(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-25
(45)【発行日】2022-08-02
(54)【発明の名称】可変デューティサイクルを有する光増幅器のバーストモード通信
(51)【国際特許分類】
H04B 10/11 20130101AFI20220726BHJP
H04B 10/079 20130101ALI20220726BHJP
H04B 10/50 20130101ALI20220726BHJP
【FI】
H04B10/11
H04B10/079
H04B10/50
(21)【出願番号】P 2021532305
(86)(22)【出願日】2020-01-14
(86)【国際出願番号】 US2020013447
(87)【国際公開番号】W WO2020150196
(87)【国際公開日】2020-07-23
【審査請求日】2021-08-05
(32)【優先日】2019-08-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-01-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516326438
【氏名又は名称】エックス デベロップメント エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【氏名又は名称】佐藤 睦
(72)【発明者】
【氏名】モイション,ブルース
(72)【発明者】
【氏名】ブリンクリー,デビン
(72)【発明者】
【氏名】エルクメン,バリス
【審査官】対馬 英明
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第106788770(CN,A)
【文献】特開2015-173508(JP,A)
【文献】特開2011-239385(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 10/00-10/90
H04J 14/00-14/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光通信システムであって、
光信号を出力する光送信機であって、エルビウムドープファイバ増幅器(EDFA)を含む光送信機と、
前記光送信機に動作可能に結合された1つ以上のプロセッサと、を含み、前記1つ以上のプロセッサが、
遠隔通信システムから通信リンクの受信電力に関連する光信号データを受信し、
前記受信電力が時間間隔内に最小受信電力を下回る可能性が高いと判定し、
前記受信電力が前記時間間隔内に前記最小受信電力を下回る可能性が高いとの判定に応じて
、前記光送信機のデューティサイクルを判定し、
前記判定されたデューティサイクルを使用して前記光送信機を動作させて、前記通信リンク上で前記光信号を送信するように構成され
、
前記デューティサイクルを判定することが、
少なくとも最小オンサイクル長を有する選択された候補デューティサイクルと、
前記選択された候補デューティサイクルについての予測EDFA出力電力と、
前記候補デューティサイクルについての前記予測EDFA出力電力が前記最小受信電力を満たすとの判定と、
前記デューティサイクルが前記最小受信電力を満たすときに、前記デューティサイクルが前記候補デューティサイクルと同じ特性を有するとの判定と、に基づいて前記デューティサイクルを判定することを含む、システム。
【請求項2】
前記光信号データが、受信電力の複数の測定値を含み、
前記1つ以上のプロセッサが、前記時間間隔にわたる前記複数の測定値の特定された傾向に基づいて、前記受信電力が前記時間間隔内に前記最小受信電力を下回る可能性が高いと判定するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記光信号データが、受信電力の複数の測定値を含み、
前記1つ以上のプロセッサが、前記複数の測定値の傾向の前記時間間隔への外挿に基づいて、前記受信電力が前記時間間隔内に前記最小受信電力を下回る可能性が高いと判定するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記1つ以上のプロセッサが、前記光送信機の複数のデューティサイクルについての予測EDFA出力電力のアクセス可能なデータベースに基づいて、前記デューティサイクルを判定するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記1つ以上のプロセッサが、さらに、
前記通信リンクの受信電力に関連する更新された光信号データを受信し、
前記最小オンサイクル長および前記予測EDFA出力電力に基づいて、前記光送信機の更新されたデューティサイクルを判定し、前記更新されたデューティサイクルを使用して前記光送信機を動作させる、ように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記1つ以上のプロセッサが、さらに、
前記通信リンクの受信電力に関連する更新された光信号データを受信し、
前記受信電力が第2の時間間隔内に最大受信電力を超える可能性が高いと判定し、
前記受信電力が前記第2の時間間隔内に前記最大受信電力を超える可能性が高いと判定した後、前記最小オンサイクル長および前記予測EDFA出力電力に基づいて前記光送信機の更新されたデューティサイクルを判定し、前記更新されたデューティサイクルを使用して前記光送信機を動作させる、ように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記1つ以上のプロセッサが、前記光送信機を動作させて、前記予測EDFA出力電力のオーバーシュート中のより高いデータ送信レートと、前記予測EDFA出力電力の減衰中のより低いデータ送信レートとを達成するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
通信リンクを介して光送信機を動作させる方法であって、
1つ以上のプロセッサによって、遠隔通信システムからの通信リンクの受信電力に関連する光信号データを受信することと、
前記1つ以上のプロセッサによって、前記受信電力が時間間隔内に最小受信電力を下回る可能性があると判定することと、
前記受信電力が前記時間間隔内に前記最小受信電力を下回る可能性が高いとの判定に応じて、前記1つ以上のプロセッサが
、前記光送信機のデューティサイクルを判定することと、
