(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-25
(45)【発行日】2022-08-02
(54)【発明の名称】高解像度自動車用レンズとセンサ
(51)【国際特許分類】
H04N 9/07 20060101AFI20220726BHJP
G02B 5/20 20060101ALI20220726BHJP
G02B 3/00 20060101ALI20220726BHJP
G02B 13/18 20060101ALI20220726BHJP
H04N 5/225 20060101ALI20220726BHJP
G03B 15/00 20210101ALI20220726BHJP
G03B 11/00 20210101ALI20220726BHJP
【FI】
H04N9/07 D
G02B5/20 101
G02B3/00
G02B13/18
H04N5/225 300
H04N5/225 400
H04N5/225 700
H04N9/07 Z
G03B15/00 V
G03B11/00
(21)【出願番号】P 2020567616
(86)(22)【出願日】2019-06-07
(86)【国際出願番号】 IB2019000735
(87)【国際公開番号】W WO2019234504
(87)【国際公開日】2019-12-12
【審査請求日】2021-12-28
(32)【優先日】2018-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514281407
【氏名又は名称】モービルアイ ヴィジョン テクノロジーズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】アイタン,オリ
(72)【発明者】
【氏名】ベルマン,エフィム
【審査官】西谷 憲人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0125838(US,A1)
【文献】特開平08-237436(JP,A)
【文献】特開2007-295113(JP,A)
【文献】特開2013-048245(JP,A)
【文献】特開2016-084381(JP,A)
【文献】特開2017-123502(JP,A)
【文献】特開2009-080084(JP,A)
【文献】特開2015-167399(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 9/07
G02B 5/20
G02B 3/00
G02B 13/18
H04N 5/225
G03B 15/00
G03B 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
緑色から赤色のスペクトル範囲
に調整された変調伝達関数(MTF)を有するカメラモジュールであって:
青色から紫色のスペクトル範囲に対して緑色から赤色のスペクトル範囲を優先して構成されたレンズ系と;
マトリクス
に配置された複数の画素センサを含むイメージャと;
前記レンズ系と前記イメージャとの間に配置されたカラーフィルタマトリクスであって、前記カラーフィルタマトリクスは
複数のフィルタ要素を有し、
前記複数のフィルタ要素のそれぞれは前記イメージャの前記複数の画素センサ
のそれぞれに位置的に対応
し、前記
複数のフィルタ要素は、赤色フィルタ要素よりも多くの黄色フィルタ要素を含む、カラーフィルタマトリクスと;
を備え、
前記イメージャは、前記レンズ系に対して、前記カメラモジュールの
周波数応答が
前記青色から紫色のスペクトル範囲に対して前記緑色から赤色のスペクトル部分に
ついて
増加するように、構成されている、
カメラモジュール。
【請求項2】
前記
カラーフィルタマトリクスは、前記イメージャの前記画素センサにわたって水平方向及び垂直方向に反復する複数の2×2のサブマトリクスを含み、
各サブマトリクスは、2つの黄色フィルタ要素、1つの赤色フィルタ要素、及び1つのシアンフィルタ要素を含む、
請求項1記載のカメラモジュール。
【請求項3】
前記
カラーフィルタマトリクスは、前記イメージャの前記画素センサにわたって水平方向及び垂直方向に反復する複数の2×2のサブマトリクスを含み、
各サブマトリクスは、3つの黄色フィルタ要素及び1つの赤色フィルタ要素を含む
請求項1記載のカメラモジュール。
【請求項4】
前記
カラーフィルタマトリクスは、前記イメージャの前記画素センサにわたって水平方向及び垂直方向に反復する複数の2×2のサブマトリクスを含み、
各サブマトリクスは、2つの黄色フィルタ要素、1つの赤色フィルタ要素、及び1つの緑色フィルタ要素を含む、
請求項1記載のカメラモジュール。
【請求項5】
前記フィルタマトリクスは、前記イメージャの前記画素センサにわたって水平方向及び垂直方向に反復する複数の2×2のサブマトリクスを含み、
各サブマトリクスは、2つの黄色フィルタ要素、1つの赤色フィルタ要素、及び1つの透明フィルタ要素を含む、
請求項1記載のカメラモジュール。
【請求項6】
前記フィルタマトリクスは、前記イメージャの前記画素センサにわたって水平方向及び垂直方向に反復する複数の2×2のサブマトリクスを含み、
各サブマトリクスは、2つの黄色フィルタ要素、1つの赤色フィルタ要素、及び1つの青色フィルタ要素を含む、
請求項1記載のカメラモジュール。
【請求項7】
前記レンズ系は、赤色及び青色のスペクトル範囲の光よりも高い黄色のスペクトル範囲の光に重みを付けるように設計されている、
請求項1記載のカメラモジュール。
