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特許7111886電気素子を有するベース及びボイスコイルモータ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-25
(45)【発行日】2022-08-02
(54)【発明の名称】電気素子を有するベース及びボイスコイルモータ
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/50 20060101AFI20220726BHJP
   B29C 45/14 20060101ALI20220726BHJP
【FI】
H01L23/50 Y
B29C45/14
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021507054
(86)(22)【出願日】2019-06-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-02
(86)【国際出願番号】 CN2019090830
(87)【国際公開番号】W WO2020062929
(87)【国際公開日】2020-04-02
【審査請求日】2021-02-04
(31)【優先権主張番号】201811114105.4
(32)【優先日】2018-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521053455
【氏名又は名称】▲蘇▼州▲ユン▼冢▲電▼子科技股▲フン▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】莫 ▲湊▼全
【審査官】庄司 一隆
(56)【参考文献】
【文献】実開平01-080952(JP,U)
【文献】特開2001-168259(JP,A)
【文献】特開平09-092766(JP,A)
【文献】特開2000-012762(JP,A)
【文献】特開2001-110971(JP,A)
【文献】特開2015-169850(JP,A)
【文献】特開2009-025377(JP,A)
【文献】米国特許第05905301(US,A)
【文献】米国特許第06469386(US,B1)
【文献】中国特許出願公開第1290963(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第104898348(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/50
B29C 45/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子素子と、
前記電子素子に接続され、複数のブランチを含み、複数の前記ブランチの第1の端が前記電子素子の複数のピンに一対一で対応して接続される、金属回路と、
前記金属回路と前記電子素子とが接続される位置に位置し、前記金属回路の全てのブランチを一体に接続するように設けられ、前記金属回路の各前記ブランチの位置を制限する、第1のプラスチック部材であって、前記第1のプラスチック部材は、前記金属回路と一体的に射出成形される、第1のプラスチック部材と、
前記金属回路を被覆し、前記金属回路の各ブランチで前記電子素子から離れる第2の端が第2のプラスチック部材から延出する、第2のプラスチック部材であって、前記第2のプラスチック部材は、前記金属回路と一体的に射出成形される、第2のプラスチック部材と、
を備え
前記第1のプラスチック部材は、射出成形により前記金属回路と一体に成形されるときに第1の水平位置に位置し、前記電子素子は前記金属回路に接続されるときに前記第1の水平位置に位置し、前記第1のプラスチック部材と前記電子素子は、金属回路が折り曲げられることで前記第1の水平位置から第2の垂直位置に移動する、電子素子を有するベース。
【請求項2】
前記第1のプラスチック部材は、複数の位置決め部品を備え、複数の前記位置決め部品は複数の前記ブランチに一対一で対応して接続され、各前記位置決め部品は、対応する前記ブランチで前記電子素子に接続される第1の端を少なくとも3つの異なる方向に位置を制限するように構成されている請求項1に記載の電子素子を有するベース。
【請求項3】
各前記位置決め部品は、少なくとも3つのストッパを備え、異なる前記ストッパは、対応する前記ブランチにおける異なる位置に当接する請求項2に記載の電子素子を有するベース。
【請求項4】
前記金属回路は、金属基材と保護層を備え、複数の前記ブランチは前記金属基材から形成され、前記保護層は前記金属基材の外面を覆う請求項1に記載の電子素子を有するベース。
【請求項5】