前記1つ以上のプロセッサによって、前記判定されたデューティサイクルを使用して前記光送信機を動作させて、前記通信リンク上
で光信号を送信することと、を備
え、
前記デューティサイクルを判定することが、
少なくとも最小オンサイクル長を有する候補デューティサイクルを選択することと、
前記候補デューティサイクルについての予測EDFA出力電力を判定することと、
前記候補デューティサイクルについての前記予測EDFA出力電力が前記最小受信電力を満たすかどうかを判定することと、
前記デューティサイクルが前記最小受信電力を満たすとき、前記デューティサイクルが前記候補デューティサイクルと同じ特性を有すると判定することと、を含む、方法。
【請求項9】
前記光信号データが、受信電力の複数の測定値を含み、
前記受信電力が前記時間間隔内に前記最小受信電力を下回る可能性があると判定することが、前記時間間隔にわたる前記複数の測定値の傾向を特定することを含む、請求項
8に記載の方法。
【請求項10】
前記光信号データが、受信電力の複数の測定値を含み、
前記受信電力が前記時間間隔内に前記最小受信電力を下回る可能性が高いと判定することが、
前記時間間隔の前に前記複数の測定値の傾向を特定することと、
前記傾向を前記時間間隔に外挿することと、を含む、請求項
8に記載の方法。
【請求項11】
前記デューティサイクルを判定することが、前記光送信機の複数のデューティサイクルについての予測EDFA出力電力のデータベースにアクセスすることを含む、請求項
8に記載の方法。
【請求項12】
さらに、
前記1つ以上のプロセッサによって、前記通信リンクの受信電力に関連する更新された光信号データを受信することと、
前記1つ以上のプロセッサによって、前記最小オンサイクル長および前記予測EDFA出力電力に基づいて前記光送信機の更新されたデューティサイクルを判定することと、前記1つ以上のプロセッサによって、前記更新されたデューティサイクルを使用して前記光送信機を動作させることと、を含む、請求項
8に記載の方法。
【請求項13】
さらに、
前記1つ以上のプロセッサによって、前記通信リンクの受信電力に関連する更新された光信号データを受信することと、
前記1つ以上のプロセッサによって、前記受信電力が第2の時間間隔内に最大受信電力を超える可能性が高いと判定することと、
前記受信電力が前記第2の時間間隔内に前記最大受信電力を超える可能性が高いと判定した後、前記1つ以上のプロセッサが、前記最小オンサイクル長および前記予測EDFA出力電力に基づいて前記光送信機の更新されたデューティサイクルを判定することと、前記1つ以上のプロセッサによって、前記更新されたデューティサイクルを使用して前記光送信機を動作させることと、を含む、請求項
8に記載の方法。
【請求項14】
プログラムのコンピュータ可読命令が記憶されている非一時的な有形のコンピュータ可読記憶媒体であって、前記命令が、第1の通信デバイスの1つ以上のプロセッサによって実行されると、前記1つ以上のプロセッサに方法を実行させ、前記方法が、
第2の通信デバイスから通信リンクの受信電力に関連する光信号データを受信することと、
前記受信電力が時間間隔内に最小受信電力を下回る可能性が高いと判定することと、
前記受信電力が前記時間間隔内に前記最小受信電力を下回る可能性が高いとの判定に応じて
、光送信機のデューティサイクルを判定することと、
前記判定されたデューティサイクルを使用して前記光送信機を動作させて、前記通信リンク上で光信号を送信することと、を含
み、
前記デューティサイクルを決定することが、
少なくとも最小オンサイクル長を有する候補デューティサイクルを選択することと、
前記候補デューティサイクルについての予測EDFA出力電力を判定することと、
前記候補デューティサイクルについての前記予測EDFA出力電力が前記最小受信電力を満たすかどうかを判定することと、
前記デューティサイクルが前記最小受信電力を満たすとき、前記デューティサイクルが前記候補デューティサイクルと同じ特性を有すると判定することと、を含む、媒体。
【請求項15】
前記光信号データが、受信電力の複数の測定値を含み、
前記受信電力が前記時間間隔内に前記最小受信電力を下回る可能性があると判定することが、前記時間間隔にわたる前記複数の測定値の傾向を特定することを含む、請求項
14に記載の媒体。
【請求項16】
前記光信号データが、受信電力の複数の測定値を含み、
前記受信電力が前記時間間隔内に前記最小受信電力を下回る可能性が高いと判定することが、
前記時間間隔の前に前記複数の測定値の傾向を特定することと、
前記傾向を前記時間間隔に外挿することと、を含む、請求項
14に記載の媒体。
【請求項17】
前記方法が、さらに、
前記通信リンクの受信電力に関連する更新された光信号データを受信することと、
前記受信電力が第2の時間間隔内に最大受信電力を超える可能性が高いと判定することと、
前記受信電力が前記第2の時間間隔内に前記最大受信電力を超える可能性が高いと判定した後、前記最小オンサイクル長および前記予測EDFA出力電力に基づいて前記光送信機の更新されたデューティサイクルを判定することと、
前記更新されたデューティサイクルを使用して前記光送信機を動作させることと、を含む、請求項
14に記載の媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年1月16日に出願された米国仮特許出願第62/793,144号の出願日の利益を主張した、2019年8月1日に出願された米国特許出願第16/529,337号の出願日の利益を主張し、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
通信端末は、自由空間光通信(FSOC)リンクを介して光信号を送受信することができる。これを達成するために、そのような端末は、一般に、取得システムおよび追跡システムを使用して、光ビームを互いに向けることによって光リンクを確立する。例えば、送信端末は、ビーコンレーザを使用して受信端末を照射する一方で、受信端末は、位置センサを使用して送信端末の位置を特定し、ビーコンレーザを監視することができる。操舵機構は、端末を操作して、端末を互いに向けたり、捕捉が確立されるとその向きを追跡したりすることができる。光信号が正しく受信されることを確実にするために、高度なポインティング精度が必要になる場合がある。
【発明の概要】
【0003】
