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特許7111853自動二輪車におけるスイングアームの構成
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-25
(45)【発行日】2022-08-02
(54)【発明の名称】自動二輪車におけるスイングアームの構成
(51)【国際特許分類】
   B62K 25/20 20060101AFI20220726BHJP
   B62K 11/00 20060101ALI20220726BHJP
【FI】
B62K25/20
B62K11/00 A
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021010440
(22)【出願日】2021-01-26
(65)【公開番号】P2021123329
(43)【公開日】2021-08-30
【審査請求日】2021-01-26
(31)【優先権主張番号】109103562
(32)【優先日】2020-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】597127029
【氏名又は名称】光陽工業股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100143720
【弁理士】
【氏名又は名称】米田 耕一郎
(72)【発明者】
【氏名】喩 潤湘
(72)【発明者】
【氏名】楊 思待
(72)【発明者】
【氏名】陳 藝文
【審査官】伊藤 秀行
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-160172(JP,A)
【文献】特開2010-203484(JP,A)
【文献】特開2009-236127(JP,A)
【文献】特開2006-168513(JP,A)
【文献】特開2000-038184(JP,A)
【文献】特開2004-284395(JP,A)
【文献】特開2007-176415(JP,A)
【文献】特開2016-026128(JP,A)
【文献】特開昭61-205584(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0107754(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62K 25/20
B62K 11/00
B62M 9/08
B62M 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動力ユニット(5)を備える自動二輪車(2)におけるスイングアーム(6)の構成であって、
前記動力ユニット(5)の後端には、スイングアーム(6)が枢設され、
前記動力ユニット(5)は、シリンダー部(51)と伝動部(52)と、を備え、
前記伝動部(52)は、クランクシャフト(54)と、前記クランクシャフト(54)によって駆動されるベルト式無段変速システム(56)と、を備え、
前記ベルト式無段変速システム(56)は、駆動輪(561)と、従動輪(562)と、前記駆動輪(561)及び前記従動輪(562)に連接されるドライブベルト(563)と、を備え、
前記従動輪(562)の中心には駆動軸(564)が設けられ、
前記駆動軸(564)は減速ギアユニット(55)を駆動させ、
前記減速ギアユニット(55)は動力出力軸(57)を駆動させ、
前記動力出力軸(57)には動力出力輪(571)が設けられ、
前記スイングアーム(6)は、第1枢着部(61)と第2枢着部(62)と、を備えるとともに、前記スイングアーム(6)には後輪軸(63)が設けられ、
前記後輪軸(63)には、後輪(RW)及び後輪駆動輪(7)が枢設され、
前記後輪駆動輪(7)と前記動力出力輪(571)の間には、伝動部品(8)が設けられ、
前記スイングアーム(6)は、前記第1枢着部(61)と前記第2枢着部(62)によって前記伝動部(52)に枢設され、前記第1枢着部(61)と前記第2枢着部(62)とにより前記スイングアーム(6)は前記伝動部に対して相対回転可能に取り付けられているものであり、
前記駆動軸(564)は、前記スイングアーム(6)の前記第1枢着部(61)を突き抜け、
前記スイングアーム(6)は、前記駆動軸(564)の軸線中心(Y)を中心として上下に揺れ動くとともに、