前記保護層は、酸化防止層と溶接補助層を備え、前記溶接補助層は、前記酸化防止層の外側に被覆される請求項4に記載の電子素子を有するベース。
【請求項6】
前記金属回路は、プレスによりシートから成形される請求項1に記載の電子素子を有するベース。
【請求項7】
前記電子素子は、表面実装技術SMTによって前記金属回路に溶接される請求項1に記載の電子素子を有するベース。
【請求項8】
請求項1に記載の電子素子を有するベースを備え、
前記電子素子がホール素子であるボイスコイルモータ。
【請求項9】
前記第2のプラスチック部材は、前記第1のプラスチック部材と一体に成形され、少なくとも部分的に前記第1のプラスチック部材を囲む請求項に記載の電子素子を有するベース。
【請求項10】
前記第2のプラスチック部材は、少なくとも、前記第1のプラスチック部材の2つの側面と底面とを囲む請求項に記載の電子素子を有するベース。
【請求項11】
複数のブランチを有する金属回路をプレスすることと、
射出成形により金属回路に第1のプラスチック部材を一体に成形して第1の半製品を形成することと、
電子素子をそれぞれに前記第1の半製品のブランチに接続して第2の半製品を形成することと、
前記第2の半製品で射出成形により第2のプラスチック部材を一体に成形することと、
を含み、
前記第1のプラスチック部材は、射出成形により前記金属回路と一体に成形されて前記第1の半製品を形成するときに第1の水平位置に位置し、前記電子素子は前記第1の半製品で前記ブランチに接続されて第2の半製品を形成するときに前記第1の水平位置に位置し、前記第1のプラスチック部材と前記電子素子は、前記第2の半製品の前記金属回路が折り曲げられることで前記第1の水平位置から第2の垂直位置に移動することをさらに含むことを特徴とする、電子素子を有するベースの製造方法。
【請求項12】
前記第2のプラスチック部材は、前記第1のプラスチック部材と一体に成形され、少なくとも部分的に前記第1のプラスチック部材を囲むことを特徴とする請求項11に記載の電子素子を有するベースの製造方法。
【請求項13】
前記第2のプラスチック部材は、少なくとも、前記第1のプラスチック部材の2つの側面と底面とを囲むことを特徴とする請求項12に記載の電子素子を有するベースの製造方法。
【請求項14】
前記電子素子は、表面実装技術SMTによって前記金属回路の前記ブランチに溶接されることを特徴とする請求項11に記載の電子素子を有するベースの製造方法。
【請求項15】
前記第1のプラスチック部材は、複数の位置決め部品を備え、複数の前記位置決め部品は複数の前記ブランチに一対一で対応して接続され、各前記位置決め部品は、対応する前記ブランチで前記電子素子に接続される第1の端を少なくとも3つの異なる方向に位置を制限するように構成されていることを特徴とする請求項11に記載の電子素子を有するベースの製造方法。
【請求項16】
各前記位置決め部品は、少なくとも3つのストッパを備え、異なる前記ストッパは、対応する前記ブランチにおける異なる位置に当接することを特徴とする請求項15に記載の電子素子を有するベースの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は電気素子の技術分野に関し、例えば電気素子を有するベース及びボイスコイルモータに関する。
本願は2018年09月25日に中国特許庁に提出して出願番号が201811114105.4である中国特許出願を優先権として要求する。その全部の内容は援引により本願に取り込まれている。
【背景技術】
【0002】
携帯電話カメラモジュールにおけるボイスクローズループモータでホール素子を有するベースは、ホール素子、フレキシブルプリント回路基板(FPC)及びプラスチックケースを含む。ここで、ホール素子はFPCに半田で付けられ、ホール素子とFPCの全体がプラスチックケースに嵌め込まれている。上記構成のベースは、FPCの生産コストが高く、ベース全体のコストが高い。また、該ベースの生産工程において、FPCにホール素子を半田で付けると共に、ホール素子を実装したFPCをベースのプラスチックケースに組み付ける必要があり、組付工数が増加して作業効率が低下する。
【0003】
以上の問題点に基づいて、従来技術で工程の複雑、生産効率の低下及び生産コストの上昇との問題を解決することができる電子素子を有するベース及びボイスコイルモータが強く望まれている。
【0004】
本発明は、従来技術における工程が複雑で、生産効率が低く、生産コストが高い問題を解決するための電子素子を有するベース及びボイスコイルモータを提案する。
【0005】
本願は、電子素子を有するベースを提供し、該ベースは、
電子素子と、
前記電子素子に接続され、複数のブランチを含み、複数の前記ブランチの第1の端が前記電子素子の複数のピンに一対一で対応して接続される、金属回路と、