【請求項8】
前記レンズ系は、光学セメントによって接合された2つの光学サブ要素を備える組立光学要素を含む複数の光学要素を含む、
請求項1記載のカメラモジュール。
【請求項9】
前記複数の光学要素のうちの少なくとも1つの光学要素は、非球面レンズを含む、
請求項8記載のカメラモジュール。
【請求項10】
前記レンズ系は、前記レンズ系と前記カラーフィルタマトリクスとの間に配置されたカットフィルタを含み、
前記カットフィルタは、前記レンズ系によって前記カラーフィルタマトリクス及び前記イメージャ上に投影される紫外スペクトル範囲の光を減衰させるように構成されている、
請求項1記載のカメラモジュール。
【請求項11】
前記カットフィルタはさらに、青色から紫色のスペクトル範囲の光を減衰させるように構成されている、
請求項10記載のカメラモジュール。
【請求項12】
前記カットフィルタは、赤外(IR)スペクトル範囲の光を減衰させるようにさらに構成されている
請求項10記載のカメラモジュール。
【請求項13】
緑色から赤色のスペクトル範囲
に調整された変調伝達関数(MTF)を有するカメラモジュールであって:
青色から紫色のスペクトル範囲に対して緑色から赤色のスペクトル範囲を優先して構成されたレンズ系と;
マトリクス
に配置された複数の画素センサを含むイメージャと;
前記レンズ系と前記イメージャとの間に配置されたカラーフィルタマトリクスであって、前記カラーフィルタマトリクスは
複数のフィルタ要素を有し、
前記複数のフィルタ要素のそれぞれは前記イメージャの前記複数の画素センサ
のそれぞれに位置的に対応
し、前記
複数のフィルタ要素は、赤色フィルタ要素よりも多くの透明フィルタ要素を含む、カラーフィルタマトリクスと;
前記レンズ系と前記カラーフィルタマトリクスとの間に配置されたカットフィルタであって、前記レンズ系によって前記カラーフィルタマトリクス及び前記イメージャ上に投影される青色から紫外スペクトル範囲の光を減衰させるように構成されている、カットフィルタと;
を備え、
前記イメージャは、前記レンズ系に対して、前記カメラモジュールの
周波数応答が
前記青色から紫色のスペクトル範囲に対して前記緑色から赤色のスペクトル部分に
ついて
増加するように、構成されている、
カメラモジュール。
【請求項14】
前記カットフィルタはさらに、赤外(IR)スペクトル範囲の光を減衰させるように構成されている、
請求項13記載のカメラモジュール。
【請求項15】
前記
カラーフィルタマトリクスは、前記イメージャの前記画素センサにわたって水平方向及び垂直方向に反復する複数の2×2のサブマトリクスを含み、
各サブマトリクスは、3つの透明フィルタ要素及び1つの赤色フィルタ要素を含む
請求項13記載のカメラモジュール。
【請求項16】
前記
カラーフィルタマトリクスは、前記イメージャの前記画素センサにわたって水平方向及び垂直方向に反復する複数の2×2のサブマトリクスを含み、
各サブマトリクスは、2つの透明フィルタ要素、1つの赤色フィルタ要素、及び1つの緑色フィルタ要素を含む、
請求項13記載のカメラモジュール。
【請求項17】
前記レンズ系は、赤色及び青色のスペクトル範囲の光よりも高
く黄色のスペクトル範囲の光に重みを付けるように設計されている、
請求項13記載のカメラモジュール。
【請求項18】
前記レンズ系は、光学セメントによって接合された2つの光学サブ要素を備える組立光学要素を含む複数の光学要素を含む、
請求項13記載のカメラモジュール。
【請求項19】
前記複数の光学要素のうちの少なくとも1つの光学要素は、非球面レンズを含む、
請求項18記載のカメラモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本特許出願は、2018年6月7日に出願され、「COST EFFECTIVE LENS AND SENSOR DESIGN FOR HIGH RESOLUTION AUTOMOTIVE APPLICATIONS(高解像度自動車用途のための費用効果的レンズ及びセンサ設計)」と題される米国仮出願第62/682,082号の米国特許法第119条(e)に基づく優先権の利益を主張し、その全内容が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
技術分野
本明細書に記載される実施形態は、概して、イメージキャプチャシステムに関し、より詳細には、自動車用途を有するレンズ、カラーフィルタ、及びイメージャセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
自律的又は半自律的な自動車技術は、しばしば自動車の「自動運転」又は「アシスト運転」と称され、商用及び消費者グレードの自動車において急速に開発及び展開されている。これらのシステムは、車両の動きや周囲を連続的に観測するために、一連のセンサを使用している。これらのセンサは、道路表面及び境界、車線マーキング、他の車両、歩行者、物体及び危険物、標識、並びに他の関連するアイテム等の車両の周囲を観察するために使用され得る。
【発明の概要】
【0004】
1つ以上のカメラを含むイメージキャプチャセンサは、物体の検出及び認識、他の車両のモニタリング、並びに標識及び車線マーキングの読み取りに特に有用である。カメラベースのシステムは、道路の垂直輪郭のような三次元構造を測定し、車線マーカとカーブを識別し、物体や危険物を検出するために適用されてきた。実用的なセンサシステムは、広い視野にわたって、様々な天候及び道路条件において高解像度イメージを信頼性よく提供することが期待される。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図面は必ずしも縮尺どおり描かれている必要はなく、類似の符号は類似のコンポーネントを異なる視点で説明し得る。異なる後付き記号を有する類似の符号は、類似のコンポーネントの異なる例を表わし得る。図面は、限定ではなく例として、本明細書で述べられている様々な実施形態を全般的に示している。