本開示の態様は、光通信システムを提供する。光通信システムは、光信号を出力するように構成された光送信機であって、エルビウムドープファイバ増幅器(EDFA)を含む光送信機と、を含光送信機に動作可能に結合された1つ以上のプロセッサと、を含む。1つ以上のプロセッサは、遠隔通信システムから通信リンクの受信電力に関連する光信号データを受信し、光信号データが時間間隔内に最小受信電力を下回る可能性が高いと判定し、光信号データが時間間隔内に最小受信電力を下回る可能性が高いとの判定に応じて、最小オンサイクル長および予測EDFA出力電力に基づいて光送信機のデューティサイクルを判定し、判定されたデューティサイクルを使用して光送信機を動作させて、通信リンク上で光信号を送信するように構成される。
【0004】
一例では、光信号データは、受信電力の複数の測定値を含み、1つ以上のプロセッサは、時間間隔にわたる複数の測定値の特定された傾向に基づいて、光信号データが時間間隔内に最小受信電力を下回る可能性が高いと判定するように構成される。別の例では、光信号データは、受信電力の複数の測定値を含み、1つ以上のプロセッサは、複数の測定値の傾向の時間間隔への外挿に基づいて、光信号データが時間間隔内に最小受信電力を下回る可能性が高いと判定するように構成される。さらなる例において、1つ以上のプロセッサは、少なくとも最小オンサイクル長、選択された候補デューティサイクルについての予測EDFA出力電力を有する選択された候補デューティサイクル、候補デューティサイクルについての予測EDFA出力電力が最小受信電力を満たすとの判定、デューティサイクルが最小受信電力を満たすときに、デューティサイクルが候補デューティサイクルと同じ特性を有するとの判定に基づいて、デューティサイクルを判定するように構成される。
【0005】
さらに別の例では、1つ以上のプロセッサは、光送信機の複数のデューティサイクルについての予測EDFA出力電力のアクセス可能なデータベースに基づいて、デューティサイクルを判定するように構成される。さらに別の例では、1つ以上のプロセッサはまた、通信リンクの受信電力に関連する更新された光信号データを受信し、最小オンサイクル長および予測EDFA出力電力に基づいて光送信機の更新されたデューティサイクルを判定し、更新されたデューティサイクルを使用して光送信機を動作させるように構成される。別の例では、1つ以上のプロセッサはまた、通信リンクの受信電力に関連する更新された光信号データを受信し、受信電力が第2の時間間隔内に最大受信電力を超える可能性が高いと判定し、光信号データが第2の時間間隔内に最大受信電力を超える可能性が高いと判定した後、最小オンサイクル長および予測EDFA出力電力に基づいて光送信機の更新されたデューティサイクルを判定し、更新されたデューティサイクルを使用して光送信機を動作させるように構成される。さらなる例では、1つ以上のプロセッサは、光送信機を動作させて、予測EDFA出力電力のオーバーシュート中のより高いデータ送信レートおよび予測EDFA出力電力の減衰中のより低いデータ送信レートを達成するように構成される。
【0006】
本開示の他の態様は、通信リンクを介して光送信機を動作させる方法を提供する。本方法は、1つ以上のプロセッサによって、遠隔通信システムからの通信リンクの受信電力に関連する光信号データを受信することと、1つ以上のプロセッサによって、光信号データが時間間隔内に最小受信電力を下回る可能性があると判定することと、光信号データが時間間隔内に最小受信電力を下回る可能性が高いとの判定に応じて、1つ以上のプロセッサが、最小オンサイクル長および予測EDFA出力電力に基づいて光送信機のデューティサイクルを判定することと、1つ以上のプロセッサによって、判定されたデューティサイクルを使用して光送信機を動作させて、通信リンク上で光信号を送信することと、を含む。
【0007】
一例では、光信号データは、受信電力の複数の測定値を含み、光信号が時間間隔内に最小受信電力を下回る可能性があると判定することは、時間間隔にわたる複数の測定値の傾向を特定することを含む。別の例では、光信号データは、受信電力の複数の測定値を含む。また、この例では、光信号データが時間間隔内に最小受信電力を下回る可能性があると判定することは、時間間隔の前に複数の測定値の傾向を特定することと、傾向を時間間隔に外挿すること、を含む。
【0008】
さらなる例では、デューティサイクルを判定することは、少なくとも最小オンサイクル長を有する候補デューティサイクルを選択することと、候補デューティサイクルについての予測EDFA出力電力を判定することと、候補デューティサイクルについての予測EDFA出力電力が最小受信電力を満たかどうかを判定することと、デューティサイクルが最小受信電力を満たすときに、デューティサイクルが候補デューティサイクルと同じ特性を有すると判定することと、を含む。さらに別の例では、デューティサイクルを判定することは、光送信機の複数のデューティサイクルについての予測EDFA出力電力のデータベースにアクセスすることを含む。
【0009】
さらに別の例では、本方法はまた、1つ以上のプロセッサによって、通信リンクの受信電力に関連する更新された光信号データを受信することと、1つ以上のプロセッサによって、最小オンサイクル長および予測EDFA出力電力に基づいて光送信機の更新されたデューティサイクルを判定することと、1つ以上のプロセッサによって、更新されたデューティサイクルを使用して光送信機を動作させることと、を含む。別の例では、本方法はまた、1つ以上のプロセッサによって、通信リンクの受信電力に関連する更新された光信号データを受信することと、1つ以上のプロセッサによって、受信電力が第2の時間間隔内に最大受信電力を超える可能性が高いと判定することと、光信号データが第2の時間間隔内に最大受信電力を超える可能性が高いと判定した後、1つ以上のプロセッサが、最小オンサイクル長および予測EDFA出力電力に基づいて光送信機の更新されたデューティサイクルを判定することと、1つ以上のプロセッサによって、更新されたデューティサイクルを使用して光送信機を動作させることと、を含む。
【0010】
本開示のさらなる態様は、プログラムのコンピュータ可読命令が記憶されている非一時的な有形のコンピュータ可読記憶媒体を提供する。命令は、第1の通信デバイスの1つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ以上のプロセッサに、方法を実行させる。本方法は、第2の通信デバイスから通信リンクの受信電力に関連する光信号データを受信することと、光信号データが時間間隔内に最小受信電力を下回る可能性が高いと判定することと、光信号データが時間間隔内に最小受信電力を下回る可能性が高いとの判定に応じて、最小オンサイクル長および予測EDFA出力電力に基づいて光送信機のデューティサイクルを判定することと、判定されたデューティサイクルを使用して光送信機を動作させて、通信リンク上で光信号を送信することと、を含む。