前記金属回路と前記電子素子とが接続される位置に位置し、前記金属回路の全てのブランチを一体に接続するように設けられ、前記金属回路の各前記ブランチの位置を制限する、第1のプラスチック部材と、
前記金属回路を被覆し、前記金属回路の各ブランチで前記電子素子から離れる第2の端が第2のプラスチック部材から延出する、第2のプラスチック部材と、を備える。
【0006】
一実施例において、前記第1のプラスチック部材は、位置決め部品を備え、前記位置決め部品は、各前記ブランチで前記電子素子に接続される第1の端を少なくとも3つの異なる方向に位置を制限する。
【0007】
一実施例において、各前記位置決め部品は、少なくとも3つのストッパを備え、異なる前記ストッパは、対応する前記ブランチにおける異なる位置に当接する。
【0008】
一実施例において、前記金属回路は、金属基材と保護層を備え、複数の前記ブランチは前記金属基材から形成され、前記保護層は前記金属基材の外面を覆う。
【0009】
一実施例において、前記保護層は、酸化防止層と溶接補助層を備え、前記溶接補助層は、前記酸化防止層の外側に被覆される。
【0010】
一実施例において、前記第1のプラスチック部材は、前記金属回路と一体的に射出成形される。
【0011】
一実施例において、前記第2のプラスチック部材は、前記金属回路と一体的に射出成形される。
【0012】
一実施例において、前記金属回路は、プレスによりシートから成形される。
【0013】
一実施例において、前記電子素子は、表面実装技術SMTによって前記金属回路(2)に溶接される。
【0014】
本願はボイスコイルモータを提供し、上記記載の電子素子を有するベースを備え、前記電子素子がホール素子である。
【0015】
本願で提供する電子素子を有するベースは、金属回路でFPCを代替することにより、FPCを生産する必要がなく、ベースの生産工程を簡素化し、材料コストを低減する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は本願の実施例による電子素子を有するベースの構造模式図である。
図2図2は本願の実施例による金属回路の構造模式図である。
図3図3は本願の実施例による第1のプラスチック部材と金属回路の構成模式図である。
図4図4図3のA部の部分拡大図である。
図5図5は本願の実施例による金属回路にホール素子を半田で付けた構造模式図である。
図6図6は本願の実施例による電子素子を有するベースの生産工程のフローチャートである。
図7図7は本願の実施例による複数で相互に接続される金属機材の構造模式図である。
図8図8は本願の実施例による金属回路を切断した構造模式図である。 そのうち、1、電子素子;2、金属回路;3、第1のプラスチック部材;4、第2のプラスチック部材;5、シート;21、ブランチ;31、ストッパ;51、位置決め孔。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0018】
本実施形態は、電子素子を有するベースに関する。図1から図5に示すように、該ベースは、電子素子1、金属回路2、第1のプラスチック部材3および第2のプラスチック部材4を備える。
【0019】
本実施例において、金属回路2は、電子素子1に接続されており、図2に示すように、金属回路2は、複数のブランチ21を備え、ブランチ21の第1の端は、電子素子1のピンに1対1で対応して接続されている。
【0020】
本実施例において、金属回路2は、金属基材と、保護層と、を含み、複数のブランチ21は金属基材から形成され、保護層は金属基材の外表面上に被覆される。
【0021】
ここで、金属基材は、銅やステンレス等からなり、金属基材の厚みの範囲は、0.05-0.2mmである。例えば、0.06mm、0.08mm、0.10mm、0.11mm、0.13mm、0.15mm、0.16mm、0.18mmまたは0.19mmから選択する。金属基材は板材からプレスで形成される。プレス成型の方式は簡単で生産性が高い。プレス成形による金属基材の成形の他、ワイヤーカット等の適用も可能であり、本実施例の実現の範囲内である。
【0022】
保護層は、酸化防止層と、酸化防止層の外側に被覆された溶接補助層とを含む。酸化防止層はニッケル層であり、金属回路2の酸化を防止して金属回路2の寿命を確保する。ニッケル層の形成は、電気めっきにより実現される。他の実施形態では、金属機材の保護は、具体的に状況に応じて選択され、他の耐酸化性金属をめっきすることによって達成することもできる。また、酸化防止層を形成するための表面処理方法は、他の方法を選択することもできる。
【0023】