【
図1】一実施形態による自動車カメラを含む車両を側面図で示す図である。
【
図2】一実施形態による自動車カメラのコンポーネントを断面側面図で示す図である。
【
図3A】一実施形態によるカラーフィルタマトリクスを上面図で示す図である。
【
図3B】一実施形態によるイメージャの特性を示す、波長に対する量子効率(QE)のグラフを示す図である。
【
図4A】一実施形態によるレンズ系の視野角に対する変調伝達関数(MTF)のグラフを示す図である。
【
図4B】一実施形態によるレンズ系の視野角に対する変調伝達関数(MTF)のグラフを示す図である。
【
図4C】一実施形態によるレンズ系の視野角に対する変調伝達関数(MTF)のグラフを示す図である。
【
図5A】例示的一実施形態によるレンズ系のMTF対フォーカスシフト距離のグラフを示す図である。
【
図5B】例示的一実施形態によるレンズ系のMTF対フォーカスシフト距離のグラフを示す図である。
【
図5C】例示的一実施形態によるレンズ系のMTF対フォーカスシフト距離のグラフを示す図である。
【
図6A】例示的一実施形態によるレンズ系のMTF対フォーカスシフト距離のグラフを示す図である。
【
図6B】例示的一実施形態によるレンズ系のMTF対フォーカスシフト距離のグラフを示す図である。
【
図6C】例示的一実施形態によるレンズ系のMTF対フォーカスシフト距離のグラフを示す図である。
【
図7A】例示的一実施形態によるレンズ系のMTF対フォーカスシフト距離のグラフを示す図である。
【
図7B】例示的一実施形態によるレンズ系のMTF対フォーカスシフト距離のグラフを示す図である。
【
図7C】例示的一実施形態によるレンズ系のMTF対フォーカスシフト距離のグラフを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下の詳細な説明は、添付の図面を参照する。同一又は類似の要素を識別するために、異なる図面において同一の参照符号を使用することができる。以下の記載において、様々な実施形態の様々な態様の完全な理解を提供するために、特定の構造、アーキテクチャ、インターフェース、技術などの特定の詳細が限定ではなく説明の目的で示されている。しかしながら、本開示の利点を有する当業者には、種々の実施形態の種々の態様が、これらの特定の詳細から逸脱する他の実施例において実施され得ることが明らかであろう。特定の例において、周知のデバイス、回路、及び方法の説明は、不必要な詳細で様々な実施形態の説明を不明瞭にしないように省略される。
【0007】
以下に記載される実施形態は、青色スペクトル範囲の光を考慮することなく、赤色から緑色のスペクトル範囲の光に調整されたカメラレンズ及びカラーフィルタマトリクスを実装する。赤色から緑色のスペクトル範囲は、自動車用途において多くのセンシング機能を実行するために使用され、これには、赤色、黄色、及び緑色の交通信号をセンシングするため、他の車両のブレーキライトの作動をセンシングするため、道路標識及び車線マーキングを読み取って識別するため、並びに障害物を識別するためが含まれるが、これらに限定されない。これらのタスクのいずれも、青色スペクトル範囲の光に依存しない。さらに、青色スペクトル範囲を無視するレンズ系は、赤色、黄色、及び緑色スペクトル範囲において、より焦点が合ったイメージを生成し、カメラによってキャプチャされるイメージの解像度を改善する。
【0008】
相補型金属酸化物半導体(CMOS)イメージャなどの能動画素センサ(APS)イメージャは、400nmから700nmの可視スペクトルを含む広範囲の波長に対して感度が高い。APSイメージャでキャプチャしたイメージは、可視スペクトルの全波長、赤外(IR)及び紫外(UV)スペクトルの波長を表す。カラーイメージをキャプチャするために、APSイメージャは、IRスペクトル及びUVスペクトルにおける波長を減衰させるための1つ以上のカットフィルタと、特定のパターンでイメージャの個々の画素センサの前に配置されたカラーフィルタマトリクスと、を使用することができる。パターンは、APSイメージャの異なる画素センサに可視スペクトルの異なる部分の光を通過させるための複数のカラー画素フィルタ要素を含む。本明細書に記載される実施形態は、APSイメージャを使用するが、他の実施形態は、他のタイプのイメージャ、例えば、電荷結合素子(CCD)イメージャを使用することができる
【0009】
カラーフィルタ要素は、APSイメージャの全ての画素センサ位置にわたって垂直方向及び水平方向に繰り返されるパターンで配列された赤(R)、緑(G)、及び青(B)の画素フィルタ要素を含み得る。画素センサによってキャプチャされる信号は、低光環境においても良好な解像度と適切なカラー表現を有するイメージを生成するために結合される。バイエルフィルタは、例えば、パターンの1つの行が交互のR及びGフィルタを含み、パターンの次の行が交互のG及びBフィルタを含むように、RGGB2×2マトリクスパターンに配置された赤色及び青色のフィルタの2倍の数の緑色の画素フィルタを使用する。代替的なフィルタパターンは、シアン(Cy)、イエロー(Y)、及びマゼンタ(M)などの相補的なカラーフィルタ要素を使用する。R、G、B画素フィルタはそれぞれ、それぞれの画素センサに到達する光の量を約2/3だけ減らし、Cy、Y、M画素フィルタは、画素センサに到達する光の量を約1/3だけ減らす。