前記動力出力軸(57)は前記軸線中心(Y)と同軸であり、
前記スイングアーム(6)は前記軸線中心(Y)を回転の中心として前記伝動部に対して相対回転可能となっている
ことを特徴とする自動二輪車(2)におけるスイングアーム(6)の構成。
【請求項2】
請求項1に記載の自動二輪車(2)におけるスイングアーム(6)の構成において、
前記動力出力軸(57)と前記駆動軸(564)は同軸であるとともに、前記動力出力軸(57)は、前記スイングアーム(6)の前記第2枢着部(62)を突き抜ける
ことを特徴とする自動二輪車(2)におけるスイングアーム(6)の構成。
【請求項3】
請求項1に記載の自動二輪車(2)におけるスイングアーム(6)の構成において、
前記伝動部(52)における少なくとも右箱体(52a)と左箱体(52b)によって伝動ボックス(53)が形成され、
前記伝動ボックス(53)には第1支持部品(58)が設けられ、
前記スイングアーム(6)の前記第1枢着部(61)は、前記第1支持部品(58)に枢着され、
前記伝動ボックス(53)には第2支持部品(59)が設けられ、
前記スイングアーム(6)の前記第2枢着部(62)は、前記第2支持部品(59)に枢着される
ことを特徴とする自動二輪車(2)におけるスイングアーム(6)の構成。
【請求項4】
請求項3に記載の自動二輪車(2)におけるスイングアーム(6)の構成において、
前記スイングアーム(6)の前記第1枢着部(61)と前記第1支持部品(58)は、前記伝動ボックス(53)の減速ギアユニット室(53b)とベルト式無段変速システム室(53c)の間に位置する
ことを特徴とする自動二輪車(2)におけるスイングアーム(6)の構成。
【請求項5】
請求項3に記載の自動二輪車(2)におけるスイングアーム(6)の構成において、
前記スイングアーム(6)の前記第2枢着部(62)は、前記第2支持部品(59)に枢着されるとともに、第2枢着部(62)は、前記伝動部(52)の動力出力輪(571)と前記伝動ボックス(53)の間に位置する
ことを特徴とする自動二輪車(2)におけるスイングアーム(6)の構成。
【請求項6】
請求項3に記載の自動二輪車(2)におけるスイングアーム(6)の構成において、
前記伝動ボックス(53)の一側には外蓋(52c)が蓋設されることで、ベルト式無段変速システム室(53c)が構成され、
前記ベルト式無段変速システム室(53c)には、前記伝動部(52)のベルト式無段変速システム(56)が設けられ、
前記ベルト式無段変速システム室(53c)と前記第1枢着部(61)の間には、連結蓋(9)が蓋設される
ことを特徴とする自動二輪車(2)におけるスイングアーム(6)の構成。
【請求項7】
請求項6に記載の自動二輪車(2)におけるスイングアーム(6)の構成において、
前記連結蓋(9)は穿孔(91)を備え、前記穿孔(91)には、前記伝動部(52)の前記駆動軸(564)が穿設される
ことを特徴とする自動二輪車(2)におけるスイングアーム(6)の構成。
【請求項8】
請求項7に記載の自動二輪車(2)におけるスイングアーム(6)の構成において、
前記穿孔(91)内周縁には、段差状を呈する収容部(92)が設けられ、前記収容部(92)にはダストカバー(93)が設けられる
ことを特徴とする自動二輪車(2)におけるスイングアーム(6)の構成。
【請求項9】
請求項6に記載の自動二輪車(2)におけるスイングアーム(6)の構成において、
前記連結蓋(9)は前記外蓋(52c)に固定される
ことを特徴とする自動二輪車(2)におけるスイングアーム(6)の構成。
【請求項10】
請求項8に記載の自動二輪車(2)におけるスイングアーム(6)の構成において、
前記ダストカバー(93)は、前記連結蓋(9)と前記スイングアーム(6)の第1枢着部(61)の間に位置する
ことを特徴とする自動二輪車(2)におけるスイングアーム(6)の構成。