溶接補助層は、金層、スズ層、又は金層とスズ層との結合であり、電子素子1と金属回路2とを半田で付ける際の溶接の品質を向上させるのに有利である。溶接補助層は、電気めっきにより形成されるが、酸化防止層を形成する他の表面処理方法を選択することも当然である。
【0024】
図3図4に示すように、第1のプラスチック部材3は、金属回路2と電子素子1とが接続される位置にあり、金属回路2の全てのブランチ21を一体に接続するように設けられている。第1のプラスチック部材3は、複数の位置決め部品を含み、複数の位置決め部品は、複数のブランチ21と一対一で対応して接続される。各位置決め部品は、対応するブランチ21で電子素子1に接続された第1の端に対して、少なくとも3つの異なる方向に位置を制限し、ブランチ21で電子素子1に接続された第1の端を安定に位置決めることを保証することができる。一実施例において、各位置決め部品は、少なくとも3つのストッパ31を含み、異なる前記ストッパ31は、対応するブランチ21の異なる位置に当接することにより、対応するブランチ21を少なくとも3つの異なる方向に位置を制限する。位置決め部品のストッパ31の数は、3つ以上に選択してもよく、ブランチ21の形状に応じて決定してもよく。
【0025】
金属回路2の各ブランチ21は電子素子1に接続されている。電子素子1のサイズが小さい場合に、隣接するブランチ21の間の間隔が小さく、異なるブランチ21に対応するストッパ31は共通に使用される又は一体に接続されることによって、ブランチ21を安定に支持する効果を向上させ、金属回路2の安定性を確保することができる。
【0026】
図1に示すように、第2のプラスチック部材4は金属回路2を被覆し、金属回路2のブランチ21で電子素子1から離れる第2の端が第2のプラスチック部材4から延出し、第2のプラスチック部材4は金属回路2に対して保護の機能を奏する。金属回路2のブランチ21で電子素子1から離れた第2の端は第2のプラスチック部材4の外部に位置し、外部回路との接続を実現し、電子素子1に自身の機能を実現させる。ここで、第2のプラスチック部材4の形状と構造は、使用する場合に応じて適宜に選択し、本実施形態で特に限定されない。
【0027】
本実施形態において、第1のプラスチック部材3と第2のプラスチック部材4は、いずれも金属回路2と一体に射出成形されるので、金属回路2、第1のプラスチック部材3および第2のプラスチック部材4を別々に生産する必要がなく、その後に組立工程を行う必要がなく、組立工程を簡素化し、ベースの生産効率を向上させる。
【0028】
本実施形態で電子素子を有するベースは、金属回路2でFPCを代替することにより、FPCを生産する必要がなく、ベースの生産工程を簡素化し、材料コストを低減する。同時に、金属回路2がベースの生産での安定性を保証するためには、第1のプラスチック部材3によって金属回路2の全てのブランチ21を接続し、金属回路2が複数のブランチ21間に対する接続及び補強を実現し、これにより、高品質のベースを得る。
【0029】
電子素子1と金属回路2とはSMTにより半田で付けされ、溶接効率を向上させることができる。
【0030】
本実施形態はボイスコイルモータに関し、上記で電子素子を有するベースを備え、電子素子1がホール素子である。電子素子を有するベースの生産工程が簡略化され、コストが低減されるので、ボイスコイルモータの組立工程の簡略化、ボイスコイルモータの生産効率の向上に寄与する。
【0031】
本実施形態は、さらに、電子素子を有するベースの生産プロセスに関し、図6および図7に示すように、該生産プロセスは、以下のステップを含む。
【0032】
S10、プレスによって、長尺シート5を複数で相互に接続された所定の形状の金属基材にしてリール包装する。
【0033】
従来のスポット半田で付ける方法では、電子素子1をスポット半田によってFPCに半田で付ける。このため、FPC毎に繰り返して位置決めを行う必要がある。FPCに対する繰り返して位置決めの精度は要求が高いので、実際の生産工程で毎回の位置決めの精度を十分に保証することができない。FPC自体で形状に公差が存在する。以上のことから、組立工程で生産されるベースは全体の不良率が高く、また、個々に位置決めしてから溶接するので、生産効率が低く、量産性が良くない。
【0034】
このステップS10では、相互に接続された複数の金属基材を長尺シート5でプレスすることにより、後続の複数の工程で連続生産や量産を可能とし、生産効率の向上に寄与する。このステップにおいて、図7に示すように、長尺シート5で複数の位置決め孔51もプレス成型され、その後の複数のステップで位置決め孔51に貫入する位置決めピンによってシート5を位置決めすることができ、複数の金属基材を同時に位置決めすることを実現し、1枚ずつ繰り返して位置決めの効率が低下する問題を回避する。本実施例では、位置決めピンは、各工程における成形装置に設けられている。本実施例では、プレス成形による金属基材の成形の他、ワイヤーカット等の他の成形手段を適応的に採用してもよく、本実施例の実現の範囲内である。