【0010】
モノクロセンサは、カラーフィルタを持たず、したがって、全ての入射光が画素センサに到達することを可能にし、カラーフィルタマトリクスを有するイメージャよりもかなり良好な低光性能を有する。良好な低光性能を達成し、しかも幾つかの色情報を保持するフィルタマトリクスは、赤色及び透明のカラーフィルタ要素のみを使用する。例えば、RCCC(赤色、透明、透明、透明)フィルタマトリクスが自動車用途に開発されている。このフィルタは、G又はBフィルタ要素を持たず、2行ごとに1つおきの画素センサのみ(only every second pixel sensor in every second row)をカバーするRフィルタ要素を持つ。Rフィルタ要素は、このフィルタを使用するカメラシステムが、赤信号を検出し、他の車両の光を遮断することを可能にする。しかしながら、Gフィルタの欠如は、RCCCフィルタマトリクスを含む光学系が、黄色の交通信号及び/又は黄色及び緑色の交通信号などの他の色をセンシングすることを困難にする。
【0011】
イメージャに加えて、自動車カメラは、シーンからの光をイメージャに集光するレンズ系を含む。このようなレンズ系は、広い視野にわたって高解像度のイメージを提供することが望ましい。レンズ系によって投影されるイメージの解像度は、レンズ系の空間周波数応答の関数である。光学系の空間周波数応答は、系の変調伝達関数(MTF)に関して特定され得る。MTFは光伝達関数(OTF)の係数であり、光学系が検出器アレイ上に投影されるシーンからの光の振幅及び位相にどのように影響するかを特定する。OTFは点拡散関数(PSF)のフーリエ変換である。PSFは、光学系のインパルス応答である(例えば、理想的な点光源から生成されるイメージ)。OTFはフーリエ変換であるため、実数平面と虚数平面の両方に値を持つ複素関数である。MTFは複素OTFの係数(the modulus)(例えば絶対値)である。MTFは伝達関数の位相部分を無視し、関連するスペクトルにわたって投影される光の振幅がどのように変化するかの尺度を提供する。OTFとMTFの両方は、光学系を通過する周期的な正弦波パターンに対する光学系の応答を特定する。この応答は、正弦波パターンの空間周波数又は周期と方向の両方の関数である。
【0012】
本明細書に記載されるOTF及びMTF測定は、特定の解像度を特定し得る。分解能は、ミリメートルあたりのサイクル数(CYC/mm)又はミリメートルあたりのラインペア数(lp/mm)として特定し得る。10μmのフィーチャを解像できるレンズ系は、100lp/mmの解像度を有する。したがって、100lp/mmで80%のMTFを有するレンズ系は、オリジナルのイメージと比較してわずかにぼやけた、1ミリメートル当たり200ラインを有するイメージを投影し得る。
【0013】
図1は、処理回路108を含むカメラ102を有する例示的な車両104のブロック図である。カメラ102は、車両104に取り付けられ、車両104の環境を監視する。一実施形態では、処理回路108は、カメラ102に一体化される。
図1は、一例として、フロントガラスの背後に取り付けられた前方視カメラとしてのカメラを示す。しかしながら、本明細書に記載されるカメラコンポーネントは、車両104の内側又は外側に取り付けられた後方向き又は側方向きカメラに使用され得る。
【0014】
例示的なシステムでは、処理回路108は、カメラ102から得られたイメージを介して車両環境モデリングを実行する。
図1に示す例では、車両環境モデリングは、路面106、障害物(obstacles)、遮蔽物(obstructions)、及び移動体(例えば、他の車両、歩行者、動物など)をモデリングすることを含み得る。しかしながら、カメラ102又は他のカメラ(図示せず)を、交通信号、道路標識、及び環境条件をモデル化するために使用することもできると考えられる。これらのモデルは、センシングされる環境条件に基づいて車両104の動作パラメータを調整するために、処理回路108によって直接的に、又は別の管理システム(図示せず)を介して使用され得る。例えば、処理回路は、カメラ102を使用して、路面106上の車線マーカを監視し、車両104が車線マーカを横断していることを検出したときにドライバに警告することができる。例えば、路面106のモデリングを実行するために、処理システム108は、路面106を表すイメージの時間順序シークエンスを得るように構成される。
【0015】
図2は、
図1に示すカメラ102として使用することができる例示的なカメラのコンポーネントの模式図である。例示的なカメラ102は、イメージャシステム220に結合されたレンズ系200を含む。レンズ系200は、前面カバーガラス204と後面カバーガラス218とを有するレンズ鏡筒202内に収容されている。例示的レンズ系200は、第1両凸レンズ206、第2両凸レンズ208、正メニスカスレンズ210及び両凸レンズ212を含む組合せレンズ(composed lens)、並びに第2正メニスカスレンズ214を含む。レンズ系200はまた、レンズ系200からイメージャシステム220上に投影されるIR及びUVスペクトル範囲の光を減衰させるカットフィルタ216を含む。レンズ系200は、赤色から緑色のスペクトル範囲の光のために比較的大きなMTFを提供するように構成されているので、カットフィルタ216は、IR及びUVスペクトル範囲の光を減衰させることに加えて、青色スペクトル範囲の光の少なくとも一部を減衰させるように構成され得る。レンズ要素206、208、210、212、及び/又は214のいずれかは、球形又は非球形要素であり得る。構成レンズを形成するレンズ210及び212は、光学セメントによって接合され得るか、又は空気によって分離され得る。このレンズ構成は、1つの可能な構成である。表1、2、及び3を参照して以下に記載される設計規則を満たす他の構成が、レンズ系200に代えて使用され得る。