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動二輪車におけるスイングアームの構成の技術分野に関し、特に、スイングアームを車体の前方に移設させることにより、前輪と後輪の軸間距離を縮小でき、それにより、自動二輪車を小型化させることのできる自動二輪車におけるスイングアームの構成に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、台湾特許第I359766号明細書の「スクーター型自動二輪車の構造」に示す、スイングアームを備える自動二輪車であり、前記明細書において、スクーター型自動二輪車1のエンジンユニット11におけるクランクシャフト12の一側には、前記クランクシャフト12によって駆動されるベルト式無段変速システム13が連結され、前記ベルト式無段変速システム13の被駆動軸131は、前記被駆動軸131によって駆動される減速及び離合システム14に連接され、前記減速及び離合システム14は出力軸15を駆動させることができ、前記出力軸15には駆動輪151が設けられ、前記駆動輪151は、帯状の伝動部品16によって後輪17に設けられる推進輪171を駆動させ、前記後輪17はスイングアーム18の後端に枢設され、前記スイングアーム18の前端は前記出力軸15の外側に枢設される。
【0003】
前記第I359766号明細書の「スクーター型自動二輪車の構造」の伝動構成は、車体の前方から車体の後方に向かって順に、クランクシャフト12、被駆動軸131、出力軸15、スイングアーム18、後輪17であり、これにより、前記スクーター型自動二輪車1の前輪(未図示)と前記後輪17の軸間距離が大きくなる。より明確に説明すると、前記第I359766号明細書の「スクーター型自動二輪車の構造」の伝動構成は、前記スクーター型自動二輪車1の車体前後の長さを長くしてしまい、それにより、前記スクーター型自動二輪車1は大型化されてしまう。
【0004】
従って、自動二輪車の前輪と後輪の軸間距離を短縮させて自動二輪車を小型化することのできる自動二輪車におけるスイングアームの構成をいかに提供するかが、自動二輪車製造業者が解決を望んでいる課題である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】台湾特許第I359766号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、スイングアームが設けられた従来の自動二輪車に生じる、前輪と後輪の軸間距離が大きくなることで、自動二輪車が大型化されるという欠点を解決することのできる自動二輪車におけるスイングアームの構成を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の主な技術手段により、自動二輪車におけるスイングアームの構成を提供する。前記自動二輪車は動力ユニットを備え、前記動力ユニットの後端には、スイングアームが枢設される。前記動力ユニットは、シリンダー部と伝動部を備え、前記伝動部は、クランクシャフトと、前記クランクシャフトによって駆動されるベルト式無段変速システムを備え、前記ベルト式無段変速システムは駆動輪と、従動輪と、前記駆動輪及び前記従動輪に連結されるドライブベルトを備え、前記従動輪の中心には駆動軸が設けられ、前記駆動軸は、減速ギアユニットを動かすことができ、前記減速ギアユニットは動力出力軸を動かすことができ、前記動力出力軸には動力出力輪が設けられる。前記スイングアームは、第1枢着部と第2枢着部を備えるとともに、前記スイングアームには後輪軸が設けられ、前記後輪軸には、後輪及び後輪駆動輪が枢設され、前記後輪駆動輪と前記動力出力輪の間には、伝動部品が設けられる。前記スイングアームは、前記第1枢着部と前記第2枢着部によって前記伝動部に枢設され、前記駆動軸は、前記スイングアームの前記第1枢着部を突き抜け、前記スイングアームは、前記駆動軸の軸線中心を中心として上下に揺れ動き、動力出力軸と前記軸線中心は、同軸である。
【発明の効果】
【0008】
本発明における主な技術手段によって達成される効果は以下の通りである。前記スイングアームを車体の前方に移設させることによって、前記前輪と前記後輪の軸間距離を縮小することができ、それにより、前記自動二輪車を小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】従来のスクーター型自動二輪車におけるスイングアームの俯瞰図である。
図2】本発明の自動二輪車の側面図である。
図3】本発明の自動二輪車における動力ユニットの断面図である。
図4】本発明の自動二輪車における動力ユニットとスイングアームの断面図である。
図5】本発明の自動二輪車における動力ユニットの連結蓋の分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
審査官が本発明の構造及び本発明によって達成される効果をより理解しやすいように、以下に図を組み合わせて説明する。
【0011】