【0011】
一例では、光信号データは、受信電力の複数の測定値を含み、光信号が時間間隔内に最小受信電力を下回る可能性があると判定することは、時間間隔にわたる複数の測定値の傾向を特定することを含む。別の例では、光信号データは、受信電力の複数の測定値を含む。また、この例では、光信号データが時間間隔内に最小受信電力を下回る可能性があると判定することは、時間間隔の前に複数の測定値の傾向を特定することと、傾向を時間間隔に外挿すること、を含む。
【0012】
さらなる例では、デューティサイクルを判定することは、少なくとも最小オンサイクル長を有する候補デューティサイクルを選択することと、候補デューティサイクルについての予測EDFA出力電力を判定することと、候補デューティサイクルについての予測EDFA出力電力が最小受信電力を満たかどうかを判定することと、デューティサイクルが最小受信電力を満たすときに、デューティサイクルが候補デューティサイクルと同じ特性を有すると判定することと、を含む。さらに別の例では、本方法はまた、通信リンクの受信電力に関連する更新された光信号データを受信することと、受信電力が第2の時間間隔内に最大受信電力を超える可能性が高いと判定することと、光信号データが第2の時間間隔内に最大受信電力を超える可能性が高いと判定した後、最小オンサイクル長および予測EDFA出力電力に基づいて光送信機の更新されたデューティサイクルを判定すると、更新されたデューティサイクルを使用して光送信機を動作させることと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、本開示の態様にかかる第1の通信デバイスおよび第2の通信デバイスのブロック
図100である。
【
図2】
図2は、本開示の態様にかかる第1の通信デバイスおよび第2の通信デバイスの構成要素の絵図である。
【
図3】
図3は、本開示の態様にかかるネットワーク300の絵図である。
【
図5】
図5は、本開示の態様にかかる通信デバイスの挙動を示すグラフ500である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
概要
この技術は、平均電力制限性能用に設計されたエルビウム添加ファイバ増幅器(EDFA)などの光増幅器を使用した光通信のバーストモードに関し、したがって、特定の入力電力についてのEDFAの「電源オン」時間が短縮されると、EDFAのピーク出力電力が増加する。EDFAのこの特徴が利用されて、チャネルの減衰または乱れが増加するときに通信リンクを維持することができる。換言すれば、オンオフキーイング通信リンクの平均データレートは、通信リンクを介してピーク送信電力を増加させて、ピーク電力間隔中に通信リンクを維持するために減少されることができる。EDFAの代わりに、他の希土類ドーパントまたは半導体光増幅器(SOA)を用いたものなど、他の光増幅技術が使用されてもよい。
【0015】
上述した特徴は、大きな減衰でも正のスループットを維持する通信リンクを提供するために採用され、したがって、他の構成よりも一貫して利用可能である。これらの特徴は、EDFAの既存の特性を利用して、光通信リンクの平均光パワーの制約内で、必要に応じてピーク出力電力を増減する。通信リンクは、より高い利用可能性とより大きなデータスループットとを有することができる。この機能は、リンクを介した高優先度データの送信、トラフィックの制御、または情報の追跡にさらに利用されることができる。
【0016】
例示的なシステム
図1は、例えば自由空間光通信(FSOC)システムなどのシステムの一部として、第2の通信端末の第2の通信デバイス122と1つ以上のリンクを形成するように構成された第1の通信端末の第1の通信デバイス102のブロック
図100である。例えば、第1の通信デバイス102は、構成要素として、1つ以上のプロセッサ104、メモリ106、送信機112、受信機114、操舵機構116、および1つ以上のセンサ118を含む。第1の通信デバイス102は、
図1に示されていない他の構成要素を含むことができる。
【0017】
1つ以上のプロセッサ104は、市販されているCPUなど任意の従来のプロセッサとすることができる。代替的に、1つ以上のプロセッサは、特定用途向け集積回路(ASIC)またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などの他のハードウェアベースプロセッサなどの専用装置であってもよい。
図1は、1つ以上のプロセッサ104およびメモリ106を同じブロック内にあるものとして機能的に示しているが、1つ以上のプロセッサ104およびメモリ106は、実際には、同じ物理的ハウジング内に格納されても格納されなくてもよい複数のプロセッサおよびメモリを備えてもよいことが理解されるであろう。したがって、プロセッサまたはコンピュータへの言及は、並行して動作しても動作しなくてもよいプロセッサまたはコンピュータまたはメモリの集合体への言及を含むことが理解されるであろう。
【0018】
メモリ106は、1つ以上のプロセッサ104によって実行されることができるデータ108および命令110を含む、1つ以上のプロセッサ104によってアクセス可能な情報を記憶することができる。メモリは、ハードドライブ、メモリカード、ROM、RAM、DVD、または他の光ディスクなどのコンピュータ可読媒体、ならびに他の書き込み可能および読み取り専用メモリを含む、プロセッサによってアクセス可能な情報を記憶することができる任意の種類のメモリとすることができる。システムおよび方法は、上記の様々な組み合わせを含んでもよく、それによって、データ108および命令110の様々な部分が、様々な種類の媒体に記憶される。メモリ106などの各通信デバイスのメモリには、信号を追跡するために判定された1つ以上のオフセットなどの較正情報が記憶されてもよい。
【0019】
データ108は、命令110にしたがって、1つ以上のプロセッサ104によって取得、記憶、または変更されてもよい。例えば、本技術は、いかなる特定のデータ構造にも限定されないが、データ108は、コンピュータレジスタ内で、複数の異なるフィールドおよびレコードを有する表、XMLドキュメント、またはフラットファイルとしてリレーショナルデータベース内に記憶されてもよい。