【0016】
イメージャシステム220は、ハウジング222、カラーフィルタマトリクス224、及び、CMOSセンサであり得るAPSイメージセンサ226を含む。カラーフィルタマトリクス224及びイメージャ226の相対サイズは、イメージャシステム220の説明を助けるために誇張されている。
イメージャ226は、シーンからのイメージがカラーフィルタマトリクス224を介してイメージャ226の上面上に焦点合わせされるように、ハウジング222内のレンズ系200に対する位置に配置される。イメージャ226によってキャプチャされる画素データは処理回路108に供給され、処理回路108は、イメージャ226の動作を制御することもできる。
【0017】
イメージャシステム220のカラーフィルタマトリクス224は、例示的実施形態によるRYYCyフィルタマトリクスである。カラーフィルタマトリクス224の例示的なレイアウトが
図3Aに示されている。RGGBフィルタマトリクス又はCyYMフィルタマトリクスなどの従来のカラーフィルタは、赤色から青色のスペクトルにわたるイメージを生成する。しかしながら、これらのフィルタは、上述のように、画素センサに到達する光の量を1/3又は2/3だけ減少させる。この光量の減少は、イメージャの量子効率(QE)の低下をもたらす。イメージャのQEは、イメージャに衝突する光子からイメージャによって生成される電子の比率であり、したがって、QEは、光子を電子に変換する際のイメージャの効率の尺度である。RYYCyフィルタマトリクスは、1つの例示的なマトリクスである。使用され得る他のフィルタマトリクスには、RYYB、RYYY、RYG、及びRYYCが含まれる。カットフィルタ216が青色スペクトル範囲の光、並びにIR及びUVスペクトル範囲の光を減衰させるように調整されている場合には、他の例示的なフィルタマトリクスを使用してもよい。この場合、RCCC又はRCCBフィルタマトリクスは、レンズ系200のMTFがスペクトルの赤色から緑色の範囲に対して構成されている、上述したレンズ系200のようなレンズ系と共に使用される場合に、許容可能なイメージを生成することができる。
【0018】
本明細書に記載されているように、自動車用途の場合、青色のスペクトル範囲からのイメージデータは、赤色から緑色のスペクトル範囲からのイメージデータよりも重要ではない。レンズの開口を増加させることなくイメージャの量子効率を増加させる1つの方法は、青色スペクトル範囲よりも赤色から緑色のスペクトル範囲において、よりシャープなイメージを生成し、レンズにマッチしたカラーフィルタを提供するように構成されたレンズを設計することである。
【0019】
光を混合するとき、黄色光は赤色光と緑色光の組合せである。例示的な実施形態では、イメージャカラーフィルタマトリクス224は、レンズ系200にマッチするように設計され、レンズ系200及びカラーフィルタマトリクス224の両方は、青色から紫色のスペクトル範囲の光以上に(over)赤色から緑色のスペクトル範囲の光を強調するように構成される。上述のように、RCCCフィルタマトリクスは、現在、多くの自動車用途で使用されている。例示的な実施形態によるカラーフィルタマトリクス224は、黄色フィルタ要素の下のイメージャ画素位置が、イメージャからの情報の大部分を提供するように、透明フィルタ要素に代えて黄色フィルタ要素を使用する。処理回路108は、テールライトを検出するために、RCCCフィルタマトリクスのような赤色フィルタ素子を使用する。黄色フィルタ要素と赤色フィルタ要素との間の差は、透明フィルタ要素と赤色フィルタ要素との間の差ほど大きくないため、例示的カラーフィルタマトリクス224は、シアンフィルタ要素も使用する。シアンフィルタ要素はまた、処理システム108が赤色とオレンジ色を区別するのを助ける。例示的なカラーフィルタマトリクス224はRYYCyフィルタマトリクスであり、その例が
図3Aに示されている。図示のように、フィルタは、水平方向及び垂直方向に繰り返されるR、Y、及びCyフィルタ要素のパターンを含む。パターンは、2×2のサブマトリクスに配置された4つのフィルタ要素、Rフィルタ302、第1Yフィルタ304、第2Yフィルタ306、及びCyフィルタ308を含む。2×2のサブマトリクスは、イメージャ226の表面にわたって水平方向及び垂直方向の両方で繰り返される。
【0020】
図3Bは、RYYCyフィルタマトリクス224を使用するセンサの例示的なQEを示す。QEは、カラーフィルタマトリクス224を有しないAPSイメージャのフィルタ及び特性を実施するために使用される色素に依存する。したがって、特定のセンサのQEは、
図3Bに示されたものから著しく変化し得る。曲線322は、シアンスペクトル範囲の光子に対するセンサのQEを表す。曲線324及び326は、黄色から緑色のスペクトル範囲の光子に対するセンサのQEを表し、曲線328は、赤色のスペクトル範囲の光子に対するセンサのQEを表す。
図3Bに示される曲線の各々は、