はじめに、参照する図2に示す通り、前記自動二輪車2は、車体フレームユニット3と、前記車体フレームユニット3上に設けられるシート4と、動力ユニット5を備える。
【0012】
図2に示す通り、以下の説明において、車体の左側と右側は、運転手が前記スクーター型自動二輪車2に乗った際の、運転手の左手側を左側とし、運転手の右手側を右側とすることを先に述べておく。前記車体フレームユニット3の前方には、ヘッドパイプ31が枢設され、前記ヘッドパイプ31の上方には、ステアリング機構32が連接して設けられ、前記ヘッドパイプ31における車体の後方にはダウンチューブ33が連接され、前記ダウンチューブ33の下方には、左右一対であるとともに、車体の後方に向かって延在し且つほぼ水平状であるステップボードフレーム34が連接され、前記ダウンチューブ33の末端と左右一対のステップボードフレーム34の間には、ステップボードサイドフレーム341が連接される。前記ステップボードフレーム34には、車体の後方に向かって左右一対のサイドフレーム部35が延設され、前記サイドフレーム部35は、前記ステップボードフレーム34に近い上昇段351及び車体の後段に位置する延伸段352を備え、前記サイドフレーム部35の前記上昇段351と前記延伸段352の間には、左右一対の補助管353が設けられるとともに、前記上昇段351における前記ステップボードフレーム34に近い部分には、車体の後方に向かって左右一対の延設部354が延設される。前記ヘッドパイプ31の下方には、フロントサスペンションによって構成されるフロントフォークユニットAが枢設され、前記フロントフォークユニットAの下端には、前輪FWが枢設される。
【0013】
図2に示す通り、前記車体フレームユニット3におけるほぼ水平状のステップボードフレーム34上には、ほぼ平坦状であるフットレストPが設けられ、前記フットレストPは、平坦状に形成されることで運転手が足を置くことのできるフットレスト部とすることができる。前記左右一対であるとともにほぼ水平状であるステップボードフレーム34の間に形成される内部の空間内には、前記動力ユニット5を燃焼させる燃料を貯蔵するための燃料タンクTが取り付けられ、前記動力ユニット5は、前記車体フレームユニット3に連結されるとともに、前記燃料タンクTにおける車体のさらに後方に位置する。
【0014】
図2に示す通り、前記サイドフレーム部35における延伸段352の上方には、運転手が座るためのシート4が設けられ、前記サイドフレーム部35における延伸段352上及び前記シート4の下方には、置物箱Cが設けられる。前記動力ユニット5は、前記サイドフレーム部35の前記補助管353と前記延設部354に固定され、前記動力ユニット5は、前記車体フレームユニット3に揺れ動かないように固定される。
【0015】
図2図3に示す通り、前記動力ユニット5は、シリンダー部51と伝動部52を備え、前記シリンダー部51は、やや傾斜して車体の前方に向かって延在するとともに、一部が前記サイドフレーム部35の前記上昇段351の外側に延出する、つまり、前記シリンダー部51における車体の前方に向かって延在する部分は、前記サイドフレーム部35の前記上昇段351よりさらに車体の前方に延出する。前記シリンダー部51は、車体の前方から車体の後方に向かって、順に、シリンダーヘッドカバー511、シリンダーヘッド512、及び、シリンダー本体513を備え、前記シリンダー本体513の一端(車体の後方端)は、前記伝動部52に連接され、前記シリンダーヘッド512は、前記シリンダー本体513における前記伝動部52に連接された端部から離れた他端に連接され、前記シリンダーヘッドカバー511は、前記シリンダーヘッド512における前記シリンダー本体513が連接された端部から離れた他端に蓋設される。
【0016】
図2図3に示す通り、前記伝動部52は、前記シリンダー部51のシリンダー本体513に連接されるとともに、前記シリンダーヘッド512端の他端から離れている。前記伝動部52における少なくとも右箱体52aと左箱体52bによって伝動ボックス53が形成され(左側と右側は、運転手が乗った際の右手を右側とし、左手を左側とする。以下同じ。)、前記伝動ボックス53内は、クランクシャフト54を収容するためのクランクシャフト室53aと、減速ギアユニット55を収容するための減速ギアユニット室53bと、外蓋52cで前記右箱体52aの外側を覆うことによって形成されるベルト式無段変速システム室53cを備え、前記ベルト式無段変速システム室53c内には、ベルト式無段変速システム56が設けられる。