【0020】
命令110は、1つ以上のプロセッサ104によって直接的に(マシンコードなど)または間接的に(スクリプトなど)実行される任意の命令の組であってもよい。例えば、命令110は、コンピュータ可読媒体上にコンピュータコードとして記憶されてもよい。その点において、「命令」および「プログラム」という用語は、本明細書では、区別なく使用されることができる。命令110は、1つ以上のプロセッサ104による直接処理のためにオブジェクトコード形式で記憶されてもよく、もしくは要求に応じて解釈されるか、または事前にコンパイルされる独立したソースコードモジュールのスクリプトまたはコレクションを含む、任意の他のコンピュータ言語で記憶されてもよい。命令110の機能、方法、およびルーチンは、以下にさらに詳細に説明される。
【0021】
1つ以上のプロセッサ104は、送信機112および受信機114と通信する。送信機112および受信機114は、第1の通信デバイス102における送受信機配置の一部であってもよい。したがって、1つ以上のプロセッサ104は、送信機112を介して、信号でデータを送信するように構成されてもよく、また、受信機114を介して、信号で通信およびデータを受信するように構成されてもよい。受信信号は、1つ以上のプロセッサ104によって処理されて、通信およびデータを抽出してもよい。
【0022】
送信機112は、光送信機、増幅器、および減衰器を含むことができる。
図2に示すように、送信機112は、出力信号に一定の量の帯域幅を提供するように構成されたシードレーザ202、出力信号の振幅を増加させるように構成されたEDFA204、および出力信号の振幅を低減するように構成されたシングルモード可変光減衰器(SMVOA)206を含む。示されているもの以外の構成要素の他の組み合わせが送信機112に利用されてもよい。さらに、
図1に示すように、送信機112は、1つの通信デバイスが別の通信デバイスの位置を特定することを可能にするビーコンビーム20、および通信リンク22を介した通信信号を出力するように構成されてもよい。したがって、送信機112からの出力信号は、ビーコンビーム20、通信信号、またはその双方を含むことができる。通信信号は、例えば、無線周波数信号または光信号など、自由空間を伝わるように構成された信号とすることができる。場合によっては、送信機は、ビーコンビームを送信するように構成された別個のビーコン送信機と、光通信ビームを送信するように構成された1つ以上の通信リンク送信機とを含む。あるいは、送信機112は、ビーコンビームおよび通信信号の双方を出力するように構成された1つの送信機を含んでもよい。ビーコンビーム20は、通信リンク22において使用される光通信ビームよりも大きな立体角を空間に照射することができ、ビーコンビームを受信する通信デバイスがビーコンビームをより適切に位置特定することを可能にする。例えば、ビーコン信号を搬送するビーコンビームは、約1平方ミリラジアンの角度領域をカバーすることができ、通信信号を搬送する光通信ビームは、1平方ミリラジアンの約100分の1の角度領域をカバーすることができる。
【0023】
図1に示すように、第1の通信デバイス102の送信機112は、ビーコンビーム20aを出力して、ビーコンビーム20aを受信する第2の通信デバイス122との通信リンク22aを確立するように構成される。第1の通信デバイス102は、ビーコンビーム20aより狭いも立体角を有し且つ通信信号24を搬送する光通信ビーム(図示せず)と同一直線上にビーコンビーム20aを位置合わせすることができる。したがって、第2の通信デバイス122がビーコンビーム20aを受信すると、第2の通信デバイス122は、第1の通信デバイス102との見通し内リンクを確立するか、または第1の通信デバイスと位置合わせすることができる。その結果、第1の通信デバイス102から第2の通信デバイス122への光通信ビーム(図示せず)の送信を可能にする通信リンク22aが確立されることができる。
【0024】
受信機114は、光信号を検出するように構成された追跡システムを含む。
図2に示すように、光通信システムの受信機114は、受信信号の振幅を調整するように構成されたマルチモード可変光減衰器208、感光性検出器210、および/またはフォトダイオード212を含むことができる。示されているもの以外の構成要素の他の組み合わせが受信機114に利用されてもよい。受信機114は、感光性検出器210を使用して、信号位置を検出し、光電効果を使用して受信した光信号を電気信号に変換することができる。受信機114は、受信した光信号を追跡することができ、これは、シンチレーションおよび/またはプラットフォームの動きによる外乱に対抗するように操舵機構116に指示するために使用されることができる。
【0025】
図1に戻ると、1つ以上のプロセッサ104は、送信機112、受信機114、および/または光信号の指向方向を調整するために、操舵機構116と通信する。操舵機構116は、通信デバイスに対して送信機112および/または受信機114を動かすように構成された固定レンズおよび/またはジンバルを通して光信号を操縦する1つ以上のミラーを含むことができる。特に、操舵機構116は、MEMS2軸ミラー、2軸ボイスコイルミラー、またはピエゾ電子2軸ミラーとすることができる。操舵機構116は、送信機、受信機、および/または光信号を、例えば、ヨーおよびピッチなどの少なくとも2つの自由度で操舵するように構成されることができる。指示方向の調整は、第1の通信デバイス102と第2の通信デバイス122との間の通信リンク22などの通信リンクを取得するために行うことができる。通信リンクの検索を実行するために、1つ以上のプロセッサ104は、操舵機構116を使用して、通信リンクが取得されるまで一連の変化する方向に送信機112および/または受信機114を向けるように構成されることができる。さらに、調整は、送信機112からの光の送信および/または受信機114における光の受信を最適化することができる。
【0026】
1つ以上のプロセッサ104はまた、1つ以上のセンサ118とも通信する。1つ以上のセンサ118または推定器は、第1の通信デバイス102の状態を監視するように構成されることができる。1つ以上のセンサは、慣性計測ユニット(IMU)、エンコーダ、加速度計、またはジャイロスコープを含むことができ、姿勢、角度、速度、トルク、および他の力のうちの1つ以上を測定するように構成された1つ以上のセンサを含むことができる。さらに、1つ以上のセンサ118は、例えば、温度、風、放射、降水、湿度などの1つ以上の環境条件を測定するように構成された1つ以上のセンサを含むことができる。これに関して、1つ以上のセンサ118は、温度計、気圧計、湿度計などを含むことができる。1つ以上のセンサ118は、