図3Aに示される2×2のサブマトリクスにおける画素位置に対応する。サブマトリクスの4つの画素位置は、処理回路108によって結合されて、例えば、赤、緑及び青か、又はマゼンタ、黄及びシアンか、の3つのカラー信号を生成する別個の信号を生成する。
図3Bは、約525nm (黄色光に相当)における約70%のピークから800nm(近赤外光に相当)における約50%までのQEの低下を示す。黄色のピークは赤色及びシアンのピークよりも高いことに注意されたい。さらに、
図3Bは、黄色の画素のQEが475nmで半分に低下し、400nm~500nmの青色から紫色のスペクトル範囲が赤色から緑色のスペクトル範囲の光センシングに有意に影響しないことを示す。RYYCyフィルタマトリクスは、CyYMフィルタマトリクスのマゼンタフィルタに代えて赤色フィルタを使用するので、
図3Bに示される赤色、黄色、及びシアン曲線の形状は、CyYMフィルタについての対応する曲線とは異り得る。しかしながら、異なるスペクトル範囲のカットオフ波長は類似している。
【0021】
RYYCyカラーフィルタマトリクス224は、RGGB、CyYM、及びRCCCなどの既存のパターンとは異なる。フィルタマトリクス224は、青色から紫色のスペクトル範囲を考慮せずに設計されたレンズ系200と組み合わされ、
図1に示すカメラ102を実装する。例示的な実施形態によれば、レンズシステム200は、赤色から緑色のスペクトル範囲の光に対して良好なMTF値を実装するが、青色から紫色のスペクトル範囲の光に対しては比較的低減されたMTFを実装するように焦点を合わせることができる。イメージャシステム220は、標準的なCyYMフィルタマトリクスとしてのマゼンタフィルタ要素に代えて赤色フィルタ要素を有するカラーフィルタマトリクス224を使用するので、イメージャレイ226によって提供される赤色フィルタリングされた画素は、黄色フィルタリングされた画素と同様に、良好な焦点を有する。焦点がずれているように見える画素は、シアンフィルタリングされた画素のみである。なぜなら、これらの画素をカバーするカラーフィルタ要素は、顕著な青色成分を含んでおり、レンズ系のMTFは、青色から紫色のスペクトル範囲の光よりも赤色から緑色のスペクトル範囲の光の方が高いMTFを生成するように設計されているからである。モノクロ解像度ターゲットのイメージが、後述するように設計されたレンズ系と、
図3Aに示すRYYCyカラーマトリクスとでキャプチャされる場合、赤色画素データのみを含むサブサンプリングされるイメージは、イメージャが赤色フィルタ要素及びシアンフィルタ要素を有する同数の画素を含むとしても、シアン画素データのみを含むサブサンプリングるイメージよりもかなり鮮明に見える。
【0022】
図2に示されるレンズ系200などの例示的レンズ系は、以下の表1、2及び3に示される設計ルールに従って設計され得る。表1は、レンズ設計に対する波長重みづけを示す。表2は、表1に示される波長重みづけを有するレンズ設計のための多色MTFを示し、表3は、410nm~395nmの範囲にあり得るカットオフ波長未満の波長を有するUV光を減衰させ、690nm~705nmの範囲にあり得るカットオフ波長を超える波長を有するIR光を減衰させるように構成されたカットフィルタ216のパラメータを示す。上述のように、いくつかの実施形態では、カットフィルタ216は、約500nm未満の波長を有する光を減衰させ、青色から紫色のスペクトル範囲の光及びUVスペクトル範囲の光を減衰させるように構成されてもよい。
【表1】
【表2】
【表3】
【0023】
これらの設計規則は、赤色から緑色のスペクトル範囲の光の焦点が60度の視野にわたって強調されるレンズ系を特定する。表1に示される重み付け設計ルールは、赤色波長又は青色波長よりも黄色波長に重みを付ける。したがって、表1~3に示される視野設計ルールは、少なくとも、レンズ系の視野にわたる赤色から緑色のスペクトル範囲の光に対して、比較的高いMTFを規定する。かかるレンズ系は、カメラ102の視野にわたって関心対象のアイテムを識別するために、カメラ102の処理システム108によって使用され得る。
【0024】
図4Aは、
図3Aに示される、黄色フィルタ要素304及び306に関連する510nm~660nmの波長範囲のレンズの60度の視野にわたる設計MTF(例えば、設計OTFの係数)を示す。曲線412は、接線平面内のMTFを表し、曲線414は、サジタル平面内のMTFを表す。接線応答は伝搬方向の光に関係し、サジタル応答は伝搬方向に垂直な方向の光に関係する。曲線412及び414は、120lp/mmの解像度での例示的レンズ系の空間周波数応答を表す。
図4Aに示すように、設計MTFは、FOVの中心において120lp/mmに対して0.8(80%)を超え、60°FOVにわたって0.5を超える。
【0025】
図4Bは、青色範囲(約450nm)の波長に対するMTFを示す。曲線422は、接線応答を示し、曲線424は、サジタル応答を示す。
図4Bに示されるように、MTFは、120lp/mmの分解能で、FOV全体を通じて0.5未満、又は0.4未満である。
【0026】
図4Cは、436nm~656nmの可視スペクトルの標準重みづけを使用したレンズの設計MTFを示す。
図4Cに示すように、接線MTFは、FOVの中心で0.8未満であり、FOV内の他の多くの角度で0.5未満である。
【0027】
図5A、5B、及び5Cは、表1、2、及び3に示される設計規則にしたがって設計される例示的レンズ系200に対する焦点シフトの関数として、510nm~660nmの範囲の光(例えば、赤色から緑色のスペクトル範囲の光)のMTFを示す。
図5A、5B及び5Cに示されるMTF値は、120lp/mmの解像度である。
