータ手段4が支持部材5の上面の一側に位置し、電気制御基板6が支持部材5の下面の一側に位置する。電動オイルポンプ100は、支持部材5の上下面を貫通して支持部材5に固定して接続された接続端子10を含み、接続端子10の第1端がステータ手段4に接続され、接続端子10の第2端が電気制御基板6に接続される。接続端子10は、少なくとも一部の支持部材5を貫通して支持部材5に固定して接続されため、接続端子10がステータ手段4及び電気制御基板6にそれぞれ接続される際に生じる変形を防止するために有利であり、接続端子10とステータ手段4との接続信頼性及び接続端子10と電気制御基板6との接続信頼性を向上させるために有利である。
【0014】
以下に、支持部材の4つの実施形態の構造を説明し、2つの実施形態の支持部材を説明しやすいために、第1実施形態の支持部材は支持部材5と表記され、その他の符号はいずれもサフィックスを付していなく、第2実施形態の支持部材は支持部材5aと表記され、その他の符号はいずれもaを添えてサフィックスとし、第3実施形態の支持部材は支持部材5bと表記され、その他の符号はいずれもbを添えてサフィックスとし、第4実施形態の支持部材は支持部材5cと表記され、その他の符号はいずれもcを添えてサフィックスとする。
【0015】
図1を参照し、図1は電動オイルポンプの第1実施形態の構造模式図であり、図3図6図1における支持部材と接続端子を組み合わせた構造模式図であり、以下に、電子オイルポンプの第1実施形態における支持部材の構造を詳細に説明する。
【0016】
図3図6を参照し、支持部材5は、対向して設けられた第1面501及び第2面502を含む本体部50を含み、接続端子10は本体部50の第1面501及び第2面502を貫通する。図7および図8を参照し、接続端子10は、本部103と、第1接続部101と、第2接続部102とを含み、本部103は、第1接続部101と第2接続部102との間に設けられ、図6を参照し、本部103が少なくとも部分的に支持部材5の本体部50に密着され又は少なくとも部分的に支持部材5の本体部50に射出固定され、すなわち、本部103が少なくとも部分的に図6における本体部50に埋め込まれ、本部103が少なくとも部分的に図6における支持部材5の本体部50に固定して接続され、第1接続部101が少なくとも部分的に支持部材5の本体部50から延出され、第2接続部102が少なくとも部分的に支持部材5の本体部50から延出され、図1を参照し、本体部50は、電気制御基板6とステータ手段4との間に設けられ、第1接続部101が少なくとも部分的にステータ手段4に接続され、第2接続部102が少なくとも部分的に電気制御基板6に接続される。本部103が部分的に支持部材5の本体部50に埋め込まれ、且つ本体部50に固定して接続されるので、接続端子10の周方向が部分的に支持され、接続端子10がステータ手段4や電気制御基板6に接続される際に生じる接続端子10の変形を低減するために有利であり、ひいては接続端子10とステータ手段4や電気制御基板6との間の接続信頼性を向上させるために有利である。
【0017】
図3図6を参照し、支持部材5の材料が非金属材であり、一実施例において、支持部材5の材料がプラスチックであり、これにより接続端子10と支持部材5とを絶縁し、電子オイルポンプが作動する際に支持部材5により導電しないことを保証し、本実施例では、接続端子10をインサートとして、接続端子10と支持部材5は一体に射出成形され、一実施例では、図3図6を参照し、少なくとも一部の図7における接続端子10の本部103が支持部材5の本体部50と射出固定されることで、接続端子10と支持部材5との固定接続を実現するが、接続端子10と支持部材5はそれぞれ2つの個別な部品に加工して形成された後に密着又は接着などの他の形態により接続端子10と支持部材5との固定接続を実現してもよいことは勿論である。図6を参照し、少なくとも3分の1の接続端子10が支持部材5に埋め込まれて支持部材5に固定して接続され、これにより接続端子10の周方向が部分的に支持される一方、接続端子10の支持面積を相対的に増加することで、接続端子10を図1におけるステータ手段4や電気制御基板6にそれぞれ接続する際の変形を低減させ、更に接続端子10とステータ手段4との接続信頼性及び接続端子10と電気制御基板6との接続信頼性を向上させるために有利である。図1を参照すると、少なくとも3分の1の接続端子10はステータ手段4と電気的に接続され、ステータ手段4と接続端子10とが十分に接触できることを保証し、ステータ手段4と接続端子10との電気的接続の信頼性を向上させるために有利である。
【0018】