【0017】
図2図3に示す通り、前記伝動ボックス53におけるクランクシャフト室53a内の前記クランクシャフト54は、コネクティングロッド541に連結されたピストン542によって、前記シリンダー本体513内に延入する。この構造により、前記シリンダー部51が作動する際の燃焼力によって前記ピストン542が押動されることで、前記クランクシャフト54が動かされて回転する。前記クランクシャフト54の両側は、前記伝動ボックス53に向かって延出した後、一端(左側)は電機部品E(発電機等)に連接され、他端(右側)は前記ベルト式無段変速システム室53c内に延入し、前記ベルト式無段変速システム56に連結され、これにより、前記クランクシャフト54は、前記ベルト式無段変速システム56を作動させることができる。
【0018】
図2図3図4に示す通り、前記ベルト式無段変速システム56は、前記クランクシャフト54によって駆動される駆動輪561と、前記駆動輪561によって駆動される従動輪562と、前記駆動輪561と前記従動輪562の間に連接されるドライブベルト563を備える。前記駆動輪561が前記クランクシャフト54によって駆動されると、前記ドライブベルト563によって前記従動輪562が駆動されて無段変速回転し、前記従動輪562の中心には、駆動軸564が設けられ、前記駆動軸564は、前記ベルト式無段変速システム室53cから前記減速ギアユニット室53b内に延入し、それにより、前記駆動軸564は、前記減速ギアユニット室53b内に位置する減速ギアユニット55を作動させることができ、前記減速ギアユニット55は、動力出力軸57を作動させることができ、前記動力出力軸57と前記駆動軸564は同軸であり、前記動力出力軸57は、前記減速ギアユニット室53bから前記伝動ボックス53の外に延出され、より明確に言うと、前記動力出力軸57は前記左箱体52bの外に延出され、前記動力出力軸57は、前記左箱体52bの外部に延出されるとともに、動力出力輪571に連接される。
【0019】
図2図3図4に示す通り、前記伝動ボックス53の両側には、第1支持部品58と第2支持部品59が設けられ、より明確に言うと、前記第1支持部品58は前記右箱体52aに固定され、前記第2支持部品59は前記左箱体52bに固定され、前記第1支持部品58と第2支持部品59には、スイングアーム6が枢設される。前記スイングアーム6の前端の両側には、第1枢着部61と第2枢着部62が設けられ、前記スイングアーム6の後端には、後輪軸63によって前記後輪RWが枢設される。前記スイングアーム6の前記第1枢着部61は、前記第1支持部品58に枢着される、つまり、前記駆動軸564は前記第1枢着部61と前記第1支持部品58を突き抜けることによって、前記スイングアーム6の前記第1枢着部61と前記第1支持部品58は、前記伝動ボックス53の減速ギアユニット室53bと前記ベルト式無段変速システム室53cの間に位置する。前記第2枢着部62は、前記第2支持部品59に枢着される、つまり、前記動力出力軸57は前記第2枢着部62と前記第2支持部品59を突き抜けることによって、前記スイングアーム6の前記第2枢着部62は、前記第2支持部品59に枢着されるとともに、第2枢着部62は、前記伝動部52の動力出力輪571と前記伝動ボックス53の間に位置し、これにより、前記スイングアーム6は、前記駆動軸564の軸線中心Yを中心として上下に揺れ動くとともに、前記スイングアーム6によって前記動力出力軸57と前記軸線中心Yは同軸になり、さらに、前記スイングアーム6は前記後輪RWと並行して上下に揺れ動く。前記後輪RWには後輪駆動輪7が設けられ、前記後輪駆動輪7は、伝動部品8(ベルトまたはチェーン)によって前記動力出力軸57上の前記動力出力輪571に連接され、これにより、前記動力出力軸57上の前記動力出力輪571は、前記伝動部品8を駆動させることで前記後輪駆動輪7を連動させ、それにより、前記後輪RWを駆動させて並行して回転させることができる。さらに言及すべきこととして、前記駆動軸564は前記第1枢着部61と前記第1支持部品58を突き抜け、前記スイングアーム6の前記第1枢着部61と前記第1支持部品58は、前記伝動ボックス53の前記減速ギアユニット室53bと前記ベルト式無段変速システム室53cの間に位置し、これにより、前記動力ユニット5と前記スイングアーム6の全体構成は、より更堅固化される。
【0020】