図5Aは、FOV0度における焦点応答を示し、
図5Bは、FOV30度における焦点応答を示し、
図5Cは、FOV60度における焦点応答を示す。
図5Aは、0度における応答を示すので、接線方向曲線とサジタル方向曲線は一致し、曲線502によって表される。
図5B及び5Cにおいて、曲線512及び522はそれぞれの接線焦点応答(tangential focus responses)を示す、そして、曲線514及び524はそれぞれのサジタル焦点応答(sagittal focus responses)を示す。
図5A、5B及び5Cは、510nm~660nmのスペクトル域の光について約0mmの焦点シフトを示す。
【0028】
図6A、6B、及び6Cは、表1、2、及び3に示される設計規則にしたがって設計されたレンズ系200に対する約450nmの光(例えば青色光)に対する焦点応答(例えば、MTF対焦点シフト)を示す。
図6A、6B及び6Cに示されるMTFもまた、120lp/mmの解像度である。
図6の曲線602は、FOVの0度での青色光の接線焦点応答及びサジタル焦点応答を示している。
図6Bの曲線612及び614はそれぞれ、FOVの30度での青色光に対するレンズ系200の接線焦点応答及びサジタル焦点応答を示し、
図6Cの曲線622及び624は、FOVにおける60度での青色光に対するレンズ系200の接線焦点応答及びサジタル焦点応答を示す。
図6A、6B及び6Cをそれぞれ
図5A、5B及び5Cと比較すると、赤色から緑色のスペクトル範囲の光の焦点に対して、FOVの0度での青色光に対する約0.01mmの焦点におけるシフトを示す。焦点のシフトは、FOVのさらに外側の角度(例えば、30度及び60度)に対してさらに大きいことに留意されたい。
【0029】
図5A~6Cは、表1、2、及び3に示される設計規則にしたがって設計されたレンズ系が、青色から紫色のスペクトル範囲の光に対して良く動作しないことを示す。しかしながら、赤色から緑色のスペクトル範囲の光では、FOVの種々の角度に対するMTFのピークは、同じ焦点シフト領域の周りに集中する。したがって、赤色から緑色のスペクトル範囲の光は、同時にFOV全体にわたって焦点を合わせることができる。
【0030】
図7A~7Cは、プロダクションレンズ系(production lens system)200に対する赤色から緑色スペクトル範囲(例えば、約430nm~約660nm)の光に対する焦点応答を示す。
図5A~6Cのように、
図7A~7Cに示されるMTFは、0度、30度及び60度のFOV角度それぞれにおける、120lq/mmの解像度である。
図7Aにおいて、曲線702は、接線平面及びサジタル平面の両方におけるレンズ系200の焦点応答を表す。
図7B及び7Cにおいて、曲線712及び722は、接線平面におけるレンズシステム200のそれぞれの焦点応答を表し、曲線714及び724は、サジタル平面におけるレンズシステム200のそれぞれの焦点応答を表す。
図7A~7Cに示される例示的MTFは、
図5Aから5Cを参照して上述された設計値よりも低い。プロダクション応答は、製造許容誤差の包含(inclusion)を反映しているからである。しかしながら、0mmの焦点シフトにおいて、レンズ系200のMTFは、依然として、FOVの中心で0.60より大きく、FOVの30度及び60度の両方で0.55より大きいことに留意されたい。図示されていないが、120lp/mmの青色から紫色のスペクトル範囲の光に対するプロダクションレンズ系200のMTFは、FOVの一部の部分の赤色から緑色のスペクトル範囲の光に対するMTFの50%~60%であり得る。例えば、FOVの中心における青色から紫色のスペクトル範囲の光のMTFは0.35未満であり得、30度ではMTFは0.33未満であり得、60度では青色から紫色のスペクトル範囲の光のMTFは0.30未満であり得る。これらの値は、赤色から緑色のスペクトル範囲の光に対して比較的高いMTFを達成することに基づいて、レンズ系200が集束されると仮定している。
【0031】
実施例
実施例1は、青色から紫色のスペクトル範囲よりも緑色から赤色のスペクトル範囲でより良好であるように調整された変調伝達関数(MTF)を有するカメラモジュールであって:
青色から紫色のスペクトル範囲に対して緑色から赤色のスペクトル範囲を優先して構成されたレンズ系と;
マトリクス内に配置された複数の画素センサを含むイメージャと;
レンズ系とイメージャとの間に配置されたカラーフィルタマトリクスであって、
カラーフィルタマトリクスは、イメージャの複数の画素センサに位置的に対応する複数のフィルタ要素を有し、
フィルタ要素は、赤色フィルタ要素よりも多くの黄色フィルタ要素を含む、カラーフィルタマトリクスと;
を備え、
イメージャは、レンズ系に対して、カメラモジュールのMTFが前記緑色から赤色のスペクトル部分に対して強調されるように、構成されている。
【0032】
実施例2において、実施例1の主題は以下を含み、
フィルタマトリクスは、イメージャの画素センサにわたって水平方向及び垂直方向に反復する複数の2×2のサブマトリクスを含み、
各サブマトリクスは、2つの黄色フィルタ要素、1つの赤色フィルタ要素、及び1つのシアンフィルタ要素を含む。
【0033】
実施例3において、実施例1~2の主題は以下を含み、
フィルタマトリクスは、イメージャの画素センサにわたって水平方向及び垂直方向に反復する複数の2×2のサブマトリクスを含み、
各サブマトリクスは、3つの黄色フィルタ要素及び1つの赤色フィルタ要素を含む。
【0034】