図1では、第1の通信デバイス102の他の構成要素と同じブロック内にあるように示されているが、いくつかの実装形態では、1つ以上のセンサのうちのいくつかまたは全ては、第1の通信デバイス102とは別個で離れていてもよい。
【0027】
第2の通信デバイス122は、1つ以上のプロセッサ124、メモリ126、送信機132、受信機134、操舵機構136、および1つ以上のセンサ138を含む。1つ以上のプロセッサ124は、上述した1つ以上のプロセッサ104と同様とすることができる。メモリ126は、1つ以上のプロセッサ124によって実行されることができるデータ128および命令130を含む、1つ以上のプロセッサ124によってアクセス可能な情報を記憶することができる。メモリ126、データ128、および命令130は、上述したメモリ106、データ108、および命令110と同様に構成されてもよい。さらに、第2の通信デバイス122の送信機132、受信機134、および操舵機構136は、上述した送信機112、受信機114、および操舵機構116と同様であってもよい。
【0028】
送信機112と同様に、送信機132は、光送信機、増幅器、および減衰器を含むことができる。
図2に示すように、送信機132は、出力信号に一定の量の帯域幅を提供するように構成されたシードレーザ222、出力信号の振幅を増加させるように構成されたEDFA224、および出力信号の振幅を減少させるように構成されたSMVOA226を含む。示されているもの以外の構成要素の他の組み合わせが送信機132に利用されてもよい。さらに、
図1に示されるように、送信機132は、光通信ビームおよびビーコンビームの双方を出力するように構成されることができる。例えば、第2の通信デバイス122の送信機132は、ビーコンビーム20bを出力して、ビーコンビーム20bを受信する第1の通信デバイス102との通信リンク22bを確立することができる。第2の通信デバイス122は、ビーコンビーム20bを、ビーコンビームよりも狭い立体角を有し、別の通信信号を搬送する光通信ビーム(図示せず)と同一直線上に位置合わせすることができる。したがって、第1の通信デバイス102がビーコンビーム20aを受信すると、第1の通信デバイス102は、第2の通信デバイス122との見通しを確立するか、さもなければ第2の通信デバイスと位置合わせすることができる。その結果、第2の通信デバイス122から第1の通信デバイス102への光通信ビーム(図示せず)の送信を可能にする通信リンク22bが確立されることができる。
【0029】
受信機114と同様に、受信機134は、受信機114に関して上述したように、光信号を検出するように構成された追跡システムを含む。
図2に示すように、光通信システムの受信機114は、受信信号の振幅を調整するように構成されたマルチモード可変光減衰器228、感光性検出器230、および/またはフォトダイオード232を含むことができる。示されているもの以外の構成要素の他の組み合わせが受信機134に利用されてもよい。第1の通信デバイス102に描かれているものと同様の他の構成要素も、第2の通信デバイス122に含まれていてもよい。受信機134は、感光性検出器230を使用して、信号位置を検出し、光電効果を使用して受信した光信号を電気信号に変換することができる。受信機134は、受信した光信号を追跡することができ、これは、シンチレーションおよび/またはプラットフォームの動きによる外乱に対抗するように操舵機構136に指示するために使用されることができる。
【0030】
図1に戻ると、1つ以上のプロセッサ124は、操舵機構116に関して上述したように、送信機132、受信機134、および/または光信号の指向方向を調整するために、操舵機構136と通信する。指示方向の調整は、第1の通信デバイス102と第2の通信デバイス122との間に、通信リンク22などのリンクの取得および接続を確立するために行うことができる。さらに、1つ以上のプロセッサ124は、1つ以上のセンサ118に関して上述したように、1つ以上のセンサ138と通信する。1つ以上のセンサ138は、1つ以上のセンサ118が第1の通信デバイス102の状態を監視するように構成されるのと同じまたは同様の方法で、第2の通信デバイス122の状態を監視するように構成されることができる。
【0031】
図1に示すように、通信リンク22aおよび22bは、第1および第2の通信デバイスの送信機および受信機が位置合わせされるとき、またはリンクされた指示方向にあるとき、第1の通信デバイス102と第2の通信デバイス122との間に形成されることができる。通信リンク22aを使用して、1つ以上のプロセッサ104は、通信信号を第2の通信デバイス122に送信することができる。通信リンク22bを使用して、1つ以上のプロセッサ124は、通信信号を第1の通信デバイス102に送信することができる。いくつかの例では、第1の通信デバイス102と第2の通信デバイス122との間に1つの通信リンク22を確立するだけで十分であり、これにより2つのデバイス間のデータの双方向伝送が可能になる。これらの例における通信リンク22は、FSOCリンクである。他の実装形態では、通信リンク22のうちの1つ以上は、無線周波数通信リンクまたは自由空間を通って移動することができる他のタイプの通信リンクであってもよい。
【0032】
図3に示されるように、第1の通信デバイス102および第2の通信デバイス122などの複数の通信デバイスは、複数の通信端末間に複数の通信リンク(矢印として示される)を形成し、それによってネットワーク300を形成するように構成されることができる。ネットワーク300は、クライアントデバイス310および312、サーバデバイス314、および通信デバイス102、122、320、322、および324を含むことができる。クライアントデバイス310、312、サーバデバイス314、および通信デバイス320、322、および324のそれぞれは、1つ以上のプロセッサ、メモリ、送信機、受信機、および上述のものと同様の操舵機構を含むことができる。送信機および受信機を使用して、ネットワーク300内の各通信デバイスは、矢印で示すように、別の通信デバイスとの少なくとも1つの通信リンクを形成することができる。通信リンクは、光周波数、無線周波数、他の周波数、または異なる周波数帯域の組み合わせに対するものとすることができる。