【0035】
本実施例では、長尺シート5は、銅やステンレスなどの材料からなる。他の実施例では、長尺シート5は、場合により他の金属または合金を選択してもよく、導電および電子素子1との溶接が可能であればよい。長尺シート5の厚さは、0.05-0.2mmの範囲であり、例えば、0.06mm、0.08mm、0.10mm、0.11mm、0.13mm、0.15mm、0.16mm、0.18mmまたは0.19mmから選択される。
【0036】
金属基材をリール包装して、次のステップで加工する際には、リールを自動引取装置や送り装置で回転駆動することができ、自動供給に有利である。
【0037】
S20、金属基材表面に酸化防止層をめっきする。
【0038】
一実施例において、ニッケルめっきによって酸化防止層を形成し、金属回路2の酸化を防止し、金属回路2の寿命を保証する。他の実施形態では、他の耐酸化性金属をめっきすることによって金属機材を保護し、具体的に状況に応じて選択される。また、酸化防止層を形成するための表面処理方法は、他の方法を選択することもできる。
【0039】
S30、酸化防止層の外に溶接補助層をめっきし、複数で連続する金属回路2を形成してリール包装を行う。
【0040】
一実施例では、酸化防止層の外に金めっき又は錫めっきを施して溶接補助層を形成し、金めっき及び錫めっきの両方を施してもよく、溶接補助の効果が良好となる。溶接補助層は、溶接プロセスに補助し、金属回路2と電子素子1との溶接の際に溶接性を向上させることができる。
【0041】
形成された金属回路2をリール包装して、次のステップで加工する際にリールを自動引き込み装置や送り装置により回転駆動することができ、自動送りを実現することに有利となる。
【0042】
S40、金属回路2で電子素子1が接続される位置に第1のプラスチック部材3を射出成形し、図3及び図4に示す第1の半製品を形成する。
【0043】
一実施例において、射出成形を行う場合、射出成形温度は、いずれも250-390℃であり、例えば、260℃、270℃、280℃、290℃、300℃、310℃、320℃、330℃、340℃、350℃、360℃、370℃、又は380℃から選択される。射出成形時間は、5-15秒(s)であり、例えば、6s、7s、8s、9s、10s、11s、12s、13s又は14sから選択することができる。
【0044】
S50、電子素子1をSMT工程により第1の半製品に溶接し、図5に示すように第2の半製品を形成する。
【0045】
一実施例では、SMTプロセスの溶接温度は、150-350℃であり、例えば、160℃、170℃、180℃、190℃、200℃、210℃、220℃、230℃、240℃、250℃、260℃、270℃、280℃、290℃、300℃、310℃、320℃、330℃、340℃、又は350℃から選択することができる。
【0046】
S60、第2の半製品の金属回路2を図8に示すように切断する。
【0047】
S70、切断された第2の半製品材の金属回路2を折り曲げる。
【0048】
一実施例では、図8に破線の箇所が破線に沿って折り曲げられる。
【0049】
S80、折り曲げた第2の半製品に第2のプラスチック部材4を射出成形し、相互に接続される複数のベースを形成する。
【0050】
射出成形温度は、それぞれ250-390℃であり、例えば、260℃、270℃、280℃、290℃、300℃、310℃、320℃、330℃、340℃、350℃、360℃、370℃または380℃から選択することができる。射出成形時間は、5-15秒であり、例えば、6s、7s、8s、9s、10s、11s、12s、13sは14sから選択することができる。
【0051】
S90、図1に示すように、相互に接続された複数のベースを切断して、個々のベースを形成し、ベースを個々に対応するボイスコイルクローズループモータに組み付けることを容易にする。
【0052】
一実施例において、このステップにおいて、長尺シート5を複数のベースに接続するテープを切断することを含み、各金属回路で異なるブランチ21を接続する接続部分を切断することを含む。本ステップで用いる切断機は、テープの切断と複数の穴数で分割する機能を有し、一度に複数の相互に接続されるベースを同時に複数のシングルのベースに切断することができ、作業効率を向上させることができる。
【符号の説明】
【0053】
1 電子素子
2 金属回路
3 第1のプラスチック部材
4 第2のプラスチック部材
5 シート
21 ブランチ
31 ストッパ
51 位置決め孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8