実施例4において、実施例1~3の主題は以下を含み、
フィルタマトリクスは、イメージャの画素センサにわたって水平方向及び垂直方向に反復する複数の2×2のサブマトリクスを含み、
各サブマトリクスは、2つの黄色フィルタ要素、1つの赤色フィルタ要素、及び1つの緑色フィルタ要素を含む。
【0035】
実施例5において、実施例1~4の主題は以下を含み、
フィルタマトリクスは、イメージャの画素センサにわたって水平方向及び垂直方向に反復する複数の2×2のサブマトリクスを含み、
各サブマトリクスは、2つの黄色フィルタ要素、1つの赤色フィルタ要素、及び1つの透明フィルタ要素を含む。
【0036】
実施例6において、実施例1~5の主題は以下を含み、
フィルタマトリクスは、イメージャの画素センサにわたって水平方向及び垂直方向に反復する複数の2×2のサブマトリクスを含み、
各サブマトリクスは、2つの黄色フィルタ要素、1つの赤色フィルタ要素、及び1つの青色フィルタ要素を含む。
【0037】
実施例7において、実施例1~6の主題は以下を含み、
レンズ系は、赤色及び青色スペクトル範囲の光よりも強く(higher)黄色スペクトル範囲の光を重みづけするように設計されている。
【0038】
実施例8において、実施例1~7の主題は以下を含み、
レンズ系は、光学セメントによって接合された2つの光学サブ要素を備える組立光学要素(a composed optical element)を含む複数の光学要素を含む。
【0039】
実施例9において、実施例8の主題は以下を含み、
複数の光学要素のうちの少なくとも1つの光学要素は、非球面レンズを含む。
【0040】
実施例10において、実施例1~9の主題は以下を含み、
レンズ系は、レンズ系とカラーフィルタマトリクスとの間に配置されたカットフィルタを含み、
カットフィルタは、レンズ系によってカラーフィルタマトリクス及びイメージャ上に投影される紫外スペクトル範囲の光を減衰させるように構成されている。
【0041】
実施例11において、実施例10の主題は以下を含み、
カットフィルタはさらに、青色から紫色のスペクトル範囲の光を減衰させるように構成されている。
【0042】
施例12において、実施例10~11の主題は以下を含み、
カットフィルタはさらに、赤外(IR)スペクトル範囲の光を減衰させるように構成されている。
【0043】
実施例13は、
青色から紫色のスペクトル範囲よりも緑色から赤色のスペクトル範囲でより良好であるように調整された変調伝達関数(MTF)を有するカメラモジュールであって:
青色から紫色のスペクトル範囲に対して緑色から赤色のスペクトル範囲を優先して構成されたレンズ系と;
マトリクス内に配置された複数の画素センサを含むイメージャと;
レンズ系とイメージャとの間に配置されたカラーフィルタマトリクスであって、カラーフィルタマトリクスは、イメージャの複数の画素センサに位置的に対応する複数のフィルタ要素を有し、フィルタ要素は、赤色フィルタ要素よりも多くの透明フィルタ要素を含む、カラーフィルタマトリクスと;
レンズ系とカラーフィルタマトリクスとの間に配置されたカットフィルタであって、レンズ系によってカラーフィルタマトリクス及びイメージャ上に投影される青色から紫外スペクトル範囲の光を減衰させるように構成されている、カットフィルタと;
を備え、
イメージャは、レンズ系に対して、カメラモジュールのMTFが前記緑色から赤色のスペクトル部分に対して強調されるように、構成されている、
【0044】
実施例14において、実施例13の主題は以下を含み、
カットフィルタはさらに、赤外(IR)スペクトル範囲の光を減衰させるように構成されている。
【0045】
実施例15において、実施例13~14の主題は以下を含み、
フィルタマトリクスは、イメージャの画素センサにわたって水平方向及び垂直方向に反復する複数の2×2のサブマトリクスを含み、
各サブマトリクスは、3つの透明フィルタ要素及び1つの赤色フィルタ要素を含む。
【0046】
実施例16において、実施例13~15の主題は以下を含み、
フィルタマトリクスは、イメージャの画素センサにわたって水平方向及び垂直方向に反復する複数の2×2のサブマトリクスを含み、
各サブマトリクスは、2つの透明フィルタ要素、1つの赤色フィルタ要素及び1つの緑色フィルタ要素を含む。
【0047】
実施例17において、実施例13~16の主題は以下を含み、
レンズ系は、赤色及び青色スペクトル範囲の光よりも強く黄色スペクトル範囲の光を重みづけするように設計されている。
【0048】
実施例18において、実施例13~17の主題は以下を含み、
レンズ系は、光学セメントによって接合された2つの光学サブ要素を備える組立光学要素を含む複数の光学要素を含む。
【0049】
実施例19において、実施例18の主題は以下を含み、複数の光学素子のうちの少なくとも1つの光学要素は、非球面レンズを含む。
【0050】
一つ以上の実装の前述の説明は、例示および説明を提供するが、網羅的であること、または実施形態の範囲を開示された正確な形態に限定することを意図するものではない。変更及び変形は、上記の教示に照らして可能であるか、又は実施形態の様々な実施の実装から取得することができる。
【0051】
要約は、37 C.F.R. に準拠するために提供される。第1.72(b)条は、読者が技術的開示の性質及び要約を確認することを可能にする要約を要求している。この要約は、クレームの範囲又は意味を限定又は解釈するために使用されないという理解の下に提出される。以下の特許請求の範囲は、詳細な説明に組み込まれ、各請求項は、それ自体が別個の実施形態として存在する。