図3図4図5に示す通り、前記伝動部52の後段と前記外蓋52cの間、つまり、前記右箱体52aと前記外蓋52cの間には、連結蓋9が設けられ、さらに述べると、前記連結蓋9は前記外蓋52c上に固定される。前記連結蓋9は、穿孔91を備え、前記穿孔91の内周縁には段差状を呈する収容部92が設けられ、前記収容部92にはダストカバー93が設けられ、前記スイングアーム6の前記第1枢着部61は、前記穿孔91内に穿設され、さらに述べると、前記ダストカバー93は、前記スイングアーム6の前記第1枢着部61の外周縁と前記穿孔91の内周縁の間に位置するとともに、前記ダストカバー93は、前記連結蓋9と前記スイングアーム6の第1枢着部61の間に位置し、前記ダストカバー93は、前記第1枢着部61と前記穿孔91の間に位置することにより、外界からの水分またはほこりが前記第1枢着部61内及び前記ベルト式無段変速システム室53c内に入るのを効果的に防ぐことができ、さらに、前記第1枢着部61のベアリングが外界からの水分またはほこりによって侵食されるのが防止され、それにより、前記スイングアーム6の揺れを確保することができるとともに、前記ベルト式無段変速システム56の作動性が確保される。
【0021】
本発明の主な効果は以下の通りである。前記自動二輪車2は動力ユニット5を備え、前記動力ユニット5の後端には、スイングアーム6が枢設される。前記動力ユニット5は、シリンダー部51と伝動部52を備え、前記伝動部52は、クランクシャフト54と、前記クランクシャフト54によって駆動されるベルト式無段変速システム56を備え、前記ベルト式無段変速システム56は、駆動輪561と、従動輪562と、前記駆動輪561及び前記従動輪562に連接されるドライブベルト563を備え、前記従動輪562の中心には、駆動軸564が設けられ、前記駆動軸564は減速ギアユニット55を駆動させることができ、前記減速ギアユニット55は動力出力軸57を駆動させることができ、前記動力出力軸57には動力出力輪571が設けられる。前記スイングアーム6は、第1枢着部61と、第2枢着部62を備えるとともに、前記スイングアーム6には後輪軸63が設けられ、前記後輪軸63には、後輪RW及び後輪駆動輪7が枢設され、前記後輪駆動輪7と前記動力出力輪571の間には、伝動部品8が設けられる。前記スイングアーム6は、前記第1枢着部61と前記第2枢着部62によって前記伝動部52に枢設され、前記駆動軸564は、前記スイングアーム6の前記第1枢着部61を突き抜け、前記スイングアーム6は、前記駆動軸564の軸線中心Yを中心として上下に揺れ動くとともに、動力出力軸57と前記軸線中心Yは、同軸である。従って、前記スイングアーム6を車体の前方に向かって移設させることができ、それにより、前記前輪FWと前記後輪RWの軸間距離を縮小することができることによって、前記自動二輪車2を小型化することができる。
【0022】
本発明の2つ目の効果は以下の通りである。前記動力出力軸57と前記駆動軸564は同軸であるとともに、前記動力出力軸57は前記スイングアーム6の前記第2枢着部62を突き抜ける。これにより、前記スイングアーム6は、前記駆動軸564の軸線中心Yを中心として確実に上下に揺れ動くとともに、前記動力出力軸57と前記軸線中心Yは同軸であることで、前記自動二輪車2を小型化することができる。
【0023】
本発明の3つ目の効果は以下の通りである。前記伝動部52における少なくとも右箱体52aと左箱体52bによって伝動ボックス53が形成され、前記伝動ボックス53には第1支持部品58が設けられ、前記スイングアーム6の前記第1枢着部61は、前記第1支持部品58に枢着される。これにより、前記スイングアーム6は、前記動力出力軸57の軸線中心Yを中心として確実に上下に揺れ動くとともに、前記軸線中心Yと前記駆動軸564は同軸とされる。
【0024】
本発明の4つ目の効果は以下の通りである。前記スイングアーム6の前記第1枢着部61と前記第1支持部品58は、前記伝動ボックス53の減速ギアユニット室53bと前記ベルト式無段変速システム室53cの間に位置する。これにより、前記動力ユニット5と前記スイングアーム6の全体構成は、より更堅固化される。
【0025】
本発明の5つ目の効果は以下の通りである。前記スイングアーム6の前記第2枢着部62は、前記第2支持部品59に枢着されるとともに、第2枢着部62は、前記伝動部52の動力出力輪571と前記伝動ボックス53の間に位置する。これにより、前記スイングアーム6は、前記駆動軸564の軸線中心Yを中心として確実に上下に揺れ動くとともに、前記動力出力軸57と前記軸線中心Yは同軸とされる。