図3及び図6を参照し、支持部材5は、本体部50の第1面501から第1面501から離れる方向に突出し、且つ支持部材5の周方向に間隔をおいて配置された第1凸部53を含み、接続端子10が第1凸部53を通す。第1凸部53は、第1凸部53の上面532から本体部50の第1面501の方向へ凹設され、本体部50の第2面502まで貫通しない凹溝531を含み、接続端子10が凹溝531を通し、凹溝531内に設けられた接続端子10の外周と凹溝531の内壁との間に一定の空隙を有し、空隙内にシーラント(図示せず)が充填される。図1を参照し、本実施例に係る電動オイルポンプ100は作動する際に、第2チャンバ90内に作動媒体が流入し、これによりステータ手段4の放熱に有利であり、接続端子10と支持部材5との接続箇所から電気制御基板6が位置する一側に作動媒体が浸入することを防止するために、凹溝531内にシーラントが充填されることで、接続端子10と支持部材5との接続箇所から電気制御基板6が位置する一側に作動媒体が浸入することを防止し、電気制御基板6の性能が損なわれないように保証するために有利である。本実施例では、支持部材5と接続端子10とが一体に射出成形されることにより固定接続を実現し、そして凹溝531内にシーラントを充填して封止することにより、部品の射出過程においてヒケ等の欠陥が発生してヒケを通って電気制御基板6が位置する一側に作動媒体が浸入することを防止し、射出過程においてヒケ等の欠陥が発生しないことを満たす前提で、接続端子10は直接に支持部材5に射出固定して封止することを実現してもよく、この時、凹溝531を設ける必要がなく、凹溝531内にシーラントを充填して封止する必要もない。本実施例では、シーラントが凝固した後の高さが凹溝531の深さ以上であり、すなわち凝固後のシーラントが凹溝531からはみ出し、これによりシール性を十分に確保するために有利である。また、本実施例では、支持部材5に第1凸部53が設けられ、凹溝531が第1凸部53内に成形され、他の実施例では、接続端子10の位置に応じて第1凸部53を設けず、本体部50の第1面501に凹溝531を直接に成形してもよい。
【0019】
図3及び図5を参照し、支持部材5は、本体部50の第1面501から第1面501から離れる方向に凸設された複数の第1補強リブ54を含み、本実施例では、支持部材5は6つの第1補強リブ54を含む。支持部材5は、本体部50の第1面501から第1面501から離れる方向に凸設され、且つ第1凸部53よりも支持部材5の中心に近接する第2凸部55を含み、第1補強リブ54が第2凸部55の周方向に沿って円周配列分布又は間隔分布をなし、少なくとも一部の第1補強リブ54が第1凸部53と第2凸部55に接続され、これにより支持部材の本体部の構造強度を向上させるために有利であり、支持部材5の本体部50の変形を防止するために有利である。本実施例では、第2凸部55が円環状であり、第2凸部55が第1補強リブ54の一端に接続され、他の実施例では、第2凸部55が他の多角形からなる閉鎖構造または非閉鎖構造であってもよい。
【0020】
図3に示すように、支持部材5は、支持部材5の軸方向において本体部50の第1面501から第1面501から離れる方向に凸設された位置決め部56を含む。図6に示すように、第1面501に近い接続端子10の一端と第1面501との間の距離を第1距離H1と定義し、位置決め部56と第1面501との垂直距離H0が第1距離H1よりも大きく、本実施例では、位置決め部56の設置は、支持部材5の装着時に、支持部材5とステータ手段4との組み立てる時の位置決めを容易にするため、支持部材5の組み立てる時の誤装着を防止するためであり、位置決め部56と第1面501との垂直距離H0は、第1距離H1よりも大きく、これにより支持部材5を組み立てる際に接続端子10が位置決め部56の位置決めに構造干渉をもたらすことを防止できる。本実施例では、支持部材5は2つの位置決め部56を含み、位置決め部56の形状は円柱状であり、他の実施例では、位置決め部56の形状は方形又はD字状又は円環状又は他の異形構造であってもよい。
【0021】
図9に示すように、ステータ手段4は、ステータコア41と絶縁ホルダ43とを含み、本実施例では、ステータコア41を射出インサートとし、ステータコア41と絶縁ホルダ43は一体に射出成形され、絶縁ホルダ43は位置決め孔44を含み、位置決め孔44の数量は支持部材の位置決め部56の数量に対応して同様であり、図1を参照し、支持部材5とステータ手段4が組立される際に、ステータ手段4の位置決め孔44は支持部材5の位置決め部56に対応して設けられ、一実施例では、支持部材5の位置決め部56は、ステータ手段の位置決め孔44に挿入されることにより、支持部材5とステータ手段4が組立される際の位置決めに有利であり、支持部材5の誤装着を防止する。図3を参照し、支持部材5は第2補強リブ57を含み、第2補強リブ57は、位置決め部56と第1補強リブ54とを接続し、これにより位置決め部56の構造強度の向上に有利である。