図3では、クライアントデバイス310および通信デバイス122、320、および322との通信リンクを有する通信デバイス102が示されている。通信デバイス122は、通信デバイス102、320、322、および324との通信リンクを有するように示されている。
【0033】
図3に示すネットワーク300は、単なる例示であり、いくつかの実装形態では、ネットワーク300は、追加のまたは異なる通信端末を含んでもよい。ネットワーク300は、複数の通信デバイスが複数の地上通信端末上にある地上ネットワークであってもよい。他の実装形態では、ネットワーク300は、気球、小型飛行船、または他の飛行船、飛行機、無人航空機(UAV)、衛星、または任意の他の形態の高高度プラットフォームとすることができる1つ以上の高高度プラットフォーム(HAP)、または他のタイプの移動可能もしくは固定通信端末を含むことができる。いくつかの実装形態では、ネットワーク300は、携帯電話、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ウェアラブルデバイス、またはタブレットコンピュータなどのクライアントデバイス用のアクセスネットワークとして機能することができる。ネットワーク300はまた、インターネットなどのより大きなネットワークに接続されることができ、より大きなコンピュータネットワーク上に記憶された、またはより大きなコンピュータネットワークを介して提供されるリソースへのアクセスをクライアントデバイスに提供するように構成されることができる。
【0034】
例示的な方法
接続されている間、第1の通信デバイス102の1つ以上のプロセッサ104は、以下に説明するように、第2の通信デバイス122との通信リンク22の送信光信号を調整することができる。いくつかの実装形態では、第2の通信デバイス122の1つ以上のプロセッサ124はまた、1つ以上のプロセッサ104から独立して、送信された光信号を同じまたは同様の方法で調整するように構成されてもよい。
図4では、1つ以上のプロセッサ104および/または1つ以上のプロセッサ124によって実行されることができる本開示の態様にかかるフロー
図400が示されている。
図4は、特定の順序でブロックを示しているが、順序は変更されてもよく、その複数の動作が同時に実行されてもよい。また、動作が追加または省略されてもよい。
【0035】
ブロック402において、第1の通信デバイスの1つ以上のプロセッサ104は、第2の通信デバイス122からの通信リンク22の受信電力に関連する光信号データを受信する。信号データは、相対受信信号強度インジケータ(RSSI)、ビット誤り率、符号語誤り率、フレーム誤り率、またはチャネル状態に相関する他のタイプの測定値を含むことができる。いくつかの実装形態では、1つ以上のプロセッサ104は、RSSIなどの受信した光信号データからデータを導出することができる。信号データは、第2の通信デバイスから光信号、RF信号などを介して受信することができる。命令は、継続的に、または0.1秒またはそれ以上またはそれ以下の秒毎などの定期的な間隔で受信されることができる。信号データは、第1の通信デバイスのメモリ106に記憶されてもよい。
【0036】
ブロック404において、1つ以上のプロセッサ104は、光信号データが時間間隔内に最小受信電力を下回る可能性があるかどうかを判定する。最小受信電力は、第2の通信デバイス122の受信機134に必要な電力量、または第1の通信デバイス102および第2の通信デバイス122の環境に存在する電力量など、通信リンクが必要とする量であってもよい。1つ以上のプロセッサ104は、1ミリ秒、1秒、5分、1時間、またはそれ以上またはそれ以下などの設定時間間隔にわたって受信電力を追跡して、設定時間間隔にわたる受信電力の傾向を特定することができる。傾向は、例えば、設定された時間枠における平均的な変化とすることができる。受信電力が次の時間間隔内に最小受信電力閾値を下回るかどうかを予測するために、次の時間間隔にわたって傾向を外挿することができる。
【0037】
ブロック406において、光信号データが設定された時間間隔内に最小受信電力を下回る可能性が高いと判定された場合、1つ以上のプロセッサ104は、最小オンサイクル長および予測EDFA出力電力に基づいて第1の通信デバイス102の送信機112のデューティサイクルを判定するように構成される。デューティサイクルのバーストサイクルは、第1の通信デバイス102の送信機112が1回オンおよびオフになる期間として定義されることができる。換言すれば、バーストサイクルは、1つのオンサイクルおよび1つのオフサイクルを含む。オンサイクルは、送信機112が光信号を送信している期間のバーストサイクルのパーセンテージとして定義されることができる。同様に、オフサイクルは、送信機112がオフで信号を送信していない期間のバーストサイクルのパーセンテージとして定義されることができる。送信機112のデューティサイクルとして判定されるために、候補デューティサイクルは、最小オンサイクル長および予測EDFA出力電力についての1つ以上の要件を満たすために必要とされることができる。
【0038】
デューティサイクルの判定は、少なくとも最小オンサイクル長を有する候補デューティサイクルの選択を含む。最小オンサイクル長は、第2の通信デバイス122の受信機134が信号を取得し、遠隔光通信システムのクロックを同期するのに必要な平均時間に応じて事前に判定されることができる。例えば、平均時間は、数百マイクロ秒以上またはそれ以下とすることができる。追加的にまたは代替的に、最小オンサイクル長は、信号に必要な最小パケットサイズまたは各オンサイクルの最小ビット数にしたがって事前に判定されることができる。
【0039】
デューティサイクルを判定することは、候補デューティサイクルについての予測EDFA出力電力を判定することをさらに含む。EDFAの予測出力電力は、EDFAの既知の挙動を説明するアルゴリズムを使用して、機械学習を使用して、または複数のデューティサイクルについてのEDFA予測出力電力のデータベースを使用して判定されることができる。
【0040】
アルゴリズムの場合、EDFAの既知の動作は、(i)EDFAが平均電力制限されているため、オンサイクル長が短くなるにつれて出力電力が増加すること、(ii)出力電力の初期オーバーシュート、(iii)オンサイクル中の出力電力の減衰、および(iv)ノイズレベルを含む。