【0026】
本発明の6つ目の効果は以下の通りである。前記伝動ボックス53の一側には、外蓋52cが蓋設されることによってベルト式無段変速システム室53cが構成され、前記ベルト式無段変速システム室53cには、前記伝動部52のベルト式無段変速システム56が設けられる。前記ベルト式無段変速システム室53cと前記第1枢着部61の間には、連結蓋9が蓋設される。前記連結蓋9は穿孔91を備えることによって、前記穿孔91には前記伝動部52の前記駆動軸564を穿設することができる。これにより、前記減速ギアユニット55と前記ベルト式無段変速システム56の作動性が確保される。
【0027】
本発明の7つ目の効果は以下の通りである。前記連結蓋9は穿孔91を備えることによって、前記穿孔91には、前記伝動部52の前記駆動軸564を穿設することができる。これにより、前記減速ギアユニット55と前記ベルト式無段変速システム56の作動性が確保される。
【0028】
本発明の8つ目の効果は以下の通りである。前記穿孔91内周縁には段差状を呈する収容部92が設けられ、前記収容部92にはダストカバー93が設けられる。これにより、外界からの水分またはほこりが前記第1枢着部61内及び前記ベルト式無段変速システム室53c内に進入するのを効果的に防ぐことができることで、前記第1枢着部61のベアリングが外界からの水分またはほこりによって侵食されるのが防止され、それにより、前記スイングアーム6の揺れを確保することができるとともに、前記ベルト式無段変速システム56の作動性が確保される。
【0029】
本発明の9つ目の効果は以下の通りである。前記連結蓋9は前記外蓋52cに固定される。これにより、外界からの水分またはほこりが前記第1枢着部61内及び前記ベルト式無段変速システム室53c内に進入するのを効果的に防ぐことができることで、前記第1枢着部61のベアリングが外界からの水分またはほこりによって侵食されるのが防止され、それにより、前記スイングアーム6の揺れを確保することができるとともに、前記ベルト式無段変速システム56の作動性が確保される。
【0030】
本発明の10つ目の効果は以下の通りである。前記ダストカバー93は、前記連結蓋9と前記スイングアーム6の第1枢着部61の間に位置する。これにより、外界からの水分またはほこりが前記第1枢着部61内及び前記ベルト式無段変速システム室53c内に進入するのを効果的に防ぐことができることで、前記第1枢着部61のベアリングが外界からの水分またはほこりによって侵食されるのが防止され、それにより、前記スイングアーム6の揺れを確保することができるとともに、前記ベルト式無段変速システム56の作動性が確保される。
【符号の説明】
【0031】
1 スクーター型自動二輪車
11 エンジンユニット
12 クランクシャフト
13 ベルト式無段変速システム
131 被駆動軸
14 減速及び離合システム
15 出力軸
151 駆動輪
16 伝動部品
17 後輪
171 推進輪
18 スイングアーム
2 自動二輪車
3 車体フレームユニット
31 ヘッドパイプ
32 ステアリング機構
33 ダウンチューブ
34 ステップボードフレーム
341 ステップボードサイドフレーム
35 サイドフレーム部
351 上昇段
352 延伸段
353 補助管
354 延設部
4 シート
5 動力ユニット
51 シリンダー部
511 シリンダーヘッドカバー
512 シリンダーヘッド
513 シリンダー本体
52 伝動部
52a 右箱体
52b 左箱体
52c 外蓋
53 伝動ボックス
53a クランクシャフト室
53b 減速ギアユニット室
53c ベルト式無段変速システム室
54 クランクシャフト
541 コネクティングロッド
542 ピストン
55 減速ギアユニット
56 ベルト式無段変速システム
561 駆動輪
562 従動輪
563 ドライブベルト
564 駆動軸
57 動力出力軸
571 動力出力輪
58 第1支持部品
59 第2支持部品
6 リアロッカーアーム
61 第1枢着部
62 第2枢着部
63 後輪軸
7 後輪駆動輪
8 電動部品
9 連結蓋
91 穿孔
92 収容部
93 ダストカバー
A フロントフォークユニット
C 置物箱
E 電機部品
FW 前輪
RW 後輪
P フットレスト
T 燃料タンク
Y 軸線中心
図1
図2
図3
図4
図5