本実施例では、第2補強リブ57は、第1補強リブ54の上面541から第1補強リブ54から離れる方向に凸設され、第2補強リブ57の形状が三角形であり、第2補強リブ57が第1補強リブ54の上面541と位置決め部56の円柱面を接続し、他の実施例では、第2補強リブ57が四角形等の他の形状であってもよい。図4図6に示すように、支持部材5は、本体部50の第2面502から第2面502から離れる方向に凸設された第3凸部58を少なくとも2つ含み、第3凸部58が支持部材5の周方向に間隔をおいて分布し、本実施例では、支持部材5は5つの第3凸部58を含み、図1を参照し、第3凸部58は図1における電気制御基板6に支持を提供可能である。図6に示すように、第2面502に近い接続端子10の一端と第2面502との間の垂直距離を第2距離H2と定義し、第3凸部58の突起高さは第2距離H2よりも小さく、図1に参照し、これにより接続端子10の一端が先に図1における電気制御基板6を通し、そして、第3凸部58により図1における電気制御基板6を支持することで、第3凸部58が支持部材5と図1における電気制御基板6との組立時に構造干渉をもたらすことを効果的に防止し、更に接続端子10が図1における電気制御基板6と確実に接続されることができる。図4に示すように、本実施形態では、第3凸部58は1つの肉抜き部581を含み、肉抜き部581は、第3凸部58の上端面5811から第2面502に向かって肉抜きになるように設けられ、これにより支持部材の重量を減少するために有利である一方、第3凸部部58の肉厚と支持部材5の他の部分の肉厚との差が大きく異ならないように保証するために有利であり、支持部材5の射出過程におけるヒケの発生又は変形を低減するために有利であり、本実施例では、第3凸部58の形状がいずれもU字状であり、他の実施例では、第3凸部58の形状が円筒状又は方形又はD字状又は円環状又は上記のいくつかの形状の組み合わせ等であってもよい。
【0022】
図4及び図6に示すように、支持部材5は、本体部50の第2面502から第2面502から離れる方向に凸設された第4凸部59を含み、第4凸部59は第3凸部58よりも支持部材5の中心に設けられ、第4凸部59の突起高さが第2距離H2よりも小さく、これにより第4凸部59は支持部材5と電気制御基板6との組立時に構造干渉をもたらすことを防止するために有利であり、接続端子10が図1における電気制御基板6と確実に接続することができる。本実施例では、第4凸部59が支持部材5の中心に成形され、製造加工の誤差の原因で第4凸部59が支持部材5の中心に完全に成形されることを保証することが困難であることは勿論であり、本実施例では、加工誤差の範囲内に形成された第4凸部59はいずれも本願の保護範囲内にある。図1を参照し、本実施例では、第4凸部59は図1における電気制御基板6の中心側に支持を提供可能であり、これにより電気制御基板6の装着過程において中心が凹む等の変形状況を防止するために有利である。
【0023】
図6に示すように、支持部材5は、支持部材51の外周側壁に沿って周方向に設けられた溝510を含み、図1を参照し、電動オイルポンプ100は、少なくとも部分的に溝510内に設けられたシールリング70を含む。図1を参照し、これにより第2チャンバ90内の作動媒体が支持部材5の外周側壁と第1ハウジング7の内周側壁との間の隙間により電気制御基板6が位置する一側に浸入することを防止できる。
【0024】
図10に示すように、図10は電動オイルポンプの第2実施形態の構造模式図であり、図11図14図10における支持部材の構造模式図であり、以下に電動オイルポンプの第2実施形態に係る支持部材の構造を詳細に説明する。
【0025】
図11図14に示すように、支持部材5aは、本体部50aと第1端部51aとを含み、第1端部51aは本体部50aと一体成形され、第1端部51aは本体部50aの第1面501aから第1面501aから離れる方向に凸設され、第1端部51aの内周側壁と本体部50aの第1面501aには第1中空室513aが形成され、第1中空室513aは、図10における第2チャンバ90の一部である。本実施例では、第1凸部53aは第1端部51aと一体成形され、第1凸部53aは支持部材5aの周方向に沿って間隔をおいて分布し、第1凸部53aは、支持部材5aの軸方向に、本体部50aの第1面501aから第1面501aから離れる方向に凸設され、支持部材5aの径方向に、第1端部51aの内周側壁512aから支持部材5aの中心軸に向かって凸設されている。本実施形態では、第1端部51aが頂面511aを更に含み、第1凸部53aの上面が頂面511aと面一であるため、加工に有利である。図11に示すように、少なくとも一部の第1補強リブ54aは第1端部51aの内周側壁512aと第2補強リブ55aに接続され、これにより第1端部51aの構造強度の向上に有利である。
【0026】