図5は、第1の候補デューティサイクル502、第2の候補デューティサイクル504、第3の候補デューティサイクル506、および第4の候補デューティサイクル508についての予測EDFA出力電力の例を示している。各候補デューティサイクルは、同じ周波数および同じ入力電力を有する入力信号用である。第1の候補デューティサイクル502は、10マイクロ秒の期間と40%のオンサイクルを有する。第2の候補デューティサイクル504は、10マイクロ秒の期間と30%のオンサイクルを有する。第3の候補506のデューティサイクルは、10マイクロ秒の期間と20%のオンサイクルを有する。第4の候補デューティサイクル508は、10マイクロ秒の周期と10%のオンサイクルを有する。
図5に示すように、出力電力の平均振幅は、オンサイクル長が短くなるにつれて増加し、第1の候補502で約0.3W、第2の候補504で約0.5W、第3の候補506で約1W、および第4の候補508で約1.8Wである。また、
図5の各候補について、各オンサイクルの開始時間510でのピークと、開始時間510からそれぞれの終了時間512、514、516、および518までのグラフの段階的な負の勾配によって示されるように、電力の初期オーバーシュートがあり、その後に徐々に減衰する。自然放出光の増幅による電力変動などの高周波ノイズもまた、予測EDFA出力電力に含まれることができる。
【0041】
候補デューティサイクルが満たす必要のある予測EDFA出力電力に対する1つ以上の要件は、最小受信電力および/または最大受信誤り率を含むことができる。ここで、デューティサイクルを判定することは、候補デューティサイクルについての予測EDFA出力電力が最小受信電力および/または最大誤り率を満たすかどうかを判定することを含む。1つ以上のプロセッサは、次の時間間隔の終わりに外挿された受信電力と最小受信電力との間の差分値を判定することができる。別の実装形態では、1つ以上のプロセッサは、次の時間間隔の終わりに外挿された誤り率と最大誤り率との差分値を判定することができる。予測EDFA出力電力が少なくとも差分値だけ出力電力を増加させる場合、1つ以上のプロセッサ104は、予測EDFA出力電力が最小受信電力を満たすと判定することができる。
【0042】
いくつかの例では、候補デューティサイクルが満たす必要のある予測EDFA出力電力についての1つ以上の要件は、出力電力の最大初期オーバーシュートを含むことができる。この例でデューティサイクルを判定することは、候補デューティサイクルについての予測EDFA出力電力が出力電力の最大初期オーバーシュートを超えないことを判定することを含む。最大初期オーバーシュートは、第2の通信デバイス122の受信機134の許容可能な電力レベルの範囲、または受信機134に損傷を与える可能性のある量に基づいて判定されることができる。デューティサイクルの最小オンサイクルパーセンテージは、最大初期オーバーシュートに基づいて判定されることができる。この例では、候補デューティサイクルが上述した他の要件に加えて最大初期オーバーシュートも満たす場合、デューティサイクルは、候補デューティサイクルの特性を有すると判定される。
【0043】
1つ以上の要件はまた、必要に応じてデータスループットの最大化も含むことができる。この例でのデューティサイクルの判定は、候補デューティサイクルがデータスループットを最大化することを判定することを含む。最大データスループットのこの判定は、通信リンク22の利用データ、通信リンク22の動作情報、通信リンク22のチャネル容量(誤りのない非冗長ビットの数)、または通信リンク22の他の特徴に基づくことができる。
【0044】
ブロック408において、1つ以上のプロセッサ104は、判定されたデューティサイクルを使用して送信機112を動作させるように構成される。送信機112の動作は、オンサイクル期間中にシードレーザをオンにし、オフサイクル期間中にシードレーザをオフにすることを含む。さらに、送信機を動作させることはまた、予測された初期オーバーシュートおよび予測された減衰率を含む、EDFAの予測出力電力に基づいてデータ送信レートを調整することも含むことができる。データ送信レートは、予測された初期オーバーシュート中により高いレートで始まり、出力電力の減衰率に比例して減衰することができる。
【0045】
ブロック402、404、406、および408を含む、送信された光信号を調整するプロセスは、連続的にまたは間隔をおいて繰り返されてもよい。間隔は、例えば、ミリ秒の時間スケールとすることができる。あるいは、第2の通信デバイス122の1つ以上のプロセッサ124は、第1の通信デバイス102または別の遠隔通信デバイスから受信した受信電力に関連する光信号データにしたがって、ブロック402、404、406、および408に示すステップを実行することができる。
【0046】
代替の実装形態では、デューティサイクルを判定することは、光送信機のオンサイクルを10%などの増分ステップで減少させることを含む。この判定されたデューティサイクルは、光送信機を使用して実装されることができ、更新された受信電力が受信されることができる。更新された受信電力が最小受信電力を下回る場合、デューティサイクルは、増分ステップによって再び減少されることができる。更新された受信電力が最小受信電力と同じかそれを上回る場合、それ以上の変更は行われない。
【0047】
本方法は、受信電力の正の傾向を特定し、受信電力を減少させるためにデューティサイクルを増加させることにより、受信電力が第2の時間間隔内に最大受信電力を超える可能性が高いことを判定することをさらに含むことができる。最大受信電力は、第2の通信デバイス122の受信機134の許容可能な電力レベルの範囲、または受信機134に損傷を与える可能性のある量とすることができる。
【0048】
特段の記述がない限り、前述の代替的な例は、相互に排他的ではないが、独自の有益点を達成するために様々な組み合わせで実施されることができる。上で考察される特徴のこれらおよび他の変形および組み合わせは、特許請求の範囲によって定義される主題から逸脱することなく利用することができるため、実施形態の前述の説明は、特許請求の範囲によって定義される主題の限定としてではなく、例示としてみなされるべきである。さらに、本明細書に記載された実施例、ならびに「など」、「含む」などと表現された語句の提供は、特許請求の範囲の主題を特定の実施例に限定するものと解釈されるべきではなく、むしろ、実施例は、多くの可能な実施形態のうちの1つのみを例示することが意図される。さらに、異なる図面中の同じ参照符号は、同じまたは類似の要素を特定することができる。