本実施形態では、電動オイルポンプ及び支持部材の第1実施形態と比較すると、支持部材5aは、本体部50aと一体成形された第1端部51aを含み、図1を参照し、本実施例では、第1端部51aを設けることにより、支持部材5aを取り付ける際に第1端部51aの頂面511aをステータ手段4に接触させることで支持部材5の軸方向の位置規制を実現することができる。本実施形態における電動オイルポンプ及び支持部材の他の特徴について、電動オイルポンプ及び支持部材の第1実施形態を参照することができ、ここで説明を省略する。
【0027】
図15に示すように、図15は電動オイルポンプの第3実施形態の構造模式図であり、図16図19図15における支持部材の構造模式図であり、以下に電動オイルポンプの第3実施形態に係る支持部材の構造を詳細に説明する。
【0028】
図16図19に示すように、支持部材5bは本体部50bと第2端部52bとを含み、本実施例では、第2端部52bは、本体部50bと一体成形され、本体部50bの第2面502bから第2面502bから離れる方向に凸設され、第2端部52bの内周側壁521bおよび本体部50bの第2面502bには第2中空室522bが形成され、図15を参照し、電気制御基板6が少なくとも部分的に第2中空室522bに位置し、これにより電動オイルポンプ全体の高さを減少するために有利である。図17に示すように、支持部材5bの軸方向において、第3凸部58bは、第2端部52bの内周側壁521bに沿って本体部の第2面502bから凸設されている。
【0029】
図15を参照し、電動オイルポンプ100bは、第1ハウジング7bと第2ハウジング8bとを含み、第2端部52bは第1ハウジング7bと第2ハウジング8bとの間に位置し、支持部材5bはそれぞれ第1ハウジング7bと第2ハウジング8bに着脱可能に接続され、他の実施例では、支持部材5bは第2端部52bにより第1ハウジング7b、第2ハウジング8bに着脱可能に接続されている。第2端部52bは接続部522bを含み、接続部522bに貫通孔である接続孔5221bが成形され、図15を参照し、第2端部52bはそれぞれ第1ハウジング7bと第2ハウジング8bにねじ又はボルトで着脱可能に接続され、ねじ又はボルトが第2ハウジング8bの接続孔から第2端部52bの接続孔および第1ハウジング7bの接続孔に順次挿入される。
【0030】
本実施例では、電動オイルポンプ及び支持部材の第1実施形態と比較すると、支持部材5bは本体部50bと一体成形された第2端部52bを更に含み、支持部材5bは第2端部52bにより第1ハウジング7b、第2ハウジング8bに着脱可能に接続され、本実施形態における支持部材は、電動オイルポンプ及び支持部材の第1実施形態と比較すると、第1ハウジングと第2ハウジングにねじ又はボルトで着脱可能に接続され、このような接続形態がより簡便であり、取り付けに更に有利である。本実施形態における電動オイルポンプ及び支持部材の他の特徴について、電動オイルポンプ及び支持部材の第1実施形態を参照することができ、ここで説明を省略する。
【0031】
図20に示すように、図20は電動オイルポンプの第4実施形態の構造模式図であり、図21図24図20における支持部材の構造模式図であり、以下に電動オイルポンプの第4実施形態に係る支持部材の構造を詳細に説明する。
【0032】
図21図24に示すように、支持部材5cは、本体部50cと、第1端部51cと、第2端部52cとを含み、本体部50c、第1端部51c及び第2端部52cは一体成形され、第1端部51c及び第2端部52cの構造について支持部材の第2実施形態及び第3実施形態を参照することができ、ここで説明を省略する。図20を参照し、電動オイルポンプ100cは、第1ハウジング7cと第2ハウジング8cを含み、第2端部52cが第1ハウジング7cと第2ハウジング8cとの間に位置し、支持部材5cは、第1ハウジング7cと第2ハウジング8cに着脱可能に接続され、他の実施例では、支持部材5cは、第2端部52cを介して第1ハウジング7cと第2ハウジング8cに着脱可能に接続される。
【0033】
本実施例では、電動オイルポンプ及び支持部材の第1実施形態と比較すると、支持部材5cは、第1端部51cと第2端部52cとを更に含み、本体部50c、第1端部51c及び第2端部52cは一体成形され、支持部材5cは、第2端部52cにより第1ハウジング7cと第2ハウジング8bに着脱可能に接続され、本実施例では、電動オイルポンプ及び支持部材の第1実施形態と比較すると、第1端部51cを設けることで支持部材の構造強度を向上させるために有利である一方、本実施形態における支持部材51cは、第1ハウジング7cと第2ハウジング8cにねじ又はボルトで着脱可能に接続され、このような接続形態がより簡便であり、取り付けがより容易である。本実施形態における電動オイルポンプ及び支持部材の他の特徴について、電動オイルポンプ及び支持部材の前記の三種類の実施形態を参照することができ、ここで説明を省略する。
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